JP2022101064A - 通気性シート - Google Patents
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Abstract
【課題】真空吸着装置の吸着ステージに吸引固定された基材の表面へ印刷を施す際、前記吸着ステージと前記基材の間に介在させて使用する通気性シートであって、基材表面により鮮明な印刷パターンを印刷付与できる、通気性シートを提供すること。【解決手段】本発明の通気性シートは、不織布層と支持層の他に、不織布層と支持層を接着する有機樹脂を有し、かつ前記有機樹脂が支持層の空隙に入り込んでいる。これにより、通気性シートの厚さのばらつきが小さく、通気性シートを真空吸着装置の吸着ステージと基材との間に介在して基材を吸引固定した際に基材のゆがみが少なく、結果として基材への印刷表面時に凹凸が非常に小さく鮮明なパターンをフィルム等の基材に印刷することができ、ひいては優れた電子部品を高い再現性をもって提供することが可能となる。【選択図】図1
Description
本発明は、プリンテッドエレクトロニクスで真空吸着装置の吸着ステージに吸引固定された基材の表面へ印刷を施す際に、前記吸着ステージと前記基材の間に介在させて使用する通気性シートに関するものであり、特に、フィルム等の非通気性基材の表面に電子部品を印刷形成する際、好適に使用できる通気性シートに関する。
電気機器の小型化に伴い、小型で軽量な、或いは厚さの薄い電子部品、例えば集積回路や配線材あるいは電子基板など(以降、包括的に電子部品と称することがある)の開発が進められている。このような要請に応える技術として、近年、プリンテッドエレクトロニクスが注目を浴びている。
プリンテッドエレクトロニクスとは、導電性成分あるいは半導体成分などを配合した各種インク(以降、プリンテッドエレクトロニクスに使用される各種インクを単にインクと称することがある)を、フィルムや布帛(例えば、不織布、織物、編物など)などの基材の表面に印刷し、前記基材の表面に種々の電子部品を形成する技術分野である。
プリンテッドエレクトロニクスを用いることで、例えば、フィルムや布帛などの軽くて薄い基材や、柔軟性を有する基材の表面に電子部品を形成し、小型・軽量化された、あるいはフレキシブルな電気機器を提供することができる。
プリンテッドエレクトロニクスにおいては、電子部品を形成するにあたって微細で鮮明な印刷が実現できるように、真空吸着装置の吸着ステージに吸引固定された基材の表面へ印刷を施す際に、基材が動かないことに加え、基材表面において凹凸が非常に小さいことが要求される。そこで、基材を真空吸着装置の吸着ステージに吸引固定する際に吸着ステージの吸引口から垂直に発生する吸引圧力を分散させ、その結果基材表面の凹凸が非常に小さくでき、基材への鮮明な印刷を実現できる、真空吸着装置の吸着ステージと基材との間に介在させる通気性シートとして、例えば、国際公開2016/021239号(特許文献1)に、非通気性基材に接する不織布層と、吸着ステージに接する織物または編物からなる支持層とを備えることを特徴とする通気性シートが開示されている。
しかし、特許文献1の通気性シートを用いて、基材を真空吸着装置の吸着ステージに吸引固定する際に基材がゆがむことがあった。本発明者らは基材にゆがみが発生する原因について検討したところ、通気性シートの厚さのばらつきが大きいことが原因であることが判明した。
本発明は、上述した従来の問題点に基づくものであり、真空吸着装置の吸着ステージに吸引固定された基材の表面へ印刷を施す際、前記吸着ステージと前記基材の間に介在させて使用する通気性シートであって、通気性シートの厚さのばらつきが小さく、基材を真空吸着装置の吸着ステージに吸引固定した際に基材がよりゆがみにくく、基材表面により鮮明な印刷パターンを印刷付与できる、通気性シートの提供を目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「平坦な吸着ステージ上に吸引固定された基材の表面へ印刷を施す際に、前記吸着ステージと前記基材の間に介在させて使用する通気性シートであって、前記通気性シートが、前記基材に接する不織布層と、前記吸着ステージに接する織物または編物から構成された支持層と、不織布層と支持層を接着する有機樹脂とを備え、前記不織布層と支持層を接着する有機樹脂が不定形状で支持層の空隙に入り込んでいる、通気性シート。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「前記支持層が0.030~0.270mmの目開きを有する、請求項1に記載の通気性シート。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「前記不織布層の構成繊維が繊維径10.5μm以下の繊維を主体としてなる、請求項1または2に記載の通気性シート。」である。
本発明の請求項4にかかる発明は、「通気性シートの、以下の<厚さばらつき測定方法>で測定する厚さばらつきが20μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の通気性シート。<厚さばらつき測定方法>(1)200cm2の通気性シートを用意し、通気性シート10点の厚さを、測定荷重5.5gf/mm2で測定する。なお、すべての厚さの測定点の外周は30mm以上ほかの厚さの測定点の外周から離して測定する。
(2)(1)の測定結果から、1枚の通気性シートにおける、厚さの最大値と最小値を求め、以下の式により厚さばらつきを求める。厚さばらつき(μm)=厚さの最大値(μm)-厚さの最小値(μm)」である。
(2)(1)の測定結果から、1枚の通気性シートにおける、厚さの最大値と最小値を求め、以下の式により厚さばらつきを求める。厚さばらつき(μm)=厚さの最大値(μm)-厚さの最小値(μm)」である。
本発明の請求項5にかかる発明は、「フラジール形法による通気度が0.10~0.30cm3/cm2・sec.である、請求項1~4のいずれか1項に記載の通気性シート。」である。
本発明の通気性シートは、不織布層と支持層の他に、不織布層と支持層を接着する有機樹脂を有し、前記有機樹脂が不定形状で支持層の空隙に入り込んでいる。これにより、通気性シートの厚さのばらつきが小さく、通気性シートを真空吸着装置の吸着ステージと基材との間に介在させて基材を吸引固定した際に基材のゆがみが少なく、結果として基材表面に凹凸が非常に小さく鮮明なパターンをフィルム等の基材に印刷することができ、ひいては優れた電子部品を高い再現性をもって提供することが可能となる。通気性シートの厚さのばらつきが小さい理由としては、有機樹脂が支持層の凹凸を埋めるように存在しているためと考えられる。
本発明の通気性シートは、従来知られているプリンテッドエレクトロニクス技術と同様に、真空吸引装置に組み込まれた吸引ステージ上に載置された状態で、当該シートに接してフィルム等からなる基材を置き、装置を稼働させることにより印刷が実施される。
以下、本発明の通気性シートの使用時における、模式的断面図である図1を用いて説明する。本発明の通気性シート(3)は、少なくとも一層の不織布層(3b)と、少なくとも一層の支持層(3a)とを含み、それらを積層構成したものである。また、不織布層(3b)と支持層(3a)が有機樹脂(3c)により接着されており、有機樹脂(3c)が溶融して支持層(3a)の空隙に入り込んでいる。通気性シート(3)は、吸引口(2)が設けられた吸着ステージ(1)に、支持層(3a)が接した状態で用いられ、不織布層(3b)に接して基材(4)が載置された状態で真空吸引装置を稼働し、固定される。
本発明の通気性シート(3)の作用効果として、吸引口(2)から基材(4)と吸着ステージ(1)との間の空気が吸引される際、これらの間に介在する通気性シート(3)のうち、まず、支持層(3a)によって吸引口(2)のパターンによる吸引力の局在化が緩和される。次いで、この支持層(3a)を貫く装置側の吸引力は不織布層(3b)を介して更に分散し、吸引力の直接対象物である基材(4)を吸着ステージ(1)側に引きつけ、当該基材(4)の平面性を保った状態で、インク付与部材(5)による印刷を鮮明に実施し得る。この間、真空吸引装置の吸引口パターン間隔等の装置側条件による影響は、不織布層(3b)を構成する繊維の繊維径が、支持層(3a)を構成する織物の目開き、あるいは支持層(3a)を構成する編物の編目(図示せず)よりも小さい繊維径とすることで更に緩和される。
なお、基材(4)はフィルムなどの非通気性基材であっても、紙や多孔性シートなどの通気性基材であってもよい。また、基材(4)を構成する成分などの諸構成や、厚さや剛性などの諸物性は、基材(4)の用途により適宜調整する。
通気性シート(3)の支持層(3a)を構成する織物又は編物は、厚さ方向、及び厚さ方向に直交する方向にも通気性を有している。このため、吸着ステージ(1)による吸引力を支持層(3a)における空隙内の多方向に分散できる。
プリンテッドエレクトロニクスでは、印刷するパターンを鮮明に印刷するために吸着ステージ(1)の吸引口(2)の直径を小さくし、吸引口(2)の直上での基材(4)の変形を抑制することが行われているが、吸引口(2)の直径が小さくなると、吸着ステージ(1)自体の加工コストが上がり、基材(4)の吸着効率は低下する傾向にある。本発明を適用した通気性シート(3)は吸着ステージ(1)による吸引力を支持層(3a)における空隙内の多方向に分散でき、かつ不織布層(3b)によってさらに吸引力を分散させることで基材(4)に平坦な面を提供できるため、一般的な真空吸着装置の吸着ステージ(1)上に簡便に設置することで、著しいコストダウンと吸着効率の改善を図り得る。
本発明の通気性シート(3)に含まれる支持層(3a)を構成する織物又は編物は、種々の有機樹脂または金属から構成することができるが、吸引力の作用時に構造を保持し得る金属製の織物である金属メッシュを採用するのが好ましく、特に防錆性並びに剛性に優れたステンレス鋼(SUS)製のメッシュが最も好ましい。
上述した支持層(3a)の構成として好適な織物または編物は、平織り、綾織りなどを選択し得るが、比較的安価で構造が簡素な平織りを選択するのが好適である。特に、後段で述べる不織布層(3b)の構成繊維の繊維径との関係で、織物から構成された支持層(3a)の場合、支持層(3a)の目開きが0.030~0.270mmであるのが好ましく、0.060~0.250mmであるのがより好ましく、0.100~0.230mmであるのが更に好ましい。支持層(3a)の目開きを0.270mmよりも小さな目開きとすることで、通気性シート(3)全体の曲げ剛性を確保し、吸着固定された基材(4)に、平坦な表面を提供することができる。また、支持層(3a)の目開きが0.030mmよりも小さな目開きでは、支持層(3a)の通気度が低下し、基材(4)を十分に固定できず、基材(4)に平坦な表面を提供できないおそれがある。
ここでいう「目開き」は、ワイヤーあるいは糸同士で形成される網目状の開口の一辺の長さに相当する値であり、通常、メッシュ数とミリ単位とした線径dにより、以下の値で算出することができる。この計算式は広く知られた算出手法であるが、実際に顕微鏡で観察した結果と極めて高い相関があることを確認した。
目開き=(25.4/メッシュ数)-線径d
なお、織物の目開きが糸の配列方向により異なる場合、まず、一方の配列方向における目開きと前記配列方向と交差するもう一方の配列方向における目開きから開口の面積を算出する。次に、開口の面積から開口が正方形と仮定したときの開口の1辺の長さを算出し、この開口の1辺の長さを支持層(3a)の目開きとする。また、目開きの存在しない織物については、目開きの大きさは0mmとみなす。
目開き=(25.4/メッシュ数)-線径d
なお、織物の目開きが糸の配列方向により異なる場合、まず、一方の配列方向における目開きと前記配列方向と交差するもう一方の配列方向における目開きから開口の面積を算出する。次に、開口の面積から開口が正方形と仮定したときの開口の1辺の長さを算出し、この開口の1辺の長さを支持層(3a)の目開きとする。また、目開きの存在しない織物については、目開きの大きさは0mmとみなす。
編物から構成された支持層(3a)の場合、まず、編物から1cm×1cmの正方形の領域における編目を観察して前記正方形の領域における編目の面積の平均値を算出する。次に、編目の面積の平均値から編目が正方形と仮定したときの編目の1辺の長さを算出し、この編目の1辺の長さを支持層(3a)の目開きとし、上述の支持層(3a)の目開きの範囲であるのが好ましい。
支持層(3a)の目付、厚さ、空隙率などの諸構成は、適宜調整するのが好ましいが、支持層(3a)の目付は、50g/m2以上であるのが好ましく、200g/m2以上であるのがより好ましく、400g/m2以上であるのが更に好ましい。支持層(3a)の目付の上限は適宜調整するが、1000g/m2以下であるのが現実的である。なお、「目付」は最も広い面である主面1m2あたりの質量である。
また、支持層(3a)の厚さは、50μm以上であるのが好ましく、100μm以上であるのがより好ましく、150μm以上であるのが更に好ましい。支持層の厚さの上限は適宜調整するが、300μm以下であるのが現実的である。なお、「厚さ」は、5.5gf/mm2荷重時のものである。
更に、支持層(3a)の空隙率は、空隙率の高い支持層(3a)であると、基材(4)を吸着ステージ(1)に吸引固定する際に十分に基材(4)を吸引できること、また、支持層(3a)が効率よく吸引力を分散できることから、空隙率は、40%以上であるのが好ましく、50%以上であるのがより好ましく、60%以上であるのが更に好ましい。空隙率の上限は100%未満であり、基材(4)を吸着ステージ(1)に吸引固定する際に支持層(3a)が吸引圧力により形状変化しにくく、表面に凹凸が少ない通気性シート(3)であることができるように、支持層(3a)の空隙率の上限は90%以下が現実的である。なお、空隙率(単位:%)は、目付(単位:g/m2)、厚さ(単位:μm)、支持層の構成材料の密度(単位:g/cm3)により、以下の式から算出することができる。
空隙率=[1-{目付/(厚さ×密度)}]×100
空隙率=[1-{目付/(厚さ×密度)}]×100
次いで、通気性シート(3)に含まれる不織布層(3b)を構成する繊維の組成は特に限定するものではないが、具体的には、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、ニトリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)、ビニロン系樹脂(酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなど)、導電性高分子(ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリアセチレン系、ポリチオフェン系など)などの有機樹脂であることができる。これらの構成繊維は、一種類の樹脂成分から構成されてなる繊維であってもよく、複数種類の樹脂成分から構成されてなる、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型などの複合繊維であってもよい。
このシート状の不織布層(3b)を構成する繊維の繊維径を小さく調製するため、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を得る方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の技術を適用することができる。これら公知の不織布製造技術のうち、通気性シート(3)からの発塵を防止し、かつ不織布層(3b)の基材(4)側表面の毛羽立ちを防止する観点から上述した直接紡糸法で得られる長繊維であることが好ましい。
また、不織布層(3b)の構成繊維の繊維径を小さく採ることによって、同程度の目付であれば、基材(4)との接触平面における単位面積あたりの繊維本数が増えることで、不織布層(3b)の表面平坦性が向上する。これにより、基材(4)の吸着固定をする際に基材(4)をより平坦に固定することが可能になる。このため、不織布層(3b)の繊維径は10.5μm以下であるのが好ましく、5.0μm以下とするのがより好ましく、1.0μm以下とするのが更に好ましい。本発明の不織布層(3b)は、単層の不織布から構成されたものに限定されるものではなく、構成繊維の含有割合もしくは構成繊維の種類のうち少なくとも一方が異なる層を2層以上有する不織布から構成されていてもよいが、不織布層(3b)が、構成繊維の含有割合もしくは構成繊維の種類のうち少なくとも一方が異なる層を2層以上有する不織布である場合には、繊維径10.5μm以下の構成繊維を主体とする層が基材(4)と直接接触するのが好ましい。
また、比較的細径の有機樹脂からなる繊維で構成された不織布層(3b)は、真空装置の吸引等によってフィルム等の基材(4)との間で帯電し易い傾向にあるため、不織布層(3b)は帯電防止を目的とした導電性繊維を含有しているのが好適である。また、この導電性繊維を含有する代わりに、不織布層(3b)の構成繊維の表面に界面活性剤を添加するなど、種々の態様とすることができる。この際、界面活性剤の最終的な不織布層(3b)における含有量は、使用する界面活性剤の種類により任意好適に設計することができる。
不織布層(3b)の目付、厚さ、空隙率、通気度など、構成繊維の繊維径以外の諸構成は、適宜調整するのが好ましいが、不織布層(3b)の目付は、5g/m2以上であるのが好ましく、10g/m2以上であるのがより好ましく、20g/m2以上であるのが更に好ましい。なお、不織布層(3b)の目付の上限は適宜調整するが、200g/m2以下であるのが現実的である。
また、不織布層(3b)の厚さは、10~300μmであるのが好ましく、30~200μmであるのがより好ましく、50~100μmであるのが更に好ましい。
更に、不織布層(3b)の空隙率は、空隙率の高い不織布層(3b)であると、基材(4)を吸着ステージ(1)に吸引固定する際に十分に基材(4)を吸引できること、また、不織布層(3b)が効率よく吸引力を分散できることから、40%以上であるのが好ましく、50%以上であるのがより好ましく、60%以上であるのが更に好ましい。不織布層(3b)の空隙率の上限については、基材(4)を吸着ステージ(1)に吸引固定する際に不織布層(3b)が吸引圧力により形状変化しにくく、表面に凹凸が少ない通気性シート(3)であることができるように、90%以下が現実的である。
更に、不織布層(3b)の通気度は適宜調整するが、通気度は0.1(cm3/cm2/s)以上が好ましく、0.2(cm3/cm2/s)以上がより好ましく、0.3(cm3/cm2/s)以上が更に好ましい。なお、不織布層(3b)の通気度の上限は適宜調整するが、10(cm3/cm2/s)以下が現実的である。
更に、不織布層(3b)は1種類の繊維で構成されていても、2種類以上の繊維で構成されていても良い。不織布層(3b)が1種類の繊維で構成されている、あるいは2種類以上の繊維で構成されていて、不織布層(3b)の構成繊維の繊維径がすべて同じであると、不織布層(3b)の構成繊維の分布に偏りがなく、通気性シート(3)を真空吸着装置の吸着ステージ(1)と基材(4)との間に介在させて基材(4)を吸引固定した際に、基材(4)表面の凹凸がより小さいことから、好ましい。
本発明の通気性シート(3)は、不織布層(3b)と支持層(3a)の他に、前記不織布層(3b)と支持層(3a)を接着する有機樹脂(3c)を備え、有機樹脂(3c)が不定形状で支持層(3a)の空隙に入り込んでいる。これにより、通気性シート(3)の厚さのばらつきが小さく、通気性シート(3)を真空吸着装置の吸着ステージ(1)と基材(4)との間に介在させて基材(4)を吸引固定した際に基材(4)のゆがみが少なく、結果として基材(4)への印刷時に表面の凹凸が非常に小さく鮮明なパターンをフィルム等の基材(4)に印刷することができ、ひいては優れた電子部品を高い再現性をもって提供することが可能となる。厚さのばらつきが少ない通気性シート(3)が実現できる理由としては、有機樹脂(3c)が支持層(3a)の凹凸を埋めるように存在しているためと考えられる。
なお、本発明の通気性シート(3)において、有機樹脂(3c)が不定形状で支持層(3a)の空隙に入り込んでいるかどうかは、通気性シート(3)の主面に直交する方向である厚さ方向に通気性シート(3)を切り取って通気性シート(3)の断面を露出させ、前記通気性シート(3)の断面における支持層(3a)を顕微鏡で観察することで確認できる。本発明における「支持層の空隙」は、支持層(3a)の断面における、支持層(3a)の隣接する2つの構成繊維の断面の間の領域を指し、「有機樹脂が不定形状で支持層の空隙に入り込んでいる」は、前記支持層の空隙に繊維状や円状などの形状を有していない不定形状の有機樹脂が存在しているものをいう。
通気性シート(3)を構成する有機樹脂(3c)の組成は特に限定するものではないが、上述の不織布層(3b)を構成する繊維に用いることのできる有機樹脂と同様の有機樹脂であることができる。
通気性シート(3)における有機樹脂(3c)の質量は、大きければ大きいほど、不織布層(3b)と支持層(3a)がより強固に接着でき、通気性シート(3)が剥離しないことから、3.0g/m2以上が好ましく、10g/m2以上がより好ましく、15g/m2以上が更に好ましい。一方、有機樹脂(3c)の質量が大きすぎると、有機樹脂(3c)が支持層(3a)の空隙を埋め、通気性シート(3)が吸引圧力により固定できないおそれがあることから、100g/m2以下が現実的である。
本発明の通気性シート(3)は、以下の<厚さばらつき測定方法>で測定する厚さばらつきが20μm以下であることが好ましい。
<厚さばらつき測定方法>
(1)200cm2の通気性シートを用意し、通気性シート10点の厚さを、測定荷重5.5gf/mm2で測定する。なお、すべての厚さの測定点の外周は30mm以上ほかの厚さの測定点の外周から離して測定する。また、200cm2未満の通気性シートの場合は、総面積が200cm2以上となるよう、通気性シートを複数枚準備し、通気性シート10点の厚さを測定する。
(2)(1)の測定結果から、1枚の通気性シートにおける、厚さの最大値と最小値を求め、以下の式により厚さばらつきを求める。
厚さばらつき(μm)=厚さの最大値(μm)-厚さの最小値(μm)
<厚さばらつき測定方法>
(1)200cm2の通気性シートを用意し、通気性シート10点の厚さを、測定荷重5.5gf/mm2で測定する。なお、すべての厚さの測定点の外周は30mm以上ほかの厚さの測定点の外周から離して測定する。また、200cm2未満の通気性シートの場合は、総面積が200cm2以上となるよう、通気性シートを複数枚準備し、通気性シート10点の厚さを測定する。
(2)(1)の測定結果から、1枚の通気性シートにおける、厚さの最大値と最小値を求め、以下の式により厚さばらつきを求める。
厚さばらつき(μm)=厚さの最大値(μm)-厚さの最小値(μm)
厚さばらつきが20μm以下であることで、通気性シート(3)を真空吸着装置の吸着ステージ(1)と基材(4)との間に介在させて基材(4)を吸引固定した際に基材(4)のゆがみが少なく、基材(4)表面に鮮明な印刷パターンを印刷付与できる通気性シート(3)であることができる。厚さばらつきは小さければ小さいほど、より通気性シート(3)を真空吸着装置の吸着ステージ(1)と基材(4)との間に介在させて基材(4)を吸引固定した際に基材(4)のゆがみが少なく、基材(4)表面により鮮明な印刷パターンを印刷付与できる通気性シート(3)であることができることから、10μm以下がより好ましく、5.0μm以下が更に好ましい。
本発明の通気性シート(3)の通気度は、0.10~0.30(cm3/cm2/s)であるのが好ましい。通気性シート(3)の通気度がこの範囲であることで、通気性シート(3)の支持層(3a)に有機樹脂が適度に入り込んでおり、基材(4)表面により鮮明な印刷パターンを印刷付与できる通気性シート(3)であることができる。通気性シート(3)の通気度は、0.20~0.28(cm3/cm2/s)であるのがより好ましく、0.25~0.27(cm3/cm2/s)であるのが更に好ましい。なお、「通気度」は、JIS L 1096に規定されるフラジール形法により測定された値をいう。
本発明の通気性シート(3)の目付、厚さ、嵩密度などの諸構成は、適宜調整するのが好ましいが、通気性シート(3)の目付は、60g/m2以上であるのが好ましく、220g/m2以上であるのがより好ましく、435g/m2以上であるのが更に好ましい。なお、通気性シートの目付の上限は適宜調整するが、1000g/m2以下であるのが現実的である。
また、通気性シート(3)の厚さは、厚さが大きいほど厚さばらつきが大きくなるおそれがあるため、600μm以下であるのが好ましく、450μm以下であるのがより好ましく、350μm以下であるのが更に好ましい。一方、厚さが薄すぎると吸着ステージ(1)の吸引圧力が十分分散せず、基材(4)表面に凸凹が発生するおそれがあることから、50μm以上であるのが好ましく、130μm以上であるのがより好ましく、200μm以上であるのが更に好ましい。
更に、通気性シート(3)の嵩密度は、嵩密度の高い通気性シート(3)であると、基材(4)を吸着ステージ(1)に吸引固定する際に通気性シート(3)が吸引圧力により形状変化しにくく、表面の凹凸が少ない通気性シート(3)が実現でき、鮮明な印刷が実現できる一方、通気性シート(3)の嵩密度が高すぎると、通気性シート(3)の通気性が低くなり基材(4)を吸引固定し難くなるおそれがあることから、嵩密度は、1.00~8.50g/cm3であるのが好ましく、1.50~4.50g/cm3であるのがより好ましく、2.00~3.00g/cm3であるのが更に好ましい。
本発明の通気性シート(3)はそのまま使用することができるが、通気性シート(3)と吸着ステージ(1)との密着性向上のため、通気性シート(3)外周部をテープなどで留めてもよい。また、通気性シート(3)における不織布層(3b)と支持層(3a)の大きさは同じであっても、異なっていてもよい。
ここで、本発明の通気性シート(3)の製造方法の一例について説明する。
まず、上述した不織布層(3b)を構成する不織布、及び、上述した支持層(3a)を構成する織物または編物を準備する。
次に、不織布層(3b)と支持層(3a)の間に有機樹脂(3c)を有するように重ねて積層させ、不織布層(3b)と支持層(3a)とを有機樹脂(3c)により接着させて前記不織布層(3b)と支持層(3a)を接着する有機樹脂(3c)が不定形状で支持層(3a)の空隙に入り込んでいる、本発明の通気性シート(3)を製造する。このとき、不織布層(3b)と支持層(3a)とを有機樹脂(3c)により接着する方法は、例えば、不織布層(3b)や支持層(3a)の構成樹脂よりも低融点の有機樹脂(3c)から構成された不織布等のシート状物を不織布層(3b)と支持層(3a)の間に重ねて積層させ、ヒートロールや熱プレス機などに供することでシート状物(有機樹脂(3c))を溶融し、熱で溶融されたシート状物(有機樹脂(3c))が支持層(3a)の空隙に入り込み、冷えて固まることで接着する方法や、不織布層(3b)に熱で溶融させたホットメルト樹脂や溶媒に溶けた有機樹脂(3c)を付与し、支持層(3a)を有機樹脂(3c)の上から重ね合わせて、有機樹脂を支持層(3a)の空隙に入り込ませて接着する方法、支持層(3a)に熱で溶融させたホットメルト樹脂や溶媒に溶けた有機樹脂(3c)を付与し、有機樹脂を支持層(3a)の空隙に入り込ませて、不織布層(3b)を有機樹脂(3c)の上から重ね合わせて接着する方法、あるいは不織布層(3b)と支持層(3a)の間に熱で溶融させたホットメルト樹脂や溶媒に溶けた有機樹脂(3c)を付与し、不織布層(3b)と支持層(3a)を重ね合わせ、有機樹脂(3c)を支持層(3a)の空隙に入り込ませて接着する方法などがあるが、有機樹脂(3c)から構成されたシート状物を不織布層(3b)と支持層(3a)の間に重ねて積層させ、ヒートロールや熱プレス機などに供することでシート状物(有機樹脂(3c))を溶融し、熱で溶融されたシート状物(有機樹脂(3c))が支持層(3a)の空隙に入り込み、冷えて固まることで接着する方法であると、より厚さのばらつきが小さい通気性シート(3)が製造できることから好ましい。この製造方法で、より厚さのばらつきが少ない通気性シート(3)を製造できる理由は、通気性シート(3)の製造時に不織布層(3b)と支持層(3a)を接着するために、ヒートロールや熱プレス機などに供することで、不織布層(3b)と支持層(3a)の間に位置するシート状物(有機樹脂(3c))を溶融する際、溶融したシート状物(有機樹脂(3c))が支持層(3a)の空隙に入り込むほど粘度が低くなり、溶融したシート状物(有機樹脂(3c))が支持層(3a)の凹凸を埋めるように流動して固まるためと考えられる。
なお、前記方法で通気性シート(3)を製造する場合、有機樹脂(3c)が溶融して支持層(3a)の空隙に入り込むことができるように、有機樹脂(3c)の構成成分の融点のうち最も低い融点+30℃以上、不織布層(3b)の構成成分の融点のうち最も低い融点もしくは支持層(3a)の構成成分の融点のうち最も低い融点の2つの融点のうち、低い融点未満と高い温度で加熱してシート状物を十分に溶融させ、有機樹脂(3c)(シート状物)を流動させて、熱で溶融された有機樹脂(3c)を支持層(3a)の空隙に入り込ませるのが好ましい。
また、必要に応じて、不織布層(3b)と支持層(3a)とを有機樹脂(3c)により接着させた後にロールやプレス機に通気性シート(3)を供することで、通気性シート(3)の厚さを調整することができる。
以下に、本発明の実施例として、本発明の好適態様を含む種々の通気性シートを調製し、評価した結果を記載するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではなく、形状、配置関係、数値的条件などは、この発明の目的の範囲内で任意好適に設計し得る。
(不織布層の調製)
公知の静電紡糸技術による不織布層を作製した。始めに、質量平均分子量20万のポリアクリロニトリルである「ボンネル D122」(三菱レイヨン株式会社製:登録商標)を、N,N-ジメチルホルムアミドに濃度16mass%になるように溶解させ、ポリマー溶液(粘度:2000mPa・s)とした。次いで、ケースに周囲を囲われた空間(縦:1000mm、横:1000mm、高さ:1000mm)内に、ポリマー溶液を吐出できる内径0.41mmの金属製ノズルを直流高電圧装置に接続した状態で配置し、吐出されたポリマー溶液を捕集するための無端ベルトをアースし、ケースに囲われた空間内に配置した。この金属製ノズルに17kVの電圧を印加することで、ポリマー溶液を3g/hの速度で吐出させて繊維化し、繊維径0.4μmの連続繊維から構成された繊維集合体を形成した。
さらに、前記繊維集合体にアクリル樹脂バインダ液を付与し、乾燥させることで、不織布層(目付:26g/m2、うちアクリル樹脂バインダの目付:9g/m2、厚さ:65μm、空隙率:65%、通気度:0.34(cm3/cm2/s))を得た。
公知の静電紡糸技術による不織布層を作製した。始めに、質量平均分子量20万のポリアクリロニトリルである「ボンネル D122」(三菱レイヨン株式会社製:登録商標)を、N,N-ジメチルホルムアミドに濃度16mass%になるように溶解させ、ポリマー溶液(粘度:2000mPa・s)とした。次いで、ケースに周囲を囲われた空間(縦:1000mm、横:1000mm、高さ:1000mm)内に、ポリマー溶液を吐出できる内径0.41mmの金属製ノズルを直流高電圧装置に接続した状態で配置し、吐出されたポリマー溶液を捕集するための無端ベルトをアースし、ケースに囲われた空間内に配置した。この金属製ノズルに17kVの電圧を印加することで、ポリマー溶液を3g/hの速度で吐出させて繊維化し、繊維径0.4μmの連続繊維から構成された繊維集合体を形成した。
さらに、前記繊維集合体にアクリル樹脂バインダ液を付与し、乾燥させることで、不織布層(目付:26g/m2、うちアクリル樹脂バインダの目付:9g/m2、厚さ:65μm、空隙率:65%、通気度:0.34(cm3/cm2/s))を得た。
(支持層の調製)
支持層として、ステンレス鋼(SUS)製の金属メッシュ(平織り、線径0.10mm、目開きの間隔:0.15mm、目付:479g/m2、厚さ:186μm、空隙率:68%)を準備した。
支持層として、ステンレス鋼(SUS)製の金属メッシュ(平織り、線径0.10mm、目開きの間隔:0.15mm、目付:479g/m2、厚さ:186μm、空隙率:68%)を準備した。
(有機樹脂の準備)
ナイロン共重合体からなる、不織布構造の有機樹脂(目付:20g/m2、厚さ:150μm、嵩密度:0.13g/cm3、融点:70℃)を準備した。
ナイロン共重合体からなる、不織布構造の有機樹脂(目付:20g/m2、厚さ:150μm、嵩密度:0.13g/cm3、融点:70℃)を準備した。
(通気性シートの調製)
(実施例1)
上述した不織布層と上述した支持層の間に、上述した有機樹脂を有するように積層させ、110℃に加熱したプレス機で熱圧着(圧力:0.02MPa)し、通気性シートを製造した。
なお、実施例1の通気性シートの断面を拡大した顕微鏡写真を図2に示しており、この写真では不織布層(3b)が上、支持層(3a、金属メッシュ)が下になっているが、支持層(3a)の空隙に、十分に溶融して不定形状になっている有機樹脂(3c)が存在していることから、有機樹脂(3c)が不定形状で支持層(3a)の空隙に入り込んでいることがわかった。
(実施例1)
上述した不織布層と上述した支持層の間に、上述した有機樹脂を有するように積層させ、110℃に加熱したプレス機で熱圧着(圧力:0.02MPa)し、通気性シートを製造した。
なお、実施例1の通気性シートの断面を拡大した顕微鏡写真を図2に示しており、この写真では不織布層(3b)が上、支持層(3a、金属メッシュ)が下になっているが、支持層(3a)の空隙に、十分に溶融して不定形状になっている有機樹脂(3c)が存在していることから、有機樹脂(3c)が不定形状で支持層(3a)の空隙に入り込んでいることがわかった。
(比較例1)
上述した不織布層と上述した支持層の間に、上述した有機樹脂を有するように積層させ、90℃に加熱したプレス機で熱圧着(圧力:0.02MPa)し、通気性シートを製造した。
なお、比較例1の通気性シートの断面を拡大した顕微鏡写真を図3に示しており、この写真では図2と同様に不織布層(3b)が上、支持層(3a、金属メッシュ)が下になっているが、支持層(3a)の空隙に存在する有機樹脂(3c)は、十分に溶融しておらず繊維形状を保っていることから、有機樹脂(3c)が不定形状で支持層(3a)の空隙に入り込んでいないことがわかった。
上述した不織布層と上述した支持層の間に、上述した有機樹脂を有するように積層させ、90℃に加熱したプレス機で熱圧着(圧力:0.02MPa)し、通気性シートを製造した。
なお、比較例1の通気性シートの断面を拡大した顕微鏡写真を図3に示しており、この写真では図2と同様に不織布層(3b)が上、支持層(3a、金属メッシュ)が下になっているが、支持層(3a)の空隙に存在する有機樹脂(3c)は、十分に溶融しておらず繊維形状を保っていることから、有機樹脂(3c)が不定形状で支持層(3a)の空隙に入り込んでいないことがわかった。
実施例及び比較例の通気性シートの、プレス機で熱圧着した時の熱圧着温度、及び、通気性シートの目付、厚さ、嵩密度、通気度を以下の表1に示す。
次に、以下の方法で、実施例及び比較例の通気性シートを評価した。
(厚さばらつき測定)
デジタル厚み測定器(株式会社プロテックエンジニアリング製、MG-500C、平面測定子の大きさ:直径7.2mmの円形)を用いて、先述の<厚さばらつき測定方法>により、実施例及び比較例の厚さばらつきを測定した。
デジタル厚み測定器(株式会社プロテックエンジニアリング製、MG-500C、平面測定子の大きさ:直径7.2mmの円形)を用いて、先述の<厚さばらつき測定方法>により、実施例及び比較例の厚さばらつきを測定した。
(フィルムへの印刷評価)
(1)基材として、非通気性の市販のポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ23μm)を1辺180mmの正方形に裁断して用意した。
(2)実施例及び比較例の通気性シートを1辺190mmの正方形に裁断した。
(3)市販の真空吸着装置として、直径1.5mmの円形の吸引口が10mm間隔で格子状(縦15個、横15個)に合計225個開口され、開口領域の一辺が140mmの平板形状の吸着ステージを用意した。
(4)この吸着ステージの開口領域をすべて覆うように、吸着ステージと通気性シートの支持層が接し、また、基材の全面が通気性シートと重なるように、各通気性シート、基材を順次に載置し、四方をテープで留めることによって吸引力の損失を回避し、この状態で、真空吸着装置の真空ポンプを動作させた。
(5)評価用の印刷スクリーン製版として、320mm×320mmのメッシュスクリーン中央部65mm角の領域にベタ印刷領域を有するスクリーン製版を用いた。インクは市販のインク「T-JET 250 緑」(株式会社ミノグループ製:商品名)に市販の遅乾溶剤「リターダーVZ3」(株式会社ミノグループ製:商品名)10mass%を添加させたものを用いた。スクリーン製版を基材上に載せ、その上からインクを流してブレード状のスキージにより印刷を実施することで、当該インクを、スクリーン製版を通して基材表面に印刷を行った。
(6)基材を取り出し、基材のインクを有する印刷面を目視で観察した。印刷面においてインクの色が濃く点状に見える箇所に着目し、長辺が1.0mm以上の点が9個以下の場合は「〇」、長辺が1.0mm以上の点が10個以上の場合は「×」として印刷性を評価した。なお、インクの色が濃く点状に見える箇所が存在する印刷面の一例は、図4に示しており、6が印刷面、7がインクの色が濃く点状に見える箇所である。
(1)基材として、非通気性の市販のポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ23μm)を1辺180mmの正方形に裁断して用意した。
(2)実施例及び比較例の通気性シートを1辺190mmの正方形に裁断した。
(3)市販の真空吸着装置として、直径1.5mmの円形の吸引口が10mm間隔で格子状(縦15個、横15個)に合計225個開口され、開口領域の一辺が140mmの平板形状の吸着ステージを用意した。
(4)この吸着ステージの開口領域をすべて覆うように、吸着ステージと通気性シートの支持層が接し、また、基材の全面が通気性シートと重なるように、各通気性シート、基材を順次に載置し、四方をテープで留めることによって吸引力の損失を回避し、この状態で、真空吸着装置の真空ポンプを動作させた。
(5)評価用の印刷スクリーン製版として、320mm×320mmのメッシュスクリーン中央部65mm角の領域にベタ印刷領域を有するスクリーン製版を用いた。インクは市販のインク「T-JET 250 緑」(株式会社ミノグループ製:商品名)に市販の遅乾溶剤「リターダーVZ3」(株式会社ミノグループ製:商品名)10mass%を添加させたものを用いた。スクリーン製版を基材上に載せ、その上からインクを流してブレード状のスキージにより印刷を実施することで、当該インクを、スクリーン製版を通して基材表面に印刷を行った。
(6)基材を取り出し、基材のインクを有する印刷面を目視で観察した。印刷面においてインクの色が濃く点状に見える箇所に着目し、長辺が1.0mm以上の点が9個以下の場合は「〇」、長辺が1.0mm以上の点が10個以上の場合は「×」として印刷性を評価した。なお、インクの色が濃く点状に見える箇所が存在する印刷面の一例は、図4に示しており、6が印刷面、7がインクの色が濃く点状に見える箇所である。
実施例及び比較例の通気性シートの評価結果を、以下の表2に示す。
不織布層と支持層を接着する有機樹脂が不定形状で支持層の空隙に入り込んでいる実施例1の通気性シートは、有機樹脂が繊維形状を保ち不定形状になっておらず、有機樹脂が不定形状で支持層の空隙に入り込んでいない比較例1の通気性シートと比較して、厚さばらつきが小さく、印刷性に優れる通気性シートであった。
平坦な吸着ステージに吸引固定された基材の表面へ印刷を施す際に、前記吸着ステージと前記基材との間に介在させて使用する通気性シートであって、基材の表面へ望む態様で印刷パターンを形成できる。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
1:吸着ステージ
2:吸引口
3:通気性シート
3a:支持層
3b:不織布層
3c:有機樹脂
4:基材
5:インク付与部材
6:印刷面
7:インクの色が濃く点状に見える箇所
2:吸引口
3:通気性シート
3a:支持層
3b:不織布層
3c:有機樹脂
4:基材
5:インク付与部材
6:印刷面
7:インクの色が濃く点状に見える箇所
Claims (5)
- 平坦な吸着ステージ上に吸引固定された基材の表面へ印刷を施す際に、前記吸着ステージと前記基材の間に介在させて使用する通気性シートであって、
前記通気性シートが、前記基材に接する不織布層と、前記吸着ステージに接する織物または編物から構成された支持層と、不織布層と支持層を接着する有機樹脂とを備え、
前記不織布層と支持層を接着する有機樹脂が不定形状で支持層の空隙に入り込んでいる、通気性シート。 - 前記支持層が0.030~0.270mmの目開きを有する、請求項1に記載の通気性シート。
- 前記不織布層の構成繊維が繊維径10.5μm以下の繊維を主体としてなる、請求項1または2に記載の通気性シート。
- 通気性シートの、以下の<厚さばらつき測定方法>で測定する厚さばらつきが20μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の通気性シート。
<厚さばらつき測定方法>
(1)200cm2の通気性シートを用意し、通気性シート10点の厚さを、測定荷重5.5gf/mm2で測定する。なお、すべての厚さの測定点の外周は30mm以上ほかの厚さの測定点の外周から離して測定する。
(2)(1)の測定結果から、1枚の通気性シートにおける、厚さの最大値と最小値を求め、以下の式により厚さばらつきを求める。
厚さばらつき(μm)=厚さの最大値(μm)-厚さの最小値(μm) - フラジール形法による通気度が0.10~0.30cm3/cm2・sec.である、請求項1~4のいずれか1項に記載の通気性シート。
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JP2020215430A JP2022101064A (ja) | 2020-12-24 | 2020-12-24 | 通気性シート |
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