JP2022108683A - 温度調整システム - Google Patents

温度調整システム Download PDF

Info

Publication number
JP2022108683A
JP2022108683A JP2021003817A JP2021003817A JP2022108683A JP 2022108683 A JP2022108683 A JP 2022108683A JP 2021003817 A JP2021003817 A JP 2021003817A JP 2021003817 A JP2021003817 A JP 2021003817A JP 2022108683 A JP2022108683 A JP 2022108683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
pump
medium
llc
heat exchanger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021003817A
Other languages
English (en)
Inventor
拓実 佐藤
Takumi Sato
大裕 竹内
Daiyu Takeuchi
哲 本澤
Satoshi Motozawa
太郎 木村
Taro Kimura
浩太 井上
Kota Inoue
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2021003817A priority Critical patent/JP2022108683A/ja
Publication of JP2022108683A publication Critical patent/JP2022108683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Abstract

【課題】2つの異なる冷却回路の冷媒同士を1つの熱交換器で熱交換可能であって、故障検知のための特別なセンサを設けなくても、熱交換器の故障を検出することができる温度調整システムを提供する。【解決手段】温度調整システム1は、LLC循環回路10と、ATF循環回路20と、LLCとATFとで熱交換を行う熱交換器40と、制御部50と、を備える。制御部50の異常検出部52は、LLC用ポンプ11を一定の回転数で回転させているときLLC用ポンプ11の供給電流に基づいて熱交換器40の異常を検出するか、LLC用ポンプ11を一定の電力で回転させているときLLC用ポンプ11の回転数に基づいて、熱交換器40の異常を検出するか、又は、LLCの実際の温度と推定温度に基づいて熱交換器40の異常を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用の温度調整システムに関する。
近年、2つの異なる冷却回路の冷媒同士を1つの熱交換器で熱交換可能に構成した温度調整システムが開発されている。例えば、ATF(Automatic Transmission Fluid)と呼ばれる油液が循環する冷却回路と、LLC(Long Life Coolant)と呼ばれるアルコール液が循環する冷却回路と、に跨って熱交換器が設けられた温度調整システムでは、本来、ATFとLLCとが混ざり合うことがない。
しかしながら、熱交換器が故障した場合に、ATFとLLCとが混ざり合う虞がある。ATFとLLCとが混ざり合うと通電液となって、例えばモータ等で短絡発生する虞がある。
特許文献1には、「回転電機及びインバータを冷却する冷却システムは、冷却液の循環路、循環路に冷却液を循環させるウォータポンプ、及びラジエータを備える。ECUは、循環路においてインバータへの冷却液の入口付近に設けられた液温センサから取得した冷却液温と、ウォータポンプの実回転数と、に基づいて、冷却システムにおいて発生した異常の種類を判断する。」ことが記載されている。
特開2008-256313号公報
しかしながら、特許文献1に記載の異常検出方法は、2つの異なる冷却回路の冷媒同士を1つの熱交換器で熱交換可能に構成した温度調整システムにそのまま適用することはできない。また、故障検知のための特別なセンサを設けることも考えられるが、このようなセンサは、コストの増加、システムサイズの増加を招く。
本発明は、2つの異なる冷却回路の冷媒同士を1つの熱交換器で熱交換可能であって、故障検知のための特別なセンサを設けなくても、熱交換器の故障を検出することができる温度調整システムを提供する。
本発明は、
第1媒体を循環させるポンプが設けられた第1回路と、
前記第1媒体とは異なる第2媒体が循環する第2回路と、
前記第1媒体と前記第2媒体とで熱交換を行う熱交換器と、
前記ポンプを制御する制御部と、
前記ポンプの供給電流、供給電圧、及び供給電力の少なくとも一つの値を検出する供給値検出部と、を備える、温度調整システムであって、
前記制御部は、
前記ポンプを一定の回転数で回転させているとき、前記少なくとも一つの値に基づいて、前記熱交換器の異常を検出する異常検出部と、を備える。
また、本発明は、
第1媒体を循環させるポンプが設けられた第1回路と、
前記第1媒体とは異なる第2媒体が循環する第2回路と、
前記第1媒体と前記第2媒体との熱交換を行う熱交換器と、
前記ポンプを制御する制御部と、
前記ポンプの回転数を検出する回転数検出部と、を備える、温度調整システムであって、
前記制御部は、
前記ポンプを一定の電力で回転させているとき、前記回転数に基づいて、前記熱交換器の異常を検出する異常検出部と、を備える。
また、本発明は、
第1媒体を循環させるポンプが設けられた第1回路と、
前記第1媒体とは異なる第2媒体が循環する第2回路と、
前記第1媒体と前記第2媒体との熱交換を行う熱交換器と、
前記ポンプを制御する制御部と、
前記第1媒体の温度を検出する温度検出部と、を備える、温度調整システムであって、
前記制御部は、
前記第1媒体の推定温度を算出する温度推定部と、
前記温度と前記推定温度に基づいて、前記熱交換器の異常を検出する異常検出部と、を備える。
本発明によれば、故障検知のための特別なセンサを設けなくても、異常検出部によって、この第1媒体と第2媒体との混入に伴う事象に基づいて、熱交換器の異常を検出することができる。
第1態様の温度調整システム1の構成を示す回路図である。 第1態様の温度調整システム1の異常検出処理のフロー図である。 第2態様の温度調整システム1の構成を示す回路図である。 第2態様の温度調整システム1の異常検出処理のフロー図である。 第3態様の温度調整システム1の構成を示す回路図である。 第3態様の温度調整システム1の異常検出処理のフロー図である。
以下、本発明の温度調整システムの一実施形態について、図1~図6を参照して説明する。
[温度調整システム]
図1、3、5に示すように、温度調整システム1は、LLC(Long Life Coolant)を循環させるLLC循環回路10と、ATF(Automatic Transmission Fluid)を循環させるATF循環回路20と、LLC循環回路10及びATF循環回路20を制御する制御部50と、を備える。
LLC循環回路10は、LLCを循環させるLLC用ポンプ11と、例えば電動車両に搭載されるインバータ、コンバータなどの電力変換機器31を冷却する電力変換機器冷却部12と、ラジエータ13と、を備え、LLC用ポンプ11によってLLCが循環し、電力変換機器31を冷却する。LLCは、アルコールを含むアルコール液である。
ATF循環回路20は、ATF(Automatic Transmission Fluid)を循環させるATF用ポンプ21と、例えば電動車両に搭載されるモータ、ジェネレータなどの回転電機32を冷却する回転電機冷却部22と、を備え、ATF用ポンプ21によってATFが循環し、回転電機32を冷却する。ATF(Automatic Transmission Fluid)は、油を主成分とする油液である。
また、LLC循環回路10及びATF循環回路20には、熱交換器40が設けられ、LLC循環回路10を流れるLLCと、ATF循環回路20を流れるATFとで熱交換可能に構成される。なお、熱交換器40は、LLCが流れる流路とATFが流れる流路が独立しており、LLCとATFとが混ざり合わないように構成される。
上記したように熱交換器40は、通常、LLCとATFとが混ざり合わないように構成されるが、熱交換器40の故障によりLLCとATFとが混ざり合う可能性がある。LLCとATFとは、動粘度、熱容量などの物性値の異なる液体であり、LLCとATFとが所定量以上混ざり合うと、混合液が通電液となって回転電機32などで短絡が発生する場合がある。
以下、温度調整システム1の制御部50及び制御部50で実行される熱交換器40の異常検出処理について説明する。
制御部50は、LLC用ポンプ11及びATF用ポンプ21を制御するポンプ制御部51と、熱交換器40の異常を検出する異常検出部52と、を備える。
ポンプ制御部51には、イグニッションスイッチからのオン・オフ信号、回転電機32の温度情報、車両の速度情報等の各種情報が入力され、状況に応じてLLC用ポンプ11及びATF用ポンプ21を駆動する。ポンプ制御部51は、LLC用ポンプ11及びATF用ポンプ21を一定の回転数で回転させる回転数制御、LLC用ポンプ11及びATF用ポンプ21を一定の電力で回転させる定電力制御、などが可能となっている。
異常検出部52は、熱交換器40の異常を検出する。以下では、異常検出部52による3つの態様(第1態様~第3態様)による異常検出処理について説明する。
LLCのようなアルコール液とATFのような油液とが混ざり合うと、液体が乳化し、動粘度が増加する。熱交換器40が故障してLLCとATFとが混ざり合った時、液面の増減はないものの動粘度が増加するため、LLC用ポンプ11及びATF用ポンプ21への負荷が増加する。
ポンプが液体を循環させる機能は、ポンプへ供給する電力によって決まるため、ポンプの負荷が増加すると、ポンプを一定の回転数で動作させている場合はポンプへの供給電流が増加する。一方、ポンプを一定の電力で動作させている場合はポンプの回転数が減少する。
(第1形態)
LLC循環回路10には、図1に示すように、LLC用ポンプ11及びATF用ポンプ21への供給電力を検出する電流センサ34が設けられる。
第1形態の異常検出部52は、ポンプ制御部51がLLC用ポンプ11を一定の回転数で回転させているとき、電流センサ34を利用してLLC用ポンプ11への供給電流を監視し、供給電流が上限電流閾値を超える場合に、LLCとATFとが混ざり合ったと判定し、熱交換器40の異常を判定する。
一方、LLCとATFの混入ではなく、LLCの漏出が発生した場合、LLC用ポンプ11の負荷が減少するため、LLC用ポンプ11への供給電流が減少する。したがって異常検出部52は、ポンプ制御部51がLLC用ポンプ11を一定の回転数で回転させているとき、LLC用ポンプ11への供給電流を監視し、供給電流が下限電流閾値を下回った場合に、LLCが漏出したと判定し、熱交換器40の異常を判定してもよい。
図2は、第1形態の異常検出処理のフロー図である。
先ず、ポンプ制御部51がLLC用ポンプ11を一定の回転数で回転させる(S10)。異常検出部52は、電流センサ34を用いてLLC用ポンプ11への供給電力を取得する(S11)。異常検出部52は、供給電力が上限電流閾値を超えるか否かを判定し(S12)、供給電力が上限電流閾値を超えた場合、LLCとATFとが混ざり合ったと判定し、熱交換器40の異常を判定する(S13)。一方、ステップS12において、供給電力が上限電流閾値を超えない場合、続いて、異常検出部52は、供給電力が下限電流閾値を下回ったかどうかを判定し(S14)、供給電力が下限電流閾値を下回った場合、LLCが漏出したと判定し、熱交換器40の異常を判定する(S15)。ステップS14において、異常検出部52は、供給電力が下限電流閾値以上の場合、熱交換器40が正常であると判定する(S16)。
また、異常検出部52は、ポンプ制御部51がATF用ポンプ21を一定の回転数で回転させているとき、ATF用ポンプ21への供給電流を監視し、供給電流が上限電流閾値を超える場合に、LLCとATFとが混ざり合ったと判定し、供給電流が下限電流閾値を下回った場合に、ATFが漏出したと判定し、熱交換器40の異常を判定してもよい。
なお、第1形態において、異常検出部52は、供給電流の代わりに、供給電圧、又は供給電力を監視し、これら供給電圧又は供給電力に基づいて、熱交換器40の異常を判定してもよい。
(第2形態)
第2実施形態のLLC循環回路10には、図3に示すように、LLC用ポンプ11及びATF用ポンプ21回転数を検出する回転数センサ35が設けられる。
第2形態の異常検出部52は、ポンプ制御部51がLLC用ポンプ11を一定の電力で回転させているとき、回転数センサ35を利用してLLC用ポンプ11の回転数を監視し、LLC用ポンプ11の回転数が下限回転数閾値を下回った場合に、LLCとATFとが混ざり合ったと判定し、熱交換器40の異常を判定する。
一方、LLCとATFの混入ではなく、LLCの漏出が発生した場合、LLC用ポンプ11の負荷が減少するため、LLC用ポンプ11の回転数が増加する。したがって異常検出部52は、ポンプ制御部51がLLC用ポンプ11を一定の電力で回転させているとき、LLC用ポンプ11の回転数が上限回転数閾値を超える場合に、LLCが漏出したと判定し、熱交換器40の異常を判定してもよい。
図4は、第2形態の異常検出処理のフロー図である。
先ず、ポンプ制御部51がLLC用ポンプ11を一定の電力で回転させる(S20)。異常検出部52は、回転数センサ35を用いてLLC用ポンプ11の回転数を取得する(S21)。異常検出部52は、回転数が下限回転数閾値を下回ったか否かを判定し(S22)、回転数が下限回転数閾値を下回った場合、LLCとATFとが混ざり合ったと判定し、熱交換器40の異常を判定する(S23)。一方、ステップS12において回転数が下限回転数閾値を下回わらない場合、続いて、異常検出部52は、回転数が上限回転数閾値を超えたかどうかを判定し(S24)、回転数が上限回転数閾値を超えた場合、LLCが漏出したと判定し、熱交換器40の異常を判定する(S25)。ステップS24において、異常検出部52は、回転数が上限回転数閾値以下の場合、熱交換器40が正常であると判定する(S26)。
また、異常検出部52は、ポンプ制御部51がATF用ポンプ21を一定の電力で回転させているとき、ATF用ポンプ21の回転数を監視し、ATF用ポンプ21の回転数が下限回転数閾値を下回った場合に、LLCとATFとが混ざり合ったと判定し、ATF用ポンプ21の回転数が上限回転数閾値を超える場合に、ATFが漏出したと判定し、熱交換器40の異常を判定してもよい。
(第3形態)
第1形態及び第2形態では、LLCとATFとの混入による動粘度の変化に基づいて異常検出したが、第3形態では主としてLLCとATFとの混入による熱容量の変化に基づいて異常検出する。
即ち、LLCとATFとの混入によって検出対象の液体の熱容量が変化すると、液体の実際の温度と、冷却によって理論的に算出される推定温度との間に乖離が発生する。
第3形態の制御部50は、図5に示すように、LLC用ポンプ11及びATF用ポンプ21を制御するポンプ制御部51と、熱交換器40の異常を検出する異常検出部52と、LLCの推定温度TLLC n+1を算出する温度推定部53と、を備える。
また、LLC循環回路10には、LLC循環回路10の複数箇所でLLCの温度を検出する温度センサ33が設けられ、温度推定部53には、温度センサ33で検出されたLLCの温度が入力される。電力変換機器31は、チップを含み、チップの発熱が電力変換機器31の温度上昇に影響を与える。
温度推定部53は、(A)電力変換機器31(電力変換機器冷却部12)にて熱交換される熱量MPCU_n、(B)ラジエータ13で熱交換される熱量MRAD_n 、(C)熱交換器40にて熱交換される熱量MATFC_n、及び(D)ラジエータ13と電力変換機器31を繋ぐ配管からの自然放熱Mn_n、の少なくとも一つに基づいて、LLCの推定温度TLLC_n+1を算出する。温度推定部53は、上記した熱量のうちLLCの温度に影響の大きい熱量のみを抽出して推定温度を算出してもよく、全ての熱量に基づいて推定温度を算出してもよい。
上記した各熱量は、以下の例によって算出され得る。なお、熱量を算出する計算式等は以下に限定されるものではない。なお、以下の式においてnは整数でありサンプリングの回数を示す。例えば、MRAD_nはn回目のサンプリング時の電力変換機器31にて交換される熱量であり、MRAD_1は電力変換機器31にて交換される熱量の初期値である。
(A)電力変換機器31(電力変換機器冷却部12)にて熱交換される熱量MPCU_n
電力変換機器31(電力変換機器冷却部12)にて熱交換される熱量MPCU_nは、以下の(1)~(2)式から導出される。
1回目の検出時の電力変換機器31(電力変換機器冷却部12)の熱交換量MPCU_1は、(1)式から得られる。
Figure 2022108683000002
PCU_1:1回目検出時の電力変換機器31(電力変換機器冷却部12)の熱交換量[W]
C_1:1回目検出時のチップの温度[K]
LLC_1:1回目検出時のLLC温度[K]
PCU_1:1回目検出時の電力変換機器31(電力変換機器冷却部12)の熱抵抗[K/W]
LLC温度TLLCの初期値TLLC_1のみ、LLC循環回路10内の温度センサの検出値を用いる。例えば、ラジエータの入力側に設けられた温度センサ33が、それに該当する。チップ温度TC_1は、温度センサを有するチップを用いることで、その温度は検出される。チップ周辺の熱抵抗の初期値RPM_1は実験結果より予め設定される。
n回目の検出時の電力変換機器31(電力変換機器冷却部12)の熱交換量MPCU_nは(2)式から導出される。但し、TLLC_nについては、n≧2以降は、後に記述されている(11)式の左辺を参照するものとする。
Figure 2022108683000003
(B)ラジエータで熱交換される熱量MRAD_n
1回目の検出時のラジエータで熱交換される熱量MRAD_1は、(3)式から得られる。
Figure 2022108683000004
rad_1:1回目検出時のラジエータの熱交換量[W]
rad_1(Vcar_1,νLLC_1):1回目検出時の車速、LLCの流速に対するラジエータ熱交換性能量[W/K]
ΔTrad_1:1回目検出時のラジエータの出力側近傍の雰囲気温度とラジエータの入力側近傍の雰囲気温度との差[K]
car_1:1回目検出時の車速[km/h]
νLLC_1:1回目検出時のLLCの流速[L/min]
ラジエータ熱交換性能量Qradは、車速Vcar、LLCの流速νLLCによる熱交換性能量の特性を出力した実験結果より予め設定される。LLCの流速νLLCは、流量センサもしくはポンプ制御部の情報から検出、導出する。ΔTrad_1は、例えば、ラジエータ入力側近傍の雰囲気温度を温度センサ36で計測し、ラジエータ出力側近傍の雰囲気温度を温度センサ37で計測し情報を得る。
n回目の検出時のラジエータで熱交換される熱量MRAD_nは、(4)式から得られる。
Figure 2022108683000005
(C)熱交換器40にて熱交換される熱量MATFW_n
1回目の検出時に熱交換器40にて熱交換される熱量MATFW_1は、以下の(5)式から導出される。
Figure 2022108683000006
ATFW_1:1回目検出時のATFC熱交換量[W]
νATF_1:1回目検出時のATFの流速[L/sec]
ρ_ATF(TATF_1):1回目検出時のATFの温度に対するATFの比熱[J/gK]
ρATF(TATF_1):1回目検出時のATFの温度に対するATFの比重[g/L]
ΔTATF_1:1回目検出時のATFCの出力側のATF温度とATFCの入力側のATF温度との差[K]
ATFの比重Cρ_ATF(TATF_1)、ATFの比熱ρATF(TATF_1)は、例えば、熱交換器40の入力側の温度センサ38より、ATF温度情報を取得し、その温度に合った比重、もしくは、比熱を予め設定したATF温度(x)、ATF比重(y1)、ATF比熱(y2)のテーブルより参照する。ATF流速は、センサもしくはポンプ制御部の情報から検出、導出する。ΔTATF_1は、例えば、熱交換器40の入力側、出力側に温度センサ38、39を設け、ΔTATF_1の情報を得る。
n回目の検出時に熱交換器40にて熱交換される熱量MATFW_nは、以下の(6)式から導出される。
Figure 2022108683000007
(D)自然放熱Mn_n
1回目の検出時にホースから放熱される自然放熱Mn_1は、(7)式から導出される。
Figure 2022108683000008
n_1:1回目検出時のホースの自然放熱量[W]
ΔTn_1:1回目検出時のラジエータの冷却回路に含むホース近傍の雰囲気温度とLLC温度との差[K]
:ラジエータの冷却回路に含むホースの熱抵抗[K/W]
ホース熱抵抗は、材料の物性値、寸法等の設計値の情報から得る。ΔTn_1は、例えば、ホース近傍の雰囲気温度を得るために温度センサ41を設け、LLC温度は、TLLC_1を参照する。
n回目の検出時にホースから放熱される自然放熱Mn_nは、(8)式から導出される。
Figure 2022108683000009
温度推定部53が、上記した全ての熱量(A)~(D)に基づいて推定温度を算出する場合、1回目の検出時のLLC温度上昇量ΔTLLC_1は、以下の(9)式で表される。
Figure 2022108683000010
ΔTLLC_1:1回目検出時のTLLC_1に対するLLC温度変化量[K]
Δt:演算周期[sec]
LLC:LLCの容量[L]
(9)式で得られたLLC温度上昇量ΔTLLC_1を用いると、ラジエータの出力側のLLCの温度TLLC_2は、以下の(10)式で表される。
Figure 2022108683000011
LLC_2:2回目検出時の推定LLC温度[K]
(10)式を一般化すると、ラジエータの出力側のLLCの温度TLLC_n+1は、以下の(11)式で表され、ラジエータの出力側のLLCの推定温度を算出することができる。
Figure 2022108683000012
第3形態の異常検出部52は、温度センサ33で検出されたラジエータ13の出力側のLLCの温度と、上記した温度推定部53で算出されたラジエータ13の出力側のLLCの推定温度とに基づいて、熱交換器40の異常を検出する。このとき、異常検出部52は、温度と推定温度との温度差が第1閾値以上の場合に、熱交換器40の異常を判定してもよい。
また、異常検出部52は、実温度と推定温度との温度差に加えて、LLC用ポンプ11の消費電力も、熱交換器40の異常を検出する際に考慮してもよい。即ち、異常検出部52は、実温度と推定温度との温度差と、LLC用ポンプ11の消費電力と、に基づいて熱交換器40の異常を検出してもよい。この場合、LLCとATFとの混入による熱容量の変化と、動粘度の変化の両方に基づいて熱交換器40の異常を検出するので、熱交換器40の異常検出精度が向上する。
図6は、第3形態の異常検出フローを示すフロー図である。
先ず、温度推定部53は、LLCの推定温度を算出する(S31)。続いて、異常検出部52は、LLCの実際の温度である実温度を温度センサ33から取得する(S32)。続いて、異常検出部52は、温度推定部53で推測されたLLCの推定温度と温度センサ33で取得されたLLCの実温度の差が、第1閾値以上であるか否かを判定する(S33)。温度差が第1閾値以上である場合、異常検出部52は、LLC用ポンプ11の消費電力を取得し(S34)、LLC用ポンプ11の消費電力が第2閾値以上であるか否かを判定する(S35)。その結果、LLC用ポンプ11の消費電力が第2閾値以上である場合、異常検出部52は、LLCとATFとが混ざり合ったと判定し、熱交換器40の異常を判定する(S36)。一方、ステップS33において温度差が第1閾値未満である場合、熱交換器40が正常であると判定する(S37)。同様に、ステップS35において消費電力が第2閾値未満である場合、熱交換器40が正常であると判定する(S37)。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 第1媒体(LLC、ATF)を循環させるポンプ(LLC用ポンプ11、ATF用ポンプ21)が設けられた第1回路(LLC循環回路10、ATF循環回路20)と、
前記第1媒体とは異なる第2媒体(ATF、LLC)が循環する第2回路(ATF循環回路20、LLC循環回路10)と、
前記第1媒体と前記第2媒体とで熱交換を行う熱交換器(熱交換器40)と、
前記ポンプを制御する制御部(制御部50)と、
前記ポンプの供給電流、供給電圧、及び供給電力の少なくとも一つの値を検出する供給値検出部(電流センサ34)と、を備える、温度調整システム(温度調整システム1)であって、
前記制御部は、
前記ポンプを一定の回転数で回転させているとき、前記少なくとも一つの値に基づいて、前記熱交換器の異常を検出する異常検出部(異常検出部52)と、を備える、温度調整システム。
第1媒体と第2媒体とで熱交換を行う熱交換器が故障し、第1媒体に第2媒体が混入した場合、第1媒体の動粘度が変化する。第1媒体の動粘度が変わると、ポンプを一定の回転数で回転させているときに、ポンプの供給電流等が変化する。(1)によれば、故障検知のための特別なセンサを設けなくても、異常検出部によって、この第1媒体と第2媒体との混入に伴う供給電流等の値に基づいて熱交換器の異常を検出することができる。これにより、
(2) 第1媒体(LLC、ATF)を循環させるポンプ(LLC用ポンプ11、ATF用ポンプ21)が設けられた第1回路(LLC循環回路10、ATF循環回路20)と、
前記第1媒体とは異なる第2媒体(ATF、LLC)が循環する第2回路(ATF循環回路20、LLC循環回路10)と、
前記第1媒体と前記第2媒体との熱交換を行う熱交換器(熱交換器40)と、
前記ポンプを制御する制御部(制御部50)と、
前記ポンプの回転数を検出する回転数検出部(回転数センサ35)と、を備える、温度調整システム(温度調整システム1)であって、
前記制御部は、
前記ポンプを一定の電力で回転させているとき、前記回転数に基づいて、前記熱交換器の異常を検出する異常検出部(異常検出部52)と、を備える、温度調整システム。
第1媒体と第2媒体とで熱交換を行う熱交換器が故障し、第1媒体に第2媒体が混入した場合、第1媒体の動粘度が変化する。第1媒体の動粘度が変わると、ポンプを一定の電力で回転させているときに、ポンプの回転数が変化する。(1)によれば、故障検知のための特別なセンサを設けなくても、異常検出部によって、この第1媒体と第2媒体との混入に伴うポンプの回転数に基づいて熱交換器の異常を検出することができる。
(3) 第1媒体(LLC、ATF)を循環させるポンプ(LLC用ポンプ11、ATF用ポンプ21)が設けられた第1回路(LLC循環回路10、ATF循環回路20)と、
前記第1媒体とは異なる第2媒体(ATF、LLC)が循環する第2回路(ATF循環回路20、LLC循環回路10)と、
前記第1媒体と前記第2媒体との熱交換を行う熱交換器(熱交換器40)と、
前記ポンプを制御する制御部(制御部50)と、
前記第1媒体の温度を検出する温度検出部(温度センサ33)と、を備える、温度調整システム(温度調整システム1)であって、
前記制御部は、
前記第1媒体の推定温度を算出する温度推定部(温度推定部53)と、
前記温度と前記推定温度に基づいて、前記熱交換器の異常を検出する異常検出部(異常検出部52)と、を備える、温度調整システム。
第1媒体と第2媒体とで熱交換を行う熱交換器が故障し、第1媒体に第2媒体が混入した場合、第1媒体の熱容量が変化する。第1媒体の熱容量が変わると、第1媒体の実際の温度と推定温度とが乖離する。(3)によれば、故障検知のための特別なセンサを設けなくても、異常検出部によって、この第1媒体と第2媒体との混入に伴う第1媒体の実際の温度と推定温度とに基づいて熱交換器の異常を検出することができる。
(4) (3)に記載の温度調整システムであって、
前記異常検出部は、前記温度と前記推定温度との温度差と、前記ポンプの消費電力と、に基づいて前記熱交換器の異常を検出する、温度調整システム。
(4)によれば、第1媒体と第2媒体とで熱交換を行う熱交換器が故障し、第1媒体に第2媒体が混入した場合、第1媒体の動粘度も変化し、これにともなってポンプの消費電力も変化する。異常検出部が、温度と推定温度との温度差と、ポンプの消費電力と、の両方に基づいて熱交換器の異常を検出することで、検出精度をあげることができる。
(5) (4)に記載の温度調整システムであって、
前記第1回路には、チップを内蔵した電力機器(電力変換機器31)と、前記第1媒体を冷却するラジエータ(ラジエータ13)と、が設けられ、
前記温度推定部は、前記電力機器にて熱交換される熱量(熱量MPCU_n)、前記ラジエータで熱交換される熱量(熱量MRAD_n)、前記熱交換器にて熱交換される熱量(熱量MATFC_n)、及び自然放熱(自然放熱自然放熱Mn_n)の少なくとも一つに基づいて、前記推定温度を算出する、温度調整システム。
(5)によれば、電力機器にて熱交換される熱量、ラジエータで熱交換される熱量、熱交換器にて熱交換される熱量、及び自然放熱のうち、温度への影響が大きい熱量を用いて推定温度を算出することで、推定温度の算出精度をあげることができる。
(6) (4)又は(5)に記載の温度調整システムであって、
前記異常検出部は、前記温度と前記推定温度との温度差が第1閾値以上、且つ、前記ポンプの消費電力が第2閾値以上の場合、前記熱交換器が異常であると判定する、温度調整システム。
(6)によれば、より精度よく熱交換器の異常を検出することができる。
(7) (1)~(6)のいずれかに記載の温度調整システムであって、
前記第1媒体は、LLCであり、
前記第2媒体は、ATFである、温度調整システム。
(7)によれば、ATFとLLCとが混入して通電液となる前に混入を検知することで、短絡の発生を回避することができる。
1 温度調整システム
10 LLC循環回路(第1回路、第2回路)
11 LLC用ポンプ(ポンプ)
13 ラジエータ
20 ATF循環回路(第2回路、第1回路)
21 ATF用ポンプ(ポンプ)
31 電力変換機器(電力機器)
33 温度センサ(温度検出部)
34 電流センサ(供給値検出部)
35 回転数センサ(回転数検出部)
40 熱交換器
50 制御部
52 異常検出部
53 温度推定部

Claims (7)

  1. 第1媒体を循環させるポンプが設けられた第1回路と、
    前記第1媒体とは異なる第2媒体が循環する第2回路と、
    前記第1媒体と前記第2媒体とで熱交換を行う熱交換器と、
    前記ポンプを制御する制御部と、
    前記ポンプの供給電流、供給電圧、及び供給電力の少なくとも一つの値を検出する供給値検出部と、を備える、温度調整システムであって、
    前記制御部は、
    前記ポンプを一定の回転数で回転させているとき、前記少なくとも一つの値に基づいて、前記熱交換器の異常を検出する異常検出部と、を備える、温度調整システム。
  2. 第1媒体を循環させるポンプが設けられた第1回路と、
    前記第1媒体とは異なる第2媒体が循環する第2回路と、
    前記第1媒体と前記第2媒体との熱交換を行う熱交換器と、
    前記ポンプを制御する制御部と、
    前記ポンプの回転数を検出する回転数検出部と、を備える、温度調整システムであって、
    前記制御部は、
    前記ポンプを一定の電力で回転させているとき、前記回転数に基づいて、前記熱交換器の異常を検出する異常検出部と、を備える、温度調整システム。
  3. 第1媒体を循環させるポンプが設けられた第1回路と、
    前記第1媒体とは異なる第2媒体が循環する第2回路と、
    前記第1媒体と前記第2媒体との熱交換を行う熱交換器と、
    前記ポンプを制御する制御部と、
    前記第1媒体の温度を検出する温度検出部と、を備える、温度調整システムであって、
    前記制御部は、
    前記第1媒体の推定温度を算出する温度推定部と、
    前記温度と前記推定温度に基づいて、前記熱交換器の異常を検出する異常検出部と、を備える、温度調整システム。
  4. 請求項3に記載の温度調整システムであって、
    前記異常検出部は、前記温度と前記推定温度との温度差と、前記ポンプの消費電力と、に基づいて前記熱交換器の異常を検出する、温度調整システム。
  5. 請求項4に記載の温度調整システムであって、
    前記第1回路には、チップを内蔵した電力機器と、前記第1媒体を冷却するラジエータと、が設けられ、
    前記温度推定部は、前記電力機器にて熱交換される熱量、前記ラジエータで熱交換される熱量、前記熱交換器にて熱交換される熱量、及び自然放熱の少なくとも一つに基づいて、前記推定温度を算出する、温度調整システム。
  6. 請求項4又は5に記載の温度調整システムであって、
    前記異常検出部は、前記温度と前記推定温度との温度差が第1閾値以上、且つ、前記ポンプの消費電力が第2閾値以上の場合、前記熱交換器が異常であると判定する、温度調整システム。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の温度調整システムであって、
    前記第1媒体は、LLCであり、
    前記第2媒体は、ATFである、温度調整システム。
JP2021003817A 2021-01-13 2021-01-13 温度調整システム Pending JP2022108683A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021003817A JP2022108683A (ja) 2021-01-13 2021-01-13 温度調整システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021003817A JP2022108683A (ja) 2021-01-13 2021-01-13 温度調整システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022108683A true JP2022108683A (ja) 2022-07-26

Family

ID=82556402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021003817A Pending JP2022108683A (ja) 2021-01-13 2021-01-13 温度調整システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022108683A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114485254A (zh) * 2022-02-18 2022-05-13 佳木斯大学 一种飞机设备均匀换热控制方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114485254A (zh) * 2022-02-18 2022-05-13 佳木斯大学 一种飞机设备均匀换热控制方法
CN114485254B (zh) * 2022-02-18 2023-10-10 佳木斯大学 一种飞机设备均匀换热控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104901607B (zh) 具有放热特性推定部的数值控制装置
JP5239198B2 (ja) 冷却システム制御装置
CN105720740B (zh) 确定用于发热装置的冷却剂流体的有效温度的方法和设备
CN112901333B (zh) 混合动力车辆的冷却系统、方法及汽车
JP6262915B1 (ja) ファン駆動システム及び管理システム
WO2019197858A1 (ja) 電動モータの冷却方法および冷却装置
JP2017198079A (ja) 電動オイルポンプの軽負荷異常判定方法
JP2019031200A (ja) 車両の冷却装置
EP3902986B1 (en) Vehicle heat exchange system
JP7286298B2 (ja) 冷却システム
JP2012082731A (ja) 異常判定装置および異常判定方法
JP2022108683A (ja) 温度調整システム
KR102031368B1 (ko) 건설기계용 수냉각 시스템의 이상 진단장치 및 방법
JP6294375B2 (ja) 冷媒の温度推定装置及び回転電機の温度推定装置
CN103967871A (zh) 用于控制用来为流体泵供能的电动马达的方法和设备
JP2013199853A (ja) 冷却装置
JP2017067018A (ja) 冷却制御装置
JP2018009517A (ja) 建設機械の送風手段制御システム
US20180217646A1 (en) Liquid cooling systems for heat generating electronic devices that report coolant temperature via a tachometer signal
JP6693476B2 (ja) 冷却装置
JP5553097B2 (ja) 回転電機システム制御装置
JP2014091445A (ja) 建設機械の機器冷却装置
JP2015209055A (ja) 冷却機構故障検知装置
JP2005299767A (ja) 温度調整装置およびそれを用いたレベル調整方法
CN104422476B (zh) 一种判断冷却系统能否满足电力电子箱的冷却要求的方法