JP2022104209A - 吸収体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高吸収性ポリマーが吸液膨潤しても吸収力を維持できる吸収体を提供する。【解決手段】吸収体10は、高吸収性ポリマー11を含む吸収性コア13を備え、親水性の不織布15を吸収性コア13の外層として有する。不織布15は、吸収性コア13側に向けられる内面繊維層1、吸収性コア13の外側に向けられる外面繊維層2、内面繊維層1と外面繊維層2との間に配在し、繊維が厚み方向に配向した複数の連結部3を有し、吸収性コア13の少なくとも肌面側13A又は非肌面側13Bにおいて、吸収性コア13に当接して配されている。不織布15は、吸収性コア側1Aの面に、内面繊維層1及び連結部3からなる凸部4と連結部3及び外面繊維層2からなる凹部5とを交互に配した凹凸構造を有する。凹部5の窪みに高吸収性ポリマー11が担持されている。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収体に関する。
おむつ等の吸収性物品は、排泄液を吸収保持する吸収体を備える。該吸収体において、吸収性能を高める吸収材料として高吸収性ポリマー(いわゆるSAPと称される表面架橋された高分子材料)が用いられている(例えば、特許文献1~3)。
特開2018-102613号公報 特開2008-161319号公報 特表2020-120937号公報
前述の高吸収性ポリマーは、吸収体に入った排泄液を吸収すると素早く膨潤する性質を有する。この膨潤は、吸液した高吸収性ポリマー間の隙間の閉鎖を起こしかねず、その後の排泄液の吸収を妨げる作用を示す傾向になることは避けられない。そのため、吸収体の吸収力の持続性の観点から改善の余地があった。
本発明は、上記の点に鑑み、高吸収性ポリマーが吸液膨潤しても吸収力を維持できる吸収体に関する。
本発明は、高吸収性ポリマーを含む吸収性コアを備え、親水性の不織布を前記吸収性コアの外層として有する吸収体であって、前記不織布は、前記吸収性コア側に向けられる内面繊維層、前記吸収性コアの外側に向けられる外面繊維層、前記内面繊維層と前記外面繊維層との間に配在し、繊維が厚み方向に配向した複数の連結部を有し、前記吸収性コアの少なくとも肌面側又は非肌面側において該吸収性コアに当接して配されており、前記不織布は、前記吸収性コア側の面に、前記内面繊維層及び前記連結部からなる凸部と前記連結部及び前記外面繊維層からなる凹部とを交互に配した凹凸構造を有し、前記凹部の窪みに前記高吸収性ポリマーが担持されている、吸収体を提供する。
本発明の吸収体は、高吸収性ポリマーが吸液膨潤しても吸収力を維持できる。
本発明に係る吸収体の好ましい一実施形態を模式的に示した断面図である。 本発明に係る吸収体が有する吸収性コアの肌面側における該吸収性コアと不織布との関係を模式的に示した部分拡大断面図である。 本発明に係る吸収体が有する吸収性コアの非肌面側における該吸収性コアと不織布との関係を模式的に示した部分拡大断面図である。 本発明に係る吸収体の別の好ましい一実施形態を模式的に示した断面図である。 本発明に係る吸収体が有する不織布の凹凸構造の好ましい一実施形態(具体例1)を、該不織布の内面側から模式的に示した一部断面斜視図である。 本発明に係る吸収体が有する不織布の凹凸構造の別の好ましい一実施形態(具体例2)を、該不織布の内面側から模式的に示した一部断面斜視図である。 本発明に係る吸収体が有する不織布の凹凸構造の別の好ましい一実施形態(具体例3)を、該不織布の内面側から模式的に示した一部断面斜視図である。 本発明に係る吸収体が有する不織布の凹凸構造の別の好ましい一実施形態(具体例4)を、該不織布の内面側から模式的に示した一部断面斜視図である。
以下、本発明の吸収体の好ましい実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
本発明においては、吸収体における相対的な位置関係を示す用語として、着用者の肌に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、これと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。また、吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向という。吸収体は、平面視した形状において、長手方向と該長手方向に直交する短手方向を有する。
図1に示すように、吸収体10は、高吸収性ポリマー11を含む吸収性コア13を備える。本実施形態においては、吸収性コア13は、更に親水性繊維12を有し、高吸収性ポリマー11及び親水性繊維12の集合体の形態をなしている。吸収性コア13の外周は、コアラップシート14で覆われている。コアラップシート14は、吸収性コア13の肌面側13A、左右両側13C、13C及び非肌面側13Bの短手方向Sの外周を覆っている。
図1の小円R内の拡大図、図2及び3に示すように、吸収性コア13の少なくとも肌面側13A又は非肌面側13Bにおいて、下記に示す凹凸構造を有する親水性の不織布15が吸収性コア13に当接して外層として配されている。本実施形態においては、不織布15はその配置位置においてコアラップシート14の一部をなしている。
不織布15は、吸収性コア13に当接する部材として、吸収性コア13側に向けられる内面繊維層1、吸収性コア13の外側に向けられる外面繊維層2、内面繊維層1と外面繊維層2との間に配在し、繊維が厚み方向に配向した複数の連結部3を有する。これにより、不織布15の吸収性コア13側の面には、内面繊維層1及び連結部3からなる凸部4と連結部3及び外面繊維層2からなる凹部5とを交互に配した凹凸構造が配されている。以下、不織布15の表裏面について、吸収性コア13側に向けられる面側を内面側1A、吸収性コア13の外側に向けられる面側を外面側1Bと称する。
不織布15の内面側1Aにおいて、凹部5の窪みに高吸収性ポリマー11が担持(保持)されている。より具体的には、不織布15の凸部4を構成する連結部3及び内面繊維層1が吸収性コア13に食い込み、該凸部4に隣接する凹部5の窪みにおいて複数の高吸収性ポリマー11が担持されている。このような凹部5が、不織布15の内面側1Aにおいて、凸部4を介在させて複数配されている。これにより、複数の高吸収性ポリマー11は、複数の凹部5毎に小分けにされている。小分けにされた高吸収性ポリマー11は、凸部4の存在により、隣り合う凹部5間での接触が抑えられている。言い換えると、繊維が厚み方向に配向している連結部3が遮断面となって、高吸収性ポリマー11を区分し接触を抑えている。
吸収体10の内部に排泄液が取り込まれるとき、ある高吸収性ポリマー11が排泄液を吸収保持して膨潤しても、凹部5による小分けにより、他の高吸収性ポリマー11の吸液膨潤を可能にする空間が確保される。これにより、吸収体10においては、排泄液の更なる吸収が可能であり、吸収力が維持され得る。
加えて、連結部3において繊維が厚み方向に配向しているため、吸収体10が押圧力によって潰れても、不織布15の前記押圧力に対する厚みの回復力が高い。これにより、連結部3による、小分けにされた高吸収性ポリマー11同士の接触遮断機能が維持されやすい。また、連結部3における繊維の厚み方向への配向により、吸収体10全体の厚みが得やすくなっている。これにより、高吸収性ポリマー11の吸液膨潤し得る空間が確保されやすく、吸収体10の吸収力の持続性が高められている。
不織布15の内面側1Aの凹凸構造において、図2及び3に示すように、隣り合う凹部5、5それぞれの幅中心点5P、5Pの間の距離(T1)が20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。これにより、内面側1Aの凹凸構造における凹部5の数がより多くなり、吸収体10の厚みが出やすくなる。また、これにより高吸収性ポリマー11がより細かく小分けされ分散され、高吸収性ポリマー11の吸液膨潤する余地をよりきめ細やかに与えることができる。
また、隣り合う凹部5、5それぞれの幅中心点5P、5Pの間の距離(T1)は、高吸収性ポリマーの吸液膨潤時の吸収力維持の観点から、0.5mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることがより好ましい。
この幅中心点5P、5Pの間の距離(T1)の要件は、図2及び3においては、吸収体10の短手方向について示したが、これに限らず、吸収体10の長手方向においても該当することが好ましい。
不織布15において、内面側1Aの凹凸構造による上記作用をより効果的にする観点から、連結部3は内面繊維層1及び外面繊維層2と直交するように連結していることが好ましい。すなわち、凸部4が柱状にされ、凹部5が箱型の空間を有することが好ましい。また、内面繊維層1及び外面繊維層2は平坦部であることが好ましい。更に、内面側1Aの凹凸構造において、凸部4は、内部が中実であってもよく、中空であってもよいが、排泄液の取り込み性を高める観点から、中空であることが好ましい。
不織布15の内面側1Aの凹部5の窪みには、高吸収性ポリマー11だけが配されていてもよく、高吸収性ポリマー11と親水性繊維12とが配されていてもよい。凹部5の窪みに高吸収性ポリマー11と親水性繊維12とが配されている場合、両者が混合されたものとして凹部5の窪みにあることが好ましい。これにより、個々の凹部5内においても、高吸収性ポリマー11同士の直接的な接触機会が抑制され、繊維間の空間によって高吸収性ポリマー11の吸液膨潤する余地を確保することができる。
また、高吸収性ポリマー11は、凹部5の窪みに加え、更に凹部5以外の吸収性コア13内部にあってもよい。なお、図1~3において、高吸収性ポリマー11の凹部5の窪みへの配置の理解のため、それ以外の吸収性コア13内部よりも若干凹部5に高吸収性ポリマー11を偏在させたような図示の仕方となっている。実際には、高吸収性ポリマー11は、偏在が無く均一分散されていてもよく、図示するように偏在されていてもよい。
高吸収性ポリマー11を小分けにする不織布15は、前述のとおり、少なくとも吸収性コア13の肌面側13A又は非肌面側13Bに配されている。その中でも、少なくとも肌面側13Aに不織布15が配されていることが好ましい。これにより、上記作用をする不織布15が排泄液の取り込み面をなし、吸収体10の吸収力の持続性をより効果的に高めることができる。
不織布15は、吸収性コア13の肌面側13A及び非肌面側13Bの両面にあることがより好ましい。更に不織布15は、図4に示すように、吸収性コア13の肌面側13A、非肌面側13B及び左右両側13C、13Cの外周全体にあることが好ましい。すなわち、不織布15は、吸収性コア13の外周全体を覆うコアラップシート14として配されていることが好ましい。これにより、連結部3における繊維の厚み配向性の作用で、吸収体10全体の厚みが更に得られやすい。なお、ここで言う外周は、前述のとおり肌面側13A、非肌面側13B及び左右両側13C、13Cを意味し、吸収性コア13を短手方向Xに沿って厚み方向に切断した断面において見て取れる外周を意味する。
不織布15において、内面繊維層1及び外面繊維層2の繊維が不織布15の平面方向に配向していることが好ましい。すなわち、不織布15が配されている吸収性コア13の肌面側13A、非肌面側13B及び左右両側13C、13Cそれぞれの平面方向に、内面繊維層1及び外面繊維層2の繊維が配向していることが好ましい。これにより押圧力が平面方向に分散され、吸収体10の各面の平面形状が保持、回復されやすく、吸収体10の型崩れの防止性がより高められる。特に、不織布15は、左右両側13C、13Cに配された部分において、内面繊維層1及び外面繊維層2の繊維が吸収体10の厚みを保持するように作用する。
本実施形態において、不織布15はコアラップシート14として配されているが、不織布15は、吸収性コア13に当接する部材として、吸収性コア13とコアラップシート14と間に配されてもよい。
本実施形態の吸収体10において、不織布15は、内面側1Aの凹凸構造に加え、外面側1Bに凹凸構造があることが好ましい。外面側1Bの凹凸構造は、図2及び3に示すように、外面繊維層2及び連結部3とからなる凸部6、連結部3及び内面繊維層1とからなる凹部7を交互に配した構造であることが好ましい。この場合、内面側1Aの凹凸構造と外面側1Bの凹凸構造とが表裏の関係にあることが好ましい。具体的には、外面側1Bにおける凸部6は内面側1Aにおける凹部5となり、外面側1Bにおける凹部7が内面側1Aにおける凸部4となることが好ましい。このとき内面側1Aの凸部4は外面側1Bに開放された中空部となり、前述のとおり排泄液の取り込み性を高める観点から好ましい。
これにより、吸収体10の外面における排泄液の取り込み表面積が増加し、吸収力を向上させ得る。特に、最外表面の外面繊維層2、厚み方向に延びる連結部3、更に厚み方向の深い位置にある内面繊維層1と、取り込み位置が厚み方向に多様になり、取り込み表面積が増大し、取り込み経路が複線化される(例えば、図2に示す矢印F1、F2及びF3)。このことが、吸収体10における排泄液の取り込み速度を高めるとともに、高吸収性ポリマー11への接触機会を分散させ得る。また、この作用は、繊維が厚み方向の配向する連結部3によって継続して発揮されやすい。
連結部3において「繊維が厚み方向に配向している」とは、後述する測定方法によって得られる、繊維の縦配向率が60%以上であることを意味する。連結部3が、この範囲の繊維の縦配向率を有することによって、不織布15の厚み方向に垂直に配置されていると言える。連結部3は、繊維の縦配向率を60%以上としていることによって、まるで柱のような状態で起立したものとなる。連結部3の繊維の縦配向率は、高吸収性ポリマーの吸液膨潤時の吸収力維持の観点から、63%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、68%以上が更に好ましい。その上限には特に制限は無いが、繊維同士の交点を作って融着点を形成し、繊維同士で柱状になって、力に耐える構造を作る観点から、縦配向率は90%以下が好ましく、85%以下がより好ましく、80%以下が更に好ましい。
内面繊維層1及び外面繊維層2において「繊維が平面方向に配向している」とは、後述する測定方法によって得られる、繊維の縦配向率が45%未満であることを意味する。繊維の縦配向率を45%未満とすることで、繊維が平面方向に十分に並び、フラットな形状を保つことができる。平面方向に配向している内面繊維層1及び外面繊維層2は、不織布の形状保持や強度保持の観点から、繊維の縦配向率を0%以上とすることが好ましく、30%以上とすることがより好ましい。また、内面繊維層1及び外面繊維層2の繊維の縦配向率を40%未満とすることが通常のフラット不織布と同様平面と接地しやすいので好ましく、38%以下とすることがより好ましく、37%以下とすることが更に好ましい。
内面繊維層1、外面繊維層2及び連結部3は、それぞれ繊維の縦配向率が上記範囲にある領域として区分される部分である。連結部3は、内面繊維層1及び外面繊維層2と端部において継ぎ目なく接続されているため、その部分においては、平面方向に配向した繊維と厚み方向に配向した繊維とが混在する。なお、平面方向に配向した繊維と厚み方向に配向した繊維とが混在する部分においては、繊維の縦配向率が45%以上60%以下の斜め配向を示すようにされていることが好ましく、繊維の縦配向率が45%から少しずつ縦配向していき60%以下の十分な縦配向に移行していくことがより好ましい。
(内面繊維層1及び外面繊維層2並びに連結部3の繊維の縦配向率の測定方法)
内面繊維層1及び外面繊維層2並びに連結部3の繊維の縦配向率は、下記(1)及び(2)に基づいて測定することができる。
(1)不織布の断面の作製
内面繊維層1及び外面繊維層2を通る、不織布10の断面(縦断面)であって、連結部3が平面方向に延出する方向に直交し、該延出する長さの中央を通る位置における厚み方向の断面を作製する。または、内面繊維層1及び外面繊維層2を通る、不織布10の断面(縦断面)であって、凹部5の中心を通る位置における厚み方向の断面を作製する。なお、上記断面は、測定対象の不織布を5mm×5mm以上切り取るものとする。
(2)内面繊維層1及び外面繊維層2並びに連結部3の繊維の縦配向率の測定
前記不織布10の断面において、内面繊維層1及び外面繊維層2及び連結部3それぞれの断面部分をSEM(日本電子株式会社製JCM-6000Plus)で35倍に拡大して観察する。観察画像に基準線として0.5mm×0.5mmの正方形の線を作製する。正方形の各辺(基準線)は、不織布断面における厚み方向及び平面方向それぞれと直交する辺とする。正方形の各辺からなる基準線に繊維が通過する延べ本数をそれぞれ数える。不織布の平面方向に直交する正方形の基準線を通る繊維を「横繊維本数」、不織布の厚み方向に直交する正方形の基準線を通る繊維を「縦繊維本数」と定義する。縦配向率として、(縦繊維本数)/(横繊維本数+縦繊維本数)×100=縦配向率(%)として算出する。それらを各4点測定し、平均したものを縦配向率の値とする。内面繊維層1及び外面繊維層2並びに連結部3をそれぞれ切出し測定する。
不織布15の目付は、排泄液を吸収性コア13へ移行させやすくする観点から、50g/m以下が好ましく、45g/m以下がより好ましく、40g/m以下が更に好ましい。また、不織布15の目付は、吸収性コア13に含まれる高吸収性ポリマー11の漏出を抑える観点から、10g/m以上が好ましく、13g/m以上がより好ましく、15g/m以上が更に好ましい。
不織布15の厚みH1は、内面側1Aの凹凸構造における起伏の大きさ、すなわち凹部5の深さをより大きくする観点から、2mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、3.5mm以上が更に好ましい。また、不織布15の厚みH1は、本実施形態の吸収体10を含んだ吸収性物品の装着時の快適性を向上させる観点から、10mm以下が好ましく、9mm以下がより好ましく、8mm以下が更に好ましい。
なお、ここで言う厚みは、内面繊維層1や外面繊維層2、連結部3のみの局所の厚みを指すものでなく、不織布全体の賦形された形状における表裏面間の見かけ厚みを意味する。より具体的には、前記「見かけ厚み」とは、不織布を水平面に静置したときに、該水平面と、該水平面に接する不織布の一方の面とは反対面の側の最も外側の部位に接する仮想平面(水平板)との間の、該水平面に対する鉛直方向の距離を意味する(以下、この水平面に対する鉛直方向を単に「鉛直方向」ということがある)。前記見かけ厚みは、例えば本発明の不織布が両面に凹凸形状を有する場合、外面側の凸部の頂部の位置と内面側の凸部の頂部の位置との間の鉛直方向の距離である。
この「見かけ厚み」は、水平板を用いて0.05kPa荷重を一方の面側から付加した状態での厚みを意味する。具体的には、下記方法により測定され得る。ここで「0.05kPa荷重」とは、不織布表面の毛羽立ちなどを抑える程度の荷重を意味し、不織布の見かけ厚みを適正に測定するために必要な軽微な荷重(不織布の厚みを潰すような圧縮力に値しない軽微な荷重。)である。0.05kPaの荷重は、水平板、例えば、直径2.5cm、質量2.45gの円形プレートを不織布の第1面側に載置することで不織布に加えられる。
(0.05kPa荷重下の不織布の見かけ厚みの測定方法)
測定対象の不織布を10cm×10cmに裁断し、測定試料を作製する。レーザー厚さ計(オムロン株式会社製、高精度変位センサZS-LD80(商品名)。本明細書で用いられるレーザー厚さ計は全てこれである。)を使用し、前記測定試料に対して、水平板を用いて0.05kPaの荷重を第1面側に加え、その状態で厚さを測定する。3箇所測定し、平均値を測定対象の不織布の見かけ厚みとする。
なお、測定対象の不織布が製品に組み込まれている場合は、コールドスプレー等の冷却手段で接着剤等の接着力を弱め、製品から不織布を取り出して上記の測定を行う。この不織布を取り出す方法は、本明細書中の他の測定においても同様に適用される。
測定対象の不織布として10cm×10cmの大きさを取り出せない場合には、なるべく大きいサイズで取り出す。
不織布15において、前述した作用をより効果的に発現させる観点から、内面側1Aの凹凸構造の高低差は1mm以上が好ましく、1.5mmがより好ましく、2mmが更に好ましい。また、内面側1Aの凹凸構造の高低差は、本実施形態の吸収体10を含んだ吸収性物品の装着時の快適性を向上させる観点から、10mm以下が好ましく、8mm以下がより好ましく、7mm以下が更に好ましい。
上記の内面側1Aの凹凸構造の高低差とは、図2に示すように、凸部4の頂部をなす内面繊維層1の内面側1Aの表面1Nと凹部5の底部をなす外面繊維層2の内面側1Aの表面2Nとの間の距離である。言い換えると、前述の不織布15の厚みH1から凹部5の底部をなす外面繊維層2の厚みH2を引いた厚み(H1-H2=H3)である。
本実施形態の吸収体10において、不織布15は、内面側1Aの凹凸構造について種々のパターンを取り得る。また、内面側1Aの凹凸構造において、凸部4の内部が中空であってもよく、中実であってもよい。更に、前述のとおり、外面側1Bが凹凸の無い平坦面であってもよく、凹凸構造を有する面であってもよい。
内面側1Aの凹凸構造として、例えば、下記の不織布60(具体例1)、不織布70(具体例2)、不織布80(具体例3)、不織布90(具体例4)それぞれが有する内面側1Aの凹凸構造が挙げられる。これらの具体例においては、凸部4の内部が中空にされ、外面側1Bが凹凸構造を有する面とされている。これらの凹凸構造を有する不織布において、前述した要件等を適宜組み込むことができる。
以下、これらの凹凸構造の具体例について説明する。
不織布60(具体例1)は、図5に示すように、内面側1Aにおいて、Y方向に延出し、Y方向と交差するX方向に離間して複数配される第1内面繊維層61Aを有する。更に、第1内面繊維層61A、61A間を繋ぎX方向に延出する第2内面繊維層61Bを有する。第1内面繊維層61Aの端部に、厚み方向に垂直に延出する第1連結部63Aが連結している。これにより、内面側1Aに突出し、Y方向に長さを有する第1凸部64Aが形成されている。第1凸部64Aにおいて、第1連結部63Aは、Y方向に延出し、X方向に向けられた壁面をなしている。また、第2内面繊維層61Bの端部に、厚み方向に垂直に延出する第2連結部63Bが連結している。これにより、内面側1Aに突出し、X方向に長さを有する第2凸部64Bが形成されている。第2凸部64Bにおいて、第2連結部63Bは、X方向に延出し、Y方向に向けられた壁面をなしている。第1凸部64A及び第2凸部64Bはいずれも断面が矩形であり、柱状の立体凸構造を有する。
なお、X方向とY方向とは、不織布60の平面の任意の方向を取り得るものである。特に、Y方向が不織布60の長手方向で、X方向が不織布60の前記長手方向に直交する短手方向であることが好ましい。前記長手方向と前記短手方向とは、不織布60の製造時の機械流れ方向(Machine Direction、MD)と該機械流れ方向に直交する幅方向(Cross Direction、CD)であることが好ましい。また、Y方向が吸収体10における長手方向であることが好ましい。このX方向及びY方向に関する事項は、以下の具体例についても当てはまる。
不織布60の内面側からの平面視において、前述のように延出方向が互いに異なる2種類の凸部が交差して格子状に配置されている。格子状であることで、厚み方向の潰れだけでなく平面方向への倒れが防止され、凹凸形状がより保持されやすくなっている。
上記の2種類の凸部で囲まれた部分が内面側1Aの凹部65となっている。凹部65の底部には、外面側1Bの方形の外面繊維層62が配されている。外面側1Bの外面繊維層62の4つの端部に対し、2つの第1連結部63Aと2つの第2連結部63Bが垂直に連結している。この凹部65は内面側1Aに開放された箱型の空間部分をなし、平面方向に複数点在している。凹部65では、箱型の空間部分を4つの連結部が囲み、連結部同士が互いに直角に連結しているので、押圧に対して潰れ難くされている。
内面側1Aの第1内面繊維層61A及び第2内面繊維層61B並びに外面側1Bの外面繊維層62では繊維が平面方向に配向している。第1連結部63A及び第2連結部63Bではそれぞれ壁面の向けられた方向(面する方向)が異なるものの、いずれにおいても繊維が厚み方向に配向している。これにより、前述の格子状の凸部の構造が加わり、厚みがより潰れ難く、凹部65による高吸収性ポリマー11同士の接触遮断機能がより維持されやすく、吸収体の厚みを保持されやすくしている。
更に、不織布60において、内面側1Aの延出方向が異なる第1内面繊維層61Aと第2内面繊維層61Bとが、繊維の平面方向における配向方向が異なることが好ましい。第1内面繊維層61Aにおいてはその延出する方向(Y方向)に繊維が配向し、第2内面繊維層61Bにおいてはその延出する方向(X方向)に繊維が配向していることがより好ましい。これにより格子状に組まれた凸部及び凸部に囲まれた凹部の潰れ難さがより高められる。
加えて、不織布60の外面側1Bは、内面側1Aの凹凸構造に対応する凹凸構造を有する。すなわち、内面側1Aの凹部65に対応する凸部66が外面側1Bに配され、内面側1Aの凸部64(第1凸部64A及び第2凸部64B)に対する凹部67(第1凹部67A及び第2凹部67B)が外面側1Bに配されている。この外面側1Bの凹部67の存在により、内面側1Aの凸部64が外面側1Aに開放された中空部となる。これにより、吸収体10において、排泄液の取り込み口の表面積が増大し、複線化し、排泄液の取り込み速度を高め、高吸収性ポリマー11への接触機会をより分散させることができる。
不織布70(具体例2)においては、図6に示すように、内面側1Aの方形の内面繊維層71の4つの端部に対して、4つの連結部(2つの第1連結部73Aと2つの第2連結部73B)が厚み方向に垂直に連結している。これにより、内面側1Aに突出する柱状の凸部74が形成されている。柱状の凸部74は、平面方向に複数点在している。
柱状の凸部74、74間が、内面側1Aの凹部75(Y方向に延出する第1凹部75A及びX方向に延出する第2凹部75B)となっている。凹部75の底部には、外面側1Bの外面繊維層72(Y方向に延出する第1外面繊維層72A及びX方向に延出する第2外面繊維層72B)が配されている。外面側1Bの外面繊維雄72の端部に対し、厚み方向に垂直に延出する前述の連結部(第1連結部73A及び第2連結部73B)が連結されている。
内面側の内面繊維層71及び外面側の外面繊維層72(第1外面繊維層72A及び第2外面繊維層72B)では繊維が平面方向に配向している。第1連結部73A及び第2連結部73Bではそれぞれ壁面の向けられた方向(面する方向)が異なるものの、いずれにおいても繊維が厚み方向に配向している。これにより、厚みがより潰れ難く、凹部75による高吸収性ポリマー11同士の接触遮断機能がより維持されやすく、吸収体10の厚みを保持されやすくしている。
加えて、不織布70の外面側1Bは、内面側1Aの凹凸構造に対応する凹凸構造を有する。すなわち、内面側1Aの凹部75(第1凹部75A及び第2凹部75B)に対応する凸部76(第1凸部76A及び第2凸部76B)が外面側1Bに配され、内面側1Aの凸部74に対応する凹部77が外面側1Bに配されている。この外面側1Bの凹部75の存在により、内面側1Aの凸部74が外面側1Aに開放された中空部となり、不織布60の場合と同様に、排泄液の取り込み速度を高め、高吸収性ポリマー11への接触機会をより分散させることができる。
不織布80(具体例3)においては、図7に示すように、内面側1Aにおいて、内面側1Aに突出する縦畝状の第1凸部84AがY方向に延出し、Y方向と交差するX方向に離間して複数配されている。縦畝状の第1凸部84Aは、内面側1AのY方向に延出する第1内面繊維層81Aと該第1内面繊維層81Aの端部に連結し厚み方向に延出する第1連結部83Aとからなる。第1連結部83Aと第1外面繊維層81Aとの連結部分が曲面状にされている。縦畝状の第1凸部84Aにおいて、第1連結部83Aは、Y方向に延出し、X方向に向けられた壁面をなしている。加えて、内面側1Aに突出しX方向に延出する横畝状の第2凸部84Bが、縦畝状の第1凸部84Aを繋いで配されている。第2凸部84Bは、第1凸部84Aよりも厚み方向の高さが低く、頂部が外面側1Bに湾曲した形状を有する。この第2凸部84Bは、内側1AのX方向に延出する第2内面繊維層81Bと該第2内面繊維層81Bの端部に連結し厚み方向に延出する第2連結部83Bとからなる。第2連結部83Bと第2外面繊維層81Bとの連結部分が曲面状にされている。横畝状の第2凸部84Bにおいて、第2連結部83Bは、X方向に延出し、Y方向に向けられた壁面をなしている。
不織布80の肌面側からの平面視において、前述の不織布60と同様に、上記の2種類の畝状の凸部が格子状に配置されている。格子状であることで、厚み方向の潰れだけでなく、平面方向への倒れが防止されて形状がより保持されやすくなっている。
また、不織布80では、前述の不織布60と同様に、上記の2種類の凸部で囲まれた部分が内面側1Aの凹部85となっている。凹部85の底部には、外面側1Bの外面繊維層82が配されている。外面側1Bの外面繊維層82の4つの端部に対し、2つの第1連結部83Aと2つの第2連結部83Bが厚み方向に連結している。第1連結部83A及び第2連結部83Bと外面側1Bの外面繊維層82との連結部分が曲面状にされている。この凹部85は内面側1Aに開放された錐体状の空間部分をなし、平面方向に複数点在している。凹部85では、錐体状の空間部分を4つの連結部が囲み、押圧に対して潰れ難くされている。
内面側の第1内面繊維層81A及び第2内面繊維層81B並びに外面側の外面繊維層82では繊維が平面方向に配向している。第1連結部83A及び第2連結部83Bではそれぞれ壁面の向けられた方向(面する方向)が異なるものの、いずれにおいても繊維が厚み方向に配向している。これにより、前述の格子状の凸部の構造が加わり、厚みがより潰れ難く、凹部85による高吸収性ポリマー11同士の接触遮断機能がより維持されやすく、吸収体10の厚みを保持されやすくしている。
更に、不織布80において、内面側1Aの延出方向が異なる第1内面繊維層81Aと第2内面繊維層81Bとが、繊維の平面方向における配向方向が異なることが好ましい。第1内面繊維層81Aにおいてはその延出する方向(Y方向)に繊維が配向し、第2内面繊維層81Bにおいてはその延出する方向(X方向)に繊維が配向していることがより好ましい。これにより格子状に組まれた凸部の潰れ難さがより高められる。
加えて、不織布80の外面側1Bは、内面側1Aの凹凸構造に対応する凹凸構造を有する。すなわち、内面側1Aの凹部85に対応する凸部86が外面側1Bに配され、内面側1Aの凸部84(第1凸部84A及び第2凸部84B)に対する凹部87(第1凹部87A及び第2凹部87B)が外面側1Bに配されている。この外面側1Bの凹部87の存在により、内面側1Aの凸部84が外面側1Aに開放された中空部となり、不織布60の場合と同様に、排泄液の取り込み速度を高め、高吸収性ポリマー11への接触機会をより分散させることができる。
不織布90(具体例4)においては、図8に示すように、内面側1Aにおいて、内面側1AのY方向に延出し、かつY方向と直交するX方向に離間して並ぶ複数の筋状の凸部94が配されている。筋状の凸部94は、内面側のY方向に延出する内面繊維層91と該内面繊維層91の端部に連結し厚み方向に延出する連結部93とからなる。連結部93と内面繊維層91との連結部分が曲面状にされており、筋状の凸部94は角に丸みを帯びた畝状である。内面側1Aの内面繊維層91は、厚み方向の高さがY方向に沿って緩やかに上下しながら尾根状に連なった形状を有する。また、筋状の凸部94は、平面視において、X方向の幅がY方向に沿って緩やかに波打つ(幅広の部分と幅狭の部分とが交互に連なっている)形状を有する。
また、不織布90は、筋状の凸部94、94間が、内面側1Aの筋状の凹部95となっている。凹部95の底部には、外面側1BにてY方向に延出する外面繊維層92が配されている。外面側1Bの外面繊維層92に対し、Y方向に延出しX方向に向けられた壁面をなす連結部93が厚み方向に連結している。連結部93と外面側1Bの外面繊維層92Aとの連結部分は、曲面状にされており、角に丸みのある形状にされている。
内面側1Aの内面繊維層91及び外面側1Bの外面繊維層92では繊維が平面方向に配向している。連結部93ではいずれも繊維が厚み方向に配向している。これにより、厚みがより潰れ難く、凹部85による高吸収性ポリマー11同士の接触遮断機能がより維持されやすく、吸収体10の厚みを保持されやすくしている。
加えて、不織布90の外面側1Bは、内面側1Aの凹凸構造に対応する凹凸構造を有する。すなわち、内面側1Aの凹部95に対応する凸部96が外面側1Bに配され、内面側1Aの凸部94に対応する凹部97が外面側1Bに配されている。この外面側1Bの凹部95の存在により、内面側1Aの凸部94が外面側1Aに開放された中空部となり、不織布60の場合と同様に、排泄液の取り込み速度を高め、高吸収性ポリマー11への接触機会をより分散させることができる。
不織布60及び70の凹凸構造は、特開2019-44319号公報の段落[0049]~[0057]に記載の方法によって製造することができる。
不織布80及び90の凹凸構造は、特開2019-44320号公報の段落[0059]~[0065]に記載の方法によって製造することができる。
また、本実施形態の吸収体10が有する不織布15に関し、どのような凹凸構造であっても、上記文献に記載の製造方法に基づいて、繊維が厚み方向に配向した連結部を良好に形成することができる。すなわち、繊維交点の融着による不織布化の処理を行う前の繊維ウエブに対し支持体雄材及び支持体雌材による機械的な押込み処理を行うことにより、繊維が厚み方向に配向した連結部を良好に形成することができる。
本発明の吸収体において、不織布15は様々なものを用いることができる。その中でも、不織布15は、熱可塑性繊維を有し、繊維同士の融着点を繊維交点に有するものが好ましい。これにより、前述の連結部3における柱のような起立状態が保持されやすく、圧縮後に回復されやすくなる。前記融着点は、交差する繊維同士の接点において、繊維同士が繊維自身の熱可塑性樹脂成分の融着によって結着している部分である。より具体的には、前記融着点は、不織布の製造過程において、例えば熱処理によって熱可塑性繊維の表面が溶融し、繊維同士が融着したものである。本発明の不織布としては、例えばサーマルボンド不織布が挙げられ、より具体的にはエアスルー不織布(熱風処理により前記融着点を形成した不織布。主に60mm以下の短繊維が用いられる。)やスパンボンド不織布(溶融状態にある樹脂を紡糸しながらそのまま不織布化したもので、エンボス処理によって前記融着点を形成した不織布。主に100mm以上の長繊維が用いられる。)が挙げられる。特に肌触りや凹凸の高さを確保する観点から、エアスルー不織布が好ましい。不織布15の親水性は、この種の物品において通常用いられる種々の親水化剤によって親水化処理して得ることができる。
熱可塑性繊維としては、不織布の素材として通常用いられるものを特に制限なく採用できる。例えば、単一の樹脂成分からなる繊維や、複数の樹脂成分からなる複合繊維などであってもよい。複合繊維としては、例えば芯鞘構造、サイドバイサイド構造などがある。
熱可塑性繊維として低融点成分及び高融点成分を含む複合繊維(例えば鞘が低融点成分、芯が高融点成分である芯鞘構造の複合繊維)を用いる場合、製造工程において繊維ウエブに吹き付ける熱風の温度は、低融点成分の融点以上で、かつ高融点成分の融点未満であることが好ましい。より好ましくは、低融点成分の融点以上高融点成分の融点より10℃低い温度であり、さらに好ましくは、低融点成分の融点より5℃以上高く高融点成分の融点より20℃以上低い温度である。また弾力性の観点から、芯鞘構造の複合繊維の中でも、高融点成分である芯が多いほど弾力性が高い。そのため断面面積比で芯成分が大きいほうが好ましい。鞘が低融点成分、芯が高融点成分である芯鞘構造の複合繊維の具体例としては、鞘がポリエチレン樹脂(以下、PEともいう)、芯がポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PETともいう)である芯鞘構造の複合繊維が挙げられる。
また、芯鞘構造の複合繊維において、芯の樹脂成分よりも鞘の樹脂成分の方が、ガラス転移点が低い場合(以下、低ガラス転移点樹脂という)(例えば、芯の樹脂成分がPETで鞘の樹脂成分がPE)、低ガラス転移点樹脂成分の質量比を小さくすることで、不織布の厚みの回復性をより高められる。
このような本発明の吸収体は、おむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー、尿取りパッドなど各種の吸収性物品に用いることができる。吸収性物品は、典型的には液透過性の表面シート、裏面シート、それらに挟まれた吸収体を有する。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。なお、本実施例において「部」および「%」は、特に断らない限りいずれも質量基準である。下記表1中における、「-」は、項目に該当する値を有さないこと等を意味する。
(実施例)
(1)不織布シート試料の作製
繊維径1.8dtexの芯鞘型(ポリエチレンテレフタレート(PET)(芯):ポリエチレン(PE)(鞘)=5:5(質量比))の熱可塑性繊維を用いた目標目付30g/mの繊維ウエブを作製した。該繊維ウエブの短手方向の中央に対して、特開2019-44320号公報の段落[0059]~[0065]の記載に基づき、支持体雄材及び支持体雌材を用いた押込み賦形処理を行った。このときの、凹凸賦形の形状は前述の図7に示すものとした。次いで、繊維ウエブ全体に対して、上記の同公報の同段落[0059]~[0065]に示す熱風を用いたエアスルー法により不織布化した。このときの第1の熱風による吹き付け処理は、温度163℃、風速6m/s、吹き付け時間2sの条件で行った。得られた不織布を長手方向500mm、短手方向500mmの大きさに裁断し、一枚の不織布で構成された実施例の不織布シート試料を作製した。
不織布シート試料の目付は32.7g/mであった。また、不織布シート試料の見かけ厚みは5.3mmであった。
不織布シート試料は図7に示す凹凸形状を有し、第1面側の外面繊維層、第2面側の外面繊維層及び両繊維層の間に配在された連結部を有する。連結部の繊維は不織布シート試料S1の厚み方向に配向しており、縦配向率は63%であった。
(2)吸収体の作製
市販のベビー用おむつ「メリーズさらさらエアスルーSサイズ」(2020年花王株式会社製)をコールドスプレーで表面材と立体ギャザーをはがし、吸収体を包んでいる紙を丁寧にはがした。中に入っている高吸収性ポリマーとパルプとからなる吸収性コアを取り出し、上記不織布シート試料で包むことで実施例の吸収体試料S1を作製した。なお吸収体の大きさは元々の吸収体と同じとし、不要な不織布シートは裁断した。
(比較例1)
市販のベビー用おむつ「メリーズさらさらエアスルーSサイズ」(2020年花王株式会社製)の吸収体台紙に使われているものを取り出し、比較例1のシート試料とした(凹凸部がないので縦配向無し)。また、取り出した吸収体を比較例1の吸収体試料C1とした。
(比較例2)
実施例のウエブを用いて、通常のエアスルー処理のみ(温度145℃、風速2m/s、吹き付け時間3s)をすることでフラットなエアスルー不織布を得た(凹凸部がないので、縦配向無し)。それを比較例2の不織布シート試料とした。該不織布シート試料を基に、実施例と同様の方法で吸収体を作製し、比較例2の吸収体試料C2とした。
(比較例3)
特開2012-136791号公報の図1に示す形状の凹凸不織布を、実施例の繊維径1.8dtexの熱可塑性繊維を用い、同文献の明細書の段落[0031]に記載の製造工程を含むエアスルー製造方法によって作製した。これを比較例3の不織布試料とした。第1の熱風W1による吹き付け処理は、温度160℃、風速54m/s、吹き付け時間3sの条件で行った。第2の熱風による吹き付け処理は、温度160℃、風速6m/s、吹き付け時間3sの条件で行った。比較例3の不織布試料では、第1面側の第1突出部及び第2面側の第2突出部はともに、頂部に丸みのある円錐台形状又は半球状であった。第1面側の第1突出部及び第2面側の第2突出部、並びに第1突出部と第2突出部との間に介在する環状の壁部について、縦配向率は52%であった。それを比較例3の不織布シート試料とした。該不織布シート試料を基に、第1面側を吸収性コアに向け、実施例と同様の方法で吸収体を作製し、比較例3の吸収体試料C3とした。
上記の各実施例及び各比較例について下記の試験を行った。その結果は下記表1に示す通りであった。
(1)荷重前のシート試料の厚み
前述の(0.05kPa荷重下の不織布の見かけ厚みの測定方法)に基づいて測定を行った。
(2)荷重後のシート試料の厚み
測定対象の不織布を10cm×10cmに裁断し、5kPaの荷重を加え、30分静置する。その後荷重を解除し、1分静置したのち、3分以内に前記(1)と同様の厚み測定をおこない、荷重後の不織布厚みとした。
(3)液吸収性能:液戻り量試験
まず、各吸収体試料を用いておむつ試料を作製した。具体的には、市販のベビー用おむつ(商品名「メリーズさらさらエアスルーSサイズ」、花王株式会社製)から吸収体を取り除き、その代わりに、前述の各吸収体試料を裏面シート上に載置して、さらに元々あった表面シートをのせて、周囲を固定して評価用のベビー用おむつ試料を得た。
次いで、表面シートの上にアクリル板をのせ、さらにアクリル板上に、おむつの背側部側及び腹側部側にそれぞれ、2kgの錘をのせて30秒間荷重を加えた。その後アクリル板をはずし、長手方向の1/3の位置で且つ短手方向の中心の位置に、人工尿を総量160g注入した。人工尿は、10分間隔で40gずつ、4回に分けて注入した。
4回目の注入から10分後、人工尿注入点を中心とする一辺70mmの表面シート上にろ紙(東洋濾紙株式会社製、定量濾紙No.5C)を載置し、さらにその上に荷重を2分間加えて人工尿をろ紙に吸収させた。荷重は70mm×70mmの面積に3.5kgが加わるようにした。
2分経過後荷重を取り除き、人工尿を吸収したろ紙の質量(W2)を測定し、予め測定しておいた、吸収前のろ紙の質量(W1)との差(W2-W1)を液戻り量として算出した。以上の操作を3回行い、3回の平均値を液戻り量(g)とし、液戻り量が少ないほど、液戻りが起こり難く高評価となる。
Figure 2022104209000002
表1に示すように、実施例は荷重をかけたあとでも不織布厚み(シート試料の厚み)は維持されており、吸収体として使用時に荷重がかかっても復元力が高いことがわかる。これらのことは吸収性能に示されており、大量の尿を吸った後で荷重をかけても厚みが保持されているために液戻りが小さく、吸収体として高い性能が得られることが分かった。
10 吸収体
11 高吸収性ポリマー
12 親水性繊維
13 吸収性コア
14 コアラップシート
15、60、70、80、90 親水性の不織布
1、71、91 内面側の内面繊維層
61A、81A 内面側の第1内繊維層
61B、81B 内面側の第2内面繊維層
2、62、82、92 外面側の外面繊維層
72A 外面側の第1外面繊維層
72B 外面側の第2外面繊維層
3、93 連結部
63A、73A、83A 第1連結部
63B、73B、83B 第2連結部
4、74、94 内面側の凸部
64A、84A 内面側の第1凸部
64B、84B 内面側の第2凸部
5、65、75、85、95 内面側の凹部
75A 内面側の第1凹部
75B 内面側の第2凹部
6、66、76、86、96 外面側の凸部
76A 外面側の第1凸部
76B 外面側の第2凸部
7、67、77、87、97 外面側の凹部
67A、87A 外面側の第1凹部
67B、87B 外面側の第2凹部
1A 内面側
1B 外面側

Claims (10)

  1. 高吸収性ポリマーを含む吸収性コアを備え、親水性の不織布を前記吸収性コアの外層として有する吸収体であって、
    前記不織布は、前記吸収性コア側に向けられる内面繊維層、前記吸収性コアの外側に向けられる外面繊維層、前記内面繊維層と前記外面繊維層との間に配在し、繊維が厚み方向に配向した複数の連結部を有し、前記吸収性コアの少なくとも肌面側又は非肌面側において、該吸収性コアに当接して配されており、
    前記不織布は、前記吸収性コア側の面に、前記内面繊維層及び前記連結部からなる凸部と前記連結部及び前記外面繊維層からなる凹部とを交互に配した凹凸構造を有し、
    前記凹部の窪みに前記高吸収性ポリマーが担持されている、吸収体。
  2. 前記不織布の目付が50g/m以下である、請求項1記載の吸収体。
  3. 前記不織布の目付が10g/m以上である、請求項1記載の吸収体。
  4. 前記連結部における繊維の縦配向率が60%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収体。
  5. 前記不織布が、前記吸収性コアの外周全体を覆うコアラップシートとして配されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収体。
  6. 前記不織布がエアスルー不織布である、請求項1~5のいずれか1項に記載の吸収体。
  7. 隣り合う前記凹部それぞれの幅中心点の間の距離が20mm以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の吸収体。
  8. 隣り合う前記凹部それぞれの幅中心点の間の距離が10mm以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の吸収体。
  9. 前記不織布の厚みが2mm以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の吸収体。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の吸収体を有する吸収性物品。
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