JP2022091549A - 電流センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】検出精度の向上を図ることのできる電流センサを提供する。【解決手段】一方向を長手方向として長手方向に電流が流れる平板状とされたバスバー30と、バスバー30に流れる電流に応じて発生する磁界に基づいた検出信号を出力するセンサ部40と、バスバー30およびセンサ部40が対向する状態で配置されるセンサ筐体10と、センサ筐体10より透磁率の高い材料で構成され、センサ部40およびバスバー40を挟んだ状態でセンサ筐体10に配置される一対の第1シールド部71および第2シールド部72とを備える。そして、第1シールド部71および第2シールド部72の少なくとも一方には、センサ部40と対向する部分に、バスバー30の面方向に対する法線方向に対して傾斜する傾斜部71bが構成されるようにする。【選択図】図3
Description
本発明は、バスバーに流れる電流を検出する電流センサに関するものである。
従来より、バスバーに流れる電流を検出する電流センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この電流センサでは、センサ筐体に、電流を流すバスバーが配置されていると共に、磁界に応じた検出信号を出力するセンサ部が配置されている。なお、バスバーおよびセンサ部は、互いに対向するように配置されている。また、センサ筐体には、バスバーとセンサ部とを挟むように、一対のシールド部が備えられている。
このような電流センサでは、バスバーに電流が流れると当該バスバーの周りに電流に応じた信号磁界が構成され、センサ部から信号磁界に応じた検出信号が出力される。このため、検出信号に基づいてバスバーに流れる電流が検出される。
このような電流センサでは、検出精度の向上を図ることが望まれている。
本発明は上記点に鑑み、検出精度の向上を図ることのできる電流センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1では、バスバー(30)に流れる電流を検出する電流センサであって、一方向を長手方向として長手方向に電流が流れる平板状とされたバスバーと、バスバーに流れる電流に応じて発生する磁界に基づいた検出信号を出力するセンサ部(40)と、バスバーおよびセンサ部が対向する状態で配置されるセンサ筐体(10)と、センサ筐体より透磁率の高い材料で構成され、センサ部およびバスバーを挟んだ状態でセンサ筐体に配置される一対の第1シールド部(71)および第2シールド部(72)と、を備え、第1シールド部および第2シールド部の少なくとも一方は、センサ部と対向する部分に、バスバーの面方向に対する法線方向に対して傾斜する傾斜部(71b)が構成されている。
これによれば、第1シールド部および第2シールド部の少なくとも一方には、センサ部と対向する部分に傾斜部が形成されている。このため、傾斜部が形成されているシールド部側からセンサ部に向かう方向に沿った電磁ノイズが傾斜部に沿って誘導され易くなり、当該方向に沿った電磁ノイズがセンサ部に達することを抑制できる。また、センサ部は、バスバーに流れる電流に応じて発生する磁界に基づいた検出信号を出力するものであり、当該磁界の接線方向と感受面の法線方向とが一致するように配置される。したがって、センサ部の組付け誤差が発生し、感受面の法線方向がずれたとしても、センサ部に電磁ノイズが達することが抑制されるため、検出精度が低下することを抑制できる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の電流センサは、例えば、車両に搭載され、三相モータを駆動するインバータに流れる電流を検出するのに利用されると好適である。また、本実施形態の電流センサは、集磁コアを必要としないコアレス型の磁気平衡式電流センサに適用されると好適である。
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の電流センサは、例えば、車両に搭載され、三相モータを駆動するインバータに流れる電流を検出するのに利用されると好適である。また、本実施形態の電流センサは、集磁コアを必要としないコアレス型の磁気平衡式電流センサに適用されると好適である。
電流センサは、図1~図3に示されるように、センサ筐体10、接続端子20、バスバー30、センサ部40、配線基板50、第1シールド部71、第2シールド部72、蓋部80等を備える構成とされている。なお、図1では、蓋部80を省略して示してある。
センサ筐体10は、絶縁性の樹脂材料で構成されており、一面100aおよび他面100bを有する直方体状の基部100と、基部100に備えられたコネクタ部120とを有している。以下では、基部100における一面100aの面方向に沿った一方向をX軸方向とし、X軸方向と直交すると共に基部100の面方向に沿った方向をY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に沿った方向をZ軸方向として説明する。そして、本実施形態では、コネクタ部120は、基部100におけるX軸方向の一端部において、Z軸方向に沿って延設されている。
基部100には、一面100a側に第1収容凹部101が形成され、他面100b側に第2収容凹部111が形成されている。第1収容凹部101には、後述する配線基板50に形成されるガイド用凹部52と対応するガイド用凸部102、配線基板50を支持する基板用支持部103、配線基板50と接合される基板用接合部104が構成されている。また、第1収容凹部101には、後述する第1シールド部71を支持するシールド用支持部105、第1シールド部71と接合されるシールド用接合部106が形成されている。
なお、図2に示されるように、基板用支持部103および基板用接合部104は、第1収容凹部101の底面における内縁側に配置されている。シールド用支持部105およびシールド用接合部106は、第1収容凹部101の底面における基板用支持部103および基板用接合部104が配置される部分よりも外縁側に配置されている。より詳しくは、シールド用支持部105およびシールド用接合部106は、第1収容凹部101に配線基板50が配置された際に、配線基板50の外側から突き出す位置に形成されている。
また、基板用支持部103は、基板用接合部104よりも高さが僅かに高くされている。シールド用支持部105およびシールド用接合部106は、基板用支持部103および基板用接合部104よりも高さが高くされている。基板用支持部103は、基板用接合部104よりも高さが僅かに高くされている。
第2収容凹部111は、図3に示されるように、後述する第2シールド部72を支持するシールド用支持部112が形成されている。また、第2収容凹部111は、後述する第2シールド部72が配置される部分であり、第2シールド部72の構造に対応した形状とされている。本実施形態では、後述するように第2シールド部72が壁部72bを有する構造とされているため、第2収容凹部111には、x軸方向における両端部に、z軸方向に沿った溝部113が形成されている。
コネクタ部120は、第1収容凹部101と対向する部分に開口部121が形成されている。また、センサ筐体10には、図1および図2に示されるように、外表面に、後述する蓋部80に形成された結合用凹部81に対応する結合用凸部130が形成されている。
接続端子20は、金属製の棒状部材で構成されており、複数本がセンサ筐体10にインサート成形されて固定されている。具体的には、各接続端子20は、図3に示されるように、一端部が第1収容凹部101から露出すると共に、他端部がコネクタ部120の開口部121から露出するように、センサ筐体10にインサート成形されて固定されている。そして、接続端子20の他端部は、ワイヤハーネス等と接続されて外部回路と接続される。
バスバー30は、銅等の導体部材で構成され、一方向を長手方向とする平板状とされている。そして、バスバー30は、長手方向における中央部が第1収容凹部101と第2収容凹部111との間に位置しつつ両端部が露出するように、センサ筐体10にインサート成形されている。本実施形態のバスバー30は、長手方向がY軸方向に沿うようにセンサ筐体10に固定されている。
以下、図4に示されるように、バスバー30のうちのセンサ筐体10に被覆される部分を被覆部31とし、センサ筐体10から露出する部分を締結部32とする。なお、図4中の点線は、被覆部31と締結部32との境界部を示している。そして、締結部32には、被取付部材に取り付けられるための締結孔320が形成されている。
被覆部31には、長手方向と交差する方向を幅方向(すなわち、図3および図4中ではX軸方向)とすると、幅方向の長さ(以下では、単に幅ともいう)が締結部32より短くなる幅狭部310が構成されている。本実施形態では、切欠部311によって幅が徐々に短くなるテーパ部312が構成されることにより、被覆部31に幅狭部310が構成されている。
なお、図4では被覆部31と締結部32との境界部より被覆部31側の位置からテーパ部312が形成されている例を示しているが、テーパ部312は、被覆部31と締結部32との境界部から形成されていてもよい。また、バスバー30のうちのXY平面と交差する面を側面とすると、図4ではテーパ部312を構成するバスバー30の側面が平面状とされている例を示しているが、テーパ部312を構成するバスバー30の側面は、曲面状とされていてもよい。さらに、図4では切欠部311を形成してテーパ部312を構成しているが、切欠部311は、テーパ部312を構成しないように形成されていてもよい。つまり、切欠部311は、当該切欠部311を構成する側面がX軸方向と平行(すなわち、バスバー30の長手方向と直交)となるように形成されていてもよい。
センサ部40は、当該センサ部40を透過する信号磁界に応じて検出信号を出力するものであり、例えば、ホール素子、TMR(tunnel magneto resistanceの略)素子、GMR(giant magnetic resistanceの略)素子、AMR(anisotropic magneto resistanceの略)素子等を含んで構成されている。
配線基板50は、図2および図3に示されるように、一面50aおよび他面50bを有するプリント基板等で構成されており、配線パターンや信号処理回路等が適宜形成されていると共に、図示しない電子部品が搭載されている。そして、配線基板50の他面50bには、配線パターン等と電気的に接続されるように、センサ部40が搭載されている。本実施形態では、センサ部40がY軸方向に沿って2つ備えられている。そして、配線基板50と接続される外部回路は、各センサ部40から出力される検出信号に基づいて故障判定等も行う。
また、配線基板50には、複数の貫通ビア51が形成されていると共に、第1収容凹部101に形成されたガイド用凸部102に対応するガイド用凹部52が形成されている。なお、貫通ビア51は、詳細な構成については省略するが、貫通孔に、配線パターンと電気的に接続されるスルーホール電極等が形成されて構成されている。
そして、配線基板50は、他面50bがバスバー30と対向するように、センサ筐体10の第1収容凹部101に固定されている。具体的には、配線基板50は、ガイド用凹部52がガイド用凸部102と嵌合するように第1収容凹部101に配置されている。また、配線基板50は、貫通ビア51に接続端子20の一端部が挿通され、はんだ等の導電部材60を介して接続端子20と電気的、機械的に接続されている。さらに、配線基板50は、他面50bが基板用支持部103と当接しつつ、基板用接合部104との間に配置された接着剤等の接合部材61を介して機械的に接続されている。
また、配線基板50は、YZ平面がセンサ部40の感受面となるように第1収容凹部101に配置される。つまり、配線基板50は、センサ部40がX軸方向に沿った磁界に応じた検出信号を出力するように第1収容凹部101に配置される。さらに、配線基板50は、バスバー30の幅狭部310のうちの幅方向における中心とセンサ部40とが対向するように第1収容凹部101に配置される。なお、上記のように、第1収容凹部101に形成されたシールド用支持部105およびシールド用接合部106は、第1収容凹部101に配線基板50が配置された際、配線基板50の外側から配線基板50の一面50a側に突き出すように形成されている。
第1シールド部71および第2シールド部72は、センサ筐体10よりも透磁率の高いパーマロイや電磁鋼板等で構成されて平板状とされている。本実施形態の第1シールド部71および第2シールド部72は、図5に示されるように、第1~第5平板701~705が積層され、圧入部710によって一体化された構成とされている。
本実施形態では、次のように第1~第5平板701~705が一体化されている。すなわち、積層方向における最外層を構成する第1平板701には、貫通孔701aが形成されている。そして、第2平板702は、第1平板701に形成された貫通孔701aに圧入されることで第1平板701と一体化されている。また、第2平板702には、圧入された部分に凹部702aが構成されている。第3平板703は、第2平板702に構成された凹部702bに圧入されることで第2平板702と一体化されている。また、第3平板703には、圧入された部分に凹部703aが構成されている。第4平板704は、第3平板703に構成された凹部703aに圧入されることで第3平板703と一体化されている。また、第4平板704は、圧入された部分に凹部704aが構成されている。第5平板705は、第4平板704に構成された凹部704aに圧入されることで第4平板704と一体化されている。また、第5平板705は、圧入された部分に凹部705aが構成されている。
本実施形態の第1シールド部71および第2シールド部72は、このようにして第2~第5平板702~705が圧入されることで構成される圧入部710によって第1~第5平板701~705が一体化されている。つまり、第1シールド部71および第2シールド部72は、第2~第5平板702~705が貫通孔701aに基づく部分(すなわち、貫通孔701aおよび各凹部702a~705a)に圧入された圧入部710によって一体化されている。また、本実施形態では、全体として、圧入部710における第5平板705側に凹部710aが形成されるように、第1シールド部71および第2シールド部72が構成されている。つまり、第1平板701の貫通孔701aにおける第2平板702が圧入されていない部分の深さは、第5平板705に構成される凹部705aの深さよりも浅くなっている。
そして、第1シールド部71は、図2に示されるように、Z軸方向から視た平面視において矩形状とされており、角部に切欠部71aが形成されている。また、第1シールド部71は、X軸方向における内縁側にXY平面に対する法線方向に対して傾斜した傾斜部71bが構成され、X軸方向における両端側がXY平面と平行な平板部71cとされている。本実施形態では、傾斜部71bは、第1平板701側に折り曲げられて構成された平面状とされ、プレス成型等によって構成されている。また、傾斜部71bは、第1シールド部71のうちのX軸方向における中心を基準として対称に形成されている。
第2シールド部72は、平面矩形状とされた平板部72aと、平板部72aにおける相対する一辺に折り曲げられた壁部72bとを有する構成とされている。本実施形態では、第2シールド部72は、X軸方向における両端部が折り曲げられて壁部72bが構成されている。なお、本実施形態の壁部72bは、第5平板705側に折り曲げられて構成されている。
また、第1シールド部71および第2シールド部72は、それぞれX軸方向に沿った長さがバスバー30における幅狭部310のX軸方向に沿った長さ(すなわち、幅)よりも長くされている。
そして、第1シールド71部および第2シールド部72は、第1シールド部71と第2シールド部72との間に、配線基板50およびバスバー30が配置されるように、センサ筐体10に配置されている。
具体的には、図3に示されるように、第1シールド部71は、シールド用支持部105上に配置されている。また、第1シールド部71は、図3とは別断面において、シールド用接合部106上に配置された接合部材を介して第1収容凹部101に配置されている。
この場合、第1シールド部71は、平板部71cがバスバー30の面方向と平行となり、センサ部40と対向する部分の少なくとも一部に傾斜部71bが位置するように配置される。つまり、第1シールド部71の傾斜部71bは、第1シールド部71のうちのセンサ部40と対向する部分に形成される。言い換えると、第1シールド部71は、センサ部40と対向する部分に、バスバー30の面方向に対する法線方向(すなわち、Z軸方向)に対して傾斜した傾斜部71bを有する構成とされている。本実施形態では、第1シールド部71は、センサ部40のX軸方向における中心と対向する部分を基準として傾斜部71bが対称に形成されている。言い換えると、傾斜部71bは、センサ部40の中心を通り、Z軸方向に延びる仮想線Kに対して対称に形成されている。
第2シールド部72は、壁部72bが溝部113に挿入されつつ、シールド用支持部112と当接し、第2収容凹部111の底面に配置された接合部材114を介して固定されている。
そして、第1シールド部71および第2シールド部72は、上記のように配置されるため、それぞれの第5平板705が対向するように配置される。このため、第1シールド部71および第2シールド部72は、全体として圧入部710による凹部710a側が構成される側の面が対向するように配置されている。
蓋部80は、樹脂材料で構成されており、図1および図2に示されるように、センサ筐体10における基部100の一面100a側の外形に対応した形状とされている。また、蓋部80には、センサ筐体10の結合用凸部130に対応する結合用凹部81が形成されている。すなわち、センサ筐体10および蓋部80には、一対の嵌合部が形成されている。そして、蓋部80は、基部100の第1収容凹部101を閉塞するように、結合用凹部81に結合用凸部130がスナップフィット結合されてセンサ筐体10に固定されている。
以上が本実施形態における電流センサの構成である。このような電流センサでは、バスバー30に電流が流れることにより、アンペールの法則によってバスバー30の周りに円環状の信号磁界が発生する。本実施形態では、バスバー30がY軸方向に沿って配置され、電流の流れ方向がY軸方向に沿った方向となるため、Y軸方向の周りに信号磁界が発生する。そして、センサ部40は、当該信号磁界に応じた検出信号を出力する。これにより、バスバー30に流れる電流が検出される。
この場合、本実施形態では、センサ部40が第1シールド部71および第2シールド部72の間に配置されている。そして、第1シールド部71および第2シールド部72は、平板状とされているため、面方向に沿った方向の透磁率が高くなる。このため、第1シールド部71および第2シールド部72は、図3に示されるように、面方向に沿って電磁ノイズNを誘導し易くなる。したがって、第1シールド部71に傾斜部71bが形成されておらず、第1シールド部71が全体としてXY平面と平行とされている場合には、Z軸方向に沿った電磁ノイズがセンサ部40に到達し易くなる。
ところで、このような電流センサでは、センサ部40の配線基板50への組付け誤差や、配線基板50の第1収容凹部101への組付け誤差等により、センサ部40の感受面がYZ平面に対してずれてしまうことがある。この場合、このような電流センサでは、Z軸方向に沿った電磁ノイズNがセンサ部40に達してしまうと、電磁ノイズNによって検出精度が低下する可能性がある。
したがって、本実施形態の電流センサでは、第1シールド部71のうちのセンサ部40と対向する部分に傾斜部71bが形成されている。このため、第1シールド部71側からセンサ部40に向かうZ軸方向に沿った電磁ノイズNが印加された際、図3に示されるように、電磁ノイズNは、傾斜部71bに沿って誘導され易くなり、電磁ノイズNがセンサ部40に達することを抑制できる。これにより、本実施形態の電流センサでは、センサ部40の組付け誤差が発生したとしても、電磁ノイズNによって検出精度が低下することを抑制できる。
以上説明した本実施形態によれば、第1シールド部71には、センサ部40と対向する部分に傾斜部71bが形成されている。このため、第1シールド部71側からセンサ部40に向かうZ軸方向に沿った電磁ノイズNが傾斜部71bに沿って誘導され易くなり、電磁ノイズNによって検出精度が低下することを抑制できる。
(1)本実施形態では、第1シールド部71は、傾斜部71bが仮想線Kに対して対称となる状態で配置されている。このため、第1シールド部71とセンサ部40との位置ずれが発生したとしても、第1シールド部71のうちのセンサ部40と対向する部分に傾斜部71bが構成された状態となり易い。したがって、第1シールド部71とセンサ部40との位置ずれによって検出精度が低下することを抑制できる。
(2)本実施形態では、バスバー30の被覆部31には、切欠部311が形成されることにより、締結部32より幅が短くされた幅狭部310が構成されている。このため、バスバー30に電流としての直流電流が流れる場合には、幅狭部310を流れる電流密度を高くでき、センサ部40を通過する信号磁界を大きくできる。したがって、検出精度の向上を図ることができる。
また、バスバー30に電流としての交流電流が流れる場合、交流電流は、電流の流れ方向を法線方向とする断面(すなわち、XZ平面)において、表皮効果によってバスバー30の端部に集中し易い。このため、被覆部31の幅が締結部32の幅と等しくされている場合、被覆部31の幅方向における中心を流れる電流密度が小さくなり易く、センサ部40を通過する信号磁界が小さくなることで検出精度が低下し易い。
これに対し、本実施形態では、被覆部31に幅狭部310が形成されている。このため、幅狭部310では、幅方向の中心を流れる電流密度が低下することを抑制できる。したがって、検出精度が低下することを抑制できる。
具体的には、図6に示されるように、バスバー30に交流電流が流れる場合、切欠部311が形成されることにより、振幅比が小さくなることを抑制できることが確認される。また、図7に示されるように、バスバー30に交流電流が流れる場合、切欠部311が形成されることにより、位相遅れを小さくできることが確認される。なお、図6における振幅比とは、バスバー30に直流電流を流した場合に構成される信号磁界を基準の値とし、当該直流電流と最大電圧が等しい交流電圧を流した場合に構成される信号磁界と基準の値との比のことである。また、図6および図7における切欠部なしとは、バスバー30に幅狭部310が形成されておらず、被覆部31の幅と締結部32の幅とが等しくされている電流センサのことである。
(3)本実施形態では、第1シールド部71および第2シールド部72が第1~第5平板701~705が積層されて構成されている。このため、一枚の平板で本実施形態と同じ厚さの第1シールド部71および第2シールド部72を構成した場合と比較して、渦電流が流れ難くなり、渦電流損を低減できる。
(4)本実施形態では、第1シールド部71および第2シールド部72は、全体として圧入部710による凹部710a側が構成される側の面が対向するように配置されている。このため、凹部710aが構成されている部分では、第1シールド部71と第2シールド部72との間隔を長くでき、磁気抵抗が高くなる。したがって、第1シールド部71と第2シールド部72との間での磁気交換作用を低減でき、第1シールド部71および第2シールド部72が磁気飽和し易くなることを抑制できる。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態の変形例について説明する。上記第1実施形態において、第1シールド部71に加え、第2シールド部72にも傾斜部71bを備えるようにしてもよい。これによれば、Z軸方向に沿った電磁ノイズNがセンサ部40に達することをさらに抑制できる。また、上記第1実施形態において、傾斜部71bは、第2シールド部72のみに備えられていてもよい。
上記第1実施形態の変形例について説明する。上記第1実施形態において、第1シールド部71に加え、第2シールド部72にも傾斜部71bを備えるようにしてもよい。これによれば、Z軸方向に沿った電磁ノイズNがセンサ部40に達することをさらに抑制できる。また、上記第1実施形態において、傾斜部71bは、第2シールド部72のみに備えられていてもよい。
さらに、上記第1実施形態について、図8に示されるように、第1シールド部71は、センサ部40と対向する部分の全体が傾斜部71bとされていてもよい。これによれば、第1シールド部71側からセンサ部40に向かうZ軸方向に沿った電磁ノイズNが傾斜部71bに沿ってさらに誘導され易くなる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、蓋部80に押圧部82を形成したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、蓋部80に押圧部82を形成したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の電流センサでは、図9に示されるように、蓋部80の内面80aに押圧部82が形成されている。なお、蓋部80の内面80aとは、蓋部80のうちの基部100の一面100a側の面のことである。
本実施形態の押圧部82は、例えば、蓋部80と一体的に成形された樹脂製のバネ部で構成されている。また、押圧部82は、複数備えられ、蓋部80の内面80aのうちの第1シールド部71と対向する部分の中心を基準として対称に備えられている。
そして、蓋部80は、押圧部82が第1シールド部71を押圧するように、センサ筐体10と一体化されている。
以上説明した本実施形態によれば、第1シールド部71に傾斜部71bが構成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、蓋部80は、押圧部82が形成され、押圧部82が第1シールド部71を押圧する状態で配置されている。このため、センサ筐体10からの熱応力や振動等に起因して第1シールド部71を構成する第1~第5平板701~705の間に隙間が形成されることを抑制でき、第1シールド部71が発揮するシールド効果が低減することを抑制できる。
(2)本実施形態では、押圧部82は、複数形成され、内面80aのうちの第1シールド部71と対向する部分の中心を基準として対称に備えられている。このため、第1シールド部71をZ軸方向に沿って均等に押圧でき、第1シールド部71が傾くことを抑制できる。
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態の変形例について説明する。上記第2実施形態において、押圧部82は、蓋部80と別部材で構成され、蓋部80に接着剤等を介して取り付けられたバネ部で構成されていてもよい。また、上記第2実施形態において、第2収容凹部111を閉塞する蓋部を備え、当該蓋部に第2シールド部72を押圧する押圧部を備えるようにしてもよい。
上記第2実施形態の変形例について説明する。上記第2実施形態において、押圧部82は、蓋部80と別部材で構成され、蓋部80に接着剤等を介して取り付けられたバネ部で構成されていてもよい。また、上記第2実施形態において、第2収容凹部111を閉塞する蓋部を備え、当該蓋部に第2シールド部72を押圧する押圧部を備えるようにしてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、バスバー30に溝部を形成したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、本実施形態の電流センサは、特に、バスバー30に直流電流が流れるものに適用されると好適である。
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、バスバー30に溝部を形成したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、本実施形態の電流センサは、特に、バスバー30に直流電流が流れるものに適用されると好適である。
本実施形態の電流センサでは、図10および図11に示されるように、バスバー30のうちの被覆部31に、溝部313が形成されている。具体的には、溝部313は、被覆部31における幅方向の中心において、Y軸方向に沿って形成されている。また、本実施形態の溝部313は、電流の流れ方向を法線方向とする断面形状が略V字状とされている。なお、このような溝部313は、例えば、プレス成型等によって形成される。そして、センサ部40は、溝部313が形成される部分と対向するように配置されている。
以上説明した本実施形態によれば、第1シールド部71に傾斜部71bが構成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、バスバー30の被覆部31に溝部313が形成されている。そして、センサ部40は、溝部313が形成される部分と対向するように配置されている。このため、位置ずれの許容範囲を広くでき、検出精度が低下することを抑制できる。
すなわち、上記第1実施形態のような電流センサでは、バスバー30に直流電流が流れることによってバスバー30の周りに信号磁界が発生する。この場合、図12Aに示されるように、センサ部40がバスバー30の幅方向における中心と対向するように配置されることにより、信号磁界Tの接線とセンサ部40の感受面に対する法線方向が一致するため、センサ部40からの出力を最大とできる。
しかしながら、センサ部40がバスバー30の幅方向(すなわち、X軸方向)にずれて配置されると、信号磁界Tの接線と感受面の法線方向とが一致せず、センサ部40からの出力が低下する。この場合、信号磁界Tの接線と感受面の法線方向との成す角度が大きくなるほど、センサ部40からの出力が低下する。
これに対し、本実施形態では、バスバー30の幅方向の中心に溝部313が形成されている。この場合、溝部313が形成されている部分では、電流経路が狭くなって電流が流れ難くなるため、図12Bに示されるように、バスバー30の幅方向における中心上の信号磁界Tが低下する。具体的には、バスバー30の溝部313が形成される側の信号磁界Tは、バスバー30の面方向に対して略平行となる。
したがって、本実施形態の電流センサでは、センサ部40がバスバー30の幅方向にずれたとしても、信号磁界Tの接線とセンサ部40の感受面に対する法線方向との成す角度が変化し難くなるため、出力が変化し難くなる。ここで、図11に示されるように、溝部313における開口部の幅を溝幅wとし、溝部313における開口部から底部までの深さを溝深さhとする。また、バスバー30の幅方向における中心上の位置を基準(すなわち、感受面方向のずれ量が0)とし、センサ部40のX軸方向のずれ量を感受面方向のずれ量とする。この場合、図13Aおよび図13Bに示されるように、溝部313を形成することにより、感受面方向のずれ量に対して信号磁界Tが一定となる部分を増加できることが確認される。詳しくは、図13Aに示されるように、溝深さhが一定である場合には、溝幅wを広げるほど、感受面方向のずれ量に対して信号磁界Tが一定となる部分が増加することが確認される。また、図13Bに示されるように、溝幅wが一定である場合には、溝深さhを深くするほど、感受面方向のずれ量に対して信号磁界Tが一定となる部分が増加することが確認される。したがって、本実施形態の電流センサでは、位置ずれの許容範囲を広くでき、位置ずれが発生したとしても検出精度が低下することを抑制できる。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態の変形例について説明する。上記第3実施形態において、溝部313は、図14に示されるように、電流の流れ方向を法線方向とする断面形状において、底部が円弧状とされた断面U字状とされていてもよい。なお、図14は、図10中のXI-XI線に沿った断面図に相当している。この場合、図15Aに示されるように、溝深さhが一定である場合には、溝幅wを調整することにより、感受面方向のずれ量に対して信号磁界Tが一定となる部分を増加できることが確認される。また、図15Bに示されるように、溝幅wが一定である場合には、溝深さhを調整することにより、感受面方向のずれ量に対して信号磁界Tが一定となる部分を増加できることが確認される。
上記第3実施形態の変形例について説明する。上記第3実施形態において、溝部313は、図14に示されるように、電流の流れ方向を法線方向とする断面形状において、底部が円弧状とされた断面U字状とされていてもよい。なお、図14は、図10中のXI-XI線に沿った断面図に相当している。この場合、図15Aに示されるように、溝深さhが一定である場合には、溝幅wを調整することにより、感受面方向のずれ量に対して信号磁界Tが一定となる部分を増加できることが確認される。また、図15Bに示されるように、溝幅wが一定である場合には、溝深さhを調整することにより、感受面方向のずれ量に対して信号磁界Tが一定となる部分を増加できることが確認される。
同様に、溝部313は、図16に示されるように、電流の流れ方向を法線方向とする断面形状において、断面矩形状とされていてもよい。なお、図16は、図10中のXI-XI線に沿った断面図に相当している。この場合、図17Aに示されるように、溝深さhが一定である場合には、溝幅wを調整することにより、感受面方向のずれ量に対して信号磁界Tが一定となる部分を増加できることが確認される。また、図17Bに示されるように、溝幅wが一定である場合には、溝深さhを深くするほど、感受面方向のずれ量に対して信号磁界Tが一定となる部分を増加できることが確認される。
なお、例えば、溝部313を断面U字状とした場合には、溝部313を断面V字状とした場合と比較すると、溝幅wおよび溝深さhが同じであるとすると、溝部313の体積が大きくなる。このため、図15Aおよび図15Bに示されるように、溝部313を断面U字状とした場合には、上記第3実施形態と比較すると、溝深さhおよび溝幅wによっては、センサ部40をバスバー30の中心上に配置した場合(すなわち、感受面方向のずれ量が0)、センサ部40をX軸方向にずらして配置した場合よりも、センサ部40を通過する信号磁界Tが低下する。例えば、溝深さhを0.2mmとすると共に溝幅wを1.0mmとし、センサ部40をバスバー30の中心上に配置した場合には、センサ部40をX軸方向にずらして配置した場合よりもセンサ部40を通過する信号磁界Tが低下する。このため、溝部313は、断面形状に応じて、溝幅wおよび溝深さhが調整されることが好ましい。例えば、溝部313を断面U字状として図15Aおよび図15Bに示される結果が得られる場合には、溝深さhを0.2mmとすると共に溝幅wを0.4mmとすることにより、位置ずれの許容範囲を広くしつつ、センサ部40を通過する信号磁界Tが低下することを抑制できる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、バスバー30に凸部を形成したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、バスバー30に凸部を形成したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の電流センサでは、図18に示されるように、バスバー30の被覆部31のうちの幅狭部310に、バスバー30の幅方向に突出する凸部310aが形成されている。本実施形態では、凸部310aは、幅狭部310を挟んで両側に形成されている。このため、被覆部31は、幅狭部310の一部の幅が広くなっている。
また、本実施形態の凸部310aは、幅狭部310と連結される部分の側面と、バスバー30の長手方向との成す角度θが90°以上となる形状とされている。本実施形態では、凸部310aが平面略矩形状とされ、成す角度θが90°とされている。
以上説明した本実施形態によれば、第1シールド部71に傾斜部71bが構成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、幅狭部310に凸部310aが形成されている。このため、バスバー30が高温になることを抑制できる。すなわち、上記第1実施形態のように、バスバー30に幅狭部310を形成することにより、バスバー30に直流電流が流れる場合には幅狭部310を流れる電流密度を増加できる。また、バスバー30に幅狭部310を形成することにより、バスバー30に交流電流が流れる場合には、幅狭部310の幅方向における中心の電流密度が低下することを抑制できる。しかしながら、バスバー30に幅狭部310を形成することにより、電流が流れ得る部分が減少するため、発熱によってバスバー30が高温となり易い。
このため、本実施形態のように幅狭部310に凸部310aを形成することにより、凸部310aから放熱することができ、バスバー30が高温になることを抑制できる。したがって、センサ筐体10に発生する熱応力を低減でき、配線基板50等に熱応力が印加され、位置ずれや故障等が発生することを抑制できる。
(2)本実施形態では、凸部310aは、幅狭部310と連結される部分の側面と、バスバー30の長手方向との成す角度が90°以上となる形状とされている。このため、特に、凸部310aのうちの成す角度が90°以上となる部分には、幅狭部310に流れる電流が入り込み難くなる。したがって、放熱性を向上しつつ、凸部310aを形成することによる電流密度が低下することを抑制できる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、第1シールド部71および第2シールド部72の圧入部710の位置を規定したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、本実施形態の電流センサは、特に、バスバー30に直流電流を流す電流センサに適用されると好適である。
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、第1シールド部71および第2シールド部72の圧入部710の位置を規定したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、本実施形態の電流センサは、特に、バスバー30に直流電流を流す電流センサに適用されると好適である。
本実施形態の第1シールド部71および第2シールド部72は、上記第1実施形態と同様に、第1~第5平板701~705が積層され、圧入部710にて一体化された構成とされている。そして、本実施形態では、圧入部710は、バスバー30に直流電流を流した際、第1シールド部71および第2シールド部72のうちの磁束密度が低くなり易い部分に形成されている。
すなわち、図19に示されるように、バスバー30に直流電流を流した際、第1シールド部71の磁束密度は、バスバー30と対向する内縁部が高くなり易く、バスバー30と対向する部分の外側に位置する外縁部が低くなり易い。なお、図19は、第1シールド部71の磁束密度を示しているが、第2シールド部72における磁束密度も図19と同様となる。このため、本実施形態では、第1シールド部71および第2シールド部72の圧入部710は、外縁部に形成されている。
以上説明した本実施形態によれば、第1シールド部71に傾斜部71bが構成されているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、第1シールド部71および第2シールド部72に構成される圧入部710は、外縁部に形成されている。このため、第1シールド部71および第2シールド部72が磁気飽和し易くなることを抑制でき、検出精度が低下することを抑制できる。
すなわち、上記のような電流センサでは、第1シールド部71および第2シールド部72には、電磁ノイズNに加え、バスバー30に直流電流が流れることによって発生する信号磁界Tの一部も誘導される。このため、第1シールド部71および第2シールド部72が磁気飽和し易い構成とされていると、第1シールド部71および第2シールド部72に誘導される信号磁界Tが低下することによって検出精度が変化する可能性がある。このため、本実施形態では、第1シールド部71および第2シールド部72が磁気飽和し難くなるようにし、検出精度の変化を抑制することで検出精度が低下することを抑制できるようにしている。
ここで、比較例の電流センサとして、第1シールド部71のうちのバスバー30と対向する内縁部にも圧入部710を形成した場合の磁束密度に関する結果を図20に示す。また、第5実施形態の変形例における電流センサとして、第1シールド部71の外縁部に圧入部710を6個形成した場合の磁束密度に関する結果を図21に示す。
図20に示されるように、中央部に圧入部710を形成した比較例の電流センサでは、当該圧入部710の近傍で磁束密度が低下することが確認される。また、図21に示されるように、外縁部に圧入部710を6個形成した変形例の電流センサでは、図19の磁束密度と同様の結果であることが確認される。
そして、図22に示されるように、比較例の電流センサでは、バスバー30に流れる電流が大きくなった際、本実施形態の電流センサ、および第5実施形態の変形例における電流センサよりも直線性誤差が大きくなり易いことが確認される。つまり、第1シールド部71および第2シールド部72は、圧入部710の数ではなく、圧入部710の形成される位置によって直線性誤差の大きさ(すなわち、磁気飽和のし易さ)が変化することが確認される。したがって、本実施形態のように、第1シールド部71および第2シールド部72の圧入部710を外縁部に配置することにより、検出精度が低下することを抑制できる。
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記各実施形態において、第2シールド部72に形成される壁部72bの代わりに、第1シールド部71のX軸方向における両端部に、第2シールド部72側に延設される壁部を備えるようにしてもよい。また、上記各実施形態において、第1シールド部71および第2シールド部72のそれぞれに、壁部を備えるようにしてもよい。
また、上記第1~第3、第5実施形態において、バスバー30は、被覆部31に幅狭部310が構成されていなくてもよく、被覆部31の幅と締結部32の幅とが等しくされていてもよい。
さらに、上記第1実施形態では、傾斜部71bが平面状である例について説明したが、傾斜部71bは、円弧状等の曲率を有する形状とされていてもよい。また、傾斜部71bは、第1シールド部71のうちのセンサ部40と対向する部分を中心として対称に形成されていなくてもよい。
そして、上記第2実施形態では、第1シールド部71を蓋部80の押圧部82で押圧することにより、第1~第5平板701~705の間に隙間が形成されることを抑制でき、検出精度が低下することを抑制できる。上記第3実施形態では、バスバー30に溝部313を形成することにより、センサ部40の位置ずれに起因する検出精度の低下を抑制できる。上記第5実施形態では、第1シールド部71および第2シールド部72の圧入部710を外縁部に形成することにより、第1シールド部71および第2シールド部72が磁気飽和し難くなることで検出精度が低下することを抑制できる。このため、上記第2、第3、第5実施形態では、第1シールド部71に傾斜部71bが形成されていなくてもよい。
上記各実施形態を組み合わせることもできる。例えば、上記第2実施形態を上記第3~第5実施形態に組み合わせ、蓋部80に押圧部82を備えるようにしてもよい。上記第3実施形態を上記第4、5実施形態に組み合わせ、バスバー30に溝部313を形成するようにしてもよい。上記第4実施形態を上記第5実施形態に組み合わせ、バスバー30の幅狭部310に凸部310aを備えるようにしてもよい。さらに、上記各実施形態を組み合わせたもの同士をさらに組み合わせるようにしてもよい。
10 センサ筐体
30 バスバー
40 センサ部
71 第1シールド部
71b 傾斜部
72 第2シールド部
30 バスバー
40 センサ部
71 第1シールド部
71b 傾斜部
72 第2シールド部
Claims (8)
- バスバー(30)に流れる電流を検出する電流センサであって、
一方向を長手方向として前記長手方向に前記電流が流れる平板状とされた前記バスバーと、
前記バスバーに流れる電流に応じて発生する磁界に基づいた検出信号を出力するセンサ部(40)と、
前記バスバーおよび前記センサ部が対向する状態で配置されるセンサ筐体(10)と、
前記センサ筐体より透磁率の高い材料で構成されて平板状とされ、前記センサ部および前記バスバーを挟んだ状態で前記センサ筐体に配置される一対の第1シールド部(71)および第2シールド部(72)と、を備え、
前記第1シールド部および前記第2シールド部の少なくとも一方は、前記センサ部と対向する部分に、前記バスバーの面方向に対する法線方向に対して傾斜する傾斜部(71b)が構成されている電流センサ。 - 前記傾斜部は、前記センサ部の中心を通り、前記法線方向に沿った仮想線(K)に対して対称となる状態で構成されている請求項1に記載の電流センサ。
- 前記傾斜部は、前記センサ部と対向する部分の全体に形成されている請求項1に記載の電流センサ。
- 前記第1シールド部が前記センサ部を挟んで前記バスバーと反対側に配置されており、
前記第1シールド部を挟んで前記バスバーと反対側に配置され、前記センサ筐体に組付けられる蓋部(80)を有し、
前記第1シールド部は、複数の平板(701~705)が積層されて構成され、
前記蓋部には、前記第1シールド部を押圧する押圧部(82)が備えられている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電流センサ。 - 前記バスバーは、前記センサ部と対向する部分に、溝部(313)が形成されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電流センサ。
- 前記バスバーは、前記センサ筐体に被覆される被覆部(31)と、前記センサ筐体から露出する締結部(32)と、を有し、
前記被覆部は、前記長手方向と交差すると共に前記バスバーの面方向に沿った幅方向の長さを幅とすると、前記締結部より幅が狭くなる幅狭部(310)を有し、
前記センサ部は、前記幅狭部と対向する状態で配置されている請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電流センサ。 - 前記幅狭部には、前記バスバーの幅方向に突出する凸部(310a)が形成されている請求項6に記載の電流センサ。
- 前記第1シールド部および前記第2シールド部は、複数の平板(701~705)が積層されて構成され、積層方向における一方の最外層を構成する前記平板に貫通孔(701a)が形成され、前記貫通孔が形成された平板と異なる前記平板が前記貫通孔に基づく部分に圧入された圧入部(710)を有し、
前記圧入部は、内縁部よりも磁束密度が低くなる外縁部に形成されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電流センサ。
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