JP2022112119A - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切なフィードフォワード量を推定することができる制御装置を提供する。【解決手段】制御装置は、設定値SPに対し時間遅れフィルタ処理を実行し補正設定値SP’を算出する設定値フィルタ部1と、補正設定値SP’と制御量PVから基本操作量MVを算出する操作量算出部2と、少なくとも基本操作量MVを含む実操作量MV_F’を制御対象に出力させたときの設定値追従の応答前後の実操作量差に基づいてステップ要素に必要なフィードフォワード量MV_X1の算出のためのパラメータKx1を推定するステップ対応推定部5と、フィードフォワード量MV_X1の総量を算出する総量算出部6と、実操作量MV_F’の変化量総量からフィードフォワード量MV_X1の総量を減算した結果に基づいてインパルス要素に必要なフィードフォワード量MV_X2の算出のためのパラメータKx2を推定するインパルス対応推定部7を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、フィードバック制御とフィードフォワード制御とを併用する制御装置および制御方法に関するものである。
代表的なフィードバック(Feedback)制御であるPID制御に、フィードフォワード(Feedforward)分を加算する方法(以下、フィードフォワード+フィードバック制御とする)が提案されている(特許文献1参照)。
発明者は、このようなフィードフォワード+フィードバック制御を特に図15のような加熱装置に適用する場合において、実用性を向上させるために、操作量MVの下限値OL、上限値OHを通常値に漸近的に収束させる形式のフィードフォワード方法(特許文献2)と、フィードフォワード量MV_Pをゼロに漸近的に収束させる形式のフィードフォワード方法(特許文献3)とを提案した。
図15の加熱装置は、処理対象のワークを加熱する熱処理炉100と、電気ヒータ101と、熱処理炉100内の温度を計測する温度センサ102と、熱処理炉100内の温度を制御する温調計103と、電力調整器104と、電力供給回路105と、加熱装置全体を制御するPLC(Programmable Logic Controller)106とから構成される。温調計103は、温度センサ102が計測した温度PV(制御量)が温度設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器104は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路105を通じて電気ヒータ101に供給する。
発明者が特許文献3で提案したフィードフォワード+フィードバック制御は、典型的なフィードフォワード制御に近い。図16の制御系のブロック線図を用いて、発明者が特許文献3で提案した技術について説明する。図16のPは制御対象を示している。
操作量算出部201は、設定値SPと制御量PVとを入力として、制御量PVが設定値SPと一致するように、例えば以下の伝達関数式のようなPID制御演算を行って操作量MV(本発明では、基本操作量MVとする)を算出する。
MV=(100/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP-PV)
・・・(1)
Pbは比例帯、Tiは積分時間、Tdは微分時間、sはラプラス演算子である。
加算量算出部204は、基本操作量MVに対するフィードフォワード分の加算量の目標値である操作量加算値FF_P(FF_P≠0)が入力されると、操作量加算値FF_Pに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量加算量MV_Pを算出する。具体的には、加算量算出部204は、下記のような伝達関数式で操作量加算量MV_Pを算出する。
MV_P={Kxs/(1+Tfs)2}FF_P ・・・(2)
式(2)のTfは、操作量加算量MV_Pを徐々に収束させる時間を規定するパラメータである。Kxはフィードフォワード量を規定するパラメータである。操作量加算量MV_Pの変化の1例を図17に示す。図17の例では、操作量加算値FF_P=50%、パラメータTf=100sec.、パラメータKx=275としている。
減算量算出部205は、基本操作量MVに対するフィードフォワード分の減算量の目標値である操作量減算値FF_M(FF_M≠0)が入力されると、操作量減算値FF_Mに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量減算量MV_Mを算出する。具体的には、減算量算出部205は、下記のような伝達関数式で操作量減算量MV_Mを算出する。
MV_M={Kxs/(1+Tfs)2}FF_M ・・・(3)
式(3)のTfは、操作量減算量MV_Mを徐々に収束させる時間を規定するパラメータである。操作量変更部206は、操作量算出部201で算出された基本操作量MVに、加算量算出部204によって算出された操作量加算量MV_Pを加算し、さらに減算量算出部205によって算出された操作量減算量MV_Mを減算した結果を操作量MV_F(本発明では、実操作量MV_Fとする)として算出する。
MV_F=MV+MV_P-MV_M ・・・(4)
リミット処理部207は、操作量変更部206によって算出された実操作量MV_Fを所定の操作量下限値OL以上の値に制限する下限リミット処理と、実操作量MV_Fを所定の操作量上限値OH以下の値に制限する上限リミット処理とを行なう。このリミット処理部207でリミット処理された実操作量MV_F’が制御対象Pに出力される。
ここで、設定値SPの変更に対する設定値追従制御において、設定値SPに時間遅れフィルタ(例えば1次遅れフィルタ)を適用して補正設定値SP’を生成し、この補正設定値SP’に対してPID制御によるフィードバック制御を実行すると、設定値SPと補正設定値SP’と制御量PVの変化は図18に示すようになる。すなわち、制御量PVの応答速度を、補正設定値SP’によって実質的に調整することができ、制御量PVの急変動を緩和したいときに特に便利である。また、実操作量MV_F’は図19に示すようになる。図18、図19の制御量PV、実操作量MV_F’は、MV_P=MV_M=0とし、設定値SPの代わりに補正設定値SP’を操作量算出部201に入力した結果に相当する。
補正設定値SP’と制御量PVとの偏差Er(=SP’-PV)は図20に示すようになり、特許文献3における外乱応答と類似の挙動になる。すなわち、制御量PVをさらに補正設定値SP’に一致するように追従させるために、補正設定値SP’に対する制御量PVの偏差Erを外乱のように見なして、特許文献3における外乱応答のフィードフォワード制御を適用することが有効である。
このように、補正設定値SP’を入力とするフィードバック制御に対して、特許文献3で提案したフィードフォワード制御を適用することは有効な手法となり得る。
ただし、制御技術の専門家ではない通常のオペレータ(制御技術ユーザ)が、フィードフォワード制御の実行結果を適切に評価できることはほとんどない。特にフィードフォワード分の操作量加算量(本発明では、特許文献3と区別するため、フィードフォワード量MV_Xとする)は、適切に評価しながら調整されなければならない。フィードフォワード量MV_Xが不適切であれば、フィードフォワード制御の効果は劣化する。しかしながら、制御技術の専門家ではない通常のオペレータにとって、フィードフォワード量MV_Xを適切に調整して、フィードフォワード制御の効果を高めることは困難であった。
特開2007-102816号公報 特開2019-101846号公報 特開2019-101847号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、設定値に時間遅れフィルタを適用する形態において、適切なフィードフォワード量を合理的に推定することができる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、設定値に対し時間遅れフィルタ処理を実行して補正設定値を算出するように構成された設定値フィルタ部と、前記補正設定値と制御量とを入力として第1の操作量をフィードバック制御演算により算出するように構成された操作量算出部と、前記設定値の変更前に有意の値となる、フィードフォワード開始のトリガー信号の入力に応じて、第1のフィードフォワード量を算出するように構成されたフィードフォワード算出部と、前記操作量算出部によって算出された前記第1の操作量に前記第1のフィードフォワード量を加算するように構成されたフィードフォワード実行部と、前記第1の操作量に前記第1のフィードフォワード量を加算した第2の操作量を制御対象に出力するように構成された操作量出力部と、前記トリガー信号が入力された規定の第1の試行期間において前記第2の操作量を制御対象に出力させたときの設定値追従の応答前後の前記第2の操作量の差に基づいて、設定値追従制御のステップ要素に必要な第2のフィードフォワード量の算出のための第1のパラメータを推定するように構成された第1の推定部と、前記第1の試行期間において前記第2のフィードフォワード量が出力されたと仮定したときの前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第1のパラメータに基づいて算出するように構成された総量算出部と、前記第1の試行期間における前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2のフィードフォワード量の総量を減算した結果に基づいて、設定値追従制御のインパルス要素に必要な第3のフィードフォワード量の算出のための第2のパラメータを推定するように構成された第2の推定部とを備え、前記フィードフォワード算出部は、前記第1の試行期間の後に前記トリガー信号が入力されたときに、前記第1のパラメータに基づいて算出した前記第2のフィードフォワード量と前記第2のパラメータに基づいて算出した前記第3のフィードフォワード量との和を前記第1のフィードフォワード量とすることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記総量算出部は、前記トリガー信号が入力された規定の第2の試行期間において前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第1のパラメータに基づいて算出し、前記第2の推定部は、前記第2の試行期間における前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2の試行期間における前記第2のフィードフォワード量の総量を減算した結果に基づいて前記第2のパラメータを更新することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記第2のフィードフォワード量は、ゼロから前記第1のパラメータの値へと徐々に収束する量であり、前記第1のパラメータをKx1、前記第2のフィードフォワード量を徐々に収束させる時間を規定する時定数をTf、前記時定数を調整する係数をA、前記トリガー信号をFF_X、ラプラス演算子をsとしたとき、[Kx1/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_Xにより算出される。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記第3のフィードフォワード量は、前記第2のパラメータの値に近づいた後にゼロへと徐々に収束する量であり、前記第2のパラメータをKx2、前記第3のフィードフォワード量を徐々に収束させる時間を規定する時定数をTf、前記時定数を調整する係数をA、前記トリガー信号をFF_X、ラプラス演算子をsとしたとき、[Kx2s/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_Xにより算出される。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記第1の推定部は、設定値追従の応答前後の前記第2の操作量の差を前記第1のパラメータの値とすることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記第2の推定部は、前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2のフィードフォワード量の総量を減算し、前記第1の操作量と前記第1、第2、第3のフィードフォワード量との算出周期に、前記減算の結果を乗算した値を前記第2のパラメータの値とすることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、前記設定値の変更幅が前記第1の試行期間のときの基準の変更幅から変わる予定のときに、前記基準の変更幅に対する前記第1、第2のパラメータの割合と新たな変更幅とに基づいて、前記第1、第2のパラメータを更新するように構成された設定変更部をさらに備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、設定値に対し時間遅れフィルタ処理を実行し補正設定値を算出する第1のステップと、前記補正設定値と制御量とを入力として第1の操作量をフィードバック制御演算により算出する第2のステップと、前記設定値の変更前に有意の値となる、フィードフォワード開始のトリガー信号の入力に応じて、第1のフィードフォワード量を算出する第3のステップと、前記第1の操作量に前記第1のフィードフォワード量を加算する第4のステップと、前記第1の操作量に前記第1のフィードフォワード量を加算した第2の操作量を制御対象に出力する第5のステップと、前記トリガー信号が入力された規定の第1の試行期間において前記第2の操作量を制御対象に出力させたときの設定値追従の応答前後の前記第2の操作量の差に基づいて、設定値追従制御のステップ要素に必要な第2のフィードフォワード量の算出のための第1のパラメータを推定する第6のステップと、前記第1の試行期間において前記第2のフィードフォワード量が出力されたと仮定したときの前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第1のパラメータに基づいて算出する第7のステップと、前記第1の試行期間における前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2のフィードフォワード量の総量を減算した結果に基づいて、設定値追従制御のインパルス要素に必要な第3のフィードフォワード量の算出のための第2のパラメータを推定する第8のステップとを含み、前記第3のステップは、前記第1の試行期間の後に前記トリガー信号が入力されたときに、前記第1のパラメータに基づいて算出した前記第2のフィードフォワード量と前記第2のパラメータに基づいて算出した前記第3のフィードフォワード量との和を前記第1のフィードフォワード量とするステップを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例は、前記トリガー信号が入力された規定の第2の試行期間において前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第1のパラメータに基づいて算出する第9のステップと、前記第9のステップで算出した前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第2の試行期間における前記第2の操作量の変化量の総量から減算した結果に基づいて前記第2のパラメータを更新する第10のステップとをさらに含むことを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記第2のフィードフォワード量は、ゼロから前記第1のパラメータの値へと徐々に収束する量であり、前記第1のパラメータをKx1、前記第2のフィードフォワード量を徐々に収束させる時間を規定する時定数をTf、前記時定数を調整する係数をA、前記トリガー信号をFF_X、ラプラス演算子をsとしたとき、[Kx1/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_Xにより算出される。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記第3のフィードフォワード量は、前記第2のパラメータの値に近づいた後にゼロへと徐々に収束する量であり、前記第2のパラメータをKx2、前記第3のフィードフォワード量を徐々に収束させる時間を規定する時定数をTf、前記時定数を調整する係数をA、前記トリガー信号をFF_X、ラプラス演算子をsとしたとき、[Kx2s/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_Xにより算出される。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記第6のステップは、前記設定値追従の応答前後の前記第2の操作量の差を前記第1のパラメータの値とするステップを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例は、前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2のフィードフォワード量の総量を減算し、前記第1の操作量と前記第1、第2、第3のフィードフォワード量との算出周期に、前記減算の結果を乗算した値を前記第2のパラメータの値とすることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例は、前記設定値の変更幅が前記第1の試行期間のときの基準の変更幅から変わる予定のときに、前記基準の変更幅に対する前記第1、第2のパラメータの割合と新たな変更幅とに基づいて、前記第1、第2のパラメータを更新する第11のステップをさらに含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、第1の推定部と総量算出部と第2の推定部とを設けることにより、設定値追従制御の実行結果(試行結果)に基づいて、適切な第1のフィードフォワード量を合理的に推定することができる。その結果、本発明では、フィードフォワード制御の効果を高めることができる。
また、本発明では、第2の推定部が、第2の試行期間における第2の操作量の変化量の総量から第2の試行期間における第2のフィードフォワード量の総量を減算して、この減算結果に基づいて第2のパラメータを更新することにより、第1のフィードフォワード量をさらに高精度に推定することができる。
図1は、本発明の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施例に係る制御系のブロック線図である。 図3は、本発明の実施例に係る制御装置の動作を説明するフローチャートである。 図4は、本発明の実施例に係る制御装置の動作を説明するフローチャートである。 図5は、本発明の実施例に係るフィードフォワード量の変化の1例を示す図である。 図6は、本発明の実施例に係るフィードフォワード量の変化の1例を示す図である。 図7は、本発明の実施例に係るフィードフォワード量の変化の1例を示す図である。 図8は、本発明の実施例においてフィードフォワード制御を実行せずにフィードバック制御のみを実行した場合の設定値と補正設定値と制御量のシミュレーション結果を示す図である。 図9は、本発明の実施例においてフィードフォワード制御を実行せずにフィードバック制御のみを実行した場合の実操作量のシミュレーション結果を示す図である。 図10は、本発明の実施例においてフィードフォワード制御とフィードバック制御を実行した場合の設定値と補正設定値と制御量のシミュレーション結果を示す図である。 図11は、本発明の実施例においてフィードフォワード制御とフィードバック制御を実行した場合の実操作量のシミュレーション結果を示す図である。 図12は、本発明の実施例においてフィードフォワード制御とフィードバック制御を実行した場合のフィードフォワード量のシミュレーション結果を示す図である。 図13は、本発明の実施例に係る制御装置の設定変更部の動作を説明するフローチャートである。 図14は、本発明の実施例に係る制御装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。 図15は、加熱装置の構成を示すブロック図である。 図16は、フィードバック+フィードフォワードの制御系のブロック線図である。 図17は、フィードバック+フィードフォワード制御における操作量加算量の変化の1例を示す図である。 図18は、補正設定値を入力とするフィードバック制御を実行した場合の制御量のシミュレーション結果を示す図である。 図19は、補正設定値を入力とするフィードバック制御を実行した場合の実操作量のシミュレーション結果を示す図である。 図20は、補正設定値を入力とするフィードバック制御を実行した場合の補正設定値と制御量との偏差のシミュレーション結果を示す図である。
[発明の原理1]
適用対象の設定値追従制御には、大きく分けてインパルス要素とステップ要素の2種類がある。
インパルス要素は、設定値追従制御の過渡状態に影響を及ぼす要素であり、一時的かつ衝撃のような実操作量MV_Fの変化である。ステップ要素は、設定値追従の応答の前後で整定時の実操作量MV_Fに変化が生じる要素であり、整定状態という平衡点自体が変化する要素である。なお、特許文献3にはインパルス要素の動作が記載されている。
発明者は、鋭意研究の結果、以下の(I)~(III)の手順でほぼ適正なフィードフォワード量MV_Xを推定できることを突き止めた。なお、本発明では、設定値SP変更のタイミングが既知であることにより、設定値SP変更前にフィードフォワード動作を加えるタイミングを、自動決定できることを前提とする。
(I)フィードフォワード量MV_Xを徐々に収束させる時間を規定するパラメータ(時定数)Tfを、設定値SPに適用する時間遅れフィルタ(例えば1次遅れフィルタ)の時定数T_spに比例して、Tf=ηT_sp(例えばη=0.55)というように一意的に決定する。
(II)少なくともフィードバック制御による設定値追従制御(フィードバック制御のみの設定値追従制御、あるいはフィードバック制御+調整前のフィードフォワード制御)を実行し、設定値追従の応答前後の実操作量差ΔMV_stpを目安にステップ要素に必要なフィードフォワード量MV_X1を推定する。理論的には、適正なフィードフォワード量MV_X1は、実操作量差ΔMV_stpに比例する。
(III)上記(II)で実行した設定値追従制御において、実操作量MV_Fの変化量総量ΔMV_allを算出し、(II)で推定したステップ要素に必要なフィードフォワード量MV_X1の総量MV_X1_allを減算した実操作量MV_Fの変化量総量ΔMV_impを目安にインパルス要素に必要なフィードフォワード量MV_X2を推定する。理論的には、適正なフィードフォワード量MV_X2は、実操作量MV_Fの変化量総量ΔMV_impに概ね比例する。
本発明では、上記のように1回の設定値追従制御を確認すればよい。なお、フィードフォワード量MV_X1およびフィードフォワード量MV_X2は、設定値SPの変更幅に比例して増減するので、基準となる設定値SP変更幅に対する割合の量として規定するのが実用的で好ましい。すなわち、設定値SP変更幅を任意に切り替えて使用する場合であっても、設定値SP変更幅に応じて基準となる設定値SP変更幅との倍率で換算することにより、フィードフォワード量MV_X1およびフィードフォワード量MV_X2を自動決定できる。
[発明の原理2]
上記の(I)~(III)の手順により、フィードフォワード量MV_Xの概ね適切な推定・調整が可能である。ただし、インパルス要素とステップ要素は同時に進行するので、(I)~(III)の手順を終えた段階では、インパルス要素に必要なフィードフォワード量MV_X2を高精度に推定する目安が得られているとは限らない。したがって、以下の(IV)手順を追加することが好ましい。
(IV)少なくとも上記(II)で推定したステップ要素に対するフィードフォワード制御(フィードフォワード量MV_X1)とフィードバック制御とで設定値追従制御を再度実行し、フィードフォワード量MV_X1の総量MV_X1_allを減算した実操作量MV_Fの変化量総量ΔMV_impを目安にインパルス要素に必要なフィードフォワード量MV_X2を推定する。理論的には、適正なフィードフォワード量MV_X2は、実操作量MV_Fの変化量総量ΔMV_impに比例する。
すなわち、本発明では、フィードフォワード量MV_Xを特に高精度にするためには、上記のように2回の設定値追従制御を確認すればよい。2回の試行で済むということは、合理的かつ効率的な手順になる。
[実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置は、設定値SPに対し時間遅れフィルタ処理(例えば1次遅れフィルタ処理)を実行して補正設定値SP’を算出する設定値フィルタ部1と、補正設定値SP’と制御量PVとを入力として基本操作量MV(第1の操作量)をフィードバック制御演算により算出する操作量算出部2と、設定値SPの変更前に有意の値となる、フィードフォワード開始のトリガー信号FF_Xの入力に応じて、フィードフォワード量MV_X(第1のフィードフォワード量)を算出するフィードフォワード算出部3と、操作量算出部2によって算出された基本操作量MVにフィードフォワード量MV_Xを加算して実操作量MV_F(第2の操作量)とするフィードフォワード実行部4とを備えている。
また、制御装置は、トリガー信号FF_Xが入力された規定の第1の試行期間において少なくとも基本操作量MVを含む実操作量MV_Fを制御対象に出力させたときの設定値追従の応答前後の実操作量差ΔMV_stpに基づいて、設定値追従制御のステップ要素に必要なフィードフォワード量MV_X1(第2のフィードフォワード量)の算出のためのパラメータKx1(第1のパラメータ)を推定するステップ対応推定部5(第1の推定部)と、第1の試行期間においてフィードフォワード量MV_X1が出力されたと仮定したときのフィードフォワード量MV_X1の総量MV_X1_allをパラメータKx1に基づいて算出する総量算出部6と、第1の試行期間における実操作量MV_Fの変化量総量ΔMV_allからフィードフォワード量MV_X1の総量を減算して、この減算結果ΔMV_impに基づいて、設定値追従制御のインパルス要素に必要なフィードフォワード量MV_X2(第3のフィードフォワード量)の算出のためのパラメータKx2(第2のパラメータ)を推定するインパルス対応推定部7(第2の推定部)とを備えている。なお、本実施例では、少なくとも基本操作量MVを含む実操作量MV_Fの一例として、フィードフォワード量MV_Xがゼロの状態で基本操作量MVのみを実操作量MV_Fとして制御対象に出力させる形態で説明する。
さらに、制御装置は、ステップ対応推定部5とインパルス対応推定部7の推定結果をフィードフォワード算出部3に設定する推定結果出力部8と、フィードフォワード実行部4で算出された実操作量MV_Fを操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限するリミット処理を行なうリミット処理部9と、リミット処理された実操作量MV_F’(第2の操作量)を制御対象に出力する操作量出力部10と、設定値SPの変更幅ΔSPが第1の試行期間のときの基準の変更幅から変わる予定のときに、基準の変更幅に対するパラメータKx1,Kx2の割合と新たな変更幅とに基づいて、パラメータKx1,Kx2を更新する設定変更部11とを備えている。ただし、実操作量MV_Fの動作が操作量下限値OLから操作量上限値OHの範囲に限られている場合は、リミット処理部は備えなくてもよいし、本発明は実操作量MV_Fの動作が操作量下限値OLから操作量上限値OHの範囲に限られている場合に特に有効に適用できる。
図2は本実施例の制御系のブロック線図である。図2のPは制御対象を示している。
次に、本実施例の制御装置の動作を図3、図4を参照して説明する。設定値SP(例えば温度設定値)は、制御装置のオペレータなどによって設定され、設定値フィルタ部1に入力される(図3ステップS100)。
設定値フィルタ部1は、設定値SPに対し時間遅れフィルタ処理(例えば1次遅れフィルタ処理)を実行し補正設定値SP’を算出する(図3ステップS101)。具体的には、設定値フィルタ部1は、式(5)のような1次遅れフィルタ処理を実行する。
SP’={1/(1+T_sps)}SP ・・・(5)
sはラプラス演算子である。T_spはフィルタ時定数であり、単位はsec.である。フィルタ時定数T_spは例えばオペレータの要望に基づいて予め設定される。
制御量PV(例えば温度計測値)は、図示しない計測器(例えば被加熱物の温度を計測する温度センサ)によって計測され、操作量算出部2に入力される(図3ステップS102)。
操作量算出部2は、補正設定値SP’と制御量PVとを入力として、制御量PVが補正設定値SP’と一致するように、例えば以下の伝達関数式のようなPID演算を行って基本操作量MVを算出する(図3ステップS103)。
MV=(100/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP’-PV)
・・・(6)
Pbは比例帯、Tiは積分時間、Tdは微分時間である。
フィードフォワード算出部3は、フィードフォワード制御の実行時にフィードフォワード量MV_Xを算出するが、設定値SPの変更前に1(有意の値)となり設定値SPの変更後に0(非有意の値)となるトリガー信号FF_Xが0の場合(図3ステップS104においてNO)、フィードバック制御のみでフィードフォワード制御を実行しないものとして、フィードフォワード量MV_Xを0にする(図3ステップS105)。
フィードフォワード実行部4は、操作量算出部2によって算出された基本操作量MVに、フィードフォワード算出部3によって算出されたフィードフォワード量MV_Xを加算した結果を実操作量MV_Fとして算出する(図3ステップS106)。
MV_F=MV+MV_X ・・・(7)
ここでは、MV_X=0なので、MV_F=MVである。リミット処理部9は、フィードフォワード実行部4によって算出された実操作量MV_Fを所定の操作量下限値OL以上の値に制限する下限リミット処理と、実操作量MV_Fを所定の操作量上限値OH以下の値に制限する上限リミット処理とを行なう(図3ステップS107)。
IF MV_F<OL THEN MV_F’=OL ・・・(8)
IF MV_F>OH THEN MV_F’=OH ・・・(9)
つまり、リミット処理部9は、実操作量MV_Fが操作量下限値OLより小さい場合、実操作量MV_F’=OLとし、実操作量MV_Fが操作量上限値OHより大きい場合、実操作量MV_F’=OHとする。
操作量出力部10は、リミット処理部9でリミット処理された実操作量MV_F’を制御対象に出力する(図3ステップS108)。実操作量MV_F’の出力先は、ヒータやバルブなどの操作部(不図示)である。ヒータの場合には、実操作量MV_F’の実際の出力先は、ヒータに電力を供給する電力調整器(不図示)となる。
制御装置は、図3のステップS100~S108の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図3ステップS109においてYES)、制御周期毎に実行する。
次に、トリガー信号FF_Xが1(有意の値)になったときの動作を説明する。本実施例では、設定値SP変更のタイミングが既知であることにより、設定値SP変更前にフィードフォワード動作を加えるタイミングを自動決定できることを前提としており、本実施例の制御装置が適用されるシステムにおいて、制御量PVを補正設定値SP’と一致するように追従させるために、外部機器から制御装置に対して規定のタイミングでトリガー信号FF_X=1が自動的に入力される。
例えば薬品の製造装置において、薬品製造の炉の温度を変えるという状況がある。この場合、炉の温度を制御する制御装置(外部機器)は、炉の温度(設定値SP)を変更するタイミングよりも前の時点で本実施例の制御装置に対してトリガー信号FF_X=1を送信する。外部機器は、設定値SPを変更した時点から所定時間後にトリガー信号FF_Xを0にする。このトリガー信号FF_Xを0にするタイミングは、設定値SPの変更後に実操作量MV_F’が整定するタイミングよりも後のタイミングに設定する必要がある。
なお、設定値SPの変更タイミングに対してトリガー信号FF_Xを1にするタイミングをどの程度前にすべきかについては後述する。
ステップ対応推定部5は、トリガー信号FF_Xが0から1になったとき(図3ステップS104においてYES)、トリガー信号FF_Xが1になった1回目の設定値追従制御の期間(第1の試行期間)においては(図3ステップS110においてYES)、FF_X=0のときと同様にフィードバック制御のみでフィードフォワード制御を実行しないものとして、フィードフォワード算出部3からフィードフォワード量MV_X=0を出力させる(図3ステップS111)。
図3のステップS112~S114の処理は、ステップS106~S108の処理と同じである。そして、ステップ対応推定部5とインパルス対応推定部7とは、フィードフォワード実行部4によって算出されリミット処理部9によって処理された実操作量MV_F’を時刻と共に記憶する(図3ステップS115)。
ステップ対応推定部5は、トリガー信号FF_Xが1になった1回目の設定値追従制御において、実操作量MV_F’が整定したと判定した場合(図3ステップS116においてYES)、設定値追従の応答前後の実操作量差ΔMV_stpを算出する(図3ステップS117)。実操作量差ΔMV_stpは、ステップS116において整定したと判定したときの実操作量MV_F’の整定値と設定値SP変更前の実操作量MV_F’(トリガー信号FF_Xが1になる直前の実操作量MV_F’の整定値)との差である。
そして、ステップ対応推定部5は、ステップ要素に必要なフィードフォワード量MV_X1の算出のためのパラメータKx1の適正値を次式のように推定する(図3ステップS118)。
Kx1=ΔMV_stp ・・・(10)
すなわち、本実施例では、ステップ対応推定部5は、実操作量差ΔMV_stpをそのままパラメータKx1とする。
推定結果出力部8は、ステップ対応推定部5によって推定されたパラメータKx1の値をフィードフォワード算出部3に設定する(図3ステップS119)。このように、推定したパラメータKx1の値をフィードフォワード算出部3に自動設定してもよいし、パラメータKx1の値を画面に表示してオペレータに確認させた上でオペレータが手動でフィードフォワード算出部3に設定してもよい。パラメータKx1の設定により、後述のようにフィードフォワード算出部3がフィードフォワード量MV_X1を逐次的に算出できるようになる。
ステップ要素に必要なフィードフォワード量MV_X1の算出式は次式のようになる。
MV_X1
=[Kx1/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_X
・・・(11)
また、インパルス要素に必要なフィードフォワード量MV_X2の算出式は次式のようになる。
MV_X2
=[Kx2s/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_X
・・・(12)
式(11)、式(12)において、Tfはフィードフォワード量MV_X1,MV_X2を徐々に収束させる時間を規定するパラメータ(時定数)であり、単位はsec.である。時定数Tfは、設定値SPに適用される時間遅れフィルタ(例えば1次遅れフィルタ)の時定数T_spに比例して、次式のように予め設定することができる。
Tf=ηT_sp ・・・(13)
係数ηは、0より大きい実数であり、例えば0.55である。
式(11)、式(12)のAは時定数Tfのバランスを調整する係数(Aは0より大きい実数)である。本実施例では、A=1.0としている。
上記のとおり、パラメータKx1は、ステップ対応推定部5によって推定された値であり、基本操作量MVに対するフィードフォワード分の加減算量の実質的に目標値である。式(11)により、フィードフォワード量MV_X1は、ゼロ値からパラメータKx1の値へと徐々に収束する。
また、式(12)のKx2は、インパルス要素に必要なフィードフォワード量MV_X2の算出のためのパラメータであり、基本操作量MVに対するフィードフォワード分の加減算量の総量(各制御周期の加減算量の積算値)の実質的に目標値である。式(12)により、フィードフォワード量MV_X2は、その総量(各制御周期の積算値)がパラメータKx2の値に近づいた後に、フィードフォワード量MV_X2自体はゼロ値へと徐々に収束する。
なお、式(11)~式(13)は、フィードフォワード算出部3に記憶されている。時定数Tfについては、式(13)によりフィードフォワード算出部3が自動的に設定してもよいし、オペレータが手動で設定してもよい。
次に、総量算出部6は、トリガー信号FF_Xが1になった1回目の設定値追従制御においてステップ要素に必要なフィードフォワード量MV_X1が出力されたと仮定したときの実操作量MV_F’の整定までのフィードフォワード量MV_X1の総量MV_X1_all(各制御周期の加減算量の積算値)を算出する(図3ステップS120)。ステップ対応推定部5によってパラメータKx1の値が推定されたので、トリガー信号FF_Xが1になった時点から出力されるフィードフォワード量MV_X1は、上記の式(11)によって算出することができる。
インパルス対応推定部7は、設定値SP変更前の実操作量MV_F’(トリガー信号FF_Xが1になる直前の実操作量MV_F’の整定値)に対して、トリガー信号FF_Xが1になった1回目の設定値追従制御における実操作量MV_F’の変化量総量ΔMV_all(各制御周期の変化量の積算値)を、記憶している実操作量MV_F’の時系列データに基づいて算出する(図3ステップS121)。なお、本実施例では、実操作量MV_Fは基本操作量MVのみが含まれる形態としているので、MV_F=MVである。
続いて、インパルス対応推定部7は、ステップS121で算出した実操作量MV_F’の変化量総量ΔMV_allから総量算出部6によって算出されたフィードフォワード量MV_X1の総量MV_X1_allを減算した変化量総量ΔMV_impを算出する(図3ステップS122)。
ΔMV_imp=ΔMV_all-MV_X1_all ・・・(14)
さらに、インパルス対応推定部7は、インパルス要素に必要なフィードフォワード量MV_X2の算出のためのパラメータKx2の適正値を次式のように推定する(図3ステップS123)。
Kx2=ΔMV_imp×dt ・・・(15)
式(15)において、dtは制御周期(基本操作量MVとフィードフォワード量MV_X1,MV_X2,MV_Xの算出周期)であり、単位はsec.である。
推定結果出力部8は、インパルス対応推定部7によって推定されたパラメータKx2の値をフィードフォワード算出部3に設定する(図3ステップS124)。このように、推定したパラメータKx2の値をフィードフォワード算出部3に自動設定してもよいし、パラメータKx2の値を画面に表示してオペレータに確認させた上でオペレータが手動でフィードフォワード算出部3に設定してもよい。パラメータKx2の設定により、フィードフォワード算出部3がフィードフォワード量MV_X2を逐次的に算出できるようになる。
ステップS100~S104,S110~S124までの処理が上記の(I)~(III)の手順に相当する処理フローになる。これにより、実用上ほぼ問題ない程度のパラメータKx1,Kx2の適正値を推定することができる。したがって、推定に基づく調整もできる。ステップS117~S124の処理は、実操作量MV_F’が整定したときに1回行えばよい。
上記のとおり、設定値SPが変更された後の規定のタイミングでトリガー信号FF_Xは1から0に戻る。
次に、フィードフォワード算出部3は、トリガー信号FF_Xが0から1になったとき(ステップS104においてYES)、トリガー信号FF_Xが1になった2回目の設定値追従制御の期間(第2の試行期間)においては(図4ステップS125においてYES)、フィードフォワード+フィードバック制御を実行するため、式(11)によりステップ要素に必要なフィードフォワード量MV_X1を算出する(図4ステップS126)。このフィードフォワード量MV_X1の算出と同時に、フィードフォワード算出部3は、式(12)によりインパルス要素に必要なフィードフォワード量MV_X2を算出する(図4ステップS127)。
そして、フィードフォワード算出部3は、次式のようにフィードフォワード量MV_X1とMV_X2とを加算したフィードフォワード量MV_Xを算出する(図4ステップS128)。
MV_X=MV_X1+MV_X2 ・・・(16)
図4のステップS129~S131の処理は、ステップS106~S108の処理と同じである。そして、ステップ対応推定部5とインパルス対応推定部7とは、フィードフォワード実行部4によって算出されリミット処理部9によって処理された実操作量MV_F’を時刻と共に記憶する(図4ステップS132)。
総量算出部6は、トリガー信号FF_Xが1になった2回目の設定値追従制御において、実操作量MV_F’が整定したときに(図4ステップS133においてYES)、実操作量MV_F’の整定までにフィードフォワード算出部3によって算出されたフィードフォワード量MV_X1の総量MV_X1_allを算出する(図4ステップS134)。
インパルス対応推定部7は、2回目の設定値SP変更の前の実操作量MV_F’(トリガー信号FF_Xが1になる直前の実操作量MV_F’の整定値)に対して、トリガー信号FF_Xが1になった2回目の設定値追従制御における実操作量MV_F’の変化量総量ΔMV_allを、記憶している実操作量MV_F’の時系列データに基づいて算出する(図4ステップS135)。
続いて、インパルス対応推定部7は、ステップS135で算出した実操作量MV_F’の変化量総量ΔMV_allからステップS134で算出されたフィードフォワード量MV_X1の総量MV_X1_allを減算した変化量総量ΔMV_impを算出する(図4ステップS136)。
さらに、インパルス対応推定部7は、ステップS136で算出した変化量総量ΔMV_impに基づいて、パラメータKx2の適正値を式(15)により推定する(図4ステップS137)。
推定結果出力部8は、フィードフォワード算出部3に設定されているパラメータKx2の値を、インパルス対応推定部7によって新たに推定された値に更新する(図4ステップS138)。このようにパラメータKx2の値を自動更新してもよいし、パラメータKx2の値を画面に表示してオペレータに確認させた上でオペレータが手動で更新してもよい。
ステップS125~S138までの処理が上記の(IV)の手順に相当する処理フローになる。ステップS134~S138の処理は、実操作量MV_F’が整定したときに1回行えばよい。
トリガー信号FF_Xが1になった3回目以降の設定値追従制御の場合におけるステップS139~S144の処理は、ステップS126~S131と同じなので、説明は省略する。
図5はフィードフォワード量MV_X1の変化の例を示す図、図6はフィードフォワード量MV_X2の変化の例を示す図、図7はフィードフォワード量MV_Xの変化の例を示す図である。図5~図7の例では、Kx1=20.0、Kx2=3304.0、Tf=15.0sec.としている。なお、前述の総量(各制御周期の積算値)とは、図5~図7における曲線により囲まれる面積に相当する量である。
以下、シミュレーションにより本実施例の効果を検証する。以下の例では、制御対象を、プロセスゲインKp=10.0、プロセス時定数Tp=200.0sec.、プロセスむだ時間Lp=20.0sec.の1次遅れ伝達関数で近似できる制御系とする。すなわち、制御対象のモデル数式Gpは次式のように記述できる。
Gp=10.0exp(-20.0s)/(1+200.0s) ・・・(17)
設定値フィルタ部1のフィルタ時定数T_spについては、T_sp=70.0sec.とする。また、操作量算出部2に設定されるPIDパラメータを、比例帯Pb=150%、積分時間Ti=70.0sec.、微分時間Td=12.0sec.とした。制御周期dtは1.0sec.である。
以下のシミュレーションでは、設定値SPを、SP=50.0℃からSP=400.0℃に変更する(設定値SP変更幅ΔSP=350.0℃)。
フィードフォワード制御の開始タイミング、すなわちトリガー信号FF_Xを0から1にするタイミングは、設定値フィルタ部1やフィードフォワード量の時定数要素を考慮して、予め確認できる制御対象のプロセスむだ時間Lpに基づいて設定できる。具体的には、設定値SPの変更時点よりαLp前(係数αは0より大きい実数であり、例えば2.0)であることが妥当である。プロセスむだ時間Lp=20.0sec.の場合、フィードフォワード制御の開始タイミングは、設定値SPの変更時点より40.0sec.前となる。ただし、係数αは、適宜微調整され得る値である。
フィルタ時定数T_sp=70.0sec.としたので、フィードフォワード量MV_Xを算出するための時定数Tfは、式(13)よりTf=38.5sec.になる。
以下のシミュレーションでは、いずれも設定値SP変更前の操作量MV=0.0%を基準に、0.0%よりも上昇した面積が実操作量MV_F’の変化量総量ΔMV_allであり、設定値追従後の実操作量MV_F’の整定値が0.0%よりも高くなっている場合の0.0%との差が実操作量差ΔMV_stpである。
図8、図9は、フィードフォワード制御を実行せずにフィードバック制御のみで温度制御した場合の設定値SPと補正設定値SP’と制御量PVと実操作量MV_F’の変化の例を示す図である。このシミュレーション結果は、トリガー信号FF_Xが1になった1回目の設定値追従制御の結果に相当する。ステップ要素により、設定値追従の応答の前後で整定時の実操作量MV_F’(フィードフォワード量MV_X=0.0なので基本操作量MVと同等)に顕著な変化が生じている。
図8、図9の例では、設定値SP変更前の実操作量MV_F’=0.0%に対して設定値追従の応答後の実操作量MV_F’の整定値が35.0%なので、実操作量差ΔMV_stp=35.0%となる。ステップ対応推定部5は、式(10)によりパラメータKx1=35.0と推定する(図3ステップS118)。
ただし、設定値SPの変更幅ΔSPに対する割合の量として規定するのが実用的なので、例えば1℃あたりの割合をパラメータKx1_Rとし、次式のように規定する。
Kx1=Kx1_RΔSP ・・・(18)
Kx1_R=35.0/350.0=0.10 ・・・(19)
これにより、設定値SPの変更幅ΔSPを任意に切り替えて使用する場合であっても、設定値SPの変更幅ΔSPに応じて、基準となる1℃あたりの割合であるパラメータKx1_Rとの倍率で換算することにより、パラメータKx1の値を自動決定できる。
また、図8、図9の例では、実操作量MV_F’の変化量総量ΔMV_allからフィードフォワード量MV_X1の総量を減算した変化量総量ΔMV_imp=6794.2%となる。インパルス対応推定部7は、式(15)によりパラメータKx2=6794.2と推定する(図3ステップS123)。
ただし、設定値SPの変更幅ΔSPに対する割合の量として規定するのが実用的なので、例えば1℃あたりの割合をパラメータKx2_Rとし、次式のように規定する。
Kx2=Kx2_RΔSP ・・・(20)
Kx2_R=6794.2/350.0=19.412 ・・・(21)
これにより、設定値SPの変更幅ΔSPを任意に切り替えて使用する場合であっても、設定値SPの変更幅ΔSPに応じて、基準となる1℃あたりの割合であるパラメータKx2_Rとの倍率で換算することにより、パラメータKx2の値を自動決定できる。
図10~図12は、フィードフォワード制御とフィードバック制御により温度制御した場合の設定値SPと補正設定値SP’と制御量PVと実操作量MV_F’とフィードフォワード量MV_Xの変化の例を示す図である。これらのシミュレーション結果は、トリガー信号FF_Xが1になった2回目の設定値追従制御の結果に相当する。
1回目の設定値追従制御の結果、Kx1=35.0(Kx1_R=0.10)、Kx2=6794.2(Kx2_R=19.412)となっている。フィードフォワード制御の開始タイミング、すなわちトリガー信号FF_Xを0から1にするタイミングは、設定値SPを変更する100sec.の時点より40.0sec.前の60sec.の時点になっている。また、前述のように時定数Tf=38.5sec.である。
図10~図12では、実操作量MV_F’の変化量総量ΔMV_allからフィードフォワード量MV_X1の総量を減算した変化量総量ΔMV_imp=6474.7%となる。インパルス対応推定部7は、式(15)によりパラメータKx2=6474.7と推定する(図4ステップS137)。トリガー信号FF_Xが1になった1回目の制御と比較して、より高精度な推定値を算出することができる。
ただし、設定値SPの変更幅ΔSPに対する割合の量として規定するのが実用的なので、1℃あたりの割合としてKx2_R=18.499のように規定する。
なお、本実施例では、第2の試行期間における調整を実施しているが、この調整を実施しなくてもよい。第2の試行期間における調整を実施しない場合には、ステップS126~S138の処理を無くし、トリガー信号FF_Xが1になった2回目以降の設定値追従制御においてステップS139~S144の処理を実行すればよい。
本実施例では、第1、第2の試行期間における設定値SPの変更幅ΔSP(基準の変更幅)が350.0℃の場合で説明しており、この場合には上記で推定したパラメータKx1=35.0、Kx2=6794.2をそのまま設定して使用することが可能である。一方、上記の説明から明らかなように、設定値SPの変更幅ΔSPが350.0℃以外の場合には、パラメータKx1,Kx2の設定を変更する必要がある。この設定変更について以下に説明する。
図13は制御装置の設定変更部11の動作を説明するフローチャートである。制御装置のオペレータは、次回の制御から設定値SPの変更幅ΔSPが変わる予定の場合、新たな変更幅ΔSPnewを制御装置に入力する。
設定変更部11は、設定値SPの変更幅ΔSPnewが入力され(図13ステップS200においてYES)、入力された変更幅ΔSPnewが上記の第1、第2の試行期間のときの変更幅ΔSPoldと異なる場合(図13ステップS201においてYES)、フィードフォワード算出部3に設定されている現在のパラメータKx1,Kx2の1℃あたりの割合Kx1_R,Kx2_Rを次式により算出する(図13ステップS202)。
Kx1_R=Kx1/ΔSPold ・・・(22)
Kx2_R=Kx2/ΔSPold ・・・(23)
続いて、設定変更部11は、新たな変更幅ΔSPnewに応じたパラメータKx1,Kx2の修正値Kx1new,Kx2newを次式により算出する(図13ステップS203)。
Kx1new=Kx1_RΔSPnew ・・・(24)
Kx2new=Kx2_RΔSPnew ・・・(25)
そして、設定変更部11は、フィードフォワード算出部3に設定されているパラメータKx1を修正値Kx1newに更新し、フィードフォワード算出部3に設定されているパラメータKx2を修正値Kx2newに更新する(図13ステップS204)。
こうして、変更幅ΔSPnewに応じてパラメータKx1,Kx2の設定を変更することができる。変更後の制御は、ステップS139~S144で説明したとおりである。
本実施例で説明した制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図14に示す。
コンピュータは、CPU300と、記憶装置301と、インタフェース装置(I/F)302とを備えている。I/F302には、例えば温度センサや電力調整器が接続される。このようなコンピュータにおいて、本実施例の制御方法を実現させるためのプログラムは記憶装置301に格納される。CPU300は、記憶装置301に格納されたプログラムに従って本実施例で説明した処理を実行する。
本発明は、制御装置に適用することができる。
1…設定値フィルタ部、2…操作量算出部、3…フィードフォワード算出部、4…フィードフォワード実行部、5…ステップ対応推定部、6…総量算出部、7…インパルス対応推定部、8…推定結果出力部、9…リミット処理部、10…操作量出力部、11…設定変更部。

Claims (14)

  1. 設定値に対し時間遅れフィルタ処理を実行して補正設定値を算出するように構成された設定値フィルタ部と、
    前記補正設定値と制御量とを入力として第1の操作量をフィードバック制御演算により算出するように構成された操作量算出部と、
    前記設定値の変更前に有意の値となる、フィードフォワード開始のトリガー信号の入力に応じて、第1のフィードフォワード量を算出するように構成されたフィードフォワード算出部と、
    前記操作量算出部によって算出された前記第1の操作量に前記第1のフィードフォワード量を加算するように構成されたフィードフォワード実行部と、
    前記第1の操作量に前記第1のフィードフォワード量を加算した第2の操作量を制御対象に出力するように構成された操作量出力部と、
    前記トリガー信号が入力された規定の第1の試行期間において前記第2の操作量を制御対象に出力させたときの設定値追従の応答前後の前記第2の操作量の差に基づいて、設定値追従制御のステップ要素に必要な第2のフィードフォワード量の算出のための第1のパラメータを推定するように構成された第1の推定部と、
    前記第1の試行期間において前記第2のフィードフォワード量が出力されたと仮定したときの前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第1のパラメータに基づいて算出するように構成された総量算出部と、
    前記第1の試行期間における前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2のフィードフォワード量の総量を減算した結果に基づいて、設定値追従制御のインパルス要素に必要な第3のフィードフォワード量の算出のための第2のパラメータを推定するように構成された第2の推定部とを備え、
    前記フィードフォワード算出部は、前記第1の試行期間の後に前記トリガー信号が入力されたときに、前記第1のパラメータに基づいて算出した前記第2のフィードフォワード量と前記第2のパラメータに基づいて算出した前記第3のフィードフォワード量との和を前記第1のフィードフォワード量とすることを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1記載の制御装置において、
    前記総量算出部は、前記トリガー信号が入力された規定の第2の試行期間において前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第1のパラメータに基づいて算出し、
    前記第2の推定部は、前記第2の試行期間における前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2の試行期間における前記第2のフィードフォワード量の総量を減算した結果に基づいて前記第2のパラメータを更新することを特徴とする制御装置。
  3. 請求項1または2記載の制御装置において、
    前記第2のフィードフォワード量は、ゼロから前記第1のパラメータの値へと徐々に収束する量であり、前記第1のパラメータをKx1、前記第2のフィードフォワード量を徐々に収束させる時間を規定する時定数をTf、前記時定数を調整する係数をA、前記トリガー信号をFF_X、ラプラス演算子をsとしたとき、[Kx1/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_Xにより算出されることを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記第3のフィードフォワード量は、前記第2のパラメータの値に近づいた後にゼロへと徐々に収束する量であり、前記第2のパラメータをKx2、前記第3のフィードフォワード量を徐々に収束させる時間を規定する時定数をTf、前記時定数を調整する係数をA、前記トリガー信号をFF_X、ラプラス演算子をsとしたとき、[Kx2s/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_Xにより算出されることを特徴とする制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記第1の推定部は、設定値追従の応答前後の前記第2の操作量の差を前記第1のパラメータの値とすることを特徴とする制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記第2の推定部は、前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2のフィードフォワード量の総量を減算し、前記第1の操作量と前記第1、第2、第3のフィードフォワード量との算出周期に、前記減算の結果を乗算した値を前記第2のパラメータの値とすることを特徴とする制御装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記設定値の変更幅が前記第1の試行期間のときの基準の変更幅から変わる予定のときに、前記基準の変更幅に対する前記第1、第2のパラメータの割合と新たな変更幅とに基づいて、前記第1、第2のパラメータを更新するように構成された設定変更部をさらに備えることを特徴とする制御装置。
  8. 設定値に対し時間遅れフィルタ処理を実行し補正設定値を算出する第1のステップと、
    前記補正設定値と制御量とを入力として第1の操作量をフィードバック制御演算により算出する第2のステップと、
    前記設定値の変更前に有意の値となる、フィードフォワード開始のトリガー信号の入力に応じて、第1のフィードフォワード量を算出する第3のステップと、
    前記第1の操作量に前記第1のフィードフォワード量を加算する第4のステップと、
    前記第1の操作量に前記第1のフィードフォワード量を加算した第2の操作量を制御対象に出力する第5のステップと、
    前記トリガー信号が入力された規定の第1の試行期間において前記第2の操作量を制御対象に出力させたときの設定値追従の応答前後の前記第2の操作量の差に基づいて、設定値追従制御のステップ要素に必要な第2のフィードフォワード量の算出のための第1のパラメータを推定する第6のステップと、
    前記第1の試行期間において前記第2のフィードフォワード量が出力されたと仮定したときの前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第1のパラメータに基づいて算出する第7のステップと、
    前記第1の試行期間における前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2のフィードフォワード量の総量を減算した結果に基づいて、設定値追従制御のインパルス要素に必要な第3のフィードフォワード量の算出のための第2のパラメータを推定する第8のステップとを含み、
    前記第3のステップは、前記第1の試行期間の後に前記トリガー信号が入力されたときに、前記第1のパラメータに基づいて算出した前記第2のフィードフォワード量と前記第2のパラメータに基づいて算出した前記第3のフィードフォワード量との和を前記第1のフィードフォワード量とするステップを含むことを特徴とする制御方法。
  9. 請求項8記載の制御方法において、
    前記トリガー信号が入力された規定の第2の試行期間において前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第1のパラメータに基づいて算出する第9のステップと、
    前記第9のステップで算出した前記第2のフィードフォワード量の総量を前記第2の試行期間における前記第2の操作量の変化量の総量から減算した結果に基づいて前記第2のパラメータを更新する第10のステップとをさらに含むことを特徴とする制御方法。
  10. 請求項8または9記載の制御方法において、
    前記第2のフィードフォワード量は、ゼロから前記第1のパラメータの値へと徐々に収束する量であり、前記第1のパラメータをKx1、前記第2のフィードフォワード量を徐々に収束させる時間を規定する時定数をTf、前記時定数を調整する係数をA、前記トリガー信号をFF_X、ラプラス演算子をsとしたとき、[Kx1/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_Xにより算出されることを特徴とする制御方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれか1項に記載の制御方法において、
    前記第3のフィードフォワード量は、前記第2のパラメータの値に近づいた後にゼロへと徐々に収束する量であり、前記第2のパラメータをKx2、前記第3のフィードフォワード量を徐々に収束させる時間を規定する時定数をTf、前記時定数を調整する係数をA、前記トリガー信号をFF_X、ラプラス演算子をsとしたとき、[Kx2s/{(1+ATfs)(1+(2.0-A)Tfs)}]FF_Xにより算出されることを特徴とする制御方法。
  12. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の制御方法において、
    前記第6のステップは、前記設定値追従の応答前後の前記第2の操作量の差を前記第1のパラメータの値とするステップを含むことを特徴とする制御方法。
  13. 請求項8乃至12のいずれか1項に記載の制御方法において、
    前記第2の操作量の変化量の総量から前記第2のフィードフォワード量の総量を減算し、前記第1の操作量と前記第1、第2、第3のフィードフォワード量との算出周期に、前記減算の結果を乗算した値を前記第2のパラメータの値とすることを特徴とする制御方法。
  14. 請求項8乃至13のいずれか1項に記載の制御方法において、
    前記設定値の変更幅が前記第1の試行期間のときの基準の変更幅から変わる予定のときに、前記基準の変更幅に対する前記第1、第2のパラメータの割合と新たな変更幅とに基づいて、前記第1、第2のパラメータを更新する第11のステップをさらに含むことを特徴とする制御方法。
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