JP2022113635A - 電磁波シールド用組成物、電磁波シールドシート付基体の製造方法、電磁波シールドシート及びプリント配線基板 - Google Patents
電磁波シールド用組成物、電磁波シールドシート付基体の製造方法、電磁波シールドシート及びプリント配線基板 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと金属磁性体フィラーを含む電磁波シールド用組成物、及び該組成物から得られる電磁波シールドシート付基体の製造方法の提供。また、テトラフルオロエチレン系ポリマーと金属磁性体フィラーを含む電磁波シールドシート、及び該電磁波シールドシートを備えるプリント配線基板の提供。【解決手段】比表面積が25m2/g以下かつ平均粒径が50μm以下であり、溶融温度が260℃以上320℃以下であるテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと、金属磁性体フィラーとを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーに対する前記金属磁性体フィラーの質量比が0.1以上である電磁波シールド用組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと金属磁性体フィラーを含む電磁波シールド用組成物、及び該組成物から得られる電磁波シールドシート付基体の製造方法に関する。また本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーと金属磁性体フィラーを含む電磁波シールドシート、及び該電磁波シールドシートを備えるプリント配線基板に関する。
プリント配線基板、電子部品、アンテナ等から発生する電磁波は互いに干渉するため、他の電気回路や電子部品に影響を与えて誤動作等を引き起こす場合がある。したがって、電磁波シールド材にてこのような電磁波ノイズを遮蔽し各機器の誤作動を防ぐ必要がある。また高周波プリント配線基板では、電磁波ノイズを遮蔽することが要求されるだけでなく、フッ素樹脂等の非接着性材料が基板材料として用いられるため、電磁波シールド材と基板との接着性も求められる。さらに高周波プリント配線基板は発熱量も大きいため、電磁波シールド材には耐熱性や熱伝導性も求められる。
テトラフルオロエチレン系ポリマーは、電気絶縁性、耐熱性及び熱伝導性等の物性に優れていることから、電磁波シールド材として着目されている。例えば、特許文献1には、ポリテトラフルオロエチレンにカーボンを複合してシート状に形成した電磁波シールド材が開示されている。
しかしながら特許文献1に記載の電磁波シールド材は、ポリテトラフルオロエチレンの非粘着性により、高周波プリント配線基材との接着性が低い。また、ポリテトラフルオロエチレンへのカーボンの分散性も未だ充分でないため、電磁波シールド性能も満足のいくものではない。
したがって、電磁波シールド能が高く、プリント配線基板との接着性に優れ、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備した電磁波シールド材が望まれている。
したがって、電磁波シールド能が高く、プリント配線基板との接着性に優れ、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備した電磁波シールド材が望まれている。
本発明者らは、所定のテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと金属磁性体フィラーを用いることで、電磁波シールド能が高く、接着性、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備した電磁波シールド材が得られる点を知得し、本発明の完成に至った。
本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと金属磁性体フィラーを含む電磁波シールド用組成物、及び該組成物から得られる電磁波シールドシート付基体の製造方法の提供を目的とする。また本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーと金属磁性体フィラーを含む電磁波シールドシート、及び該電磁波シールドシートを備えるプリント配線基板の提供を目的とする。
本発明は、下記の態様を有する。
<1> 比表面積が25m2/g以下かつ平均粒径が50μm以下であり、溶融温度が260℃以上320℃以下であるテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと、金属磁性体フィラーとを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーに対する前記金属磁性体フィラーの質量比が0.1以上である電磁波シールド用組成物。
<2> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、主鎖炭素数1×106個あたり10個以上5000個以下のカルボニル基含有基を有する、<1>の電磁波シールド用組成物。
<3> 前記パウダーの比表面積が1m2/g以上8m2/g以下である、<1>又は<2>の電磁波シールド用組成物。
<4> 前記パウダーの平均粒径が1μm以上8μm以下である、<1>から<3>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<5> 前記金属磁性体フィラーが金、銀、銅、鉄、アルミニウム、チタン、コバルト、ニッケル、酸化銅、酸化鉄、カルボニル鉄、及びフェライトからなる群から選ばれる少なくとも1種の磁性体を含むフィラーである、<1>から<4>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<6> 前記金属磁性体フィラーが針状又はワイヤー状であり、アスペクト比が1000以上である、<1>から<5>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<7> さらにポリテトラフルオロエチレンのパウダーを含む、<1>から<6>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<8> さらに液状分散媒を含む、<1>から<7>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<9> <1>から<7>のいずれかの電磁波シールド用組成物を溶融押出して得られた電磁波シールドシートと基体とを貼合する、電磁波シールドシート付基体の製造方法。
<10> <8>の電磁波シールド用組成物を基体に付与し、前記パウダーを焼成して電磁波シールドシートとする、電磁波シールドシート付基体の製造方法。
<11> 溶融温度が260℃以上320℃以下であるテトラフルオロエチレン系ポリマーと金属磁性体フィラーを有し、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーに対する前記金属磁性体フィラーの質量比が0.1以上である、電磁波シールドシート。
<12> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーの焼成物と金属磁性体フィラーとを同一の層に含む、<11>の電磁波シールドシート。
<13> 厚さが1μm以上である、<10>から<12>のいずれかの電磁波シールドシート。
<14> <10>から<13>のいずれかの電磁波シールドシートを備えたプリント配線基板。
<15> 前記プリント配線基板の電気絶縁層がテトラフルオロエチレン系ポリマーを含み、前記電磁波シールドシートの少なくとも一部が前記電気絶縁層と接触している、<14>のプリント配線基板。
<1> 比表面積が25m2/g以下かつ平均粒径が50μm以下であり、溶融温度が260℃以上320℃以下であるテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと、金属磁性体フィラーとを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーに対する前記金属磁性体フィラーの質量比が0.1以上である電磁波シールド用組成物。
<2> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、主鎖炭素数1×106個あたり10個以上5000個以下のカルボニル基含有基を有する、<1>の電磁波シールド用組成物。
<3> 前記パウダーの比表面積が1m2/g以上8m2/g以下である、<1>又は<2>の電磁波シールド用組成物。
<4> 前記パウダーの平均粒径が1μm以上8μm以下である、<1>から<3>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<5> 前記金属磁性体フィラーが金、銀、銅、鉄、アルミニウム、チタン、コバルト、ニッケル、酸化銅、酸化鉄、カルボニル鉄、及びフェライトからなる群から選ばれる少なくとも1種の磁性体を含むフィラーである、<1>から<4>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<6> 前記金属磁性体フィラーが針状又はワイヤー状であり、アスペクト比が1000以上である、<1>から<5>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<7> さらにポリテトラフルオロエチレンのパウダーを含む、<1>から<6>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<8> さらに液状分散媒を含む、<1>から<7>のいずれかの電磁波シールド用組成物。
<9> <1>から<7>のいずれかの電磁波シールド用組成物を溶融押出して得られた電磁波シールドシートと基体とを貼合する、電磁波シールドシート付基体の製造方法。
<10> <8>の電磁波シールド用組成物を基体に付与し、前記パウダーを焼成して電磁波シールドシートとする、電磁波シールドシート付基体の製造方法。
<11> 溶融温度が260℃以上320℃以下であるテトラフルオロエチレン系ポリマーと金属磁性体フィラーを有し、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーに対する前記金属磁性体フィラーの質量比が0.1以上である、電磁波シールドシート。
<12> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーの焼成物と金属磁性体フィラーとを同一の層に含む、<11>の電磁波シールドシート。
<13> 厚さが1μm以上である、<10>から<12>のいずれかの電磁波シールドシート。
<14> <10>から<13>のいずれかの電磁波シールドシートを備えたプリント配線基板。
<15> 前記プリント配線基板の電気絶縁層がテトラフルオロエチレン系ポリマーを含み、前記電磁波シールドシートの少なくとも一部が前記電気絶縁層と接触している、<14>のプリント配線基板。
本発明によれば、電磁波シールド効果が高く、接着性、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備した電磁波シールド能を得られる組成物、及び該組成物から得られる電磁波シールドシート付基体の製造方法が提供される。また本発明によれば、電磁波シールド効果が高く、接着性、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備した電磁波シールドシート、並びに該電磁波シールドシートを備えるプリント配線基板が提供される。
以下の用語は、以下の意味を有する。
「テトラフルオロエチレン系ポリマー」とは、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとも記す)に基づく単位(以下、TFE単位とも記す。)を含有するポリマーである。
「ポリマーの溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ポリマーのガラス転移点」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「パウダーの平均粒径」は、パウダーの粒径をレーザー回折・散乱法によって測定し、得られた粒径の体積基準累積50%径(以下、「D50」とも記す。)である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒子の粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「パウダーの比表面積」は、ガス吸着(定容法)BET多点法により測定される値である。
「粘度」は、B型粘度計を用いて、室温下(25℃)で回転数が30rpmの条件下で分散液について測定される値である。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「チキソ比」とは、液状組成物を回転数が30rpmの条件で測定して求められる粘度η1を、回転数が60rpmの条件で測定して求められる粘度η2で除して算出される値(η1/η2)である。
「モノマーに基づく単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
「テトラフルオロエチレン系ポリマー」とは、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとも記す)に基づく単位(以下、TFE単位とも記す。)を含有するポリマーである。
「ポリマーの溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ポリマーのガラス転移点」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「パウダーの平均粒径」は、パウダーの粒径をレーザー回折・散乱法によって測定し、得られた粒径の体積基準累積50%径(以下、「D50」とも記す。)である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒子の粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「パウダーの比表面積」は、ガス吸着(定容法)BET多点法により測定される値である。
「粘度」は、B型粘度計を用いて、室温下(25℃)で回転数が30rpmの条件下で分散液について測定される値である。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「チキソ比」とは、液状組成物を回転数が30rpmの条件で測定して求められる粘度η1を、回転数が60rpmの条件で測定して求められる粘度η2で除して算出される値(η1/η2)である。
「モノマーに基づく単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
本発明の電磁波シールド用組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、比表面積が25m2/g以下かつ平均粒径が50μm以下であり、溶融温度が260℃以上320℃以下であるテトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)のパウダー(以下、「本パウダー」とも記す。)と金属磁性体フィラー(以下、「磁性体フィラー」とも記す。)を含み、前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比が0.1以上である。
本組成物からは、電磁波シールド効果が高く、接着性、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備した電磁波シールド(例えば電磁波シールドシート)が得られる。
本組成物からは、電磁波シールド効果が高く、接着性、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備した電磁波シールド(例えば電磁波シールドシート)が得られる。
テトラフルオロエチレン系ポリマーは剛直性に富むポリマーであるため、表面エネルギーが低く、そのパウダー同士は凝集しやすい。また、先行技術文献(特許文献1)にも記載されるとおり、テトラフルオロエチレン系ポリマーは磁性体フィラーとの親和性が低いため、テトラフルオロエチレン系ポリマー中に磁性体フィラーが良好に分散した組成物を得るのは困難であると考えられた。
しかし、本発明者は、所定の熱溶融性を有し、分子運動の自由度が比較的高いとも言える特定のテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーを用い、そのパウダーの比表面積と粒径が所定の範囲にある本パウダーでは、パウダーの凝集が抑制され、パウダーと磁性体フィラーの相互作用が相対的に高まり、磁性体フィラーが良好に分散した組成物が形成されやすくなる点を知見した。
そして、かかる組成物は、分散安定性と流動性にも優れており、それから形成される成形物は、電磁波シールド効果と、接着性、耐熱性及び熱伝導性とを充分に具備する点を知見した。
しかし、本発明者は、所定の熱溶融性を有し、分子運動の自由度が比較的高いとも言える特定のテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーを用い、そのパウダーの比表面積と粒径が所定の範囲にある本パウダーでは、パウダーの凝集が抑制され、パウダーと磁性体フィラーの相互作用が相対的に高まり、磁性体フィラーが良好に分散した組成物が形成されやすくなる点を知見した。
そして、かかる組成物は、分散安定性と流動性にも優れており、それから形成される成形物は、電磁波シールド効果と、接着性、耐熱性及び熱伝導性とを充分に具備する点を知見した。
Fポリマーは熱溶融性のポリマーである。Fポリマーの溶融温度は、260℃以上320℃以下であり、285℃以上320℃以下が好ましい。この場合、本組成物から得られる電磁波シールドが耐熱性と均一性に優れやすい。
Fポリマーのガラス転移点は、50℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。Fポリマーのガラス転移点は、150℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましい。
Fポリマーのガラス転移点は、50℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。Fポリマーのガラス転移点は、150℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましい。
Fポリマーのフッ素含有量は、70質量%以上が好ましい。フッ素含有量が高いテトラフルオロエチレン系ポリマーは電気物性等の物性に優れる反面、磁性体フィラーとの親和性が低い。そのため、その分散性がさらに低下する。本組成物では前記本パウダーを用いることで、フッ素含有量の多い場合でも、磁性体フィラーの分散に優れ、Fポリマーの物性が損なわれず、磁性体フィラーの分散性に優れた組成物が得られる。
Fポリマーのフッ素含有量は、76質量%以下が好ましい。
Fポリマーのフッ素含有量は、76質量%以下が好ましい。
Fポリマーとしては、TFE単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PAVEとも記す)に基づく単位(以下、PAVE単位とも記す)を含むポリマー(以下、PFAとも記す)又はTFEとヘキサフルオロプロピレンに基づく単位を含むコポリマー(以下、FEPとも記す)が好ましく、PFA又はFEPがより好ましく、PFAがさらに好ましい。これらのポリマーには、さらに他のコモノマーに基づく単位が含まれていてもよい。
PAVEとしては、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF3又はCF2=CFOCF2CF2CF3(以下、PPVEとも記す)が好ましく、PPVEがより好ましい。
Fポリマーはカルボニル基含有基を有するのが好ましい。この場合、本パウダーと磁性体フィラーの親和性が向上しやすい。
前記カルボニル基含有基は、Fポリマー中のモノマー単位に含まれていてもよく、ポリマーの主鎖の末端基に含まれていてもよい。後者の態様としては、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として前記カルボニル基含有基を有するFポリマーが挙げられる。
前記カルボニル基含有基は、Fポリマー中のモノマー単位に含まれていてもよく、ポリマーの主鎖の末端基に含まれていてもよい。後者の態様としては、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として前記カルボニル基含有基を有するFポリマーが挙げられる。
Fポリマーがカルボニル基含有基を有する場合、Fポリマー中のカルボニル基含有基の数は、主鎖炭素数1×106個あたり、10個以上5000個以下が好ましく、50個以上2000個以下がさらに好ましい。この場合、本パウダーと磁性体フィラーの親和性が向上しやすい。なお、Fポリマーにおけるカルボニル基含有基の数は、ポリマーの組成又は国際公開2020/145133号に記載の方法によって定量できる。
カルボニル基含有基としては、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、イソシアネート基、カルバメート基(-OC(O)NH2)、酸無水物残基(-C(O)OC(O)-)、イミド残基(-C(O)NHC(O)-等)及びカーボネート基(-OC(O)O-)が好ましく、酸無水物残基がより好ましい。
Fポリマーの好適な態様としては、TFE単位及びPAVE単位を含み、カルボニル基含有基を有するポリマー(以下、「カルボニル基含有ポリマー」とも記す。)が挙げられる。このポリマーは、分散性に優れ、また、本組成物から得られる成形物において微小球晶を形成して磁性体フィラーと良好に密着するため、得られる電磁波シールド材の特性が向上しやすい。
カルボニル基含有ポリマーは、TFE単位と、PAVE単位と、カルボニル基含有基を有するモノマーに基づく単位とを含むポリマーが好ましい。カルボニル基含有ポリマーは、全単位に対して、TFE単位を90モル%以上99モル%以下、PAVE単位を0.5モル%以上9.97モル%以下、及び前記モノマーに基づく単位を0.01モル%以上3モル%以下、それぞれ含むのが好ましい。
また、前記モノマーは、無水イタコン酸、無水シトラコン酸又は5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸;以下、「NAH」とも記す。)が好ましい。
カルボニル基含有ポリマーの具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されるポリマーが挙げられる。
また、前記モノマーは、無水イタコン酸、無水シトラコン酸又は5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸;以下、「NAH」とも記す。)が好ましい。
カルボニル基含有ポリマーの具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されるポリマーが挙げられる。
本パウダーの比表面積は25m2/g以下であり、8m2/g以下が好ましく、5m2/g以下がより好ましい。本パウダーの比表面積は1m2/g以上が好ましい。この場合、パウダーの凝集が高度に抑制され、本パウダーと磁性体フィラーの相互作用が、特に向上しやすい。
本パウダーの平均粒径であるD50は50μm以下であり、20μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましい。本パウダーのD50は1μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましい。この場合、パウダーの凝集抑制と、本パウダーと磁性体フィラーの相互作用とか高度にバランスして、本組成物の分散安定性が特に向上しやすい。
本パウダーは、Fポリマーと異なる樹脂又は無機物を含有してもよい。
異なる樹脂の具体例としては、芳香族ポリイミド、芳香族マレイミド、スチレンエラストマーのような芳香族エラストマー、芳香族ポリアミック酸が挙げられる。
無機物の具体例としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化ベリリウム、酸化セリウム、アルミナ、ソーダアルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物、窒化ホウ素、メタ珪酸マグネシウム(ステアタイト)が挙げられる。
これら無機物は、その表面の少なくとも一部が表面処理されているのが好ましい。表面処理に用いられる表面処理剤としては、トリメチロールエタン、ペンタエリストール、プロピレングリコール等の多価アルコール、ステアリン酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸及びそれらのエステル、アルカノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン、パラフィンワックス、シランカップリング剤、シリコーン、ポリシロキサンが挙げられ、シランカップリング剤が好ましい。
異なる樹脂の具体例としては、芳香族ポリイミド、芳香族マレイミド、スチレンエラストマーのような芳香族エラストマー、芳香族ポリアミック酸が挙げられる。
無機物の具体例としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化ベリリウム、酸化セリウム、アルミナ、ソーダアルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物、窒化ホウ素、メタ珪酸マグネシウム(ステアタイト)が挙げられる。
これら無機物は、その表面の少なくとも一部が表面処理されているのが好ましい。表面処理に用いられる表面処理剤としては、トリメチロールエタン、ペンタエリストール、プロピレングリコール等の多価アルコール、ステアリン酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸及びそれらのエステル、アルカノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン、パラフィンワックス、シランカップリング剤、シリコーン、ポリシロキサンが挙げられ、シランカップリング剤が好ましい。
Fポリマーと異なる樹脂又は無機物を含む本パウダーは、Fポリマーをコアとし前記樹脂又は無機物をシェルに有するコアシェル構造を有するか、Fポリマーをシェルとし、前記樹脂又は無機物をコアに有するコアシェル構造を有するのが好ましい。かかる本パウダーは、例えば、Fポリマーのパウダーと、前記樹脂又は無機物のパウダーとを衝突、凝集等して、合着させて得られる。
本組成物に用いられる磁性体フィラーは金属を含む磁性体フィラーであり、通常、強磁性体である。磁性体フィラーにおける金属は、単体金属であってもよく、合金であってもよく、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物であってもよい。また、磁性体フィラーは、セラミックスフィラーであってもよい。
金属磁性体フィラーは、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、チタン、コバルト、ニッケル、酸化銅、酸化鉄、カルボニル鉄及びフェライトからなる群から選ばれる少なくとも1種の磁性体を含むフィラーが好ましく、ニッケル、酸化銅、酸化鉄、カルボニル鉄及びフェライトからなる群から選ばれる少なくとも1種の磁性体を含むフィラーがより好ましく、ニッケルがさらに好ましい。
フェライトとしては、六方晶フェライト、イプシロン磁性酸化鉄が挙げられ、六方晶フェライトとしては、ストロンチウムフェライトが好ましい。
金属磁性体フィラーは、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、チタン、コバルト、ニッケル、酸化銅、酸化鉄、カルボニル鉄及びフェライトからなる群から選ばれる少なくとも1種の磁性体を含むフィラーが好ましく、ニッケル、酸化銅、酸化鉄、カルボニル鉄及びフェライトからなる群から選ばれる少なくとも1種の磁性体を含むフィラーがより好ましく、ニッケルがさらに好ましい。
フェライトとしては、六方晶フェライト、イプシロン磁性酸化鉄が挙げられ、六方晶フェライトとしては、ストロンチウムフェライトが好ましい。
磁性体フィラーの形状は、球状、フレーク状、葉状、樹枝状、プレート状、針状、ワイヤー状、ブドウ状等が挙げられ、なかでも針状、ワイヤー状が好ましい。なお、葉状とは、外縁形状に切れ込み、及び分岐葉の少なくとも一方が複数形成されている形状をいう。また、フレーク状とは、外縁形状に切れ込み及び分岐葉を有しない形状をいう。
磁性体フィラーの平均粒径は、取り扱い性と分散性の観点から100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。また、磁性体フィラーの平均粒子径は10nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、1μm以上がより好ましい。なお平均粒径は前記本パウダーと同様、D50の値である。
磁性体フィラーの平均粒径は、取り扱い性と分散性の観点から100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。また、磁性体フィラーの平均粒子径は10nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、1μm以上がより好ましい。なお平均粒径は前記本パウダーと同様、D50の値である。
磁性体フィラーの短径に対する長径の比(以下、「アスペクト比」とも記す。)は5以上が好ましく、100以上がより好ましく、200以上がさらに好ましい。アスペクト比は1000000以下が好ましい。
磁性体フィラーのアスペクト比が5以上の場合、分散性の観点から、磁性体フィラーの平均短径は50nm以上が好ましい。平均短径は500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましい。平均長径は5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。平均長径は40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。磁性体フィラーは、針状又はワイヤー状、かつアスペクト比が100以上が特に好ましい。かかる磁性体フィラーを用いても本組成物は分散性に優れており、それから得られる電磁波シールドは、電磁波遮蔽効果と、接着性、耐熱性及び熱伝導性に優れる。
磁性体フィラーのアスペクト比が5以上の場合、分散性の観点から、磁性体フィラーの平均短径は50nm以上が好ましい。平均短径は500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましい。平均長径は5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。平均長径は40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。磁性体フィラーは、針状又はワイヤー状、かつアスペクト比が100以上が特に好ましい。かかる磁性体フィラーを用いても本組成物は分散性に優れており、それから得られる電磁波シールドは、電磁波遮蔽効果と、接着性、耐熱性及び熱伝導性に優れる。
磁性体フィラーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、異種の磁性体フィラーの平均粒子径は異なるのが好ましい。この場合、電磁波シールド中に磁性体フィラーを高充填しやすく、高い電磁波遮蔽効果を有する電磁波シールドを得やすい。
異種の磁性体フィラーは、同じ磁性体を含んでいてもよく、異なる磁性体を含んでいてもよい。
異種の磁性体フィラーは、同じ磁性体を含んでいてもよく、異なる磁性体を含んでいてもよい。
本組成物中の本パウダーと磁性体フィラーの質量比は、本パウダーの含有質量を1として、磁性体フィラーの含有質量が0.1以上であり、電磁波シールド性能の観点から0.2以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。
本組成物中の本パウダーと磁性体フィラーの質量比は、本組成物の成形性の観点から、本パウダーの含有質量を1として、20以下が好ましく、10以下がより好ましい。磁性体フィラーの含有質量がかかる範囲にあり、磁性体フィラーを多量に含んでいても、本組成物は分散性に優れており、それから得られる電磁波シールドは、電磁波遮蔽効果と、接着性、耐熱性及び熱伝導性に優れる。
本組成物中の本パウダーと磁性体フィラーの質量比は、本組成物の成形性の観点から、本パウダーの含有質量を1として、20以下が好ましく、10以下がより好ましい。磁性体フィラーの含有質量がかかる範囲にあり、磁性体フィラーを多量に含んでいても、本組成物は分散性に優れており、それから得られる電磁波シールドは、電磁波遮蔽効果と、接着性、耐熱性及び熱伝導性に優れる。
磁性体フィラーのアスペクト比が100以上である場合、本組成物中の本パウダーと磁性体フィラーの質量比は、本パウダーの含有質量を1として、磁性体フィラーの含有質量は1以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい。本組成物中の本パウダーと磁性体フィラーの質量比は、本パウダーの含有質量を1として、磁性体フィラーの含有質量が0.1以上であり、0.2以上が好ましい。
アスペクト比が100以上である磁性体フィラーは分散性と他の材料との混合性に優れるため、かかる本組成物から得られる電磁波シールドは、磁性体フィラーの含有量が少ない場合でも、電磁波遮蔽効果に優れる。
アスペクト比が100以上である磁性体フィラーは分散性と他の材料との混合性に優れるため、かかる本組成物から得られる電磁波シールドは、磁性体フィラーの含有量が少ない場合でも、電磁波遮蔽効果に優れる。
本組成物は、さらにポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」とも記す。)のパウダー(以下、「PTFEパウダー」とも記す。)を含んでもよい。
PTFEは、TFEのホモポリマーであってもよく、極微量のPAVE、HFP、フルオロアルキルエチレン等のコモノマーとTFEとのコポリマーである、所謂、変性PTFEであってもよい。PTFEにおけるTFE単位の割合は、全単位のうち99.5モル%以上であり、99.9モル%以上が好ましい。
PTFEは、非熱溶融性であるのが好ましい。非熱溶融性のポリマーとは、荷重49Nの条件下、溶融流れ速度が1g以上1000g以下/10分となる温度が存在しないポリマーを意味する。
PTFEは、TFEのホモポリマーであってもよく、極微量のPAVE、HFP、フルオロアルキルエチレン等のコモノマーとTFEとのコポリマーである、所謂、変性PTFEであってもよい。PTFEにおけるTFE単位の割合は、全単位のうち99.5モル%以上であり、99.9モル%以上が好ましい。
PTFEは、非熱溶融性であるのが好ましい。非熱溶融性のポリマーとは、荷重49Nの条件下、溶融流れ速度が1g以上1000g以下/10分となる温度が存在しないポリマーを意味する。
PTFEのパウダーの平均粒径は0.1μm以上1μm以下であるのが好ましい。
本組成物がPTFEパウダーを含む場合、本組成物中の本パウダーとPTFEパウダーの質量比は、本パウダーの含有質量を1として、PTFEパウダーの含有質量は2以上が好ましく、3以上がより好ましい。本組成物中の本パウダーとPTFEパウダーの質量比は、本パウダーの含有質量を1として、PTFEパウダーの含有質量は0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましい。
本組成物がPTFEパウダーを含む場合、本組成物中の本パウダーとPTFEパウダーの質量比は、本パウダーの含有質量を1として、PTFEパウダーの含有質量は2以上が好ましく、3以上がより好ましい。本組成物中の本パウダーとPTFEパウダーの質量比は、本パウダーの含有質量を1として、PTFEパウダーの含有質量は0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましい。
本組成物は、必要に応じてさらに他の樹脂又は無機フィラーを含有してもよい。
前記他の樹脂とは、前記Fポリマー及びPTFEとは異なる樹脂であり、TFE単位を含まないポリマーである。他の樹脂は熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。他の樹脂としては芳香族ポリエステル、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミック酸、芳香族ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、液晶ポリエステル、多糖類、ナイロン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール、シアン酸エステル樹脂、ABRゴム、セルロース、PVAアクリル メタクリル、ポリアルキレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、Fポリマー及びPTFE以外のフルオロポリマーが挙げられる。
前記他の樹脂とは、前記Fポリマー及びPTFEとは異なる樹脂であり、TFE単位を含まないポリマーである。他の樹脂は熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。他の樹脂としては芳香族ポリエステル、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミック酸、芳香族ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、液晶ポリエステル、多糖類、ナイロン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール、シアン酸エステル樹脂、ABRゴム、セルロース、PVAアクリル メタクリル、ポリアルキレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、Fポリマー及びPTFE以外のフルオロポリマーが挙げられる。
前記無機フィラーは、磁性体フィラーとは異なるフィラーであり、例えば、窒化ホウ素フィラー、シリカフィラー又はメタ珪酸マグネシウムフィラーが挙げられ、シリカフィラーがより好ましい。これらのフィラーは、焼成されたセラミックスフィラーであってもよい。
無機フィラーは、酸化ケイ素又はメタ珪酸マグネシウムを含むフィラーが好ましい。
無機フィラーは、酸化ケイ素又はメタ珪酸マグネシウムを含むフィラーが好ましい。
前記無機フィラーは、その表面の少なくとも一部が表面処理されているのが好ましい。
前記無機フィラーは、シランカップリング剤で表面処理されている無機フィラーであるのが好ましい。かかる無機フィラーは本パウダーとの親和性に優れ、本組成物の分散性を向上させやすい。
シランカップリング剤は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン又は3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランが好ましい。
前記無機フィラーは、シランカップリング剤で表面処理されている無機フィラーであるのが好ましい。かかる無機フィラーは本パウダーとの親和性に優れ、本組成物の分散性を向上させやすい。
シランカップリング剤は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン又は3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランが好ましい。
本組成物は、さらに液状分散媒を含む液状の組成物(以下、「本液状組成物」とも記す。)であってもよい。
液状分散媒は本パウダー又は磁性体フィラーを溶解、分散、又はゲル化する機能を有する液体であり、本液状組成物は、通常、スラリー状又はゲル状である。
なお、液体とは25℃で粘度が10mPa・s以下であることを意味する。
液状分散媒は本パウダー又は磁性体フィラーを溶解、分散、又はゲル化する機能を有する液体であり、本液状組成物は、通常、スラリー状又はゲル状である。
なお、液体とは25℃で粘度が10mPa・s以下であることを意味する。
前記液状分散媒は、後述する電磁波シールドシート中の磁性体フィラーの分布を均一とし、また、空隙を抑制する観点から、脱気されているのが好ましい。
液状分散媒は、水であってもよく、非水系分散媒であってもよい。また、液状分散媒は非プロトン性分散媒であってもよく、プロトン性分散媒であってもよい。
液状分散媒は非水系分散媒が好ましく、アミド、ケトン、エステル、芳香族炭化水素、グリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。具体的な液状分散媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、トルエン、キシレン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールが挙げられ、N-メチル-2-ピロリドン、エチレングリコール、プロピレングリコールが好ましく、N-メチル-2-ピロリドンがより好ましい。
液状分散媒は非水系分散媒が好ましく、アミド、ケトン、エステル、芳香族炭化水素、グリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。具体的な液状分散媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、トルエン、キシレン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールが挙げられ、N-メチル-2-ピロリドン、エチレングリコール、プロピレングリコールが好ましく、N-メチル-2-ピロリドンがより好ましい。
液状分散媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、異種の液状分散媒は相溶するのが好ましい。
液状分散媒の沸点は、125℃以上250℃以下が好ましい。
液状分散媒の沸点は、125℃以上250℃以下が好ましい。
本液状組成物中の本パウダーの含有量は30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。前記含有量は60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。この場合、本液状組成物が分散安定性に優れやすく、また得られる電磁波シールドシートが緻密になり、電気特性と電磁波シールド能に優れやすい。
本液状組成物は分散安定性とハンドリング性とをより向上する観点から、さらにノニオン性界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤の親水部位は、オキシアルキレン基又はアルコール性水酸基を有するのが好ましい。
界面活性剤の疎水部位は、アセチレン基、ポリシロキサン基、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアルケニル基を有するのが好ましい。換言すれば、界面活性剤は、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤の親水部位は、オキシアルキレン基又はアルコール性水酸基を有するのが好ましい。
界面活性剤の疎水部位は、アセチレン基、ポリシロキサン基、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアルケニル基を有するのが好ましい。換言すれば、界面活性剤は、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
かかる界面活性剤の具体例としては、「フタージェント」シリーズ(株式会社ネオス社製 フタージェントは登録商標)、「サーフロン」シリーズ(AGCセイミケミカル社製 サーフロンは登録商標)、「メガファック」シリーズ(DIC株式会社製 メガファックは登録商標)、「ユニダイン」シリーズ(ダイキン工業株式会社製 ユニダインは登録商標)、「BYK-347」、「BYK-349」、「BYK-378」、「BYK-3450」、「BYK-3451」、「BYK-3455」、「BYK-3456」(ビックケミー・ジャパン株式会社社製)、「KF-6011」、「KF-6043」(信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
界面活性剤を含有する場合、本液状組成物中の界面活性剤の含有量は、1質量%以上15質量%以下が好ましい。この場合、成分間の親和性が増し、本液状組成物の分散安定性とハンドリング性がより向上しやすい。
界面活性剤を含有する場合、本液状組成物中の界面活性剤の含有量は、1質量%以上15質量%以下が好ましい。この場合、成分間の親和性が増し、本液状組成物の分散安定性とハンドリング性がより向上しやすい。
本組成物は、前記他の樹脂、無機フィラー、液状分散媒及び界面活性剤以外にも、チキソ性付与剤、粘度調節剤、消泡剤、シランカップリング剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、各種フィラー等の添加剤をさらに含有してもよい。
本液状組成物の粘度は10mPa・s以上が好ましく、100mPa・s以上がより好ましい。本液状組成物の粘度は10000mPa・s以下が好ましく、1000mPa・s以下がより好ましい。この場合、本液状組成物は塗工性に優れるため、本液状組成物から任意の厚みを有する電磁波シールドシートを形成しやすい。
本液状組成物のチキソ比は1以上が好ましい。本液状組成物のチキソ比は3以下が好ましく、2以下がより好ましい。この場合、本液状組成物は塗工性に優れるだけでなく、その均質性にも優れるため、より緻密な電磁波シールドシートを形成しやすい。
本液状組成物のチキソ比は1以上が好ましい。本液状組成物のチキソ比は3以下が好ましく、2以下がより好ましい。この場合、本液状組成物は塗工性に優れるだけでなく、その均質性にも優れるため、より緻密な電磁波シールドシートを形成しやすい。
本液状組成物の分散層率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。分散層率の上限は100%である。本組成物は、分散安定性に優れるため、かかる分散層率に調整しやすい。
なお、分散層率とは、液状の組成物18mLを内容積30mLのスクリュー管に入れ、25℃にて14日静置した際、静置後の、スクリュー管中の組成物全体の高さと分散層の高さとから、以下の式により算出される値である。なお、静置後に分散層が確認されず、状態に変化がない場合には、組成物全体の高さに変化がないとして、分散層率は100%とする。分散層率が大きいほど分散安定性に優れる。
分散層率(%)=(分散層の高さ)/(組成物全体の高さ)×100
なお、分散層率とは、液状の組成物18mLを内容積30mLのスクリュー管に入れ、25℃にて14日静置した際、静置後の、スクリュー管中の組成物全体の高さと分散層の高さとから、以下の式により算出される値である。なお、静置後に分散層が確認されず、状態に変化がない場合には、組成物全体の高さに変化がないとして、分散層率は100%とする。分散層率が大きいほど分散安定性に優れる。
分散層率(%)=(分散層の高さ)/(組成物全体の高さ)×100
本液状組成物から得られる電磁波シールドシートの、成分分布の均一性を向上する観点や、緻密なシートを得る観点から、本液状組成物中の泡沫体積比率は10%未満が好ましく、5%未満がより好ましい。泡沫体積比率は0%以上が好ましい。
なお、泡沫体積比率は、標準大気圧かつ20℃における本液状組成物の体積(VN)と、それを0.003MPaまで減圧した際の泡を合わせた体積(VV)とを測定し、以下の算出式で求められる値である。
泡沫体積比率[%]=100×(VV-VN)/VN
なお、泡沫体積比率は、標準大気圧かつ20℃における本液状組成物の体積(VN)と、それを0.003MPaまで減圧した際の泡を合わせた体積(VV)とを測定し、以下の算出式で求められる値である。
泡沫体積比率[%]=100×(VV-VN)/VN
本液状組成物中の固形分は、上記本パウダーと前記磁性体フィラーを含有し、PTFE、他の樹脂又は無機フィラーを添加した場合はPTFE、他の樹脂又は無機フィラーも含有する。なお、本液状組成物の固形分には、本液状組成物から形成される電磁波シールドシートにおいて固形成分を形成する物質の総量を意味する。本液状組成物の全質量を100%として、固形分濃度は40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。また本液状組成物の分散安定性の観点から、固形分濃度は90質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましい。
本液状組成物の分散安定性の観点から、本液状組成物中の固形分量を100質量%として、本パウダーの含有量は10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。本パウダーの含有量は70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。固形分量を100質量%として、磁性体フィラーの含有量は5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。磁性体フィラーの含有量は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
本組成物は前記本パウダーと磁性体フィラーと、必要に応じて他の成分を混合することで得られる。
混合の方法は、前記本パウダー、前記磁性体フィラー及び必要に応じて他の成分が均一に混合される方法であれば特に制限はない。本組成物は、前記本パウダー及び前記磁性体フィラーを一括で混合して得てもよいし、何れかを複数回に分けて添加しながら混合して得てもよいし、連続で添加しながら混合して得てもよい。混合に用いる混合機は攪拌翼によるミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、揺動型混合機、振動型混合機等が挙げられる。
本組成物は各成分が均一となるように、各成分を混練するのが好ましい。例えば、各成分をタンブラー、ヘンシェルミキサー、自転公転撹拌機、プラネタリーミキサー等の各種混合機を用いてあらかじめ混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー等でさらに溶融混練するのが好ましい。
混合の方法は、前記本パウダー、前記磁性体フィラー及び必要に応じて他の成分が均一に混合される方法であれば特に制限はない。本組成物は、前記本パウダー及び前記磁性体フィラーを一括で混合して得てもよいし、何れかを複数回に分けて添加しながら混合して得てもよいし、連続で添加しながら混合して得てもよい。混合に用いる混合機は攪拌翼によるミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、揺動型混合機、振動型混合機等が挙げられる。
本組成物は各成分が均一となるように、各成分を混練するのが好ましい。例えば、各成分をタンブラー、ヘンシェルミキサー、自転公転撹拌機、プラネタリーミキサー等の各種混合機を用いてあらかじめ混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー等でさらに溶融混練するのが好ましい。
本液状組成物は本パウダーと磁性体フィラーを前記液状分散媒に添加して得てもよいし、本パウダーと前記液状分散媒とを混合し、そこへ前記磁性体フィラーを添加して得てもよいし、磁性体フィラーと前記液状分散媒とを混合し、そこへ前記本パウダーを添加して得てもよい。
本液状組成物を得るために用いる混合装置としては、ブレードを備えた撹拌装置(ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等。)、メディアを備えた粉砕装置(ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル又はアジテーターミル等。)、他の機構を備えた分散装置(マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー、超音波ホモジナイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー、自転公転撹拌機、コロイドミル、薄膜旋回型高速ミキサー等)が挙げられる。
本パウダー、磁性体フィラーと前記液状分散媒を混合する場合、脱気しながら混合してもよい。また本パウダー、磁性体フィラーと前記液状分散媒とを混合した後、しばらく放置してもよい。この場合、本液状組成物が分散安定性に優れやすい。
前記添加は連続的に行っても間欠的に行ってもよい。
本液状組成物を得るために用いる混合装置としては、ブレードを備えた撹拌装置(ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等。)、メディアを備えた粉砕装置(ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル又はアジテーターミル等。)、他の機構を備えた分散装置(マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー、超音波ホモジナイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー、自転公転撹拌機、コロイドミル、薄膜旋回型高速ミキサー等)が挙げられる。
本パウダー、磁性体フィラーと前記液状分散媒を混合する場合、脱気しながら混合してもよい。また本パウダー、磁性体フィラーと前記液状分散媒とを混合した後、しばらく放置してもよい。この場合、本液状組成物が分散安定性に優れやすい。
前記添加は連続的に行っても間欠的に行ってもよい。
脱気する場合、加温及び減圧するのが好ましく、加温の温度及び減圧の圧力は液状分散媒に応じて適宜設定され、液状分散媒が沸騰しない圧力及び温度が選定される。例えば圧力は0Paから0.01MPa程度、温度は液状分散媒の沸点より100℃から250℃低い温度が好ましい。
脱気の時間は特に制限はないが、脱気の時間が長すぎても脱気の効果は大きく変わらないことから、通常、10分間から6時間である。
脱気に際して、突沸を防ぐために撹拌等の操作を行ってもよい。
脱気の時間は特に制限はないが、脱気の時間が長すぎても脱気の効果は大きく変わらないことから、通常、10分間から6時間である。
脱気に際して、突沸を防ぐために撹拌等の操作を行ってもよい。
放置する場合、雰囲気の温度及び圧力は通常、10℃から30℃、1気圧程度であり、恒温恒湿下が好ましい。放置のあいだ、液状組成物を静置してもよく、液状組成物中の前記本パウダーが凝集沈降しない程度に撹拌してもよい。
放置の時間は24時間以上が好ましく、48時間以上がより好ましい。放置の時間は、放置の時間が長すぎても得られる効果は大きく変わらないことから、168時間以下が好ましい。
放置の時間は24時間以上が好ましく、48時間以上がより好ましい。放置の時間は、放置の時間が長すぎても得られる効果は大きく変わらないことから、168時間以下が好ましい。
また予め本パウダーと磁性体フィラーと液状分散媒とを混合して、ペースト状とし、得られたペーストと、さらに液状分散媒とを混合して本液状組成物としてもよい。得られるペーストの粘度は10000mPa・s以上が好ましく、25000mPa・s以上がより好ましい。ペーストの粘度は100000mPa・s以下が好ましく、80000mPa・sがより好ましい。この場合、ペーストを得るための混合時に、本パウダー及び磁性体フィラーの凝集が解砕されやすく、本液状組成物が分散安定性に優れやすい。ペーストに用いる液状分散媒と追加する液状分散媒とは、同一であってもよく、異なっていてもよいが、両者は、同一であるのが好ましい。
本発明の電磁波シールドシート(以下、「本シート」とも記す。)は、前記Fポリマーと前記磁性体フィラーを有し、前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比が0.1以上である。
本シートは単層でも2層以上の積層シートでもよく、シート全体で前記Fポリマーと前記磁性体フィラーを有し、Fポリマーに対する磁性体フィラーの質量比が0.1以上となるように、各層のFポリマー及び磁性体フィラーを有していればよい。本シートとしては、生産性の観点から、同一層中にFポリマーと磁性体フィラーを有し、かつ前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比が0.1以上である層を有するシートが好ましい。
本シートにおける前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比は、電磁波シールド性能の観点から0.2以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比は、本シートの強度の観点から20以下が好ましく、10以下がより好ましい。
本シートは単層でも2層以上の積層シートでもよく、シート全体で前記Fポリマーと前記磁性体フィラーを有し、Fポリマーに対する磁性体フィラーの質量比が0.1以上となるように、各層のFポリマー及び磁性体フィラーを有していればよい。本シートとしては、生産性の観点から、同一層中にFポリマーと磁性体フィラーを有し、かつ前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比が0.1以上である層を有するシートが好ましい。
本シートにおける前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比は、電磁波シールド性能の観点から0.2以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比は、本シートの強度の観点から20以下が好ましく、10以下がより好ましい。
磁性体フィラーのアスペクト比が100以上である場合、本シートにおける前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比は1以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい。本シートにおける前記Fポリマーに対する前記磁性体フィラーの質量比は0.1以上であり、0.2以上がより好ましい。
アスペクト比が100以上である磁性体フィラーは分散性と他の材料との混合性に優れるため、磁性体フィラーの含有量が少ない場合でも、本シートは電磁波遮蔽効果に優れる。
本シートは、必要に応じて、さらにPTFE、他の樹脂、無機フィラー又は添加剤を含んでもよい。PTFE、他の樹脂、無機フィラー及び添加剤の定義及び範囲は、その好ましい態様も含めて、上述の本組成物における他の樹脂、無機フィラー及び添加剤と同様である。
アスペクト比が100以上である磁性体フィラーは分散性と他の材料との混合性に優れるため、磁性体フィラーの含有量が少ない場合でも、本シートは電磁波遮蔽効果に優れる。
本シートは、必要に応じて、さらにPTFE、他の樹脂、無機フィラー又は添加剤を含んでもよい。PTFE、他の樹脂、無機フィラー及び添加剤の定義及び範囲は、その好ましい態様も含めて、上述の本組成物における他の樹脂、無機フィラー及び添加剤と同様である。
2層以上の積層シートである本シートの製造法としては、例えば、前記Fポリマーを有する層と前記磁性体フィラーを有する層を溶融押出し等により作成し、両層を融着、圧着、接着剤等により積層してシートとする方法;前記磁性体フィラーを有する層の表面に、前記Fポリマーのパウダーを有する液状組成物を付与し、加熱して前記Fポリマーを有する層を形成する方法が挙げられる。
磁性体フィラーを有する層は樹脂を含んでいてもよい。磁性体フィラーを有する層に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂が好ましい。かかる樹脂としては、アクリル樹脂、メトキシメチル化ポリアミド樹脂が挙げられる。
磁性体フィラーを有する層は樹脂を含んでいてもよい。磁性体フィラーを有する層に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂が好ましい。かかる樹脂としては、アクリル樹脂、メトキシメチル化ポリアミド樹脂が挙げられる。
単層の本シートの製造法としては、例えば、前記本組成物を溶融押出しによりシートとする方法;前記本液状組成物を基材に付与し、乾燥後、基材から剥離又は基材を溶解、エッチング等によりシートを得る方法等が挙げられる。かかる単層の本シートの製造法は、前記磁性体フィラーがFポリマー中に均一に分散したシートが得られる点で好ましい。
前記本組成物を溶融押出しによりシートとする場合、溶融押出しはTダイを有する押出成形機を用いて行うのが好ましい。溶融押出しは本組成物を溶融混練後、連続で行なってもよいし、溶融押出し機内で溶融混練を行ない、溶融押出しをしてもよい。
溶融押出の条件は本組成物中の溶融温度等により適宜設定されるが、通常、溶融混練温度はFポリマーの溶融温度より20℃以上高い温度に設定されるのが好ましい。
溶融押出の条件は本組成物中の溶融温度等により適宜設定されるが、通常、溶融混練温度はFポリマーの溶融温度より20℃以上高い温度に設定されるのが好ましい。
本液状組成物を基材に付与し、乾燥後、基材から剥離又は基材を溶解、エッチング等によりシートを得る場合、基材の表面に本液状組成物を塗布し、加熱して、Fポリマーと磁性体フィラーを含む層(以下、「F層」とも記す。)を形成すれば、基材とF層とを有する積層体が製造できる。F層を有する積層体からF層を剥離すれば本シートが得られる。また、F層を有する積層体から基材を溶解又はエッチングにより除去すれば本シートが得られる。
基材の材質は、本シートが剥離しやすい材質やエッチング又は溶解により除去できる材質であれば特に制限はない。基材は表面が平滑であるのが好ましい。
基材の材質は、本シートが剥離しやすい材質やエッチング又は溶解により除去できる材質であれば特に制限はない。基材は表面が平滑であるのが好ましい。
基材の表面は、シランカップリング剤等により表面処理されていてもよい。本液状組成物の塗布に際しては、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法の塗布方法を使用できる。
F層は、加熱により前記液状分散媒を除去した後に、さらに高温に加熱してポリマーを焼成して形成するのが好ましい。液状分散媒の除去の温度は、できるだけ低温が好ましく、液状分散媒の沸点より50℃から150℃低い温度が好ましい。例えば沸点が約200℃のN-メチル-2-ピロリドンを用いた場合、150℃以下、好ましくは100℃から120℃で加熱することが好ましい。液状分散媒を除去する工程で空気を吹き付けるのが好ましい。
液状分散媒を除去後、液状分散媒除去後の基材をFポリマーが焼成する温度領域に加熱してF層を形成するのが好ましく、例えば300℃から400℃の範囲でFポリマーを焼成するのが好ましい。F層は、Fポリマーの焼成物を含むのが好ましい。
溶融押出しにより本シートを形成した場合は、本シートをさらにFポリマーが焼成する温度領域で焼成することでFポリマーの焼成物を含む本シートが形成される。
本シートは、本液状組成物から製造するのが好ましい。特に、本液状組成物における磁性体フィラーのアスペクト比が高い場合、本シートを成形する際の磁性体フィラーの損傷を抑制しつつ、本シート中に磁性体フィラーを高度に配向させやすい。
溶融押出しにより本シートを形成した場合は、本シートをさらにFポリマーが焼成する温度領域で焼成することでFポリマーの焼成物を含む本シートが形成される。
本シートは、本液状組成物から製造するのが好ましい。特に、本液状組成物における磁性体フィラーのアスペクト比が高い場合、本シートを成形する際の磁性体フィラーの損傷を抑制しつつ、本シート中に磁性体フィラーを高度に配向させやすい。
本シートは、ファラデーケージ法(以下、「FC法」とも記す。)にて測定した18.0GHzから26.5GHzの全領域のシールド性能が10dB以上であるのが好ましい。本シート中に磁性体フィラーを良好に分散させることで、FC法により測定した18.0GHzから26.5GHzの全領域のシールド性能を前記範囲とすることができる。
本シートの熱伝導率は、1W/m・K以上が好ましく、3W/m・K以上がより好ましい。熱伝導率は、100W/m・K以下が好ましい。
本シートの熱伝導率は、1W/m・K以上が好ましく、3W/m・K以上がより好ましい。熱伝導率は、100W/m・K以下が好ましい。
本シートの空隙率は5%以下が好ましく、4%以下がより好ましい。空隙率は0.01%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましい。なお、空隙率は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される成形物の断面における、空隙部分の面積の割合(%)である。本シートが2層以上の積層シートである場合、少なくとも1層の空隙率が、かかる範囲にあるのが好ましい。この場合、本シートが電磁波シールド性能に優れやすい。
本シートの厚さは1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましく、50μm以上が特に好ましい。本シートの厚さは、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、200μm以下がさらに好ましい。
本シートの厚さは、前記Tダイのクリアランス、引取速度、本液状組成物の塗付量、塗付回数等を適宜調整することで前記範囲とすることができる。
本シートの厚さは、前記Tダイのクリアランス、引取速度、本液状組成物の塗付量、塗付回数等を適宜調整することで前記範囲とすることができる。
本シートを基体上にて成形するか、又は基体と積層することで電磁波シールドシート付基体が得られる。
具体的には、本液状組成物を基体に塗付し、乾燥後、焼成により基体上に本シートを作成する方法、本組成物を基体上に溶融押出しして本シートを基体上に作成し、本シートと基体とを貼合する方法、本シートと基体とを融着、圧着、接着剤等により貼合せる方法が挙げられる。
具体的には、本液状組成物を基体に塗付し、乾燥後、焼成により基体上に本シートを作成する方法、本組成物を基体上に溶融押出しして本シートを基体上に作成し、本シートと基体とを貼合する方法、本シートと基体とを融着、圧着、接着剤等により貼合せる方法が挙げられる。
前記基体の形状は例えば、板状、箱状、棒状、球状、膜状、繊維状等、特に制限はなく、表面形状も平面状、曲面状、凹凸状のいずれであってもよい。平滑であっても凹凸形状であってもよいが、本シートがプリント配線基板に好適に用いられることから、板状の基体(以下、「基板」とも記す。)が好ましい。
基体の材質は、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、それらの合金等の金属箔等の金属基板、ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミド等のフィルムである樹脂フィルム、繊維強化樹脂基体の前駆体であるプリプレグが挙げられる。
電磁波シールド付基体の具体例としては、本シートと、本シートの少なくとも一方の表面に金属基板を有する電磁波シールド付基体、本シートと、本シートの少なくとも一方の表面に接着層を有する電磁波シールド付基体、金属基板と、本シートと、接着層とをこの順に有する電磁波シールド付基体が挙げられる。
基体の材質は、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、それらの合金等の金属箔等の金属基板、ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミド等のフィルムである樹脂フィルム、繊維強化樹脂基体の前駆体であるプリプレグが挙げられる。
電磁波シールド付基体の具体例としては、本シートと、本シートの少なくとも一方の表面に金属基板を有する電磁波シールド付基体、本シートと、本シートの少なくとも一方の表面に接着層を有する電磁波シールド付基体、金属基板と、本シートと、接着層とをこの順に有する電磁波シールド付基体が挙げられる。
電磁波シールド付き基体の具体例としては、金属箔と、その金属箔の少なくとも一方の表面に本シートを有する金属張積層体が挙げられる。これは、電気特性等の諸物性に優れており、プリント配線基板材料等として好適である。
本シートと基体との剥離強度は5N/cm以上が好ましく、10N/cm以上がより好ましい。上記剥離強度は100N/cm以下が好ましい。
本シートを備えたプリント配線基板は、電磁波シールド性能に優れる。
特にプリント配線基板が電気絶縁層としてテトラフルオロエチレン系ポリマーを含む場合、本シートとの接着性に優れることから、本シートを好適に適用できる。本シートと電気絶縁層とが少なくとも一部で接触しているのがより好ましい。かかるテトラフルオロエチレン系ポリマーとしては、上記Fポリマー及び非熱溶融性のポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
特にプリント配線基板が電気絶縁層としてテトラフルオロエチレン系ポリマーを含む場合、本シートとの接着性に優れることから、本シートを好適に適用できる。本シートと電気絶縁層とが少なくとも一部で接触しているのがより好ましい。かかるテトラフルオロエチレン系ポリマーとしては、上記Fポリマー及び非熱溶融性のポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
本組成物からは、電磁波シールドの効果が高く、接着性、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備した電磁波シールドシートが得られる。そのため、かかる電磁波シールドシートはプリント配線基板等の電磁波シールド層として好適に用いることができる。
以上、本組成物、電磁波シールドシート付き基体の製造方法、電磁波シールドシート、及び該電磁波シールドシートを備えたプリント配線基板について説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されない。
例えば、本組成物、電磁波シールドシート、及び該電磁波シールドシートを備えたプリント配線基板は上記実施形態の構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。また電磁波シールドシート付き基体の製造方法は、上記実施形態の構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてよい。
例えば、本組成物、電磁波シールドシート、及び該電磁波シールドシートを備えたプリント配線基板は上記実施形態の構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。また電磁波シールドシート付き基体の製造方法は、上記実施形態の構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.各成分の準備
[パウダー]
パウダー1:TFE単位、NAH単位及びPPVE単位を、この順に97.9モル%、0.1モル%、2.0モル%含み、フッ素含有量が76質量%、カルボニル基含有基を主鎖炭素数1×106個あたり1000個有するポリマーからなるパウダー(D50:2.0μm、比表面積:3m2/g)
[金属磁性体フィラー]
磁性体フィラー1:ニッケルナノワイヤー(平均径:90nm、平均長:25μm、アスペクト比:278)
1.各成分の準備
[パウダー]
パウダー1:TFE単位、NAH単位及びPPVE単位を、この順に97.9モル%、0.1モル%、2.0モル%含み、フッ素含有量が76質量%、カルボニル基含有基を主鎖炭素数1×106個あたり1000個有するポリマーからなるパウダー(D50:2.0μm、比表面積:3m2/g)
[金属磁性体フィラー]
磁性体フィラー1:ニッケルナノワイヤー(平均径:90nm、平均長:25μm、アスペクト比:278)
2.製造例
20質量部のパウダー1と30質量部のNMPとを含む混合物と、10質量部の磁性体フィラー1と40質量部のNMPと含む混合物とを混合し、剪断処理して、20質量部のパウダー1、10質量部の磁性体フィラー1及び70質量部のNMPを含む粘度が400mPa・sの液状組成物1を得た。液状組成物1の分散層率は70%以上であった。
厚さ18μmの長尺の銅箔の表面に、バーコーターを用いて液状組成物1を塗布して、ウェット膜を形成した。次いで、このウェット膜が形成された金属箔を、120℃にて5分間、乾燥炉に通し、加熱により乾燥させて、ドライ膜を得た。その後、窒素オーブン中で、ドライ膜を380℃にて3分間、加熱した。これにより、金属箔と、その表面にパウダー1の溶融焼成物及び磁性体フィラー1を含む、成形物としての厚さが25μmの電磁波シールドシート層を有する電磁波シールドシート付基体1を製造した。
20質量部のパウダー1と30質量部のNMPとを含む混合物と、10質量部の磁性体フィラー1と40質量部のNMPと含む混合物とを混合し、剪断処理して、20質量部のパウダー1、10質量部の磁性体フィラー1及び70質量部のNMPを含む粘度が400mPa・sの液状組成物1を得た。液状組成物1の分散層率は70%以上であった。
厚さ18μmの長尺の銅箔の表面に、バーコーターを用いて液状組成物1を塗布して、ウェット膜を形成した。次いで、このウェット膜が形成された金属箔を、120℃にて5分間、乾燥炉に通し、加熱により乾燥させて、ドライ膜を得た。その後、窒素オーブン中で、ドライ膜を380℃にて3分間、加熱した。これにより、金属箔と、その表面にパウダー1の溶融焼成物及び磁性体フィラー1を含む、成形物としての厚さが25μmの電磁波シールドシート層を有する電磁波シールドシート付基体1を製造した。
電磁波シールドシート付基体1について、銅箔を塩化第二鉄水溶液でエッチングにより除去して、単独の電磁波シールドシート1を作製した。
電磁波シールドシート1の電磁波シールド性能をFC法にて測定した結果、シールド性能は10dB以上であった。
電磁波シールドシート1の熱伝導率を測定した結果、その面内方向における熱伝導率(W/m・K)は3W/m・K以上であった。
磁波シールドシート1を200℃にて30分間保持した後、目視で確認した結果、反りや歪みが視認されず、電磁波シールドシート1は耐熱性に優れていた。
電磁波シールドシート1の電磁波シールド性能をFC法にて測定した結果、シールド性能は10dB以上であった。
電磁波シールドシート1の熱伝導率を測定した結果、その面内方向における熱伝導率(W/m・K)は3W/m・K以上であった。
磁波シールドシート1を200℃にて30分間保持した後、目視で確認した結果、反りや歪みが視認されず、電磁波シールドシート1は耐熱性に優れていた。
電磁波シールドシート1を、高周波プリント基板の絶縁層の材料である、非熱溶融性ポリテトラフルオロエチレンを含浸させた厚さが100μmのガラスクロスシートと積層し、熱プレスして、電磁波シールドシート層とガラスクロスシート層を有する積層体1を得た。積層体1から長さが100mm、幅が10mmの矩形状の試験片を切り出し、試験片の長さ方向の一端から50mmの位置を固定し、引張り速度50mm/分、長さ方向の片端から試験片に対して90°で、電磁波シールドシート層とガラスクロスシート層とを剥離させた。その際にかかる最大荷重は5N/cm以上であり、積層体1は層間密着性に優れていた。
上記結果から明らかなように、本組成物から得られた、Fポリマーと磁性体フィラーを含む電磁波シールドシートは電磁波シールド効果が高く、接着性、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備していた。したがって本発明の電磁波シールド用組成物から得られる電磁波シールドシートと電磁波シールドシート付基体、及び、Fポリマーと磁性体フィラーを含む電磁波シールドシートは電磁波シールドの効果が高く、接着性、耐熱性及び熱伝導性を充分に具備しており、プリント配線基板の電磁波シールド層として好適に用いることができる。
Claims (15)
- 比表面積が25m2/g以下かつ平均粒径が50μm以下であり、溶融温度が260℃以上320℃以下であるテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと、金属磁性体フィラーとを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーに対する前記金属磁性体フィラーの質量比が0.1以上である電磁波シールド用組成物。
- 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、主鎖炭素数1×106個あたり10個以上5000個以下のカルボニル基含有基を有する、請求項1に記載の電磁波シールド用組成物。
- 前記パウダーの比表面積が1m2/g以上8m2/g以下である、請求項1又は2に記載の電磁波シールド用組成物。
- 前記パウダーの平均粒径が1μm以上8μm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の電磁波シールド用組成物。
- 前記金属磁性体フィラーが金、銀、銅、鉄、アルミニウム、チタン、コバルト、ニッケル、酸化銅、酸化鉄、カルボニル鉄、及びフェライトからなる群から選ばれる少なくとも1種の磁性体を含むフィラーである、請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁波シールド用組成物。
- 前記金属磁性体フィラーが針状又はワイヤー状であり、アスペクト比が1000以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の電磁波シールド用組成物。
- さらにポリテトラフルオロエチレンのパウダーを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁波シールド用組成物。
- さらに液状分散媒を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の電磁波シールド用組成物。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の電磁波シールド用組成物を溶融押出して得られた電磁波シールドシートと基体とを貼合する、電磁波シールドシート付基体の製造方法。
- 請求項8に記載の電磁波シールド用組成物を基体に付与し、前記パウダーを焼成して電磁波シールドシートとする、電磁波シールドシート付基体の製造方法。
- 溶融温度が260℃以上320℃以下であるテトラフルオロエチレン系ポリマーと金属磁性体フィラーを有し、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーに対する前記金属磁性体フィラーの質量比が0.1以上である、電磁波シールドシート。
- 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーの焼成物と金属磁性体フィラーとを同一の層に含む、請求項11に記載の電磁波シールドシート。
- 厚さが1μm以上である、請求項10から12のいずれか1項に記載の電磁波シールドシート。
- 請求項10から13のいずれか1項に記載の電磁波シールドシートを備えたプリント配線基板。
- 前記プリント配線基板の電気絶縁層がテトラフルオロエチレン系ポリマーを含み、前記電磁波シールドシートの少なくとも一部が前記電気絶縁層と接触している、請求項14に記載のプリント配線基板。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115594931A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-01-13 | 四川省众望科希盟科技有限公司(Cn) | 一种航天航空导电膨化聚四氟乙烯密封材料 |
-
2021
- 2021-10-11 JP JP2021166595A patent/JP2022113635A/ja active Pending
Cited By (1)
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CN115594931A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-01-13 | 四川省众望科希盟科技有限公司(Cn) | 一种航天航空导电膨化聚四氟乙烯密封材料 |
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