JP2022095314A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータに供給する駆動電流の変動を抑制する。【解決手段】VCRコントローラ230は、アクチュエータ198の相対角度を検出する第1のレゾルバ280の出力値、及びアクチュエータ198の回転軸に対して減速機198Aを介して連結された制御シャフト196の絶対角度を検出する第2のレゾルバ290の出力値を使用して制御シャフト196を目標角度に制御する。このとき、VCRコントローラ230は、第1のレゾルバ280の出力値が異常になると、その直後の制御サイクルにおいて、その直前に求められた回転角度を使用してアクチュエータ198を制御し、それ以降の制御サイクルにおいて、第2のレゾルバ290の出力値から求められた回転角度を使用してアクチュエータ198を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータの回転軸の相対角度を検出する相対角度センサ、及びモータの回転軸に対して減速機を介して連結された出力軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの各出力値を使用してモータを制御する、モータ制御装置に関する。
自動車などの車両に搭載された可変圧縮比機構の制御においては、特開2006-226133号公報(特許文献1)に記載されるように、複リンク機構の出力軸の回転角度から内燃機関の実際の圧縮比(実圧縮比)を検出する圧縮比センサが使用されている。圧縮比センサは、モータの回転軸の回転角度を0°~360°の範囲で相対角度として検出する相対角度センサと、モータの回転軸に対して減速機を介して連結された出力軸の絶対角度を検出する絶対角度センサと、を含んで構成されている。そして、制御開始時における絶対角度センサの出力値を基点として、相対角度センサの出力値から出力軸の回転角度が求められている。ここで、相対角度センサ及び絶対角度センサとしては、回転角度に応じた正弦波信号(Sin信号)及び余弦波信号(Cos信号)を出力するレゾルバが使用され、Sin信号及びCos信号の逆正接から回転角度が求められている。
ところで、相対角度センサの励磁信号が瞬断したり、又は相対角度センサの励磁信号にノイズが重畳したりすると、相対角度センサから出力されるSin信号及びCos信号の二乗和が正常範囲から逸脱し、相対角度センサの出力値が異常であると診断されてしまう。この場合、制御開始時における絶対角度センサの出力値を基点として相対角度センサの出力値から求められた出力軸の回転角度に代えて、絶対角度センサの出力値から求められた出力軸の回転角度を使用してモータが制御されている。
特開2006-226133号公報
しかしながら、このように回転角度を求める角度センサを切り替えると、絶対角度センサの分解能が相対角度センサの分解能に比べて低いことから切替前後における回転角度に段差が生じ易く、目標角度と回転角度との偏差の微分値が大きくなってしまう。このため、可変圧縮比機構を目標圧縮比に近づけるフィードバック制御において、モータに供給する駆動電流が大きく変動してしまうおそれがあった。モータに供給する駆動電流が大きく変動すると、例えば、電子制御装置の駆動回路の発熱、可変圧縮比機構を制御するときの応答性や保持性に影響が及んでしまう。
そこで、本発明は、モータの回転軸の相対角度を検出する相対角度センサの出力値が異常になり、モータの回転軸に対して減速機を介して連結された出力軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値を使用してモータを制御するようになっても、モータに供給する駆動電流の変動を抑制可能な、モータ制御装置を提供することを目的とする。
モータの制御装置は、モータの回転軸の相対角度を検出する相対角度センサの出力値、及びモータの回転軸に対して減速機を介して連結された出力軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値を使用して、モータを目標角度に制御する。そして、モータの制御装置は、相対角度センサの出力値が正常である場合、制御開始時における絶対角度センサの出力値を基点として相対角度センサの出力値から求められた出力軸の回転角度を使用して前記モータを制御する。また、モータの制御装置は、相対角度センサの出力値が異常になった場合、その直後の制御サイクルにおいて、その直前に求められた出力軸の回転角度を使用してモータを制御し、それ以降の制御サイクルにおいて、絶対角度センサの出力値から求められた出力軸の回転角度を使用して前記モータを制御する。
本発明によれば、モータの回転軸の相対角度を検出する相対角度センサの出力値が異常になり、モータの回転軸に対して減速機を介して連結された出力軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値を使用してモータを制御するようになっても、モータに供給する駆動電流の変動を抑制することができる。
車両に搭載された内燃機関の一例を示すシステム図である。 ストッパ機構の一例を示す部分拡大図である。 レゾルバの一例を示す構造図である。 レゾルバ出力の一例を示す説明図である。 レゾルバ出力値の診断処理の一例を示すフローチャートである。 モータ駆動処理の一例を示すフローチャートである。 従来技術におけるモータ駆動電流の変化状態を示す説明図である。 提案技術におけるモータ駆動電流の変化状態を示す説明図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、車両に搭載された内燃機関(エンジン)100の一例を示している。
内燃機関100は、シリンダブロック110と、シリンダブロック110のシリンダボア112に往復動可能に嵌挿されたピストン120と、吸気ポート130A及び排気ポート130Bが形成されたシリンダヘッド130と、吸気ポート130A及び排気ポート130Bの開口端を開閉する吸気バルブ132及び排気バルブ134と、を有している。
ピストン120は、クランクシャフト140に対して、ロアリンク150A及びアッパリンク150Bを含むコネクティングロッド150を介して連結されている。そして、ピストン120の冠面120Aとシリンダヘッド130の下面との間に、燃焼室160が形成されている。燃焼室160を形成するシリンダヘッド130の略中央には、燃料と空気との混合気を着火する点火プラグ170が取り付けられている。
また、内燃機関100は、クランクシャフト140に対する吸気バルブ132の開時期の位相を可変とする可変バルブタイミング(VTC:Valve Timing Control)機構180と、燃焼室160の容積を変更して圧縮比を可変とする可変圧縮比(VCR:Variable Compression Ratio)機構190と、を備えている。
VTC機構180は、例えば、図示しない電動モータなどのアクチュエータによって、クランクシャフト140に対する吸気カムシャフト200の位相を変更することで、吸気バルブ132の作動角を一定としたまま、吸気バルブ132の作動角の中心位相を進角又は遅角させる。なお、VTC機構180は、吸気バルブ132の位相に限らず、吸気バルブ132及び排気バルブ134の少なくとも一方の位相を可変としてもよい。
VCR機構190は、例えば、特開2002-276446号公報に開示されるような複リンク機構によって、内燃機関100の燃焼室160の容積を変更させて圧縮比を可変とする。以下、VCR機構190の一例について説明する。
クランクシャフト140は、複数のジャーナル部140Aと複数のクランクピン部140Bとを有し、シリンダブロック110の主軸受(図示せず)に、ジャーナル部140Aが回転可能に支持されている。クランクピン部140Bは、ジャーナル部140Aから偏心しており、ここにロアリンク150Aが回転可能に連結されている。アッパリンク150Bは、下端側が連結ピン152によりロアリンク150Aの一端に回転可能に連結され、上端側がピストンピン154によりピストン120に回転可能に連結されている。コントロールリンク192は、上端側が連結ピン194によりロアリンク150Aの他端に回転可能に連結され、下端側が制御シャフト196を介してシリンダブロック110の下部に回転可能に連結されている。詳細には、制御シャフト196は、回転可能にシリンダブロック110に支持されていると共に、その回転中心から偏心している偏心カム部196Aを有し、この偏心カム部196Aにコントロールリンク192の下端側が回転可能に嵌合している。制御シャフト196は、電動モータを用いた圧縮比制御用のアクチュエータ198によって回転位置が制御される。
このような複リンク機構を用いたVCR機構190においては、アクチュエータ198によって制御シャフト196が回転すると、偏心カム部196Aの中心位置、つまり、シリンダブロック110に対する相対位置が変化する。これによって、コントロールリンク192の下端の搖動支持位置が変化すると、ピストン上死点(TDC)におけるピストン120の位置が高くなったり低くなったりして、燃焼室160の容積が増減し、内燃機関100の圧縮比を変更することができる。このとき、アクチュエータ198の作動を停止させると、ピストン120の往復動によって、制御シャフト196の偏心カム部196Aに対してコントロールリンク192が回転し、圧縮比が低圧縮比側へと推移する。
VCR機構190には、図2に示すように、通常の制御範囲RNG1を越えて制御シャフト196が回転したときに、その変位(角度)を規制して機械的な回転可能範囲RNG2を規定するストッパ機構210が取り付けられている。ストッパ機構210は、制御シャフト196に要の部分が固定された略扇形状の第1の部材210Aと、シリンダブロック110に固定された板形状の第2の部材210Bと、を有している。第1の部材210Aは、制御シャフト196と一体となって回転する。第2の部材210Bは、通常の制御範囲RNG1である最高圧縮比(上限)又は最低圧縮比(下限)を越えて制御シャフト196が回転したときに、第1の部材210Aの中心角を規定する2辺のいずれかと当接し、制御シャフト196の変位を規制する。ここで、ストッパ機構210は、制御シャフト196が通常の制御範囲RNG1を越えたときに機能するため、通常制御においては第1の部材210Aと第2の部材210Bとが当接することがなく、例えば、異音発生などを抑制することができる。なお、ストッパ機構210は、制御シャフト196の変位を規制するだけでなく、制御シャフト196の基準位置を学習するためにも使用される。
ストッパ機構210としては、制御シャフト196の回転に関して、最高圧縮比側及び最低圧縮比側の少なくとも一方の変位を規制できればよい。また、ストッパ機構210は、略扇形状の第1の部材210A及び板形状の第2の部材210Bに限らず、他の形状をなす2つ以上の部材によって制御シャフト196の変位を規制できればよい。
VTC機構180及びVCR機構190は、マイクロコンピュータを内蔵した、VTCコントローラ220及びVCRコントローラ230によって夫々電子制御される。VTCコントローラ220及びVCRコントローラ230は、例えば、車載ネットワークの一例であるCAN(Controller Area Network)240を介して、内燃機関100を電子制御する、マイクロコンピュータを内蔵したエンジンコントローラ250に接続されている。従って、VTCコントローラ220、VCRコントローラ230及びエンジンコントローラ250は、CAN240を使用して任意のデータを送受信することができる。なお、車載ネットワークとしては、CAN240に限らず、FlexRay(登録商標)などの公知のネットワークを使用することができる。
エンジンコントローラ250には、内燃機関100の運転状態の一例として、内燃機関100の回転速度Neを検出する回転速度センサ260、及び内燃機関100の負荷Qを検出する負荷センサ270の各出力信号が入力されている。ここで、内燃機関100の負荷Qとしては、例えば、吸気負圧、吸気流量、過給圧力、アクセル開度、スロットル開度など、トルクと密接に関連する状態量を使用することができる。
エンジンコントローラ250は、例えば、回転速度及び負荷に適合した目標値が設定されたマップを参照し、内燃機関100の回転速度Ne及び負荷Qに応じた、VTC機構180の目標角度及びVCR機構190の目標圧縮比を夫々求める。そして、エンジンコントローラ250は、CAN240を介して、目標角度及び目標圧縮比をVTCコントローラ220及びVCRコントローラ230へと夫々送信する。なお、エンジンコントローラ250は、回転速度センサ260及び負荷センサ270の各出力信号に限らず、CAN240を介して接続された他のコントローラ(図示せず)から、内燃機関100の回転速度Ne及び負荷Qを読み込んでもよい。
目標角度を受信したVTCコントローラ220は、図示しないセンサによって検出された実際の角度(実角度)が目標角度に近づくように、VTC機構180のアクチュエータに出力する駆動電流をフィードバック制御する。また、目標圧縮比を受信したVCRコントローラ230は、後述する圧縮比センサによって検出された実際の圧縮比(実圧縮比)が目標圧縮比に近づくように、VCR機構190のアクチュエータ198に出力する駆動電流をフィードバック制御する。このようにすることで、VTC機構180及びVCR機構190は、内燃機関100の運転状態に応じた目標値に夫々制御される。
内燃機関100の実圧縮比を検出する圧縮比センサは、アクチュエータ198の回転軸の相対角度を検出する第1のレゾルバ280と、アクチュエータ198の回転軸に対して減速機198Aを介して連結された制御シャフト196の絶対角度を検出する第2のレゾルバ290と、を含んでいる。そして、VCRコントローラ230は、制御開始時の第2のレゾルバ290の出力値を基点として、第1のレゾルバ280の出力値から制御シャフト196の回転角度、要するに、内燃機関100の圧縮比を検出する。これは、第1のレゾルバ280は、相対角度を検出する際の分解能が高い反面、例えば、同一位相の0°と360°とを区別できず、第2のレゾルバ290は、制御シャフト196の絶対角度を検出できる反面、絶対角度を検出する際の分解能が低いためである。ここで、第1のレゾルバ280が、相対角度センサの一例として挙げられ、第2のレゾルバ290が、絶対角度センサの一例として挙げられる。また、制御シャフト196が、アクチュエータの回転軸に対して減速機を介して連結された出力軸の一例として挙げられる。
第1のレゾルバ280及び第2のレゾルバ290は、回転体の回転角度に応じて相関する2つの信号、具体的には、正弦波信号及び余弦波信号を出力する。第1のレゾルバ280は、図3に示すように、回転体と一体的に回転するロータ282と、1相の励磁コイル284A並びに2相の出力コイル284B及び284Cが巻かれたステータ284と、を有している。ここで、ステータ284の2相の出力コイル284B及び284Cは、90°の角度差をもって配置されている。そして、ステータ284の励磁コイル284Aに交流電流からなる励磁信号を印加すると、各出力コイル284B及び284Cには、図4に示すような、回転体の回転角度(電気角)に応じて変化する、正弦波信号及び余弦波信号からなる2相電圧が発生する。第2のレゾルバ290は、第1のレゾルバ280と同様な構成をなしているため、その説明は省略することとする。従って、以下の説明においては、第1のレゾルバ280と第2のレゾルバ290とを区別する必要がない場合、第1のレゾルバ280の説明をもって、第2のレゾルバ290の説明を併せてしたこととする。
VCRコントローラ230は、第1のレゾルバ280から出力された正弦波信号及び余弦波信号の逆正接を演算することで、回転体の回転角度を求めることができる。また、VCRコントローラ230は、第1のレゾルバ280から出力された正弦波信号及び余弦波信号の二乗和(sinθ+cosθ)を演算し、この二乗和が所定の正常範囲内にあるか否かに応じて、第1のレゾルバ280の出力値が異常であるか否かを診断することもできる。そして、VCRコントローラ230は、第1のレゾルバ280の出力値が異常であると診断した場合、制御開始時の第2のレゾルバ290の出力値を基点として第1のレゾルバ280の出力値から求めた回転角度に代えて、第2のレゾルバ290の出力値を用いてVCR機構190を制御する。
ところで、アクチュエータ198の相対角度を検出する第1のレゾルバ280の励磁信号が瞬断したりノイズが重畳したりすると、ロータ282の回転に伴って2相の出力コイル284B及び284Cから出力されるSin信号及びCos信号が乱れてしまう。この場合、Sin信号及びCos信号の二乗和が正常範囲から逸脱し、第1のレゾルバ280の出力値に代えて、第2のレゾルバ290の出力値を使用してアクチュエータ198の制御が行われるようになる。第2のレゾルバ290の出力値から求められた回転角度は、第1のレゾルバ280の出力値から求められた回転角度より精度が低いため、アクチュエータ198の制御において使用するレゾルバの切替前後において、回転角度に段差が発生し易い。そして、回転角度に大きな段差が発生すると、VCR機構190を目標角度(目標圧縮比)に近づけるフィードバック制御において、目標角度と回転角度との偏差の微分値が大きくなり、アクチュエータ198に供給する駆動電流が大きく変動してしまうおそれがある。
そこで、VCRコントローラ230は、第1のレゾルバ280の出力値が正常である場合、制御開始時における第2のレゾルバ290の出力値を基点として第1のレゾルバ280の出力値から求められた制御シャフト196の回転角度を使用してアクチュエータ198を制御する。また、VCRコントローラ230は、第1のレゾルバ280の出力値が異常になった場合、その直後の制御サイクルにおいて、その直前に求められた制御シャフト196の回転角度を使用してアクチュエータ198を制御し、それ以降の制御サイクルにおいて、第2のレゾルバ290の出力値から求められた制御シャフト196の回転角度を使用してアクチュエータ198を制御する。要するに、VCRコントローラ230は、制御シャフト196の回転角度を求めるレゾルバを切り替えた直後の制御サイクルにおいて、その直前の制御サイクルで求められた回転角度を使用してアクチュエータ198を制御する。
図5は、VCRコントローラ230が起動されたことを契機として、VCRコントローラ230が第1の所定時間t1(例えば、512μs)ごとに繰り返し実行する診断処理の一例を示している。VCRコントローラ230は、マイクロコンピュータの不揮発性メモリに格納されたアプリケーションプログラムにより診断処理を実行し、第1のレゾルバ280の出力値が異常であるか否かを診断する。なお、診断処理を実行するに先立ってVCRコントローラ230の起動時に、第1のレゾルバ280の出力値が異常であるか否かの診断結果を示す異常フラグFが「0(正常)」に設定される。
ステップ10(図5では「S10」と略記する。以下同様。)では、VCRコントローラ230が、第1のレゾルバ280の出力信号、即ち、2相の出力コイル284B及び284Cから出力されるSin信号及びCos信号を夫々読み込む。
ステップ11では、VCRコントローラ230が、第1のレゾルバ280から読み込んだSin信号及びCos信号の二乗和、即ち、二乗和=Sinθ+Cosθを算出する。ここで、θは、第1のレゾルバ280のロータ282の回転角度、即ち、アクチュエータ198の回転軸の回転角度である。
ステップ12では、VCRコントローラ230が、Sin信号及びCos信号の二乗和が下限閾値以上かつ上限閾値以下であるか否か、要するに、二乗和が正常範囲内にあるか否かを判定する。ここで、正常範囲を画定する下限閾値及び上限閾値は、例えば、第1のレゾルバ280の出力特性などを考慮して適宜設定することができる。そして、VCRコントローラ230は、Sin信号及びCos信号の二乗和が正常範囲内にあると判定すれば(Yes)、処理をステップ13へと進める。一方、VCRコントローラ230は、Sin信号及びCos信号の二乗和が正常範囲内にない、要するに、二乗和が正常範囲を逸脱していると判定すれば(No)、処理をステップ14へと進める。
ステップ13では、VCRコントローラ230が、Sin信号及びCos信号の二乗和が正常範囲内にあったので、異常フラグFを「0(正常)」に設定する。その後、VCRコントローラ230は、診断処理を終了させる。
ステップ14では、VCRコントローラ230が、Sin信号及びCos信号の二乗和が正常範囲を逸脱していたので、異常フラグFを「1(異常)」に設定する。その後、VCRコントローラ230は、診断処理を終了させる。
かかる診断処理によれば、第1のレゾルバ280から出力されるSin信号及びCos信号の二乗和が正常範囲内にあるか否かを判定することで、第1のレゾルバ280の出力値が異常であるか否かを診断することができる。具体的には、Sin信号及びCos信号の二乗和が正常範囲内にあれば、第1のレゾルバ280の出力値が正常であると診断され、異常フラグFが「0(正常)」に設定される。一方、Sin信号及びCos信号の二乗和が正常範囲を逸脱していれば、第1のレゾルバ280の出力値が異常であると診断され、異常フラグFが「1(異常)」に設定される。従って、任意のタイミングで異常フラグFを参照することで、第1のレゾルバ280の出力値が正常であるか異常であるかを認識することができる。
図6は、VCRコントローラ230が起動されたことを契機として、VCRコントローラ230が第2の所定時間t2(例えば、1ms)ごとに繰り返し実行するモータ駆動処理の一例を示している。VCRコントローラ230は、診断処理と同様に、マイクロコンピュータの不揮発性メモリに格納されたアプリケーションプログラムによりモータ駆動処理を実行する。なお、第2の所定時間t2は、第1の所定時間t1と同じでもよいが、制御性の観点から第1の所定時間t1より長いことが望ましい。
ステップ20では、VCRコントローラ230が、異常フラグFを参照し、これが「0」に設定されているか否か、要するに、第1のレゾルバ280の出力値が正常であるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230は、異常フラグFが「0」に設定されていると判定すれば(Yes)、処理をステップ21へと進める。一方、VCRコントローラ230は、異常フラグFが「1」に設定されている、即ち、第1のレゾルバ280の出力値が異常であると判定すれば(No)、処理をステップ23へと進める。
ステップ21では、VCRコントローラ230が、起動時(制御開始時)における第2のレゾルバ290の出力値を基点として、第1のレゾルバ280の出力値から制御シャフト196の回転角度を算出する。具体的には、VCRコントローラ230は、制御サイクルごとに、第1のレゾルバ280から出力されるSin信号及びCos信号の逆正接からアクチュエータ198の回転軸の回転角度を求める。そして、VCRコントローラ230は、起動時において第2のレゾルバ290から出力されたSin信号及びCos信号の逆正接から求められた回転角度を基点として、各制御サイクルで求められたアクチュエータ198の回転軸の回転角度を逐次積算し、減速機198Aの減速比を考慮して、その積算値から制御シャフト196の回転角度を算出する。
ステップ22では、VCRコントローラ230が、前回の制御サイクルにおいて求められた制御シャフト196の回転角度を保持する変数「前回値」に、今回の制御サイクルにおいて求められた制御シャフト196の回転角度を書き込んで更新する。その後、VCRコントローラ230は、処理をステップ27へと進める。
ステップ23では、VCRコントローラ230が、第1のレゾルバ280の出力値が異常であったため、第2のレゾルバ290の出力値から制御シャフト196の回転角度を算出する。具体的には、VCRコントローラ230は、第2のレゾルバ290から出力されるSin信号及びCos信号の逆正接から制御シャフト196の回転角度を算出する。
ステップ24では、VCRコントローラ230が、第1のレゾルバ280の出力値が異常であると診断した直後の制御サイクルであるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230は、第1のレゾルバ280の出力値が異常であると診断した直後の制御サイクルであると判定すれば(Yes)、処理をステップ25へと進める。一方、VCRコントローラ230は、第1のレゾルバ280の出力値が異常であると診断した直後の制御サイクルでないと判定すれば(No)、処理をステップ27へと進める。
ステップ25では、VCRコントローラ230が、ステップ23で算出した回転角度と変数「前回値」が示す回転角度との偏差の絶対値が所定値より大きいか否かを判定する。ここで、所定値は、前回の制御サイクルにおける回転角度と今回の制御サイクルにおける回転角度の段差が大きいため、アクチュエータ198に出力する駆動電流が大きく変動するおそれがあるか否かを判定する閾値であって、例えば、アクチュエータ198及びその駆動回路の特性などを考慮して適宜設定することができる。そして、VCRコントローラ230は、偏差の絶対値が所定値より大きいと判定すれば(Yes)、処理をステップ26へと進める。一方、VCRコントローラ230は、偏差の絶対値が所定値以下であると判定すれば(No)、処理をステップ27へと進める。
ステップ26では、VCRコントローラ230が、今回の制御サイクルで使用する回転角度を変数「前回値」が示す回転角度とする。その後、VCRコントローラ230は、処理をステップ27へと進める。
ステップ27では、VCRコントローラ230が、制御シャフト196の回転角度が目標角度に近づいて収束するように、アクチュエータ198に供給する駆動電流をフィードバック制御する。ここで、フィードバック制御としては、PID制御(比例積分微分制御)に限らず、PI制御(比例積分制御)、PD制御(比例微分制御)などであってもよい。その後、VCRコントローラ230は、モータ駆動処理を終了させる。
かかるモータ駆動処理によれば、異常フラグFが「0」、即ち、第1のレゾルバ280の出力値が正常であれば、起動時における第2のレゾルバ290の出力値を基点として、第1のレゾルバ280の出力値から求められた回転角度が目標角度に近づいて収束するように、アクチュエータ198に供給する駆動電流がフィードバック制御される。この場合、今回の制御サイクルを実行するたびに、前回の制御サイクルにおける回転角度を保持する変数「前回値」が逐次更新される。
一方、異常フラグFが「1」、即ち、第1のレゾルバ280の出力値が異常であると、起動時における第2のレゾルバ290の出力値を基点として、第1のレゾルバ280の出力値から回転角度を求める代わりに、第2のレゾルバ290の出力値から回転角度が直接求められる。そして、第1のレゾルバ280の出力値が異常であると診断された直後の制御サイクルでは、前回の制御サイクルにおける回転角度と今回の制御サイクルにおける回転角度との偏差の絶対値が所定値より大きければ、今回の制御サイクルで使用する回転角度が変数「前回値」が示す回転角度とされる。その後、このように決定された回転速度が目標角度に近づいて収束するように、アクチュエータ198に供給する駆動電流がフィードバック制御される。また、第1のレゾルバ280の出力値が異常であると診断された直後の制御サイクルにおいて、前回の制御サイクルにおける回転角度と今回の制御サイクルにおける回転角度との偏差の絶対値が所定値以下であれば、アクチュエータ198に供給する駆動電流が大きく変動するおそれがない。この場合、第2のレゾルバ290の出力値から求められた回転角度が目標角度に近づいて収束するように、アクチュエータ198に供給する駆動電流がフィードバック制御される。
一方、第1のレゾルバ280の出力値が異常となった直後の制御サイクルでない、即ち、異常診断がなされた2回目以降の制御サイクルでは、第2のレゾルバ290の出力値から求められた回転角度が目標角度に近づいて収束するように、アクチュエータ198に供給する駆動電流がフィードバック制御される。
従って、使用するセンサを切り替えた直後の制御サイクルにおいて、前回の制御サイクルで使用した回転角度を使用することで、以下で説明するように、アクチュエータ198に供給する駆動電流の変動を抑制することができる。
第1のレゾルバ280の励磁信号にノイズが重畳したときのアクチュエータ198の駆動電流を所定条件下でシミュレーションしたところ、従来技術においては、図7に示すように、ノイズ重畳によって駆動電流が大きく変動することが確認できた。一方、提案技術においては、図8に示すように、ノイズ重畳があっても駆動電流の変動が極めて小さいことが確認できた。これは、第1のレゾルバ280の出力信号が異常であると診断された直後の制御サイクルにおいて、前回の制御サイクルにおける回転角度を使用してアクチュエータ198の駆動電流をフィードバック制御することで、特に、フィードバック制御における微分項の変動が抑制されたためであると推測される。
なお、当業者であれば、上記実施形態の技術的思想について、その一部を省略したり、その一部を適宜組み合わせたり、その一部を周知技術に置換したりすることで、新たな実施形態を生み出せることを容易に理解できるであろう。
その一例を挙げると、本実施形態は、VCR機構190に限定されず、相対角度センサ及び絶対角度センサを使用して制御対象機器を制御するものにも適用可能である。
196 制御シャフト(出力軸)
198 アクチュエータ(モータ)
198A 減速機
230 VCRコントローラ(モータの制御装置)
280 第1のレゾルバ(相対角度センサ)
290 第2のレゾルバ(絶対角度センサ)

Claims (4)

  1. モータの回転軸の相対角度を検出する相対角度センサの出力値、及び前記モータの回転軸に対して減速機を介して連結された出力軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値を使用して、前記モータを目標角度に制御するモータの制御装置であって、
    前記相対角度センサの出力値が正常である場合、制御開始時における前記絶対角度センサの出力値を基点として前記相対角度センサの出力値から求められた前記出力軸の回転角度を使用して前記モータを制御し、
    前記相対角度センサの出力値が異常になった場合、その直後の制御サイクルにおいて、その直前に求められた前記出力軸の回転角度を使用して前記モータを制御し、それ以降の制御サイクルにおいて、前記絶対角度センサの出力値から求められた前記出力軸の回転角度を使用して前記モータを制御する、
    モータの制御装置。
  2. 前記相対角度センサの出力値が異常になった場合、その直前に求められた前記出力軸の回転角度と前記絶対角度センサの出力値から求められた前記出力軸の回転角度との偏差が所定値より大きいときのみ、前記相対角度センサの出力値が異常になった直後の制御サイクルにおいて、その直前に求められた前記出力軸の回転角度を使用して前記モータを制御する、
    請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記相対角度センサは、前記モータの回転軸の回転角度に応じた正弦波信号及び余弦波信号を出力するレゾルバからなり、
    前記正弦波信号及び前記余弦波信号の二乗和が正常範囲を逸脱したとき、前記相対角度センサの出力値が異常であると診断する、
    請求項1又は請求項2に記載のモータの制御装置。
  4. 前記絶対角度センサは、前記出力軸の回転角度に応じた正弦波信号及び余弦波信号を出力するレゾルバからなる、
    請求項1~請求項3のいずれか1つに記載のモータの制御装置。
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