JP2022095235A - 電子制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子制御装置の動作を安定化させる。【解決手段】マイクロコントローラ(MCU)に対してメイン電源供給ラインとイグニッション電源供給ラインの2系統が設けられ、イグニッション電源供給ラインには二つの逆流防止ダイオードが直列2段に接続され、各電源供給ラインに配置された複数の逆流防止ダイオードの端子電圧がMCUのA/D入力端子に入力され、それぞれの端子電圧が測定され、MCUによって複数の逆流防止ダイオードの一個にショート故障が発生したか否かが判定され、逆流防止ダイオードのショート故障が発生したことを警告する警告装置が作動させられる電子制御装置。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子制御装置に関する。
自動車、船舶、農耕機などのエンジンや変速機の制御に電子制御装置(以下、ECUとも記す)が用いられている。通常、自動車等に搭載されるECUは、他の電装部品と同様に、共通のバッテリ電源から電圧が供給されている。
例えば、特許文献1に記載のECUは、自動車のバッテリ電源の電圧を監視すると共に、ECU自体も、バッテリ電源から給電された電源回路によって必要な電圧の供給を受けている。また、内部配線に用いられるワイヤーハーネスの断線を想定し、電源系に冗長性を与えることが通常行われている。
特許文献1におけるECUに給電するための回路構成は以下の通りである。まず、バッテリ電源、イグニッション電源、及び補助バッテリの3か所の電源から、異なるワイヤーハーネスを介して接続された、メイン電源供給ラインL及びサブ電源供給ラインL、Lが構成されている。
ECUの回路基板内で、メイン電源供給ラインの逆流防止回路の出力及び二つのサブ電源供給ラインのダイオードOR回路の出力がECU内の電源回路に対して共通接続されている。さらに、電源回路からマイクロコントローラ(以後、MCUという)や内部回路に電圧が供給されている(特許文献1の図1を参照)。
サブ電源供給ラインL、Lの二つのダイオードは複数の電源供給ラインの間での電流の逆流を防止しつつ電源回路に給電するためのものである。
このように、特許文献1のECUは、バッテリ電源、イグニッション電源、及び補助バッテリの何れかの電源が正常であれば、その動作を最低限維持することができる。
特開2017-184538
しかし、特許文献1のECUのサブ電源供給ラインのダイオードがショート故障を起こすと、メイン電源供給ラインからサブ電源供給ラインへの電圧の回り込みが発生し、イグニッションスイッチのオフ操作をMCUが認識できないという問題を内包していた。
そこで、電源系に配置される逆流防止用のダイオードのショート故障への冗長性をさらに高めるために、例えば、ECUのサブ電源供給ラインのダイオードを直列2段の回路構成に変更する方法が考えられる。
直列2段のダイオードの何れか一方がショート故障を起こしても、他方が正常であれば、上記の電圧の回り込みは発生しない。しかし、直列2段のダイオードの回路構成であっても、2個のダイオードが共にショート故障を起こすと電圧の回り込みがやはり発生する。すると、イグニッションスイッチが利用者によってオフとなった場合であっても、MCUはイグニッションスイッチがオン状態であると誤認識する。
このように、逆流防止用の直列2段のダイオードに二重故障が発生した場合は、状態変化に応じて求められる所定の動作をECUは実行することができない。そのため、直列2段のダイオードの回路構成に関して、その二重故障の前提となる一重故障の発生をECUが事前に検知することが新たな課題となる。
本発明の目的は、電子制御装置の安定動作を維持することである。
上記目的を達成するために本発明の一例は、メイン電源に接続されるメイン電源端子と、サブ電源にサブ電源スイッチを介して接続されるサブ電源端子と、前記メイン電源端子から逆流防止回路を介して共通ノードに電圧を供給するメイン電源供給ラインと、前記サブ電源端子から直列に配置された第1の逆流防止ダイオード及び第2の逆流防止ダイオードを介して前記共通ノードに電圧を供給するサブ電源供給ラインと、前記共通ノードから電圧の供給を受ける通電スイッチと、前記通電スイッチから電圧の供給を受けるマイクロコントローラ用電源回路と、前記マイクロコントローラ用電源回路から電圧の供給を受けるマイクロコントローラと、を備え、前記マイクロコントローラは、前記サブ電源端子の電圧を監視し、前記サブ電源端子の電圧がオフになった場合に前記通電スイッチの通電を遮断するための信号を前記通電スイッチに出力し、前記通電スイッチの通電が遮断されることによって前記マイクロコントローラ用電源回路への電圧の供給が停止され、前記マイクロコントローラ用電源回路から前記マイクロコントローラへの電圧の供給が停止されることによって前記マイクロコントローラの動作が停止され、前記マイクロコントローラは、前記第1の逆流防止ダイオードのアノードの第1の端子電圧と、前記第2の逆流防止ダイオードのアノードの第2の端子電圧と、カソードの第3の端子電圧と、を測定し、前記マイクロコントローラは、測定した前記第1の端子電圧、前記第2の端子電圧、及び前記第3の端子電圧に基づいて、前記第1の逆流防止ダイオードまたは前記第2の逆流防止ダイオードにショート故障が発生しているか否かを判定し、前記マイクロコントローラは、前記第1の逆流防止ダイオードまたは前記第2の逆流防止ダイオードの何れかにショート故障が発生していると判定した場合に、ショート故障の発生を警告する警告装置を作動させる電子制御装置を提供する。
本発明は、電子制御装置の安定動作を維持することが出来る。
実施例1の回路構成である。 比較例の回路構成である。 実施例1における診断表である。 実施例2の回路構成である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1におけるECU20の回路構成を示す。
-電源-
ECUのメイン電源にバッテリ電源1が用いられている。車両等に広く用いられるバッテリ電源には公称電圧が直流12Vまたは24Vのものがある。本例では12Vのバッテリ電源が用いられている。また、同一のバッテリ電源1からイグニッションスイッチ2を介した電源ラインがサブ電源として設けられている。このサブ電源がイグニッション電源IGN-Vであり、また、イグニッションスイッチ2がサブ電源スイッチに相当する。メイン電源には、エンジン起動用の大電流を供給するため、通常、大容量型のものが用いられる。サブ電源には、メイン電源用のバッテリ電源1に対して、電力容量と充電特性が異なるタイプのバッテリ電源を用いることもできる。または、メイン電源用のバッテリ電源1から電圧を随時充電する形態の充電池であってもよい。
-ECUと電源との接続-
本例では、バッテリ電源1は、メインハーネス3を介してECU20のメイン電源端子VMに接続されている。メイン電源端子VMから、逆流防止回路(逆流防止ダイオード5)を介してECU20内部の共通ノードM3に繋がるメイン電源供給ラインPRが構成されている。そして、メイン電源供給ラインPRの逆流防止回路(逆流防止ダイオード5)のカソード(共通ノードM3)に接続された共通電源線8を通って通電スイッチ11の入力端子に電圧が供給される。通常、メイン電源供給ラインPRの方から、通電スイッチ11を介して、MCU用電源回路13と負荷用電源回路16に必要とされる電圧及び電流が供給される。
イグニッション電源IGN-Vはサブハーネス4を介してECU20のサブ電源端子IGNに接続されている。サブ電源端子IGNから、第1の逆流防止ダイオード6と第2の逆流防止ダイオード7が直列2段に接続されたサブ電源供給ラインSVが構成され、上記の共通ノードM3に共通接続されている。
このように、ECU20に対する電源供給ラインが少なくとも二系統設けられており、何れか一方の電源供給ラインに故障が発生しても、残る他方が正常であれば、ECU20に最低限必要な電圧が供給できる回路構成となっている。
また、イグニッションスイッチ2から、ECU20のサブ電源端子IGNにサブハーネス4を介して接続がなされる以外に、イグニッション電源IGN-Vを利用する負荷が並列に接続されている。例えば、自動車であれば、エアコン、パワーウインドウ、ワイパーなど、情報通信回路系より電力消費が大きな負荷である。
なお、図1において、各電源供給ラインに通常挿入される保護ヒューズは、その図示が省略されている。
-マイクロコントローラ-
本例に用いるマイクロコントローラ(以下、MCUともいう)の構成は、例えば、以下の通りである。MCU10は、高速演算の並列処理に適した32ビットのデュアルコア(CPU)が搭載されている。また、プログラム記憶用に2個のフラッシュメモリ(各2MB)、128KBのRAM、16チャネルのDMAが搭載されている。さらに、周辺回路として、モータ制御用タイマ、シリアルインターフェース、12ビットのA/Dコンバータ、レゾルバの出力信号をデジタルの角度データに変換するR/Dコンバータ、などが備えられている。また、MCU10のパッケージの形態は、例えば、252ピンのBGAである。
-MCUの起動と停止-
次に、ECU20の作動の中心となるMCUの起動と停止について説明する。まず、イグニッションスイッチ2が利用者によってオン操作されることで、イグニッションスイッチ2とハードウェア結線(図示を省略)された通電スイッチ11の制御入力が連動してオンされる。
すると、共通ノードから共通電源線8を通して電圧が通電スイッチ11に入力され、通電スイッチ11の出力端子から内部電源線9を介してMCU用電源回路13と負荷用電源回路16に電圧の供給が開始される。
そして、負荷用電源回路16から負荷用電源端子VLを介して、ECU20の外部の負荷17に対して電圧が供給される。また、MCU用電源回路13によって、MCU10の動作に必要な所定の電圧、例えば、+5V±0.5V、3.3V±0.3V、1.25V±0.1Vといった複数の出力電圧が生成される。これらの複数の出力電圧がMCU10に対してMCU用電源線14から供給され、MCU10が起動される。MCU10に必要となる電圧が供給されることで、他のECUとの連携や、車両の各部のセンシングや運転支援などの制御が開始される。
次にECU20の停止は以下のようにして行われる。イグニッションスイッチ2が利用者によってオフされることで、サブ電源供給ラインSVのノードM1の電圧が低下する。ノードM1の電圧が第1の端子電圧であり、電圧監視線6Aから電圧分割器12を通ってMCU10のA/D入力端子の一つに入力され、ノードM1の電圧が測定できるように構成されている。ノードM1の電圧がA/D変換され、MCU10はノードM1の電圧値をデジタル値として取得する。予め準備されたノードM1の電圧に関するデータとの対比がなされることで、最終的に、MCU10は、イグニッションスイッチ2がオフされたことを認識する。
MCU10はイグニッションスイッチ2のオフを認識すると、各部に対する制御動作を終了する。引き続き、MCU10は必要なデータをMCU10内部のメモリに退避した後、通電スイッチ11の制御に用いるI/O端子の一つの出力をオフにし、通電制御線11cの電圧レベルをオフにする。すると通電スイッチ11の入力端子から出力端子への通電は遮断され、通電スイッチ11の出力端子に接続されている内部電源線9の電位はゼロとなる。その結果、MCU用電源回路13への電圧供給が停止することで、MCU用電源回路13の出力もゼロとなり、MCU10への電圧の供給が停止され、最終的に、ECU20の装置全体の作動が停止する。また、負荷用電源回路16への電圧の供給も停止される。
なお、ECU20には、イグニッション電源オン、アクセサリ電源オン、イグニッション電源オフ、といった複数の電源動作モードが予め設定されている。
-ノードの電圧の監視-
メイン電源供給ラインPRと、サブ電源供給ラインSVの二つの逆流防止ダイオードの各端子電圧を監視するため、各端子(ノード)から複数の電圧監視線が電圧分割器12の入力端子に接続されている。電圧分割器12は、電源系の12V、24Vといったバッテリ電源の直流電圧から派生する電圧を、5V系のMCU10のA/D入力端子に入力できるように電圧レベルを変換するための回路である。MCU10に複数のA/D入力端子が備えられているので、各端子(ノード)の電圧を監視するための回路系をコンパクトにすることができる。
まず、サブ電源供給ラインSVの第1の逆流防止ダイオード6のアノード側のノードM1から電圧監視線6Aが引き出されている。第2の逆流防止ダイオード7のアノード側のノードM2(第2の端子電圧)から電圧監視線7Aが引き出されている。第2の逆流防止ダイオード7のカソード側から電圧監視線7Cが引き出されている。また、メイン電源供給ラインPRの逆流防止ダイオード5のアノード側のノードM4から電圧監視線5Aが引き出されている。各電圧監視線5A、6A、7A、7Cは、電圧分割器12の入力端子に接続されている。
このように、メイン電源供給ラインPRのノードM4、サブ電源供給ラインSVのノードM1、ノードM2、及び共通ノードM3から引き出された各電圧監視線から電圧分割器12を通して、各ノードの電圧がMCU10のA/D入力端子に入力されている。ノードM4の電圧はバッテリ電源1の電圧であるが、既知のデータとして扱ってもよいし、ノードM4の電圧を測定し実測した電圧値を得てもよい。メインハーネス3における電圧降下を考慮した場合、バッテリ電源1の電圧としてノードM4の電圧を測定することが好ましい。共通ノードM3の電圧が第3の端子電圧に相当する。このように、バッテリ電源1の電圧が既知または同時にMCU10によって測定されることを前提として、第1の端子電圧、第2の端子電圧、及び第3の端子電圧の測定値が、電源供給ラインの各逆流防止ダイオードの故障診断に使用される。
-逆流防止ダイオードの故障判定-
逆流防止ダイオードのショート故障の判定は、図3の診断表に基づいて行うことができる。この診断表に示すように、ノードM1、M2及び共通ノードM3のそれぞれの電圧値(第1の端子電圧、第2の端子電圧、及び第3の端子電圧)が測定される。そして、測定した電圧値とイグニッションスイッチ2のオンとオフの組み合わせによって電源系におけるショート故障の発生の有無がMCU10によって判定される。
図3に示す診断表ではNo.A~Hの8通りの状態が示されている。この診断表との照合を行うために、MCU10は、ノードM1、ノードM2、共通ノードM3、及びノードM4の電圧を測定する。測定した電圧値を診断表と照合することで、第1の逆流防止ダイオードまたは第2の逆流防止ダイオードにおけるショート故障の有無を診断することができる。なお、本例では、バッテリ電源1が一つであるのでノードM4とノードM1の電圧はほぼ一致する。診断表の「VB」は、バッテリ電源1の電圧値を指している。
以下、その一例として、図3の診断表のNo.Dについて説明する。このDの場合は、第2の逆流防止ダイオード7がショート故障した際の状態が示されている。
正常時は、診断表のNo.Bに示す場合であり、異常時のNo.Dの場合と比較すると、ノードM2の電圧が、No.Bの正常時の0Vに対して、No.Dの異常時には(VB-Vfd5)Vと異なっている。従って、第2の逆流防止ダイオード7のショート故障の発生を、正常な場合と対比することによって、MCU10は異常の発生を検知することができる。
ここで、Vfd6は第1の逆流防止ダイオード6の順方向電圧であり、Vfd5は逆流防止ダイオード5の順方向電圧である。一般的なシリコンダイオードであれば、0.6~0.7V程度の電圧降下を示す。このようにして図3の診断表に示したように逆流防止ダイオードの正常時と、異常時の各ノードの電圧値を比較することで、第1の逆流防止ダイオード6と第2の逆流防止ダイオード7のショート故障(一重故障)の発生を検知することが可能となる。
なお、診断表の中で、No.Aの場合は、電源系統に異常がなく、メイン電源供給ラインPRに主たる負荷電流等が流れている。そのため、逆流防止ダイオード5は完全にオンしており、その端子電圧は、例えばシリコンダイオードであれば、0.7V程度である。
この場合、サブ電源供給ラインの二つの逆流防止ダイオード6、7は、逆流防止ダイオード5に対して並列に配置されており、二個で一個のダイオードと等価である、とほぼみなすことができる。また、逆流防止ダイオード5の両側の端子電圧が0.7Vになるので、特性が揃った部品を使用していれば、サブ電源供給ラインSV側の逆流防止ダイオード6、7の各1個における電圧降下は、凡そ、近似的に見て通常の電圧降下の半分の0.35V程度となる。但し、整流用ダイオード(逆流防止ダイオード)における順方向への微弱な電流が流れることを前提としている。また、電圧分割器12及びMCU10のA/D入力端子の入力インピーダンス等との関係で、第1の端子電圧、第2の端子電圧、及び第3の端子電圧を十分な精度で測定できることを前提としている。
次に、No.Cは、イグニッションスイッチ2がオンで、第2の逆流防止ダイオード7がショート故障したことにより、逆流防止ダイオード5と第1の逆流防止ダイオード6とが並列になった状態に相当する。この場合は、二つの電源供給ラインの電流がほぼ等しく、両方のダイオードが共にオンすることが想定される。
No.Eは、イグニッションスイッチ2がオンで、第1の逆流防止ダイオード6がショート故障した場合であり、ノードM2は、バッテリ電源1の電圧値(VB)そのものを示すこととなる。
No.Fは、イグニッションスイッチがオフで、第1の逆流防止ダイオード6がショート故障した場合である。ノードM1とノードM2は、イグニッションスイッチ2がオフであるため完全に絶縁されるので、ゼロ電位となる。
さらに、共通ノードM3はメイン電源供給ラインの通電により、バッテリ電源の電圧値から逆流防止ダイオード5の電圧降下分が減算された値(VB-Vfd5)が電圧値として測定される。このNo.Fの状態はNo.Bと同様の結果となっているので、MCU10は状態の区別をすることができないが、イグニッションスイッチ2がオフなので、ECU20にとって支障はない。また、この状態は、イグニッションスイッチがオンとなるNo.Eの場合に、MCU10はショート故障を検知することができる。
No.GとNo.Hは、二重故障の場合であり、MCU10が故障を検知できることは言うまでもない。
上記の診断表との照合は、測定した端子電圧について、部品のばらつきや測定誤差等を考慮した上で、0または1のデジタル値に変換して行うことができる。例えば、ある端子電圧が想定される範囲内の電圧値を示した場合を1とし、範囲外の場合を0として、予め準備したデータと対比する方法が考えられる。
本例の回路構成において、MCU10は実際の回路構成に基づいて各ノードの電圧を高精度で予め測定し、データとして準備しておくことができる。
そして、MCU10が、第1の逆流防止ダイオード6と第2の逆流防止ダイオード7の何れか一方について、ショート故障を検知した場合、残る他方の逆流防止ダイオードが正常であれば、少なくとも、MCU10は正常な動作を継続することができる。
本例では、MCU10が逆流防止ダイオードの一重故障を見出した場合は、MCU10は入出力端子の一つから警告出力線15を通して警告装置18に作動のための警告信号を出力する。そして、警告装置18は、利用者が視認したり聴くことができる自動車等の位置に、異常音を発したり、点滅光を表示する等によって、電源供給ラインにショート故障が発生したことを警告する。
また、ECU20から他のECUへの通信によって、ECU20の電源系の逆流防止ダイオードに故障が発生したことを通知することも可能である。
このように、本例におけるECU20は、メイン電源に接続されるメイン電源端子VMと、サブ電源(イグニッション電源)IGN-Vにサブ電源スイッチ2を介して接続されるサブ電源端子IGNと、メイン電源端子VMから逆流防止回路(逆流防止ダイオード5)を介して共通ノードM3に電圧を供給するメイン電源供給ラインPRと、サブ電源端子IGNから直列に配置された第1の逆流防止ダイオード6及び第2の逆流防止ダイオード7を介して共通ノードM3に電圧を供給するサブ電源供給ラインSVと、共通ノードM3から電圧の供給を受ける通電スイッチ11と、通電スイッチ11から電圧の供給を受けるMCU用電源回路13と、MCU用電源回路13から電圧の供給を受けるMCU10と、を備えている。
MCU10は、サブ電源端子IGNの電圧(ノードM1の電圧)を監視し、サブ電源端子IGNの電圧がオフになった場合に通電スイッチ11の通電を遮断するための信号を通電スイッチ11に出力し、通電スイッチ11の通電が遮断されることによってMCU用電源回路13への電圧の供給が停止され、MCU用電源回路13からMCU10への電圧の供給が停止されることによってMCU10の動作が停止される。
MCU10は、第1の逆流防止ダイオード6のアノードの第1の端子電圧と、第2の逆流防止ダイオード7のアノードの第2の端子電圧と、カソードの第3の端子電圧と、を測定し、MCU10は、測定した第1の端子電圧、第2の端子電圧、及び第3の端子電圧に基づいて、第1の逆流防止ダイオード6または第2の逆流防止ダイオード7にショート故障が発生しているか否かを判定する。
MCU10は、第1の逆流防止ダイオード6または第2の逆流防止ダイオード7の何れかにショート故障が発生していると判定した場合に、ショート故障の発生を警告する警告装置18を作動させる。
このように、本例は、ECU20の安定動作を維持することが出来る。
[比較例]
図2は比較例の回路構成である。この比較例では、第2の逆流防止ダイオード7の両側の端子からの電圧監視線が回路構成上、設けられていない。そのため、MCU10はノードM2や共通ノードM3の電圧を監視することが全くできず、逆流防止ダイオードの故障の発生を区別することができない。従って、この比較例において、MCU10は、逆流防止ダイオード5、6の一重故障の発生を、二重故障の発生前に検知することができない。
[実施例2]
図4に実施例2の回路構成を示す。本例では、メイン電源用のバッテリ電源1Aに対して、電力容量と充電特性が異なるバッテリ電源1Bがサブ電源として予め設けられている。つまり、本例では、サブ電源に、バッテリ電源1Aよりも繰り返し充電回数が数倍大きなタイプのバッテリ電源1Bを用いる。例えば、サイクルユースに適したバッテリやリチウムイオンバッテリなどがある。本例では、二つのバッテリ電源を併用することによって、電源系の冗長性がより高まるので好ましい。
また、本例では、サブ電源供給ラインSVの第1の逆流防止ダイオード6Xと第2の逆流防止ダイオード7Xに、低電圧降下型のダイオードを用いている。例えば、電圧降下が0.4V~0.5V程度のものである。電源供給ラインの逆流防止ダイオードに、電圧降下がより小さい部品を用いることで、システム全体における電圧降下による電力損失を抑制し、電力の有効利用を図ることができる。
上記の実施例1の場合と異なり、二つのバッテリ電源が設けられていることと、順方向電圧が低い逆流防止ダイオードが用いられている。そのため、メイン電源供給ラインPRとサブ電源供給ラインSVの各ノードにおける電圧値の相対的な大きさの関係によって、内部電源線9への電圧供給の流れが変化し得る。
しかし、第1の端子電圧であるノードM1、第2の端子電圧であるノードM2、第3の端子電圧である共通ノードM3、及びメイン電源用のバッテリ電源1Aの電圧に相当するノードM4の電圧は各電圧監視線から電圧分割器12を介してA/D入力端子に入力される。そして、MCU10は、リアルタイムで各端子電圧を測定することができる。そのため、バッテリ電源1A、バッテリ電源1Bの電圧や、逆流防止ダイオード5、第1の逆流防止ダイオード6X、第2の逆流防止ダイオード7X等の特性ばらつきを含めて測定することができる。つまり、二つの電源供給系における各端子電圧(ノードM1、ノードM2、共通ノードM3、ノードM4)の電圧をすべて測定することができる。
また、ECU20を製造する際、メイン電源端子VM、サブ電源端子IGNに所定の電圧を印加し、かつ負荷用電源端子VLに所定の負荷を挿入し、メイン電源供給ラインに所定の負荷電流を流す試験をすることができる。さらに、二つの逆流防止ダイオード6X、7Xにショート故障が発生した場合を事前にシミュレーションすることができる。
それによって、逆流防止ダイオード5、第1の逆流防止ダイオード6X、及び第2の逆流防止ダイオード7Xにショート故障が発生した場合の電圧値等のデータを、MCU10内部のメモリに記録しておくことができる。
そのため、MCU10は、回路を構成する各部品や、バッテリ電源1A、バッテリ電源1Bの電圧など、回路構成における幾つかのパラメータが変化したとしても、電源供給ラインに配置された複数の逆流防止ダイオードの一重故障を高精度に検知することができる。
そして、本例においても、MCU10が逆流防止ダイオードの一重故障を見出した場合は、MCU10は入出力端子の一つから警告出力線15を通して警告装置18に作動のための警告信号を出力する。そして、警告装置18は、利用者が視認したり聴くことができる自動車等の位置に、異常音を発したり、点滅光を表示する等によって、電源供給ラインにショート故障が発生したことを警告する。
このように、本例において、ECU20は、メイン電源であるバッテリ電源1Aに接続されるメイン電源端子VMと、サブ電源であるバッテリ電源1Bにサブ電源スイッチ2を介して接続されるサブ電源端子IGNと、メイン電源端子VMから逆流防止回路(逆流防止ダイオード5)を介して共通ノードM3に電圧を供給するメイン電源供給ラインPRと、サブ電源端子IGNから直列に配置された第1の逆流防止ダイオード6X及び第2の逆流防止ダイオード7Xを介して共通ノードM3に電圧を供給するサブ電源供給ラインSVと、共通ノードM3から電圧の供給を受ける通電スイッチ11と、通電スイッチ11から電圧の供給を受けるMCU用電源回路13と、MCU用電源回路13から電圧の供給を受けるMCU10と、を備えている。
MCU10は、サブ電源端子IGNの電圧(ノードM1の電圧)を監視し、サブ電源端子IGNの電圧がオフになった場合に通電スイッチ11の通電を遮断するための信号を通電スイッチ11に出力し、通電スイッチ11の通電が遮断されることによってMCU用電源回路13への電圧の供給が停止され、MCU用電源回路13からMCU10への電圧の供給が停止されることによってMCU10の動作が停止される。
MCU10は、バッテリ電源1Aの電圧と、第1の逆流防止ダイオード6Xのアノードの第1の端子電圧と、第2の逆流防止ダイオード7Xのアノードの第2の端子電圧と、カソードの第3の端子電圧と、を測定し、MCU10は、測定したバッテリ電源1Aの電圧、第1の端子電圧、第2の端子電圧、及び第3の端子電圧に基づいて、第1の逆流防止ダイオード6Xまたは第2の逆流防止ダイオード7Xにショート故障が発生しているか否かを判定し、MCU10は、第1の逆流防止ダイオード6Xまたは第2の逆流防止ダイオード7Xの何れかにショート故障が発生していると判定した場合に、ショート故障の発生を警告する警告装置18を作動させる。
また、本例では、電源供給ラインに変動要素が多い場合であっても、ECU20内部で発生し得る逆流防止ダイオードの一重故障の発生を、MCU10が高確率で検知することができる。
以上、本発明の幾つかの実施例や変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、さらなる変形が考えられる。例えば、上記のサブ電源供給ラインに配置する逆流防止ダイオードは、その電圧降下が小さければ3個以上としてもよい。これらの実施例や変形例以外に種々の態様が考えられる。
1 …バッテリ電源、2 …イグニッションスイッチ、3 …メインハーネス、4 …サブハーネス、5 …逆流防止回路(逆流防止ダイオード)、6 …第1の逆流防止ダイオード、7 …第2の逆流防止ダイオード、8 …共通電源線、9 …内部電源線、10 …マイクロコントローラ、11 …通電スイッチ、11c …通電制御線、12 …電圧分割器、13 …MCU用電源回路、14 …MCU用電源線、15 …警告出力線、16 …負荷用電源回路、17 …負荷、18 …警告装置、VM …メイン電源端子、IGN …サブ電源端子、VL …負荷用電源端子、M1 …ノード(第1の逆流防止ダイオード6のアノード)、M2 …ノード(第1の逆流防止ダイオードのカソード)、M3 …共通ノード、5A、6A、7A、7C …電圧監視線

Claims (5)

  1. メイン電源に接続されるメイン電源端子と、
    サブ電源にサブ電源スイッチを介して接続されるサブ電源端子と、
    前記メイン電源端子から逆流防止回路を介して共通ノードに電圧を供給するメイン電源供給ラインと、
    前記サブ電源端子から直列に配置された第1の逆流防止ダイオード及び第2の逆流防止ダイオードを介して前記共通ノードに電圧を供給するサブ電源供給ラインと、
    前記共通ノードから電圧の供給を受ける通電スイッチと、
    前記通電スイッチから電圧の供給を受けるマイクロコントローラ用電源回路と、
    前記マイクロコントローラ用電源回路から電圧の供給を受けるマイクロコントローラと、を備え、
    前記マイクロコントローラは、前記サブ電源端子の電圧を監視し、前記サブ電源端子の電圧がオフになった場合に前記通電スイッチの通電を遮断するための信号を前記通電スイッチに出力し、
    前記通電スイッチの通電が遮断されることによって前記マイクロコントローラ用電源回路への電圧の供給が停止され、
    前記マイクロコントローラ用電源回路から前記マイクロコントローラへの電圧の供給が停止されることによって前記マイクロコントローラの動作が停止され、
    前記マイクロコントローラは、前記第1の逆流防止ダイオードのアノードの第1の端子電圧と、前記第2の逆流防止ダイオードのアノードの第2の端子電圧と、カソードの第3の端子電圧と、を測定し、
    前記マイクロコントローラは、測定した前記第1の端子電圧、前記第2の端子電圧、及び前記第3の端子電圧に基づいて、前記第1の逆流防止ダイオードまたは前記第2の逆流防止ダイオードにショート故障が発生しているか否かを判定し、
    前記マイクロコントローラは、前記第1の逆流防止ダイオードまたは前記第2の逆流防止ダイオードの何れかにショート故障が発生していると判定した場合に、ショート故障の発生を警告する警告装置を作動させる電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記第1の逆流防止ダイオードまたは前記第2の逆流防止ダイオードが低電圧降下型のダイオードである電子制御装置。
  3. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記メイン電源がバッテリ電源であり、前記サブ電源が前記バッテリ電源よりも繰り返し充電回数が大きなバッテリ電源である電子制御装置。
  4. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記マイクロコントローラがA/D入力端子を有する電子制御装置。
  5. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記マイクロコントローラは、前記メイン電源の電圧を測定する電子制御装置。
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