JP2022092346A - 成膜システム、成膜システムの制御方法、物品の製造方法 - Google Patents

成膜システム、成膜システムの制御方法、物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022092346000001
【課題】マスクを用いて基板に成膜を行う一連のプロセスを、従来よりも短時間で行うことができる成膜システムを提供する。
【解決手段】成膜システム1は、成膜領域を有する基板Wと、成膜領域以外の非成膜領域を遮蔽するマスクMと、を保持して搬送路104内を移動する搬送キャリア101と、搬送路104に設けられ、第1方向および第1方向と交差する第2方向に搬送キャリア101を移動させる搬送手段と、搬送路104に沿って配置され、基板Wの成膜領域に成膜する成膜部107A、107Bと、搬送路104に沿って配置され、マスクMを搬送キャリア101に供給するマスク供給部109A、109Bと、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、成膜システム、成膜システムの制御方法および物品の製造方法に関する。
従来より、ガラス基板等の成膜対象に蒸着材料を蒸着して成膜を行う蒸着装置が知られている。具体的には有機EL表示装置(有機ELディスプレイ)の製造時に有機層を蒸着する有機層蒸着装置が知られている。有機EL表示装置は、スマートフォン、テレビ、自動車用ディスプレイだけでなく、VR-HMD(Virtual Reality Head Mount Display)などにその応用分野が広がっている。有機層蒸着装置としては、いわゆるクラスタ式のものとインライン式のものが存在する。インライン式の蒸着装置では、成膜用のガラス基板がライン状に搬送されながら蒸着室において成膜される。特許文献1には有機材料を基板の上に堆積(成膜)させる真空システムが開示されている。
特表2019-518863号公報
しかしながら、特許文献1に開示された装置は、プロセスに時間を要することがあった。
上記課題を解決するための成膜システムは、第1方向に延在する搬送路と、成膜領域を有する基板と、前記成膜領域以外の非成膜領域を遮蔽するマスクと、を保持して前記搬送路内を移動する搬送キャリアと、前記搬送路に設けられ、前記第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に前記搬送キャリアを移動させる搬送手段と、前記搬送路に沿って配置され、前記基板の成膜領域に成膜する成膜部と、前記搬送路に沿って配置され、前記マスクを前記搬送キャリアに供給するマスク供給部と、を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するための成膜システムの制御方法は、第1方向に延在する搬送路と、成膜領域を有する基板と、前記成膜領域以外の非成膜領域を遮蔽するマスクとを保持して前記搬送路内を移動する第1搬送キャリアと、前記搬送路に設けられ前記第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に前記搬送キャリアを移動させる搬送手段と、前記搬送路に沿って配置され前記基板の成膜領域に成膜する成膜部と、前記搬送路に沿って配置され前記マスクを前記搬送キャリアに供給するマスク供給部と、制御部と、を備えた成膜システムの制御方法であって、前記制御部が、前記基板を保持した前記第1搬送キャリアを前記マスク供給部まで搬送する工程と、前記制御部が、前記マスク供給部で前記第1搬送キャリアに前記マスクを保持させる工程と、前記制御部が、前記基板と前記マスクを保持した前記第1搬送キャリアを前記成膜部まで搬送する工程と、前記制御部が、前記成膜部で前記マスクを介して前記第1搬送キャリアが保持する前記基板の成膜領域に成膜する工程と、を有することを特徴とする。
上記手段によれば、マスクを用いて基板に成膜を行う一連のプロセスを従来よりも短時間で行うことが可能である。
第1実施形態の成膜システムを示す概略図である。 第1実施形態の可動子の概略図である。 第1実施形態の成膜システムの部分拡大図である。 第1実施形態の成膜室を示す概略図である。 第1実施形態のマスク供給室を示す概略図である。 第1実施形態の制御システムを示す概略図である。 第1実施形態の成膜システムを用いた成膜工程のフローチャートである。 第1実施形態の成膜システムを用いた成膜工程を示す概略図である。 第1実施形態の成膜システムを用いた成膜工程を示す概略図である。 第1実施形態の成膜システムを用いた成膜工程を示す概略図である。 第1実施形態の成膜システムを用いた成膜工程を示す概略図である。 成膜工程を終えた後の可動子の動きを示す概略図である。 第2実施形態の成膜システムを示す概略図である。 変形例の成膜システムを示す概略図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して第1実施形態の成膜システム1を説明する。
以下、可動子101、固定子群103、成膜室107等の複数存在しうる構成要素について特に区別する必要がない場合には共通の数字のみの符号を用い、必要に応じて数字の符号の後に小文字のアルファベットを付して個々を区別する。
まず、以下の説明において用いる座標軸、方向等を定義する。まず、可動子101の搬送方向である水平方向に沿ってX軸をとり、可動子101の搬送方向をX方向とする。また、X方向と直交する方向である鉛直方向に沿ってZ軸をとり、鉛直方向をZ方向とする。鉛直方向は、重力の方向(mg方向)である。また、X方向及びZ方向に直交する方向に沿ってY軸をとり、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向とする。さらに、X軸周りの回転方向をWx方向、Y軸周りの回転方向をWy方向、Z軸周りの回転方向をWz方向とする。
なお、可動子101の搬送方向は必ずしも水平方向である必要はないが、その場合も搬送方向をX方向として同様にY方向及びZ方向を定めることができる。なお、X方向、Y方向及びZ方向は、必ずしも互いに直交する方向に限定されるものではなく、互いに交差する方向として定義することもできる。
図1は第1実施形態に係る成膜システムの概略図である。
成膜システム1は、搬送キャリアである可動子101と、可動子101が搬送可能な搬送部を有する。搬送部は、ロードロック室102、搬送路104、成膜室(成膜部)107、マスク供給室(マスク供給部)109、マスク排出室(マスク排出部)119と、を有する。ロードロック室102、成膜室107、マスク供給室109およびマスク排出室119はそれぞれ、搬送路104とゲートバルブ141を介して接続されている。
(可動子)
図2は可動子101の概略図である。図2Aは可動子101をZ方向から見た上面図である。図2Bは可動子101をY方向から見た側面図である。
可動子101は、搬送路内を搬送可能な搬送キャリアである。搬送キャリアである可動子101はベース310を有し、ベース310の上面に磁性体部201が設けられている。磁性体部201は、例えば、複数の永久磁石からなる永久磁石群および強磁性体の少なくとも1つである。磁性体部201は、磁性体部201A、201B、201Cおよび201Dを有する。磁性体部201A乃至201Dは固定子群103との間で電磁力を及ぼしあう。
磁性体部201は、第1磁性体部と第2磁性体部と、を有する。第1磁性体部である磁性体部201Aおよび201Bは、X方向に沿って設けられている。第2磁性体部である磁性体部201Cおよび201Dは、Y方向に沿って設けられている。すなわち磁性体部201は、可動子101の4辺に設けられている。図2Aにおいて、可動子101の上面に設けられている磁性体部の数は4つであるが、その数および配置はこの形態に限定されない。磁性体部201の数および配置は、固定子群103との間に発生する電磁力により、少なくとも可動子101の位置をX方向およびY方向に制御が可能であればよい。そのため、第1磁性体部および第2磁性体部の数は少なくとも1つでよい。また、磁性体部201A乃至201Dと固定子群103との間で発生する電磁力により、可動子101の位置をZ方向にも制御可能であると良い。なお、Z方向の位置制御については図3を用いて後述する。
可動子101は、ベース310の下面に静電チャック301を有する。静電チャック301はワークである基板Wとの間で引力を働かせて、基板Wを保持し、かつ、基板Wの成膜面の平面度を保つことができる。成膜面の平面度を保つことができると、アライメント誤差を小さくできたり、成膜される膜の膜質を良好にしたりすることができる。基板Wは、例えば、ガラス基板であり、ガラス以外にも高分子材料のフィルム、金属などの材料を選択することができる。また、ガラス基板上にポリイミドなどのフィルムが積層された基板であってもよい。静電チャック301は、後述する可動子コントローラ305から供給される電力により、静電気力が発生し基板Wを密着して保持することが可能となる。なお、可動子101が基板Wを保持する手段は静電チャックに限られず、基板Wを水平方向に保持する構成であればよく、公知の手法を用いて代替することが可能である。可動子101は基板Wを水平に保持して搬送するため、マスクMとのアライメントを短時間で行うことができる。
可動子101は基板WのみならずマスクMを同時に保持することが可能である。可動子101が基板WとマスクMを同時に搬送するため、成膜システム1は従来よりも短時間で成膜工程を行うことができる。また、基板搬送用のロボットや、マスク搬送用のロボットを別途設ける必要がないため、成膜室107、マスク供給室109および搬送路104のサイズを小さくすることができる。マスクMは、基板Wの成膜時に、基板Wの成膜領域以外の部分である非成膜領域を遮蔽する役割を担う。マスクMは形成される膜(有機層)の形状に応じて、様々な開口パターン(マスクパターン)を有することが可能である。マスクMは、例えば、磁性体からなる。
可動子101は、ベース301の上面側に永久磁石プレート302を有する。永久磁石プレート302は、磁性体からなるマスクMとの間で引力を働かせて、マスクMを基板Wに対して密着させる。ベース310の上面にはアクチュエータ304が設けられており、永久磁石プレート302はアクチュエータ304によってZ方向に移動可能である。永久磁石プレート302がマスクMに対して上方にある場合、永久磁石プレート302とマスクMとの間に働く引力がマスクMに働く重力より小さくなるようにする。一方、永久磁石プレート302がマスクMに対して下方にある場合、永久磁石プレート302とマスクMとの間に働く引力がマスクMに働く重力より大きくなるようにする。このように、マスクMを基板Wに対して密着させるか否かを任意のタイミングで制御できる。
可動子101は、アライメントスコープ303を有する。アライメントスコープ303は、マスクMと基板Wにそれぞれ形成されたアライメントマーク(不図示)の画像を撮影して、その画像データを可動子コントローラ305に送信する。可動子コントーラ305は、受信した画像データから、アライメントスコープ303を基準として基板WとマスクMの間のXY方向のずれ量を検出する。検出されたずれ量は、可動子コントローラ305から統合コントローラ410に送信される。
可動子101は、アライメントスコープ303と隣接した位置にギャップセンサ306を有する。ギャップセンサ306は、マスクMのZ方向の位置を検出する。可動子101に対して静電チャック301が固定されているので、静電チャック301に対して基板Wが密着されると、ギャップセンサ306の測定値から基板WとマスクMの間の距離を算出することができる。
可動子101は、可動子コントローラ305を有する。可動子コントローラ305は、アライメントスコープ303、ギャップセンサ306からの画像データや測定結果を収集する。また、静電チャック301に対して電源を供給することが可能であり、静電チャック301を安定して基板Wに吸着できるようする。また、可動子コントローラ305は、アクチュエータ304に対して駆動指令を出すことが可能で、マスクMと基板Wに対する位置を制御できる。
可動子101は、ベース310の進行方向に対する側面側にマスクフック307を有する。マスクフック307は、マスクMが固定されるマスクブラケット308と係合可能な形状を有する。
図3は、可動子101の磁性体部201と、固定子群103に着目した成膜システム1の部分図である。図3を用いて、磁性体部201と固定子群103との間で発生する電磁力により、可動子101の位置をZ方向に制御する手段の一例について説明する。なお、手段の詳細は本発明者が発明者である特開2020-28212号公報でも開示されている。
第1磁性体部である磁性体部201Aは、第1永久磁石群501と、第2永久磁石群502と、を有する。第1永久磁石群501は、隣り合う磁極の向きが互いに異なるようにX方向に配置された複数の第1永久磁石からなる。第2永久磁石群502は、隣り合う磁極の向きが互いに異なるようにY方向に配置された複数の第2永久磁石からなる。第1永久磁石群501に対向する固定子群103(第1固定子群103A)のコイルに与える電流値を制御することにより、可動子101のX方向、Z方向およびWy方向に発生する力の大きさを制御することができる。第2永久磁石群502に対向する固定子群103(第1固定子群103A)のコイルに与える電流値を制御することにより、可動子101のY方向に発生する力の大きさを制御することができる。すなわち、磁性体部201Aにより、可動子101のX、Y、ZおよびWy方向の力を制御することができる。
第2磁性体部である磁性体部201Cについても磁性体部201Aと同様に第1永久磁石群と第2永久磁石群を配置し、固定子群103(第2固定子群103B)のコイルに与える電流値を制御することにより、4軸の力の大きさを制御することが可能となる。すなわち磁性体部201Aおよび磁性体部201Cを合わせることにより、可動子101のX、Y、Z、Wx、WyおよびWzの6軸の力を独立して制御することができる。
このように可動子101に対し6軸の制御を行うことができるため、可動子101を固定子群103に沿って成膜システム1を移動させることや、成膜室107で6軸のアライメント動作を行うことが可能となる。
(搬送部)
ロードロック室102は、固定子群103と、ドア131とを有する。ロードロック室102は、ゲートバルブ141Aを介して搬送路104と接続されている。ドア131を開放し、不図示の搬送装置により基板Wをロードロック室102の室内に搬送し、ロードロック室102の室内で待機している可動子101の静電チャック301に基板Wを吸着させる。ロードロック室102には、可動子101の磁性体部201Aおよび201Bと対向可能な位置に、固定子群103AがX方向に延在して配置されている。なお、図1においてロードロック室102は搬送路104に対してX方向に配置されているが、Y方向に配置されていても構わない。可動子101はドア131が閉鎖されたのちに、固定子群103との間に発生する電磁力により、X方向に搬送される。また、可動子101は、ゲートバルブ141Aを開放することにより、搬送路104へ進入することが可能になる。
搬送路104は、固定子群103を有し、その長手方向がX方向に沿っている。すなわち搬送路104は第1方向であるX方向に延在している。固定子群103は、第1固定子群と第2固定子群と、を有する。第1固定子群である固定子群103Aは、X方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第1コイルを有し、可動子101の第1磁性体部である磁性体部201Aおよび201Bと対向可能な位置に配置されている。図1において第1固定子群である固定子群103Aは、Y方向に所定の間隔を空けた2つの固定子よりなる。固定子群は103Aの固定子の数は2つに限られず、可動子101の磁性体部の数に応じて、1つであっても3つ以上であってもよい。第2固定子群である固定子群103Bは、Y方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第2コイルを有し、可動子101の第2磁性体部である磁性体部201Cおよび201Dと対向可能な位置に配置されている。図1において第2固定子群である固定子群103Bは2つあり、その各々がX方向に所定の間隔を空けた2つの固定子よりなる。固定子群103Bの固定子の数は2つに限られず、可動子101の磁性体部の数に応じて、1つであっても3つ以上であってもよい。複数の第1コイルおよび複数の第2コイルはそれぞれコアを有していてもよい。なお、本明細書においてコイルを電機子と表現することもある。固定子群103は、複数のコイルに電流が印加されることにより、固定子群103が延在する方向(コイルが配置された方向)に可動子101を搬送する力を印加する。また、固定子群103は、可動子101が固定子群103に対しZ方向に浮上する力を印加する。また、固定子群はそれぞれ複数のリニアエンコーダで形成される位置姿勢センサ群401を有する。リニアエンコーダは、可動子101に設けられた不図示のリニアスケールを読み取ることにより、可動子101のリニアエンコーダに対する相対的な位置を検出する。
図1のように搬送路104ではX方向に延在する固定子群103Aと、Y方向に延在する固定子群103Bと、が交わる箇所(交点)がある。可動子101がX方向に搬送される途中に、その交点に達すると、固定子群103Bと磁性体部201C、固定子群103Bと磁性体部201Dが、それぞれ電磁力を及ぼしあうようになる。すると可動子101はX方向のみならずY方向に移動することも可能となる。
成膜室107は、可動子101が搬送する基板Wの成膜面(成膜領域)に対し、成膜を行う。また成膜の前には、基板WとマスクMのアライメントが行われる。成膜室107は固定子群103Bと、蒸着源111を有する。成膜室107は、ゲートバルブ141F,141Gを介して搬送路104と接続されている。蒸着源は、蒸着材料を収容する坩堝、熱源、シャッタ等から構成される。なお、成膜の方式は蒸着に限定されず、蒸着源を金属ターゲットに変えたスパッタリングであってもよい。成膜室107は、図1において2つの固定子群103Bを有し、2つの可動子101を配置することが可能である。成膜室内に仕切り等を特段に設ける必要はないが、図1中の右部分を第1処理部107R、左部分を第2処理部107Lと呼ぶ。第1処理部107Rと第2処理部107Lは同等の機能を有する。第1処理部107R、第2処理部107Lともに成膜が可能であり、第1処理部107R、第2処理部107Lともに基板WとマスクMのアライメントが可能である。
図4は成膜室の第2処理部107LをY方向から見た模式的断面図である。なお、図4では省略しているが、第1処理部107Rも同様の構成である。第2処理部107Lは、真空容器105を有する。図4において、真空容器105の中には、可動子101、蒸着源111、ブラケット323、アクチュエータ325および架台321の一部が設けられている。第2処理部107LはマスクMが載置可能な架台321と、架台321に設けられたアクチュエータ325により移動可能な蒸着源111を有する。蒸着源111は図4のZ方向のみならず、Y方向およびX方向にも移動可能である。X方向に移動することにより、第1処理部107Rへも移動可能である。
架台321にはブラケット323が設けられている。ブラケット323は、可動子101の動作範囲を規制可能であり、成膜中に固定子群103Bの電源の供給が停止した場合などに可動子101を受け止めることができる。ブラケット323には複数のセンサで形成される不図示の第2位置姿勢センサ群が設けられており、第2位置姿勢センサ群により、可動子101のセンサターゲット311までの距離やそのパターンを読み取ることができる。可動子101のセンサターゲット311までの距離やそのパターンを読み取ることで、可動子101の位置や姿勢を検出し、その検出結果を統合コントローラ410に送信する。
マスク供給室109は、ゲートバルブ141Bを介して搬送路104と接続されている。マスク供給室109には未使用のマスクMが保管される。マスク供給室109と成膜室107は、Y方向に沿った直線状に配置されている。すなわち、マスク供給室109は搬送路104を介して、成膜室107と対向して配置されている。マスク供給室109と成膜室107を対向して配置させることにより、可動子101の総移動距離が短くなり、成膜プロセスを短時間にすることができる。ただし、マスク供給室109の配置はこれに限定されず、成膜室107とX方向に並んで配置されても構わない。
図5はマスク供給室をY方向から見た模式的断面図である。マスク供給室109は、固定子群103Bと、複数のマスクMを積層可能なマスク置台331と、マスク置台331をZ軸方向を上下に移動可能なマスク昇降部332と、を有する。マスク供給室109は、真空容器105を有する。図5において、真空容器105の中には、可動子101、4つのマスクM、マスク置台331およびマスク昇降部332の一部が設けられている。マスク供給室109では、マスク昇降台332が+Z方向に動くことにより、可動子101がZ方向に移動可能な範囲にマスクブラケット308が移動する。そして、可動子101のマスクフック307とマスクブラケット308とを係合させることにより、可動子101が未使用のマスクMが水平になるように保持できる。保管されているマスクMの数が、0もしくは少なくなってきた際にはドア110Aを開放させて、不図示の搬送装置によりマスクMを搬送して、マスクMを補充する。
マスク排出室119は、使用済みのマスクMが保管される。その構成はマスク供給室109と同じであるため図面は省略する。複数回の成膜を行った後に、可動子101が成膜室107で使用した使用済みのマスクMをマスク排出室119まで運ぶことにより、マスクMを保管する。マスク排出室119と成膜室107は、Y方向に沿って直線状に配置されている。すなわち、マスク排出室119は、搬送路104を介して成膜室107と対向して配置されている。マスク排出室119と成膜室107は対向して配置させることにより、可動子101の総移動距離が短くなり、成膜プロセスを短時間にすることができる。ただし、マスク排出室119の配置はこれに限定されず、成膜室107とX方向に並んで配置されても構わない。保管されたマスクMの数が、マスク排出室119で保管できる数の上限にまで達すると、ドア119Aを開放して、マスクMが取り出される。なお、本実施形態ではマスク排出室119をマスク供給室109とは独立に設けたが、マスク供給室109がマスク排出室119の機能を担っても構わない。
図1において、成膜室107は、マスク供給室109およびマスク排出室119と対向して配置されている。これらの3つの装置を1つのユニットとし、複数のユニットをX方向に連続して配置させることにより、成膜システム1全体の配置面積を小さくすることが可能となる。図1では、成膜室107A、マスク供給室109Aおよびマスク排出室119Aが1つのユニット(第1ユニット)を形成し、成膜室107B、マスク供給室109Bおよびマスク排出室119Bが1つのユニット(第2ユニット)を形成している。
(制御システム)
図6は成膜システム1の動作を制御する制御部である制御システム3の概略図である。制御システム3は、コイル電流制御部402、可動子制御部403、マスク供給室制御部406、マスク排出室制御部408、無線伝送部407、総合コントローラ410および成膜コントローラ411を有する。
総合コントローラ410は、成膜コントローラ411、マスク供給室制御部406、マスク排出室制御部408、可動子制御部403および無線伝送部407と相互に通信可能に接続されている。統合コントローラ410は、成膜コントローラ411からの指令に応じて可動子101の搬送、マスク供給室109およびマスク排出室119の動作を制御する。
統合コントローラ410はマスク供給室制御部406に対して指令を送って各マスク供給室109のマスク昇降部332の高さを制御することが出来る。可動子101は所望の高さに制御されたマスクMと係合して搬送することができる。
統合コントローラ410はマスク排出室制御部408に対して指令を送って各マスク排出室119のマスク昇降部の高さを制御することができる。
可動子制御部403は、統合コントローラ410から送信される可動子101の目標位置と位置姿勢センサ群401から取得する可動子101の位置姿勢情報を基に、可動子101の位置および姿勢を制御するための電流値を計算する。統合コントローラ410は計算した電流値をコイル電流制御部402に指令する。コイル電流制御部402は指令された電流値に基づき固定子群103の電流量を制御する。固定子群103に印加された電流は可動子101と対向する磁性体部201と相互に電磁力を発生して可動子101の位置を所望の位置に制御する。
無線伝送部407は可動子101に搭載された各々の可動子制御部403と通信し、基板WとマスクMの間のアライメント誤差情報やギャップ情報を収集して統合コントローラ410に通知する。統合コントローラ410は測定された誤差情報を基に新しい可動子101の目標位置を生成して可動子制御部403に通知する。
以上を繰り返し実行することで、基板WとマスクMとの間のアライメント誤差を十分小さく抑制することが出来る。
(搬送方法)
続いて、成膜システム1を用いた基板の搬送方法を説明する。図7は第1実施形態の成膜システムを用いた基板への成膜過程(第1工程)を示すフローチャートであり、図8乃至図11は成膜過程の各工程の概略図である。
まず、ロードロック室102には、搬送キャリアである第1可動子である可動子101Aが待機している。ドア131が開放された後、不図示の搬送装置により基板W1がロードロック室102Aの室内に搬送される。搬送された基板W1は、可動子101Aの静電チャックにより可動子101Aに吸着される。ドア131が閉鎖されたのちに、ゲートバルブ141Aが開放される。総合コントローラ410の指令により、X方向に延在する固定子群103Aの複数の第1コイルに電流を流し、可動子101Aと固定子群103Aとの間に発生する電磁力により、可動子101Aは+X方向に搬送され、搬送路104へ進入する(図8A)。このとき可動子101Aは固定子群103Aに対して浮上していても、接していても構わない。
続いて、基板W1を保持した可動子101Aは、搬送路104を+X方向に進み、第1マスク供給室であるマスク供給室109Aと対向する位置に移動する(S11,図8B)。搬送路104はX方向に延在する固定子群103A(第1固定子群)のみならず、Y方向に延在する固定子群103B(第2固定子群)を有する。また、マスク供給室109はY方向に延在する固定子群103Bを有する。マスク供給室109Aに対向する位置において、固定子群103Aと固定子群103Bとは交差しており、可動子101Aはこの交差する箇所において、X方向からY方向へ進行方向を転換することができる。図8Bに示すように、このときロードロック室102には、基板W2を保持した第2可動子である可動子101Bが待機していてもよい。
続いて、可動子101Aは基板W1を保持したまま、-Y方向に搬送され、マスク供給室109Aに移動する。図5に示したマスク供給室のマスク昇降部332がマスク置台331を+Z方向に動かすことにより、マスクブラケット308が可動子101AのZ方向に移動可能な範囲に移動する。そして、可動子101Aのマスクフック307とマスクブラケット308とを係合させることにより、未使用のマスクM(第1マスク)を可動子101Aが保持する(S12、図9A)。また、図9Aに示すように、基板W2を保持した第2可動子101Bが+X方向への移動を開始する。
続いて、可動子101Aは、基板W1と未使用のマスクMを保持したまま+Y方向へ搬送され、第1成膜室である成膜室107Aに移動する。成膜室107Aは搬送路104を挟んでマスク供給室109Aと対向した位置に配置されている。そのため、可動子101Aはマスク供給室109Aから成膜室107Aまでの移動を、固定子群103Bとの間に発生する電磁力のみで行うことが可能である。第1成膜室107Aは、第1処理部107ARと第2処理部107ALとを有し、可動子101Aは、まず、第1処理部107ARに移動する(S13、図9B)。また、図9Bに示すように、基板W2を保持した第2可動子101Bは、マスク供給室109AからマスクMを供給されることを目的として、マスク供給室109Aと対向する位置まで+X方向へ移動する。
第1処理部107ARでは、基板W1と未使用のマスクMのアライメント作業が行われる。具体的には、まず、可動子101Aは保持していたマスクMを架台321に載置する。また、可動子101Aは架台321およびマスクMと非接触で浮上した状態にする。そして、可動子101Aのアライメントスコープ303の画像データおよびギャップセンサ306の測定結果を収集した可動子コントローラ305が、アクチュエータ304に対して、駆動指令を出し、基板WのマスクMに対するZ方向の位置を制御する。また可動子101Aは、ブラケット323に設けられた不図示の第2位置姿勢センサ群とセンサターゲット311の距離やパターンに応じて、統合コントローラ410を通じてその位置および姿勢が制御される(S14)。
続いて第2可動子101Bが-Y方向へ搬送され第1マスク供給室109に移動し、マスクM(第2マスク)を保持する(S15、図10A)。可動子101Bが第1マスク供給室からマスクM(第2マスク)を供給される手順は、可動子101Aが第1マスク供給室からマスクM(第1マスク)を供給される手順と同様である。
続いて、可動子101Bが基板W2および未使用のマスクMを保持したまま、第1成膜室107Aの第2処理部107ALに移動する(S16、図10B)。可動子101Bはマスク供給室109Aを+Y方向に移動し、搬送路104へ戻る。このときに作用する電磁力は、固定子群103Bと可動子101Bの磁性体部201Cおよび201Dである。続いて、可動子101Bは搬送路104を-X方向に移動し、成膜室107Aの第2処理部107ALと対向する位置まで移動する。このときに作用する電磁力は、固定子群103Aと可動子101Bの磁性体部201Aおよび201Bである。続いて、可動子101Bは搬送路104Aを再び+Y方向に移動し、成膜室107Aの第2処理部107ALに移動する。この一連の動作において、可動子101Bは固定子群103Aおよび103Bに対して浮上していても、接していても構わない。
続いて、第2処理部107ALでは、可動子101Bが保持する基板W2と未使用のマスクMのアライメント作業が行われる(S17、図11)。このアライメント作業はS14の可動子101Aに対する作業と同じ手順で行われる。
そして可動子101Bに対してアライメント作業が行われている最中に、可動子101Aに対して成膜作業が行われる(S18)。可動子101Aに対する成膜作業は、可動子101Aが架台321およびマスクMから浮上した状態で行われる。このとき可動子101Aに対しては成膜中にアライメント動作を継続して行うことが好ましい。可動子101Aが成膜中もアライメント動作を繰り返すと、成膜中に基板WやマスクMが温度変動などによりアライメントがずれる場合であっても、そのずれを補正することができるためである。このように一方の可動子がアライメント作業を行っているときに、他方の可動子の成膜作業を行うことができるため、一連の成膜プロセスを短時間で行うことが可能となる。続いて、蒸着源111が第1処理部107ARから第2処理部107ALへと-X方向に移動する。そして、第2処理部107ALにおいて可動子101Bに対して成膜作業が行われる(S19)。以上が第1工程である。なお、本実施形態において可動子101Aが保持する基板への成膜(S18)はS17の工程の後に行ったが、S14の工程が終わった後に成膜を開始しても構わない。
第1工程の成膜作業が終わった可動子101Aは、マスクMを再利用するか否かによってその後の動き方が異なる。マスクは所定の回数だけ成膜をすると洗浄等のため回収する必要があるためである。図12は第1工程を終えた後の可動子の動きを説明する概略図である。
マスクMを再利用する場合は、マスクMを第1処理部107ARの架台321に設置したまま可動子101Aを搬送路104に戻す(図12A)。マスクMを第1処理部107ARに残すことにより、第2可動子の後に搬送路104に投入される不図示の第3可動子は、マスク供給室109Aを経由することなく、成膜室107Aに移動できる。そのため、成膜サイクルを早めることができる。搬送路104に戻った可動子101Aは再び+X方向への移動を開始し、第2マスク供給室であるマスク供給室109Bを目指すことになる。
マスクMを再利用しない場合は、可動子101Aは再びマスクMを保持し、搬送路104に戻る(図12B)。搬送路104に戻った可動子101Aは、マスク排出室119Aを目指し、-X方向および-Y方向へ移動する。マスク排出室119Aに使用済みのマスクMを載置したあと、+Y方向および+X方向に移し、第2マスク供給室109Bを目指すことになる。
なお、可動子101Bの成膜作業は、第1可動子が図12Aまたは図12Bに示した動作を行った後でも良いし、行う前でも構わない。
成膜室107Aでの成膜作業を終えた可動子101は、成膜室107とは異なる蒸着源を有する第2成膜室107Bで別の有機材料層が成膜される。このように成膜作業が複数回繰り返されることにより電子デバイスである物品が製造されることになる。
[第2実施形態]
図13は第2実施形態の成膜システムを説明する概略図である。
第2実施形態も第1実施形態と同様に可動子101に永久磁石群が、固定子群103に電機子群が配置されている。電機子(コイル)はコアである強磁性体の周囲に銅線を配置したものを用いることにより、電機子群103と磁性体部201との間には電機子電流が無い場合でも大きな吸引力が働く。そのため重量の大きな可動子でも比較的小さい電力で搬送することが可能である。
図13Aの形態において、強磁性体である磁性体部503は固定子群103の無い領域に配置されている。このように磁性体部503を固定子群103の無い領域にも配置することで、可動子101に対する固定子群103の吸引力の変化が搬送経路上で小さくすることができる。そのためコギング力が小さくなり、搬送に必要なコイルのトルクを小さくすることができるのでより安定した搬送が可能である。
図13Bの形態において、強磁性体である磁性体部504が固定子群103の交差部近傍に配置されている。また、磁性体部504の形状は図13Bに示すように概略三角形の形状である。この形態において、可動子101が図中の位置にある場合のX方向に働く力の大きさについて説明する。この形態の場合、磁性体部201Dには固定子群103Bから+X方向の大きな吸引力が働く。また、磁性体部201Dには磁性体部504の-X側の部分から-X方向の力が働く。そのため磁性体部201Dには固定子群103Bと磁性体部504のX方向の力が相殺される。よって磁性体部210Dに働く力は磁性体部504が無い場合に比べて小さくなる。
図13Cは可動子101を一定速度で搬送する場合必要なX方向の力FxとY方向の力Fy、Z方向の力Fzの大きさを模式的に表した図である。図13Bの形態のように磁性体部504を固定子群103の近傍に配置することで磁性体部201Dに働く吸引力が相殺される。その結果、磁性体部201Dに働く力を小さくすることが出来るので、図13Cに示したように、FxおよびFyの大きさは磁性体部504が無い場合(701)に対して大幅に小さくすることが出来る(702)。
なお磁性体部504の形態は図13Bに示した三角形の形状に限られない。例えば、長方形家の形状であっても厚みを段階的に変化させることで、三角形としたときと同様に吸引力の変化を小さくすることもできる。
このように磁性体部504の形状を変化させることでその搬送に必要はトルクを小さくすることが出来る。そのため成膜システム1の構成を簡素なものにすることが出来る。
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本発明の好ましい構成を例示的に示すものにすぎず、本発明の範囲をそれらの構成に限定されない。また、装置のハードウェア構成およびソフトウェア構成、処理フロー、製造条件、寸法、材質、形状などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
例えば、第1実施形態において、可動子101が永久磁石群を、固定子群103が複数のコイルを有する電機子群をそれぞれ有するとしたが、この関係は逆であっても構わない。すなわち、可動子101が電機子群を、固定子群103が永久磁石群を、それぞれ有することが出来る。その場合は、可動子101にコイル電流制御部402を搭載する必要がある。
また、第1実施形態において、固定子群103が可動子101の磁性体部201の上部に位置したが、図14に示すように固定子群103は磁性体部201の下部に位置しても構わない。この場合、固定子群103は、磁性体部201との間に斥力を生じさせる。そのため可動子101は、固定子群103と非接触の状態を維持したままX方向およびY方向に搬送される。この場合、固定子群103は内部に鉄心を有さないコアレス型のコイルを用いることが好ましい。なお、この固定子群103と磁性体部201との位置関係においても、可動子101が電機子群を、固定子群103が永久磁石群を、それぞれ有する形態としても構わない。
本発明は、基板等の成膜対象物に蒸着膜、特に有機膜を形成するために好適なものである。成膜装置は、半導体デバイス、磁気デバイス、電子部品などの各種電子デバイスや、光学部品などの製造において、基板または基板上に積層体が形成されているものの上に薄膜を堆積形成するために用いられる。より具体的には、成膜装置は、発光素子や光電変換素子、タッチパネルなどの電子デバイスの製造において好ましく用いられる。成膜装置は、例えば、有機EL(ErectroLuminescence)素子などの有機発光素子や、有機薄膜太陽電池などの有機光電変換素子の製造に好ましく用いられる。電子デバイスとしては、発光素子を備えた表示装置(例えば有機EL表示装置)や照明装置(例えば有機EL照明装置)、光電変換素子を備えたセンサ(例えば有機CMOSイメージセンサ)などが挙げられる。
上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
M マスク
W 基板
1 成膜システム
3 制御システム
101 可動子(搬送キャリア)
102 ロードロック室
103 固定子群
104 搬送路
105 真空容器
107 成膜室(成膜部)
109 マスク供給室(マスク供給部)
111 蒸着源
119 マスク排出室(マスク排出部)
131 ドア
141 ゲートバルブ
201 磁性体部
301 静電チャック
302 永久磁石プレート
303 アライメントスコープ
304 アクチュエータ
305 可動子コントローラ
306 ギャップセンサ
307 マスクフック
308 マスクブラケット
310 ベース
311 センサターゲット
321 架台
323 ブラケット
325 アクチュエータ
331 マスク置台
332 マスク昇降部
401 位置姿勢センサ群
402 コイル電流制御部
403 可動子制御部
406 マスク供給室制御部
407 無線伝送部
408 マスク排出室制御部
410 統合コントローラ
411 成膜コントローラ
501 第1永久磁石群
502 第2永久磁石群
503 磁性体部
504 磁性体部

Claims (15)

  1. 第1方向に延在する搬送路と、
    成膜領域を有する基板と、前記成膜領域以外の非成膜領域を遮蔽するマスクと、を保持して前記搬送路内を移動する搬送キャリアと、
    前記搬送路に設けられ、前記第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に前記搬送キャリアを移動させる搬送手段と、
    前記搬送路に沿って配置され、前記基板の成膜領域に成膜する成膜部と、
    前記搬送路に沿って配置され、前記マスクを前記搬送キャリアに供給するマスク供給部と、を備えることを特徴とする成膜システム。
  2. 前記搬送キャリアは、前記基板を水平に保持して、前記搬送路内を前記第1方向および前記第2方向に移動する請求項1の成膜システム。
  3. 前記成膜部と前記マスク供給部は、前記搬送路を挟んで対向して配置されている請求項1または2に記載の成膜システム。
  4. 前記成膜システムはマスク排出部をさらに有し、前記マスク排出部は前記マスク供給室に隣接して、前記搬送路に沿って配置される請求項3に記載の成膜システム。
  5. 前記搬送手段は、前記第1方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第1コイルを有する第1固定子群と、前記第2方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第2コイルを有する第2固定子群と、を有し、
    前記搬送キャリアは、前記第1固定子群と対向可能な位置に配置された第1磁性体部と、前記第2固定子群と対向可能な位置に配置された第2磁性体部と、を有し、
    前記搬送キャリアは、前記第1固定子群と前記第1磁性体部が作用する電磁力および前記第2固定子群と前記第2磁性体部が作用する電磁力によって、前記第1方向および前記第2方向に移動する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の成膜システム。
  6. 前記搬送キャリアは、前記第1固定子群と前記第1磁性体部が作用する電磁力および前記第2固定子群と前記第2磁性体部が作用する電磁力によって、前記第1固定子群および前記第2固定子群に対して浮上しながら前記第1方向および前記第2方向に移動する請求項5に記載の成膜システム。
  7. 前記成膜部と前記マスク供給部は、前記第2固定子群を有する請求項5または6記載の成膜システム。
  8. 前記成膜部は前記搬送キャリアを複数、配置することが可能である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の成膜システム。
  9. 第1方向に延在する搬送路と、
    成膜領域を有する基板および/または前記成膜領域以外の非成膜領域を遮蔽するマスクと、を保持して前記搬送路内を移動する搬送キャリアと、
    前記搬送路に設けられ、前記第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に前記搬送キャリアを移動させる搬送手段と、
    前記搬送路に沿って配置され、前記基板の成膜領域に成膜する成膜部と、
    前記搬送路に沿って前記成膜部と対向して配置され、前記マスクを前記搬送キャリアに供給するマスク供給部と、を備えることを特徴とする成膜システム。
  10. 第1方向に延在する搬送路と、成膜領域を有する基板と、前記成膜領域以外の非成膜領域を遮蔽するマスクとを保持して前記搬送路内を移動する第1搬送キャリアと、前記搬送路に設けられ前記第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に前記搬送キャリアを移動させる搬送手段と、前記搬送路に沿って配置され前記基板の成膜領域に成膜する成膜部と、前記搬送路に沿って配置され前記マスクを前記搬送キャリアに供給するマスク供給部と、制御部と、を備えた成膜システムの制御方法であって、
    前記制御部が、前記基板を保持した前記第1搬送キャリアを前記マスク供給部まで搬送する工程と、
    前記制御部が、前記マスク供給部で前記第1搬送キャリアに前記マスクを保持させる工程と、
    前記制御部が、前記基板と前記マスクを保持した前記第1搬送キャリアを前記成膜部まで搬送する工程と、
    前記制御部が、前記成膜部で前記マスクを介して前記第1搬送キャリアが保持する前記基板の成膜領域に成膜する工程と、
    を有することを特徴とする成膜システムの制御方法。
  11. 前記成膜部で前記マスクを介して前記第1搬送キャリアが保持する前記基板の成膜領域に成膜する工程において、前記制御部が、前記第1搬送キャリアを前記成膜部の架台に対して浮上させる請求項10に記載の成膜システムの制御方法。
  12. 前記成膜システムは、成膜領域を有する基板と前記成膜領域以外の非成膜領域を遮蔽するマスクとを保持して前記搬送路内を移動する第2搬送キャリアを有し、
    前記制御部が、前記基板を保持した前記第2搬送キャリアを前記マスク供給部まで搬送する工程と、
    前記制御部が、前記マスク供給部で前記第2搬送キャリアに前記マスクを保持させる工程と、
    前記制御部が、前記基板と前記マスクを保持した前記第2搬送キャリアを前記成膜部まで搬送する工程と、を有し、
    前記成膜部で前記マスクを介して前記第1搬送キャリアが保持する前記基板の成膜領域に成膜する工程において、前記制御部が、前記第2搬送キャリアに対し前記マスクと前記第2キャリアが保持する基板との位置のアライメントを行う請求項10または11に記載の成膜システムの制御方法。
  13. 前記成膜システムは、成膜領域を有する基板と前記成膜領域以外の非成膜領域を遮蔽するマスクとを保持して前記搬送路内を搬送可能な第3搬送キャリアを有し、
    前記成膜部で前記マスクを介して前記第1搬送キャリアが保持する前記基板の成膜領域に成膜する工程の後に、前記制御部が、前記第1搬送キャリアが保持する前記マスクを前記成膜部の架台に載置させてから、前記第1搬送キャリアを前記搬送路に移動させ、
    前記制御部が、前記第3搬送キャリアを、前記マスク供給部を経由させずに前記成膜室まで搬送させる工程を有する請求項10乃至12のいずれか1項に記載の成膜システムの制御方法。
  14. 第1方向に延在する搬送路と、成膜領域を有する基板および/または前記成膜領域以外の非成膜領域を遮蔽するマスクと、を保持して前記搬送路内を移動する搬送キャリアと、前記搬送路に設けられ前記第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に前記搬送キャリアを移動させる搬送手段と、前記搬送路に沿って配置され前記基板の成膜領域に成膜する成膜部と、前記搬送路に沿って前記成膜部と対向して配置され前記マスクを前記搬送キャリアに供給するマスク供給部と、制御部と、を備えた成膜システムの制御方法であって、
    前記制御部が、前記マスク供給部で前記第1搬送キャリアに前記マスクを保持させる工程と、
    前記制御部が、前記マスクを保持した前記第1搬送キャリアを前記成膜部まで搬送する工程と、
    前記制御部が、前記基板を保持した前記第1搬送キャリアを前記成膜部まで搬送する工程と、
    前記制御部が、前記成膜部で前記マスクを介して前記第1搬送キャリアが保持する前記基板の成膜領域に成膜する工程と、
    を有することを特徴とする成膜システムの制御方法。
  15. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の成膜システムを用いて物品を製造する物品の製造方法であって、
    前記搬送キャリアにより前記基板を搬送する工程と、
    前記搬送キャリアにより搬送された前記基板に対して、前記成膜部で前記マスクを介して前記基板の成膜領域に成膜する工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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