JP2022104220A - 記録方法及び記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画質に優れる画像の記録と、優れた印刷速度との両立ができる記録方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る記録方法は、記録媒体に記録を行う記録方法であって、白色色材を含む白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる白色インク付着工程と、非白色色材を含む非白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる非白色インク付着工程と、を備え、前記白色インク付着工程及び前記非白色インク付着工程を、記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な走査により行い、前記白色インク付着工程と、前記非白色インク付着工程を、同一の前記相対的な走査により、前記記録媒体の同一の走査領域に対して行い、前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物を付着させた記録領域において、単位領域当たりの前記非白色インク組成物の付着量100質量%に対し、前記白色インク組成物の付着量が60質量%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、記録方法及び記録装置に関する。
近年、PETフィルムなどの軟包装フィルムに対して、商品のラベル等に記録(印刷)することが検討されている。また、軟包装フィルムは、食品等を包装する用途があり、そのような用途では、軟包装フィルムの被記録面は、例えば、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル等のプラスチック材料からなっており、内容物が確認できるように透明あるいは半透明の素材を用いることが多い。
また他に、近年、広告看板、ウインドウグラフィックス、カーラッピング等のいわゆるサイングラフィックスにおいて、印刷による制作用途が拡大しつつある。サイングラフィックスでは、記録媒体として用いられる素材がバナー、コート紙、マット紙、壁紙、布、PET・PVC等のプラスチックフィルム等多岐にわたっている。その中で、最近透明・半透明のプラスチックフィルムに印刷してウインドウ等に貼り付ける広告看板形態が急速に拡大している。
さらに、ラベル印刷も行われており、これも透明・半透明のプラスチックフィルムに印刷することが行われている。また捺染印刷においては、透明ではないが非白色の布帛への記録が行われる。このような様々な印刷において、透明な記録媒体や透明ではないが非白色の記録媒体への印刷が行われる。
これらのような様々な印刷において、透明なメディアに印刷する場合や、また不透明なメディアであっても非白色のメディアに記録する場合に、視認性に優れる画像を記録するために、背景を隠蔽する下地層と呼ばれる白色系のインクで形成した層の上に、カラーインク組成物による所定の画像を形成することがある。
例えば、特許文献1には、記録媒体上に白色系のインク組成物により下地層(白インク層)を記録して、該下地層の上にカラーインク組成物によりカラー画像層(カラーインク層)を記録する、画像記録方法が記載されている。
特開2010-158884号公報
しかしながら、白インク層をカラーインク層の背景画像とする積層方式での記録方法は、視認性に優れる画像(画質に優れる画像)を記録できる一方で、各インク層を積層させる工程を経るため、印刷速度が遅くなる問題があった。したがって、画質に優れる画像の記録と、優れた印刷速度との両立が求められる。
本発明に係る記録方法の一態様は、
記録媒体に記録を行う記録方法であって、
白色色材を含む白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる白色インク付着工程と、
非白色色材を含む非白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる非白色インク付着工
程と、を備え、
前記白色インク付着工程及び前記非白色インク付着工程を、記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な走査により行い、
前記白色インク付着工程と、前記非白色インク付着工程を、同一の前記相対的な走査により、前記記録媒体の同一の走査領域に対して行い、
前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物を付着させた記録領域において、単位領域当たりの前記非白色インク組成物の付着量100質量%に対し、前記白色インク組成物の付着量が60質量%以下である。
本発明に係る記録装置の一態様は、
記録媒体に記録を行う記録装置であって、
白色色材を含む白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる白色インクヘッドと、
非白色色材を含む非白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる非白色インクヘッドと、
インクヘッドと前記記録媒体との相対的な走査を行う走査機構と、を備え、
上記態様の記録方法により記録を行う。
実施形態に係る記録方法に用いる記録装置の一例の概略図。 実施形態に係る記録方法に用いる記録装置の一例のキャリッジ周辺の概略図。 各パスにおけるノズル列の位置とその位置における記録領域とを示す概略図。 実施形態に係る記録方法に用いる記録装置の一例の記録ヘッドにおけるノズル列の配列の一例を模式的に示す概略平面図。 実施形態に係る記録方法に用いる記録装置の一例のブロック図。 実施形態に係る記録方法に用いる記録装置の一例の記録ヘッドにおける吐出ノズル列の配列の他の例を模式的に示す概略平面図。 実施形態に係る記録方法に用いる記録装置の一例の記録ヘッドにおけるノズル列の配列の他の例を模式的に示す概略平面図。 実施形態に係る記録方法に用いる記録装置で記録を行う際に行われる処理の一例を示すフローチャート。 ラテラルスキャン方式により記録を行う記録装置の一部分を模式的に示す概略側面図。 ラテラルスキャン方式により記録を行う記録装置の一部分を模式的に示す概略俯瞰図。
以下に、本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.記録方法
本発明の一実施形態に係る記録方法は、記録媒体に記録を行う記録方法であって、白色色材を含む白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる白色インク付着工程と、非白色色材を含む非白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる非白色インク付着工程と、を備え、前記白色インク付着工程及び前記非白色インク付着工程を、記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な走査により行い、前記白色インク付着工程と、前記非白色インク付着工程を、同一の前記相対的な走査により、前記記録媒体の同一の走査領域に対して行い、前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物を付着させた記録領域において、単位領域当たりの前記非白色インク組成物の付着量100質量%に対し、前記白色インク組成物
の付着量が60質量%以下である。
すなわち、本実施形態に係る記録方法は、白色インク組成物と非白色インク組成物とを、記録ヘッドにより記録媒体上へ同一の相対的走査で同一の走査領域に付着させ、非白色インク組成物の付着量に対する白色インク組成物の付着量を規定するものである。
白色インク組成物と非白色インク組成物とを、記録ヘッドにより記録媒体上へ同一の相対的走査で同一の走査領域に付着させる場合には、各インク層を積層させる工程を経るものでないため、印刷速度の観点においては有利である。しかしながら、このような記録方法においては、白インク組成物と非白色インク組成物とが記録媒体上で混合され、白じみた画像になる場合がある。また、有色又は透明なメディアに直接印刷しようとする場合、視認性を向上させる方法として、背景を隠蔽すること、すなわち白色系のインクで下地層を形成させることが一般的に想定される。そのため、従来技術では、両者のインク組成物を記録媒体上へ同一の相対的走査で同一の走査領域に付着させる着想には到らず、また記録ヘッドにおいても各インク層を積層させる構成を備えるものであった。これに対して、本実施形態に係る記録方法は、両者のインク組成物を記録ヘッドにより記録媒体上へ同一の相対的走査で同一の走査領域に付着させた場合であっても、発色が良く視認性に優れ、画質の優れる画像形成が可能であることを新たに見出したものである。これは、特定の付着量比で白色インク組成物及び非白色インク組成物を付着させることで、優れた画質を維持しつつ、白色色材によるインク層の高い遮蔽性を得ることができたためと推測する。したがって、本実施形態に係る記録方法によれば、優れた画質と、優れた印刷速度との両立を実現できる。
以下、本実施形態に係る記録方法について、まず記録媒体について説明し、その後各工程について説明する。
1.1.記録媒体
本実施形態に係る記録装置で画像を形成する記録媒体は、インク等の液体を吸収する記録面を有するものであっても、液体を吸収する記録面を有しないものであってもよい。したがって記録媒体としては、特に制限はなく、例えば、紙、インク吸収性のフィルム、布等の吸収記録媒体、印刷本紙などの低吸収記録媒体、金属、ガラス、高分子等の非吸収記録媒体などが挙げられる。
なお、本実施形態の記録方法の優れた効果は、低吸収記録媒体又は非吸収記録媒体に対して画像を記録する場合により顕著となり好ましい。
低吸収記録媒体又は非吸収記録媒体とは、インク等の液体を全く吸収しない、又はほとんど吸収しない性質を有する記録媒体を指す。定量的には、低吸収記録媒体又は非吸収記録媒体とは、「ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である記録媒体」を指す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙-液体吸収性試験方法-ブリストー法」に述べられている。これに対して、液体吸収性の記録媒体とは、低吸収記録媒体及び非吸収記録媒体に該当しない記録媒体のことを示す。
非吸収記録媒体としては、例えば、紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているもの、紙等の基材上にプラスチックフィルムが接着されているもの、吸収層(受容層)を有していないプラスチックフィルム等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、低吸収記録媒体としては、表面にインク等の液体を受容するための塗工層(受容層)が設けられた記録媒体が挙げられ、例えば、基材が紙であるものとしては、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙が挙げられ、基材がプラスチックフィルムである場合には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の表面に、親水性ポリマー等が塗工されたもの、シリカ、チタン等の粒子がバインダーとともに塗工されたものが挙げられる。
なお、記録媒体は、無色透明、半透明、着色透明、有彩色不透明等の非白色記録媒体であってもよいし、無彩色不透明等の白色記録媒体であってもよい。非白色記録媒体とは、白色以外の色を有する記録媒体や、透明性を有する(半透明や透明である)記録媒体のことである。白色以外の色としては、限るものではないが例えば、黒、茶色などが挙げられる。
このような記録媒体であっても、本実施形態に係る記録方法によれば、優れた画質と優れた印刷速度とを両立させた記録を行うことができる。したがって、本実施形態に係る記録方法は、記録媒体として非白色記録媒体を好適に用いることができる。
また、本実施形態に係る記録方法によって記録された記録物は、記録媒体が無色透明の場合において、記録媒体の画像が形成された側から見る場合と、その反対側から見る場合とで、同じように画像が見える利点を有する。例えば、ウインドウに記録物を貼り付けて使用する場合には、ウインドウの外から見ても内から見ても画質に優れている。
1.2.白色インク付着工程
本実施形態に係る記録方法は、白色色材を含む白色インク組成物を記録媒体に付着させる白色インク付着工程を備える。
1.2.1.白色インク組成物
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物は、白色色材を含む。以下、白色インク組成物に含有される各成分について説明する。
1.2.1.1.白色色材
白色色材としては、例えば、金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属化合物が挙げられる。金属酸化物としては、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。また、白色色材には、中空構造を有する粒子を用いてもよく、中空構造を有する粒子としては、公知のものを用いることができる。
白色色材としては、上記例示した中でも、白色度及び耐擦性が良好であるという観点から、二酸化チタンを用いることが好ましい。白色色材は、1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
白色色材の体積基準の平均粒子径(D50)(「体積平均粒子径」ともいう。)は、好ましくは30.0nm以上600.0nm以下であり、より好ましくは100.0nm以上500.0nm以下、さらに好ましくは150.0nm以上400.0nm以下である。白色色材の体積平均粒子径が上記範囲であれば、粒子が沈降しにくく、分散安定性を良好にすることができ、また、記録装置に適用した際にノズルの目詰まり等を生じにくくすることができる。また、白色色材の体積平均粒子径が前記範囲内であれば、白色度等の色濃度を十分に満足できる。
白色色材の体積平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)が挙げられる。
なお、本明細書において、白色インク組成物、白色色材等という際の「白色」という語句は、完全な白のみを指すものではなく、白と視認できる範囲であれば、有彩色や無彩色に着色した色や光沢を帯びた色も含む。また白色インク組成物としては、インクが、白色のインクであることを伺わせる名称で呼称、販売されるものが挙げられる。より定量的には「白色」は、例えばCIELABにおいて、Lが100である色のみならず、Lが80以上100以下であり、a及びbがそれぞれ±10以下の色も含まれる。より好ましくは±5以下の色である。より具体的には、色インクを透明な記録媒体に十分な付着量で付着させ、付着領域をCIELABに準拠した測色器で、反射モードで、測色した時の値が、上記範囲である。十分な付着量は例えば15mg/inchであるようなインクを白色インク組成物とする。またインクがそのような白色インク組成物となるような色材を、白色色材とする。
白色インク組成物における白色色材の含有量(固形分)は、白色インク組成物の全質量に対して、5質量%以上20質量%以下、好ましくは7質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは9質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは9質量%以上13質量%以下である。白色色材の含有量が上記範囲内であると、記録装置のノズル詰まり等が発生しにくく、またインク層の遮蔽性を高めるため発色性がより優れ、画質がより優れる画像を形成できる場合がある。
1.2.1.2.分散剤
白色色材は、水中に安定的に分散できることが好適であり、そのために分散剤を使用して分散させてもよい。分散剤としては、界面活性剤、樹脂分散剤等のいずれでもよく、上記の白色色材を含む白色インク組成物中での白色色材の分散安定性を良好とできるものから選択される。また、白色色材を、例えば、オゾン、次亜塩素酸、発煙硫酸等により、白色色材表面を酸化、あるいはスルホン化して白色色材の表面を修飾することにより、自己分散型の白色色材として使用してもよい。
樹脂分散剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸-アクリルニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル-(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン-(メタ)アクリル酸共重合体等の(メタ)アクリル系樹脂及びその塩;スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂及びその塩;イソシアネート基とヒドロキシル基とが反応したウレタン結合を含む高分子化合物(樹脂)であって直鎖状及び/又は分岐状であってもよく、架橋構造の有無を問わないウレタン系樹脂及びその塩;ポリビニルアルコール類;ビニルナフタレン-マレイン酸共重合体及びその塩;酢酸ビニル-マレイン酸エステル共重合体及びその塩;並びに;酢酸ビニル-クロトン酸共重合体及びその塩等の水溶性樹脂を挙げることができる。これらの中でも、疎水性官能基を有するモノマーと親水性官能基を持つモノマーとの共重合体、疎水性官能基と親水性官能基とを併せ持つモノマーからなる重合体が好ましい。共重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
樹脂分散剤として用いられるアクリル系樹脂の市販品としては、BYK-187、BYK-190、BYK-191、BYK-194N、BYK-199(ビックケミー株式会社製)、アロンA-210、A6114、AS-1100、AS-1800、A-30SL、A-7250、CL-2東亜合成株式会社製)等が挙げられる。
また、樹脂分散剤として用いられるスチレン系樹脂の市販品としては、例えば、X-200、X-1、X-205、X-220、X-228(星光PMC社製)、ノプコスパース(登録商標)6100、6110(サンノプコ株式会社製)、ジョンクリル67、586、611、678、680、682、819(BASF社製)、DISPERBYK-190(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、N-EA137、N-EA157、N-EA167、N-EA177、N-EA197D、N-EA207D、E-EN10(第一工業製薬製)等が挙げられる。
さらに、樹脂分散剤として用いられるウレタン系樹脂の市販品としては、BYK-182、BYK-183、BYK-184、BYK-185(ビックケミー株式会社製)、TEGO Disperse710(Evonic Tego Chemi社製)、Borchi(登録商標)Gen1350(OMG Borschers社製)等が挙げられる。
分散剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。分散剤の合計の含有量は、白色色材100質量部に対して、0.2質量部以上60質量部以下、好ましくは1.0質量部以上50質量部以下、より好ましくは2質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは3.0質量部以上30質量部以下である。分散剤の含有量が白色色材100質量部に対して0.2質量部以上であることにより、白色色材の分散安定性をさらに高めることができる。また、分散剤の含有量が白色色材100質量部に対して60質量部以下であれば、得られる分散体の粘度を小さく抑えることができる。
上記例示した分散剤のなかでも、樹脂分散剤、特に、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、及び、ウレタン系樹脂から選択される少なくとも一種であることがさらに好ましい。またこの場合、分散剤の重量平均分子量は、500以上であることがさらに好ましい。分散剤としてこのような樹脂分散剤を用いることにより、臭気が少なく、白色色材の分散安定性をさらに良好にすることができる。
1.2.1.3.樹脂粒子
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物は、樹脂粒子を含有してもよい。樹脂粒子は、記録媒体に付着させた白色インク組成物による画像の密着性をさらに向上させることができる。
樹脂粒子としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂等からなる樹脂粒子が挙げられる。これらの樹脂粒子は、エマルジョン形態で取り扱われることが多いが、粉体の性状であってもよい。また、樹脂粒子は1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ウレタン系樹脂とは、ウレタン結合を有する樹脂の総称である。ウレタン系樹脂には、ウレタン結合以外に、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂等を使用してもよい。ウレタン系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、スーパーフレックス 460、460s、840、E-4000(商品
名、第一工業製薬株式会社製)、レザミン D-1060、D-2020、D-4080、D-4200、D-6300、D-6455(商品名、大日精化工業株式会社製)、タケラック WS-6021、W-512-A-6(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、サンキュアー2710(商品名、LUBRIZOL社製)、パーマリンUA-150(商品名、三洋化成工業社製)などの市販品の中から選択して用いてもよい。
アクリル系樹脂は、少なくとも(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどのアクリル系単量体を1成分として重合して得られる重合体の総称であって、例えば、アクリル系単量体から得られる樹脂や、アクリル系単量体とこれ以外の単量体との共重合体などが挙げられる。例えばアクリル系単量体とビニル系単量体との共重合体であるアクリル-ビニル系樹脂などが挙げられる。さらに例えば、スチレンなどのビニル系単量体との共重合体が挙げられる。
アクリル系単量体としてはアクリルアミド、アクリロニトリル等も使用可能である。アクリル系樹脂を原料とする樹脂エマルジョンには、市販品を用いてもよく、例えばFK-854(商品名、中央理科工業社製)、モビニール952B、718A(商品名、日本合成化学工業社製)、NipolLX852、LX874(商品名、日本ゼオン社製)等の中から選択して用いてもよい。
なお、上述のように本明細書において、アクリル系樹脂は、スチレンアクリル系樹脂であってもよい。また、本明細書において、(メタ)アクリルとの表記は、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン単量体とアクリル系単量体とから得られる共重合体であり、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。スチレンアクリル系樹脂には、市販品を用いても良く、例えば、ジョンクリル62J、7100、390、711、511、7001、632、741、450、840、74J、HRC-1645J、734、852、7600、775、537J、1535、PDX-7630A、352J、352D、PDX-7145、538J、7640、7641、631、790、780、7610(商品名、BASF社製)、モビニール966A、975N(商品名、日本合成化学工業社製)、ビニブラン2586(日信化学工業社製)等の中から選択して用いてもよい。
ポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンを構造骨格に有するものであり、公知のものを適宜選択して用いることができる。オレフィン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えばアローベースCB-1200、CD-1200(商品名、ユニチカ株式会社製)等の中から選択して用いてもよい。
また、樹脂粒子は、エマルジョンの形態で供給されてもよく、そのような樹脂エマルジョンの市販品の例としては、マイクロジェルE-1002、E-5002(日本ペイント社製商品名、スチレン-アクリル系樹脂エマルジョン)、ボンコート4001(DIC社製商品名、アクリル系樹脂エマルジョン)、ボンコート5454(DIC社製商品名、スチレン-アクリル系樹脂エマルジョン)、ポリゾールAM-710、AM-920、AM-2300、AP-4735、AT-860、PSASE-4210E(アクリル系樹脂エマルジョン)、ポリゾールAP-7020(スチレン・アクリル樹脂エマルジョン)、ポリゾールSH-502(酢酸ビニル樹脂エマルジョン)、ポリゾールAD-13、AD-2、AD-10、AD-96、AD-17、AD-70(エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルジョン)、ポリゾールPSASE-6010(エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルジョ
ン)(昭和電工社製商品名)、ポリゾールSAE1014(商品名、スチレン-アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン社製)、サイビノールSK-200(商品名、アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学社製)、AE-120A(JSR社製商品名、アクリル樹脂エマルジョン)、AE373D(イーテック社製商品名、カルボキシ変性スチレン・アクリル樹脂エマルジョン)、セイカダイン1900W(大日精化工業社製商品名、エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルジョン)、ビニブラン2682(アクリル樹脂エマルジョン)、ビニブラン2886(酢酸ビニル・アクリル樹脂エマルジョン)、ビニブラン5202(酢酸アクリル樹脂エマルジョン)(日信化学工業社製商品名)、エリーテルKA-5071S、KT-8803、KT-9204、KT-8701、KT-8904、KT-0507(ユニチカ社製商品名、ポリエステル樹脂エマルジョン)、ハイテックSN-2002(東邦化学社製商品名、ポリエステル樹脂エマルジョン)、タケラックW-6020、W-635、W-6061、W-605、W-635、W-6021(三井化学ポリウレタン社製商品名、ウレタン系樹脂エマルジョン)、スーパーフレックス870、800、150、420、460、470、610、700(第一工業製薬社製商品名、ウレタン系樹脂エマルジョン)、パーマリンUA-150(三洋化成工業株式会社製、ウレタン系樹脂エマルジョン)、サンキュアー2710(日本ルーブリゾール社製、ウレタン系樹脂エマルジョン)、NeoRez R-9660、R-9637、R-940(楠本化成株式会社製、ウレタン系樹脂エマルジョン)、アデカボンタイター HUX-380,290K(株式会社ADEKA製、ウレタン系樹脂エマルジョン)、モビニール966A、モビニール7320(日本合成化学株式会社製)、ジョンクリル7100、390、711、511、7001、632、741、450、840、74J、HRC-1645J、734、852、7600、775、537J、1535、PDX-7630A、352J、352D、PDX-7145、538J、7640、7641、631、790、780、7610(以上、BASF社製)、NKバインダーR-5HN(新中村化学工業株式会社製)、ハイドランWLS-210(非架橋性ポリウレタン:DIC株式会社製)、ジョンクリル7610(BASF社製)等の中から選択して用いてもよい。
樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-50℃以上200℃以下であり、より好ましくは0℃以上150℃以下であり、さらに好ましくは50℃以上100℃以下である。樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)が上記範囲内であることにより、耐久性及び耐目詰まり性により優れる傾向にある。ガラス転移温度の測定は、例えば、株式会社日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計「DSC7000」を用いて、JIS K7121(プラスチックの転移温度測定方法)に準じて行われる。
また、樹脂粒子のTgは、樹脂重合時に、用いる各モノマーの個々のTgに着目してモノマーの種類と組成比を調整することにより調節することができる。これにより、樹脂粒子の樹脂全体のTgの調整が可能である。
樹脂粒子の体積平均粒子径は、10nm以上300nm以下が好ましく、30nm以上300nm以下がより好ましく、30nm以上250nm以下がさらに好ましく、40nm以上220nm以下が特に好ましい。
白色インク組成物に樹脂粒子を含有させる場合の含有量は、白色インク組成物の全質量に対して、固形分として、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは1質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
1.2.1.4.水
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物は、水を含有してもよい。白色インク組成物及び後述する非白色インク組成物が水系インクであると、より環境負荷を小さくすることができる。また、水系インクであると、白色インク組成物と非白色インク
組成物とが混合されやすく画質(OD値)が低下しやすいが、本実施形態に係る記録方法によれば、優れた画質により画像を形成することができる。このように、白色インク組成物は水系インクであることが好ましい。水系とは主要な溶媒成分の1つとして水を含有する組成物である。水は、白色インク組成物の主となる溶媒成分として含んでもよく、乾燥により蒸発飛散する成分である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を抑制できるので好適である。水の含有量は白色インク組成物の総量に対して好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは45質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上99質量%以下であり、特に好ましくは55質量%以上95質量%以下である。
1.2.1.5.有機溶剤
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物は、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤の機能の一つは、記録媒体に対する白色インク組成物の濡れ性を向上させることや、白色インク組成物の保湿性を高めることが挙げられる。有機溶剤としては、エステル類、アルキレングリコールエーテル類、環状エステル類、含窒素溶剤、多価アルコール等を挙げることができる。含窒素溶剤としては環状アミド類、非環状アミド類などを挙げることができる。非環状アミド類としてはアルコキシアルキルアミド類などがあげられる。
エステル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、等のグリコールモノアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、等のグリコールジエステル類が挙げられる。
アルキレングリコールエーテル類としては、アルキレングリコールのモノエーテル又はジエーテルであればよく、アルキルエーテルが好ましい。具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、及び、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類が挙げられる。
また、上記のアルキレングリコールは、モノエーテルよりも、ジエーテルのほうが、インク中の樹脂粒子を溶解又は膨潤させやすい傾向があり、形成される画像の耐擦性を向上させる点でより好ましい。
環状エステル類としては、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、β-ブチロラクトン、β-バレロラクトン、γ-バレロラクトン、β-ヘキサノラクトン、γ-ヘキサノラクトン、δ-ヘキサノラクトン、β-ヘプタノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、δ-ヘプタノラクトン、ε-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン、δ-オクタノラクトン、ε-オクタノラクトン、δ-ノナラクトン、ε-ノナラクトン、ε-デカノラクトン等の環状エステル類(ラクトン類)、並びに、それらのカルボニル基に隣接するメチレン基の水素が炭素数1~4のアルキル基によって置換された化合物を挙げることができる。
アルコキシアルキルアミド類としては、例えば、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-メトキシ-N,N-ジエチルプロピオンアミド、3-メトキシ-N,N-メチルエチルプロピオンアミド、3-エトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-エトキシ-N,N-ジエチルプロピオンアミド、3-エトキシ-N,N-メチルエチルプロピオンアミド、3-n-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-n-ブトキシ-N,N-ジエチルプロピオンアミド、3-n-ブトキシ-N,N-メチルエチルプロピオンアミド、3-n-プロポキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-n-プロポキシ-N,N-ジエチルプロピオンアミド、3-n-プロポキシ-N,N-メチルエチルプロピオンアミド、3-iso-プロポキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-iso-プロポキシ-N,N-ジエチルプロピオンアミド、3-iso-プロポキシ-N,N-メチルエチルプロピオンアミド、3-tert-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-tert-ブトキシ-N,N-ジエチルプロピオンアミド、3-tert-ブトキシ-N,N-メチルエチルプロピオンアミド、等を例示することができる。
環状アミド類としては、ラクタム類が挙げられ、例えば、2-ピロリドン、1-メチル-2-ピロリドン、1-エチル-2-ピロリドン、1-プロピル-2-ピロリドン、1-ブチル-2-ピロリドン、等のピロリドン類などが挙げられる。これらは樹脂粒子の皮膜化を促進させる点で好ましく、特に2-ピロリドンがより好ましい。
これら含窒素溶剤は、樹脂粒子の皮膜化を促進させる点で好ましく、特に2-ピロリドン及び3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミドを用いることが好ましく、2-ピロリドンを用いることがより好ましい。
また、アルコキシアルキルアミド類として、下記一般式(1)で表される化合物を用い
ることも好ましい。
-O-CHCH-(C=O)-NR ・・・(1)
上記式(1)中、Rは、炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、R及びRは、それぞれ独立にメチル基又はエチル基を示す。「炭素数1以上4以下のアルキル基」は、直鎖状又は分岐状のアルキル基であることができ、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基であることができる。上記式(1)で表される化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
式(1)で表される化合物の機能としては、例えば、低吸収性記録媒体上に付着させた白色インク組成物の表面乾燥性及び定着性を高めることが挙げられる。特に、上記式(1)で表される化合物は、塩化ビニル系樹脂を適度に軟化・溶解する作用に優れている。そのため、上記式(1)で表される化合物は、塩化ビニル系樹脂を含有する被記録面を軟化・溶解して、低吸収性記録媒体の内部に白色インク組成物を浸透させることができる。このように白色インク組成物が低吸収性記録媒体に浸透することで、白色インク組成物が強固に定着し、かつ、白色インク組成物が乾燥しやすくなる。したがって、得られる画像は、表面乾燥性及び定着性に優れたものとなりやすい。
また、上記式(1)中、Rは、炭素数1のメチル基であることがより好ましい。上記式(1)において、Rがメチル基である化合物の標準沸点は、Rの炭素数が2以上4以下のアルキル基である化合物の標準沸点と比較して低い。そのため、上記式(1)において、Rがメチル基である化合物を用いると、付着領域の表面乾燥性(特に高温多湿環境下で記録された場合の画像の表面乾燥性)を一層向上できる場合がある。
上記式(1)で表される化合物を用いる場合の含有量は、白色インク組成物の全質量に対して、特に限定されないが、5質量%以上50質量%以下程度であり、8質量%以上48質量%以下であることが好ましい。上記式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲にあることで、画像の定着性及び表面乾燥性(特に高温多湿環境下で記録された場合の表面乾燥性)を一層向上できる場合がある。
白色インク組成物において含窒素溶剤は、有機溶剤の合計含有量100質量%に対し、60質量%以下(60質量%を超えて含有しない)が好ましい。さらには、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。特には、18質量%を超えて含有しないことが好ましく、12質量%を超えて含有しないことがより好ましく、6質量%を超えて含有しないことがさらに好ましく、3質量%を超えて含有しないことが特に好ましい。なお、含窒素溶剤は、有機溶剤の合計含有量100質量%に対し0質量%であってもよく、0質量%以上である。白色インク組成物の含窒素溶剤の含有量が上記範囲内であると、発色性が優れ画質がより向上する傾向にある。これは、画像が形成された記録物の表面平滑性が向上し、表面における光散乱を低減できるためであると推測される。また、記録物の耐擦性の観点からは含窒素溶剤を含有する方が好ましいが、含有量が上記範囲を超えると耐擦性に劣る傾向にある。これは、白色インク組成物の乾燥性が低下するためであり、すなわち、画像の形成過程においてインクの乾燥が不十分な部分が存在すると、当該部分に白色色材が凝集して記録物中の色材分散性が不均一となり、記録物上のインク層における不均一性を起点として損傷が生じやすくなるためであると推測される。
なお、白色インク組成物の総質量に対する含窒素溶剤の含有量は、30質量%以下が好ましい。下限は0質量%であっても良く、0質量%以上である。さらには、2~25質量
%が好ましく、4~20質量%がより好ましく、8~15質量%がさらに好ましい。
また、白色インク組成物及び後述する非白色インク組成物が含窒素溶剤を含有する又は一方だけが含有する場合において、白色インク組成物の含窒素溶剤の含有量が非白色インク組成物の含有量より少ないことが好ましい。これにより、発色性により優れ、画質がより向上する傾向にある。
これは、白色インク組成物の乾燥性が非白色インク組成物の乾燥性よりも相対的に優れることで、白色色材が凝集して記録物中の色材分散性が不均一になりにくくなり、記録物上のインク層表面においても色材が均一に分布することで表面平滑性が向上し、表面における光散乱を低減できるためであると推測される。
含窒素溶剤の含有量は、白色インク組成物が、非白色インク組成物より1質量%以上少ないことが好ましく、3質量%以上少ないことがより好ましく、5質量%以上少ないことがさらに好ましい。また、15質量%以下少ないことが好ましい。
多価アルコールとしては、1,2-アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(別名:プロパン-1,2-ジオール)、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール等のアルカンジオール類)、1,2-アルカンジオールを除く多価アルコール(ポリオール類)(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール(別名:1,3-ブチレングリコール)、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等)等が挙げられる。
多価アルコール類は、アルカンジオール類とポリオール類に分けることができる。アルカンジオール類は、炭素数5以上のアルカンのジオールである。アルカンの炭素数は好ましくは5~15であり、より好ましくは6~10であり、更に好ましくは6~8である。好ましくは1,2-アルカンジオールである。
ポリオール類は炭素数4以下のアルカンのポリオールか、炭素数4以下のアルカンのポリオールの水酸基同士の分子間縮合物である。アルカンの炭素数は好ましくは2~3である。ポリオール類の分子中の水酸基数は2以上であり、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下である。ポリオール類が上記の分子間縮合物である場合、分子間縮合数は2以上であり、好ましくは4以下であり、より好ましくは3以下である。多価アルコール類は、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。
アルカンジオール類及びポリオール類は、主に浸透溶剤及び/又は保湿溶剤として機能することができる。しかし、アルカンジオール類は浸透溶剤としての性質が強い傾向があり、ポリオール類は保湿溶剤としての性質が強い傾向がある。
白色インク組成物が有機溶剤を含む場合、有機溶剤を一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。また、有機溶剤の、白色インク組成物全質量に対する合計の含有量は、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、18質量%以下であることがさらに好ましく、15質量%以下であることが特に好ましい。有機溶剤の含有量が上記範囲内にあることで、濡れ拡がり性と乾燥性のバランスがさ
らによく、さらに発色性が優れ画質がより向上する傾向にある。下限は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。
有機溶剤の標準沸点は、150℃以上が好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。また、有機溶剤の標準沸点は、280℃以下であることが好ましく、270℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることがさらに好ましい。有機溶剤の標準沸点が前記範囲である場合、白色インク組成物の目詰まり回復性や耐擦性がより優れ、好ましい。
白色インク組成物は、25℃の環境下において液体であって標準沸点が280℃超のポリオール有機溶剤を白色インク組成物の全質量に対して2質量%を超えて含有しないことが好ましく、1.5質量%を超えて含有しないことがより好ましく、0.5質量%を超えて含有しないことがさらに好ましい。該含有量の下限は0質量%以上であり含まないことでもよい。これにより、記録媒体に付着させた白色インク組成物の乾燥性が良好になり、白色インク組成物の記録媒体に対する密着性を向上できる。標準沸点が280℃超のポリオール有機溶剤としては、例えば、グリセリン、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。なお、標準沸点が280℃超のポリオール有機溶剤には、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンは含まれないものとする。さらに、標準沸点が280℃超の有機溶剤(ポリオール有機溶剤に限らず)の含有量を上記範囲とすることも上記の点で好ましい。
白色インク組成物は多価アルコール類の含有量が、耐擦性等がより優れる点で、好ましくは1質量%以上27質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以上13質量%以下である。
1.2.1.6.界面活性剤
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、白色インク組成物の表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を向上させる機能を備える。界面活性剤の中でも、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG-50、104S、420、440、465、485、SE、SE-F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上全て商品名、エア・プロダクツ&ケミカルズ社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD-001、PD-002W、PD-003、PD-004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF-103、AF-104、AK-02、SK-14、AE-3(以上全て商品名、日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル社製)が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK-306、BYK-307、BYK-333、BYK-341、BYK-345、BYK-346、BYK-348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン社製)、KF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、KF-6020、X-22-4515、KF-6011、KF-601
2、KF-6015、KF-6017(以上商品名、信越化学工業社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK-3440(ビックケミー・ジャパン社製)、サーフロンS-241、S-242、S-243(以上商品名、AGCセイミケミカル社製)、フタージェント215M(ネオス社製)等が挙げられる。
白色インク組成物に界面活性剤を含有させる場合には、複数種を含有させてもよい。白色インク組成物に界面活性剤を含有させる場合の含有量は、白色インク組成物の全質量に対して、0.1質量%以上2質量%以下、好ましくは0.4質量%以上1.5質量%以下、より好ましくは、0.5質量%以上1.0質量%以下とすることができる。
1.2.1.7.ワックス
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物は、ワックスを含有してもよい。ワックスは、白色インク組成物による画像に滑沢を付与する機能を備えるので、白色インク組成物による画像の剥がれ等を低減できる。
ワックスを構成する成分としては、例えばカルナバワックス、キャンデリワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン等の植物・動物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス;カーボンワックス、ヘキストワックス、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸アミド等の合成ワックス類、α-オレフィン・無水マレイン酸共重合体等の天然・合成ワックスエマルジョンや配合ワックス等を単独あるいは複数種を混合して用いることができる。これらの中でも、軟包装フィルムに対する定着性を高める効果により優れるという観点から、ポリオレフィンワックス(特に、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス)及びパラフィンワックスを用いることが好ましい。
ワックスとしては市販品をそのまま利用することもでき、例えば、ノプコートPEM-17(商品名、サンノプコ株式会社製)、ケミパールW4005(商品名、三井化学株式会社製)、AQUACER515、539、593(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。
また、記録方法において加熱工程等が含まれる場合に、ワックスが溶融しすぎて、その性能が低下することを抑制するという観点から、ワックスの融点は、好ましくは50.0℃以上200.0℃以下、より好ましくは融点が70.0℃以上180.0℃以下、さらに好ましくは融点が90.0℃以上150.0℃以下のワックスを用いることが好ましい。
ワックスは、エマルジョンあるいはサスペンションの形態で供給されてもよい。ワックスの含有量は、白色インク組成物の全質量に対して、固形分換算で0.1質量%以上10.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5.0質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上2.0質量%以下である。ワックスの含有量が上記範囲内にあると、上記ワックスの機能を良好に発揮できる。なお、白色インク組成物及び後述する非白色インク組成物の一方又は両方が、ワックスを含有すれば、画像に滑沢を付与する機能を十分に得ることができる。
1.2.1.8.添加剤
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物は、添加剤として、尿素類、アミン類、糖類等を含有してもよい。尿素類としては、尿素、エチレン尿素、テトラメチ
ル尿素、チオ尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等、及び、ベタイン類(トリメチルグリシン、トリエチルグリシン、トリプロピルグリシン、トリイソプロピルグリシン、N,N,N-トリメチルアラニン、N,N,N-トリエチルアラニン、N,N,N-トリイソプロピルアラニン、N,N,N-トリメチルメチルアラニン、カルニチン、アセチルカルニチン等)等が挙げられる。
アミン類としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。尿素類やアミン類は、pH調整剤として機能させてもよい。
糖類としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、及びマルトトリオース等が挙げられる。
1.2.1.9.その他
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物は、さらに必要に応じて、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防黴剤等の成分を含有してもよい。
1.2.1.10.白色インク組成物の物性
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物は、記録媒体への濡れ拡がり性を適切なものとする観点から、25.0℃における表面張力は、40.0mN/m以下、好ましくは38.0mN/m以下、より好ましくは35.0mN/m以下、さらに好ましくは30.0mN/m以下であることが好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP-Z(協和界面科学社製)を用いて、25.0℃の環境下で白金プレートを組成物で濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
本実施形態に係る記録方法に用いられる白色インク組成物の粘度は、20℃において、1.5mPa・s以上15.0mPa・s以下とすることが好ましく、1.5mPa・s以上7.0mPa・s以下とすることがより好ましく、1.5mPa・s以上5.5mPa・s以下とすることがより好ましい。白色インク組成物が、インクジェット法によって記録媒体に付着される場合には、所定の画像を効率的に記録媒体に形成することが容易である。
1.3.非白色インク付着工程
本実施形態に係る記録方法は、非白色色材を含む非白色インク組成物を記録媒体に付着させる非白色インク付着工程を備える。
1.3.1.非白色インク組成物
本実施形態に係る記録方法に用いられる非白色インク組成物は、非白色色材を含有する。
1.3.1.1.非白色色材
非白色インク組成物に含有される非白色色材は、前述の白色色材以外の色材のことを指す。非白色色材としては、例えば、染料、顔料等が挙げられる。非白色色材は、例えば、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックなどのカラー色材とすることが好ましい。
具体的には、顔料は、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノ
フタロン顔料などの多環式顔料、染料キレート、染色レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料、カーボンブラックなどが用いられる。上記顔料は、1種単独でも、2種以上併用して用いることもできる。さらに、非白色色材として、光輝性顔料を用いてもよい。
顔料の具体例としては、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。
ブラック顔料としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black
FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color
Black S170、Printex 35、Printex U、Printex
V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)等のカーボンブラック類が挙げられる。
イエロー顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
パール顔料としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。
メタリック顔料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅などの単体又は合金からなる粒子が挙げられる。
また、染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料等の通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
非白色色材は、水中に安定的に分散又は溶解できることが好適であり、必要に応じて分散剤を使用して分散させてもよい。分散剤としては、上述の白色インク組成物の白色色材の分散性を向上させるために用いると同様の分散剤を挙げることができる。
非白色色材の含有量は、非白色インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.3質量%以上20.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上15.0質量%以下であり、特に好ましくは0.5質量%以上6.0質量%以下である。非白色色材の含有量が上記範囲内であると、記録装置のノズル詰まり等が発生しにくく、また発色性により優れ画質がより優れる画像を形成できる場合がある。非白色インク組成物に含む非白色色材の凝集性は高いものも低いものも用いることができるが、耐滲み性などがより優れる点で、高いものであることが好ましい。
非白色色材に顔料を採用する場合の顔料粒子の体積平均粒子径は、10nm以上300nm以下が好ましく、30nm以上250nm以下がより好ましく、50nm以上250nm以下がさらに好ましく、70nm以上200nm以下が特に好ましい。非白色色材の体積平均粒子径は前述の体積平均粒子径の確認方法で初期状態として測定するものである。体積平均粒子径が上記範囲の場合、所望の色材を入手しやすい点や、色材の特性などを好ましいものにし易い点で好ましい。
1.3.1.2.その他の成分
本実施形態に係る記録方法に用いられる非白色インク組成物は、非白色色材の他に、樹脂粒子、有機溶剤、界面活性剤、水、ワックス、添加剤、樹脂分散剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防黴剤等の成分を含有してもよい。
これらの成分は、いずれも上述の白色インク組成物と同様であるので、「白色インク組成物」を「非白色インク組成物」と読み替えることにより、詳細な説明を省略する。非白色インク組成物は、これらの成分を、白色インク組成物に含んでもよいものや、その好ましい含有量を、白色インク組成物とは独立して含むことができる。
1.3.1.3.物性
本実施形態に係る記録方法に用いられる非白色インク組成物の粘度は、20℃において、1.5mPa・s以上15.0mPa・s以下とすることが好ましく、1.5mPa・s以上7.0mPa・s以下とすることがより好ましく、1.5mPa・s以上5.5mPa・s以下とすることがより好ましい。非白色インク組成物が、インクジェット法によって記録媒体に付着される場合には、所定の画像を効率的に記録媒体に形成することが容易である。
本実施形態に係る記録方法に用いられる非白色インク組成物は、記録媒体への濡れ拡がり性を適切なものとする観点から、25.0℃における表面張力は、40.0mN/m以
下、好ましくは38.0mN/m以下、より好ましくは35.0mN/m以下、さらに好ましくは30.0mN/m以下であることが好ましい。なお、表面張力の測定は、上述の白色インク組成物と同様に行われる。
1.4.白色インク付着工程及び非白色インク付着工程における態様
本実施形態に係る記録方法は、上述した白色インク付着工程及び非白色インク付着工程を、記録ヘッドと記録媒体との相対的な走査により行い、白色インク付着工程と、非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行い、白色インク組成物及び非白色インク組成物を付着させた記録領域において、単位領域当たりの非白色インク組成物の付着量100質量%に対し、白色インク組成物の付着量が60質量%以下である。
後述の記録装置を用いることで、白色インク付着工程及び非白色インク付着工程を、記録ヘッドと記録媒体との相対的な走査により行うことができ、白色インク付着工程と、非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うことができる。
なお、「走査領域」とは、記録ヘッドを記録媒体方向に投影しながら、記録ヘッドおよび記録媒体のいずれか一方が位置を移動することによって、両者の間の相対的な位置関係を変化させたときの記録媒体上における投影の軌跡領域のことをいう。あるいは、記録ヘッドを記録媒体方向に投影しながら、記録ヘッドおよび記録媒体の両者が位置を移動することによって、両者の間の相対的な位置関係を変化させたときの記録媒体上における投影の軌跡領域のことを含む。あるいは、走査が行われたときに、記録ヘッドが記録媒体に対して相対的な位置を移動する記録媒体上の部分をいう。
ここでいう走査は、インク付着工程における走査であり、インクを吐出しながら行う走査であり、主走査ともいう。
相対的な走査とは、記録ヘッドおよび記録媒体のいずれか一方が位置を移動することによって行われる走査をいう。つまり記録ヘッドが記録媒体に対して移動して行われても良いし、記録媒体が記録ヘッドに対して移動して行われてもよい。
白色インク付着工程と、非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により行うとは、白色インク付着工程を行う走査と非白色インク付着工程を行う走査が、同時に行われることをいう。
白色インク付着工程と、非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うとは、同一の走査により行われた白色インクの走査領域と非白色インクの走査領域が、少なくとも一部、重なる領域を有することをいう。
このような、白色インク付着工程と、非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うような走査を、複数回行うことにより記録が行われてもよい。複数回の走査が行われる場合、走査と走査の間には副走査が行われることが好ましい。副走査は、上記の走査の方向とは交差する方向に、記録ヘッドおよび記録媒体のいずれか一方が相対的な位置を移動することによって行われる。こうして記録ヘッドと記録媒体の相対的な位置が、走査と走査との間で、走査の方向とは交差する方向に異なることになる。副走査においては記録ヘッドから記録媒体へのインクの吐出は行わない。よって副走査は走査ではない。副走査も相対的な走査であればよい。つまり記録ヘッドが記録媒体に対して移動して行われても良いし、記録媒体が記録ヘッドに対して移動して行われてもよい。
なお、走査が複数回行われて副走査も行なわれる場合の走査を特に主走査ともいう。
このようにして、白色インク組成物及び非白色インク組成物を付着させた記録領域において、単位領域当たりの非白色インク組成物の付着量100質量%に対し、白色インク組成物の付着量(付着量比)が60質量%以下であり、50質量%以下が好ましく、45質量%以下であることがより好ましく、白色インク組成物の付着量が30質量%以下であることがより好ましく、白色インク組成物の付着量が20質量%以下であることがさらに好ましく、白色インク組成物の付着量が15質量%以下であることが特に好ましい。一方、上記付着量比は、下限は限るものではないが、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また30質量%以上が好ましい。このような範囲内であると、画質の優れる画像形成が可能となり、優れた印刷速度との両立を実現できる。また白色インクの成分(特に顔料)により画像に隠蔽性を持たせる点で好ましい。
ここで、「単位領域」とは、所定の面積を有する領域のことであり、白色インクの付着量と非白色インクの付着量の比を確認可能な程度の面積を有する単位領域であればよい。仮に、白色インクのみ、非白色インクのみで記録したときに、該単位面積内の各場所において、白色インクの濃度、非白色インクの濃度が、それぞれ一定であることが好ましい。単位領域は、例えば1×1mmの領域である。または2×2mmの領域、または3×3mmの領域である。また、単位領域当たりの非白色インク組成物の付着量100質量%に対する白色インク組成物の付着量が上記範囲内である領域を、記録領域において少なくとも有していればよいが、好ましくは、上記記録領域において、上記付着量比の最大値が上記範囲であることが好ましい。
また、非白色インク組成物の付着量が上記記録領域における最大付着量の領域において、単位領域当たりの非白色インク組成物の付着量に対する白色インク組成物の付着量が上記関係を満たすことが好ましい。さらに好ましくは、非白色インク組成物の付着量が上記記録領域における最大付着量以下かつ最大付着量の半分以上の領域において、単位領域当たりの非白色インク組成物の付着量に対する白色インク組成物の付着量が上記範囲内である。よりさらに好ましくは、非白色インク組成物の付着量が上記記録領域における最大付着量以下かつ最大付着量の20%以上の領域において、単位領域当たりの非白色インク組成物の付着量に対する白色インク組成物の付着量が上記範囲内である。
白色インク組成物及び非白色インク組成物を付着させた記録領域において、白色インク組成物の最大付着量が7mg/inch以下であることが好ましく、5mg/inch以下であることがより好ましく、1.5mg/inch以下であることがさらに好ましく、1mg/inch以下であることが特に好ましい。また最大付着量が、0.1mg/inch以上であることが好ましく、0.3mg/inch以上であることがより好ましく、0.5mg/inch以上であることがさらに好ましい。さらに1mg/inch以上であることが好ましい。白色インク組成物の最大付着量が前記範囲内であると、非白色インク組成物との接触界面積が増大しより混合されやすくなるため、より画質に優れる傾向にある。
また、白色インク組成物及び非白色インク組成物を付着させた記録領域において、非白色インク組成物の最大付着量が15mg/inch以下であることが好ましく、13mg/inch以下であることがより好ましく、11mg/inch以下であることがさらに好ましく、9mg/inch以下であることが特に好ましい。また最大付着量が、4mg/inch以上であることが好ましく、5mg/inch以上であることがより好ましく、7mg/inch以上であることがさらに好ましい。非白色インク組成
物の最大付着量が前記範囲内であると、白色インク組成物との接触界面積が増大しより混合されやすくなるため、より画質に優れる傾向にある。
上記の付着量比や各付着量は、単位領域に対して複数回の走査によりインクの付着が行われた場合は、複数回の走査の合計のインクの付着量比や付着量である。
画像中の場所によって、画像の色や濃度に応じて非白色インクの付着量が異なる場合があるが、その場合も、画像中の各場所において、付着量比が上記の範囲とすることが好ましい。その場合、画像中の各場所の非白色インクの付着量に応じて、白色インクの付着量を異ならせても良く、好ましい。この場合、画像中の各場所において、付着量比を上記の範囲とすることがしやすく好ましい。
1.5.記録装置
本実施形態に係る記録方法が実施される記録装置の一例について図面を参照しながら説明する。
図1は、記録装置を模式的に示す概略断面図である。図2は、図1の記録装置1のキャリッジ周辺の構成の一例を示す斜視図である。図1、2に示すように、記録装置1は、記録ヘッド2と、IRヒーター3と、プラテンヒーター4と、加熱ヒーター5と、冷却ファン6と、プレヒーター7と、通気ファン8と、キャリッジ9と、プラテン11と、キャリッジ移動機構13と、搬送手段14と、制御部CONTを備える。記録装置1は、図2に示す制御部CONTにより、記録装置1全体の動作が制御される。
1.5.1.記録ヘッド
本実施形態に係る記録方法が実施される記録装置が備える記録ヘッド2(以下、単に「ヘッド2」ともいう)は、記録媒体Mに対して相対的に走査されるものである。
ここで、「記録ヘッドと記録媒体との相対的な走査」とは、記録ヘッドおよび記録媒体のいずれか一方が位置を移動することによって、両者の間の相対的な位置関係が変化すること、あるいは、記録ヘッドおよび記録媒体の両者が位置を移動することによって、両者の間の相対的な位置関係が変化することを含む。
ヘッド2が液滴を吐出する方式は、どのような方式であってもよい。ヘッド2の記録方式としては、例えば、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏光電極に与えて記録する方式またはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式(ピエゾ方式)、インク液を印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式(サーマルジェット方式)等が挙げられる。
これらのうちピエゾ方式は、さらに分類が可能であり、薄膜型の記録ヘッドを備えたものと、積層型の記録ヘッドを備えたものに分類することができる。薄膜型の記録ヘッドは、いわゆるユニモルフ型の圧電アクチュエーターを含み、当該圧電アクチュエーターの変位によって、インク組成物をノズルから吐出させる態様のものである。一方、積層型の記録ヘッドは、積層型の圧電素子のd31モードの駆動により、ノズルに連通する圧力室の壁を押してノズルから吐出させる態様のものである。
これらの方式で液滴を吐出できるヘッドをインクジェットヘッドという。本実施形態の
記録ヘッド2としては、特に制限されるものではないが、インクジェットヘッドであることが好ましい。すなわち、上述した白色インク付着工程及び非白色インク付着工程においては、インクジェットヘッドからインクを吐出して行うことが好ましい。そうすると、本実施形態に係る記録方法が実施される記録装置1が、ヘッド2の位置を移動する態様(シリアル型)である場合には、高速な動作が可能で、より高精細な高品質の画像を高速に形成することができる。
図2に示すようなシリアル型の記録装置1では、キャリッジ9を記録媒体Mの媒体幅方向に移動させるキャリッジ移動機構13の動作により、記録ヘッド2と記録媒体Mとの相対的な走査が行われる。媒体幅方向とは、記録ヘッド2の主走査方向である。主走査方向への走査を主走査ともいう。
またここで、主走査方向は、記録ヘッド2を搭載したキャリッジ9の移動する方向である。図1においては、矢印SSで示す記録媒体Mの搬送方向である副走査方向に交差する方向である。図2においては、記録媒体Mの幅方向、つまりS1-S2で表される方向が主走査方向MSであり、T1→T2で表される方向が副走査方向SSである。
記録ヘッド2が、主走査方向MS、すなわち、矢印S1又は矢印S2の何れか一方の方向に走査を行いながら画像を形成する1回の動作を「主走査」や「パス」と呼ぶ。そして、パス1とパス2とで記録ヘッド2の主走査方向MSの移動方向が同じである場合を「単方向印刷」と呼び、パス1とパス2とで記録ヘッド2の主走査方向MSの移動方向が異なる場合を「双方向印刷」と呼ぶ。
単方向印刷では、例えば、パス1において、記録ヘッド2は矢印S2の方向に移動しながらインクを吐出する。その後、記録ヘッド2は矢印S1の方向に移動させ元の位置に戻し(戻り動作)、記録媒体MをT1→T2方向を所定距離だけ移動させ、パス1と同様にしてパス2の印刷動作が行われる。単方向印刷では、主走査方向MSにおける同じ方向にインクが吐出されるため、主走査方向MSにおけるインクドットの着弾位置のズレが少なく、良好な画質の画像を印刷したい場合などに適している。また、記録ヘッドにおける白色インクノズル列を、パスの主走査方向で、非白色インクノズル列よりも先行側に配置する場合において、記録媒体の画像形成面側から見ると、より発色性に優れ画質の優れた画像の形成が可能となる場合がある。また、これとは逆に、記録ヘッドにおける白色インクノズル列を、パスの主走査方向で、非白色インクノズル列よりも後行側に配置する場合において、記録媒体の画像形成面側の裏から見ると、より発色性に優れ画質の優れた画像の形成が可能となる場合がある。
双方向印刷では、例えば、パス1において、記録ヘッド2は矢印S2の方向に移動しながらインクを吐出する。その後、記録媒体MをT1→T2方向を所定距離だけ移動させ、パス2において、パス1とは逆に矢印S1の方向に移動しながらインクを吐出する。双方向印刷では、記録ヘッド2の戻り動作が不要となり、記録ヘッド2が主走査方向MSを往復する間に2列分のドットラインを形成することができる。そのため、単方向印刷の場合よりも印刷に要する時間を短縮させることができる。また、無色透明の記録媒体に記録を行う場合において、双方向印刷によって記録した画像は、記録媒体の画像が形成された側から見る場合と、その反対側から見る場合とで、同じ色により見えやすい点で有利である。
また、本実施形態に係る記録方法は、1回の走査での走査が行われる走査領域に、上述した白色インク付着工程と非白色インク組成物付着工程を同一の走査で記録媒体の同一の走査領域に対して行う走査を、複数回行ってもよい。すなわち、本実施形態に係る記録方法は、マルチパス記録であってもよい。マルチパス記録においては、白色インク組成物と
非白色インク組成物とがより混合されやすいため、画質が劣る傾向にある。しかしながら、本実施形態に係る記録方法では、マルチパス記録においても画質に優れる画像を形成することが可能である。なお、「マルチパス記録」とは、個々の主走査方向MS上のドットの形成を、P回(Pは2以上の整数)のパスで完了する記録動作のことをいう。
図3を用いてマルチパス記録について具体的に説明する。図3は、各パスにおけるノズル列の位置とその位置における記録領域とを示す概略図である。以後の説明では、1色のインク(例えば白色インク組成物)を用いて4パスで記録媒体Mの全画素にドットを形成する場合を例にとり説明する。
1回目(n+1パス目(nは0以上の整数))のパス(1P)と、2回目(n+2パス目)のパス(2P)では、ノズル列16の位置は、ヘッド高さHhの1/4に相当する距離だけ副走査方向にずれている。3回目(n+3パス目)のパス(3P)、4回目(n+4パス目)のパス(4P)についても、ノズル列16の位置は、それぞれ前回のパスの位置からヘッド高さHhの1/4に相当する距離だけ副走査方向にずれている。ここで、「ヘッド高さHh」とは、N×dp(Nはノズル列16のノズル数、dpはノズルピッチ)で表される距離を意味する。
n+1回目のパスでは、記録媒体Mのうちで、領域Q1~Q4の全画素のうちの一部の画素においてドットが記録される。n+2回目のパスでは、記録媒体Mのうちで、領域Q2~Q5の全画素のうちの一部の画素においてドットが記録される。n+3回目のパスでは、それぞれ領域Q3~Q6の全画素のうちの一部の画素においてドットが記録され、n+4回目のパスでは、領域Q4~Q7の全画素のうちの一部の画素においてドットが記録される。領域Q4は、n+1回目と、n+2回目と、n+3回目と、n+4回目のパスの合計4回のパスで100%の画素の記録が実行される。なお、ここでは記録媒体Mの全画素にドットを形成する画像(ベタ画像)を記録媒体Mに形成する場合を想定しているが、実際のドットデータで表される記録画像(印刷画像)は、記録媒体Mにドットを実際に形成する画素と、記録媒体Mにドットを実際に形成しない画素とを含んでいる。すなわち、記録媒体Mの各画素にドットを実際に形成するか否かは、ハーフトーン処理によって生成されるドットデータによって決定される。
同一の走査領域に対して行われる走査の回数を走査回数やパス数という。例えば図3において、1回の副走査で記録ヘッドが記録媒体に対して相対的な位置を移動するSS方向の長さ(ノズル列16の4分の1の長さ)で、かつMS方向に延びる走査領域に対して、行われた走査の回数である。図3の例であれば走査の回数は4である。走査回数は1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましい。また限るものではないが24以下が好ましく、16以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。
本実施形態に係る記録方法が実施される記録装置が備える記録ヘッド2におけるノズル面のノズル列の配列について図4を用いて説明する。図4に、記録ヘッド2におけるノズル面2aのノズル列の配列の一例を模式的に示す。記録ヘッド2は、白色インク組成物や非白色インク組成物を吐出する複数のノズル列を含むノズル面2aを有する。図4に示す例では、記録ヘッド2のノズル面2aは、非白色インク組成物が充填されるノズルが副走査方向に複数配列される複数の非白色インクノズル列15a~15dと、白色インク組成物が充填されるノズルが副走査方向に複数配列される白色インクノズル列16を有する。なお、本明細書では、白色インクノズル列16を有する記録ヘッド2の部分を白色インクヘッドともいい、非白色インクノズル列15a~15dを有する記録ヘッド2の部分を非白色インクヘッドともいう。白色インクノズル列16は、1列であっても、複数であっても良く、図4に示す例では白色インクノズル列16は1列である。また、図4に示す例で
は白色インクノズル列16は、主走査方向MSの矢印S1側に配置されているが、白色インクノズル列16と非白色インクノズル列15a~15dの配置位置は特に制限されない。なお、以下において、非白色インクノズル列15a~15dのうち、記録に用い記録時にインクを吐出する部分を、非白色インク吐出ノズル列という。同様に、白色インクノズル列16のうち、記録に用い記録時に白色インク組成物を吐出する部分を、白色インク吐出ノズル列という。
本実施形態において、図4に示すノズル列の配列の一例では、非白色インクノズル列15a~15dと、白色インクノズル列16とを主走査軸MSに沿って投影したときに、白色インクノズル列16は非白色インクノズル列15a~15dと副走査方向において互いに位置が重なる部分を有する。ここで、重なる部分とは、図4においてXで示す範囲であり、白色インクノズル列16が存在する領域3Aと、非白色インクノズル列15a~15dが存在する領域3B~3Eにおいて一致する、Xで示す副走査方向における長さを指す。
図4に示す例では、重なる部分Xは、白色インクノズル列16の副走査方向における長さの100%であり、非白色インクノズル列15a~15dの副走査方向における長さの100%である。また、非白色インクノズル列15a~15dは全て非白色インク吐出ノズル列であり、白インクノズル列16は全て白インク吐出ノズル列である。このように、重なる部分Xが100%の配列であり、各ノズル列に対して使用ノズル列が100%である場合には、上述の白色インク付着工程と、非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うことができる。また、使用するノズル列が横並びとなるため、記録ヘッド2の副走査方向における長さを短くすることができ、ひいては装置全体の小型化が可能となる。
なお、部分Xの長さは、白色インクノズル列16の副走査方向における長さや、非白色インクノズル列15aの副走査方向における長さに対して、100%であることに限られず、部分Xがノズル列中に有すればよい。
1.5.2.その他の構成
図2に示すような、記録ヘッド2に白色インク組成物や非白色インク組成物を供給するカートリッジ12は、独立した複数のカートリッジを含む。カートリッジ12は、記録ヘッド2を搭載したキャリッジ9に対して着脱可能に装着される。複数のカートリッジのそれぞれには異なる種類のインク組成物が充填されており、カートリッジ12から各ノズルに白色インク組成物や非白色インク組成物が供給される。なお、本実施形態においては、カートリッジ12はキャリッジ9に装着される例を示しているが、これに限定されず、キャリッジ9以外の場所に設けられ、図示せぬ供給管によって各ノズルに供給される形態でもよい。
図1に示すように、記録装置1は、記録ヘッド2からの白色インク組成物や非白色インク組成物の吐出時に記録媒体Mを加熱するためのIRヒーター3及びプラテンヒーター4を備える。本実施形態において、乾燥工程で記録媒体Mを乾燥する際には、IRヒーター3、後述の通気ファン8等を用いることができる。
なお、IRヒーター3を用いると、記録ヘッド2側から赤外線の輻射により放射式で記録媒体Mを加熱することができる。これにより、記録ヘッド2も同時に加熱されやすいが、プラテンヒーター4等の記録媒体Mの裏面から加熱される場合と比べて、記録媒体Mの厚みの影響を受けずに昇温することができる。また、温風又は環境と同じ温度の風を記録媒体Mにあてて記録媒体M上のインク組成物を乾燥させる各種のファン(例えば通気ファン8)を備えてもよい。
プラテンヒーター4は、記録ヘッド2によって吐出された白色インク組成物や非白色インク組成物が記録媒体Mに付着された時点から早期に乾燥することができるように、記録ヘッド2に対向する位置において記録媒体Mを、プラテン11を介して加熱することができる。プラテンヒーター4は、記録媒体Mを伝導式で加熱可能なものであり、本実施形態の記録方法では、必要に応じて用いられ、用いる場合には、記録媒体Mの表面温度が40.0℃以下となるように制御することが好ましい。
なお、IRヒーター3及びプラテンヒーター4による、記録媒体Mの表面温度の上限は60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。さらに、45.0℃以下であることが好ましく、40.0℃以下であることがより好ましく、38.0℃以下であることがさらにより好ましく、35.0℃以下であることが特に好ましい。また、記録媒体Mの表面温度の下限は25.0℃以上であることが好ましく、28.0℃以上であることがより好ましく、30.0℃以上であることがさらに好ましく、32.0℃以上であることが特により好ましい。また40℃以上が好ましい。これにより記録ヘッド2内の白色インク組成物や非白色インク組成物の乾燥及び組成変動を抑制でき、記録ヘッド2の内壁に対するインク組成物中の樹脂の溶着が抑制される。また、記録媒体M上で白色インク組成物や非白色インク組成物を早期に固定することができ、画質を向上させることができる。
加熱ヒーター5は、記録媒体Mに付着された白色インク組成物や非白色インク組成物を乾燥及び固化させる、つまり、二次加熱又は二次乾燥用のヒーターである。加熱ヒーター5は、後加熱工程に用いることができる。加熱ヒーター5が、画像が記録された記録媒体Mを加熱することにより、インク組成物中に含まれる水分等がより速やかに蒸発飛散して、インク組成物中に含まれる樹脂によってインク膜が形成される。このようにして、記録媒体M上においてインク膜が強固に定着又は接着して造膜性が優れたものとなり、優れた高画質な画像が短時間で得られる。加熱ヒーター5による記録媒体Mの表面温度の上限は120.0℃以下であることが好ましく、100.0℃以下であることがより好ましく、90.0℃以下であることがさらに好ましい。また、記録媒体Mの表面温度の下限は60.0℃以上であることが好ましく、70.0℃以上であることがより好ましく、80.0℃以上であることがさらに好ましい。温度が前記範囲にあることにより、高画質な画像が短時間で得られる。
記録装置1は、冷却ファン6を有していてもよい。記録媒体Mに記録されたインク組成物を乾燥後、冷却ファン6により記録媒体M上のインク組成物を冷却することにより、記録媒体M上に密着性よくインク塗膜を形成することができる。
また、記録装置1は、記録媒体Mに対して白色インク組成物や非白色インク組成物が付着される前に、記録媒体Mを予め加熱するプレヒーター7を備えていてもよい。さらに、記録装置1は、記録媒体Mに付着した白色インク組成物や非白色インク組成物がより効率的に乾燥するように通気ファン8を備えていてもよい。
キャリッジ9の下方には、記録媒体Mを支持するプラテン11と、キャリッジ9を記録媒体Mに対して相対的に移動させるキャリッジ移動機構13と、記録媒体Mを副走査方向に搬送するローラーである搬送手段14を備える。キャリッジ移動機構13と搬送手段14の動作は、制御部CONTにより制御される。
図5は、記録装置1の機能ブロック図である。制御部CONTは、記録装置1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部101(I/F)は、コンピューター130(COMP)と記録装置1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU102は、記録装置1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー103
(MEM)は、CPU102のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU102は、ユニット制御回路104(UCTRL)により各ユニットを制御する。なお、記録装置1内の状況を検出器群121(DS)が監視し、その検出結果に基づいて、制御部CONTは各ユニットを制御する。
搬送ユニット111(CONVU)は、記録の副走査(搬送)を制御するものであり、具体的には、記録媒体Mの搬送方向及び搬送速度を制御する。具体的には、モーターによって駆動される搬送ローラーの回転方向及び回転速度を制御することによって記録媒体Mの搬送方向及び搬送速度を制御する。
キャリッジユニット112(CARU)は、記録の主走査(パス)を制御するものであり、具体的には、記録ヘッド2を主走査方向に往復移動させるものである。キャリッジユニット112は、記録ヘッド2を搭載するキャリッジ9と、キャリッジ9を往復移動させるためのキャリッジ移動機構13とを備える。
ヘッドユニット113(HU)は、記録ヘッド2のノズルからの白色インク組成物又は非白色インク組成物の吐出量を制御するものである。例えば、記録ヘッド2のノズルが圧電素子により駆動されるものである場合、各ノズルにおける圧電素子の動作を制御する。ヘッドユニット113により各インク組成物付着のタイミング、ドットサイズ等が制御される。また、キャリッジユニット112及びヘッドユニット113の制御の組合せにより、1走査あたりの白色インク組成物や非白色インク組成物の付着量が制御される。
乾燥ユニット114(DU)は、IRヒーター3、プレヒーター7、プラテンヒーター4、加熱ヒーター5等の各種ヒーターの温度を制御する。
上記の記録装置1は、記録ヘッド2を搭載するキャリッジ9を主走査方向に移動させる動作と、搬送動作(副走査)とを交互に繰り返す。このとき、制御部CONTは、各パスを行う際に、キャリッジユニット112を制御して、記録ヘッド2を主走査方向に移動させるとともに、ヘッドユニット113を制御して、記録ヘッド2の所定のノズル孔から白色インク組成物や非白色インク組成物の液滴を吐出させ、記録媒体Mに白色インク組成物や非白色インク組成物の液滴を付着させる。また、制御部CONTは、搬送ユニット111を制御して、搬送動作の際に所定の搬送量(送り量)にて記録媒体Mを搬送方向に搬送させる。
記録装置1では、主走査(パス)と副走査(搬送動作)が繰り返されることによって、複数の液滴を付着させた記録領域が徐々に搬送される。そして、アフターヒーター5により、記録媒体Mに付着させた液滴を乾燥させて、画像が完成する。その後、完成した記録物は、巻き取り機構によりロール状に巻き取られたり、フラットベット機構で搬送されたりしてもよい。
1.5.3.変形例
本実施形態に係る記録方法が実施される記録装置の変形例を以下に述べる。
1.5.3.1.ノズル面の配列の変形例
本実施形態に係る記録方法においては、上述した白色インク付着工程と、非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うことができればよい。そのため、記録ヘッド2は、各ノズル列において、それぞれ一部のノズルで構成されるノズル列を使用して記録するように制御してもよい。すなわち、各ノズル列が、それぞれ吐出ノズル列及び不吐出ノズル列を有するように選択してもよい。
このような選択は、例えば、ユーザーにより制御部CONTに選択結果を入力することで行うことができる。また、あらかじめメモリー103等に各ノズル列の吐出ノズル列及び不吐出ノズル列の配置に関するメニューが格納され、これをユーザーが選択するようにしてもよい。以下、各ノズル列における記録に用いるノズルの集合を吐出ノズル列という。また、各ノズル列における記録に用いないノズルの集合を不吐出ノズル列ということとする。吐出ノズル列は、記録に用い記録に際し吐出を行うよう設定されたノズルの集合であり、そのようなノズルであれば、記録中にノズルの意図しない不具合により吐出不良となってしまったノズルも吐出ノズル列に含める。また、不吐出ノズル列は、記録に用いず記録に際し吐出を行わないよう設定されたノズルの集合であり、そのようなノズルであって、メンテナンス目的などの画像の形成以外の目的の吐出を行うノズルも、不吐出ノズル列に含める。
互いに異なるノズル列の吐出ノズル列が2列以上、主走査方向MSに投影した場合に完全な重なりを有して配置されると、それぞれのノズル列から吐出される液体を、1回のパスで同一の走査領域に対して同時打ちすることができる。すなわち、このような配置であれば、白色インク付着工程と非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うことができる。
例えば、図6は、図4に示すノズル列の配列の一例において、白色インクノズル列16及び非白色インクノズル列15a~15dの、副走査方向の上流側の3分の1及び副走査方向の下流側の3分の1を不吐出ノズル列とした例である。白色インクノズル列16及び非白色インクノズル列15a~15dのうち、副走査方向の上流側及び下流側の斜線の部分は記録に使用せず、斜線の無い中流側を記録に使用する吐出ノズル列とする。白色インク吐出ノズル列と非白色インク吐出ノズル列の副走査方向に完全に重なる部分がXである。この方式の場合、白色インクノズル列16と非白色インクノズル列15a~15dの重なる部分は100%ではあるものの、実際に使用する白色インク吐出ノズル列と非白色インク吐出ノズル列の重なる部分は、白インク吐出ノズル列の3分の1であり、非白色インク吐出列の3分の1となる。図6の例は、これ以外は図4と同じである。このような態様であっても、白色インク付着工程と非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うことができる。
また、図7に、ノズル列の配列の他の一例を模式的に示す。図7に示す例では、記録ヘッド20のノズル面20aは、非白色インク組成物が充填されるノズルが副走査方向に複数配列される複数の非白色インクノズル列25a~25dと、白色インク組成物が充填されるノズルが副走査方向に複数配列される白色インクノズル列26を有する。白色インクノズル列26は非白色インクノズル列25a~25dと副走査方向において互いに位置が重なる部分を有する。ここで、重なる部分とは、図7においてYで示す範囲であり、白色インクノズル列26が存在する領域4Aと、非白色インクノズル列25a~25dが存在する領域4B~4Eにおいて一致する、Yで示す副走査方向における長さを指す。
図7に示す例では、重なる部分Yは、白色インクノズル列26の副走査方向における長さの3分の2であり、非白色インクノズル列25a~25dの副走査方向における長さの3分の2である。このようなノズル列の配列にある場合でも、重なる部分Yを少なくとも吐出ノズル列とし、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うことができる。
なお、重なる部分Yのみを吐出ノズル列としてもよいし、重なる部分Y以外のノズル列の部分(つまり重なる部分YよりもSS方向の上流側又は下流側の部分)も吐出ノズル列としてもよい。つまり、白色インク付着工程と非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うような走査領域を少なくとも有すれ
ばよい。
こうして、白色インク付着工程と非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うことができる。
なお、図8は、記録装置1において記録を行う際に行われる処理を示すフローチャートの例である。記録装置の制御部は、記録を開始する場合に、ステップ400で、記録モードの決定を行う。記録モードは、記録に用いる吐出ノズル列や不吐出ノズル列の配置、吐出量、重ね打ちの態様、記録時の記録ヘッドの動作、記録媒体の動作等の記録の詳細が定められた記録の態様である。
記録モードの決定は、記録装置1に対して、コンピューターなどの外部機器から入力した入力信号によって決定されたり、記録装置1が備えるユーザー入力部へのユーザーの入力情報によって決定される。ここで、外部機器からの入力信号や、ユーザーの入力情報は、記録モードを直接指定する情報であってもよいし、記録する記録媒体種情報や、記録速度の指定や、画質の指定などの、記録に関する情報であってもよい。また記録に関する情報はこれらには限られない。後者の場合は、記録装置1は、予め記録に関する情報に対応する記録モードを定めた対応情報を制御部などの記録装置1内に記録しており、対応情報を参照して記録モードを決定する。又はAI技術(人工知能技術)を利用して決定してもよい。
ステップS401では、決定された記録モードを判別する。ステップS402又はS403では、決定された記録モードに応じて、吐出ノズル列を設定する。ステップS404では記録を実行する。記録モードの種類は図では第1記録モードと第2記録モードの2つを示したが、3つ以上あってもよい。
この例の場合、記録装置1は、記録モードに応じて吐出ノズル列の配置を異ならせることができ、多様な記録を行うことができるので好ましい。
1.5.3.2.記録ヘッドの変形例
図2の記録装置は、シリアル型の記録ヘッドを搭載し、シリアル型の記録方法を行うシリアル型の記録装置である。一方、記録ヘッド2は、ライン型記録ヘッドであってもよい。ライン型記録ヘッドにおいても、記録媒体Mに対して相対的に走査することができる。。そして、本実施形態に係る記録方法によれば、白色インク組成物の付着量が比較的少ない場合でも、画質に優れた画像を形成することができる。
図1において、記録ヘッド2がライン型記録ヘッドである場合、ライン型記録ヘッドは、記録媒体Mの搬送方向である矢印SS方向と交差する方向に形成されたノズルの領域が、記録媒体Mの交差方向全体をカバー可能なように設けられる。そして、記録媒体Mの搬送方向である矢印SS方向と交差する方向へのライン型記録ヘッドの移動を行わずに、記録媒体Mの搬送をSS方向へ行いつつ記録動作(走査)が行われる。このようにして、記録ヘッド2がライン型記録ヘッドである場合、記録装置1は、ライン型記録ヘッドと記録媒体Mとの相対的な位置を移動させつつ、白色インク組成物及び非白色インク組成物を該ライン型記録ヘッドから吐出し記録媒体Mへ付着させ記録を行うものである。走査回数は1である。
ライン型記録ヘッドは、白色インク組成物や非白色インク組成物を吐出する複数のノズル列を含むノズル面を有しているが、そのノズル列の配列は、特に限定されず、白色インク付着工程と非白色インク付着工程を同一の相対的な走査により記録媒体の同一の走査領域に対して行うことができればよい。
1.5.3.3.キャリッジ移動機構の変形例
図2に示すような記録装置1においては、記録ヘッド2の主走査と、記録媒体Mの搬送である副走査を複数回繰り返し行うことで、記録媒体Mに対して記録するものである。その一方で、記録媒体Mの搬送を行うことなく、記録媒体Mにおける一定の印刷領域に、記録ヘッド2の移動のみで画像を印刷するラテラルスキャン方式であってもよい。このようなラテラルスキャン方式であっても、白色インク付着工程と非白色インク付着工程を、同一の相対的な走査により、記録媒体の同一の走査領域に対して行うことができる。
図9は、ラテラルスキャン方式により記録を行う記録装置の一部分を模式的に示す概略側面図である。図10は、ラテラルスキャン方式により記録を行う記録装置の一部分を模式的に示す概略俯瞰図である。記録装置の一部分300は、主走査軸キャリッジ移動機構312及び副走査軸キャリッジ移動機構311を含むキャリッジ移動機構310、記録ヘッド2を含むキャリッジ320、記録媒体Mを搬送する搬送ローラー330を備える。
キャリッジ移動機構310は、記録ヘッド2(図示せず)を含むキャリッジ320を、記録媒体Mの搬送方向に対応する副走査方向SSと、記録媒体Mの搬送方向と直交する方向に対応する主走査方向MSとに自在に移動させるものである。キャリッジ移動機構310は、キャリッジ320を副走査方向MSに移動させる副走査軸キャリッジ移動機構311と、副走査軸キャリッジ移動機構311を主走査方向MSに移動させる主走査軸キャリッジ移動機構312と、これらを移動させるモーター(不図示)とで、構成されている。
キャリッジ320は副走査軸キャリッジ移動機構311に設けられ、副走査軸キャリッジ移動機構311が副走査方向SSにおける移動動作を行うと、キャリッジ320も副走査方向SSに移動する。また、主走査軸キャリッジ移動機構312が主走査方向MSにおける移動動作を行うと、キャリッジ320も主走査方向MSに移動する。そして、キャリッジ320を副走査方向SSに移動させつつ、同時に主走査方向MSにも移動させることで、キャリッジ320を副走査方向SSに対して斜めの方向に移動させることができる。キャリッジ320の移動中にノズルからインク組成物を間欠的に吐出することによって、該斜め方向に沿って記録媒体M上に白色インク組成物及び非白色インク組成物を付着させることができる。その後、キャリッジ320は、主走査軸キャリッジ移動機構312により、副走査軸キャリッジ移動機構311を介して主走査方向MSに移動し、再び、キャリッジ320が斜め方向に移動しながら印刷を行う。
このように、キャリッジ320の移動により白色インク組成物及び非白色インク組成物を記録媒体M上に付着させる動作と、キャリッジ320の主走査方向MSへの移動を繰り返すことで、印刷領域の記録媒体Mに画像を印刷することができる。印刷領域に供給された記録媒体Mに画像を印刷する動作(画像形成動作)と、搬送ローラー330により記録媒体Mを搬送方向に搬送して新たな記録媒体M部分を印刷領域に供給する動作(搬送動作)とを、交互に繰り返すことで連続記録媒体Mに多数の画像を印刷する。
なお、キャリッジ320の移動のさせ方は任意で可能であり、副走査軸キャリッジ移動機構311を動作させないで、キャリッジ320を記録媒体Mの主走査方向MSに移動させる主走査軸キャリッジ移動機構312のみの動作により、キャリッジ320と記録媒体Mとの相対的な走査を行ってもよい。そして、キャリッジ320が、記録媒体Mの主走査方向MSにおける動作が終了した後に、副走査軸キャリッジ移動機構311によって副走査方向SSにキャリッジ320が移動する動作が行われる。すなわち、副走査軸キャリッジ移動機構311と主走査軸キャリッジ移動機構312とをそれぞれ独立させて動作させ、記録媒体Mに対して記録を行ってもよい。さらに、単方向印刷と双方向印刷のいずれも用いてよいし、マルチパス記録を行ってもよい。
1.6.その他の工程
本実施形態に係る記録方法は、記録媒体に付着した液体を乾燥させる乾燥工程や、記録媒体を加熱する工程(後加熱工程)等を備えてもよい。
1.6.1.乾燥工程
本実施形態に係る記録方法は、乾燥工程を有してもよい。本実施形態に係る記録方法は、白色インク組成物及び非白色インク組成物の付着工程の前又は付着工程の際に記録媒体を乾燥する工程を備えてもよい。乾燥工程は、記録を停止して放置する手段、の他に、乾燥機構を用いて乾燥させる手段により行うことができる。乾燥機構を用いて乾燥させる手段としては、記録媒体に対して常温の送風や温風の送風を行う手段(送風式)、及び、記録媒体に熱を発生する放射線(赤外線等)を照射する手段(放射式)、記録媒体に接して記録媒体に熱を伝える部材(伝導式)、並びに、これらの手段の2種以上を組み合わせが挙げられる。乾燥工程を有する場合、これらの中でも伝導式又は送風式で行われることがより好ましい。
白色インク組成物及び非白色インク組成物の付着時の記録媒体の表面温度は60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。さらに、45℃以下が好ましく、40℃以下が好ましい。一方、20℃以上が好ましく、20~60℃がより好ましい。また、27℃以上が好ましく、28℃以上がより好ましく、30℃以上がさらに好ましく、32℃以上が特に好ましく、40℃以上が特により好ましく、45℃以上がことさら好ましい。該温度は付着工程における記録媒体の記録面のインク組成物の付着を受ける部分の表面温度であり、記録領域における付着工程の最高の温度である。表面温度が上記範囲の場合、画質や耐擦性や目詰まり低減や高光沢の点でより好ましい。
乾燥工程は、上述の白色インク付着工程及び非白色インク付着工程と同時に行われることもできる。インク付着時において、記録媒体の表面温度は43℃以下とすることが好ましく、40℃以下とすることがより好ましい。
白色インク付着工程及び非白色インク付着工程の前又は白色インク付着工程及び非白色インク付着工程の際に記録媒体を乾燥する乾燥工程を行う場合、白色インク組成物及び非白色インク組成物が記録媒体に付着する時点での記録媒体の表面温度は、30.0℃以上、好ましくは35.0℃以上、より好ましくは40.0℃以上であることが好ましい。このようにすれば、白色インク組成物及び非白色インク組成物に樹脂粒子が含まれる場合などに、皮膜が形成されやすくなるので、得られる画像の密着性及び耐擦性を更に高めることができる場合がある。
1.6.2.後加熱工程
本実施形態に係る記録方法は、上記の各付着工程後に、さらに記録媒体を加熱する後加熱工程を備えてもよい。後加熱工程は、例えば、適宜の加熱手段を用いて行うことができる。後加熱工程は、例えば、アフターヒーター(上述の記録装置の例では加熱ヒーター5が相当する。)により行われる。また、加熱手段は、記録装置に備えられた加熱手段に限らず、他の乾燥手段を用いてもよい。これにより得られる画像を乾燥させ、より十分に定着させることができるので、例えば、記録物を早期に使用できる状態にすることができる。
この場合の記録媒体の温度は、特に限定されないが、例えば、記録物に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂成分のTg等を鑑みて設定し得る。樹脂粒子やワックスを構成する樹脂成分のTgを考慮する場合には、樹脂粒子を構成する樹脂成分のTgよりも5.0℃以上、好ましくは10.0℃以上に設定するとよい。
後加熱工程の加熱によって到達する記録媒体の表面温度は、30.0℃以上120.0℃以下、好ましくは40.0℃以上100.0℃以下、より好ましくは50.0℃以上95℃以下であり、さらに好ましくは70℃以上90℃以下である。後加熱工程の加熱によって到達する記録媒体の表面温度は、特に好ましくは80℃以上である。記録媒体の温度がこの程度の範囲であれば、記録物中に含まれる樹脂粒子やワックスの皮膜化、平坦化を行うことができるとともに、得られる画像を乾燥させ、より十分に定着させることができる。
2.記録装置
本発明の一実施形態に係る記録装置は、記録媒体に記録を行う記録装置であって、白色色材を含む白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる白色インクヘッドと、非白色色材を含む非白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる非白色インクヘッドと、インクヘッドと前記記録媒体との相対的な走査を行う走査機構と、を備え、上述の記録方法により記録を行うものである。このような記録装置によれば、画質の優れる画像形成と、優れた印刷速度との両立を実現できる。また、記録ヘッドがシリアル型の場合には、使用するノズル列を主走査方向に投影させたときに少なくとも一部が重なるように配列させればよいので、記録ヘッドの副走査方向における長さを短くすることができ、ひいては装置全体の小型化が可能となる。
本実施形態に係る記録装置としては、上述の図1~図10に示すような記録装置を用いることができる。
なお、「白色インクヘッド」とは、図4においては、白色インクノズル列16を有する記録ヘッド2の部分のことをいう。また、「非白色インクヘッド」とは、図4においては、非白色インクノズル列15a~15dを有する記録ヘッド2の部分のこという。そして、「インクヘッド」とは、白色インクヘッドと非白色インクヘッドを合わせた記録ヘッドのことであり、図2においては記録ヘッド2と図示される。また、「走査機構」とは、図2においてはキャリッジ移動機構13と搬送手段14を合わせたものである。
3.実施例
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。以下「%」は、特に記載のない限り、質量基準である。
3.1.白色インク組成物及び非白色インク組成物の調製
下表1及び下表2に示す含有量で各成分を混合し、室温にて2時間撹拌した後、孔径10μmのメンブレンフィルターにてろ過することで、各白色インク組成物及び各非白色インク組成物を得た。
なお、下表1及び下表2中に示す白色インク組成物及び非白色インク組成物の含有量の単位は質量%であり、色材、樹脂及びワックスの含有量は固形分換算量を表す。また、イオン交換水は組成物の全質量が100質量%となるように添加した。
なお、インク組成物の調製に用いた色材は、事前に色材分散液を下記のように調製し、これをインク組成物の調製に用いた。
<白色色材分散液の調製>
まず、30%アンモニア水溶液(中和剤)0.1質量部を溶解させたイオン交換水155質量部に、樹脂分散剤としてアクリル酸-アクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量:25,000、酸価:18)4質量部を加えて溶解させた。そこに、白色色材である
二酸化チタン(C.I.ピグメントホワイト6)を40質量部加えてジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。その後、遠心分離機による遠心濾過を行って粗大粒子やゴミ等の不純物を除去して、白色色材の濃度が20質量%となるように調整し、白色色材分散液を得た。白色色材の粒子径は、平均粒子径で350nmであった。
<非白色色材分散液の調製>
まず、30%アンモニア水溶液(中和剤)2質量部を溶解させたイオン交換水160.5質量部に、樹脂分散剤としてアクリル酸-アクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量:25,000、酸価:180)7.5質量部を加えて溶解させた。そこに、マゼンタ色材としてC.I.ピグメントレッド122を30質量部加えてジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。その後、遠心分離機による遠心濾過を行って粗大粒子やゴミ等の不純物を除去し、マゼンタ色材濃度が15質量%となるように調整して、非白色色材(マゼンタ色材)分散液を得た。その際のマゼンタ色材の粒子径は、平均粒子径で100nmであった。
Figure 2022104220000002
Figure 2022104220000003
上表1及び上表2に示す各成分について、説明を補足する。
<色材>
・二酸化チタン(白色色材):C.I.ピグメントホワイト6
・マゼンタ(非白色色材):C.I.ピグメントレッド122
<樹脂>
・スチレン・アクリル系:商品名「ジョンクリル62J」、BASFジャパン社製
<ワックス>
・ポリエチレン系:商品名「AQUACER539」、BYK社製
<界面活性剤>
・BYK348:ビックケミー・ジャパン社製商品名、シリコーン系界面活性剤
3.2.評価方法
3.2.1.記録試験
上記で得られた各白色インク組成物及び各非白色インク組成物を、それぞれインクカートリッジに充填し、記録装置に搭載した。なお、記録装置としては、セイコーエプソン株式会社製「SC-S40650」を改造して使用した。また、記録装置は、記録ヘッドが主走査方向に移動する複数回の主走査と、記録媒体が副走査方向へ移動する複数回の副走査と、により記録するものとした。記録ヘッドは図4のように構成し、ノズルが副走査方向に並び白色インク組成物を吐出する白色インクノズル列(白色インクノズル列16)と、ノズルが副走査方向に並び非白色インク組成物を吐出する非白色インクノズル列(非白色インクノズル列15a~15d)と、を有するものとした。この場合において、白色インクノズル列は非白色インクノズル列と副走査方向において互いに位置が重なる部分が100%の配列であった。
いずれの記録装置も、図1の通気ファンとIRヒーターを記録ヘッドの上方に備え、プラテンヒーターを記録ヘッドの下方に備えた。
印刷方式としては、以下の2種を用いた。
<印刷方式1:同時打ち>
図4のように記録ヘッドを構成し、白色インクノズル列全体を白色インク組成物の吐出ノズル列として記録に用い、非白色インクノズル列全体を非白色インク組成物の吐出ノズル列として記録に用いた。記録ヘッドの走査中に、白色インク組成物及び非白色インク組成物の吐出が同時に行われる印刷方式(1パスで白色インク組成物及び非白色インク組成物の両者が付着)であって、白色インクノズル列及び非白色インクノズル列の全てのノズルが吐出ノズル列となる方式である。下表3及び下表4には、同時打ちの印刷方式として「同時」と記載した。
<印刷方式2:先打ち>
白色インクノズル列のみを白色インク組成物吐出ノズル列として記録に用い、白色インクの付着後、記録媒体を戻して、非白色インクノズル列のみを非白色インク組成物吐出ノズル列として記録に用いた。先に付着させた白色インクからなるパターンに、非白色インクからなるパターンを重ねて付着させた。すなわち、記録ヘッドの白色インク組成物の付着が行われる走査の後で、白色インク組成物が付着した領域に、非白色インク組成物の付着が行われる走査が行われる印刷方式であり、各吐出ノズル列を主走査方向に投影した場合に重なる部分を有しないものである。下表3及び下表4には、先打ちの印刷方式として「先打ち」と記載した。
また、走査方式としては、以下の2種類を用いた。
<走査方式1:双方向印刷>
記録ヘッドが主走査方向へ移動しながら画像を形成する一回の動作(「パス」ともいう
。)において、パス1とパス2で記録ヘッドの主走査方向の移動方向が異なる印刷方式。下表3及び下表4には、双方向印刷として「双方向」と記載した。
<走査方式2:単方向印刷>
パス1とパス2で記録ヘッドの主走査方向の移動方向が同じとなる印刷方式。下表3及び下表4には、単方向印刷として「単方向」と記載した。なお、記録ヘッドにおける白色インクノズル列は、パスの主走査方向で、非白色インクノズル列よりも先行側に配置した。
ノズル列における列方向に隣り合うノズルの間隔は、360dpiとし、ノズル数は、360個とした。白色インク組成物及び非白色インク組成物は、記録パターンにおける付着量を下表3及び下表4中の付着量となるように、インク滴質量やインク滴吐出数を調整した。5×5cmの記録パターンを記録した。
また、同時打ち(印刷方式1)においては4パス記録とした。つまり、1回の副走査の距離を、吐出ノズル列の副走査方向の長さの約4分の1として、記録媒体のある領域に4回のパスで付着を行えるようにした。
なお、先打ち(印刷方式2)では、白色インク組成物について4パス、非白色インク組成物について4パスとした。
記録媒体として、透明PETメディア(リンテック社製、商品名「E1000ZC」)を用いた。プラテンヒーターを稼働させた状態で記録媒体が加熱される状態となるようプラテンヒーターを制御した。各例における記録媒体の表面温度を測定し、「一次加熱温度」として下表3及び下表4に記載した。
付着工程後の乾燥手段を行った場合には各例の表中に「有り」と記載し、付着工程後の乾燥手段を行わなかった場合には「無し」と記載した。なお、乾燥手段としては送風式と伝導式を併用し、表中には「プラテン送風」と記載した。送風式の風速は、記録媒体上で2m/sとした。伝導式はプラテンヒーターを用いた。送風式は通気ファンを用い、常温風(25℃)を記録媒体へ当てた。
付着工程後の乾燥工程(二次乾燥工程)を、記録媒体の表面温度は70℃となるように行った。
Figure 2022104220000004
Figure 2022104220000005
3.2.2.インク沈降回復性の評価
上記で得られた各白色インク組成物のみを、それぞれインクカートリッジに充填し、記録装置に搭載した後24時間静置した。非白色インク組成物を用いず、白色インク組成物の記録媒体への付着量を10.8mg/inchとした以外は実施例1と同様にして、画像の記録を行った。画像の白色度(L値)を、分光測色計「i1pro2」(製品名、X-RITE社製)によって測定し、下記の評価基準により判定した。なお、測定条件としては、光源をD50とし、観察角を2°とした。また、測定時にはISO隠ぺいカチャート(コーテック社製、商品名「KL-2A」)の黒色台紙を下地として用いた。
(評価基準)
A:L値≧75
B:75>L値≧70
C:70>L値
3.2.3.画質(比OD値)の評価
上記記録試験で得られた各記録物の表側における記録パターン部分の反射濃度(OD値)を、分光測色計「i1pro2」(製品名、X-RITE社製)によって測定した。なお、測定条件としては、光源をD50とし、観察角を2°とした。各実施例、各比較例では、印刷方式を同時打ち又は先打ちとしたこと以外は同じ条件とし、記録した記録パターンを作製して同様に測定した。測定された各実施例、各比較例及び各参考例におけるOD値の、先打ちの印刷方式で記録を行った参考例のOD値に対する比率(比OD値)から、下記の評価基準にて判定した。なお参考例は先打ちであるため100%とする。以下の評価試験においても同様とする。
(評価基準)
A:比OD値が100%以上である。
B:比OD値が90%以上100%未満である。
C:比OD値が80%以上90%未満である。
D:比OD値が80%未満である。
3.2.4.比耐擦性の評価
上記記録試験で得られた各記録物の記録パターン部分を、学振型摩擦堅牢度試験機「AB-301」(テスター産業社製の商品名)に白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子で、荷重200gをかけて50往復擦った。そして、各実施例、各比較例及び各参考例における剥離面積の、画質評価と同様に先打ちの印刷方式で記録を行った記録パターンの剥離面積に対する比率(剥離面積比)を、目視で観察し、下記の評価基準にて判定した。
(評価基準)
A:剥離面積比が100%以上である。
B:剥離面積比が90%以上100%未満である。
C:剥離面積比が80%以上90%未満である。
D:剥離面積比が70%以上80%未満である。
E:剥離面積比が70%未満である。
3.2.5.印刷速度比の評価
上記記録試験で得られた各記録物の印刷に要した時間を測定した。なお、このときの記録媒体はA4サイズとした。そして、各実施例、各比較例及び各参考例における印刷時間の、画質評価と同様に先打ちの印刷方式で記録を行った場合における印刷時間に対する比率(印刷時間比)を、下記の評価基準にて判定した。
(評価基準)
A:印刷時間比が80%未満である。
B:印刷時間比が80%以上100%未満である。
C:印刷時間比が100%以上である。
3.3.評価結果
評価試験の結果を、上表3~上表4に示す。
上記の評価結果より、各実施例では、優れた印刷速度と優れた画質とを両立できた。これに対して、各比較例では画質に劣った。各参考例は印刷速度に劣った。以下詳細を記す。
実施例1~4より、白色インク組成物の付着量比が少なくなるに従い、比耐擦性がより優れることが分かった。これは、白色インク組成物に含有される有機溶剤が、記録媒体上に残存しにくくなるためであると推測される。
実施例2,6,10より、非白色インク組成物の付着量比が多くても少なくても、画質が若干低下することが分かった。
実施例1,8より、含窒素溶剤を含有した場合には、比耐擦性により優れた。
実施例2,9より、含窒素溶剤が2-ピロリドンである場合には、画質により優れていた。
実施例1,15より、白色インク組成物にグリセリンを含有しない場合には、比耐擦性により優れていた。
実施例17~20より、白色インク組成物中の2-ピロリドンの含有量が少ない場合には、比耐擦性により優れる傾向にあった。
実施例21,22より、非白色インク組成物中の2-ピロリドンの含有量が多い場合には、比耐擦性により優れる傾向にあった。
実施例1,26より、一次加熱温度が高い場合には、画質が若干劣った。
実施例1,27より、有機溶剤の合計量が多い場合には、画質が若干劣った。
実施例7,28より、走査方式が単方向走査であり、白色インクノズル列がパスの主走査方向で非白色インクノズル列よりも先行側に配置されていた場合には、画質が若干優れていた。
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
記録方法の一態様は、
記録媒体に記録を行う記録方法であって、
白色色材を含む白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる白色インク付着工程と、
非白色色材を含む非白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる非白色インク付着工程と、を備え、
前記白色インク付着工程及び前記非白色インク付着工程を、記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な走査により行い、
前記白色インク付着工程と、前記非白色インク付着工程を、同一の前記相対的な走査により、前記記録媒体の同一の走査領域に対して行い、
前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物を付着させた記録領域において、単位領域当たりの前記非白色インク組成物の付着量100質量%に対し、前記白色インク組
成物の付着量が60質量%以下である。
上記記録方法の態様において、
前記記録ヘッドがインクジェットヘッドであり、前記白色インク付着工程及び前記非白色インク付着工程を、インクジェットヘッドからインクを吐出することで行ってもよい。
上記記録方法の態様において、
1回の走査での走査が行われる走査領域に、前記白色インク付着工程と前記非白色インク付着工程を同一の走査で前記記録媒体の同一の走査領域に対して行う走査を、複数回行ってもよい。
上記記録方法の態様において、
前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物を付着させた記録領域において、前記白色インク組成物の最大付着量が7mg/inch以下であってもよい。
上記記録方法の態様において、
前記白色インク組成物の前記白色色材含有量が5~20質量%であり、前記非白色インク組成物の前記非白色色材含有量が0.5~6質量%であってもよい。
上記記録方法の態様において、
前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物が、それぞれ水系インクであってもよい。
上記記録方法の態様において、
前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物がそれぞれ、有機溶剤の含有量が30質量%以下であってもよい。
上記記録方法の態様において、
前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物がそれぞれ、標準沸点が150~280℃の有機溶剤を含有してもよい。
上記記録方法の態様において、
前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物が、それぞれ標準沸点が280℃超のポリオール有機溶剤を2質量%を超えて含有しなくてもよい。
上記記録方法の態様において、
前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物が、それぞれ含窒素溶剤を有機溶剤の合計含有量100質量%に対し18質量%を超えて含有しなくてもよい。
上記記録方法の態様において、
前記白色インク組成物の含窒素溶剤の含有量が前記非白色インク組成物の含窒素溶剤の含有量より少なくてもよい。
上記記録方法の態様において、
前記記録媒体が、低吸収記録媒体または非吸収記録媒体であってもよい。
上記記録方法の態様において、
前記記録媒体は、非白色記録媒体であってもよい。
記録装置の一態様は、
記録媒体に記録を行う記録装置であって、
白色色材を含む白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる白色インクヘッドと、
非白色色材を含む非白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる非白色インクヘッドと、
インクヘッドと前記記録媒体との相対的な走査を行う走査機構と、を備え、
上記態様の記録方法により記録を行う。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成、を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…記録装置、2,20…記録ヘッド、2a,20a…ノズル面、3…IRヒーター、4…プラテンヒーター、5…加熱ヒーター、6…冷却ファン、7…プレヒーター、8…通気ファン、9…キャリッジ、11…プラテン、12…カートリッジ、13…キャリッジ移動機構、14…搬送手段、15a~15d,25a~25d…非白色インクノズル列、16,26…白色インクノズル列、3A,4A…白色インクノズル列が存在する領域、3B~3E,4B~4E…非白色インクノズル列が存在する領域、101…インターフェース部、102…CPU、103…メモリー、104…ユニット制御回路、111…搬送ユニット、112…キャリッジユニット、113…ヘッドユニット、114…乾燥ユニット、121…検出器群、130…コンピューター、300…ラテラルスキャン方式記録装置の部分、310…キャリッジ移動機構、311…副走査軸キャリッジ移動機構、312…主走査軸キャリッジ移動機構、320…キャリッジ、330…搬送ローラー、CONT…制御部、MS…主走査方向、SS…副走査方向、M…記録媒体、X,Y…重なる部分

Claims (14)

  1. 記録媒体に記録を行う記録方法であって、
    白色色材を含む白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる白色インク付着工程と、
    非白色色材を含む非白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる非白色インク付着工程と、を備え、
    前記白色インク付着工程及び前記非白色インク付着工程を、記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な走査により行い、
    前記白色インク付着工程と、前記非白色インク付着工程を、同一の前記相対的な走査により、前記記録媒体の同一の走査領域に対して行い、
    前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物を付着させた記録領域において、単位領域当たりの前記非白色インク組成物の付着量100質量%に対し、前記白色インク組成物の付着量が60質量%以下である、記録方法。
  2. 前記記録ヘッドがインクジェットヘッドであり、前記白色インク付着工程及び前記非白色インク付着工程を、インクジェットヘッドからインクを吐出することで行う、請求項1に記載の記録方法。
  3. 1回の走査での走査が行われる走査領域に、前記白色インク付着工程と前記非白色インク付着工程を同一の走査で前記記録媒体の同一の走査領域に対して行う走査を、複数回行う、請求項1または請求項2に記載の記録方法。
  4. 前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物を付着させた記録領域において、前記白色インク組成物の最大付着量が7mg/inch以下である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の記録方法。
  5. 前記白色インク組成物の前記白色色材含有量が5~20質量%であり、前記非白色インク組成物の前記非白色色材含有量が0.5~6質量%である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の記録方法。
  6. 前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物が、それぞれ水系インクである、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の記録方法。
  7. 前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物がそれぞれ、有機溶剤の含有量が30質量%以下である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録方法。
  8. 前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物がそれぞれ、標準沸点が150~280℃の有機溶剤を含有する、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の記録方法。
  9. 前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物が、それぞれ標準沸点が280℃超のポリオール有機溶剤を2質量%を超えて含有しない、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の記録方法。
  10. 前記白色インク組成物及び前記非白色インク組成物が、それぞれ含窒素溶剤を有機溶剤の合計含有量100質量%に対し18質量%を超えて含有しない、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の記録方法。
  11. 前記白色インク組成物の含窒素溶剤の含有量が前記非白色インク組成物の含窒素溶剤の含有量より少ない、請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の記録方法。
  12. 前記記録媒体が、低吸収記録媒体または非吸収記録媒体である、請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の記録方法。
  13. 前記記録媒体は、非白色記録媒体である、請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の記録方法。
  14. 記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    白色色材を含む白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる白色インクヘッドと、
    非白色色材を含む非白色インク組成物を前記記録媒体に付着させる非白色インクヘッドと、
    インクヘッドと前記記録媒体との相対的な走査を行う走査機構と、を備え、
    請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の記録方法により記録を行う、記録装置。
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