JP2022103782A - 光硬化性液状組成物、硬化物、及び硬化物の製造方法 - Google Patents

光硬化性液状組成物、硬化物、及び硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高屈折率の硬化物を形成可能であって、有機溶媒を含まないか少量しか含まないにもかかわらず粘度が低い光硬化性液状組成物と、前述の光硬化性液状組成物を用いる硬化物の製造方法とを提供すること。【解決手段】光重合性化合物(A)と、金属酸化物ナノ粒子(B)と、光重合開始剤(C)とを含む光硬化性液状組成物に、特定の構造の化合物からなる可塑剤(D)を特定量配合する。可塑剤(D)の、25℃においてE型粘度計により測定される粘度は、10cP以下であるのが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性液状組成物と、当該光硬化性液状組成物の硬化物と、前述の光硬化性液状組成物を用いる硬化物の製造方法とに関する。
従来より、光学部材の形成に、高屈折率材料が用いられている。高屈折材料として、例えば、酸化チタンや酸化ジルコニウム等の金属酸化物粒子を有機成分中に分散させた組成物が用いられている。
このような高屈折材料として、金属酸化物粒子と、加水分解性シリル基を有する特定の構造のフルオレン化合物と、有機溶媒とを含む組成物が、開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の組成物は、上記の特定の構造のフルオレン化合物を含むため、金属酸化物粒子の分散性に優れ、高屈折率の硬化物を与える。また、特許文献1に記載の組成物は、有機溶媒を含むことによって、種々の印刷法に適用され得る。
特開2012-233142号公報
高屈折材料を含む種々の素子等を形成する場合、所定の位置のみに高屈折材料を形成することが望まれる場合がある。この場合、硬化性の材料を位置選択的に塗布して形成された塗布膜を硬化させて、所定の位置のみ高屈折材料を形成するのが、工程の容易さから好ましい。このような方法において用いられる塗布方法としては、塗布の位置精度や寸法精度の点等から、インクジェット法が好ましい。
しかしながら、金属酸化物粒子を含む硬化性組成物は一般的に粘度が高く、インクジェット法の適用が難しい。このため、金属酸化物粒子を含む硬化性組成物の低粘度化が望まれている。
硬化性組成物を有機溶媒により希釈すれば、粘度を下げられる。しかし有機溶媒を多量に含む硬化性組成物を用いて高屈折率膜を形成する場合、高屈折率膜の製造過程で有機溶媒が多量に揮発する問題又はより長い若しくはより高温の加熱工程が必要となる問題がある。多量の有機溶媒の蒸気又は長時間若しくは高温の加熱工程は、高屈折率膜を備える素子やパネル等のデバイスにおいて、高屈折率膜以外の部材にダメージを与える場合や、工程数又は工程コスト増加の負荷がかかる場合がある。
上記の事情から、高屈折率の硬化物を形成可能であって、有機溶媒を含まないか少量しか含まないにもかかわらず粘度が低い光硬化性液状組成物が求められている。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、高屈折率の硬化物を形成可能であって、有機溶媒を含まないか少量しか含まないにもかかわらず粘度が低い光硬化性液状組成物と、当該光硬化性液状組成物の硬化物と、前述の光硬化性液状組成物を用いる硬化物の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明者らは、光重合性化合物(A)と、金属酸化物ナノ粒子(B)と、光重合開始剤(C)とを含む光硬化性液状組成物に、特定の構造の化合物からなる可塑剤(D)を特定量配合することにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第1の態様は、光重合性モノマー(A)と、金属酸化物ナノ粒子(B)と、光重合開始剤(C)と、可塑剤(D)とを含む光硬化性液状組成物であって。
光重合性モノマー(A)が、エチレン性不飽和二重結合を有し、
可塑剤(D)が、下記式(d-1):
d1-Rd3 -X-Rd4 -Rd2・・・(d-1)
(式(d-1)中、Rd1、及びRd2は、それぞれ独立に、1以上5以下の置換基を有してもよいフェニル基であり、置換基が、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子から選択され、Rd3、及びRd4は、それぞれ独立にメチレン基、又はエタン-1,2-ジイル基であり、r、及びsは、それぞれ独立に0、又は1であり、Xは、酸素原子、又は硫黄原子である。)
で表される化合物であり、
可塑剤(D)の含有量が、光硬化性液状組成物全体の質量に対して、0質量%超35質量%以下であり、
溶媒(S)の含有量が、光硬化性液状組成物の質量に対して、5質量%以下である、光硬化性液状組成物である。
本発明の第2の態様は、第1の態様にかかる光硬化性液状組成物の硬化物である。
本発明の第3の態様は、第1の態様にかかる光硬化性液状組成物を成形することと、
成形された光硬化性液状組成物に対して露光することと、を含む硬化物の製造方法である。
本発明によれば、高屈折率の硬化物を形成可能であって、有機溶媒を含まないか少量しか含まないにもかかわらず粘度が低い光硬化性液状組成物と、当該光硬化性液状組成物の硬化物と、前述の光硬化性液状組成物を用いる硬化物の製造方法とを提供することができる。
≪光硬化性液状組成物≫
光硬化性液状組成物は、光重合性化合物(A)と、金属酸化物ナノ粒子(B)と、光重合開始剤(C)と、可塑剤(D)とを含む。光硬化性液状組成物の溶媒(S)の含有量は、光硬化性液状組成物の質量に対して、5質量%以下である、
光重合性化合物(A)は、エチレン性不飽和二重結合を有する。
可塑剤(D)は、後述する特定の構造の化合物である。
光重合性化合物(A)と、金属酸化物ナノ粒子(B)と、光重合開始剤(C)とを含む光硬化性液状組成物に、上記の可塑剤(D)を配合することにより、光硬化性液状組成物が低粘度化される。
本出願の明細書及び特許請求の範囲において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの双方を意味する。本出願の明細書及び特許請求の範囲において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの双方を意味する。本出願の明細書及び特許請求の範囲において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの双方を意味する。
光硬化性液状組成物の溶媒(S)の含有量は、5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらにより好ましく、0.3質量%以下が特に好ましく、下限値は特になく、0質量%以上が好ましい。
光硬化性液状組成物は、溶媒(S)を実質的に含まないのが最も好ましい。光硬化性液状組成物が溶媒(S)を実質的に含まないとは、原料等に付随してごく少量の溶媒(S)が不可避的に光硬化性液状組成物に持ち込まれる他、光硬化性液状組成物に意図的に溶媒(S)が加えられていないことを言う。
光硬化性液状組成物が溶媒(S)を実質的に含まない場合の、光硬化性液状組成物の溶媒(S)の含有量は、例えば0.2質量%以下であり、0.15質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下がさらに好ましい。
光硬化性液状組成物の粘度は、25℃にて、E型粘度計を用いて測定される粘度として70cP以下が好ましく、60cP以下がより好ましく、50cP以下がさらに好ましく、30cP以下が特に好ましい。
光硬化性液状組成物の粘度は、例えば、可塑剤(D)の含有量を調整したり、光重合性化合物(A)や金属化合物粒子(B)の含有量を調整したり、光硬化性液状組成物に少量の溶媒(S)を加えること等によって調整することができる。
以下、光硬化性液状組成物が含む、必須、又は任意の成分について説明する。
<光重合性化合物(A)>
光硬化性液状組成物は、エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物(A)を含む。
光硬化性液状樹脂組成物を用いて、機械的特性に優れる硬化物を形成しやすく、また光硬化性液状樹脂組成物が硬化性に優れる点で、光重合性化合物(A)は、2以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー(A1)を含むことが好ましい。
光重合性化合物(A)としては、特に限定されず、従来公知の多官能モノマー(A1)や単官能モノマー(A2)を用いることができる
多官能モノマー(A1)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(すなわち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN-メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能光重合性化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
高屈折率の硬化物を形成しやすい点から、光重合性化合物(A)は、下記式(a-1)で表される化合物を多官能モノマー(A1)として含むのが好ましい。
Figure 2022103782000001
式(a-1)中、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基である。R、及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1以上5以下のアルキル基である。p、及びqはそれぞれ独立に0又は1である。
、及びRは、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基である。R、及びRは、互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。スルフィド化合物(A1)の、合成や入手が容易であることから、R、及びRが同一であるのが好ましい。
、及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1以上5以下のアルキル基である。R、及びRは、互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。スルフィド化合物(A1)の、合成や入手が容易であることから、R、及びRが同一であるのが好ましい。
、及びRとしての炭素原子数1以上5以下のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。R、及びRとしての炭素原子数1以上5以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基が挙げられる。
式(a-1)で表される化合物の好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2022103782000002
多官能モノマー(A1)を含む場合、光重合性化合物(A)の質量に対する、多官能モノマー(A1)の質量の比率は、金属酸化物ナノ粒子(B)の分散性等、所望する効果が損なわれない範囲で特に限定されない。光重合性化合物(A)の質量に対する、多官能モノマー(A1)の質量の比率は、0質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらにより好ましく、30質量%以上が特に好ましい。上限は、例えば50質量%以下であり、好ましくは45質量%以下である。
単官能モノマー(A2)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、tert-ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能光重合性化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
光硬化性液状組成物の粘度を下げつつ、高屈折率の硬化物を形成しやすい点から、光重合性化合物(A)は、単官能モノマー(A2)として、下記式(a-2)で表される化合物を含んでいることが好ましい。
Figure 2022103782000003
式(a-2)中、R10は、水素原子又はメチル基である。R11は、炭素原子数1以上3以下のアルキレン基である。R12は、単結合、酸素原子、又は硫黄原子である。R13は炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、フェノキシ基、又はフェニル基である。sは0以上5以下の整数である。tは、0、1又は2である。
式(a-2)において、tが2である場合、複数のR11は、同一であっても異なっていてもよく、同一であるのが好ましい。tが2である場合、複数のR12は、同一であっても異なっていてもよく、同一であるのが好ましい。
11は炭素原子数1以上3以下のアルキレン基である。アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、及びプロパン-2,2-ジイル基が挙げられる。これらの中では、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、プロパン-1,3-ジイル基、及びプロパン-1,2-ジイル基が好ましく、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)がより好ましい。
12は、単結合、酸素原子、又は硫黄原子であり、単結合が好ましい。R12が単結合である場合、tは1が好ましい。
13は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、フェノキシ基、又はフェニル基であり、低粘度化の点で好ましくはアルキル基又は炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、及びtert-ブチル基が挙げられる。これらの中では、メチル基、及びエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、及びtert-ブチルオキシ基が挙げられる。これらの中では、メトキシ基、及びエトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
sは、0以上5以下の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式(a-2)で表される化合物の好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2022103782000004
光重合性化合物(A)が単官能モノマー(A2)を含む場合、光重合性化合物(A)の質量に対する、単官能モノマー(A2)の質量の比率は、金属酸化物ナノ粒子(B)の分散性等、所望する効果が損なわれない範囲で特に限定されない。光重合性化合物(A)の質量に対する、単官能モノマー(A2)の質量の比率は、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましい。上限は、例えば、100質量%であってもよい。光重合性化合物(A)として多官能モノマー(A1)を組み合わせる場合は、単官能モノマー(A2)の上限は90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。
光硬化性液状組成物の溶媒(S)の質量を除いた質量に対する、光重合性化合物(A)の質量の比率は、20質量%以上90質量%以下が好ましく、23質量%以上60質量%以下がより好ましく、33質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。
〔金属酸化物ナノ粒子(B)〕
光硬化性液状組成物は、金属酸化物ナノ粒子(B)を含む。金属酸化物ナノ粒子を構成する金属酸化物の種類は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。金属酸化物ナノ粒子(B)の好ましい例としては、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、チタン酸バリウムナノ粒子、及び酸化セリウムナノ粒子からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。光硬化性液状組成物は、これらの金属酸化物ナノ粒子(B)のうちの1種を単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
光硬化性液状組成物が、上記の金属酸化物ナノ粒子(B)を含むことにより高屈折率を示す硬化物を形成できる。
金属酸化物ナノ粒子(B)の平均粒子径は、硬化物の透明性の点から、500nm以下が好ましく、2nm以上100nm以下が好ましい。
光硬化性液状組成物中の金属酸化物ナノ粒子(B)の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。光硬化性液状組成物中の金属酸化物ナノ粒子(B)の含有量は、光硬化性液状組成物の溶媒(S)の質量を除いた質量に対して、5質量%以上70質量%以下が好ましく、35質量%以上70質量%以下がより好ましく、40質量%以上65質量%以下がさらに好ましく、45質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。
光硬化性液状組成物中の金属酸化物ナノ粒子(B)の含有量が上記の範囲内であることにより、光硬化性液状組成物の粘度を所望する範囲内としつつ、高屈折率の硬化物を形成しやすい。
<光重合開始剤(C)>
光重合開始剤(C)としては、特に限定されず、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤(C)としては、具体的には、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、O-アセチル-1-[6-(2-メチルベンゾイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル]エタノンオキシム、(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)[4-(2-メトキシ-1-メチルエトキシ)-2-メチルフェニル]メタノンO-アセチルオキシム、2-(ベンゾイルオキシイミノ)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1-オクタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4-ベンゾイル-4’-メチルジメチルスルフィド、4-ジメチルアミノ安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4-ジメチルアミノ-2-エチルヘキシル安息香酸、4-ジメチルアミノ-2-イソアミル安息香酸、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、o-ベンゾイル安息香酸メチル、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2-クロロチオキサンテン、2,4-ジエチルチオキサンテン、2-メチルチオキサンテン、2-イソプロピルチオキサンテン、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)-イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルジクロロアセトフェノン、α,α-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、9-フェニルアクリジン、1,7-ビス-(9-アクリジニル)ヘプタン、1,5-ビス-(9-アクリジニル)ペンタン、1,3-ビス-(9-アクリジニル)プロパン、p-メトキシトリアジン、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(フラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-n-ブトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン等が挙げられる。これらの光重合開始剤(C)は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(C)の中では、光硬化性液状組成物の感度の点で、オキシムエステル化合物が好ましい。
オキシムエステル化合物としては、下記式(c1)で表される部分構造を有する化合物が好ましい。
Figure 2022103782000005
(式(c1)中、
n1は、0、又は1であり、
c2は、一価の有機基であり、
c3は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、
*は結合手である。)
式(c1)で表される部分構造を有する化合物は、カルバゾール骨格、フルオレン骨格、ジフェニルエーテル骨格や、フェニルスルフィド骨格を有することが好ましい。
式(c1)で表される部分構造を有する化合物は、式(c1)で表される部分構造を1つ又は2つ有することが好ましい。
式(c1)で表される部分構造を有する化合物としては、下記式(c2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022103782000006
(式(c2)中、Rc1は、下記式(c3)、(c4)、又は(c5)で表される基であり、
n1は、0、又は1であり、
c2は、一価の有機基であり、
c3は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有してもよいアリール基である。)
Figure 2022103782000007
(式(c3)中、Rc4及びRc5は、それぞれ独立に、1価の有機基であり、
n2は、0以上3以下の整数であり、
n2が2又は3の場合、複数のRc5は同一でも異なっていてもよく、複数のRc5は互いに結合して環を形成してもよい。
*は結合手である。)
Figure 2022103782000008
(式(c4)中、Rc6及びRc7は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい鎖状アルキル基、置換基を有してもよい鎖状アルコキシ基、置換基を有してもよい環状有機基、又は水素原子であり、
c6とRc7とは互いに結合して環を形成してもよく、
c7とフルオレン骨格中のベンゼン環とが互いに結合して環を形成してもよく、
c8は、ニトロ基、又は1価の有機基、であり、
n3は、0以上4以下の整数であり、
*は結合手である。)
Figure 2022103782000009
(式(c5)中、Rc9は、1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基であり、
Aは、S又はOであり、
n4は、0以上4以下の整数であり、
*は結合手である。)
式(c3)中、Rc4は、1価の有機基である。Rc4は、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の有機基から選択できる。有機基としては、炭素原子含有基が好ましく、1以上の炭素原子、並びにH、O、S、Se、N、B、P、Si、及びハロゲン原子からなる群より選択される1以上の原子からなる基がより好ましい。炭素原子含有基の炭素原子数は特に限定されず、1以上50以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。
c4の好適な例としては、炭素原子数1以上20以下の置換基を有してもよいアルキル基、炭素原子数3以上20以下の置換基を有してもよいシクロアルキル基、炭素原子数2以上20以下の置換基を有してもよい飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2以上20以下の置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数11以上20以下のナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基等が挙げられる。
c4の中では、炭素原子数1以上20以下のアルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。式(c3)で表される化合物の硬化性組成物中での溶解性が良好である点から、Rc4としてのアルキル基の炭素原子数は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上が特に好ましい。また、硬化性組成物中での、式(c3)で表される化合物と、他の成分との相溶性が良好である点から、Rc4としてのアルキルの基の炭素原子数は、15以下が好ましく、10以下がより好ましい。
c4が置換基を有する場合、当該置換基の好適な例としては、水酸基、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数2以上20以下の脂肪族アシル基、炭素原子数2以上20以下の脂肪族アシルオキシ基、フェノキシ基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、-PO(OR)で表される基(Rは炭素原子数1以上6以下のアルキル基)、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロシクリル基等が挙げられる。
c4が、ヘテロシクリル基である場合、当該ヘテロシクリル基は、脂肪族複素環基であっても、芳香族複素環基であってもよい。Rc4がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、環数3までのものとする。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、キノキサリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
c4がヘテロシクリル基である場合、当該ヘテロシクリル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
以上説明したRc4の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ペンタン-3-イル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、及び2-エチルヘキシル基が挙げられる。
また、硬化性組成物中での式(c3)で表される化合物の溶解性が良好である点から、n-オクチル基、及び2-エチルヘキシル基が好ましく、2-エチルヘキシル基がより好ましい。
式(c3)中、Rc5は、1価の有機基である。Rc5は、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の有機基から選択できる。有機基としては、炭素原子含有基が好ましく、1以上の炭素原子、並びにH、O、S、Se、N、B、P、Si、及びハロゲン原子からなる群より選択される1以上の原子からなる基がより好ましい。炭素原子含有基の炭素原子数は特に限定されず、1以上50以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。
c5として好適な1価の有機基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、1、2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、HXC-又はHXC-で表される基を含む置換基(ただし、Xは、各々独立に、ハロゲン原子である)等が挙げられる。
c5がアルキル基である場合、アルキル基の炭素原子数は、1以上20以下が好ましく、1以上6以下がより好ましい。また、Rc5がアルキル基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rc5がアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、Rc5がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(-O-)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
c5がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素原子数は、1以上20以下が好ましく、1以上6以下がより好ましい。また、Rc5がアルコキシ基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rc5がアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、及びイソデシルオキシ基等が挙げられる。また、Rc5がアルコキシ基である場合、アルコキシ基は炭素鎖中にエーテル結合(-O-)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルコキシ基の例としては、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、及びメトキシプロピルオキシ基等が挙げられる。
c5がシクロアルキル基又はシクロアルコキシ基である場合、シクロアルキル基又はシクロアルコキシ基の炭素原子数は、3以上10以下が好ましく、3以上6以下がより好ましい。Rc5がシクロアルキル基である場合の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。Rc5がシクロアルコキシ基である場合の具体例としては、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、及びシクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
c5が飽和脂肪族アシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基である場合、飽和脂肪族アシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、2以上21以下が好ましく、2以上7以下がより好ましい。Rc5が飽和脂肪族アシル基である場合の具体例としては、アセチル基、プロパノイル基、n-ブタノイル基、2-メチルプロパノイル基、n-ペンタノイル基、2,2-ジメチルプロパノイル基、n-ヘキサノイル基、n-ヘプタノイル基、n-オクタノイル基、n-ノナノイル基、n-デカノイル基、n-ウンデカノイル基、n-ドデカノイル基、n-トリデカノイル基、n-テトラデカノイル基、n-ペンタデカノイル基、及びn-ヘキサデカノイル基等が挙げられる。Rc5が飽和脂肪族アシルオキシ基である場合の具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、n-ブタノイルオキシ基、2-メチルプロパノイルオキシ基、n-ペンタノイルオキシ基、2,2-ジメチルプロパノイルオキシ基、n-ヘキサノイルオキシ基、n-ヘプタノイルオキシ基、n-オクタノイルオキシ基、n-ノナノイルオキシ基、n-デカノイルオキシ基、n-ウンデカノイルオキシ基、n-ドデカノイルオキシ基、n-トリデカノイルオキシ基、n-テトラデカノイルオキシ基、n-ペンタデカノイルオキシ基、及びn-ヘキサデカノイルオキシ基等が挙げられる。
c5がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2以上20以下が好ましく、2以上7以下がより好ましい。Rc5がアルコキシカルボニル基である場合の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n-ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec-ブチルオキシカルボニル基、tert-ブチルオキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec-ペンチルオキシカルボニル基、tert-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基、n-ヘプチルオキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニル基、イソオクチルオキシカルボニル基、sec-オクチルオキシカルボニル基、tert-オクチルオキシカルボニル基、n-ノニルオキシカルボニル基、イソノニルオキシカルボニル基、n-デシルオキシカルボニル基、及びイソデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
c5がフェニルアルキル基である場合、フェニルアルキル基の炭素原子数は、7以上20以下が好ましく、7以上10以下がより好ましい。また、Rc5がナフチルアルキル基である場合、ナフチルアルキル基の炭素原子数は、11以上20以下が好ましく、11以上14以下がより好ましい。Rc5がフェニルアルキル基である場合の具体例としては、ベンジル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基、及び4-フェニルブチル基が挙げられる。Rc5がナフチルアルキル基である場合の具体例としては、α-ナフチルメチル基、β-ナフチルメチル基、2-(α-ナフチル)エチル基、及び2-(β-ナフチル)エチル基が挙げられる。Rc5が、フェニルアルキル基、又はナフチルアルキル基である場合、Rc5は、フェニル基、又はナフチル基上にさらに置換基を有していてもよい。
c5がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、式(c3)中のRc4がヘテロシクリル基である場合と同様であり、ヘテロシクリル基はさらに置換基を有していてもよい。
c5がヘテロシクリルカルボニル基である場合、ヘテロシクリルカルボニル基に含まれるヘテロシクリル基は、Rc5がヘテロシクリル基である場合と同様である。
c5が1又は2の有機基で置換されたアミノ基である場合、有機基の好適な例は、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素原子数2以上21以下の飽和脂肪族アシル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよい炭素原子数11以上20以下のナフチルアルキル基、及びヘテロシクリル基等が挙げられる。これらの好適な有機基の具体例は、Rc5と同様である。1、又は2の有機基で置換されたアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基、n-ヘキシルアミノ基、n-ヘプチルアミノ基、n-オクチルアミノ基、n-ノニルアミノ基、n-デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、n-ブタノイルアミノ基、n-ペンタノイルアミノ基、n-ヘキサノイルアミノ基、n-ヘプタノイルアミノ基、n-オクタノイルアミノ基、n-デカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、α-ナフトイルアミノ基、及びβ-ナフトイルアミノ基等が挙げられる。
c5に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、HXC-又はHXC-で表される基を含む置換基(例えば、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルキル基)、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数2以上7以下の飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2以上7以下のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2以上7以下の飽和脂肪族アシルオキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、ベンゾイル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。Rc5に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されず、1以上4以下が好ましい。Rc5に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
c5に含まれる、ベンゾイル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、2-テノイル基(チオフェン-2-イルカルボニル基)、フラン-3-イルカルボニル基及びフェニル基等が挙げられる。
Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
HXC-又はHXC-で表される基を含む置換基としては、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基を有する基、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルキル基、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルキル基を有する基等が挙げられ、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基、又はHXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基を有する基であることがより好ましい。
HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルキル基を有する基としては、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルキル基で置換されている芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルキル基で置換されているシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)等が挙げられ、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルキル基で置換されている芳香族基であることが好ましい。
HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基を有する基としては、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基で置換されている芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基で置換されているアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基等)、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基で置換されているシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)等が挙げられ、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基で置換されている芳香族基であることが好ましい。
また、Rc5としてはシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェノキシアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基、も好ましい。フェノキシアルキル基、及びフェニルチオアルキル基が有していてもよい置換基は、Rc5に含まれるフェニル基が有していてもよい置換基と同様である。
1価の有機基の中でも、Rc5としては、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又はシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1以上20以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上8以下のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。置換基を有していてもよいフェニル基の中では、メチルフェニル基が好ましく、2-メチルフェニル基がより好ましい。シクロアルキルアルキル基に含まれるシクロアルキル基の炭素原子数は、5以上10以下が好ましく、5以上8以下がより好ましく、5又は6が特に好ましい。シクロアルキルアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数は、1以上8以下が好ましく、1以上4以下がより好ましく、2が特に好ましい。シクロアルキルアルキル基の中では、シクロペンチルエチル基が好ましい。芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数は、1以上8以下が好ましく、1以上4以下がより好ましく、2が特に好ましい。芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基の中では、2-(4-クロロフェニルチオ)エチル基が好ましい。
式(c3)で表される基において、Rc5が複数存在し、複数のRc5が互いに結合して環を形成する場合、形成される環としては、炭化水素環や、複素環等が挙げられる。複素環に含まれるヘテロ原子としては、例えば、N、OやSが挙げられる。複数のRc5が互いに結合して形成する環としては、特に芳香族環が好ましい。かかる芳香族環は、芳香族炭化水素環であっても、芳香族複素環であってもよい。かかる芳香族環としては、芳香族炭化水素環が好ましい。式(c3)において、複数のRc5が互いに結合してベンゼン環を形成した場合の具体例を、以下に示す。
Figure 2022103782000010
式(c4)で表される基において、Rc8は、ニトロ基又は1価の有機基である。Rc8は、式(c4)中の縮合環上で、-(CO)n1-で表される基に結合する芳香環とは異なる6員芳香環に、結合する。式(c4)中、Rc8の結合位置は特に限定されない。式(c4)で表される基が1以上のRc8を有する場合、式(c4)で表される化合物の合成が容易であること等から、1以上のRc8のうちの1つが、フルオレン骨格の7位の位置に結合することが好ましい。すなわち、式(c4)で表される基が1以上のRc8を有する場合、式(c4)で表される基は、下記式(c6)で示されることが好ましい。Rc8が複数の場合、複数のRc8は同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2022103782000011
(式(c6)中、Rc6、Rc7、Rc8、n3は、それぞれ式(c4)におけるRc6、Rc7、Rc8、n3と同様である。)
c8が1価の有機基である場合、Rc8は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。有機基としては、炭素原子含有基が好ましく、1以上の炭素原子、並びにH、O、S、Se、N、B、P、Si、及びハロゲン原子からなる群より選択される1以上の原子からなる基がより好ましい。炭素原子含有基の炭素原子数は特に限定されず、1以上50以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。
c8が1価の有機基である場合の好適な例としては、式(c3)中のRc5としての1価の有機基の好適な例と同様の基が挙げられる。
式(c4)中、Rc6及びRc7は、それぞれ、置換基を有してもよい鎖状アルキル基、置換基を有してもよい鎖状アルコキシ基、置換基を有してもよい環状有機基、又は水素原子である。Rc6及びRc7とは相互に結合して環を形成してもよい。これらの基の中では、Rc6及びRc7として、置換基を有してもよい鎖状アルキル基が好ましい。Rc6及びRc7が置換基を有してもよい鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基は直鎖アルキル基でも分岐鎖アルキル基でもよい。
c6及びRc7が置換基を持たない鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基の炭素原子数は、1以上20以下が好ましく、1以上10以下がより好ましく、1以上6以下が特に好ましい。Rc6及びRc7が鎖状アルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、Rc6及びRc7がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(-O-)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
c6及びRc7が置換基を有する鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基の炭素原子数は、1以上20以下が好ましく、1以上10以下がより好ましく、1以上6以下が特に好ましい。この場合、置換基の炭素原子数は、鎖状アルキル基の炭素原子数に含まれない。置換基を有する鎖状アルキル基は、直鎖状であるのが好ましい。
アルキル基が有してもよい置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。置換基の好適な例としては、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、環状有機基、及びアルコキシカルボニル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中では、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。環状有機基としては、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、ヘテロシクリル基が挙げられる。シクロアルキル基の具体例としては、Rc8がシクロアルキル基である場合の好適な例と同様である。芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、及びフェナントリル基等が挙げられる。ヘテロシクリル基の具体例としては、Rc8がヘテロシクリル基である場合の好適な例と同様である。Rc8がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基に含まれるアルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。アルコキシカルボニル基に含まれるアルコキシ基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましい。
鎖状アルキル基が置換基を有する場合、置換基の数は特に限定されない。好ましい置換基の数は鎖状アルキル基の炭素原子数に応じて変わる。置換基の数は、典型的には、1以上20以下であり、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましい。
c6及びRc7が置換基を持たない鎖状アルコキシ基である場合、鎖状アルコキシ基の炭素原子数は、1以上20以下が好ましく、1以上10以下がより好ましく、1以上6以下が特に好ましい。Rc6及びRc7が鎖状アルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、及びイソデシルオキシ基等が挙げられる。また、Rc6及びRc7がアルコキシ基である場合、アルコキシ基は炭素鎖中にエーテル結合(-O-)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルコキシ基の例としては、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、及びメトキシプロピルオキシ基等が挙げられる。
c6及びRc7が置換基を有する鎖状アルコキシ基である場合に、アルコキシ基が有してもよい置換基は、Rc6及びRc7が鎖状アルキル基である場合と同様である。
c6及びRc7が環状有機基である場合、環状有機基は、脂環式基であっても、芳香族基であってもよい。環状有機基としては、脂肪族環状炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロシクリル基が挙げられる。Rc6及びRc7が環状有機基である場合に、環状有機基が有してもよい置換基は、Rc6及びRc7が鎖状アルキル基である場合と同様である。
c6及びRc7が芳香族炭化水素基である場合、芳香族炭化水素基は、フェニル基であるか、複数のベンゼン環が炭素-炭素結合を介して結合して形成される基であるか、複数のベンゼン環が縮合して形成される基であるのが好ましい。芳香族炭化水素基が、フェニル基であるか、複数のベンゼン環が結合又は縮合して形成される基である場合、芳香族炭化水素基に含まれるベンゼン環の環数は特に限定されず、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1が特に好ましい。芳香族炭化水素基の好ましい具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、及びフェナントリル基等が挙げられる。
c6及びRc7が脂肪族環状炭化水素基である場合、脂肪族環状炭化水素基は、単環式であっても多環式であってもよい。脂肪族環状炭化水素基の炭素原子数は特に限定されないが、3以上20以下が好ましく、3以上10以下がより好ましい。単環式の環状炭化水素基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。
c6及びRc7がヘテロシクリル基である場合、式(c3)中のRc5としてのヘテロシクリル基と同様の基が挙げられる。
c6及びRc7とは相互に結合して環を形成してもよい。Rc6及びRc7とが形成する環からなる基は、シクロアルキリデン基であるのが好ましい。Rc6及びRc7とが結合してシクロアルキリデン基を形成する場合、シクロアルキリデン基を構成する環は、5員環~6員環であるのが好ましく、5員環であるのがより好ましい。
c7とフルオレン骨格のベンゼン環と環を形成する場合、当該環は、芳香族環でもよく、脂肪族環でもよい。
c6及びRc7が結合して形成する基がシクロアルキリデン基である場合、シクロアルキリデン基は、1以上の他の環と縮合していてもよい。シクロアルキリデン基と縮合していてもよい環の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、及びピリミジン環等が挙げられる。
以上説明したRc6及びRc7の中でも好適な基の例としては、式-A-Aで表される基が挙げられる。式中、Aは直鎖アルキレン基であり、Aは、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、環状有機基、又はアルコキシカルボニル基である挙げられる。
の直鎖アルキレン基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましい。Aがアルコキシ基である場合、アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。アルコキシ基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましい。Aがハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好ましい。Aがハロゲン化アルキル基である場合、ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好ましい。ハロゲン化アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。Aが環状有機基である場合、環状有機基の例は、Rc6及びRc7が置換基として有する環状有機基と同様である。Aがアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基の例は、Rc6及びRc7が置換基として有するアルコキシカルボニル基と同様である。
c6及びRc7の好適な具体例としては、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、及びn-オクチル基等のアルキル基;2-メトキシエチル基、3-メトキシ-n-プロピル基、4-メトキシ-n-ブチル基、5-メトキシ-n-ペンチル基、6-メトキシ-n-ヘキシル基、7-メトキシ-n-ヘプチル基、8-メトキシ-n-オクチル基、2-エトキシエチル基、3-エトキシ-n-プロピル基、4-エトキシ-n-ブチル基、5-エトキシ-n-ペンチル基、6-エトキシ-n-ヘキシル基、7-エトキシ-n-ヘプチル基、及び8-エトキシ-n-オクチル基等のアルコキシアルキル基;2-シアノエチル基、3-シアノ-n-プロピル基、4-シアノ-n-ブチル基、5-シアノ-n-ペンチル基、6-シアノ-n-ヘキシル基、7-シアノ-n-ヘプチル基、及び8-シアノ-n-オクチル基等のシアノアルキル基;2-フェニルエチル基、3-フェニル-n-プロピル基、4-フェニル-n-ブチル基、5-フェニル-n-ペンチル基、6-フェニル-n-ヘキシル基、7-フェニル-n-ヘプチル基、及び8-フェニル-n-オクチル基等のフェニルアルキル基;2-シクロヘキシルエチル基、3-シクロヘキシル-n-プロピル基、4-シクロヘキシル-n-ブチル基、5-シクロヘキシル-n-ペンチル基、6-シクロヘキシル-n-ヘキシル基、7-シクロヘキシル-n-ヘプチル基、8-シクロヘキシル-n-オクチル基、2-シクロペンチルエチル基、3-シクロペンチル-n-プロピル基、4-シクロペンチル-n-ブチル基、5-シクロペンチル-n-ペンチル基、6-シクロペンチル-n-ヘキシル基、7-シクロペンチル-n-ヘプチル基、及び8-シクロペンチル-n-オクチル基等のシクロアルキルアルキル基;2-メトキシカルボニルエチル基、3-メトキシカルボニル-n-プロピル基、4-メトキシカルボニル-n-ブチル基、5-メトキシカルボニル-n-ペンチル基、6-メトキシカルボニル-n-ヘキシル基、7-メトキシカルボニル-n-ヘプチル基、8-メトキシカルボニル-n-オクチル基、2-エトキシカルボニルエチル基、3-エトキシカルボニル-n-プロピル基、4-エトキシカルボニル-n-ブチル基、5-エトキシカルボニル-n-ペンチル基、6-エトキシカルボニル-n-ヘキシル基、7-エトキシカルボニル-n-ヘプチル基、及び8-エトキシカルボニル-n-オクチル基等のアルコキシカルボニルアルキル基;2-クロロエチル基、3-クロロ-n-プロピル基、4-クロロ-n-ブチル基、5-クロロ-n-ペンチル基、6-クロロ-n-ヘキシル基、7-クロロ-n-ヘプチル基、8-クロロ-n-オクチル基、2-ブロモエチル基、3-ブロモ-n-プロピル基、4-ブロモ-n-ブチル基、5-ブロモ-n-ペンチル基、6-ブロモ-n-ヘキシル基、7-ブロモ-n-ヘプチル基、8-ブロモ-n-オクチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、及び3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロ-n-ペンチル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
c6及びRc7として、上記の中でも好適な基は、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、2-メトキシエチル基、2-シアノエチル基、2-フェニルエチル基、2-シクロヘキシルエチル基、2-メトキシカルボニルエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、及び3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロ-n-ペンチル基である。
式(c5)中、感度に優れる光重合開始剤を得やすい点から、AはSであることが特に好ましい。
式(c5)中、Rc9は、1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基である。
式(c5)におけるRc9が1価の有機基である場合、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の有機基から選択できる。有機基としては、炭素原子含有基が好ましく、1以上の炭素原子、並びにH、O、S、Se、N、B、P、Si、及びハロゲン原子からなる群より選択される1以上の原子からなる基がより好ましい。炭素原子含有基の炭素原子数は特に限定されず、1以上50以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。
式(c5)においてRc9が有機基である場合の好適な例としては、式(c3)中のRc5としての1価の有機基と同様の基が挙げられる。
c9の中では、ベンゾイル基;ナフトイル基;炭素原子数1以上6以下のアルキル基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、及びフェニル基からなる群より選択される基により置換されたベンゾイル基;ニトロ基;置換基を有していてもよいベンゾフラニルカルボニル基が好ましく、ベンゾイル基;ナフトイル基;2-メチルフェニルカルボニル基;4-(ピペラジン-1-イル)フェニルカルボニル基;4-(フェニル)フェニルカルボニル基がより好ましい。
また、式(c5)において、n4は、0以上3以下の整数が好ましく、0以上2以下の整数がより好ましく、0、又は1であるのが特に好ましい。n4が1である場合、Rc9の結合する位置は、Rc9が結合するフェニル基が酸素原子又は硫黄原子と結合する結合手に対して、パラ位であるのが好ましい。
式(c1)及び(c2)中、Rc2としての1価の有機基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。有機基としては、炭素原子含有基が好ましく、1以上の炭素原子、並びにH、O、S、Se、N、B、P、Si、及びハロゲン原子からなる群より選択される1以上の原子からなる基がより好ましい。炭素原子含有基の炭素原子数は特に限定されず、1以上50以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。
c2としての1価の有機基の好適な例としては、式(c3)中のRc5としての1価の有機基と同様の基が挙げられる。これらの基の具体例は、式(c3)中のRc5について説明した基と同様である。
また、Rc2としてはシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェノキシアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基、も好ましい。フェノキシアルキル基、及びフェニルチオアルキル基が有していてもよい置換基は、式(c3)中のRc5に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基と同様である。
有機基の中でも、Rc2としては、上記HXC-又はHXC-で表される基を含む置換基、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又はシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基が好ましい。アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、シクロアルキルアルキル基に含まれるシクロアルキル基の炭素原子数、シクロアルキルアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数、シクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数、又は芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基については、式(c3)のRc5と同様である。
また、Rc2としては、-A-CO-O-Aで表される基も好ましい。Aは、2価の有機基であり、2価の炭化水素基であるのが好ましく、アルキレン基であるのが好ましい。Aは、1価の有機基であり、1価の炭化水素基であるのが好ましい。
がアルキレン基である場合、アルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。Aがアルキレン基である場合、アルキレン基の炭素原子数は1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましく、1以上4以下が特に好ましい。
の好適な例としては、炭素原子数1以上10以下のアルキル基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、及び炭素原子数6以上20以下の芳香族炭化水素基が挙げられる。Aの好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、α-ナフチルメチル基、及びβ-ナフチルメチル基等が挙げられる。
-A-CO-O-Aで表される基の好適な具体例としては、2-メトキシカルボニルエチル基、2-エトキシカルボニルエチル基、2-n-プロピルオキシカルボニルエチル基、2-n-ブチルオキシカルボニルエチル基、2-n-ペンチルオキシカルボニルエチル基、2-n-ヘキシルオキシカルボニルエチル基、2-ベンジルオキシカルボニルエチル基、2-フェノキシカルボニルエチル基、3-メトキシカルボニル-n-プロピル基、3-エトキシカルボニル-n-プロピル基、3-n-プロピルオキシカルボニル-n-プロピル基、3-n-ブチルオキシカルボニル-n-プロピル基、3-n-ペンチルオキシカルボニル-n-プロピル基、3-n-ヘキシルオキシカルボニル-n-プロピル基、3-ベンジルオキシカルボニル-n-プロピル基、及び3-フェノキシカルボニル-n-プロピル基等が挙げられる。
また、Rc2としては、下記式(c7)又は(c8)で表される基も好ましい。
Figure 2022103782000012
(式(c7)及び(c8)中、Rc10及びRc11は、それぞれ独立に、1価の有機基であり、
n5は0以上4以下の整数であり、
c10及びRc11がベンゼン環上の隣接する位置に存在する場合、Rc10とRc11とが互いに結合して環を形成してもよく、
c12は、1価の有機基であり、
n6は1以下8以下の整数であり、
n7は1以上5以下の整数であり、
n8は0以上(n7+3)以下の整数である。)
式(c7)中のRc10及びRc11としての有機基は、式(c4)中のRc8と同様である。Rc10としては、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルコキシ基、HXC-又はHXC-で表される基を含むハロゲン化アルキル基、アルキル基又はフェニル基が好ましい。Rc10とRc11とが結合して環を形成する場合、当該環は、芳香族環でもよく、脂肪族環でもよい。式(c7)で表される基であって、Rc10とRc11とが環を形成している基の好適な例としては、ナフタレン-1-イル基や、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-5-イル基等が挙げられる。
上記式(c7)中、n7は0以上4以下の整数であり、0又は1であるのが好ましく、0であるのがより好ましい。
上記式(c8)中、Rc12は有機基である。有機基としては、式(c4)中のRc8について説明した有機基と同様の基が挙げられる。有機基の中では、アルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルキル基の炭素原子数は1以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、1以上3以下が特に好ましい。Rc12としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基であることがより好ましい。
上記式(c8)中、n7は1以上5以下の整数であり、1以上3以下の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。上記式(c8)中、n8は0以上(n7+3)以下であり、0以上3以下の整数が好ましく、0以上2以下の整数がより好ましく、0が特に好ましい。
上記式(c8)中、n8は1以上8以下の整数であり、1以上5以下の整数が好ましく、1以上3以下の整数がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
式(c2)中、Rc3は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有してもよいアリール基である。Rc3が脂肪族炭化水素基である場合に有してもよい置換基としては、フェニル基、ナフチル基等が好ましく例示される。
式(c1)及び(c2)中、Rc3としては、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、2-シクロペンチルエチル基、2-シクロブチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、ナフチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基又はフェニル基がより好ましい。
式(c2)で表され、且つRc1として式(c3)で表される基を有する化合物の好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2022103782000013
Figure 2022103782000014
Figure 2022103782000015
Figure 2022103782000016
式(c2)で表され、且つRc1として式(c4)で表される基を有する化合物の好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2022103782000017
Figure 2022103782000018
Figure 2022103782000019
Figure 2022103782000020
Figure 2022103782000021
式(c2)で表され、且つRc1として式(c5)で表される基を有する化合物の好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2022103782000022
光重合開始剤(C)としては、光硬化性液状組成物の深部硬化性が良好である点から、フォスフィンオキサイド化合物も好ましい。フォスフィンオキサイド化合物としては、下記式(c9)で表される部分構造を含むフォスフィンオキサイド化合物が好ましい。
Figure 2022103782000023
式(c9)中、Rc21及びRc22は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、炭素原子数2以上20以下の脂肪族アシル基、又は炭素原子数7以上20以下の芳香族アシル基である。ただし、Rc21及びRc22の双方が脂肪族アシル基又は芳香族アシル基ではない。
c21及びRc22としてのアルキル基の炭素原子数は、1以上12以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上4以下がさらに好ましい。Rc21及びRc22としてのアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2,4,4,-トリメチルペンチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、及びn-ドデシル基が挙げられる。
c21及びRc22としてのシクロアルキル基の炭素原子数は、5以上12以下が好ましい。シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、及びシクロドデシル基が挙げられる。
c21及びRc22としてのアリール基の炭素原子数は、6以上12以下が好ましい。アリール基は置換基を有してもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基等が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、及びナフチル基が挙げられる。
c21及びRc22としての脂肪族アシル基の炭素原子数は、2以上20以下であり、2以上12以下が好ましく、2以上8以下がより好ましく、2以上6以下がさらに好ましい。脂肪族アシル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
脂肪族アシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、ノナデカノイル基、及びイコサノイル基が挙げられる。
c21及びRc22としての芳香族アシル基の炭素原子数は、7以上20以下である。芳香族アシル基は置換基を有してもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基等が挙げられる。芳香族アシル基の具体例としては、ベンゾイル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,6-ジメチルベンゾイル基、2,6-ジメトキシベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、α-ナフトイル基、及びβ-ナフトイル基が挙げられる。
式(c9)で表される構造部分を含むフォスフィンオキサイド化合物の好ましい具体例としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、及びビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
光重合開始剤(C)の含有量は、後述する有機溶剤(S)の質量を除いた光硬化性液状組成物の質量(固形分全体)に対して0.5質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましい。光重合開始剤(C)の含有量を上記の範囲とすることにより、硬化性が良好である光硬化性液状組成物を得ることができる。
光重合開始剤(C)に、光開始助剤を組み合わせてもよい。光開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10-ジメトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセン、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、3-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸メチル、ペンタエリストールテトラメルカプトアセテート、3-メルカプトプロピオネート等のチオール化合物等が挙げられる。これらの光開始助剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
〔可塑剤(D)〕
光硬化性液状組成物は、可塑剤(D)を含む。可塑剤(D)は、下記式(d-1)で表される化合物である。
d1-Rd3 -X-Rd4 -Rd2・・・(d-1)
(式(d-1)中、Rd1、及びRd2は、それぞれ独立に、1以上5以下の置換基を有してもよいフェニル基であり、前記置換基が、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子から選択され、Rd3、及びRd4は、それぞれ独立にメチレン基、又はエタン-1,2-ジイル基であり、r、及びsは、それぞれ独立に0、又は1であり、Xは、酸素原子、又は硫黄原子である。)
光硬化性液状組成物がかかる可塑剤(D)を含むことにより、光硬化性液状組成物の硬化性や、硬化物の屈折率を大きく損なうことなく、光硬化性液状組成物が低粘度化される。
光硬化性液状組成物の低粘度化の観点で、可塑剤(D)の、25℃においてE型粘度計により測定される粘度は、10cP以下が好ましく、8cP以下がより好ましく、6cP以下がさらに好ましい。
また、可塑剤(D)が揮発しにくく、光硬化性液状組成物の低粘度化の効果を維持しやすい点から、可塑剤(D)の大気圧下での沸点が250℃以上であるのが好ましく、260℃以上であるのがより好ましい。可塑剤(D)の大気圧下での沸点の上限は特に限定されないが、例えば、300℃以下でよく、350℃以下でもよい。
式(d-1)におけるRd1、及びRd2は、それぞれ独立に、1以上5以下の置換基を有してもよいフェニル基である。フェニル基に結合する置換基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子から選択される基である。フェニル基が置換基を有する場合、置換基の数は特に限定されない。置換基の数は、1以上5以下であり、1又は2が好ましく、1が好ましい。光硬化性液状樹脂組成物の低粘度化の観点からは、Rd1、及びRd2がそれぞれ無置換のフェニル基でるのが好ましい。
置換基としての炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、及びtert-ブチル基が挙げられる。置換基としての炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、及びtert-ブチルオキシ基が挙げられる。置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
式(d-1)におけるRd3、及びRd4は、それぞれ独立にメチレン基、又はエタン-1,2-ジイル基である。また、r、及びsは、それぞれ独立に0、又は1である。
式(d-1)におけるXは、酸素原子、又は硫黄原子である。
以上説明した式(d-1)で表される化合物の好ましい具体例としては、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド、ジベンジルエーテル、ジベンジルスルフィド、ジフェネチルエーテル、及びジフェネチルスルフィドが挙げられる。これらの中では、ジフェニルスルフィド、及び/又はジベンジルエーテルがより好ましい。
光硬化性液状組成物の可塑剤(D)の含有量は、光硬化性液状組成物全体の質量に対して、粘度調整(70cP以下の低粘度領域における調整)と金属酸化物ナノ粒子(B)の分散性との両立の点で、0質量%超35質量%以下であり、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
〔溶媒(S)〕
光硬化性液状組成物は、光硬化性液状組成物の質量に対して5質量%以下の溶媒(S)を含んでいてもよい。溶媒(S)の種類は特に限定されないが、典型的には有機溶媒である。
光硬化性液状組成物に配合され得る有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン等のケトン類;2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、蟻酸n-ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n-ブチル、酪酸エチル、酪酸n-プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n-ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n-プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2-オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。
〔その他の成分〕
光硬化性液状組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、以上説明した成分の他に、従来から感光性組成物やインク組成物に配合されている種々の添加剤を含んでいてもよい。光硬化性液状祖組成物に配合される好ましい添加剤としては、分散剤、シランカップリング剤等の密着促進剤、酸化防止剤、凝集防止剤、消泡剤、界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されず、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等の公知の成分を用いることができる。
〔光硬化性液状組成物の製造方法〕
以上説明した成分を、それぞれ所定量混合したのち、混合物を均一に撹拌することにより光硬化性液状組成物が得られる。
≪硬化物の製造方法≫
以上説明した光硬化性液状組成物は、典型的には、
光硬化性液状組成物を、形成される硬化物の形状に応じて成形することと、
成形された光硬化性液状組成物に対して露光することと、
を含む方法によって、硬化物とされる。
上記の方法により製造される硬化物は、例えば、波長550nmにおける屈折率として、好ましくは1.65以上、より好ましくは1.67以上の高屈折率を示す。このため、上記の方法により製造される硬化物は、高屈折率が要求される光学用途において好適に使用される。
例えば、前述の光硬化性液状組成物の硬化物からなる膜は、有機ELディスプレイパネルや、液晶ディスプレイパネル等の種々のディスプレイパネルにおいて反射防止膜等を構成する高屈折率膜として好適に使用される。
前述の光硬化性液状組成物の硬化物からなる高屈折率膜の膜厚は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択される。高屈折率膜の膜厚は、典型的には、1nm以上20μm以下が好ましく50nm以上10μm以下がより好ましい。
光硬化性液状組成物を成形する方法は特に限定されず、硬化物の形状に応じて適宜選択される。硬化物の形状としては、これらに限定されないが、膜形状、レンズ形状、ライン形状、プリズム形状等が挙げられる。これらの形状の中では、膜形状が好ましい。
光硬化性液状組成物を成形する方法としては、特に限定されない。硬化物の形状がレンズ形状やプリズム形状等である場合には、硬化物の形状に応じた鋳型中に光硬化性液状組成物をスキージ等を用いて充填してもよい。
硬化物の形状がライン形状等である場合、硬化物の形状に応じて、基材上に光硬化性液状組成物を塗布すればよい。塗布方法としては、例えば、インクジェット法等の印刷法が挙げられる。
硬化物を膜形状に塗布する方法としては、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置や、スピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いる方法が挙げられる。また、インクジェット法等の印刷法によって光硬化性液状組成物を膜形状に塗布することもできる。
光硬化性液状組成物が溶媒(S)を含む場合、光硬化性液状組成物を所望する形状に成形した後、加熱等の方法によって成形された光硬化性液状組成物から溶媒(S)を除去してもよい。
なお、例えば、膜形状等の所望する形状に成形された光硬化性液状組成物に対して、光硬化性液状組成物が完全に硬化しない程度の露光を行った後に、インプリント法等の方法によって半硬化状態の光硬化性液状組成物に対して賦形してもよい。この場合、賦形された半硬化状態の光硬化性液状組成物に対して、さらに露光が行われ、光硬化性液状組成物を所望する程度まで十分に硬化させる。
また、前述の光硬化性液状組成物を、3Dプリンティング法に適用して、インクジェット印刷と、露光による硬化とを繰り返して薄膜状の硬化物を積層することにより、所望する形状の硬化物を形成してもよい。
上記の方法により成形された光硬化性液状組成物を硬化されるための露光方法としては、感光性組成物の硬化方法として知られている種々の方法を適宜適用できる。
成形された光硬化性液状組成物に対する露光は、例えば、紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して行われる。
成形された光硬化性液状組成物に対する露光は、例えば、マスクを介する露光のような方法により、位置選択的に行われてもよい。露光を位置選択的に行う場合、露光された光硬化性液状組成物を、有機溶媒を用いて現像して未露光部を除去することで、パターン化された硬化物を形成することができる。
現像処理を行う場合、現像後に加熱による乾燥等の方法により、現像液を十分に除去するのが好ましい。
以上説明した方法により、溶媒(S)を含まないか少量しか含まない前述の光硬化性液状組成物を用いて、所望する形状の高屈折率を示す硬化物が形成される。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されない。
〔実施例1~9、実施例2、比較例1、及び比較例2〕
実施例において、光重合化合物(A)として、下記のA-1、及びA-2を用いた。
A-1:2-(フェニルチオ)エチルアクリレートA-2:下記構造の化合物
Figure 2022103782000024
実施例、及び比較例において、金属酸化物ナノ粒子(B)として、酸化ジルコニウム粒子(平均粒径10nm)を用いた。
実施例、及び比較例において、光重合開始剤(C)として、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドを用いた。
実施例1~9において、可塑剤として以下のD1~D-2を用いた。
D-1:ジフェニルスルフィド
D-2:ジベンジルエーテル
表1に記載の種類、及び量の光重合性化合物(A)と、金属酸化物ナノ粒子45.0質量部と、光重合開始剤(C)4.5質量部と、表1に記載の種類、及び量の可塑剤(D)と、界面活性剤(BYK-333(ビックケミー社製))1.0質量部とを均一に混合し、実施例1~9の光硬化性液状組成物を得た。
可塑剤(D)を用いないことの他は、実施例1~9と同様にして、比較例1の硬化性組成物を得た。
得られた光硬化性液状組成物の、25℃又は35℃にて、E型粘度計を用いて測定した粘度を表1に記す。また、得られた光硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜の屈折率と、光線透過率と、ヘイズと、黄色度(Y.I.)とを下記処方に従って測定した。これらの測定結果を表1に記す。
<屈折率測定方法>
ガラス基板上にインクジェット装置を用いて、各実施例、比較例の光硬化性液状組成物を塗布した。その後、395nmのUV-LED露光機を用いて、露光量2J/cmで塗布膜を露光して硬化させ、厚さ3μmの硬化膜を得た。その膜についてMetricon社製プリズムカプラを用いて光線波長550nmでの屈折率を求めた。
<全光線透過率、ヘイズ、及びY.I.の測定方法>
ガラス基板上にスピンコートにて各実施例、比較例の光硬化性液状組成物を塗布後、385nmのUV-LED露光機を用いて、露光量2J/cmで塗布膜を露光して硬化させ、厚さ10μmの硬化膜を得た。その膜について、Hunter Associates Laboratory, Inc.社製デスクトップ分光測色計を用いて全光線透過率、ヘイズ、及びY.I.の測定を行った
Figure 2022103782000025
表1によれば、実施例1~9と、比較例1との比較から、光硬化性液状組成物が、式(d-1)で表される所定の構造の可塑剤であるD-1又はD-2を含む場合、可塑剤を含まない光硬化性液状組成物の粘度よりも、光硬化性液状組成物の粘度が低いことが分かる。
また、実施例1~9と、比較例1との比較から、可塑剤であるD-1又はD-2の使用により、硬化物の屈折率、透明性等が大きく損なわれないことが分かる。
〔実施例10~13、及び比較例2~7〕
実施例10~13、及び比較例2~7では、可塑剤として、下記のD-1~D-4を用いた。実施例10~13、及び比較例2~7では、実施例1~9、及び比較例1で用いた光重合性化合物(A)、金属酸化物(B)、光重合開始剤(C)と同様の光重合性化合物(A)、金属酸化物(B)、光重合開始剤(C)を用いた。
D-1:ジフェニルスルフィド
D-2:ジベンジルエーテル
D-3:ジフェニルエーテル
D-4:3-フェノキシベンジルアコール
表1に記載の種類、及び量の光重合性化合物(A)と、金属酸化物ナノ粒子45.0質量部と、光重合開始剤(C)4.5質量部と、表1に記載の種類、及び量の可塑剤(D)と、界面活性剤(BYK-333(ビックケミー社製))1.0質量部とを均一に混合し、実施例10~13、比較例2、比較例3、比較例5、及び比較例6の光硬化性液状組成物を得た。
可塑剤(D)を用いないことの他は、実施例10~13と同様にして、比較例4、及び比較例7の硬化性組成物を得た。
得られた光硬化性液状組成物の、25℃又は35℃にて、E型粘度計を用いて測定した粘度を表2に記す。
Figure 2022103782000026
表2によれば、実施例10及び実施例11と、比較例4との比較、及び実施例12及び実施例13と、比較例7との比較から、光硬化性液状組成物が、式(d-1)で表される所定の構造の可塑剤であるD-1~D-3を含む場合、可塑剤を含まない光硬化性液状組成物の粘度よりも、光硬化性液状組成物の粘度が低いことが分かる。
他方、比較例2及び比較例3と、比較例4との比較、及び比較例5及び比較例6と、比較例7との比較から、光硬化性液状組成物が、式(d-1)で表される構造の該当しない可塑剤を含む場合、可塑剤を含まない光硬化性液状組成物の粘度よりも、光硬化性液状組成物の粘度が高いことが分かる。
また、実施例10~11と及び比較例4との比較、及び実施例12~13と比較例7との比較から、可塑剤であるD-1又はD-2の使用により、硬化物の屈折率、透明性等が大きく損なわれないか又は同等以上であることが分かる。

Claims (13)

  1. 光重合性モノマー(A)と、金属酸化物ナノ粒子(B)と、光重合開始剤(C)と、可塑剤(D)とを含む光硬化性液状組成物であって。
    前記光重合性モノマー(A)が、エチレン性不飽和二重結合を有し、
    前記可塑剤(D)が、下記式(d-1):
    d1-Rd3 -X-Rd4 -Rd2・・・(d-1)
    (式(d-1)中、Rd1、及びRd2は、それぞれ独立に、1以上5以下の置換基を有してもよいフェニル基であり、前記置換基が、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子から選択され、Rd3、及びRd4は、それぞれ独立にメチレン基、又はエタン-1,2-ジイル基であり、r、及びsは、それぞれ独立に0、又は1であり、Xは、酸素原子、又は硫黄原子である。)
    で表される化合物であり、
    前記可塑剤(D)の含有量が、光硬化性液状組成物全体の質量に対して、0質量%超35質量%以下であり、
    溶媒(S)の含有量が、前記光硬化性液状組成物の質量に対して、5質量%以下である、光硬化性液状組成物。
  2. 前記可塑剤(D)の、25℃においてE型粘度計により測定される粘度が10cP以下である、請求項1に記載の光硬化性液状組成物。
  3. 前記可塑剤(D)の大気圧下での沸点が250℃以上である、請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記Rd1、及び前記Rd2が、それぞれフェニル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の光硬化性液状組成物。
  5. 前記可塑剤(D)が、ジフェニルスルフィド、及び/又はジベンジルエーテルである、請求項4に記載の光硬化性液状組成物。
  6. 前記光重合性モノマー(A)が、2以上の前記エチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー(A1)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の光硬化性液状組成物。
  7. 前記光重合性モノマー(A)が、前記多官能モノマー(A1)として下記式(a-1):
    Figure 2022103782000027
    (式(a-1)中、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基であり、R、及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1以上5以下のアルキル基であり、p、及びqはそれぞれ独立に0又は1である。)
    で表される化合物を含む、請求項6に記載の光硬化性液状組成物。
  8. インクジェットインクとして用いられる、請求項1~7のいずれか1項に記載の光硬化性液状組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の光硬化性液状組成物の硬化物。
  10. 光線波長550nmにおいて測定される屈折率が1.65以上である、請求項9に記載の硬化物。
  11. 請求項1~8のいずれか1項に記載の光硬化性液状組成物を成形することと、
    成形された前記光硬化性液状組成物に対して露光することと、を含む硬化物の製造方法。
  12. 前記光硬化性液状組成物を成形する方法が塗布である、請求項11に記載の硬化物の製造方法。
  13. 前記光硬化性液状組成物の塗布が、インクジェット印刷法により行われる、請求項12に記載の硬化物の製造方法。
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