JP2022114064A - 加熱調理器 - Google Patents

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【課題】 製造工程の組立性や作業効率を改善し、部品製造コストや部品管理コストも低減できる加熱調理器を提供する。【解決手段】 被加熱物を収納する加熱室と、加熱室に隣接した機械室と、本体の後面を構成し、機械室に面した吸気ルーバーを有した後板と、本体の両側面と天面を構成し、機械室に面した排気ルーバーを有したキャビネットと、本体の底面を構成する底板と、を備えた加熱調理器であって、機械室には、マイクロ波を照射するマグネトロンと、マグネトロンに電力を供給する電源と、マグネトロンと電源に冷却風を送風するファン装置と、加熱室と機械室の間に配置した金属製の遮熱板と、ファン装置からの冷却風をマグネトロンと電源に導く樹脂製の基板ケースと、を設け、機械室をファン装置のファン外周の上下で吸気ルーバー側と排気ルーバー側に仕切るダクト上板とダクト下板を、遮熱板と一体構成の部品としたことを特徴とする加熱調理器。【選択図】 図3

Description

本発明は、電気部品を冷却するファン装置を備えた加熱調理器に関する。
従来の加熱調理器には、本体外部から吸引した低温空気を冷却が必要な電気部品(マグネトロン、電源、制御部等)に送風して冷却するものがある。例えば、特許文献1の第2実施例(図5、図6)には、冷却ファン装置28から送風される冷却風がマグネトロン26やインバータ装置27等の冷却が必要な電気部品に集中するように、マグネトロン26の側面にファン34の近傍まで延びる整風板38を固定した加熱調理器が示されている。
特開2003-7448号公報
しかし、特許文献1の加熱調理器の製造時には、整風板38をマグネトロン26の側面に取り付ける工程が必要であるため組立性や製造コストの面で不利であり、また、冷却風を電気部品に導くだけの単機能の整風板38を用意しなければならないため、部品製造コストや部品管理コストの面でも不利であった。
そこで、本発明では、冷却風を電気部品に集中させる部品として、遮熱板と一体の構成にしたダクト板を用いることで、ダクト板の取付工程を省略して製造工程の組立性や作業効率を改善し、部品製造コストや部品管理コストも低減できる加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本体の内部に設けられ、被加熱物を収納する加熱室と、前記本体の内部に設けられ、前記加熱室に隣接した機械室と、前記本体の後面を構成し、前記機械室に面した吸気ルーバーを有した後板と、前記本体の両側面と天面を構成し、前記機械室に面した排気ルーバーを有したキャビネットと、前記本体の底面を構成する底板と、を備えた加熱調理器であって、前記機械室には、マイクロ波を照射するマグネトロンと、該マグネトロンに電力を供給する電源と、前記マグネトロンと前記電源に冷却風を送風するファン装置と、前記加熱室と前記機械室の間に配置した金属製の遮熱板と、前記ファン装置からの冷却風を前記マグネトロンと前記電源に導く樹脂製の基板ケースと、を設け、前記機械室を前記ファン装置のファン外周の上下で吸気ルーバー側と排気ルーバー側に仕切るダクト上板とダクト下板を、前記遮熱板と一体構成の部品とした。
本発明の加熱調理器によれば、冷却風を電気部品に集中させる部品として、遮熱板と一体の構成にしたダクト板を用いることで、ダクト板の取付工程を省略して製造工程の組立性や作業効率を改善し、部品製造コストや部品管理コストも低減することができる。
一実施例の加熱調理器を前方から見た斜視図。 一実施例の加熱調理器を後方から見た斜視図。 図1の加熱調理器のドアとキャビネットを外した状態を示す斜視図。 ファン装置前後の冷却風流路を示す断面図。 一体構成にした遮熱板とダクトの斜視図。 基板ケースの斜視図。 基板ケースの斜視図。
以下、加熱室10に入れた食品(以下「被加熱物」と称する)をマグネトロンやヒータ等を使用して加熱調理する、本発明の加熱調理器100の具体的内容について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<加熱調理器100の概略構造>
まず、図1から図3を用いて、本実施例の加熱調理器100の概略構造を説明する。
図1は、加熱調理器100を前方から見た斜視図である。ここに示すように、加熱調理器100の本体1の前面には下辺を軸にして開閉可能なドア2が設けられており、ドア2を開状態にすることで加熱室10に対し被加熱物を出し入れすることができる。また、ドア2を閉状態にすることで加熱室10を密閉状態にでき、被加熱物の調理時に発生するマイクロ波の漏洩を防止したり、熱を封じ込めたりすることができる。
本体1の両側面と上面は金属製のキャビネット3で覆われている。そして、キャビネット3の右面後部には複数の開口部からなる横吸気ルーバー3aが設けられており、キャビネット3の右面前部には複数の開口部からなる横排気ルーバー3bが設けられている。また、本体1の前面右側には操作パネル4が設けられている。使用者は、この操作パネル4を用いて、加熱条件を設定したり、調理を開始させたりすることができる。
図2は、加熱調理器100を後方から見た斜視図である。ここに示すように、本体1の後面は金属製の後板5で覆われている。後板5の上部には排気口5aが設けられており、後板5の右側上下には後吸気ルーバー5bが設けられており、後板5の右側中央には吸気孔群5cが設けられている。また、本体1の下面は金属製の底板6で覆われている。
図3は、図1の加熱調理器100のドア2とキャビネット3を外した状態を示す斜視図である。ここに示すように、ドア2の後方に加熱室10が設けられており、加熱室10の右側に機械室11が設けられている。加熱室10の上面裏側にはグリルヒータ10aが設けられており、グリルヒータ10aの使用時に加熱室10の上面が放射する輻射熱によって被加熱物を加熱することができる。加熱室10と機械室11の間には、金属製の遮熱板12が設けられており、グリルヒータ10aの使用中の加熱室10から機械室11への熱漏洩を抑制する。なお、加熱室10内で発生した蒸気や煙は、図2に示した後板5の排気口5aから排出される。
機械室11の中央には、マイクロ波を放射して加熱室10内の被加熱物を加熱するためのマグネトロン11a、マグネトロン11aに電力を供給するための電源11b、および、マグネトロン11aと電源11bを収納した樹脂製の基板ケース11cが配置される。また、機械室11の後側には、ファン装置13が配置される。このファン装置13は、マイクロ波加熱中に発熱するマグネトロン11aや電源11bに冷却風を送風するものであり、送風用のファン13aと、ファン13aを回転させるモータ等を備える。
<冷却風の流路構造>
次に、図4の断面図を用いて、ファン装置13の前後における冷却風の流路構造を説明する。ここに示すように、ファン装置13の後面(吸気側)は、後板5の吸気孔群5cと対向する位置に固定されている。そのため、ファン装置13は、吸気孔群5cを介して外気を直接吸気することができる。
また、ファン装置13の前面(排気側)の上下には、ダクト上板12aとダクト下板12bが配置されている。ダクト上板12aは、ファン装置13のファン13aの上半外周からキャビネット3の上面近傍まで延びる薄板状構造物であり、ダクト下板12bは、ファン13aの下半外周から底板6の近傍まで延びる薄板状構造物である。なお、ダクト上板12aとダクト下板12bは、キャビネット3の上面や右面との間にある程度の隙間(例えば、5mmの隙間)が生じる形状に設計されている。これは、製造工程の最後に組み付けられるキャビネット3には、ダクト上板12aやダクト下板12bを固定することができないため、ファン装置13の駆動中に発生する風圧や振動でダクト上板12aやダクト下板12bが変位しても、キャビネット3との接触により異音が発生しないようするためである。
このような構造のダクト上板12aとダクト下板12b、および、上記したキャビネット3、後板5、底板6、遮熱板12によって、ファン装置13の周囲には、キャビネット3に設けた横吸気ルーバー3aや後板5に設けた後吸気ルーバー5bと連通するダクト空間Dが形成される。このダクト空間Dには、横吸気ルーバー3aや後吸気ルーバー5bの多数の開口部から外気が吸気されるため、側方からも吸気可能なファン装置13には両ルーバーを介した多量の外気を供給することができる。なお、機械室11を前後に仕切るダクト上板12aとダクト下板12bによって、マグネトロン11aや電源11bを冷却して温められた空気がダクト空間Dに逆流しないようになっている。
<ダクト上板12aとダクト下板12bの詳細構造>
次に、図5の斜視図を用いて、ダクト上板12aとダクト下板12bの詳細構造を説明する。ここに示すように、本実施例では、一枚の金属製の薄板状部材(例えば、2mm厚の鋼板)を曲げ加工することで、遮熱板12とダクト上板12aとダクト下板12bを一体構成の部品とした。また、遮熱板12とダクト上板12aには、図示する位置に、基板ケース11cのツメ11dを固定するための固定孔12cを設けた。
このように、ダクト上板12aとダクト下板12bを遮熱板12と一体構成にしたことにより、加熱調理器100の製造工程で従来から必須であった、遮熱板12を取り付ける工程だけで、ダクト上板12aとダクト下板12bの取り付けも完了させることができる。
<基板ケース11cの詳細構造>
次に、図6A、図6Bの斜視図を用いて、基板ケース11cの詳細構造を説明する。図6Bに示すように、基板ケース11cの後側と左側には固定用のツメ11dが設けられている。そのため、加熱調理器100の製造時には、遮熱板12とダクト上板12aの両面に設けられた固定孔12c(図5参照)に、基板ケース11cのツメ11dを引っ掛けるだけで、基板ケース11cを簡単に固定することができる。なお、図6Aに示すように、基板ケース11cの上方が封鎖されているため、冷却が不要な機械室11の上方にファン装置13からの冷却風が逃げていくことを防止し、発熱量の多いマグネトロン11aや電源11bに冷却風を集中させることができる。
<マイクロ波加熱中の各部動作>
次に、本実施例の加熱調理器100のマイクロ波加熱中の各部動作について説明する。
まず、ユーザは、ドア2を開き、加熱室10に被加熱物を入れた後、操作パネル4から加熱条件を設定して、例えばマイクロ波加熱を開始する。
レンジ加熱が開始されると、電源11bはマグネトロン11aに電力を供給し、マグネトロン11aはマイクロ波を加熱室10に照射する。また、レンジ加熱が開始されるとほぼ同時に、電源11bはファン装置13にも電力を供給し、ファン装置13は前方への送風を始める。
ファン装置13から送風された空気は、前方に配置されたマグネトロン11aと電源11bに送風され、これらの電気部品を冷却する。電気部品を冷却した後の空気は、その一部はキャビネット3に設けられた横排気ルーバー3bから本体1の外に排気され、残りは加熱室10に入り被加熱物から発生する水蒸気や煙を排気口5aより本体1の外に排気する。
以上で説明した、本実施例の加熱調理器によれば、冷却風を電気部品に集中させるための部品であるダクト上板12aとダクト下板12bを、遮熱板12と一体構成の部品にすることで、部品数の削減による管理コスト低減、組立工数削減による製品コスト低減、並びに、構造単純化と基板ケースの取付け容易さによる組立性の改善を達成することができる。
100 加熱調理器、
1 本体、
2 ドア、
3 キャビネット、
3a 横吸気ルーバー、
3b 横排気ルーバー、
4 操作パネル、
5 後板、
5a 排気口、
5b 後吸気ルーバー、
5c 吸気孔群、
6 底板、
10 加熱室、
10a グリルヒータ、
11 機械室、
11a マグネトロン、
11b 電源、
11c 基板ケース、
11d ツメ、
12 遮熱板、
12a ダクト上板、
12b ダクト下板、
12c 固定孔、
13 ファン装置、
D ダクト空間

Claims (4)

  1. 本体の内部に設けられ、被加熱物を収納する加熱室と、
    前記本体の内部に設けられ、前記加熱室に隣接した機械室と、
    前記本体の後面を構成し、前記機械室に面した吸気ルーバーを有した後板と、
    前記本体の両側面と天面を構成し、前記機械室に面した排気ルーバーを有したキャビネットと、
    前記本体の底面を構成する底板と、を備えた加熱調理器であって、
    前記機械室には、
    マイクロ波を照射するマグネトロンと、
    該マグネトロンに電力を供給する電源と、
    前記マグネトロンと前記電源に冷却風を送風するファン装置と、
    前記加熱室と前記機械室の間に配置した金属製の遮熱板と、
    前記ファン装置からの冷却風を前記マグネトロンと前記電源に導く樹脂製の基板ケースと、を設け、
    前記機械室を前記ファン装置のファン外周の上下で吸気ルーバー側と排気ルーバー側に仕切るダクト上板とダクト下板を、前記遮熱板と一体構成の部品としたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    金属製の板状部材を曲げ加工することで、前記遮熱板、前記ダクト上板、前記ダクト下板からなる一体構成の部品を形成したことを特徴とする加熱調理器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の加熱調理器において、
    前記遮熱板と前記ダクト上板には、固定孔が設けられており、
    該固定孔に前記基板ケースのツメを引っ掛けることで、前記基板ケースを前記遮熱板と前記ダクト上板に固定したことを特徴とする加熱調理器。
  4. 請求項1または請求項2に記載の加熱調理器において、
    前記ダクト上板および前記ダクト下板は、前記ファン装置の駆動中に変位しても前記キャビネットと接触しない形状であることを特徴とする加熱調理器。
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