JP2022098080A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】より適切な冷蔵制御を行うことができる冷蔵庫を提供することである。【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、筐体と、冷却部と、制御部とを持つ。前記筐体は、貯蔵部を含む。前記冷却部は、前記貯蔵部を冷却する。前記制御部は、食品を凍結させる第1温度帯で前記貯蔵部を第1時間冷却した後に、前記食品を解凍させた状態で、その状態を保持する所定の第2温度帯で前記貯蔵部を第2時間冷却し、その後、前記食品の使用目的に応じた第3温度帯で前記貯蔵部を冷却または加熱することを含む制御パターンで前記冷却部を制御する。【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
冷蔵室よりも低い温度に冷却されるチルド室を備えた冷蔵庫が知られている。チルド室で食品を保存することにより、食品の鮮度を長く保つことができる。また、近年では、食品のおいしさを引き出す冷蔵制御が提供されている。
特開2019-011932号公報 特開2019-138616号公報
本発明が解決しようとする課題は、より適切な冷蔵制御を行うことができる冷蔵庫を提供することである。
実施形態の冷蔵庫は、筐体と、冷却部と、制御部とを持つ。前記筐体は、貯蔵部を含む。前記冷却部は、前記貯蔵部を冷却する。前記制御部は、食品を凍結させる第1温度帯で前記貯蔵部を第1時間冷却した後に、前記食品を解凍させた状態で、その状態を保持する所定の第2温度帯で前記貯蔵部を第2時間冷却し、その後、前記食品の使用目的に応じた第3温度帯で前記貯蔵部を冷却または加熱することを含む制御パターンで前記冷却部を制御する。
第1の実施形態の冷蔵庫を示す正面図。 図1中に示された冷蔵庫のF2-F2線に沿う断面図。 第1の実施形態の冷凍サイクル装置の構成を示す図。 第1の実施形態の冷蔵庫の制御に関する構成の一部を示すブロック図。 第1の実施形態の「レジスタントスターチ増加」の制御モードが実施される場合のチルド室温度の変化を示す第1の図。 第1の実施形態の「レジスタントスターチ増加」の制御モードが実施される場合のチルド室温度の変化を示す第2の図。 第1の実施形態の「レジスタントスターチ増加」の制御モードの効果の一例を示す図。 第1の実施形態の制御部による制御の流れを示すフローチャート。 第1の実施形態の「レジスタントスターチ増加」の制御モードが実施される場合のチルド室温度の変化を示す第3の図。 第1の実施形態の「レジスタントスターチ増加」の制御モードが実施される場合のチルド室温度の変化を示す第4の図。 第2の実施形態の制御部による制御の流れを示すフローチャート。 第3の実施形態の制御部による制御の流れを示すフローチャート。
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義し、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義する。
「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
以下の説明で「平均温度」は、「中心温度」と読み替えられてもよい。「中心温度」は、対象となる温度帯の最大値(または上限値)と最小値(または下限値)とを足して2で割った値である。ただし、「中心温度」は、例えば、後述する冷蔵室の冷却制御と冷凍室の冷却制御との切り替え時に生じ得る外れ値などは除外して算出されてもよい。
(第1の実施形態)
[1.冷蔵庫の全体構成]
図1から図9を参照し、実施形態の冷蔵庫1について説明する。まず、冷蔵庫1の全体構成について説明する。図1は、冷蔵庫1を示す正面図である。図2は、図1中に示された冷蔵庫1のF2-F2線に沿う断面図である。図1および図2に示すように、冷蔵庫1は、例えば、筐体10、複数の扉20、操作パネル30、流路形成部品40、冷却部50、および制御基板100を備えている。
筐体10は、上壁11、下壁12、左右の側壁13,14、および後壁15を有する。上壁11および下壁12は、略水平に広がっている。左右の側壁13,14は、下壁12の左右の端部から上方に起立し、上壁11の左右の端部に繋がっている。後壁15は、下壁12の後端部から上方に起立し、上壁11の後端部に繋がっている。
図2に示すように、筐体10は、例えば、内箱10a、外箱10b、および断熱部10cを有する。内箱10aは、筐体10の内面を形成する部材である。外箱10bは、筐体10の外面を形成する部材である。外箱10bは、内箱10aよりも一回り大きく形成されており、内箱10aの外側に配置されている。内箱10aと外箱10bとの間には、発泡ウレタンのような発泡断熱材を含む断熱部10cが設けられている。
筐体10の内部には、複数の貯蔵室17が設けられている。複数の貯蔵室17は、例えば、冷蔵室17A、チルド室17B、野菜室17C、製氷室17D、小冷凍室17E、および主冷凍室17Fを含む。例えば、最上部に冷蔵室17Aが配置され、冷蔵室17Aの下方に野菜室17Cが配置され、野菜室17Cの下方に製氷室17Dおよび小冷凍室17Eが配置され、製氷室17Dおよび小冷凍室17Eの下方に主冷凍室17Fが配置されている。ただし、貯蔵室17の配置は、上記例に限定されない。筐体10は、各貯蔵室17の前面側に、各貯蔵室17に対して食品の出し入れを可能にする開口を有する。
チルド室17Bは、冷蔵室17Aの一部の下方に設けられている。チルド室17Bは、例えば、棚や壁などにより少なくとも部分的に冷蔵室17Aに対して区画されている。チルド室17Bは、冷蔵室17Aよりも下方に位置して冷たい冷気が流入しやすいことや、冷蔵室17Aと比べて冷蔵用冷却器61(後述)の近くに位置することで、冷蔵室17Aよりも低い温度に冷却される。チルド室17Bは、「貯蔵部」の一例である。なお冷蔵庫1は、チルド室17Bに代えて、パーシャル温度帯(約-4℃~-2℃)に冷却されるパーシャル室や、複数の温度帯で温度が切り替え可能な温度切替室を有してもよい。この場合、パーシャル室や温度切替室は、「貯蔵部」の一例に該当する。
筐体10は、第1仕切壁18および第2仕切壁19を有する。第1仕切壁18および第2仕切壁19は、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切壁18は、冷蔵室17A(チルド室17B)と野菜室17Cとの間に位置し、冷蔵室17A(チルド室17B)と野菜室17Cとの間を仕切っている。一方で、第2仕切壁19は、野菜室17Cと、製氷室17Dおよび小冷凍室17Eとの間に位置し、野菜室17Cと、製氷室17Dおよび小冷凍室17Eとの間を仕切っている。第2仕切壁19は、例えば発泡断熱材を含み、断熱性を有する。第1仕切壁18は、例えば合成樹脂などで形成されており、第2仕切壁19よりも断熱性が小さい。製氷室17D、小冷凍室17E、および主冷凍室17Fの各々は、「貯蔵部」の一例である。
複数の貯蔵室17の開口は、複数の扉20によって開閉可能に閉じられる。複数の扉20は、例えば、冷蔵室17Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉20Aa,20Ab、チルド室17Bの開口を閉じるチルド室扉20B、野菜室17Cの開口を閉じる野菜室扉20C、製氷室17Dの開口を閉じる製氷室扉20D、小冷凍室17Eの開口を閉じる小冷凍室扉20E、および主冷凍室17Fの開口を閉じる主冷凍室扉20Fを含む。チルド室扉20Bは、冷蔵室扉20Aa,20Abよりも冷蔵室17Aの内部に設けられている(図2参照)。チルド室扉20Bは、例えば、チルド室容器36B(後述)と一体に設けられてチルド室容器36Bと一体に前方に引き出されるタイプでもよいし、チルド室17Bに隣接して設けられたヒンジを中心に回転することで開かれるタイプでもよい。
操作パネル30は、扉20(例えば左冷蔵室扉20Aa)に設けられている(図1参照)。操作パネル30は、冷蔵庫1の設定温度帯の変更や運転モードの変更に関するユーザの入力操作などを受け付ける。操作パネル30は、「操作部」の一例である。操作パネル30は、例えば、後述する「レジスタントスターチ増加」の制御モードの開始および停止を受け付けるボタン31と、「レジスタントスターチ増加」の制御モードにおける各種設定の選択を受け付けるボタン32などを含む。ただし、制御モードの開始や停止、設定を選択する操作は、操作パネル30に代えて、ネットワークを介してユーザの携帯端末やスマートスピーカから入力されてもよい。
図2に示すように、複数の棚35は、冷蔵室17Aに設けられている。複数の容器36は、チルド室17Bに設けられたチルド室容器36B、野菜室17Cに設けられた第1および第2の野菜室容器36Ca,36Cb、製氷室17Dに設けられた製氷室容器(不図示)、小冷凍室17Eに設けられた小冷凍室容器36E、および主冷凍室17Fに設けられた第1および第2の主冷凍室容器36Fa,36Fbを含む。ここで「容器」とは、トレイのような底が浅い部材も含む。
流路形成部品40は、筐体10内に配置されている。流路形成部品40は、第1ダクト部品41と、第2ダクト部品42とを含む。
第1ダクト部品41は、筐体10の後壁15に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第1ダクト部品41は、例えば、野菜室17Cの下端部の後方から冷蔵室17Aの上端部の後方まで延びている。第1ダクト部品41と筐体10の後壁15との間には、冷気(空気)が流れる通路である第1ダクト空間D1が形成されている。第1ダクト部品41は、複数の冷蔵室冷気吹出口41aと、チルド室冷気吹出口41bと、冷気戻り口41cとを有する。複数の冷蔵室冷気吹出口41aは、チルド室17Bよりも上方において複数の高さ位置に分かれて設けられている。複数の冷蔵室冷気吹出口41aは、冷蔵室17Aに開口している。第1ダクト空間D1を流れる冷気は、冷蔵室冷気吹出口41aから冷蔵室17Aに吹き出される。チルド室冷気吹出口41bは、チルド室17Bに開口している。第1ダクト空間D1を流れる冷気は、チルド室冷気吹出口41bからチルド室17Bに吹き出される。冷気戻り口41cは、野菜室17Cに開口している。野菜室17Cを通った冷気は、冷気戻り口41cから第1ダクト空間D1に戻る。
第2ダクト部品42は、筐体10の後壁15に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第2ダクト部品42は、例えば、主冷凍室17Fの後方から製氷室17Dおよび小冷凍室17Eの上端部の後方まで延びている。第2ダクト部品42と筐体10の後壁15との間には、冷気(空気)が流れる通路である第2ダクト空間D2が形成されている。第2ダクト部品42は、冷気吹出口42aと、冷気戻り口42bとを有する。冷気吹出口42aは、製氷室17Dおよび小冷凍室17Eに開口している。第2ダクト空間D2を流れる冷気は、冷気吹出口42aから製氷室17Dおよび小冷凍室17Eに吹き出される。冷気戻り口42bは、主冷凍室17Fに開口している。主冷凍室17Fを通った冷気は、冷気戻り口42bから第2ダクト空間D2に戻る。
冷却部(冷却ユニット)50は、複数の貯蔵室17(冷蔵室17A、チルド室17B、野菜室17C、製氷室17D、小冷凍室17E、および主冷凍室17F)を冷却する。冷却部50は、例えば、第1冷却モジュール60と、第2冷却モジュール70と、圧縮機80と、冷凍サイクル装置90(図3)とを含む。ここで「冷却する」とは、各貯蔵室17に対応する冷却器(後述する冷蔵用冷却器61または冷凍用冷却器71)に圧縮機80から冷媒が供給されている状態を意味する。ただし、「冷却する」とは、後述する冷蔵用ファン62や冷凍用ファン72が駆動される場合に限定されない。例えば、「冷却する」とは、冷蔵用ファン62の駆動が停止された状態で圧縮機80から冷蔵用冷却器61に冷媒が送られ、冷蔵用冷却器61とチルド室17Bとの間の伝熱によりチルド室17Bの温度が低下する場合なども含む。
第1冷却モジュール60は、例えば、冷蔵用冷却器61と、冷蔵用ファン62とを含む。冷蔵用冷却器61は、第1ダクト空間D1に配置されている。冷蔵用冷却器61は、圧縮機80により圧縮された冷媒が供給され、第1ダクト空間D1を流れる冷気を冷却する。冷蔵用冷却器61は、例えば、チルド室17Bに対応する高さに配置されている。
冷蔵用ファン62は、例えば、第1ダクト部品41の冷気戻り口41cに設けられている。冷蔵用ファン62が駆動されると、野菜室17Cの空気が冷気戻り口41cから第1ダクト空間D1内に流入する。第1ダクト空間D1内に流入した空気は、第1ダクト空間D1内を上方に向けて流れ、冷蔵用冷却器61によって冷却される。冷蔵用冷却器61によって冷却された冷気は、複数の冷蔵室冷気吹出口41aから冷蔵室17Aに吹き出され、チルド室冷気吹出口41bからチルド室17Bに吹き出される。冷蔵室17Aおよびチルド室17Bに吹き出された冷気は、冷蔵室17Aおよびチルド室17Bをそれぞれ流れた後、例えば野菜室17Cを経由して、再び冷気戻り口41cに戻る。これにより、冷蔵室17A、チルド室17B、および野菜室17Cを流れる冷気が冷蔵庫1内で循環され、冷蔵室17A、チルド室17B、および野菜室17Cの冷却が行われる。チルド室冷気吹出口41bには、開閉可能な開閉蓋114(図4参照)が設けられている。後述する目的別制御にて、チルド室17Bを加熱する場合、チルド室冷気吹出口41bは、制御部101の制御により開閉蓋114が閉じられ、閉状態となる。
一方で、第2冷却モジュール70は、例えば、冷凍用冷却器71と、冷凍用ファン72とを含む。冷凍用冷却器71は、第2ダクト空間D2に配置されている。冷凍用冷却器71は、圧縮機80により圧縮された冷媒が供給され、第2ダクト空間D2を流れる冷気を冷却する。
冷凍用ファン72は、例えば、第2ダクト部品42の冷気戻り口42bに設けられている。冷凍用ファン72が駆動されると、主冷凍室17Fの空気が冷気戻り口42bから第2ダクト空間D2内に流入する。第2ダクト空間D2内に流入した空気は、第2ダクト空間D2内を上方に向けて流れ、冷凍用冷却器71によって冷却される。冷凍用冷却器71によって冷却された冷気は、冷気吹出口42aから製氷室17D、小冷凍室17E、および主冷凍室17Fに流入する。製氷室17Dおよび小冷凍室17Eに流入した冷気は、製氷室17Dおよび小冷凍室17Eをそれぞれ流れた後、主冷凍室17Fを経由して、再び冷気戻り口42bに戻る。これにより、製氷室17D、小冷凍室17E、および主冷凍室17Fを流れる冷気が冷蔵庫1内で循環され、製氷室17D、小冷凍室17E、および主冷凍室17Fの冷却が行われる。
圧縮機80は、例えば、冷蔵庫1の底部の機械室に設けられている。圧縮機80は、貯蔵室17の冷却に用いられる冷媒ガスを圧縮する。圧縮機80により圧縮された冷媒ガスは、凝縮器91(後述)などを経由して、冷蔵用冷却器61および冷凍用冷却器71に送られる。
[2.冷凍サイクル装置]
図3は、冷凍サイクル装置90の構成を示す図である。冷凍サイクル装置90は、冷媒の流れ順に、凝縮器91と、ドライヤ92と、三方弁93と、キャピラリーチューブ94,95とを含む。詳しく述べると、圧縮機80の高圧吐出口には、凝縮器91とドライヤ92とが順に接続パイプ96を介して接続されている。ドライヤ92の吐出側には、三方弁93が接続されている。三方弁93は、ドライヤ92が接続される1つの入口と、2つの出口とを有している。
三方弁93の2つの出口のうち一方の出口には、冷蔵側のキャピラリーチューブ94と冷蔵用冷却器61とが順に接続されている。冷蔵用冷却器61は、接続配管である冷蔵側サクションパイプ97を介して圧縮機80に接続されている。三方弁93の2つの出口のうち他方の出口には、冷凍側のキャピラリーチューブ95と冷凍用冷却器71とが順に接続されている。冷凍用冷却器71は、接続配管である冷凍側サクションパイプ98を介して圧縮機80に接続されている。冷凍用冷却器71と圧縮機80の間には、冷蔵用冷却器61からの冷媒が冷凍用冷却器71側に逆流しないための逆止弁99が設けられている。
冷凍サイクル装置90を循環する冷媒は、圧縮機80により圧縮されて、高温、高圧のガス状冷媒となり、流路Aを流れる。このガス状冷媒は、凝縮器91により放熱されて、中温、高圧の液状冷媒となる。その後、ドライヤ92を通ることで汚れや水分などの不純物が取り除かれた液状冷媒は、三方弁93により絞り制御されながら、キャピラリーチューブ94(またはキャピラリーチューブ95)に入る。このとき、キャピラリーチューブ94(またはキャピラリーチューブ95)内の中温、高圧の液状冷媒は、冷蔵側サクションパイプ97(または冷凍側サクションパイプ98)内の冷媒と熱交換されながら減圧される。そして、減圧された冷媒は、冷蔵用冷却器61(または冷凍用冷却器71)を通過しながら蒸発することで、冷蔵用冷却器61(または冷凍用冷却器71)が冷却される。
その後、低温、低圧のガス状となった冷媒は、冷蔵側サクションパイプ97(または冷凍側サクションパイプ98)に流入する。冷蔵側サクションパイプ97(または冷凍側サクションパイプ98)に流入した直後の冷媒ガスの温度は、-10℃前後と低温である。
この冷媒ガスは、冷蔵側サクションパイプ97(または冷凍側サクションパイプ98)を通る間に、キャピラリーチューブ94(またはキャピラリーチューブ95)内の冷媒と熱交換されて、最終的には室温程度にまで昇温される。そして、この冷媒ガスが、圧縮機80に再び吸入されて、冷媒の循環が完了する。
上記の冷凍サイクル装置90において、三方弁93は、制御部101(図4参照)によって制御され、流路Bおよび流路Cのうち例えば一方を選択する。流路Bは、冷媒を冷蔵用冷却器61に供給する流路である。流路Cは、冷媒を冷凍用冷却器71に供給する流路である。これら2つの流路B,Cは、合流点Dにおいて合流する。冷媒は、合流点Dから矢印Eの方向に流れて圧縮機80へと戻る。
上記説明したように、制御部101は、三方弁93を制御することにより、冷媒の流路を流路Bと流路Cとを交互に切り替える。流路Bに冷媒が流れている時には、冷蔵温度帯の貯蔵室17(冷蔵室17A、チルド室17B、野菜室17C)が冷却される。流路Cに冷媒が流れている時には、冷凍温度帯の貯蔵室17(製氷室17D、小冷凍室17E、主冷凍室17F)が冷却される。制御部101は、例えば、20分の間、流路Bに冷媒を流して、冷蔵温度帯の貯蔵室17の冷却(いわゆる冷蔵運転)を行い、40分の間、流路Cに冷媒を流して、冷凍温度帯の貯蔵室17の冷却(いわゆる冷凍運転)を行う。
[3.制御部]
[3.1 制御部に関する構成]
図4は、冷蔵庫1の制御に関する構成の一部を示すブロック図である。制御基板100は、マイコンや時間計測などを行うタイマ101aなどを含むコンピュータで構成される制御部101を備える。制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサによってコンピュータプログラムが実施されることで実現されるソフトウェア機能部でもよく、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)などのハードウェア(例えば回路部;circuity)により実現されてもよい。制御部101の全部または一部は、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
制御部101は、冷蔵庫1の全体を制御する。制御部101には、冷蔵用ファン62、冷凍用ファン72、圧縮機80、三方弁93、操作パネル30、冷蔵室温度センサ111、チルド室温度センサ112、庫内カメラ113、開閉蓋114、チルド室ヒータ115および記憶部116が接続されている。
冷蔵室温度センサ111は、例えば冷蔵室17Aに露出し、冷蔵室17Aの空気温度を検出する。
チルド室温度センサ112は、チルド室17Bに露出し、チルド室17Bに関する温度を検出する。「チルド室に関する温度」とは、例えば、チルド室17Bに収容された食品温度(例えば食品の表面温度)、チルド室17Bの空気温度、またはチルド室17Bに収容された部材(例えばチルド室容器36B)の温度などのうち1つ以上である。例えば、チルド室温度センサ112は、チルド室17Bに収容された食品温度を検出する接触型温度センサである。ただし、チルド室温度センサ112が設けられることに代えて、制御部101は、冷蔵室温度センサ111の検出結果と、事前に求められた冷蔵室17Aの空気温度とチルド室17Bの空気温度との対応関係とに基づき、チルド室17Bの空気温度を推定してもよい。この場合、冷蔵室温度センサ111は、「チルド室に関する温度を検出するセンサ」の一例に該当する。以下では便宜上、冷蔵室17Aの空気温度を「冷蔵室温度」、チルド室17Bの空気温度を「チルド室温度」、野菜室17Cの空気温度を「野菜室温度」、主冷凍室17Fの空気温度を「冷凍室温度」と称する。
庫内カメラ113は、例えば冷蔵室17Aに設けられ、冷蔵室17Aまたはチルド室17Bに対する食品の入庫および出庫を検知する。チルド室扉20Bの開閉は、庫内カメラ113が撮影する画像または映像に基づいて検出されてもよい。この場合、庫内カメラ113は、「チルド室扉の開閉を検知する検知部」の別の一例である。
開閉蓋114は、チルド室冷気吹出口41bに設けられている。開閉蓋114は、制御部101の制御により、開状態または閉状態となる。具体的には、チルド室17Bを加熱する場合、開閉蓋114は、閉状態に制御される。開閉蓋114が、閉状態となると、チルド室冷気吹出口41bからチルド室17Bへの冷気の吹き出しが遮断される。
チルド室ヒータ115は、チルド室17Bの底面又は背面に備えられており、制御部101の指令により通電され、チルド室17Bを加熱する。
記憶部116は、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(read-only memory)、またはRAM(random access memory)などにより実現される。記憶部116は、後述する「通常チルド」、「急速チルド」、「解凍」、「レジスタントスターチ増加」の各制御モードの実施に必要な情報(例えば実施時間や待機時間の設定情報など)を記憶している。
[3.2 基本運転]
次に、冷蔵庫1の基本運転について説明する。制御部101は、冷蔵庫1の基本運転として「冷蔵運転」および「冷凍運転」を実施する。「冷蔵運転」とは、三方弁93が切り替えられて圧縮機80から冷蔵用冷却器61に液体冷媒が供給される運転を意味する。一方で、「冷凍運転」は、三方弁93が切り替えられて圧縮機80から冷凍用冷却器71に液体冷媒が供給される運転を意味する。
制御部101は、例えば、冷蔵運転と冷凍運転とを交互に行うことにより、冷蔵温度帯の貯蔵室17(冷蔵室17A、チルド室17B、野菜室17C)と、冷凍温度帯の貯蔵室17(製氷室17D、小冷凍室17E、主冷凍室17F)とがそれぞれの設定温度帯に保たれるように、冷却部50を制御する。例えば、制御部101は、所定時間(例えば20分)に亘り冷蔵温度帯の貯蔵室17を冷却し、別の所定時間(例えば40分)に亘り冷凍温度帯の貯蔵室17を冷却することを交互に繰り返す。
制御部101は、冷蔵運転中に、冷蔵室温度が冷蔵室17Aの設定温度帯の下限値に達した場合(または、チルド室温度がチルド室17Bの設定温度帯の下限値に達した場合)や、冷凍室温度が主冷凍室17Fの設定温度帯の上限値に達した場合などに、上記所定時間の途中であっても冷蔵運転を終了して冷凍運転を開始してもよい。制御部101は、冷凍運転中に、冷凍室温度が主冷凍室17Fの設定温度帯の下限値に達した場合や、冷蔵室温度が冷蔵室17Aの設定温度帯の上限値に達した場合(または、チルド室温度がチルド室17Bの設定温度帯の上限値に達した場合)などに、上記所定時間の途中であっても冷凍凍転を終了して冷蔵運転を開始してもよい。
ここで、冷蔵運転が行われる間は、冷蔵温度帯の貯蔵室17の空気温度は低下するが、冷凍温度帯の貯蔵室17の空気温度は上昇する。一方で、冷凍運転が行われる間は、冷凍温度帯の貯蔵室17の空気温度は低下するが、冷蔵温度帯の貯蔵室17の空気温度は上昇する。このため、冷蔵温度帯の貯蔵室17の空気温度と、冷凍温度帯の貯蔵室17の空気温度は、それぞれ鋸歯状に上下することを繰り返す(図5、図6参照)。冷凍サイクル装置90における冷蔵運転および冷凍運転は、後述する「レジスタントスターチ増加」の制御(以下、RS増加制御と記載する場合がある。)の実施中に交互に繰り返される。
[3.3 設定温度帯]
次に、「設定温度帯」について説明する。「設定温度帯」は、冷蔵運転および冷凍運転のそれぞれにおいて、温度管理の主対象となる貯蔵室17(例えば、冷蔵室17A(またはチルド室17B)と主冷凍室17F)の空気温度が維持される温度範囲を意味する。「設定温度帯」とは、上限値と下限値とにより規定される温度範囲を意味する。
制御部101は、例えば、冷蔵室温度(またはチルド室温度)や冷凍室温度に基づくPID制御(Proportional Integral Differential Control)のようなフィードバック制御を行うことで、温度管理の主対象となる貯蔵室17の空気温度を設定温度帯の上限値と下限値との間に収める。例えば、制御部101は、冷蔵室温度(またはチルド室温度)と設定温度帯の下限値との差が大きい場合、圧縮機80の運転周波数(圧縮能力)を高く設定するとともに、冷蔵用ファン62の回転数を高く設定する。一方で、制御部101は、冷蔵室温度(またはチルド室温度)と設定温度帯の下限値との差が小さい場合、圧縮機80の運転周波数を低く設定するとともに、冷蔵用ファン62の回転数を低く設定する。
ここで「設定温度帯」としては、冷蔵運転と冷凍運転のそれぞれについて、複数の段階(複数のレベル)が設けられている。例えば、RS増加制御において、冷蔵運転の設定温度帯は、「凍結温度帯」、「解凍保持温度帯」、「目的別温度帯」の3段階の温度帯を含む。「凍結温度帯」には食品の内部まで(例えば中心部まで)凍らせることができる温度が設定される。例えば、「凍結温度帯」の目標温度には、-2℃以下の温度(例えば-2℃)が設定される。「解凍保持温度帯」には、内部まで凍らせた食品を解凍させ、食品を、レジスタントスターチを増加させるのに適した温度で保持させるための温度が設定される。例えば、「解凍保持温度帯」の目標温度には、+3℃以上であり+5℃未満の温度(例えば+4℃)が設定される。「目的別温度帯」には、食品の使用目的に応じた温度が設定される。食品を保存する場合、「目的別温度帯」には、例えば、-1℃以上であり+3℃未満の温度(例えば+2℃)が設定される。食品を摂取する場合、「目的別温度帯」には、例えば、+5℃以上の温度(例えば+10℃)が設定される。
[4.制御モード]
制御部101は、チルド室17Bの平均温度が+0.5~+2.0℃の温度帯に保つ「通常チルド」の制御モード、チルド室17Bに新しく入れられた食品の温度をいち早くチルド室17Bの温度帯まで下げる「急速チルド」の制御モード、「通常チルド」の制御モードと比べてチルド室17B内の温度を高くする「解凍」の制御モードなど、いくつかの制御モードが実施可能である。本実施形態の制御部101は、これらに加えて、「レジスタントスターチ増加」の制御モードを実施することができる。「レジスタントスターチ増加」の制御モードは制御パターンの一例である。
<レジスタントスターチ増加>
「レジスタントスターチ増加」の制御モードとは、食品中のでんぷんに含まれるレジスタントスターチを増加させる制御である。レジスタントスターチは、小腸内で消化吸収されにくい成分である。ユーザが、ごはん類、パン類、スイーツ等のでんぷんを多く含む食品を摂取する場合に、でんぷんに含まれる成分を変化させてレジスタントスターチを増加させることで、肥満の抑制、糖尿病の予防、便秘の解消などの効果が得られる。一度食品を内部まで(例えば中心部まで)凍結させ、その後、解凍して所定温度で所定時間以上(例えば+4℃で4時間以上)保存することで、食品中のでんぷんに含まれるレジスタントスターチを増加させることができる。「レジスタントスターチ増加」の制御モードでは、チルド室17Bが凍結温度帯で冷却される。次にチルド室17Bが解凍保持温度帯で冷却される。最後にチルド室17Bが目的別温度帯で冷却または加熱される。「レジスタントスターチ増加」の制御モードでは、例えば、冷蔵室温度に代えて、チルド室温度に基づいて冷却部50が制御される。
「レジスタントスターチ増加」の制御モードは、操作パネル30などを介して「レジスタントスターチ増加」の開始を指示するユーザの操作が受け付けられることで開始される。ユーザは、制御の開始前に少なくとも食品の使用目的(例えば、食品の保存または摂取)を設定することができる。
図5は、「レジスタントスターチ増加」の制御モードが実施される場合のチルド室温度の変化を示す第1の図である。「レジスタントスターチ増加」の制御モードを実施する場合、制御部101は、チルド室17Bを凍結温度帯で冷却する凍結制御を実施する。次に制御部101は、チルド室17Bを解凍保持温度帯で冷却する解凍保持制御を実施する。次に制御部101は、チルド室17Bを目的別温度帯で冷却する目的別制御を実施する。なお、チルド室温度とチルド室にて保存する食品内部温度は概ね等しいとして以下の説明を行うが、RS増加制御を実施するうえで、チルド室温度と食品の温度との間に差がある場合、以下の設定温度について、その差を埋め合わせるオフセット値を設けることができる。また以下の説明における「チルド室温度」は、「食品温度」と適宜読み替えられてもよい。
凍結温度帯の平均温度Taは、例えば-2℃である。凍結温度帯は、チルド室17Bの食品を内部まで凍結させることができる温度である。凍結制御は、食品が内部まで完全に凍結するために必要な所定の実施時間Sa(例えば約350分間)に亘り実施される。制御部101は、時刻t0に凍結制御を開始し、時刻t1まで凍結制御を実施する。凍結制御の開始からしばらくの間、チルド室温度(食品温度)は急激に低下し、平均温度Taに近づくが、完全に平均温度Taを達成するのは時刻t1の直前になってからである。この状態で初めて完全に食品の内部まで凍結する状態となる。例えば、事前にごはんやパンなどの食材を用いてその内部が完全に凍結するまでの時間が計測され、計測された時間が実施時間Saに設定される。食品を凍結させる際に、急速に食品を凍らせると、レジスタントスターチが増加する前に食品が凍結してしまう可能性がある。従って、食品の凍結は、緩やかに行うことが好ましい。その為に、平均温度Taには、その温度を達成すれば、食品の内部まで確実に凍結させることができ、且つ、レジスタントスターチの増加を妨げるほど急激な温度低下が生じない温度が設定される。例えば、-2℃は、そのような温度である。また、レジスタントスターチの増加のためには、一旦、食品の内部まで凍結させればよく、その状態を維持する必要はない。第1の実施形態では、実施時間Saには、例えば、ごはん類やパン類などのでんぷんを多く含む食品のうち、凍結までに最も時間が掛かる食品についての凍結に要する時間が設定される。
一方で、凍結までに時間が掛かる食品に合わせて実施時間Saを設定し、緩やかに食品が凍るように平均温度Taを設定すると、レジスタントスターチの増加には有利だが、RS増加制御の時間が長くなり、ユーザの利便性を損なう可能性がある。そこで、平均温度Taに-2℃より低い温度を設定し、実施時間Saが短くなるようにしてもよい。平均温度Taに-2℃より低い温度を設定し、制御時間の短縮を図る場合、実施時間Saを適切に設定しなければ食品の凍結が進み、その後の解凍に時間が掛かり、かえって制御時間が長時間化することになりかねない。従って、平均温度Taに-2℃より低い温度を設定し凍結時間の短縮化を図る場合、食品の内部まで凍結する時間をより厳密に見積もって、実施時間Saを設定する。あるいは、事前に実施時間Saを設定するのではなく、設定温度を例えば-5℃に設定し、-2℃の場合よりも急速にチルド室温度(食品温度)を低下させつつ、チルド室温度(食品温度)が-2℃を達成すると(あるいは、-2℃を達成して所定の時間が経過すると)、凍結制御を終了させてもよい(後述する第1の変形例)。凍結温度帯は第1温度帯の一例である。実施時間Saは第1時間の一例である。
解凍保持温度帯の平均温度Tbは、+4℃である。平均温度Tbには、凍結制御によって内部まで凍結した食品を解凍させ、レジスタントスターチを増加させることができる温度の一例である+4℃が設定される。解凍保持制御は、所定の実施時間Sb(例えば400分間)に亘り実施される。制御部101は、時刻t1に解凍保持制御を開始し、時刻t3まで解凍保持制御を実施する。レジスタントスターチの増加には、一度凍らせた食品を解凍した後に+4℃で少なくとも4時間保持することが有効である。実施時間Sbには、食品が解凍し+4℃に到達するまでに要する時間である解凍時間Sb1と、+4℃で保持される保持時間Sb2とを加算した値が設定される。解凍時間Sb1は、例えば約160分間である。保持時間Sb2は例えば240分間(4時間)である。実施時間Sbには、食品を解凍して、その後、+4℃で4時間保持できるような十分な時間であって、且つ、RS増加制御全体の時間が長くなりすぎない時間が設定される。あるいは、事前に実施時間Sbを設定するのではなく、チルド室温度センサ112が測定する温度が+4℃を達成してから4時間(あるいは、4時間に少し余裕を持たせた時間)、が経過すると解凍保持制御を終了させてもよい(後述する第1の実施形態~第3の実施形態における第2の変形例)。(保持時間Sb2における)解凍保持温度帯は第2温度帯、第4温度帯の一例である。保持時間Sb2は第2時間の一例である。また、図5に例示するRS増加制御では、食品を解凍する温度(解凍時間Sb1におけるチルド室温度)と、解凍後一定に維持する温度(保持時間Sb2におけるチルド室温度)とが同じ温度であるが、これに限定されない。例えば、食品を解凍する温度を+4℃より高温(第4温度帯)とし、維持する温度(第2温度帯)を+4℃としてもよい。また、食品を解凍する温度を+4℃より低温(第4温度帯)とし、維持する温度(第2温度帯)を+4℃としてもよい。
目的別温度帯の平均温度Tcは、例えば+2℃である。目的別温度帯は、凍結制御と解凍保持制御をこの順で実施することによってレジスタントスターチが増加した食品の使用目的に応じて設定される。レジスタントスターチ増加後の食品を保存する場合、平均温度Tcには、例えば+2℃などの「通常チルド」と同様の温度が設定される。目的別制御は、所定の実施時間Scに亘り実施される。制御部101は、時刻t3に目的別制御を開始する。食品の使用目的が保存の場合、目的別制御は、制限なく実施されてもよい。目的別温度帯は、第3温度帯の一例である。
図5に示すRS増加制御の場合、実施時間Saと保持時間Sb2を比較すると、実施時間Saが保持時間Sb2よりも長くなっている。これは、レジスタントスターチが増加する前に急速に食品が凍結するのを防ぐためである。実施時間Saと実施時間Sbを比較すると、実施時間Sbが実施時間Saよりも長くなっている。これは、凍結させた食品の温度を解凍するため状態変化に時間が掛かることと、+4℃を達成した後、少なくとも4時間保持する為である。図5に例示する温度変化は、平均温度Taを-2℃に設定した場合のグラフである。制御時間の短縮のために凍結温度帯の平均温度Taを-5℃や-10℃などに設定した場合、実施時間Saは更に短くなると考えられる。一方、凍結温度帯の平均温度Taを-2℃に設定した場合と同様の凍結状態にある食品については、実施時間Sbは変わらないはずである。よって、凍結温度帯の平均温度Taを変更した場合であっても、実施時間Sa、Sbを意図的に長く設定しなければ、実施時間Sbは実施時間Saよりも長くなる。また、図5の例では、目的別温度帯の平均温度Tcは+2℃である。この場合、解凍時間Sb1と、目的別制御を開始してから目的別温度帯の平均温度Tcを達成するまでの時間Sc1を比較すると、解凍時間Sb1は時間Sc1より長い。また、この間の温度変化に着目すると、時間Sc1における温度変化の傾き(例えば、時間Sc1における最初の時刻におけるチルド室温度(食品温度)と最後の時刻におけるチルド室温度(食品温度)の差を時間Sc1で除算した値)は、解凍時間Sb1における温度変化の傾き(例えば、解凍時間Sb1における最初の時刻におけるチルド室温度(食品温度)と最後の時刻におけるチルド室温度(食品温度)の差を解凍時間Sb1で除算した値)よりも大きい。これは、解凍時間Sb1では、凍結から解凍への食品の状態変化を伴うのに対し、時間Sc1では食品の状態変化を伴わない為である。また、実施時間Saにおいて、例えば凍結制御の開始からチルド室温度(食品温度)が0℃となるまでの間における温度変化の傾き(例えば、この間全体での温度変化の傾き、又はこの間における所定時間毎の温度変化の傾きのうち最大の値)と、時間Sc1における温度変化の傾きを比較した場合、実施時間Saにおける温度変化の傾きの方が大きい。温度変化の傾きは、「温度変化率」または「単位時間当たりの温度変化量」と称されてもよい。
図6に、目的別温度帯の平均温度Tc´に+10℃を設定した場合の例を示す。図6は、「レジスタントスターチ増加」の制御モードが実施される場合のチルド室温度の変化を示す第2の図である。ごはん類やパン類のレジスタントスターチを増加させると、パサパサになり、食感が劣化する。摂取前に食品の温度を上昇させることでレジスタントスターチを損なうことなく、食感を元の状態に近づけることができる。食品の使用目的が摂取の場合、平均温度Tc´には例えば+10℃が設定される。食品の温度を+10℃にすることで、食感を回復し、摂取しやすいようにする。+10℃は、食品の長期間の保存には適さないため、実施時間Sc´に所定の時間を設定し、その後は、通常の「チルド室」の制御モードにおける温度へ移行するようにしてもよい。図6の例においても、解凍時間Sb1と、目的別制御を開始してから平均温度Tc´を達成するまでの時間Sc1´を比較すると、解凍時間Sb1は時間Sc1´より長い。時間Sc1´における温度変化の傾き(例えば、時間Sc1´における最初の時刻におけるチルド室温度(食品温度)と最後の時刻におけるチルド室温度(食品温度)の差を時間Sc1´で除算した値)は、解凍時間Sb1における温度変化の傾きよりも大きい。実施時間Saにおいて、例えば凍結制御の開始からチルド室温度(食品温度)が0℃となるまでの間における温度変化の傾きと、時間Sc1´における温度変化の傾きを比較した場合、実施時間Saにおける温度変化の傾きの方が大きい。図5、図6に示すRS増加制御による温度変化は、第1時間(実施時間Sa)が第2時間(保持時間Sb2)よりも長い場合の一例である。
図7にRS増加制御によるレジスタントスターチの含有量の変化を示す。図7は実施形態のRS増加制御の効果の一例を示す図である。図7を参照すると、RS増加制御を実施する前のごはん100gに含まれるレジスタントスターチは4gであり、RS増加制御の実施により7g増加し、実施後には11gとなっている。同様に、RS増加制御の実施前のパン100gに含まれるレジスタントスターチは9gであり、RS増加制御の実施により5g増加し、RS増加制御の実施後には14gとなっている。
[5.制御フロー]
図8は、制御部101の制御の流れを示すフローチャートである。記憶部116には、実施時間Sa(例えば350分間)と、実施時間Sb(例えば400分間)と、使用目的ごとの実施時間Sc、Sc´と、凍結温度帯の平均温度Taの設定値(例えば-2℃)、解凍保持温度帯の平均温度Tbの設定値(例えば+4℃)、使用目的ごとの目的別温度帯の平均温度Tc(例えば+2℃)、平均温度Tc´(例えば+10℃)が設定されている。
制御部101は、RS増加制御に関する設定とユーザの操作による「レジスタントスターチ増加」の制御モードの開始指令を取得する(S101)。RS増加制御に関する設定とは、目的別制御における設定温度に関する食品の使用目的である。ユーザは、例えば、ボタン32を操作して、保存または摂取を選択し、食品の使用目的を冷蔵庫1へ入力する。ユーザは、例えば、ボタン31を操作して、「レジスタントスターチ増加」の制御モードの開始指令を冷蔵庫1へ入力する。制御部101は、これらの入力を取得する。
制御部101は、凍結制御を実施する(S102)。例えば、制御部101は、冷蔵温度帯の貯蔵室17の設定温度に-2℃を設定し、冷却部50を制御する。制御部101は、実施時間Saに亘り凍結制御を実施する。実施時間Saが経過すると、制御部101は、凍結制御を終了する。
次に制御部101は、解凍保持制御を実施する(S103)。例えば、制御部101は、冷蔵温度帯の貯蔵室17の設定温度に+4℃を設定し、冷却部50を制御する。制御部101は、実施時間Sbに亘り解凍保持制御を実施する。実施時間Sbが経過すると、制御部101は、解凍保持制御を終了する。
次に制御部101は、目的別制御を開始する。制御部101は、S101で入力された設定における使用目的を確認する。使用目的が保存の場合(S104:YES)、制御部101は、保存用の目的別制御を実施する(S105)。例えば、冷蔵温度帯の貯蔵室17の設定温度に+2℃を設定し、冷却部50を制御する。制御部101は、所定時間(実施時間Sc)に亘り目的別制御を実施する。そして、制御部101は、所定時間の経過後、保存用の目的別制御を終了する。
使用目的が摂取の場合(S104:NO)、制御部101は、摂取用の目的別制御を実施する(S106)。例えば、制御部101は、チルド室冷気吹出口41bの開閉蓋114を閉じ、チルド室ヒータ115に通電する。制御部101は、チルド室温度を監視し、チルド室温度が+10℃に保たれるよう、チルド室ヒータ115の動作を制御する。そして、制御部101は、所定時間の経過後、摂取用の目的別制御を終了する。
[6.利点]
本実施形態では、制御部101は、でんぷんを含む食品の内部を完全に凍結させるのに十分な実施時間Saに亘り凍結制御を実施し、その後、食品を解凍して4℃で4時間以上保持する解凍保持制御を実施する。これにより、食品のでんぷんに含まれるレジスタントスターチを増加させることができる。
本実施形態では、解凍保持制御の実施後、食品の長期保存に適した温度にて食品を保存する制御(使用目的が保存の場合の目的別制御)を実施する。これにより、レジスタントスターチを増加させた後に、そのままの状態で食品を保存することができる。
本実施形態では、解凍保持制御の実施後、食品のパサパサ感を回復させる制御(使用目的が摂取の場合の目的別制御)を実施する。これにより、レジスタントスターチを増加させた後の摂取に備えて、食感を向上させることができる。
本実施形態では、保持時間Sb2よりも長い実施時間Saをかけて食品を凍結させる。これにより、でんぷんの所謂α化を防ぎ、レジスタントスターチ(β化でんぷん)を増加させることができる。
本実施形態では、実施時間Sbよりも短い時間Sc1で解凍保持温度帯の中心温度Tbから目的別温度帯の中心温度Tcへ移行することができる。これにより、食品の痛みを防ぐことができる。
(第1の実施形態の第1の変形例)
図5、図6では、凍結制御の結果、チルド室温度(食品温度)が-2℃に到達すると、直ちに解凍保持制御へ移行する場合の制御を例に説明を行った。しかし、-2℃に到達後、しばらくの間この温度を保持してもよい。このようなRS増加制御を実施した場合のチルド室温度の変化の一例を図9Aに示す。図9Aでは、制御部101が、時刻t0に凍結制御を開始し、時間Sa1(例えば約350分間)後の時刻t1には-2℃を達成している。しかし、制御部101は、その後も、時間Sa2(例えば約210分間)に亘り凍結制御を継続する。そして、制御部101は、時間Sa1に時間Sa2を加算した時間である実施時間Sa(例えば約560分間)に亘り凍結制御を実施した後、凍結制御を終了し、時刻t1aに解凍保持制御を開始する。図9Aの例では、解凍保持制御と目的別制御については、図5の例と同様である。例えば、制御部101は、解凍保持制御を実施時間Sb(例えば約400分間)に亘り実施する。その後、制御部101は、目的別制御を実施時間Scに亘り実施する。このように凍結制御においては、チルド室温度(食品温度)を-2℃で保持するマージンの時間帯を設けることができる。この場合であっても、実施時間Sa(例えば約560分間)は、保持時間Sb2(例えば約240分間)よりも長い時間である。一方、実施時間Saと実施時間Sbの比較においては、実施時間Sa(例えば約560分間)は、実施時間Sb(例えば約400分間)よりも長い時間となる。図9Aに例示するRS増加制御における実施時間Saは、第1時間の一例である。図9Aに示すRS増加制御による温度変化は、第1時間(実施時間Sa)は、食品の解凍を進める時間(解凍時間Sb1)と第2時間(保持時間Sb2)との合計よりも長い場合の一例である。
(第1の実施形態の第2の変形例)
図5、図6では、-2℃に低下させた後、4℃で4時間以上保持するとしたが、4℃で12時間以上保持することにより、レジスタントスターチをさらに増加させることができる。保持時間Sb2を12時間とした場合のチルド室温度(食品温度)の変化の一例を図9Bに示す。図9Bでは、制御部101が、時刻t0に凍結制御を開始し、実施時間Sa後の時刻t1に凍結制御を終了し、解凍保持制御を開始する。時刻t2にチルド室温度(食品温度)が+4℃となると、12時間以上その温度を保持する。つまり、保持時間Sb2は720分以上となる。例えば、制御部101は、解凍保持制御を実施時間Sb(例えば約880分間、Sb1は約160分、Sb2は約720分)に亘り実施する。その後、制御部101は、目的別制御を実施時間Scに亘り実施する。このように解凍保持制御においては、チルド室温度(食品温度)が+4℃に到達した後、12時間以上保持するようにしてもよい。これにより、例えば、+4℃で4時間保持する場合に比べてさらにレジスタントスターチをさらに増加させることができる。図9Bに示すRS増加制御による温度変化は、第2時間(保持時間Sb2)が第1時間(実施時間Sa)よりも長い場合の一例である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態は、食品の種類に応じた実施時間Saおよび実施時間Sbを設定する点で第1の実施形態とは異なる。例えば、ごはん類とパン類(スイーツ類を含む)とを比較すると、ごはん類の方が、凍結に時間が掛かり、解凍にも時間が掛かる。第2の実施形態では、ごはん類に対してRS増加制御を行う場合は、ごはん類の凍結に必要な時間を実施時間Saに設定して凍結制御を行い、ごはん類の解凍に必要な時間を解凍時間Sb1に設定して解凍保持制御を実施する(保持時間Sb2は食品の種類に関わらず4時間またはそれ以上)。例えば、ごはん類用の実施時間Saは、ごはん類を確実に内部まで凍結できる十分かつ最短の時間である。例えば、パン類およびスイーツ類用の実施時間Saは、パン類およびスイーツ類を確実に内部まで凍結できる十分かつ最短の時間である。例えば、ごはん類用の実施時間Sbは、ごはん類を解凍し、4℃に到達させた後、その状態で4時間保持することができる十分かつ最短の時間である。例えば、パン類およびスイーツ類用の実施時間Sbは、パン類およびスイーツ類を解凍し、4℃に到達させた後、その状態で4時間保持することができる十分かつ最短の時間である。以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
図10は、制御部101の制御の流れを示すフローチャートである。記憶部116には、ごはん類用の実施時間Saと、パン類およびスイーツ類用の実施時間Saと、ごはん類用の実施時間Sbと、パン類およびスイーツ類用の実施時間Sbと、使用目的ごとの実施時間Sc、Sc´と、凍結温度帯の平均温度Taの設定値(例えば-2℃)、解凍保持温度帯の平均温度Tbの設定値(例えば+4℃)、使用目的ごとの目的別温度帯の平均温度Tc(例えば+2℃)、平均温度Tc´(例えば+10℃)が設定されている。
制御部101は、RS増加制御に関する設定とユーザの操作による「レジスタントスターチ増加」の制御モードの開始指令を取得する(S101a)。RS増加制御に関する設定とは、食品の使用目的に加え、食品の種類である。ユーザは、例えば、ボタン32を操作して、食品の使用目的(例えば、保存または摂取)と食品の種類(例えば、ごはん類、パン類、スイーツ類の何れか)を選択し、食品の使用目的および種類を冷蔵庫1へ入力する。ユーザは、例えば、ボタン31を操作して、「レジスタントスターチ増加」の制御モードの開始指令を冷蔵庫1へ入力する。制御部101は、これらの入力を取得する。
制御部101は、食品の種類に応じた時間に亘って凍結制御を実施する(S102a)。例えば、制御部101は、冷蔵温度帯の貯蔵室17の設定温度に-2℃を設定し、冷却部50を制御する。例えば、食品の種類についてごはん類が入力された場合、制御部101は、ごはん類用の実施時間Saに亘り凍結制御を実施する。実施時間Saが経過すると、制御部101は、ごはん類用の凍結制御を終了する。例えば、食品の種類についてパン類やスイーツ類が入力された場合、制御部101は、実施時間Saよりも短い時間が設定されたパン類およびスイーツ類用の実施時間Sa´に亘り凍結制御を実施する。実施時間Sa´が経過すると、制御部101は、パン類およびスイーツ類用の凍結制御を終了する。
次に制御部101は、解凍保持制御を実施する(S103a)。例えば、制御部101は、冷蔵温度帯の貯蔵室17の設定温度に+4℃を設定し、冷却部50を制御する。例えば、食品の種類についてごはん類が入力された場合、制御部101は、ごはん類用の実施時間Sbに亘り解凍保持制御を実施する。実施時間Sbが経過すると、制御部101は、ごはん類用の解凍保持制御を終了する。例えば、食品の種類についてパン類やスイーツ類が入力された場合、制御部101は、実施時間Sbよりも短い時間が設定されたパン類およびスイーツ類用の実施時間Sb´に亘り解凍保持制御を実施する。実施時間Sb´が経過すると、制御部101は、パン類およびスイーツ類用の解凍保持制御を終了する。
以降は第1の実施形態と同様である。S101で入力された使用目的が保存の場合(S104:YES)、制御部101は、保存用の目的別制御を実施する(S105)。使用目的が摂取の場合(S104:NO)、制御部101は、摂取用の目的別制御を実施する(S106)。
本実施形態によれば、制御部101は、食品の種類別に設定された凍結制御の実施時間Sa、解凍保持制御の実施時間Sbに基づいて、RS増加制御を実施する。これにより、第1の実施形態による利点に加え、食品の種類に応じて最適化された処理時間でRS増加制御を実施することができる。つまり、食品に応じた最短の時間でレジスタントスターチを増加させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、食品の種類に応じた凍結温度帯の平均温度Taを設定する点で第2の実施形態とは異なる。例えば、ごはん類とパン類とを比較すると、ごはん類の方が、凍結に時間が掛かり、解凍にも時間が掛かる。第3の実施形態では、ごはん類に対してRS増加制御を行う場合は、凍結温度帯の平均温度Taに、パン類およびスイーツ類に対してRS増加制御を行う場合よりも低い温度を設定して凍結制御を行う。これにより。制御時間の短縮化を図る。以下に説明する以外の構成は、第2の実施形態と同様である。
図11は、制御部101の制御の流れを示すフローチャートである。記憶部116には、ごはん類用の実施時間Saと、パン類およびスイーツ類用の実施時間Saと、ごはん類用の実施時間Sbと、パン類およびスイーツ類用の実施時間Sbと、使用目的ごとの実施時間Sc、Sc´と、ごはん類用の凍結温度帯の平均温度Taの設定値(例えば-7℃)、パン類用の凍結温度帯の平均温度Taの設定値(例えば-5℃)、解凍保持温度帯の平均温度Tbの設定値(例えば+4℃)、使用目的ごとの目的別温度帯の平均温度Tc(例えば+2℃)、平均温度Tc´(例えば+10℃)が設定されている。
制御部101は、RS増加制御に関する設定とユーザの操作による「レジスタントスターチ増加」の制御モードの開始指令を取得する(S101a)。RS増加制御に関する設定とは、食品の使用目的と食品の種類である。ユーザは、例えば、ボタン32を操作して、食品の使用目的と食品の種類を選択し、食品の使用目的および種類を冷蔵庫1へ入力する。ユーザは、例えば、ボタン31を操作して、「レジスタントスターチ増加」の制御モードの開始指令を冷蔵庫1へ入力する。制御部101は、これらの入力を取得する。
制御部101は、食品の種類に応じた設定温度に基づいて凍結制御を実施する(S102b)。例えば、食品の種類についてごはん類が入力された場合、制御部101は、冷蔵温度帯の貯蔵室17の設定温度に-7℃を設定し、冷却部50を制御する。制御部101は、ごはん用の実施時間Saに亘り凍結制御を実施する。実施時間Saが経過すると、制御部101は、ごはん類用の凍結制御を終了する。第3の実施形態におけるごはん類用の実施時間Saは、第2の実施形態におけるごはん類用の実施時間Saよりも短い時間である。例えば、食品の種類についてパン類やスイーツ類が入力された場合、制御部101は、冷蔵温度帯の貯蔵室17の設定温度に-2℃を設定し、制御部101は、ごはん類用の実施時間Saよりも短い時間が設定されたパン類およびスイーツ類用の実施時間Sa´に亘り凍結制御を実施する。実施時間Sa´が経過すると、制御部101は、パン類およびスイーツ類用の凍結制御を終了する。
次に制御部101は、解凍保持制御を実施する(S103a)。例えば、制御部101は、冷蔵温度帯の貯蔵室17の設定温度に+4℃を設定し、冷却部50を制御する。例えば、食品の種類についてごはん類が入力された場合、制御部101は、ごはん類用の実施時間Sbに亘り解凍保持制御を実施する。実施時間Sbが経過すると、制御部101は、ごはん類用の解凍保持制御を終了する。例えば、食品の種類についてパン類やスイーツ類が入力された場合、制御部101は、ごはん類用の実施時間Sbよりも短い時間が設定されたパン類およびスイーツ類用の実施時間Sb´に亘り解凍保持制御を実施する。実施時間Sb´が経過すると、制御部101は、パン類およびスイーツ類用の解凍保持制御を終了する。
以降は第1の実施形態、第2の実施形態と同様である。S101で入力された使用目的が保存の場合(S104:YES)、制御部101は、保存用の目的別制御を実施する(S105)。使用目的が摂取の場合(S104:NO)、制御部101は、摂取用の目的別制御を実施する(S106)。
本実施形態によれば、制御部101は、食品の種類別に設定された設定温度(凍結温度帯の平均温度Ta)に基づいて凍結制御を実施する。これにより、第1の実施形態、第2の実施形態による利点に加え、第2の実施形態よりも短時間でRS増加制御を実施することができる。
以下、いくつかの変形例について説明する。なお、各変形例において以下に説明する以外の構成は、上記実施形態と同様である。
(第1の実施形態~第3の実施形態における第1の変形例)
上述した実施形態では、凍結制御を実施時間Saに亘り実施した後に終了させる。これに代えて/これに加えて、制御部101は、チルド室17Bに関する温度(例えば、チルド室17Bに収容された食品温度、チルド室17Bの空気温度、またはチルド室17Bに収容された部材の温度など)が所定温度(平均温度Ta)に達した場合に、凍結制御を終了させてもよい。
(第1の実施形態~第3の実施形態における第2の変形例)
上述した実施形態では、解凍保持制御を実施時間Sbに亘り実施した後に終了させる。これに代えて/これに加えて、制御部101は、チルド室17Bに関する温度(例えば、チルド室17Bに収容された食品温度、チルド室17Bの空気温度、またはチルド室17Bに収容された部材の温度など)が所定温度(平均温度Tb)に達してから(または所定温度に達してから余裕を見るための所定時間が経過してから)、少なくとも4時間が経過した時点で解凍保持制御を終了させてもよい。
(第1の実施形態~第3の実施形態における第3の変形例)
上記の実施形態では、レジスタントスターチの増加を確実にするために、実施時間Saに保持時間Sb2(4時間)よりも長い時間を設定して、ゆるやかに食品を凍結させるようにしている。これに代えて、凍結制御の平均温度Taに-2℃(または第3の実施形態のごはん用の-7℃)より低い温度を設定して、短時間に食品の内部まで凍結させるようにしてもよい。これにより、RS増加制御の制御時間を短縮できる。この場合、必ずしも実施時間Saが保持時間Sb2(4時間)よりも長い時間でなくてもよい。また、第3の変形例を第1の変形例と組み合わせてもよい。これにより、食品の過度な凍結による、解凍に要する解凍時間Sb1の長時間化を防ぐことができる。また、第3の変形例を実施する場合、制御に関する設定(S101、S101a)にて、ユーザが、通常凍結モードと急速凍結モードの何れかを選択するようにしてもよい。
(第1の実施形態~第3の実施形態における第4の変形例)
上記の実施形態では、解凍保持制御では終始+4℃を平均温度Tbに設定することとしている。これに代えて、解凍保持制御の初期において所定時間を+4℃よりも高温(第4温度帯)に設定して、解凍を促進するようにしてもよい。+4℃よりも高温に設定した平均温度Tbを+4℃にするタイミングについては、解凍保持制御の開始から所定の時間が経過した後に+4℃に変更してもよいし、チルド室温度を監視して、チルド室17Bに関する温度が+4℃に達した時点で、+4℃に変更してもよい。
(第1の実施形態~第3の実施形態における第5の変形例)
上記の実施形態では、解凍時間Sb1におけるチルド室温度(食品温度)、保持時間Sb2におけるチルド室温度(食品温度)が同じ温度で設定されている場合を例に説明を行ったが、これら2つの温度は同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、解凍時間Sb1におけるチルド室温度(食品温度)を+4℃より高温に設定し、保持時間Sb2におけるチルド室温度(食品温度)を+4℃を設定してもよい。
(第1の実施形態~第3の実施形態における第6の変形例)
上記の実施形態では、保存用の目的別制御では平均温度Tcに+2℃を設定し、摂取用の目的別制御では平均温度Tc´に+10℃を設定することとしている。これに代えて、平均温度Tc、Tc´の温度を、ボタン31、32の操作により、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
(第2の実施形態~第3の実施形態における第1の変形例)
上記の実施形態では、食品の種類をユーザが入力することとしている。これに代えて、庫内カメラ113が撮影した画像を制御部101が画像解析して、食品の種類を自動的に検知するようにしてもよい。
(第2の実施形態~第3の実施形態における第2の変形例)
上記の実施形態では、実施時間Sa、実施時間Sb、凍結制御の平均温度Taなどを食品の種類に応じて変更することとしている。これに代えて/これに加えて、制御部101は、食品の量に応じて、凍結制御の平均温度Taを設定してもよい。食品の量が多ければ凍結や解凍に時間が掛かる。例えば、パン類やスイーツ類の場合、量が所定量未満であれば、平均温度Taに-2℃を設定し、所定量以上であれば-5℃を設定する。例えば、ごはん類の場合、量が所定量未満であれば、平均温度Taに-7℃を設定し、所定量以上であれば-10℃を設定する。
(第2の実施形態~第3の実施形態における第3の変形例)
上記の実施形態では、実施時間Sa、実施時間Sb、凍結制御の平均温度Taなどを食品の種類に応じて変更することとしている。これに代えて/これに加えて、制御部101は、食品の量に応じて、実施時間Saを設定してもよい。食品の量が多ければ凍結や解凍に時間が掛かる。例えば、パン類やスイーツ類の場合、量が所定量未満であれば、実施時間Saに所定のX時間を設定し、所定量以上であればX時間よりも長い時間X1を設定する。例えば、ごはん類の場合、量が所定量未満であればX時間よりも長い時間X2を設定し、所定量以上であればX2時間よりも長い時間X3を設定する。実施時間Sbについても同様である。
以上、実施形態およびいくつかの変形例を説明した。ただし、実施形態および変形例は上記に限定されない。例えば、上述した制御は、チルド室17B以外の貯蔵室17(例えば製氷室17D、小冷凍室17E、主冷凍室17F、パーシャル室、または温度切替室)に対して行われてもよい。また、制御部101は、筐体10の内部に設けられる複数の貯蔵室17のうち、予め設定される2つ以上の貯蔵室17(例えば、チルド室17Bおよび小冷凍室17E)に対して同様の冷却制御を行ってもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、食品の中心まで完全に凍結させた後に解凍し、その後、RS増加制御を実施し、その後、別の温度帯に冷却される。このような構成によれば、より適切な冷蔵制御を行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…冷蔵庫、10…筐体、17B…チルド室、50…冷却部、101…制御部、115…チルド室ヒータ。

Claims (12)

  1. 貯蔵部を含む筐体と、
    前記貯蔵部を冷却する冷却部と、
    食品を凍結させる第1温度帯で前記貯蔵部を第1時間冷却した後に、前記食品を解凍させた状態で、その状態を保持する所定の第2温度帯で前記貯蔵部を第2時間冷却し、その後、前記食品の使用目的に応じた第3温度帯で前記貯蔵部を冷却または加熱することを含む制御パターンで前記冷却部を制御する制御部と、
    を備えた冷蔵庫。
  2. 前記第1温度帯の平均温度は-2℃以下であり、
    前記第2温度帯の平均温度は+3℃以上、+5℃未満である、
    請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記第1時間は、前記第2時間よりも長い、
    請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記第2時間は、前記第1時間よりも長い、
    請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  5. 前記制御パターンは、前記第1温度帯で前記貯蔵部を前記第1時間冷却した後、前記第2温度帯で前記貯蔵部を前記第2時間冷却する前に、前記第2温度帯と同じまたは異なる温度帯である第4温度帯で前記食品の解凍を進める時間を含む、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記第1時間は、前記食品の解凍を進める前記時間と、前記第2時間との合計よりも長い、
    請求項5に記載の冷蔵庫。
  7. 前記第2時間は、4時間以上である、
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記第2温度帯から前記第3温度帯へ移行するときの前記貯蔵部の温度変化率は、
    前記第1温度帯から前記第2温度帯へ移行するときの前記貯蔵部の温度変化率よりも大きい、
    請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  9. 前記第2温度帯から前記第3温度帯へ移行するときの前記貯蔵部の温度変化率は、
    前記制御パターンの開始時に0℃よりも高い温度帯から前記第1温度帯へ移行するときの前記貯蔵部の最大温度変化率よりも小さい、
    請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  10. 前記制御部は、前記食品の種類に応じて、前記第1温度帯の温度、前記第1時間の長さ、前記食品を解凍する温度、または前記食品を解凍する温度で前記貯蔵部を冷却する時間の長さを変更する、
    請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  11. 前記第3温度帯は、前記第2温度帯よりも低い温度帯である、
    請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  12. 前記第3温度帯は、前記第2温度帯よりも高い温度帯である、
    請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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