JP2022108014A - 立体構造編物、及びマットレス用カバー - Google Patents

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洸二朗 野坂
Kojiro Nosaka
大武 ▲濱▼渦
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Abstract

【課題】マットレスの体圧分散効果を妨げることのない立体構造編物を提供する。【解決手段】表地組織と裏地組織とが連結糸により連結された立体構造編物100であって、表地組織と裏地組織との間を掛け渡される連結糸の間隔が、コース方向で密となる領域11と疎となる領域12とが形成されるように編み立てられている。密となる領域11における連結糸の間隔と疎となる領域12における連結糸の間隔との差が、0.05~0.6mmである。【選択図】図1

Description

本発明は、表地組織と裏地組織とが連結糸により連結された立体構造編物、及び当該立体構造編物を用いたマットレス用カバーに関する。
寝具用のマットレスにおいて快適な寝心地を得るためには、長時間使用したときにも蒸れが生じないことが望まれる。そこで、マットレスの表面の通気性を改善することが検討されている。
例えば、コイルスプリングを平板上に連結したスプリング体を布地(カバー)で被覆したマットレスにおいて、上面メッシュ地と下面メッシュ地とを連結糸により連結した三層構造立体布をカバーに用いたものがあった(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1のマットレスは、三層構造立体布の上下のメッシュ地の間に空間が形成されるため、マットレスの表面が使用者の背中の全面に密着することがなく、通気性が生じるとされている。
また、マットとして、表裏二層の編地を連結糸で連結した立体編地と、吸水速乾布帛と、エアマットとを積層させたものがあった(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2のマットは、汗等の水分を吸水速乾布帛で素早く吸収し、立体編地が通気性に優れることで吸水速乾布帛の水分がすぐに蒸発、乾燥するため、マットの内外を常に低湿に保つことができるとされている。
実開平1-145262号公報 特開平9-276339号公報
近年、部位毎に硬さを変えることによって体圧分散効果を向上させた高機能マットレスが注目されている。高機能マットレスに用いるカバーは、蒸れを生じさせない通気性を有するだけではなく、マットレスによる優れた体圧分散効果を妨げないことが望まれる。
この点に関し、特許文献1のマットレスは、従来のスプリング体を用いたものであり、特許文献2のマットは、エアマットを用いたものであるため、何れも部位毎に硬さを変えた高機能マットレスの使用は想定されておらず、カバーによるマットレスの体圧分散効果の阻害について十分に検討したものではなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、マットレスの体圧分散効果を妨げることのない立体構造編物、及びマットレス用カバーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明にかかる立体構造編物の特徴構成は、
表地組織と裏地組織とが連結糸により連結された立体構造編物であって、
前記表地組織と前記裏地組織との間を掛け渡される前記連結糸の間隔が、コース方向で密となる領域と疎となる領域とが形成されるように編み立てられていることにある。
本構成の立体構造編物によれば、表地組織と裏地組織との間を掛け渡される連結糸の間隔が、コース方向で密となる領域と疎となる領域とが形成されるように編み立てられているため、密となる領域と疎となる領域とを、マットレスの部位の特性に応じて配置することができる。その結果、マットレスの特性が異なる部位毎に、配置された立体構造編物の領域も異なる硬さとなるため、使用者が寝ころんだときに立体構造編物がマットレスの沈み込みに追従して変形するようになり、マットレスの体圧分散効果を妨げることがない。
本発明にかかる立体構造編物において、
前記密となる領域における前記連結糸の間隔と前記疎となる領域における前記連結糸の間隔との差が、0.05~0.6mmであることが好ましい。
本構成の立体構造編物によれば、密となる領域における連結糸の間隔と疎となる領域における連結糸の間隔との差が、0.05~0.6mmであることによって、密となる領域と疎となる領域とで硬さが適度に異なるものとなるため、マットレスの部位に応じて、より適切な硬さを有する立体構造編物の領域を配置することができる。
本発明にかかる立体構造編物において、
前記密となる領域における前記連結糸の間隔は0.6~0.8mmであり、前記疎となる領域における前記連結糸の間隔は0.8~1.2mmであることが好ましい。
本構成の立体構造編物によれば、密となる領域における連結糸の間隔が0.6~0.8mmであり、疎となる領域における前記連結糸の間隔が0.8~1.2mmであることによって、密となる領域及び疎となる領域が夫々より適切な硬さを有するものとなる。
本発明にかかる立体構造編物において、
編密度は、20コース/2.54cm以上であり、
前記連結糸の総繊度は、22~110dtexであり、
前記表地組織の地糸は、単糸繊度が7dtex以下であり、総繊度が167dtex以下であることが好ましい。
本構成の立体構造編物によれば、編密度が、20コース/2.54cm以上であり、連結糸の総繊度が、22~110dtexであり、表地組織の地糸が、単糸繊度が7dtex以下であり、総繊度が167dtex以下であることによって、目が細かく、風合いが柔らく、肌ざわりの良いものとなる。
本発明にかかる立体構造編物において、
前記密となる領域と前記疎となる領域とが、連続的に接続するように編み立てられていることが好ましい。
本構成の立体構造編物によれば、密となる領域と疎となる領域とが、連続的に接続するように編み立てられていることによって、硬さが連続的に変化するため、領域による硬さの違いで違和感を生じることがない。
本発明にかかる立体構造編物において、
前記表地組織は、開口部を有する編組織であることが好ましい。
本構成の立体構造編物によれば、表地組織が、開口部を有する編組織であるため、立体構造編物をマットレス用カバーとして用いたときに、蒸れの発生を抑制して寝心地を向上させることができる。
上記課題を解決するための本発明にかかるマットレス用カバーの特徴構成は、
上記の何れか一つの立体構造編物を用いたことにある。
本構成のマットレス用カバーによれば、本発明の立体構造編物を使用していることによって、コース方向で密となる領域と疎となる領域とが形成されるように編み立てられたものとなるため、領域毎の硬さが異なるものとなる。その結果、使用者が寝ころんだときにマットレス用カバーがマットレスの沈み込みに追従して変形するようになり、マットレスの体圧分散効果を妨げることがない。
本発明にかかるマットレス用カバーの特徴構成において、
マットレスの部位の特性に応じて、前記密となる領域と前記疎となる領域とを配置してあることが好ましい。
本構成のマットレス用カバーによれば、マットレスの部位の特性に応じて、密となる領域と疎となる領域とを配置してあるため、マットレスの特性が異なる部位毎に、配置されたマットレス用カバーの領域も異なる硬さとなり、使用者が寝ころんだときにマットレス用カバーがマットレスの沈み込みにより追従して変形するようになる。
図1は、本発明に係る立体構造編物を模式的に示したモデルの斜視図である。 図2は、図1に示した立体構造編物のモデルのA-A´位置における断面図である。 図3は、変形例に係る立体構造編物の説明図である。 図4は、実施例における立体構造編物の組織図である。
本発明の立体構造編物、及びマットレス用カバーについて、図面を参照しながら説明する。ただし、各図に示した構成(編組織)は、説明を容易にするため適宜誇張又は簡略化してあり、編組織の厚み、編組織に含まれる糸のサイズ関係、縮尺関係は正確に反映したものではない。
<立体構造編物>
図1は、本発明に係る立体構造編物100を模式的に示したモデルの斜視図である。図2は、図1に示した立体構造編物100のモデルのA-A´位置における断面図である。本発明に係る立体構造編物100は、マットレスMの表面の少なくとも一部を覆うように配されるマットレス用カバー1として用いられる。なお、マットレス用カバー1は、図1に示すシート型の形状に限らず、ボックスシーツ型や袋型の形状であってもよい。
立体構造編物100は、表地組織101と裏地組織102とが連結糸103により連結された多重編物であり、例えば、ダブルラッセル編機等の経編機を用いて編成された多重経編物であることが好ましく、22ゲージ以上の編機を用いて編成された多重経編物であることがより好ましい。立体構造編物100は、多重編物であることにより、通気性を有するものとなる。立体構造編物100は、表地組織101と裏地組織102との間に別の編地を有する三重以上の多重編物として編成してもよいが、良好な通気性を得るために、二重編物であることが好ましい。また、22ゲージ以上の編機を用いて編成された多重経編物であれば、立体構造編物100は、目の細かい生地になり、寝具に適した風合いが柔らく、肌ざわりの良いものとなる。
立体構造編物100は、第一領域11及び第二領域12を有する。第一領域11及び第二領域12は、立体構造編物100のコース方向に沿って配列される。本発明においてコース方向とは、立体構造編物100の編み立て方向に対して直交する立体構造編物100の幅方向を指し、ウェール方向とは立体構造編物100の編み立て方向を指す。図2に示すように、第一領域11は、表地組織101と裏地組織102との間を掛け渡される連結糸103の間隔が、コース方向で密となる領域であり、第二領域12は、連結糸103の間隔が、コース方向で疎となる領域である。第一領域11及び第二領域12において、連結糸103のコース方向の間隔(以下、単に「連結糸103の間隔」と称する。)が夫々異なることで、立体構造編物100の硬さが領域によって異なるものとなる。このような構造は、例えば、編機の筬において、第一領域11の連結糸103となる糸を導糸する区間よりも、第二領域12の連結糸103となる糸を導糸する区間において、ガイドアイに通す糸を減らすことで編み立てることができる。
立体構造編物100は、図3に示すように、第一領域11と第二領域12との間に、第一領域11側から第二領域12側へ向けて連結糸103の間隔が徐々に広くなる、あるいは第二領域12側から第一領域11側へ向けて連結糸103の間隔が徐々に狭くなる第三領域13を有するものであってもよい。立体構造編物100は、第三領域13を有することによって、第一領域11と第二領域12とが連続的に接続するように編み立てられたものとなる。このような構成では、第一領域11から第二領域12にかけて立体構造編物100の硬さが連続的に変化するようになり、領域による硬さの違いによって生じる違和感を低減することができる。
第一領域11及び第二領域12の位置及び形状は、図1に示すように、立体構造編物100のコース方向がマットレスMの長手方向、即ち、使用者が寝ころぶ方向となる向きで、立体構造編物100をマットレス用カバー1として用いるときに、マットレスMにおいて特性の異なるハード部M1及びソフト部M2の位置及び形状に対応するように形成されることが好ましい。マットレスMのハード部M1及びソフト部M2は、例えば、マットレスMを低反発ウレタンフォーム材により構成する場合、気泡サイズ、気泡率等を変えることによって異なる特性を持たせた部位である。例えば、ハード部M1がソフト部M2よりも硬くなるように構成することで、図1に示す構成では、マットレスMに寝ころんだ使用者の頭部、腰部、及び足部をハード部M1によってしっかり支えながら、荷重のかかり易い背中、臀部、及び大腿部をソフト部M2によって沈み込ませることにより、優れた体圧分散効果を発揮するようになる。第一領域11及び第二領域12の位置及び形状が、マットレスMのハード部M1及びソフト部M2の位置及び形状に対応するように形成されていることによって、マットレスMの特性が異なる部位毎に、対応する位置で立体構造編物100の硬さも異なるものとなる。その結果、立体構造編物100は、マットレスMの部位毎の沈み込みに応じて適切に変形するようになり、マットレスMの体圧分散効果を妨げることがない。
第一領域11における連結糸103の間隔と第二領域12における連結糸103の間隔との差は、0.05~0.6mmであることが好ましく、0.2mm~0.6mmであることがより好ましい。ここで、連結糸103の間隔は、立体構造編物100を表地組織101と裏地組織102とに分割するようにセンターカットすることによって試料片を作製し、マイクロスコープ(100~300倍)を用いて試料片を拡大して、コース方向に隣接する連結糸103の距離を複数箇所(例えば、50~100箇所)で測定したものの平均値とする。第一領域11と第二領域12とで連結糸103の間隔の差が上記の範囲にあれば、第一領域11と第二領域12とで硬さが適度に異なるものとなるため、立体構造編物100をマットレス用カバー1として用いるときに、マットレスMの部位毎に、適切な硬さを有する第一領域11及び第二領域12を形成することができる。第一領域11と第二領域12とで連結糸103の間隔の差が0.05mm未満である場合、第一領域11と第二領域12との硬さの差が小さくなり、マットレスMによる体圧分散効果を妨げる虞がある。第一領域11と第二領域12とで連結糸103の間隔の差が0.6mmを超える場合、第一領域11が過剰に硬くなることにより、体圧分散効果を妨げる虞や、第二領域12が過剰に軟らかくなることにより、使用時に立体構造編物100が押し潰されて十分な通気性が得られない虞がある。第一領域11における連結糸103の間隔は、0.6~0.8mmでることが好ましく、第二領域12における連結糸103の間隔は、0.8~1.2mmであることが好ましい。第一領域11及び第二領域12における連結糸103の間隔が、夫々上記の範囲にあれば、第一領域11及び第二領域12が夫々、より適切な硬さを有するものとなる。
立体構造編物100の編密度は、20コース/2.54cm以上であることが好ましく、30~50コース/2.54cmであることがより好ましく、35~45コース/2.54cmであることがさらに好ましい。立体構造編物100の編密度が上記の範囲にあれば、立体構造編物100の目が細かくなり、風合いが柔らかく、肌ざわりの良いものとなる。立体構造編物100の編密度が20コース/2.54cm未満である場合、立体構造編物100の風合い、及び肌ざわりが劣るものとなる虞がある。立体構造編物100の編密度はさらに、22ウェール/2.54cm以上であることが好ましい。ウェール方向における立体構造編物100の編密度が上記の範囲にあれば、立体構造編物100の目が細かくなり、風合いが柔らく、肌ざわりの良いものとなる。立体構造編物100の編密度が22ウェール/2.54cm未満である場合、立体構造編物100の風合い、及び肌ざわりが劣るものとなる虞がある。
立体構造編物100の厚みは、2.0~8.0mmであることが好ましく、3.0~7.0mmであることがより好ましく、4.0~6.0mmであることがさらに好ましい。厚みが上記の範囲にあれば、立体構造編物100はマットレス用カバー1として用いたときに、蒸れを抑制する通気性を有しながら、マットレスの体圧分散効果を妨げることがない適度な硬さを有するものとなる。厚みが2.0mm未満である場合、表地組織101と裏地組織102との間に十分な空間が形成されず通気性に劣るものとなり、蒸れ抑制効果が得られない虞がある。厚みが8.0mmを超える場合、立体構造編物100が全体的に硬くなり、マットレスの体圧分散効果を妨げる虞がある。
<連結糸>
連結糸103は、表地組織101と裏地組織102とに交互に編み込まれ、これらを連結するものであればよく、例えば、表地組織101と裏地組織102との間に、垂直、斜め、又は襷掛けで掛け渡されたものや、これらを組み合わせて掛け渡されたものであってもよい。
連結糸103の形態は、モノフィラメントであることが好ましい。連結糸103がモノフィラメントであれば、立体構造編物100をマットレス用カバー1として用いたときに過度に沈み込むことを抑制し、優れた寝心地が得られる。連結糸103の繊度は、22~110dtexであることが好ましい。連結糸103の繊度が上記の範囲にあれば、立体構造編物100は風合いが柔らかく肌に触れた際の刺激を低減したものとなる。連結糸103の繊度が22dtex未満である場合、使用時に立体構造編物100が押し潰されて十分な通気性が得られない虞がある。連結糸103の繊度が110dtexを超える場合、立体構造編物100の風合いが硬くなり、肌に触れた際の刺激が強く、寝心地が劣るものとなる虞がある。
連結糸103の繊維素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維が挙げられ、なかでも、立体構造編物100の厚みを保持するという観点から、ハリコシがあるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
<表地組織、裏地組織>
表地組織101、及び裏地組織102は、同じ編組織で編成されていても、異なる編組織で編成されていてもよい。表地組織101、及び裏地組織102の編組織は、デンビ編、コード編、及びアトラス編等の経編組織であることが好ましく、特に、表地組織101は、立体構造編物100をマットレス用カバー1として用いたときに使用者に接する側となるため、蒸れの発生を抑制して寝心地を向上させるために、地組織にメッシュや網目状の開口部を有する編組織で編成されていることが好ましい。メッシュの開口部の大きさは、0.0005~0.5mmであることが好ましく、0.002~0.2mmであることがより好ましい。メッシュの開口部の形状は、六角形、八角形等の任意の形状のものとすることができる。
表地組織101、及び裏地組織102の地糸には、同じ地糸を用いても、異なる地糸を用いてもよい。表地組織101の地糸、及び裏地組織102の地糸(以下、まとめて「地糸」と称する。)の形態は、マルチフィラメント糸であることが好ましい。地糸は、単糸繊度が7dtex以下であることが好ましく、総繊度が167dtex以下であることが好ましい。地糸の単糸繊度、及び総繊度が上記の範囲に有れば、立体構造編物100の生地が適度な柔らかさを有するものとなる。地糸の単糸繊度が7dtexを超える場合や、及び総繊度が167dtexを超える場合、立体構造編物100の生地が硬くなり、マットレスMによる体圧分散効果を妨げるおそれがある。
地糸の繊維素材は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、及びポリプロピレン等の合成繊維、綿、羊毛、及び絹糸等の天然繊維、並びにレーヨン、及びアセテート等の再生繊維等を挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。地糸は、これらの繊維素材を1種単独で、または2種以上を組み合わせて製糸した糸条であってもよい。さらに、これらの糸条を、交編して表地組織101、及び裏地組織102を編成してもよい。繊維の形態は、特に限定されるものではなく、長繊維、短繊維のいずれであってもよい。ここで、表地組織101の地糸は、親水性繊維を含むことが好ましい。表地組織101の地糸が親水性繊維を含むことにより、吸収した汗等の水分を広範囲に速やかに拡散し、放散させることができる。その結果、立体構造編物100をマットレス用カバー1として用いたときに、蒸れが生じることをさらに抑制することができる。親水性繊維とは、一般に親水性繊維として知られている綿や絹等の天然繊維や、レーヨン等の半合成繊維だけではなく、合成繊維等を親水加工したものも含み、表地組織101の地糸には、親水性繊維として、親水性を有する繊維、及び親水加工された繊維を、単独で又は組み合わせて用いることができる。合成繊維の親水加工としては、浴中吸汗加工等の従来公知の方法が挙げられ、特に限定されるものではない。
立体構造編物100は、総繊度合計が500dtex以下であることが好ましい。本発明において総繊度合計とは、表地組織101の編組織に用いられる糸の総繊度を合計したものであり、表地組織101の編組織における筬数と、地糸の総繊度との積として算出することができる。総繊度合計が500dtex以下であれば、立体構造編物100をマットレス用カバー1として用いたときに使用者に接する側となる表地組織101が、目が細かく、風合いが柔らかく、肌ざわりの良いものとなる。総繊度合計が500dtexを超える場合、表地組織101の風合いや肌ざわりが劣る虞がある。
表地組織101及び第二領域12を構成する地糸、並びに連結糸103には、消臭剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、制電剤、抗カビ剤、避虫剤等の成分を含有させた糸条を用いてもよい。また、表地組織101及び第二領域12を構成する地糸、並びに連結糸103には、例えば、速乾性、冷温感性、及び風合い改良等の機能性を付与する加工等を施した糸条を用いてもよい。
本発明の特徴構成を有する立体構造編物(実施例1~4)を作製し、連結糸の間隔、編密度の測定、及び官能評価を行った。また、比較のため、本発明の特徴構成を有しない立体構造編物(比較例1)を作製し、同様の測定及び評価を行った。
<実施例1>
22ゲージのダブルラッセル編機を使用して、図4に示す編組織に従い、筬L1、L2に導糸した84dtex/36fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸により表地組織を編成し、筬L4、L5に導糸した84dtex/36fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸により裏地組織を編成し、筬L3、L4に、第一領域における連結糸の間隔が0.7mm、第二領域における連結糸の間隔が1.0mmとなるように、33dtexのポリエチレンテレフタレートモノフィラメント糸を導糸し、両地組織を連結することによって、実施例1の立体構造編物を得た。筬L3、L4には、図3に示す配置で第一領域、第二領域、及び第三領域を編み立てるように連結糸を導糸した。
<実施例2>
28ゲージのダブルラッセル編機を使用し、筬L3、L4に、第一領域における連結糸の間隔が0.6mm、第二領域における連結糸の間隔が0.8mmとなるように導糸し、その他は実施例1と同じ編組織、及び糸使いで編物を編成し、実施例2の立体構造編物を得た。
<実施例3>
筬L1、L2、L4、L5に110dtex/48fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を導糸し、筬L3、L4に、第一領域における連結糸の間隔が0.8mm、第二領域における連結糸の間隔が1.2mmとなるように、110dtexのポリエチレンテレフタレートモノフィラメント糸を導糸し、その他は実施例1と同じ編機、及び編組織で編物を編成し、実施例3の立体構造編物を得た。
<実施例4>
筬L3、L4に、第一領域における連結糸の間隔が0.6mm、第二領域における連結糸の間隔が1.2mmとなるように導糸し、その他は実施例1と同じ編機、編組織、及び糸使いで編物を編成し、実施例4の立体構造編物を得た。
<比較例1>
筬L3、L4に、全ての領域における連結糸の間隔が1.2mmとなるように導糸し、その他は実施例1と同じ編機、編組織、及び糸使いで編物を編成し、比較例1の立体構造編物を得た。
[連結糸の間隔]
立体構造編物を表裏で分割するように裁断し、連結糸を編地表面とほぼ同じ高さになるようカットして試料片を作製した。画像解析装置(VHX-200 キーエンス社製)を用いて倍率100倍~300倍に拡大して、試験片の第一領域、及び第二領域を編地表面の垂直方向から撮影した。第一領域、及び第二領域の夫々を撮影した画像の50~100点において、連結糸のコース方向の距離を測定し、平均値を連結糸の間隔とした。
[編密度]
立体構造編物の5箇所において、2.54cmあたりの編目の数をコース方向及びウェール方向の夫々について測定し、平均値を編密度とした。
[官能評価]
コース方向がマットレスの長手方向に沿うように、立体構造編物をマットレスの表面を覆うように設置し、マットレス用カバーとした。10人の試験者がマットレス用カバー上に仰向けで寝ころび、以下の各評価項目について評価し、その平均値を算出した。
評価項目1<違和感>
部位毎の硬さの違いにより生じる背中への違和感の程度を、以下の評価基準で感覚的に定性評価した。
4:感じない。
3:殆ど感じない。
2:やや感じる。
1:感じる。
評価項目2<沈み込み>
体が保持される程度を、以下の評価基準で感覚的に定性評価した。
4:適度な沈み込みで非常に心地よい。
3:沈み込み量がやや少ない、あるいはやや大きいが心地よい。
2:沈み込み量がやや少ない、あるいはやや大きく心地良さに欠ける。
1:沈み込みすぎる、あるいは沈み込みが不足し心地よさがない。
評価項目3<蒸れ感>
2時間寝ころんだ後に、臀部、及び背中がマットレス用カバーに接する部分に感じる蒸れ感を、以下の評価基準で感覚的に定性評価した。
4:殆ど感じない。
3:僅かに蒸れを感じる。
2:やや蒸れを感じる。
1:蒸れを著しく感じる。
評価項目4<寝心地>
寝ころんだ状態で動くことなく我慢できた時間を、以下の評価基準で評価した。
4:2時間以上。
3:1時間以上、2時間未満。
2:30分以上、1時間未満。
1:30分未満。
実施例1~4の立体構造編物、及び比較例1の立体構造編物の構成、測定値、及び評価結果を表1に示す。
Figure 2022108014000002
実施例1~4の立体構造編物は、何れも官能評価において高い評価が得られた。この結果から、実施例1~4の立体構造編物は、優れた通気性を有し、且つマットレスの体圧分散効果を妨げないマットレス用カバーとして、特に体圧分散効果が優れた高機能マットレスのカバーとして好適に使用できると考えられる。
一方、比較例1の立体構造編物は、官能評価による全ての項目での評価が低く、特に、沈み込みの評価では、心地よさがないものであった。これは、全ての領域において連結糸の間隔を均一に1.2mmとしたことによって、比較例1の立体構造編物では、連結糸の間隔が密となる第一領域、及び連結糸の間隔が疎となる第二領域が形成されず、マットレスの体圧分散効果を妨げたことが原因であると考えられる。
本発明の立体構造編物は、例えば、寝具用のマットレス、特に体圧分散効果が優れた高機能マットレスのカバーとして利用可能であり、その他、椅子、ソファー、車輌用シート等のカバーとしても利用可能である。
1 マットレス用カバー
11 第一領域(密となる領域)
12 第二領域(疎となる領域)
100 立体構造編物
101 表地組織
102 裏地組織
103 連結糸

Claims (8)

  1. 表地組織と裏地組織とが連結糸により連結された立体構造編物であって、
    前記表地組織と前記裏地組織との間を掛け渡される前記連結糸の間隔が、コース方向で密となる領域と疎となる領域とが形成されるように編み立てられた立体構造編物。
  2. 前記密となる領域における前記連結糸の間隔と前記疎となる領域における前記連結糸の間隔との差が、0.05~0.6mmである請求項1に記載の立体構造編物。
  3. 前記密となる領域における前記連結糸の間隔は0.6~0.8mmであり、前記疎となる領域における前記連結糸の間隔は0.8~1.2mmである請求項1又は2に記載の立体構造編物。
  4. 編密度は、20コース/2.54cm以上であり、
    前記連結糸の総繊度は、22~110dtexであり、
    前記表地組織の地糸は、単糸繊度が7dtex以下であり、総繊度が167dtex以下である請求項1~3の何れか一項に記載の立体構造編物。
  5. 前記密となる領域と前記疎となる領域とが、連続的に接続するように編み立てられた請求項1~4の何れか一項に記載の立体構造編物。
  6. 前記表地組織は、開口部を有する編組織である請求項1~5の何れか一項に記載の立体構造編物。
  7. 請求項1~6の何れか一項に記載の立体構造編物を用いたマットレス用カバー。
  8. マットレスの部位の特性に応じて、前記密となる領域と前記疎となる領域とを配置してある請求項7に記載のマットレス用カバー。
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