JP2022095274A - コンプレッサ - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱効果(冷却効果)に優れたコンプレッサを提供する。【解決手段】実施形態によれば、ピストンを往復動させて圧縮空気を生成するコンプレッサ1であって、ピストンを往復動可能に収容するシリンダボディ7と、シリンダボディの外周面7sに沿って設けられ、シリンダボディの熱を放散させる中空の放熱構造11と、を具備し、中空の放熱構造は、両端が開口され、双方の開口12a,12bに連通したエア通路12pを備える通気部12と、一方の開口12aに構成され、エアをエア通路に向けて吸込可能な吸気部13と、他方の開口12bに構成され、吸気部からエア通路を通って流れたエアを排出可能な排気部14と、を有する。【選択図】図2
Description
この発明の実施形態は、コンプレッサに関する。
コンプレッサは、シリンダ内でピストンを往復動させて圧縮空気を生成し、各種用途に応じて送り出す装置である。現状のシリンダは、例えば、鋳鉄やアルミ合金などの金属で構成され、ピストンが往復動する際に非常に高温(高熱)になる。そこで、高温(高熱)状態のシリンダを冷却するために、シリンダの外側に複数のフィンを設けて自然放熱させる方法や、当該フィンに冷却風を当てて強制的に放熱させる方法が知られている。
ところで、冷却風による放熱方法において、フィンに当たる風の向きは、常に一定方向に設定されている。このため、フィンに対する冷却風の当たり方によっては、充分な放熱効果(即ち、冷却効果)を得ることができない場合があった。
本発明の目的は、放熱効果(冷却効果)に優れたコンプレッサを提供することにある。
実施形態によれば、ピストンを往復動させて圧縮空気を生成するコンプレッサであって、ピストンを往復動可能に収容するシリンダボディと、シリンダボディの外周面に沿って設けられ、シリンダボディの熱を放散させる中空の放熱構造と、を具備し、中空の放熱構造は、両端が開口され、双方の開口に連通したエア通路を備える通気部と、一方の開口に構成され、エアをエア通路に向けて吸込可能な吸気部と、他方の開口に構成され、吸気部からエア通路を通って流れたエアを排出可能な排気部と、を有する。
「一実施形態」
図1は、本実施形態に係るコンプレッサ1の外観構成図である。コンプレッサ1は、ピストン(図示しない)を往復動させて圧縮空気を生成し、それを各種用途に応じて送り出す装置であり、例えば、無給油式のエアコンプレッサとして構成されている。
図1は、本実施形態に係るコンプレッサ1の外観構成図である。コンプレッサ1は、ピストン(図示しない)を往復動させて圧縮空気を生成し、それを各種用途に応じて送り出す装置であり、例えば、無給油式のエアコンプレッサとして構成されている。
図1に示すように、コンプレッサ1は、モータ2と、圧縮機構3と、蓄圧タンク4と、を有している。モータ2と圧縮機構3とは、無端ベルト5で相互に連結され、圧縮機構3と蓄圧タンク4とは、連通パイプ6で相互に連結されている。
図1の例において、圧縮機構3は、単気筒タイプの圧縮装置として規定され、シリンダボディ7と、シリンダヘッド8と、を有している。シリンダボディ7は、例えば、鋳鉄、アルミニウム合金などの金属材料で成形され、その内部に、ピストン(図示しない)を往復動可能に収容している。シリンダヘッド8は、例えば、鋳鉄、アルミニウム合金などの金属材料や耐熱樹脂で形成され、シリンダボディ7の内部を密封している。
圧縮機構3(具体的には、シリンダヘッド8)には、空気取込部3a及び空気排出部3bが設けられている。空気取込部3aは、シリンダヘッド8を貫通して構成され、機外の空気を取り込み可能に構成されている。空気排出部3bは、シリンダヘッド8を貫通して構成され、圧縮空気を機外に排出可能に構成されている。空気排出部3bには、連通パイプ6の一端が連結され、当該連通パイプ6の他端は、蓄圧タンク4に連結されている。
蓄圧タンク4には、圧縮空気取出部4pが設けられている。圧縮空気取出部4pには、接続ホース9の基端が連結され、接続ホース9の先端は、用途に応じた各種機器に連結可能に構成されている。かくして、蓄圧タンク4内の圧縮空気が、圧縮空気取出部4pから接続ホース9を通って各種機器に供給される。
更に、本実施形態に係るコンプレッサ1は、ファン機構10と、中空の放熱構造11と、を有している。ファン機構10は、無端ベルト5に連結されたファン(図示しない)を備えている。モータ2によって無端ベルト5を走行させることでファンを回転させ、これにより、圧縮機構3(特に、シリンダボディ7)に向けて冷却風が供給される。
中空の放熱構造11は、シリンダボディ7の外周面7sに沿って設けられ、シリンダボディ7の熱を放散させる。放熱構造11は、熱の放散(即ち、放熱)において、シリンダボディ7の熱を自然放熱させる機能、及び、ファン機構10から供給された冷却風によってシリンダボディ7の熱を強制的に放熱させる機能の双方の機能を有している。
放熱構造11は、中空の通気部12と、吸気部13と、排気部14と、吸排気領域15と、を有して構成されている。なお、吸気部13、排気部14、吸排気領域15については、図2及び図3を参照して後述する。
図1には一例として、3つの円環状の通気部12がシリンダボディ7の外周面7sに沿って設けられている。すなわち、シリンダボディ7の外周面7sは、断面円形を有し、これにより、各通気部12は、円環状を成している。これら円環状の通気部12は、それぞれ、互いに平行に配置され、かつ、ピストン(図示しない)が往復動する方向に沿って互いに間隔を存して対向させて配置されている。
更に、通気部12は、その一部が破断し、そこに後述する吸気部13、排気部14、吸排気領域15(図2及び図3参照)が配置構成されている。ここで、シリンダボディ7の外周面7sの周方向全長を100%と規定した場合、通気部12の周方向全長は、その70±10%に設定することが好ましい。なお、周方向全長とは、ピストン(図示しない)が往復動する方向に直交する方向において、シリンダボディ7の外周面7sに沿った方向を周方向と規定し、その周方向に沿った長さを指す。
図2及び図3は、放熱構造11の配置構成図である。図2及び図3の例において、各通気部12の破断部分に、吸排気領域15が設けられている。吸排気領域15は、それぞれ、ピストン(図示しない)が往復動する方向に沿って一列に並んで位置付けられている。これらの吸排気領域15は、上記したファン機構10に対向(対面)して配置される。
ここで、シリンダボディ7の外周面7sの周方向全長を100%と規定した場合、吸排気領域15の周方向全長は、その30±10%に設定することが好ましい。これにより、ファン機構10からの冷却風は、当該吸排気領域15を通って、シリンダボディ7の外周面7sに沿って流れる。なお、周方向全長については上記同様に規定される。
通気部12は、ピストン(図示しない)が往復動する方向に直交する方向(即ち、径方向)に、シリンダボディ7の外周面7sから断面矩形状に突出した輪郭を有している。通気部12は、両端が開口され、双方の開口12a,12bに連通したエア通路12pを備えている。図2及び図3には一例として、互いに同一の大きさを有する矩形状の開口12a,12bと、双方の開口12a,12bに連通した断面矩形状のエア通路12pが示されている。
図2及び図3に示すように、吸気部13は、一方の開口12aに構成され、エアをエア通路12pに向けて吸込可能に構成されている。排気部14は、他方の開口12bに構成され、吸気部13(開口12a)からエア通路12pを通って流れたエアを排出可能に構成されている。吸排気領域15は、吸気部13の開口12aへのエアの吸込み、及び、排気部14の開口12bからのエアの排気を行うための領域として構成されている。
吸気部13の開口12a、及び、排気部14の開口12bは、吸排気領域15の両側に配置されている。吸気部13の開口12aは、シリンダボディ7の外周面7sとは反対向きに設定されている。換言すると、吸気部13の開口12aは、上記した上記したファン機構10に対向(対面)する向きに設定されている。別の捉え方をすると、吸気部13の開口12aは、上記したファン機構10からの冷却風に対向(対面)する向き(即ち、冷却風を吸い込み易い向き)に設定されている。
排気部14の開口12bは、吸気部13の開口12aと平行に対向(対面)しない向きに設定されている。即ち、排気部14の開口12bは、シリンダボディ7の外周面7sに対向(対面)する向きに設定されている。換言すると、排気部14の開口12bは、上記した上記したファン機構10に対向(対面)しない向き(即ち、ファン機構10とは反対向き)に設定されている。別の捉え方をすると、排気部14の開口12bは、ファン機構10からの冷却風に対向(対面)しない向き(即ち、ファン機構10からの冷却風がダイレクトに当たらない向き)に設定されている。
更に、吸気部13(開口12a)の面積、及び、排気部14(開口12b)の面積は、通気部12のうちエア通路12pを除いた部分の肉厚をt、通気部12のうちシリンダボディ7の外周面7sから突出した部分の突出長をLとすると、5t×L以上に設定することが好ましい。なお、肉厚tとは、通気部12のうち、エア通路12pを矩形に囲んだ枠状部分の厚さを指す。突出長Lとは、通気部12のうち、シリンダボディ7の外周面7sから径方向に延在した部分の径方向長さを指す。
以上、本実施形態の放熱構造11によれば、シリンダボディ7の外周面7sから突出した円環状の通気部12によって伝熱面積が広がり、これにより、シリンダボディ7の熱を効率よく自然放熱させることができる。加えて、ファン機構10からの冷却風(エア)が吸排気領域15を通る際に、その一部のエアが、吸気部13(開口12a)からエア通路12pを通って流れる。このとき、エア通路12pを流れるエアによってシリンダボディ7の熱が吸収されつつ、続いて、その熱を吸収したエアは、排気部14(開口12b)から吸排気領域15に排気される。これにより、ファン機構10からの冷却風(エア)を通気部12に当てた強制的な放熱と同時に、通気部12内のエア通路12pを流れるエアによる熱吸収を行うことができる。この結果、放熱構造11全体の熱交換の効率が飛躍的に上がり、ヒートシンクとしての性能を格段に向上させることができる。
本実施形態の放熱構造11によれば、シリンダボディ7の外周面7sの周方向全長を100%と規定した場合、通気部12の破断部分(即ち、吸排気領域15)の周方向全長をその30±10%に設定すると共に、ファン機構10に対向(対面)させたことで、ファン機構10からの冷却風を、当該吸排気領域15を通って、シリンダボディ7の外周面7s全体、並びに、吸気部13(開口12a)からエア通路12pに沿って円滑に流すことができる。
「変形例」
図4は、変形例に係る放熱構造11の配置構成図である。上記した実施形態において、吸気部13の開口12a、及び、排気部14の開口12bは、同一の大きさを想定したが、これに代えて、図4に示すように、吸気部13の開口12aを、排気部14の開口12bよりも大きく設定してもよい。図4では一例として、通気部12を開口12aに向かって末広がり状に構成することで、吸気部13(開口12a)が排気部14の開口12bよりも大きくなっている。これにより、エアを吸込み易くなり、その結果、通気部12内のエア通路12pを流れるエアによる熱吸収効率を向上させることができる。
図4は、変形例に係る放熱構造11の配置構成図である。上記した実施形態において、吸気部13の開口12a、及び、排気部14の開口12bは、同一の大きさを想定したが、これに代えて、図4に示すように、吸気部13の開口12aを、排気部14の開口12bよりも大きく設定してもよい。図4では一例として、通気部12を開口12aに向かって末広がり状に構成することで、吸気部13(開口12a)が排気部14の開口12bよりも大きくなっている。これにより、エアを吸込み易くなり、その結果、通気部12内のエア通路12pを流れるエアによる熱吸収効率を向上させることができる。
この場合、上記の変形例の構成とは逆に、排気部14の開口12bを、吸気部13の開口12aよりも小さく設定してもよい。換言すると、排気部14(開口12b)の開口径を、吸気部13(開口12a)の開口径よりも絞るようにしてもよい。
また、上記した実施形態において、通気部12を径方向に沿って平行に配置したが、これに代えて、通気部12を、ピストン(図示しない)が往復動する方向(即ち、径方向)に交差する方向に沿って螺旋状に配置してもよい。
更に、上記した実施形態並びに変形例において、複数の通気部12を径方向に沿って平行に配置する場合、並びに、複数の通気部12を径方向に交差する方向に沿って螺旋状に配置する場合を想定したが、これに代えて、単数(1つ)の通気部12を平行或いは螺旋状に配置する場合も本発明の技術範囲に含まれる。
加えて、上記した実施形態並びに変形例において、吸排気領域15をファン機構10(図1参照)に対向(対面)させて配置する場合を想定したが、これに代えて、吸排気領域15をファン機構10の正面から外す(オフセットする)ように配置してもよい。例えば、シリンダボディ7の周方向に沿って、吸排気領域15を、ファン機構10の正面から約15度の角度を持ってオフセンターさせて配置する。これにより、ファン機構10から供給されたエアは、より円滑に吸気部13(開口12a)に吸い込まれ、エア通路12pを通って排気部14(開口12b)から効率よく排気される。
「他の変形例」
図5及び図6は、他の変形例に係る放熱構造11の外観構成図であり、図5は、通気部12の斜視図、図6は、通気部12の両端に設けられた吸気部13(開口12a)及び吸気部13(開口12a)の正面図である。
図5及び図6は、他の変形例に係る放熱構造11の外観構成図であり、図5は、通気部12の斜視図、図6は、通気部12の両端に設けられた吸気部13(開口12a)及び吸気部13(開口12a)の正面図である。
図5及び図6に示すように、通気部12は、半円環状を成し、シリンダボディ7の外周面7sの周方向に沿って延在されている。ここで、シリンダボディ7の外周面7sの周方向全長の半分を100%と規定した場合、通気部12の周方向全長は、その70±10%に設定することが好ましい。この場合、吸排気領域15は、通気部12の占有領域以外の周方向領域として、吸気部13(開口12a)と吸気部13(開口12a)との間に、広範囲に設定される。
なお、その他の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
なお、その他の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
以上、本発明の一実施形態及びいくつかの変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…コンプレッサ、2…モータ、3…圧縮機構、4…蓄圧タンク、5…無端ベルト、6…連通パイプ、7…シリンダボディ、7s…外周面、8…シリンダヘッド、9…接続ホース、10…ファン機構、11…放熱構造、12…通気部、12a,12b…開口、12p…エア通路、13…吸気部、14…排気部、15…吸排気領域。
Claims (11)
- ピストンを往復動させて圧縮空気を生成するコンプレッサであって、
前記ピストンを往復動可能に収容するシリンダボディと、
前記シリンダボディの外周面に沿って設けられ、前記シリンダボディの熱を放散させる中空の放熱構造と、を具備し、
中空の前記放熱構造は、
両端が開口され、双方の前記開口に連通したエア通路を備える通気部と、
一方の前記開口に構成され、エアを前記エア通路に向けて吸込可能な吸気部と、
他方の前記開口に構成され、前記吸気部から前記エア通路を通って流れたエアを排出可能な排気部と、を有するコンプレッサ。 - 前記放熱構造は、前記吸気部の前記開口へのエアの吸込み、及び、前記排気部の前記開口からのエアの排気を行うための吸排気領域を有し、
前記吸気部の前記開口及び前記排気部の前記開口は、前記吸排気領域の両側に配置されている請求項1に記載のコンプレッサ。 - 前記吸気部の前記開口は、前記シリンダボディの前記外周面とは反対向きに設定され、
前記排気部の前記開口は、前記吸気部の前記開口と平行に対向しない向きに設定されている請求項1に記載のコンプレッサ。 - 前記排気部の前記開口は、前記シリンダボディの前記外周面に対向する向きに設定されている請求項3に記載のコンプレッサ。
- 前記吸気部の前記開口は、前記排気部の前記開口よりも大きく設定されている請求項1に記載のコンプレッサ。
- 前記シリンダボディの前記外周面の周方向全長を100%と規定した場合、前記通気部の周方向全長は、その70±10%に設定されている請求項1に記載のコンプレッサ。
- 前記シリンダボディの前記外周面の周方向全長を100%と規定した場合、前記吸排気領域の周方向全長は、その30±10%に設定されている請求項6に記載のコンプレッサ。
- 前記通気部は、前記ピストンが往復動する方向に直交する方向に沿って平行に配置されている請求項1に記載のコンプレッサ。
- 前記通気部は、前記ピストンが往復動する方向に交差する方向に沿って螺旋状に配置されている請求項1に記載のコンプレッサ。
- 前記通気部は、前記シリンダボディの外周面から突出した輪郭形状を有し、
前記吸気部及び前記排気部の面積は、前記通気部のうち前記エア通路を除いた部分の肉厚をt、前記通気部のうち前記外周面から突出した部分の突出長をLとすると、5t×L以上に設定されている請求項1に記載のコンプレッサ。 - 前記シリンダボディの前記外周面の周方向全長の半分を100%と規定した場合、前記通気部の周方向全長は、その70±10%に設定されている請求項1に記載のコンプレッサ。
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