JP2022093013A - 電気加熱型担体及び排気ガス浄化装置 - Google Patents

電気加熱型担体及び排気ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属端子と柱状ハニカム構造体との接合信頼性が改善された電気加熱型担体を提供する。【解決手段】導電性の柱状ハニカム構造体の外周側面上に配設された下地層120、及び、下地層に接合された金属端子130を備えた電気加熱型担体であって、金属端子は、板状本体130aと、該本体から突出して下地層に接合された一つ又は複数の舌片130bとを有し、各舌片は、下地層の上面の少なくとも一部を被覆すると共に当該上面の少なくとも一部と接合しており、当該下地層の外周に沿った第一端部132a及び第二端部132bを有する被覆面132と、該第一端部に連結しており、該第一端部から下地層の側面に向かって屈曲して延びる第一係合面133aと、該第二端部に連結しており、該第二端部から下地層の側面に向かって屈曲して延びる第二係合面133bと、を有し、該第一係合面と該第二係合面とが、該下地層の上面の重心を挟んで対向する。【選択図】図1C

Description

本発明は、電気加熱型担体に関する。また、本発明は電気加熱型担体を利用した排気ガス浄化装置に関する。
近年、エンジン始動直後の排気ガス浄化性能の低下を改善するため、柱状ハニカム構造体を用いた電気加熱触媒(EHC)が提案されている。EHCにおいては、触媒効果を十分に得られるようにするために、柱状ハニカム構造体内での温度ムラを少なくして均一な温度分布にすることが望まれている。
柱状ハニカム構造体に電流を流すためには端子と電気的接続をする必要がある。しかしながら、端子は金属製であることが一般的であるところ、セラミックス製の柱状ハニカム構造体とは材質が異なる。このため、熱膨張差により接合部にクラックが入りやすいという問題があった。自動車の排気管内等のように高温酸化雰囲気で使用される用途においては、高温環境下での柱状ハニカム構造体と金属端子の機械的及び電気的接合信頼性の確保が要求される。このため、柱状ハニカム構造体を構成するセラミックスと金属端子の間の熱膨張差によって生じる応力や外部配線から加わる応力を柱状ハニカム構造体に加えないように応力緩衝機能を持たせることが求められている。
特許文献1(特開2020-153366号公報)では、柱状ハニカム構造体を構成するセラミックスと金属端子の間の熱膨張差を緩和すべく、金属端子と柱状ハニカム構造体の間にセラミックスと金属を含有する溶接下地層を設けることが提案されている。
特許文献2(特開2019-171229号公報)では、板状の本体部分と、当該本体部分から突出する複数の舌片とを備えた金属電極部(「端子」に相当する。)が提案されている。舌片の一部がハニカム構造体と接触することによって金属電極部とハニカム構造体との線膨張係数差に基づく熱ひずみ(熱応力)によってハニカム構造体が過度な応力を受けることを防止できることが記載されている。板状の本体部分から突出した複数の舌片が、ハニカム構造体の外周壁に沿ってそれぞれ独立に変形し得るため、ハニカム構造体の形状精度が悪くても電気的な接続を良好に保つことができる。また、各舌片が別々に変形することによって熱膨張差などによる応力を各舌片が吸収するため、接点及びハニカム構造体に過度な応力を加えるのを防ぐことが出来る。
しかし、特許文献2に記載の金属電極部では、ハニカム構造体の形状精度が悪い場合や、金属電極部の加工精度が悪い場合に、ハニカム構造体と金属電極部の接触面積が個体毎にばらつき、通電性能が安定しない可能性があった。そこで、特許文献3(特開2020-40023号公報)には、特許文献2に記載の金属電極部の改良技術が開示されている。具体的には、特許文献3では、ハニカム構造体と接触する舌片部に突起部分を設けることによって、ハニカム構造体と金属電極部の接点を確保することが提案されている。
特開2020-153366号公報 特開2019-171229号公報 特開2020-40023号公報
柱状ハニカム構造体に金属端子と電気的接続をする接合方法としては、溶接及び焼結等があるが、それらの接合方法の多くは熱を加えて高温での接合を行う。従来技術のように、板状の本体部分と、当該本体部分から突出する複数の舌片とを備えた金属端子を使用することは、柱状ハニカム構造体と金属端子の間の熱膨張差によるクラックの発生を抑制するのに一定の効果はあると考えられる。しかしながら、接合後の降温時に柱状ハニカム構造体よりも金属端子が相対的に大きく収縮することによって、接合部に過度な応力が加わり、接合部にクラックが発生したり接合部が剥離したりする懸念は残っており、改善の必要があるものであった。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、一実施形態において、金属端子と柱状ハニカム構造体との接合信頼性が改善された電気加熱型担体を提供することを課題とする。また、本発明は別の一実施形態において、そのような電気加熱型担体を備える排気ガス浄化装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下に例示される本発明によって解決される。
[1]
外周側面と、外周側面の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する導電性の柱状ハニカム構造体、
前記ハニカム構造体の外周側面上に直接又は中間層を介して配設された一つ又は複数の下地層、及び、
前記一つ又は複数の下地層に接合された金属端子、
を備えた電気加熱型担体であって、
前記金属端子は、板状本体と、該本体から突出して前記下地層に接合された一つ又は複数の舌片とを有し、
各舌片は、
前記下地層の上面の少なくとも一部を被覆すると共に当該上面の少なくとも一部と接合しており、当該下地層の外周に沿った第一端部及び第二端部を有する被覆面と、
該第一端部に連結しており、該第一端部から下地層の側面に向かって屈曲して延びる第一係合面と、
該第二端部に連結しており、該第二端部から下地層の側面に向かって屈曲して延びる第二係合面と、
を有し、
該第一係合面と該第二係合面とが、該下地層の上面の重心を挟んで対向する、
電気加熱型担体。
[2]
[1]に記載の電気加熱型担体と、
前記電気加熱型担体を収容する筒状の金属管と、を備える排気ガス浄化装置。
本発明の一実施形態によれば、金属端子と柱状ハニカム構造体との接合信頼性が改善された電気加熱型担体を提供することができる。この電気加熱型担体は、例えば排気ガス浄化装置の触媒担体として使用することが可能である。
本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体を一方の端面から観察したときの模式図である。 本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体の模式的な斜視図である。 本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体について、金属端子の舌片及び下地層の構造例1を説明するための模式的な断面図である。 図1Cに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図である。 本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体について、金属端子の舌片及び下地層の構造例2を説明するための模式的な断面図である。 図1Eに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図である。 本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体について、金属端子の舌片及び下地層の構造例3を説明するための模式的な断面図である。 図1Gに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図である。 本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体について、金属端子の舌片及び下地層の構造例4を説明するための模式的な断面図である。 図1Iに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図である。 本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体について、金属端子の舌片及び下地層の構造例5を説明するための模式的な断面図である。 図1Kに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図である。 本発明の実施形態2に係る電気加熱型担体を一方の端面から観察したときの模式図である。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
<実施形態1>
(1.電気加熱型担体)
図1Aは、本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100を一方の端面116から観察したときの模式図である。図1Bは、本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100の模式的な斜視図である。
電気加熱型担体100は、
外周側面114と、外周側面114の内側に配設され、一方の端面116から他方の端面118まで流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113と、を有する導電性の柱状ハニカム構造体110;
柱状ハニカム構造体110の外周側面114上に直接配設された一つ又は複数の下地層120;及び、
一つ又は複数の下地層120に接合された金属端子130を備える。
電気加熱型担体100に触媒を担持することにより、電気加熱型担体100を触媒体として使用することができる。複数のセル115には、例えば、自動車排ガス等の流体を流すことができる。触媒としては、例えば、貴金属系触媒又はこれら以外の触媒が挙げられる。貴金属系触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)といった貴金属をアルミナ細孔表面に担持し、セリア、ジルコニア等の助触媒を含む三元触媒や酸化触媒、又は、アルカリ土類金属と白金を窒素酸化物(NOx)の吸蔵成分として含むNOx吸蔵還元触媒(LNT触媒)が例示される。貴金属を用いない触媒として、銅置換又は鉄置換ゼオライトを含むNOx選択還元触媒(SCR触媒)等が例示される。また、これらの触媒から選択される2種以上の触媒を用いてもよい。なお、触媒の担持方法についても特に制限はなく、従来、柱状ハニカム構造体に触媒を担持する担持方法に準じて行うことができる。
(1-1.柱状ハニカム構造体)
柱状ハニカム構造体110は、外周側面114と、外周側面114の内側に配設され、一方の端面116から他方の端面118まで流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113とを有する。外周側面114は、外周壁112aの外表面によって構成されることができる。また、外周壁112a上に電極層112bが配設されているときは、外周側面114は、電極層112bの外表面によって構成されることができる。
柱状ハニカム構造体110の外形は柱状である限り特に限定されず、例えば、端面が円形の柱状(円柱形状)、端面がオーバル形状の柱状、端面が多角形(四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)の柱状等の形状とすることができる。また、柱状ハニカム構造体110の大きさは、耐熱性を高める(外周側面の周方向に入るクラックを抑制する)という理由により、一つの端面の面積が2000~20000mm2であることが好ましく、5000~15000mm2であることが更に好ましい。
外周壁112a上には、外周壁112aよりも体積抵抗率の低い電極層112bを配設してもよい。電極層112bが配設されることで、電流が柱状ハニカム構造体110の周方向及びセル115の延伸方向に広がりやすくなるので、柱状ハニカム構造体110の均一発熱性を高めることが可能となる。電極層112bは外周壁112aの外表面上に一箇所配設してもよく、複数個所配設してもよい。従って、好ましい実施形態において、外周側面114の一部は、柱状ハニカム構造体110の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層112bによって構成される。具体的には、セル115の延伸方向に垂直な断面において、一対の電極層112bのそれぞれの周方向中心から柱状ハニカム構造体110の中心軸Oまで延ばした二つの線分のなす角度θ(0°≦θ≦180°)は、150°≦θ≦180°であることが好ましく、160°≦θ≦180°であることがより好ましく、170°≦θ≦180°であることが更により好ましく、180°であることが最も好ましい。但し、電極層112bは必須ではない。従って、外周側面114は、電極層112bを有さず、外周壁112aのみで構成されることもできる。
柱状ハニカム構造体110に外周壁112aを設けることは、柱状ハニカム構造体110の構造強度を確保し、また、セル115を流れる流体が外周側面から漏洩するのを抑制する観点で有用である。この点で、外周壁112aの厚みは好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.15mm以上であり、更により好ましくは0.2mm以上である。但し、外周壁112aを厚くしすぎると高強度になりすぎてしまい、隔壁113との強度バランスが崩れて耐熱衝撃性が低下することから、外周壁112aの厚みは好ましくは1.0mm以下であり、より好ましくは0.7mm以下であり、更により好ましくは0.5mm以下である。ここで、外周壁112aの厚みは、厚みを測定しようとする外周壁112aの箇所をセル115の延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における外周壁112aの外表面の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
電極層112bの形成領域に特段の制約はないが、柱状ハニカム構造体110の均一発熱性を高めるという観点からは、電極層112bはそれぞれ、外周壁112aの外表面上で柱状ハニカム構造体110の周方向及びセル115の延伸方向に帯状に延設することが好ましい。具体的には、セル115の延伸方向に垂直な断面において、各電極層112bの周方向の両側端と中心軸Oとを結ぶ2本の線分が作る中心角αは、電流を周方向に広げて均一発熱性を高めるという観点から、30°以上であることが好ましく、40°以上であることがより好ましく、60°以上であることが更により好ましい。但し、中心角αを大きくし過ぎると、柱状ハニカム構造体110の内部を通過する電流が少なくなり、外周壁112a付近を通過する電流が多くなる。そこで、当該中心角αは、柱状ハニカム構造体110の均一発熱性の観点から、140°以下であることが好ましく、130°以下であることがより好ましく、120°以下であることが更により好ましい。また、電極層112bはそれぞれ、柱状ハニカム構造体110の両端面間の長さの80%以上の長さに亘って、好ましくは90%以上の長さに亘って、より好ましくは全長に亘って延びていることが望ましい。電極層112bは単層で構成されていてもよく、複数層が積層された積層構造を有することもできる。
電極層112bの厚みは、0.01~5mmであることが好ましく、0.01~3mmであることが更に好ましい。このような範囲とすることにより均一発熱性を高めることができる。電極層112bの厚みが0.01mm以上であると、電気抵抗が適切に制御され、より均一に発熱することができる。5mm以下であると、キャニング時に破損する恐れが低減される。電極層112bの厚みは、厚みを測定しようとする電極層112bの箇所をセル115の延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における電極層112bの外表面の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
電極層112bの体積抵抗率を隔壁113及び外周壁112aの体積抵抗率より低くすることにより、電極層112bに優先的に電気が流れやすくなり、通電時に電気が柱状ハニカム構造体110の周方向及びセル115の延伸方向に広がりやすくなる。電極層112bの体積抵抗率は、柱状ハニカム構造体110及び外周壁112aの体積抵抗率の1/10以下であることが好ましく、1/20以下であることがより好ましく、1/30以下であることが更により好ましい。但し、両者の体積抵抗率の差が大きくなりすぎると対向する電極層112bの端部間に電流が集中して柱状ハニカム構造体110の発熱が偏ることから、電極層112bの体積抵抗率は、隔壁113及び外周壁112aの体積抵抗率の1/200以上であることが好ましく、1/150以上であることがより好ましく、1/100以上であることが更により好ましい。本発明において、電極層、隔壁及び外周壁の体積抵抗率は、四端子法により25℃で測定した値とする。
電極層112bの材質は、限定的ではないが、金属とセラミックス(とりわけ導電性セラミックス)との複合材(サーメット)を使用することができる。金属としては、例えばCr、Fe、Co、Ni、Si又はTiの単体金属又はこれらの金属から選択される少なくとも一種の金属を含有する合金が挙げられる。セラミックスとしては、限定的ではないが、炭化珪素(SiC)の他、珪化タンタル(TaSi2)及び珪化クロム(CrSi2)等の金属珪化物等の金属化合物が挙げられる。金属とセラミックスとの複合材(サーメット)の具体例としては、金属珪素と炭化珪素の複合材、珪化タンタルや珪化クロム等の金属珪化物と金属珪素と炭化珪素の複合材、更には上記の一種又は二種以上の金属に熱膨張低減の観点から、アルミナ、ムライト、ジルコニア、コージェライト、窒化珪素及び窒化アルミ等の絶縁性セラミックスを一種又は二種以上添加した複合材が挙げられる。電極層112bの材質としては、上記の各種金属及びセラミックスの中でも、珪化タンタルや珪化クロム等の金属珪化物と金属珪素と炭化珪素の複合材とすることが、隔壁及び外周壁と同時に焼成できるので製造工程の簡素化に資するという理由により好ましい。
外周壁112a及び隔壁113は、電極層112bよりも体積抵抗率は高いものの導電性を有する。外周壁112a及び隔壁113の体積抵抗率は、通電してジュール熱により発熱可能である限り特に制限はないが、0.1~200Ωcmであることが好ましく、1~200Ωcmであることがより好ましく、10~100Ωcmであることが更に好ましい。
外周壁112a及び隔壁113の材質は、通電してジュール熱により発熱可能である限り特に材質に制限はなく、金属やセラミックス(とりわけ導電性セラミックス)等を単独で又は組み合わせて使用可能である。外周壁112a及び隔壁113の材質としては、限定的ではないが、アルミナ、ムライト、ジルコニア及びコージェライト等の酸化物系セラミックス、炭化珪素、窒化珪素及び窒化アルミ等の非酸化物系セラミックスの一種又は二種以上を含有することができる。また、炭化珪素-金属珪素複合材や炭化珪素/グラファイト複合材等を用いることもできる。これらの中でも、耐熱性と導電性の両立の観点から、外周壁112a及び隔壁113の材質は、珪素-炭化珪素複合材又は炭化珪素を主成分とすることが好ましく、珪素-炭化珪素複合材又は炭化珪素であることが更に好ましい。外周壁112a及び隔壁113の材質が、珪素-炭化珪素複合材を主成分とするものであるというときは、外周壁112a及び隔壁113がそれぞれ、珪素-炭化珪素複合材(合計質量)を、全体の90質量%以上含有していることを意味する。ここで、珪素-炭化珪素複合材は、骨材としての炭化珪素粒子、及び炭化珪素粒子を結合させる結合材としての珪素を含有するものであり、複数の炭化珪素粒子が、炭化珪素粒子間に細孔を形成するようにして、珪素によって結合されていることが好ましい。外周壁112a及び隔壁113の材質が、炭化珪素を主成分とするものであるというときは、外周壁112a及び隔壁113がそれぞれ、炭化珪素(合計質量)を、全体の90質量%以上含有していることを意味する。
外周壁112a及び隔壁113が、珪素-炭化珪素複合材を含んでいる場合、外周壁112a及び隔壁113に含有される「骨材としての炭化珪素粒子の質量」と、外周壁112a及び隔壁113に含有される「結合材としての珪素の質量」との合計に対する、外周壁112a及び隔壁113に含有される「結合材としての珪素の質量」の比率はそれぞれ、10~40質量%であることが好ましく、15~35質量%であることが更に好ましい。10質量%以上であると、外周壁112a及び隔壁113の強度が十分に維持される。40質量%以下であると、焼成時に形状を保持しやすくなる。
セル115の延伸方向に垂直な断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形、六角形、八角形、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これ等のなかでも、四角形及び六角形が好ましい。セル形状をこのようにすることにより、柱状ハニカム構造体110に排ガスを流したときの圧力損失が小さくなり、触媒の浄化性能が優れたものとなる。構造強度及び加熱均一性を両立させやすいという観点からは、正方形が特に好ましい。
セル115は一方の端面116から他方の端面118まで貫通していてもよい。また、セル115は、一方の端面116が目封止されており他方の端面118が開口を有する第1セルと、一方の端面116が開口を有し他方の端面118が目封止されている第2セルとが隔壁113を挟んで交互に隣接配置されていてもよい。
セル115を区画形成する隔壁113の厚みは、0.1~0.3mmであることが好ましく、0.15~0.25mmであることがより好ましい。隔壁113の厚みが0.1mm以上であることで、柱状ハニカム構造体110の強度が低下するのを抑制可能である。隔壁113の厚みが0.3mm以下であることで、柱状ハニカム構造体110を触媒担体として用いて、触媒を担持した場合に、排ガスを流したときの圧力損失が大きくなるのを抑制できる。本発明において、隔壁113の厚みは、セル115の延伸方向に垂直な断面において、隣接するセル115の重心同士を結ぶ線分のうち、隔壁113を通過する部分の長さとして定義される。
柱状ハニカム構造体110は、セル115の延伸方向に垂直な断面において、セル密度が40~150セル/cm2であることが好ましく、70~100セル/cm2であることが更に好ましい。セル密度をこのような範囲にすることにより、柱状ハニカム構造体110に排ガスを流したときの圧力損失を小さくした状態で、触媒の浄化性能を高くすることができる。セル密度が40セル/cm2以上であると、触媒担持面積が十分に確保される。セル密度が150セル/cm2以下であると柱状ハニカム構造体110を触媒担体として用いて、触媒を担持した場合に、排ガスを流したときの圧力損失が大きくなりすぎることが抑制される。セル密度は、外周壁112aよりも内周側の柱状ハニカム構造体110の一つの端面の面積でセル数を除して得られる値である。
隔壁113はSi含浸SiCの形態等のように緻密質でもよいが、多孔質とすることが好ましい。隔壁113の気孔率は、35~60%であることが好ましく、35~45%であることが更に好ましい。気孔率が35%以上であると、焼成時の変形をより抑制しやすくなる。気孔率が60%以下であると柱状ハニカム構造体110の強度が十分に維持される。気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。なお、緻密質というのは気孔率が5%以下のことを指す。
隔壁113の平均細孔径は、2~15μmであることが好ましく、4~8μmであることが更に好ましい。平均細孔径が2μm以上であると、体積抵抗率が大きくなりすぎることが抑制される。平均細孔径が15μm以下であると、体積抵抗率が小さくなりすぎることが抑制される。平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
(1-2.下地層)
実施形態1において、一つ又は複数の下地層120は、外周側面114上に直接配設される。下地層120は、柱状ハニカム構造体110が外周壁112a上に電極層112bを有する場合は、電極層112bに接触するように配設することが好ましい。一方、下地層120は、柱状ハニカム構造体110が電極層112bを有しない場合は、外周壁112aに接触するように配設される。
下地層120を設ける領域及び数には制限はないが、すべての金属端子130が下地層120を介して柱状ハニカム構造体110に接合されるのに必要な領域及び数を用意することが好ましい。一実施形態において、図1Bに示すように、一つの下地層120の上に金属端子130との接合箇所を一つ形成することができる。別法として、一つの下地層120の上に金属端子130との接合箇所を複数形成してもよい。下地層120は単層で構成されていてもよく、複数層が積層された積層構造を有することもできる。
下地層120を金属端子130と外周壁112a又は電極層112bの間に配設することで、熱膨張率は金属端子130→下地層120→(電極層112b)→外周壁112aの順に段階的に小さくすることができる。これにより、柱状ハニカム構造体の外周壁112a又は電極層112bと金属端子130の間の熱膨張差を緩和することができ、ひいては柱状ハニカム構造体の外周壁112a又は電極層112bと金属端子130の間の接合信頼性の改善を図ることができる。本明細書において、「熱膨張率」というときは、特に断りのない限り、25℃から1000℃まで変化させたときのJIS Z2285:2003に従って測定される線膨張係数を意味する。
一実施形態において、25℃から1000℃まで変化させたときのJIS Z2285:2003に従って測定される線膨張係数について、下地層120における線膨張係数α1と、下地層120が接触する外周壁112a又は電極層112bにおける線膨張係数α2は、2.5≧α1/α2≧1.1の関係を満たすことができる。α1/α2は大きいほうが外周壁112a又は電極層112bと金属端子130の間の熱膨張差を緩和する効果が高くなる一方で、α1/α2が過度に大きくなると下地層120と外周壁112a又は電極層112bの境界でクラックが生じるおそれがあることから、好ましくは2.0≧α1/α2≧1.5の関係を満たし、より好ましくは1.8≧α1/α2≧1.6の関係を満たす。
下地層120の材質は、限定的ではないが、金属とセラミックス(とりわけ導電性セラミックス)との複合材(サーメット)を使用することができる。但し、外周壁112a又は電極層112bと金属端子130の間の熱膨張差を緩和することができるような材質であることが必要である。熱膨張率は、例えば、金属とセラミックスの配合比を調整することで制御可能である。
下地層120は、限定的ではないが、Ni基合金、Fe基合金、Ti基合金、Co基合金、金属珪素、及びCrから選択される一種又は二種以上の金属を含有することが好ましい。より好ましくは、Ni基合金、Fe基合金、Ti基合金、又はCo基合金で構成される。Ni基合金としては、インコネル、ハステロイが挙げられる。Fe基合金としては、SUS430等のステンレス鋼が挙げられる。Ti基合金としては、JIS60種(ASTM B348 Gr5)が挙げられる。Co基合金としては、ステライトが挙げられる。これは600~800℃での耐熱性の理由による。これらの中でも、柱状ハニカム構造体との熱膨張差が小さく熱応力を少なくすることが可能との理由により、Fe基合金(例:フェライト系ステンレス鋼)が好ましい。
下地層120は、限定的ではないが、アルミナ、ムライト、ジルコニア、ガラス及びコージェライト等の酸化物系セラミックス、炭化珪素、窒化珪素及び窒化アルミ等の非酸化物系セラミックスから選択される一種又は二種以上のセラミックスを含有することが好ましい。これは金属端子130と外周壁112a又は電極層112bの間の熱膨張差による応力を緩和できるように熱膨張率を調整するという理由と、下地層120に含まれる金属の酸化を抑制するという理由による。
好ましい実施形態においては、下地層120は、ステンレス及びガラスを含有する複合材で構成されている。ガラスとしては、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、及びソーダ石灰ガラスが挙げられる。アルミノケイ酸塩ガラスとしては、例えば、Mg-Al-Si系酸化物(例:MgO-Al23-SiO2)が挙げられる。
下地層120における金属の体積濃度は、特に制限はないが、例えば、20体積%~80体積%の範囲とすることができ、典型的には30体積%~70体積%の範囲とすることができる。下地層における金属の体積濃度は、接合部位131の重心を通り、セル115の延伸方向に平行な切断線により、下地層120を厚み方向に切断し、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によって、下地層断面のSEM画像を得て、当該SEM画像を2値化処理することによって金属とそれ以外(主に酸化物及び空隙)に分け、SEM画像上で金属が占める面積率を金属の体積濃度とする。2値化処理は、閾値指定法で行う。SEM画像上で最も明度の高い領域を明度100%とし、最も明度の低い領域を明度0%とし、明度90%以上の箇所を金属とする。
金属端子130に接触している箇所における下地層120の厚みは、0.1~0.5mmであることが好ましく、0.3~0.5mmであることが更に好ましい。金属端子130に接触している箇所における下地層120の厚みが0.1mm以上であると、接合時の密着強度が安定して得られるという利点が得られる。金属端子130に接触している箇所における下地層120の厚みが0.5mm以下であると、下地層と金属端子間の応力を抑制したり、下地層での電圧降下を少なくしたりできるという利点が得られる。金属端子130に接触している箇所における下地層120の厚みは、厚みを測定しようとする下地層120をセルの延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における下地層120の外表面の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
(1-3.金属端子)
金属端子130は、一つ又は複数の下地層120に接合されている。金属端子130を介して柱状ハニカム構造体110に電圧を印加すると通電してジュール熱により柱状ハニカム構造体110を発熱させることが可能である。このため、柱状ハニカム構造体110はヒーターとしても好適に用いることができる。好ましい実施形態において、柱状ハニカム構造体110は外周壁112a上に、柱状ハニカム構造体110の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層112bを有しており、各電極層112bには下地層120を介して、一つ又は複数の金属端子130が接合されている。これにより、柱状ハニカム構造体110の均一加熱性を向上させることが可能となる。印加する電圧は12~900Vが好ましく、48~600Vが更に好ましいが、印加する電圧は適宜変更可能である。
金属端子130と下地層120の接合方法には、特に制限はないが、例えば、溶接、ロウ付が挙げられる。中でも、800℃以上に加熱しても接合部の変質が少ないという理由により、溶接が好ましく、レーザー溶接がより好ましい。
金属端子130の材質としては、金属であれば特段の制約はなく、単体金属及び合金等を採用することもできるが、耐食性、体積抵抗率及び線膨張率の観点から例えば、Cr、Fe、Co、Ni及びTiよりなる群から選択される少なくとも一種を含む合金とすることが好ましく、ステンレス鋼及びFe-Ni合金がより好ましい。
一つの金属端子130は、一箇所又は二箇所以上の接合部位131を介して下地層120に接合することができる。一箇所当たりの接合部位131の面積を小さくする方が、熱膨張差による割れや剥離を抑制することができる点で好ましい。具体的には、一箇所当たりの接合部位131の面積は50mm2以下とすることが好ましく、45mm2以下とすることがより好ましく、40mm2以下とすることが更に好ましく、30mm2以下とすることが更により好ましい。但し、一箇所当たりの接合部位131の面積が過度に小さいと接合強度が確保できないため、2mm2以上とすることが好ましく、3mm2以上とすることがより好ましく、4mm2以上とすることが更により好ましい。
金属端子130は、板状本体130aと、該本体130aから突出して下地層120に接合された一つ又は複数の舌片130bとを有する。それぞれの舌片130bは、板状本体130aからの立ち上がり部130b1と、立ち上がり部130b1の端部から延設され、下地層120の上面120aを被覆する被覆部130b2を有する。舌片130bは、板状本体130aから舌片形状を切断加工した後、プレス加工等によって所定形状に成形することで形成可能である。
(1-3-1.構造例1)
図1Cには本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100について、金属端子130の舌片130b及び下地層120の構造例1を説明するための模式的な断面図が示されている。図1Dには、図1Cに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図が示されている。
構造例1に係る金属端子130において、舌片130bの被覆部130b2は、
下地層120の上面120aの少なくとも一部を被覆すると共に当該上面120aの少なくとも一部と接合しており、下地層120の外周に沿った第一端部132a及び第二端部132bを有する被覆面132と、
第一端部132aに連結しており、第一端部132aから下地層120の側面120bに向かって屈曲して延びる第一係合面133aと、
第二端部132bに連結しており、第二端部132bから下地層120の側面120bに向かって屈曲して延びる第二係合面133bと、
を有し、
第一係合面133aと第二係合面133bとが、下地層120の上面120aの重心を挟んで対向する。
金属端子130を下地層120に接合する際は、溶接及び焼結等により接合部付近が高温下に曝される。高温下に曝された金属端子130及び下地層120は共に熱膨張した状態で接合される。接合後の降温時には、金属端子130の被覆面132が下地層120の上面120aよりも大きく収縮しようとするので、接合部に応力が発生しやすい。しかしながら、被覆面132の収縮時に、下地層120の上面120aの重心を挟んで配置された第一係合面133aと第二係合面133bが、下地層120の側面120bに接触することにより、収縮に対する抵抗が生じる。これにより、接合部への応力が減少するので、接合部にクラックが発生したり、接合部が剥離したりするのが抑制される。
金属端子130を下地層120に高温で接合後、冷却することによって被覆面132の収縮が始まる前は、下地層120の上面120aの重心を挟んで配置された第一係合面133aと第二係合面133bが、下地層120の側面120bに接触して係合していなくてもよい。第一係合面133a又は第二係合面133bと、下地層120の側面120bとの間に多少のクリアランスがあったとしても、収縮時に接触できれば、それ以降の収縮を抑制する効果は得られるからである。但し、収縮抑制効果を高めるためには、被覆面132の収縮が始まる前から、下地層120の上面120aの重心を挟んで配置された第一係合面133aと第二係合面133bが、下地層120の側面120bに接触していることが好ましい。
被覆面132の収縮に対する抵抗力を高めるためには、第一係合面133aと第二係合面133bが下地層120の側面120bに対して接触する領域を大きくすることが望ましい。そこで、第一端部132aにおける下地層120の外周に沿った長さであって、第一係合面133aとの連結部位の長さL1は、下地層120の外周長さの10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更により好ましい。同様に、第二端部132bにおける下地層120の外周に沿った長さであって、第二係合面133bとの連結部位の長さL2は、下地層120の外周長さの10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更により好ましい。
L1及びL2について特に上限は設定されないが、第一係合面133aと第二係合面133bによる金属端子130の収縮に対する抵抗力のバランスを考慮すると、L1及びL2は共に、下地層120の外周長さの50%以下であることが好ましい。また、第一係合面133aと第二係合面133bによる収縮に対する抵抗力のバランスを考慮すると、L1/L2は0.8~1.2が好ましく、0.9~1.1がより好ましい。
構造例1において、金属端子130は、第一係合面133a及び第二係合面133bがそれぞれ、下地層120の側面120bに面接触しており、接触領域が大きい。これにより、収縮に対する抵抗力を大きくすることができる。
(1-3-2.構造例2)
図1Eには本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100について、金属端子130の舌片130b及び下地層120の構造例2を説明するための模式的な断面図が示されている。図1Fには、図1Eに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図が示されている。図1E及び図1Fにおいて、図1C及び図1Dで示される符号と同一の符号が付与された構成要素は、既に述べた通りであり、実施形態に関する説明も重複するので、特に断りのない限り説明を省略する。
構造例2においては、第一係合面133a及び第二係合面133bが下地層120の側面120bの上端に線接触しており、接触領域が小さいので収縮に対する抵抗力は構造例1よりは弱い。しかしながら、構造例2に示す第一係合面133a及び第二係合面133bは、接合のために被覆部130b2が加熱されたときに被覆部130b2の端部を折り曲げ加工することで簡単に形成できる点で製造上有利である。
第一係合面133a及び第二係合面133bの被覆面132に対する屈曲角度θ(0°≦θ≦180°)は、大きい方が収縮に対する抵抗力が得られやすい。このことから、30°≦θ≦135°であることが好ましい。但し、加工容易性の観点からは、30°≦θ≦90°であることがより好ましく、60°≦θ≦90°であることが更により好ましい。図1Eに示す第一係合面133a及び第二係合面133bは平面状(断面視直線状)であるが、曲面状(断面視曲線状)とすることも可能である。第一係合面133a(第二係合面133b)が曲面状の場合、屈曲角度θは、被覆面132に対して垂直な断面で第一係合面133a(第二係合面133b)を観察したときの、第一端部132a(第二端部132b)と第一係合面133a(第二係合面133b)の先端を結ぶ線分が被覆面132となす角度とする。
(1-3-3.構造例3)
図1Gには本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100について、金属端子130の舌片130b及び下地層120の構造例3を説明するための模式的な断面図が示されている。図1Hには、図1Gに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図が示されている。図1G及び図1Hにおいて、図1C及び図1Dで示される符号と同一の符号が付与された構成要素は、既に述べた通りであり、実施形態に関する説明も重複するので、特に断りのない限り説明を省略する。
先に述べた構造例1に係る金属端子130においては、第一係合面133a及び第二係合面133bは分離していた。しかし、L1及びL2が長くなるにつれて両者の距離は近くなり、最終的には結合されていてもよい。構造例3に係る金属端子130は、第一係合面133a及び第二係合面133bが互いに直接結合した構造をもつ点で、構造例1に係る金属端子130と異なる。
構造例3に係る金属端子130において、舌片130bの被覆部130b2は、
下地層120の上面120aの全部を被覆すると共に当該上面120aの少なくとも一部と接合しており、下地層120の外周に沿った第一端部132a及び第二端部132bを有する被覆面132と、
第一端部132aに連結しており、第一端部132aから下地層120の側面120bに向かって屈曲して延びる第一係合面133aと、
第二端部132bに連結しており、第二端部132bから下地層120の側面120bに向かって屈曲して延びる第二係合面133bと、
を有し、
第一係合面133aと第二係合面133bとが、下地層120の上面120aの重心を挟んで対向する。
金属端子130の構造例3においては、被覆面132の第一端部132a及び第二端部132bが直接連結されて一体化しており、両者を視覚的に区別することができない。また、第一係合面133a及び第二係合面133bが直接連結されて一体化しており、両者を視覚的に区別することができない。しかしながら、本発明においては、このような場合には、被覆面132の第一端部132a及び第二端部132bが観念的に存在し、直接連結されて一体化されているものとみなす。同様に、第一係合面133a及び第二係合面133bが観念的に存在し、直接連結されて一体化されているものとみなす。また、L1=L2とみなす。
第一係合面133a及び第二係合面133bが直接連結されていることで、下地層120の側面120bの全周が第一係合面133a及び第二係合面133bに被覆される。これにより、第一係合面133a及び第二係合面133bが、下地層120の側面120bに対して接触する領域が全周に広がり、より効果的に被覆面132の収縮を抑制することができる。
(1-3-4.構造例4)
図1Iには本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100について、金属端子130の舌片130b及び下地層120の構造例4を説明するための模式的な断面図が示されている。図1Jには、図1Iに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図が示されている。図1I及び図1Jにおいて、図1C及び図1Dで示される符号と同一の符号が付与された構成要素は、既に述べた通りであり、実施形態に関する説明も重複するので、特に断りのない限り説明を省略する。
先に述べた構造例1においては、下地層120を図1Dの方向から観察した時の形状(下地層の平面形状)は、円形であった。しかしながら、下地層120の平面形状は円形に限られるものではない。例えば、オーバル形状、多角形(四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)等とすることができる。構造例4において、下地層120の平面形状は長方形である。下地層120の平面形状に応じて、金属端子130における舌片130bの被覆部130b2の形状も変化させることができる。
図1I及び図1Jに示される金属端子130において、舌片130bの被覆部130b2は、
下地層120の上面120aの全部を被覆すると共に当該上面120aの少なくとも一部と接合しており、下地層120の外周に沿った第一端部132a及び第二端部132bを有する被覆面132と、
第一端部132aに連結しており、第一端部132aから下地層120の側面120bに向かって屈曲して延びる第一係合面133aと、
第二端部132bに連結しており、第二端部132bから下地層120の側面120bに向かって屈曲して延びる第二係合面133bと、
を有し、
第一係合面133aと第二係合面133bとが、下地層120の上面120aの重心を挟んで対向する。
図1I及び図1Jに示される金属端子130においては、被覆面132の第一端部132a及び第二端部132bが被覆面132における他の端部132c、132dを介して連結されている。また、第一係合面133a及び第二係合面133bが、被覆面132における他の端部132c、132dから下地層120の側面120bに向かって屈曲してそれぞれ延びる他の係合面133c、133dを介して連結されている。第一係合面133a及び第二係合面133bが他の係合面133c、133dを介して連結されていることで、下地層120の側面120bの全周が係合面133a、133b、133c、133dに被覆される。これにより、下地層120の側面120bに対する係合面133a、133b、133c、133dの接触領域が全周に広がり、より効果的に被覆面132の収縮を抑制することができる。
(1-3-5.構造例5)
図1Kには本発明の実施形態1に係る電気加熱型担体100について、金属端子130の舌片130b及び下地層120の構造例5を説明するための模式的な断面図が示されている。図1Lには、図1Kに示す構造をX方向から観察した時の模式的な端面図が示されている。図1K及び図1Lにおいて、図1C及び図1Dで示される符号と同一の符号が付与された構成要素は、既に述べた通りであり、実施形態に関する説明も重複するので、特に断りのない限り説明を省略する。
構造例5に係る金属端子130においては、被覆面132が下地層120の上面120aに向かって突出する少なくとも一つの突起部132eを有する点で、構造例1と異なる。被覆面132が突起部132eを有することで、下地層120の上面120aに多少の不規則があっても、金属端子130と下地層120の間の電気的接触を確実に行うことができ、電気加熱型担体100の品質が安定する。被覆面132に加え、又は、被覆面132に代えて、下地層120の上面120aが突起部132eを有してもよい。
(2.製造方法)
次に、実施形態1に係る電気加熱型担体を製造する方法について例示的に説明する。実施形態1に係る電気加熱型担体は、柱状ハニカム成形体を得る工程A1と、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を得る工程A2と、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を焼成して柱状ハニカム構造体を得る工程A3と、柱状ハニカム構造体の電極層上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程A4と、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体に対して焼成処理を行い、下地層付き柱状ハニカム構造体を得る工程A5と、下地層に金属端子を接合する工程A6とを含む製造方法により製造可能である。
(工程A1)
工程A1は、柱状ハニカム構造体の前駆体である柱状ハニカム成形体する工程である。柱状ハニカム成形体の作製は、公知の柱状ハニカム構造体の製造方法における柱状ハニカム成形体の作製方法に準じて行うことができる。例えば、まず、炭化珪素粉末(炭化珪素)に、金属珪素粉末(金属珪素)、バインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して成形原料を作製する。炭化珪素粉末の質量と金属珪素粉末の質量との合計に対して、金属珪素粉末の質量が10~40質量%となるようにすることが好ましい。炭化珪素粉末における炭化珪素粒子の平均粒子径は、3~50μmが好ましく、3~40μmが更に好ましい。金属珪素粉末における金属珪素粒子の平均粒子径は、2~35μmであることが好ましい。炭化珪素粒子及び金属珪素粒子の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。炭化珪素粒子は、炭化珪素粉末を構成する炭化珪素の微粒子であり、金属珪素粒子は、金属珪素粉末を構成する金属珪素の微粒子である。なお、これは、柱状ハニカム構造体の材質を、珪素-炭化珪素系複合材とする場合の成形原料の配合であり、柱状ハニカム構造体の材質を炭化珪素とする場合には、金属珪素は添加しない。
バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。バインダの含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、2.0~10.0質量部であることが好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、0.1~2.0質量部であることが好ましい。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、グラファイト、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル等を挙げることができる。造孔材の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、0.5~10.0質量部であることが好ましい。造孔材の平均粒子径は、10~30μmであることが好ましい。造孔材の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。造孔材が吸水性樹脂の場合には、造孔材の平均粒子径は吸水後の平均粒子径のことである。
水の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、20~60質量部であることが好ましい。
次に、得られた成形原料を混練して坏土を形成した後、坏土を押出成形して、外周壁及び隔壁を有する柱状ハニカム成形体を作製する。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚み、セル密度等を有する口金を用いることができる。次に、得られた柱状ハニカム成形体について、乾燥を行うことが好ましい。柱状ハニカム成形体の中心軸方向長さが、所望の長さではない場合は、柱状ハニカム成形体の両端部を切断して所望の長さとすることができる。乾燥後の柱状ハニカム成形体を柱状ハニカム乾燥体と呼ぶ。
工程A1の変形例として、柱状ハニカム成形体を一旦焼成してもよい。すなわち、この変形例では、柱状ハニカム成形体を焼成して柱状ハニカム焼成体を作製し、当該柱状ハニカム焼成体に対して工程A2を実施する。
(工程A2)
工程A2は、柱状ハニカム成形体の側面に電極層形成ペーストを塗布して、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を得る工程である。電極層形成ペーストは、電極層の要求特性に応じて配合した原料粉(金属粉末、及び、セラミックス粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。原料粉の平均粒子径は、限定的ではないが、例えば、5~50μmであることが好ましく、10~30μmであることがより好ましい。原料粉の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
次に、得られた電極層形成ペーストを、柱状ハニカム成形体(典型的には柱状ハニカム乾燥体)の側面の所要箇所に塗布し、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を得る。電極層形成ペーストを調合する方法、及び電極層形成ペーストを柱状ハニカム成形体に塗布する方法については、公知の柱状ハニカム構造体の製造方法に準じて行うことができるが、電極層を外周壁及び隔壁に比べて低い体積抵抗率にするために、外周壁及び隔壁よりも金属の含有比率を高めたり、原料粉中の金属粒子の粒径を小さくしたりすることができる。
(工程A3)
工程A3は、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を焼成して柱状ハニカム構造体を得る工程である。焼成前に、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を乾燥してもよい。また、焼成前に、バインダ等を除去するため、脱脂を行ってもよい。焼成条件としては、柱状ハニカム構造体の材質にもよるが、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、1400~1500℃で、1~20時間加熱することが好ましい。また、焼成後、耐久性向上のために、1200~1350℃で、1~10時間、酸化処理を行うことが好ましい。脱脂及び焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。
(工程A4)
工程A4は、柱状ハニカム構造体の電極層上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。下地層形成ペーストは、下地層の要求特性に応じて配合した原料粉(金属粉末、及び、酸化物粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。原料粉の平均粒子径は、限定的ではないが、例えば、2~40μmであることが好ましく、5~20μmであることがより好ましい。原料粉の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
(工程A5)
工程A5は、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体に対して焼成処理を行い、下地層付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。焼成条件としては、下地層の材質にもよるが、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、結晶質酸化物が非晶質酸化物に変化しない温度で加熱することが好ましい。例えば、1000~1150℃で、2~6時間の焼成処理を行うことが好ましい。焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。
(工程A6)
工程A6は、下地層に金属端子を接合する工程である。接合方法としては、溶接、ロウ付などがあり、特に制限はないが、レーザー溶接が溶接面積の制御及び生産効率の観点から好ましい。レーザー溶接の方法としては、下地層の外表面に金属端子を配置した状態で、金属端子側からレーザー照射を行い、下地層に金属端子を溶接する方法が挙げられる。レーザー溶接時のレーザー出力は、高すぎると金属端子に穴が開き、低すぎると接合できない。そのため、金属が溶けすぎない程度の出力で下地層が溶ける温度になるようにレーザー出力を調節することが好ましい。金属端子の材質や厚みにもよるが、レーザー溶接時のレーザー出力は、例えば50~200W/mm2とすることができる。
金属端子は、例えば、金属板の所定部分を舌片形状に切断加工する工程と、金属板から舌片を突出させる工程と、突出した舌片を被覆部及び立ち上がり部を備えた所定形状に成形する工程とを含む加工方法により製造可能である。舌片を所定形状に成形する方法としては、プレス加工、切削加工、絞り加工等が挙げられるが、特に制限はなく、公知の金属加工方法を適宜採用可能である。
以上、柱状ハニカム構造体の外周壁上に電極層が配設される場合の実施形態1に係る電気加熱型担体の製造方法について例示的に説明した。柱状ハニカム構造体の外周壁上に電極層が配設されない場合は、電極層の形成工程が省略された柱状ハニカム構造体を得て、柱状ハニカム構造体の外周壁上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得ればよい。以降の工程は上述した通りである。
(3.排気ガス浄化装置)
実施形態1に係る電気加熱型担体100は、排気ガス浄化装置に用いることができる。当該排気ガス浄化装置は、電気加熱型担体と、当該電気加熱型担体を収容する筒状の金属管とを有する。排気ガス浄化装置において、電気加熱型担体は、エンジンからの排ガスを流すための排ガス流路の途中に設置することができる。金属管としては、電気加熱型担体を収容する金属製の筒状部材等を用いることができる。
<実施形態2>
(1.電気加熱型担体)
図2は、本発明の実施形態2に係る電気加熱型担体200を一方の端面116から観察したときの模式図である。図2において、図1A~図1Dで示される符号と同一の符号が付与された構成要素は、実施形態1に係る電気加熱型担体100の説明で述べた通りであり、実施形態に関する説明も重複するので、特に断りのない限り説明を省略する。
実施形態2が実施形態1と異なる点は、実施形態1では一つ又は複数の下地層120が柱状ハニカム構造体110の外周側面114上に直接配設されているのに対して、実施形態2では一つ又は複数の下地層120が柱状ハニカム構造体110の外周側面114上に中間層140を介して配設されている点である。
従って、電気加熱型担体200は、
外周側面114と、外周側面114の内側に配設され、一方の端面116から他方の端面118まで流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113と、を有する導電性の柱状ハニカム構造体110;
柱状ハニカム構造体110の外周側面114上に中間層140を介して配設された一つ又は複数の下地層120;及び、
一つ又は複数の下地層120に接合された金属端子130を備える。
実施形態2において、一つ又は複数の下地層120は、外周側面114上に中間層140を介して配設される。中間層140は、柱状ハニカム構造体110が電極層112bを有する場合は、電極層112bに接触するように配設することが好ましい。一方、中間層140は、柱状ハニカム構造体110が電極層112bを有しない場合は、外周壁112aに接触するように配設される。
中間層140を設ける領域及び数には制限はないが、すべての下地層120が中間層140を介して柱状ハニカム構造体110に接合されるのに必要な領域及び数を用意することが好ましい。一実施形態において、一つの中間層140の上に一つの下地層120を形成することができる。別法として、一つの中間層140の上に複数の下地層120が形成されてもよい。一つの中間層140は単層で構成されていてもよく、複数層が積層された積層構造を有することもできる。
外周壁112a又は電極層112bと下地層120の間に中間層140を配設することで、外周壁112a又は電極層112bと下地層120が予期せぬ反応を生じさせて、熱膨張が変化したり強度低下したりするのを抑制することができる。特に、外周壁112a、電極層112b、又は下地層120がケイ素を含む場合に、ケイ化物が生成して強度が低下することを抑制することができる。熱膨張率は金属端子130→下地層120→中間層140→(電極層112b)→外周壁112aの順に段階的に小さくすることが好ましい。これにより、柱状ハニカム構造体110の外周壁112a又は電極層112bと金属端子130の間の熱膨張差を緩和することができ、ひいては柱状ハニカム構造体の外周壁112a又は電極層112bと金属端子130の間の接合信頼性の改善を図ることができる。
中間層140は、限定的ではないが、珪素化合物(ガラス)及び/又はコージェライトを含有することが好ましい。これらの中でも、非晶質の珪素化合物を含有することが好ましい。
下地層120に接触している箇所における中間層140の厚みは、0.1~0.5mmであることが好ましく、0.1~0.3mmであることが更に好ましい。下地層120に接触している箇所における中間層140の厚みが0.1mm以上であると、外周壁112a、電極層112b、又は下地層120がケイ素を含む場合にケイ化物の生成が大幅に抑制されるという利点が得られる。下地層120に接触している箇所における中間層140の厚みが0.5mm以下であると、中間層140での電圧降下が大幅に抑制されるという利点が得られる。下地層120に接触している箇所における中間層140の厚みは、厚みを測定しようとする中間層140の箇所をセルの延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における中間層140の外表面の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
(2.製造方法)
次に、実施形態2に係る電気加熱型担体を製造する方法について例示的に説明する。実施形態2に係る電気加熱型担体は、柱状ハニカム成形体を得る工程A1と、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を得る工程A2と、電極層形成ペースト付き未焼成柱状ハニカム構造体を焼成して柱状ハニカム構造体を得る工程A3と、柱状ハニカム構造体の電極層上に中間層形成ペーストを塗布して中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程A4-1と、中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体の中間層形成ペースト上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程A4-2と、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体に対して焼成処理を行い、下地層付き柱状ハニカム構造体を得る工程A5と、下地層に金属端子を溶接する工程A6とを含む製造方法により製造可能である。
(工程A1~工程A3)
工程A1から工程A3までは実施形態1に係る電気加熱型担体100を製造する方法で述べた通りである。
(工程A4-1)
工程A4-1は、柱状ハニカム構造体の電極層上に中間層形成ペーストを塗布して中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。中間層形成ペーストは、中間層の要求特性に応じて配合した原料粉(珪素化合物粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。原料粉の平均粒子径は、限定的ではないが、例えば、1~10μmであることが好ましく、2~5μmであることがより好ましい。原料粉の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。塗布後、中間層形成ペーストは乾燥させることが好ましい。
(工程A4-2)
工程A4-2は、中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体の中間層形成ペースト上に下地層形成ペーストを塗布して下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。下地層形成ペーストは、下地層の要求特性に応じて配合した原料粉(金属粉末、及び、酸化物粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。原料粉の平均粒子径は、限定的ではないが、例えば、2~40μmであることが好ましく、5~20μmであることがより好ましい。原料粉の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
(工程A5)
工程A5は、下地層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体に対して焼成処理を行い、下地層付き柱状ハニカム構造体を得る工程である。当該工程により、中間層及び下地層が焼成により形成される。焼成条件としては、下地層及び中間層の材質にもよるが、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、例えば、1000~1150℃で、2~6時間の焼成処理を行うことが好ましい。焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。
(工程A6)
工程A6は実施形態1に係る電気加熱型担体100を製造する方法で述べた通りである。
以上、柱状ハニカム構造体の外周壁上に電極層が配設される場合の実施形態2に係る電気加熱型担体の製造方法について説明した。柱状ハニカム構造体の外周壁上に電極層が配設されない場合は、電極層の形成工程が省略された柱状ハニカム構造体を得て、柱状ハニカム構造体の外周壁上に中間層形成ペーストを塗布して中間層形成ペースト付き柱状ハニカム構造体を得ればよい。以降の工程は上述した通りである。
(3.排気ガス浄化装置)
実施形態2に係る電気加熱型担体200は、排気ガス浄化装置に用いることができる。当該排気ガス浄化装置は、電気加熱型担体と、当該電気加熱型担体を収容する筒状の金属管とを有する。排気ガス浄化装置において、電気加熱型担体は、エンジンからの排ガスを流すための排ガス流路の途中に設置することができる。金属管としては、電気加熱型担体を収容する金属製の筒状部材等を用いることができる。
100、200 電気加熱型担体
110 柱状ハニカム構造体
112a 外周壁
112b 電極層
113 隔壁
114 外周側面
115 セル
116 一方の端面
118 他方の端面
120 下地層
120a 上面
120b 側面
130 金属端子
130a 板状本体
130b 舌片
130b1 立ち上がり部
130b2 被覆部
131 接合部位
132 被覆面
132a 第一端部
132b 第二端部
132c、132d 他の端部
132e 突起部
133a 第一係合面
133b 第二係合面
133c、133d 他の係合面
140 中間層

Claims (10)

  1. 外周側面と、外周側面の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する導電性の柱状ハニカム構造体、
    前記ハニカム構造体の外周側面上に直接又は中間層を介して配設された一つ又は複数の下地層、及び、
    前記一つ又は複数の下地層に接合された金属端子、
    を備えた電気加熱型担体であって、
    前記金属端子は、板状本体と、該本体から突出して前記下地層に接合された一つ又は複数の舌片とを有し、
    各舌片は、
    前記下地層の上面の少なくとも一部を被覆すると共に当該上面の少なくとも一部と接合しており、当該下地層の外周に沿った第一端部及び第二端部を有する被覆面と、
    該第一端部に連結しており、該第一端部から下地層の側面に向かって屈曲して延びる第一係合面と、
    該第二端部に連結しており、該第二端部から下地層の側面に向かって屈曲して延びる第二係合面と、
    を有し、
    該第一係合面と該第二係合面とが、該下地層の上面の重心を挟んで対向する、
    電気加熱型担体。
  2. 前記第一端部における下地層の外周に沿った長さであって、前記第一係合面との連結部位の長さは、下地層の外周長さの10%以上であり、
    前記第二端部における下地層の外周に沿った長さであって、前記第二係合面との連結部位の長さは、下地層の外周長さの10%以上である、
    請求項1に記載の電気加熱型担体。
  3. 前記第一端部及び前記第二端部が直接又は被覆面における他の端部を介して連結されており、且つ、前記第一係合面及び前記第二係合面が直接又は被覆面における他の端部から下地層の側面に向かって屈曲して延びる他の係合面を介して連結されている請求項1又は2に記載の電気加熱型担体。
  4. 前記下地層の上面全体が前記被覆面によって被覆されている請求項3に記載の電気加熱型担体。
  5. 前記一つ又は複数の舌片において、前記第一係合面及び前記第二係合面の被覆面に対する屈曲角度がそれぞれ、30°~135°である請求項1~4の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  6. 前記一つ又は複数の舌片において、前記第一係合面及び前記第二係合面がそれぞれ、前記下地層の側面に接触している請求項1~5の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  7. 前記一つ又は複数の下地層は金属とセラミックスとの複合材で構成されている請求項1~6の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  8. 前記ハニカム構造体は、外周壁、及び、前記外周壁の外表面上に配設され、前記外周壁よりも体積抵抗率の低い電極層を有しており、前記外周側面の一部は電極層によって構成されており、
    前記電極層上に直接又は中間層を介して前記一つ又は複数の下地層が配設されている、
    請求項1~7の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  9. 前記一つ又は複数の下地層は外周側面上に中間層を介して配設されており、中間層が珪素化合物を含有する請求項1~8の何れか一項に記載の電気加熱型担体。
  10. 請求項1~9の何れか一項に記載の電気加熱型担体と、
    前記電気加熱型担体を収容する筒状の金属管と、を備える排気ガス浄化装置。
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