JP2022093126A - 樹脂組成物、成形体、及び機械部品又は筐体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、資源循環型社会に貢献し、かつ、バージン樹脂を用いた場合と比較して、機械物性の低下が抑制された、ガラス繊維強化変性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)20~80質量%と、熱可塑性樹脂(b)10~70質量%と、化合物(c)0.1~5質量%と、ガラス繊維(d)5~35質量%と、を含み、前記熱可塑性樹脂(b)の一部又は全部が、回収熱可塑性樹脂(b-1)であって、前記樹脂組成物100質量%に対して塩素元素を10~1000質量ppm含有することを特徴としている。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物、成形体、及び機械部品又は筐体に関する。
廃棄プラスチックは、例えば日本においては、容器包装、家電、小型家電、自動車等の物品に応じて規制で定められた廃棄回収ルートを経て、サーマルリサイクル(焼却して熱や電気エネルギーとして利用する)、マテリアルリサイクル(熱溶融して再商品化する)、ケミカルリサイクル(高炉やコークス炉の原料、又は熱分解してモノマーや化学原料として利用する)に大別されるリサイクル処理が施される。現在、サーマルリサイクルの比率が最も高く、マテリアルリサイクルは十分に進んでいるとはいえない。
その理由の一つとして、マテリアルリサイクルにおいて、廃棄プラスチックは人手による選別、近赤外線やX線による選別、静電選別、比重選別、洗浄、金属除去等の工程を経て、熱溶融、射出成形等により再商品化されるが、意図しない樹脂、添加剤、着色剤等の混入を完全に避けることは不可能であり、こうした不純物が再商品化された物品の物性低下や外観低下をまねくことが挙げられる。
上記課題解決への取組みとして、例えば、特許文献1には、複数種の合成樹脂材が混在する廃材から分別回収された熱可塑性樹脂廃材に、塩化ビニル安定化剤を含有させてなる熱可塑性樹脂再生材が提案されている。再生材中に不純物として含まれるポリ塩化ビニルが引き起こす変色反応を抑えることができ、再生材を用いた成形品の外観性を長期間確保できることが開示されている。
ところで、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、軽量性、耐熱性、耐加水分解性、難燃性、電気特性、寸法安定性等に優れる一方、単独では加工性に劣るため、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の他樹脂とコンパウンドされ、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂として、OA機器部品、バッテリー部品、電子機器部品、自動車部品、給排水関連部品等の様々な用途分野に利用されている。
廃棄物から回収されたポリスチレンを、より商品価値の高い変性ポリフェニレンエーテル系樹脂として再生する試みがなされている。例えば、特許文献2には、ポリフェニレンエーテルと、市場から回収されたスチレン系樹脂であって、ハロゲン原子、アンチモン原子、及び銅原子の含有量が一定量以下である回収スチレン系樹脂と、スチレン系樹脂とを溶融混練してなるポリフェニレンエーテル樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献1、特許文献2のいずれにも、廃棄物から回収された熱可塑性樹脂を用いたガラス繊維強化樹脂組成物についての開示はない。
本発明者は、廃棄物から回収された熱可塑性樹脂を用いたガラス繊維強化樹脂組成物は、回収樹脂中に混入した塩素系樹脂由来と思われる塩素元素がガラス繊維界面と樹脂マトリクスとの結合を阻害し、引張強度、曲げ強度、衝撃強度等の機械物性を著しく低下させるという課題があることを見出した。
本発明者は、廃棄物から回収された熱可塑性樹脂を用いたガラス繊維強化樹脂組成物は、回収樹脂中に混入した塩素系樹脂由来と思われる塩素元素がガラス繊維界面と樹脂マトリクスとの結合を阻害し、引張強度、曲げ強度、衝撃強度等の機械物性を著しく低下させるという課題があることを見出した。
本発明は、廃棄物から回収された熱可塑性樹脂を含むことにより、資源循環型社会に貢献し、かつ、バージン樹脂を用いた場合と比較して、引張強度、曲げ強度、衝撃強度等の機械物性の低下が抑制された、ガラス繊維強化変性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、廃棄物から回収された、塩素元素を含有する回収ホモポリスチレン、回収ハイインパクトポリスチレン、回収ポリプロピレン、回収ポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の回収熱可塑性樹脂を用いたガラス繊維強化変性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物において、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ハイドロタルサイトからなる群より選択される1種以上の化合物の特定量の添加が、ガラス繊維界面と樹脂マトリクスとの結合の阻害を防ぎ、バージン樹脂を用いた場合と比較して、引張強度、曲げ強度、衝撃強度等の機械物性の低下が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
樹脂組成物100質量%に対して、
ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)20~80質量%と、
ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の熱可塑性樹脂(b)10~70質量%と、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、及びハイドロタルサイトからなる群より選択される1種以上の化合物(c)0.1~5質量%と、
ガラス繊維(d)5~35質量%と、
を含み、
前記熱可塑性樹脂(b)の一部又は全部が、廃棄物から回収された、回収ホモポリスチレン、回収ハイインパクトポリスチレン、回収ポリプロピレン、及び回収ポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の回収熱可塑性樹脂(b-1)であって、
前記樹脂組成物100質量%に対して塩素元素を10~1000質量ppm含有することを特徴とする、樹脂組成物。
[2]
前記樹脂組成物100質量%に対して、前記回収熱可塑性樹脂(b-1)を10~50質量%含む、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
前記回収熱可塑性樹脂(b-1)が、容器包装、日用品、及び家電からなる群より選択される物品から回収された熱可塑性樹脂である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
前記樹脂組成物からなる成形体を引張破断した場合に、前記成形体の破断面から突出した前記ガラス繊維(d)の表面が平均厚さ1.0~3.0μmで被覆されている、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]
[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む、成形体。
[6]
[5]に記載の成形体からなる、機械部品又は筐体。
[7]
OA機器に用いられる、[6]に記載の機械部品又は筐体。
[1]
樹脂組成物100質量%に対して、
ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)20~80質量%と、
ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の熱可塑性樹脂(b)10~70質量%と、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、及びハイドロタルサイトからなる群より選択される1種以上の化合物(c)0.1~5質量%と、
ガラス繊維(d)5~35質量%と、
を含み、
前記熱可塑性樹脂(b)の一部又は全部が、廃棄物から回収された、回収ホモポリスチレン、回収ハイインパクトポリスチレン、回収ポリプロピレン、及び回収ポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の回収熱可塑性樹脂(b-1)であって、
前記樹脂組成物100質量%に対して塩素元素を10~1000質量ppm含有することを特徴とする、樹脂組成物。
[2]
前記樹脂組成物100質量%に対して、前記回収熱可塑性樹脂(b-1)を10~50質量%含む、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
前記回収熱可塑性樹脂(b-1)が、容器包装、日用品、及び家電からなる群より選択される物品から回収された熱可塑性樹脂である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
前記樹脂組成物からなる成形体を引張破断した場合に、前記成形体の破断面から突出した前記ガラス繊維(d)の表面が平均厚さ1.0~3.0μmで被覆されている、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]
[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む、成形体。
[6]
[5]に記載の成形体からなる、機械部品又は筐体。
[7]
OA機器に用いられる、[6]に記載の機械部品又は筐体。
本発明の樹脂組成物は、廃棄物から回収された熱可塑性樹脂を含むことにより、資源循環型社会に貢献し、かつ、バージン樹脂を用いた場合と比較して、引張強度、曲げ強度、衝撃強度等の機械物性の低下が抑制された、ガラス繊維強化変性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物であり、その成形体はOA機器用の機械部品、筐体等として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(樹脂組成物)
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂組成物100質量%に対して、ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)20~80質量%と、ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の熱可塑性樹脂(b)10~70質量%と、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、及びハイドロタルサイトからなる群より選択される1種以上の化合物(c)0.1~5質量%と、ガラス繊維(d)5~35質量%と、を含み、前記熱可塑性樹脂(b)の一部又は全部が、廃棄物から回収された、回収ホモポリスチレン、回収ハイインパクトポリスチレン、回収ポリプロピレン、及び回収ポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の回収熱可塑性樹脂(b-1)であって、前記樹脂組成物100質量%に対して塩素元素を10~1000質量ppm含有するものである。
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂組成物100質量%に対して、ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)20~80質量%と、ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の熱可塑性樹脂(b)10~70質量%と、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、及びハイドロタルサイトからなる群より選択される1種以上の化合物(c)0.1~5質量%と、ガラス繊維(d)5~35質量%と、を含み、前記熱可塑性樹脂(b)の一部又は全部が、廃棄物から回収された、回収ホモポリスチレン、回収ハイインパクトポリスチレン、回収ポリプロピレン、及び回収ポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の回収熱可塑性樹脂(b-1)であって、前記樹脂組成物100質量%に対して塩素元素を10~1000質量ppm含有するものである。
-ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)-
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)(本明細書において、単に「(a)成分」ともいう。)は、特に限定されることなく、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位構造からなる単独重合体、及び/又は下記式(1)で表される繰り返し単位構造を有する共重合体が挙げられる。
・・・(1)
[式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~7の第1級のアルキル基、炭素原子数1~7の第2級のアルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、及び少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群より選択される一価の基である。]
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)(本明細書において、単に「(a)成分」ともいう。)は、特に限定されることなく、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位構造からなる単独重合体、及び/又は下記式(1)で表される繰り返し単位構造を有する共重合体が挙げられる。
[式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~7の第1級のアルキル基、炭素原子数1~7の第2級のアルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、及び少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群より選択される一価の基である。]
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)としては、特に限定されることなく、公知のものを用いることができる。ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-エチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-フェニル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2,6-ジクロロ-1,4-フェニレンエーテル)等の単独重合体;2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールや2-メチル-6-ブチルフェノール等の他のフェノール類との共重合物等の共重合体;が挙げられる。
中でも、ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)としては、特に、入手のしやすさの観点、及び樹脂組成物としたときの各種物性の観点から、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)が特に好ましい。
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)としては、特に、入手のしやすさの観点、及び樹脂組成物としたときの各種物性の観点から、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)が特に好ましい。
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)は、公知の方法により製造することができる。
ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)の製造方法としては、特に限定されることなく、例えば、Hayによる米国特許第3306874号明細書に記載の第一銅塩とアミンとの混合物を触媒として用い、2,6-キシレノールを酸化重合する方法や、米国特許第3306875号明細書、米国特許第3257357号明細書、米国特許第3257358号明細書、特公昭52-17880号公報、特開昭50-51197号公報、及び特開昭63-152628号公報等に記載される方法等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)の製造方法としては、特に限定されることなく、例えば、Hayによる米国特許第3306874号明細書に記載の第一銅塩とアミンとの混合物を触媒として用い、2,6-キシレノールを酸化重合する方法や、米国特許第3306875号明細書、米国特許第3257357号明細書、米国特許第3257358号明細書、特公昭52-17880号公報、特開昭50-51197号公報、及び特開昭63-152628号公報等に記載される方法等が挙げられる。
樹脂組成物を形成した段階(溶融混練後の段階)における(a)成分の重量平均分子量は、樹脂組成物の機械物性を高める観点から、35,000以上であることが好ましく、40,000以上であることがより好ましく、45,000以上であることが特に好ましく、又、樹脂組成物の溶融流動性を高める観点から、95,000以下であることが好ましく、90,000以下であることがより好ましく、70,000以下であることが特に好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(移動層:クロロホルム、標準物質:ポリスチレン)を用いて、従来公知の方法により求めることができる。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(移動層:クロロホルム、標準物質:ポリスチレン)を用いて、従来公知の方法により求めることができる。
(a)成分の含有量は、樹脂組成物の耐熱性を高める観点から、樹脂組成物100質量%に対して、20質量%以上であり、25質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、又、樹脂組成物の溶融流動性を高める観点から、80質量%以下であり、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
-熱可塑性樹脂(b)-
上記熱可塑性樹脂(b)(本明細書において、単に「(b)成分」ともいう。)は、ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上である。中でも、ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリプロピレンが好ましく、ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレンがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂(b)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱可塑性樹脂(b)(本明細書において、単に「(b)成分」ともいう。)は、ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上である。中でも、ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリプロピレンが好ましく、ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレンがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂(b)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、(b)成分の一部又は全部が、廃棄物から回収された、回収ホモポリスチレン、回収ハイインパクトポリスチレン、回収ポリプロピレン、回収ポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の回収熱可塑性樹脂(b-1)(本明細書において、単に「(b-1)成分」ともいう。)であることが、資源循環型社会に貢献する観点から、必須である。(b-1)成分は、廃棄物から回収された熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えば、製品又は製品の一部として、消費者が一定期間使用した後に排出した廃棄物から回収されたものであることができる。上記消費者とは、一般消費者の他に事業者も含む。すなわち、(b-1)成分は一般的にポストコンシューマーリサイクル(PCR)材と呼ばれるものであるといえる。
(b-1)成分は、食品トレイ、ペットボトル、ボトルキャップ、洗剤ボトル、包装フィルム、緩衝材、発泡スチロール箱等の容器包装類;食器、文具、玩具、ゲーム機器等の日用品類;冷蔵庫、洗濯機、掃除機、テレビ、エアコン等の家電類;からなる群より選択される物品から回収された熱可塑性樹脂であることが好ましい。
上記(b-1)成分を廃棄物から回収する方法としては、特に限定されず、公知の方法としてよい。例えば、人手による選別、近赤外線やX線による選別、静電選別、比重選別、洗浄、金属除去、粉砕、微粉砕、熱溶融、ペレット化等の工程を複数組み合わせて回収する方法が挙げられる。例えば、回収後の回収熱可塑性樹脂に含まれる塩素元素の質量割合が後述の範囲となる熱可塑性樹脂の回収方法であってよい。
上記回収熱可塑性樹脂とは、当該熱可塑性樹脂以外の他の成分を若干含む樹脂も含まれ、回収熱可塑性樹脂100質量%に対して、20質量%以下の他の成分を含む樹脂が含まれるものとする。上記の他の成分としては、例えば、ポリエチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂類;フタル酸エステル、アジピン酸エステル等の可塑剤類;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、パラフィンオイル等の滑剤類;酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラック等の着色剤類;等が挙げられる。
上記回収熱可塑性樹脂とは、当該熱可塑性樹脂以外の他の成分を若干含む樹脂も含まれ、回収熱可塑性樹脂100質量%に対して、20質量%以下の他の成分を含む樹脂が含まれるものとする。上記の他の成分としては、例えば、ポリエチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂類;フタル酸エステル、アジピン酸エステル等の可塑剤類;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、パラフィンオイル等の滑剤類;酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラック等の着色剤類;等が挙げられる。
(b-1)成分は、回収樹脂中に混入した塩素系樹脂由来と思われる塩素元素を含む。(b-1)成分に含まれる塩素元素の質量割合は、本実施形態の樹脂組成物に含まれる塩素元素の量を後述の範囲に調整する観点から、(b-1)成分100質量%に対して、5000質量ppm以下であることが好ましく、2000質量ppm以下であることがより好ましく、1000質量ppm以下であることが特に好ましい。また、20質量ppm以上であることができる。
本実施形態の樹脂組成物100質量%に対する上記(b-1)成分の質量割合としては、資源循環型社会への貢献の観点から、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましく、樹脂組成物の機械物性の低下を一層抑制する観点から、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。
-化合物(c)-
上記化合物(c)(本明細書において、単に「(c)成分」ともいう。)は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、及びハイドロタルサイトからなる群より選択される1種以上である。中でも、樹脂組成物の機械物性の低下を一層抑制する観点から、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイトが好ましい。
上記化合物(c)(本明細書において、単に「(c)成分」ともいう。)は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、及びハイドロタルサイトからなる群より選択される1種以上である。中でも、樹脂組成物の機械物性の低下を一層抑制する観点から、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイトが好ましい。
上記ハイドロタルサイトとしては、特に限定されないが、例えば、下記式(2)で表されるハイドロタルサイト化合物及びその焼成物が挙げられる。
・・・(2)
[式中、M2+はMg2+、Zn2+等の2価の金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+等の3価の金属イオンを示す。An-はCl-、CO3 2-、SO4 2-等のn価のアニオンを示す。x、m、及びnはそれぞれ、0<x<0.5、1≦n≦4、m≧0を満たす。]
[式中、M2+はMg2+、Zn2+等の2価の金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+等の3価の金属イオンを示す。An-はCl-、CO3 2-、SO4 2-等のn価のアニオンを示す。x、m、及びnはそれぞれ、0<x<0.5、1≦n≦4、m≧0を満たす。]
(c)成分は、回収熱可塑性樹脂中に混入した塩素系樹脂が高温溶融混錬下で発生する塩素及び塩化水素を捕捉する働きをし、塩素及び塩化水素によってガラス繊維界面と樹脂マトリクスとの結合が阻害されるのを抑制するものと推測される。
(c)成分の含有量は、樹脂組成物の機械物性の低下を抑制する観点から、樹脂組成物100質量%に対して、0.1質量%以上5質量%以下であり、0.5質量%以上3質量%以下であることが好ましく、1質量%以上2質量%以下であることが特に好ましい。
-ガラス繊維(d)-
上記ガラス繊維(d)(本明細書において、単に「(d)成分」ともいう。)は、特に限定されない。ガラス組成は、特に限定されないが、Eガラス、Sガラス、ARGガラス、Dガラス、Cガラス等が挙げられ、Eガラスが好ましい。
上記ガラス繊維(d)(本明細書において、単に「(d)成分」ともいう。)は、特に限定されない。ガラス組成は、特に限定されないが、Eガラス、Sガラス、ARGガラス、Dガラス、Cガラス等が挙げられ、Eガラスが好ましい。
上記ガラス繊維(d)の平均繊維径は、特に限定されないが、5μm以上25μm以下であることが好ましく、10μm以上15μm以下であることがより好ましい。
(d)成分の含有量は、樹脂組成物の機械物性を高める観点から、樹脂組成物100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であり、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
ガラス繊維界面と樹脂マトリクスとの結合を強化し、樹脂組成物の引張強度、曲げ強度、衝撃強度等の機械物性を向上させる観点から、(d)成分はシランカップリング剤により表面処理されていることが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、3-アミノプロピルトリアルコキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリアルコキシシラン、N-2-(アミノエチル)-8-アミノオクチルトリアルコキシシラン等のアミノシラン類;3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリアルコキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン等のエポキシシラン類;3-イソシアネートプロピルトリアルコキシラン等のイソシアネートシラン類;等が挙げられ、アミノシラン類やエポキシシラン類が好ましく、アミノシラン類が特に好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい
-その他の成分-
本実施形態の樹脂組成物は、上述の(a)~(d)成分以外に、本実施形態の樹脂組成物の機械物性を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、上述の(a)~(d)成分以外に、本実施形態の樹脂組成物の機械物性を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、これらに限定されないが、例えば、(a)成分及び(b)成分以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、酸化防止剤、UVA、HALS、金属不活性化剤、難燃剤、可塑剤、(d)成分以外の無機フィラー、有機フィラー、着色剤等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマーとして、少なくとも1個のビニル芳香族化合物重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物重合体ブロックとを含むブロック共重合体の非水素添加物;少なくとも1個のビニル芳香族化合物重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物重合体ブロックとを含むブロック共重合体の水素添加物;等を1種又は2種以上含有することができる。
上記難燃剤として、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等のモノリン酸エステル類;レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等の縮合リン酸エステル類;等を1種又は2種以上含有することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、無機フィラーとして、(d)成分以外に、ガラスフレーク、タルク、マイカ、ワラストナイト等を1種又は2種以上含有することができる。
本実施形態の樹脂組成物100質量%に対する、上記(a)成分、上記(b)成分、上記(c)成分及び上記(d)成分の合計質量の割合としては、機械物性のバランスを損なわない観点から、75質量%以上であることが好ましく、より好ましくは85質量%以上であり、また、100質量%未満であることが好ましく、より好ましくは99.5質量%以下である。
また、本実施形態の樹脂組成物は、上記(a)成分、上記(b)成分、上記(c)成分、及び上記(d)成分のみからなる樹脂組成物であってもよい。
また、本実施形態の樹脂組成物は、上記(a)成分、上記(b)成分、上記(c)成分、及び上記(d)成分のみからなる樹脂組成物であってもよい。
-塩素元素の含有量-
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂組成物100質量%に対して、塩素元素を10質量ppm以上1000質量ppm以下含有する。塩素元素の含有量は、樹脂組成物の機械物性の低下を抑制する観点から、1000質量ppm以下であり、800質量ppm以下であることが好ましく、500質量ppm以下であることが特に好ましい。上記樹脂組成物中の塩素元素は、回収樹脂中に混入した塩素系樹脂由来と思われる。
上述の通り、塩素元素は回収樹脂に起因するものと想定されるため、樹脂組成物中の(b-1)成分の含有量を高め、資源循環型社会に貢献する観点から10質量ppm以上であり、50質量ppm以上であることができ、100質量ppm以上であることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂組成物100質量%に対して、塩素元素を10質量ppm以上1000質量ppm以下含有する。塩素元素の含有量は、樹脂組成物の機械物性の低下を抑制する観点から、1000質量ppm以下であり、800質量ppm以下であることが好ましく、500質量ppm以下であることが特に好ましい。上記樹脂組成物中の塩素元素は、回収樹脂中に混入した塩素系樹脂由来と思われる。
上述の通り、塩素元素は回収樹脂に起因するものと想定されるため、樹脂組成物中の(b-1)成分の含有量を高め、資源循環型社会に貢献する観点から10質量ppm以上であり、50質量ppm以上であることができ、100質量ppm以上であることができる。
-ガラス繊維表面被覆厚さ-
本実施形態の樹脂組成物は、上記樹脂組成物からなる成形体を引張破断した場合に、上記成形体の破断面から突出したガラス繊維(d)の表面の被覆の平均厚さが、1.0μm以上3.0μm以下であることが好ましい。
上記の被覆厚さであることは、ガラス繊維界面と樹脂マトリクスとの結合が良好である、すなわち、回収樹脂由来の塩素元素により、ガラス繊維界面と樹脂マトリクスとの結合が阻害されていないことを示していると考えられる。
本実施形態の樹脂組成物は、上記樹脂組成物からなる成形体を引張破断した場合に、上記成形体の破断面から突出したガラス繊維(d)の表面の被覆の平均厚さが、1.0μm以上3.0μm以下であることが好ましい。
上記の被覆厚さであることは、ガラス繊維界面と樹脂マトリクスとの結合が良好である、すなわち、回収樹脂由来の塩素元素により、ガラス繊維界面と樹脂マトリクスとの結合が阻害されていないことを示していると考えられる。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態の樹脂組成物は、上記(a)成分、上記(b)成分、上記(c)成分、上記(d)成分、任意選択的に、その他の成分、を溶融混練することにより製造することができる。
溶融混練するために好適に用いられる装置としては、例えば、単軸押出機や二軸押出機などの多軸押出機、ロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどが挙げられ、本実施形態においては、特に、多軸押出機であることが好ましい。
より具体的には、原料が流れる方向について上流側から順に、第1原料供給口、第1真空ベント、第2原料供給口以降の供給口、第2真空ベントを備える多軸押出機であることが好ましい。さらに、第1原料供給口と第1真空ベントとの間、第2原料供給口以降の供給口と第2真空ベントとの間に、ニーディングセクションを備えることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物の特に好適な製造方法では、(a)~(c)成分を第1原料供給口から供給し、次いで、(d)成分を第2原料供給口から添加してよい。
各成分を溶融混練する際、溶融混練温度は、特に限定されることなく、通常200~350℃としてよく、スクリュー回転数は、特に限定されることなく、通常100~1200rpmとしてよく、吐出量は、特に限定されることなく、通常10~1200kg/時としてよく、真空度は、特に限定されることなく、通常-0.06~-0.099MPa・Gとしてよい。
本実施形態の樹脂組成物は、上記(a)成分、上記(b)成分、上記(c)成分、上記(d)成分、任意選択的に、その他の成分、を溶融混練することにより製造することができる。
溶融混練するために好適に用いられる装置としては、例えば、単軸押出機や二軸押出機などの多軸押出機、ロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどが挙げられ、本実施形態においては、特に、多軸押出機であることが好ましい。
より具体的には、原料が流れる方向について上流側から順に、第1原料供給口、第1真空ベント、第2原料供給口以降の供給口、第2真空ベントを備える多軸押出機であることが好ましい。さらに、第1原料供給口と第1真空ベントとの間、第2原料供給口以降の供給口と第2真空ベントとの間に、ニーディングセクションを備えることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物の特に好適な製造方法では、(a)~(c)成分を第1原料供給口から供給し、次いで、(d)成分を第2原料供給口から添加してよい。
各成分を溶融混練する際、溶融混練温度は、特に限定されることなく、通常200~350℃としてよく、スクリュー回転数は、特に限定されることなく、通常100~1200rpmとしてよく、吐出量は、特に限定されることなく、通常10~1200kg/時としてよく、真空度は、特に限定されることなく、通常-0.06~-0.099MPa・Gとしてよい。
(成形体)
本実施形態の成形体は、上述の本実施形態の樹脂組成物を含む。上記成形体は、上記樹脂組成物のみからなっていてもよいし、他の樹脂組成物を含んでいてもよい。
上記成形体は、例えば、射出成形、金属インモールド成形、アウトサート成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱プレス成形、回転成形、積層成形等の成形方法により製造することができる。
上記成形体は、機械物品、筐体、配管、シート等として用いることができる。中でも、機械物品又は筐体であることが好ましく、OA機器に用いられる機械物品又は筐体であることがより好ましい。
本実施形態の成形体は、上述の本実施形態の樹脂組成物を含む。上記成形体は、上記樹脂組成物のみからなっていてもよいし、他の樹脂組成物を含んでいてもよい。
上記成形体は、例えば、射出成形、金属インモールド成形、アウトサート成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱プレス成形、回転成形、積層成形等の成形方法により製造することができる。
上記成形体は、機械物品、筐体、配管、シート等として用いることができる。中でも、機械物品又は筐体であることが好ましく、OA機器に用いられる機械物品又は筐体であることがより好ましい。
以下、本発明を具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
後述する実施例及び比較例の樹脂組成物に用いた原材料を以下に示す。
-ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)-
(a-1)ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)(重量平均分子量:52,000)
(a-1)ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)(重量平均分子量:52,000)
-熱可塑性樹脂(b)-
(b-1-1)使用済みの容器包装を主原料とする回収ホモポリスチレン(塩素元素の含有量:900質量ppm、重量平均分子量:240,000)
(b-1-2)使用済みの家電を主原料とする回収ハイインパクトポリスチレン(塩素元素の含有量:280質量ppm、重量平均分子量:170,000)
(b-1-3)使用済みの容器包装を主原料とする回収ポリプロピレン(塩素元素の含有量:1000質量ppm、重量平均分子量:420,000)
(b-0-1)バージンホモポリスチレン(塩素元素の含有量:1質量ppm未満、重量平均分子量:240,000)
(b-1-1)使用済みの容器包装を主原料とする回収ホモポリスチレン(塩素元素の含有量:900質量ppm、重量平均分子量:240,000)
(b-1-2)使用済みの家電を主原料とする回収ハイインパクトポリスチレン(塩素元素の含有量:280質量ppm、重量平均分子量:170,000)
(b-1-3)使用済みの容器包装を主原料とする回収ポリプロピレン(塩素元素の含有量:1000質量ppm、重量平均分子量:420,000)
(b-0-1)バージンホモポリスチレン(塩素元素の含有量:1質量ppm未満、重量平均分子量:240,000)
-化合物(c)-
(c-1)酸化マグネシウム(商品名:キョーワマグ150、協和化学工業製)
(c-2)ハイドロタルサイト Mg4.5Al2(OH)13(CO3)・3.5H2O(商品名:DHT-4C、協和化学工業製)
(c-1)酸化マグネシウム(商品名:キョーワマグ150、協和化学工業製)
(c-2)ハイドロタルサイト Mg4.5Al2(OH)13(CO3)・3.5H2O(商品名:DHT-4C、協和化学工業製)
-ガラス繊維(d)-
(d-1)3-アミノプロピルトリエトキシシランにより表面処理されたガラス繊維(平均繊維径:13μm)
(d-1)3-アミノプロピルトリエトキシシランにより表面処理されたガラス繊維(平均繊維径:13μm)
-その他成分-
(x-1)ポリスチレン-水素添加ポリブタジエン-ポリスチレンのトリブロック共重合体(スチレン含有量:33質量%、重量平均分子量:250,000、ポリブタジエン部分に対する水素添加率:99.8%)
(x-1)ポリスチレン-水素添加ポリブタジエン-ポリスチレンのトリブロック共重合体(スチレン含有量:33質量%、重量平均分子量:250,000、ポリブタジエン部分に対する水素添加率:99.8%)
後述する実施例及び比較例の樹脂組成物の物性の測定方法(1)~(6)を以下に示す。
(1)溶融流動性
後述する実施例及び比較例の樹脂組成物のペレットについて、80℃で2時間の予備乾燥後、JIS K7210-1に準拠して、温度250℃、荷重10kgの条件で、メルトマスフローレート(MFR)(単位:g/10分)を測定した。
(1)溶融流動性
後述する実施例及び比較例の樹脂組成物のペレットについて、80℃で2時間の予備乾燥後、JIS K7210-1に準拠して、温度250℃、荷重10kgの条件で、メルトマスフローレート(MFR)(単位:g/10分)を測定した。
(2)耐熱性
後述する実施例及び比較例の樹脂組成物のペレットを、80℃で2時間の予備乾燥後、220~320℃に設定したスクリューインライン型射出成形機(型式:IS-100GN、東芝機械製)に供給し、金型温度90℃の条件で、JIS K7152-1に準拠して、JIS K7139タイプA試験片を成形した。これを切削して、荷重たわみ温度測定用試験片を作製した。
上記荷重たわみ温度測定用試験片について、JIS K7191に準拠して、荷重1.81MPaの条件で、当該試験片の荷重たわみ温度(単位:℃)を測定した。
後述する実施例及び比較例の樹脂組成物のペレットを、80℃で2時間の予備乾燥後、220~320℃に設定したスクリューインライン型射出成形機(型式:IS-100GN、東芝機械製)に供給し、金型温度90℃の条件で、JIS K7152-1に準拠して、JIS K7139タイプA試験片を成形した。これを切削して、荷重たわみ温度測定用試験片を作製した。
上記荷重たわみ温度測定用試験片について、JIS K7191に準拠して、荷重1.81MPaの条件で、当該試験片の荷重たわみ温度(単位:℃)を測定した。
(3)衝撃強度
(2)において成形したJIS K7139タイプA試験片を切削して、シャルピー衝撃強度測定用試験片を作製した。
上記シャルピー衝撃強度測定用試験片について、JIS K7111-1/1eAに準拠して、温度23℃の条件で、当該試験片のシャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。
(2)において成形したJIS K7139タイプA試験片を切削して、シャルピー衝撃強度測定用試験片を作製した。
上記シャルピー衝撃強度測定用試験片について、JIS K7111-1/1eAに準拠して、温度23℃の条件で、当該試験片のシャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。
(4)引張物性
(2)において成形したJIS K7139タイプA試験片について、JIS K7161-1に準拠して、温度23℃、引張速度5mm/分の条件で、当該試験片の引張強度(単位:MPa)及び引張伸度(単位:%)を測定した。
(2)において成形したJIS K7139タイプA試験片について、JIS K7161-1に準拠して、温度23℃、引張速度5mm/分の条件で、当該試験片の引張強度(単位:MPa)及び引張伸度(単位:%)を測定した。
(5)ガラス繊維表面被覆厚さ
(4)において引張破断後、試験片の破断面に白金を蒸着して走査電子顕微鏡(SEM)にて観察を行った。観察倍率は3,000倍で行った。破断面中央部において、破断面から突出したガラス繊維のうち任意の20本を選び、ガラス繊維表面の被覆の平均厚さを求めた。
(4)において引張破断後、試験片の破断面に白金を蒸着して走査電子顕微鏡(SEM)にて観察を行った。観察倍率は3,000倍で行った。破断面中央部において、破断面から突出したガラス繊維のうち任意の20本を選び、ガラス繊維表面の被覆の平均厚さを求めた。
(6)塩素元素の含有量
樹脂組成物50mgを1000℃の燃焼炉で燃焼させ、ガス化した成分を吸収液(Na2CO3/NaHCO3)に吸収させた後、当該吸収液をイオンクロマトグラフでCl-イオン濃度を測定した。定量下限値は2質量ppmであった。
樹脂組成物50mgを1000℃の燃焼炉で燃焼させ、ガス化した成分を吸収液(Na2CO3/NaHCO3)に吸収させた後、当該吸収液をイオンクロマトグラフでCl-イオン濃度を測定した。定量下限値は2質量ppmであった。
(実施例1~3、比較例1~3、参考例1)
溶融混練機として、二軸押出機(型式:ZSK-25、COPERION社製)を用いた。
原料の流れ方向について上流側に第1原料供給口、該第1原料供給口よりも下流に第1真空ベント、該第1真空ベントよりも下流に第2原料供給口、該第2原料供給口よりも下流に第2真空ベントを設けた。第1原料供給口と第1真空ベントとの間、及び、第2原料供給口以降の供給口と第2真空ベントとの間に、ニーディングセクションを設けた。第2原料供給口における原材料の供給は、サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて行った。
上記の通りに設定された二軸押出機を用いて、表1に示す組成に従い、第1原料供給口より(d)成分以外の全ての原料を、第2原料供給口より(d)成分を供給し、溶融混練温度250~320℃、スクリュー回転数160rpm、吐出量10kg/時、真空度-0.09MPa・Gの混練条件で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
溶融混練機として、二軸押出機(型式:ZSK-25、COPERION社製)を用いた。
原料の流れ方向について上流側に第1原料供給口、該第1原料供給口よりも下流に第1真空ベント、該第1真空ベントよりも下流に第2原料供給口、該第2原料供給口よりも下流に第2真空ベントを設けた。第1原料供給口と第1真空ベントとの間、及び、第2原料供給口以降の供給口と第2真空ベントとの間に、ニーディングセクションを設けた。第2原料供給口における原材料の供給は、サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて行った。
上記の通りに設定された二軸押出機を用いて、表1に示す組成に従い、第1原料供給口より(d)成分以外の全ての原料を、第2原料供給口より(d)成分を供給し、溶融混練温度250~320℃、スクリュー回転数160rpm、吐出量10kg/時、真空度-0.09MPa・Gの混練条件で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
Claims (7)
- 樹脂組成物100質量%に対して、
ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)20~80質量%と、
ホモポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の熱可塑性樹脂(b)10~70質量%と、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、及びハイドロタルサイトからなる群より選択される1種以上の化合物(c)0.1~5質量%と、
ガラス繊維(d)5~35質量%と、
を含み、
前記熱可塑性樹脂(b)の一部又は全部が、廃棄物から回収された 、回収ホモポリスチレン、回収ハイインパクトポリスチレン、回収ポリプロピレン、及び回収ポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上の回収熱可塑性樹脂(b-1)であって、
前記樹脂組成物100質量%に対して塩素元素を10~1000質量ppm含有することを特徴とする、樹脂組成物。 - 前記樹脂組成物100質量%に対して、前記回収熱可塑性樹脂(b-1)を10~50質量%含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記回収熱可塑性樹脂(b-1)が、容器包装、日用品、及び家電からなる群より選択される物品から回収された熱可塑性樹脂である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物からなる成形体を引張破断した場合に、前記成形体の破断面から突出した前記ガラス繊維(d)の表面が平均厚さ1.0~3.0μmで被覆されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、成形体。
- 請求項5に記載の成形体からなる、機械部品又は筐体。
- OA機器に用いられる、請求項6に記載の機械部品又は筐体。
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