JP2022102100A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止層の基板からの剥がれを抑制すること。【解決手段】電子部品100は、平面視して略矩形の基板10と、基板10上に実装され、弾性波素子32を有するデバイスチップ30と、基板10の周縁に沿ってデバイスチップ30を囲むように基板10上に設けられ、基板10よりも線膨張係数が大きい封止層15と、封止層15上に設けられ、封止層15と共に弾性波素子32を封止し、封止層15よりも線膨張係数が大きい封止部材36と、基板10の内部に封止層15から離れ且つ基板10の平面視方向で封止層15のデバイスチップ30側の端に少なくとも一部が重なるように封止層15の下に設けられ、基板10を平面視したときの4辺のうち少なくとも1辺に沿って設けられ、基板10と封止部材36の間の線膨張係数を有する内部層21とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品に関する。
基板上に素子を有するデバイスチップが実装され、デバイスチップを囲んで基板上に設けられた封止層と封止層上に設けられた封止部材とにより素子が封止された電子部品が知られている(例えば特許文献1、2)。
特開2017-157922号公報 特開2017-204544号公報
封止層と基板との間に熱応力などの応力が加わると、封止層が基板から剥がれることがある。封止層が基板から剥がれると、素子の封止性が劣化する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、封止層の基板からの剥がれを抑制することを目的とする。
本発明は、平面視して略矩形の基板と、前記基板上に実装され、素子を有するデバイスチップと、前記基板の周縁に沿って前記デバイスチップを囲むように前記基板上に設けられ、前記基板よりも線膨張係数が大きい封止層と、前記封止層上に設けられ、前記封止層と共に前記素子を封止し、前記封止層よりも線膨張係数が大きい封止部材と、前記基板の内部に前記封止層から離れ且つ前記基板の平面視方向で前記封止層の前記デバイスチップ側の端に少なくとも一部が重なるように前記封止層の下に設けられ、前記基板を平面視したときの4辺のうち少なくとも1辺に沿って設けられ、前記基板と前記封止部材の間の線膨張係数を有する内部層と、を備える電子部品である。
上記構成において、前記内部層は、前記基板を平面視したときの4辺に沿って環状に設けられる構成とすることができる。
上記構成において、前記内部層は、前記基板よりも前記封止層に近い線膨張係数を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記封止層と前記内部層は、同じ材料を主成分とする構成とすることができる。
上記構成において、前記内部層の前記デバイスチップ側の側面は、前記基板の平面視方向で前記封止層の前記デバイスチップ側の側面と略一致する構成とすることができる。
上記構成において、前記内部層の前記デバイスチップ側の側面は、前記封止層の前記デバイスチップ側の側面よりも前記デバイスチップ側に位置する構成とすることができる。
上記構成において、前記内部層の厚さは、前記封止層の厚さの0.5倍以上である構成とすることができる。
上記構成において、前記封止層と前記内部層の間隔は、前記封止層の厚さの3倍以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記基板はセラミック基板であり、前記封止部材ははんだである構成とすることができる。
上記構成において、前記デバイスチップは、空隙を介し前記基板と向かい合う面に前記素子である弾性波素子を有する構成とすることができる。
本発明によれば、封止層の基板からの剥がれを抑制できる。
図1(a)は、実施例1に係る電子部品の断面図、図1(b)は、封止層付近を拡大した断面図、図1(c)は、基板の平面図である。 図2(a)及び図2(b)は、実施例1における弾性波素子の例を示す平面図及び断面図である。 図3(a)及び図3(b)は、実施例1に係る電子部品の製造方法を示す断面図(その1)である。 図4は、実施例1に係る電子部品の製造方法を示す断面図(その2)である。 図5(a)は、実施例1の変形例1における基板の平面図、図5(b)は、実施例1の変形例2における基板の平面図である。 図6(a)は、実施例2に係る電子部品の断面図、図6(b)は、封止層付近を拡大した断面図、図6(c)は、基板の平面図である。 図7(a)は、実施例3に係る電子部品の断面図、図7(b)は、封止層付近を拡大した断面図、図7(c)は、基板の平面図である。 図8は、比較例に係る電子部品の断面図である。 図9は、比較例に係る電子部品で生じる課題を示す断面図である。 図10は、シミュレーションに用いたモデルの平面図である。 図11(a)から図11(c)は、モデルAからCにおける図10のA-A間の断面図である。 図12(a)及び図12(b)は、モデルD及びEにおける図10のA-A間の断面図である。 図13(a)及び図13(b)は、モデルF及びGにおける図10のA-A間の断面図である。 図14にシミュレーション結果を示すグラフである。
以下、図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係る電子部品の断面図、図1(b)は、封止層付近を拡大した断面図、図1(c)は、基板の平面図である。図1(c)では、基板10と封止層15と内部層21を図示している。図1(a)から図1(c)のように、実施例1の電子部品100は、基板10上に1又は複数のデバイスチップ30が実装されている。基板10は複数の絶縁層11aから11dを備える。絶縁層11aから11dは、例えばLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)又はHTCC(High Temperature Co-fired Ceramics)などのセラミックス層若しくはガラスエポキシ樹脂などの樹脂層である。
基板10の下面に端子14が設けられている。絶縁層11aと11bの間及び絶縁層11bと11cの間に金属層12aが設けられ、絶縁層11cと11dの間に内部層21が設けられている。絶縁層11d上に金属層12bが設けられている。絶縁層11aから11dにはビア配線13が設けられている。金属層12a及び12b、内部層21、ビア配線13、及び端子14は、例えば銅層、アルミニウム層、金層、又はタングステン層などの金属層である。
基板10上に実装されたデバイスチップ30は、基板31と、基板31の下面に設けられた弾性波素子32及び配線33と、を備える。配線33は、例えば銅層、アルミニウム層、又は金層などの金属層である。デバイスチップ30は、バンプ34を介して基板10にフリップチップ実装(フェースダウン実装)されている。バンプ34は、金属層12bと配線33とを接合する。バンプ34は、例えば金バンプ、はんだバンプ、又は銅バンプである。
基板10は平面視して略矩形であり、基板10上に基板10の周縁に沿ってデバイスチップ30を囲む封止層15が設けられている。略矩形には、角部が丸みを帯びている場合や各辺が湾曲している場合などが含まれる。封止層15は、例えば平面視したときの基板10の4辺に沿って環状に設けられ、デバイスチップ30を完全に囲んでいる。なお、封止層15は、デバイスチップ30を完全に囲む場合に限られず、一部で途切れていてもよい。封止層15は、基板10よりも線膨張係数の大きい部材で形成され、例えば銅を主成分とする金属で形成されている。
内部層21は、例えば平面視したときの基板10の4辺に沿って環状に設けられている。内部層21は、封止層15から離れて設けられている。内部層21は、デバイスチップ30側の側面17が封止層15のデバイスチップ30側の側面19よりもデバイスチップ30側に位置し、かつ、デバイスチップ30とは反対側の側面18が封止層15のデバイスチップ30とは反対側の側面20よりもデバイスチップ30側に位置する。したがって、内部層21は、基板10を平面視したとき、封止層15のデバイスチップ30側の端に少なくとも一部が重なって設けられている。内部層21は、基板10と封止部材36との間の線膨張係数を有する部材で形成される。内部層21は、例えば基板10よりも封止層15に近い線膨張係数を有する部材で形成され、例えば封止層15と同じ金属を主成分として形成される。内部層21と封止層15の間隔Dは、例えば1μm~70μmである。内部層21の厚さTは、例えば5μm~50μmであり。内部層21の幅Wは、例えば封止層15の幅と略同じであり、例えば50μm~300μmである。
封止層15上にデバイスチップ30を囲むように封止部材36が設けられている。封止部材36は、例えばデバイスチップ30を完全に囲むように設けられている。封止部材36は、封止層15よりも線膨張係数の大きい部材で形成され、例えば錫を含むはんだで形成されている。封止部材36は例えば封止層15の上面に接合する。デバイスチップ30の上面及び封止部材36の上面に平板状のリッド37が設けられている。リッド37は、例えばコバール板などの金属板又は絶縁板である。リッド37、封止部材36、及び封止層15を覆うように保護膜38が設けられている。保護膜38は、例えばニッケルなどの金属膜又は絶縁膜である。
弾性波素子32は、空隙16を介して基板10に向かい合っている。弾性波素子32は、封止層15、封止部材36、リッド37、及び基板10により空隙16内に封止されている。バンプ34は空隙16に囲まれている。端子14は、ビア配線13、金属層12a及び12b、バンプ34、及び配線33を介し弾性波素子32に電気的に接続されている。
図2(a)及び図2(b)は、実施例1における弾性波素子の例を示す平面図及び断面図である。図2(a)のように、弾性波素子32は弾性表面波共振器であってもよい。基板31は圧電基板であり、基板31上にIDT(Interdigital Transducer)40と反射器41が設けられている。IDT40は、対向する1対の櫛型電極42を有する。櫛型電極42は、複数の電極指43と、複数の電極指43を接続するバスバー44と、を有する。反射器41は、IDT40の両側に設けられている。IDT40は、圧電基板である基板31に弾性表面波を励振する。反射器41は、弾性表面波を反射する。
IDT40及び反射器41は、例えばアルミニウム膜又は銅膜により形成される。基板31上にIDT40及び反射器41を覆う保護膜又は温度補償膜が設けられていてもよい。基板31は、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、水晶基板、又はシリコン基板などの支持基板上に直接又は間接的に接合されていてもよい。
図2(b)のように、弾性波素子32は圧電薄膜共振器であってもよい。基板31上に圧電膜46が設けられている。圧電膜46を挟むように下部電極45及び上部電極47が設けられている。下部電極45と基板31との間に空隙48が形成されている。圧電膜46の少なくとも一部を挟み下部電極45と上部電極47とが対向する領域が共振領域49である。共振領域49において、下部電極45及び上部電極47は圧電膜46内に厚み縦振動モードの弾性波を励振する。
基板31は、例えばサファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板、ガラス基板、水晶基板、又はシリコン基板である。下部電極45及び上部電極47は、例えばルテニウム膜などの金属膜である。圧電膜46は、例えば窒化アルミニウム膜である。なお、空隙48の代わりに弾性波を反射する音響反射膜が設けられていてもよい。
図2(a)及び図2(b)のように、弾性波素子32は弾性波を励振する電極を含む。このため、図1(a)のように、弾性波の励振が妨げられないよう、弾性波素子32は空隙16に覆われている。
なお、封止層15及び封止部材36をグランド電位とする場合には、封止層15を基板10内のビア配線13及び内部層21などを介して基板10の下面のグランド用の端子14に電気的に接続させればよい。
[製造方法]
図3(a)から図4は、実施例1に係る電子部品の製造方法を示す断面図である。図3(a)のように、基板10を準備する。基板10は、積層された絶縁層11aから11dと、絶縁層11aと11bの間及び絶縁層11bと11cの間に設けられた金属層12aと、絶縁層11cと11dの間に設けられた内部層21と、絶縁層11dの上面に設けられた金属層12b及び封止層15と、絶縁層11aから11dに設けられたビア配線13と、絶縁層11aの下面に設けられた端子14と、を備える。
図3(b)のように、基板10上にバンプ34を介しデバイスチップ30をフリップチップ実装する。これにより、基板10と弾性波素子32とは空隙16を挟み対向する。
図4のように、下面に例えば錫銀からなるはんだ板を形成したリッド37を基板31上に配置する。はんだを加熱し溶融させ、リッド37を基板31の方向に押圧する。封止層15の上面ははんだに対して濡れ性が良いため、溶融したはんだは封止層15の上面を濡れ広がって封止層15に接合する。これにより、デバイスチップ30を囲んで封止層15に接合する封止部材36が形成される。
リッド37、封止部材36、封止層15、及び基板10を切断して電子部品を個片化した後、封止層15、封止部材36、及びリッド37を覆う保護膜38を形成する。これにより、図1(a)から図1(c)の電子部品100が形成される。
[実施例1の変形例]
図5(a)は、実施例1の変形例1における基板の平面図、図5(b)は、実施例1の変形例2における基板の平面図である。図5(a)及び図5(b)では、基板10と封止層15と内部層21を図示している。図5(a)のように、実施例1の変形例1の電子部品110では、内部層21は基板10を平面視したときの4辺のうち2辺(例えば対向する2辺)に沿って設けられている。図5(b)のように、実施例1の変形例2の電子部品120では、内部層21は基板10を平面視したときの4辺のうち1辺に沿って設けられている。実施例1の変形例1及び変形例2のその他の構成は実施例1と同じであるため図示及び説明を省略する。
図6(a)は、実施例2に係る電子部品の断面図、図6(b)は、封止層付近を拡大した断面図、図6(c)は、基板の平面図である。図6(c)では、基板10と封止層15と内部層21を図示している。図6(a)から図6(c)のように、実施例2の電子部品200では、内部層21は、基板10を平面視したとき、デバイスチップ30側の側面17が封止層15のデバイスチップ30側の側面19と略一致し、かつ、デバイスチップ30とは反対側の側面18が封止層15のデバイスチップ30とは反対側の側面20と略一致している。つまり、内部層21は封止層15に完全に重なっている。したがって、内部層21は、基板10を平面視したとき、封止層15のデバイスチップ30側の端に少なくとも一部が重なって設けられている。内部層21と封止層15の間隔D、内部層21の厚さT、及び内部層21の幅Wは、実施例1と同じである。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。実施例2に係る電子部品200の製造方法は、実施例1の図3(a)から図4で説明した製造方法と同様であるため図示及び説明を省略する。
実施例2においても、内部層21は、実施例1の変形例1及び変形例2と同じように、基板10を平面視したときの4辺のうち2辺に沿って設けられてもよいし、1辺に沿って設けられてもよい。
図7(a)は、実施例3に係る電子部品の断面図、図7(b)は、封止層付近を拡大した断面図、図7(c)は、基板の平面図である。図7(c)では、基板10と封止層15と内部層21を図示している。図7(a)から図7(c)のように、実施例3の電子部品300では、内部層21は、基板10を平面視したときに、デバイスチップ30側の側面17が封止層15のデバイスチップ30側の側面19よりもデバイスチップ30側に位置し、かつ、デバイスチップ30とは反対側の側面18が封止層15のデバイスチップ30とは反対側の側面20と略一致している。したがって、内部層21は、基板10を平面視したとき、封止層15のデバイスチップ30側の端に少なくとも一部が重なって設けられている。内部層21と封止層15の間隔D及び内部層21の厚さTは、実施例1と同じである。内部層21の幅Wは、例えば120μm~200μmである。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。実施例3に係る電子部品300の製造方法は、実施例1の図3(a)から図4で説明した製造方法と同様であるため図示及び説明を省略する。
実施例3においても、内部層21は、実施例1の変形例1及び変形例2と同じように、基板10を平面視したときの4辺のうち2辺に沿って設けられてもよいし、1辺に沿って設けられてもよい。
[比較例]
図8は、比較例に係る電子部品の断面図である。図8のように、比較例の電子部品500では、基板10は絶縁層11dを備えず、基板10内に内部層21が設けられていない。金属層12b及び封止層15は絶縁層11c上に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
図9は、比較例に係る電子部品で生じる課題を示す断面図である。図9のように、比較例の電子部品では、温度サイクル試験後において、封止層15がデバイスチップ30側の端部を起点として基板10から剥がれてしまうことがある。これは、封止層15及び封止部材36の線膨張係数と基板10の線膨張係数との差によって、封止層15の基板10との界面付近に歪が生じて応力が加わったためと考えられる。封止層15が基板10から剥がれてしまうと、封止層15と基板10の間に隙間50が形成されるため、弾性波素子32の封止性が劣化してしまう。一例として、基板10がLTCC基板の場合の線膨張係数は10.4ppm/℃、封止層15が銅(Cu)層である場合の線膨張係数は17.7ppm/℃、封止部材36が錫銀(SnAg)はんだである場合の線膨張係数は30ppm/℃である。
[シミュレーション]
封止層15に加わる歪をシミュレーションした。図10は、シミュレーションに用いたモデルの平面図である。図11(a)から図11(c)は、モデルAからCにおける図10のA-A間の断面図である。図12(a)及び図12(b)は、モデルD及びEにおける図10のA-A間の断面図である。図13(a)及び図13(b)は、モデルF及びGにおける図10のA-A間の断面図である。図11(a)のモデルAは比較例に相当し、図11(b)及び図11(c)のモデルB及びCは実施例1に相当し、図12(a)、図12(b)、及び図13(a)のモデルD~Fは実施例2に相当し、図13(b)のモデルGは実施例3に相当する。図11(b)から図13(b)のモデルB~Gでは、内部層21は封止層15に沿ってL字状に設けられている。基板10の法線方向をZ方向、基板10の辺方向をX方向及びY方向とする。
図10から図13(b)のように、シミュレーションは、基板10の1/4対称モデルを用いて行った。すなわち、基板10の+X側の面及び-Y側の面に封止層15、封止部材36、及び保護膜38は設けられてなく、これらの面の境界条件を鏡面条件とした。基板10のY方向及びX方向の長さをD1及びD2とする。デバイスチップ30のX方向及びY方向の長さをD4及びD5とする。封止層15の幅をD3とする。バンプ34の径をD6とする。基板10の厚さをT1とする。封止層15及びバンプ34の厚さをT2とする。デバイスチップ30及び封止部材36の厚さをT3とする。リッド37の厚さをT4とする。保護膜38の厚さをT5とする。封止層15と内部層21の間隔をDとする。内部層21の厚さをT6とする。内部層21の幅をWとする。
シミュレーション条件は以下である。
基板10:LTCC基板
金属層12a、12b:銅(Cu)
封止層15:銅(Cu)
内部層21:銅(Cu)
バンプ34:金(Au)
デバイスチップ30:サファイア
封止部材36:錫銀(SnAg)
リッド37:コバール
保護膜38:ニッケル(Ni)
D1=1.25mm、D2=1.0mm、D3=0.1mm、D4=0.8mm、D5=1.05mm、D6=75μm
T1=330μm、T2=15μm、T3=350μm、T4=25μm、T5=10μm
図11(b)のモデルBにおいて、D=15μm、T6=15μm、W=100μm
図11(c)のモデルCにおいて、D=7.5μm、T6=30μm、W=100μm
図12(a)のモデルDにおいて、D=15μm、T6=15μm、W=100μm
図12(b)のモデルEにおいて、D=15μm、T6=30μm、W=100μm
図13(a)のモデルFにおいて、D=40μm、T6=15μm、W=100μm
図13(b)のモデルGにおいて、D=15μm、T6=15μm、W=150μm
表1は、シミュレーションに用いた各材料のヤング率、線膨張係数、及びポアソン比を示す表である。
Figure 2022102100000002
封止層15に加わる歪として、封止部材36を221℃で組み立てたとし、完成体の温度を考慮した+25℃から温度サイクル試験を考慮した-40℃~+125℃を5.5サイクル実施して最終温度となる+125℃における累積歪をシミュレーションした。シミュレーションでは、封止層15の基板10との界面付近且つデバイスチップ30側の端付近(図10における破線部分)での累積歪を計測した。
表2及び図14にシミュレーション結果を示す。表2及び図14のように、実施例1に相当するモデルB及びC、実施例2に相当するモデルD~F、及び実施例3に相当するモデルGは全て、比較例に相当するモデルAに比べて、累積歪の最大値が小さい結果となった。
Figure 2022102100000003
比較例に相当するモデルAでは、封止層15に加わる歪が大きい。これにより、封止層15と基板10との間の密着性が悪い場合では、図9のように、封止層15が基板10から剥がれてしまうことがある。一方、実施例1に相当するモデルB及びC、実施例2に相当するモデルD~F、及び実施例3に相当するモデルGでは、封止層15に加わる歪が低減された。これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、モデルB~Gでは、基板10の内部に、封止層15から離れ且つ基板10の平面視方向で封止層15のデバイスチップ30側の端に重なり、基板10と封止部材36の間の線膨張係数を有する内部層21が設けられている。このような構造では、温度変化によって封止層15及び封止部材36が伸縮するときに内部層21も伸縮するため、歪が封止層15と内部層21に分散される。その結果、封止層15に加わる歪が低減されたものと考えられる。なお、内部層21のデバイスチップ30側の側面が封止層15のデバイスチップ30側の側面よりもデバイスチップ30とは反対側に位置していると、封止層15と内部層21への歪の分散効果が低減され、封止層15に加わる歪が大きくなってしまう。
実施例1、実施例1の変形例1及び2、実施例2、並びに実施例3によれば、平面視して略矩形の基板10の周縁に沿ってデバイスチップ30を囲むように、基板10よりも線膨張係数の大きい封止層15が基板10上に設けられている。封止層15上に、封止層15とともにデバイスチップ30の弾性波素子32を封止し、封止層15よりも線膨張係数の大きい封止部材36が設けられている。基板10の内部に、封止層15から離れ且つ基板10の平面視方向で封止層15のデバイスチップ30側の端に少なくとも一部が重なるように封止層15の下に、基板10と封止部材36の間の線膨張係数を有する内部層21が設けられている。内部層21は、平面視したときの基板10の4辺のうち少なくとも1辺に沿って設けられている。これにより、温度変化によって生じる歪が封止層15と内部層21に分散されるため、封止層15に加わる応力が低減され、封止層15が基板10から剥がれることを抑制できる。内部層21が封止層15のデバイスチップ30側の端に少なくとも一部が重なるとは、内部層21のデバイスチップ30側の端が、封止層15のデバイスチップ30側の端よりも、製造誤差程度でデバイスチップ30とは反対側に位置している場合も許容するものである。
封止層15に加わる応力を低減する点から、内部層21は、基板10の各辺の半分以上に沿って設けられる場合が好ましく、2/3以上に沿って設けられる場合がより好ましく、3/4以上に沿って設けられる場合が更に好ましい。また、平面視したときの基板10が長方形である場合では、封止層15に加わる応力を低減する点から、内部層21は長辺に沿って設けられている場合が好ましい。
実施例1の変形例1では、内部層21は、平面視したときの基板10の4辺のうち対向する2辺に沿って直線状に設けられている。これにより、封止層15に加わる応力を効果的に低減できる。
実施例1では、内部層21は、平面視したときの基板10の4辺に沿って環状に設けられている。これにより、封止層15に加わる応力を更に効果的に低減できる。
実施例1、実施例1の変形例1及び2、実施例2、並びに実施例3では、内部層21は、基板10よりも封止層15に近い線膨張係数を有する。これにより、温度変化によって生じる歪が封止層15と内部層21に均等に分散され易くなり、封止層15に加わる応力を効果的に低減できる。
実施例1、実施例1の変形例1及び2、実施例2、並びに実施例3では、内部層21と封止層15は同じ材料を主成分とする。これにより、温度変化によって生じる歪が封止層15と内部層21に更に均等に分散され易くなり、封止層15に加わる応力を更に低減できる。
実施例2では、内部層21のデバイスチップ30側の側面17は、基板10の平面視方向で封止層15のデバイスチップ30側の側面19と略一致する。これにより、表2及び図14のように、封止層15に加わる歪を効果的に低減できる。よって、封止層15の剥がれを効果的に抑制できる。略一致とは、完全に一致する場合に限られず、製造誤差程度にずれている場合も含む。
実施例1及び実施例3では、内部層21のデバイスチップ30側の側面17は、封止層15のデバイスチップ30側の側面19よりもデバイスチップ30側に位置する。これにより、封止層15に対する内部層21の位置精度が緩和されるため、製造が容易となる。
内部層21の厚さは、封止層15に加わる歪を低減する点から、封止層15の厚さの0.5倍以上が好ましく、1倍以上がより好ましく、1.5倍以上が更に好ましい。内部層21の厚さが大きくなるほどデバイスが大型化するため、内部層21の厚さは、封止層15の厚さの3倍以下が好ましく、2.5倍以下がより好ましく、2倍以下が更に好ましい。
封止層15と内部層21の間隔は、封止層15に加わる歪を低減する点から、封止層15の厚さの3倍以下が好ましく、2倍以下がより好ましく、1倍以下が更に好ましい。一方、封止層15と内部層21が近づきすぎると歪の分散による封止層15に加わる歪の低減効果が小さくなるため、封止層15と内部層21の間隔は、封止層15の厚さの0.2倍以上が好ましく、0.4倍以上がより好ましく、0.6倍以上が更に好ましい。
基板10がセラミック基板で、封止部材36がはんだである場合、表1のように、はんだ(特に錫を含むはんだ)は線膨張係数が大きいことから、封止層15に大きな応力が加わって基板10から剥がれ易くなる。したがって、このような場合に、内部層21を設けることが好ましい。
実施例1、実施例1の変形例1及び2、実施例2、並びに実施例3では、デバイスチップ30の素子として弾性波素子32(弾性表面波共振器又は圧電薄膜共振器)の場合を例に示したが、インダクタ又はキャパシタの受動素子、トランジスタを含む能動素子、又はMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子などその他の素子の場合でもよい。また、封止部材36は樹脂層である場合でもよい。この場合、封止層15は金属層であってもよいし、樹脂層であってもよい。
実施例1、実施例1の変形例1及び2、実施例2、並びに実施例3において、弾性波素子32は弾性波フィルタを形成してもよい。弾性波素子32は、デュプレクサ、トリプレクサ、又はクワッドプレクサなどのマルチプレクサを形成してもよい。
以上、本願発明の実施形態について詳述したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本願発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
11a~11d 絶縁層
12a、12b 金属層
13 ビア配線
14 端子
15 封止層
16 空隙
17、18、19、20 側面
21 内部層
30 デバイスチップ
31 基板
32 弾性波素子
33 配線
34 バンプ
36 封止部材
37 リッド
38 保護膜
40 IDT
41 反射器
42 櫛型電極
43 電極指
44 バスバー
45 下部電極
46 圧電膜
47 上部電極
48 空隙
49 共振領域
50 隙間
100、110、120、200、300、500 電子部品

Claims (10)

  1. 平面視して略矩形の基板と、
    前記基板上に実装され、素子を有するデバイスチップと、
    前記基板の周縁に沿って前記デバイスチップを囲むように前記基板上に設けられ、前記基板よりも線膨張係数が大きい封止層と、
    前記封止層上に設けられ、前記封止層と共に前記素子を封止し、前記封止層よりも線膨張係数が大きい封止部材と、
    前記基板の内部に前記封止層から離れ且つ前記基板の平面視方向で前記封止層の前記デバイスチップ側の端に少なくとも一部が重なるように前記封止層の下に設けられ、前記基板を平面視したときの4辺のうち少なくとも1辺に沿って設けられ、前記基板と前記封止部材の間の線膨張係数を有する内部層と、を備える電子部品。
  2. 前記内部層は、前記基板を平面視したときの4辺に沿って環状に設けられる、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記内部層は、前記基板よりも前記封止層に近い線膨張係数を有する、請求項1または2に記載の電子部品。
  4. 前記封止層と前記内部層は、同じ材料を主成分とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品。
  5. 前記内部層の前記デバイスチップ側の側面は、前記基板の平面視方向で前記封止層の前記デバイスチップ側の側面と略一致する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品。
  6. 前記内部層の前記デバイスチップ側の側面は、前記封止層の前記デバイスチップ側の側面よりも前記デバイスチップ側に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品。
  7. 前記内部層の厚さは、前記封止層の厚さの0.5倍以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品。
  8. 前記封止層と前記内部層の間隔は、前記封止層の厚さの3倍以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品。
  9. 前記基板はセラミック基板であり、
    前記封止部材ははんだである、請求項1から8のいずれか一項に記載の電子部品。
  10. 前記デバイスチップは、空隙を介し前記基板と向かい合う面に前記素子である弾性波素子を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の電子部品。
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