JP2022113339A - 偏光子の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理浴での原反フィルムの延伸切れを抑制可能な偏光子の製造方法等を提供する。【解決手段】本発明は、処理浴L中にニップローラ2を配置し、原反フィルムF0をニップローラで搬送しながら処理浴で原反フィルムに処理を施すことで偏光子F1を製造する方法であって、ニップローラは、駆動ローラ21と、駆動ローラとの間で原反フィルムを挟んで搬送する従動ローラ22と、から構成され、駆動ローラの表面硬度と、従動ローラの表面硬度とが、異なる。【選択図】 図1

Description

本発明は、偏光子の製造方法及び製造装置に関する。特に、本発明は、処理浴中にニップローラを配置し、原反フィルムをニップローラで搬送しながら処理浴で原反フィルムに処理を施すことで偏光子を製造する方法及び装置において、処理浴での原反フィルムの延伸切れを抑制可能な偏光子の製造方法及び製造装置に関する。
従来、液晶表示装置や有機EL表示装置等の構成材料として、偏光子を含む偏光フィルムが使用されている。偏光フィルムは、例えば、ヨウ素などの二色性物質で染色した偏光子とこの偏光子を保護する保護フィルムとから構成されている。長尺帯状の偏光フィルムは、通常、ロールツーロール方式で長尺帯状の偏光子の少なくとも片面に長尺帯状の保護フィルムを貼り合わせて製造される。製造された長尺帯状の偏光フィルムは、用途に応じたサイズや形状に切断され、液晶表示装置等に用いられる。
偏光子は、長尺帯状のポリマーフィルムを原反フィルムとして、この原反フィルムを長手方向に搬送しながら各種の処理浴に浸漬させて各種の処理を施すことによって製造される。処理浴を貯留する処理槽としては、例えば、原反フィルムの搬送方向上流側から順に、原反フィルムに膨潤処理を施す膨潤処理槽、膨潤処理を施された原反フィルムにヨウ素などの二色性物質で染色処理を施す染色処理槽、染色処理を施された原反フィルムに架橋処理を施す架橋処理槽、架橋処理を施された原反フィルムに延伸処理を施す延伸処理槽、及び、延伸処理を施された原反フィルムに洗浄(水洗)処理を施す洗浄処理槽が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
一般的には、原反フィルムを処理浴中で搬送するために、処理浴中に配置されたガイドローラが用いられるが、処理浴中に配置されたニップローラを用いる場合もある(例えば、特許文献2参照)。ガイドローラは、原反フィルムの片面が接触するローラである。ニップローラは、モータ等の駆動源によって回転する駆動ローラと、駆動ローラの回転に伴って回転し、駆動ローラとの間で原反フィルムを挟んで搬送する従動ローラと、から構成されるローラである。
しかしながら、処理浴中に配置されたニップローラを用いて原反フィルムを搬送すると、原反フィルムの延伸時に原反フィルムが破断する、いわゆる延伸切れが発生する場合のあることが分かった。
特開2004-341515号公報 特開2014-142392号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、処理浴中にニップローラを配置し、原反フィルムをニップローラで搬送しながら処理浴で原反フィルムに処理を施すことで偏光子を製造する方法及び装置において、処理浴での原反フィルムの延伸切れを抑制可能な偏光子の製造方法及び製造装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、原反フィルムの延伸切れが発生するのは、ニップローラを構成する駆動ローラ及び従動ローラの表面硬度(外面硬度)が高いと、原反フィルムをニップした際(駆動ローラと従動ローラとの間で原反フィルムを押圧した状態で挟んだ際)に、ニップローラから原反フィルムに作用する線圧が大きくなるのが一因であることを見出した。
ニップローラから原反フィルムに作用する線圧を低下させるには、駆動ローラ及び従動ローラの表面硬度を双方共に低くすることも考えられる。しかしながら、表面硬度を低くすると、浴液に浸漬することでニップローラの耐久性が低下するため好ましくない。したがって、駆動ローラ及び従動ローラのうち、一方のローラの表面硬度のみを低下させれば、ニップローラから原反フィルムに作用する線圧が低下して、原反フィルムの延伸切れが抑制されると共に、ニップローラの耐久性も支障が生じない程度に維持できることを見出した。
本発明は、本発明者らの上記知見に基づき完成したものである。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、処理浴中にニップローラを配置し、原反フィルムを前記ニップローラで搬送しながら前記処理浴で前記原反フィルムに処理を施すことで偏光子を製造する方法であって、前記ニップローラは、駆動ローラと、前記駆動ローラとの間で前記原反フィルムを挟んで搬送する従動ローラと、から構成され、前記駆動ローラの表面硬度と、前記従動ローラの表面硬度とが異なる、偏光子の製造方法を提供する。
本発明において、「処理浴中にニップローラを配置」とは、ニップローラの少なくとも一部が処理浴に浸漬した状態でニップローラを配置することを意味する。
本発明によれば、処理浴中に配置されたニップローラを構成する駆動ローラ及び従動ローラの表面硬度が異なる。換言すれば、駆動ローラ及び従動ローラのうち、一方のローラの表面硬度が高く、他方のローラの表面硬度が低い。したがって、本発明者らが知見した通り、ニップローラから原反フィルムに作用する線圧が低下して、原反フィルムの延伸切れが抑制されると共に、ニップローラの耐久性も支障が生じない程度に維持可能である。
好ましくは、前記駆動ローラの一部が前記処理浴の液面よりも上方に位置し、前記従動ローラが前記処理浴に浸漬するように、前記ニップローラを配置し、前記駆動ローラの表面硬度が、前記従動ローラの表面硬度よりも低い。
上記の好ましい構成によれば、駆動ローラの一部が処理浴の液面よりも上方に位置し(換言すれば、駆動ローラの残りの部分が処理浴に浸漬し)、従動ローラ(従動ローラの全体)が処理浴に浸漬するように、ニップローラが配置される。したがって、駆動ローラを回転させるのに必要なモータ等の駆動源を処理浴に浸漬させる必要がなく(駆動源の防水処理設備等が不要であり)、設備制約の少ない偏光子の製造が可能である。
また、上記の好ましい構成によれば、その一部が処理浴の液面よりも上方に位置する駆動ローラの表面硬度が、処理浴に浸漬する従動ローラの表面硬度よりも低い。換言すれば、表面硬度が低いために従動ローラに比べて耐久性に劣る駆動ローラ全体が処理浴に常時浸漬することなく、回転に伴って部分的に且つ断続的にしか浸漬しないため、駆動ローラの劣化を抑制することが可能である。
前記駆動ローラ及び前記従動ローラのうち、表面硬度が低い方のローラの表面硬度は、例えば、ショアA硬度で50未満であるか、又は、アスカーC硬度で80未満とされ、表面硬度が高い方のローラの表面硬度は、ショアA硬度で50以上とされる。
好ましくは、前記駆動ローラ及び/又は前記従動ローラが、芯材と、前記芯材に巻かれた複数層の弾性部材と、を具備し、前記複数層の弾性部材は、内側に位置する層の弾性部材の表面硬度の方が、外側に位置する層の弾性部材の表面硬度よりも高い。
上記の好ましい方法において、「内側に位置する層の弾性部材の表面硬度の方が、外側に位置する層の弾性部材の表面硬度よりも高い」とは、芯材に巻かれた弾性部材が3層以上である場合、芯材の径方向(駆動ローラ及び従動ローラの径方向)に隣接する任意の2層の弾性部材を比較した場合に、内側に位置する層の弾性部材の表面硬度の方が、外側に位置する層の弾性部材の表面硬度よりも高いことを意味する。例えば、芯材に巻かれた弾性部材が3層である場合、最も内側に位置する層の弾性部材の表面硬度が最も高く、中間に位置する層の弾性部材の表面硬度が次に高く、最も外側に位置する層の弾性部材の表面硬度が最も低い値となることを意味する。
また、上記の好ましい方法において、各層の弾性部材の表面硬度は、弾性部材が内側から順に芯材に巻かれて、各層の弾性部材が最も外側に位置する状態での表面硬度を意味する。例えば、芯材に巻かれた弾性部材が3層である場合、最も内側に位置する層の弾性部材の表面硬度は、当該弾性部材のみが芯材に巻かれて当該弾性部材が最も外側に位置する状態(3層の弾性部材のうち、最も外側に位置する層の弾性部材及び中間に位置する層の弾性部材が巻かれていない状態)で測定される表面硬度を意味する。また、中間に位置する層の弾性部材の表面硬度は、最も内側に位置する層の弾性部材が芯材に巻かれて、更に中間に位置する層の弾性部材が芯材に巻かれて当該弾性部材が最も外側に位置する状態(3層の弾性部材のうち、最も外側に位置する層の弾性部材が巻かれていない状態)で測定される表面硬度を意味する。さらに、最も外側に位置する層の弾性部材の表面硬度は、最も内側に位置する層の弾性部材及び中間に位置する層の弾性部材が芯材に巻かれて、更に最も外側に位置する層の弾性部材が芯材に巻かれた状態で測定される表面硬度を意味する。
上記の好ましい方法によれば、最も内側に位置する層の弾性部材(表面硬度の最も高い弾性部材)で芯材が十分に保護されると共に、芯材と当該弾性部材とを接着する場合の接着力を高めることができる。また、最も外側に位置する層の弾性部材(表面硬度の最も低い弾性部材)が原反フィルムに接触するため、原反フィルムに作用する線圧が低下して、原反フィルムの延伸切れが抑制される。
上記の好ましい方法において、より好ましくは、前記複数層の弾性部材は、3層の弾性部材である。
上記のより好ましい方法によれば、3層の弾性部材のうち、最も内側に位置する層の弾性部材(表面硬度の最も高い弾性部材)で芯材が十分に保護されると共に、芯材と当該弾性部材とを接着する場合の接着力を高めることができる。また、最も外側に位置する層の弾性部材(表面硬度の最も低い弾性部材)が原反フィルムに接触するため、原反フィルムに作用する線圧が低下して、原反フィルムの延伸切れが抑制される。さらに、中間に位置する層の弾性部材(表面硬度が中間の値を示す弾性部材)の表面硬度によって、最も外側に位置する層の弾性部材の表面硬度を調整することが可能である。
好ましくは、前記駆動ローラ及び前記従動ローラのうち、表面硬度が低い方のローラの外径が、表面硬度が高い方のローラの外径よりも大きい。
上記の好ましい方法によれば、例えば、表面硬度が低い方のローラの一部が処理浴の液面よりも上方に位置し、表面硬度が高い方のローラが処理浴に浸漬するように、ニップローラを配置する場合、表面硬度が低い方のローラの外径が大きいため、当該ローラの一部を処理浴の液面よりも上方に位置させ易い。これにより、当該ローラの劣化を抑制することが可能である。
本発明に係る方法は、原反フィルムの延伸切れを抑制可能であるため、前記処理浴が、前記原反フィルムに延伸処理を施す処理浴である場合に好適に用いられる。
また、前記課題を解決するため、本発明は、処理浴を貯留する処理槽と、前記処理浴中に配置されたニップローラと、を備え、原反フィルムを前記ニップローラで搬送しながら前記処理浴で前記原反フィルムに処理を施すことで偏光子を製造する装置であって、前記ニップローラは、駆動ローラと、前記駆動ローラとの間で前記原反フィルムを挟んで搬送する従動ローラと、から構成され、前記駆動ローラの表面硬度と、前記従動ローラの表面硬度とが、異なる、偏光子の製造装置としても提供される。
本発明によれば、処理浴中にニップローラを配置し、原反フィルムをニップローラで搬送しながら処理浴で原反フィルムに処理を施すことで偏光子を製造する方法及び装置において、ニップローラから原反フィルムに作用する線圧が低下して、原反フィルムの延伸切れが抑制されると共に、ニップローラの耐久性も支障が生じない程度に維持可能である。
本発明の一実施形態に係る偏光子の製造装置の概略構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態の駆動ローラの概略構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態の従動ローラの概略構成を模式的に示す図である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係る偏光子の製造方法及び製造装置について説明する。なお、各図は、参考的に表したものであり、各図に表された部材などの寸法、縮尺及び形状は、実際のものとは異なっている場合があることに留意されたい。
図1は、本実施形態に係る偏光子の製造装置の概略構成を模式的に示す図である。図1(a)は製造装置100全体の概略構成を示す側面図(原反フィルムF0及び偏光子F1の搬送方向に直交する水平方向から見た図)であり、図1(b)は図1(a)に示す延伸処理槽14の拡大図である。図1に示す太線矢符は、原反フィルムF0及び偏光子F1の搬送方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態の製造装置100は、それぞれ処理浴L(図1においてドット状のハッチングを施した部分)を貯留する複数の処理槽1と、所定の処理浴L(本実施形態では、延伸処理浴L4)に配置されたニップローラ2と、を備え、原反フィルムF0をニップローラ2等で搬送しながら処理浴L(L1~L5)で原反フィルムF0に処理を施すことで偏光子F1を製造する装置である。
製造装置100は、処理槽1及びニップローラ2の他、長尺の原反フィルムF0が巻回された繰出ローラFRと、繰出ローラFRから繰り出された原反フィルムF0を搬送するためのニップローラNR及びガイドローラGRと、原反フィルムF0を乾燥させるためのオーブン3と、を備える。
なお、製造装置100によって製造された偏光子F1には、その後、例えば、少なくともその片面に紫外線硬化型接着剤を介して保護フィルムを貼り合わせ、紫外線照射装置で接着剤を硬化させることで、偏光フィルムが製造される。更に、例えば、偏光フィルムの片面に表面保護フィルムを貼り合わせることで、偏光板が製造される。
原反フィルムF0としては、長尺帯状のポリマーフィルムが用いられる。
原反フィルムF0を形成するポリマーフィルムとしては、特に限定されることなく各種のものを使用できる。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルムや、これらの部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルムや、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ヨウ素による染色性に優れるPVA系フィルムを用いることが好ましい。
前記ポリマーフィルムの材料であるポリマーの重合度は、一般に500~10000であり、1000~6000の範囲であることが好ましく、1400~4000の範囲にあることがより好ましい。さらに、前記ポリマーフィルムがケン化フィルムの場合、そのケン化度は、例えば、水への溶解性の点から、75モル%以上が好ましく、より好ましくは98モル%以上であり、98.3~99.8モル%の範囲にあることがより好ましい。
前記ポリマーフィルムとしてPVA系フィルムを用いる場合、PVA系フィルムの製法としては、水又は有機溶媒に溶解した原液を流延成膜する流延法、キャスト法、押出法等の任意の方法を使用することができる。PVA系フィルムの位相差値は、5nm~100nmのものが好ましく用いられる。また、面内均一な偏光子F1を得るために、PVA系フィルム面内の位相差バラツキはできるだけ小さい方が好ましく、原反フィルムF0としてのPVA系フィルムの面内位相差バラツキは、測定波長1000nmにおいて10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましい。
以上に説明した原反フィルムF0は繰出ローラFRに巻回されて、製造装置100の最上流側(原反フィルムF0の搬送方向最上流側)に配置される。そして、繰出ローラFRから繰り出された原反フィルムF0を搬送しながら処理槽1内の処理浴L(L1~L5)に原反フィルムF0を浸漬させて処理を施す。
本実施形態に係る製造装置100は、処理槽1として、原反フィルムF0の搬送方向上流側から順に、膨潤処理を行なうための膨潤処理槽11と、染色処理を行うための染色処理槽12と、架橋処理を行なうための架橋処理槽13と、延伸処理を行うための延伸処理槽14と、洗浄処理を行なうための洗浄処理槽15と、を備えている。
なお、各処理槽1における膨潤、染色、架橋、延伸及び洗浄の各処理の順番、回数及び実施の有無は特に限定されるものではなく、いくつかの処理を単一の処理槽1内で同時に行ってもよく、いくつかの処理を行わなくてもよい。例えば、延伸処理は、染色処理の直後に行ってもよいし、膨潤処理や染色処理と同時に行なってもよい。また、延伸処理の後に染色処理を行ってもよい。
膨潤処理槽11では、処理浴L(膨潤処理浴L1)として、例えば、水が用いられる。原反フィルムF0をこの膨潤処理浴L1に浸漬させることで、原反フィルムF0が水洗され、原反フィルムF0表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができる。さらに、原反フィルムF0を膨潤させることで、染色ムラ等の不均一性を防止する効果が期待できる。膨潤処理浴L1中には、グリセリンやヨウ化カリウム等を適宜加えてもよく、添加する濃度は、グリセリンは5重量%以下、ヨウ化カリウムは10重量%以下であることが好ましい。膨潤処理浴L1の温度は、20~45℃の範囲であることが好ましく、25~40℃であることがより好ましい。膨潤処理浴L1への原反フィルムF0の浸漬時間は、2~180秒間であることが好ましく、10~150秒間であることがより好ましく、60~120秒間であることが特に好ましい。また、この膨潤処理浴L1中で原反フィルムF0を延伸してもよく、このときの延伸倍率は、膨潤による伸展も含めて1.1~3.5倍程度である。
染色処理槽12では、処理浴L(染色処理浴L2)として、例えば、ヨウ素等の二色性物質を含む処理浴が用いられ、原反フィルムF0をこの染色処理浴L2に浸漬させることで、二色性物質を原反フィルムF0に吸着させる。
前記二色性物質としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ヨウ素や有機染料等が挙げられる。有機染料としては、例えば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、エロー3G、エローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラック、等が使用できる。
これらの二色性物質は、一種類でも良いし、二種類以上を併用して用いてもよい。前記有機染料を用いる場合は、例えば、可視光領域のニュートラル化を図る観点から、二種類以上の有機染料を組み合わせることが好ましい。具体例としては、コンゴーレッドとスプラブルーGとの組み合わせ、スプラオレンジGLとダイレクトスカイブルーとの組み合わせ、又は、ダイレクトスカイブルーとファーストブラックとの組み合わせが挙げられる。
染色処理浴L2としては、前記二色性物質を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、水が一般的に使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。二色性物質の濃度としては、0.010~10重量%の範囲にあることが好ましく、0.020~7重量%の範囲にあることがより好ましく、0.025~5重量%であることが特に好ましい。
また、前記二色性物質としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、さらにヨウ化物を添加することが好ましい。このヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらヨウ化物の添加割合は、染色処理浴L2において、0.010~10重量%であることが好ましく、0.10~5重量%であることがより好ましい。これらの中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましく、ヨウ素とヨウ化カリウムとの割合(重量比)は、1:5~1:100の範囲にあることが好ましく、1:6~1:80の範囲にあることがより好ましく、1:7~1:70の範囲にあることが特に好ましい。
染色処理浴L2への原反フィルムF0の浸漬時間は、これに特に限定されるものではないが、1~20分の範囲であることが好ましく、2~10分であることがより好ましい。また、染色処理浴L2の温度は、5~42℃の範囲にあることが好ましく、10~35℃の範囲にあることがより好ましい。また、この染色処理浴L2中で原反フィルムF0を延伸してもよく、このときの累積した総延伸倍率は、1.1~4.0倍程度である。
なお、染色処理としては、上記のような染色処理浴L2に浸漬する方法以外に、例えば、二色性物質を含む水溶液を原反フィルムF0に塗布又は噴霧する方法であってもよく、また、原反フィルムF0の製膜時に二色性物質を予め混ぜておいてもよい。
架橋処理槽13では、架橋剤を含む処理浴L(架橋処理浴L3)に原反フィルムF0を浸漬させることで、原反フィルムF0を架橋する。前記架橋剤としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物や、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられる。これらは一種類でも良いし、二種類以上を併用してもよい。二種類以上を併用する場合には、例えば、ホウ酸とホウ砂との組み合わせが好ましく、また、その添加割合(モル比)は、4:6~9:1の範囲にあることが好ましく、5.5:4.5~7:3の範囲がより好ましく、6:4であることが最も好ましい。
架橋処理浴L3としては、前記架橋剤を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、例えば水が使用できるが、さらに、水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。前記溶液における架橋剤の濃度は、これに限定されるものではないが、1~10重量%の範囲にあることが好ましく、2~6重量%であることがより好ましい。
架橋処理浴L3中には、偏光子F1の面内の均一な特性が得られる点から、ヨウ化物を添加してもよい。このヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンが挙げられ、この含有量は0.05~15重量%、より好ましくは0.5~8重量%である。これらの中でも、ホウ酸とヨウ化カリウムとの組み合わせが好ましく、ホウ酸とヨウ化カリウムとの割合(重量比)は、1:0.1~1:3.5の範囲にあることが好ましく、1:0.5~1:2.5の範囲にあることがより好ましい。
架橋処理浴L3の温度は、通常20~70℃の範囲であり、原反フィルムF0の浸漬時間は通常1秒~15分の範囲であり、好ましくは、5秒~10分である。また、架橋処理も染色処理と同様に、架橋剤含有溶液を塗布又は噴霧する方法を用いてもよい。さらに、架橋処理浴L3中で原反フィルムF0を延伸してもよく、このときの累積した総延伸倍率は、1.1~4.0倍程度である。
延伸処理槽14では、原反フィルムF0が処理浴L(延伸処理浴L4)に浸漬した状態で、累積した総延伸倍率が2~7倍程度になるように原反フィルムF0を延伸する。
延伸処理浴L4としては、これに特に限定されるわけではないが、例えば、各種金属塩や、ヨウ素、ホウ素又は亜鉛の化合物を添加した溶液を用いることができる。この溶液の溶媒としては、水、エタノール又は各種有機溶媒が適宜用いられる。これらの中でも、ホウ酸及び/又はヨウ化カリウムをそれぞれ2~18重量%程度添加した溶液を用いることが好ましい。このホウ酸とヨウ化カリウムとを同時に用いる場合には、その含有割合(重量比)は、1:0.1~1:4程度、より好ましくは、1:0.5~1:3程度の割合で用いることが好ましい。
延伸処理浴L4の温度は、例えば、40~67℃の範囲であることが好ましく、50~62℃であることがより好ましい。
洗浄処理槽15では、例えば、水溶液である処理浴L(洗浄処理浴L5)に原反フィルムF0を浸漬させることで、前の処理で原反フィルムF0に付着したホウ酸等の不要残存物を洗い流すことができる。上記水溶液には、ヨウ化物を添加してもよく、例えば、ヨウ化物としてはヨウ化ナトリウムやヨウ化カリウムが好ましく用いられる。洗浄処理浴L5にヨウ化カリウムを添加した場合、その濃度は通常0.1~10重量%であり、3~8重量%であることが好ましい。さらに、洗浄処理浴L5の温度は、10~60℃であることが好ましく、15~40℃であることがより好ましい。また、洗浄処理の回数は特に限定されることなく複数回実施してもよく、この場合の各洗浄処理浴L5中の添加物の種類や濃度を変えてもよい。
なお、本実施形態では、各処理槽1の出側にニップローラNRが配置されているため、原反フィルムF0を各処理槽1から引き上げる際に、液だれの発生が防止される。
以上に説明した各処理槽1の処理浴Lで処理を施された原反フィルムF0には、乾燥処理が施される。乾燥処理としては、自然乾燥、風乾、加熱乾燥等、適宜な方法を用いることができるが、通常、加熱乾燥が好ましく用いられる。本実施形態の製造装置100では、オーブン3による加熱乾燥が行われる。オーブン3では、例えば、加熱温度が20~80℃程度であり、乾燥時間が1~10分間程度であることが好ましい。さらには、乾燥温度は前記方法に関わらず偏光子F1の劣化を防ぐ観点から、できるだけ低温にすることが好ましい。より好ましくは60℃以下であり、45℃以下であることが特に好ましい。
以上のようにして製造される偏光子F1の最終的な総延伸倍率は、処理前の原反フィルムF0に対して、3.0~7.0倍であることが好ましく、5.5~6.2倍の範囲にあることがより好ましい。最終的な総延伸倍率が3.0倍未満では、高偏光度の偏光子F1を得ることが難しく、7.0倍を超えると、原反フィルムF0が破断し易くなる。
本実施形態に係る製造装置100は、処理浴Lに配置されたニップローラ2を備える。本実施形態では、処理槽1のうち延伸処理槽14に貯留された延伸処理浴L4にニップローラ2が配置されている。また、本実施形態では、原反フィルムF0の搬送方向に沿って2組のニップローラ2(2a、2b)が配置されている。図1(b)に示すように、ニップローラ2は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21との間で原反フィルムF0を挟んで搬送する従動ローラ22と、から構成されている。以下、本実施形態のニップローラ2の構成について、より具体的に説明する。
本実施形態のニップローラ2は、駆動ローラ21の表面硬度と、従動ローラ22の表面硬度とが異なる点に特徴を有する。本実施形態では、駆動ローラ21の表面硬度が、従動ローラ22の表面硬度よりも低いものとされている。
そして、図1(b)に示すように、本実施形態では、駆動ローラ21と従動ローラ22とが上下に対向し、駆動ローラ21が従動ローラ22よりも上方に位置するように、ニップローラ2が配置されている。そして、駆動ローラ21の一部が延伸処理浴L4の液面よりも上方に位置し、従動ローラ22が延伸処理浴L4に浸漬するように、ニップローラ2が配置されている。具体的には、駆動ローラ21の軸部211aが延伸処理浴L4の液面よりも上方に位置するように配置されている。
以上のように、駆動ローラ21の表面硬度と従動ローラ22の表面硬度とが異なる(具体的には、駆動ローラ21の表面硬度が従動ローラ22の表面硬度よりも低い)ため、ニップローラ2から原反フィルムF0に作用する線圧が低下して、原反フィルムF0の延伸切れが抑制されると共に、ニップローラ2の耐久性も支障が生じない程度に維持可能である。また、駆動ローラ21の一部が延伸処理浴L4の液面よりも上方に位置するため、駆動ローラ21を回転させるのに必要なモータ等の駆動源(図示せず)を延伸処理浴L4に浸漬させる必要がなく、設備制約の少ない偏光子F1の製造が可能である。さらに、従動ローラ22よりも表面硬度の低い駆動ローラ21の一部が延伸処理浴L4の液面よりも上方に位置するため、駆動ローラ21全体が延伸処理浴L4に常時浸漬することなく、回転に伴って部分的に且つ断続的にしか浸漬しないため、駆動ローラ21の劣化を抑制することが可能である。
図2は、本実施形態の駆動ローラ21の概略構成を模式的に示す図である。図2(a)は側面図(図1に示す原反フィルムF0及び偏光子F1の搬送方向に直交する水平方向から見た図)であり、図2(b)は正面視断面図(図1に示す原反フィルムF0及び偏光子F1の搬送方向から見た駆動ローラ21の中心を通る断面図)である。
図2に示すように、本実施形態の駆動ローラ21は、芯材211と、芯材211に巻かれた複数層の弾性部材212と、を具備する。
本実施形態の芯材211は、断面円形の軸部211aと、断面円形の管状部211bと、を有する。軸部211aには駆動源(図示せず)が連結され、軸部211aは駆動源から供給された回転駆動力によって回転する。軸部211aの中心軸が駆動ローラ21の回転中心軸となる。管状部211bは、その中心に中空部が設けられ、この中空部に軸部211aが嵌合することで、軸部211aに結合されている。軸部211aが回転することにより、管状部211bも軸部211aと一体的に回転する。軸部211a及び管状部211bの材質は特に限定されるものではないが、例えば、軸部211aはステンレス鋼(例えば、SUS316)から形成され、管状部211bは樹脂(例えば、CFRP)から形成される。芯材211の外径(管状部211bの外径)は、例えば、400~600mmとされる。
本実施形態では、弾性部材212として、芯材211の管状部211bの表面(外面)に3層の弾性部材212a、212b、212cが巻かれている。最も内側に位置する層の弾性部材212aは、適宜の接着剤を介して管状部211bの表面に接着されている。中間に位置する層の弾性部材212bは、適宜の接着剤を介して弾性部材212aの表面(外面)に接着されている。最も外側に位置する層の弾性部材212cは、適宜の接着剤を介して弾性部材212bの表面(外面)に接着されている。
弾性部材212aの材質は特に限定されるものではないが、例えば、弾性部材212aはスチレン・ブタジエンゴム(SBR)から形成されるのが好ましい。この他、弾性部材212aをアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)や、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)から形成することも可能である。弾性部材212aの厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは、0.5~5mmであり、より好ましくは、1.5~2mmである。
弾性部材212bの材質も特に限定されるものではないが、例えば、弾性部材212bはEPDMから形成されるのが好ましい。この他、弾性部材212bをNBRやSBRから形成することも可能である。弾性部材212bの厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは、1~10mmであり、より好ましくは、6~6.5mmである。
弾性部材212cの材質も特に限定されるものではないが、例えば、弾性部材212bと同様に、弾性部材212cはEPDMから形成されるのが好ましい。ただし、弾性部材212cの表面硬度を低くするため、弾性部材212cはEPDM発泡体から形成されることが好ましい。EPDM発泡体は、例えば、EPDMを発泡剤によって発泡させると共に、架橋剤によって架橋することで製造可能である。弾性部材212cの厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは、0.5~10mmであり、より好ましくは、1~5mmであり、特に好ましくは、1.5~2.5mmである。
3層の弾性部材212は、内側に位置する層の弾性部材212の表面硬度の方が、外側に位置する層の弾性部材212の表面硬度よりも高いものとされている。すなわち、最も内側に位置する層の弾性部材212aの表面硬度が最も高く、中間に位置する層の弾性部材212bの表面硬度が次に高く、最も外側に位置する層の弾性部材212cの表面硬度が最も低い値となっている。
具体的には、弾性部材212aの表面硬度(外面硬度)は、好ましくは、ショアA硬度で70~100であり、より好ましくは、80~100であり、特に好ましくは、90~100である。ショアA硬度は、JIS K6253(1997)に準拠した市販のデュロメータ(タイプA)を用いて測定可能である。デュロメータ(タイプA)としては、例えば、高分子計器社製の「ASKER-TYPE A(アスカーA型デュロメータ)」を用いることができる。
弾性部材212bの表面硬度(外面硬度)は、好ましくは、ショアA硬度で60~99であり、より好ましくは、70~90であり、特に好ましくは、75~85である。
弾性部材212cの表面硬度(外面硬度)は、好ましくは、ショアA硬度で50未満であるか、又は、アスカーC硬度で80未満であり、より好ましくは、ショアA硬度で10~40であるか、アスカーC硬度で60~79であり、特に好ましくは、ショアA硬度で20~30で、アスカーC硬度で65~75である。アスカーC硬度は、JIS K7312(1996)に準拠した市販のデュロメータ(タイプC)を用いて測定可能である。デュロメータ(タイプC)としては、例えば、高分子計器社製の「ASKER-TYPE C(アスカーC型デュロメータ)」を用いることができる。
駆動ローラ21の表面硬度(外面硬度)は、最も外側に位置する層の弾性部材212cの表面硬度で表される。このため、駆動ローラ21の表面硬度は、好ましくは、ショアA硬度で50未満であるか、又は、アスカーC硬度で80未満である。
以上のように、本実施形態の駆動ローラ21は、内側に位置する層の弾性部材212の表面硬度の方が、外側に位置する層の弾性部材212の表面硬度よりも高い3層の弾性部材212を具備する。このため、最も内側に位置する層の表面硬度の高い弾性部材212aで芯材211が十分に保護されると共に、芯材211と弾性部材212aとの接着力を高めることができる。また、最も外側に位置する層の表面硬度の低い弾性部材212cが原反フィルムF0に接触するため、原反フィルムF0に作用する線圧が低下して、原反フィルムF0の延伸切れが抑制される。さらに、中間に位置する層の弾性部材212bの表面硬度によって、最も外側に位置する層の弾性部材212cの表面硬度を調整することが可能である。
図3は、本実施形態の従動ローラ22の概略構成を模式的に示す図である。図3(a)は側面図(図1に示す原反フィルムF0及び偏光子F1の搬送方向に直交する水平方向から見た図)であり、図3(b)は正面視断面図(図1に示す原反フィルムF0及び偏光子F1の搬送方向から見た従動ローラ22の中心を通る断面図)である。
図3に示すように、本実施形態の従動ローラ22は、芯材221と、芯材221に巻かれた1層の弾性部材222と、を具備する。
芯材221は、駆動ローラ21の芯材211と同様の構成を有する。すなわち、芯材221は、断面円形の軸部221aと、断面円形の管状部221bと、を有する。軸部221aの中心軸が従動ローラ22の回転中心軸となる。管状部221bは、その中心に中空部が設けられ、この中空部に軸部221aが嵌合することで、軸部221aに結合されている。軸部221aが回転することにより、管状部221bも軸部221aと一体的に回転する。軸部221a及び管状部221bの材質は特に限定されるものではないが、例えば、軸部221aはステンレス鋼(例えば、SUS316)から形成され、管状部221bは樹脂(例えば、CFRP)から形成される。芯材221の外径(管状部221bの外径)は、例えば、400~500mmとされる。
弾性部材222は、適宜の接着剤を介して管状部221bの表面に接着されている。
弾性部材222の材質は特に限定されるものではないが、例えば、弾性部材222はスチレン・ブタジエンゴム(SBR)から形成されるのが好ましい。この他、弾性部材222をNBRやEPDMから形成することも可能である。弾性部材222の厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは、5~20mmであり、より好ましくは、5~15mmであり、特に好ましくは、10mmである。
なお、上記の弾性部材222の好ましい厚みは、従動ローラ22の軸方向中央部における厚みであり、この中央部における厚みが最大となり、軸方向端部に向けて厚みが小さくなるようにして、従動ローラ22にクラウンを設けることが好ましい。従動ローラ22にクラウンを設けることで、駆動ローラ21を従動ローラ22に向けて押し込んだ際に、駆動ローラ21と従動ローラ22との間に原反フィルムF0の厚み以上の隙間が生じ難く、原反フィルムF0を確実に挟んで搬送することが可能である。
従動ローラ22の表面硬度(外面硬度)は、弾性部材222の表面硬度(外面硬度)で表され、前述のように、従動ローラ22の表面硬度は、駆動ローラ21の表面硬度(弾性部材212cの表面硬度)よりも高い。したがって、弾性部材222の表面硬度は、好ましくは、ショアA硬度で50以上である。
なお、本実施形態では、駆動ローラ21の外径は、従動ローラ22の外径よりも大きい。例えば、駆動ローラ21の外径は500mm(芯材211の外径480mm+弾性部材212aの厚み1.5mm×2+弾性部材212bの厚み6.5mm×2+弾性部材212cの厚み2mm×2=500mm)であり、従動ローラ22の外径は460mm(芯材221の外径440mm+弾性部材222の厚み10mm×2=460mm)である。
このように、駆動ローラ21の外径が大きいため、駆動ローラ21の一部を延伸処理浴L4の液面よりも上方に位置させ易く、駆動ローラ21の劣化を抑制することが可能である。
以上に説明した本実施形態では、駆動ローラ21の一部が延伸処理浴L4の液面よりも上方に位置し、従動ローラ22が延伸処理浴L4に浸漬するように、ニップローラ2が配置されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。駆動ローラ21及び従動ローラ22の双方が延伸処理浴L4に浸漬するように、ニップローラ2が配置された態様を採用することも可能である。また、駆動ローラ21と従動ローラ22との上下の位置関係を逆転させた態様を採用することも可能である。具体的には、従動ローラ22の一部が延伸処理浴L4の液面よりも上方に位置し、駆動ローラ21が延伸処理浴L4に浸漬するように、ニップローラ2が配置されている態様や、上方に位置する従動ローラ22及び下方に位置する駆動ローラ21の双方が延伸処理浴L4に浸漬するように、ニップローラ2が配置された態様を採用することも可能である。
また、本実施形態では、駆動ローラ21の表面硬度が従動ローラ22の表面硬度よりも低くなっている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、従動ローラ22の表面硬度が駆動ローラ21の表面硬度よりも低い態様を採用することも可能である。
また、本実施形態では、駆動ローラ21が3層の弾性部材212を具備する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2層、又は4層以上の複数の弾性部材212を具備する態様を採用することも可能である。また、従動ローラ22が駆動ローラ21と同様に複数層の弾性部材222を具備する態様(すなわち、駆動ローラ21及び従動ローラ22の双方がそれぞれ複数層の弾性部材212、222を具備する態様)を採用することも可能である。また、従動ローラ22が複数層の弾性部材222を具備し、駆動ローラ21が1層の弾性部材212を具備する態様を採用することも可能である。さらに、駆動ローラ21及び従動ローラ22の双方がそれぞれ1層の弾性部材212、222を具備する態様を採用することも可能である。
さらに、本実施形態では、ニップローラ2が延伸処理槽14の延伸処理浴L4中に配置されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の処理槽1の任意の処理浴L中に配置することも可能である。例えば、前述のように、膨潤処理槽11の膨潤処理浴L1や、染色処理槽12の染色処理浴L2や、架橋処理槽13の架橋処理浴L3においても、原反フィルムF0の延伸処理を施してもよいため、これらの処理浴Lで延伸処理を施す場合には、これらの処理浴L中に本実施形態のニップローラ2を配置してもよい。これにより、各処理浴Lでの原反フィルムF0の延伸切れを抑制可能である。
1・・・処理槽
2・・・ニップローラ
14・・・延伸処理槽
21・・・駆動ローラ
22・・・従動ローラ
F0・・・原反フィルム
F1・・・偏光子
L・・・処理浴
L4・・・延伸処理浴
100・・・製造装置

Claims (8)

  1. 処理浴中にニップローラを配置し、原反フィルムを前記ニップローラで搬送しながら前記処理浴で前記原反フィルムに処理を施すことで偏光子を製造する方法であって、
    前記ニップローラは、駆動ローラと、前記駆動ローラとの間で前記原反フィルムを挟んで搬送する従動ローラと、から構成され、
    前記駆動ローラの表面硬度と、前記従動ローラの表面硬度とが異なる、偏光子の製造方法。
  2. 前記駆動ローラの一部が前記処理浴の液面よりも上方に位置し、前記従動ローラが前記処理浴に浸漬するように、前記ニップローラを配置し、
    前記駆動ローラの表面硬度が、前記従動ローラの表面硬度よりも低い、
    請求項1に記載の偏光子の製造方法。
  3. 前記駆動ローラ及び前記従動ローラのうち、表面硬度が低い方のローラの表面硬度が、ショアA硬度で50未満であるか、又は、アスカーC硬度で80未満であり、表面硬度が高い方のローラの表面硬度が、ショアA硬度で50以上である、
    請求項1又は2に記載の偏光子の製造方法。
  4. 前記駆動ローラ及び/又は前記従動ローラが、芯材と、前記芯材に巻かれた複数層の弾性部材と、を具備し、
    前記複数層の弾性部材は、内側に位置する層の弾性部材の表面硬度の方が、外側に位置する層の弾性部材の表面硬度よりも高い、
    請求項1から3の何れかに記載の偏光子の製造方法。
  5. 前記複数層の弾性部材は、3層の弾性部材である、
    請求項4に記載の偏光子の製造方法。
  6. 前記駆動ローラ及び前記従動ローラのうち、表面硬度が低い方のローラの外径が、表面硬度が高い方のローラの外径よりも大きい、
    請求項1から5の何れかに記載の偏光子の製造方法。
  7. 前記処理浴は、前記原反フィルムに延伸処理を施す処理浴である、
    請求項1から6の何れかに記載の偏光子の製造方法。
  8. 処理浴を貯留する処理槽と、前記処理浴中に配置されたニップローラと、を備え、原反フィルムを前記ニップローラで搬送しながら前記処理浴で前記原反フィルムに処理を施すことで偏光子を製造する装置であって、
    前記ニップローラは、駆動ローラと、前記駆動ローラとの間で前記原反フィルムを挟んで搬送する従動ローラと、から構成され、
    前記駆動ローラの表面硬度と、前記従動ローラの表面硬度とが異なる、偏光子の製造装置。
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