JP2022100472A - でんぷん含有樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】でんぷんを含有する樹脂組成物であって、でんぷんの分散性に優れ、ブリードアウトが抑制された成形体の製造を可能とする樹脂組成物を提供すること。【解決手段】本発明のでんぷん含有樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、でんぷんと、でんぷん用滑剤とを含む、でんぷん含有樹脂組成物であって、該でんぷん用滑剤が、界面活性剤およびでんぷん用可塑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、該でんぷん含有樹脂組成物中、該でんぷんの含有割合は、10重量%~70重量%であり、該でんぷん含有樹脂組成物から形成された厚み0.1mmプレス平板を形成したとき、該プレス平板の表面において観察される0.3mm2以上のきょう雑物が、面積2500mm2範囲あたり、4個以下となる。【選択図】図1

Description

本発明は、でんぷん含有樹脂組成物に関する。
近年、生分解性樹脂や熱可塑性樹脂に有機系もしくは無機系の充填剤を混合した組成物が多数提案されている。これら充填剤の中で、でんぷんは比較的安価な有機系充填剤であり、でんぷんを上記生分解性樹脂や熱可塑性樹脂の増量剤、バイオ度向上剤、あるいは生分解促進剤として含む熱可塑性樹脂組成物(以下、でんぷん含有樹脂組成物とも称す)が注目されている。特許文献1~4では、熱可塑性樹脂とでんぷんを含む樹脂組成物が提案されているが、粉体状のでんぷんを溶融混練装置(その代表として押出機が挙げられる)に供給し、溶融ブレンドすることにより組成物を得ようとした場合、当該でんぷんが嵩密度の小さな粉体であるために、溶融混練装置への供給が容易でなく、でんぷん含有樹脂組成物の生産性が極めて低いという問題がある。また、上記でんぷん含有樹脂組成物では、でんぷんの自己凝集力が強いために、樹脂マトリックス中でんぷんを良分散させるのは容易でないという問題がある。例えば、特許文献1では、でんぷん分散性に関する詳細な記載はない。また、でんぷん可塑剤として使用されるグリセリンやポリエチレングリコールは、でんぷんの分散性を高める作用があるが、機能発揮のためには多量の添加を要することがあり、でんぷん可塑剤が、でんぷん含有成形体からブリードアウトして、べたつき感や印刷不良をもたらす等の問題が生じることがある。
特開2009-120651号公報 特許第3477440号 特許第4364435号 特許第2961135号
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、でんぷんを含有する樹脂組成物であって、でんぷんの分散性に優れ、ブリードアウトが抑制された成形体の製造を可能とする樹脂組成物を提供することにある。
本発明のでんぷん含有樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、でんぷんと、でんぷん用滑剤とを含む、でんぷん含有樹脂組成物であって、該でんぷん用滑剤が、界面活性剤およびでんぷん用可塑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、該でんぷん含有樹脂組成物中、該でんぷんの含有割合は、10重量%~70重量%であり、該でんぷん含有樹脂組成物から形成された厚み0.1mmプレス平板を形成したとき、該プレス平板の表面において観察される0.3mm以上のきょう雑物が、面積2500mm範囲あたり、4個以下となる。
1つの実施形態においては、上記でんぷん含有樹脂組成物は、水溶性多糖類をさらに含む。
1つの実施形態においては、上記水溶性多糖類の含有割合が、上記でんぷん含有樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、0.01重量部~5重量部である。
1つの実施形態においては、上記水溶性多糖類が、プルランおよびデキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記でんぷん用滑剤の含有量が、上記でんぷん含有樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、0.01重量部~5重量部である。
1つの実施形態においては、上記界面活性剤が、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記でんぷん用可塑剤が、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記でんぷんが、α化でんぷんである。
本発明の別の局面においては、上記でんぷん含有樹脂組成物の製造方法が提供される。この製造方法は、熱可塑性樹脂とでんぷん造粒物とを溶融混練することを含み、該でんぷん造粒物が、前記でんぷんと前記でんぷん用滑剤と水溶性多糖類とを含み、該該水溶性多糖類の含有割合が、該でんぷん100重量部に対して、0.1重量部~10重量部であり、該でんぷん用滑剤の含有割合が、該でんぷん100重量部に対して、0.1重量部~10重量部である。
本発明の別の局面においては、上記でんぷん含有樹脂組成物から形成された、射出成形体が提供される。
本発明の別の局面においては、上記でんぷん含有樹脂組成物から形成された、シートが提供される。
本発明の別の局面においては、上記でんぷん含有樹脂組成物から形成された、フィルムが提供される。
本発明の別の局面においては、上記でんぷん含有樹脂組成物から形成された、シート状賦形物が提供される。
本発明の別の局面においては、上記でんぷん含有樹脂組成物から形成された、発泡成形体が提供される。
本発明によれば、でんぷんを含有する樹脂組成物であって、でんぷんの分散性に優れ、ブリードアウトが抑制された成形体の製造を可能とする樹脂組成物を提供することができる。
(a)は、実施例1で得られたシートの外観写真である。(b)は、実施例4で得られたシートの外観写真である。
A.でんぷん含有樹脂組成物
A-1.でんぷん含有樹脂組成物の概要
本発明のでんぷん含有樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、でんぷんと、でんぷん用滑剤とを含む。上記でんぷん用滑剤は、界面活性剤およびでんぷん用可塑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である。1つの実施形態においては、上記でんぷん含有樹脂組成物は、水溶性多糖類をさらに含む。でんぷん含有樹脂組成物中、上記でんぷんの含有割合は、10重量%~70重量%である。
本発明のでんぷん含有樹脂組成物は、分散性よくでんぷんを含む。でんぷんの分散性は、でんぷん含有樹脂組成物から得られたプレス板を観察して確認されるでんぷん凝集物の量により評価され得る。本発明のでんぷん含有樹脂組成物は、当該でんぷん含有樹脂組成物から形成された厚み0.1mmプレス平板を形成したとき、当該プレス平板の表面において観察される0.3mm以上のきょう雑物が、面積2500mm範囲あたり、4個以下(好ましくは3個以下、より好ましくは2個以下)となる。なお、きょう雑物のサイズ判断は、JIS-P8208準拠のパルプ-きょう雑物測定図表を基準とする。代表的には、上記きょう雑物はでんぷん凝集物であり得る。また、本発明のでんぷん含有樹脂組成物を用いれば、ブリードアウトが抑制された成形体を得ることができる。より具体的には、本発明のでんぷん含有樹脂組成物においては、でんぷん用滑剤がブリードアウトし難く、当該でんぷん含有樹脂組成物により得られた成形体においては、ベタツキ発生、印刷不良等の不具合が防止され得る。これらの効果は、でんぷん含有樹脂組成物に水溶性多糖類をさらに含有させることにより、さらに顕著となる。
上記のようなでんぷん含有樹脂組成物は、例えば、でんぷんと、でんぷん用滑剤と、必要に応じて添加される水溶性多糖類とを含むでんぷん造粒物を形成し、その後、当該でんぷん造粒物と熱可塑性樹脂とを混合すること(例えば、溶融混練により混合すること)により、得ることができる。
A-2.でんぷん
上記のとおり、でんぷん含有樹脂組成物中、上記でんぷんの含有割合は、10重量%~70重量%である。本発明においては、でんぷんを多量に含みながらも、上記のような効果を得ることができる。でんぷん含有樹脂組成物中、上記でんぷんの含有割合は、好ましくは12重量%~60重量%であり、より好ましくは15重量%~50重量%であり、さらに好ましくは20重量%~40重量%である。でんぷんの含有割合は、でんぷん含有樹脂組成物の固形分を基準とする。
上記でんぷんとしては、任意の適切なでんぷんが用いられる。代表的には、でんぷんは粉末状で添加される。でんぷんは1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
1つの実施形態においては、上記でんぷんは、生でんぷんである。生でんぷんとしては、例えば、トウモロコシ、馬鈴薯、タピオカ、甘藷、小麦、キャッサバ、サゴ、モロコシ、コメ、マメ、クズ、ワラビ、ハス、ヒシなどから得られるでんぷんが挙げられる。
別の実施形態においては、上記でんぷんは、加工でんぷんである。加工でんぷんとしては、例えば、物理的変性でんぷん(例えば、α化でんぷん、分別アミロース、湿熱処理でんぷん等)、酵素変性でんぷん(例えば、加水分解デキストリン、酵素分解デキストリン、アミロース等)、化学分解変性でんぷん(例えば、酸処理でんぷん、次亜塩素酸酸化でんぷん、ジアルデヒドでんぷん等)、化学変性でんぷん誘導体(例えば、エステル化でんぷん、エーテル化でんぷん、カチオン化でんぷん、架橋でんぷん等)が挙げられる。
上記エステル化でんぷんとしては、例えば、酢酸エステル化でんぷん、コハク酸エステル化でんぷん、硝酸エステル化でんぷん、リン酸エステル化でんぷん、尿素リン酸エステル化でんぷん、キサントゲン酸エステル化でんぷん、アセト酢酸エステル化でんぷん等が挙げられる。
上記エーテル化でんぷんとしては、例えば、アリルエーテル化でんぷん、メチルエーテル化でんぷん、カルボキシメチルエーテル化でんぷん、ヒドロキシエチルエーテル化でんぷん、ヒドロキシプロピルエーテル化でんぷん等が挙げられる。
上記架橋でんぷんとしては、例えば、ホルムアルデヒド架橋でんぷん、エピクロルヒドリン架橋でんぷん、リン酸架橋でんぷん、アクロレイン架橋でんぷん等が挙げられる。
上記α化でんぷんとは、結晶構造(β構造)を有する生でんぷんを、適当な量の水分の存在下、およそ70℃以上の温度環境で、β構造が崩れて非晶構造(α構造)に変化したでんぷんである。このように、生でんぷんが、水分を含んで加熱されることでβ構造からα構造に変化することを「糊化(のりか)する」と呼ばれるが、α構造のでんぷんはβ構造であった場合と比較して、熱可塑性樹脂中でのでんぷんの分散性に極めて優れるので、好ましい。上記α化でんぷんは、水分を含んだまま低温に放置されると、元のβ構造の結晶状態に戻る現象(「老化(ろうか)」と称する)が起こりうる。α化でんぷんの非晶状態から素早く水分を取り除けば、α構造を維持することができることが知られている。具体的には、水分の存在下で加熱して糊化させた後、そのまま真空装置により雰囲気を減圧することで、脱水されたα構造のでんぷんを得ることができる。β構造のでんぷんが加熱されてα化構造になるのには、通常、水分含有量が17%以上であることが好ましいとされている。
1つの実施形態においては、上記でんぷんの平均1次粒径は1μm~100μmの範囲であり、代表的な例としては、コーンスターチ15μm、ジャガイモ50μm、タピオカ(キャッサバ)20μm、米5μm、小麦10-20μm、甘藷15μm、サゴ30μm、緑豆20μm程度の一次粒子径を有する。上記でんぷんの平均1次粒径は、好ましくは5μm~80μmであり、より好ましくは10μm~50μmである。このような範囲であれば、造粒の生産性に優れるでんぷん造粒物を得ることができる。でんぷんの平均粒子径は顕微鏡観察による形態観察で求めることができる。即ち、顕微鏡下で観察される粉体の写真を撮影し、不作為に抽出された50個のでんぷんの算術平均(数平均)で求めるものとする。
A-3.でんぷん用滑剤
上記のとおり、上記でんぷん用滑剤は、界面活性剤およびでんぷん用可塑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記でんぷん用滑剤の含有割合は、でんぷん含有樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~5重量部であり、より好ましくは0.05重量部~4重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~3重量部である。このような範囲であれば、上記本発明の効果は顕著となる。
(界面活性剤)
上記界面活性剤は、疎水基と親水基とから構成される化合物であり、親水性/疎水性バランスは、界面活性剤となる化合物のエステル化度や脂肪酸の種類(水酸基の有無、飽和又は不飽和脂肪酸、アルキル鎖長)、重合度を調整することにより、制御することができる。上記界面活性剤は、でんぷん含有樹脂組成物を得る際に、でんぷんの分散性、流動性向上、可塑化、滑性等を付与する効用を奏する。
上記界面活性剤は、乳化剤(例えば、食品添加物として用いられる乳化剤)であってもよい。
1つの実施形態においては、上記界面活性剤は、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記多価アルコール脂肪酸エステルとは、多価アルコールと脂肪酸とから構成されるエステル化合物である。
上記多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルカンポリオール;該アルカンポリオールの重合体であるポリアルカンポリオール;ショ糖などの糖類;ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールに代表される糖誘導体等が挙げられる。これらのアルコールは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、任意の適切な脂肪酸が用いられ得る。1つの実施形態においては、炭素数が8以上(好ましくは炭素数8~24、より好ましくは炭素数10~22)の脂肪酸が用いられる。脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ガドレイ酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、べヘン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、リグノセリン酸、イソステアリン酸、リシノレイン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、9-ヒドロキシステアリン酸、10-ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12-ヒドロキシステアリン酸の他に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有する脂肪酸)等が挙げられる。なかでも好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸である。脂肪酸は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記多価アルコール脂肪酸エステルは、上記多価アルコールと脂肪酸をエステル化反応させることで得られ得る。上記多価アルコール脂肪酸エステルの具体例として、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル、油脂(ヤシ油、パーム油、大豆油、ヒマシ油、等)、油脂硬化油(ヤシ油硬化油、パーム極度硬化油、等)、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、食品用乳化剤として使用される、グリセリンジアセテートモノラウレート、ジグリセリンステアレート、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等を挙げることができる。多価アルコール脂肪酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、ポリグリセリンと脂肪酸とから構成されるエステル化合物である。
上記ポリグリセリンとしては、任意の適切なポリグリセリンが用いられ得る。上記ポリグリセリンの具体例としては、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン、エイコサグリセリン、テトラコンタグリセリン等が挙げられる。なかでも好ましくは、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタグリセリンまたはデカグリセリンである。ポリグリセリンは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する上記脂肪酸としては、任意の適切な脂肪酸が用いられ得る。1つの実施形態においては、炭素数が8以上(好ましくは炭素数8~24、より好ましくは炭素数10~22)の脂肪酸が用いられる。脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ガドレイ酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、べヘン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、リグノセリン酸、イソステアリン酸、リシノレイン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、9-ヒドロキシステアリン酸、10-ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12-ヒドロキシステアリン酸の他に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有する脂肪酸)等が挙げられる。なかでも好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸である。脂肪酸は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、ジグリセリンパルミチン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ジグリセリンオレイン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステル等が挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸エステル化率は、好ましくは35%以上であり、より好ましくは50%~70%である。このような範囲であれば、製造安定性に優れるでんぷん造粒物を得ることができる。また、当該でんぷん造粒物は、樹脂(特に、熱可塑性樹脂)に対する分散性に優れる。エステル化率(%)は、エステル化率(%)=(構成脂肪酸のmol数/ポリグリセリンの水酸基の数)×100の式で表される。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、任意の適切な方法により得ることができる。例えば、ポリグリセリンと脂肪酸とを、触媒(例えば、リン酸、p-トルエンスルホン酸、苛性ソーダ)の存在下または無触媒で、100℃~300℃(好ましくは120℃~260℃)で、生成水を系外除去しながら、反応させることにより得ることができる。上記反応は不活性ガスの存在下で行うのが好ましい。また、トルエン、キシレン等の共沸溶剤中で行ってもよい。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルは、縮合ヒドロキシ脂肪酸とアルコールとをエステル化反応させることで得られ得る。上記縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルは、例えば、上記縮合ヒドロキシ脂肪酸とアルコールとを混合し、得られた混合物に苛性ソーダ等のアルカリ触媒または燐酸等の酸触媒を添加し、加熱下で反応水を除去することにより、得ることができる。この反応中のエステル化の進行度は酸価、ケン化価、水酸基価等を測定することで確認することができる。ここで、縮合ヒドロキシ脂肪酸とは、ヒドロキシ脂肪酸を脱水縮合して得ることができる化合物である。縮合ヒドロキシ脂肪酸は、例えば、ヒドロキシ脂肪酸に苛性ソーダ等のアルカリ触媒を添加し、加熱下で反応水を除去することにより脱水縮合して、得ることができる。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸は、ヒドロキシ脂肪酸の縮合体であり、その縮合度は、好ましくは2以上であり、より好ましくは4以上である。縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度の上限は、例えば、20である。なお、縮合度とは、原料ヒドロキシ脂肪酸の酸価と縮合反応後の酸価とから計算して求めることができる。
上記ヒドロキシ脂肪酸は、分子内に1個以上の水酸基を有する脂肪酸である。ヒドロキシ脂肪酸の具体例としては、例えば、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、サビニン酸、2-ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール酸、2-ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2-ヒドロキシオクタデカン酸、18-ヒドロキシオクタデカン酸、9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸、カムロレン酸、フェロン酸、セレブロン酸等が挙げられる。ヒドロキシ脂肪酸は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコールなどの二価アルコール等が挙げられる。また、上記アルコールとして、多価アルコールを用いてもよい。多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルカンポリオール;該アルカンポリオールの重合体であるポリアルカンポリオール;ショ糖などの糖類;ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールに代表される糖誘導体等が挙げられる。これらのアルコールは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルの具体例としては、例えば、縮合リシノレイン酸とグリセリン6重合体のヘキサグリセリンのエステルである縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリンエステル、縮合リシノレイン酸とグリセリン4重合体のテトラグリセリンのエステルである縮合リシノレイン酸テトラグリセリンエステル、縮合12ヒドロキシステアリン酸とプロピレングリコールのエステルである縮合12ヒドロキシステアリン酸プロピレングリコールエステル、縮合リシノレイン酸とプロピレングリコールとのエステルである縮合リノレイン酸プロピレングリコールエステルなどが挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記縮合ヒドロキシのアルコールエステルは、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、太陽化学(株)社製の「チラバゾールP-4」、「チラバゾールVR-01」、「チラバゾールVR-08」、「チラバゾールH-818」等が挙げられる。
上記界面活性剤の含有割合は、でんぷん含有樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~5重量部であり、より好ましくは0.05重量部~4重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~3重量部である。このような範囲であれば、上記本発明の効果は顕著となる。
(でんぷん用可塑剤)
でんぷん用可塑剤とは、でんぷんの分子構造中に取り込まれ、相溶化され、柔軟性や流動性等を付与する作用をもたらす化合物をいう。なお、本明細書において、水は、でんぷん用可塑剤に該当しないものとする。
上記でんぷん用可塑剤の具体例としては、n-オクチルアルコール、イソデシルアルコール、n-デシルアルコール、等の高沸点アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、3-メチル-1,3,5-ペンタトリオール、ソルビトール等の多価アルコール、ポリエチレングリコ-ル、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン、エチレングリコール-プロピレングリコール共重合体等のポリアルキレンオキシド等が挙げられる。1つの実施形態においては、でんぷん用可塑剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記でんぷん用可塑剤の別の例としては、低分子量脂肪族ポリエステルが挙げられる。低分子量脂肪族ポリエステルとしては、エチレングリコール、ブチレングリコール等のジオールとアジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸との縮重合物;カプロラクトン、乳酸、ヒドロキシ酪酸等の低重合体からなるヒドロキシアルカノエート等が挙げられる。なかでも、末端のカルボン酸を炭素数2から8のアルコールでエステル化して構成される低分子量脂肪族ポリエステルが好ましく用いられる。
でんぷん用可塑剤の含有割合は、でんぷん含有樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~5重量部であり、より好ましくは0.05重量部~4重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~3重量部である。このような範囲であれば、上記本発明の効果は顕著となる。
A-4.水溶性多糖類
上記水溶性多糖類とは、グルコースやマンノース等の単糖が長くつながった構成された水溶性の化合物を意味する。1つの実施形態においては、上記水溶性多糖類は、10個以上の単糖が結合することで構成されている水溶性の炭水化物である。水溶性多糖類は、でんぷんに保湿性を与え、α化を促進する効果を奏し、その結果として熱可塑性樹脂との溶融混練において、でんぷんの良分散性を得ることができる。
1つの実施形態においては、上記水溶性多糖類は、天然由来の高分子物質であり得る。例えば、植物由来(種子や樹液、果実等)、海藻由来、微生物由来の水溶性多糖類が用いられ得る。
上記水溶性多糖類の具体的例としては、プルラン、デキストリン、キトサン、タマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、カラヤガム、ペクチン、セルロース、コンニャクマンナン、大豆多糖類、カラギナン、寒天、トラガントガム、アルギン酸、キサンタンガム、ジェランガム、アグロバクテリウムスクシノグリカン、カルボキシメチルセルロース、カチオン化グアーガム等が挙げられる。なかでも、プルランまたはデキストリンが好ましく、より好ましくはプルランである。水溶性多糖類は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記デキストリンは、デンプンまたはグリコーゲンの加水分解で得られる低分子量の炭水化物である。デンプンの糖化率(DE)により、粉あめ(DEが20~40程度)、マルトデキストリン(DEが10~20程度)、デキストリン(DEが10以下)に分類される。
上記プルランとは、グルコースのみからなる多糖類である。プルランはでんぷんを原料とした植物由来の微生物発酵産物であり、水溶性であり、保水性、増粘性、潤滑性、接着性、結着性、皮膜性、等の特徴を有する。また、プルランは熱分解温度が290℃付近であり、熱可塑性樹脂への使用に適した耐熱性を有するため、とりわけ好ましい。
上記水溶性多糖類の含有割合は、でんぷん含有樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~5重量部であり、より好ましくは0.05重量部~4重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~3重量部である。このような範囲であれば、上記本発明の効果は顕著となる。
A-5.熱可塑性樹脂
上記熱可塑性樹脂としては、任意の適切な熱可塑性樹脂が用いられる得る。1つの実施形態においては、加工可能な温度が200℃以下、好ましくは180℃以下である熱可塑性樹脂が好ましく使用される。このような熱可塑性樹脂を用いれば、でんぷんの変質が生じ難い温度で、でんぷん含有樹脂組成物の調製を行うことができる。
上記熱可塑性樹脂の具体例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル (PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリスチレン (PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン系エラストマー(SBS)、水添スチレン・ブタジエン系エラストマー(SEBS)、スチレン・イソプレン系エラストマー(SIS)、水添スチレン・イソプレン系エラストマー(SEPS)、ポリオレフィン系エラストマー(TPO)、ポリ酢酸ビニル (PVAc)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂 (PMMA)等が挙げられる。
また、上記樹脂として、生分解性樹脂を用いてもよい。当該生分解性樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂(例えば、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリヒドロキシバリレート等のホモポリマーあるいはコポリマー、これらのホモポリマーあるいはコポリマーの変性した物等)、脂肪族・芳香族ポリエステル樹脂(例えば、脂肪族カルボン酸もしくはヒドロキシ酸、芳香族ジカルボン酸と1,3-プロパンジオール等のブロックポリマーあるいはランダムポリマー等)等、あるいは、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート、エチレン・ビニルアルコールコポリマー等)等が挙げられる。また、天然由来の生分解性樹脂として天然ゴム等を挙げることができる。生分解性樹脂に上記でんぷん造粒物を用いて、でんぷんを配合することで、樹脂の機械的性質や、バイオ度、更には用途に応じて生分解速度を調節することができ、単独あるいは2種類以上の併用、またはオレフィン樹脂と併用して用いることができる。
上記熱可塑性樹脂の含有割合は、でんぷん含有樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、好ましくは86重量部~40重量部であり、より好ましくは85重量部~50重量部であり、さらに好ましくは80重量部~60重量部である。このような範囲であれば、上記本発明の効果は顕著となる。
A-6.その他の成分
上記でんぷん含有樹脂組成物は、必要に応じて、任意の適切な、その他の成分(添加剤)をさらに含み得る。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、光安定剤、発泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、衝撃改質剤、抗菌剤、相溶化剤、可塑剤、粘着付与剤、加工助剤、潤滑剤、カップリング剤、難燃剤、脱酸素剤、着色剤等が挙げられる。添加剤は、例えば、液体、粉体、ペレット、顆粒の形態、またはマスターバッチ等の形態で、でんぷん含有樹脂組成物の製造工程において、任意の適切なタイミングで投入され得る。
1つの実施形態においては、上記でんぷん含有樹脂組成物は、相溶化剤をさらに含む。相溶化剤を添加することにより、熱可塑性樹脂とでんぷんとの相溶性が高まり、その結果、でんぷんの分散性を向上させることができる。
上記相溶化剤としては、例えば、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、およびこれらの誘導体;不飽和カルボン酸;不飽和カルボン酸の誘導体で変性された熱可塑性樹脂等が挙げられる。
上記飽和カルボン酸としては、例えば、無水コハク酸、コハク酸、無水フタル酸、フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水アジピン酸等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸としては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、無水ナジック酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、ソルビン酸、アクリル酸等が挙げられる。
上記飽和カルボン酸の誘導体としては、例えば、不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エステル等が挙げられる。不飽和カルボン酸の誘導体で変性された熱可塑性樹脂における熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン-α-オレフィン共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンブロック共重合体、プロピレンランダム共重合体等が挙げられる。
1つの実施形態においては、上記でんぷん含有樹脂組成物は、トレハロースをさらに含む。トレハロースを配合することで、でんぷん含有樹脂組成物中のでんぷんの経時的な劣化を抑制することができる。
B.でんぷん含有樹脂組成物の製造方法
1つの実施形態においては、上記でんぷん含有樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂と、上記でんぷんと、上記でんぷん用滑剤と、必要に応じて添加される水溶性多糖類とを溶融混練して得ることができる。溶融混練の方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール、単軸もしくは2軸以上の多軸押出機を使用することができる。好ましくは、二軸スクリュー押出機が用いられる。溶融混練された組成物はペレット化され得る。1つの実施形態においては、80℃~170℃(好ましくは100℃~160℃)の温度範囲で溶融混練が行われる。
1つの実施形態においては、上記でんぷんと、上記でんぷん用滑剤と、必要に応じて添加される水溶性多糖類とを含むでんぷん造粒物を得た後、当該でんぷん造粒物と熱可塑性樹脂とを溶融混練することにより、でんぷん含有樹脂組成物が得られる。このような製造方法を採用することにより、でんぷんの含有量が多いでんぷん含有樹脂組成物を高い生産性で得ることができる。具体的には、上記でんぷん造粒物は、押出機等の装置への投入安定性に著しく優れるため、当該でんぷん造粒物を用いれば、でんぷん含有樹脂組成物の生産性(時間当たりのコンパウンド加工速度)を飛躍的に向上させることができる。
(でんぷん造粒物)
上記でんぷん造粒物は、任意の適切な方法によって製造することができる。上記でんぷん造粒物は、例えば、上記でんぷんと、上記でんぷん用滑剤と、必要に応じて添加される水溶性多糖類とを含む混合物を、半湿式造粒法に供することにより得ることができる。1つの実施形態においては、上記でんぷん造粒物の製造方法は、上記でんぷんと、上記でんぷん用滑剤と、必要に応じて添加される水溶性多糖類とを混合する混合工程と、混合工程を経て得られた混合物から造粒物を得る造粒工程とを含む。混合工程においては、水をさらに混合してもよい。でんぷん、水溶性多糖類およびでんぷん用滑剤は、A項で説明したものが用いられ得る。
上記でんぷん用滑剤の含有割合は、でんぷん100重量部に対して、好ましくは0.1重量部~10重量部であり、より好ましくは0.1重量部~7重量部であり、さらに好ましくは0.2重量部~5重量部であり、特に好ましくは0.3重量部~5重量部であり、最も好ましくは0.5重量部~3重量部である。このような範囲であれば、上記本発明の効果は顕著となる。
上記水溶性多糖類の含有割合は、上記のでんぷん100重量部に対して、好ましくは0.1重量部~10重量部であり、より好ましくは0.1重量部~7重量部であり、さらに好ましくは0.2重量部~5重量部であり、特に好ましくは0.3重量部~5重量部であり、最も好ましくは0.5重量部~3重量部である。このような範囲であれば、上記本発明の効果は顕著となる。
添加される水は、特に限定されず、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、硬水、軟水等を用いることができる。
上記の混合工程において、配合される水の配合量は、通常、でんぷん100重量部に対し、1重量部~30重量部であり、2重量部~20重量部が好ましく、3重量部~17重量部が更に好ましい。なお、本発明でんぷん造粒物で使用される原料としてのでんぷん粉末は、所定量の水分を有し得るが、上記の水の配合量は原料でんぷん粉末が有する水分量を除く配合部数である。
1つの実施形態においては、混合工程における水の配合量は、水溶性多糖類の配合量に応じて、調整される。混合工程における水の配合量は、水溶性多糖類の配合量1重量部に対し、例えば1重量部~30重量部であり、好ましくは3重量部~25重量部であり、より好ましくは5重量部~20重量部の配合である。
1つの実施形態においては、混合工程において、粉体状の原料(でんぷん、水溶性多糖類、でんぷん用滑剤(界面活性剤および/またはでんぷん用可塑剤)、その他の添加剤)を混合して粉体混合物を得;別途、液体状の原料(水、でんぷん用滑剤(界面活性剤またはでんぷん用可塑剤))を混合して混合液(懸濁分散液でもよい)を得;その後、粉体混合物に、混合液を徐々に配合する。このようにすれば、混合時間を短くすることができる。例えば、上記水溶性多糖類を予め水に溶かした水溶液として配合することもできるが、多糖類水溶液の溶液粘度が大きくなりすぎるため、混合時間を長くする必要が生じる。
上記混合工程で得られる混合物は、水溶性多糖類が、でんぷん粒子の表面を広範囲で均一に覆うことができるので、バインダーとして十分かつ均質性の高い結着力を発現する。このため、でんぷん造粒物の造粒性と生産性が著しく向上し、得られた造粒物の適度な硬度発現(形状保持性)や微粉低減性を奏する。
混合工程においては、常温下で各成分を配合し、任意の適切な混合機を用いて、均一化することが好ましい。混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、粉体用ニーダー(KDH、KDA、CKD、CPM)(ダルトン社)、スパルタンミキサー(SPM)(ダルトン社)、SPグラニュレーター(SPG)(ダルトン社)等が挙げられる。
混合工程における混合時間は、成分の種類、混合機の種類、成分配合比等に応じて、任意の適切な混合時間とすることができる。好ましくは、でんぷんの表面が多糖類水溶液で十分かつ均一に被覆されるように、混合時間が設定される。ヘンシェルミキサーやスパルタンミキサー等の高速撹拌機では1~10分の処理時間で行うことができる。一方、粉体用ニーダーの場合は、数分~60分の処理時間が必要になる場合がある。
造粒工程においては、圧縮造粒法が好ましく採用される。また、造粒工程においては、半湿式造粒法が好ましく採用され得る。圧縮造粒法/半湿式造粒法としては、例えば、ディスクペレッター方式、ダブレッティング方式、ブリケッティング方式等が挙げられる。生産性と得られるでんぷん造粒物の品位のバランスの観点から、ディスクペレッター方式が好ましく採用される。
ディスクペレッター方式の造粒機は、基本構造として、2mm~30mmの孔が多数あけられた1個または2個のディスクと、ディスクの孔に原料を圧送するためのローラーとを有する。ディスクとローラーの間、もしくは2個のディスクの間に供給された原料が、ローラーの回転に伴い、ディスクの孔に圧入され、円柱状の押出物が成形される。ここで、ディスク孔にはテーパーが設けられており、でんぷん混合物が孔を通過する過程で、ダイス孔の外周から圧縮応力が与えられる仕組みになっている。このテーパーのついた孔の長さを有効長と呼ぶ。押し出された造粒物前駆体は、ディスクの裏面において、カッター等で切断されることで、ペレット状のでんぷん造粒物を得ることができる。造粒物の長さは、ディスクの裏面とカッター間の距離、ローラーの回転数、によって調整が可能である。
ディスクペレッター方式としては、より具体的には、ローラー・ディスクダイ方式、ローラー・リングダイ方式、ダブルダイス方式、フラットダイ方式等が挙げられる。市販のディスクペレッター方式の造粒機としては、例えば、ダルトン社製のディスクペレッターFシリーズを挙げることができる。
ディスクペレッター方式の造粒機は、通常、加熱・冷却システムを有しない場合が多いが、運転時に発生するせん断発熱により、昇温する。造粒工程において、造粒中の温度が、でんぷんの糊化温度(およそ70℃以上)となると、でんぷんの糊化が生じて造粒が困難となるおそれがある。造粒時のせん断発熱により、でんぷんが糊化しないように、必要に応じて、冷却用ジャケットを装着して、ディスクペレッターを冷却することが好ましく、造粒温度を、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下、更に好ましくは50℃以下に制御することが好ましい。
造粒工程においては、必要に応じて水分量の適正化のために、造粒物(または造粒物前駆体)を乾燥させてもよい。乾燥方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。また、造粒物の乾燥前、あるいは乾燥後に、振動ふるい等の処理を行うことで、微粉を除去したでんぷん造粒物が得られ得る。乾燥には、任意の適切な乾燥設備が用いられる。例えば、振動流動式乾燥機が短時間に効率的に乾燥を行うことができるので好ましく、例えば、ダルトン社製の振動流動乾燥機VDFシリーズを挙げることができる。
本発明においては、上記ポリ乳酸樹脂組成物を用い、種々の成形体が提供される。例えば、射出成形体、押出成形体、シート、フィルム、発泡成形体等が提供され得る。また、上記シートからは賦形物(シート状賦形物)が得られ得る。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、部および%は特に断りのない限り重量基準に基づく。
[製造例1]でんぷん造粒物MB-1の製造
粉体用ニーダー(ダルトン社製、商品名「KDHJ-10」;処理量:6L)に、でんぷん(三和澱粉工業社製、トウモロコシ原料の生澱粉、商品名「コーンスターチY」;表中、「B-1」)100重量部、水溶性多糖類であるプルラン(林原社製;表中、「E-1」)1重量部、その他の成分としてトレハロース(林原社製;表中、「F-1」)1重量部を投入し、回転数30rpmで攪拌羽根を攪拌させながら、6分間の攪拌処理を行い、粉体混合物Aを得た。
これとは別に、1Lのプラ容器に、水13部、界面活性剤としてのポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル(太陽化学社製、商品名「チラバゾールH818」;表中、「C-1」)2重量部、でんぷん用可塑剤としてのグリセリン(林純薬工業社製、表中;「D-1」)2重量部を計りとり、室温下で十分攪拌して、水分散混合物Bを得た。
粉体用ニーダー中の粉体混合物Aに対し、回転数30rpmで攪拌羽根を攪拌させながら、水分散混合物Bを徐々に添加し、水分散混合物Bの全量を配合した後、更に6分間の攪拌処理を行い、粉体混合物Aと水分散混合物Bの混合物(混合物C)を得た。
混合物Cを、ディスクペレッター(ダルトン社製、商品名「ディスクペレッターF-5/11-175;容量:5L」)に投入し、ペレット状のでんぷん造粒物を得た。この際、ダイスの孔径を3mmφとし、ダイスプレートの厚みを15mmとし、ダイス孔の有効長を10mmとし、ディスペレッターのローラーの回転数を108rpmとし、でんぷん造粒物(MB-1)を得た。
得られたでんぷん造粒物(MB-1)の造粒直後の温度を接触式熱電対で測定したところ、55℃であった。また、赤外線水分計(ケット科学研究所製 FD-660)を用いて、でんぷん造粒物に残存する水分量(単位:重量%)を測定した。水分量を測定したところ、23.4重量%であった。
[製造例2~6]でんぷん造粒物MB-2~MB-6の製造
表1に示すでんぷん、でんぷん用滑剤(界面活性剤および/またはでんぷん用可塑剤)、水溶性多糖類、その他の成分を、表1に示す配合量(表中単位:重量部)で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、でんぷん造粒物MB-2~MB-6を得た。
製造例1~6で用いた各成分の具体的な内容は、表3に示す通りである。
なお、表1の構成比は、でんぷん造粒物を製造する際の仕込み組成を示す。
また、表2に、最終的なでんぷん造粒物の水分量を測定し、水分を差し引いた後の配合比率から算出したでんぷん造粒物の構成比(重量%)を示す。ここで、表2におけるでんぷん構成比は、「乾燥でんぷん」としての構成比である。上記赤外線水分計を用いて、でんぷん原料であるコーンスターチY「B-1」とコーンアルファY「B-2」の水分量を測定したところ、いずれも13重量%であった。
Figure 2022100472000002
Figure 2022100472000003
Figure 2022100472000004
[実施例1]
PBAT樹脂(BASF社製、商品名「エコフレックスF Blend C1200」、MFR3.8g/10min;表中、「A-1」)60重量部と、でんぷん造粒物(MB-1)40重量部とを、二軸押出機(東芝機械社製、商品名「TEM37SS」、L/D=48)に投入して、連続的に溶融混練を行い、でんぷん含有樹脂組成物のペレットを製造した。
PBAT樹脂とでんぷん造粒物MB-1は、それぞれ独立に、重量式フィーダーを介して、定量的に二軸押出機に押出機の最上流部のホッパー位置から投入した。
押出機のシリンダー温度は、押出機の前段部を140℃、中段部を120℃、後段部を140℃に設定した。
また、押出機の中流部のバレル上部にオープンベント口を設け開放脱揮させ、更に、下流部のバレル上部2カ所に、ベント口を2カ所設けて、-90kPaで減圧脱揮を行った。
二軸押出機の設定条件(吐出速度、主スクリューの回転数、押出機負荷、溶融樹脂温度)は表4に示す通りである。溶融混練された樹脂組成物は2穴の3mmφのダイス口から、ストランド状に押し出され、水冷バスで冷却し、長さ約3mmのペレットとした。なお、設定条件の詳細は下記のとおりである。
<二軸押出機の設定条件>
(a)樹脂組成物の吐出速度(単位:kg/Hr)
時間当たりのコンパウンド樹脂組成物の吐出量である。

(b)押出機スクリュー回転数(単位:rpm)
二軸押出機のスクリュー回転数である。

(c)押出機負荷(単位:%)
二軸押出機、単軸押出機の実測の動力負荷%(許容最大モーター負荷に対する割合)の表示値である。

(d)ダイス部での溶融樹脂温度(単位:℃)
ダイスから押し出される樹脂組成物の温度を接触式熱電対で測定した。
[実施例2、3]
表4に示すとおり、PBAT樹脂とでんぷん造粒物MB-1の配合比率を変更した以外は、実施例1と同様にして、でんぷん含有樹脂組成物のペレットを得た。
[実施例4]
PBAT樹脂に代えて、ポリ乳酸(PLA;ネイチャー・ワークス社製、商品名「Ingeo 4032D」;融点155~170℃;表中、「A-2」)を用い、押出機のシリンダー温度を押出機の中段部以降を200℃に設定したこと以外は実施例1と同様にして、でんぷん含有樹脂組成物のペレットを得た。
[実施例5~9]
表4に示すでんぷん造粒物を、表4に示す配合量で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、でんぷん含有樹脂組成物のペレットを得た。
[実施例10]
表2に示すとおり、二軸押出機の設定条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、でんぷん含有樹脂組成物のペレットを得た。
実施例10では、吐出速度を実施例1の2倍の40kg/Hrとしているが、でんぷん分散性に優れた樹脂組成物が得られている。
[実施例11]
製造例1と同様に、でんぷん「B-1」100重量部、トレハロース「F-1」1重量部を投入し、粉体混合物Aを調製し、これとは別に、1Lのプラ容器に、水7部、ポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル「C-1」2重量部、グリセリン「D-1」2重量部を計りとり、室温下で十分攪拌して、水分散混合物Bを得た。
粉体用ニーダー中の粉体混合物Aに対し、回転数30rpmで攪拌羽根を攪拌させながら、水分散混合物Bを徐々に添加し、水分散混合物Bの全量を配合した後、更に6分間の攪拌処理を行い、粉体混合物Aと水分散混合物Bの混合物(混合物C)を得た。
この混合物Cを、でんぷん造粒物(MB-1)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、表4に示す配合比で、二軸押出機に投入して、連続的に溶融混練を行い、でんぷん含有樹脂組成物のペレットを製造した。
[比較例1]
PBAT樹脂「A-1」60重量部と、でんぷん粉末「B-1」40重量部と、水6重量部とを含む混合物を、二軸押出機に投入して、連続的に溶融混練を行い、でんぷん含有樹脂組成物のペレットを製造した。
上記混合物は、押出機のトップ位置から供給した。吐出速度と主スクリューの回転数は実施例1と同じとした。
得られたでんぷん樹脂組成物ではでんぷん粉末の凝集物が多く見られた。
[比較例2]
吐出速度を30kg/Hrとしたこと以外は、比較例1と同様にして、でんぷん含有樹脂組成物のペレットを製造したが、原料投入口で、でんぷん粉末「B-1」のブリッジが生じてしまい、押出機供給においての押出機への食い込み不良が発生して、安定にペレットを得ることができなかった。
本発明においては、所定の組成によりでんぷん含有樹脂組成物を調製することにより、でんぷんのフィードネックが解消され、高生産性で当該でんぷん含有樹脂組成物を得ることができる。また、でんぷんの分散性に優れるでんぷん含有樹脂組成物を得ることができる。
[参考例1]
PBAT樹脂「A-1」の評価結果を示す。
<評価>
実施例、比較例で得られたでんぷん含有樹脂組成物、および参考例1を以下の評価に供した。結果を表4に示す。

(1)樹脂組成物中のおけるでんぷんの分散性
樹脂組成物のペレットを熱プレスで圧延し、面積50mm×50mm、厚み約0.1mmのシートとする。当該シートを透かして、でんぷん凝集物の残存を目視観察し、以下の基準で評価した。
AA:でんぷんの凝集物がほとんど観察されない良好な分散性状態(JIS-P8208準拠のパルプ-きょう雑物測定図表に基づき、0.3mm以上の投影断面積を有するでんぷん凝集物の個数が4個以下)
A:比較的小さなでんぷんの凝集が微量残存する状態(上記0.3mm以上の投影断面積を有するでんぷん凝集物の個数が5個以上10個未満)
BB:比較的小さなでんぷんの凝集物がかなり多く残存する状態(上記0.3mm以上の投影断面積を有するでんぷん凝集物の個数が10個以上20個未満)
B:でんぷんの凝集物が大きい状態(上記0.3mm2以上の投影断面積を有するでんぷん凝集物の個数が20個以上)
(分散状態の序列: AA>A>BB>B (左良好))
実施例1および実施例4における上記シートの外観写真を図1に示す。

(2)樹脂組成物中のブリードアウト性
上記でんぷんの分散性の評価で用いた、厚み約0.1mmのシートを、常温下で1か月間放置し、シート表面のブリード物の発生の有無を目視観察し、以下の基準で評価した。
AA:シート表面にブリード物は観察されない状態
A: シート表面に極少量のブリード物が観察される状態
BB:シート表面にややブリード物が観察される状態
B:シート表面にブリード物が明確に観察される状態
(ブリードアウト性の序列: AA>A>BB>B (左良好))

(3)樹脂組成物中のMFR(単位:g/10min)
樹脂組成物のペレットを用い、以下の条件(ISO1133準拠)でMFRの測定を行った。
PBAT樹脂: 190℃、5kg荷重の条件
PLA樹脂: 190℃、2.16kg荷重の条件

(4)引張測定
ISO527に準拠し、引っ張り速度5mm/minにて、でんぷん含有樹脂組成物の引張破断強度(単位:MPa)、及び破断伸び(単位:%)を測定した。
尚、測定用の試験片について、樹脂組成物のペレットを90℃で10時間乾燥させた後、射出成型機(東洋機械金属社製SI-80W)を使用し、ダンベル型試験片(1A型多目的試験片)の成形を行った。成形条件として、PBAT樹脂組成物の場合(参考例1を含む)は、シリンダー設定温度150℃、金型温度40℃(固定側、稼働側共に)、冷却時間30秒で、PLA樹脂組成物(実施例4)の場合は、シリンダー設定温度200℃、金型温度110℃(固定側、稼働側共に)、冷却時間160秒でダンベル型試験片の成形を行った。

(5)比重
比重計(新光電子社製、DMA220H)により、樹脂組成物の比重を測定した。
Figure 2022100472000005
表4から明らかなように、本発明によれば、高濃度にでんぷんを含有していながらも、でんぷんの分散性に優れる樹脂組成物を高い生産性で得ることができる。

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂と、でんぷんと、でんぷん用滑剤とを含む、でんぷん含有樹脂組成物であって、
    該でんぷん用滑剤が、界面活性剤およびでんぷん用可塑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    該でんぷん含有樹脂組成物中、該でんぷんの含有割合は、10重量%~70重量%であり、
    該でんぷん含有樹脂組成物から形成された厚み0.1mmプレス平板を形成したとき、該プレス平板の表面において観察される0.3mm以上のきょう雑物が、面積2500mm範囲あたり、4個以下となる、
    でんぷん含有樹脂組成物。
  2. 水溶性多糖類をさらに含む、請求項1に記載のでんぷん含有樹脂組成物。
  3. 前記水溶性多糖類の含有割合が、前記でんぷん含有樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、0.01重量部~5重量部である、請求項2に記載のでんぷん含有樹脂組成物。
  4. 前記水溶性多糖類が、プルランおよびデキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2または3に記載のでんぷん含有樹脂組成物。
  5. 前記でんぷん用滑剤の含有量が、前記でんぷん含有樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、0.01重量部~5重量部である、請求項1から3のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物。
  6. 前記界面活性剤が、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から5のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物。
  7. 前記でんぷん用可塑剤が、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から6のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物。
  8. 前記でんぷんが、α化でんぷんである、請求項1から7のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物。
  9. 熱可塑性樹脂とでんぷん造粒物とを溶融混練することを含み、
    該でんぷん造粒物が、前記でんぷんと前記でんぷん用滑剤と水溶性多糖類とを含み、
    該該水溶性多糖類の含有割合が、該でんぷん100重量部に対して、0.1重量部~10重量部であり、
    該でんぷん用滑剤の含有割合が、該でんぷん100重量部に対して、0.1重量部~10重量部である、
    請求項1から8のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物の製造方法。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物から形成された、射出成形体。
  11. 請求項1から8のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物から形成された、シート。
  12. 請求項1から8のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物から形成された、フィルム。
  13. 請求項1から8のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物から形成された、シート状賦形物。
  14. 請求項1から8のいずれかに記載のでんぷん含有樹脂組成物から形成された、発泡成形体。




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