JP2022090941A - サイホン排水システム - Google Patents

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Abstract

【課題】貯留槽の中で騒音が響くことを抑制し、かつ部品点数を最小限に抑えることを可能とするサイホン排水システムを提供する。【解決手段】サイホン排水システム10は、上流から流入した排水を貯留する貯留槽20と、貯留槽20に接続され、貯留槽20からの排水を横方向に排出する横引き管26Aと、横引き管26Aよりも下流側に配置され、横引き管26Aからの排水を流下させることによりサイホン力を発生させる竪管と、貯留槽20に接続される吸排気継手34と、を備え、吸排気継手34は、横引き管26Aの内部に空気を流入可能とするサイホン吸気管と、貯留槽20の内部に空気を流入可能、及び貯留槽20の内部の空気を排出可能とする吸気排気管とを一体的に有している。【選択図】図2

Description

本発明は、排水を一時的に貯留して排出する貯留槽を備えたサイホン排水システムに関する。
特許文献1に示すように、サイホン排水管のサイホン力を利用した排水システムにおいて、水廻り器具とサイホン排水管の横引き管との間に貯留槽を設け、水廻り器具からの排水をサイホンが開始するまで貯留槽に一時的に貯留する構成が知られている。
特許文献1のサイホン排水システムでは、例えば、ユニットバスの浴槽から排水が行われると、浴槽から排出された排水が貯留槽に流れ込む。貯留槽に流れ込んだ排水は、サイホン排水管の横引き管を流れ、その後、竪管に流れ込む。
サイホン排水管では、竪管が排水で満流になって竪管内を落下しないとサイホン力が発生しないので、サイホン力が発生するまでの排水初期段階では、サイホン排水管による排水量が、貯留槽内に流入する排水の排水量よりも小さいため、貯留槽の排水の水位が上昇する。その後、竪管が排水で満流になってサイホン力が発生すると、サイホン排水管による排水量が、貯留槽内に流入する排水の排水量を上回り、排水の水位が低下してゆく。
ところで、サイホン力が発生したサイホン排水管は吸引力が大きいので、貯留槽内の排水を迅速に吸引することができる。そして、サイホン排水管の開口近くまで水位が下がると、サイホン排水管の開口近傍の水面が、サイホン排水管の開口付近で局所的に下がってサイホン排水管が貯留槽内部の空気を吸い込む場合がある。
サイホン排水管が排水と共に貯留槽内部の空気を吸い込むと、貯留槽内でズーズーという異音を発生する場合があり、この異音が貯留槽の空気層で響く。貯留槽の空気層で異音が響くと貯留槽の壁面を振動させ、最終的に貯留槽の外側へ異音が放出される場合がある。
そこで、特許文献2サイホン排水システムでは、貯留槽の下流側のサイホン排水管において、吸気管を接続して若干の空気をサイホン排水管に導入して貯留槽の排水を吸い込むサイホン力を弱め、サイホン排水管の開口近傍の水面が局所的に下がることを抑制し、異音の発生を抑制している。
さらに、特許文献2のサイホン排水システムでは、サイホン力が発生していない排水初期段階において、水廻り器具から排出される多量の排水を留槽の内部に迅速に流入させるため、貯留槽の上部に設けた通気用の配管で貯留槽内の空気を外部に排出するように構成されている。また、サイホン力が発生して貯留槽内の排水の水位が低下する際には、通気用の配管から外部の空気を導入し、貯留槽内が負圧になることを抑制している。即ち、貯留槽の上部に設けた通気用の配管は、貯留槽内の空気を排出する排気管と、貯留槽内に空気を導入する吸気管の役目を担っている。
特開2013-209868号公報 特開2017-190626号公報
このように、特許文献2に示す排水システムでは、貯留槽内の空気の排出、及び貯留槽内への空気の導入を行う配管と、サイホン管へ空気を導入する配管とが個別に設置されており、配管に関する部品点数が多くなっていた。
本発明は、上記事実に鑑み、貯留槽の中で騒音が響くことを抑制し、かつ部品点数を最小限に抑えることを可能とするサイホン排水システムの提供を目的とする。
請求項1に記載のサイホン排水システムは、上流から流入した排水を貯留する貯留槽と、前記貯留槽に接続され、前記貯留槽からの前記排水を横方向に排出する横引き管と、前記横引き管よりも下流側に配置され、前記横引き管からの前記排水を流下させることによりサイホン力を発生させる竪管と、前記貯留槽に接続される吸排気継手と、を備え、前記吸排気継手は、前記横引き管の内部に空気を流入可能とするサイホン吸気管と、前記貯留槽の内部に空気を流入可能、及び前記貯留槽の内部の空気を排出可能とする吸気排気管とを一体的に有している。
請求項1に記載のサイホン排水システムによれば、貯留槽に排水が流入すると一時的に排水が貯留槽内に貯留される。貯留槽に排水が流入した段階で、未だ竪管内が満流となっていない初期状態では、サイホン力が発生していないため、貯留槽に流れ込む単位時間当たりの排水量に対して、サイホン排水管による単位時間当たりの排水量が少なく、貯留槽において排水の水位が上昇する。そして、貯留槽に排水が流入して貯留槽内の排水の水位が上昇するに伴い、貯留槽内の空気は押されて、吸気排気管を介して貯留槽の外部に排出される。これにより、貯留槽内に迅速、かつ効率的に排水を流入させることができる。
貯留槽に流入した排水が横引き管を介して竪管に流れ込み、満流となった排水が竪管内を重力により落下すると、サイホン力が発生する。サイホン力が発生すると、貯留槽内の排水は竪管に向かって吸引され、排水が満流流れとなって流下し、迅速かつ効率的に排水が行われるようになる。
そして、サイホン力が発生すると、貯留槽内の排水の水位が下がり始める。貯留槽内の排水の水位が下がると、これに伴って貯留槽外の空気が吸気排気管から貯留槽内に流入するので、貯留槽内が負圧になってサイホン排水管による排水を妨げることはない。
また、竪管内が満流となってサイホン力が発生すると、横引き管内が負圧となるため、り、サイホン吸気管から横引き管の内部に空気が流入する。請求項1のサイホン排水システムでは、横引き管が、貯留槽よりも下流側で空気を吸い込むことで、貯留槽内の排水に作用する吸引力を適度に低下させることができるため、貯留槽内において、横引き管の開口部分から空気を吸い込むことが抑えられ、貯留槽内部で異音の発生が抑えられる。
請求項1に記載のサイホン排水システムで用いられる 吸排気継手は、横引き管の内部に空気を流入可能とするサイホン吸気管と、貯留槽の内部に空気を流入可能、及び貯留槽の内部の空気を排出可能とする吸気排気管とを一体的に有しているため、これらを別体の配管で個別に設けた場合に比較して、配管に係る部品点数を最小限に抑えることができる。
なお、「排水を横方向に排出する横引き管」の「横方向」とは、水平方向に限らず、若干の傾斜(例えば、5度以下)も含むものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサイホン排水システムにおいて、前記吸排気継手は、内部が仕切壁によって前記吸気排気管と前記サイホン吸気管とに区画されている。
請求項2に記載のサイホン排水システムの吸排気継手は、継手内部に仕切壁を設けることで、簡単な構成で、吸気排気管とサイホン吸気管とを備えた吸排気継手を実現できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のサイホン排水システムにおいて、前記吸気排気管は、前記貯留槽の内部において上部に吸排気口が設けられている。
貯留槽に排水が流入した段階で、未だ竪管内が満流となっていない排水初期状態では、サイホン力が発生していないため、貯留槽に流れ込む単位時間当たりの排水量に対して、竪管側へ排出される単位時間当たりの排水量が少なく、貯留槽において排水の水位が上昇する。
この請求項3に記載のサイホン排水システムでは、貯留槽に排水が流入して貯留槽内の排水の水位が上昇するに伴い、貯留槽内の空気は排水に押されて、吸気排気管の上部に設けられた吸排気口を介して外部に排出される。これにより、貯留槽内に迅速、かつ効率的に排水を流入させることができる。
その後、竪管にサイホン力が発生すると、貯留槽に流入した排水が竪管に向かって吸引され、排水が満流流れとなって流下し、効率的に排水が行われるようになる。
その後、竪管内が満流となってサイホン力が発生すると、貯留槽に流入した排水が竪管に向かって吸引され、排水が満流流れとなって流下し、効率的に排水が行われるようになる。これにより、貯留槽の排水の水位が下がり始める。貯留槽内の排水の水位が下がると、これに伴って外部の空気が吸排気口から貯留槽内に流入するので、貯留槽内が負圧になってサイホン排水管による排水を妨げることはない。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のサイホン排水システムにおいて、前記サイホン吸気管は、前記貯留槽の内部において、先端部が前記貯留槽における前記横引き管の開口部よりも上方で、かつ前記吸排気口よりも下方に位置している。
サイホン力が発生して貯留槽の排水の水位が下がり、排水の水面が配管の開口部に近づくと、排水の水面がサイホン吸気管の先端部よりも下がり、貯留槽の内部の空気がサイホン吸気管を介して横引き管に流入する。横引き管が空気を吸い込むと、貯留槽内の排水に作用する吸引力が適度に低下するので、横引き管の開口部分近傍の水面が局所的に下がって横引き管が貯留槽内の空気を吸い込むことが抑制される。このため、貯留槽内の空気が排水と共に横引き管に吸引されることで生じる異音の発生を抑制することができる。
なお、低下してゆく排水の水面が、サイホン吸気管の先端部から離れるまでは、サイホン吸気管は貯留槽内の空気を吸引しないため、横引き管に空気は流入しない。即ち、横引き管に空気が流入しないため、竪管で発生したサイホン力が低下することはなく、貯留槽の排水を、迅速、かつ効率的に排出することができる。言い換えれば、貯留槽の排水が残り少なくなるまで、貯留槽の排水を、迅速、かつ効率的に排出することができる。
請求項5に記載のサイホンハイスイシステムは、請求項1~請求項4の何れか1項に記載のサイホン排水システムにおいて、前記横引き管は、前記貯留槽側の一部に、排水方向下流側に向けて下がるように傾斜した傾斜部を有しており、前記サイホン吸気管は、前記傾斜部に接続されている。
請求項5に記載のサイホン排水システムの横引き管は、貯留槽側の一部に、排水方向下流側に向けて下がるように傾斜した傾斜部を有しているので、吸引された空気が排水と接する部分から貯留槽側の排水経路に残っている排水を、排水方向下流側に向けて自重で流して、該部分から貯留槽側の部分に排水を残さないようにできる。
本発明のサイホン排水システムによれば、貯留槽の中で騒音が響くことを抑制し、かつ部品点数を最小限に抑えることを可能とする、という優れた効果を有する。
本発明の一実施形態に係るサイホン排水システムの全体構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るサイホン排水システムの貯留槽、及び吸排気継手付近を示す断面図である。 (A)は本発明の一実施形態に係るサイホン排水システムの貯留槽、及び吸排気継手付近を示す一部を断面にした平面図であり、(B)は、吸排気継手のサイホン吸気管と吸気排気管とを示す断面図(図3(A)の3(B)-3(B)線断面図)である。
本発明の一実施形態に係るサイホン排水システム10について、図1~3を用いて説明する。本実施形態に係るサイホン排水システム10は、サイホン力を利用して水回り器具からの排水を効率よく排出する排水システムである。
図1に示すように、建物12のスラブ14の上側には、スラブ14と間隔を開けて床パネル16が配置されている。床パネル16の上には、水廻り器具17が配置されている。水廻り器具17は、例えば、浴槽、台所流し、及び食洗機等の排水を流すものであるが、洗面台、浴室防水パン等その他のものであってもよい。
水廻り器具17には、水廻り器具17から排出される排水を流す配管18の一端が接続されている。なお、配管18は、例えば、塩ビ製の管であるが、他の合成樹脂で形成されていても良い。
(貯留槽)
図2に示すように、スラブ14の上には、サイホン排水システム10の一部を構成する貯留槽20が配置されている。
貯留槽20は、水廻り器具17からの排水を一時的に貯留可能とするために箱状に形成されている。貯留槽20は、略直方体とされ、天板20A、及び底板20Bが、図面矢印R方向側に向けて下がるように傾斜している。貯留槽20は、例えば、塩ビ等の合成樹脂材料で形成されている。
天板20Aには、点検口21が設けられており、点検口21は取り外し可能な蓋23で塞がれている。
貯留槽20の図面矢印L方向側の一方の側壁20Cには、底板寄りに配管18の他端が接続され、水廻り器具17からの排水が貯留槽20の内部に流入するように構成されている。
貯留槽20の一方の側壁20Cと対向する図面矢印R方向側の他方の側壁20Dには、下側に配管22の一端が接続されている。
配管22は、矢印R方向側に向けて下がるように傾斜している。配管22の他端側には、T字型継手24が配置されている。T字型継手24は、配管22が接続される第1接続部24A、第1接続部24Aの反対側に配置される第2接続部24B、第1接続部24Aと第2接続部24Bとの間に配置されて、第1接続部24Aと第2接続部24Bとを結ぶ方向と直交する上方に向けて延びる第3接続部24Cを備えている。第1接続部24Aと第2接続部24Bとは同軸上に設けられており、第1接続部24Aと第2接続部24Bの中心線CLは、矢印L方向側に向けて下がるように傾斜している。なお、配管22、及びT字型継手24は、例えば、塩ビで形成されているが、他の合成樹脂で形成されていても良い。
(サイホン排水管)
T字型継手24の第2接続部24Bには、サイホン排水システム10の一部を構成するサイホン排水管26の横引き管26Aが接続されている。横引き管26Aは、T字型継手24の近傍の一部分が傾斜しているが、その下流側はスラブ14の上で横方向に無勾配で配設されている。図1に示すように、横引き管26Aの下流側端部には下方向(鉛直方向下向き)に延びる竪管26Bが連続している。
本実施形態のサイホン排水管26は、ポリブテンで形成されているが、可撓性を有する他の合成樹脂で形成されていてもよい。
なお、本実施形態においては、横引き管26A、T字型継手24の第1接続部24Aから第2接続部24Bまでの間、及び配管22が本発明の横引き管に相当している。
建物12には、鉛直方向に延びる立て管28が配設されている。立て管28には、合流継手30が取り付けられており、サイホン排水管26で流された排水は、合流継手30を介して立て管28に排出される。
T字型継手24の第3接続部24Cには、上方に向けて延びる配管32の一端が接続されており、この配管32の他端は後述する吸排気継手34に接続されてT字型継手24の内部が外部と連通している。
(吸排気継手の構造)
図2、及び図3に示すように、貯留槽20には、側壁20Dに吸排気継手34が接続されている。吸排気継手34は、側壁20Dを貫通する第1管部36と、貯留槽20の外部に配置され、第1管部36の側部から水平方向、かつ直角方向に延びる第2管部38とを備えている。
第1管部36は、水平に配置されて側壁20Dを貫通する水平部分36Aと、水平部分36Aの矢印L方向側に設けられて、下方へ傾斜する傾斜部分36Bとを備えている。
なお、傾斜部分36Bの先端部36BEは水平に形成されており、配管22の内周面の上端22Aよりも上側に位置している。
吸排気継手34は、水平部分36Aの内部が仕切壁42で二分割されており、仕切壁42の一方側(矢印A方向側)が吸気排気管44とされ、仕切壁42の他方側(矢印B方向側)がサイホン吸気管46とされている。図3に示すように、第1管部36の傾斜部分36Bは、サイホン吸気管46となっている。
吸排気継手34には、第1管部36の矢印R方向側の端部に、吸気排気管44と連通する第1接続部36AEが設けられており、この第1接続部36AEに通気管40の一端が接続されている。通気管40の他端は、合流継手30(図1参照)を介して立て管28(図1参照)に接続されている。
貯留槽20の内部に配置された吸気排気管44の上部には、吸排気口48が開口しており、これにより、貯留槽20の内部が、吸気排気管44を介して立て管28の内部空間と連通している。
また、吸排気継手34には、第2管部38の矢印B方向側の端部に、サイホン吸気管46と連通する第2接続部38Eが設けられており、この第2接続部38Eに配管32の他端が接続されている。
なお、吸排気継手34は、例えば、塩ビ製で形成されているが、他の合成樹脂で形成されていても良い。
(作用、効果)
次に、本実施形態のサイホン排水システム10の作用、効果を説明する。
水廻り器具17からの排水が配管18から排出されると、排水は貯留槽20に流入する。
貯留槽20は、底板20Bが、サイホン排水管26側が、排水の流入する配管18側よりも下方となるように傾斜しているため、排水は貯留槽20の中を配管18側からサイホン排水管26側へ流れ、かつ、サイホン排水管26側から溜まり初め、配管18側よりもサイホン排水管26側の水深が深くなる。
そして、貯留槽20に排水が流入して貯留槽20内の排水の水位が上昇するに伴い、貯留槽20内の空気は押されて、吸気排気管44の上部に開口した吸排気口48、吸気排気管44、通気管40、及び合流継手30を介して立て管28に排出される。これにより、貯留槽20内に迅速、かつ効率的に排水を流入させることができる。
その後、貯留槽20に流入した排水が、配管22、T字型継手24を介してサイホン排水管26に流れ込み、満流となった排水が竪管26B内を重力により落下すると、サイホン水頭Hsのポテンシャルエネルギ-により、サイホン力が発生する。サイホン力が発生すると、貯留槽内の排水は竪管26Bに向かって吸引され、排水が満流流れとなって流下し、効率的に排水が行われるようになる。
ところで、貯留槽20に排水が流入した段階で、未だサイホン排水管26の竪管26B内が満流となっていない排水初期状態では、サイホン力が発生していないため、貯留槽20に流れ込む単位時間当たりの排水量に対して、サイホン排水管26による単位時間当たりの排水量が少なく、貯留槽20において排水の水位が上昇する。
そして、サイホン排水管26の竪管26B内が満流となってサイホン力が発生すると、貯留槽20の排水が配管22で吸引され、貯留槽20内の排水の水位が下がり始める。貯留槽20内の排水の水位が下がると、これに伴って立て管28内の空気が吸排気口48から貯留槽20内に流入するので、貯留槽20内が負圧になってサイホン排水管26による排水を妨げることはない。
ここで、配管22による吸引力が強いと、排水の水面が配管22の内周面の上端22Aに接近した際に、配管22の開口部分近傍の水面が局所的に下がって横引き管26Aが貯留槽20内の空気を吸引して、貯留槽20内において、例えば、ズーズーという異音を発生する場合がある。そして、この異音が貯留槽20の空気層で響いて貯留槽20の壁面を振動させ、貯留槽20の外側へ異音が放出される場合がある。
本実施形態のサイホン排水システム10では、貯留槽20の排水の水位が下がり、水面が配管22の開口部に近づくと、排水の水面が吸排気継手34(サイホン吸気管46)の傾斜部分36Bの先端部36BEよりも下がり、貯留槽20の内部の空気がサイホン吸気管46、T字型継手24を介してサイホン排水管26に流入する。
サイホン排水管26が、貯留槽20よりも下流側で貯留槽20の空気を吸い込むと、貯留槽20内の排水に作用する吸引力が適度に低下するので、配管22の開口部分近傍の水面が局所的に下がって配管22が貯留槽20内の空気を吸い込むことが抑制される。
このため、貯留槽20内の空気が排水と共に配管22に吸引されることで生じるズーズーという異音の発生を抑制することができ、貯留槽20内で異音が響くことがない。したがって、貯留槽20の壁面が振動して貯留槽20の外側へ異音が放出することも抑制される。
このようにして、本実施形態のサイホン排水システム10では、室内環境に対して排水時の騒音が伝播することが抑制される。
なお、低下してゆく排水の水面が、吸排気継手34(サイホン吸気管46)の傾斜部分36Bの先端部36BEから離れるまでは、吸排気継手34(サイホン吸気管46)は空気を吸引しないため、横引き管26Aに空気は流入しない。即ち、横引き管26Aに空気が流入しないため、竪管26Bで発生したサイホン力が低下することはなく、貯留槽20の排水を、迅速、かつ効率的に排出することができる。言い換えれば、貯留槽20の排水が残り少なくなるまで、貯留槽20の排水を、迅速、かつ効率的に排出することができる。傾斜部分36Bの先端部36BEの高さ位置は、配管22の開口部分近傍の排水の水面が局所的に低下して異音を発生しないように決めればよい。
ところで、配管32を介してサイホン排水管26が空気を吸引する際に、T字型継手24の内部で排水に空気が混じりT字型継手24の内部で異音が発生する場合がある。しかしながら、T字型継手24の内部で発生する異音のレベルは、配管22が排水と共に空気を吸引するときのような貯留槽20内で響く異音に比較して非常に小さい。さらに、T字型継手24の内部で発生する異音は、配管22の内部に満流となっている排水に遮断されて貯留槽20内の空気層に伝播しないので、貯留槽20の中の空気層において、T字型継手24の内部で発生した異音が響くことはない。
図2に示すように、配管32から吸引された空気が排水と接する部分P、言い換えれば、第1接続部24Aと第2接続部24Bの中心線CLと第3接続部24Cの中心線との交点から貯留槽20の内面までの距離DLは、排水時に、上記部分Pと貯留槽20との間の排水経路が排水で満流となるように設定すればよい。なお、距離DLが短くなるように配管22を廃止してT字型継手24を貯留槽20に直接接続してもよく、距離DLが長くなるように図2よりも配管22を長くしてもよい。言い換えれば、貯留槽20から排水を排出する際に、貯留槽20内で響く異音の発生原因である貯留槽20内の空気の吸い込みを抑制するように距離DLを設定すればよい。
ところで、貯留槽20内の排水が全て排出された後においても、竪管26B内の排水が落下し終えるまでは、横引き管26A内に残っている排水に対しては竪管26Bのサイホン力が作用する。しかしながら、貯留槽20の下流側の排水経路の途中で空気が吸引されると、空気が吸引される位置よりも上流側の排水経路に残っている排水に対しては、吸引力が弱くなってしまう。したがって、空気が吸引される位置よりも上流側の排水経路が水平となっていると、水平部分に残っている排水が弱い吸引力では下流側に流れ難く、その結果、排水が水平部分に残りやすい状況となる。
本実施形態のサイホン排水システム10では、配管32から吸引された空気が排水と接する部分Pから貯留槽20側の排水経路を、排水方向下流側に向けて傾斜させているので、配管32から吸引された空気が排水と接する部分Pから貯留槽20側の排水経路に残っている排水を、排水方向下流側に向けて自重で流して、該部分Pから貯留槽20側の部分に排水を残さないようにできる。
なお、吸引した空気が排水と接する部分Pは、本実施形態のように排水経路の傾斜している部分、または、横引き管26Aの傾斜部分26Aaと水平部分26Abとの境界SP、言い換えれば、水平部分26Abの上流側端部に設けることが好ましい。
本実施形態のサイホン排水システム10では、貯留槽20に接続された吸排気継手34が、排水が流入した際の貯留槽内の空気を排出する吸気排気管44と横引き管26Aに空気を流入させるサイホン吸気管46とを一体的に設けているので、吸気排気管44とサイホン吸気管46とを別体で設けた場合(言い換えれば、従来技術の構成)に比較して、配管に関係する部品点数を減らし、部品点数を最小限としている。
[その他の実施形態]
なお、本発明について実施形態の一例を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
上記実施形態では、サイホン排水管26の横引き管26Aを、T字型継手24、及び配管22を介して貯留槽20に接続したが、横引き管26Aの端部を貯留槽20に直接接続
してもよい。この場合、横引き管26Aに孔を加工し、加工した孔に配管32を接続してもよい。
上記貯留槽20は、矩形の箱形状であったが、貯留槽20は矩形の箱形状に限らず、両端部が閉塞された断面円形の筒形状等、他の形状であってもよい。
上記実施形態では、通気管40の端部を合流継手30に接続したが、通気管40の端部は、例えば、室外に解放してもよい。
10…サイホン排水システム、20…貯留槽、26A…横引き管、26B…竪管、34…吸排気継手、42…仕切壁、44…吸気排気管、46…サイホン吸気管、48…吸排気口

Claims (5)

  1. 上流から流入した排水を貯留する貯留槽と、
    前記貯留槽に接続され、前記貯留槽からの前記排水を横方向に排出する横引き管と、
    前記横引き管よりも下流側に配置され、前記横引き管からの前記排水を流下させることによりサイホン力を発生させる竪管と、
    前記貯留槽に接続される吸排気継手と、
    を備え、
    前記吸排気継手は、前記横引き管の内部に空気を流入可能とするサイホン吸気管と、前記貯留槽の内部に空気を流入可能、及び前記貯留槽の内部の空気を排出可能とする吸気排気管とを一体的に有している、
    サイホン排水システム。
  2. 前記吸排気継手は、内部が仕切壁によって前記吸気排気管と前記サイホン吸気管とに区画されている、請求項1に記載のサイホン排水システム。
  3. 前記吸気排気管は、前記貯留槽の内部において上部に吸排気口が設けられている、請求項1または請求項2に記載のサイホン排水システム。
  4. 前記サイホン吸気管は、前記貯留槽の内部において、先端部が前記貯留槽における前記横引き管の開口部よりも上方で、かつ前記吸排気口よりも下方に位置している、請求項3に記載のサイホン排水システム。
  5. 前記横引き管は、前記貯留槽側の一部に、排水方向下流側に向けて下がるように傾斜した傾斜部を有しており、
    前記サイホン吸気管は、前記傾斜部に接続されている、
    請求項1~請求項4の何れか1項に記載のサイホン排水システム。
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