JP2022099151A - 電気加熱型担体及び排気ガス浄化装置 - Google Patents

電気加熱型担体及び排気ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属端子と柱状ハニカム構造体との接合信頼性が改善された電気加熱型担体を提供する。【解決手段】外周側面と、外周側面の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有する導電性の柱状ハニカム構造体;前記ハニカム構造体の外周側面上に直接又は中間層を介して配設された一つ又は複数の下地層;及び、前記一つ又は複数の下地層に接合された金属端子;を備えた電気加熱型担体であって、各下地層は、前記金属端子に接触し、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として非晶質酸化物を主成分として含有する第1の下地層と、前記第1の下地層に隣接し、且つ、外周壁又は中間層に接触し、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として結晶質酸化物を主成分として含有する第2の下地層と、を備えた積層構造を有する電気加熱型担体。【選択図】図1C

Description

本発明は、電気加熱型担体に関する。また、本発明は電気加熱型担体を利用した排気ガス浄化装置に関する。
近年、エンジン始動直後の排気ガス浄化性能の低下を改善するため、電気加熱触媒(EHC)が提案されている。EHCにおいては、触媒効果を十分に得られるようにするために、柱状ハニカム構造体内での温度ムラを少なくして均一な温度分布にすることが望まれている。
柱状ハニカム構造体に電流を流すためには端子と電気的接続をする必要がある。柱状ハニカム構造体と端子の接合方法としては、溶接、ロウ付けなどがある。しかしながら、端子は金属製であることが一般的であるところ、セラミックス製の柱状ハニカム構造体とは材質が異なる。このため、熱膨張差により接合部位にクラックが入りやすいという問題があった。自動車の排気管内等のように高温酸化雰囲気で使用される用途においては、高温環境下での柱状ハニカム構造体と金属端子の機械的及び電気的接合信頼性の確保が要求される。
そこで、このような問題に対し、特許文献1(特開2020-153366号公報)では、柱状ハニカム構造体を構成するセラミックスと金属端子の間の熱膨張差を緩和すべく、金属端子と柱状ハニカム構造体の間にセラミックスと金属を含有する溶接下地層を設けることが提案されている。また、当該文献には、金属を40体積%以下含有する溶接下地層が、金属を40体積%以上含有する溶接部位を介して、金属端子に接続されることが記載されている。
特開2020-153366号公報
特許文献1の柱状ハニカム構造体は、熱膨張率の低い導電性セラミックス製の柱状ハニカム構造体から熱膨張率の高い金属端子に向かって、金属比率を段階的に上昇させるバッファーを複数配置することで、熱膨張率を段階的に上昇させ、クラックを抑制することを狙った発明といえる。しかしながら、バッファーに使用する材料種や材料比率等を変更すると、体積抵抗率及び比熱が変化してしまう。このため、複数のバッファー間で通電時の温度上昇速度が異なり、材料比率を変更した界面で熱応力が発生してクラックにつながる場合があった。このため、柱状ハニカム構造体と金属端子の間の接合信頼性には未だ改善の余地が残されている。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、一実施形態において、金属端子と柱状ハニカム構造体との接合信頼性が改善された電気加熱型担体を提供することを課題とする。また、本発明は別の一実施形態において、そのような電気加熱型担体を備える排気ガス浄化装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下に例示される本発明によって解決される。
[1]
外周側面と、外周側面の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する導電性の柱状ハニカム構造体、
前記ハニカム構造体の外周側面上に直接又は中間層を介して配設された一つ又は複数の下地層、及び、
前記一つ又は複数の下地層に接合された金属端子、
を備えた電気加熱型担体であって、
各下地層は、
前記金属端子に接触し、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として非晶質酸化物を主成分として含有する第1の下地層と、
前記第1の下地層に隣接し、且つ、前記外周側面又は前記中間層に接触し、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として結晶質酸化物を主成分として含有する第2の下地層と、を備えた積層構造を有する、
電気加熱型担体。
[2]
[1]に記載の電気加熱型担体と、
前記電気加熱型担体を収容する筒状の金属管と、を備える排気ガス浄化装置。
本発明の一実施形態によれば、金属端子とハニカム構造体との接合信頼性が改善された電気加熱型担体を提供することができる。この電気加熱型担体は、例えば排気ガス浄化装置の触媒担体として使用することが可能である。
本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体を一方の端面から観察したときの模式図である。 本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体の模式的な斜視図である。 本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体について、外周壁、電極層、下地層及び金属端子の積層構造を説明するための模式的な断面図である。 本発明の実施形態2に係る電気加熱型担体を一方の端面から観察したときの模式図である。 本発明の実施形態2に係る電気加熱型担体の模式的な斜視図である。 本発明の実施形態2に係る電気加熱型担体について、外周壁、電極層、中間層、下地層及び金属端子の積層構造を説明するための模式的な断面図である。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
<実施形態1>
(1.電気加熱型担体)
図1Aは、本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100を一方の端面116から観察したときの模式図である。図1Bは、本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100の模式的な斜視図である。
電気加熱型担体100は、
外周側面114と、外周側面114の内側に配設され、一方の端面116から他方の端面118まで流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113と、を有する導電性の柱状ハニカム構造体110;
柱状ハニカム構造体110の外周側面114上に直接配設された一つ又は複数の下地層120;及び、
一つ又は複数の下地層120に接合された金属端子130を備える。
電気加熱型担体100に触媒を担持することにより、電気加熱型担体100を触媒体として使用することができる。複数のセル115には、例えば、自動車排ガス等の流体を流すことができる。触媒としては、例えば、貴金属系触媒又はこれら以外の触媒が挙げられる。貴金属系触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)といった貴金属をアルミナ細孔表面に担持し、セリア、ジルコニア等の助触媒を含む三元触媒や酸化触媒、又は、アルカリ土類金属と白金を窒素酸化物(NOx)の吸蔵成分として含むNOx吸蔵還元触媒(LNT触媒)が例示される。貴金属を用いない触媒として、銅置換又は鉄置換ゼオライトを含むNOx選択還元触媒(SCR触媒)等が例示される。また、これらの触媒から選択される2種以上の触媒を用いてもよい。なお、触媒の担持方法についても特に制限はなく、従来、柱状ハニカム構造体に触媒を担持する担持方法に準じて行うことができる。
(1-1.ハニカム構造体)
柱状ハニカム構造体110は、外周側面114と、外周側面114の内側に配設され、一方の端面116から他方の端面118まで流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113とを有する。外周側面114は、外周壁112aの外表面によって構成されることができる。また、外周壁112a上に電極層112bが配設されているときは、外周側面114は、電極層112bの外表面によって構成されることができる。
柱状ハニカム構造体110の外形は柱状である限り特に限定されず、例えば、端面が円形の柱状(円柱形状)、端面がオーバル形状の柱状、端面が多角形(四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)の柱状等の形状とすることができる。また、柱状ハニカム構造体110の大きさは、耐熱性を高める(外周側面の周方向に入るクラックを抑制する)という理由により、一つの端面の面積が2000~20000mm2であることが好ましく、5000~15000mm2であることが更に好ましい。
外周壁112a上には、外周壁112aよりも体積抵抗率の低い電極層112bが配設されることで、電流が柱状ハニカム構造体110の周方向及びセル115の延伸方向に広がりやすくなるので、柱状ハニカム構造体110の均一発熱性を高めることが可能となる。電極層112bは外周壁112aの外表面上に一箇所配設してもよく、複数個所配設してもよい。従って、好ましい実施形態において、外周側面114の一部は、柱状ハニカム構造体110の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層112bによって構成される。具体的には、セル115に垂直な断面において、一対の電極層112bのそれぞれの周方向中心から柱状ハニカム構造体110の中心軸Oまで延ばした二つの線分のなす角度θ(0°≦θ≦180°)は、150°≦θ≦180°であることが好ましく、160°≦θ≦180°であることがより好ましく、170°≦θ≦180°であることが更により好ましく、180°であることが最も好ましい。但し、電極層112bは必須ではない。従って、外周側面114は、電極層112bを有さず、外周壁112aのみで構成されることもできる。
柱状ハニカム構造体110に外周壁112aを設けることは、柱状ハニカム構造体110の構造強度を確保し、また、セル115を流れる流体が外周側面から漏洩するのを抑制する観点で有用である。この点で、外周壁112aの厚みは好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.15mm以上であり、更により好ましくは0.2mm以上である。但し、外周壁112aを厚くしすぎると高強度になりすぎてしまい、隔壁113との強度バランスが崩れて耐熱衝撃性が低下することから、外周壁112aの厚みは好ましくは1.0mm以下であり、より好ましくは0.7mm以下であり、更により好ましくは0.5mm以下である。ここで、外周壁112aの厚みは、厚みを測定しようとする外周壁112aの箇所をセル115の延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における外周壁112aの外表面の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
電極層112bの形成領域に特段の制約はないが、柱状ハニカム構造体110の均一発熱性を高めるという観点からは、電極層112bはそれぞれ、外周壁112aの外表面上で柱状ハニカム構造体110の周方向及びセル115の延伸方向に帯状に延設することが好ましい。具体的には、セル115の延伸方向に垂直な断面において、各電極層112bの周方向の両側端と中心軸Oとを結ぶ2本の線分が作る中心角αは、電流を周方向に広げて均一発熱性を高めるという観点から、30°以上であることが好ましく、40°以上であることがより好ましく、60°以上であることが更により好ましい。但し、中心角αを大きくし過ぎると、柱状ハニカム構造体110の内部を通過する電流が少なくなり、外周壁112a付近を通過する電流が多くなる。そこで、当該中心角αは、柱状ハニカム構造体110の均一発熱性の観点から、140°以下であることが好ましく、130°以下であることがより好ましく、120°以下であることが更により好ましい。また、電極層112bはそれぞれ、柱状ハニカム構造体110の両端面間の長さの80%以上の長さに亘って、好ましくは90%以上の長さに亘って、より好ましくは全長に亘って延びていることが望ましい。電極層112bは単層で構成されていてもよく、複数層が積層された積層構造を有することもできる。
電極層112bの厚みは、0.01~5mmであることが好ましく、0.01~3mmであることが更に好ましい。このような範囲とすることにより均一発熱性を高めることができる。電極層112bの厚みが0.01mm以上であると、電気抵抗が適切に制御され、より均一に発熱することができる。5mm以下であると、キャニング時に破損する恐れが低減される。電極層112bの厚みは、厚みを測定しようとする電極層112bの箇所をセル115の延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における電極層112bの外表面の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
電極層112bの体積抵抗率を隔壁113及び外周壁112aの体積抵抗率より低くすることにより、電極層112bに優先的に電気が流れやすくなり、通電時に電気が柱状ハニカム構造体110の周方向及びセル115の延伸方向に広がりやすくなる。電極層112bの体積抵抗率は、柱状ハニカム構造体110及び外周壁112aの体積抵抗率の1/10以下であることが好ましく、1/20以下であることがより好ましく、1/30以下であることが更により好ましい。但し、両者の体積抵抗率の差が大きくなりすぎると対向する電極層112bの端部間に電流が集中して柱状ハニカム構造体110の発熱が偏ることから、電極層112bの体積抵抗率は、隔壁113及び外周壁112aの体積抵抗率の1/200以上であることが好ましく、1/150以上であることがより好ましく、1/100以上であることが更により好ましい。本発明において、電極層、隔壁及び外周壁の体積抵抗率は、四端子法により25℃で測定した値とする。
電極層112bの材質は、限定的ではないが、金属とセラミックス(とりわけ導電性セラミックス)との複合材(サーメット)を使用することができる。金属としては、例えばCr、Fe、Co、Ni、Si又はTiの単体金属又はこれらの金属から選択される少なくとも一種の金属を含有する合金が挙げられる。セラミックスとしては、限定的ではないが、炭化珪素(SiC)の他、珪化タンタル(TaSi2)及び珪化クロム(CrSi2)等の金属珪化物等の金属化合物が挙げられる。金属とセラミックスとの複合材(サーメット)の具体例としては、金属珪素と炭化珪素の複合材、珪化タンタルや珪化クロム等の金属珪化物と金属珪素と炭化珪素の複合材、更には上記の一種又は二種以上の金属に熱膨張低減の観点から、アルミナ、ムライト、ジルコニア、コージェライト、窒化珪素及び窒化アルミ等の絶縁性セラミックスを一種又は二種以上添加した複合材が挙げられる。電極層112bの材質としては、上記の各種金属及びセラミックスの中でも、珪化タンタルや珪化クロム等の金属珪化物と金属珪素と炭化珪素の複合材とすることが、隔壁及び外周壁と同時に焼成できるので製造工程の簡素化に資するという理由により好ましい。
外周壁112a及び隔壁113は、電極層112bよりも体積抵抗率は高いものの導電性を有する。外周壁112a及び隔壁113の体積抵抗率は、通電してジュール熱により発熱可能である限り特に制限はないが、0.1~200Ωcmであることが好ましく、1~200Ωcmであることがより好ましく、10~100Ωcmであることが更に好ましい。
外周壁112a及び隔壁113の材質は、通電してジュール熱により発熱可能である限り特に材質に制限はなく、金属やセラミックス(とりわけ導電性セラミックス)等を単独で又は組み合わせて使用可能である。外周壁112a及び隔壁113の材質としては、限定的ではないが、アルミナ、ムライト、ジルコニア及びコージェライト等の酸化物系セラミックス、炭化珪素、窒化珪素及び窒化アルミ等の非酸化物系セラミックスの一種又は二種以上を含有することができる。また、炭化珪素-金属珪素複合材や炭化珪素/グラファイト複合材等を用いることもできる。これらの中でも、耐熱性と導電性の両立の観点から、外周壁112a及び隔壁113の材質は、珪素-炭化珪素複合材又は炭化珪素を主成分とすることが好ましく、珪素-炭化珪素複合材又は炭化珪素であることが更に好ましい。外周壁112a及び隔壁113の材質が、珪素-炭化珪素複合材を主成分とするものであるというときは、外周壁112a及び隔壁113がそれぞれ、珪素-炭化珪素複合材(合計質量)を、全体の90質量%以上含有していることを意味する。ここで、珪素-炭化珪素複合材は、骨材としての炭化珪素粒子、及び炭化珪素粒子を結合させる結合材としての珪素を含有するものであり、複数の炭化珪素粒子が、炭化珪素粒子間に細孔を形成するようにして、珪素によって結合されていることが好ましい。外周壁112a及び隔壁113の材質が、炭化珪素を主成分とするものであるというときは、外周壁112a及び隔壁113がそれぞれ、炭化珪素(合計質量)を、全体の90質量%以上含有していることを意味する。
外周壁112a及び隔壁113が、珪素-炭化珪素複合材を含んでいる場合、外周壁112a及び隔壁113に含有される「骨材としての炭化珪素粒子の質量」と、外周壁112a及び隔壁113に含有される「結合材としての珪素の質量」との合計に対する、外周壁112a及び隔壁113に含有される「結合材としての珪素の質量」の比率はそれぞれ、10~40質量%であることが好ましく、15~35質量%であることが更に好ましい。10質量%以上であると、外周壁112a及び隔壁113の強度が十分に維持される。40質量%以下であると、焼成時に形状を保持しやすくなる。
セル115の延伸方向に垂直な断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形、六角形、八角形、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これ等のなかでも、四角形及び六角形が好ましい。セル形状をこのようにすることにより、柱状ハニカム構造体110に排ガスを流したときの圧力損失が小さくなり、触媒の浄化性能が優れたものとなる。構造強度及び加熱均一性を両立させやすいという観点からは、正方形が特に好ましい。
セル115は一方の端面116から他方の端面118まで貫通していてもよい。また、セル115は、一方の端面116が目封止されており他方の端面118が開口を有する第1セルと、一方の端面116が開口を有し他方の端面118が目封止されている第2セルとが隔壁113を挟んで交互に隣接配置されていてもよい。
セル115を区画形成する隔壁113の厚みは、0.1~0.3mmであることが好ましく、0.15~0.25mmであることがより好ましい。隔壁113の厚みが0.1mm以上であることで、柱状ハニカム構造体110の強度が低下するのを抑制可能である。隔壁113の厚みが0.3mm以下であることで、柱状ハニカム構造体110を触媒担体として用いて、触媒を担持した場合に、排ガスを流したときの圧力損失が大きくなるのを抑制できる。本発明において、隔壁113の厚みは、セル115の延伸方向に垂直な断面において、隣接するセル115の重心同士を結ぶ線分のうち、隔壁113を通過する部分の長さとして定義される。
柱状ハニカム構造体110は、セル115の延伸方向に垂直な断面において、セル密度が40~150セル/cm2であることが好ましく、70~100セル/cm2であることが更に好ましい。セル密度をこのような範囲にすることにより、柱状ハニカム構造体110に排ガスを流したときの圧力損失を小さくした状態で、触媒の浄化性能を高くすることができる。セル密度が40セル/cm2以上であると、触媒担持面積が十分に確保される。セル密度が150セル/cm2以下であると柱状ハニカム構造体110を触媒担体として用いて、触媒を担持した場合に、排ガスを流したときの圧力損失が大きくなりすぎることが抑制される。セル密度は、外側壁112部分を除く柱状ハニカム構造体110の一つの端面の面積でセル数を除して得られる値である。
隔壁113はSi含浸SiCの形態等のように緻密質でもよいが、多孔質とすることが好ましい。隔壁113の気孔率は、35~60%であることが好ましく、35~45%であることが更に好ましい。気孔率が35%以上であると、焼成時の変形をより抑制しやすくなる。気孔率が60%以下であると柱状ハニカム構造体110の強度が十分に維持される。気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。なお、緻密質というのは気孔率が5%以下のことを指す。
隔壁113の平均細孔径は、2~15μmであることが好ましく、4~8μmであることが更に好ましい。平均細孔径が2μm以上であると、体積抵抗率が大きくなりすぎることが抑制される。平均細孔径が15μm以下であると、体積抵抗率が小さくなりすぎることが抑制される。平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
(1-2.下地層)
実施形態1において、一つ又は複数の下地層120は、外周側面114上に直接配設される。下地層120は、柱状ハニカム構造体110が外周壁112a上に電極層112bを有する場合は、電極層112bに接触するように配設することが好ましい。一方、下地層120は、柱状ハニカム構造体110が電極層112bを有しない場合は、外周壁112aに接触するように配設される。
下地層120を設ける領域及び数には制限はないが、すべての金属端子130が下地層120を介して柱状ハニカム構造体110に接合されるのに必要な領域及び数を用意することが好ましい。一実施形態において、図1Bに示すように、一つの下地層120の上に金属端子130との接合箇所を一つ形成することができる。別法として、一つの下地層120の上に金属端子130との接合箇所を複数形成してもよい。
図1Cには、本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100について、外周壁112a、電極層112b、下地層120及び金属端子130の積層構造を説明するための模式的な断面図が示されている。
下地層120は、
金属端子130に接触し、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として非晶質酸化物を主成分として含有する第1の下地層120aと、
第1の下地層120aに隣接し、且つ、外周壁112aに接触し、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として結晶質酸化物を主成分として含有する第2の下地層120bと、
を備えた積層構造を有する。
酸化物は、結晶状態と非晶質状態の間で体積抵抗率及び比熱に実質的な変化は見られない一方で、熱膨張率が有意に変化する。一般に、非晶質酸化物は結晶質酸化物に比べ熱膨張率が高い。このため、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として非晶質酸化物を主成分として含有する第1の下地層120aが金属端子130に接触し、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として結晶質酸化物を主成分として含有する第2の下地層120bが外周壁112aに接触するように両者が配置されることで、熱膨張率は金属端子130→第1の下地層120a→第2の下地層120b→外周壁112aの順に段階的に小さくなる。これにより、柱状ハニカム構造体の外周壁112aと金属端子130の間の熱膨張差を緩和することができ、ひいては柱状ハニカム構造体の外周壁112aと金属端子130の間の接合信頼性の改善を図ることができる。本明細書において、「熱膨張率」というときは、特に断りのない限り、25℃から1000℃まで変化させたときのJIS Z2285:2003に従って測定される線膨張係数を意味する。
一実施形態において、25℃から1000℃まで変化させたときのJIS Z2285:2003に従って測定される線膨張係数について、第1の下地層120aにおける線膨張係数α1と、第2の下地層120bにおける線膨張係数α2は、3.0≧α1/α2≧1.2の関係を満たすことができる。但し、α1/α2が過度に大きくなると第1の下地層120aと第2の下地層120bの境界でクラックが生じるおそれがあることから、好ましくは、2.0≧α1/α2≧1.2の関係を満たし、より好ましくは1.7≧α1/α2≧1.2の関係を満たす。
一実施形態において、25℃から1000℃まで変化させたときのJIS Z2285:2003に従って測定される線膨張係数について、第2の下地層120bにおける線膨張係数α2と、第2の下地層120bが接触する外周側面を構成する部材(外周壁112a又は電極層112b)における線膨張係数α3は、2.0≧α2/α3≧1.0の関係を満たすことができる。但し、α2/α3が過度に大きくなると第2の下地層120bと外周壁112aの境界でクラックが生じるおそれがあることから、好ましくは2.0≧α2/α3≧1.2の関係を満たし、より好ましくは2.0≧α2/α3≧1.3の関係を満たす。
第1の下地層120aと第2の下地層120bはそれぞれ、結晶質酸化物及び非晶質酸化物の両者を含有してもよいが、第1の下地層120aは、酸化物における主成分として非晶質酸化物を含有し、第2の下地層120bは、酸化物における主成分として結晶質酸化物を含有する。酸化物における主成分とは、酸化物中の50体積%超を占める成分を意味し、好ましくは70体積%以上である。
第1の下地層120a及び第2の下地層120bにおける酸化物中の結晶質酸化物の体積比率及び非晶質酸化物の体積比率は、以下の方法により測定可能である。接合部位、典型的には溶接部位131の重心を通り、セル115の延伸方向に平行な切断線により、下地層120を厚み方向に切断し、下地層断面のSEM画像を得て、SEM画像上で最も明度の高い領域を明度100%とし、最も明度の低い領域を明度0%とし、明度90%以上の箇所を金属とし、明度10%以下の箇所を空隙とすることで、当該SEM画像から金属部及び空隙部を除いた部分を酸化物とみなす。酸化物の領域が特定されたSEM画像において、画像の濃淡により、相対的に淡い色の領域を非晶質酸化物、相対的に濃い色領域を結晶質酸化物と判定する。判定した非晶質酸化物、結晶質酸化物の面積比率を体積比率とみなして、酸化物中の非晶質酸化物の体積比率と結晶質酸化物の体積比率とを算出する。また、酸化物の領域が特定されたSEM画像の濃淡による判別以外の方法として、下地層断面に対して、EBSD法を用いて結晶相分布を観察することにより、結晶質と非晶質の面積比率を算出することも可能である。
第1の下地層120a及び第2の下地層120bは、熱膨張率に差を有する一方で、体積抵抗率の差は小さいことが好ましい。本発明の一実施形態によれば、四端子法により測定される25℃における体積抵抗率(Ω・cm)について、第1の下地層120aにおける体積抵抗率ρ1と、第2の下地層120bにおける体積抵抗率ρ2が、1.0≦ρ1/ρ2≦1.5の関係を満たすことができる。好ましくは、1.0≦ρ1/ρ2≦1.3の関係を満たし、より好ましくは1.0≦ρ1/ρ2≦1.1の関係を満たす。
第1の下地層120aが含有する非晶質酸化物と、第2の下地層120bが含有する結晶質酸化物は、原子番号が同じ元素の酸化物であってもよいし、原子番号が異なる酸化物であってもよい。しかしながら、第1の下地層120a及び第2の下地層120bにおいて、体積抵抗率及び比熱の差を小さくしてクラック発生をより抑制する観点からは、第1の下地層120a及び第2の下地層120bで使用する酸化物は体積抵抗率及び比熱の差が小さい酸化物を使用することが望ましい。このことから、第1の下地層120aは、酸化物ガラス、カルコゲン化ガラスから選択される一種又は二種以上の非晶質酸化物を含有し、第2の下地層120bは、酸化物ガラス及びカルコゲン化ガラスから選択される一種又は二種以上の結晶質酸化物を含有することが好ましい。酸化物ガラスとしては、例えば、ホウケイ酸ガラスやアルミノケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ガラスが挙げられる。カルコゲン化ガラスとしては、例えば、Cu-Sb-S系ガラスやGe-As-Se系ガラス、GeO2-GeS2ガラスが挙げられる。より好ましい実施形態において、第1の下地層120aが含有する非晶質酸化物と、第2の下地層120bが含有する結晶質酸化物は共に、原子番号が同じ元素の酸化物である。同じ元素の酸化物であれば、体積抵抗率及び比熱は実質的に同一となるため、より好ましい。
第1の下地層120a及び第2の下地層120bはそれぞれ、限定的ではないが、Ni基合金、Fe基合金、Ti基合金、Co基合金、金属珪素、及びCrから選択される一種又は二種以上の金属を含有することが好ましい。より好ましくは、Ni基合金、Fe基合金、Ti基合金、又はCo基合金で構成される。これは耐酸化性の理由による。Ni基合金としては、インコネル、ハステロイが挙げられる。Fe基合金としては、SUS430等のステンレスが挙げられる。Ti基合金としては、JIS60種(ASTM B348 Gr5)が挙げられる。Co基合金としては、ステライトが挙げられる。これらの中でも、柱状ハニカム構造体との熱膨張係数差が少ない理由により、Fe基合金(例:フェライト系ステンレス鋼)が好ましい。第1の下地層120a及び第2の下地層120bが含有する金属の原子番号は同じでもよいし、異なっていてもよい。しかしながら、下地層間の熱膨張係数差を少なくする理由により、第1の下地層120a及び第2の下地層120bが共に、原子番号が同じ金属を含有することが好ましい。
好ましい実施形態においては、第1の下地層120aが、Fe基合金及び非晶質の酸化物ガラスで構成されており、第2の下地層120bが、Fe基合金及び結晶質の酸化物ガラスで構成されている。酸化物ガラスとしては、ホウケイ酸ガラスやアルミノケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ガラスが挙げられる。アルミノケイ酸塩ガラスとしては、例えば、Mg-Al-Si系酸化物が挙げられる。Fe基合金及び非晶質/結晶質の酸化物ガラスの組み合わせとしては、例えば、SUS430等のステンレスとMg-Al-Si系酸化物(例;MgO-Al23-SiO2)の組み合わせが好適である。
第1の下地層120a及び第2の下地層120bにおいて、体積抵抗率及び比熱の差を小さくしてクラック発生をより抑制する観点からは、第1の下地層120aにおける金属の体積濃度と、第2の下地層120bにおける金属の体積濃度とは、差が小さいことが望ましい。よって、好ましい実施形態において、第1の下地層120aにおける金属の体積濃度v1(%)と、第2の下地層120bにおける金属の体積濃度v2(%)が、0.7≦v1/v2≦1.6の関係を満たす。0.8≦v1/v2≦1.4の関係を満たすことがより好ましく、0.9≦v1/v2≦1.2の関係を満たすことが更により好ましい。
第1の下地層120a及び第2の下地層120bにおける金属の体積濃度(v1、v2)には特に制限はないが、例えば、20体積%~80体積%の範囲とすることができ、典型的には30体積%~70体積%の範囲とすることができる。下地層における金属の体積濃度は、溶接部位131の重心を通り、セル115の延伸方向に平行な切断線により、下地層120を厚み方向に切断し、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によって、下地層断面のSEM画像を得て、当該SEM画像を2値化処理することによって金属とそれ以外(主に酸化物及び空隙)に分け、SEM画像上で金属が占める面積率を金属の体積濃度とする。2値化処理は、閾値指定法で行う。SEM画像上で最も明度の高い領域を明度100%とし、最も明度の低い領域を明度0%とし、明度90%以上の箇所を金属とする。
金属端子130に接触している箇所における第1の下地層120aの厚みは、0.1~0.5mmであることが好ましく、0.3~0.5mmであることが更に好ましい。金属端子130に接触している箇所における第1の下地層120aの厚みが0.1mm以上であると、接合時の密着強度が安定して得られるという利点が得られる。金属端子130に接触している箇所における第1の下地層120aの厚みが0.5mm以下であると、第1の下地層120aと金属端子間の応力を抑制できるという利点が得られる。金属端子130に接触している箇所における第1の下地層120aの厚みは、厚みを測定しようとする第1の下地層120aをセルの延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における第1の下地層120aの外表面の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
第1の下地層120aに隣接している箇所における第2の下地層120bの厚みは、0.2~1.0mmであることが好ましく、0.4~0.6mmであることが更に好ましい。第1の下地層120aに隣接している箇所における第2の下地層120bの厚みが0.2mm以上であると、ハニカム構造体と第1の下地層間の応力を抑制できるという利点が得られる。第1の下地層120aに隣接している箇所における第2の下地層120bの厚みが1.0mm以下であると、下地層での電圧降下を少なくできるという利点が得られる。第1の下地層120aに隣接している箇所における第2の下地層120bの厚みは、厚みを測定しようとする第2の下地層120bをセルの延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における第2の下地層120bの外表面の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
(1-3.金属端子)
金属端子130は、一つ又は複数の下地層120に接合されている。金属端子130を介して柱状ハニカム構造体110に電圧を印加すると通電してジュール熱により柱状ハニカム構造体110を発熱させることが可能である。このため、柱状ハニカム構造体110はヒーターとしても好適に用いることができる。好ましい実施形態において、柱状ハニカム構造体110は外周壁112a上に、柱状ハニカム構造体110の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層112bを有しており、各電極層112bには下地層120を介して、一つ又は複数の金属端子130が接合されている。これにより、柱状ハニカム構造体110の均一発熱性を向上させることが可能となる。印加する電圧は12~900Vが好ましく、48~600Vが更に好ましいが、印加する電圧は適宜変更可能である。
金属端子130と下地層120の接合方法には、特に制限はないが、例えば、溶接、ロウ付が挙げられる。中でも、800℃以上に加熱しても接合部位の変質が少ないという理由により、溶接が好ましく、レーザー溶接がより好ましい。従って、好ましい実施形態において、金属端子130は、下地層120に接合している溶接部位131を有する。
金属端子130の材質としては、金属であれば特段の制約はなく、単体金属及び合金等を採用することもできるが、耐食性、体積抵抗率及び線膨張率の観点から例えば、Cr、Fe、Co、Ni及びTiよりなる群から選択される少なくとも一種を含む合金とすることが好ましく、ステンレス鋼及びFe-Ni合金がより好ましい。金属端子130の形状及び大きさは、特に限定されず、柱状ハニカム構造体110の大きさや通電性能等に応じて、適宜設計することができる。
一つの金属端子130は、一箇所又は二箇所以上の溶接部位131を介して電極層112bに接合することができる。一箇所当たりの溶接部位131の溶接面積を小さくする方が、熱膨張差による割れや剥離を抑制することができる点で好ましい。具体的には、一箇所当たりの溶接部位131の溶接面積は50mm2以下とすることが好ましく、45mm2以下とすることがより好ましく、40mm2以下とすることが更に好ましく、30mm2以下とすることが更により好ましい。但し、一箇所当たりの溶接部位131の溶接面積が過度に小さいと接合強度が確保できないため、2mm2以上とすることが好ましく、3mm2以上とすることがより好ましく、4mm2以上とすることが更により好ましい。
(2.製造方法)
次に、実施形態1に係る電気加熱型担体を製造する方法について例示的に説明する。実施形態1に係る電気加熱型担体は、柱状ハニカム成形体を得る工程A1と、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を得る工程A2と、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を焼成して柱状ハニカム構造体を得る工程A3と、柱状ハニカム構造体の電極層上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程A4と、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体に対して焼成処理を行い、第2の下地層付き柱状ハニカム構造体を得る工程A5と、第2の下地層の表層部分を第1の下地層に変化させる工程A6と、下地層に金属端子を接合する工程A7とを含む製造方法により製造可能である。
(工程A1)
工程A1は、柱状ハニカム構造体の前駆体である柱状ハニカム成形体する工程である。柱状ハニカム成形体の作製は、公知の柱状ハニカム構造体の製造方法における柱状ハニカム成形体の作製方法に準じて行うことができる。例えば、まず、炭化珪素粉末(炭化珪素)に、金属珪素粉末(金属珪素)、バインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して成形原料を作製する。炭化珪素粉末の質量と金属珪素粉末の質量との合計に対して、金属珪素粉末の質量が10~40質量%となるようにすることが好ましい。炭化珪素粉末における炭化珪素粒子の平均粒子径は、3~50μmが好ましく、3~40μmが更に好ましい。金属珪素粉末における金属珪素粒子の平均粒子径は、2~35μmであることが好ましい。炭化珪素粒子及び金属珪素粒子の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。炭化珪素粒子は、炭化珪素粉末を構成する炭化珪素の微粒子であり、金属珪素粒子は、金属珪素粉末を構成する金属珪素の微粒子である。なお、これは、ハニカム構造体の材質を、珪素-炭化珪素系複合材とする場合の成形原料の配合であり、ハニカム構造体の材質を炭化珪素とする場合には、金属珪素は添加しない。
バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。バインダの含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、2.0~10.0質量部であることが好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、0.1~2.0質量部であることが好ましい。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、グラファイト、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル等を挙げることができる。造孔材の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、0.5~10.0質量部であることが好ましい。造孔材の平均粒子径は、10~30μmであることが好ましい。造孔材の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。造孔材が吸水性樹脂の場合には、造孔材の平均粒子径は吸水後の平均粒子径のことである。
水の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、20~60質量部であることが好ましい。
次に、得られた成形原料を混練して坏土を形成した後、坏土を押出成形して、外周壁及び隔壁を有する柱状ハニカム成形体を作製する。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚み、セル密度等を有する口金を用いることができる。次に、得られた柱状ハニカム成形体について、乾燥を行うことが好ましい。柱状ハニカム成形体の中心軸方向長さが、所望の長さではない場合は、ハニカム成形体の両端部を切断して所望の長さとすることができる。乾燥後の柱状ハニカム成形体を柱状ハニカム乾燥体と呼ぶ。
工程A1の変形例として、柱状ハニカム成形体を一旦焼成してもよい。すなわち、この変形例では、柱状ハニカム成形体を焼成して柱状ハニカム焼成体を作製し、当該柱状ハニカム焼成体に対して工程A2を実施する。
(工程A2)
工程A2は、柱状ハニカム成形体の側面に電極層形成ペーストを塗布して、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を得る工程である。電極層形成ペーストは、電極層の要求特性に応じて配合した原料粉(金属粉末、及び、セラミックス粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。原料粉の平均粒子径は、限定的ではないが、例えば、5~50μmであることが好ましく、10~30μmであることがより好ましい。原料粉の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
次に、得られた電極層形成ペーストを、柱状ハニカム成形体(典型的には柱状ハニカム乾燥体)の側面の所要箇所に塗布し、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を得る。電極層形成ペーストを調合する方法、及び電極層形成ペーストを柱状ハニカム成形体に塗布する方法については、公知のハニカム構造体の製造方法に準じて行うことができるが、電極層を外周壁及び隔壁に比べて低い体積抵抗率にするために、外周壁及び隔壁よりも金属の含有比率を高めたり、原料粉中の金属粒子の粒径を小さくしたりすることができる。
(工程A3)
工程A3は、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を焼成して柱状ハニカム構造体を得る工程である。焼成前に、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を乾燥してもよい。また、焼成前に、バインダ等を除去するため、脱脂を行ってもよい。焼成条件としては、柱状ハニカム構造体の材質にもよるが、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、1400~1500℃で、1~20時間加熱することが好ましい。また、焼成後、耐久性向上のために、1200~1350℃で、1~10時間、酸化処理を行うことが好ましい。脱脂及び焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。
(工程A4)
工程A4は、柱状ハニカム構造体の電極層上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。下地層形成ペーストは、下地層の要求特性に応じて配合した原料粉(金属粉末、及び、酸化物粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。酸化物粉末としては結晶質酸化物粉末を使用することが好ましい。結晶質酸化物粉末としては、限定的ではないが、結晶質酸化物ガラス、結晶質Si系材料、結晶質カルコゲナイド材料が挙げられる。好ましくは、結晶質酸化物ガラスである。原料粉の平均粒子径は、限定的ではないが、例えば、2~40μmであることが好ましく、5~20μmであることがより好ましい。原料粉の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
下地層形成ペーストとして、第1の下地層形成ペースト及び第2の下地層形成ペーストを個別に用意しなくても一種類用意すれば足りる。後述するように、加熱処理により結晶質酸化物を非晶質酸化物に変化することで積層構造を構築可能だからである。但し、下地層形成ペーストとして、第1の下地層形成ペースト及び第2の下地層形成ペーストを個別に用意してもよい。
(工程A5)
工程A5は、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体に対して焼成処理を行い、第2の下地層付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。焼成条件としては、下地層の材質にもよるが、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、結晶質酸化物が非晶質酸化物に変化しない温度で加熱することが好ましい。例えば、結晶質酸化物として結晶質酸化物ガラスを使用する場合、1200℃付近で非晶質状態へと変化することから、それよりも低い温度で焼成することが望ましく、例えば、1000~1150℃で、2~6時間の焼成処理を行うことが好ましい。焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。
(工程A6)
工程A6は、第2の下地層の表層部分を第1の下地層に変化させる工程である。例示的には、第2の下地層の外表面に向かってレーザー照射を行うことで、第2の下地層に含まれる結晶質酸化物を非晶質酸化物に変化させ、第1の下地層を形成することができる。また、レーザー照射によれば、加熱後は急冷されるので、再結晶化を抑制し、非晶質酸化物の形態で存在させることができる。第1の下地層の厚みはレーザー照射の出力及び時間によって制御可能である。レーザー照射は、第2の下地層の表層部分が、第2の下地層に含まれる結晶質酸化物が非晶質酸化物に変化可能な温度に到達する条件で実施する。例えば、第2の下地層が結晶質酸化物として結晶質酸化物ガラスを含有する場合、1200℃付近で非晶質状態へと変化することから、それよりも高い温度、例えば、1200~1500℃の範囲に到達する条件でレーザー照射することが必要である。但し、レーザー照射を受けることで第2の下地層が著しく高温になると金属成分が融解して凝集したり、酸化物成分が、レーザー照射の際に酸化防止用に供給されているArガス等の不活性ガスによって、吹き飛んだりするおそれがある。例えば、第2の下地層が金属成分としてSUS430を含有する場合、約1500℃以上で融解する。結晶質酸化物として結晶質酸化物ガラスを含有する場合、約1400℃以上で酸化物が一部吹き飛ばされてしまう。この場合、第1の下地層における金属の体積濃度が上昇し、第2の下地層における金属の体積濃度の間に差が生じる。そこで、スポット径の小さいレーザーを高出力・短時間照射することを複数個所で繰り返すことにより、第2の下地層の過剰な温度上昇を抑制することが望ましい。例示的には、スポット径を0.1~0.3mm、レーザー出力を50~200W/mm2とし、一回のレーザー照射時間を0.1~1.5秒、より好ましくは0.75~1.5秒とすることができる。そして、一回分のレーザー照射が終了した後は照射箇所の温度が十分に冷却されてから次のレーザー照射を実施することが好ましい。
(工程A7)
工程A7は、下地層に金属端子を接合する工程である。接合方法としては、溶接、ロウ付けなどがあり、特に制限はないが、レーザー溶接が溶接面積の制御及び生産効率の観点から好ましい。レーザー溶接の方法としては、第1の下地層の外表面に金属端子を配置した状態で、金属端子側からレーザー照射を行い、第1の下地層に金属端子を溶接する方法が挙げられる。レーザー溶接時のレーザー出力は、高すぎると金属端子に穴が開き、低すぎると接合できない。そのため、金属が溶けすぎない程度の出力で下地層が溶ける温度になるようにレーザー出力を調節することが好ましい。金属端子の材質や厚みにもよるが、レーザー溶接時のレーザー出力は、例えば50~300W/mm2とすることができる。
以上、柱状ハニカム構造体の外周壁上に電極層が配設される場合の実施形態1に係る電気加熱型担体の製造方法について例示的に説明した。柱状ハニカム構造体の外周壁上に電極層が配設されない場合は、電極層の形成工程が省略された柱状ハニカム構造体を得て、柱状ハニカム構造体の外周壁上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得ればよい。以降の工程は上述した通りである。
(3.排気ガス浄化装置)
実施形態1に係る電気加熱型担体100は、排気ガス浄化装置に用いることができる。当該排気ガス浄化装置は、電気加熱型担体と、当該電気加熱型担体を収容する筒状の金属管とを有する。排気ガス浄化装置において、電気加熱型担体は、エンジンからの排ガスを流すための排ガス流路の途中に設置することができる。金属管としては、電気加熱型担体を収容する金属製の筒状部材等を用いることができる。
<実施形態2>
(1.電気加熱型担体)
図2Aは、本発明の実施形態2に係る電気加熱型担体200を一方の端面116から観察したときの模式図である。図2Bは、本発明の実施形態2に係る電気加熱型担体200の模式的な斜視図である。図2Cは、本発明の実施形態2に係る電気加熱型担体200について、外周壁112a、電極層112b、中間層140、下地層120及び金属端子130の積層構造を説明するための模式的な断面図である。図2A~図2Cにおいて、図1A~図1Cで示される符号と同一の符号が付与された構成要素は、実施形態1に係る電気加熱型担体100の説明で述べた通りであり、実施形態に関する説明も重複するので、特に断りのない限り説明を省略する。
実施形態2が実施形態1と異なる点は、実施形態1では一つ又は複数の下地層120が柱状ハニカム構造体110の外周側面114上に直接配設されているのに対して、実施形態2では一つ又は複数の下地層120が柱状ハニカム構造体110の外周側面114上に中間層140を介して配設されている点である。
従って、電気加熱型担体200は、
外周側面114と、外周側面114の内側に配設され、一方の端面116から他方の端面118まで流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113と、を有する導電性の柱状ハニカム構造体110;
柱状ハニカム構造体110の外周側面114上に中間層140を介して配設された一つ又は複数の下地層120;及び、
一つ又は複数の下地層120に接合された金属端子130を備える。
実施形態2において、一つ又は複数の下地層120は、外周側面114上に中間層140を介して配設される。中間層140は、柱状ハニカム構造体110が電極層112bを有する場合は、電極層112bに接触するように配設することが好ましい。一方、中間層140は、柱状ハニカム構造体110が電極層112bを有しない場合は、外周壁112aに接触するように配設される。
中間層140を設ける領域及び数には制限はないが、すべての下地層120が中間層140を介して柱状ハニカム構造体110に接合されるのに必要な領域及び数を用意することが好ましい。一実施形態において、図2Bに示すように、一つの中間層140の上に一つの下地層120を形成することができる。別法として、一つの中間層140の上に複数の下地層120が形成されてもよい。一つの中間層140は単層で構成されていてもよく、複数層が積層された積層構造を有することもできる。
図2Cには、本発明の実施形態2に係る電気加熱型担体200について、外周壁112a、電極層112b、中間層140、下地層120及び金属端子130の積層構造を説明するための模式的な断面図が示されている。
下地層120は、
金属端子130に接触し、金属及び酸化物を含有し、酸化物として非晶質酸化物を主成分として含有する第1の下地層120aと、
第1の下地層120aに接触し、且つ、中間層140に接触し、金属及び酸化物を含有し、酸化物として結晶質酸化物を主成分として含有する第2の下地層120bと、
を備えた積層構造を有する。
外周壁112a又は電極層112bと下地層120の間に中間層140を配設することで、外周壁112a又は電極層112bと下地層120が予期せぬ反応を生じさせて、熱膨張が変化したり強度低下したりするのを抑制することができる。特に、外周壁112a、電極層112b、又は下地層120がケイ素を含む場合に、ケイ化物が生成されて強度が低下することを抑制することができる。熱膨張率は金属端子130→第1の下地層120a→第2の下地層120b→中間層140→(電極層112b)→外周壁112aの順に段階的に小さくすることが好ましい。これにより、柱状ハニカム構造体110の外周壁112a又は電極層112bと金属端子130の間の熱膨張差を緩和することができ、ひいては柱状ハニカム構造体110の外周壁112a又は電極層112bと金属端子130の間の接合信頼性の改善を図ることができる。
中間層140は、限定的ではないが、珪素化合物(ガラス)及び/又はコージェライトを含有することが好ましい。これらの中でも、非晶質の珪素化合物を含有することが好ましい。
第2の下地層120bに接触している箇所における中間層140の厚みは、0.1~0.5mmであることが好ましく、0.1~0.3mmであることが更に好ましい。第2の下地層120bに接触している箇所における中間層140の厚みが0.1mm以上であると、ケイ化物の生成が大幅に抑制されるという利点が得られる。第2の下地層120bに接触している箇所における中間層140の厚みが0.5mm以下であると、中間層140での電圧降下が大幅に抑制されるという利点が得られる。第2の下地層120bに接触している箇所における中間層140の厚みは、厚みを測定しようとする中間層140の箇所をセルの延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における中間層140の外表面の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
一実施形態において、25℃から1000℃まで変化させたときのJIS Z2285:2003に従って測定される線膨張係数について、第2の下地層120bにおける線膨張係数α2と、第2の下地層120bが接触する中間層140における線膨張係数α3は、2.0≧α2/α3≧1.0の関係を満たすことができる。但し、α2/α3が過度に大きくなると第2の下地層120bと中間層140の境界でクラックが生じるおそれがあることから、好ましくは1.8≧α2/α3≧1.0の関係を満たし、より好ましくは1.6≧α2/α3≧1.0の関係を満たす。
(2.製造方法)
次に、実施形態2に係る電気加熱型担体を製造する方法について例示的に説明する。実施形態2に係る電気加熱型担体は、柱状ハニカム成形体を得る工程A1と、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を得る工程A2と、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を焼成して柱状ハニカム構造体を得る工程A3と、柱状ハニカム構造体の電極層上に中間層形成ペーストを塗布して中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程A4-1と、中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体の中間層形成ペースト上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程A4-2と、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体に対して焼成処理を行い、第2の下地層付き柱状ハニカム構造体を得る工程A5と、第2の下地層の表層部分を第1の下地層に変化させる工程A6と、下地層に金属端子を接合する工程A7とを含む製造方法により製造可能である。
(工程A1~工程A3)
工程A1から工程A3までは実施形態1に係る電気加熱型担体100を製造する方法で述べた通りである。
(工程A4-1)
工程A4-1は、柱状ハニカム構造体の電極層上に中間層形成ペーストを塗布して中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。中間層形成ペーストは、中間層の要求特性に応じて配合した原料粉(珪素化合物粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。原料粉の平均粒子径は、限定的ではないが、例えば、1~10μmであることが好ましく、2~5μmであることがより好ましい。原料粉の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。塗布後、中間層形成ペーストは乾燥させることが好ましい。
(工程A4-2)
工程A4-2は、中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体の中間層形成ペースト上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。下地層形成ペーストは、下地層の要求特性に応じて配合した原料粉(金属粉末、及び、酸化物粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。酸化物粉末としては結晶質酸化物粉末を使用することが好ましい。結晶質酸化物粉末としては、限定的ではないが、結晶質酸化物ガラス、結晶質カルコゲナイド材料が挙げられる。好ましくは、結晶質酸化物ガラスである。但し、非晶質酸化物粉末を使用して下地層形成ペーストを作成し、塗布後に加熱して結晶化させることもできる。原料粉の平均粒子径は、限定的ではないが、例えば、2~40μmであることが好ましく、5~20μmであることがより好ましい。原料粉の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
(工程A5)
工程A5は、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体に対して焼成処理を行い、第2の下地層付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。当該工程により、中間層及び下地層が焼成により形成される。焼成条件としては、下地層の材質にもよるが、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、結晶質酸化物が非晶質酸化物に変化しない温度で加熱することが好ましい。例えば、結晶質酸化物として結晶質酸化物ガラスを使用する場合、1200℃付近で非晶質状態へと変化することから、それよりも低い温度で焼成することが望ましく、例えば、1000~1150℃で、2~6時間の焼成処理を行うことが好ましい。焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。
(工程A6~工程A7)
工程A6から工程A7までは実施形態1に係る電気加熱型担体100を製造する方法で述べた通りである。
以上、柱状ハニカム構造体の外周壁上に電極層が配設される場合の実施形態2に係る電気加熱型担体の製造方法について説明した。柱状ハニカム構造体の外周壁上に電極層が配設されない場合は、電極層の形成工程が省略された柱状ハニカム構造体を得て、柱状ハニカム構造体の外周壁上に中間層形成ペーストを塗布して中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得ればよい。以降の工程は上述した通りである。
(3.排気ガス浄化装置)
実施形態2に係る電気加熱型担体200は、排気ガス浄化装置に用いることができる。当該排気ガス浄化装置は、電気加熱型担体と、当該電気加熱型担体を収容する筒状の金属管とを有する。排気ガス浄化装置において、電気加熱型担体は、エンジンからの排ガスを流すための排ガス流路の途中に設置することができる。金属管としては、電気加熱型担体を収容する金属製の筒状部材等を用いることができる。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を例示するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<I.比較例1~2、発明例1~5>
(1.円柱状の坏土の作製)
炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合してセラミックス原料を調製した。そして、セラミックス原料に、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加すると共に、水を添加して成形原料とした。そして、成形原料を真空土練機により混練し、円柱状の坏土を作製した。バインダの含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに7質量部とした。造孔材の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに3質量部とした。水の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに42質量部とした。炭化珪素粉末の平均粒子径は20μmであり、金属珪素粉末の平均粒子径は6μmであった。また、造孔材の平均粒子径は20μmであった。炭化珪素粉末、金属珪素粉末及び造孔材の平均粒子径は、レーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
(2.ハニカム乾燥体の作製)
得られた円柱状の坏土を碁盤目状の口金構造を有する押出成形機を用いて成形し、セルの流路方向に垂直な断面における各セル形状が正方形である円柱状ハニカム成形体を得た。このハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、両底面を所定量切断して、柱状ハニカム乾燥体を作製した。
(3.電極層形成ペーストの調製)
金属珪素(Si)粉末、炭化珪素(SiC)粉末、メチルセルロース、グリセリン、及び水を、自転公転攪拌機で混合して、電極層形成ペーストを調製した。Si粉末、及びSiC粉末は体積比で、Si粉末:SiC粉末=40:60となるように配合した。また、Si粉末、及びSiC粉末の合計を100質量部としたときに、メチルセルロースは0.5質量部であり、グリセリンは10質量部であり、水は38質量部であった。金属珪素粉末の平均粒子径は6μmであった。炭化珪素粉末の平均粒子径は35μmであった。これらの平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
(4.電極層形成ペーストの塗布)
上記の電極層形成ペーストを上記の柱状ハニカム乾燥体の外周壁の外表面上に中心軸を挟んで対向するように、曲面印刷機によって二箇所塗布した。各塗布部は、ハニカム乾燥体の両底面間の全長に亘って帯状に形成した(角度θ=180°、中心角α=90°)。
(5.焼成)
電極層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を120℃で乾燥した後、大気雰囲気において、550℃で3時間、脱脂した。次に、脱脂した電極層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を、焼成し、酸化処理して、柱状ハニカム構造体を作製した。焼成は、1450℃のアルゴン雰囲気中で2時間行った。酸化処理は、1300℃の大気中で1時間行った。
(6.下地層形成ペーストの調製)
金属(SUS430)粉末、結晶質ガラス(MgO-Al23-SiO2)粉末、メチルセルロース、グリセリン、及び水を、自転公転攪拌機で混合して、下地層形成ペーストを調製した。ここでは、金属粉末及びガラス粉末は体積比で、金属粉末:ガラス粉末=40:60となるように配合した。また、金属粉末及びガラス粉末の合計を100質量部としたときに、メチルセルロースは0.5質量部であり、グリセリンは10質量部であり、水は38質量部であった。金属粉末の平均粒子径は10μmであった。ガラス粉末の平均粒子径は5μmであった。なお、表1に示す通り、後述の下地層へのレーザー照射による凝集等により、金属とガラスの体積比率が下地層形成ペースト調製段階の体積比率から変化するものである。
(7.下地層形成ペーストの塗布)
次いで、電極層を部分的に被覆するようにして金属端子の溶接に必要な領域だけ下地層形成ペーストを塗布し、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得た。この際、下地層形成ペーストの塗布厚みが均一になるようにスクリーン印刷した。
(8.焼成)
次いで、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体に対して、熱風により80℃で1時間乾燥した後、結晶質ガラスが非晶質ガラスへ変化しないように、1000℃のアルゴン雰囲気中で2時間の条件で焼成処理を行った。
上記の製造条件で得られた第2の下地層付き柱状ハニカム構造体は、底面が直径100mmの円形であり、高さ(セルの流路方向における長さ)が100mmであった。セル密度は93セル/cm2であり、外周壁の厚みは300μmであり、隔壁の厚みは101.6μmであり、隔壁の気孔率は45%であり、隔壁の平均細孔径は8.6μmであった。電極層の厚みは0.3mmであった。
(9.下地層の部分的な非晶質化(第1の下地層形成))
上記の製造条件で得られた第2の下地層付き柱状ハニカム構造体の下地層の外表面に向かってレーザー照射を行った。このとき、レーザー出力、レーザースポット径、レーザー照射時間を試験番号に応じて変化させることで、第1の下地層及び第2の下地層の厚み、酸化物組成を変化させた。なお、このレーザー照射は比較例1には実施しなかった。
(10.金属端子の溶接)
上記の製造条件で得られた下地層付き柱状ハニカム構造体の下地層の上面に、厚みが0.4mmのSUS製の板状金属端子を配置した。続いて、当該板状金属端子に、ファイバーレーザー溶接機を用いて、レーザー照射を行った。このとき、レーザー出力を200W/mm2、照射時間0.5秒とし、レーザースポット径を4.0mmとした。このようにして、下地層にSUS製の板状金属端子を溶接した。なお、比較例2においては、レーザー照射の条件を、レーザー出力150W/mm2、照射時間0.5秒に変更した以外は、その他の実施例と同様にしてレーザー照射を行い、下地層にSUS製の板状金属端子を溶接した。
(11.特性評価)
上記の製造条件で得られた金属端子付き柱状ハニカム構造体について、下記の特性評価を実施した。なお、金属端子付き柱状ハニカム構造体は下記の特性評価に必要な数を用意した。
(a)下地層の酸化物組成
上記の製造条件で得られた金属端子付き柱状ハニカム構造体について、先述した方法で、各試験番号について一つの下地層をSEMにより倍率300で断面観察し、SEM画像上の明度及び濃淡に基づき、下地層を第1の下地層と第2の下地層に区分し、各下地層における酸化物中の結晶質酸化物と非晶質酸化物の体積比率を求めた。結果を表1に示す。なお、ここではEBSD法による酸化物中の結晶質酸化物と非晶質酸化物の体積比率を測定していないが、本発明者の経験によればEBSD法で得られる結晶質酸化物と非晶質酸化物のどちらが主成分であるかの判定結果は表1の結果と同じになるものと推定している。
(b)下地層の厚み
上記の製造条件で得られた金属端子付き柱状ハニカム構造体について、上記のSEMによる断面観察時に、金属端子に接触している箇所における第1の下地層の厚み、及び第1の下地層に隣接している箇所における第2の下地層の厚みを求めた。結果を表1に示す。
(c)金属の体積濃度
上記の製造条件で得られた金属端子付き柱状ハニカム構造体について、上記のSEMによる断面観察時に、SEM画像上の明度に基づき、第1の下地層における金属の体積濃度(v1)、及び第2の下地層における金属の体積濃度(v2)を測定した。
(d)線膨張係数
上記の製造条件で得られた金属端子付き柱状ハニカム構造体の外周壁、電極層、第1の下地層、第2の下地層及び金属端子と同一材質の試験片を用いて25℃から1000℃まで変化させたときのJIS Z2285:2003に従って測定される線膨張係数を測定した。外周壁については何れの試験番号についても4.2×10-6/Kであり、金属端子については何れの試験番号についても11.8×10-6/Kであった。その他の結果は表1に示す。表1中、α1は第1の下地層における線膨張係数であり、α2は第2の下地層における線膨張係数であり、α3は電極層の線膨張係数である。
(e)体積抵抗率
上記の製造条件で得られた金属端子付き柱状ハニカム構造体の外周壁、電極層、第1の下地層及び第2の下地層と同一材質の試験片を用いて、四端子法により25℃における体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。外周壁については何れの試験番号についても0.01Ω・cmであり、電極層については何れの試験番号についても0.004Ω・cmであった。その他の結果は表1に示す。
(f)クラック測定
上記の製造条件で得られた金属端子付き柱状ハニカム構造体について、下地層にクラックが発生しているか否かを拡大鏡で40倍の倍率で調査した。調査した下地層の数は20とし、クラックが確認された下地層の数を数えた。結果を表1に示す。比較例1は第1の下地層を形成するためのレーザー照射を行っていないため、下地層を構成する酸化物が結晶質のみであった。このため、得られた金属端子付き柱状ハニカム構造体の下地層には高い割合でクラックが発生した。比較例2は第1の下地層を形成するためのレーザー照射条件が不適切であったため、金属体積濃度が第2の下地層と異なり、酸化物の結晶性が維持された第1の下地層が形成された。一方、発明例1~5は、第1の下地層を形成するためのレーザー照射条件が適切であったことから、非晶質化が進展した第1の下地層が形成され、クラックの発生が抑制された。
Figure 2022099151000002
100、200 電気加熱型担体
110 柱状ハニカム構造体
112a 外周壁
112b 電極層
113 隔壁
114 外周側面
115 セル
116 一方の端面
118 他方の端面
120 下地層
120a 第1の下地層
120b 第2の下地層
130 金属端子
131 溶接部位
140 中間層

Claims (14)

  1. 外周側面と、外周側面の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する導電性の柱状ハニカム構造体、
    前記ハニカム構造体の外周側面上に直接又は中間層を介して配設された一つ又は複数の下地層、及び、
    前記一つ又は複数の下地層に接合された金属端子、
    を備えた電気加熱型担体であって、
    各下地層は、
    前記金属端子に接触し、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として非晶質酸化物を主成分として含有する第1の下地層と、
    前記第1の下地層に隣接し、且つ、前記外周側面又は前記中間層に接触し、金属及び酸化物を含有し、前記酸化物として結晶質酸化物を主成分として含有する第2の下地層と、を備えた積層構造を有する、
    電気加熱型担体。
  2. 25℃から1000℃まで変化させたときのJIS Z2285:2003に従って測定される線膨張係数について、前記第1の下地層における線膨張係数α1と、前記第2の下地層における線膨張係数α2が、3.0≧α1/α2≧1.2の関係を満たす請求項1に記載の電気加熱型担体。
  3. 四端子法により測定される25℃における体積抵抗率について、前記第1の下地層における体積抵抗率ρ1と、前記第2の下地層における体積抵抗率ρ2が、1.0≦ρ1/ρ2≦1.5の関係を満たす請求項1又は2に記載の電気加熱型担体。
  4. 前記第1の下地層及び前記第2の下地層が共に、Ni基合金、Fe基合金、Ti基合金、Co基合金、金属珪素、及びCrから選択される一種又は二種以上の金属を含有する請求項1~3の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  5. 前記第1の下地層及び前記第2の下地層が共に、原子番号が同じ金属を含有する請求項1~4の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  6. 前記第1の下地層は、酸化物ガラス及びカルコゲン化ガラスから選択される一種又は二種以上の非晶質酸化物を含有し、前記第2の下地層は、酸化物ガラス、Si系材料、カルコゲン化ガラスから選択される一種又は二種以上の結晶質酸化物を含有する請求項1~5の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  7. 前記第1の下地層が含有する非晶質酸化物と、前記第2の下地層が含有する結晶質酸化物は共に、原子番号が同じ元素の酸化物である請求項1~6の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  8. 前記第1の下地層における金属の体積濃度v1(%)と、前記第2の下地層における金属の体積濃度v2(%)が、0.7≦v1/v2≦1.6の関係を満たす請求項1~7の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  9. 前記金属端子は、前記下地層に接合している溶接部位を有する請求項1~8の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  10. 25℃から1000℃まで変化させたときのJIS Z2285:2003に従って測定される線膨張係数について、前記第2の下地層における線膨張係数α2と、前記第2の下地層が接触する外周側面を構成する部材又は中間層における線膨張係数α3が、1.0≦α2/α3≦2.0の関係を満たす請求項1~9の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  11. 前記第1の下地層が、Fe基合金及び非晶質の酸化物ガラスで構成されており、
    前記第2の下地層が、Fe基合金及び結晶質の酸化物ガラスで構成されている、
    請求項1~10の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  12. 前記ハニカム構造体は、外周壁、及び、前記外周壁の外表面上に配設され、前記外周壁よりも体積抵抗率の低い電極層を有しており、前記外周側面の一部は電極層によって構成されており、
    前記電極層上に直接又は中間層を介して前記一つ又は複数の下地層が配設されている、
    請求項1~11の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  13. 前記一つ又は複数の下地層は外周側面上に中間層を介して配設されており、中間層が非晶質の珪素化合物を含有する請求項1~12の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  14. 請求項1~13の何れか一項に記載の電気加熱型担体と、
    前記電気加熱型担体を収容する筒状の金属管と、を備える排気ガス浄化装置。
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