JP2022107326A - ラフィノースを含有する飲料 - Google Patents

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【課題】本発明は、バニリンを含み、且つ甘味度が9以下である飲料において、バニリンに起因するキレの悪さを改善することを目的とする。【解決手段】5ppb以上のバニリンを含み、且つ甘味度が9以下である飲料に対して、ラフィノースを配合し、飲料中のラフィノースの含有量を200ppm以上に調整する。【選択図】なし

Description

本発明は、ラフィノースを含有する飲料に関する。より具体的には、本発明は、バニリン及びラフィノースを含有し、バニリンに起因するキレの悪さが改善された飲料に関する。
近年、消費者の健康志向だけでなく、時間をかけて少量ずつ飲料を飲むスタイル(「チビダラ飲み」とも称する)が広まりつつある背景から、フレーバードウォーターの人気が高まっている。フレーバードウォーターとは、一般に、水(天然水、ミネラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ナチュラルウォーターなど)に香料などの原料が添加された、甘味度の低い飲料である。フレーバードウォーターの市場においては、果実風味の飲料が大半を占める中で、乳性風味の飲料も人気を博している。乳性風味のフレーバードウォーターの多くは、香料由来のバニリンが香味形成の骨格をなしていることが知られている(特許文献1)。
一方、ラフィノースは、ビフィズス菌などの腸内善玉菌を増加させる効果があることが知られており、様々な健康食品に利用されている。しかしながら、ラフィノースによる飲料の香味改善効果についてはほとんど知られていない。
特開2016-127818号公報
上記の通り、飲料に乳性風味を付与する上でバニリンの存在が大きく寄与することが知られている。しかしながら、本発明者らは、低甘味度の飲料の研究開発において、甘味度が9以下の飲料にバニリンを含有させると、バニリンに起因するキレの悪さが顕著に表れることを見出した。そこで、本発明は、バニリンを含み、且つ甘味度が9以下である飲料において、バニリンに起因するキレの悪さを改善することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、バニリンを含み、且つ甘味度が9以下である飲料において所定量のラフィノースを配合すると、バニリンに起因するキレの悪さが改善されることを見出した。かかる知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下に関する。
(1)5ppb以上のバニリン及び200ppm以上のラフィノースを含み、甘味度が9以下である、飲料。
(2)α-ターピネオールをさらに含む、(1)に記載の飲料。
本発明によって、バニリンを含み、且つ甘味度が9以下である飲料において、バニリンに起因するキレの悪さを改善することができる。低甘味度の飲料においてキレの悪さを軽減することにより、少量ずつでも飲みやすい飲料を提供することができるようになる。すなわち、本発明の技術を利用することによって、バニリン特有の風味を有しつつ、時間をかけて少量ずつ飲料を飲むスタイルに好適な飲料を提供することができる。
本発明について、以下に説明する。なお、特に断りがない限り、本明細書において用いられる「ppb」、「ppm」、及び「重量%」は、重量/容量(w/v)のppb、ppm、及び重量%をそれぞれ意味する。また、本明細書において下限値と上限値によって表されている数値範囲、すなわち「下限値~上限値」は、それら下限値及び上限値を包含するものとする。例えば、「1~2」により表される範囲は、1及び2を含む。
本発明の一態様は、飲料である。本発明の飲料は、5ppb以上のバニリン及び200ppm以上のラフィノースを含み、甘味度が9以下であることを特徴とする。かかる構成を採用することにより、バニリンを含み、且つ甘味度が9以下である飲料において、バニリンに起因するキレの悪さを改善することができる。ここで、バニリンに起因するキレの悪さとは、バニリンを含む飲料を飲用した後に、べたりとした感覚でバニリン特有の香りが鼻に残ることをいう。
(バニリン)
本発明の飲料は、バニリンを含む。バニリンは、バニロイド類に属し、化学式Cで表される有機化合物である。バニリンは、別名として4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒドとも称され、そのCAS登録番号は121-33-5である。バニリンは、バニラ特有の甘い香りを有することが知られており、飲食品や香水の原料として広く使用されている。本発明の飲料におけるバニリンの由来は限定されず、植物などの天然原料に由来するものでもよいし、合成品であってもよいが、香料として含まれることが好ましい。
本発明の飲料におけるバニリンの含有量は5ppb以上である。バニリンの含有量が5ppb以上であることにより、飲料を飲用した際にバニリン特有の香味を感じることができる傾向にある。本発明の飲料におけるバニリンの含有量は、好ましくは50~3000ppb、より好ましくは100~2000ppb、さらに好ましくは150~1500ppbである。本発明において、飲料中のバニリンの含有量は以下の方法により測定することができる。
バイアル瓶(容量20ml)に試料溶液を5g量り取り、ゲステル社製Twister(PDMS)を入れて室温で30分、香気成分を抽出後、加熱脱着装置付きのガスクロマトグラフ質量分析装置を用いた測定に供する。定量値は標準添加法で算出する。ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)の条件は以下の通りである。
装置:GC:Agilent Technologies社製 GC6890N
MS:Agilent Technologies社製 5975B
加熱脱着装置:Gerstel社製 TDU
カラム:Inert cap pure WAX 30m×0.25mmi.d. df=0.25μm
定量イオン:m/z=151
温度条件:40℃(5分)~10℃/分~260℃
キャリアガス流量:He 1.2ml/分
TDU温度:260℃
IF温度:260℃
イオン源温度:230℃
(甘味度)
本発明の飲料は、甘味度が9以下である。甘味度が9以下である場合は、飲料中のバニリンに起因するキレの悪さが感じられやすくなり、本発明の効果が顕著に発揮される傾向にある。本発明の飲料の甘味度は、好ましくは1~8、より好ましくは3~7、さらに好ましくは4~6である。
本明細書における甘味度とは、飲料100g中にショ糖1g含有する飲料の甘さを「1」とした、飲料の甘味を表す指標である。当該飲料の甘味度は、各甘味成分の含有量を、ショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量(果汁やエキス等由来の甘味成分も含む)を総計することによって求められる。ショ糖の甘味1に対する各種代表的な甘味成分の甘味の相対比は、下表に示す。下表に記載のない甘味成分については、当該甘味成分を製造あるいは販売しているメーカーが提示する甘味度を用いたり、官能評価より甘味度を求めたりすることができる。
Figure 2022107326000001
本発明の飲料では、甘味成分を用いて飲料の甘味度を調整することができる。甘味成分としては、例えば、上表に記載されている甘味成分を用いることができるが、それ以外の甘味成分を用いてもよい。本発明においては、飲料中に甘味成分を甘味料として直接配合してもよいし、甘味成分を含有する果汁やエキス等を配合してもよい。好ましい甘味成分は、果糖、異性化糖(果糖55%)、ブドウ糖、ショ糖、及び乳糖であり、特に好ましい甘味成分は、ショ糖である。本発明の飲料においては、高甘味度甘味料を用いない場合の方が本発明の効果を認識しやすく、好ましい。なお、本明細書でいう高甘味度甘味料とは、ショ糖と比べて十倍以上の甘味度を有する人工又は天然の甘味料を意味し、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、及びステビアが挙げられる。
(ラフィノース)
本発明の飲料は、ラフィノースを含む。ラフィノースは、フルクトース、ガラクトース、グルコース分子が1つずつグリコシド結合によって連なった三糖のオリゴ糖であり、化学式C183216で表される有機化合物である。ラフィノースは、別名として2-O-[6-O-(α-D-ガラクトピラノシル)-α-D-グルコピラノシル]-β-D-フルクトフラノースとも称され、そのCAS登録番号は512-69-6である。ラフィノースは、大豆に含まれるオリゴ糖(大豆オリゴ糖)の一種であり、大豆以外にも、ビートやキャベツ、ブロッコリー等の植物に含まれていることが知られている。本発明においてラフィノースは、大豆オリゴ糖由来であることが好ましい。
本発明の飲料におけるラフィノースの由来は特に限定されず、天然原料に由来するものでもよいし、化学合成されたものであってもよい。ラフィノースとしては、好ましくは市販品を用いることができる。また、本発明の飲料においては、ラフィノースを含有する原料として大豆オリゴ糖を用いることができる。
本発明の飲料におけるラフィノースの含有量は200ppm以上である。ラフィノースの含有量が200ppm以上であることにより、飲料におけるバニリン由来のキレの悪さを効果的に軽減することができる。本発明の飲料におけるラフィノースの含有量は、好ましくは200~2500ppm、より好ましくは300~2000ppm、さらに好ましくは400~1500ppmである。本発明において、飲料中のラフィノースの含有量は、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)を利用した公知の方法にて測定することができる。
本発明の飲料において、バニリンの含有量に対するラフィノースの含有量の重量比([ラフィノースの含有量]/[バニリンの含有量])は、特に限定されないが、例えば40以上、好ましくは60以上、より好ましくは200以上、さらに好ましくは400以上である。なお、前記の重量比は、バニリン及びラフィノースの含有量をいずれも同一の単位としたときに算出される比である。
(α-ターピネオール)
本発明の飲料は、α-ターピネオールをさらに含むことができる。α-ターピネオールをさらに用いることにより、本発明の効果がより顕著に表れる傾向にある。α-ターピネオールは、モノテルペンアルコールの一種であり、化学式C1018Oで表される有機化合物である。α-ターピネオールは、別名として1-p-メンテン-8-オールやp-メンタ-1-エン-8-オールと称されることもあり、そのCAS登録番号は10482-56-1、7785-53-7、又は98-55-5である。α-ターピネオールは、S体及びR体のいずれであってもよく、これらの混合物(例えば、ラセミ体)であってもよい。α-ターピネオールは松根油(pine oil)から単離されることが知られており、一般に、香料や化粧品、石鹸などへの添加物として使用されている。本発明の飲料におけるα-ターピネオールの由来は限定されず、天然原料に由来するものでもよいし、合成品であってもよい。本発明において、α-ターピネオールは香料として添加されるのが好ましい。
α-ターピネオールを用いる場合、本発明の飲料におけるα-ターピネオールの含有量は、特に限定されないが、例えば100~5000ppbである。α-ターピネオールの含有量が前記範囲内であることにより、本発明の効果がより顕著に表れる傾向にある。α-ターピネオールの含有量が5000ppbを超えても本発明の効果が失われるわけではないが、α-ターピネオール特有の風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがある。本発明の飲料におけるα-ターピネオールの含有量は、好ましくは300~4000ppb、より好ましくは500~3000ppbである。本発明において、飲料中のα-ターピネオールの含有量は、以下の方法により測定することができる。
試料溶液20gに水を加えて計150mlにした溶液に、へプタン4mlを加えて精油定量用蒸留装置で90分間蒸留し、へプタン層のサンプルを、ガスクロマトグラフィー質量分析法を用いた測定に供する。定量値は標準添加法で算出する。ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)の条件は以下の通りである。
装置:GC:Agilent Technologies社製 GC7890B
MS:Agilent Technologies社製 5977B
カラム:Agilent Technologies社製DB-WAX 30m×0.25mmi.d. df=0.25μm
導入系:スピリット 5:1
注入量:1μl
温度条件:試料注入口220℃、カラム80℃(1分)~10℃/分~240℃
キャリアガス流量:He 1ml/分
イオン源温度:230℃。
イオン化法:EI
定量イオン:m/z=136
(その他原料)
本発明の飲料には、上記に示した各種成分に加えて、通常の飲料に用いられる香料、栄養強化剤(ビタミン類など)、酸化防止剤、乳化剤、保存料、エキス類、食物繊維、及び品質安定剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。また、本発明の飲料は乳性風味飲料が好ましいことから、乳酸菌を含んでいてもよい。
(pH)
本発明の飲料のpHは、特に限定されないが、例えば5以下、好ましくは2.5~4.5、より好ましくは3~4である。飲料のpHが5以下である場合、バニリンに由来するキレの悪さがより明確に知覚されやすくなる傾向にある。そのため、pHが5以下である飲料は、本発明の効果を発揮する上で好ましい態様の一つである。
飲料のpHは、酸味料やpH調整剤を用いて適宜調整することができる。本発明の飲料で使用できる酸味料又はpH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、アスコルビン酸、酒石酸、乳酸、フマル酸等の有機酸、リン酸等の無機酸及びそれらの塩類、またはレモン、グレープフルーツ、オレンジ、ミカン等の果汁類が挙げられる。具体的な酸味料としては、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、各種果汁(柑橘類、リンゴ、ベリー等)、これらの抽出エキス又はこれらの混合物を挙げることができる。
本発明において、飲料のpHは公知の方法を用いて測定することができる。例えば、「JIS Z 8802 pH測定方法」に従って、pHメーター(JIS Z 8805 pH測定用ガラス電極)を用いて20℃にて飲料のpHを測定することができる。
(Brix)
本発明の飲料のBrix値は、特に限定されないが、例えば15°Bx以下、好ましくは2~12°Bx、より好ましくは4~10°Bxである。飲料のBrix値が15°Bx以下である場合、飲料自体がすっきりとした味わいとなり、それに伴ってバニリンに由来するキレの悪さがより明確に知覚されやすくなる傾向にある。そのため、Brix値が15°Bx以下である飲料は、本発明の効果を発揮する上で好ましい態様の一つである。飲料のBrix値は、市販の糖度計や屈折計などを用いて測定することができる。なお、本明細書においてBrix値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値を意味する。Brix値の単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
(無脂乳固形分)
本発明の飲料の無脂乳固形分の量は、特に限定されないが、例えば2%以下、好ましくは1%以下、最も好ましくは0%である。飲料の無脂乳固形分が2%以下である場合、バニリンに由来するキレの悪さがより明確に知覚されやすくなる傾向にある。そのため、無脂乳固形分が2%以下である飲料は、本発明の効果を発揮する上で好ましい態様の一つである。本明細書において無脂乳固形分とは、乳を構成する成分のうち、乳から水分と乳脂肪分を除いた部分である。本発明において、無脂乳固形分は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」の「別表二 乳等の成分規格並びに製造、調理及び保存の方法の基準」に記載の方法にて測定することができる。
(飲料)
本発明の飲料の種類は、特に限定されないが、清涼飲料とすることができる。本発明の飲料は、例えば、栄養飲料、機能性飲料、フレーバードウォーター系飲料、茶系飲料(紅茶、ウーロン茶等)、コーヒー飲料、及び炭酸飲料などいずれであってもよいが、フレーバードウォーターであることが好ましい。本発明の飲料は、一実施形態において、乳性風味を有する飲料であることが好ましい。ここで、本明細書において乳性風味とは、ヨーグルト風味、或いは、乳酸菌飲料を想起させる甘酸っぱい風味のことをいう。乳酸菌飲料とは、乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させたものを加工し、又は主要原料とした飲料を意味し、発酵乳特有の香りを有し、市販の製造品としてはカルピスやヤクルト等が挙げられる。本発明の飲料は、特に限定されるわけではないが、アルコール分1%(v/v)未満の飲料であることが好ましい。アルコール分が1%(v/v)以上である場合、飲料に含まれるエタノール等のアルコール成分が本発明の効果を阻害するおそれがある。
本発明の飲料は、容器に詰められた状態の容器詰飲料であることが好ましい。容器としては、特に限定されず、例えば、プラスチックボトル(PETボトルなど)、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。なかでも、無色透明のPETボトルは、容器中の飲料の色味が外部から視認しやすく、且つ充填後の飲料の取り扱いも容易であるため、好ましい。
また、本発明の飲料は、加熱殺菌された容器詰飲料とすることもできる。加熱殺菌を行う場合、その方法は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌処理の温度は特に限定されないが、例えば65~130℃、好ましくは85~120℃である。加熱殺菌処理の時間は特に限定されないが、例えば10~40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5~30秒での加熱殺菌処理でもよい。
(製造方法)
本発明の飲料は、上述した成分を適宜配合することにより製造することができる。本発明の飲料の製造において、各種成分の配合順序は特に限定されるものではない。また、本発明の飲料の製造においては、上記に示した成分及び材料を配合する工程やそれらの含有量を調整する工程も含むことができる。本発明の飲料の製造における飲料中の成分の種類やその含有量等の各種要素については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
また、本発明の飲料の製造においては、飲料を加熱殺菌する工程が含まれ、また、必要に応じて飲料の容器詰めを行う工程も含むことができ、これらの工程を経て、容器詰め飲料とすることができる。加熱殺菌を行う条件は上記に説明した通りであるが、特に限定されるわけではない。
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<参考例>
バニリン1000ppbを含有する、甘味度の異なる3種類の飲料サンプルを調製した。具体的には、水にバニリン1000ppbを添加し、ショ糖を用いて、下表に示した甘味度になるよう各飲料サンプルを調製した。さらに、クエン酸を用いて各飲料サンプルのpHを3.5に調整した。
得られた飲料サンプルについて、3名の専門パネルにて官能評価を行った。官能評価としては、飲料サンプルを飲用した後に感じられるバニリンに起因するキレについて、以下の評価基準に従って3段階で評価を行った。評価結果については、専門パネル各自が評価を行った後、パネル全員で協議して最終的な評価結果を決定した。
(評価基準)
3:バニリンに起因するキレの悪さを感じない
2:バニリンに起因するキレの悪さを少し感じる
1:バニリンに起因するキレの悪さをとても感じる
Figure 2022107326000002
結果は上記の通りであり、甘味度が9以下の飲料については、バニリンに起因するキレの悪さが感じられるが、甘味度が12の飲料については、バニリンに起因するキレの悪さは感じられなかった。
<実験例1>
バニリン、ラフィノース、マルトオリゴ糖、及びα-ターピネオールの各種成分を水に添加し、各種成分の最終濃度が下表に示した濃度となるように飲料サンプルを調製した。なお、各飲料サンプルの甘味度はショ糖で調整し、各飲料サンプルのpHはクエン酸を用いて3.5に調整した。添加成分であるラフィノースは「ラフィノース100」(日本甜菜製糖)(ラフィノース100%含有、甘味度0.21)を用い、マルトオリゴ糖は「フジオリゴ#360」(日本食品化工)(マルトトリオース60%含有、マルトテトラオース7.6%含有、甘味度0.33)を用いた。
得られた飲料サンプルについて、5名の専門パネルにて官能評価を行った。官能評価としては、飲料サンプルを飲用した後に感じられるバニリンに起因するキレについて行い、下表に示した飲料サンプルa~eをそれぞれ評価点5~1の評価基準とした。評価結果の点数は、5名の専門パネルによる評価点の平均値とした。
Figure 2022107326000003
Figure 2022107326000004
官能評価の結果は上記の通りである。甘味度が9以下で、バニリンを5ppb以上含有する飲料において、ラフィノースを200ppm以上含有させると、バニリンに起因するキレの悪さが改善されることがわかった。一方、マルトオリゴ糖を含有させても、バニリンに起因するキレの悪さの改善は見られなかった。また、α-ターピネオールを追加で含有させると、バニリンに起因するキレの悪さがより改善される効果が見られた。

Claims (2)

  1. 5ppb以上のバニリン及び200ppm以上のラフィノースを含み、甘味度が9以下である、飲料。
  2. α-ターピネオールをさらに含む、請求項1に記載の飲料。
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