JP2022110310A - 燃焼器システム並びにその起動方法及び停止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】二酸化炭素の回収をするための装置及びエネルギーを不要とし、かつ、窒素酸化物を生成しない、二酸化炭素の排出量が少ない燃焼器システムを提供する。【解決手段】燃焼器と、二酸化炭素燃料化装置と、燃焼器から二酸化炭素燃料化装置に燃焼生成ガスを送る燃焼生成ガス流路と、二酸化炭素燃料化装置から燃焼器に変換ガスを送る変換ガス流路と、二酸化炭素燃料化装置から燃焼器に酸素ガスを送る酸素ガス流路と、を備えた燃焼器システムであって、燃焼器は、変換ガスを酸素ガスにより酸化して燃焼生成ガスを生成し、二酸化炭素燃料化装置は、燃焼生成ガスを還元し、変換ガスと酸素ガスとに分離する構成を有し、燃焼生成ガス、変換ガス及び酸素ガスは、燃焼器、二酸化炭素燃料化装置、燃焼生成ガス流路、変換ガス流路及び酸素ガス流路で構成される閉ループを循環する。【選択図】図1
Description
本発明は、燃焼器システム並びにその起動方法及び停止方法に関する。
地球温暖化防止のため、二酸化炭素(以下「CO2」と表記する。)の排出を削減する技術の開発が進められている。その技術としては、CO2を回収する技術、CO2を貯留する技術、CO2を変換して有効活用する技術等がある。
CO2を回収する技術としては、化学吸収法がある。アミン水溶液を用いて、排ガス中のCO2を吸収し、吸収したCO2をこの水溶液から放出させ、タンクなどにCO2を回収する。アミン水溶液は、CO2を吸収する際に発熱し、CO2を放出する際には加熱が必要となる。このため、アミン水溶液の冷却及び加熱をするためのエネルギーが必要であり、それらのエネルギーを削減することが課題である。
また、回収したCO2を貯蔵する技術がある。回収したCO2を貯蔵箇所まで輸送し、地下深くに貯蔵用の穴を設け、CO2を圧縮して貯蔵する。コスト低減、貯蔵した後の貯蔵状態の保持及び安全性等が課題である。
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は、CO2を回収する技術と回収したCO2を貯蔵する技術とを合わせたものである。CCSにおいては、上記課題があるため、回収したCO2を変換して有効活用する技術であるCCU(Carbon Capture and Utilization)の開発が進められている。
例えば、CO2をメタン(以下「CH4」と表記する。)に変換する方法がある。この場合の化学反応は、次の反応式(1)で表される。
CO2+4H2 → CH4+2H2O …反応式(1)
上記反応式(1)で必要になる水素(以下「H2」と表記する。)は、次の反応式(2)で表される水の電気分解反応により得ることができる。
上記反応式(1)で必要になる水素(以下「H2」と表記する。)は、次の反応式(2)で表される水の電気分解反応により得ることができる。
2H2O → 2H2+O2 …反応式(2)
CH4は、液化天然ガス(以下「LNG」と表記する。)の主成分であり、LNGの代替として有効利用することができる。上記反応式(1)及び(2)で表される反応によって得られるCH4については、低コスト化が課題であり、LNGと同等程度にすることが求められている。
CH4は、液化天然ガス(以下「LNG」と表記する。)の主成分であり、LNGの代替として有効利用することができる。上記反応式(1)及び(2)で表される反応によって得られるCH4については、低コスト化が課題であり、LNGと同等程度にすることが求められている。
電力分野では、化石燃料を燃焼する火力発電の比率を減らし、太陽光発電や風力発電の再生可能エネルギーの比率を増やすことでCO2を削減する取組みも進められている。
近年、太陽光発電や風力発電の再生可能エネルギーの導入が増加し、発電量が日によっても時間帯によっても異なり、電力の供給過多が予測される場合、事前に再生可能エネルギーの受入れを抑制する事態が発生している。
再生可能エネルギーの受入れ停止の間に発電をすると、余剰電力になるため、その活用方法の一つとして、上記反応式(2)で表される水の電気分解反応によるH2の製造が考えられている。H2を製造することができれば、上記反応式(1)で表されるようにCO2をCH4に変換し、燃料として再利用することができる。
特許文献1には、炭化水素化合物を生成するための電解槽、逆水性ガスシフト反応器、およびフィッシャー・トロプシュ反応器で構成される、システムおよび方法が開示されている。
ここで、逆水性ガスシフト反応器における反応は、CO2をCO(一酸化炭素)に変換する反応であり、下記反応式(3)で表される。
CO2+H2 → CO+H2O …反応式(3)
また、フィッシャー・トロプシュ反応器における反応は、CH4のような炭化水素を生成する反応であり、下記反応式(4)で表される。なお、この反応は、フィッシャー・トロプシュ法(Fischer-Tropsch process)として知られている。
また、フィッシャー・トロプシュ反応器における反応は、CH4のような炭化水素を生成する反応であり、下記反応式(4)で表される。なお、この反応は、フィッシャー・トロプシュ法(Fischer-Tropsch process)として知られている。
nCO+(2n+1)H2 → CnH2n+2+nH2O …反応式(4)
CO2の回収方法には、化石燃料の燃焼ガスから高圧でCO2を吸収しその後低圧にしてCO2を放出させて回収する圧力スウィング法、CO2だけを膜に透過させて回収する膜分離法、アミン水溶液を用いてCO2を吸収しその後放出して回収するプロセス等がある。H2は、再生可能エネルギーあるいは核燃料で得られる電気エネルギーを使用して水を電気分解することで製造する。
CO2の回収方法には、化石燃料の燃焼ガスから高圧でCO2を吸収しその後低圧にしてCO2を放出させて回収する圧力スウィング法、CO2だけを膜に透過させて回収する膜分離法、アミン水溶液を用いてCO2を吸収しその後放出して回収するプロセス等がある。H2は、再生可能エネルギーあるいは核燃料で得られる電気エネルギーを使用して水を電気分解することで製造する。
特許文献2には、二酸化炭素含有ガスに含まれる二酸化炭素を二酸化炭素吸収液に吸収させる吸収塔と、吸収塔で二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液であるリッチ液を二酸化炭素の含有量が少ないリーン液に変換し、リーン液を吸収塔に供給する二酸化炭素変換容器と、を備え、二酸化炭素変換容器は、一方の面で太陽光を受けてリッチ液から可燃ガスを生成するとともに、他方の面でリッチ液から酸素を生成する半導体素子を備え、可燃ガスは、水素、メタン、又はメタノールである、二酸化炭素の回収及び変換システムが開示されている。ここで、二酸化炭素吸収液としては、アミン水溶液が例示されている。また、この半導体素子においては、上記反応式(1)及び(2)で表される反応が生じていると考えられる。
非特許文献1には、固体酸化物形電気分解セル(SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)を用いて、500℃以上の高温下で二酸化炭素と水蒸気を同時に電気分解(共電解)し、水素と一酸化炭素に変換すること、この変換により得られたガス及び熱を利用してメタンを製造すること等が開示されている。
燃料電池,Vol.14,No.4,pp.81-86(2015)
吸収液によるCO2の回収は、CO2を吸収することで発熱し、加熱することで放出し、回収する。固体吸着材によるCO2の回収は、吸着することで発熱し、加熱することで脱着し、回収する。CO2の吸収あるいは吸着には、冷却が必要であり、放出あるいは脱着には、加熱が必要である。
特許文献1及び特許文献2に記載の技術においてはいずれも、CO2を回収するために冷却及び加熱のエネルギーが必要であり、そのエネルギーの削減が課題である。
非特許文献1においては、SOECに着目し、メタンの製造におけるエネルギー効率計算を行っている。しかしながら、SOECにおける反応の原料となるCO2の供給源や、製造したメタンをどのように使用するかについては、具体的には説明されていない。
本発明の目的は、二酸化炭素の回収をするための装置及びエネルギーを不要とし、かつ、窒素酸化物を生成しない、二酸化炭素の排出量が少ない燃焼器システムを提供することにある。
本発明の燃焼器システムは、燃焼器と、二酸化炭素燃料化装置と、燃焼器から二酸化炭素燃料化装置に燃焼生成ガスを送る燃焼生成ガス流路と、二酸化炭素燃料化装置から燃焼器に変換ガスを送る変換ガス流路と、二酸化炭素燃料化装置から燃焼器に酸素ガスを送る酸素ガス流路と、を備え、燃焼器は、変換ガスを酸素ガスにより酸化して燃焼生成ガスを生成し、二酸化炭素燃料化装置は、燃焼生成ガスを還元し、変換ガスと酸素ガスとに分離する構成を有し、燃焼生成ガス、変換ガス及び酸素ガスは、燃焼器、二酸化炭素燃料化装置、燃焼生成ガス流路、変換ガス流路及び酸素ガス流路で構成される閉ループを循環する。
本発明によれば、二酸化炭素の回収をするための装置及びエネルギーを不要とし、かつ、窒素酸化物を生成しない、二酸化炭素の排出量が少ない燃焼器システムを提供することができる。
本開示は、燃焼器において発生する二酸化炭素を還元する装置を用いて、二酸化炭素の外部への排出量を低減する技術に関する。
以下、本開示の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る燃焼器システムを示す概略構成図である。
本図において、燃焼器システム1000は、燃焼器1と、二酸化炭素燃料化装置7と、燃焼生成ガス配管161と、変換ガス配管163aと、酸素ガス配管163bと、を備えている。なお、燃焼生成ガス配管161、変換ガス配管163a及び酸素ガス配管163bは、管状のものに限定されるものではなく、区画された流路を構成したものであればよい。すなわち、燃焼生成ガス配管161、変換ガス配管163a及び酸素ガス配管163bはそれぞれ、燃焼生成ガス流路、変換ガス流路及び酸素ガス流路と呼ぶべき構成を有するものであってもよい。
燃焼器1は、二酸化炭素燃料化装置7から別々に供給されるガス燃料と酸素(O2)とを燃焼させ、熱を発生させる装置である。この熱により水を加熱して水蒸気を発生させるボイラや、燃焼ガスを利用するガスタービンであってもよい。また、燃焼器1は、システムの外部からも燃料及び酸素を供給することができるように構成されている。
二酸化炭素燃料化装置7は、CO2をCOに変換する装置である固体酸化物形電解セル(SOEC)を含む。SOECは、後で説明するように、電力を供給することによりCO2及びH2Oを原料物質としてCO及びH2を生成する装置である。
また、二酸化炭素燃料化装置7は、SOECで生成したCO及びH2から触媒反応によりCH4等を生成する装置を含むものであってもよい。
さらに、二酸化炭素燃料化装置7は、CO2を含むガスを原料として触媒反応等により直接CH4等を生成する装置であってもよい。この場合は、二酸化炭素燃料化装置7は、SOECを含まなくてもよい。
よって、二酸化炭素燃料化装置7は、CO又はCH4等を含むガスを生成する装置である。
二酸化炭素燃料化装置7で生じるCO及びH2、又はCH4等(以下「変換ガス」という。)は、変換ガス配管163aを介して燃焼器1に供給される。一方、二酸化炭素燃料化装置7で生じるO2は、酸素ガス配管163bを介して燃焼器1に供給される。よって、二酸化炭素燃料化装置7で生じるCO、H2、CH4等は、燃焼器1の燃料として再利用される。同様に、二酸化炭素燃料化装置7で生じるO2は、燃焼器1の酸化剤として再利用される。
このほか、燃焼器システム1000は、水タンク8及び気化器102を有する。水タンク8は、気化器102に水を供給するものである。気化器102は、燃焼生成ガス配管161に接続されている。気化器102は、ヒータを有し、燃焼器1から二酸化炭素燃料化装置7に供給されるH2Oが少ない場合に、ヒータの熱で水タンク8から供給される水を加熱して水蒸気とし、この水蒸気を二酸化炭素燃料化装置7に供給するものである。
まとめると、燃焼器システム1000においては、燃焼器1から燃焼生成ガス(CO2及びH2O)が燃焼生成ガス配管161を介して二酸化炭素燃料化装置7に送られ、二酸化炭素燃料化装置7で還元されて生成した変換ガスが変換ガス配管163aを介して燃焼器1に還流する。また、二酸化炭素燃料化装置7で生じたO2は、酸素ガス配管163bを介して燃焼器1に送られる。このように、燃焼器システム1000においては、燃焼反応(酸化反応)及び還元反応に必要なガスが循環するようになっている。すなわち、燃焼器システム1000は、閉ループを構成している。
二酸化炭素燃料化装置7においては、上記反応式(2)で表される水の電気分解反応と、上記反応式(3)で表される反応とが同時に生じる。上記反応式(2)で表される反応には、電気エネルギーが必要である。また、上記反応式(3)で表される反応は、吸熱反応であるため、二酸化炭素燃料化装置7を加熱するためのエネルギーが必要である。これらのエネルギーは、太陽光、風力等の再生可能エネルギーにより得られるものを用いるようになっている。なお、吸熱反応に対応する加熱の際に必要となるエネルギーは、電気エネルギーを用いてもよいし、燃焼器1等から得られる余熱を用いてもよい。
また、二酸化炭素燃料化装置7においては、変換ガスと酸素とが分離して生成される。これらの変換ガス及び酸素は、燃焼器1に供給し、燃焼するように構成している。燃焼器1の燃焼を安定させるため、酸素、変換ガス及びガス燃料のそれぞれの流量を調整する機能が設けられている。
図2は、SOECを示す概略構成図である。
本図において、二酸化炭素燃料化装置7のSOECは、アノード211と、カソード213と、電解質215と、セパレータ217と、直流電源219と、を備えている。電解質215は、アノード211とカソード213との間に挟み込まれている。
カソード213とセパレータ217との間に設けられたガス流路には、燃焼生成ガスが供給され、直流電源219により負の電位が付与されているカソード213の表面に接触した燃焼生成ガスが還元反応により変換ガスに変化する。一方、アノード211とセパレータ217との間に設けられたガス流路には、当該還元反応によりカソード213に生じた酸素イオン(O2-)が電解質215を透過し、アノード211において直流電源219により付与されている正の電位により酸化されて、酸素ガスが生じる。
そして、変換ガス及び酸素ガスは、それぞれのガス流路を通って、図1の燃焼器1に送られるようになっている。言い換えると、燃焼生成ガスは、還元され、変換ガスと酸素ガスとに分離される。
各構成要素の材料に関しては、次のとおりである。
アノード211には、La1-xSrxMnO3(0.4≦x≦0.5)、La1-xSrxCoO3、Sm0.5Sr0.5CoO3等が用いられる。カソード213には、Ni-YSZ、Ni-Ce1-xSmxO2-0.5x、Ni-Ce1-xGdxO2-0.5x(0.1≦x≦0.2)等が用いられる。電解質215には、YSZ、SSZ、La1-xSrxGa1-yMgyO3等が用いられる。ここで、YSZは、イットリア安定化ジルコニア(Yttria Stabilized Zirconia)の略称である。また、SSZは、Sc2O3 stabilized ZrO2の略称である。
以下、燃焼器の例として、医薬器具や食品容器の蒸気殺菌に使用する蒸気ボイラに適用する場合について説明する。ただし、燃焼器の用途は、これに限定されるものではなく、発生する熱を熱交換することなく利用してもよい。なお、本開示の内容は、以下の実施例に限定されるものではない。
図3は、実施例1の蒸気ボイラシステム(燃焼器システム)を示す構成図である。
本図に示す蒸気ボイラシステムは、蒸気ボイラ301と、二酸化炭素燃料化装置7と、これらを接続する配管と、を備えている。これらの内部を流れる物質は、定常運転時においては、燃料を構成するCO、H2等、蒸気ボイラ301において燃料と反応させるO2、燃焼に伴って発生するCO2及びH2O、並びに発生したCO2及びH2Oを二酸化炭素燃料化装置7において還元することにより発生するCO、H2、O2等である。定常運転時においては、外部からの空気を用いない構成としている。言い換えると、定常運転時においては、システム内部のガスは、閉ループを循環する構成である。よって、システムの内部には、窒素(N2)が存在しない状態で運転するようになっている。このため、不活性ガスによる拡散抵抗がなく、反応に寄与する分子の接触頻度が高くなり、酸化反応及び還元反応が大気中に比べて著しく促進される。
蒸気ボイラ301は、燃焼器を含み、燃料を燃焼させ、その燃焼熱により水を加熱する構造になっている。燃料を燃焼させるためには、酸素(空気)が必要であり、図示していないが、燃焼器としては、燃料及び酸素を用いて火炎を形成させるバーナが取り付けられている。
燃料は、CO及びH2を含むガスではあるが、CO2及びH2Oも含むガスであることが望ましい。これは、CO及びH2を空気で燃焼する場合に比べ、O2で燃焼する場合はN2が無いことにより、燃焼ガス温度が高くなるためである。N2の代わりにCO2及びH2Oを含ませることにより、空気燃焼時と同程度の燃焼ガス温度にすることができる。二酸化炭素燃料化装置7では、CO2及びH2Oの全量をCO及びH2に変換しないことになる。
蒸気ボイラ301で発生した蒸気31は、熱交換器32に供給される。熱交換器32においては、蒸気殺菌槽4の水と蒸気31とが熱交換され、蒸気殺菌槽4に蒸気61を送るようになっている。蒸気殺菌槽4においては、例えば医薬器具や食品容器等を殺菌する。
熱交換器32においては、蒸気31の一部が凝縮する。凝縮した水は、気液分離器33において分離する。凝縮した水だけは、バルブ36を開とすることにより、フィルター35を介して蒸気ボイラ301に戻すようになっている。気液分離器33には、液位計34を設けられ、液位が一定になるように制御される。蒸気供給制御装置41は、これらの操作を制御する装置である。
なお、蒸気ボイラ301には、バルブ38を開とすることにより、水37を供給することができるようになっている。また、バルブ39を開とすることにより、蒸気ボイラ301の水を外部に排出することができるようになっている。これらの操作も、蒸気供給制御装置41により制御する。蒸気ボイラ301の水の量は、液位計40により検出する。
蒸気殺菌槽4の起動は、膨張弁53を閉、バルブ52を開とし、バルブ56を開として水55を供給する。液位計54を設けることにより、所定の位置まで供給することができる。なお、バルブ57は、水を抜き出すために用いる。
次に、ポンプ58を稼働し、流量調整バルブ59で蒸気殺菌槽4の液位を調整し、水を熱交換器32に送り、加熱する。温度計51が所定の温度になった後、バルブ52を閉とし、膨張弁53を開き、蒸気61を蒸気殺菌槽4に供給する。この際も、蒸気殺菌槽4の液位を流量調整バルブ59で調整する。
停止は、蒸気ボイラ301が停止した後、バルブ52を開とし、膨張弁53を閉とする。
蒸気殺菌槽制御装置62は、これらの操作を制御する装置である。
蒸気ボイラ301においては、N2を含む空気ではなく、N2を排除した状態でO2を用いて燃焼するようにしている。これにより、NOxの発生を防止することができる。これにより、脱硝装置は不要になる。
また、蒸気ボイラ301においては、燃焼によってCO2が発生するが、N2を含む空気を用いる場合は、燃焼により生成するガスに含まれるCO2濃度は数%から十数%であり、大部分はN2である。このようなガスを二酸化炭素燃料化装置7に送った場合、不活性ガスであるN2が還元反応を阻害してしまう。N2を排除しO2を用いて燃焼することにより、燃焼の反応(酸化反応)だけでなく、還元反応も促進することができる。
二酸化炭素燃料化装置7は、SOECを含む。言い換えると、本実施例においては、蒸気ボイラ301から送られるガスを還元する主たる構成要素は、SOECである。
SOECの電極材料は、O2によって劣化するため、送られてくるガス中にO2が残存する場合に備え、蒸気ボイラ301から二酸化炭素燃料化装置7に向かう配管に燃焼触媒(図示していない。)を設けることが望ましい。燃焼触媒の上流側に燃料を供給し、残存するO2と反応させることにより、O2を除去することができるからである。
また、二酸化炭素燃料化装置7には、温度計94が設けられている。温度計94は、二酸化炭素燃料化装置7のSOECの温度を検出する。
SOECは、約900℃の高温度で使用する装置である。したがって、二酸化炭素燃料化装置7は、事前に約900℃に加熱する必要があり、蒸気ボイラ301から二酸化炭素燃料化装置7に送られる排ガス91(燃焼生成ガス)の温度が900℃より低い場合には、排ガス91自体を加熱する必要がある。さらに、上記反応式(2)及び(3)で表される反応は、吸熱反応であるため、反応を進めるために加熱が必要になる。なお、SOECの加熱における設定温度は、この例においては約900℃としているが、SOECを構成する電極材料等に応じて適切な温度に設定する。
また、SOECにおいて還元反応を生じさせるためには、電極間に電圧を印加する必要がある。
このため、二酸化炭素燃料化装置7は、加熱用の電力と、上記反応式(2)及び(3)で表される反応を生じさせるための電力とを供給できるような構成としている。
パワコン99(パワーコンディショナ)は、SOECを加熱する電源である。パワコン100は、還元反応のエネルギー源を供給する電源である。本実施例においては、CO2を発生しない電力供給源である風力発電装置5及び太陽光発電装置6からの電力をそれぞれ、パワコン71、72により出力調整して使用する。風力発電装置5及び太陽光発電装置6は、電線151を介して二酸化炭素燃料化装置7等に接続されている。なお、パワコンは、電力変換器(インバータの一種)である。
風力発電装置5及び太陽光発電装置6により得られる電力は、気候の変化によって変動する。そこで、風力発電装置5及び太陽光発電装置6からの電力が必要量を超える場合は、蓄電池74に充電する構成としている。電力が必要な場合には、蓄電池74から放電する。蓄電池74の充放電は、パワコン73により制御される。
上記のような電源の構成により、必要な電力を安定して供給することができる。
二酸化炭素燃料化装置7に供給される燃焼生成ガスの主成分は、CO2、H2O及びO2である。このうち、H2Oが少ないと、上記反応式(3)で表される反応に必要なH2が不足することから、水タンク8の水を供給することができるように構成されている。この場合に、水を蒸気で供給するように気化器102が設けられている。気化器102は、ヒータを有する。ヒータは、風力発電装置5、太陽光発電装置6等から得られる電力を使用する。
二酸化炭素燃料化制御装置105は、二酸化炭素燃料化装置7の操作を制御する装置である。
水タンク8には、液位計120が設けられ、所定の液位Lより低い場合には、バルブ123を開として、システムの外部から水124を供給するようになっている。また、水タンク8には、バルブ121が設けられ、液位が所定値よりも高くなった場合には、バルブ121を開として水を放出することができるようになっている。
パワコン101は、気化器102の電源である。気化器102で発生した蒸気は、二酸化炭素燃料化装置7に供給される。
水タンク8と気化器102との間には、ポンプ104及び流量調整バルブ103が設けられている。
二酸化炭素燃料化装置7においては、COを主成分としH2及びH2O(蒸気)を含む変換ガス17と、酸素95とが別々に生成され、流出する。変換ガス17は、冷却器97で冷却され、圧縮機113で加圧され、さらに冷却器114で冷却され、変換ガスタンク2に送られ、貯蔵される。一方、酸素95は、冷却器83で冷却され、圧縮機77で加圧され、さらに冷却器79で冷却され、酸素タンク3に送られ、貯蔵される。
変換ガス貯蔵制御装置122は、変換ガスタンク2における変換ガスの貯蔵量を制御する装置である。
二酸化炭素燃料化装置7における変換ガス17の流路圧力を安定させるため、圧力計82を設け、圧縮機113の出力をパワコン81で制御するようにしている。また、二酸化炭素燃料化装置7における酸素95の流路圧力を安定させるため、圧力計78を設け、圧縮機77の出力をパワコン76で制御するようにしている。
変換ガス17には、水蒸気が含まれており、冷却器97で冷却すると凝縮するため、気液分離器111で水を除去するようにしている。気液分離器111には、液位計112を設け、任意の液位以上となった場合には、ポンプ118により水を抜き出し、水タンク8に貯めるようにしている。この場合に、フィルター119により水に含まれる不純物を除去できるようになっている。
また、冷却器114でも水が凝縮するため、気液分離器115で水を除去するようにしている。気液分離器115には、液位計116を設け、任意の液位以上となった場合には、バルブ117を開として水を抜き出し、水タンク8に貯めるようにしている。水タンク8の水は、適宜二酸化炭素燃料化装置7に供給する水として再利用する。
圧縮機制御装置84は、圧縮機77、113の操作を制御する装置である。
変換ガスタンク2及び酸素タンク3の圧力はそれぞれ、圧力計80、24で計測するようにした。これらの圧力がそれぞれの上限値を超えた場合、圧縮機113、77の出力を低下させ、圧力を調整する制御する。この制御をするためには、蒸気ボイラ301でのガス流量の調整が必要になる場合がある。
蒸気ボイラ301には、システムの外部からの酸素11を流量計13及び流量調整バルブ12を用いて供給するガス配管、システムの外部からのガス燃料14を流量計16及び流量調整バルブ15を用いて供給するガス配管、変換ガスタンク2から変換ガス17を流量計19及び流量調整バルブ18を用いて供給するガス配管並びに酸素タンク3から酸素20を流量計22及び流量調整バルブ21を用いて供給するガス配管が接続されている。
外部からの酸素11及びガス燃料14は、主に、起動時及び停止時、並びに変換ガスタンク2中の変換ガス17や酸素タンク3中の酸素20が不足するときに用いる。蒸気ボイラ301においては、安定した燃焼が必要であり、外部からのガス燃料14及び酸素11で燃焼するときは、それらの流量を調節し、変換ガスタンク2中の変換ガス17及び酸素タンク3中の酸素20で燃焼するときは、それらの流量を調節する。
外部からのガス燃料14の組成は、予め分かっているが、変換ガス17の組成は、二酸化炭素燃料化装置7の稼働状況によって変わる。そこで、変換ガスタンク2内のガス組成の分析計23の計測値も用いて、変換ガス17の流量を調節するようにしている。
外部からの酸素11及びガス燃料14を使用すると、蒸気ボイラ301から二酸化炭素燃料化装置7を経て再び蒸気ボイラ301に循環する経路内の物質量が増える。そこで、流量調整バルブ28を設け、内部のガスを大気中に放出するようにしている。この場合に、圧力計29の値が一定になるように流量調整バルブ28を制御する。
ガス燃料14及び変換ガス17は、煤などの未燃分が発生しないように完全燃焼させることが望ましい。なお、ガス燃料14は、完全燃焼が可能であれば、液体燃料であってもよく、粉末状の燃料であってもよい。よって、ガス燃料14は、包括的な用語として、単に「燃料」と呼んでもよい。
以上のように、蒸気ボイラの燃焼器に供給する酸素、変換ガス及びガス燃料の割合を所定の範囲になるように、それぞれの流量を調整することにより、逆火や失火のない安定した燃焼が可能となり、安全性を向上することができる。
また、二酸化炭素燃料化装置7で生成した変換ガス及び酸素をそれぞれ、変換ガスタンク2、酸素タンク3に貯蔵することができるため、二酸化炭素燃料化装置7において使用する再生可能エネルギーによる電力が安定しない条件であっても、再生可能エネルギーを変換ガス及び酸素として蓄積することができる。これにより、発電量と電力消費量とのアンバランスを解消し、再生可能エネルギーを無駄なく利用することができる。
図4は、実施例2の蒸気ボイラシステムの起動方法を示すフロー図である。図中、機器の符号については、図3と同じ符号を用いている。
蒸気ボイラシステムの停止中は、システム内のガスにH2やCOの可燃ガスが含まれない状態で放置している。ここでは、CO2で満たされていることが好ましい。
図4に示すように、二酸化炭素燃料化制御装置105により、パワコン99を起動し、二酸化炭素燃料化装置7のSOECを加熱する(S100)。SOECの設定温度を900℃とした場合、その温度に達したかどうかを判定する(S110)。SOECの温度が900℃に達したときは、分析計92によるガス組成の分析を開始する(S120)。
これに伴い、水タンク8の液位計120が所定の液位Lより低い場合には、変換ガス貯蔵制御装置122からの信号により、バルブ123を開として水124を供給し、液位Lに到達した後は、この液位Lを維持する制御を開始する(S130)。
二酸化炭素燃料化装置7に蒸気を供給するため、パワコン101で気化器102を起動し、流量調整バルブ103を開として、水の供給を開始する。同時に、パワコン100により二酸化炭素燃料化装置7で還元処理を開始する(S140)。
還元処理の一つである水電解反応(上記反応式(3)で表される。)は、吸熱反応であり、温度計94により検出されるガス温度が低下しないように、パワコン99でガス温度を約900℃に維持する制御をする。また、水の供給は、酸素タンク3及び変換ガスタンク2の昇圧のためであり、流量は一定でよい。
パワコン81により圧縮機113を起動し、負荷調整制御を開始する。
まず、圧力計82の圧力が所定の値になるようにする。次に、変換ガスタンク2の圧力計80の圧力が所定の値になるように制御する。
変換ガスタンク2の圧力計80の圧力PF,MAXは、蒸気ボイラ301に変換ガス17を供給するのに必要な圧力である。この圧力PF,MAXに到達したら、ガス供給制御装置27より蒸気ボイラ301にガス燃料14及び酸素11の供給を開始し、点火する。ガス燃料14及び酸素11は、外部から供給するガスであり、これらを供給する間は、システム内部に物質が蓄積される。このため、蒸気ボイラ301の下流の圧力計29の圧力が所定の圧力で一定になるように、流量調整バルブ28を調節する。このようにして、必要以上にガスが蓄積されないように、ガスを大気に放出する制御をする。なお、この段階に至る過程において、変換ガスタンク2内のガス組成の分析計23の計測を開始する。
流量調整バルブ15により、ガス燃料14の流量を減らしながら、流量調整バルブ18で変換ガス17の流量を増加させ、ガス燃料14から変換ガス17に切り換える。
その間、酸素タンク3の圧力計24の圧力PO,MAXは、蒸気ボイラに変換ガス17を供給するのに必要な圧力である。この圧力PO,MAXに到達したら、流量調整バルブ12により、酸素11の流量を減らしながら、流量調整バルブ21で酸素20の流量を増加させ、酸素11からで酸素20に切り換える。切り換え後は、変換ガスタンク2内の分析計23及び二酸化炭素燃料化装置7の供給ガスの分析計92が定格運転のガス組成を示すことになる。
図5は、実施例2の蒸気ボイラシステムの停止方法を示すフロー図である。
本図に示すように、二酸化炭素燃料化制御装置105により、パワコン99で二酸化炭素燃料化装置7の加熱を停止し、パワコン100で二酸化炭素燃料化装置7の還元処理を停止する(S200)。その後も、蒸気ボイラ301の燃焼器において変換ガスの燃焼を継続する。
ガス供給制御装置27により、流量調整バルブ18で変換ガス17の流量を減少させ、流量調整バルブ15でガス燃料14の流量を増加させる。また、流量調整バルブ21で酸素20の流量を減少させ、流量調整バルブ12で酸素11の流量を増加させる。この操作で、変換ガス17からガス燃料14に切り換え、酸素20から酸素11に切り換える(S210)。その後は、蒸気ボイラ301の燃焼器においては、主として、ガス燃料14の燃焼を継続する。
システムの外部からの酸素11及びガス燃料14の供給となるため、圧力計29の圧力を維持するには、流量調整バルブ28で排ガスの大気放出を調整する制御が必要である。この制御は、起動時から継続しておけばよい。
酸素タンク3の圧力計24の圧力がPO,MINより小さくなったら(S220)、酸素20の供給を停止し、酸素11を流量調整して供給する(S230)。変換ガスの圧力計80の圧力がPF,MINより小さくなったら(S240)、変換ガス17の供給を停止し、ガス燃料14の流量調整をして供給する(S250)。
さらに、二酸化炭素燃料化装置7に供給するガス組成を分析する分析計92でH2及びCOの濃度がほぼ0(すなわち、所定値以下)、変換ガスタンク2内のガス組成を分析する分析計23でH2及びCOの濃度がほぼ0(すなわち、所定値以下)になったら(S260)、酸素20の停止、ガス燃料14の停止、さらに大気放出を停止する(S270)。蒸気ボイラ301の排ガス91、二酸化炭素燃料化装置7の変換ガス17、及び気化器102からの水蒸気並びにH2、CO等の可燃ガスが配管等の内部に残らないようにすることが望ましいからである。これにより、蒸気ボイラ301、二酸化炭素燃料化装置7及び変換ガスタンク2内のガスがCO2に置換された状態となる。
これにより、配管や各装置のH2による脆化、O2による腐食、停止中における予想外の燃焼や爆発等を防止することができる。
1:燃焼器、2:変換ガスタンク、3:酸素タンク、4:蒸気殺菌槽、5:風力発電装置、6:太陽光発電装置、7:二酸化炭素燃料化装置、8:水タンク、11、20、95:酸素、12、15、18、21、28、59、103:流量調整バルブ、13、16、19、22:流量計、14:ガス燃料、17:変換ガス、23、92:分析計、27:ガス供給制御装置、31、61:蒸気、32:熱交換器、33、111、115:気液分離器、34、40、54、112、116、120:液位計、35、119:フィルター、36、38、39、52、56、57、117、121、123:バルブ、37、55、124:水、41:蒸気供給制御装置、51、94:温度計、53:膨張弁、58、104、118:ポンプ、62:蒸気殺菌槽制御装置、71、72、73、76、81、99、100、101:パワコン、74:蓄電池、77、113:圧縮機、78、80、82:圧力計、79、83、97、114:冷却器、84:圧縮機制御装置、91:排ガス、102:気化器、105:二酸化炭素燃料化制御装置、122:変換ガス貯蔵制御装置、161:燃焼生成ガス配管、163a:変換ガス配管、163b:酸素ガス配管、301:蒸気ボイラ、1000:燃焼器システム。
Claims (11)
- 燃焼器と、
二酸化炭素燃料化装置と、
前記燃焼器から前記二酸化炭素燃料化装置に燃焼生成ガスを送る燃焼生成ガス流路と、
前記二酸化炭素燃料化装置から前記燃焼器に変換ガスを送る変換ガス流路と、
前記二酸化炭素燃料化装置から前記燃焼器に酸素ガスを送る酸素ガス流路と、を備え、
前記燃焼器は、前記変換ガスを前記酸素ガスにより酸化して前記燃焼生成ガスを生成し、
前記二酸化炭素燃料化装置は、前記燃焼生成ガスを還元し、前記変換ガスと前記酸素ガスとに分離する構成を有し、
前記燃焼生成ガス、前記変換ガス及び前記酸素ガスは、前記燃焼器、前記二酸化炭素燃料化装置、前記燃焼生成ガス流路、前記変換ガス流路及び前記酸素ガス流路で構成される閉ループを循環する、燃焼器システム。 - 前記二酸化炭素燃料化装置は、固体酸化物形電解セルを含む、請求項1記載の燃焼器システム。
- 前記変換ガスは、一酸化炭素又はメタンを含む、請求項1記載の燃焼器システム。
- 前記燃焼生成ガスは、二酸化炭素及び水蒸気を含む、請求項1記載の燃焼器システム。
- 前記燃焼器は、ボイラの構成要素である、請求項1記載の燃焼器システム。
- 前記酸素ガスを貯蔵する酸素タンクと、
前記変換ガスを貯蔵する変換ガスタンクと、を更に備え、
前記燃焼器には、前記酸素タンクから前記酸素ガスを供給し、前記変換ガスタンクから前記変換ガスを供給する、請求項1記載の燃焼器システム。 - 外部から前記燃焼器に酸素及び燃料を供給する構成を有する、請求項1記載の燃焼器システム。
- 前記二酸化炭素燃料化装置は、電気エネルギーを使用する、請求項1記載の燃焼器システム。
- 前記電気エネルギーは、再生可能エネルギーによるものを含む、請求項8記載の燃焼器システム。
- 燃焼器システムの起動方法であって、
前記燃焼器システムは、
燃焼器と、
二酸化炭素燃料化装置と、
前記燃焼器から前記二酸化炭素燃料化装置に燃焼生成ガスを送る燃焼生成ガス流路と、
前記二酸化炭素燃料化装置から前記燃焼器に変換ガスを送る変換ガス流路と、
前記二酸化炭素燃料化装置から前記燃焼器に酸素ガスを送る酸素ガス流路と、を備え、
前記燃焼器は、前記変換ガスを前記酸素ガスにより酸化して前記燃焼生成ガスを生成し、
前記二酸化炭素燃料化装置は、前記燃焼生成ガスを還元し、前記変換ガスと前記酸素ガスとに分離する構成を有し、
前記燃焼生成ガス、前記変換ガス及び前記酸素ガスは、前記燃焼器、前記二酸化炭素燃料化装置、前記燃焼生成ガス流路、前記変換ガス流路及び前記酸素ガス流路で構成される閉ループを循環するものであり、
前記二酸化炭素燃料化装置を所定の温度に達するまで加熱し、
その後、前記二酸化炭素燃料化装置による還元処理を行う、燃焼器システムの起動方法。 - 燃焼器システムの停止方法であって、
前記燃焼器システムは、
燃焼器と、
二酸化炭素燃料化装置と、
前記燃焼器から前記二酸化炭素燃料化装置に燃焼生成ガスを送る燃焼生成ガス流路と、
前記二酸化炭素燃料化装置から前記燃焼器に変換ガスを送る変換ガス流路と、
前記二酸化炭素燃料化装置から前記燃焼器に酸素ガスを送る酸素ガス流路と、を備え、
前記燃焼器システムの外部から前記燃焼器に酸素及び燃料を供給する構成を有し、
前記燃焼器は、前記変換ガスを前記酸素ガスにより酸化して前記燃焼生成ガスを生成し、
前記二酸化炭素燃料化装置は、前記燃焼生成ガスを還元し、前記変換ガスと前記酸素ガスとに分離する構成を有し、
前記燃焼生成ガス、前記変換ガス及び前記酸素ガスは、前記燃焼器、前記二酸化炭素燃料化装置、前記燃焼生成ガス流路、前記変換ガス流路及び前記酸素ガス流路で構成される閉ループを循環するものであり、
前記二酸化炭素燃料化装置の加熱を停止し、
その後、前記燃焼器システムの内部の水素及び一酸化炭素の濃度が所定値以下となったとき、前記燃焼器への前記酸素及び前記燃料の供給を停止する、燃焼器システムの停止方法。
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