JP2022102190A - 画像処理装置および画像処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿全体の画像データと原稿全体の画像データよりも解像度が高い原稿内の特定個所の画像データとを外部機器に送信するときの利便性を向上させる。【解決手段】画像処理装置は、読取部と、制御部と、を備え、読取部は、第1解像度で原稿を読み取り、制御部は、第1解像度での読み取りで得られる第1画像データのうち画質維持領域の画像データを切り出し、第1画像データから第1解像度よりも低い第2解像度の第2画像データを生成し、第2画像データ、画質維持領域の画像データ、および、第1画像データ上での画質維持領域の位置を示す座標データ、を外部機器に送信する。【選択図】図3

Description

本発明は、画像処理装置および画像処理システムに関する。
従来、原稿を読み取る画像処理装置が知られている。従来の画像処理装置は、原稿の読み取りで得られた画像データを外部機器に送信する。このような画像処理装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。
特許文献1の画像処理装置は、原稿の画像データを外部機器に送信するとき、原稿の読み取りを2回行う。
特許文献1では、1回目の読み取りのとき、画像処理装置は、原稿全体を低解像度で読み取り、低解像度の画像データをプレビュー用の画像データとして外部機器に送信する。外部機器では、原稿画像が表示され、原稿のうちユーザー所望の領域が指定される。外部機器は、指定領域を示す指定情報を画像処理装置に送信する。
その後、2回目の読み取りが行われる。このとき、画像処理装置は、原稿の指定領域を1回目の読み取り時と同じ解像度で読み取る。ただし、2回目の読み取りのとき、画像処理装置は、1回目に読み取った画素位置に対してずれた位置を読み取る。また、画像処理装置は、1回目の読み取りで得られた画像データと2回目の読み取りで得られた画像データとに基づき、指定領域の画像データであって高解像度の画像データを生成する。画像処理装置は、指定領域の画像データを外部機器に送信する。
特開2001-313942号公報
特許文献1では、外部機器への画像データの送信時、原稿全体の画像データについては解像度を落として送信し、原稿の特定個所(たとえば、画質が低いと見難くなる個所)については高解像度の画像データを送信する、といった送信処理を行える。しかし、特許文献1では、原稿の読み取りを2回行わなければならない。ユーザーからすると、手間と時間がかかるので、利便性が悪い。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、原稿全体の画像データと原稿全体の画像データよりも解像度が高い原稿内の特定個所の画像データとを外部機器に送信するときの利便性を向上させることが可能な画像処理装置および画像処理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の局面による画像処理装置は、原稿を読み取る読取部と、制御部と、を備える。読取部は、第1解像度で原稿を読み取る。制御部は、第1解像度での読み取りで得られる第1画像データのうち画質維持領域の画像データを切り出し、第1画像データから第1解像度よりも低い第2解像度の第2画像データを生成し、第2画像データ、画質維持領域の画像データ、および、第1画像データ上での画質維持領域の位置を示す座標データ、を外部機器に送信する。
本発明の第2の局面による画像処理システムは、上記画像処理装置と、画像処理装置に接続される外部機器と、を備える。画像処理装置は、第2画像データ、画質維持領域の画像データ、および、座標データ、を外部機器に送信する。
本発明の構成では、原稿全体の画像データと原稿全体の画像データよりも解像度が高い原稿内の特定個所の画像データとを外部機器に送信するときの利便性が向上する。
本発明の一実施形態による画像形成装置のブロック図である。 本発明の一実施形態による画像形成装置の概略図である。 本発明の一実施形態による画像形成装置の制御部が行う処理(画質維持機能が手動モードの場合の処理)の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による画像形成装置の操作パネルが受け付ける領域選択操作について説明するための図である。 本発明の一実施形態による画像形成装置の制御部が行う処理(画質維持領域の切り出しおよび解像度の変換)について説明するための図である。 本発明の一実施形態による画像形成装置の制御部が行う処理(画質維持機能が自動モードの場合の処理)の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による画像形成装置の操作パネルが表示する確認画面を示す図である。
以下に、本発明の一実施形態について、コピー機能および送信機能など複数種の機能が搭載された画像形成装置(複合機)を例にとって説明する。
<画像形成装置の構成>
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1(「画像処理装置」に相当)は、制御部11を備える。制御部11は、CPUおよびASICなどの処理回路を含む。制御部11は、画像形成装置1を制御する。また、画像形成装置1は、記憶部12を備える。記憶部12は、ROM、RAMおよびHDDなどの記憶デバイスを含む。記憶部12は、制御部11に接続される。制御部11は、記憶部12への情報の書き込みおよび記憶部12からの情報の読み出しを行う。
画像形成装置1は、読取部13および印刷部14を備える。制御部11は、読取部13の読取動作を制御する。制御部11は、印刷部14の印刷動作を制御する。読取部13および印刷部14の概略図を図2に示す。
読取部13は、原稿Dを光学的に読み取る。グラフ、絵および写真のような解像度が低いと見難くなる図を含む原稿Dが読取対象としてセットされ得る。
読取部13は、光源131およびイメージセンサー132を備える。光源131は、原稿Dに光(2点鎖線で示す)を照射する。イメージセンサー132は、原稿Dで反射された反射光(2点鎖線で示す)を受光して光電変換する。光源131およびイメージセンサー132は、読取部13の筐体内部に設置される。
読取部13の筐体上面には、コンタクトガラスG1およびG2が取り付けられる。コンタクトガラスG1は、搬送読取モードで使用される。コンタクトガラスG2は、載置読取モードで使用される。
また、読取部13は、原稿搬送ユニット133を備える。原稿搬送ユニット133は、読取部13の筐体に対して回動可能に取り付けられる。原稿搬送ユニット133は、原稿Dを搬送する。
搬送読取モードでは、原稿搬送ユニット133に原稿Dがセットされる。原稿搬送ユニット133は、コンタクトガラスG1に向けて原稿Dを搬送する。読取部13は、コンタクトガラスG1上を通過する原稿Dを読み取る。
また、載置読取モードでは、コンタクトガラスG2に原稿Dがセットされる。読取部13は、コンタクトガラスG2上の原稿Dを読み取る。
印刷部14は、用紙搬送路(図2では、破線矢印で示す)に沿って用紙Pを搬送する。また、印刷部14は、画像を形成する。そして、印刷部14は、搬送中の用紙Pに画像を印刷する。
印刷部14は、給紙ローラー141を備える。給紙ローラー141は、用紙カセットCAに収容された用紙Pに当接し、その状態で回転することにより、用紙カセットCAから用紙搬送路に用紙Pを給紙する。
印刷部14は、感光体ドラム142aおよび転写ローラー142bを含む。感光体ドラム142aは、その周面上にトナー像を担持する。転写ローラー142bは、感光体ドラム142aに圧接し、感光体ドラム142aとの間で転写ニップを形成する。転写ローラー142bは、感光体ドラム142aと共に回転する。感光体ドラム142aおよび転写ローラー142bは、転写ニップに進入した用紙Pを搬送しつつ、用紙Pにトナー像を転写する。
図示しないが、印刷部14は、帯電装置、露光装置および現像装置をさらに備える。帯電装置は、感光体ドラム142aの周面を帯電させる。露光装置は、感光体ドラム142aの周面上に静電潜像を形成する。現像装置は、感光体ドラム142aの周面上の静電潜像をトナー像に現像する。
印刷部14は、定着ローラー対143を備える。定着ローラー対143は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを含む。加熱ローラーは、ヒーター(図示せず)を内蔵する。加圧ローラーは、加熱ローラーに圧接し、加熱ローラーとの間で定着ニップを形成する。定着ローラー対143は、回転することにより、定着ニップに進入した用紙Pを搬送しつつ、用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。定着ニップを抜けた用紙Pは排出トレイETに排出される。
図1に戻り、画像形成装置1は、操作パネル15を備える。操作パネル15は、ユーザーから設定を受け付ける。操作パネル15は、タッチスクリーンを含む。タッチスクリーンは、画面を表示する。また、操作パネル15には、スタートボタンを含む複数のハードウェアボタンが設けられる。操作パネル15のスタートボタンは、ジョブの実行要求をユーザーから受け付ける。スタートボタンを操作することにより、後述する送信ジョブの実行を要求できる。
操作パネル15は、制御部11に接続される。制御部11は、操作パネル15の表示動作を制御する。また、制御部11は、操作パネル15に対して行われた操作を検知する。
画像形成装置1は、通信部16を備える。通信部16は、通信回路を含む。通信部16は、LAN、インターネットおよび公衆電話回線などのネットワークNTに接続される。
画像形成装置1には、外部機器200が接続される。たとえば、外部機器200は、パーソナルコンピューター、タブレットコンピューターおよびスマートフォンなどの情報処理装置であり、ネットワークNTを介して、画像形成装置1に接続される。
制御部11は、通信部16を用いて、外部機器200と通信する。たとえば、制御部11は、通信部16を用いて、外部機器200に対し、読取部13による原稿Dの読み取りで得られる画像データを送信する。
本実施形態では、画像形成装置1と外部機器200とによって画像処理システム10が構成される。
<画質維持機能>
画像形成装置1には、画質維持機能が搭載される。画質維持機能を有効に設定することにより、画質維持機能を利用できる。画質維持機能の有効無効の設定は、操作パネル15がユーザーから受け付ける。
送信ジョブを実行するとき、ユーザーは画質維持機能を利用する。送信ジョブでは、画像形成装置1から外部機器200に対し、読取部13が読み取った原稿Dの画像データを送信できる。たとえば、画像形成装置1から外部機器200への電子メールに画像データを添付できる。なお、画像形成装置1にUSBデバイス(たとえば、USBメモリー)を接続した状態での送信ジョブでは、読取部13の読み取りで得られる原稿Dの画像データをUSBデバイスに送信して保存できる。
画質維持機能が有効に設定された状態で送信ジョブの実行要求を受け場合、制御部11は、高解像度スキャンを読取部13に行わせる。高解像度スキャンでは、予め定められた複数段階の解像度のうち閾値以上の解像度で読み取りが行われる。高解像度スキャンの解像度は「第1解像度」に相当する。以下の説明では、高解像度スキャンの解像度を第1解像度と称する。
操作パネル15は、第1解像度の設定をユーザーから受け付ける。また、操作パネル15は、後述する第2解像度の設定もユーザーから受け付ける。制御部11は、操作パネル15が受け付けた設定内容に基づき、第1解像度および第2解像度を設定する。なお、第1解像度および第2解像度のうち、一方の解像度の設定だけをユーザーから受け付け、他方の解像度が予め定められていてもよい。また、第1解像度および第2解像度の両方が予め定められていてもよい。
たとえば、600dpi以上の解像度は高解像度に分類される。この場合には、第1解像度を600dpiよりも低く設定できない。ただし、これに限定されない。第1解像度を600dpiよりも低く設定できてもよい。また、複数段階の解像度のうち最高解像度が第1解像度として予め定められてもよい。すなわち、高解像度スキャンが常に最高解像度で行われてもよい。
また、画質維持機能が有効に設定された送信ジョブでは、高解像度スキャンで得られる原稿Dの画像データのうち、高解像度のまま残す領域が設定される。画質維持機能のモードが手動モードの場合、高解像度のまま残す部分の設定がユーザーによって行われる。画質維持機能のモードが自動モードの場合、高解像度のまま残す部分の設定が自動で行われる。このように、画質維持機能のモードには、手動モードと自動モードとがある。送信ジョブの実行に際し、ユーザーは画質維持機能のモードを設定する。画質維持機能のモードに関する設定は、操作パネル15がユーザーから受け付ける。
1.手動モード
以下に、図3を参照し、画質維持機能のモードが手動モードの場合に制御部11が行う処理の流れについて説明する。図3に示すフローのスタート時点では、画質維持機能が有効に設定され、画質維持機能のモードが手動モードに設定されているとする。また、画像形成装置1に原稿Dがセットされているとする。この状態で、操作パネル15のスタートボタンに対する操作を制御部11が検知したとき、図3に示すフローがスタートする。
ステップS1において、制御部11は、読取部13に高解像度スキャンを行わせる。このとき、読取部13は、原稿Dを第1解像度(たとえば、600dpi)で読み取る。制御部11は、第1解像度での読み取りで得られる画像データを取得する。第1解像度での読み取りで得られる画像データは「第1画像データ」に相当し、以下の説明では符号D1を付して第1画像データD1と称する。
ステップS2において、制御部11は、第1画像データD1の内容を示すプレビュー画像PG(図4下図参照)の表示データを生成する。そして、制御部11は、操作パネル15にプレビュー画像PGの表示を行わせる。また、制御部11は、操作パネル15に領域選択操作の受け付けを行わせる。領域選択操作は、表示中のプレビュー画像PG内の領域を選択する操作である。操作パネル15は、領域選択操作で選択されたプレビュー画像PG内の選択領域を囲む枠Fr(図4下図参照)を表示する。
なお、領域選択操作では、複数の領域を選択できる。図示しないが、選択領域が複数存在する場合には、複数の選択領域をそれぞれ囲む複数の枠Frが表示される
一例として、図4上図に示すような原稿Dが読み取られたとする。以下、読取対象の原稿Dに符号TDを付し、対象原稿TDと称する。対象原稿TDは、図としてのグラフが記載された図領域FAを含む。対象原稿TDのうち図領域FAとは別の領域には、文字が記載されている。
対象原稿TDの読み取りが行われた場合には、図4下図に示すようなプレビュー画像PGが操作パネル15に表示される。その後、領域選択操作で図領域FAが選択された場合には、図領域FAを囲む枠Frが操作パネル15に表示される。
ステップS3において、制御部11は、領域選択操作で選択されたプレビュー画像PG内の選択領域を認識する。すなわち、制御部11は、プレビュー画像PG内の枠Frで囲まれた領域を認識する。
ステップS4において、制御部11は、第1画像データD1のうち、選択領域に対応する領域を高解像度のまま維持する画質維持領域HQ(図5上図参照)として設定する。すなわち、制御部11は、第1画像データD1のうち、ユーザーにより選択された領域を画質維持領域HQとして設定する。
図5上図に示す第1画像データD1は、対象原稿TD(図4上図参照)の読み取りによって得られ、プレビュー画像PG(図4下図参照)に対応する。図4に示す例では、プレビュー画像PG内の図領域FAが選択領域と認識される。これにより、図5上図に示すように、第1画像データD1のうち破線で囲む領域(選択領域に対応する領域)が画質維持領域HQとして設定される。
ステップS5において、制御部11は、第1画像データD1上での画質維持領域HQの位置を示す座標データを保持する。そして、制御部11は、第1画像データD1のうち画質維持領域HQの画像データを切り出す。なお、画質維持領域HQの画像データの解像度は第1解像度である。
ステップS6において、制御部11は、第1画像データD1から第1解像度よりも低い第2解像度(たとえば、300dpi)の画像データを生成する。第1画像データD1から生成される第2解像度の画像データは「第2画像データ」に相当し、以下の説明では符号D2を付して第2画像データD2と称する。
第2画像データD2は、第1画像データD1と内容が同じ画像データであって、第1画像データD1の解像度を落とすことで得られる画像データである。第1画像データD1および第2画像データD2の各内容は同じであるが、第2画像データD2の方が第1画像データD1よりも画質が悪い。また、第2画像データD2の方が第1画像データD1よりも容量(サイズ)が小さい。
たとえば、第2解像度はユーザーにより設定される。ここで、600dpi以上の解像度は高解像度に分類される。この場合には、第2解像度を600dpi以上に設定できない。ただし、これに限定されない。第2解像度を600dpi以上に設定できてもよい。しかし、第2解像度を第1解像度よりも高くすることはできない。
ステップS7において、制御部11は、第2画像データD2、画質維持領域HQの画像データおよび第1画像データD1上での画質維持領域HQの位置を示す座標データを外部機器200に送信する。たとえば、制御部11は、第2画像データD2、画質維持領域HQの画像データおよび座標データを1まとめにしたファイルを生成し、当該ファイルを外部機器200に送信する。
たとえば、送信ジョブの実行に際し、ネットワークNTに接続された外部機器200が送信先に設定され、送信先に設定された外部機器200のメールアドレスが操作パネル15を介して画像形成装置1に入力される。制御部11は、送信先に設定された外部機器200に対し、通信部16を用いて、第2画像データD2、画質維持領域HQの画像データおよび座標データを含むファイルを添付した電子メールを送信する。
図5に示す例では、第1画像データD1から、円グラフが存在する領域(破線で囲む領域)が画質維持領域HQとして切り出される。また、第1解像度(600dpi)の第1画像データD1が第2解像度(300dpi)の第2画像データD2に変換される。そして、第2画像データD2、画質維持領域HQの画像データおよび座標データ(図示せず)が外部機器200に送信される。
なお、画像形成装置1にUSBデバイスを接続することにより、第2画像データD2、画質維持領域HQの画像データおよび座標データをUSBデバイスに転送できる。
2.自動モード
以下に、図6を参照し、画質維持機能のモードが自動モードの場合に制御部11が行う処理の流れについて説明する。図6に示すフローのスタート時点では、画質維持機能が有効に設定され、画質維持機能のモードが自動モードに設定されているとする。また、画像形成装置1に原稿Dがセットされているとする。この状態で、操作パネル15のスタートボタンに対する操作を制御部11が検知したとき、図6に示すフローがスタートする。
ステップS11において、制御部11は、読取部13に高解像度スキャンを行わせる。制御部11は、第1解像度での読み取りで得られる第1画像データD1を取得する。ステップS11の処理は、図3に示すステップS1の処理と同様である。
ステップS12において、制御部11は、第1画像データD1から所定条件を満たす条件充足領域を検出する。制御部11は、公知の画像認識技術を用いて、第1画像データD1から条件充足領域を検出する。たとえば、制御部11は、第1画像データD1に対してレイアウト解析を行い、第1画像データD1のうち図が存在する領域を条件充足領域として検出する。機械学習を利用した画像認識技術によって条件充足領域の検出が行われてもよい。
たとえば、図4上図に示す対象原稿TDの読み取りが行われ、図5上図に示す第1画像データD1が得られたとする。この場合、第1画像データD1のうち図としての円グラフが存在する領域(破線で囲む領域)が条件充足領域として検出される。
ステップS13において、制御部11は、第1画像データD1のうち条件充足領域を画質維持領域HQとして設定する。すなわち、制御部11は、第1画像データD1のうち図が存在する領域を画質維持領域HQとして設定する。
ここで、画質維持領域HQの設定前、制御部11は、確認処理を行う。具体的には、制御部11は、図7に示すような確認画面30を操作パネル15に表示させる。確認画面30は、条件充足領域として検出された第1画像データD1内の領域を示す画面である。たとえば、確認画面30には、第1画像データD1に対応する確認用プレビュー画像31が配置される。また、確認画面30には、条件充足領域を示す確認枠32が確認用プレビュー画像31に対して重畳配置される。
操作パネル15は、確認画面30で示される条件充足領域を画質維持領域HQとして設定するか否かをユーザーから受け付ける。たとえば、確認画面30には、OKボタンB1およびキャンセルボタンB2が配される。OKボタンB1に対する操作を検知すると、制御部11は、条件充足領域を画質維持領域HQとして設定する旨を操作パネル15が受け付けたと判断する。キャンセルボタンB2に対する操作を検知すると、制御部11は、条件充足領域を画質維持領域HQとして設定しない旨を操作パネル15が受け付けたと判断する。
そして、条件充足領域を画質維持領域HQとして設定する旨を操作パネル15が受け付けた場合、制御部11は、条件充足領域を画質維持領域HQとして設定する。条件充足領域を画質維持領域HQとして設定しない旨を操作パネル15が受け付けた場合、制御部11は、条件充足領域を画質維持領域HQとして設定しない。なお、条件充足領域を画質維持領域HQとして設定しない旨を操作パネル15が受け付けた場合、手動モードのように領域選択操作をユーザーから受け付け、領域選択操作で選択された選択領域を画質維持領域HQとして設定してもよい。
場合によっては、条件充足領域が複数検出される。条件充足領域を複数検出した場合、制御部11は、条件充足領域ごとに、画質維持領域HQとして設定するか否かの受け付けを操作パネル15に行わせる。これにより、複数の条件充足領域が存在する場合、或る条件充足領域を画質維持領域HQに設定し、他の条件充足領域は画質維持領域HQに設定しない、といったことが行える。
なお、確認処理を省略してもよい。確認処理を省略した場合には、全ての条件充足領域が画質維持領域HQに設定される。
ステップS13の処理後、ステップS14に移行する。ステップS14~S16までの各処理は、図3に示すステップS5~S7までの各処理と同じである。このため、ステップS14~S16までの各処理の説明については、図3に示すステップS5~S7までの各処理の説明を援用するものとして省略する。
<画像データの合成>
たとえば、外部機器200には、画像合成ソフトSW(画像データを合成するためのソフトウェア)がインストールされる。画像合成ソフトSWがインストールされた外部機器200に対し、第2画像データD2、画質維持領域HQの画像データおよび座標データを送信することにより、外部機器200に画像合成処理を実行させることができる。
具体的には、外部機器200は、第2画像データD2を画質維持領域HQの画像データと同じ解像度(第1解像度)に変換する。第2画像データD2の解像度変換では、ニアレストネイバー法、バイリニア法およびバイキュービック法など公知の方法を用いることができる。
また、外部機器200は、座標データに基づき、第1画像データD1上での画質維持領域HQの位置を認識する。言い換えると、外部機器200は、座標データに基づき、解像度変換後の第2画像データD2上での画質維持領域HQの位置を認識する。さらに言い換えると、外部機器200は、座標データに基づき、解像度変換後の第2画像データD2のうち画質維持領域HQを合成すべき位置を認識する。
そして、外部機器200は、解像度変換後の第2画像データD2のうち座標データで示される位置に画質維持領域HQの画像データを合成する。その後、第2画像データD2を出力(表示および印刷など)することにより、対象原稿TDの記載内容を復元できる。
送信ジョブの実行時の画質維持機能のモードが手動モードであった場合には、復元された記載内容のうち、送信ジョブの要求ユーザーが選択した領域(たとえば、図を含む領域)の画質が高画質となる。送信ジョブの実行時の画質維持機能のモードが自動モードであった場合には、復元された記載内容のうち、図を含む領域が高画質となる。
本実施形態の画像形成装置1(画像処理装置)は、上記のように、原稿Dを読み取る読取部13と、制御部11と、を備える。画質維持機能が有効に設定された状態での送信ジョブのとき、読取部13は、第1解像度で原稿Dを読み取る。制御部11は、第1解像度での読み取りで得られる第1画像データD1のうち画質維持領域HQの画像データを切り出す。また、制御部11は、第1画像データD1から第1解像度よりも低い第2解像度の第2画像データD2を生成する。そして、制御部11は、第2画像データD2、画質維持領域HQの画像データ、および、第1画像データD1上での画質維持領域HQの位置を示す座標データ、を外部機器200に送信する。
本実施形態の構成では、原稿D全体の画像データ(第2画像データD2)と原稿D全体の画像データよりも解像度が高い原稿D内の特定個所の画像データ(画質維持領域HQの画像データ)とを外部機器200に送信する場合であっても、原稿Dの読み取りが1回で済む。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
ここで、原稿D全体を高解像度で読み取って得られる画像データを外部機器200に送信すると、ネットワークNTの負荷が大きくなる。また、電子メールに画像データを添付するとき、添付ファイルの上限容量を超える場合がある。この対策として、原稿D全体を低解像度で読みとって得られる画像データを外部機器200に送信すると、原稿Dの特定個所(グラフ、絵および写真のような解像度が低いと見難くなる個所)に対応する領域が不鮮明になるという不都合が生じる。
そこで、本実施形態では、原稿D全体を第1解像度で読み取り、それによって得られた第1画像データD1から第1解像度よりも低い第2解像度の第2画像データD2を生成する。そして、原稿D内の特定領域(画質維持領域HQに対応する領域)については、第1画像データD1から切り出した第1解像度の画像データを外部機器200に送信する。原稿D全体については、第2画像データD2を外部機器200に送信する。これにより、ネットワークNTにかかる負荷が大きくなるのを抑制しつつ、画像データの受信者に対し、原稿D内の特定個所に対応する領域を高画質で提供できる。
また、外部機器200には、第2画像データD2および画質維持領域HQの画像データに加え、第1画像データD1上での画質維持領域HQの位置を示す座標データが送信される。この構成では、第2画像データD2を画質維持領域HQの画像データと同じ解像度(サイズ)に変換し、第2画像データD2のうち座標データで示される位置に画質維持領域HQの画像データを合成することにより、画質維持領域HQに対応する領域を高画質に維持したまま、送信ジョブで読み取られた原稿Dと同じレイアウトのページの出力データを得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、手動モードのとき、操作パネル15は、第1画像データD1の内容を示すプレビュー画像PGを表示し、プレビュー画像PG内の領域を選択する領域選択操作の受け付けを行う。制御部11は、領域選択操作で選択されたプレビュー画像PG内の選択領域を認識し、第1画像データD1のうち選択領域に対応する領域を画質維持領域HQとして設定する。手動モードでは、画質維持領域HQをユーザーが選択できるので、ユーザーの意図とは異なる領域が画質維持領域HQとして設定されることはない。また、操作パネル15の画面上で原稿Dの記載内容を確認しながら領域選択操作を行うことができるので、画質維持領域HQを選択するときの利便性が向上する。
また、本実施形態では、上記のように、自動モードのとき、制御部11は、第1画像データD1から所定条件を満たす条件充足領域を検出し、条件充足領域を画質維持領域HQとして設定する。自動モードでは、領域選択操作を行わなくても、画質維持領域HQが自動で設定されるので、ユーザーにとっては利便性が良い。
また、本実施形態では、上記のように、自動モードのとき、制御部11は、第1画像データD1のうち図が存在する領域を条件充足領域として検出する。ここで、グラフ、絵および写真のような図は、解像度が低いと見難くなる。したがって、第1画像データD1のうち図が存在する領域を条件充足領域として検出する(図が存在する領域を画質維持領域HQとして設定する)のが好ましい。
また、本実施形態では、上記のように、自動モードのとき、操作パネル15は、条件充足領域として検出された第1画像データD1内の領域を示す確認画面30を表示し、確認画面30で示される条件充足領域を画質維持領域HQとして設定するか否かをユーザーから受け付ける。条件充足領域を画質維持領域HQとして設定する旨を操作パネル15が受け付けた場合、制御部11は、条件充足領域を画質維持領域HQとして設定する。条件充足領域を画質維持領域HQとして設定しない旨を操作パネル15が受け付けた場合、制御部11は、条件充足領域を画質維持領域HQとして設定しない。この構成では、ユーザーの意図とは異なる領域が条件充足領域として検出されても、当該条件充足領域が画質維持領域HQとして設定されることはない。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル15は、第1解像度および第2解像度のうち少なくとも一方の設定を受け付ける。そして、制御部11は、操作パネル15が受け付けた設定内容に基づき、第1解像度および第2解像度を設定する。この構成では、第1解像度および第2解像度のうち少なくとも一方を任意に設定できるので、ユーザーにとっては利便性が良い。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 画像形成装置
10 画像処理システム
11 制御部
13 読取部
15 操作パネル
30 確認画面
200 外部機器
D 原稿
D1 第1画像データ
D2 第2画像データ
HQ 画質維持領域
PG プレビュー画像

Claims (8)

  1. 原稿を読み取る読取部と、
    制御部と、を備え、
    前記読取部は、第1解像度で原稿を読み取り、
    前記制御部は、
    前記第1解像度での読み取りで得られる第1画像データのうち画質維持領域の画像データを切り出し、
    前記第1画像データから前記第1解像度よりも低い第2解像度の第2画像データを生成し、
    前記第2画像データ、前記画質維持領域の画像データ、および、前記第1画像データ上での前記画質維持領域の位置を示す座標データ、を外部機器に送信することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1画像データの内容を示すプレビュー画像を表示し、前記プレビュー画像内の領域を選択する領域選択操作の受け付けを行う操作パネルを備え、
    前記制御部は、前記領域選択操作で選択された前記プレビュー画像内の選択領域を認識し、前記第1画像データのうち前記選択領域に対応する領域を前記画質維持領域として設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記制御部は、前記第1画像データから所定条件を満たす条件充足領域を検出し、前記条件充足領域を前記画質維持領域として設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記制御部は、前記第1画像データのうち図が存在する領域を前記条件充足領域として検出することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記条件充足領域として検出された前記第1画像データ内の領域を示す確認画面を表示し、前記確認画面で示される前記条件充足領域を前記画質維持領域として設定するか否かをユーザーから受け付ける操作パネルを備え、
    前記条件充足領域を前記画質維持領域として設定する旨を前記操作パネルが受け付けた場合、前記制御部は、前記条件充足領域を前記画質維持領域として設定し、
    前記条件充足領域を前記画質維持領域として設定しない旨を前記操作パネルが受け付けた場合、前記制御部は、前記条件充足領域を前記画質維持領域として設定しないことを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1解像度および前記第2解像度のうち少なくとも一方の設定を受け付ける操作パネルを備え、
    前記制御部は、前記操作パネルが受け付けた設定内容に基づき、前記第1解像度および前記第2解像度を設定することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
    前記画像処理装置に接続される外部機器と、を備え、
    前記画像処理装置は、前記第2画像データ、前記画質維持領域の画像データ、および、前記座標データ、を前記外部機器に送信することを特徴とする画像処理システム。
  8. 前記外部機器は、前記第2画像データを前記画質維持領域の画像データと同じ解像度に変換し、前記第2画像データ内の前記座標データで示される位置に前記画質維持領域の画像データを合成することを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
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