JP2022103671A - 複合炭素材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、炭素材料の配向が効果的に抑制され、充放電特性に優れた負極材料として用いることができる複合炭素材料を提供する。【解決手段】本発明の複合炭素材料は、非繊維状炭素材料と繊維状炭素材料とを含み、前記繊維状炭素材料の一部は前記非繊維状炭素材料に付着しており、他の一部は繊維状、毛玉状又は塊状の凝集体を形成しており、前記凝集体の短径は、前記非繊維状炭素材料の平均粒子径よりも小さく、前記複合炭素材料のBET比表面積は、30m2/g未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、複合炭素材料に関し、特に非繊維状炭素材料と繊維状炭素材料とを含む複合炭素材料に関する。
近年、電子機器の小型化又は高性能化に伴い、電池の高エネルギー密度化に対する要望はますます高まっている。このような状況の中、エネルギー密度が高く、高電圧化が可能な電池としてリチウムイオン二次電池が注目されている。リチウムイオン二次電池は、正極、負極及び非水電解質を主な構成要素とし、リチウムイオンが非水電解質を介して正極と負極との間を移動することで充電や放電を行う。リチウムイオン二次電池の負極は、通常、負極材料、溶媒及び結合剤を混合して負極合剤スラリーを調製し、該スラリーを銅箔等の集電体の上に塗布し、圧着して作製される。
リチウムイオン二次電池の負極材料には、通常、炭素材料が使用されている。特に、黒鉛は充放電特性に優れ、高い放電容量と電位平坦性とを示すことから有望視されている。負極材料に使用される黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛粒子、さらにはタールやピッチを原料としたメソフェーズピッチやメソフェーズ小球体を熱処理して得られるバルクメソフェーズ黒鉛質粒子やメソフェーズ小球体黒鉛質粒子、粒子状や繊維状のメソフェーズピッチを酸化不融化した後に熱処理して得られるメソフェーズ黒鉛質粒子やメソフェーズ黒鉛質繊維、天然黒鉛や人造黒鉛をタールやピッチ等で被覆した後に熱処理して得られる複合黒鉛質粒子等が挙げられる。
上記のような黒鉛は、一般的に炭素原子の六角網面が層状に連なった構造であるがために、該黒鉛からなる負極材料を用いると、負極において黒鉛粒子の配向性が大きくなってしまう。その結果、リチウムイオンが黒鉛粒子内を拡散しにくくなり、充放電効率が低下する場合がある。このため、さらなる充放電効率の向上を目的として、上記黒鉛質粒子に導電助材を複合することが検討されており、例えば、特許文献1には黒鉛質材料Aの前駆体と繊維状黒鉛材料Bの前駆体に、機械的エネルギーを付与して、該黒鉛質材料Aの前駆体に該繊維状黒鉛材料Bの前駆体を付着させたのち、黒鉛化することを特徴とする黒鉛質材料が開示されている。
特開2005-60150号公報
特許文献1に記載の黒鉛質材料は、機械的エネルギー付与によって、黒鉛質材料の表面の結晶構造を乱すことができ、充放電特性が比較的良好なリチウムイオン二次電池用負極材料であると考えられる。しかしながら、未だ、黒鉛粒子の配向性を制御することが不十分であり、黒鉛粒子の結晶配向がさらに効果的に抑制された充放電特性に優れるリチウムイオン二次電池用負極材料が求められている。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、炭素材料の配向が効果的に抑制され、充放電特性に優れた負極材料として用いることができる複合炭素材料を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明に係る複合炭素材料では、該複合炭素材料を構成する炭素粒子間に繊維状、毛玉状又は塊状の繊維状炭素材料からなる凝集体を設けた。
具体的に、本発明に係る複合炭素材料は、非繊維状炭素材料と繊維状炭素材料とを含む複合炭素材料であって、前記繊維状炭素材料の一部は非繊維状炭素材料に付着しており、他の一部は繊維状、毛玉状又は塊状の凝集体を形成しており、前記凝集体の短径は前記非繊維状炭素材料の平均粒子径よりも小さく、前記複合炭素材料のBET比表面積は、30m/g未満であることを特徴とする。
本発明に係る複合炭素材料によると、非繊維状炭素材料と繊維状炭素材料とを含み、繊維状炭素材料の一部は非繊維状炭素材料に付着しており、他の一部は繊維状、毛玉状又は塊状の凝集体を形成しているため、非繊維状炭素材料の間に繊維状炭素材料からなる繊維状、毛玉状又は塊状の凝集体が存在することとなる。このような凝集体が非繊維状炭素材料の間に存在することによって、該複合炭素材料を用いてリチウムイオン二次電池の負極を作製した場合、炭素粒子の配向を効果的に抑制することができる。これにより、結晶構造が乱れた炭素粒子内をリチウムイオンが拡散しやすくなり、初期充放電効率を向上させることができる。また、BET比表面積が30m/g未満であると、該複合炭素材料を用いたスラリー作成時に粘度が上がりにくいため、負極合剤スラリーを容易に作製することができ、且つ負極合剤スラリー作製時に必要な結合剤の添加量を抑えることもできる。その結果、負極中に含まれる負極活物質としての炭素材料の割合を十分確保することができるため、充放電効率を向上させることができる。一方、BET比表面積が30m/g以上であると、粘度が上がりやすく負極合剤スラリー作製時に必要な結合剤の添加量が増えるため、負極中に含まれる負極活物質としての炭素材料の割合が低下してしまい、その結果、充放電効率が低下する場合がある。本発明に係る複合炭素材料によると、上記特性が相まって、優れた充放電特性を持つリチウムイオン二次電池用負極材料を製造可能な複合炭素材料を提供することができる。
本発明に係る複合炭素材料において、前記非繊維状炭素材料は、黒鉛であることが好ましい。
黒鉛は、充放電特性に優れ、高い放電容量と電位平坦性とを示すため、黒鉛を含む複合炭素材料を負極材料として用いた場合、充放電効率をさらに向上させることができる。
本発明に係る複合炭素材料において、前記繊維状炭素材料は、黒鉛化した多層カーボンナノチューブであることが好ましい。
このようにすると、繊維の中心が空洞であるため、リチウムイオン電池を軽量化することができる。
本発明に係る複合炭素材料において、前記繊維状炭素材料は、平均一次繊維径が30nm未満であることが好ましい。
本発明に係る複合炭素材料によると、炭素材料の配向が効果的に抑制され、充放電特性に優れた負極材料として用いることができる。
本発明の一実施例に係る複合炭素材料の走査型電子顕微鏡写真である(倍率5,000倍)。 図1で観察した繊維状炭素材料の拡大写真である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用方法又はその用途を制限することを意図するものではない。
本発明の一実施形態に係る複合炭素材料は、非繊維状炭素材料と繊維状炭素材料とを含むものであり、繊維状炭素材料の一部は非繊維状炭素材料に付着しており、繊維状炭素材料の他の一部は繊維状、毛玉状又は塊状の凝集体を形成しており、特に、非繊維状炭素材料の間に繊維状炭素材料の凝集体が設けられている。
非繊維状炭素材料は、炭素を主成分とする材料であれば特に限定されないが、天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛であることが好ましい。黒鉛は、充放電特性に優れ、高い放電容量と電位平坦性とを示す。このため、黒鉛を含む複合炭素材料を負極材料として用いた場合、充放電効率をさらに向上させることができる。
非繊維状炭素材料の形状は、非繊維状であれば特に限定はされないが、例えば、略球状や鱗片状等を用いることができる。また、非繊維状炭素材料の平均粒子径は、1μm以上30μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましく、3μm以上15μm以下であることがさらに好ましい。
繊維状炭素材料は、繊維状であり且つ炭素を主成分とする材料であれば特に限定されないが、黒鉛化した多層カーボンナノチューブであることが好ましい。多層カーボンナノチューブは繊維の中心が空洞であるため、負極材料の導電助剤として用いることでリチウムイオン電池を軽量化することができる。また、繊維状炭素材料の平均一次繊維径は、30nm未満であることが好ましく、25nm未満であることが好ましく、20nm未満であることがさらに好ましい。繊維状炭素材料は、少なくとも一部が単繊維にまで分散した状態で非繊維状炭素材料の表面に付着していることが好ましい。
繊維状炭素材料の凝集体は、上記の通り、多層カーボンナノチューブ等の繊維状炭素材料が繊維状、毛玉状又は塊状に凝集したものであり、その短径が非繊維状炭素材料の平均粒子径よりも小さいことを特徴とする。具体的には、非繊維状炭素材料の平均粒子径を30μmである場合、該凝集体が毛玉状又は塊状の場合には、最も短い部分の長さが30μm未満であることが好ましく、繊維状の場合には、凝集繊維径が30μm未満であることが好ましい。
以上のような本実施形態に係る複合炭素材料を電池の負極材料として用いた場合、当該複合炭素材料の非繊維状炭素材料の間に繊維状炭素材料の凝集体が設けられているため、炭素粒子の配向を効果的に抑制することができる。その結果、結晶構造が乱れた炭素粒子内をリチウムイオンが拡散しやすくなり、初期充放電効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る複合炭素材料は、BET比表面積が30m/g未満である。BET比表面積が30m/g未満であると、該複合炭素材料を用いたスラリー作製時に粘度が上がりにくいため、負極合剤スラリーを容易に作製することができ、且つ負極合剤スラリー作製時に必要な結合剤の添加量を抑えることもできる。その結果、負極中に含まれる負極活物質としての炭素材料の割合を十分確保することができ、充放電効率を向上させることができる。一方、BET比表面積が30m/g以上であると、粘度が上がりやすく負極合剤スラリー作製時に必要な結合剤の添加量が増えるため、負極中に含まれる負極活物質としての炭素材料の割合が低下してしまう。その結果、充放電効率が低下する場合がある。好ましくは、BET比表面積が20m/g未満であり、より好ましくは15m/g未満であり、さらに好ましくは10m/g未満である。
本実施形態に係る複合炭素材料では、以上の通り、非繊維状炭素材料の間に繊維状炭素材料からなる繊維状、毛玉状又は塊状の凝集体が存在することで、該複合炭素材料を用いてリチウムイオン電池の負極を作製した場合、炭素粒子の配向を効果的に抑制することができる。これにより、結晶構造が乱れた炭素粒子内をリチウムイオンが拡散しやすくなり、初期充放電効率を向上させることができる。また、BET比表面積が30m/g未満であると、粘度が上がりにくいため、負極合剤スラリーを作製するとき、容易に作製することができ、且つ必要な結合剤の添加量を抑えることもできる。その結果、負極中に含まれる負極活物質としての炭素材料の割合を十分確保することができ、充放電効率を向上させることができる。BET比表面積が30m/g以上であると、粘度が上がりやすく負極合剤スラリー作製時に必要な結合剤の添加量が増えるため、負極中に含まれる負極活物質としての炭素材料の割合が低下してしまい、充放電効率が低下する場合がある。本発明に係る複合炭素材料によると、上記特性が相まって、炭素材料の配向が効果的に抑制され、充放電特性に優れた負極材料として用いることができる複合炭素材料を提供することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る複合炭素材料の製造方法について述べる。
本実施形態に係る複合炭素材料は、非繊維状炭素材料の前駆体と繊維状炭素材料の前駆体とを混合し、該混合物を黒鉛化することによって得ることができる。
非繊維状炭素材料の前駆体としては、黒鉛化処理によって炭素が残留する材料であれば、特に限定はされないが、例えば、ハードカーボンやソフトカーボン、ピッチ、樹脂等を用いることができる。黒鉛化処理によって黒鉛構造を生成し易いという観点から、易黒鉛化性のカルサインコークスを用いることが好ましい。平均粒子径は、1μm以上30μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましく、3μm以上15μm以下であることがさらに好ましい。
繊維状炭素材料の前駆体としては、黒鉛化処理によって繊維状炭素が残留する材料であれば、特に限定はされないが、炭素網目が繊維軸と平行になっている構造であることが好ましく、例えば、カーボンナノチューブ等を用いることができる。繊維状炭素材料の前駆体は、一次繊維の平均繊維外径が100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、繊維状炭素材料の前駆体は、少なくとも一部が凝集体を形成していることが好ましい。凝集体の形状は特に限定しないが、複数の一次繊維が緩く絡まった繊維状、毛玉状又は塊状であることが好ましく、該凝集体の短径は炭素材料の平均粒子径と同等か又はそれよりも小さいことが好ましい。ここで言う短径とは、アスペクト比が1より大きい場合の短軸径であり、繊維状炭素材料の前駆体が繊維状の場合は凝集繊維径である。
本実施形態において、繊維状炭素材料の前駆体は、BET比表面積が100m/g以上1500m/g以下であることが好ましく、さらに好ましくは150m/g以上500m/g以下である。
本実施形態において、繊維状炭素材料の前駆体は、該前駆体を生成する際に用いられた触媒としての遷移金属成分を含む未精製の繊維状炭素材料を用いることができる。このようにすると、精製等の工程を必要としないため、工業的観点から好ましい。さらに、前記未精製の繊維状炭素材料は、遷移金属成分を0.5重量%以上10重量%未満含有することが好ましい。前記遷移金属成分を10重量%以上含有すると、黒鉛化処理後の複合炭素材料中に遷移金属が多く残存してしまい、電池特性に悪影響を及ぼす場合がある。
未精製の繊維状炭素材料は、アーク放電法、化学気相成長(CVD)法等公知の製法で得ることができ、例えば、ロータリーキルン内に炭化水素ガスと、鉄やコバルト、ニッケルなどを含む触媒金属粒子とを供給し、炉内で400℃~800℃の温度で加熱することで得られる。このようにすると、炭化水素ガスが触媒及び加熱によって炭素と水素に分解され、炭素原子が触媒金属粒子中に取り込まれて、その中を移動拡散した後、過飽和状態になることで炭素が析出し、堆積することでカーボンナノチューブが得られる。
上記遷移金属成分としては、黒鉛化触媒能がある元素、例えば、鉄等を用いることが好ましく、ナノサイズで散在していることが好ましい。このようにすると、昇温時の金属成分の移動及び成長を抑制することができ、均一に炭素の高結晶化反応が進行しやすく、且つ低温で短時間の処理でも複合炭素材料中に金属元素が残存しにくくなる。従って、本実施形態に係る複合炭素材料を負極に用いた場合、金属不純物の量が低減されているため、電池特性の低下を防ぐことができる。前記遷移金属成分は、該遷移金属の酸化物や炭化物等を原料として用いてもよい。
本実施形態において、繊維状炭素材料の前駆体の好ましい配合割合は、非繊維状炭素材料の前駆体と繊維状炭素材料の前駆体との総量に対して、3重量%以上である。繊維状炭素材料の前駆体が3重量%未満の場合、充放電効率の改善効果が小さくなる。より好ましくは、繊維状炭素材料の前駆体の配合割合が4重量%以上であり、さらに好ましくは5重量%以上である。上限は25重量%程度である。
混合方法としては、繊維状炭素材料の前駆体の少なくとも一部を解し、非繊維状炭素材料の前駆体の表面に付着させられるのであれば、特に限定はされないが、例えば、ローラーミル、ボールミル、擂潰機、乾式粒子複合化装置(ノビルタ(登録商標、ホソカワミクロン社製))、流動式混合機型複合化機(COMPOSI(登録商標、日本コークス工業社製))等を用いることができる。本実施形態に係る非繊維状炭素材料の前駆体は、黒鉛よりも硬い炭素質であるため、混合工程の過程で粉砕されにくく、また、繊維状炭素材料の前駆体を解すための粉砕媒体としても作用することができる。
前記黒鉛化処理は、例えば、N、Ar等の不活性ガス雰囲気下で最高到達温度が2000℃以上で行うことができる。上限は3200°程度である。繊維状炭素材料の前駆体が黒鉛化触媒として作用する遷移金属成分を含有していること、さらに該遷移金属成分がナノサイズで分散していることから、2000℃程度でも炭素の黒鉛化反応を促進し、且つ黒鉛化後の遷移金属成分含有量を低減することができる。黒鉛化処理温度が3000℃を超えると、繊維状炭素材料が太くなり柔軟性が失われる恐れがある。好ましくは、黒鉛化処理温度が2100℃以上2900℃以下であり、さらに好ましくは、2200℃以上2800℃以下である。なお、黒鉛処理の最高到達温度での保持時間は特に限定はされないが、24時間以下が好ましい。
上記黒鉛化処理によって得られる複合炭素材料は、含有する遷移金属成分が1%未満であることが好ましい。このようにすると、本実施形態に係る複合炭素材料を負極材料として用いた場合、短絡の可能性が低い安全な電池を製造することができる。好ましくは、含有する遷移金属成分が500ppm未満であり、より好ましくは250ppm未満であり、さらに好ましくは100ppm未満であり、さらにより好ましくは50ppm未満である。
以下に、本発明に係る複合炭素材料を詳細に説明するための実施例を示す。本実施例は、本発明について例示するものであり、発明の範囲を限定するものではない。
本実施例において、非繊維状炭素材料及びその前駆体の平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LMS-2000e(セイシン企業製)を用いて試料のメジアン径を測定した。
本実施例において、繊維状炭素材料及びその前駆体の含有遷移金属量は、走査型蛍光X線分析装置ZSX PrimusII(リガク社製)を用いて試料中の含有遷移金属量を測定した。
本実施例において、繊維状炭素材料の前駆体の平均一次繊維径は、試料粉末をイソプロピルアルコールに添加して、周波数38kHz、出力120Wの超音波分散機で1時間分散させて調整した繊維状炭素材料の前駆体であるカーボンナノチューブの0.1%分散液を、試料台にのせて乾燥させ、透過型顕微鏡JEM-1200EXII型(日本電子社製)を用いて2万倍で撮影した画像を得た。この画像を画像解析ソフト(A像くん(登録商標、旭化成エンジニアリング社製))で処理することによって、500本分の平均一次繊維径を算出した。
本実施例において、複合炭素材料のBET比表面積は、全自動比表面積計Macsorb model-1201(マウンテック製)を用いて試料のBET比表面積を測定した。
実施例1
まず、非繊維状炭素材料の前駆体として、平均粒子径9.5μmのカルサインコークスを準備した。
次に、繊維状炭素材料の前駆体としての多層カーボンナノチューブを上述したロータリーキルンを用いた方法で作製した。当該方法で得られた多層カーボンナノチューブは、触媒金属としての鉄を2.1重量%含有し、平均一次繊維径が16nm、BET比表面積が156m/gであった。
次に、前記非繊維状炭素材料の前駆体:前記繊維状炭素材料の前駆体=95:5(重量比)となるように計量し、これをノビルタ(登録商標、ホソカワミクロン社製)で混合粉砕した。この混合粉砕物を2800℃で加熱し、黒鉛化処理することにより、複合炭素材料を得た。得られた複合炭素材料は、BET比表面積が8.5m/gであり、鉄を14ppm、ニッケルを3ppm含んでいた。さらに、得られた複合炭素材料を走査型電子顕微鏡S-4800(日立ハイテク社製)で観察したところ、塊状の繊維状炭素材料の凝集体が存在し、その短径は最大で2μm程度であった。また、XRDを用いた学振法(「炭素」1963年[No.36]25-34頁)に従って測定した002面の格子面間隔d002は、0.3361nmであった。
この実施例1における製造条件、及び得られた複合炭素材料の諸特性を表1に示す。また、得られた複合炭素材料の走査型電子顕微鏡写真を図1及び図2に示す。図1及び図2に示すように、実施例1で得られた複合炭素材料は、非繊維状炭素材料の間に塊状の繊維状炭素材料の凝集体(図1及び図2の破線で囲う部分)が存在し、また、繊維状炭素材料の一次繊維が非繊維状炭素材料に付着している(図2の矢印部分)。
比較例1
前記繊維状炭素材料の前駆体を、3000℃で加熱し、黒鉛化処理した。得られた生成物は、BET比表面積が89.8m/gであり、目に見える数mmサイズの金属粒が残留していた。
比較例2
前記非繊維状炭素材料の前駆体を、2800℃で加熱し、黒鉛化処理した。得られた生成物は、BET比表面積が4.4m/gであり、鉄を18ppm、ニッケルを4ppm含んでいた。d002は、0.3361nmであった。
これら比較例の製造条件、及び得られた複合炭素材料の諸特性を表1に示す。
Figure 2022103671000002
表1に示すように、実施例1は、未精製の繊維状炭素材料を用いたにも関わらず、最終的に得られた複合炭素材料には、微量の触媒金属しか残存していなかった。これは、黒鉛化した際に非繊維状炭素材料が共存したことで、揮発した金属触媒成分が混合粉全体に拡散し易くなったためと考えられる。さらに、得られた複合炭素材料は、BET比表面積が小さいことが明らかとなった。従って、実施例1の複合炭素材料を用いて負極合剤スラリーを作製すると、粘度が上がりにくくスラリー化し易くなる。このため、実施例1の複合炭素材料は、負極材料として好適に用いられる。
以上から、非繊維状炭素材料の間に繊維状炭素材料の繊維状、毛玉状又は塊状の凝集体が設けられ、該凝集体の短径が非繊維状炭素材料の平均粒子径よりも小さく、BET比表面積が30/g未満である本発明に係る複合炭素材料は、電池の負極材料として好適に用いることができて、当該複合炭素材料を負極材料に含むリチウムイオン電池の充放電特性を向上できて有用である。

Claims (4)

  1. 非繊維状炭素材料と繊維状炭素材料とを含む複合炭素材料であって、
    前記繊維状炭素材料の一部は前記非繊維状炭素材料に付着しており、他の一部は繊維状、毛玉状又は塊状の凝集体を形成しており、
    前記凝集体の短径は、前記非繊維状炭素材料の平均粒子径よりも小さく、
    前記複合炭素材料のBET比表面積は、30m/g未満であることを特徴とする、複合炭素材料。
  2. 前記非繊維状炭素材料は、黒鉛であることを特徴とする、請求項1に記載の複合炭素材料。
  3. 前記繊維状炭素材料は、黒鉛化した多層カーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の複合炭素材料。
  4. 前記繊維状炭素材料は、平均一次繊維径が30nm未満であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の複合炭素材料。

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