JP2022092252A - 防草緑化マット - Google Patents

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Hitomi Fukushima
義仁 戸来
Yoshito Torai
圭吾 津下
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Abstract

【課題】簡易な構成で緑化からその後の維持管理までの労力とコストを大幅に軽減できる防草緑化マットを提供すること。【解決手段】目的種Tの種子を備えた植生部2、前記目的種Tと競合種Cの両植物が成長可能な空間部3、前記目的種Tの貫通は可能であり前記目的種Tより葉幅の広い前記競合種Cの貫通を抑制する貫通抑制部材5が、地面側からこの順に高さ方向に設けられている。前記植生部2又は前記空間部3に肥料袋8を備える。前記貫通抑制部材5は、スペーサー4を介して少なくともその一部が前記植生部2から浮いた状態で設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、法面等において、防草と緑化とを同時に図ることができる防草緑化マットに関する。
緑化を図った法面等の領域における植生遷移を長期間抑制する技術は確立されていない。そのため、例えば母樹林に近い道路沿いの領域(法面)の緑化を図った場合、その領域に種子の形態で飛来して根付き、やがて大きく成長した樹木等は、道路を走行する車両からの視界を狭める恐れや倒木の危険を生じるので、伐採等の対応が必要であり、こうした管理には労力とコストが掛かる。このように、特に一定規模以上の緑化領域を設ける施設では、その維持管理に掛かる負担の低減が喫緊の課題となっている。
ところで、特許文献1に係る技術は、本出願人によるものであり、草苅機等を用いて法面上の既存植物を刈り取る「排除ステップ」、法面を目土で覆う「覆土ステップ」、目土層の表面に防草シートを設置する「シート状体設置ステップ」、法面および目土の層に複数の凹入部を適宜の間隔で形成する「凹入部形成ステップ」、各凹入部内にチガヤ苗を植え付ける「植生ステップ」、チガヤ苗が活着して生長していることが確認されたら防草シートを法面(目土の層)から取り外す、等の工程を実施することをその内容としている。
斯かる技術を用いれば、維持管理を軽減できる法面の緑化を達成することができる。
特開2005-232953号公報
しかし、上記従来の技術では、法面が緑化されたその後の維持管理は確かに軽減されるが、法面を緑化させるまでに実に多くの労力とコストが掛かり、広く普及するまでには至っていない。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、簡易な構成で緑化からその後の維持管理までの労力とコストを大幅に軽減できる防草緑化マットを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る防草緑化マットは、目的種の種子を備えた植生部、目的種と競合種の両植物が成長可能な空間部、目的種の貫通は可能であり目的種より葉幅の広い競合種の貫通を抑制する貫通抑制部材が、地面側からこの順に高さ方向に設けられている(請求項1)。
上記防草緑化マットが、前記植生部又は前記空間部に肥料袋を備えていてもよい(請求項2)。
上記防草緑化マットにおいて、前記貫通抑制部材は、スペーサーを介して少なくともその一部が前記植生部から浮いた状態で設けられてもよい(請求項3)。
上記防草緑化マットにおいて、前記スペーサーは、互いに間隔をあけて等高線と略平行に帯状に設けられていてもよい(請求項4)。
上記防草緑化マットにおいて、前記スペーサーは、肥料袋を跨ぐように、又は肥料袋を収容するように設けられていてもよい(請求項5)。
上記防草緑化マットにおいて、前記スペーサーは、肥料袋を兼ねてもよい(請求項6)。
上記防草緑化マットにおいて、前記スペーサーは、硬化袋を兼ねてもよい(請求項7)。
上記防草緑化マットにおいて、前記貫通抑制部材はメッシュ状部材であってもよい(請求項8)。
本発明に係る防草緑化マットが、全体として可撓性を有し、ロール状に巻き取り可能であるとしてもよい(請求項9)。
本発明に係る防草緑化マットは、目的種の種子を備えた植生部、目的種と競合種の両植物が成長可能な空間部、目的種の貫通は可能であり目的種より葉幅の広い競合種の貫通を抑制する貫通抑制部材が、地面側からこの順に高さ方向に設けられ、前記目的種には、トールフェスクまたはバミューダグラスの少なくとも一方を含むものであってもよい(請求項10)。
本願発明では、簡易な構成で緑化からその後の維持管理までの労力とコストを大幅に軽減できる防草緑化マットが得られる。
すなわち、本願の各請求項に係る発明の防草緑化マットでは、植生部により、目的種(導入種子)の生育を図ることができ、目的種は貫通抑制部材を貫通可能であるので、貫通抑制部材が目的種の生育を阻害することもない。
また、本発明の防草緑化マットでは、スペーサーによって貫通抑制部材の下方に空間部を設けることにより、防草緑化マットの設置領域の周辺から貫通抑制部材上に飛来してきた飛来種子が地山に定着するのを困難化することができる。仮に飛来種子が貫通抑制部材を通過して地山に落下しても、それが目的種よりも葉幅の大きい双子葉植物であれば、貫通抑制部材を通過することが抑制され、スペーサーの高さ以上の成長を阻止することができる。もちろん、防草緑化マットの設置領域に埋土種子が存在していた場合も、その埋土種子が目的種よりも葉幅の大きい双子葉植物であれば、その成長はやはり制限されることになる。したがって、防草緑化マットの敷設領域では、総じて草丈を低く抑えることができ、維持・管理の軽減、付近を走行する車両の運転手の視距の確保、獣の住処になりづらい、といったメリットが得られる。
さらに、本例の防草緑化マットでは、貫通抑制部材の上に風雨等で土壌やリター(落葉落枝)が堆積しても、空間部により地山からの水分供給が妨げられ、比較的乾燥した状態に保たれる上、貫通抑制部材の上方での飛来種子等の植物の発芽生育は抑制される。
すなわち、本発明の防草緑化マットは、植生部、スペーサー、貫通抑制部材といった簡易な構成を採用しながら、緑化からその後の維持管理までの労力とコストを大幅に軽減することができるものである。
加えて、本発明の防草緑化マットでは、植生部が貫通抑制部材で覆われるため、食害や掘り起こしなどの獣害を受けにくいというメリットも得られる。
請求項2に係る発明の防草緑化マットでは、肥料袋から供給される肥料等により、目的種の生育の確実化を図ることができる。
ここで、スペーサーを用いず、貫通抑制部材を上方から吊り上げる吊り上げ手段を設けても空間部を形成することはできるが、このような吊り上げ手段を設けるには種々の部材等が必要になって全体として大掛かりな設備となり、その設置に係る労力やコストの増大を避けられない。しかし、請求項3に係る発明の防草緑化マットでは、比較的簡易な構成のスペーサーを用いることにより、その設置に係る労力やコストの低減を図ることができる。
予め工場等で一体化し、全体として可撓性を持たせた防草緑化マットをロール状に巻いた状態で搬送し、これを法面に敷設する際には法肩から法尻に向かって展開するのが防草緑化マットの搬送及び設置の簡略化を図る上で合理的である。そして、例えばスペーサーが等高線と直交する方向(防草緑化マットの長手方向)に延びる防草緑化マットでは、これをロール状に巻き取り、上記のように展開することはできない(あるいは困難化する)が、スペーサーが等高線に沿って(防草緑化マットの短手方向に)延びる請求項4に係る発明の防草緑化マットでは、これをロール状に巻き取り、上記のように展開することが容易となる。
請求項5に係る発明の防草緑化マットでは、貫通抑制部材の上に風雨等で土壌やリター(落葉落枝)が堆積しても、肥料袋を跨ぐあるいは肥料袋を収容するスペーサーにより肥料袋と貫通抑制部材とが接触しないようにしてあれば、肥料袋から貫通抑制部材の上に堆積した土壌等への肥料供給が妨げられるため、貫通抑制部材の上方での飛来種子等の植物の発芽生育は一層確実に抑制されることになる。
請求項6に係る発明の防草緑化マットでは、スペーサーが肥料袋を兼ねるので、部材点数や防草緑化マットの設置に掛かる労力等の削減を図ることが容易となる。
請求項7に係る発明の防草緑化マットでは、例えば硬化袋を貫くアンカーピン等の固定部材を打設して硬化袋を法面上に固定すれば、硬化材料の硬化後に硬化袋が固定部材の頭部と強固に連結され一体構造になるので、ネットの縦横の両方向の補強効果も得られる。
請求項8に係る発明の防草緑化マットでは、貫通抑制部材がメッシュ状部材であるので、その目合いを適宜に設定することにより、目的種の通過を可能とし、目的種より葉幅の広い競合種の貫通を抑制する、といったことが容易に実現可能となる。しかも、貫通抑制部材がメッシュ状部材であると、一般的な植生マット等よりも滑りやすいため、動物の立ち入り自体の抑制をも期待することができる。
請求項9に係る発明の防草緑化マットでは、製品としての保管性、輸送性、現場への搬入性、施工性をいずれも容易に向上させることができる。
本発明の一実施の形態に係る防草緑化マットの分解斜視図である。 法面に敷設された状態の前記防草緑化マットの縦断面図である。 (A)~(D)は、それぞれ前記防草緑化マットのスペーサーの変形例を示す斜視図である。
本発明の実施の形態について以下に説明する。
本例の防草緑化マットは、図1に示す各部材を一体化して得られ、図2に示すように例えば法面Nに敷設した状態で用いるものである。すなわち、防草緑化マットは、図1に示すように、目的種T(図2参照)の種子(導入種子)1を備えた植生部2と、目的種Tと競合種Cの両植物が成長可能な空間部3(図2参照)を植生部2の上方に形成するための複数のスペーサー4と、目的種Tの貫通は可能であり目的種Tより葉幅の広い競合種Cの貫通を抑制する貫通抑制部材5とを具備する。そして、防草緑化マットは、図2に示すように敷設された状態で、植生部2、空間部3、貫通抑制部材5を地面側からこの順に高さ方向に有する。すなわち、貫通抑制部材5は、スペーサー4を介して少なくともその一部(好ましくは全体の半分以上、より好ましくはほぼ全体)が植生部2から浮いた状態で設けられる。
目的種Tとしては、例えば、冬場の寒さに強いトールフェスク、夏場の暑さに強いバミューダグラスのほか、クリーピングレッドフェスク、バヒアグラス、キクユグラス、レッドトップ、ベントグラス、センチピードグラス、ケンタッキーブルーグラス、ローズグラス、ノシバ等の単子葉類を挙げることができる。
競合種Cとしては、例えば、アカメガシワ、ウツギ、ヤシャブシ、キリ、クサギ、ヤマハンノキ、コナラ、ニセアカシア等の双子葉類を挙げることができる。
図1に示すように、植生部2は、地側(設置の際、地に向けられる側)から順に、導入種子1、薄綿(または不織布)シート6、ネット(例えばポリエチレン製)7を有する。導入種子1は薄綿シート6の下(地)側に接着剤(水溶性糊材等)で接着され、薄綿シート6とネット7の間には導入種子1は保持されておらず、両者6,7は接着剤(水溶性糊材等)で接着されている。
ここで、薄綿(不織布)シート6は、例えば10~50g/mの目付を有するもの、ネット7は、例えば10~20mm×15~25mmの目合いを有するラッセル編み(鎖編み)のものとすることができる。
また、図1に示すように、ネット7には、その長手方向に間隔をおいて複数の肥料袋8が装着される。この装着は、例えばネット7を全体にわたって又は部分的に2重のネットで構成し、この2重ネット(2重ネット部分)の間にネット7の短手方向に延びる長尺の肥料袋8を収容保持する収容部(袋状部等)9を形成し、そこに肥料袋8を収容する、といった手段により容易に行える。
肥料袋8には、肥料の他に、土壌改良材、保水材等を収容してもよく、導入種子1を収容してもよい。
一方、スペーサー4は、植生部2(ネット7)と貫通抑制部材5の間に、目的種Tと競合種Cの両植物が成長可能な空間部3(図2参照)を形成することができるものであればよく、図1の例では、金属製のコの字型部材としてあるが、これに限らず、種々の形態のものを採用可能であり、その材質も、金属に限らず、例えば樹脂や木材、ヤシ等の天然素材でもよい。また、スペーサー4の高さは、1mm~150mm、望ましくは10mm~70mmとすることが考えられる。
そして、本例では、ネット7に装着される肥料袋8を跨ぐように各スペーサー4を配する。
貫通抑制部材5は、1~3mm×1~3mm、望ましくは1.5~2mm×1.5~2mmの目合いを有するメッシュ状の部材であり、その材質は、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリエチレン等とすることが考えられる。
このように、貫通抑制部材5がメッシュ状部材であれば、その目合いを適宜に設定することにより、目的種Tの通過を可能とし、目的種Tより葉幅の広い競合種Cの貫通を抑制する、といったことが容易に実現可能となる。そして斯かる効果は、貫通抑制部材5に目ずれの起こらない(高耐久性の)メッシュ状部材を用いることにより、通芽しようとする競合種C(樹木や径の太い雑草等)にストレスを与え、肥大成長を抑制することができるので、より確実なものとなる。
なお、本例の防草緑化マットは、予め工場等で完成し、その状態で搬送して現場では図外のアンカーピン等を用いて適宜の箇所を法面Nに固定し、敷設するのみとしてもよいし、未完成のまま搬送され、現場で完成させるようにしてもよく、現場で完成させる場合には、完成と同時に敷設が完了するようにしてもよい。
ここで、植生部2、スペーサー4、貫通抑制部材5を工場等で予め一体化して防草緑化マットを完成させておく場合、その一体化の手段としては、接着剤(例えば糊材)を用いた接着、熱圧着、留め具(タグピン、ステープラー等)、挟持具(Cリング等)、結束具(縫製糸、針金)等のうちの一以上の手段を用いることが考えられる。また、防草緑化マットを現場で構築する場合は、例えばアンカーピン(図示していない)を適宜に打設して植生部2を法面Nに固定し、スペーサー4は法面Nに差し込んで固定し、貫通抑制部材5はアンカーピン(図示していない)を適宜に打設して固定するか、植生部2又はスペーサー4に上記一体化の手段(例えば留め具や結束具等)により一体化することが考えられ、もちろんこの場合、スペーサー4を、上記一体化の手段(例えば留め具や結束具等)により植生部2に一体化してもよい。
いずれにしても、肥料袋8が等高線に沿うように防草緑化マットを設置するのが好ましい。そして、これに伴い、肥料袋8に跨る複数のスペーサー4は、互いに間隔をあけて等高線と略平行に(防草緑化マットの短手方向に)帯状に設けられる(配置される)ことになる。ここで、予め工場等で一体化し、全体として可撓性を持たせた防草緑化マットをロール状に巻いた状態で搬送し、これを法面Nに敷設する際に法肩から法尻に向かって展開するのが防草緑化マットの搬送及び設置の簡略化を図る上で合理的である。そして、例えば肥料袋8及びスペーサー4が等高線と直交する方向(防草緑化マットの長手方向)に延びる防草緑化マットでは、これをロール状に巻き取り、上記のように展開することはできない(あるいは困難化する)が、肥料袋8及びスペーサー4が等高線に沿って(防草緑化マットの短手方向に)延びる防草緑化マットでは、これをロール状に巻き取り、上記のように展開することが容易となる。
以上の構成を有する本例の防草緑化マットでは、植生部2により、目的種T(導入種子1)の生育を図ることができ、目的種Tは貫通抑制部材5を貫通可能であるので、貫通抑制部材5が目的種Tの生育を阻害することもない。しかも、肥料袋8から供給される肥料等により、目的種Tの生育の確実化を図ることができる。
また、本例の防草緑化マットでは、スペーサー4によって貫通抑制部材5の下方に空間部3を設けることにより、防草緑化マットの設置領域の周辺から貫通抑制部材5上に飛来してきた飛来種子Fが地山に定着するのを困難化することができる。仮に飛来種子Fが貫通抑制部材5を通過して地山に落下しても、それが目的種Tよりも葉幅の大きい双子葉植物であれば、貫通抑制部材5を通過することが抑制され、スペーサー4の高さ以上の成長を阻止することができる。もちろん、防草緑化マットの設置領域に埋土種子が存在していた場合も、その埋土種子が目的種Tよりも葉幅の大きい双子葉植物であれば、その成長はやはり制限されることになる。したがって、防草緑化マットの敷設領域では、総じて草丈を低く抑えることができ、維持・管理の軽減、付近を走行する車両の運転手の視距の確保、獣の住処になりづらい、といったメリットが得られる。
ここで、スペーサー4を用いず、貫通抑制部材5を上方から吊り上げる吊り上げ手段を設けても空間部3を形成することはできるが、このような吊り上げ手段を設けるには種々の部材等が必要になって全体として大掛かりな設備となり、その設置に係る労力やコストの増大を避けられない。しかし、本例の防草緑化マットでは、比較的簡易な構成のスペーサー4を用いることにより、その設置に係る労力やコストの低減を図ることができる。
さらに、本例の防草緑化マットでは、貫通抑制部材5の上に風雨等で土壌やリター(落葉落枝)が堆積しても、空間部3により地山からの水分供給が妨げられ、比較的乾燥した状態に保たれる上、肥料袋8を跨ぐスペーサー4により肥料袋8と貫通抑制部材5とが接触しないようにしてあれば肥料袋8からの肥料供給も妨げられるため、貫通抑制部材5の上方での飛来種子F等の植物の発芽生育は抑制される。
すなわち、本例の防草緑化マットは、植生部2、スペーサー4、貫通抑制部材5といった簡易な構成を採用しながら、緑化からその後の維持管理までの労力とコストを大幅に軽減することができるものである。
加えて、本例の防草緑化マットでは、植生部2が貫通抑制部材5で覆われるため、食害や掘り起こしなどの獣害を受けにくい上、貫通抑制部材5はメッシュ状部材であり、一般的な植生マット等よりも滑りやすいため、動物の立ち入り自体の抑制をも期待することができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
植生部2に肥料袋8を装着せず、植生部2と貫通抑制部材5の間の空間部3に肥料袋8を配し、この肥料袋8をこれに跨るスペーサー4や他の結束部材等で適宜に保持するようにしてもよい。
上記実施の形態では、スペーサー4が肥料袋8を跨ぐ位置のみに設けられているが、これに限らず、スペーサー4を、肥料袋8を跨がない位置のみ、または肥料袋8を跨ぐ位置と跨がない位置との両方に設けてもよい。
図1に示すスペーサー4はコの字型部材としてあるが、例えば、図3(A)に示すように、スペーサー4を、二つのコの字型部材の脚部どうしを連結した部材としてもよく、この図3(A)に示す部材の脚部どうしを連結した図3(B)に示す部材としてもよい。また、各例において、コの字型部材となる部分の形状を、Uの字型部材やヘの字型部材等となるように変化させてもよい。さらに、図3(A)、(B)の例では、複数のコの字型部材を連結する部分を直線状としてあるが、曲線等、種々の形状にすることができ、例えばスペーサー4が全体として螺旋状となるようにしてもよい。
スペーサー4を、図3(C)に示すように、縦断面コの字状の曲げ板体としてもよく、縦断面がコの字状ではなくUの字状やヘの字状等である曲げ板体としてもよい。また、スペーサー4を筒体としてもよく、図3(D)には断面が四角形の筒体とした場合を示してあるが、これに限らず、断面が他の多角形や円、半円等である筒体とすることもできる。
ここで、図1の例では、一つの肥料袋8に8個のスペーサー4が相互に離間した状態で跨り、図3(A)の例では、一つの肥料袋8に4個のスペーサー4が相互に離間した状態で跨り、図3(B)、(C)、(D)の例では、一つの肥料袋8に1個のスペーサー4が跨る(但し、図3(D)の例では一つのスペーサー4内に一つの肥料袋8が収容される)のであるが、一つの肥料袋8に対応させるスペーサー4の数は任意に変更可能であり、例えば、図3(C)、(D)に示すスペーサー4の場合、それぞれを長手方向に短くして複数を一つのスペーサー4に対応させるようにしてもよい。
なお、スペーサー4を筒状にし(例えば図3(D)参照)、これに肥料袋8を収容する場合、肥料袋8から地山への肥料等の供給をスペーサー4が完全に阻止してしまわないように、筒状のスペーサー4に多数の小孔(貫通孔)、切欠き等、肥料等の通過を妨げない流路部を設けるのが望ましい。
図1の例では、スペーサー4と肥料袋8とをそれぞれ設けているが、これに限らず、肥料袋8を構成する袋状体に適宜の剛性(保形性)及び高さを持たせてスペーサー4を兼ねるようにしてもよく、あるいは、肥料袋8を構成する袋状体の断面積(単位長さ当たりの収容量)がある程度大きく、この袋状体に収容する肥料等の収容量もある程度多い、比較的大型の(上下厚みの大きい)肥料袋8全体がスペーサー4を兼ねるようにしてもよい。このように、肥料袋8(の一部または全部)がスペーサー4を兼ねる、換言すれば、スペーサー4が肥料袋8(の一部または全部)を兼ねるようにすれば、部材点数や防草緑化マットの設置に掛かる労力等の削減を図ることが容易となる。
ここで、単に比較的大型の肥料袋8全体がスペーサー4を兼ねるようにした場合、経年により肥料袋8が分解することも考えられるが、貫通抑制部材5を通過できなかった植物(競合種C等)は貫通抑制部材5の下方で巻いて成長し、この巻いた状態の植物が貫通抑制部材5の高さを保つスペーサーの役割を果たすので、貫通抑制部材5の高さは維持されることになる。さらに、貫通抑制部材5の下方で競合種C等の植物が巻いて成長するに伴い、その根が地山に張られるため、地山の表層浸食や初期の表層崩落が防止される。なお、貫通抑制部材5の下方で競合種C等の植物が巻いて成長しても、貫通抑制部材5を例えばメッシュ状部材等にすることにより、その巻いた植物が外側から見え難くすることができ、ひいては見栄えの向上や景観維持を図ることが可能となる。
スペーサー4を、肥料袋8と同等の長さを持った長尺の硬化袋(図示していない)によって構成してもよい(換言すれば、スペーサー4が硬化袋を兼ねてもよい)。この硬化袋としては、例えば袋状体にドライモルタルを収容したモルタル袋の他、骨材を含まないドライセメント等のセメント系資材や石膏等、他の硬化材料を袋状体に収容してなる袋を用いることが考えられる。
ここで、硬化袋は、肥料袋8と同様にネット7に装着等してもよく、例えば硬化袋を貫くアンカーピン等の固定部材を打設して硬化袋を法面N上に固定すれば、硬化材料の硬化後に硬化袋が固定部材の頭部と強固に連結され一体構造になるので、ネット7の縦横の両方向の補強効果も得られる。特に、ネット7がラッセル編み(鎖編み)によって得られたものであると、横方向の強度は縦方向の強度よりも劣り、そのために横方向にずれ(伸び)やすくなるが、この横方向の強度は硬化材料が硬化した後の硬化袋によって大幅に補強されることになり、硬化袋で法面Nをしっかり押さえることで、ネット7の伸縮性が制限され、法面N表層の保護機能が向上することにもなる。すなわち、防草緑化マットを展開し、固定部材で固定するのみで、法面Nの表層浸食や転石落下の初動を効果的に抑制することができ、それに起因する小崩落を防止できる。
ここで、ネット7に平織りやカラミ織りではなくラッセル編みを採用した場合、伸縮性が良好で、目合いを押し広げることができるので、貫通した植物の茎が太く育つことが可能となる、一箇所の切断が連覇しにくい、といったメリットも得られる
貫通抑制部材5の少なくとも上面(地山側とは反対の面)に撥水性を持たせるようにしてもよい。すなわち、貫通抑制部材5は、目的種Tの貫通を可能とするものであり、少なくとも目的種Tが貫通抑制部材5を貫通した状態では、貫通抑制部材5をその厚み方向に貫く貫通孔が形成されていることになり、この貫通孔を通じて植物の成長に必要な雨水は植物に供給されるが(ただし、上記実施の形態では、貫通抑制部材5をメッシュ状としてあるので、目的種Tの貫通前から雨水の通路となる貫通孔は存在している)、上記の撥水性により、余剰雨水の排水性を高めることで、集中豪雨時でも法面Nの浸食や崩落の発生を防ぎ、目的種Tや地山表面土の流亡も防止することができる。
ここで、貫通抑制部材5の少なくとも上面に撥水性を持たせるに際し、貫通抑制部材5に撥水性を有する材料を用いてもよいし、撥水性を持たない貫通抑制部材5の上面等に撥水加工等の表面加工を施すようにしてもよい。
上記実施の形態では、貫通抑制部材5をメッシュ状としてあるが、これに限らず、例えば不織布によって貫通抑制部材5を構成してもよい。
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 目的種の種子(導入種子)
2 植生部
3 空間部
4 スペーサー
5 貫通抑制部材
6 薄綿シート
7 ネット
8 肥料袋
9 収容部
C 競合種
T 目的種

Claims (10)

  1. 目的種の種子を備えた植生部、前記目的種と競合種の両植物が成長可能な空間部、前記目的種の貫通は可能であり前記目的種より葉幅の広い前記競合種の貫通を抑制する貫通抑制部材が、地面側からこの順に高さ方向に設けられた防草緑化マット。
  2. 前記植生部又は前記空間部に肥料袋を備える請求項1に記載の防草緑化マット。
  3. 前記貫通抑制部材は、スペーサーを介して少なくともその一部が前記植生部から浮いた状態で設けられる請求項1または2に記載の防草緑化マット。
  4. 前記スペーサーは、互いに間隔をあけて等高線と略平行に帯状に設けられる請求項3に記載の防草緑化マット。
  5. 前記スペーサーは、肥料袋を跨ぐように、又は肥料袋を収容するように設けられる請求項3または4に記載の防草緑化マット。
  6. 前記スペーサーは、肥料袋を兼ねる請求項3または4に記載の防草緑化マット。
  7. 前記スペーサーは、硬化袋を兼ねる請求項3または4に記載の防草緑化マット。
  8. 前記貫通抑制部材はメッシュ状部材である請求項1~7の何れか一項に記載の防草緑化マット。
  9. 全体として可撓性を有し、ロール状に巻き取り可能である請求項1~8の何れか一項に記載の防草緑化マット。
  10. 目的種の種子を備えた植生部、前記目的種と競合種の両植物が成長可能な空間部、前記目的種の貫通は可能であり前記目的種より葉幅の広い前記競合種の貫通を抑制する貫通抑制部材が、地面側からこの順に高さ方向に設けられ、前記目的種には、トールフェスクまたはバミューダグラスの少なくとも一方を含む防草緑化マット。
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