JP2022109530A - 回転電機及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】インホイールモータに搭載される回転電機のオイルシールを長寿命化する。【解決手段】ロータコアを固定し、液状媒体が流れる流路が形成されるロータハウジングと、ロータコアの内周側に配置されるステータと、ロータハウジングと前記ステータとの間に配置されるオイルシールと、を備えるアウターロータ型の回転電機であって、ロータハウジングは、ステータの外周側に配置される外周部と、ステータの内周側に配置される内周部と、外周部と内周部とを接続する接続部と、を含み、オイルシールは、ステータの内周面に固定される固定部と、内周部に摺動接触する接触部と、を有するアウターロータ型の回転電機である。【選択図】 図3

Description

本発明は、回転電機及び車両に関する。
一つのステータに対して、アウターロータとインナーロータを有し、軸受とインナーロータを冷却する油冷室が複数設けられた複軸多層型回転電機が知られている(特許文献1参照)。特許文献1では、ステータのコイルはステータ冷却水路によって冷却されている。また、ステータとインナーロータまたはアウターロータとの間のエアギャップはロータの回転に支障がないように大気圧に開放されている。
そして、ステータに組付けられた水路蓋部品に、インナーロータ側部材とアウターロータ側部材との相対回転位置まで延長した延長部が形成されている。その延長部の内周面と外周面との間の、モータ軸に近い位置に第1オイルシールと第2オイルシールが設置されている。二つのオイルシールは油冷室の冷却油とステータ空気室の空気との連通を遮断するためのものである。
特開2004-215393
特許文献1に記載のシステムは、インナーロータとアウターロータが共に回転した場合、オイルシールが封じ込めている冷却油は回転の影響を受けて内部圧力が高くなる。その結果、オイルシールの寿命が短くなってしまうおそれがある。
本発明は、回転電機のオイルシールを長寿命化することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様の回転電機は、ロータを固定し、液状媒体が流れる流路が形成されるロータハウジングと、前記ロータの内周側に配置されるステータと、前記ロータハウジングと前記ステータとの間に配置されるオイルシールと、を備えるアウターロータ型の回転電機であって、前記ロータハウジングは、前記ステータの外周側に配置される外周部と、前記ステータの内周側に配置される内周部と、前記外周部と前記内周部とを接続する接続部と、を含み、前記オイルシールは、前記ステータの内周面に固定される固定部と、前記内周部に摺動接触する接触部と、を有するアウターロータ型の回転電機である。
本発明によれば、回転電機のオイルシールを長寿命化させることができる。
第1実施形態に係る車両の構成を示す模式図。 第1実施形態に係る電動ホイールの構成を示す分解斜視図。 第1実施形態に係るインホイールモータの構成を示す模式的断面図。 第1実施形態の部分拡大斜視図。 本発明におけるロータ停止時の内部圧力の状態説明図。 本発明におけるロータ回転時の内部圧力の状態説明図。 本発明におけるロータ回転時の内部圧力変化の説明図。 本発明における水圧と重力加速度の関係を示す説明図。 本発明における接触部とロータ回転数との関係を示す説明図。 本発明に用いる液状媒体路の環状流路の斜視図。 本発明に用いる液状媒体路の第1コイルエンド部付近の環状流路入口を側面から見た部分断面斜視図。 本発明に用いる液状媒体路の第1コイルエンド部付近の環状流路入口を上方から見た部分断面斜視図。 第2実施形態の構成を示す部分断面図。 軸受の運転隙間と疲れ寿命の関係を示すグラフ。 軸受の内径と軸受隙間の関係を示すグラフ。 第2実施形態に係るインホイールモータの構成を示す部分断面斜視図。 第3実施形態(突起構造)の部分断面図。 第4実施形態(凹部構造)の部分断面図。 第5実施形態の部分断面斜視図。 第6実施形態の部分断面斜視図。
[第1実施形態]
以下に図1~図3を参照しながら本発明の第1実施形態に係る車両1000およびこの車両1000に搭載されるインホイールモータ51について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る車両1000の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の車両1000は、車体フレーム1010と、車体フレーム1010の内側に配置されるバッテリ台1020と、バッテリ台1020の上に搭載されるバッテリ1030と、車輪(前輪及び後輪)とを備える。各車輪(左右の前輪及び左右の後輪)は、電動ホイール200と電動ホイール200の外周に取り付けられるタイヤ800を有している。電動ホイール200には、インバータ150が搭載される。
各電動ホイール200は、バッテリ1030と電源ケーブルPLによって接続される。インバータ150は、バッテリ1030から供給される直流電力を交流電力に変換し、電動ホイール200に搭載されるインホイールモータ51に供給する。
本実施形態の電動ホイール200に搭載されるインホイールモータ51は、発生するトルク密度が高い。そのため、インホイールモータ51は、車両1000の車輪を直接駆動することができる。つまり、本実施形態では、車両1000の駆動におけるギアレス化、すなわち車輪のダイレクトドライブが可能となっている。
本実施形態に係る車両1000は、ガソリンエンジン搭載車と同等の走行性能を有している。例えば、車両1000は市街地における50km/hの定速運転が可能である。また、加速性能に関しても、ガソリンエンジン搭載車と同等以上の性能を発揮する。
次に本実施形態の電動ホイール200のサイズに関し説明する。現在、自動車に使用されるホイールのサイズは規格化されている。通常、ホイールのサイズはリム径で表される。リム径はインチで示される。電動ホイール200は、例えば、リム径が14インチ(355.6mm)、15インチ(381mm)、16インチ(406.4mm)、17インチ(431.8mm)、18インチ(457.2mm)、19インチ(482.6mm)、または、20インチ(508mm)のホイールに取り付けられる。
以下では、リム径が19インチ(482.6mm)、リム幅が8.5インチ(21.6mm)のホイールを有する電動ホイール200について説明する。
図2に電動ホイール200の分解斜視図を示す。図2に示すように、本実施形態の電動ホイール200は、タイヤが取り付けられるホイール100と、ホイール100に取り付けられるインホイールモータ51と、を備える。電動ホイール200には、車輪を制動させる制動力を発生させるディスクブレーキ106が取り付けられる。電動ホイール200は、サスペンション装置110を介して車体フレーム1010(図1参照)に取り付けられる。サスペンション装置110は、インホイールモータ51に固定されるナックル107と、ナックル107に回転可能に取り付けられるロアアーム108を有する。さらに、サスペンション装置110は、ナックル107に回転可能に接続されるショックアブソーバ109aと、ショックアブソーバ109aと車体フレーム1010に設けられた支持部材との間に取り付けられるばね109bと、を備える。
ホイール100の車輪軸AX付近に、車輪を支持するハブベアリングHUBが配置される。ステータ2はハブベアリングHUBを介してホイール100と接合される。車体の重量の一部は、ホイール100、ハブベアリングHUB、ステータ2を介して、ナックル107を含むサスペンション装置110によって支持される。ホイール100の内部には、電動ホイール200を駆動するための主要な部品、例えば、インバータ150等が収容されている。
電動ホイール200に搭載されるインホイールモータ51には、ステータ2に対して自在に回転できるように取り付けられたロータ4、第1オイルシール20A、第2オイルシール20B、第1軸受11A、及び第2軸受11Bが配置されている。また、ロータカバーでもある内側接続部4Bがナックル107の近くに配置されている。インホイールモータ51を構成する各部品を冷却するための液状媒体は、電動ホイール200の外部に設けられるポンプ(不図示)によって、インホイールモータ51内に供給される。液状媒体が流れる配管は、電動ホイール200の車体側側面から取り出され、車体前部に配置された熱交換器(不図示)に接続される。液状媒体は、空冷式または水冷式の熱交換器により冷却される。
図3にインホイールモータ51の模式的断面図を示す。図3には、インホイールモータ51の主要構造部、例えば、ステータコア2X、ロータコア4X、隙間7、第1軸受11A、第2軸受11B、第1オイルシール20A及び第2オイルシール20Bの配置関係を示している。インホイールモータ51のハブベアリングHUBの周辺構造などの図示は省略している。
図3に示すように、インホイールモータ51は、ステータ2とロータ4を備える。ステータ2は、円筒状のステータコア2Xと、ステータコア2Xに巻回された複数のコイル2Zと、ステータコア2Xを支持するステータハウジング2Wと、を備える。ロータ4は、ステータコア2Xに対して隙間7を介して回転可能に配置されるロータコア4Xと、ロータコア4Xを支持するロータハウジング4Wと、を備える。
ステータコア2Xの外周部には、ステータコア2Xの中心軸方向に平行な複数のスロット(不図示)が形成される。複数のスロットは、ステータコア2Xの円周方向に等間隔で形成される。スロットには、コイル2Zが収容される。スロット間にはティース2Tが形成される(図11、12参照)。本実施形態では、複数のティース2Tが、環状のコアバック2Q(図11参照)と一体となっている。つまり、ステータコア2Xは、複数のティース2Tとコアバック2Qとが一体成形されたコアである。周方向については、分割型のコアを用いている。ティース2Tは、コイル2Zによって発生した回転磁界をロータコア4Xに導き、ロータコア4Xに回転トルクを発生させる。
コイル2Zは、複数の導体片が接続されることにより形成される。導体片は、銅などの低抵抗導電体の板を打ち抜くことにより形成される。なお、コイル2Zは、断面が矩形状の平角線により形成してもよい。コイル2Zは、ステータコア2Xのスロットに、径方向に層状に収容される。本実施形態において、径方向とは円筒形状の回転電機の半径方向をさす。軸方向とは回転電機のロータ4が回転する回転軸をさす。周方向とは円筒形状を有するステータ2またはロータ4の円周方向をさす。以下の実施形態において、回転電機とはホイール100内に組み込むことができるインホイールモータをさす。
コイル2Zは、ステータコア2Xのスロット内に配置されるスロット内導体と、ステータコア2Xの両端からスロット外に突出するコイルエンド部と、を有する。ステータコア2Xの一端側(車外側)に配置されるコイルエンド部を第1コイルエンド部2ZAと記し、ステータコア2Xの他端側(車体側)に配置されるコイルエンド部を第2コイルエンド部2ZBと記す。第1コイルエンド部2ZAおよび第2コイルエンド部2ZBは、インホイールモータ51の動作時に発熱し、高温になる。後述するように、第1コイルエンド部2ZAおよび第2コイルエンド部2ZBは、液状媒体が収容されている液状媒体路15内に配置され、液状媒体によって冷却される。
ステータハウジング2Wは、円筒状の本体2Cと、本体2Cの一端側の開口部に固定される第1エンドブラケット2Aと、本体2Cの他端側の開口部に固定される第2エンドブラケット2Bと、を備える。本体2Cの外周部には、ステータコア2Xが焼嵌め、圧入等により嵌合固定される。
本体2Cは、例えば、アルミニウム、マグネシウム合金などの軽金属を用いたダイキャスト法により形成される。なお、本体2Cは、3Dプリンタ成型法などの積層造形法によって形成してもよい。積層造形法を採用することによって、本体2Cの形状の自由度が向上する。本体2Cの内側は空間になっており、インバータ150が収容される(図2参照)。これにより、インホイールモータ51とインバータ150(電力変換装置)とが一体化された機電一体構造のモータユニットが形成される。
ロータコア4Xには、複数の永久磁石が固定される。永久磁石は、ロータ4の界磁極を形成する。ロータ4は、コイル2Zによって発生した回転磁界が導かれることにより、車輪軸AXを中心に回転する。
ロータハウジング4Wは、内側蓋4BE、外周部4C、及び外側蓋4AEを備えている。内側蓋4BEは、内側内周部4SB、及び内側接続部4Bを含む。外側蓋4AEは、外側内周部4SA、及び外側接続部4Aを含む。外周部4Cと外側蓋4AEは一体成型で形成されることが多く、その場合は有底円筒状の形態となる。但し、許容できる寸法精度や剛性、用いる部品相互の組立性等との関係で、ロータハウジング4Wの外周部4Cと外側蓋4AEとは分割してもよい。分割されている外周部4Cと外側蓋4AEは、両者を一体として、ハウジング本体4CEという。同様に、一体成型で形成された外周部4Cと外側蓋4AEの場合も、ハウジング本体4CEという。ハウジング本体4CEのステータコア2Xに対向する中央内周部には、ロータコア4Xが焼嵌め、圧入等により嵌合固定される。つまり、ハウジング本体4CEを含むロータハウジング4Wは、ロータコア4Xと共に回転する。
ハウジング本体4CEは、例えば、アルミダイキャストなどの軽金属、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの軽量構造材により形成される。なお、ロータコア4Xとステータコア2Xとの間に狭小の隙間7を形成するために、ハウジング本体4CEは、桶型形状のダイキャスト法等の加工精度が高い一体成型法によって、一つの部品として形成することが好ましい。または、ハウジング本体4CEは、一つの材料から削り出して製作してもよい。
第1軸受11A用の第1外輪固定部4MAから第2軸受11B用の第2外輪固定部4MBまでを一体成型することで、組立品に比べて第1軸受11Aと第2軸受11Bに対する二つの外輪軸受固定部同士の寸法精度を確保しやすい。これにより狭小な隙間7を実現できる。
本体2Cの外周部とハウジング本体4CEの中央内周部との間には、本体2Cの外周部とハウジング本体4CEとを接続する第1軸受11A及び第2軸受11Bが配置されている。第1軸受11A及び第2軸受11Bは、口径サイズは異なるが構成は同じであるため、以下では、第1軸受11A及び第2軸受11Bを総称して軸受11とも記す。また、第1軸受11Aの第1転動体10Aと第2軸受11Bの第2転動体10Bを総称して、転動体10とも記す。
第1軸受11Aは、ステータコア2Xの軸方向一端側(図示右側)に配置され、第2軸受11Bは、ステータコア2Xの軸方向他端側(図示左側)に配置される。
図3に示すように、本体2Cの軸方向一端側には、第1軸受11Aの第1内輪が隙間嵌めされる第1内輪固定部2LAが形成され、本体2Cの外周部の軸方他端側には、第2軸受11Bの第2内輪が隙間嵌めされる第2内輪固定部2LBが形成される。
ハウジング本体4CEの軸方向一端側には、第1軸受11Aの第1外輪が圧入固定される第1外輪固定部4MAが形成され、ハウジング本体4CEの軸方向他端側には、第2軸受11Bの第2外輪が圧入固定される第2外輪固定部4MBが形成される。
このため、ロータ4自身に車重はかからない。上記したように、車体の重量はハブベアリングHUBを介して車輪軸AXに伝わり、最終的にサスペンション装置110によって支持されているからである。
したがって、ロータ4は、回転トルクによって変形しない剛性を有していればよい。
本実施形態に係るインホイールモータ51は、例えば、次のようにして組み立てられる。先ず、ロータハウジング4Wのハウジング本体4CEの第1外輪固定部4MAに第1軸受11Aが圧入固定される。その後、ステータ2がハウジング本体4CE内に挿入され、本体2Cの外周部の第1内輪固定部2LAが第1軸受11Aの第1内輪に嵌め合わされる。
次に、第2軸受11Bがハウジング本体4CEの第2外輪固定部4MBと本体2Cの第2内輪固定部2LBとの間に嵌め合わされる。内側蓋4BEをハウジング本体4CEの車体側の開口端部に固定することにより、ハウジング本体4CE内にステータ2が配置されたインホイールモータ51が組付けられる。
-液状媒体路-
本実施形態の液状媒体路15について説明する。ステータ2と、アウターロータ型のロータ4とを嵌め合わせると、ステータ2とロータ4との間に、液状媒体路15が形成される。液状媒体路15は、ステータコア2Xとロータコア4Xとの間の隙間7と、ロータハウジング4Wのハウジング本体4CEの外側接続部4Aと、ステータハウジング2Wの軸方向端部との間に形成される外側内部流路15Aを有する。さらに、液状媒体路15は、ロータハウジング4Wの内側接続部4Bと、ステータハウジング2Wとの間に形成される内側内部流路15Bと、第1軸受11Aの軸受内部11AS、第2軸受11Bの軸受内部11BSと、を有する。以下、液状媒体路15を流路15ともいう。
ロータハウジング4Wが軸受11を介して、ステータ2の外側を覆うように配置され、両者の間に空間が設けられるからである。第1軸受11A及び第2軸受11Bの転動体10並びにコイル2Zのコイルエンド部は、液状媒体が収容される流路15内に配置される。外側内部流路15Aと内側内部流路15Bの内部を液状媒体がロータ4の回転に伴って流動する。
(1)隙間
ステータコア2Xとロータコア4Xとが対向する狭小な空間が隙間7である。ステータコア2Xが発生する回転磁界が隙間7を介して、ロータコア4Xに電磁的に作用し、ロータ4にトルクを発生させる。本実施形態では、空気ではなく、液状媒体がインホイールモータ51の隙間7に収容され、隙間7の周辺を冷却する。
液状媒体が隙間7に収容されると、ロータ4の回転軸または車輪軸AXの回りを回転するロータコア4Xの少なくとも一部が液状媒体に直接接することになる。また、液状媒体が隙間7に収容されるため、ロータコア4X、ステータコア2Xおよびコイル2Zの一部が液状媒体に接する。
ロータハウジング4Wが回転すると、それに伴って、外側接続部4A、内側接続部4Bに接している液状媒体の少なくとも一部がインホイールモータ51の内部を周方向に回転する。本実施形態では、液状媒体は外部から圧力を受けているので、液状媒体入口14Aから液状媒体出口14Bに向けて、インホイールモータ51の軸方向に向かう液状媒体の流れが生ずる。そして、インホイールモータ51の内部に、隙間7を軸方向流路とする液状媒体流15Rが形成される。
(2)外側内部流路と内側内部流路
外側内部流路15Aは、ハウジング本体4CEの外側(車外側)の外側蓋4AEと第1エンドブラケット2Aとの間に配置される。外側蓋4AEと第1エンドブラケット2Aとの間に第1オイルシール20Aが配置されている。内側内部流路15Bは、ロータハウジング4Wの内側(車体側)に位置する内側蓋4BEとステータハウジング2Wとの間の空間である。内側蓋4BEと第2エンドブラケット2Bとの間に第2オイルシール20Bが配置されている。外側内部流路15Aと内側内部流路15Bは、インホイールモータ51の車輪軸AXを中心とした、薄いドーナツ状構造になっている。外側内部流路15Aと内側内部流路15Bの内部に液状媒体が収容される。次に、オイルシールについて説明する。
(3)オイルシール
第1オイルシール20Aの位置と固定方法は以下の通りである。外側蓋4AEの車外側の外側内周部4SAは、外側接続部4Aの内径側末端部が車外側の表面から内径側に折り返されたかのように形成されている。この外側内周部4SAは外側接続部4Aと一体連続的に繋がり、かつ車輪軸AXを中心とした中空円筒軸として形成される。
そして、被接触面に対して接触部が摺動接触する軸回転タイプの第1オイルシール20Aの第1固定部20ATが、第1エンドブラケット2Aの第1シール取付部2AKに固定され、その第1接触部20ASが外側内周部4SAの表面に摺動接触される。第1オイルシール20Aは、第1軸受11Aよりも内周側に配置されている。
第2オイルシール20Bの位置と固定方法は以下の通りである。内側蓋4BEの車体側の内側内周部4SBは、内側接続部4Bの内径側末端部が車体側の表面から内径側に折り返されたかのように形成されている。この内側内周部4SBは内側接続部4Bと一体連続的に繋がり、かつ車輪軸AXを中心とした中空円筒軸として形成される。
そして、被接触面に対して接触部が摺動接触する軸回転タイプの第2オイルシール20Bの第2固定部20BTが、第2エンドブラケット2Bの第2シール取付部2BKに固定され、その第2接触部20BSが内側内周部4SBの表面に摺動接触される。第2オイルシール20Bも、第1オイルシール20Aと同様に、第2軸受11Bより内周側に配置されている。
また、オイルシールの型式は、日本工業規格(JIS B 2402)、日本自動車技術会規格(JASO F 401)、若しくは国際標準化機構規格(ISO 6194)に規定されている。例えば、軸回転タイプのオイルシールとして、ISOのType 1からType 6の6種類が知られている。また、軸受メーカから、形態の異なる軸回転タイプの製品が販売されており、本発明に適用することができる。
なお、外側内周部4SAの第1オイルシール20Aと接触する回転摺動部、または内側内周部4SBの第2オイルシール20Bと接触する回転摺動部には、硬質アルマイトや硬質クロムメッキ等の表面処理を施すことが好ましい。
この第1オイルシール20Aによって、外気からインホイールモータ(回転電機)51の流路15が遮断され、外側接続部4Aと第1エンドブラケット2Aとの間に密閉された外側内部流路15Aが形成される。
図4に、第1オイルシール20A付近の構造の部分拡大図を示す。第1オイルシール20Aは、車輪軸AXの近傍の内周側の、第1エンドブラケット2Aの第1シール取付部2AKに第1オイルシール20Aの第1固定部20ATが取り付けられている。
第1オイルシール20Aは、外周部4C(不図示)、外側接続部4A及び外側内周部4SAに囲まれた外側内部流路15A内の液状媒体の圧力で第1接触部20ASが外側内周部4SAの内表面に押し付けられることによってシール耐圧が高くなる構造のものである。つまり、周辺の液状媒体が低圧であれば第1接触部20ASでの押付力は小さくなり、周辺の液状媒体が高圧であれば押付力は相対的に大きくなる。また、車輪軸AXの回りを、外側内周部4SAや外側接続部4Aを含むロータ4(図3参照)が回転すると、外側内部流路15Aの液状媒体に遠心力15CFが発生する。
図5は、ロータ4が停止した場合の、外側内部流路15Aにおける内部圧力分布を示す模式図である。外側内部流路15Aを含む流路15は、ハブベアリングHUBと固定されているステータハウジング2Wを内側にして、外周部4C、外側接続部4A及び外側内周部4SAに囲まれている。車輪軸AXの回りを回転するロータ4(図3参照)が停止している場合にも、流路15の液状媒体入口14Aに対して、外部から所定の圧力で液状媒体が流路15に供給されている。そのため、外側内部流路15Aは流路15の上流側に位置しているので、流路圧損分だけの内圧が、外側内部流路15Aの内表面に対して、ほぼ均等に発生する。つまり、第1オイルシール20Aの近傍の内圧と、外側内部流路15Aの外周側の内圧は同一となる。
これに対して、図6は、ロータ4がハブベアリングHUBを通る車輪軸AXの回りに回転した場合の、外側内部流路15Aにおける内部圧力分布を示す模式図である。外周部4C、外側接続部4A及び外側内周部4SAを含むロータ4(図3参照)が回転すると、液状媒体に対して遠心力15CFが発生する。
この場合、外側内部流路15Aの内表面の各部において、流路圧損分の内圧と遠心力15CFによる圧力とが合算されることになる。従って、外側内部流路15Aにおいて、相対的に内周側は低圧になり、外周側は高圧となる。
その結果、図5に示す模式図のように、ロータ4の回転停止時においては、第1オイルシール20Aの第1接触部20ASでの押付力20RZFは高くなる。そして、図6に示す模式図のように、ロータ4の回転時においては、第1オイルシール20Aの第1接触部20ASでの押付力20RZFは低くなる。
図7は、ロータ4(図3参照)が、ハブベアリングHUBを通る車輪軸AXの回りを回転することによって、外側内部流路15Aに発生する内圧の変化の様子を示す模式図である。
外側内部流路15Aに収容されている液状媒体は、ハウジング本体4CEとステータハウジング2Wの表面に接している。液状媒体は、ステータハウジング2Wよりも、ハウジング本体4CEに接する表面積の方が大きいので、結果として、液状媒体はハウジング本体4CEの動きに連動し、最終的に液状媒体はロータ4と同じ方向に回転する(図3参照)。
図7のグラフの破線は、上側の分図の車輪軸AXから外周方向に向かう破線部の平均圧力を示している。液状媒体の平均圧力は、車輪軸AXから径方向に離れるにしたがって大きくなっている。その作用は以下の通りである。
液状媒体にかかる遠心力15CF(図4、図6参照)は、次の式(1)で定められる。以下の式における変数の表記と単位は以下の通りである。F: 遠心力(N)、m: 質量(kg)、r: 回転半径(m)、ω: 回転角速度(rad/s)、N:回転数(min-1)、a: 遠心加速度(m/s)、g: 重力加速度(m/s2)。
Figure 2022109530000002
この式(1)と、運動方程式から、次式(2)のように、遠心加速度を算出する。
Figure 2022109530000003
次に、相対遠心加速度RCF(Relative Centrifugal Force)を、式(2)の遠心加速度aを次式(3)のように、重力加速度gで除算して算出する。
Figure 2022109530000004
水圧差は、水の比重と水深差から、次式(4)により、算出することができる(静水圧の関係を示す図8参照、本式の算出にあたり、液状媒体の比重を水とほぼ同程度と仮定している。)。ここで、P:圧力(Pa)、ρ:水の密度(kg/m)である。
Figure 2022109530000005
本実施形態において、外側接続部4Aを含むロータ4が車輪軸AXを中心に回転すると、外側内部流路15Aに封入されている液状媒体はロータ4に含まれる外側蓋4AEの内側表面との摩擦力によって連動し、最終的にロータ4の回転方向と同じ方向に回転する。
すると、液状媒体は遠心力15CFにより外周側に押される。そのため、外側内部流路15Aの内周側に配置された第1オイルシール20Aの第1接触部20AS付近の内圧は低くなり、その押付力が低減される。図7のグラフの斜めの破線はロータ4の回転時における平均圧力の変化を示している。
つまり、ロータ4の回転数の上昇に伴って発生する遠心加速度によって圧力勾配が発生する。そして、その破線の内周側(半径Rが小さい方向)の位置では、ロータ4の回転に伴って、外側内部流路15Aにおける平均圧力が、停止時における一定した平均圧力よりも減少する。
このように、外側内部流路15Aの最内周部は内圧が低下し、第1オイルシール20Aの第1接触部20ASの押付力は低下する。
本実施形態において、第1オイルシール20Aの材質・形態はゴム一体型のものでもよいし、内部圧力が高い場合には金属環のものでもよい。第1オイルシール20Aの第1接触部20ASの材質はゴム、PTFE等を用いることができる。第1オイルシール20Aは、外側内部流路15A側に、その開口側を向けて装着されている。この第1オイルシール20Aは、内部に封入される液状媒体の飛散防止や、ダストをシールするだけの機能のものではなく、第1オイルシール20A付近で液状媒体を流すことができ、かつ内部圧力によって第1接触部20ASの押付力が上がる構造のものを用いることが好ましい。
但し、外側内部流路15Aにおいて、液状媒体が循環する必要はなく、第1オイルシール20Aの付近で液状媒体が滞留していてもよい。但し、液状媒体が循環すれば、第1接触部20ASの冷却効率が向上することは言うまでもない。
車輪軸AXに対して、ほぼ同じ径方向位置に設けられた第2オイルシール20Bと内側内部流路15Bとの関係も同様であり、ロータ4の回転に伴って第2オイルシール20Bの第2接触部20BS付近の内圧が低下する傾向を示す。但し、第2オイルシール20Bが接する内側内部流路15Bにおける圧力は、内部の圧損の関係から外側内部流路15Aよりも相対的に低い状態となっている。
図9は、第1オイルシール20Aの第1接触部20ASにおける押付力と、ハウジング本体4CEを含むロータ4(図3参照)の回転数との関係を示す模式図である。第1オイルシール20Aの第1接触部20ASにおける押付力は、円環バネによる機械的な緊縛力と液状媒体による内圧による押付力との和となる(図9の式(5)を参照)。
上述したように、ロータハウジング4W(外側蓋4AE、外周部4C、内側蓋4BE)がハブベアリングHUBを通る車輪軸AXの回りを回転することにより、液状媒体に遠心力15CFが発生し(図4、図6参照)、第1オイルシール20A付近の内圧が下がる。
上記の式(3)、式(4)、及び式(5)から、第1接触部20ASにおける圧力は、ロータ4の回転数の二乗で低下するので、第1接触部20ASにかかる全体の圧力Pはロータ4の回転数の上昇に伴って、低下する傾向を示す(図9の下側の分図のグラフを参照)。
(4)軸受内部
上述したように、ステータ2とハウジング本体4CEとの間に軸受11が配置される。軸受内部11AS、11BSは、軸受の内輪と外輪との間に形成される空間である(図3、図13参照)。転動体10は、軸受内部11AS、11BSの中に配置される。第1軸受11Aの軸受内部11AS、隙間7、及び外側内部流路15Aとは相互に連通されている。第2軸受11Bの軸受内部11BS、隙間7、及び内側内部流路15Bとは相互に連通されている。
このように、軸受11の軸受内部11AS、11BSを通して、外側内部流路15A、隙間7及び内側内部流路15Bが全て連通されている。
また、軸受11の転動体10と外輪10AOR、10BORは、ハウジング本体4CEの回転に伴って、車体フレーム1010に固定されたステータ2に対して回転する(図1、図2、図13参照)。軸受11の軸受内部11AS、11BSは流路15の一部であるので、軸受内部11AS、11BSの転動体10は液状媒体に接している。そのため、液状媒体によって転動体10は直接冷却される。一部の液状媒体は、軸受11の回転動作に伴って周方向に回転する。このように軸受内部11AS、11BSは流路15の一部として構成される。このようにして、上記の複数の空間、即ち、隙間7、外側内部流路15A、内側内部流路15B、軸受内部11AS、11BSを含む流路15に液状媒体が収容される。
上述したように、液状媒体入口14A、隙間7、液状媒体出口14B、及び外部のポンプ等との間で定常的な循環流が形成される。しかし、軸受11の軸受内部11AS、11BSと転動体10は流路15の液状媒体に接する状態にあり、液状媒体の軸方向流路の中に配置されていない。そのため二つの軸受11の軸方向の内部空間においては軸方向の液状媒体の流れが余り発生しない。このように、第1軸受11A、第2軸受11Bが流路15の循環流の外に設置されることで、軸受内部11AS、11BSを軸方向に通過する液状媒体が少なくなる。つまり、軸受内部11AS、11BSが液状媒体で満たされているだけである。しかし、液状媒体は少なくとも、転動体10の潤滑と冷却を行う。同時に、液状媒体の流れが少ないので、異物混入の可能性が低くなるので好ましい。
(5)液状媒体入口と液状媒体出口
図3に示すように、本実施形態において、液状媒体をインホイールモータ51の内部に供給するための供給貫通孔が、第1コイルエンド部2ZAの直下に一か所設けられている。その供給貫通孔の外側が外部取入口13Aであり、内側が流路15の液状媒体入口14Aである。液状媒体入口14Aは流路15の第1コイルエンド部2ZA付近に配置されている。
また、液状媒体入口14Aからインホイールモータ51の内部に供給された液状媒体を外部に排出するための排出貫通孔が、第2コイルエンド部2ZBの直下に一か所設けられている。その排出貫通孔の外側が外部取出口13Bであり、内側が流路15の液状媒体出口14Bである。
本実施形態では、第1軸受11Aと第1コイルエンド部2ZA間の距離が、液状媒体入口14Aと第1コイルエンド部2ZA間の距離よりも長く、第2軸受11Bと第2コイルエンド部2ZB間の距離が、液状媒体出口14Bと第2コイルエンド部2ZB間の距離よりも長くなるように設定されている。本実施形態の構成の場合、液状媒体に接する軸受11に、外部から不要な異物が混入する可能性が低くなるので好ましい。
また、本実施形態において、外部取入口13Aと外部取出口13Bは、周方向で約180度ずれた位置に設けられている。コイル2Z付近の液状媒体の流れの状態によっては、周方向に液状媒体の入口と出口がそれぞれ複数箇所あってもよい。液状媒体出口14Bと液状媒体入口14Aの位置関係は周方向で略同一位置(約0度)とするか、または略反対位置(約180度)にするなど、配置構成の変形例が考えられる(図13参照)。
-液状媒体の注入-
インホイールモータ51を組立てた後、その内部で連通している隙間7、軸受内部11AS、11BS(図8参照)、外側内部流路15A、及び内側内部流路15B等に液状媒体が収容される。
外側内部流路15Aの内部に、第1オイルシール20Aが配置されている。また、内側内部流路15Bの内部に、第2オイルシール20Bが配置されている。
液状媒体を流路15に収容するには、外部取入口13Aに配管を接続し、外部取出口13Bを開放し、液状媒体が内部に充満するまで供給すればよい。その後、外部取出口13Bに配管またはホースを接続し、熱交換器等との循環路を形成する。ポンプによって液状媒体に圧力が印加され、流路15に供給される。このことにより、液状媒体は流路15の中を流れ、さらに液状媒体出口14B、外部取出口13Bから外部に出て、外部の熱交換器との間を循環する。液状媒体入口14Aからインホイールモータ51の内部に供給された液状媒体は、第1コイルエンド部2ZAから第2コイルエンド部2ZBに向かって液状媒体流15Rとなって隙間7の内部を流れる。液状媒体が軸方向に向かって流れる隙間7の空間は流路15の一部となっている。
本実施形態において、流路15に対して、外部取入口13Aと外部取出口13Bは、それぞれ第1コイルエンド部2ZAと第2コイルエンド部2ZBの直下付近に設けられている。つまり、本体2Cの内周側の空間に、外部取入口13Aと外部取出口13Bとが設けられている。外部の熱交換器(不図示)と外部接続口13とを配管またはホースで接続する。
-液状媒体の循環-
本実施形態では、ステータ2とロータハウジング4Wとの間に配置される二つの軸受11の各転動体(ボール)10が液状媒体に接するように、流路15が形成されている。軸受11の転動体10は、ハウジング本体4CEの回転に伴って、その回転方向に沿って、軸受内部11AS、11BSで回転しながら周方向に移動する。そのため軸受内部11AS、11BSで転動体10の付近にある液状媒体は、転動体10と同様に周方向に移動する。軸受内部11AS、11BSにある液状媒体は、転動体10自身による摩擦熱などを吸収する。
本実施形態において、外側内部流路15Aと内側内部流路15Bに収容された液状媒体はインホイールモータ51の内部で軸方向に大きく移動することがほとんどない。但し、インホイールモータ51の回転動作に伴い、液状媒体は、液状媒体が接している内側接続部4Bまたは外側接続部4Aに引き連られる。そのことによって、外側内部流路15Aと内側内部流路15Bに収容された液状媒体は、周方向にある程度回転する。その場合、外側接続部4Aと内側接続部4Bを介して、液状媒体から外部への放熱がおこる。このように、流路15は、高出力化されたインホイールモータ51の冷却を効率良く行う機能を有している。
また、本実施形態では、第1コイルエンド部2ZAから第2コイルエンド部2ZBに向かって、液状媒体が薄い円筒状の隙間7を一定方向に流れる。液状媒体がステータコア2Xとロータコア4X等を冷却する。本実施形態のインホイールモータ51は、コイル2Zに大きな電流を流すことで高トルクを出力する。そのため、コイル2Zはジュール損によって発熱するので、コイル2Zとステータコア2Xは、ロータコア4Xに比べて温度が上昇しやすい。本実施形態では、ステータコア2Xとロータコア4Xとの間の隙間7に、液状媒体を定常的に流し続ける。液状媒体は、外部取入口13Aから取り入れられ、液状媒体入口14Aから流路15の内部に供給される。液状媒体は外部に置かれたポンプで送液されるので、液状媒体入口14Aの位置においては、液状媒体出口14B側よりも、相対的に高い圧力を有している。
そのため円筒状の隙間7には、軸方向に液状媒体が連続的に流れることになる。このような構成をとることによって、上記のステータコア2Xやコイル2Z付近で発生する熱を液状媒体が連続的に吸収し、外部に排熱することができる。本実施形態では、液状媒体が第1コイルエンド部2ZAから第2コイルエンド部2ZBに向けて、円筒状の隙間7を流れる。この液状媒体の流れによって、液状媒体がステータコア2X等の発熱を吸収し、液状媒体の温度が上昇し、第2軸受11B付近の液状媒体の温度が上昇し、それによって第2軸受11Bの温度が第1軸受11Aの温度よりも高くなる。
例えば、第2軸受11Bの口径が第1軸受11Aの口径と同一である場合には、第2軸受11Bの内部隙間が熱膨張によって、第1軸受11Aの内部隙間より相対的に小さくなる。
そうすると、第2軸受11Bの内部隙間が熱膨張で狭くなることに起因して、第2軸受11Bの寿命が第1軸受11Aの寿命に比べて短くなってしまうおそれがある。本実施形態では、第2軸受11Bの口径は第1軸受11Aの口径よりも大きく設定されている。その結果、第2軸受11Bの寿命の向上を図っている。このように、本実施形態において隙間7は、液状媒体が軸方向に流れる第1軸方向流路とされている。
第1軸受11Aは、この第1軸方向流路の液状媒体入口14A側に配置され、第2軸受11Bは、この第1軸方向流路の液状媒体出口14B側に配置され、第2軸受11Bの内径は、第1軸受11Aの内径よりも大きく設定されている。
-軸受-
本実施形態において、ハウジング本体4CEと本体2Cとの間に配置される第1軸受11Aと第2軸受11Bには、ラジアル型の軸受を用いることが好ましい。上述した第1オイルシール20Aよりも第1軸受11Aの口径が大きくなるので周速が速くなり、発熱が大きくなる傾向となる。そのため、第1軸受11Aは液状媒体で潤滑し、かつ冷却を行うようにする。第2オイルシール20Bと第2軸受11Bについても同様のである。そのため、第1軸受11Aと第2軸受11Bには大口径・薄型の軸受を用いることが好ましい。薄型軸受は、一般的な軸受に比べて、軸受の幅が小さく軽量になるなどのメリットがある。一般的に軸受は口径が大きくなるほど、転動体10の断面も大きくなる。
しかし、薄型軸受は転動体の断面積が小さい状態を保持したまま、軸受の口径を大きくした設計となっている。そのため、薄型軸受は転動体の断面が、その口径に比べて小さいので、許容荷重及び許容周速も一般的な軸受に比べて小さくなる。しかし、薄型軸受は、軸受の全体が小さく軽量になるなどのメリットがある。本実施形態に適用し得る薄型軸受は、およそ軸受の内径が20cm以上で、転動体の直径が数mm程度のものである。
本実施形態において、車体の重量は別途ハブベアリングHUB(図2、図3参照)が支持する。つまり、本実施形態に用いる第1軸受11Aと第2軸受11Bには車重が直接かかることがない。これらの二つの軸受11は、軸受11が接続されるロータ4の自重を支持する。軸方向の荷重が第1軸受11Aと第2軸受11Bに掛からないことを前提として、本実施形態の軸受として深溝玉軸受を選定することが好ましい。深溝玉軸受は、スラスト荷重を受けることができないが、摩擦係数が小さく、回転トルクが低いので、低損失のインホイールモータを構成することができる。軸受11の構造と特性については後述する。
また、軸受11にラジアル荷重やスラスト荷重が掛からなければ、または、ラジアル荷重やスラスト荷重が掛ったとしても、その荷重が小さい範囲であれば、転動体10の断面積が小さい軸受11を選定し用いることができる。本実施形態のインホイールモータ51では、小型化と軽量化が重要な技術要素であるため、転動体10の最小断面積ができるだけ小さい軸受11を選定することが重要となる。
ここで、軸受の隙間に関する定義を説明する。ラジアル軸受の内部隙間とは、内輪または外輪の一方を固定し、他方を動かした場合の移動量を指す。半径方向に内輪または外輪を動かした場合の移動量をラジアル内部隙間という。また、軸受の有効隙間とは、軸受を取り付ける前の隙間(真の隙間)から、軸受を嵌め合いしたことによる隙間の減少量、さらに、内輪と外輪の温度差による隙間の減少量を減算したものである。その有効隙間に対して、荷重が軸受にかかることによる隙間の増加量を加えたものが運転隙間である。
本実施形態の第1軸受11Aは、第2軸受11Bよりも、液状媒体入口14Aに近い位置に配置される。第1軸受11Aの第1転動体10Aのおおよそのサイズは、断面が1.27cm(1/2インチ)角、内径35.6cm(14インチ)である。そして、軸受11の転動体10などを含む軸受内部11AS、11BSは、液状媒体によって冷却される(図13参照)。二つの軸受11の転動体10は流路15の液状媒体に接するように配置されている。軸受11の軸方向に対して液状媒体を通過させる強制的な液状媒体潤滑方式については後述する。
本実施形態において、第1軸受11Aと第2軸受11Bは、冷却油シール部をそれぞれ別に設けているが、シールタイプの軸受でもよい。また、ステータ2とロータ4との間の隙間7の狭小化のために、第1軸受11Aと第2軸受11Bは、ステータコア2Xとロータコア4Xになるべく近い位置に配置することが好ましい。シールタイプの軸受を採用すると、軸受の他にシールを別途設置する必要がなくなるので部品点数を削減することができる。
しかし、シールタイプの軸受は、軸受の軸長が長くなり、その耐圧力はシール別置型の軸受より低くなる。また、軸受11の転動体10の回転による発熱と、シール部の摩擦による発熱が同一箇所で発生するので、全体を比較した場合、シール別置型の軸受とシールを組み合わせて構成した方が好ましい。軸受11の冷却方法としてグリス潤滑もあるが、本実施形態において、グリス潤滑を積極的に用いることはない。
本実施形態で用いる軸受の材質は、軸受鋼SUJ2を使用することが好ましい。SUJ2の代わりにSUSでもよい。転動体10にはSUSなどの金属を用いる。セラミックの転動体であると、金属の場合よりも熱膨張係数が小さいので、温度上昇の影響を受けにくいが、適用できないわけではない。
第1軸受11Aは、アウターロータ型インホイールモータのホイールの近くに配置されるので、第1軸受11Aの径はホイールのリム径に近いサイズとなる。軸受11の組立前のラジアル内部の真の隙間は、80~130μm程度の範囲から選定することができる。しかし、本体2Cの材質や、液状媒体の温度設定によっては、内径のサイズが異なる別シリーズの軸受を選定することもできる。
インホイールモータ51を連続的に使用すると、転動体10に接している液状媒体の温度上昇、及び転動体10自身による発熱により、転動体10が熱膨張を起こして内部隙間が小さくなる。本実施形態で採用する第2軸受11Bは、大口径であり軸受隙間(取付前の真の隙間)が予め大きく設定されている。そのため、第2軸受11Bで発生する局部的な熱発生に基づく第2軸受11Bの第2転動体10Bなどの熱膨張を吸収しやすい。
図14を参照して運転隙間の設定について説明する。一般的には、図14に示す疲れ寿命-運転隙間曲線のように、疲れ寿命曲線がピークとなる条件は運転隙間がマイナスの場合である。即ち、運転隙間を0よりやや狭くした条件に設定して用いられることが多い。図14の曲線(a)と曲線(b)は、同一の軸受に対する荷重条件が約6倍異なる場合のものであるが、寿命は運転隙間が-3~-8μm程度で最大値を示している。
しかし、軸受の長寿命化を狙って、運転隙間を0以下の領域であって疲れ寿命曲線の極大値に合わせて設定しようとすると、部品の寸法ばらつきや組立精度等によって、疲れ寿命曲線の極大値より、実際の運転隙間がマイナス側にシフトしてしまう場合がある。そうすると軸受の寿命は急激に悪化する。本実施形態においては、第2軸受11Bは、(c)の矢印の範囲のように、あらかじめ運転隙間が0以上となるように設定されている。
次に図15を参照して軸受の公差について説明する。図15に示すように、軸受の外径・内径のサイズが大きいものほど公差幅が大きくなる。本実施形態では、軸受の運転隙間の設定は、プラスマイナス公差ではなく、運転隙間の設定の下限を0に設定している。用いる軸受の公差を考慮し運転隙間を設定する。その結果、軸受の運転隙間の設定の狙い値は一般的な数値よりも大きくなっている。
また、本実施形態では、二つの軸受11の転動体10を含む軸受内部11AS、11BSは流路15の中に配置され、液状媒体に接している。液状媒体は、インホイールモータ51の内部で温度上昇が顕著なステータコア2X付近の発熱を吸収し液状媒体出口14Bを通り、外部取出口13Bから外部に出る。その際、ステータコア2X付近で発生した熱を吸収する液状媒体は、隙間7を通過するにしたがって、入口側よりも出口側に進行するに従って相対的に高温になっていく。
相対的に液状媒体入口14A側よりも高温になった液状媒体に接する第2軸受11Bは、第2軸受11B自身の回転動作による発熱以外に、第2軸受11Bが接する液状媒体の温度に曝されることになる。つまり、本実施形態では、運転中に第1軸受11Aよりも第2軸受11Bの温度が高くなる傾向にある。
図13に示すように、第2軸受11Bは本体2Cに隙間嵌めされているので、第2軸受11Bの第2内輪10BIRは本体2Cに直接接している。つまり、第2軸受11Bの第2内輪10BIRは本体2Cからの熱伝導の影響を直接受けやすい。その結果、第2軸受11Bの内径は、インホイールモータ51の運転時に、第1軸受11Aの内径よりも、温度上昇によって相対的に大口径化する。
本実施形態では、ステータ2の本体2Cからの熱伝導の影響を遮断するために、第2エンドブラケット2Bの円周方向に、穴2Hを同心円状に数個から30個設けて、ステータコア2Xからの熱伝導を受けにくくしている(図16参照)。この穴2Hは、ステータコア2Xと第2軸受11Bとの径方向の間に位置している。穴2Hは、部品の強度、剛性に影響の出ない範囲で、第2エンドブラケット2Bの側面に軸方向に貫通する穴として設けられている。
穴2Hにより、本体2Cの熱伝導面積が小さくなるので、コイル2Zの熱が第2軸受11Bに伝わりにくくなる。また、穴2Hが複数設けられることにより、内側内部流路15Bと隙間7側とが連通され、内部で液状媒体の対流が起こる。この対流によって第2軸受11Bに液状媒体がより接するので、第2軸受11Bが冷却されやすくなる。このように穴2Hの内部は流路15の一部となる。穴2Hの形状は丸穴でもよいし、長穴でもよい。また、隙間7が見える位置に穴を設ければ、ステータ・ロータの組立時に隙間7に保護板を差し込む穴として利用することもできる。
本実施形態において、第2軸受11Bに関し、運転状態における温度上昇を予測し、第2軸受11Bの軸受隙間は予め大きく設定されている。第2軸受11Bには、第1軸受11Aと同シリーズ(転動体の断面積が同一サイズ)の製品であって、口径が少なくとも一回り大きいものが用いられている。例えば、内径が35.6cm(14インチ)の第1軸受11Aに対して、内径が40.6cm(16インチ)の部品が第2軸受11Bとして用いられている。
第2軸受11Bの組立前のラジアル軸受の内部隙間は90~140μm程度に設定されるので、この内部隙間の数値に見合う寸法を有する軸受が市販品の品番の中から選定され用いられる。本実施形態に用いる軸受は特注品ではなく、一般的な標準品として生産され、市場に供給されている部品から選定されることが好ましい。つまり、ラジアル軸受の内部隙間がカタログ値として推奨されている数値範囲から選定されることが好ましい。
そうすると、一般市販品の軸受の同シリーズの中の口径違いの部品を、第1軸受11Aと第2軸受11Bとして組み合わせて選定されることが好ましい。一般的に市場で入手できる軸受の寸法値の事例を表1に示す。
このように、本実施形態のインホイールモータ(回転電機)51において、第1軸受11A及び第2軸受11Bの転動体10並びにコイル2Zのコイルエンド部、即ち、第1コイルエンド部2ZA及び第2コイルエンド部2ZBは、液状媒体が収容される流路15内に配置される。
隙間7は、液状媒体が軸方向に流れる第1軸方向流路とされ、第1軸受11Aは、第1軸方向流路の液状媒体入口14A側に配置され、第2軸受11Bは、第1軸方向流路の液状媒体出口14B側に配置されている。また、第2軸受11Bの内径は、第1軸受11Aの内径よりも大きい、という構成を備えたものである。
最小限の構成であっても、軸受11、転動体10、ステータコア2X等の構成部材を効率よく冷却することができる。本実施形態は、軸受11に外来の異物が混入する可能性が低く、これらのことにより、軸受11をも長寿命化させることができる。
Figure 2022109530000006
上述したように、本実施形態は、ロータコア4Xを固定し、液状媒体が流れる流路15が形成されるロータハウジング4Wと、ロータコア4Xの内周側に配置されるステータ2と、ロータハウジング4Wとステータ2との間に配置される第1オイルシール20A、及び第2オイルシール20Bと、を備えるアウターロータ型のインホイールモータ51である。
そして、ロータハウジング4Wは、ステータ2の外周側に配置される外周部4Cと、ステータ2の内周側に配置される外側内周部4SAと内側内周部4SBと、外周部4Cと外側内周部4SAとを接続する外側接続部4A、外周部4Cと内側内周部4SBとを接続する内側接続部4Bと、を含む。さらに、第1オイルシール20Aは、ステータ2の内周面(第1シール取付部2AK)に固定される第1固定部20ATと、外側内周部4SAに摺動接触する第1接触部20ASを有する。また、第2オイルシール20Bは、ステータ2の内周面(第2シール取付部2BK)に固定される第2固定部20BTと内側内周部4SBに摺動接触する第2接触部20BSと、を有する。
そのため、本実施形態において、ロータ4の回転に伴って、第1オイルシール20A及び第2オイルシール20B付近の液状媒体の内圧が下がるので、第1オイルシール20A及び第2オイルシール20Bの摺動抵抗が緩和され、寿命が長くなる。また、遠心力によって、第1オイルシール20A、第2オイルシール20B付近から異物が離れて外周側に流されるので、異物に起因するシール故障の発生を抑止することができる。
上述したように、本実施形態のインホイールモータ51は、ロータハウジング4Wの外周部4Cとステータ2の間に軸受11を有し、軸受11は第1オイルシール20A及び第2オイルシール20Bで密封された流路15内に設置されている。また、軸受11の径が第1オイルシール20Aの第1固定部20ATの径よりも大きいものである。
これによって、第1オイルシール20Aの第1接触部20ASが流路の最内周になることで、軸受11の摩耗粉等が遠心力で外側に飛ばされ、第1接触部20ASに混入しにくく、第1オイルシール20Aの長寿命化を図ることができる。また、相対的にオイルシール径を小さくすることで、摺動周速を下げて、第1オイルシール20Aの回転抵抗を低減することができる。
[第2実施形態]
本実施形態においては、外側内部流路15A、液状媒体流15R、内側内部流路15B以外に、ステータコア2Xの内周側に環状流路18が設けられることによって、全体の冷却効率の向上が図られている。また、本実施形態においては、第1軸受11Aと第2軸受11Bに、異径サイズであって扁平薄型の軸受が用いられる。また、第1実施形態と同様に、第1軸受11Aは第1オイルシール20Aよりも大きく、第2軸受11Bは第2オイルシール20Bよりも口径が大きいものが用いられている。図13、16に本実施形態に係るインホイールモータ52の部分断面斜視図を示す。
-軸方向の循環流路-
液状媒体流15Rと環状流路18は、外部で冷却された液状媒体が供給される液状媒体入口14Aから、液状媒体出口14Bに向かって、専ら軸方向に流れることによって、内部で発生する熱を吸収し排熱する働きを有している。
外側内部流路15Aと内側内部流路15Bに収容されている液状媒体は、上述したように、ロータ4の回転に伴ってオイルシール付近の内圧を下げる働きがある。また、液状媒体は第1オイルシール20Aと第2オイルシール20Bに対する潤滑と冷却の機能を有している。
図10~12に本実施形態における環状流路18の構造を示す。まず、図10に示すように、液状媒体流15R以外に、ステータコア2Xの内周側表面と本体2Cの外周側表面との間の円筒状空間によって取り囲まれた環状流路18が設けられている。ステータコア2Xの外周側の隙間7に液状媒体流15Rが配置され、ステータコア2Xの下側に環状流路18が配置されている。
図10に示すように、環状流路18は、軸方向に3段配置された周方向通路17a、17b、17cと、各周方向通路を直列に接続する斜交通路17ab、17bcと、により構成される。環状流路18は、本体2Cの表面に、径方向に高さを有する複数の壁によって流路が区分けされることによって形成されている。環状流路18の1段目の周方向通路17aの上流側端は、環状流路入口16Aに接続され、下流側端は斜交通路17abに接続される。斜交通路17abは中段の周方向通路17b、2段目の斜交通路17bc、3段目の周方向通路17c、及び環状流路出口16Bへと連続的につながっている。
本実施形態における環状流路18は、環状流路入口16Aから環状流路出口16Bに至る途中に一つ以上の斜交通路17ab、17bcを含んでいる。液状媒体が周方向通路17a、17b、17cと斜交通路17ab、17bcを通過する際、通過損失を低減するために、それぞれの通路の進行方向の通過断面積はほぼ同一に設定されている。また、液状媒体の通過抵抗を低減するために、斜交通路と周方向通路との交差角度は余り大きくならないことが好ましい。
このような構造の環状流路18を液状媒体が進行するので、液状媒体はステータコア2Xの内表面に接しながら、周方向に複数回流れる。そのため液状媒体は環状流路18を通過する際、ステータコア2Xとの接触時間が長くなり、ステータコア2X付近の熱を吸収しやすくなる。この環状流路18を通過する液状媒体による熱の吸収効率が上がると、液状媒体入口14A付近の液状媒体の温度と、液状媒体出口14B付近における液状媒体の温度の差がより大きくなる。この環状流路18が、隙間7を通る第1軸方向流路となる液状媒体流15Rに対して、併存することができる第2軸方向流路に相当する。
本実施形態における液状媒体の通過経路は以下の通りである。熱交換器(不図示)に接続された配管は本体2Cの内周側に位置する外部取入口13Aに取り付けられる。液状媒体は外部取入口13Aからインホイールモータ52の内部に供給される。液状媒体は、液状媒体入口14Aから流路15の第1コイルエンド部2ZAの直下付近の空間にはいる。その際、液状媒体はポンプによって送液されているので、液状媒体入口14Aに供給された時点の液状媒体は、流路15の他の部分に比べて高い圧力を有している。
その後、本実施形態において、インホイールモータ52の内部に供給された液状媒体は大きく分けて二つの流路に分流する。まず、第1の流路は、第1実施形態の場合と同様に液状媒体流15Rである。液状媒体は第1コイルエンド部2ZA付近の液状媒体入口14Aから第1コイルエンド空間9Aにはいる。第1コイルエンド空間9Aの最外周側は隙間7に直接つながっているので、液状媒体は第1コイルエンド空間9Aを周方向に流れると共に、円筒状空間である隙間7を横断するように第2コイルエンド部2ZBに向かって流れる。
次に、図11、12に第1コイルエンド空間9A付近の構造と液状媒体の流れる様子を模式的に示す。液状媒体は、第1コイルエンド部2ZAの付近から第1コイルエンド空間9Aに入り、さらに周方向に対して左右二つの方向に分流される。その一方は第1コイルエンド空間9Aを第1の方向に流れる第1回転流9F1である。他方は、第1コイルエンド空間9Aを反対方向に流れる第2回転流9F2である。液状媒体入口14A付近で分流した第1回転流9F1と第2回転流9F2とが、それぞれ第1コイルエンド空間9Aを半周し、液状媒体入口14Aと180度対向する位置で、合流する様子を示している。
その合流地点の近くに、環状流路入口16Aが設けられている。この環状流路入口16Aはステータコア2Xの一部が凹状に加工されたものである。第1コイルエンド空間9Aから、ステータコア2Xの背面側の環状流路18に連通している。そのため、液状媒体は環状流路入口16Aから環状流路18に進入することができる。
第1回転流9F1と第2回転流9F2は、周方向をそれぞれ半周した後、合流して下方流9F3となる。この下方流9F3は、環状流路入口16Aの入口底部で、流れる方向が下向きから軸方向に方向転換され、環状流路18へ向かう導入流9F4となる。
導入流9F4となった液状媒体は環状流路18にはいると、1段目の周方向通路17aに進入する。図10に環状流路18における液状媒体の通路の構成を示す。液状媒体は1段目の周方向通路17aに進入した後、約一周した後に斜交通路17abに進入する。さらに液状媒体は周方向通路17b、斜交通路17bc、周方向通路17cの順に通過して、環状流路出口16Bに到達する。
液状媒体は環状流路出口16Bの付近で、周方向の流れから軸方向に向かう導出流9F5となる。導出流9F5は環状流路出口16Bの内部で上方流9F6になる。最後に、液状媒体は、第2コイルエンド部2ZB付近の第2コイルエンド空間9Bにはいる。液状媒体は、第2コイルエンド空間9Bで再び二つの方向に分流される。上述した第1コイルエンド空間9Aの場合における最初の分流と同様であり、第2コイルエンド空間9Bを流れる、第3回転流9F7と第4回転流9F8とに分流される。
これらの第3回転流9F7と第4回転流9F8は、第2コイルエンド空間9Bの周方向をそれぞれ逆向きに約半周流れた後、180度対向する位置で再び合流する。液状媒体は、その合流地点付近に置かれた液状媒体出口14Bを通り、外部取出口13Bからインホイールモータ51の外部に出て液状媒体槽に戻る。
本実施形態において、液状媒体のごく一部は軸受11の転動体10を軸方向に横切るように通過する場合もある。さらに、軸受11の軸受内部11AS、11BS(図8参照)を横切った液状媒体の一部は、第1エンドブラケット2Aとハウジング本体4CEとの隙間空間である外側内部流路15Aに到達することがある。または、液状媒体は、ステータハウジング2Wと内側接続部4Bとの隙間空間である内側内部流路15Bに到達する場合もある。
外側内部流路15Aと内側内部流路15Bの内部空間において、液状媒体はオイルシールを潤滑し冷却する。インホイールモータ51のロータ4の回転に伴って、オイルシール付近の内部圧力は低減されている。
このように本実施形態のインホイールモータ52は、ステータハウジング2Wとロータハウジング4Wとの隙間空間に、外側内部流路15A、内側内部流路15B、液状媒体流15R、及び環状流路18が設けられている。液状媒体は対象となる部品を冷却し潤滑すると共に、液状媒体が軸方向に多く流れることによって、全体として排熱の機能が高められている。
本実施形態においては、ステータコア2Xに巻回されたコイル2Z、第1コイルエンド部2ZA、第2コイルエンド部2ZBの何れも液状媒体で覆われることになる。本実施形態では、液状媒体流15R以外に、液状媒体が第1コイルエンド空間9Aを通る第1コイルエンド流、及び第2コイルエンド空間9Bを通る第2コイルエンド流が設けられている。さらに、ステータコア2Xの背面に、液状媒体が周方向に流れ、かつ軸方向にも進む環状流路18が設けられている。そのためインホイールモータ51の冷却効率がさらに向上する。
-内部圧力損失-
本実施形態では、軸方向に液状媒体が流れる液状媒体流15Rと環状流路18の二つが存在する。インホイールモータ52の隙間7は、ステータコア2Xとロータコア4Xとの間の狭小な空間である。この狭小な空間を液状媒体が通過する。そのため、環状流路18に対して相対的に圧損が小さいと、液状媒体は、環状流路18に流れずに隙間7の方を流れてしまう。多くの液状媒体が隙間7を流れると、インホイールモータ全体としての冷却効率が落ちる。隙間7を狭くすることは、インホイールモータとしてのトルクの向上にも繋がる。従って、隙間7を狭小化すると、液状媒体路における圧損が十分に小さくなり、且つ必要なトルクを発生できる。例えば、隙間7の設計値の一例として0.5mmがあげられる。
ここで本実施形態における第1軸受11Aと第2軸受11Bの構成について説明する。図13に、インホイールモータ51の軸受11の部分拡大図を示す。第1軸受11Aと第2軸受11Bは同系統の薄型扁平の軸受である。第2軸受11Bに、第1軸受11Aよりも口径が少なくとも一回り大きいものが用いられている。
第1軸受11Aは、第1外輪10AORと第1内輪10AIRを有している。第1外輪10AORと第1内輪10AIRとの間の空間が軸受内部11ASである。第1外輪10AORと第1転動体10Aとの隙間が10AGPHである。第1内輪10AIRと第1転動体10Aとの隙間が10AGPLである。
第1外輪10AORの外径がD1-1、内径がL1-2である。第1内輪10AIRの外径がL1-1、内径がdである。第1外輪10AORの幅がWである。
第2軸受11Bは、第2外輪10BORと第2内輪10BIRを有している。第2外輪10BORと第2内輪10BIRとの間の空間が軸受内部11BSである。第2外輪10BORと第2転動体10Bとの隙間が10BGPHである。第2内輪10BIRと第2転動体10Bとの隙間が10BGPLである。
第2外輪10BORの外径がD2-1、内径がL2-2である。第2内輪10BIRの外径がL2-1、内径がdである。第2外輪10BORとの幅がWである
上記の各部の寸法は軸受メーカによって規格化されており、所望のサイズの品番を選定できることが多い。インチ系とメートル系の部品が用意されていることもある。
第2軸受11Bは、第1軸受11Aよりも一回り大きな口径の薄型扁平軸受から選定される。上述した第1実施形態と同様に、本実施形態においても、第2軸受11Bに第1軸受11Aよりも大口径の軸受を用いることによって、第2軸受11Bの長寿命化を図っている。そのため、第2軸受11Bの設定では、その運転隙間が0以上となるように条件が設定されている。
本実施形態のインホイールモータ52は、環状流路18を備えていることにより、内部の冷却効率が優れている。また、液状媒体入口14Aと液状媒体出口14Bがそれぞれ第1コイルエンド部2ZA、第2コイルエンド部2ZBの直下にあることから、第1軸受11Aと第2軸受11Bへの異物の混入を抑止することができる。
また、本実施形態のインホイールモータ52は、ロータハウジング4Wの外周部4Cと本体2Cとの間に第1軸受11A及び第2軸受11Bを有し、第1軸受11A及び第2軸受11Bは、第1オイルシール20Aと第2オイルシール20Bで密封された流路15内に設置され、第1軸受11Aの径が第1オイルシール20Aの第1固定部20ATの径よりも大きく、第2軸受11Bの径が第2オイルシール20Bの第2固定部20BTの径よりも大きく設けられている。
そのため、第1オイルシール20Aと第2オイルシール20Bの長寿命化を図ることができると共に、第1軸受11Aと第2軸受11Bについても、その安定した動作と長寿命化を図ることができる。
[第3実施形態]
図17に第3実施形態に係るインホイールモータ53の部分断面図を示す。ステータハウジング2Wに第1オイルシール20Aの第1固定部20ATが固定されている。また、外側内部流路15Aを含む流路15は、外周部4C、外側接続部4A、及び外側内周部4SAに囲まれている。外側内周部4SAの近傍に、第1エンドブラケット2Aから、突起2CNが車体外側に向かって設けられている。外側内周部4SAとわずかな隙間を介して、径方向に隣接している。
このように、本実施形態は、ステータハウジング2Wに含まれる第1エンドブラケット2Aに外側内周部4SAと径方向に隣接する円筒状の突起2CNを備えたものである。外側内周部4SAと突起2CNによって、ラビリンスを構成することで第1オイルシール20Aの第1接触部20AS付近に異物が進入することを防止するものである。
この突起2CNも、ハブベアリングHUBを通る車輪軸AXの回転方向に連続して設けられている。突起2CNの全体は中空の円筒状の形態を有している。突起2CNと外側内周部4SAとの隙間が小さいほど、かつ重なりが長いほど、外部から異物が混入することを抑止する効果が大きい。
図17では、ロータ4(ハウジング本体4CE)に含まれる外側内周部4SAの内周側(外側内周部4SAとハブベアリングHUBとの間の位置)に、突起2CNが設けられている。これとは逆側の位置として、外側内周部4SAの僅か外周側に設けてもよい。さらに、外側内周部4SAを両側から挟むように、内周側と外周側の両方に突起2CNがあってもよい。
従って、本実施形態のインホイールモータ53において、外側内周部4SA付近から異物が外側内部流路15Aを含む流路15の内部に進入することが抑止される。
[第4実施形態]
図18に第4実施形態に係るインホイールモータ54の部分断面図を示す。本実施形態における第1オイルシール20A等の構成は上述した第3実施形態と同様である。本実施形態では、外側内周部4SAに対向する、第1エンドブラケット2Aの表面に円筒状の凹部2CVが、車体外側に向かって設けられている。外側内周部4SAの先端の一部が、この凹部2CVの中にはいるように配置されている。
本実施形態は、ステータハウジング2Wに含まれる第1エンドブラケット2Aに外側内周部4SAと径方向に隣接する円筒状の凹部2CVを備えたものである。外側内周部4SAと凹部2CVによって、ラビリンスを構成することで第1オイルシール20Aの第1接触部20AS付近に異物が進入することを防止するものである。
この凹部2CVは、回転方向に連続して設けられているので、全体としては円形溝部の形態を有している。凹部2CVと外側内周部4SAとの隙間が小さいほど、かつ重なりが長いほど、外部から異物が混入することを抑止する効果が大きい。
従って、本実施形態のインホイールモータ54において、外側内周部4SA付近から異物が外側内部流路15Aを含む流路15の内部に進入することが抑止される。
[第5実施形態]
図19に本実施形態のインホイールモータ55の部分断面斜視図を示す。液状媒体入口14Aが第1オイルシール20Aと第1軸受11Aの間の流路15内に配置されている。また、液状媒体出口14Bが第2オイルシール20Bと第2軸受11Bの間の流路15内に配置されている。
従って、本実施形態のインホイールモータ55において、この構成によって、液状媒体が第1軸受11Aと第2軸受11Bの内部を必ず通過する。また、外側内部流路15Aと内側内部流路15Bの内部に、圧力が掛かった液状媒体が流れこむことになる。そのため、第1軸受11Aと第2軸受11Bの冷却効率と潤滑効率がそれぞれ向上する。
[第6実施形態]
図20に本実施形態に係るインホイールモータ56の部分断面斜視図を示す。液状媒体入口14A側の第1オイルシール20Aの径よりも、液状媒体出口14B側の第2オイルシール20Bの径の方が大きく設けられている。そのため、第2オイルシール20Bは、本体2Cの第2シール取付部2CKに取り付けられている。
従って、本実施形態のインホイールモータ56において、この構成をとることによって、インホイールモータ56の内部に接続すべき配線や冷却配管(ホース)などの引き出し、ステータ2をホイール100のフレームに固定すること等、インホイールモータ56の組立や調整、検査、維持等の作業が容易となる。
現在、利用することができる軸回転タイプのオイルシールの周速度の上限とインホイールモータ56の回転数とを考慮して、第2オイルシール20Bの直径は、例えば、10~25cm、好ましくは10~20cm程度の範囲に設定することができる。
[変形例1]
上記の第1実施形態において、インホイールモータ51の径方向から見た時に第1オイルシール20Aまたは第2オイルシール20Bが軸受11と重なる位置に配置されることが好ましい。少なくとも、第1軸受11Aと第1オイルシール20Aが重なっていることが好ましい。
この構成をとることにより、インホイールモータ51の軸受11と第1オイルシール20Aまたは第2オイルシール20Bを軸方向の同じ位置に配置することで、モータの軸長を短くすることができる。
[変形例2]
上記の実施形態において、液状媒体入口14A側の第1オイルシール20Aに対して、液状媒体出口14B側の第2オイルシール20Bに、インホイールモータ内部の圧損による圧力降下分に応じた低耐圧タイプを選定することが好ましい。
つまり、第1オイルシール20Aの耐圧力よりも、第2オイルシール20Bの耐圧力を低く設定することが好ましい。第2オイルシール20Bに低耐圧タイプのオイルシールを用いるので、その回転接触部の緊縛力(押付力)が弱く設定されることになり、さらに第2オイルシール20Bの第2接触部20BSにおける回転抵抗が小さくなり、第2オイルシール20Bの寿命が長くなる。
[変形例3]
上記の実施形態において、車輪軸AXから液状媒体出口14Bまでの距離が、車輪軸AXから液状媒体入口14Aまでの距離以上であることが好ましい。
ロータ4が回転することによって、液状媒体に遠心力15CFが掛かった際に(図4参照)、流路15における内周側より外周側の圧力が相対的に高くなるので、液状媒体を液状媒体出口14Bから排出しやすくなるので好ましい。
以上、本発明の幾つかの実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、さらなる変形が考えられる。例えば、オイルシールの位置は第1軸受11Aの内周側から車輪軸AXとの間の空間内に、他の部材との関係を考慮した上で配置を変更することができる。
また、上記の環状流路18の周回数を変形することができ、また、液状媒体入口14Aと液状媒体出口14Bの位置を、冷却効率の向上や部品寸法、内部容積の低減等との関係で自由に組み合わせて構成することができる。上記の実施形態や例示した部品を使用する以外に種々の態様が考えられる。
2…ステータ、 2X…ステータコア、 2Z…コイル、 2ZA…第1コイルエンド部、 2ZB…第2コイルエンド部、 2W…ステータハウジング、 2A…第1エンドブラケット、 2B…第2エンドブラケット、 2CN…突起、 2CV…凹部、 4…ロータ、 4X…ロータコア、 4A…外側接続部、 4B…内側接続部、 4AE…外側蓋、 4BE…内側蓋、 4CE…ハウジング本体、 4C…外周部、 4SA…外側内周部、 4SB…内側内周部、 4W…ロータハウジング、 7…隙間、 9A…第1コイルエンド空間、 9B…第2コイルエンド空間、 10…転動体、 11A…第1軸受、 11B…第2軸受、 13A…外部取入口、 13B…外部取出口、 14A…液状媒体入口、 14B…液状媒体出口、 15…液状媒体路(流路)、 15A…外側内部流路、 15B…内側内部流路、 15R…液状媒体流、 16A…環状流路入口、 16B…環状流路出口、 18…環状流路、 20A…第1オイルシール、 20AS…第1接触部、 20AT…第1固定部、 20B…第2オイルシール、 20BS…第2接触部、 20BT…第2固定部、 51、52、53、54、55、56…インホイールモータ(回転電機)、 100…ホイール、 150…インバータ(電力変換装置)、 200…電動ホイール、 1000…車両、 バッテリ…1030、 AX…車輪軸

Claims (11)

  1. ロータコアを固定し、液状媒体が流れる流路が形成されるロータハウジングと、
    前記ロータコアの内周側に配置されるステータと、
    前記ロータハウジングと前記ステータとの間に配置されるオイルシールと、を備えるアウターロータ型の回転電機であって、
    前記ロータハウジングは、前記ステータの外周側に配置される外周部と、
    前記ステータの内周側に配置される内周部と、
    前記外周部と前記内周部とを接続する接続部と、を含み、
    前記オイルシールは、前記ステータの内周面に固定される固定部と、前記内周部に摺動接触する接触部と、を有するアウターロータ型の回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ロータハウジングの外周部と前記ステータの間に軸受を有し、
    前記軸受は前記オイルシールで密封された流路内に設置され、
    前記軸受の径が前記オイルシールの前記固定部の径よりも大きい回転電機。
  3. 請求項2に記載の回転電機において、
    前記ロータコアの径方向から見た時に、前記オイルシールが前記軸受と重なる位置に配置される回転電機。
  4. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ステータに前記内周部と径方向に隣接する円筒状の突起を備えた回転電機。
  5. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ステータに前記内周部と径方向に隣接する円筒状の凹部を備えた回転電機。
  6. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記流路の液状媒体入口側の第1オイルシールの耐圧力よりも、前記流路の液状媒体出口側の第2オイルシールの耐圧力の方が低い回転電機。
  7. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ロータコアを軸方向に挟み込むように、前記ロータハウジングの外周部と前記ステータの間に第1軸受及び第2軸受が配置され、
    前記第1軸受よりも内周側に第1オイルシールが配置され、
    前記第2軸受よりも内周側に第2オイルシールが配置され、
    前記第1軸受の軸受内部と前記第2軸受の軸受内部は、前記第1オイルシールと前記第2オイルシールによって密封された前記流路の一部とされ、
    前記流路の液状媒体入口が前記第1オイルシールと前記第1軸受の間の前記流路に配置され、
    前記流路の液状媒体出口が前記第2オイルシールと前記第2軸受の間の前記流路に配置される回転電機。
  8. 請求項7に記載の回転電機において、
    前記第1オイルシールの径よりも、前記第2オイルシールの径の方が大きい回転電機。
  9. 請求項7に記載の回転電機において、
    回転軸から前記液状媒体出口までの距離が、前記回転軸から前記液状媒体入口までの距離以上である回転電機。
  10. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ロータコアを軸方向に挟み込むように、前記ロータハウジングの外周部と前記ステータの間に第1軸受及び第2軸受が配置され、
    前記第1軸受よりも内周側に第1オイルシールが配置され、
    前記第2軸受よりも内周側に第2オイルシールが配置され、
    前記第1軸受の軸受内部と前記第2軸受の軸受内部は、前記第1オイルシールと前記第2オイルシールで密封された前記流路の一部とされ、前記流路の液状媒体入口と前記流路の液状媒体出口の何れか一方、または両方が前記第1軸受と前記第2軸受の間の前記流路に配置された回転電機。
  11. 請求項1に記載の回転電機を備えた車両であって、
    さらに、バッテリと、前記バッテリの直流電力を交流電力に変換して、前記交流電力を前記回転電機に供給する電力変換装置と、を備え、前記回転電機のトルクが車輪に直接伝達される車両。
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