JP2022109744A - 核酸分析方法および核酸分析装置 - Google Patents

核酸分析方法および核酸分析装置 Download PDF

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Kenji Akama
正昭 河合
Masaaki Kawai
昌也 岡田
Masaya Okada
健太郎 白井
Kentaro Shirai
雄一郎 吉田
Yuichiro Yoshida
翼 世取山
Tasuku Setoriyama
倫崇 能登谷
Michitaka Notoya
創一 大上
Soichi Ogami
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Abstract

【課題】核酸分析の精度保証を行いながら、試薬コスト低減およびスループット向上を可能とする核酸分析方法を提供する。【解決手段】実施形態の一例である拡散分析方法では、第1の被検者検体と試薬から調製される検査試料と、陽性対照および陰性対照の少なくとも1つと試薬から調製される少なくとも1つの対照試料とを含む、第1の試料セットを作製し、第2の被検者検体と試薬から調製される検査試料を含み、かつ、第1の試料セットに含まれる対照試料のうち少なくとも1つを含まない、第2の試料セットを作製する。第1の試料セットにおける核酸増幅を第1のユニットで測定し、第2の試料セットにおける核酸増幅を第2のユニットで測定して、少なくとも第1の試料セットに含まれる対照試料の測定結果に基づいて、第1および第2の試料セットに含まれる各検査試料の測定結果を分析する。【選択図】図1

Description

本発明は、核酸分析方法および核酸分析装置に関する。
COVID-19の世界的な流行によって、感染性ウイルスのPCR検査の需要が急激に増加している。
一般的なPCR測定装置では、試料を収容する多数のウェルを備えたプレートに対して加温と冷却のサイクルを繰り返すことより増幅した核酸を検出する。特許文献1には、複数のウェルを備えたプレートに複数の試料を収容し、プレートに対して加温と冷却を繰り返すことによって多数の試料をバッチで核酸増幅する方法が開示されている。
特開2008-22732号公報
特許文献1に開示されるように、ウェルプレートを用いたバッチ処理では、標準核酸試料(ポジティブコントロールともいう)とネガティブコントロールを各バッチに含めておき、核酸分析の精度を保証することが従来行われている。1つのバッチに必ず決まった数のポジティブコントロールとネガティブコントロールが含まれると、バッチ毎にコントロールを測定するための試薬コストがかかる。さらに、1つのバッチに含まれるコントロールの数だけ、1つのバッチで測定できる被検者試料の数は減ることになる。
本発明は、核酸分析の精度保証を行いながら、試薬コスト低減およびスループット向上を可能とする核酸分析方法を提供することを目的とする。
本発明に係る核酸分析方法は、第1の被検者検体と試薬から調製される検査試料と、陽性対照および陰性対照の少なくとも1つと前記試薬から調製される対照試料とを含む、第1の試料セットを作製し、第2の被検者検体と前記試薬から調製される検査試料を含み、かつ、前記第1の試料セットに含まれる前記対照試料のうち少なくとも1つを含まない、第2の試料セットを作製し、前記第1の試料セットに対して核酸増幅を行い、増幅した核酸を測定し、前記第2の試料セットに対して核酸増幅を行い、増幅した核酸を測定し、少なくとも前記第1の試料セットに含まれる前記対照試料の測定結果に基づいて、前記第1および第2の試料セットに含まれる前記各検査試料の測定結果を分析することを特徴とする。
本発明に係る核酸分析装置は、被検者検体と試薬から調製される検査試料を含む、複数の試料セットを作製する試料作製装置と、前記複数の試料セットの各々に対して核酸増幅を行い、増幅核酸を測定する少なくとも1つのユニットと、制御部と、を備え、前記試料作製装置は、前記制御部による制御の下、前記検査試料と、陽性対照および陰性対照の少なくとも1つと前記試薬から調製される対照試料とを含む、第1の試料セットと、前記検査試料を含み、かつ、前記第1の試料セットに含まれる前記対照試料のうち少なくとも1つを含まない第2の試料セットと、を作製し、前記制御部は、少なくとも前記第1の試料セットに含まれる前記対照試料の測定結果に基づいて、前記第1および前記第2の試料セットに含まれる前記各検査試料の測定結果を分析することを特徴とする。
本発明によれば、試薬コストの低減およびスループットの向上を図りつつ、核酸分析の精度保証を行うことができる。
実施形態の一例である核酸分析装置の概略図である。 PCRユニットの斜視図である。 8連チューブの斜視図である。 実施形態の一例である核酸分析装置の構成を示すブロック図である。 核酸分析装置の動作の一例を示すフローチャートである。 核酸分析装置の動作の一例を示すフローチャートである。 核酸分析装置の動作の一例を示すフローチャートである。 核酸分析装置の動作一例を示すフローチャートである。 測定結果(測定データ)の解析手順の一例を示すフローチャートである。 分析結果の一例を示す図である。 PCRユニット群における試料配置の一例を示す図である。 試料セットの作製プロセスの一例を示すフローチャートである。 PCRユニット群における試料配置の他の一例を示す図である。 試料セットの作製プロセスの他の一例を示すフローチャートである。 PCRユニット群における試料配置の他の一例を示す図である。 PCRユニット群における試料配置の他の一例を示す図である。 PCRユニット群における試料配置の他の一例を示す図である。 PCRユニット群における対照試料配置の変形例を示す図である。 PCRユニット群における対照試料配置の他の変形例を示す図である。 PCRユニット群における対照試料配置の他の変形例を示す図である。 従来の方法に基づく試料配置を示す図である。 核酸分析装置の変形例を示す図である。 検出装置の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る核酸分析方法および核酸分析装置の実施形態の一例について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態および変形例の各構成要素を選択的に組み合わせることは本開示の範囲内である。
本明細書において「試料」とは、検体と試薬を混合することで調製された混合物をいう。また、本明細書において、「検査試料」とは、検体として被検者検体を用いて調製された試料を意味し、検体として陽性対照または陰性対照を用いて調製された「対照試料」とは用語の意味において区別して用いられる。「陽性対照試料」とは、検体として陽性対照を用いて調製された試料を意味する。「陰性対照試料」とは、検体として陰性対照を用いて調製された試料を意味する。「陽性対照試料」と「陰性対照試料」を総称して「対照試料」という。
本明細書において「試料セット」とは、複数の試料を一組とした単位であり、一つのユニットによる一回のバッチ処理によって核酸増幅可能な数又はそれ以下の数の試料を一つの単位とする。
本明細書において「QCグループ」とは、1つの共通の試薬を用いて調製された複数の試料のまとまりを意味する。「共通の試薬」とは、一度の調製によって得られた試薬、例えば、プライマー試薬と酵素試薬を混合して得られた混合試薬であってもよい。この場合、混合試薬は複数回のテスト数に対応する量を含み、その混合試薬を用いて調製された複数の試料が1つのQCグループとなる。「共通の試薬」は、1つのバイアルに収容された試薬であってもよい。この場合、共通のバイアルに収容された試薬を用いて調製された複数の試料が1つのQCグループとなる。「共通の試薬」は、同じ製造ロットの試薬であってもよい。この場合、複数の異なるバイアルに収容され、かつ同じ製造ロットが付与された複数の試薬は共通の試薬となり、同じ製造ロットの試薬を用いて調製された複数の試料が1つのQCグループとなる。
図1は、実施形態の一例である核酸分析装置1の概略図である。図1に示すように、核酸分析装置1は、被検者検体と試薬から調製される検査試料を含む複数の試料セットを作製する試料作製ロボット11と、複数の試料セットの各試料の増幅核酸を測定するPCRユニット群20と、試料作製ロボット11によって作製された試料セットをPCRユニット群20のPCRユニット21に分配する測定ロボット22と、各ロボットを制御するロボット制御部32と、PCRユニット21を制御するPCR制御部33と、核酸分析装置1の全体の動作を制御するシステム制御部31とを主な構成として備える。PCRユニット群20は、複数のPCRユニット21により構成されている。
試料作製ロボット11は、ロボット制御部32による制御の下、検査試料および少なくとも1つの対照試料を含む第1の試料セットを作製する。試料作製ロボット11は、また、検査試料を含み、かつ第1の試料セットに含まれる対照試料のうち少なくとも1つを含まない第2の試料セットを作製する。第1の試料セットに含まれる対照試料は、陽性対照と試薬から調製される陽性対照試料、および陰性対照と試薬から調製される陰性対照試料の少なくとも一つである。
PCR制御部33は、少なくとも第1の試料セットに含まれる対照試料の測定結果に基づいて、第1および第2の試料セットに含まれる各検査試料の測定結果を分析する。第1の試料セットに含まれる対照試料の測定結果を、第1の試料セットの検査試料の分析だけでなく、第2の試料セットの検査試料の分析にも利用することで、試薬コストの低減およびスループットの向上を実現できる。
陽性対照試料は、既知濃度の検査対象の核酸(標的核酸ともいう)を含む試料であって、PCRユニット21による核酸増幅の精度を確認するための試料である。陽性対照試料は、一般的に標準核酸試料、ポジティブコントロール、精度管理試料、またはQC検体試料と呼ばれる。陰性対照試料は、少なくとも検査対照の核酸を含まない試料であって、例えば、核酸分析装置1の各処理におけるコンタミネーションの有無を確認するための試料である。陰性対照試料は、一般的にネガティブコントロールと呼ばれる。
核酸分析装置1は、一例では、リアルタイムPCR法に基づくウイルス検査に用いられる。核酸増幅の原理は、核酸を増幅して分析するものであればリアルタイムPCR法に限られず、例えば、インベーダー法、LAMP法、SmartAmp法、TMA法等の等温増幅法でもよい。
検査対象のウイルスの一例は、SARS-CoV-2である。核酸分析装置1は、例えば、空港に設置され、飛行機に搭乗予定の被検者から採取される検体について、全自動でウイルス検査を行うシステムの少なくとも一部を構成してもよい。
被検者から採取される被検者検体は、一例では、唾液である。被検者検体は、咽頭拭い液、鼻孔拭い液、鼻汁、喀痰、うがい液などの呼吸系由来の他の種類の検体であってもよい。被検者検体は、全血、血清、血漿、脳脊髄液(CSF)、胸水、腹水、心嚢液、関節液、尿、便、組織切片であってもよい。
本実施形態では、被検者検体として、被検者から採取された唾液に含まれる核酸が抽出された核酸抽出液が、ウェルプレート3に収容された状態で、ベルトコンベア2により核酸分析装置1に供給される。ベルトコンベア2には、検査依頼の発生に応じて1つ以上のウェルプレート3が順次供給される。ウェルプレート3は、複数のウェルを有し、各ウェルには核酸抽出液である被検者検体がそれぞれ個別に収容されている。1枚のウェルプレート3には、複数人の被検者検体が収容される。核酸分析装置1は、供給されたウェルプレート3から被検者検体を分取し、被検者検体と試薬から検査試料を調製して、複数のPCRユニット21により各検査試料の核酸増幅測定を並列して行う。
試料作製ロボット11は、ロボット制御部32の制御の下、検査試料および対照試料を調製して、複数の試料を含む試料セットを作製する。試料作製ロボット11は、ベルトコンベア2により供給されるウェルプレート3から所定量の被検者検体を分取し、被検者検体と試薬とを混合して検査試料を調製する。また、試料作製ロボット11は、陽性対照試料および陰性対照試料を調製することもできる。本実施形態では、8つの容器41が連結された8連チューブ40を用いて各試料を調製し、試料セットを作製する。言い換えると、8連チューブ40に収容される複数の試料が1つの試料セットである。
核酸分析装置1は、試料作製ロボット11の周囲に、ベルトコンベア2と、試薬保管部12と、QC検体保管部13と、ノズルチップ保管部14と、8連チューブ置き場15とを備える。
ベルトコンベア2は、試料作製ロボット11の前面に配置されている。ベルトコンベア2は、被検者検体としての核酸抽出液を複数収容したウェルプレート3を、試料作製ロボット11がアクセス可能な位置まで搬送する。ウェルプレート3には、例えば96個のウェルが設けられている。ベルトコンベア2は、新たに投入されたウェルプレート3を検知するセンサ2aを備える。センサ2aは、例えば反射型の光学センサであって、光をベルトコンベア2の上方に対して照射し、反射光を受光することをもってウェルプレート3を検知するように配置されている。センサ2aは、光学式でなくてもよく、接触式であってもよい。また、センサ2aが光学式の場合、反射型に限らず、透過型であってもよい。
試薬保管部12は、酵素試薬を保管する冷凍庫、およびプライマー試薬を保管する冷蔵庫を含む。試薬保管部12は、酵素試薬を収容した酵素試薬容器121と、プライマー試薬を収容したプライマー試薬容器122を保管する。酵素試薬は、主要成分として、DNAポリメラーゼ、dNTP、逆転写酵素を含む。後述するように、試料作製ロボット11は、酵素試薬容器121とプライマー試薬容器122から、それぞれ所定量の試薬を分取し、混合試薬容器16に分注することで試料セットの作製に用いる試薬を調製する。以下、酵素試薬とプライマー試薬を混合して調製した試薬を「混合試薬」という。酵素試薬は氷点下(例えば、-18℃)で保管されることが好ましく、プライマー試薬は1℃~5℃の低温で保管されることが好ましい。
QC検体保管部13は、例えば、1~5℃の低温で陽性対照および陰性対照を保管する冷蔵庫を含む。陽性対照は、既知濃度の標的核酸を含む検体又は既知濃度の標的核酸を含む緩衝液である。標的核酸は、例えば、検査対象がSARS-CoV-2ウイルスである場合、SARS-CoV-2ウイルスの核酸(RNA又は人工合成DNA)または核酸断片である。陰性対照は、標的核酸を含まない検体であり、例えば純水または緩衝液である。
ノズルチップ保管部14は、試料作製ロボット11がロボットアームの先端に着脱可能な複数のノズルチップを保管する。ノズルチップはディスポーザブルな材料からなり、試料作製ロボットによる使用後に廃棄される。
8連チューブ置き場15は、試料作製ロボット11と測定ロボット22の間に配置され、8連チューブ40を複数保持する。
試料作製ロボット11は、例えば、垂直多関節ロボットである。試料作製ロボット11は、アームの先端にエンドエフェクタ111を備える。エンドエフェクタ111は、ツールとしてシリンジポンプを備え、ノズルチップ保管部14にあるノズルチップを先端に着脱自在に取り付けることができる。
試料作製ロボット11は、混合試薬を調製する場合、エンドエフェクタ111に取り付けられたノズルチップを用いて、試薬保管部12に保管されている酵素試薬容器121の酵素試薬と、プライマー試薬容器122のプライマー試薬をそれぞれ所定量吸引し、混合試薬容器16に分注する。
試料作製ロボット11は、調製した混合試薬を分注する場合、エンドエフェクタ111に取り付けられたノズルチップを用いて、混合試薬容器16に収容された混合容器を所定量吸引し、8連チューブ40の容器41に分注する。
試料作製ロボット11は、被検者試料を分注する場合、エンドエフェクタ111に取り付けられたノズルチップを用いて、ベルトコンベア2によって搬送されたウェルプレート3のウェルに収容されている被検者検体を吸引し、8連チューブ40の容器41に分注する。
試料作製ロボット11は、陽性対照または陰性対照を分注する場合、エンドエフェクタ111に取り付けられたノズルチップを用いて、QC検体保管部13の陽性対照および陰性対照をそれぞれ所定量吸引し、8連チューブ40の容器41に分注する。
試料作製ロボット11は、8連チューブ40の容器41に被検者検体と混合試薬とを分注して混合することで、検査試料を調製する。試料作製ロボット11は、同様に、8連チューブ40の容器41に陽性対照または陰性対照と混合試薬とを分注して混合することで、対照試料を調製する。1つの8連チューブ40には、8つの容器41が存在するため、最大8つの試料を含む試料セットを作製できる。2種類の対照試料を含む試料セットであれば、検査試料は最大6つとなる。詳しくは後述するが、本実施形態では、1つの酵素試薬容器121から吸引された所定量の酵素試薬と、1つのプライマー試薬容器122から吸引された所定量のプライマー試薬とから、所定量(48テスト分)の混合試薬が調製される。陽性対照試料および陰性対照試料は、混合試薬が調製される毎に、1つずつ調製される。例えば、48テスト分の混合試薬が調製されると、初めに作製される試料セットには、1つの陽性対照試料、1つの陰性対照試料、および6つの検査試料が含まれる。
PCRユニット群20は、互いに独立に、かつ並行して核酸増幅および増幅核酸の測定が可能な複数のPCRユニット21により構成されている。PCRユニット21は、PCR制御部33の制御の下、試料セットに含まれる核酸を増幅し、増幅核酸を測定する測定ユニットである。本実施形態では、測定ロボット22により、所定の規則にしたがって各試料セット(8連チューブ40)が複数のPCRユニット21に順に分配される。1台のPCRユニット21には、1つの8連チューブ40をセット可能である。1台のPCRユニット21において、最大8つの試料の核酸増幅処理を同時に行うことができる。
本実施形態では、PCRユニット群20が16台のPCRユニット21(以下、「PCRユニットU1~U16」という場合がある)により構成されている。各PCRユニット21は、同種の測定ユニットであって、互いに同じ処理・測定を行う。
測定ロボット22は、双腕ロボットであって、二つのロボットアームを備える。二つのロボットアームの先端には、それぞれ、エンドエフェクタ221とエンドエフェクタ222が設けられている。エンドエフェクタ221、222には、8連チューブ40を掴んで移動することが可能なツールとして、ロボットハンドが取り付けられている。測定ロボット22は、ロボット制御部32の制御の下、試料セットが収容された8連チューブ40をPCRユニット21にセットする。測定ロボット22は、測定が終了した8連チューブ40をPCRユニット21から取り出して廃棄する。
図2は、PCRユニット21の斜視図である。PCRユニット21は、サーマルサイクラー23、8連チューブ40がセットされるチューブ保持部24、および光学部26が搭載された開閉可能なカバー25を有する。PCRユニット21は、検査試料および対照試料について逆転写処理と核酸増幅処理を行い、各試料の核酸増幅を測定する。サーマルサイクラー23は、チューブ保持部24にセットされた8連チューブ40の加温・冷却を行う装置である。PCRユニット21の逆転写処理は、試料を一定時間、所定の温度(例えば、45℃)に加温することにより行われる。試料を加温することで、酵素試料に含まれる逆転写酵素により、試料中の核酸の逆転写反応が進行する。
PCRユニット21は、逆転写処理の終了後、核酸増幅処理を開始する。核酸増幅処理は、所定の周期で試料を加温して冷却する核酸増幅サイクルを繰り返す処理である。核酸増幅処理は、例えば、95℃への加温と60℃への冷却を75秒周期で繰り返す核酸増幅サイクルを45回行う。サーマルサイクラー23にはペルチェ素子が搭載されており、ペルチェ素子がチューブ保持部24にセットされた8連チューブ40を加温・冷却することにより各試料の核酸増幅処理が行われる。この処理により増幅された核酸の検出は、カバー25に搭載された光学部26により行われる。
光学部26には、光源261と、蛍光検出器262とが含まれる(図4参照)。光源261は、カバー25が閉じられた状態でチューブ保持部24にセットされた8連チューブ40に対向するように設けられており、各容器41に収容された試料に励起光を照射する。蛍光検出器262は、カバー25が閉じられた状態で、光源261の光照射により生じた試料の蛍光を検出する。光源261の一例はLEDであり、蛍光検出器262の一例はフォトダイオードである。カバー25には、例えば、8連チューブ40の容器41が並ぶ方向に沿って複数の光源261と蛍光検出器262が設置されている。なお、PCR測定に用いる蛍光物質の試料への導入方法は、特に限定されず、例えばインターカレーター法、プローブ法、サイクリングプローブ法、カルセイン法のいずれであってもよい。また、蛍光物質を用いず、濁度や吸光度を測定する方法であってもよい。
PCR測定では、核酸増幅サイクルの繰り返しにより核酸が増幅すると、蛍光検出器262により検出される蛍光強度が上昇する。蛍光強度が所定の閾値を上回るサイクル数は、試料に検査対象の標的核酸が多く含まれている場合は早くなり、標的核酸が含まれていないか、または少ない場合は遅くなる。或いは、試料に標的核酸が含まれていない場合には、サイクル数が増えても蛍光強度が変化しない。このため、このサイクル数を用いて、試料中の標的核酸の有無を確認できる。PCR制御部33は、例えば、蛍光検出器262により検出された蛍光強度を取得し、蛍光強度が所定の閾値を上回ったときのサイクル数を求める。蛍光強度が所定の閾値を上回ったときのサイクル数をCt値という。
PCR制御部33は、例えば、蛍光強度の増幅曲線または蛍光強度に基づく核酸の増幅曲線を作成し、蛍光強度に対して設定された所定の閾値と増幅曲線とを比較し、蛍光強度が閾値を超えたときの核酸増幅のサイクル数をCt値として算出する。Ct値の算出は、蛍光強度と閾値を比較する方法に限られず、増幅曲線の2次微分曲線を求め、値が最大となる点をCt値としてもよい。Ct値が所定のサイクル数未満である場合は試料が陽性である可能性が高く、Ct値が所定のサイクル数以上である場合は試料が陰性である可能性が高い。PCR制御部33は、各試料を識別する情報と対応付けてCt値を記憶する。また、PCR制御部33は、Ct値と共に、上記増幅曲線を記憶してもよい。検査試料の識別情報は、例えば、各被検者に割り当てられた検体番号である。
図3は、8連チューブ40の斜視図である。図3に示すように、8連チューブ40は、8つの容器41が一列に並び、隣接する容器41同士が連結されて一体化された容器群である。8連チューブ40は、8つの独立した容器41が一体化された構造を有するため、8つの試料がそれぞれ入った8つの容器41を同時に搬送することができ、スループットの向上に寄与する。各容器41は、試料が収容される有底筒状の容器本体411と、容器本体411の開口部を閉じる蓋412とを有する。容器本体411および蓋412は、例えば、透光性の樹脂で構成されている。
1つの8連チューブ40に収容される試料セットは、同じ混合試薬容器16から分注される同じ混合試薬を用いて作製される。本実施形態では、複数の8連チューブ40に収容される複数の試料セット(例えば、6つの試料セット)が、同じ混合試薬を用いて作製される。詳しくは後述するが、1つの混合試薬容器16には、この6つの試料セットを構成する48テストの試料を調製可能な量の混合試薬が調製され、この48テストの試料によって構成される1つのQCグループには、陽性対照試料と陰性対照試料が少なくとも1つずつ含まれる。
図4は、核酸分析装置1の構成を示すブロック図である。図4に示すように、ベルトコンベア2、試料作製ロボット11、および測定ロボット22は、ロボット制御部32と通信可能に接続され、ロボット制御部32により動作が制御される。PCRユニット群20を構成する各PCRユニット21は、PCR制御部33と通信可能に接続され、PCR制御部33により動作が制御される。PCR制御部33は、各PCRユニット21から蛍光検出器262により検出された蛍光強度を取得し、蛍光強度の増幅曲線を作成してCt値を求める。ロボット制御部32およびPCR制御部33は、システム制御部31と通信可能に接続されている。
システム制御部31は、核酸分析装置1を統括的に制御する装置であって、CPU311と、記憶部312と、通信インターフェイス(IF)313と、表示部314と、入力部315とを有する。システム制御部31は、パーソナルコンピュータによって構成してもよい。システム制御部31は、記憶部312に格納されたソフトウェアを実行することにより核酸分析装置1の動作を統括的に制御し、ロボット制御部32およびPCR制御部33に制御指令を出力して、試料セットの作製、試料セットの分配、PCR測定、および測定結果(測定データ)の解析に係る処理を行う。システム制御部31は、ホストコンピュータ50と通信可能に接続されており、PCR制御部33により解析された分析結果をホストコンピュータ50に送信する。ホストコンピュータ50は、例えば、医師が分析結果を確認し、各検査試料について陽性・陰性の判定を行う際に使用される。
記憶部312は、RAM、ROM、ハードディスク等で構成されている。記憶部312には、上記処理を実行するためのコンピュータプログラムが格納されている。このコンピュータプログラムは、CPU311により実行される。表示部314は、ディスプレイにより構成され、核酸分析装置1の動作状況、分析結果などを表示する。入力部315は、キーボードおよびマウスにより構成され、例えばウェルプレート3に収容された検体の識別情報や検体の検査依頼の入力に使用される。通信インターフェイス313は、例えばイーサネット対応の通信モジュールを備える。
ロボット制御部32は、ベルトコンベア2、試料作製ロボット11、および測定ロボット22を制御する装置であって、CPU321と、記憶部322と、通信インターフェイス323とを有する。ロボット制御部32は、システム制御部31の制御指令に基づいて、ベルトコンベア2、試料作製ロボット11、および測定ロボット22の動作を制御する。
PCR制御部33は、ロボット制御部32と同様に、CPU331と、記憶部332と、通信インターフェイス333とを有し、システム制御部31の制御指令に基づいてPCRユニット群20を構成する各PCRユニット21の動作を制御する。PCR制御部33は、パーソナルコンピュータによって構成してもよい。
PCR制御部33は、各PCRユニット21に分配する各試料に関する情報をシステム制御部31から取得し、記憶部332に記憶している。各試料に関する情報は、各試料の識別情報であって、試料が収容された8連チューブ40の容器41の位置情報と対応付けられている。各試料の識別情報は、例えば、試料が検査試料であれば検体番号であり、試料が対照試料であれば試料の種類を示す情報または対照試料のロット番号である。PCR制御部33は、上述のように、各PCRユニット21から測定データ(蛍光検出器262により検出される蛍光強度)を取得し、増幅曲線を作成してCt値を算出する。PCR制御部33は、各試料の識別情報と、増幅曲線およびCt値を関連付けた分析結果をシステム制御部31に出力する。
PCRユニット21は、ペルチェ素子を含むサーマルサイクラー23と、カバー25に搭載された光源261および蛍光検出器262と、CPU270と、記憶部271と、通信インターフェイス271とを有する。CPU270は、PCR制御部33から送信される制御指令に応じて、記憶部271に記憶されたプログラムを実行することにより、サーマルサイクラー23、光源261等の動作を制御する。
サーマルサイクラー23は、PCR制御部33およびCPU270の制御の下、チューブ保持部24にセットされた8連チューブ40を加温・冷却して、逆転写処理および核酸増幅処理を行う。光源261は、PCR制御部33および制御部27の制御の下、8連チューブ40の各容器41に励起光を照射する。蛍光検出器262は、PCR制御部33および制御部27の制御の下、核酸増幅の各サイクルにおいて試料から生じる蛍光の強度を検出して、蛍光強度の時系列データからなる測定データをPCR制御部33に送信する。
以下、図5~図12を参照しながら、核酸分析装置1による分析プロセスの一例について詳説する。図5~図8は、核酸分析装置1の動作を示すフローチャートであって、核酸分析装置1を構成する4つの制御主体(システム制御部31、ロボット制御部32、PCR制御部33およびPCRユニット21)の連携を示している。
図5は、システム制御部31の動作を示すフローチャートである。ステップS1において、システム制御部31は、ベルトコンベア2に新たなウェルプレート3が投入されたか否かを判断する。ステップS1の判断は、センサ2aが、ベルトコンベア2に設置された新たなウェルプレート3を検知し、センサ2aからの検知信号がロボット制御部32を介してシステム制御部31へ入力されたことを以てYESと判断される。ステップS1でYESと判断された場合、ステップS2に処理が進む。なお、ステップS1の判断は、センサ2aによる検知に代えて、ユーザが入力部315を介して検査依頼を入力したことをもってYESと判断してもよい。
ステップS2において、システム制御部31は、試料セットの作製、PCR測定、および測定データの解析を含む一連の分析プロセスを開始させる開始コマンドをロボット制御部32に送信する。詳しくは後述するが、開始コマンドを受信したロボット制御部32は、試料作製ロボット11を制御してウェルプレート3の被検者検体等から試料セットを作製し、試料セットが入った8連チューブ40を所定の規則にしたがって決定されるいずれかのPCRユニット21にセットする。
ステップS3において、システム制御部31は、ロボット制御部32からセット完了通知を受信したか否かを判断する。後述するように、セット完了通知は、PCRユニット21に8連チューブ40がセットされたことを知らせる通知であり、8連チューブ40がセットされた一つのPCRユニット21の識別情報U1~U16を含む。セット完了通知を受信している場合、システム制御部31は、PCR制御部33に測定コマンドを送信する(ステップS4)。測定コマンドは、セット完了通知に対応するPCRユニット21においてPCR測定を開始させるための制御指令である。詳しくは後述するが、測定コマンドを受信したPCR制御部33は、指定のPCRユニット21に制御指令を送信してPCR測定を開始させ、測定が終了したときには測定完了通知をシステム制御部31に送信する。
ステップS5において、システム制御部31は、PCR制御部33から測定完了通知を受信したか否かを判断する。測定完了通知を受信している場合、システム制御部31は、8連チューブ40をPCRユニット21から取り出すための取り出しコマンドをロボット制御部32に送信する(ステップS6)。
ステップS7において、システム制御部31は、PCR制御部33から分析結果を受信したか否かを判断する。分析結果を受信している場合、システム制御部31は、ステップS8において当該分析結果をホストコンピュータ50に出力する。なお、ステップS6とステップS7、S8の順序は逆であってもよい。ホストコンピュータ50が複数存在する場合は、システム制御部31は、分析結果の送信先のホストコンピュータ50を試料の識別情報に基づいて選択してもよい。また、PCR制御部33から受信した分析結果に追加情報を加えたものを所定のホストコンピュータ50に出力してもよい。システム制御部31は、分析結果を出力するとステップS1へ処理を戻す。
図6は、ロボット制御部32の動作を示すフローチャートである。ステップS10において、ロボット制御部32は、システム制御部31から開始コマンドを受信したか否かを判断する。開始コマンドを受信した場合、ロボット制御部32は、試料セットの作製に必要な混合試薬の有無を確認する(ステップS11)。混合試薬がある場合、ステップS13に処理が進む。混合試薬がない場合、つまり調製済みの混合試薬の残テスト数がゼロである場合、ロボット制御部32は、試料作製ロボット11を制御して混合試薬を調製する(ステップS12)。試料作製ロボット11は、ロボット制御部32の制御の下、試薬保管部12にある酵素試薬容器121とプライマー試薬容器122から所定量の試薬を吸引し、混合試薬容器16に分注して混合試薬を調製する。本実施形態では、1回の混合試薬の調製において、48テスト分の混合試薬を準備する。
ステップS13において、ロボット制御部32は、ベルトコンベア2を制御して試料作製ロボット11によりアクセス可能な位置までウェルプレート3を移動させる。ステップS14において、ロボット制御部32は、試料作製ロボット11を制御して、ウェルプレート3の各ウェルに収容された被検者検体、および混合試薬容器16に収容された混合試薬から検査試料を調製し、試料セットを作製する。試料作製ロボット11は、ロボット制御部32の制御の下、例えば検査試料のみを含む試料セット、および検査試料と対照試料を含む試料セットを作製する。ステップS14では、試料作製ロボット11が、8連チューブ置き場15において8連チューブ40の各容器41に被検者検体、混合試薬等を分注して試料を調製し、最大8つの試料を含む試料セットを作製する。ステップS14の処理については後述する。
ステップS15において、ロボット制御部32は、所定の規則にしたがって、U1~U16のうちいずれのPCRユニット21に8連チューブ40をセットするかを決定する。ロボット制御部32は、測定ロボット22を制御して、搬送先として決定したPCRユニット21のカバー25を開き、チューブ保持部24に8連チューブ40をセットして、カバー25を閉じる。所定の規則は、例えば、U1、U2、U3・・・U16の順である。8連チューブ40がチューブ保持部24にセットされると、例えば、PCRユニット21のセンサが8連チューブ40を検知し、センサの検知信号がロボット制御部32およびPCR制御部33に送信される。ステップS16において、ロボット制御部32は、セット完了通知をシステム制御部31に送信する。ロボット制御部32は、例えば、上記検知信号を受信したときにセット完了通知を送信する。セット完了通知には、上述の通り、8連チューブ40がセットされたPCRユニットの識別情報、例えばU1~U16のいずれかを含む。
PCRユニット21に8連チューブ40がセットされると、システム制御部31およびPCR制御部33の制御の下、PCRユニット21によってPCR測定が開始される。
ロボット制御部32は、8連チューブ40の各試料についてPCR測定が完了してシステム制御部31から取り出しコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS17)。取り出しコマンドを受信した場合、ロボット制御部32は、測定ロボット22を制御して測定済みの8連チューブ40をPCRユニット21から取り出す(ステップS18)。具体的には、測定ロボット22は、ロボット制御部32の制御の下、取り出しコマンドに対応する8連チューブ40をPCRユニット21から取り出し、所定の場所に移動させる。所定の場所は、例えば、測定済みの8連チューブ40を収容する廃棄ボックスである。
図7は、PCR制御部33の動作を示すフローチャートである。ステップS20において、PCR制御部33は、システム制御部31から測定コマンドを受信したか否かを判断する。測定コマンドを受信した場合、PCR制御部33は、測定コマンドに対応する指定のPCRユニット21に核酸増幅/検出コマンドを送信する(ステップS21)。詳しくは後述するが、核酸増幅/検出コマンドを受信したPCRユニット21は、チューブ保持部24にセットされた8連チューブ40の各試料についてPCR測定を行い、測定データをPCR制御部33に送信する。8連チューブ40の各試料は、同時に核酸増幅処理されて励起光が照射され、各試料から生じる蛍光が検出される。
測定コマンドには、対象となるPCRユニットの識別情報と、チューブ保持部24にセットされた8連チューブ40(試料セット)の各試料の識別情報が含まれている。各試料の識別情報は、8連チューブ40の容器41の番号に対応付けられており、記憶部332に記憶されて測定データの解析時に使用される(後述の図10参照)。即ち、PCR制御部33は、測定コマンドに基づいて、各PCRユニット21にセットされる8連チューブ40のどの容器41にどのような試料が収容されているかについて情報を有している。これにより、PCR制御部33において、各PCRユニット21における各試料の測定結果から求められる増幅曲線およびCt値と、各試料の識別情報とが対応付けられた分析結果を出力できる。
ステップS22において、PCR制御部33は、PCRユニット21から測定データを受信したか否かを判断する。測定データを受信した場合、PCR制御部33は、測定完了通知をシステム制御部31に送信する(ステップS23)。上述の通り、測定完了通知を受信したシステム制御部31は、ロボット制御部32に取り出しコマンドを送信する(図5のステップS6)。PCR制御部33は、ステップS24において受信した測定データを解析して分析結果を作成し、ステップS25において分析結果をシステム制御部31に送信する。測定データは、後述の図9に示す手順で解析される。分析結果は、システム制御部31を介してホストコンピュータ50に送信され(図5のステップS8)、医師による陽性・陰性の判定に使用される。
図8は、PCRユニット21の動作を示すフローチャートである。ステップS30において、PCRユニット21は、PCR制御部33から核酸増幅/検出コマンドを受信したか否かを判断する。核酸増幅/検出コマンドを受信した場合、PCRユニット21は、ステップS31において、核酸増幅処理および蛍光検出を行う。具体的に、PCRユニット21は、サーマルサイクラー23により8連チューブ40を加温して逆転写処理を行った後、所定の周期で8連チューブ40の加温・冷却する核酸増幅サイクルを繰り返して核酸増幅処理を行う。本実施形態では、95℃に加温して60℃に冷却する核酸増幅サイクルが45回行われる。さらに、PCRユニット21は、核酸増幅の各サイクルにおいて、光源261により8連チューブ40の各容器41に励起光を照射し、試料から生じる蛍光を蛍光検出器262により検出する。
蛍光検出は核酸増幅サイクルの特定のタイミングで行われる。例えば、試料が60℃に冷却されたときに、励起光を照射して試料から生じる蛍光の強度を測定する。PCRユニット21は、8連チューブ40に収容された全ての試料について、核酸増幅の各サイクルで蛍光強度を測定する。ステップS32において、PCRユニット21は、この測定データをPCR制御部33に送信する。測定データは、核酸増幅サイクルが終了する度に送信されてもよく、全ての核酸増幅サイクルが終了して45回の測定が行われた後にまとめて送信されてもよい。
図9は、PCR制御部33における測定データの解析手順を示すフローチャートである。
ステップS240において、PCR制御部33は、ステップS22において受信した1つの試料セットに対応する測定データのうち、検査試料の測定データに基づいて、検査試料のCt値を求める。具体的に、PCR制御部33は、例えば、測定データに基づいて蛍光強度の増幅曲線を作成し、蛍光強度が閾値を超えるサイクル数に基づいてCt値を算出する。増幅曲線およびCt値は、PCR制御部33の記憶部332に記憶される。閾値は、例えば、測定される蛍光強度のベースラインシグナルに対して有意な増加が見られるシグナルレベルに設定され、記憶部332に予め記憶されている。
ステップS241において、PCR制御部33は、受信した測定データに対照試料の測定データが含まれるかを判断する。対照試料の測定データが含まれていない場合、図9の処理は終了し、メインルーチンへ戻る。対照試料の測定データが含まれている場合、PCR制御部33は、ステップS240において説明した処理と同様にして、対照試料の測定データに基づいて、対照試料のCt値を求める(ステップS242)。
ステップS243において、PCR制御部33は、ステップS242で算出した対照試料のCt値に基づいて精度管理判定を行う。
陽性対照試料に対する精度管理判定は、陽性対照試料のCt値が閾値として設定された第1のサイクル数(例えば32サイクル)以下であるか否かを確認することにより行われる。Ct値が第1のサイクル数以下である場合、「異常なし」と判定する。Ct値が第1のサイクル数を超える場合、「異常あり」と判定する。第1のサイクル数は、試薬の品質、試料作製工程および核酸増幅工程を含む一連の処理に異常がない場合に、陽性対照試料が少なくとも示すはずのサイクル数であって、PCR制御部33の記憶部332に予め記憶されている。陽性対照試料のCt値が第1のサイクル数を超える場合、蛍光強度の立ち上がりが基準よりも遅いことを意味し、目的とする品質の試薬が調製できていないことや、核酸増幅サイクルが正常に機能していないなどの異常が疑われる。
陰性対照試料についても、陽性対照試料と同様に精度管理判定を行う。陰性対照試料に対する精度管理判定は、陰性対照試料のCt値が閾値として設定された第2のサイクル数(例えば40サイクル)以上であるか否かを確認することにより行われる。Ct値が第2のサイクル数以上である場合、「異常なし」と判定する。Ct値が第2のサイクル数より小さい場合、「異常あり」と判定する。第2のサイクル数は、一連の処理に異常がない場合に陰性対照試料が示すことがないサイクル数であって、PCR制御部33の記憶部332に予め記憶されている。陰性対照試料のCt値が第2のサイクル数より小さい場合、蛍光強度の立ち上がりが基準よりも早いことを意味し、本来含まれていないはずの標的核酸が陰性対照試料に含まれている可能性がある。この場合、コンタミネーションの発生が疑われる。
陽性対照試料および陰性対照試料の精度管理判定がいずれも「異常なし」であった場合、PCR制御部33は、対照試料と同じ混合試薬を用いて調製された同一QCグループの分析結果に「OK」のフラグを格納する(ステップS244)。一方、陽性対照試料および陰性対照試料の精度管理判定がいずれか一つでも「異常あり」であった場合、PCR制御部33は、対照試料と同じ混合試薬を用いて調製された同一QCグループの分析結果に「NG」のフラグを格納する(ステップS245)。
図10は、PCR制御部33の記憶部332に格納される分析結果データベース1000(以下、単にDBという)の模式図である。DB1000は、PCR制御部33の記憶部332内に作成される。DB1000は、検体番号が格納される列C1と、検体種別が格納される列C2と、核酸分析に使用されたPCRユニットの識別情報が格納される列C3と、試料が収容されたウェル番号が格納される列C4と、Ct値が格納される列C5と、精度管理の判定結果が格納される列C6と、使用された試薬の識別情報が格納される列C7を含む。
列C1~C4の情報は、ステップS20においてPCR制御部33がシステム制御部31から受信した測定コマンドに含まれている。列C5のCt値は、検査試料のレコードに対しては、ステップS240で得られた検査試料のCt値が格納される。対照試料のレコードについては、ステップS242で得られた対照試料のCt値が格納される。列C6には、ステップS243においてPCR制御部33が対照試料のCt値に基づいて判定した結果として、「OK」か「NG」のフラグのいずれかが格納される。
図10の例では、試料セットAに、陽性対照検体P1001と、陰性対照検体N1001と、6つの検査試料S1001~S1006が含まれている。試料セットBには、8つの検査試料S1039~S1046が含まれている。試料セットAと試料セットBは、同一の混合試薬R1に基づいて調製されたQCグループXを構成している。図10の例では、試料セットAに含まれる陽性対照検体P1001と陰性対照検体N1001の精度管理判定がいずれもOKである。この場合、陽性対照検P1001および陰性対照検体N1001と同じ試料セットAに含まれる6つの検査試料の精度管理判定結果として「OK」が格納される。さらに、同じQCグループXに含まれる試料セットBの検査試料S1039~1046の精度管理判定結果にも「OK」が格納される。図示を省略しているが、同一のQCグループXに含まれる試料セットA、B以外の他の試料セットに含まれる検査試料の精度管理判定の結果にも「OK」が格納される。
陽性対照検体P1001と陰性対照検体N1001の両方又はいずれかの精度管理判定が「異常あり」であった場合は、試料セットAおよびBの検査試料を含む、同一のQCグループXに含まれる全ての検査試料S1001~S1046の精度管理判定結果に「NG」が格納される(ステップS245)。精度管理判定結果がNGとなった場合、PCR制御部33からシステム制御部31へ分析結果が出力される際に、再検査が必要である旨の情報が分析結果に付与される。このように、本実施形態では、一の試料セット(図10において試料セットA)に含まれる対照試料の測定結果に基づいて、一の試料セットに含まれる検査試料(S1001~1006)および他の試料セット(図10において試料セットB)に含まれる検査試料(S1039~1046)の検査試料の精度管理判定を行う。
本実施形態によれば、従来の考え方に基づいて精度管理を行う場合と比べて(後述の図21参照)、対照試料の測定数を大幅に減らすことができるので、試薬コストの低減およびスループットの向上を図ることができる。また、対照試料の測定数を減らしても、共通の混合試薬を用いる同一のQCグループで陽性対照試料および陰性対照試料を少なくとも1つずつ測定するので、試薬に関する精度保証が可能である。より詳しく説明すると、陽性対照試料の測定結果が妥当であれば、混合試薬の調製が適切に行われており、混合試薬に含まれる酵素およびプライマーにより核酸が適切に増幅されていることを確認することができる。また、陰性対照試料の測定結果が妥当であれば、少なくとも混合試薬にコンタミネーションがないことを確認することができる。つまり、本実施形態の核酸分析方法によれば、対照試料の測定にかかる試薬コストの低減とスループットの向上を図りつつ、混合試薬の品質、具体的には調製の適否とコンタミネーションの有無を保証しながら、検査試料の核酸分析が可能になる。
核酸分析装置1を備えた検査システムの分析精度には、試料の調製に使用される混合試薬が大きく影響する。即ち、混合試薬の調製または原料である酵素試薬・プライマー試薬自体に問題があり、目的とする品質の混合試薬が調製されなかった場合は正確な測定データが得られない。精度管理判定において異常ありと判定される場合は、目的とする混合試薬が調製されなかった可能性が高いため、本実施形態では、同一QCグループの全ての試料について分析精度に異常があるものとみなす。なお、PCRユニット21の機器に由来する測定精度はユニットに設置された各種センサにより保証されているが、例えば、後述の変形例に示すように各ユニットにおいて定期的に対照試料の測定を行うことも好適である。
なお、PCR制御部33は、異常ありの精度管理判定を行ったときに、別のPCRユニットU2~U6において同一QCグループの検査試料の測定が完了していない場合、その測定を中止してもよい。この場合、無駄な測定をなくすことができるので、スループットの改善につながる。図9に示す例では、異常ありの精度管理判定がなされ、同一試料グループの検査試料の分析結果欄に「NG」の文字が表示された場合に、当該検査試料のデータ解析を行わないが、NGと表示された検査試料についてもデータ解析を行い、Ct値を算出してもよい。
図10の例では、DB1000は、検査試料のCt値のみを分析結果レコードに含んでいるが、検査試料のCt値と所定の閾値とを比較した結果として、各試料について陽性・陰性の判定結果を格納してもよい。Ct値が閾値未満である場合は陽性、Ct値が閾値以上である場合は陰性と判定することができる。なお、図10の列C6に格納される精度管理判定の結果は、OK/NGに限られず、精度管理異常の有無が区別できればよい。例えば、「〇/×」、「合/否」等であってもよいし、精度管理異常なしを「0」、異常ありを「1」で示してもよい。
図11は、PCRユニット群20における試料配置の一例(以下、「実施例1」とする)を示す図である。図11の「P」は陽性対照試料を、「N」は陰性対照試料を、無字の〇は検査試料をそれぞれ意味する。
実施例1では、一度に調製される混合試薬毎に陽性対照試料および陰性対照試料を測定し、対照試料を測定するPCRユニット21と別のPCRユニット21で測定される複数の試料セットの測定結果に対して、当該対照試料の測定結果を適用する。上述のように、試料作製ユニットでは、酵素試薬とプライマー試薬とを混合して、複数の(例えば48テスト分)の混合試薬を混合試薬容器16に調製する。対照試料を含む試料セットは、混合試薬が新たに調製される毎に少なくとも1つ作製される。実施例1では、同じ混合試薬を用いて48テストの試料が調製される。言い換えると、8つの試料を含む6つの試料セットが作製される。
陽性対照試料および陰性対照試料は、同じ混合試薬を用いて調製される同一QCグループ(図11においてハッチングした部分)に含まれる6つの試料セットのうち、最初に作製される第1の試料セットに含まれている。第1の試料セットは、6つの試料セットにおいて最初にPCRユニット21に搬送されて測定が開始される試料セットである。この場合、対照試料の測定データに基づく精度管理判定が最初に行われるので、第1の試料セットの測定が完了すればすぐに検査試料(被検者検体)の分析結果を返すことができ、検査依頼から結果報告までのターンアラウンドタイム(TAT)を短縮できる。
実施例1では、同じ混合試薬から調製される第1のQCグループの6つの試料セットがPCRユニットU1~U6で測定され、第2のQCグループの6つの試料セットがPCRユニットU7~U12で測定される。第3のQCグループの6つの試料セットは、PCRユニットU13~U16、およびU1,U2で測定される。第3のQCグループの試料セットの測定を開始するまでに、PCRユニットU1,U2における第1のQCグループの試料セットの測定は終了し、8連チューブ40が取り出されているので、PCRユニットU1,U2に第3のQCグループの試料セットを搬送できる。
複数のPCRユニット21を用いて、それぞれが最大8つの試料を並列して測定することにより、ウェルプレートを用いて大量の試料をバッチ処理する従来の分析装置と比較して試料が集まるまでの待機時間が短くなり、早く収集された検体のTATを大幅に短縮することができる。各試料セットは、所定の規則にしたがって複数のPCRユニット21に順に分配される。実施例1では、試料セットが作製された順に、PCRユニットU1,U2,U3・・・U16,U1,U2・・・の順で分配される。複数のPCRユニットU1~U16に対して各試料セットを規則的に分配することで、効率の良い処理、測定が可能である。実施例1では、第3のQCグループの5番目の試料セットがPCRユニットU1に搬送されるまでに、第1のQCグループの第1の試料セットの測定が終了し、8連チューブ40の取り出しが完了するように装置の動作が制御される。
実施例1では、上述のように、1つのQCグループにつき、陽性対照試料と陰性対照試料が1つずつ調製される。また、陽性対照試料と陰性対照試料は、各QCグループにおいて最初に作製される第1の試料セットのみに含まれており、2番目~6番目に作製される他の試料セットには含まれていない。実施例1では、第1および第2の試料セットが1:5の比率で作製される。この場合、1つのQCグループを構成する48の試料のうち46が検査試料となる。
図21は、従来の考え方に基づく試料配置を示す図である。従来の考え方に基づけば、図21に示すように、陽性対照試料と陰性対照試料を1つずつ含む試料セットを各PCRユニットで測定することになる。この場合、測定全体のうち1/4が対照試料の測定となる。ゆえに、従来の考え方を核酸分析装置1に適用すれば、スループットが低下し、試薬コストが増大する。これに対し、実施例1の方法によれば、48回の測定のうち46回が被検者検体の測定となり、対照試料の測定は測定全体の1/24に抑えられる。したがって、実施例1の方法によれば、従来の考え方に基づく方法と比較して、大幅な試薬コストの低減とスループットの向上を実現できる。
図12は、実施例1に対応する試料セットの作製プロセスを示すフローチャートである。実施例1では、上述のように、同じ混合試薬から調製される1つのQCグループとして6つの試料セットが作製される。6つの試料セットは、ロボット制御部32の制御の下、試料作製ロボット11により作製される。ロボット制御部32は、ステップS140において、作製する試料セットがQCグループ中で最初に作成される試料セットであるか否かを判断する。以下、QCグループ中で最初に作製される試料セットを先頭(Head)の試料セットと呼ぶ。対照の試料セットが先頭の試料セットである場合(ステップS140でYES)、試料作製ロボット11は、ロボット制御部32の制御下で、陽性対照検体と陰性対照検体をそれぞれ8連チューブ40の容器41に分注する。
次に、試料作製ロボット11は、8連チューブ40の残りの6つの容器41に、ウェルプレート3のウェル中の被検者検体を分注する(ステップS142)。次に、試料作製ロボット11は、混合試薬を8連チューブ40の各容器41に分注して、対照試料および検査試料を調製する(ステップS143)。以上のプロセスにより、2つの対照試料と6つの検査試料を含む試料セットが作製される。なお、本実施形態では、被検者検体、混合試薬の順で8連チューブに分注しているが、順序は逆でもよい。
ステップS140の判断において、作製する試料セットが先頭の試料セットではない場合、即ち、QCグループ中で2番目以降に作製される試料セットを作製する場合、ステップS141の対照試料の調製工程をスキップしてステップS142に進む。即ち、試料作製ロボット11は、8連チューブ40の1番目~8番目の全ての容器41に被検者検体を分注して、8つの検査試料を含む試料セットを作製する。
図13は、PCRユニット群20における試料配置の他の一例(以下、「実施例2」とする)を示す図である。以下では、実施例1と異なる点について詳細に説明する。
実施例2は、同一QCグループの6つの試料セットに陽性対照試料と陰性対照試料が1つずつ含まれ、対照試料を測定するPCRユニット21と別のPCRユニット21で測定される複数の試料セットの測定結果に対して、対照試料の測定結果を適用する点で実施例1と共通する。一方、実施例2は、陽性対照試料と陰性対照試料が別の試料セットに含まれている点で実施例1と異なる。実施例2では、QCグループを構成する6つの試料セットのうち、最初に作製される先頭の試料セットに陰性対照試料が含まれ、最後に作製される試料セットに陽性対照試料が含まれている。
実施例2では、陰性対照試料を含む最初の試料セット、検査試料のみを含む2番目~5番目の試料セット、および陽性対照試料を含む最後の試料セットの順で作製され、この順でPCRユニットU1~U6に搬送されて測定が行われる。この場合、陽性対照が陰性対照試料または検査試料に混入するコンタミネーションのリスクを抑えることができる。陰性対照試料は、最初の試料セットにおいて検査試料よりも先に調製されることが好ましく、8連チューブ40の1番目の容器41に収容される。陽性対照試料は、最後の試料セットにおいて検査試料よりも後に調製されることが好ましく、8連チューブ40の8番目の容器41に収容される。
実施例2では、対照試料を含む試料セット(先頭の試料セットおよび最後の試料セット)と、検査試料のみを含む試料セットとが1:2の比率で作製される。但し、最初の試料セットおよび最後の試料セットには、対照試料が1つずつ含まれるため、この場合も、1つのQCグループを構成する48テストの試料のうち46が検査試料となる。
図14は、実施例2の試料セットの作製プロセスを示すフローチャートである。ロボット制御部32は、ステップS144において、作製する試料セットが同一QCグループを構成する6つの試料セットのうち先頭(Head)の試料セットであるか否かを判断する(ステップS144)。先頭の試料セットである場合(ステップS144においてYES)、ロボット制御部32は、陰性対照と被検者検体を8連チューブ40の各容器41に分注するよう試料作製ロボット11を制御する(ステップS145)。ステップS145では、試料作製ロボット11が、ロボット制御部32の制御下で、陰性対照検体を8連チューブ40の1番目の容器41に分注し、続いて、ウェルプレート3のウェルから被検者検体を8連チューブ40の2番目~8番目の容器41に分注する。次に、試料作製ロボット11は、混合試薬容器16から混合試薬を8連チューブ40の各容器41に分注して陰性対照試料および検査試料を調製する(ステップS146)。
ステップS144においてNOである場合、次に、ロボット制御部32は、作製する試料セットが同一QCグループを構成する6つの試料セットのうち最後の試料セットであるかを判断する(ステップS147)。最後の試料セットであるとロボット制御部32が判断した場合(ステップS147においてYES)、ロボット制御部32は、陽性対照試料と被検者検体を8連チューブ40の各容器41に分注するよう試料作製ロボット11を制御する(ステップS148)。ステップS148では、8連チューブ40の1番目~7番目の容器41に被検者検体を分注した後、8番目の容器41に陽性検体が分注される。
作製する試料セットが先頭の試料セットおよび最後の試料セットのいずれでもない場合、即ちQCグループ中の2番目~5番目の試料セットを作製する場合は、被検者検体を8連チューブ40の各容器41に分注する(ステップS149)。ステップS148,149が終了すると、ステップS146の混合試薬の分注工程に進む。
図15は、PCRユニット群20における試料配置の他の一例(以下、「実施例3」とする)を示す図である。
実施例3は、同一QCグループを構成する複数の試料セットに陽性対照試料と陰性対照試料が1つずつ含まれ、かつ陽性対照試料と陰性対照試料が別の試料セットに含まれている点で実施例2と共通する。実施例2では、同一QCグループの試料セットのうち、最後に作製される試料セットに陽性対照試料が含まれた。言い換えると、1つの混合試薬で作製できる最後の試料セットに陽性対照試料が含まれる。一方、実施例3は、検査依頼が途切れて次の被検者検体が供給されるまで時間がかかる場合を考慮したものである。実施例3では、試料セットに含まれる最大の試料数(8つ)を超える数の試料を調製可能な混合試薬が残っていても、検査依頼が途切れた時点で、陽性対照試料を含む試料セットを作製する。
図15では、検査依頼が途切れた時点、即ち被検者検体を収容したウェルプレート3の供給が一時的にストップした時点を矢印A,Bで示している。矢印Aの時点では、試料作製ユニットにおいて同一QCグループを構成する4つ目の試料セットを作製中で、8テスト分以上の混合試薬が残っているが、4つ目の試料セットに陽性対照試料を含ませている。矢印Bの時点も同様に、8テスト分以上の混合試薬が残っているが、5番目の試料セットに陽性対照試料を含ませている。被検者検体を収容したウェルプレート3が途切れることなく連続して核酸分析装置1に供給される場合は、実施例2と同様に、同一QCグループの最後の試料セットにおいて陽性対照試料を調製する。
このように、被検者検体の供給が途切れた場合には、作製中の試料セットが同一QCグループの最後の試料セットでなくても、その試料セットに陽性対照試料が含まれる。被検者検体の供給が途切れて最後の試料セットの作製まで時間がかかる場合には、陽性対照試料を先に測定することで、その測定結果を測定が終了している検査試料の分析に迅速に適用できる。実施例3によれば、核酸分析装置1への被検者検体の供給が断続的である場合に、実施例2と比較してTATを大幅に短縮することができる。
実施例3では、被検者検体の供給が再開されると、残りの混合試薬を用いて試料セットを作製する。被検者検体の供給が途切れたときに、8連チューブ40の容器41に空きがある試料セットが作製された場合は、1つのQCグループについて7つ以上の試料セットが作製される。なお、陽性対照試料は既に調製されているため、同一QCグループの最後の試料セットにおいて陽性対照試料を調製する必要はない。陽性対照試料の測定が終了している場合は、残りの試料セットの測定が完了すればすぐに検査試料の分析結果を返すことができる。
実施例3では、同一QCグループの試料セットとして、下記の4種類の試料セットが作製され得る。実施例3において、下記(2)の試料セットは、試料セットの作製中に被検者検体の供給が途切れた場合にのみ作製される。
(1)陰性対照試料および検査試料を含む試料セット
(2)陰性対照試料、陽性対照試料、および検査試料を含む試料セット
(3)陽性対照試料および検査試料を含む試料セット
(4)検査試料のみを含む試料セット
同一QCグループの試料セットにおいて、上記(1)の試料セットは、最初に作製される試料セットであって、供給された被検者検体の数が試料セットを収容する8連チューブ40の容器41の数より多い場合に作製される。上記(2)の試料セットは、最初の試料セットであって、陰性対照と供給された全ての被検者検体の分注後に8連チューブ40の容器41が1つ以上余る場合に作製される。上記(3)の試料セットは、2番目以降の試料セットであって、陽性対照が未分注であり、かつ混合試薬の残量が試料1つ分となるか、または陽性対照が未分注であり、かつ供給された全ての被検者検体の分注後に8連チューブ40の容器41が1つ以上余る場合に作製される。上記(4)の試料セットは、(1)~(3)の試料セットの作製条件が満たされない場合に作製される。
実施例1~3によれば、1つのQCグループにつき、陽性対照試料と陰性対照試料が1つずつ調製され、陽性対照試料と陰性対照試料の測定結果に基づき、同一のQCグループに属する検査試料の精度管理が行われる。陽性対照試料および陰性対照試料の測定結果に問題がなければ、同じ混合試薬を用いて調製された同一QCグループの検査試料についても、混合試薬の調製不良またはコンタミネーションに起因する異常がないことを確認できる。よって、実施例1によれば、1つのQCグループに含まれる陽性対照試料と陰性対照試料に基づいて、混合試薬の調製不良またはコンタミネーションに起因する異常の有無を確認しながら、検査試料の核酸分析が可能である。
図16は、PCRユニット群20における試料配置の他の一例(以下、「実施例4」とする)を示す図である。
実施例4は、同一QCグループの6つの試料セットのうち、最初に作製される試料セットに陽性対照試料と陰性対照試料が1つずつ含まれている点で実施例1と共通する。一方、実施例4は、先頭の試料セット以外の他の試料セットにも陰性対照試料が含まれている点で実施例1と異なる。実施例4の第1の試料セットでは、8連チューブ40の1番目の容器41に陽性対照試料が、2番目の容器41に陰性対照試料がそれぞれ収容されているが、実施例1と同様に対照試料の順番は逆であってもよい。
実施例4では、陽性対照試料に基づく精度管理では、先頭の試料セットに含まれる陽性対照試料の測定結果が、同一QCグループの検査試料の精度管理判定に適用される。一方、陰性対照試料については、各試料セットに含まれる陰性対照試料の測定結果に基づいて、各試料セットに含まれる検査試料の精度管理判定がおこなわれる。例えば、図16の例では、PCRユニット1のRun1によって測定される試料セットAは、陽性対照試料および陰性対照試料を含み、PCRユニット2のRun1によって測定される試料セットBは陰性対照試料を含んでいる。この場合、試料セットAに含まれる陽性対照試料および陰性対照試料の精度管理判定結果がいずれもOKである場合に、試料セットAに含まれる6つの検査試料の精度管理判定結果もOKとなる。試料セットBに含まれる検査試料については、試料セットAに含まれる陽性対照試料の精度管理判定がOKであり、かつ、試料セットBに含まれる陰性対照試料の精度管理判定がOKである場合に、精度管理判定結果がOKとなる。
実施例4によれば、1つのQCグループにつき陽性対照試料と陰性対照試料が1つずつ含まれるため、実施例1~3と同様に、混合試薬の調製不良またはコンタミネーションに起因する異常がないことを確認しながら、検査試料の核酸分析が可能である。実施例4では、さらに、各試料セットに陰性対照試料が含まれているので、各試料セット作製時のコンタミネーションも検知できる。
図17は、PCRユニット群20における試料配置の他の一例(以下、「実施例5」とする)を示す図である。
実施例5は、同一QCグループの6つの試料セットのうち、最初に作製される試料セットに陽性対照試料と陰性対照試料が1つずつ含まれている点で実施例1,4と共通する。一方、実施例5は、最初の試料セット以外の他の試料セットにも、陽性対照試料が含まれている点で実施例1,4と異なる。実施例5の第1の試料セットでは、8連チューブ40の1番目の容器41に陽性対照試料が、2番目の容器41に陰性対照試料がそれぞれ収容されているが、実施例1と同様に対照試料の順番は逆であってもよい。第2の試料セットの陽性対照試料における陽性対照の濃度は、第1の試料セットの陽性対照試料の濃度と異なっていてもよく、例えば、PCRユニット21が保証する検出感度の濃度としてもよい。或いは、検出感度の濃度の±1~10%の濃度としてもよい。
実施例5によれば、1つのQCグループにつき陽性対照試料と陰性対照試料が1つずつ含まれるため、実施例1~3と同様に、混合試薬の調製不良またはコンタミネーションに起因する異常がないことを確認しながら、検査試料の核酸分析が可能である。実施例5では、さらに、各試料セットに陽性対照試料が含まれているので、それぞれのPCRユニット21が正常に稼働しており、核酸増幅および増幅核酸の検出が正常に行えていることを確認することができる。
実施例4,5では、第2の試料セットにおいて、対照試料が8連チューブ40の1番目の容器41に収容されているが、他の容器41に収容されていてもよい。第1および第2の試料セットの比率は1:5であるが、1:n(n≧2)であればよい(他の実施例についても同様)。また、第2の試料セットの全てに対照試料が含まれているが、第2の試料セットの一部を検査試料のみを含むものとしてもよい。
図18~図20は、PCRユニット群20における対照試料配置の変形例を示す図である。図18~図20では、PCRユニットU1~U16の対照試料の配置のみを示している。「NP」は、陰性対照試料と陽性対照試料の両方を意味する。
図18に示す例では、各PCRユニットU1~U16の1回目の測定(run1)から9回目の測定(run9)まで、特定のユニットにおいて対照試料が定期的に測定されている。この対照試料の配置は、実施例1の場合と同じである。具体的には、PCRユニットU1,U3,U5,U7,U9,U11,U13,U15において、4回の測定に1回の割合で対照試料が測定されている。一方、PCRユニットU2,U4,U6,U8,U10,U12,U14,U16では、9回目の測定まで対照試料の測定が1回も行われていない。そこで、PCRユニットU1~U16のうち所定時間または所定周期内に対照試料を測定していないユニットが存在する場合に、当該ユニットで対照試料を自動的に測定し、ユニットの検出精度を定期的にチェックすることは好適である。
図18に示す例では、PCRユニットU2,U4,U6,U8,U10,U12,U14,U16の10回目の測定で対照試料が測定されている。この場合、全てのPCRユニットU1~U16において所定周期毎に少なくとも1回(例えば、10回の測定サイクル毎に1回)の割合で対照試料の測定が必ず行われることになる。ロボット制御部32は、例えば、対照試料の測定を含まない測定サイクルの数をPCRユニットU1~U16毎にカウントし、この測定サイクル数が所定の閾値を超えるユニットが存在する場合に、対照試料を含む試料セットをそのユニットに搬送するように各ロボット11、22を制御して、対照試料の測定を行う。
図19に示す例では、図18に示す例と同様に、全てのPCRユニットU1~U16において、例えば10回の測定サイクル毎に1回の割合で対照試料の測定を行う。PCRユニットU2,U6,U10では、9回目の測定まで対照試料の測定が1回も行われていないが、上記所定の閾値を9回に設定した場合、PCRユニットU2,U6,U10の10回目の測定において対照試料の測定が行われる。図19に示す例では、対照試料として陽性対照試料のみを含む試料セットおよび陰性対照試料のみを含む試料セットがPCRユニットに搬送され、陽性対照試料および陰性対照試料の両方を含む試料セットもPCRユニットに搬送されている。
PCRユニットU12,U14には、9回目の測定までに陰性対照試料を含む試料セットが搬送され、PCRユニットU12,U14で陰性対照試料の測定は行われているが、陽性対照試料の測定は1回も行われていない。この場合、PCRユニットU12,U14の10回目の測定において、陽性対照試料を含む試料セットを搬送して陽性対照試料の測定を行えばよい。ロボット制御部32は、例えば、陽性対照試料および陰性対照試料の測定を含まない測定サイクル数をPCRユニットU1~U16毎に、かつ対照試料の種類毎にカウントする。ロボット制御部32は、少なくとも一方の対照試料の測定を含まない測定サイクルの数が所定の閾値を超えるユニットが存在する場合に、測定していない対照試料を含む試料セットをそのユニットに搬送するよう各ロボット11、22を制御して、当該対照試料の測定を行う。
図20に示す例では、特定のPCRユニット21で同種の対照試料の測定頻度が高くなる場合に、当該対照試料を測定するPCRユニット21を変更する。即ち、PCRユニット21の順序(試料セットが分配されるPCRユニット21)を変更して、対照試料の搬送先を分散させる。例えば、PCRユニットU3では、3回目の測定サイクルで陰性対照試料が測定され、4回目の測定サイクルでも連続して陰性対照試料の測定が予定されている。PCRユニットU4についても、1回目の測定サイクルで陽性対照試料が測定され、4回目の測定サイクルで再び陽性対照試料の測定が予定されており陽性対照試料の測定頻度が高くなっている。このような場合に、対照試料を測定するPCRユニット21を、対照試料の測定頻度が高いPCRユニット21から、対照試料の測定頻度が低いPCRユニット21に変更する。
図20に示す例では、3回目の測定サイクルでPCRユニットU3に分配される予定であった陰性対照試料を含む試料セットをPCRユニットU4に分配している。また、4回目の測定サイクルでPCRユニットU4に分配される予定であった陽性対照試料を含む試料セットをPCRユニットU7に分配している。PCRユニットU5,U6では、陽性対照試料を測定したばかりなので、この試料セットはPCRユニットU7に分配される。PCRユニットU11の3回目の測定サイクルのように、2種類の対照試料を含む試料セットの分配が予定されている場合に、この試料セットに変えて陽性対照試料を含む試料セットと陰性対照試料を含む試料セットを作製してもよい。PCRユニットU11では、1回目の測定サイクルで陽性対照試料を測定しているので、この2つの試料セットのうち陽性対照試料を含む試料セットは、PCRユニットU11以外のユニットに分配される。
図18~図20の変形例によれば、対照試料の測定頻度が特定のPCRユニット21で高くなることを抑制でき、各PCRユニット21の検出精度を定期的にチェックすることが容易になる。ロボット制御部32は、例えば、陽性対照試料および陰性対照試料の測定頻度をPCRユニットU1~U16毎に、かつ対照試料の種類毎にカウントする。そして、対照試料の測定頻度が所定の閾値を超えるユニットが存在する場合に、測定頻度の高い対照試料を含む試料セットを別のユニットに搬送するよう各ロボット11、22を制御する。別のユニットは、対照試料の測定頻度が所定の閾値以下のユニットであって、例えば、予め定められた測定の順序に基づいて決定される。或いは、全体の測定に支障がない範囲で、対照試料の測定頻度が低いユニットが別のユニットとして優先的に選択されてもよい。
以上のように、上述の実施形態および変形例の核酸分析方法は、1つのPCRユニット21で測定される対照試料の測定結果を、別のPCRユニット21で測定される検査試料の分析にも利用する全く新しい画期的な方法である。対照試料の測定結果は、例えば、別のPCRユニット21で測定される、対照試料と同じ試薬から調製された検査試料の分析に適用される。この場合、対照試料の測定数を大幅に減らすことができる。したがって、試薬の使用量が少なくなって試薬コストは大きく低減し、また測定全体に対する検査試料の測定の割合が高くなるのでスループットが大幅に向上する。対照試料の測定結果の適用範囲を適切に設定することで、対照試料の測定数を減らしても、正確な精度管理を行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態および変形例に限定されず、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、核酸分析装置1で陽性対照および陰性対照を分注して対照試薬を調製する構成を例示したが、被検者検体と同様に、検査システムの上流側から陽性対照および陰性対照を供給してもよい。陽性対照および陰性対照は、ウェルプレート3のウェルに収容された状態でベルトコンベア2により核酸分析装置1に供給されてもよい。
上述の実施形態では、酵素試薬とプライマー試薬を混合して調製される混合試薬が変わる毎に、陽性対照試料と陰性対照試料を少なくとも1つずつ測定する方法を例示したが、陽性対照試料と陰性対照試料は、試薬(例えば、酵素試薬およびプライマー試薬の少なくとも一方)の製造ロットが変わる毎に測定されてもよい。例えば、陽性対照試料と陰性対照試料を含む試料セットが、試薬の製造ロットが変わる毎に少なくとも1つ作製される。言い換えると、混合試薬が変わっても混合試薬の原料となる試薬の製造ロットが同じであれば、同じ製造ロットの試薬から調製された各試料を1つのQCグループとして、このグループにつき1つずつの割合で、陽性対照試料と陰性対照試料を測定してもよい。
上述の実施形態では、8連チューブ40に収容される8つの試料を1つの試料セットとしたが、連結された複数の容器に収容された複数の試料を1つの試料セットとする限り、形態は限定されない。例えば、96穴ウェルプレートに収容される最大で96個の試料を1つの試料セットとしてもよい。この場合、好適な実施例では、PCRユニットは96穴ウェルプレートを受け入れて、96個の試料に対して、少なくとも核酸増幅をバッチ処理で実行できるように構成してもよい。PCRユニットは、核酸増幅に加えて、増幅核酸の測定を行ってもよい。
また、試料を調製する試薬は1種類であってもよい。例えば、複数の検査試料の調製に用いる量の試薬を所定の容器に収容して使用する場合に、この容器が変わる毎に、陽性対照試料と陰性対照試料を含む試料セットが少なくとも1つ作製されてもよい。実施例2のように、陽性対照試料と陰性対照試料が別の試料セットに含まれる場合、この容器が変わる毎に、或いは試薬の製造ロットが変わる毎に、陽性対照試料を含む試料セットおよび陰性対照試料を含む試料セットが少なくとも1つずつ作製される。
また、上述の実施形態では、独立して核酸増幅および増幅核酸の検出が可能なPCRユニットを複数用いて、複数のPCRユニットによって並行して核酸分析をおこなう例を示した。PCRユニットは、それぞれ、サーマルサイクラーと光源と蛍光検出器を備えた。本発明の他の例では、核酸増幅と、増幅核酸の検出は異なる別の装置によって行われてもよい。例えば、独立して核酸増幅を行うことが可能なサーマルサイクラーモジュールを複数用いてもよい。この場合、サーマルサイクラーユニットは、核酸を検出するための光源と蛍光検出器を備えなくてもよい。
図22および図23は、他の実施形態を示す模式図である。この例では、サーマルサイクラーモジュール200(以下、単にモジュール200という)に、8連チューブ40がセットされる。
図22は、変形例による核酸分析装置1’の全体構成を示す模式図である。図22において、図1と同じ構成要素については同じ符号を付与し、詳細な説明は省略することとする。図22の変形例では、測定ロボット220は、試料を収容した8連チューブ40をモジュール200にセットするためのハンドからなるエンドエフェクタ221と、8連チューブ40がセットされたモジュール200を検出装置80にロードするためのハンドからなるエンドエフェクタ224を備える。
図23に示すように、検出装置80は、例えばテーブル70上に設置される。検出装置80は、中央柱100を中心に回転可能な円盤状の回転テーブル90と、回転テーブル90上に配置された複数、例えば8つのモジュール載置部91を有している。各モジュール載置部91は、回転テーブル90の中央から径方向に放射状に延びている。各モジュール載置部91には、モジュール200の長手方向を径方向に向けた状態で載置することができる。モジュール載置部91は、回転テーブル90の中央を中心とする円の周方向Rに等間隔で配置されている。すなわち、8個のモジュール載置部91は、周方向Rに45度間隔で設けられている。
検出装置80は、光学検出器120を備える。光学検出器120は、回転テーブル90の中央から径方向の外方に延びた形状を有し、一つのモジュール載置部91(モジュール載置部91のモジュール10)に対応している。光学検出器120は、モジュール載置部91が下方に位置したときに、モジュール載置部91のモジュール200にある一連のチューブ40の複数の容器に収容された複数の試料の核酸増幅に伴う蛍光を検出することができる。すなわち、光学検出器120は、モジュール単位で複数の試料の核酸増幅に伴う蛍光を検出することができ、8つのモジュール200に対して共用されている。
光学検出器120は、光源部と光検出部を有している。光学検出器120は、光源部から8連チューブ40の各容器に対して光を照射し、その光によって生じた試料の核酸の蛍光を光検出部で検出することができる。光源部は、回転テーブル90の径方向に沿って一列に配置された複数の発光素子、例えば、LEDを備える。光検出部は、光源部と同様、回転テーブル90の径方向に沿って一列に配置された複数の受光素子、例えば、フォトダイオードを備える。一つの発光素子と一つの受光素子はペアで配置されており、発光素子が照射した光によって生じた蛍光をペアとなる受光素子によって検出する。
モジュール200は、8連チューブ40の各容器に対応した複数の孔が設けられた蓋201と、8連チューブ40が設置される本体202と、サーマルサイクラー203と、本体202の内部に設けられたCPU204を備える。モジュール200は、モジュール載置部91に設置可能である。
測定ロボット223は、アーム224によってモジュール200を掴んでモジュール載置部91にセットする。モジュール載置部91にモジュール200がセットされると、回転テーブル70が回転する。CPU204は、モジュール200がモジュール載置部91にセットされた状態でサーマルサイクラー203を制御し、8連チューブ40を加温および冷却して核酸増幅を行う。CPUは核酸分析装置1と同期しており、モジュール200が回転テーブル90を1周するサイクルと、加温および冷却からなる核酸増幅の1サイクルが同期される。核酸分析装置1は、核酸増幅の各サイクルの蛍光検出タイミングでモジュール200が蛍光検出器120の直下に位置するように、回転テーブル90を制御する。これにより、1つの蛍光検出器120によって、複数のモジュール200によって増幅された核酸が検出される。
本変形例では、核酸増幅は個々のモジュール200によって行うことができ、増幅核酸の検出は共通の蛍光検出器120を用いて行うことができる。本変形例においても、少なくとも1つの対照試料を含む第1の試料セットと、第1の試料セットに含まれる対照試料のうち少なくとも1つを含まない第2の試料セットを、試料作製ロボット11によって作成することができる。作製された試料セットは、モジュール200と検出装置80とによって核酸増幅と増幅核酸の検出を行うことができる。
1 核酸分析装置
2 ベルトコンベア
3 ウェルプレート
11 試料作製ロボット
12 試薬保管部
13 QC検体保管部
14 ノズルチップ保管部
15 8連チューブ置き場
16 混合試薬容器
20 PCRユニット群
21,U1~U16 PCRユニット
22 測定ロボット
23 サーマルサイクラー
24 チューブ保持部
25 カバー
26 光学部
261 光源
262 蛍光検出器
27 制御部
31 システム制御部
311 CPU
312 記憶部
313 通信インターフェイス
314 表示部
315 入力部
32 ロボット制御部
321 CPU
322 記憶部
323 通信インターフェイス
33 PCR制御部
331 CPU
332 記憶部
333 通信インターフェイス
40 8連チューブ
41 容器
411 容器本体
412 蓋
50 ホストコンピュータ

Claims (22)

  1. 第1の被検者検体と試薬から調製される検査試料と、陽性対照および陰性対照の少なくとも1つと前記試薬から調製される対照試料とを含む、第1の試料セットを作製し、
    第2の被検者検体と前記試薬から調製される検査試料を含み、かつ、前記第1の試料セットに含まれる前記対照試料のうち少なくとも1つを含まない、第2の試料セットを作製し、
    前記第1の試料セットに対して核酸増幅を行い、増幅した核酸を測定し、
    前記第2の試料セットに対して核酸増幅を行い、増幅した核酸を測定し、
    少なくとも前記第1の試料セットに含まれる前記対照試料の測定結果に基づいて、前記第1および第2の試料セットに含まれる前記各検査試料の測定結果を分析する、核酸分析方法。
  2. 前記第1の試料セットに対する核酸増幅は、1つの試料セットを受け入れて核酸増幅する第1ユニットによって行われ、
    前記第2の試料セットに対する核酸増幅は、1つの試料セットを受け入れて核酸増幅する第2ユニットによって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1ユニットによる核酸増幅と、前記第2ユニットによる核酸増幅は、並列して行われる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記1および第2ユニットは、それぞれ、増幅した核酸を検出する検出器を備え、
    前記第1の試料セットの増幅核酸の測定は、前記第1ユニットの前記検出器によって行われ、
    前記第2の試料セットの増幅核酸の測定は、前記第2ユニットの前記検出器によって行われる、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記第1ユニットによる増幅核酸の測定と、前記第2ユニットによる増幅核酸の測定は、並列して行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1及び第2の試料セットは、連結された複数の容器に収容された複数の試料である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1の試料セットは、少なくとも1つの前記対照試料と複数の検査試料を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1の試料セットに含まれる前記検査試料、および前記第2の試料セットに含まれる前記検査試料は、それぞれ複数の被検者検体から調製される複数の試料である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第1の試料セットは、陽性対照と前記試薬から調製される少なくとも1つの陽性対照試料と、複数の検査試料とを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記第1の試料セットは、さらに、陰性対照と前記試薬から調製される陰性対照試料を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第1および第2の試料セットは、共通の前記試薬を用いて、1:n(nは2以上の整数)の比率で作製される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第1の試料セットは、共通の前記試薬を用いて作製される複数の試料セットに対して、少なくとも1つ作製される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 第1の試薬と第2の試薬とを混合することにより、前記試薬として混合試薬を調製することをさらに含み、
    前記第1の試料セットは、前記混合試薬が切り替わる毎に少なくとも1つ作製される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第1の試料セットは、使用する前記試薬の製造ロットが切り替わる毎に少なくとも1つ作製される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 第3の被検者検体と前記試薬から調製される検査試料と、陰性対照と前記試薬から調製される陰性対照試料とを含む、第3の試料セットを作製すること、
    前記第3の試料セットに対して核酸増幅を行い、増幅核酸を測定すること、および、
    前記第1の試料セットに含まれる前記陽性対照試料の測定結果と、前記第3の試料セットに含まれる前記陰性対照試料の測定結果とに基づいて、前記第1~前記第3の試料セットに含まれる各検査試料の測定結果を分析すること、をさらに含む、請求項1~14に記載の方法。
  16. 前記第2の試料セットには、陰性対照から調製される陰性対照試料が含まれ、
    前記第1の試料セットに含まれる前記陽性対照試料の測定結果と、前記第2の試料セットに含まれる前記陰性対照試料の測定結果とに基づいて、前記第2の試料セットに含まれる検査試料の前記測定結果を分析することをさらに含む、請求項1~15に記載の方法。
  17. 前記第2の試料セットには、陽性対照から調製される陽性対照試料が含まれ、
    前記第1の試料セットに含まれる前記陰性対照試料の測定結果と、前記第2の試料セットに含まれる前記陽性対照試料の測定結果とに基づいて、前記第2の試料セットに含まれる前記検査試料の測定結果を分析することをさらに含む、請求項1~15に記載の方法。
  18. 複数の前記第1および複数の前記第2の試料セットを、個別に試料セットに対して核酸増幅可能な第1~第3ユニットを含む複数のユニットに分配すること、
    前記複数のユニットの各々において分配された試料セットに対して核酸増幅を行うこと、および、
    増幅核酸を測定すること、をさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 複数の前記第1および複数の前記第2の試料セットは、所定の規則にしたがって前記複数のユニットに順に分配される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記第1の試料セットは、前記複数のユニットのうち所定の条件を満たすユニットに分配される、請求項18に記載の方法。
  21. 前記所定の条件は、所定時間または所定周期内に前記対照試料を測定していないことである、請求項20に記載の方法。
  22. 被検者検体と試薬から調製される検査試料を含む、複数の試料セットを作製する試料作製装置と、
    前記複数の試料セットの各々に対して核酸増幅を行い、増幅核酸を測定する少なくとも1つのユニットと、
    制御部と、
    を備え、
    前記試料作製装置は、前記制御部による制御の下、前記検査試料と、陽性対照および陰性対照の少なくとも1つと前記試薬から調製される対照試料とを含む、第1の試料セットと、前記検査試料を含み、かつ、前記第1の試料セットに含まれる前記対照試料のうち少なくとも1つを含まない第2の試料セットと、を作製し、
    前記制御部は、少なくとも前記第1の試料セットに含まれる前記対照試料の測定結果に基づいて、前記第1および前記第2の試料セットに含まれる前記各検査試料の測定結果を分析する、核酸分析装置。
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