JP2022108960A - 水分センサ制御装置、水分センサ制御システム及び水分センサ制御方法 - Google Patents

水分センサ制御装置、水分センサ制御システム及び水分センサ制御方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022108960000001
【課題】より効果的な電力消費量の削減が可能な水分センサ制御装置、水分センサ制御システムおよび水分センサ制御方法を提供すること。
【解決手段】本技術の一形態に係る水分センサ制御装置は、センサ状態選択部を具備する。上記センサ状態選択部は、農作物が植えられる土壌の環境情報と、上記土壌の水分量を検出する、上記土壌中に設置される1又は複数の水分センサの位置情報とに基づいて、上記水分センサの動作状態を制御する。
【選択図】図2

Description

本技術は、土壌内の水分を検出する水分センサを制御する分センサ制御装置、水分センサ制御システム及び水分センサ制御方法に関する。
農業分野において、農作物の健全な成長のために土壌の水分含有量に応じて適切な頻度やタイミングで灌水や灌注を行うことが求められている。例えば、特許文献1には、土壌中の水分含有量やその変化率を検出し、その定められた閾値に基づいて個々の水分センサの稼動タイミングを制御することが記載されている。
広範な領域で土壌の水分含有量を高精度に検出するには、大量の水分センサの設置が必要となり、これらの水分センサを長時間可動させるために十分な電力供給手段が必要となる。
米国特許出願公開第2010/147389号明細書
例えば、屋外での大量の水分センサに対する電力供給には、大容量のバッテリーや、大出力の太陽光発電システムなど多くのコストがかかる。このため、土壌の水分含有量の検出において、コスト削減のために電力消費量を削減することが求められている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、より効果的な電力消費量の削減が可能な水分センサ制御装置、水分センサ制御システム及び水分センサ制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る水分センサ制御装置は、センサ状態選択部を具備する。
上記センサ状態選択部は、農作物が植えられる土壌の環境情報と、上記土壌の水分量を検出する、上記土壌中に設置される1又は複数の水分センサの位置情報とに基づいて、上記水分センサの動作状態を制御する。
この構成によれば、土壌の環境情報と水分センサの位置との関係に基づいて、検出等が必要とされると推定される水分センサのみを稼動する等、水分センサの動作状態を制御することができるので、消費電力を削減することができる。
上記センサ状態選択部は、上記水分センサの動作状態の制御として、上記土壌の水分量を検出するための上記水分センサへの電力供給の有無及び上記水分センサによる上記土壌の水分量の検出頻度の少なくとも1つを制御してもよい。
上記水分センサは検出データを送信する通信部を有し、
上記センサ状態選択部は、上記水分センサの動作状態の制御として、上記通信部による上記水分センサの検出データの送信の有無及び上記水分センサの検出データの送信頻度の少なくとも1つを制御してもよい。
上記水分センサは、上記土壌の水分量を検出するために電磁波を用いて上記土壌の比誘電率を検出し、
上記センサ状態選択部は、上記水分センサの動作状態の制御として、上記電磁波の帯域を制御してもよい。
上記環境情報は、上記農作物の部位の位置情報及び上記土壌への水供給情報の少なくとも1つを含んでもよい。
環境データを用いて、上記環境情報を算出する環境データ処理部を更に具備してもよい。
上記環境データ処理部は、上記農作物を地上で撮像する撮像部で取得される上記環境データとしての画像データに基づき、上記農作物の部位の位置情報を算出し、
上記センサ状態選択部は、上記農作物の部位の位置情報を用い、上記農作物の部位と上記水分センサとの距離に基づいて、上記水分センサそれぞれの動作状態を制御してもよい。
上記環境データ処理部は、上記農作物の画像データから、上記農作物の地上に位置する部位の位置情報を算出してもよい。
上記環境データ処理部は、予め取得された上記農作物の成長情報を参照し、上記農作物の画像データから、上記農作物の土壌中の部位の位置情報を算出してもよい。
上記水分センサは、上記土壌の水平方向及び深さ方向のうち少なくともいずれかの方向に複数、間欠配置され、
上記センサ状態選択部は、上記環境データ処理部で推定された上記農作物の土壌中の部位の位置と上記水分センサとの距離に基づいて、上記水分センサそれぞれの動作状態を制御してもよい。
上記環境データ処理部は、上記環境データである、灌水装置による上記土壌への水供給データ、上記土壌における降雨データ、及び、上記土壌中に設置された水分センサの検出データの少なくとも1つを用いて、上記土壌への水供給情報を算出してもよい。
上記土壌への水供給情報には、上記土壌における土壌水浸透領域情報が含まれ、
上記環境データ処理部は、上記環境データである、灌水装置による上記土壌への水供給データ、上記土壌における降雨データ、及び、土壌中に設置された水分センサの検出データの少なくとも1つと、上記土壌の土壌分類及び上記土壌の土壌水移動速度の少なくとも1つとを用いて、上記土壌水浸透領域情報を算出してもよい。
上記センサ状態選択部は、複数の上記水分センサそれぞれにおいて、上記水分センサの動作状態を制御してもよい。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る水分センサ制御システムは、農作物が植えられる土壌内に設置され、上記土壌の水分量を検出する、1又は複数の水分センサと、上記土壌の環境情報と上記水分センサの位置情報とに基づいて、上記水分センサの動作状態を制御するセンサ状態選択部とを具備する。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る水分センサ制御方法は、農作物が植えられる土壌の環境情報と、上記土壌の水分量を検出する、上記土壌内に設置される1又は複数の水分センサの位置情報とに基づいて、上記水分センサの動作状態を制御する。
本技術の実施形態に係る水分センサ制御システムの概略構成模式図であり、土壌内の水分センサの設置の様子を示す模式図である。 上記水分センサ制御システムの機能構成ブロック図である。 水分センサの設置の様子を示す模式図である。 水分量測定装置の概略構成模式図である。 本技術の第1の実施形態に係る水分センサ制御方法を説明するフローチャートである。 本技術の第2の実施形態に係る水分センサ制御方法を説明するフローチャートである。 本技術の第3の実施形態に係る水分センサ制御方法を説明するフローチャートである。 本技術の第4の実施形態に係る水分センサ制御方法を説明するフローチャートである。 本技術の第5の実施形態に係る水分センサ制御方法を説明するフローチャートである。 本技術の第6の実施形態に係る水分センサ制御方法を説明するフローチャートである。 本技術の第7の実施形態に係る水分センサ制御方法を説明するフローチャートである。 本技術の第8の実施形態に係る水分センサ制御方法を説明するフローチャートである。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<水分センサ制御システムの概略構成>
図1は、本技術の一実施形態に係る水分センサ制御システムの概略構成図であり、土壌内の水分センサの設置の様子を示す模式図である。図2は、水分センサ制御システムの機能構成ブロック図である。図3は、水分センサの設置の様子を示す模式図である。図4は、水分量測定装置の概略構成模式図である。
図1において、互いに直交するXY平面は水平方向に対応する。XY平面に直交する垂直方向のZ軸は土壌の深さ方向に対応する。
図1及び2に示すように、水分センサ制御システム100は、水分量測定装置10と、制御装置6と、水分センサ制御装置7と、カメラ41と、灌水装置42と、を備える。
本実施形態では、農作物8を育成する土壌80の水分量の測定に用いる水分量測定装置10の一部を構成する水分センサ1の動作状態の制御に本技術を適用した例について説明する。水分センサ1は、土壌80中に設置される。
農作物8は田畑で作る栽培植物全般をさす。農作物8には、主に主食になる普通作物、野菜、果樹、観賞用の草花などの園芸作物、家畜の肥料に用いられる飼料作物、作物の肥料となる緑肥作物などがある。
「土壌」には、自然土壌の他、人工土壌も含まれる。
水分センサ制御システム100において、水分センサ制御装置7は、土壌80の環境情報と土壌80内における水分センサ1の位置情報に基づいて、水分センサ1の動作状態を制御する。より詳細には、水分センサ制御装置7で選択された水分センサ1の動作状態に基づいて、制御装置6が水分センサ1を制御する。
土壌80の環境情報は、土壌80に植えられている農作物8の位置情報と、土壌80への水供給情報を含む。水分センサ制御システム100において、水分センサ制御装置7は、農作物8の位置情報と土壌80への水供給情報のうち少なくとも一方と、水分センサ1の位置情報とに基づいて、水分センサ1の動作状態を制御する。
農作物8の位置情報は、例えば、カメラ41が取得する環境データとしての農作物8の画像データを用いて生成される。
土壌80への水供給情報は、環境データとしての、例えば灌水装置42の灌水データと、気象情報サービスを提供する気象サーバ9から取得する降雨データと、水分量測定装置10で算出される土壌水分量データの少なくとも1つを用いて生成される。
土壌80内における水分センサ1の位置情報は、水分センサ1の土壌中の位置を一意に示す情報である。
水分センサ1の位置情報は、例えば、水分センサを土壌80に設置する際に予め測定され後述するデータベース74に格納される。或いは、水分センサ1の位置情報は、水分センサの設置後に、測位部43及び気圧センサ44等の公知の技術によって生成され自動的に記録された位置情報であってもよい。
本実施形態では、水分センサ1の位置情報が水分センサ制御装置7のデータベース74に格納される例をあげる。
以下、詳細に説明する。
<カメラ>
撮像部としてのカメラ41は、環境データとして、農作物8の画像データを取得する。
図1及び3に示すように、カメラ41は、地上に設置される。カメラ41は、土壌80に植えられている農作物8の地上部分の画像データを取得する。カメラ41の設置数及び設置場所は、土壌面積、農作物8の種類によって適宜設定され得る。
カメラ41で取得される画像データは、後述する制御装置6のデータ取得部62により取得され、水分センサ制御装置7へ送信される。
<灌水装置>
灌水装置42は、例えばスプリンクラーや灌水ホースであり、手動又は自動で土壌80に水を供給する。
灌水装置42による土壌80への灌水及び灌注データ、言い換えると水供給データは、環境データである。
灌水装置42による土壌80への水供給データには、灌水の開始時間及び終了時間、灌水エリアが含まれる。例えば、広範の土壌80に複数の灌水装置42を設置する場合、各灌水装置による灌水タイミングが異なるように設定されることがある。この場合、時間帯によって土壌における灌水エリアが異なってくる。また、仮に同じ灌水タイミングで土壌全面に灌水が行われる場合であっても、スプリンクラーや灌水ホースの設置状態等によっては、対象の土壌全面にまんべんなく灌水が行われず、灌水エリアが偏在する場合がある。灌水エリアの情報により、対象の土壌のうち、どのエリアで灌水が行われているかを把握することができる。土壌における灌水エリアは、灌水装置の設置位置情報や灌水装置の種類によって推定することができる。
灌水装置42における土壌80への水供給データは、後述する制御装置6のデータ取得部62により取得され、水分センサ制御装置7へ送信される。
<水分量測定装置>
図1、2及び4に示すように、水分量測定装置10は、水分センサ1と、信号処理ユニット5と、を有する。
水分量測定装置10としては、通常用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、土壌の比誘電率を測定するTDR(Time Domain Reflectometry)式、FDR(Frequency Domain Reflectometry)式、ADR(Amplitude Domain Reflectometry)式のものを用いることができ、測定した比誘電率から土壌水分量を算出することができる。
水分センサ1は、土壌80の電磁波伝播特性を取得し、土壌80の比誘電率の算出に用いられる測定信号S(以下、検出データということがある。)を生成する。水分センサの詳細な構成については後述する。
信号処理ユニット5は、水分センサ1から測定信号Sを受信し、測定信号Sに基づいて土壌80中の水分量を算出する情報処理装置で構成される。水分量の算出には、例えば、Toppの式が用いられ、水分量として、土壌80の体積含水率[%]が算出される。信号処理ユニット5は、後述する水分センサ1の一部を構成する通信部32及び制御装置6の通信部60と通信可能に構成された通信部と、土壌の比誘電率、土壌水分量に関する情報等を表示可能な表示部等を備えていてもよい。信号処理ユニット5で算出された土壌水分量は、環境データとして制御装置6に送信されてもよい。
[水分センサの構成]
水分センサ1は、土壌80内に1又は複数設置される。ここでは、複数設置される例をあげる。本実施形態では、水平方向及び深さ方向(垂直方向Z)に複数の水分センサ1が間欠配置される。複数の水分センサ1の設置間隔は、想定される農作物8によって適宜設定され得るが、例えば水平方向において3m~7m程度の間隔で設置され、深さ方向において10cm~20cm程度の間隔で設置される。
図2に示すように、水分センサ1は、電源2と、測定ユニット3と、センサ部20と、測位部43と、気圧センサ44を有する。以下、各構成について説明する。
(センサ部)
図4に示すように、センサ部20は、送信用プローブ21と、受信用プローブ22とを有する。センサ部20は、土壌80の中に配置され、送信用及び受信用プローブ21,22間で所定周波数の電磁波EWを送受信することが可能なアンテナ部210,220をそれぞれ有する。
送信用プローブ21及び受信用プローブ22は、距離Dをおいて相互に対向するように土壌80中に概ね垂直な姿勢で埋め込まれる。
送信用プローブ21は、測定ユニット3の出力端子に接続され、測定ユニット3からアンテナ部210へ送信信号を伝送する。アンテナ部210は、送信用プローブ21の先端部(終端部)又はその近傍に設けられ、送信信号に応じた電磁波EWを受信用プローブ22へ送信する。
受信用プローブ22は、測定ユニット3の入力端子に接続され、アンテナ部220で電磁波EWを受信し、制御装置6へ受信信号を入力する。アンテナ部220は、送信用プローブ21のアンテナ部210と対向するように受信用プローブ22の先端部(終端部)又はその近傍に設けられる。
アンテナ部210,220は、プローブ21,22の所定位置において局所的に電磁波EWを送受信するためのものであり、典型的には、プローブ21,22を共振させない大きさで形成された微小アンテナで構成される。これにより、プローブ21,22の共振による測定精度の低下を抑制することができる。
(電源)
電源2は、水分センサ1の駆動源である。電源2には、例えば電池を用いることができるが、これに限定されない。電源2は、水分センサ1の信号生成部31及び通信部32に電力を供給する。
(測定ユニット)
測定ユニット3は、信号生成部31と、通信部32とを有する。測定ユニットは、典型的には、ネットワークアナライザで構成される。
信号生成部31は、送信用プローブ21のアンテナ部210と受信用プローブ22のアンテナ部220との間における土壌80中での電磁波EWの伝播特性に関する情報を含む測定信号Sを生成する。
信号生成部31は、制御部と、信号発生器と、位相シフタと、混合器等を有する。
制御部は、信号発生器、通信部32を含む測定ユニットの各部を制御する。
信号発生器は、所定周波数の送信信号を発生し、増幅器及び出力端子を介して、送信用プローブ21へ入力する。信号発生器は、送信信号としてパルス波(パルス信号)を生成するが、送信信号として連続波を生成するように構成されてもよい。
位相シフタは、送信信号を位相が90度異なる2つの信号に分離して混合器へ入力する。混合器は、受信用プローブ22から入力端子及び増幅器を介して入力された受信信号を、位相シフタから出力されえる2つの信号と混合して、互いに直交する2つの応答信号に変調する。これらの応答信号はAD変換器を介してアナログ信号からデジタル信号に変換されて、制御部において測定信号Sとして生成される。
通信部32は、通信用アンテナ等を含む通信モジュールで構成される。通信部32は、水分センサ1から信号処理ユニット5へ測定信号Sを無線送信するためのものである。これにより、観測地とは異なる場所に配置された信号処理ユニット5へ測定信号Sを提供することができる。これに限られず、水分センサ1は信号処理ユニット5と配線ケーブル等を介して接続されてもよい。
(測位部及び気圧センサ)
測位部43は、各水分センサ1の近傍に設けられる。測位部43は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えばGPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、水分センサ1の緯度、経度を含む位置データを生成する。
気圧センサ44は、各水分センサ1の近傍に設けられる。気圧センサ44の検出情報に基づき、水分センサ1の土壌内での深さ方向における位置データを示す深度データが生成される。
測位部43及び気圧センサ44で検出された位置データに基づいて、水分センサ1の位置情報を算出することができる。測位部43及び気圧センサ44で検出された位置データは、後述する制御装置6のデータ取得部62により取得され、水分センサ制御装置7へ送信され得る。算出された水分センサ1の位置情報は、後述するデータベース74に格納されてもよい。
<制御装置>
制御装置6は、土壌80中の複数の水分センサ1を一括して制御する。また、制御装置6は、灌水装置42、カメラ41、測位部43、気圧センサ44を制御してもよい。
制御装置6は、通信部60と、センサ制御部61と、データ取得部62と、灌水制御部63等を備える。
[制御装置の各構成の説明]
(通信部)
通信部60は、衛生通信モジュール、短距離無線モジュール等を含む。
通信部60は、データ取得部62で取得された環境データを水分センサ制御装置7へ無線送信する。
環境データには、カメラ41で取得された画像データ、測位部43及び気圧センサ44で取得された位置データ、灌水装置42における水供給データ、水分量測定装置10で算出された土壌水分量データ、水分センサ1で検出された検出データ(測定信号S)の少なくとも1つが含まれる。
通信部60は、後述する水分センサ制御装置7で算出された水分センサ1のセンサ状態情報を無線受信する。受信したセンサ状態情報は、センサ制御部61に出力される。
通信部60は、灌水装置42を制御する灌水及び灌注制御信号を無線受信してもよい。灌水及び灌注制御信号は、例えば水分センサ制御装置7で生成されるように構成してもよいし、別の情報処理装置で生成されてもよい。受信した灌水及び灌注制御信号は、灌水制御部63に出力される。
(センサ制御部)
センサ制御部61は、通信部60を介して水分センサ制御装置7から受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1の動作状態を制御する。センサ制御部61は、複数の水分センサ1それぞれを個別に制御する。水分センサ1の動作状態については後述する。
また、センサ制御部61は、カメラ41、測位部43、気圧センサ44といったセンサの検出タイミングや頻度等を制御してもよい。
(データ取得部)
データ取得部62は、通信部60を介して、環境データとして、カメラ41から画像データを取得し、測位部43及び気圧センサ44から水分センサ1の位置データを取得し、水分量測定装置10から土壌水分量データ、灌水装置42から水供給データを取得する。取得された環境データは、通信部60を介して水分センサ制御装置7に送信される。
(灌水制御部)
灌水制御部63は、通信部60を介して受信した灌水及び灌注制御信号に基づいて、灌水装置42での灌水や灌注のタイミングや頻度等が制御される。
[水分センサの動作状態]
水分センサ1の動作状態には、状態Aと状態Bがある。
状態Aは、電源2から、水分センサ1の信号生成部31及び通信部32に電力が供給され、水分センサ1での検出が行われ、信号処理ユニット5へ水分センサ1の検出データの送信が行われる状態である。検出中、検出データ(測定信号S)は随時又は所定の間隔で信号処理ユニット5に送信されてもよい。状態Aは、通信及び演算処理が行われる状態といえる。以下、状態Aを検出状態ということがある。
状態Bは、電源2から電力が供給されず検出が行われない状態である。状態Bでは、信号処理ユニット5への水分センサ1の検出データの送信は行われない。状態Bは、通信及び演算処理が行われない状態といえる。以下、状態Bを検出停止状態ということがある。
更に、状態Aには、高頻度で検出が行われる状態A1と、低頻度で検出が行われる状態A2があってもよい。本実施形態において、検出頻度とは、具体的には、測定ユニット3からアンテナ部210へ送信信号が伝送され、アンテナ部220で送信信号に応じた電磁波EWを受信し、測定ユニット3へ受信信号を入力する、という一連の検出処理が行われる頻度である。以下、状態A1を高頻度検出状態、状態A2を低頻度検出状態ということがある。
また、水分センサ1の動作状態には、状態Cと状態Dがある。
状態Cは、電源2から、水分センサ1の信号生成部31及び通信部32に電力が供給され、水分センサ1での検出が行われ、信号処理ユニット5へ水分センサ1の検出データの送信が行われる状態である。検出中、検出データは随時又は所定の間隔で信号処理ユニット5に送信されてもよい。状態Cは、通信及び演算処理が行われる状態といえる。
状態Dは、信号生成部31に電源2から水分センサの信号生成部31に電力の供給が行われて検出処理は行われるが、通信部32へは送信電力が供給されず信号処理ユニット5への水分センサ1の検出データの送信処理は行われない状態である。
換言すると、状態Cは送信電力が通信部32に供給される状態であるのに対し、状態Dは送信電力が通信部32に供給されない状態である。以下、状態Cを通信状態、状態Dを通信停止状態ということがある。
更に、状態Cには、高頻度で検出データの送信が行われる状態C1と、低頻度で検出データの送信が行われる状態C2があってもよい。以下、状態C1を高頻度通信状態、状態C2を低頻度通信状態ということがある。
<水分センサ制御装置>
水分センサ制御装置7は、環境データを用いて算出した土壌80の環境情報と、土壌内の水分センサ1の位置情報とに基づいて、水分センサ1の動作状態を選択する一連の処理を行う。
上述したように、土壌80の環境情報は、農作物8の位置情報と、土壌80への水供給情報を含む。水分センサ制御装置7は、農作物8の位置情報と土壌80への水供給情報のうち少なくとも一方と、水分センサ1の位置情報に基づいて、水分センサ1の動作状態を選択する。
水分センサ制御装置7は、通信部71と、環境データ処理部72と、センサ状態選択部73と、データベース74と、を備える。水分センサ制御装置7は、例えばクラウドサーバ等で構成される。
以下、各構成について詳細に説明する。
(通信部)
通信部71は、制御装置6を含む外部機器と通信可能に構成され、各種情報を送受信する。具体的には、通信部71は、カメラ41、測位部43、気圧センサ44、灌水装置42、水分量測定装置10、気象サーバ9それぞれから環境データを受信可能に構成される。受信した環境データは、環境データ処理部72へ出力される。
通信部71は、カメラ41から環境データとしての画像データを受信する。
通信部71は、測位部43及び気圧センサ44から、環境データとしての各水分センサ1の位置データを受信する。
通信部71は、灌水装置42から、環境データとして灌水装置42による土壌80への水供給データを受信する。
通信部71は、環境データとして、気象サーバ9から提供される、土壌が位置する場所の降雨データを受信する。降雨データから、降雨による土壌への水供給データを取得することができる。降雨データには、降雨開始時間及び終了時間、土壌における降雨エリアが含まれる。また、降雨データには、現時点の降雨データと予測される降雨データが含まれる。例えば、水分センサが設置される対象の土壌が広範である場合、同時間帯に対象の土壌全面で雨が降らず、局所的に雨が降る場合もあり得る。降雨データにより、対象の土壌のうち、どの時間帯にどのエリアで雨が降っているか、また、降雨が予測されるかを把握することができる。
(環境データ処理部)
環境データ処理部72は、通信部71を介して取得した環境データに基づいて、土壌の環境情報を算出する。算出された環境情報は、センサ状態選択部73へ通知(出力)される。
環境情報は、土壌80の環境情報やその変化情報が含まれる。
土壌80の環境情報は、農作物8の位置情報と、土壌80への水供給情報を含む。
環境データ処理部72は、通信部71を介して、カメラ41で取得された画像データを取得する。環境データ処理部72は、該画像データから農作物8の位置情報を算出する。
図4に示すように、農作物8の位置情報には、農作物8の地上に位置する葉81や茎83といった部位の位置情報と、農作物8の地中(土壌80中)に位置する根82といった部位の位置情報がある。
環境データ処理部72は、農作物8の地上に位置する部位の位置情報として、画像データから、茎83や葉81といった部位の位置情報を算出することができる。
また、環境データ処理部72は、農作物8の地上に位置する茎83や葉81の画像から、後述するデータベース74に予め格納されている農作物8の成長情報を参照して、土壌80内に位置する農作物8の部位の位置情報として、根82の伸長範囲を推定することができる。根82の伸長範囲から、根の先端位置、すなわち根82の到達位置を推定することができる。
環境データ処理部72は、通信部71を介して、灌水装置42による土壌80への水供給データ、降雨による土壌への水供給データ(降雨データ)を取得する。
環境データ処理部72は、これらデータを用いて、土壌80への水供給情報を算出する。土壌80への水供給情報は、対象土壌における水が供給されるエリア(水供給エリア)の位置を示す水分マップと、水供給エリアにおける水供給時間情報とが含まれる。水供給時間情報には、水供給開始時間と水供給停止時間、水供給時間帯等が含まれる。水分マップは、水供給エリア情報ともいえる。
ここでは、灌水装置42の水供給データ及び降雨データを用いて、土壌80への水供給情報を算出する例を挙げるが、これに限定されない。
例えば、水分センサ制御システム100の一部を構成する、土壌80内に設置される複数の水分センサ1による検出データを用いて水分マップが生成されてもよい。また、水供給情報を算出するのに用いる水分センサは、水分センサ制御システム100の一部を構成する水分センサを用いても良いし、水分センサ制御システム100とは別に設けた水分センサを用いてもよい。水分センサ制御システム100とは別に水分センサを設ける場合、該水分センサを、例えば、対象の土壌80全面に亘って、土壌80の地表面近傍に複数設け、各水分センサの設置位置情報及び各水分センサの検出データの経時変化から、水供給エリアの位置を示す水分マップと、水供給エリアにおける水供給時間情報を得ることができる。
環境データ処理部72は、通信部71を介して、灌水装置42による土壌80への水供給データ、降雨による土壌への水供給データ(降雨データ)を取得し、データベース74から土壌分類情報及び土壌水移動速度情報を取得する。環境データ処理部72は、これら情報を用いて土壌水深度を推定、算出する。土壌水深度情報は、土壌80への水供給情報に含まれる。土壌水深度は、土壌水の到達位置情報ともいえる。
推定される土壌水深度は、深さ方向における土壌水の拡がりに加え、水平方向における土壌水の拡がりも含み、土壌80中の三次元の土壌水浸透領域を指す。
降雨、灌水後の土壌水は土壌分類等の土壌環境によって浸透速度が異なる。また、常に一定方向に土壌水が浸透するとは限らず、環境データ処理部72は、土壌分類情報及び土壌水移動速度情報を用いて、現在の土壌水深度を推定する。
更に、土壌水深度情報に、土壌水浸透領域の推定経時変化が含まれてもよい。例えば、灌水や降雨等で土壌80に土壌表面から水が供給される場合、時間の経過に伴って徐々に土壌中に土壌水が広く浸透していく等、土壌水浸透領域は時間の経過によって変化する。環境データ処理部72は、土壌分類及び土壌水移動速度情報に基づいて、土壌水浸透領域の推定経時変化を算出してもよい。
環境データ処理部72は、通信部71を介して、測位部43及び気圧センサ44で検出された各水分センサ1の位置データを受信し、該位置データを用いて、土壌80内の各水分センサ1の位置情報を算出してもよい。
(センサ状態選択部)
センサ状態選択部73は、環境データ処理部72から通知された環境情報を参照し、水分センサ1それぞれの動作状態を制御する。より詳細には、センサ状態選択部73は、農作物8の位置情報と土壌80への水供給情報のうち少なくとも一方と、水分センサ1の位置情報とに基づいて、水分センサ1それぞれの動作状態を決定し、決定した動作状態で水分センサ1を制御する。
水分センサ1の位置情報として、予めデータベース74に格納されている位置情報を用いることができる。或いは、測位部43及び気圧センサ44により生成される位置データを用いて各水分センサ1の位置情報が算出されてもよい。
具体的な水分センサの動作状態の選択に係る水分センサ制御方法については後述する。
(データベース)
データベース74には、各水分センサ1の位置情報、土壌分類情報、土壌水移動速度情報、農作物の成長情報が格納される。これらの情報は予め取得され、格納され得る。
水分センサ1の位置情報は、水分センサ1の土壌中の位置を一意に示す情報である。
土壌分類情報は、制御対象の水分センサが設置される土壌の土壌分類である。
土壌水移動速度とは、土壌中の水の移動速度を指す。土壌水移動速度は土壌分類によって異なり、土壌分類毎に予め取得できる情報である。土壌水移動速度の情報を予め取得できない場合、土壌分類と水分量測定装置10で算出される土壌水分量から土壌水移動速度を推定することができる。
農作物8の成長情報は、機械学習等によって予め取得され得る。
農作物8の成長情報は、例えば、農作物8の各成長段階における、互いに紐づけられた地上に位置する茎83や葉81等の部位を含む画像データと土壌中に位置する根82の伸長範囲情報等が含まれる。データベースに格納される農作物の成長情報を参照して、農作物8の地上に位置する部分の画像データから農作物の土壌中に位置する根の伸長範囲といった根の位置情報を推定することができる。
また、農作物8の成長情報として、農作物8の地上に位置する部分の背丈、葉81の枚数、大きさ、形状、色等の葉に関する情報と、土壌中に位置する根82の伸長範囲とが互いに紐づけられて、データベースに格納されてもよい。農作物8の画像データから、農作物8の背丈や、葉領域の抽出による葉81の枚数、大きさ、形状、色等の葉に関する情報を推定することができ、該推定結果とデータベースに格納されている成長情報とから、農作物の土壌中に位置する部位の位置情報を推定することができる。
<水分センサ制御方法>
上述の水分センサ制御システム100による、水分センサの動作状態の選択処理に係る水分センサ制御方法例について、以下、各実施形態で説明する。以下の実施形態では、データベース74に予め格納されている水分センサの位置情報を用いる例をあげる。以下の各実施形態であげる水分センサの動作状態の選択処理は、例えば所定時間毎に行なわれる。尚、処理頻度は適宜設定することができる。
[第1の実施形態]
図5は、第1の実施形態に係る水分センサ制御方法のフローチャートである。図5に示す例は、農作物8の位置情報又は土壌80への水供給情報と、水分センサ1の位置情報とに基づいて、水分センサ1の動作状態を状態Aとするか状態Bとするかを制御する例である。
上述したように、状態Aは電力が供給される検出状態であり、状態Bは電力が供給されない検出停止状態である。
(農作物の位置情報と水分センサの位置情報とに基づく水分センサ動作状態の制御例)
まず、土壌80の環境情報としての農作物8の位置情報と、水分センサ1の位置情報とに基づいて、各水分センサ1の動作状態を制御する例を説明する。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6からカメラ41で取得された画像データを取得し、該画像データを用いて、農作物8の位置情報を算出する。農作物8の位置情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
本実施形態では、農作物8の部位の位置情報として、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面(XY平面)における地上に位置する茎83の位置情報を用いる例をあげる。尚、農作物8の部位の位置情報として、茎83ではなく葉81の位置情報を用いてもよい。また、農作物8の部位の位置情報として、深さ方向における土壌80内に位置する根82の位置情報を用いてもよく、他の実施形態で説明する。
図5に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、農作物8の茎83の位置情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面における水分センサ1と農作物8の茎83の距離が閾値以内であるか否かを判定する(S1)。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、状態Aを選択する(S2)。センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Bを選択する(S3)。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を介して制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図4に示す処理は水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、農作物8との距離が閾値以内にない水分センサ1を検出停止状態とすることができる。換言すると、農作物8から遠くに位置する水分センサ1が設置されるエリアの土壌水分量のモニタリングは必要でないため、該エリアに設置される水分センサでのセンシングを停止するように制御される。
一方、農作物8との距離が閾値以内にある水分センサ1、すなわち、土壌水分量のモニタリングが必要とされるエリアにある水分センサ1のみを稼動し、検出状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサを選択的に稼動することができ、水分センサ1それぞれの電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
(土壌への水供給情報と水分センサの位置情報とに基づく水分センサ動作状態の制御例)
次に、環境情報としての土壌80への水供給情報と、水分センサ1の位置情報とに基づいて、各水分センサ1の動作状態を制御する例を説明する。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6から灌水装置42の水供給データを、気象サーバ9から降雨データを取得し、これらデータを用いて土壌80への水供給情報を算出する。算出された水供給情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
水供給情報は、水供給エリア情報と水供給エリアにおける水供給時間情報が含まれる。
次に、図5に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、土壌80への水供給情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面における水分センサ1と水供給エリアの距離が閾値以内であるか否かを判定する(S1)。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、状態Aを選択する(S2)。「水分センサ1と水供給エリアの距離が閾値以内」には水供給エリア内に水分センサ1が位置する形態が含まれる。
センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Bを選択する(S3)。
ここで、土壌80に水が供給されている状態では、土壌水分量の急激な変化が予想され、該変化を追跡するために水分センサ1による検出が必要となる。一方、土壌80に水が供給されていない状態では、土壌水分量はほとんど変化しないため、水分センサ1による検出は必ずしも必要ではない。
本実施形態では、土壌水分量の変化がほとんどないと推定されるエリアに位置する水分センサ1でのセンシングを停止するように制御される。
水供給情報には、水供給エリア情報と水供給エリアにおける水供給時間情報が含まれる。言い換えると、土壌80への水供給情報には、所定の時間帯での、土壌80における、各水分センサが位置するエリアに対する水供給の有無状態の推定経時変化が含まれ得る。
該情報を用いて、センサ状態選択部73は、水分センサ1を適切なタイミングで、その動作状態を適切な状態に制御することができる。
広範の土壌に複数の水分センサを設置する場合、各水分センサが設置される場所によって、時間帯で水供給の有無状態が異なることがある。例えば、第1のエリアと第2のエリアとを有する土壌に30分灌水が行われる例をあげる。該灌水が、初めの15分は第1のエリアのみに行われ、最後の15分間は第2のエリアのみに行われる場合、エリアによって、30分という時間帯における水供給の有無状態の変化が異なる。
本実施形態では、このような場合、初めの15分は第1のエリアに位置する水分センサのみを検出状態とし、最後の15分は第2のエリアに位置する水分センサのみを検出状態とするように、各水分センサを制御することができる。すなわち、水分センサが位置するエリアに対する水供給情報に基づいて、水分センサを、適切なタイミングで、その動作状態を適切な状態に制御することができる。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を介して制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図5に示す処理は水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、水供給エリアとの距離が閾値以内にない水分センサ1を検出停止状態とする。そして、土壌80への水供給による土壌水分量の変化が急激である、又は、急激になると推定されるエリア、すなわち、土壌水分量のモニタリングが必要なエリアにある水分センサ1のみを稼動し、検出状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサを選択的に稼動して検出状態とすることができ、水分センサ1それぞれの電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
第1の実施形態では、環境情報として、農作物の位置情報及び土壌への水供給情報の一方を用いて、水分センサの動作状態を制御する例を挙げた。以下の第2~第4の実施形態では、農作物の位置情報及び土壌への水供給情報の双方を用いて、水分センサの動作状態を制御する例を挙げる。
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態に係る水分センサ制御方法のフローチャートである。図6に示す例は、農作物8の位置情報、土壌80への水供給情報、及び、水分センサ1の位置情報に基づいて、水分センサ1の動作状態を、状態A1、状態A2、状態Bの中から選択して制御する例である。
上述したように、状態A1は高頻度検出状態である。状態A2は低頻度検出状態である。状態Bは検出停止状態である。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6からカメラ41で取得された画像データを取得し、該画像データを用いて、農作物8の位置情報を算出する。農作物8の位置情報は、センサ状態選択部73へ出力される。本実施形態では、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面における茎83の位置情報を用いる例をあげる。
更に、環境データ処理部72は、制御装置6から灌水装置42の水供給データを、気象サーバ9から降雨データを取得し、これら情報を用いて土壌80への水供給情報を算出する。算出された水供給情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
次に、図6に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、農作物8の茎83の位置情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面における水分センサ1と農作物8の茎83の距離が閾値以内であるか否かを判定する(S11)。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、S12に進む。センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Bを選択する(S15)。
S12において、センサ状態選択部73は、水供給情報に基づいて、水分センサ1の位置する場所に水供給があるか否か、換言すると、水分センサ1の位置が水供給エリア内にあるか否かを判定する。
センサ状態選択部73は、水供給がある(YES)と判定すると、状態A1を選択する(S13)。水供給がある状態は、土壌水分量の急激な変化が予想される場合であり、該変化を追跡するように高頻度検出状態である状態A1が選択される。
センサ状態選択部73は、水供給がない(NO)と判定すると、状態A2を選択する(S14)。水供給がない状態は、土壌水分量の急激な変化が予想されない場合であり、低頻度検出状態である状態A2が選択される。
これにより、検出精度を向上させつつ、消費電力も削減することができる。
また、センサ状態選択部73は、所定の時間帯での、土壌80における、各水分センサが位置する場所に対する水供給の有無状態の推定経時変化(水供給情報)に基づいて、水分センサの動作状態を制御する。これにより、各水分センサ1を、適切なタイミングで、その動作状態を適切な状態へ変換する等、制御することができる。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を介して制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図6に示す処理は水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、水平面で農作物8の地上にある部位との距離が閾値以内にない水分センサ1を、検出を行わない検出停止状態とする。そして、農作物8の地上にある部位との距離が閾値以内にある水分センサ1のうち、水供給があるエリアに位置する水分センサ1を高頻度検出状態とし、水供給がないエリアに位置する水分センサ1を低頻度検出状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサを選択的に稼動して検出状態とすることができ、更に稼動する水分センサにおいて検出頻度を制御することにより、水分センサ1それぞれの電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態に係る水分センサ制御方法のフローチャートである。図7に示す例は、第2の実施形態と同様に、農作物8の位置情報、土壌80への水供給情報、及び、水分センサ1の位置情報に基づいて、水分センサ1の動作状態を、状態A1、状態A2、状態Bの中から選択して制御する例である。
第3の実施形態は、第2の実施形態と比較して、用いる農作物8の位置情報が、農作物8の土壌80中の根82の位置情報である点でのみ相違する。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6からカメラ41で取得された画像データを取得し、該画像データを用い、データベース74に格納されている農作物の成長情報を参照して、土壌80中の根の伸長範囲を推定し、根82の位置情報を算出する。農作物8の根82の位置情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
更に、環境データ処理部72は、制御装置6から灌水装置42の水供給データを、気象サーバ9から降雨データを取得し、これら情報を用いて土壌80への水供給情報を算出する。算出された水供給情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
本実施形態では、農作物8の位置情報として、農作物8の土壌80中に位置する部位である根82の位置情報を用いる例を挙げる。根82の位置情報は、例えば、土壌中の三次元空間における根82の伸長範囲として算出される。
このように、本実施形態では、農作物8の位置情報として、水平面の位置情報に加え深さ方向(垂直方向)での位置情報も加味して、各水分センサを制御する。これにより、より精度よく各水分センサのセンサ状態を制御することができ、水分センサ制御システム100全体での電力消費を削減することができる。
次に、図7に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、農作物8の根82の位置情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、水分センサ1と農作物8の根82の距離が閾値以内であるか否かを判定する(S21)。具体的には、土壌80内で根82が到達した根の到達位置である根の先端と水分センサ1との距離を用いて判定を行うことができる。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、S22に進む。センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Bを選択する(S25)。
S22において、センサ状態選択部73は、水供給情報に基づいて、水分センサ1の位置する場所に水供給があるか否か、換言すると、水分センサ1の位置が水供給エリア内にあるか否かを判定する。
センサ状態選択部73は、水供給がある(YES)と判定すると、状態A1を選択する(S23)。水供給がある状態は、土壌水分量の急激な変化が予想される場合であり、該変化を追跡するように高頻度検出状態である状態A1が選択される。
センサ状態選択部73は、水供給がない(NO)と判定すると、状態A2を選択する(S24)。水供給がない状態は、土壌水分量の急激な変化が予想されない場合であり、低頻度検出状態である状態A2が選択される。
これにより、検出精度を向上させつつ、消費電力も削減することができる。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を介して制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図7に示す処理は水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、農作物8の土壌80内にある部位との距離が閾値以内にない水分センサ1を検出停止状態とし、閾値以内にある水分センサ1のうち、水供給があるエリアに位置する水分センサ1を高頻度検出状態とし、水供給がないエリアに位置する水分センサ1を低頻度検出状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサのみを稼動して検出状態とすることができ、更に稼動する水分センサにおいて検出頻度を制御することにより、水分センサ1それぞれの電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
本実施形態では、水分センサと農作物の根との位置関係を利用することで、農作物の成長度合いに合わせた柔軟で最適な水分センサの動作状態の制御が可能となる。
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態に係る水分センサ制御方法のフローチャートである。図8に示す例は、農作物8の根82の位置情報、土壌80への水供給情報、及び、水分センサ1の位置情報に基づいて、水分センサ1の動作状態を、状態A1、状態A2、状態Bの中から選択して制御する例である。
本実施形態では、土壌80への水供給情報として土壌水浸透領域(土壌水深度情報)を用いる。本実施形態では、第3の実施形態の水供給があるか否かを判定するステップ(S22)に代わって、土壌水浸透領域と水分センサとの距離が閾値以内か否かを判定するステップを有する。
以下、説明する。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6からカメラ41で取得された画像データを取得し、該画像データを用いて、農作物8の根82の位置情報を算出する。農作物8の根82の位置情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
更に、環境データ処理部72は、制御装置6から灌水装置42の水供給データを、気象サーバ9から降雨データを、データベース74から土壌分類情報及び土壌水移動速度情報を取得し、これら情報を用いて土壌水浸透領域を推定、算出する。
算出された土壌水浸透領域情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
次に、図8に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、農作物8の根82の位置情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、水分センサ1と農作物8の根82の距離が閾値以内であるか否かを判定する(S31)。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、S32に進む。
センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Bを選択する(S35)。
S32において、センサ状態選択部73は、土壌水浸透領域と水分センサ1との距離が閾値以内であるか否かを判定する。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、状態A1を選択する(S33)。土壌水浸透領域と水分センサ1との距離が閾値以内である状態は、土壌水分量の急激な変化が予想されるエリアが水分センサの近くにあることを意味し、土壌水分量の変化を追跡するように高頻度検出状態である状態A1が選択される。
センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態A2を選択する(S34)。土壌水浸透領域と水分センサ1との距離が閾値以内でない状態は、土壌水分量の急激な変化が予想されるエリアが水分センサの遠くにあることを意味し、低頻度検出状態である状態A2が選択される。
また、センサ状態選択部73は、環境データ処理部72によって算出された、予測される土壌水浸透領域の経時変化の情報に基づいて、各水分センサ1を、適切なタイミングで、その動作状態を適切な状態へ変更する等、制御することができる。
このように、土壌水の浸透速度を基に水分センサ1の稼動タイミングを制御することにより、より細かく水分センサの動作情報を制御することができ、効率よく電力消費を削減することができる。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を介して制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図7に示す処理は水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、農作物8の土壌80中の部位との距離が閾値以内にない水分センサ1を検出停止状態とする。そして、農作物8の土壌80中の部位との距離が閾値以内にある水分センサ1のうち、土壌水浸透領域との距離が閾値以内にある水分センサ1は高頻度検出状態とし、閾値以内にない水分センサ1は低頻度検出状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサを選択的に稼動することができ、更に稼動する水分センサにおいて詳細にセンサ状態を制御することにより、水分センサ1それぞれの電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
本実施形態では、土壌水の移動に合わせて最適な水分センサの動作状態の制御が可能となる。
上記実施形態では、信号生成部31への電力供給状態を制御することによって、水分センサのセンサ部での検出の有無、検出の頻度を制御し、消費電力を低減する例をあげた。以下の第5~第8の実施形態では、水分センサで検出された検出データの送信に用いられる送信電力の通信部32への供給状態を制御することによって、消費電力を低減する例をあげる。以下、各実施形態について説明する。
[第5の実施形態]
図9は、第5の実施形態に係る水分センサ制御方法のフローチャートである。第5の実施形態は第1の実施形態と比較して、選択する水分センサの動作状態が異なるのみで、基本的なフローは同じである。
図9に示す例は、農作物8の位置情報又は土壌80への水供給情報と、水分センサ1の位置情報とに基づいて、水分センサ1の動作状態を状態Cとするか状態Dとするかを制御する例である。
上述したように、状態Cは送信電力が供給される通信状態であり、状態Dは送信電力が供給されない通信停止状態である。
(農作物の位置情報と水分センサの位置情報とに基づく水分センサ動作状態の制御例)
まず、環境情報として農作物8の位置情報と、水分センサ1の位置情報とに基づいて、各水分センサ1の動作状態を制御する例を説明する。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6からカメラ41で取得された画像データを取得し、該画像データを用いて、農作物8の位置情報を算出する。農作物8の位置情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
本実施形態では、農作物8の位置情報として、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面における茎83の位置情報を用いる例をあげる。
図9に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、農作物8の茎83の位置情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面における水分センサ1と農作物8の茎83の距離が閾値以内であるか否かを判定する(S41)。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、状態Cを選択する(S42)。
センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Dを選択する(S43)。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図9に示す処理が水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、農作物8との距離が閾値以内にない水分センサ1を通信出停止状態とする。そして、農作物8との距離が閾値以内にある水分センサ1、すなわち土壌水分量のモニタリングが必要なエリアにある水分センサ1での検出データは送信可能な通信状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサを選択的に通信状態とすることができ、水分センサ1それぞれの通信に用いられる電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
(土壌への水供給情報と水分センサの位置情報とに基づく水分センサ動作状態の制御例)
次に、環境情報として土壌80への水供給情報と、水分センサ1の位置情報とに基づいて、各水分センサ1の動作状態を制御する例を説明する。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6から灌水装置42の水供給データを、気象サーバ9から降雨データを取得し、これらデータを用いて土壌80への水供給情報を算出する。算出された水供給情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
水供給情報は、水供給エリア情報と水供給エリアにおける水供給時間情報が含まれる。
次に、図9に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、土壌80への水供給情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面における水分センサ1と水供給エリアの距離が閾値以内であるか否かを判定する(S41)。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、状態Cを選択する(S42)。センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Dを選択する(S43)。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を介して制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図9に示す処理は水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、水供給エリアとの距離が閾値以内にない水分センサ1を通信停止状態とする。そして、土壌80への水供給による土壌水分量の変化が急激である、又は、急激になると推定されるエリア、すなわち、土壌水分量のモニタリングが必要なエリアにある水分センサ1の検出データは送信可能な通信状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサを選択的に通信状態とすることができ、水分センサ1それぞれの通信に用いられる電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
第5の実施形態では、環境情報として、農作物の位置情報及び土壌への水供給情報の一方を用いて、水分センサの動作状態を制御する例を挙げた。以下の第6~第8の実施形態では、農作物の位置情報及び土壌への水供給情報の双方を用いて、水分センサの動作状態を制御する例を挙げる。
[第6の実施形態]
図10は、第6の実施形態に係る水分センサ制御方法のフローチャートである。第6の実施形態は第2の実施形態と比較して、選択する水分センサの動作状態が異なるのみで、基本的なフローは同じである。
図10に示す例は、農作物8の位置情報、土壌80への水供給情報、及び、水分センサ1の位置情報に基づいて、水分センサ1の動作状態を、状態C1、状態C2、状態Dの中から選択して制御する例である。
上述したように、状態C1は、高頻度通信状態である。状態C2は、低頻度通信状態である。状態Dは、通信停止状態である。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6からカメラ41で取得された画像データを取得し、該画像データを用いて、農作物8の位置情報を算出する。農作物8の位置情報は、センサ状態選択部73へ出力される。本実施形態では、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面における茎83の位置情報を用いる例をあげる。
更に、環境データ処理部72は、制御装置6から灌水装置42の灌水データを、気象サーバ9から降雨データを取得し、これら情報を用いて土壌80への水供給情報を算出する。算出された水供給情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
次に、図10に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、農作物8の茎83の位置情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、深さ方向に土壌を平面視したときの水平面における水分センサ1と農作物8の茎83の距離が閾値以内であるか否かを判定する(S51)。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、S52に進む。センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Dを選択する(S55)。
S52において、センサ状態選択部73は、水供給情報に基づいて、水分センサ1の位置する場所に水供給があるか否か、換言すると、水分センサ1の位置が水供給エリア内にあるか否かを判定する。
センサ状態選択部73は、水供給がある(YES)と判定すると、状態C1を選択する(S53)。センサ状態選択部73は、水供給がない(NO)と判定すると、状態C2を選択する(S54)。
このように、土壌水分量の急激な変化が予想される場合は高頻度通信状態(状態C1)とし、土壌水分量の急激な変化が予想されない場合は低頻度通信状態(状態C2)とすることにより、検出精度を向上させつつ、消費電力も削減することができる。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を介して制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図10に示す処理は水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、水平面で農作物8の地上にある部位との距離が閾値以内にない水分センサ1を、通信停止状態とする。そして、農作物8の地上にある部位との距離が閾値以内にある水分センサ1のうち、水供給があるエリアに位置する水分センサ1を高頻度通信状態とし、水供給がないエリアに位置する水分センサ1を低頻度通信状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサを選択的に通信状態とすることができ、更に通信状態とする水分センサにおいて通信頻度を制御することにより、水分センサ1それぞれの電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
[第7の実施形態]
図11は、第7の実施形態に係る水分センサ制御方法のフローチャートである。第7の実施形態は第3の実施形態と比較して、選択する水分センサの動作状態が異なるのみで、基本的なフローは同じである。
図11に示す例は、第6の実施形態と同様に、農作物8の位置情報、土壌80への水供給情報、及び、水分センサ1の位置情報に基づいて、水分センサ1の動作状態を、状態A1、状態A2、状態Bの中から選択して制御する例である。
第7の実施形態は、第6の実施形態と比較して、用いる農作物8の位置情報が、農作物8の土壌80中の根82の位置情報である点でのみ相違する。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6からカメラ41で取得された画像データを取得し、該画像データを用い、データベース74に格納されている農作物の成長情報を参照して、土壌80中の根の伸長範囲を推定し、根82の位置情報を算出する。農作物8の根28の位置情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
更に、環境データ処理部72は、制御装置6から灌水装置42の灌水データを、気象サーバ9から降雨データを取得し、これら情報を用いて土壌80への水供給情報を算出する。算出された水供給情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
本実施形態においても、第3の実施形態と同様に、水平面の位置情報に加え深さ方向での位置情報も加味して、各水分センサを制御する。これにより、より精度よく各水分センサのセンサ状態を制御することができ、水分センサ制御システム100全体での電力消費を削減することができる。
次に、図11に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、農作物8の根82の位置情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、水分センサ1と農作物8の根82の距離が閾値以内であるか否かを判定する(S61)。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、S62に進む。センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Dを選択する(S65)。
S62において、センサ状態選択部73は、水供給情報に基づいて、水分センサ1の位置する場所に水供給があるか否か、換言すると、水分センサ1の位置が水供給エリア内にあるか否かを判定する。
センサ状態選択部73は、水供給がある(YES)と判定すると、状態C1を選択する(S63)。センサ状態選択部73は、水供給がない(NO)と判定すると、状態C2を選択する(S64)。
このように、土壌水分量の急激な変化が予想される場合は高頻度通信状態(状態C1)とし、土壌水分量の急激な変化が予想されない場合は低頻度通信状態(状態C2)とすることにより、検出精度を向上させつつ、消費電力も削減することができる。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を介して制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図11に示す処理は水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、農作物8の土壌80内にある部位との距離が閾値以内にない水分センサ1を通信停止状態とする。そして、農作物8との距離が閾値以内にある水分センサ1のうち、水供給があるエリアに位置する水分センサ1を高頻度通信状態とし、水供給がないエリアに位置する水分センサ1を低頻度通信状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサを選択的に通信状態とすることができ、更に通信状態とする水分センサにおいて通信頻度を制御することにより、水分センサ1それぞれの電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
[第8の実施形態]
図12は、第8の実施形態に係る水分センサ制御方法のフローチャートである。第8の実施形態は第4の実施形態と比較して、選択する水分センサの動作状態が異なるのみで、基本的なフローは同じである。
図12に示す例は、農作物8の根82の位置情報、土壌80への水供給情報、及び、水分センサ1の位置情報に基づいて、水分センサ1の動作状態を、状態C1、状態C2、状態Dの中から選択して制御する例である。
本実施形態では、土壌80への水供給情報として土壌水浸透領域(土壌水深度情報)を用いる。本実施形態では、第7の実施形態の水供給があるか否かを判定するステップ(S62)に代わって、土壌水浸透領域と水分センサとの距離が閾値以内か否かを判定するステップを有する。
以下、説明する。
水分センサ制御に係る処理が開始すると、水分センサ制御装置7の環境データ処理部72は、制御装置6からカメラ41で取得された画像データを取得し、該画像データを用いて、農作物8の根82の位置情報を算出する。農作物8の根82の位置情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
更に、環境データ処理部72は、制御装置6から灌水装置42の水供給データを、気象サーバ9から降雨データを、データベース74から土壌分類情報及び土壌水移動速度情報を取得し、これら情報を用いて土壌水浸透領域を推定、算出する。
算出された土壌水浸透領域情報は、センサ状態選択部73へ出力される。
次に、図12に示すように、水分センサ制御装置7のセンサ状態選択部73は、農作物8の根82の位置情報と、データベース74に格納されている水分センサ1の位置情報とを用いて、水分センサ1と農作物8の根82の距離が閾値以内であるか否かを判定する(S71)。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、S72に進む。
センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態Dを選択する(S75)。
S72において、センサ状態選択部73は、土壌水浸透領域と水分センサ1との距離が閾値以内であるか否かを判定する。
センサ状態選択部73は、閾値以内である(YES)と判定すると、状態C1を選択する(S73)。センサ状態選択部73は、閾値以内でない(NO)と判定すると、状態C2を選択する(S74)。
また、センサ状態選択部73は、環境データ処理部72によって算出された、予測される土壌水浸透領域の経時変化の情報に基づいて、各水分センサ1を、適切なタイミングで、その動作状態を適切な状態へ変更する等、制御することができる。
このように、土壌水の浸透速度を基に水分センサ1の稼動タイミングを制御することにより、より細かく水分センサの動作情報を制御することができ、効率よく電力消費を削減することができる。
選択されたセンサ状態情報は、通信部71を介して制御装置6に送信される。制御装置6のセンサ制御部61は、受信したセンサ状態情報に基づいて、水分センサ1を制御する。図12に示す処理は水分センサ1毎に行われる。
このように、本実施形態では、農作物8の土壌80中の部位との距離が閾値以内にない水分センサ1を、送信停止状態とする。そして、農作物8の土壌80中の部位との距離が閾値以内にある水分センサ1のうち、土壌水浸透領域との距離が閾値以内にある水分センサ1は高頻度通信状態とし、閾値以内にない水分センサ1は低頻度通信状態とする。
これにより、複数の水分センサのうち、土壌水分量のモニタリングが必要と推定されるエリアにある水分センサを選択的に通信状態とすることができ、更に通信状態とする水分センサの通信頻度を制御することにより、水分センサ1それぞれの電力消費の削減が可能となるとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費も削減できる。
本実施形態では、土壌水の移動に合わせて最適な水分センサの動作状態の制御が可能となる。
[他の実施形態]
第1及び第5の実施形態においては、それぞれ、動作状態として、検出の有無、通信の有無を選択する例をあげたが、それぞれ、検出頻度、通信頻度を選択するようにしてもよい。この場合、図5に示す第1の実施形態のフローチャートにおいて、状態Aが状態A1に、状態Bが状態A2に代わる。図9に示す第5の実施形態のフローチャートにおいて、状態Cが状態C1に、状態Dが状態C2に代わる。
また、上述の実施形態においては、水分センサの動作状態を、検出の観点で動作状態A、B、A1、A2から選択する、又は、通信の観点で動作状態C、D、C1、C2から選択する例をあげたが、これらに限定されない。
一例として、水分センサ1の検出時に用いる電磁波の周波数帯域の観点で水分センサ1の動作状態を選択してもよい。例えば、第1の実施形態において、状態Aの代わりに、電磁波の周波数帯域を変更しない通常状態とし、状態Bの代わりに、電磁波の周波数帯域を通常状態よりも狭める変更をする状態としてもよい。周波数帯域を狭めることにより、消費電力を削減することができる。周波数帯域を狭めることにより、検出精度は下がるものの、土壌水分量のモニタリングの必要性が相対的に低いエリアにある水分センサ1に対して狭い周波数帯域の電磁波を用いるので、検出精度低下による影響を受けにくい。このように検出に用いる電磁波の周波数帯域の観点で水分センサの動作状態を選択してもよい。
また、上述の実施形態では、便宜的に、検出の観点からみた動作状態と通信の観点からみた動作状態とを分けて水分センサの動作状態を選択、制御する例を挙げた。検出の観点からみた動作状態、通信の観点からみた動作状態、電磁波の周波数帯域の観点からみた動作状態から少なくとも2つを組み合わせて用いて水分センサの動作状態を選択することも可能である。
尚、各観点での動作状態の制御は、いずれも消費電力が異なる動作状態の制御であるといえる。
例えば、第2~第4の各実施形態において、状態A1において高頻度の検出に加えて高頻度の通信を行い、状態A2において低頻度の検出に加えて低頻度の通信を行うようにしてもよい。このように検出と通信の双方の観点を組み合わせて動作状態を制御してもよい。
他の例として、第2~第4の各実施形態において、状態A1において高頻度の検出に加えて、通常状態の周波数帯域の電磁波を用いた検出を行い、状態A2において低頻度の検出に加えて通常状態よりも狭めた周波数帯域の電磁波を用いた検出を行うようにしてもよい。このように検出と電磁波の周波数帯域の双方の観点を組み合わせて動作状態を制御してもよい。
他の例として、第2~第4の各実施形態において、状態A1において、高頻度の検出に加えて、該検出を通常状態の周波数帯域の電磁波を用いて行い、更に高頻度の通信を行う。そして、状態A2において、低頻度の検出に加えて、該検出を通常状態よりも狭めた周波数帯域の電磁波を用いて行い、更に低頻度の通信を行うようにしてもよい。このように検出、通信、及び、電磁波の周波数帯域の観点を組み合わせて動作状態を制御してもよい。
他の例として、第6~第8の各実施形態において、状態C1において高頻度の通信に加えて、通常状態の周波数帯域の電磁波を用いた検出を行い、状態C2において低頻度の通信に加えて通常状態よりも狭めた周波数帯域の電磁波を用いた検出を行うようにしてもよい。このように通信と電磁波の周波数帯域の双方の観点を組み合わせて動作状態を制御してもよい。
また、他の例として、第5~第8の各実施形態において、状態Dを、検出のための電力供給が行われるが、送信電力が供給されない状態であるとしたが、第1~第4の実施形態の状態Bと同様に、検出のための電力供給が行われない状態としてもよい。このように、通信と検出の双方の観点を組み合わせて動作状態を制御してもよい。
ここに挙げた例は、いずれにおいても、土壌の環境情報と水分センサの位置情報とから、水分センサを適した動作状態にて制御することができ、消費電力の削減が可能である。
以上のように、各実施形態では、農作物8の環境情報と水分センサ1の位置情報との関係に基づいて、水分センサの動作状態を制御している。これにより、個々の水分センサの電力消費を削減するとともに、水分センサ制御システム100全体での電力消費を削減することができ、ひいてはコスト削減が可能である。例えば電源として電池を用いる場合、電池寿命を延ばすことができ、電池の交換頻度を減らすことができる。更に、土壌の水分含有量に応じて適切な頻度やタイミングでの灌注作業及び灌水作業を行うことができる。
本技術は、広い面積の土壌に複数の水分センサが設置されている場合に特に有効であり、システム全体での電力消費の削減が可能となる。
また、より適切な頻度やタイミングでの灌注作業及び灌水作業を行うために、検出精度の高い水分センサを用いることが望まれる。例えば、検出精度は高いが、消費電力が高い水分センサを用いる場合、本技術は特に有効であり、用いる水分センサの選択肢を広げることができる。
本技術の適用例として、例えば、広い面積の土壌に予め複数の水分センサを設置し、あとから該土壌に任意の農作物を植えるような量産システムに適用することが想定される。また、予め農作物が植えてある土壌に水分センサを設置してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上述の実施形態では、複数の水分センサが土壌に設置される例をあげたが、1つでも本技術を適用することができ、消費電力の削減が可能である。
また、例えば、上記実施形態では、複数の水分センサが、土壌内に水平方向及び深さ方向(垂直方向)に間欠配置される例をあげたが、水平方向にのみ複数の水分センサが配置されてもよいし、深さ方向にのみ複数の水分センサが配置されてもよい。いずれの場合においても、本技術を適用することができる。
また、上述の実施形態においては、例えば、センサ状態選択部、データベース、環境データ処理部が、水分量測定装置や制御装置とは異なる情報処理装置であるサーバ(水分センサ制御装置)で構成される例をあげたが、これに限定されない。
一例として、センサ状態選択部、データベース、環境データ処理部の少なくとも1つが、情報処理装置としての水分量測定装置や制御装置に設けられていてもよい。
また、他の例として、信号処理ユニット5が、制御装置6にあってもよい。
水分センサ制御システム100は、1又は複数の情報処理装置によって構成することができ、システム全体で、水分センサ制御システム100を構成するセンサ状態選択部といった機能構成要素があればよく、水分センサ制御システム全体での電力消費が削減できる。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
農作物が植えられる土壌の環境情報と、上記土壌の水分量を検出する、上記土壌中に設置される1又は複数の水分センサの位置情報とに基づいて、上記水分センサの動作状態を制御するセンサ状態選択部を具備する
水分センサ制御装置。
(2)
上記(1)に記載の水分センサ制御装置であって、
上記センサ状態選択部は、上記水分センサの動作状態の制御として、上記土壌の水分量を検出するための上記水分センサへの電力供給の有無及び上記水分センサによる上記土壌の水分量の検出頻度の少なくとも1つを制御する
水分センサ制御装置。
(3)
上記(1)又は(2)に記載の水分センサ制御装置であって、
上記水分センサは検出データを送信する通信部を有し、
上記センサ状態選択部は、上記水分センサの動作状態の制御として、上記通信部による上記水分センサの検出データの送信の有無及び上記水分センサの検出データの送信頻度の少なくとも1つを制御する
水分センサ制御装置。
(4)
上記(1)~(3)いずれか1つに記載の水分センサ制御装置であって、
上記水分センサは、上記土壌の水分量を検出するために電磁波を用いて上記土壌の比誘電率を検出し、
上記センサ状態選択部は、上記水分センサの動作状態の制御として、上記電磁波の帯域を制御する
水分センサ制御装置。
(5)
上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の水分センサ制御装置であって、
上記環境情報は、上記農作物の部位の位置情報及び上記土壌への水供給情報の少なくとも1つを含む
水分センサ制御装置。
(6)
上記(5)に記載の水分センサ制御装置であって、
環境データを用いて、上記環境情報を算出する環境データ処理部を更に具備する
水分センサ制御装置。
(7)
上記(6)に記載の水分センサ制御装置であって、
上記環境データ処理部は、上記農作物を地上で撮像する撮像部で取得される上記環境データとしての画像データに基づき、上記農作物の部位の位置情報を算出し、
上記センサ状態選択部は、上記農作物の部位の位置情報を用い、上記農作物の部位と上記水分センサとの距離に基づいて、上記水分センサそれぞれの動作状態を制御する
水分センサ制御装置。
(8)
上記(7)に記載の水分センサ制御装置であって、
上記環境データ処理部は、上記農作物の画像データから、上記農作物の地上に位置する部位の位置情報を算出する
水分センサ制御装置。
(9)
上記(7)に記載の水分センサ制御装置であって
上記環境データ処理部は、予め取得された上記農作物の成長情報を参照し、上記農作物の画像データから、上記農作物の土壌中の部位の位置情報を算出する
水分センサ制御装置。
(10)
上記(9)に記載の水分センサ制御装置であって、
上記水分センサは、上記土壌の水平方向及び深さ方向のうち少なくともいずれかの方向に複数、間欠配置され、
上記センサ状態選択部は、上記環境データ処理部で推定された上記農作物の土壌中の部位の位置と上記水分センサとの距離に基づいて、上記水分センサそれぞれの動作状態を制御する
水分センサ制御装置。
(11)
上記(6)~(10)のいずれか1つに記載の水分センサ制御装置であって、
上記環境データ処理部は、上記環境データである、灌水装置による上記土壌への水供給データ、上記土壌における降雨データ、及び、上記土壌中に設置された水分センサの検出データの少なくとも1つを用いて、上記土壌への水供給情報を算出する
水分センサ制御装置。
(12)
上記(6)~(11)のいずれか1つに記載の水分センサ制御装置であって、
上記土壌への水供給情報には、上記土壌における土壌水浸透領域情報が含まれ、
上記環境データ処理部は、上記環境データである、灌水装置による上記土壌への水供給データ、上記土壌における降雨データ、及び、土壌中に設置された水分センサの検出データの少なくとも1つと、上記土壌の土壌分類及び上記土壌の土壌水移動速度の少なくとも1つとを用いて、上記土壌水浸透領域情報を算出する
水分センサ制御装置。
(13)
上記(1)~(12)のいずれか1つに記載の水分センサ制御装置であって、
上記センサ状態選択部は、複数の上記水分センサそれぞれにおいて、上記水分センサの動作状態を制御する
水分センサ制御装置。
(14)
農作物が植えられる土壌内に設置され、上記土壌の水分量を検出する、1又は複数の水分センサと、
上記土壌の環境情報と上記水分センサの位置情報とに基づいて、上記水分センサの動作状態を制御するセンサ状態選択部とを具備する
水分センサ制御システム。
(15)
農作物が植えられる土壌の環境情報と、上記土壌の水分量を検出する、上記土壌内に設置される1又は複数の水分センサの位置情報とに基づいて、上記水分センサの動作状態を制御する
水分センサ制御方法。
(16)
農作物が植えられる土壌内に設置され、上記土壌の水分量を検出する水分センサであって、
上記土壌の環境情報と上記水分センサの位置情報とに基づいて動作状態が制御される
水分センサ。
1…水分センサ
7…水分センサ制御装置
8…農作物
81…葉(農作物の地上に位置する部位)
82…根(農作物の土壌中に位置する部位)
83…茎(農作物の地上に位置する部位)
31…通信部
41…カメラ(撮像部)
42…灌水装置
72…環境データ処理部
73…センサ状態選択部
80…土壌
100…水分センサ制御システム

Claims (15)

  1. 農作物が植えられる土壌の環境情報と、前記土壌の水分量を検出する、前記土壌中に設置される1又は複数の水分センサの位置情報とに基づいて、前記水分センサの動作状態を制御するセンサ状態選択部を具備する
    水分センサ制御装置。
  2. 請求項1に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記センサ状態選択部は、前記水分センサの動作状態の制御として、前記土壌の水分量を検出するための前記水分センサへの電力供給の有無及び前記水分センサによる前記土壌の水分量の検出頻度の少なくとも1つを制御する
    水分センサ制御装置。
  3. 請求項1に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記水分センサは検出データを送信する通信部を有し、
    前記センサ状態選択部は、前記水分センサの動作状態の制御として、前記通信部による前記水分センサの検出データの送信の有無及び前記水分センサの検出データの送信頻度の少なくとも1つを制御する
    水分センサ制御装置。
  4. 請求項1に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記水分センサは、前記土壌の水分量を検出するために電磁波を用いて前記土壌の比誘電率を検出し、
    前記センサ状態選択部は、前記水分センサの動作状態の制御として、前記電磁波の帯域を制御する
    水分センサ制御装置。
  5. 請求項1に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記環境情報は、前記農作物の部位の位置情報及び前記土壌への水供給情報の少なくとも1つを含む
    水分センサ制御装置。
  6. 請求項5に記載の水分センサ制御装置であって、
    環境データを用いて、前記環境情報を算出する環境データ処理部を更に具備する
    水分センサ制御装置。
  7. 請求項6に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記環境データ処理部は、前記農作物を地上で撮像する撮像部で取得される前記環境データとしての画像データに基づき、前記農作物の部位の位置情報を算出し、
    前記センサ状態選択部は、前記農作物の部位の位置情報を用い、前記農作物の部位と前記水分センサとの距離に基づいて、前記水分センサそれぞれの動作状態を制御する
    水分センサ制御装置。
  8. 請求項7に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記環境データ処理部は、前記農作物の画像データから、前記農作物の地上に位置する部位の位置情報を算出する
    水分センサ制御装置。
  9. 請求項7に記載の水分センサ制御装置であって
    前記環境データ処理部は、予め取得された前記農作物の成長情報を参照し、前記農作物の画像データから、前記農作物の土壌中の部位の位置情報を算出する
    水分センサ制御装置。
  10. 請求項9に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記水分センサは、前記土壌の水平方向及び深さ方向のうち少なくともいずれかの方向に複数、間欠配置され、
    前記センサ状態選択部は、前記環境データ処理部で推定された前記農作物の土壌中の部位の位置と前記水分センサとの距離に基づいて、前記水分センサそれぞれの動作状態を制御する
    水分センサ制御装置。
  11. 請求項6に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記環境データ処理部は、前記環境データである、灌水装置による前記土壌への水供給データ、前記土壌における降雨データ、及び、前記土壌中に設置された水分センサの検出データの少なくとも1つを用いて、前記土壌への水供給情報を算出する
    水分センサ制御装置。
  12. 請求項6に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記土壌への水供給情報には、前記土壌における土壌水浸透領域情報が含まれ、
    前記環境データ処理部は、前記環境データである、灌水装置による前記土壌への水供給データ、前記土壌における降雨データ、及び、土壌中に設置された水分センサの検出データの少なくとも1つと、前記土壌の土壌分類及び前記土壌の土壌水移動速度の少なくとも1つとを用いて、前記土壌水浸透領域情報を算出する
    水分センサ制御装置。
  13. 請求項1に記載の水分センサ制御装置であって、
    前記センサ状態選択部は、複数の前記水分センサそれぞれにおいて、前記水分センサの動作状態を制御する
    水分センサ制御装置。
  14. 農作物が植えられる土壌内に設置され、前記土壌の水分量を検出する、1又は複数の水分センサと、
    前記土壌の環境情報と前記水分センサの位置情報とに基づいて、前記水分センサの動作状態を制御するセンサ状態選択部とを具備する
    水分センサ制御システム。
  15. 農作物が植えられる土壌の環境情報と、前記土壌の水分量を検出する、前記土壌内に設置される1又は複数の水分センサの位置情報とに基づいて、前記水分センサの動作状態を制御する
    水分センサ制御方法。
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