JP2022105255A - シリカ熱反射板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、高反射率を有し、炉内への汚染が抑制されており、長寿命のシリカ熱反射板を提供することを目的とする。【解決手段】本開示に係るシリカ熱反射板は、シリカ板1と、シリカ板1の内部に配置されてシリカ板1によって外周囲が完全に覆われてなり、かつ、シリカ板1の一方の表面に入射した赤外線を反射する反射体5と、を有するシリカ熱反射板100であって、反射体5は、薄膜、板又は箔であり、反射体5の少なくとも反射面を含む表面層は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re又はHfからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなる。【選択図】図2

Description

本開示は、例えば、半導体・電子部品の分野で、ウエハ、基板等を高温で熱処理する種々の熱処理装置の熱反射板として利用でき、高反射率を有することから熱処理装置の省エネルギー化が可能であり、また、汚染を抑制することが可能なシリカ熱反射板に関する。
半導体ウエハの製造または処理工程においては、半導体ウエハに各種の性質を付与するため熱処理作業が行われている。例えば、半導体ウエハを高純度石英製の炉芯管に収納し、炉芯管内の雰囲気を制御して、熱処理作業が行われる。この熱処理工程に使用される熱処理装置では、炉内の高温維持と炉床部への熱放散を防止するため、炉内と炉床との間に炉開口部を塞ぐように保温体(蓋体)が設けられている。
このような保温体としては、熱処理室の開口部を閉塞し、互いに離間して積層され、かつ熱処理室に露出する石英板を有する保温体があり、石英板は表面が平滑で気泡がなく、石英板の内部に金薄膜が形成されていて、金薄膜は、金蒸着により形成されたという特徴がある(例えば、特許文献1を参照。)。
また、石英管を中心に通すための孔及び石英ロッドを通すための孔を有する石英板の上に、白金(Pt)及び酸化物(SiOやPbOなど)の混合物に有機物を加えてペースト状にしたものをスクリーン印刷により塗布し、これを焼き固めることにより抵抗発熱体よりなる例えば厚さ5~10ミクロンの反射面を形成する技術の開示がある(例えば、特許文献2を参照。)。
縦型熱処理炉の断熱構造体が、複数本の支柱と、これら支柱に上下方向に所定間隔で設けられた複数枚の反射性を有する遮熱板とから構成されている技術の開示がある(例えば、特許文献3を参照。)。特許文献3によれば、遮熱板は、反射膜と、この反射膜の表面を被覆する透明石英層とから形成されている。この遮熱板を形成する一つの方法としては、透明石英層を形成する円形の一対の透明石英板を用い、その一方の透明石英板の片方の面に反射膜を設け、この反射膜をもう一方の透明石英板との間で挟み込み、両透明石英板の周縁部を溶接して密封および一体化する方法がある。
特開2001‐102319号公報 特開平9‐148315号公報 特開平11‐97360号公報 特開2019‐217530号公報 特許4172806号公報 特許6032667号公報
特許文献1では反射膜として金薄膜が用いられているが、金の融点は1064℃であり、1500℃以上の熱処理時に、溶融したり、膜がめくれあがったり、縮小したりする問題があり、実用上耐熱性に問題があった。
特許文献2では、反射板兼ヒーターとしての利用のため、中央に石英管でヒーター導通箇所を設けているが、当構造によって一部輻射熱を遮蔽しきれない箇所が発生する。より高い省エネルギー化のためには、反射面積率を多く取り、尚且つ反射板をより薄くし、熱容量を下げる必要がある。
特許文献3では、石英板で挟み込み、溶接を行う手法がとられているが、熱の影響を受けるため、薄膜で実施する際には膜が剥がれてしまう問題が生じる。さらに内部を真空に保つことは難しく、高温使用時の内圧上昇によって薄膜が破損するリスクは避けられない。また透明石英を流し込み作製する手法においても、金属薄膜に実施する場合は熱的、物理的ダメージを避けることはできない。
本開示は、従来手法よりも反射面積率をより多く確保することができ、熱容量が小さく省エネルギー化が可能で、高反射率を有し、炉内の汚染が抑制され、長寿命のシリカ熱反射板を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoを含む表面層を反射面とする反射体を、シリカ板の内部に配置することによって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るシリカ熱反射板は、シリカ板と、該シリカ板の内部に配置されて該シリカ板によって外周囲が完全に覆われてなり、かつ、該シリカ板の一方の表面に入射した赤外線を反射する反射体と、を有するシリカ熱反射板であって、前記反射体は、薄膜、板又は箔であり、前記反射体の少なくとも反射面を含む表面層は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることを特徴とする。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記シリカ板は、第1シリカ板と第2シリカ板とが対向して配置されて周縁部同士が周縁に沿って環状に連続して接合された合わせ板の構造を有することが好ましい。シリカ板及び反射体を薄くできるので、熱容量を小さくすることができる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記合わせ板の構造は、前記第1シリカ板及び前記第2シリカ板の対向し合う面の間に設けられ、かつ、前記第1シリカ板側及び前記第2シリカ板側の少なくとも一方に前記周縁部同士の接合部によって密閉されているキャビティを有し、該キャビティ内に前記反射体が配置されていることが好ましい。反射体が密閉空間であるキャビティ内にあるため、周縁部同士の接合部に、反射体に起因する剥がす方向の応力がかかりにくく、反射体の破損による炉内の汚染を抑制することができる。さらにシリカ板と反射体の熱膨張差による破損を回避できる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記キャビティを少なくとも前記第1シリカ板側に有し、前記第1シリカ板の前記キャビティ内の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、該薄膜は、前記第1シリカ板の前記キャビティ内の表面側から順に、下地膜と、前記反射面を含む表面層としての反射膜と、を有する積層膜であり、前記下地膜は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、前記反射膜は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、前記下地膜と前記反射膜とが異なる組成を有していることが好ましい。第1シリカ板のキャビティ内の表面上に反射体を形成しているため、周縁部同士の接合部に、反射体に起因する剥がす方向の応力がかかりにくく、反射体の破損による炉内の汚染を抑制することができる。さらにシリカ板と反射体の熱膨張差による破損を回避できる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記第1シリカ板が平板であり、前記キャビティを前記第2シリカ板側に有し、前記第1シリカ板の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、該薄膜は、前記第1シリカ板の表面側から順に、下地膜と、前記反射面を含む表面層としての反射膜と、を有する積層膜であり、前記下地膜は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、前記反射膜は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、前記下地膜と前記反射膜とが異なる組成を有していることが好ましい。平板である第1シリカ板に反射体としての薄膜を形成するため、生産性に優れたシリカ熱反射板とすることができる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記反射体が、板又は箔であり、かつ、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることが好ましい。キャビティ内に反射体としての板又は箔が収容された状態となっており、板又は箔の腐食が生じにくい。さらに、周縁部同士の接合部に、板又は箔に起因する剥がす方向の応力がかかりにくい。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記キャビティ内の圧力は、大気圧未満の減圧となっていることが好ましい。熱処理時にキャビティの内圧が高まることを抑制することができ、炉内の汚染をより抑制することができる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、(1)前記第1シリカ板は、前記周縁部に設けられた土手部と該土手部で取り囲まれて前記キャビティを構成する凹部とを有し、前記第2シリカ板は、平板状であるか、又は、(2)前記第1シリカ板は、平板状であり、前記第2シリカ板は、前記周縁部に設けられた土手部と該土手部で取り囲まれて前記キャビティを構成する凹部とを有することが好ましい。第1シリカ板に凹部を設けることで、シリカ板内にキャビティを簡易な構造で設けることができる。あるいは、第2シリカ板に凹部を設けることで、シリカ板内にキャビティを簡易な構造で設けることができる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記シリカ熱反射板は、前記キャビティ内で前記合わせ板の構造の対向する面同士の間を立設する少なくとも1本の支柱部を有することが好ましい。支柱部によって合わせ板構造の接合強度を高めることができる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記支柱部が、柱状又は筒状である形態を含む。柱状又は筒状とすることで、接合強度を高めつつ、反射体の面積を広くとることが出来る。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記シリカ熱反射板は、前記支柱部を複数有し、 該支柱部は筒状であり、かつ、各支柱部は互いに筒壁の一部を共有した3次元空間充填構造を有することが好ましい。3次元空間充填構造とすることで接合強度を高めつつ、反射体の面積を広くとることが出来、さらに反射板そのものの強度を高めることができる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記3次元空間充填構造は、ハニカム構造、矩形格子構造、方形格子構造又はひし形格子構造である形態を包含する。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記第1シリカ板及び前記第2シリカ板の対向し合う面は互いに平坦面であり、前記反射体は、前記第2シリカ板側の前記第1シリカ板の表面のうち前記周縁部同士の環状の接合部の内側の領域に形成された薄膜であり、該薄膜は、前記第1シリカ板の表面側から順に、下地膜と、前記反射面を含む表面層としての反射膜と、を有する積層膜であり、前記下地膜は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、前記反射膜は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、前記下地膜と前記反射膜とが異なる組成を有していることが好ましい。反射体と第2シリカ板の部分接触により生じる干渉縞をより抑制することができる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記キャビティを少なくとも前記第1シリカ板側に有し、前記第1シリカ板の前記キャビティ内の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、該薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることが好ましい。Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であるときは、反射体として形成した薄膜が単層膜であってもよい。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記第1シリカ板が平板であり、前記キャビティを前記第2シリカ板側に有し、前記第1シリカ板の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、該薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることが好ましい。Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であるときは、反射体として形成した薄膜が単層膜であってもよい。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記第1シリカ板及び前記第2シリカ板の対向し合う面は互いに平坦面であり、前記反射体は、前記第2シリカ板側の前記第1シリカ板の表面のうち前記周縁部同士の環状の接合部の内側の領域に形成された薄膜であり、該薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることが好ましい。Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であるときは、反射体として形成した薄膜が単層膜であってもよい。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記キャビティを前記第1シリカ板側及び前記第2シリカ板側に有し、前記第1シリカ板の前記キャビティ内の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、該薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることが好ましい。Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であるときは、反射体として形成した薄膜が単層膜であってもよい。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記反射体の厚さは、0.01μm以上5mm以下であることが好ましい。反射体による輻射熱の反射効率を保持しつつ、シリカ熱反射板の熱容量を小さくすることができる。
本発明に係るシリカ熱反射板では、前記周縁部同士の接合部は、表面活性化接合部であることが好ましい。一般的な溶接手法よりも接合幅を短くすることで、より輻射熱を炉内へ反射させることができる。また、反射体である薄膜が接合プロセスによる熱的、物理的ダメージを受けにくい。また、接合部における接合強度が高められており、シリカ熱反射板はより長寿命となり、また耐食性が高まり、炉内の汚染が抑制される。
本開示によれば、従来手法よりも反射面積率をより多く確保することで高反射率を有し、熱容量が小さく省エネルギー化が可能で、炉内への汚染が抑制されており、長寿命のシリカ熱反射板を提供することができる。
本実施形態に係るシリカ熱反射板の一例を示す平面概略図である。 A-A断面の第1例を示す概略図である。 A-A断面の第2例を示す概略図である。 A-A断面の第3例を示す概略図である。 A-A断面の第4例を示す概略図である。 A-A断面の第5例を示す概略図である。 A-A断面の第6例を示す概略図である。 A-A断面の第7例を示す概略図である。 支柱部がハニカム構造を有する形態の例を示す図である。 A-A断面の第8例を示す概略図である。 A-A断面の第9例を示す概略図である。 A-A断面の第10例を示す概略図である。 A-A断面の第11例を示す概略図である。 A-A断面の第12例を示す概略図である。 A-A断面の第13例を示す概略図である。 実施例1の反射体の反射率を示すグラフである。 1000℃における物質が放射する黒体放射の波長と放射量との関係を示すグラフである。 実施例5の反射体の反射率を示すグラフである。 実施例6の反射体の反射率を示すグラフである。 A-A断面の第14例を示す概略図である。
以降、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
(反射体が薄膜である形態)
図1及び図2を参照して、本実施形態に係るシリカ熱反射板について説明する。本実施形態に係るシリカ熱反射板100は、シリカ板1と、シリカ板1の内部に配置されてシリカ板1によって外周囲が完全に覆われてなり、かつ、シリカ板1の一方の表面に入射した赤外線を反射する反射体5と、を有する。図1においては、紙面に向かう方向が赤外線の入射方向である。図2においては、上から下に向かう方向が赤外線の入射方向である。反射体5は薄膜であり、反射体5の少なくとも反射面を含む表面層は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなる。図2では、反射体5が積層膜である形態が示されており、下地膜3の上に反射面を含む表面層としての反射膜4が形成されている。
シリカ熱反射板100では、シリカ板1は、第1シリカ板1aと第2シリカ板1bとが対向して配置されて周縁部同士が周縁に沿って環状に連続して接合された合わせ板の構造を有することが好ましい。図2において、第1シリカ板1aと第2シリカ板1bとは、周縁部同士の接合部2によって、合わせ板の構造を形成している。周縁部同士の接合部2は、図1に示すように、シリカ板1の周縁に沿って環状に連続している。図1では、周縁部同士の接合部2は、第2シリカ板1bを透視して第1シリカ板1aと第2シリカ板1bとの境界部としてみることができ、グレーの領域として図示した。合わせ板の構造とすることで、シリカ板を薄くできるので、熱容量を小さくすることができる。
反射体5を正面に見たシリカ板1の形状は、例えば、円形、楕円形、長方形又は正方形であり、円形が好ましい。円形の直径は、例えば、5~50cmである。周縁部同士の接合部2の環状形状の幅は、例えば0.5~20mmである。シリカ板1の肉厚は0.1~20mmであることが好ましく、0.2~10mmであることがより好ましい。第1シリカ板1aの肉厚は0.05~10mmであることが好ましく、0.5~1.5mmであることがより好ましい。第2シリカ板1bの肉厚は0.05~10mmであることが好ましく、0.5~1.5mmであることがより好ましい。
シリカ板1は、結晶性シリカ板又は非晶質シリカ板である形態を包含する。シリカ板1の不純物濃度は、100ppm以下、好ましくは90ppm以下である。
シリカ熱反射板100では、合わせ板の構造は、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの対向し合う面の間に設けられ、かつ、第1シリカ板1a側及び第2シリカ板1b側の少なくとも一方に周縁部同士の接合部2によって密閉されているキャビティ12を有し、キャビティ12内に反射体5が配置されていることが好ましい。キャビティ12は、第1シリカ板1a側に設けられた形態、第1シリカ板1a側及び第2シリカ板1b側の両側に設けられた形態及び第2シリカ板1b側に設けられた形態がある。図2ではキャビティ12が、第1シリカ板1a側に設けられた形態を示している。この形態では、第1シリカ板1aの一方の表面に凹部が設けられており、第2シリカ板1bは凹部がない平板であり、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの合わせ板の構造とすることで、キャビティ12は、第1シリカ板1a側に設けられる。その結果、キャビティ12は、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの対向し合う面の第1シリカ板1a側のみに設けられ、かつ、周縁部同士の接合部2によって密閉されている。反射体5が密閉空間であるキャビティ12内にあるため、周縁部同士の接合部に、反射体に起因する剥がす方向の応力がかかりにくく、反射体の破損による炉内の汚染を抑制することができる。さらにシリカ板と反射体の熱膨張差による破損を回避できる。
図3では、キャビティ12が、第1シリカ板1a側及び第2シリカ板1b側の両側にわたって設けられた形態を示している。この形態では、第1シリカ板1aの一方の表面に凹部が設けられており、第2シリカ板1bの一方の表面に凹部が設けられており、凹部同士が合わさるように、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの合わせ板の構造とする。その結果、キャビティ12は、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの対向し合う面の第1シリカ板1a側及び第2シリカ板1b側の両方に設けられる。
図4では、キャビティ12が、第2シリカ板1b側に設けられた形態を示している。この形態では、第1シリカ板1aは凹部がない平板であり、第2シリカ板1bの一方の表面に凹部が設けられており、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの合わせ板の構造とすることで、キャビティ12は、第2シリカ板1b側に設けられる。その結果、キャビティ12は、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの対向し合う面の第2シリカ板1b側のみに設けられる。
キャビティ12の高さ(図2では、上下方向の長さ)は、0.1μm~5mmであることが好ましく、0.1μm~1mmであることがより好ましい。キャビティ12は、第1シリカ板1a側にのみ凹部を設ける形態、第1シリカ板1a側及び第2シリカ板1b側の両方に凹部を設ける形態及び第2シリカ板1b側にのみ凹部を設ける形態の3態様があるが、いずれの形態でも、凹部によって、第1シリカ板1aの周縁部及び/又は第2シリカ板1bの周縁部に土手部11が形成される。図2の形態では、第1シリカ板1aに形成された土手部11の天面は、向い合せに配置される第2シリカ板1bの平板部分と接合され、周縁部同士の接合部2が形成される。図3の形態では、第1シリカ板1aと第2シリカ板1bの土手部11の天面同士が接合され、周縁部同士の接合部2が形成される。また、図4の形態では、第2シリカ板1bに形成された土手部11の天面は、向い合せに配置される第1シリカ板1aの平板部分と接合され、周縁部同士の接合部2が形成される。凹部は、例えばエッチング法などによって形成することができる。
本実施形態に係るシリカ熱反射板100では、図2に示すように、第1シリカ板1aは、周縁部に設けられた土手部11と土手部11で取り囲まれてキャビティ12を構成する凹部とを有し、第2シリカ板1bは、平板状であることが好ましい。第1シリカ板1aのみに凹部を設けることで、シリカ板内にキャビティ12を簡易な構造で設けることができる。このような形態を有するシリカ熱反射板は、図2の他、図5、図8、図12又は図15に例示されたシリカ熱反射板103,106,109,112がある。
本実施形態に係るシリカ熱反射板102では、図4に示すように、第1シリカ板1aは、平板状であり、第2シリカ板1bは、周縁部に設けられた土手部11と土手部11で取り囲まれてキャビティ12を構成する凹部とを有することが好ましい。第2シリカ板1bのみに凹部を設けることで、シリカ板内にキャビティ12を簡易な構造で設けることができる。このような形態を有するシリカ熱反射板は、図4の他、図7、図11又は図14に例示されたシリカ熱反射板105,108,111がある。
図2又は図3に示すように、本実施形態に係るシリカ熱反射板100,101では、キャビティ12を少なくとも第1シリカ板1a側に有し、第1シリカ板1aのキャビティ12内の表面上に反射体5として形成した薄膜を有し、薄膜は、第1シリカ板1aのキャビティ12内の表面側から順に、下地膜3と、反射面を含む表面層としての反射膜4と、を有する積層膜であり、下地膜3は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、反射膜4は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、下地膜3と反射膜4とが異なる組成を有していることが好ましい。第1シリカ板のキャビティ内の表面上に反射体を形成しているため、周縁部同士の接合部に、反射体に起因する剥がす方向の応力がかかりにくく、反射体の破損による炉内の汚染を抑制することができる。さらにシリカ板と反射体の熱膨張差による破損を回避できる。反射体5が薄膜であり、薄膜が積層膜である場合は、反射体5の少なくとも反射面を含む表面層は、反射膜4に対応する。積層膜である反射体5は、第1シリカ板1aのキャビティ12内の表面、すなわち、凹部の底面に形成されている。積層膜である反射体5は、凹部の底面の全面積に対して50~100%の面積で形成されていることが好ましく、80~100%の面積で形成されていることがより好ましい。反射体5の膜厚は、10~1500nmであることが好ましく、20~400nmであることがより好ましい。
下地膜3は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることが好ましい。このような金属又は合金は、融点が高く、かつ、シリカ板との密着性に優れている。下地膜3は、例えば、スパッタ膜、塗布膜、CVD、蒸着等で得られる薄膜であることが好ましい。Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金としては、これらの元素のいずれか一種を最多質量にて含む合金であることが好ましく、より好ましくはTa、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiを50質量%以上含有する合金、さらに好ましくは60質量%以上含有する合金、最も好ましくは70質量%以上含有する合金であり、例えば、Ta‐Mo系合金、Ta‐Cr系合金又はCr‐Co系合金である。下地膜3の膜厚は、5~500nmであることが好ましく、10~100nmであることがより好ましい。下地膜3は反射膜4の密着性を向上させる。
反射膜4は下地膜3の表面に堆積していることが好ましい。反射膜4は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることが好ましい。このような金属又は合金は、融点が高く、かつ、赤外線の反射率が高い。また下地膜との反応性が少ない。反射膜4は、例えば、スパッタ膜、塗布膜、CVD、蒸着等で得られる薄膜であることが好ましい。Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金としては、これらの元素のいずれか一種を最多質量にて含む合金であることが好ましく、より好ましくはIr、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoを50質量%以上含有する合金、さらに好ましくは60質量%以上含有する合金、最も好ましくは70質量%以上含有する合金であり、例えば、Ir‐Pt系合金、Ir‐Rh系合金又はPt‐Ru系合金である。反射膜4の膜厚は、5~1000nmであることが好ましく、10~300nmであることがより好ましい。
積層膜としたときの下地膜3と反射膜4の好適な組み合わせとしては、下地膜3/反射膜4は、Ta膜/Ir膜、Mo膜/Ir膜などである。積層膜の膜厚は、10~1500nmであることが好ましく、20~400nmであることがより好ましい。
図5又は図6に示すように、反射体5の厚さがキャビティ12の高さと等しい、すなわち、反射膜4が第2シリカ板1bの表面に接触している形態であってもよい。反射膜4と第2シリカ板が部分的に接触することで発生する干渉縞が低減される。下地膜3は、第1シリカ板1aのキャビティ12内の表面(凹部の底面)に堆積していることが好ましく、反射膜4は下地膜3の表面に堆積していることが好ましい。反射膜4は第2シリカ板1bの表面に接触しているが、第2シリカ板1bの表面に形成されていない、すなわち堆積したものではないことが好ましい。
図4に示すように、本実施形態に係るシリカ熱反射板102では、第1シリカ板1aが平板であり、キャビティ12を第2シリカ板1b側に有し、第1シリカ板1aの表面上に反射体5として形成した薄膜を有し、薄膜は、第1シリカ板1aの表面側から順に、下地膜3と、反射面を含む表面層としての反射膜4と、を有する積層膜であり、下地膜3は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、反射膜4は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることが好ましい。図4に示した形態は、第1シリカ板1aが平板であり、キャビティ12を第2シリカ板1b側に有する点が、図2又は図3に示した形態と異なるが、他は同様である。平板である第1シリカ板1aに反射体としての薄膜を形成するため、生産性に優れたシリカ熱反射板とすることができる。
図7に示すように、反射体5の厚さがキャビティ12の高さと等しい、すなわち、反射膜4が第2シリカ板1bの表面(凹部の底面)に接触している形態であってもよい。反射膜4と第2シリカ板が部分的に接触することで発生する干渉縞が低減される。下地膜3は、第1シリカ板1aの表面に堆積していることが好ましく、反射膜4は下地膜3の表面に堆積していることが好ましい。図7に示した形態は、第1シリカ板1aが平板であり、キャビティ12を第2シリカ板1b側に有する点が、図5又は図6に示した形態と異なるが、他は同様である。平板である第1シリカ板1aに反射体としての薄膜を形成するため、生産性に優れたシリカ熱反射板とすることができる。
図8、図10~図14に示すように、本実施形態に係るシリカ熱反射板106~111は、キャビティ12内で合わせ板の構造の対向する面同士の間を立設する少なくとも1本の支柱部6を有することが好ましい。支柱部6によって合わせ板の構造の接合強度を高めることができる。支柱部6としては、例えば、図8又は図12に示すように、第1シリカ板1aの凹部の底面から延び、支柱部6の天面が平板状の第2シリカ板1bの表面と接合された形態がある。支柱部6が第1シリカ板1aの凹部の底面のみから延びる形態とするためには、例えば、第1シリカ板1aのみについてエッチングによって凹部を形成することで土手部11を形成するが、このとき、土手部11を非エッチング箇所とするのと同様に支柱部6を非エッチング箇所とすることによって形成することができる。また支柱部6としては、例えば、図10又は図13に示すように、第1シリカ板1aの凹部の底面から延び、かつ、第2シリカ板1bの凹部の底面から延び、支柱部6の天面同士が接合された形態がある。支柱部6が第1シリカ板1aの凹部の底面及び第2シリカ板1bの凹部の底面の両方から延びる形態とするためには、例えば、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bについてエッチングによって凹部を形成することで土手部11を形成するが、このとき、土手部11を非エッチング箇所とするのと同様に支柱部6を非エッチング箇所とすることによって形成することができる。さらに支柱部6としては、例えば、図11又は図14に示すように、第2シリカ板1bの凹部の底面から延び、支柱部6の天面が平板状の第1シリカ板1aの表面と接合された形態がある。支柱部6が第2シリカ板1bの凹部の底面のみから延びる形態とするためには、例えば、第2シリカ板1bのみについてエッチングによって凹部を形成することで土手部11を形成し、このとき支柱部6を非エッチング箇所とすることによって形成することができる。図中、支柱部6と第1シリカ板1a若しくは第2シリカ板1bとの接合部、又は支柱部6同士の接合部を接合部7で示した。
図8、図10~図14に示したシリカ熱反射板106~111について、反射体5については、図2~図7に示したシリカ熱反射板100~105と同様である。
次に支柱部6の形状について説明する。本実施形態に係るシリカ熱反射板106~111では、支柱部6が、柱状又は筒状である形態を含む。支柱部6の主軸の横断面の形状は、円形、楕円形又は三角形以上の多角形であることが好ましい。三角形以上の多角形では正方形又は正六角形であることが好ましい。さらに、シリカ熱反射板は、図9に示すように、支柱部6を複数有し、支柱部6は筒状であり、かつ、各支柱部6は互いに筒壁の一部を共有した3次元空間充填構造を有することが好ましい。3次元空間充填構造とすることで接合強度を高めつつ、反射体の面積を広くとることが出来、さらに反射板そのものの強度を高めることが可能である。3次元空間充填構造は、ハニカム構造、矩形格子構造、方形格子構造又はひし形格子構造である形態を包含する。図9では、ハニカム構造の支柱部を有するシリカ熱反射板100を図示している。ハニカム構造は、六角筒形を隙間なく並べた構造、好ましくは正六角筒形を隙間なく並べた構造である。矩形格子構造は断面長方形の角筒形を隙間なく並べた構造である。方形格子構造は断面正方形の角筒形を隙間なく並べた構造である。ひし形格子構造は断面ひし形の角筒形を隙間なく並べた構造である。
本実施形態に係るシリカ熱反射板では、図20に示すように、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの対向し合う面は互いに平坦面であり、反射体5は、第2シリカ板1b側の第1シリカ板1aの表面のうち周縁部同士の環状の接合部2の内側の領域に形成された薄膜であり、薄膜は、第1シリカ板1aの表面側から順に、下地膜と、反射面を含む表面層としての反射膜と、を有する積層膜であり、下地膜は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、反射膜は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、下地膜と反射膜とが異なる組成を有していることが好ましい。なお、図20において、反射体5が積層膜である形態の図示は省略した。下地膜は、第1シリカ板の表面に堆積していることが好ましく、反射膜は下地膜の表面に堆積していることが好ましい。反射膜は第2シリカ板の表面に接触しているが、第2シリカ板の表面に形成されていない、すなわち堆積したものではないことが好ましい。このような構造とすることで、生産性に優れたシリカ熱反射板とすることができる。また、反射体を第2シリカ板により密着させることができ、干渉縞をより抑制することができる。積層膜の膜厚は10~500nmであることが好ましい。積層膜の膜厚を小さくすることで、キャビティ12を設けていなくても、第1シリカ板及び第2シリカ板の応力変形によって周縁部同士の環状の接合部を設けることができ、積層膜がシリカ板内によって外周囲が完全に覆われることが可能となる。反射体5の金属又は合金の選定理由は、図2~図7に示したシリカ熱反射板100~105と同様である。
(反射体として形成した薄膜がMo膜又はMoを含む合金膜である形態1)
本実施形態に係るシリカ熱反射板では、キャビティを少なくとも第1シリカ板側に有し、第1シリカ板のキャビティ内の表面上に反射体として形成した薄膜を有し、薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることが好ましい。Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であるときは、反射体として形成した薄膜が単層膜であってもよい。本実施形態に係るシリカ熱反射板は、図2、図5、図8又は図12において、積層膜である反射体5をMo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜に置換した構造を有する。また、 図3、図6、図10又は図13のシリカ板1のように、キャビティ12が、第1シリカ板1a側及び第2シリカ板1b側の両側にわたって設けられた形態であってもよい。この形態では、第1シリカ板1aの一方の表面に凹部が設けられており、第2シリカ板1bの一方の表面に凹部が設けられており、凹部同士が合わさるように、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの合わせ板の構造とする。その結果、キャビティ12は、第1シリカ板1a及び第2シリカ板1bの対向し合う面の第1シリカ板1a側及び第2シリカ板1b側の両方に設けられる。なお、本実施形態に係るシリカ熱反射板の赤外線の入射方向は、上から下に向かう方向又は下から上に向かう方向のいずれでもよい。
(反射体として形成した薄膜がMo膜又はMoを含む合金膜である形態2)
本実施形態に係るシリカ熱反射板では、第1シリカ板が平板であり、キャビティを第2シリカ板側に有し、第1シリカ板の表面上に反射体として形成した薄膜を有し、薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることが好ましい。Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であるときは、反射体として形成した薄膜が単層膜であってもよい。本実施形態に係るシリカ熱反射板は、図4、図7、図11又は図14において、積層膜である反射体5をMo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜に置換した構造を有する。なお、本実施形態に係るシリカ熱反射板の赤外線の入射方向は、上から下に向かう方向又は下から上に向かう方向のいずれでもよい。
(反射体として形成した薄膜がMo膜又はMoを含む合金膜である形態3)
本実施形態に係るシリカ熱反射板では、第1シリカ板及び第2シリカ板の対向し合う面は互いに平坦面であり、反射体は、第2シリカ板側の第1シリカ板の表面のうち周縁部同士の環状の接合部の内側の領域に形成された薄膜であり、薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることが好ましい。Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であるときは、反射体として形成した薄膜が単層膜であってもよい。本実施形態に係るシリカ熱反射板は、図20において、反射体5をMo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜に置換した構造を有する。なお、本実施形態に係るシリカ熱反射板の赤外線の入射方向は、上から下に向かう方向又は下から上に向かう方向のいずれでもよい。
(反射体として形成した薄膜がMo膜又はMoを含む合金膜である形態4)
本実施形態に係るシリカ熱反射板では、キャビティを第1シリカ板側及び第2シリカ板側に有し、第1シリカ板のキャビティ内の表面上に反射体として形成した薄膜を有し、薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることが好ましい。Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であるときは、反射体として形成した薄膜が単層膜であってもよい。本実施形態に係るシリカ熱反射板は、図3、図6、図10又は図13において、積層膜である反射体5をMo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜に置換した構造を有する。なお、本実施形態に係るシリカ熱反射板の赤外線の入射方向は、上から下に向かう方向又は下から上に向かう方向のいずれでもよい。
形態1~4において、Moを含む合金膜のMoの含有率は、50質量%以上であることが好ましいが、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜は、積層膜である反射体5と同様の膜厚で形成されることが好ましく、また、凹部の底面への薄膜の形成の面積比率は、積層膜である反射体5と同様の範囲で形成されることが好ましい。
本実施形態に係るシリカ熱反射板では、周縁部同士の接合部2は、表面活性化接合部であることが好ましい。さらに支柱部6を含む接合部7は表面活性化接合部であることが好ましい。比較的低温での接合が可能な為、反射膜に熱的、物理的ダメージが無く接合することが可能であり、また、内部を真空に保ったまま接合することで接合部における接合強度が高められており、シリカ熱反射板はより長寿命となり、また耐食性が高まり、炉内の汚染が抑制される。表面活性化接合部とは、接合し合う部位の少なくとも一方を表面活性化状態とした後、接合部位同士を、押圧をかけて合わせることにより原子レベルで表面組織を一体化して接合した部位をいう。接合し合う部位の両方を表面活性化状態とした後、接合部位同士を、押圧をかけて合わせることがより好ましい。シリカ板同士の接合では、シリコン皮膜を製膜した後、表面活性化状態とし、その後、接合部位同士を、押圧をかけて合わせることとしてもよい。表面活性化接合部には、常温活性化接合部とプラズマ活性化接合部とがある。常温活性化接合部には、例えば、高速原子ビームを用いて表面活性化して接合した接合部、Si等の活性金属を用いてナノ密着層を形成して表面活性化して接合した接合部、イオンビームを用いて表面活性化して接合した接合部がある。プラズマ活性化接合部には、例えば、酸素プラズマを用いて表面活性化して接合した接合部、窒素プラズマを用いて表面活性化して接合した接合部がある。周縁部同士の接合部2を表面活性化接合部とすることで、接合部におけるリークを低減でき、例えば、キャビティ内を真空に保つことで高温時の内圧上昇によるシリカ板の破損を防ぐことができる。表面活性化接合部を形成する方法については、例えば、特許文献4~6を参照できる。
本実施形態に係るシリカ熱反射板では、キャビティ12内の圧力は、大気圧未満の減圧となっていることが好ましい。キャビティ12内の圧力は、10-2Pa以下であることがより好ましい。熱処理時にキャビティ12の内圧が高まることを抑制することができ、炉内の汚染をより抑制することができる。また、高温時の反射膜の劣化を抑制できる。
(反射体が板である形態)
本実施形態に係るシリカ熱反射板112では、図15に示すように、反射体8が板であり、かつ、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることが好ましい。Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金としては、これらの元素のいずれか一種を最多質量にて含む合金であることが好ましく、より好ましくはIr、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoを50質量%以上含有する合金、さらに好ましくは60質量%以上含有する合金、最も好ましくは70質量%以上含有する合金であり、例えば、Ir‐Pt系合金、Ir‐Rh系合金又はPt‐Ru系合金である。キャビティ12内に反射体としての板が収容された状態となっており、板の腐食が生じにくい。さらに、周縁部同士の接合部に、板に起因する剥がす方向の応力がかかりにくい。板である反射体8は、凹部の底面の全面積に対して50~100%の面積で形成されていることが好ましく、80~100%の面積で形成されていることがより好ましい。
(反射体が箔である形態)
本実施形態に係るシリカ熱反射板では、反射体が箔であり、かつ、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることが好ましい(不図示)。Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金としては、これらの元素のいずれか一種を最多質量にて含む合金であることが好ましく、より好ましくはIr、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoを50質量%以上含有する合金、より好ましくは60質量%以上含有する合金、最も好ましくは70質量%以上含有する合金であり、例えば、Ir‐Pt系合金、Ir‐Rh系合金又はPt‐Ru系合金である。図15において、反射体8が板である代わりに箔がキャビティ12内に収容された状態となっており、箔の腐食が生じにくい。さらに、周縁部同士の接合部に、箔に起因する剥がす方向の応力がかかりにくい。箔である反射体は、凹部の底面の全面積に対して50~100%の面積で形成されていることが好ましく、80~100%の面積で形成されていることがより好ましい。
本実施形態に係るシリカ熱反射板では、反射体の厚さは0.01μm~5mmであることが好ましく、0.02μm~2mmであることがより好ましい。反射体による高い反射効率を保持しつつ、シリカ熱反射板の熱容量を小さくすることができる。反射体の厚さが0.01μm未満であると反射効率の保持が難しくなり、5mmを超えると反射体の熱量が大きくなりすぎる場合がある。そして、反射体が薄膜である場合、積層膜の膜厚は10nm以上1500nm以下であることが好ましく、20nm以上400nm以下であることがより好ましい。反射体が板である場合、板厚は0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。反射体が箔である場合、箔の厚さは3μm以上2.0mm以下であることが好ましく、8μm以上1.0mm以下であることがより好ましい。
本実施形態では、キャビティを有するとき、キャビティの高さ(図2では、上下方向の長さ)から反射体の厚さを差し引いた値、すなわちキャビティ内の高さ方向の隙間が200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。キャビティ内の高さ方向の隙間が200μmを超えると、大気圧によるシリカ板の変形が大きくなり、その結果、接合部付近に掛かる応力が大きくなり、結合部の割れが生じるおそれがある。
図2~図8、図10~図14においては、赤外線の入射方向は上から下に向かう方向である。図15においては、赤外線の入射方向は上から下に向かう方向又は下から上に向かう方向のいずれでもよい。
以下、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
(実施例1)
(反射体が積層膜である形態)
図2に示したシリカ熱反射板を作製する。まず、外周300mm、厚み1.2mmのシリカ板2枚を準備し、それぞれ第1シリカ板、第2シリカ板とした。次に、第1シリカ板の外周から幅10mmを第2シリカ板との接合部として残し、それ以外の箇所についてはエッチングを行い、深さ1μmのキャビティのための凹部を設けた。次に、第1シリカ板の凹部の底面に下地膜としてTaをスパッタリング法によって50nm成膜し、下地膜の上に反射膜としてIrをスパッタリング法によって150nm成膜し、反射体を形成した。次に、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製 型式:UV-3100PC)を用いて反射体の反射率を測定した。測定した反射率の結果を図16に示す。測定は、反射体の表面に測定のための光を直接当てて行った。また、(数1)を用いて1000℃における物質が放射する黒体放射の波長と放射量の関係を算出した。算出結果を図17に示す。
Figure 2022105255000002
但し、hはプランク定数(6.62607015×10-34J・s)、kはボルツマン定数(1.380649×10-23J/K)、cは光速度(299792458m/s)、λは波長(nm)である。図17の結果、1000℃において輻射熱を反射することが必要であり、波長が2000nm~2600nmで放射量が多いことが確認できる。また、図16の結果、1000℃のときに本実施例における反射体では2000nm以上の波長において90%以上の反射率を有することが確認できた。次に、反射体を形成した第1シリカ板と平板状の第2シリカ板を接合するために、真空度10-2Pa以下の真空中で、高速原子ビームを第1シリカ板の接合部に照射して表面活性化し、第1シリカ板に第2シリカ板を押し付けることでシリカ熱反射板を作製した。
(実施例2)
(反射体が積層膜である形態)
まず、外周300mm、厚み1.2mmのシリカ板2枚を準備し、それぞれ第1シリカ板、第2シリカ板とした。次に、第1シリカ板の外周から幅5mm分を第2シリカ板との接合部としてマスキングした。次に、マスキングした第1シリカ板の面に下地膜としてTaをスパッタリング法によって50nm成膜し、下地膜の上に反射膜としてIrをスパッタリング法によって150nm成膜し、反射体を形成した。次に、マスキングを除去した。反射体は実施例1の反射体と同じであり、図16に示した反射特性と同じ特性を有していた。次に、反射体を形成した平板状の第1シリカ板と平板状の第2シリカ板を接合するために、真空度10-2Pa以下の真空中で、高速原子ビームを第1シリカ板の接合部に照射して表面活性化し、第1シリカ板に第2シリカ板を押し付けることでシリカ熱反射板を作製した。
(実施例3)
(反射体が積層膜である形態)
まず、外周300mm、厚み1.2mmのシリカ板2枚を準備し、それぞれ第1シリカ板、第2シリカ板とした。次に、第1シリカ板の外周から幅5mm分を第2シリカ板との接合部としてマスキングした。次に、マスキングした第1シリカ板の面に下地膜としてTaをスパッタリング法によって50nm成膜し、前記下地膜の上に反射膜としてIrをスパッタリング法によって150nm成膜し、反射体を形成した。次に、マスキングを除去した。反射体は実施例1の反射体と同じであり、図16に示した反射特性と同じ特性を有していた。次に、反射体を形成した平板状の第1シリカ板と平板状の第2シリカ板を接合するために、酸素プラズマを第1シリカ板の接合部に接触させて表面活性化し、第1シリカ板に第2シリカ板を押し付けることでシリカ熱反射板を作製した。
(実施例4)
(反射体が積層膜であり、ハニカム形状の支柱部がある形態)
図12に示したシリカ熱反射板を作製する。まず、外周300mm、厚み1.2mmのシリカ板2枚を準備し、それぞれ第1シリカ板、第2シリカ板とした。次に、第1シリカ板の外周から幅10mm分をマスキングし、その後、それ以外の箇所で、正六角形の幅10mm(1辺の長さは5.77mm)、壁柱厚み0.3mmのハニカム形状の支柱部に相当する箇所にマスキングをした後、エッチングを行い、深さ1μmのキャビティのための凹部を設けた。次に、マスキングした第1シリカ板の凹部の底面に下地膜としてTaをスパッタリング法によって50nm成膜し、下地膜の上に反射膜としてIrをスパッタリング法によって150nm成膜し、反射体を形成した。次に、マスキングを除去した。本実施例の反射体は実施例1の反射体に対してハニカム構造を持たせたものである。図16に示した反射率は、全面が反射膜である形態の値を示しているところ、本実施例のハニカム構造を有する反射膜は、全面に対して反射膜部分の面積比率が94.34%であるため、本実施例の反射特性は図16に示す反射率に対して、0.9434を乗じた反射率を有するものと考えられる。次に、反射体を形成した第1シリカ板と平板状の第2シリカ板を接合するために、真空度10-2Pa以下の真空中で、高速原子ビームを第1シリカ板の接合部2及び支柱部に照射して表面活性化し、第1シリカ板に第2シリカ板を押し付けることで接合し、シリカ熱反射板を作製した。
(実施例5)
(反射体がPt箔である形態)
図15に示したシリカ熱反射板を作製する。まず、外周300mm、厚み1.2mmのシリカ板2枚を準備し、それぞれ第1シリカ板、第2シリカ板とした。次に、第1シリカ板の外周から幅7mmを第2シリカ板との接合部として残し、それ以外の箇所については切削加工を行い、深さ0.2mmのキャビティのための凹部を設けた。次に、第1シリカ板の凹部の底面に、外周284mm、厚み100μmのPt箔を配置し、反射体を形成した。次に、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製 型式:UV-3100PC)を用いて前記反射体の反射率を測定した。測定した反射率を図18に示す。測定は、反射体の表面に測定のための光を直接当てて行った。図18の結果、1000℃のときに本実施例における反射体では2000nm以上の波長において80%以上の反射率を有することが確認できた。次に、反射体を配置した第1シリカ板と平板状の第2シリカ板を接合するために、真空度10-2Pa以下の真空中で、高速原子ビームを第1シリカ板の接合部に照射して表面活性化し、第1シリカ板に第2シリカ板を押し付けることで接合し、シリカ熱反射板を作製した。
(実施例6)
(反射体がMo膜である形態)
まず、外周300mm、厚み1.2mmのシリカ板2枚を準備し、それぞれ第1シリカ板、第2シリカ板とした。次に、第1シリカ板の外周から幅5mm分を第2シリカ板との接合部としてマスキングした。次に、マスキングした第1シリカ板の面に反射体としてMoをスパッタリング法によって200nm成膜した。次に、マスキングを除去した。次に、紫外可視分光光度計((株))島津製作所製 型式:UV-3100PC)を用いて反射体の反射率を測定した。測定した反射率の結果を図19に示す。測定は、反射体の表面に測定のための光を直接当てて行った。また、図19の結果、1000℃のときに本実施例における反射体では2000nm以上の波長において80%以上の反射率を有することが確認できた。次に、反射体を形成した第1シリカ板と平板状の第2シリカ板を接合するために、真空度10‐2Pa以下の真空中で、高速原子ビームを第1シリカ板の接合部に照射して表面活性化し、第1シリカ板に第2シリカ板を押し付けることでシリカ熱反射板を作製した。
100~112 シリカ熱反射板
1 シリカ板
1a 第1シリカ板
1b 第2シリカ板
2 周縁部同士の接合部
3 下地膜
4 反射膜
5 反射体
6 支柱部
7 支柱部を含む接合部
8 反射体
11 土手部
12 キャビティ

本発明者らは、鋭意検討した結果、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoを含む表面層を反射面とする反射体を、シリカ板の内部に配置することによって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るシリカ熱反射板は、シリカ板と、該シリカ板の内部に配置されて該シリカ板によって外周囲が完全に覆われてなり、かつ、該シリカ板の一方の表面に入射した赤外線を反射する反射体と、を有するシリカ熱反射板であって、前記シリカ板は、第1シリカ板と第2シリカ板とが対向して配置されて周縁部同士が周縁に沿って環状に連続して接合された合わせ板の構造を有し、前記第1シリカ板及び前記第2シリカ板の外側板面は全面にわたって平坦面であり、前記反射体は、薄膜、板又は箔であり、かつ、該反射体の周縁に囲まれる全面が反射面であり、前記反射体の少なくとも反射面を含む表面層は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることを特徴とする。合わせ板の構造を有することで、シリカ板及び反射体を薄くできるので、熱容量を小さくすることができる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoを含む表面層を反射面とする反射体を、シリカ板の内部に配置することによって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るシリカ熱反射板は、シリカ板と、該シリカ板の内部に配置されて該シリカ板によって外周囲が完全に覆われてなり、かつ、該シリカ板の一方の表面に入射した赤外線を反射する反射体と、を有するシリカ熱反射板であって、前記シリカ板は、第1シリカ板と第2シリカ板とが対向して配置されて周縁部同士が周縁に沿って環状に連続して接合された周縁部同士の接合部を有する合わせ板の構造を有し、前記第1シリカ板及び前記第2シリカ板の外側板面は全面にわたって平坦面であり、前記反射体は、薄膜、板又は箔であり、かつ、該反射体の周縁に囲まれる全面が反射面であり、前記反射体の少なくとも反射面を含む表面層は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、前記周縁部同士の接合部は、表面活性化接合部であることを特徴とする。合わせ板の構造を有することで、シリカ板及び反射体を薄くできるので、熱容量を小さくすることができる。
本開示によれば、従来手法よりも反射面積率をより多く確保することで高反射率を有し、熱容量が小さく省エネルギー化が可能で、炉内への汚染が抑制されており、長寿命のシリカ熱反射板を提供することができる。そして、周縁部同士の接合部は、表面活性化接合部であることで次の効果が得られる。すなわち、一般的な溶接手法よりも接合幅を短くすることで、より輻射熱を炉内へ反射させることができる。また、反射体である薄膜が接合プロセスによる熱的、物理的ダメージを受けにくい。また、接合部における接合強度が高められており、シリカ熱反射板はより長寿命となり、また耐食性が高まり、炉内の汚染が抑制される。

Claims (19)

  1. シリカ板と、
    該シリカ板の内部に配置されて該シリカ板によって外周囲が完全に覆われてなり、かつ、該シリカ板の一方の表面に入射した赤外線を反射する反射体と、を有するシリカ熱反射板であって、
    前記反射体は、薄膜、板又は箔であり、
    前記反射体の少なくとも反射面を含む表面層は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることを特徴とするシリカ熱反射板。
  2. 前記シリカ板は、第1シリカ板と第2シリカ板とが対向して配置されて周縁部同士が周縁に沿って環状に連続して接合された合わせ板の構造を有することを特徴とする請求項1に記載のシリカ熱反射板。
  3. 前記合わせ板の構造は、前記第1シリカ板及び前記第2シリカ板の対向し合う面の間に設けられ、かつ、前記第1シリカ板側及び前記第2シリカ板側の少なくとも一方に前記周縁部同士の接合部によって密閉されているキャビティを有し、
    該キャビティ内に前記反射体が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のシリカ熱反射板。
  4. 前記キャビティを少なくとも前記第1シリカ板側に有し、
    前記第1シリカ板の前記キャビティ内の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、
    該薄膜は、前記第1シリカ板の前記キャビティ内の表面側から順に、下地膜と、前記反射面を含む表面層としての反射膜と、を有する積層膜であり、
    前記下地膜は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、
    前記反射膜は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、
    前記下地膜と前記反射膜とが異なる組成を有していることを特徴とする請求項3に記載のシリカ熱反射板。
  5. 前記第1シリカ板が平板であり、
    前記キャビティを前記第2シリカ板側に有し、
    前記第1シリカ板の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、
    該薄膜は、前記第1シリカ板の表面側から順に、下地膜と、前記反射面を含む表面層としての反射膜と、を有する積層膜であり、
    前記下地膜は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、
    前記反射膜は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、
    前記下地膜と前記反射膜とが異なる組成を有していることを特徴とする請求項3に記載のシリカ熱反射板。
  6. 前記反射体が、板又は箔であり、かつ、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなることを特徴とする請求項3に記載のシリカ熱反射板。
  7. 前記キャビティ内の圧力は、大気圧未満の減圧となっていることを特徴とする請求項3~6のいずれか一つに記載のシリカ熱反射板。
  8. (1)前記第1シリカ板は、前記周縁部に設けられた土手部と該土手部で取り囲まれて前記キャビティを構成する凹部とを有し、前記第2シリカ板は、平板状であるか、又は、
    (2)前記第1シリカ板は、平板状であり、前記第2シリカ板は、前記周縁部に設けられた土手部と該土手部で取り囲まれて前記キャビティを構成する凹部とを有することを特徴とする請求項3~7のいずれか一つに記載のシリカ熱反射板。
  9. 前記シリカ熱反射板は、前記キャビティ内で前記合わせ板の構造の対向する面同士の間を立設する少なくとも1本の支柱部を有することを特徴とする請求項3~8の少なくとも1つに記載のシリカ熱反射板。
  10. 前記支柱部が、柱状又は筒状であることを特徴とする請求項9に記載のシリカ熱反射板。
  11. 前記シリカ熱反射板は、前記支柱部を複数有し、
    該支柱部は筒状であり、かつ、各支柱部は互いに筒壁の一部を共有した3次元空間充填構造を有することを特徴とする請求項10に記載のシリカ熱反射板。
  12. 前記3次元空間充填構造は、ハニカム構造、矩形格子構造、方形格子構造又はひし形格子構造であることを特徴とする請求項11に記載のシリカ熱反射板。
  13. 前記第1シリカ板及び前記第2シリカ板の対向し合う面は互いに平坦面であり、
    前記反射体は、前記第2シリカ板側の前記第1シリカ板の表面のうち前記周縁部同士の環状の接合部の内側の領域に形成された薄膜であり、
    該薄膜は、前記第1シリカ板の表面側から順に、下地膜と、前記反射面を含む表面層としての反射膜と、を有する積層膜であり、
    前記下地膜は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co又はNiからなるか、又は、Ta、Mo、Ti、Zr、Nb、Cr、W、Co及びNiから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、
    前記反射膜は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf又はMoからなるか、又は、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、Hf及びMoから選ばれる少なくともいずれか1種を含む合金からなり、
    前記下地膜と前記反射膜とが異なる組成を有していることを特徴とする請求項2に記載のシリカ熱反射板。
  14. 前記キャビティを少なくとも前記第1シリカ板側に有し、
    前記第1シリカ板の前記キャビティ内の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、
    該薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることを特徴とする請求項3に記載のシリカ熱反射板。
  15. 前記第1シリカ板が平板であり、
    前記キャビティを前記第2シリカ板側に有し、
    前記第1シリカ板の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、
    該薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることを特徴とする請求項3に記載のシリカ熱反射板。
  16. 前記第1シリカ板及び前記第2シリカ板の対向し合う面は互いに平坦面であり、
    前記反射体は、前記第2シリカ板側の前記第1シリカ板の表面のうち前記周縁部同士の環状の接合部の内側の領域に形成された薄膜であり、
    該薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることを特徴とする請求項2に記載のシリカ熱反射板。
  17. 前記キャビティを前記第1シリカ板側及び前記第2シリカ板側に有し、
    前記第1シリカ板の前記キャビティ内の表面上に前記反射体として形成した薄膜を有し、
    該薄膜は、Mo膜又はMoを50質量%以上含む合金膜であることを特徴とする請求項3に記載のシリカ熱反射板。
  18. 前記反射体の厚さは、0.01μm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1~17のいずれか一つに記載のシリカ熱反射板。
  19. 前記周縁部同士の接合部は、表面活性化接合部であることを特徴とする請求項3~18のいずれか一つに記載のシリカ熱反射板。
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