JP2022090671A - 基板搬送キャリア、基板準備装置、成膜システム - Google Patents
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Abstract
【課題】真空チャンバ内で表面に成膜される基板について、その表面を汚染することなく保持し、真空チャンバと外界との間の搬送が可能であり、また基板の取り外しも容易な基板搬送キャリア、及び、当該基板搬送キャリアを提供する。【解決手段】真空チャンバ内で表面に薄膜が形成される基板70を保持し、真空チャンバの内外に該基板を移動させる際にハンドリングされる基板搬送キャリア20であって、非可撓性且つプレート状の部材となる支持プレート45と、支持プレート45に形成され、一端が支持面に開口し、且つ、他端が外界側に開口する連通路50と、支持プレート45の支持面において連通路50を取り囲む状態に設けられ粘着部35と、を備え、支持プレート45の支持面と基板70の裏面の間であって粘着部35によって取り囲まれる空間が、連通路50を介して正圧又は負圧が導入される圧力空間60となるようにした。【選択図】図1
Description
本発明は、真空チャンバ内で薄膜が形成される基板を保持し、真空チャンバの内外に基板を移動させる際にハンドリングされる基板搬送キャリアと、それを備える基板準備装置、及び、成膜システムに関する。
現代社会において、光学薄膜は多くの製品に必須のものとなっており、例えばスマートフォンにおけるカメラレンズ、タッチパネル、DVDやBlu-ray(登録商標)のピックアップレンズ等、生活に密着した製品に使用されている。特に酸化物誘電体や窒化物誘電体等の多層膜は、特定波長領域の光に対する光反射膜、反射防止膜、増反射膜、カットフィルターなど光学薄膜フィルターとして多く用いられている。
多層膜は例えば厚さ1.0mm以下のガラス基板の表面に形成される。具体的には真空チャンバの中で電子ビーム蒸着やスパッタリングといった技術で、ガラス基板に成膜される。
ガラス基板は、裏面側が基板用保護具によって保護された状態で、真空チャンバ内に搬入・固定されることがある(例えば、特許文献1参照)。
ガラス基板に基板用保護具を装着したり、同基板用保護具を取り外したりする工程は、作業者の手作業に依存している。結果、人為的なミスによって、ガラス基板が破損したり、ガラス基板の表面が汚染されたりする場合があり、生産性を高めることが困難であった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、真空チャンバ内で表面に成膜される基板について、その表面を汚染することなく保持し、真空チャンバと外界との間の搬送が可能であり、また基板の取り外しも容易な基板搬送キャリア、及び、当該基板搬送キャリアを備える基板準備装置、成膜システムを提供しようとするものである。
本発明は、真空チャンバ内で表面に薄膜が形成される基板を保持し、前記真空チャンバの内外に該基板を移動させる際にハンドリングされる基板搬送キャリアであって、前記基板の裏面側に配置される非可撓性且つプレート状の部材であって、該裏面と対向する支持面を有する支持プレートと、前記支持プレートに形成され、一端が前記支持面に開口し、且つ、他端が外界側に開口する連通路と、前記支持プレートの前記支持面において前記連通路を取り囲む状態に設けられ、前記基板の前記裏面に対して着脱自在に粘着する粘着部と、を備え、前記支持プレートの前記支持面と前記基板の前記裏面の間であって前記粘着部によって取り囲まれる空間が、前記連通路を介して正圧又は負圧が導入される圧力空間となることを特徴とする基板搬送キャリアである。
上記発明は、非可撓性且つプレート状の部材である支持プレートを使用することで基板の搬送時に基板搬送キャリアの支持プレート上に基板を確実に固定することが可能になるという効果を奏する。また粘着部を備えることで、基板搬送キャリアに対して基板を繰り返して着脱することが可能になりコスト削減に資する。また粘着部に囲まれる位置に開口する連通路を有するので、その圧力空間に正圧又は負圧を導入することで、基板と粘着部の密着・離反をアシストできる。また、例えば、真空チャンバに基板搬送キャリアに載せて基板を搬入して減圧する際、圧力空間も同時に減圧されるので基板が応力を受け難いという優れた効果を奏する。
上記基板搬送キャリアに関連して、前記支持プレートの前記支持面に対して前記粘着部が凸設されるか、または、前記支持プレートの前記支持面の一部が前記基板の前記裏面から離反する方向に変位することで、前記圧力空間が形成されることを特徴としても良い。
上記基板搬送キャリアに関連して、前記粘着部の外側の輪郭形状は、前記基板の輪郭よりも面方向内側に位置しており、前記基板の前記裏面の周縁近傍と前記支持プレートの間に隙間が形成されることを特徴とできる。
上記発明によれば、基板搬送キャリア上で基板をロボットハンドで取扱い、載置したり取り外したりする際に、基板の裏面の隙間に対してロボットハンドの把持部の一部を引っかけて確実に把持することが容易になるという優れた効果を奏する。
上記基板搬送キャリアに関連して、前記支持プレートの前記支持面に対して前記粘着部が凸設されるか、または、前記支持プレートの前記支持面の一部が前記基板の前記裏面から離反する方向に変位することで、前記隙間が形成されることを特徴とすることができる。
上記基板搬送キャリアに関連して、平面視する場合に、前記支持プレートの周縁は、前記基板の周縁よりも外側に位置することを特徴としても良い。
上記発明によれば、支持プレートを搬送する際、周囲に衝突することで基板に損傷を与えてしまう可能性を低めることで、基板の周縁を保護することができるという優れた効果を奏する。
上記基板搬送キャリアに関連して、単一となる前記支持プレートに対して複数の前記粘着部が互いに独立して設けられており、前記支持プレートは、複数の前記粘着部に対応する複数の前記連通路を有しており、複数の前記粘着部によって、複数の前記基板が保持されることを特徴としても良い。
上記発明によれば、少ない基板搬送キャリアで多数の基板を取り扱うことができるので、生産性を上げることができるという優れた効果を奏する。
上記基板搬送キャリアに関連して、前記支持プレートの前記支持面における前記粘着部の内側に凸設され、前記基板の裏面に当接するスペーサを備えることを特徴としても良い。
上記発明によれば、基板と粘着部と支持プレートの支持面で形成される空間を減圧した際に、基板が撓む可能性を低くすることで、基板と粘着部の密着性を高めたり、基板自体の損傷を防いだりするという優れた効果を奏する。
本発明は、真空チャンバ内で表面に薄膜が形成される前記基板を保持する前記基板搬送キャリアに対して、該基板を載置、及び/又は、取り外す基板準備装置であって、上記のいずれか一に記載の前記基板搬送キャリアと、前記基板が載置される前記基板搬送キャリアにおける前記圧力空間に対して、前記連通路を介して、正圧又は負圧を導入する圧力調整装置と、を備えることを特徴とする基板準備装置を提供する。
上記発明によれば、例えば圧力空間を減圧することで粘着部に当接された基板に対する粘着力を高めることができ、基板搬送時、成膜時における基板脱落の可能性を低くすることができるという優れた効果を奏する。また例えば、圧力空間に対して正圧を導入すれば、基板搬送キャリアの支持プレートの粘着部から基板を引き離すことが容易になるという優れた効果を奏する。
上記基板準備装置に関連して、前記正圧の圧力は、該正圧のみによって前記基板と前記粘着部の全面が剥離しない程度に設定されることを特徴としても良い。
上記発明によれば、圧力調整装置による正圧のみによって基板が粘着部から剥離してしまうことで基板が基板搬送キャリアから脱落し落下して損傷する可能性を小さくするという優れた効果を奏する。
上記基板準備装置に関連して、前記基板の周縁を把持する把持部、及び、該把持部を移動させるアーム部を有する基板移載装置を備え、前記基板移載装置が、前記把持部によって薄膜形成前の前記基板の周縁を把持し、前記アーム部によって前記基板の裏面が前記基板搬送キャリアの前記粘着部に当接する位置まで移載することを特徴としても良い。
上記発明によれば、手作業によって基板を取り扱うことなく成膜を可能にするという優れた効果を奏する。
上記基板準備装置に関連して、前記基板移載装置によって前記基板の裏面を、前記基板搬送キャリアの前記粘着部に当接させてから、前記連通路に前記負圧が導入されることを特徴としても良い。
上記発明によれば、基板が支持プレートに対して適切な位置に置かれてから、粘着部へ強く引きつけられるため、基板が誤った位置に固定されて脱落する可能性が生じることを防ぐことができるという優れた効果を奏する。
上記基板準備装置に関連して、前記基板の周縁を把持する把持部、及び、該把持部を移動させるアーム部を有する基板移載装置を備え、前記基板移載装置が、前記基板搬送キャリアによって保持される前記基板の周縁を把持し、前記アーム部によって前記基板を前記粘着部から離反させることを特徴としても良い。
上記発明によれば、手作業を介することなく成膜のための基板準備を可能にするという優れた効果を奏する。
上記基板準備装置に関連して、前記正圧が前記圧力空間に導入されている最中に前記アーム部によって前記基板を前記粘着部から離反させることを特徴としても良い。
上記発明によれば、基板搬送キャリアから基板を離反させる際に手作業を介さずに行うことができるので、生産性や歩留まりを上げることができるという優れた効果を奏する。
上記基板準備装置に関連して、前記圧力空間の圧力変化、前記アーム部の変位変化、及び、前記基板移載装置に作用する負荷変化の少なくともいずれかから、前記基板が前記粘着部から離反したか否かを判定する制御装置を備え、前記制御装置は、前記基板が前記粘着部から離反した判定に基づいて、前記圧力調整装置による前記正圧の導入を終了させることを特徴としても良い。上記発明によれば、圧力の制御を自動的に行うことが可能となる。
本発明は、真空チャンバ内で前記基板の表面に薄膜を形成させる成膜システムであって、上記のいずれか一に記載の基板準備装置と、真空成膜のための前記真空チャンバと、前記基板準備装置から前記真空チャンバの中へ、前記基板を保持する前記基板搬送キャリアを移送するキャリア移送装置と、を備えることを特徴とする成膜システムである。
上記発明によれば、基板への真空成膜を準備から成膜後の取り出しまで手作業を介することなく実行することができるので生産性や歩留まりを上げることができるという優れた効果を奏する。
本発明によれば、真空成膜のための基板準備を適切に行い生産性や歩留まりを向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1~図6は発明を実施する形態の一例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わす。なお、各図において一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
<全体構成>
図1に示すように、本発明の実施形態に係る成膜システム1は、真空成膜のための真空チャンバ15と、基板準備装置5と、基板準備装置5から真空チャンバ15内へ基板搬送キャリア20を移送するキャリア移送装置10と、真空チャンバ15内のターンテーブル25に対して、基板搬送キャリア20を脱着するキャリア脱着装置120を備える。なお、本実施形態では、基板搬送キャリア20を回転させる機構をターンテーブルと称しているが、回転ドラムと称することもできる。
基板準備装置5は、キャリア循環装置130と、回収側キャリアストッカ130Aと、供給側キャリアストッカ130Bと、待機用キャリアストッカ130Cと、回収側基板移載装置37と、供給側基板移載装置38と、回収側吐出機構147と、供給側吸引機構148と、基板回収テーブル157と、基板供給テーブル158と、減圧ポンプ80と、コンプレッサ90等を備える。減圧ポンプ80及びコンプレッサ90は、圧力調整装置の一種であり、基板70の粘着と離反を補助する役割を担う。
キャリア循環装置130は、真空チャンバ15からキャリア移送装置10を経て搬出される複数の基板搬送キャリア20を循環させるように移動させる。ここでは、キャリア循環装置130が、環状の循環経路Jに沿って基板搬送キャリア20を移送する。また、キャリア循環装置130は、基板搬送キャリア20を順番に真空チャンバ15に送り込む。
循環経路J上には、回収側キャリアストッカ130Aと、待機用キャリアストッカ130Cと、供給側キャリアストッカ130Bがこの順に配置される。回収側キャリアストッカ130Aは、真空チャンバ15からキャリア移送装置10を経て搬出される複数の基板搬送キャリア20を一時的に貯留するマガジンラックとなる。回収側キャリアストッカ130Aに貯留される基板搬送キャリア20は、キャリア循環装置130によって、一枚ずつ、基板回収領域Rに移送される。待機用キャリアストッカ130Cは、キャリア循環装置130によって基板回収領域Rから移送される複数の基板搬送キャリア20を一時的に貯留するマガジンラックとなる。待機用キャリアストッカ130Cに貯留される基板搬送キャリア20は、キャリア循環装置130によって、一枚ずつ、基板供給領域Sに移送される。供給側キャリアストッカ130Bは、キャリア循環装置130によって基板供給領域Sから移送される複数の基板搬送キャリア20を一時的に貯留するマガジンラックとなる。
循環経路Jの途中には、基板回収領域Rと、基板供給領域Sが確保される。基板回収領域Rには、回収側吐出機構147が配置され、基板供給領域Sには、供給側吸引機構148が配置される。圧力調整装置の一種となるコンプレッサ90の正圧は回収側吐出機構147に供給される。圧力調整装置の一種となる減圧ポンプ80の負圧は供給側吸引機構148に導入される。
回収側基板移載装置37は、回収側吐出機構147上に位置決めされる基板搬送キャリア20から、薄膜形成後の基板70を取り出して、基板回収テーブル157まで移載する。供給側基板移載装置38は、基板供給テーブル158にストックされている薄膜形成前の基板70を取り出して、供給側吸引機構148上に位置決めされる基板搬送キャリア20まで移載する。
なお、基板準備装置5は特に図示しない制御装置を備える。この制御装置は、減圧ポンプ80、コンプレッサ90、回収側基板移載装置37、供給側基板移載装置38を制御する。制御装置は、CPU、RAMおよびROMなどから構成されて各種制御を実行する。CPUはいわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて様々な機能を実現する。RAMはCPUの作業領域、記憶領域として使用され、ROMはCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。
真空チャンバ15は、基板70に対して薄膜を形成する空間となっており、薄膜素材を発生させる材料供給部(図示省略)や、真空チャンバ15内を負圧にする真空ポンプ(図示省略)等を有する。また、真空チャンバ15内に配置されるターンテーブル25は、複数(ここでは8つ)の基板搬送キャリア20を保持した状態で回転することで、基板70に均一に成膜できるようになっている。キャリア脱着装置120は、キャリア移送装置10によって真空チャンバ15に搬入される基板搬送キャリア20を把持して、ターンテーブル25まで移送して装着したり、ターンテーブル25に装着された基板搬送キャリア20を把持して、キャリア移送装置10まで移送したりする。
<基板搬送キャリア>
図2に示すように、基板搬送キャリア20は、プレート状の部材となる支持プレート45と、支持プレート45の表面(支持面47)側に配置される粘着部35と、支持プレート45に形成される連通路50を有する。
支持プレート45は、金属やエンジニアリングプラスチック等の高剛性材料で構成されることで、非可撓性となる。なお、支持プレート45は、2.0mm以上の厚みとなる金属材が好ましく、より好ましくは3.0mm以上の厚み、更に望ましくは5.0mm以上となる金属材とする。支持プレート45の表面に相当する支持面47は、基板70の裏面と対向する。また、支持プレート45に形成される連通路50は、一端側の開口50Aが支持面47に臨み、且つ、他端の開口50Bが裏面に臨む。なお、この連通路50は、単一の基板搬送キャリア20に対して複数設けられる。各連通路50は、複数の基板70の各々に対応する。本実施形態では8つの基板70に対応する8つの連通路50が形成される。なお、1つの基板70に対して複数の連通路50を設けることもできる。なお、本実施形態では、連通路50の他端側開口50Bが、支持プレート45の裏面に開口する場合を例示したが、側面等の別の場所に開口させることもできる。また、ここでは支持プレート45が複数の基板70を保持する場合を例示したが、一枚の基板70を保持するようにしても良い。
支持プレート45の外形(周縁)は、載置される複数の基板70の外形よりも面方向外側に位置する。つまり、支持プレート45を平面視した場合、支持プレート45の大きさは、基板70よりも大きい。結果、後述するキャリア脱着装置120によって、支持プレート45をハンドリングする際に、キャリア脱着装置120と基板70が接触して破損することを回避できる。
粘着部35は、支持プレート45の支持面47に凸状に設けられ、基板70の裏面79に対して着脱自在(繰り返し剥離自在)に粘着する。粘着部35は、各基板70に対応する連通路50の一端側開口50Aを取り囲むようにして配置される。結果、基板70の裏面79と支持面47の間に隙間が形成されて、圧力空間60となる。この圧力空間60に正圧を導入すると、基板70と支持面47が離反する方向に外力が作用し、同圧力空間60に負圧を導入すると、基板70と支持面47が接近する方向に外力が作用する。この圧力空間60の隙間の高さ(支持面47と裏面79の距離)は、0.1mm以上が好ましく、更に望ましくは0.2mm以上とする。なお、後述するように、基板70の裏面に負圧を印加できる状態である限り、粘着部35が完全なる環状で一端側開口50Aを取り囲む必要はない。なお、連通路50の一端側開口50Aは、粘着部35の内側の輪郭形状よりも小さい形状となる。
粘着部35の外側の輪郭形状は、基板70の最外周の輪郭よりも面方向内側に位置する。結果、基板70の裏面79の周縁近傍と支持プレート45の間に隙間40が形成される(図5参照)。
粘着部35は、基板70に対して繰り返し粘着可能なシートが選定される。粘着部35における表面(上面)のせん断粘着力は、例えば、0.5N/cm2以上であることが好ましく、望ましくは1.0N/cm2以上とする。粘着力がこれよりも小さすぎると、真空チャンバ15内で基板搬送キャリア20を回転させる際に基板70に作用する遠心力によって、剥離する恐れがある。一方、粘着部35のせん断粘着力は、例えば、10.0N/cm2以下であることが好ましく、望ましくは5.0N/cm2以下とし、更に望ましくは2.0N/cm2以下とする。粘着力がこれよりも大きすぎると、成膜後に基板搬送キャリア20から基板70を離反させる際に、基板70が破損する恐れがある。粘着部35は、いわゆる両面テープであってよい。
また、粘着部35は、厚みが1.0mm以下のシート材を用いるようにし、例えば0.5mm以下のシート材を用い、0.2mm以下のシート材を用いる。本実施形態では、粘着部35のシート材の厚みが、隙間40の高さと一致するので、この高さが大きすぎると、当該隙間40に、皮膜材料が回り込みやすくなる。つまり、粘着部35は薄い方が好ましいと言える。なお、粘着部35は、厚みが0.1mm以上のシート材であることが望ましい。隙間40が小さすぎると、基板70と粘着部35を密着させるために、基板70を支持面47側に引き付けるための距離が不足する。
<供給側基板移載装置>
図3(A)に供給側基板移載装置38を示す。供給側基板移載装置38は、アーム部97と把持部95を有する。アーム部97は、基板70の平面方向(図中X-Y平面方向)及び上下方向(図中Z方向)に把持部95を移動させる。把持部95は、いわゆるチャックであり、一対のフィンガ95Aの少なくとも一方を、リニアガイド95Bによって開閉方向に移動させる。結果、一対のフィンガ95Aが、基板70の周縁に接触しながら基板70を把持する。一対のフィンガ95Aの先端には、基板70の裏面側に回り込む爪95Cが形成されることが好ましい。なお、ここでは、ばね96によって、フィンガ95Aによる基板70の把持力が調整可能となっている。把持力が強すぎると、基板70が破損するからである。
供給側基板移載装置38は、基板供給テーブル158にストックされる基板70を把持部95によって把持し、図3(B)に示すように、アーム部97によって基板搬送キャリア20まで移動して、基板70の裏面79が基板搬送キャリア20の粘着部35に当接する位置まで移動する。その後、把持部95を開放することで、基板70の供給が完了する。なお、供給側基板移載装置38はロボットハンドであってよい。
<回収側基板移載装置>
図4(A)に回収側基板移載装置37を示す。回収側基板移載装置37はアーム部97と把持部95を有する。回収側基板移載装置37の構造は、供給側基板移載装置38と同様であることから、図中において部品・部材の両者の符号を一致させることで、個々の説明を省略する。
回収側基板移載装置37は、基板搬送キャリア20の粘着部35に保持される基板70の周縁を把持部95によって把持し、上昇することで粘着部35から基板70を剥離し、図4(B)に示すように、アーム部97によって基板回収テーブル157まで移動する。その後、把持部95を開放することで、基板70の回収が完了する。なお、回収側基板移載装置37はロボットハンドであってよい。
また本実施形態では、回収側基板移載装置37と供給側基板移載装置38が別々に設けられる場合を例示したが、一台の基板移載装置が、回収側と供給側を兼ねることもできる。更に、本実施形態では、基板回収領域Rと基板供給領域Sが別々に設けられる場合を例示したが、一つの領域が、基板回収領域Rと基板供給領域Sを兼ねることもできる。
図5に、回収側基板移載装置37及び供給側基板移載装置38のフィンガ95Aの爪95Cと、基板70の裏面79の周縁と支持プレート45の間に形成される隙間40との位置関係を示す。粘着部35の厚みによって形成される隙間40の高さ(図中Z方向寸法)をH1、基板70の外縁と粘着部35の外縁の寸法差によって形成される隙間40の幅(図中X又はY方向寸法)をW1と定義する。また、フィンガ95Aにおいて、基板70の外縁と当接する把持面95Dに対して爪95Cの基板70側への突出量(図中X又はY方向寸法)をW2、把持面95Dの下端から爪95Cの下方側への突出量(図中Z方向寸法)をH2と定義する。上記定義寸法は、以下の関係を満たす。
H1>H2、及び/又は、W1>W2
このようにすることで、基板搬送キャリア20に対して基板70を供給・回収する際に、フィンガ95Aや爪95Cが支持プレート45と干渉したり、基板70の裏面79に回り込む爪95Cが粘着部35と干渉したりすることを回避できる。
<供給側吸引機構>
図6(A)に、基板供給領域Sにおける供給側吸引機構148と、これに位置決めされる基板搬送キャリア20の関係を示す。なお、ここでは説明の便宜上、基板搬送キャリア20の粘着部35には、成膜前の基板70が仮粘着されている状態を例示する。仮粘着とは、供給側基板移載装置38によって、基板70が粘着部35に載置された状態を意味する。
供給側吸引機構148は、キャリア固定部150と、連結パッド152と、圧力供給路158と、切換え弁154と、相対移動機構156を有する。キャリア固定部150は、基板供給領域Sに搬送された基板搬送キャリア20の支持プレート45を保持するチャックとなる。これにより基板搬送キャリア20の姿勢が固定される。なお、キャリア固定部150による支持プレート45の固定方法は、チャック構造に限られず、エア吸引構造や磁力吸着構造等、様々な固定方法を採用できる。
連結パッド152は、基板搬送キャリア20の支持プレート45の裏面側に配置される。相対移動機構156は、連結パッド152を、基板70の裏面に対して接近・離反させる。本実施形態では、相対移動機構156としてエアシリンダやソレノイド等が採用されており、連結パッド152を上下動させる構造となる。ここでは、連結パッド152側を上下動させる場合を例示するが、基板搬送キャリア20側を上下動させても良い。なお、連通路50の他端側開口50Bを、支持プレート45の側面に開口させる場合は、連結パッド152を、支持プレート45の側面に配置する。相対移動機構156によって、連結パッド152を支持プレート45の側面に対して接近・離反させるようにする。
相対移動機構156によって、連結パッド152の上面に相当する当接面152Cが、支持プレート45の裏面に接近・離反する。また、連結パッド152には、支持プレート45の各連通路50に対応する案内孔152Aが形成される。当接面152Cには、各案内孔152Aを取り囲むようにリングシール152Bが配置される。
連結パッド152の各案内孔152Aには、減圧ポンプ80の負圧を案内する圧力案内路158が接続される。圧力案内路158の途中には、各案内孔152Aに対応して切換え弁154が配置される。この切換え弁154により、各案内孔152Aに対する負圧供給のON・OFFを切り替えることができる。
図6(B)に示すように、キャリア固定部150によって基板搬送キャリア20を固定してから、相対移動機構156によって連結パッド152を上昇させると、当接面152Cが基板70の裏面に接近して、各案内孔152Aと各連通路50が接続される。この際、リングシール152Bが押しつぶされることで、両者の接続境界から負圧が漏れないようになっている。その後、切換え弁154をONにすると、減圧ポンプ80の負圧が、圧力案内路158に供給される。結果、基板70の裏面79、粘着部35の内縁、及び支持プレート45の支持面47に囲まれる圧力空間60が陰圧となる。結果、周囲の大気圧によって、矢印Kの方向に基板50が粘着部35に押し付けられるので、基板50と粘着部35が強固に接着される。つまり、基板50と粘着部35の間に作用する粘着力を高めることができる。
なお、図2に示すように、支持プレート45を平面視する際に、各基板70に形成される圧力空間60の面積は、粘着部35の面積と同一又はそれ以上に設定されることが好ましい。圧力空間60の面積は、基板70に対する負圧又は正圧の印加面積となることから、この面積の比率を大きくすることで、基板70に対して大きな外力(吸引力または離反力)を創出できる。これは、供給する負圧又は正圧の絶対値が小さく設定できることにつながる。
<供給側吸引機構と供給側基板移載装置の制御>
図7(A)に示すように、キャリア固定部150によって基板搬送キャリア20を固定した状態で、供給側基板移載装置38は、基板70を下降させて基板搬送キャリア20に載置する。この際、連結パッド152を基板搬送キャリア20に予め当接させておくことが好ましい。一方、基板70の下降途中は、その搭載予定位置に対応する連通路50への負圧供給はOFFにする。負圧供給をONにしておくと、基板70の下降途中において基板70が下方に吸引されて、基板70の姿勢が崩れたり、基板70が破損したりする恐れがある。また、基板70が支持プレート45に対して適切な位置に置かれてから、粘着部35へ強く引きつけることができるので、基板70が誤った位置に固定されることを防ぐこともできる。
図7(B)に示すように、供給側基板移載装置38によって、基板70と粘着部35が当接(仮粘着)している状態で、供給側吸引機構148による負圧供給をON状態にする。結果、大気圧によって均質に押圧力Kを作用させることができるので、粘着部35と基板70の接着状態を強固(本粘着)にできる。なお、粘着部35による基板70の粘着力(保持力)は、ターンテーブル25の回転によって基板70に作用する遠心力に抗する程度に管理される。
なお、供給側吸引機構148による負圧供給のONの切換えタイミングは、基板70が粘着部35に当接した後が好ましく、更に、把持部95が基板70を保持している最中とすることも好ましく、より好ましくは、把持部95が基板70を開放した後とする。例えば、特に図示しないが、基板搬送キャリア20を起立させた状態で、側方から基板70を粘着部35に密着させる場合は、負圧供給前に把持部95を開放すると、自重によって基板70が粘着部35から離脱する可能性があるので、把持部95が基板70を保持している最中に負圧供給を開始することが望ましい。
一方、基板搬送キャリア20において、基板70が未載置状態の粘着部35に対応する連通路50への負圧供給はOFFにしておくことが好ましい。未載置状態の連通路50への負圧供給をONにすると、この連通路50から負圧が漏れ出してしまい、他の圧力空間60の負圧が低下するおそれがある。結果、基板搬送キャリア20において、一部の粘着部35及び連通路50が未使用状態であっても、基板70の供給が可能となる。
<回収側吐出機構>
図8(A)に、基板回収領域Rにおける回収側吐出機構147と、これに位置決めされる基板搬送キャリア20の関係を示す。なお、ここでは説明の便宜上、基板搬送キャリア20の粘着部35には、成膜後の基板70が本粘着されている状態を例示する。本粘着とは、供給側吸引機構148による負圧印加によって、基板70が粘着部35にしっかりと接着された状態を意味する。
回収側吐出機構147は、キャリア固定部150と、連結パッド152と、圧力供給路158と、切換え弁154と、相対移動機構156を有する。なお、回収側吐出機構147の構造は、負圧と正圧が反転する関係を除き、供給側吸引機構148と同様であることから、図中において部品・部材の両者の符号を一致させることで、個々の説明を省略する。
連結パッド152の各案内孔152Aには、圧力案内路158を介して、コンプレッサ90の正圧が案内される。圧力案内路158の途中の切換え弁154により、各案内孔152Aに対する正圧供給のON・OFFを切り替えることができる。
図8(B)に示すように、キャリア固定部150によって基板搬送キャリア20を固定した状態で、相対移動機構156によって連結パッド152を上昇させると、当接面152Cが基板70の裏面に接近して、各案内孔152Aと各連通路50が接続される。その後、切換え弁154をONにすると、コンプレッサ90の正圧が、圧力案内路158に供給される。結果、基板70の裏面、粘着部35の内縁、及び支持プレート45の支持面47に囲まれる圧力空間60が陽圧となる。結果、周囲の大気圧に抵抗して、矢印Lの方向に基板70が押し上げられるので、基板70と粘着部35が離反しようとする。つまり、基板70と粘着部35の粘着力が弱められる。なお、この正圧は、該正圧のみによって基板70と粘着部35の全面が剥離しない程度に設定されることが望ましい。即ち、回収基板移載装置37と回収側吐出機構147が協働して、初めて、基板70が粘着部35から剥離できる程度に設定される。なお、キャリア固定部150による基板搬送キャリア20の保持力は、連結パッド152の押圧によっても基板搬送キャリア20の姿勢が崩れない程度に調整される。
<回収側吐出機構と回収側基板移載装置の制御>
図9(A)に示すように、回収基板移載装置37が基板搬送キャリア20の基板70を把持する前に、キャリア固定部150によって基板搬送キャリア20を固定しておく。この際、連結パッド152を基板搬送キャリア20に当接させておくことが好ましい。また、把持予定となる基板70の連通路50への正圧供給はOFFにしておく。把持部95による基板70の把持前に正圧供給をONにする場合、粘着部95の粘着力が繰り返し使用によって低下してきた場合に、その正圧のみによって基板70が粘着部35から剥離して、想定外の場所に移動する恐れがある。
図9(B)に示すように、回収側基板移載装置37による基板70の把持が完了している状態で、回収側吐出機構147による正圧供給をON状態にする。圧力空間60に正圧が案内される結果、把持部95によって基板70の姿勢が安定している状態のままで、基板70に対して均質な押上力Lが作用する。
その後、図10(A)に示すように、回収側基板移載装置37が把持部95を上昇させる。上昇開始時は、図10(B)に拡大して示すように、把持部95によって基板70の周縁近傍が上方に持ち上げられる力(矢印D)と、圧力空間60側に作用する押し上げ力Lの双方が同時に作用するので、基板70の周縁の反りを抑制したまま、基板70を粘着部35から剥離できる。結果、剥離時の基板70の破損を抑制できる。なお、把持部95による持ち上げ力Dは、把持面95Dと基板70の周縁の摩擦力や、爪95Cと基板70の係合状態によって生み出される。
なお、図10(A)のように、基板搬送キャリア20において、基板70が未載置状態の粘着部35及び連通路50への正圧供給はOFFにしておくことが好ましい。未載置状態の連通路50への正圧供給をONにすると、この連通路50から正圧が漏れ出してしまい、他の圧力空間60の正圧レベルが低下するおそれがある。この制御により、基板搬送キャリア20において、一部の粘着部35及び連通路50が未使用状態のまま、基板70の成膜が可能となる。
図11に、回収側吐出機構147と回収側基板移載装置37の制御タイミングチャートを示す。図11(A)に示すように、タイミングTsにおいて、回収側吐出機構147による正圧供給をONにすると、大気圧P0よりも大きい圧力P1が圧力空間60に印加される。正圧印加開始と同時又はそれよりも所定時間経過したタイミングTuにおいて、回収側基板移載装置37が把持部95(基板70)を上昇させる。上昇速度は適宜設定されるが、例えば、10mm/秒以下が好ましく、より好ましくは5mm/秒以下に設定される。基板70と粘着部35が密着している間は、基板70の上昇が抑制されると同時に回収側基板移載装置37の上昇負荷(負荷トルク)が増大するが、基板70と粘着部35が徐々に剥がれ出して、圧力空間60が大気側に開放されると(図10(A)の点線矢印参照)、上昇負荷(負荷トルク)が急減して基板70の上昇速度が自ずと急増し、これと同時に、圧力空間60の圧力が急激に低下して大気圧P0に戻る。その後、把持部95の上昇量が閾値Mに到達したタイミングTfで、粘着部35からの基板70の剥離が完了したと判断し、回収側吐出機構147による正圧供給をOFFにする。なお、回収側基板移載装置37による把持部95(基板70)の移動速度の設定に関して、上昇前期の上昇速度を低く設定し、後期の上昇速度を高く設定することもできる。また、後述する剥離判定の前後で上昇速度を変更しても良く、剥離判定前の上昇速度を低く設定し、剥離判定後の上昇速度を高く設定できる。
なお、図11(B)に示すように、タイミングTuにおいて、回収側基板移載装置37が把持部95(基板70)を上昇させようとしても、把持部95の上昇が途中で停止して閾値Mに到達しない場合がある。これは、回収側基板移載装置37における上昇力(この値は、基板70が破損しない程度に予め設定される)よりも、粘着部95による粘着力が上回っていることに起因する。そこで本制御装置では、タイミングTuから所定時間経過したタイミングTaにおいて、上昇量が閾値Mに到達しないと判断すると、基板70が粘着部35から剥離できない状態と判断し、回収側吐出機構147による正圧レベルをP2まで上昇させる。これにより、基板70に作用する押し上げ力Lが増大するので、基板70と粘着部35が徐々に剥がれ出す。圧力空間60が大気側に開放されると、基板70の上昇速度が急増加し、これと同時に、圧力空間60の圧力が急激に低下して大気圧P0に戻る。結果、把持部95の上昇量が閾値Mに到達したタイミングTfで、粘着部35からの基板70の剥離が完了したと判断(判定)し、回収側吐出機構147による正圧供給をOFFにする。なお、いずれの制御によっても、把持部95の上昇量が、予め設定される時間を経ても閾値Mに到達しない場合、音・光・振動による警報を発することが好ましい。この場合は、作業員によって手作業によって基板70を剥離する。なお、ここでは正圧供給のOFFのタイミングについて、把持部95の上昇量で剥離完了判定する場合を例示するが、圧力空間の圧力の急低下を圧力センサーで検知して剥離完了判定を行い、正圧供給をOFFにしても良い。また、回収側基板移載装置37の上昇負荷(負荷トルク)の急減を検知して剥離完了判定を行い、正圧供給をOFFにしても良い。
なお、ここでは特に図示しないが、回収側基板移載装置37又は回収側吐出機構147に、振動検知機構を設けることが好ましい。例えば、回収側基板移載装置37では、把持部95やアーム部97に振動検知機構を設けることが出来る。また、把持部95やアーム部97の移動量に含まる微振動成分や、把持部95やアーム部97に作用する急激な負荷変動から振動を検知しても良い。負荷変動は、力センサー、制御電流、制御電圧、制御電力等から検知できる。この振動検知機構により、剥離時における基板70の破損を判定することができる。
<キャリア脱着装置>
図12に示すように、真空チャンバ15内のキャリア脱着装置120は、アーム部127と把持部125を有する。アーム部127は、搬入される基板搬送キャリア20の平面方向(図中X-Y平面方向)及び上下方向(図中Z方向)に把持部125を移動させると共に、図中Y軸周りに把持部125を揺動させる。把持部125はいわゆるチャックであり、一対のフィンガ125Aが、基板搬送キャリア20の支持プレート45の周縁を把持する。既に述べたように、支持プレート45の大きさは、基板70よりも大きいので、フィンガ125Aで支持プレート45をハンドリングする際に、フィンガ125Aと基板70の接触が回避される。
キャリア脱着装置120は、キャリア移送装置10によって真空チャンバ15内に搬入される成膜前の基板搬送キャリア20を把持部125で把持した後、アーム部127によって基板搬送キャリア20を起立させながら、ターンテーブル25にセットする。また、成膜完了後は、ターンテーブル25にセットされている起立状態の基板搬送キャリア20を把持部125で把持し、アーム部127によって基板搬送キャリア20を水平状態に旋回させながら、キャリア移送装置10まで移載する。
なお、ターンテーブル25にセットされる基板搬送キャリア20の連通路50は、真空チャンバ15の圧力空間と連通していることが望ましい。真空チャンバ15内が減圧される際に、基板70の裏面側の圧力空間60が陽圧になってしまい、基板70と粘着部35の密着性が低下して離脱することを防止できる。
なお、本実施形態では、基板搬送キャリア20は、鉛直方向に基板70が立てられた態様でターンテーブル25に固定される場合を例示したが、水平に基板70が寝かされた態様でターンテーブル25に固定されてもよい。また、本実施形態では、キャリア移送装置10が、基板搬送キャリア20を水平に搬入する場合を例示したが、基板搬送キャリア20を起立状態で搬入しても良い。
次に、図13以降を参照して、成膜システム1を用いた成膜手順の全体的なフローを示す。なお、図13はフローチャートとなる。図14以降では、説明の便宜上、成膜完了後の基板70を黒色で着色している。
まず、図14の状態では、成膜が完了した8枚の基板搬送キャリア20が、キャリア脱着装置120及びキャリア移送装置10によって真空チャンバ15から搬出されて、キャリア循環装置130の循環経路J上の回収側キャリアストッカ130Aにストックされている。
この状態で、図15に示すように、キャリア循環装置130は、回収側キャリアストッカ130A内の基板搬送キャリア20を、一枚ずつ、基板回収領域Rに移動させる。基板回収領域Rでは、基板搬送キャリア20の基板70を、回収側吐出機構147及び基板移載装置37を利用して粘着部35から離反させて、基板回収テーブル157に回収する。特定の基板搬送キャリア20の全ての基板70の回収が完了したら、キャリア循環装置130によって、その基板搬送キャリア20を待機用キャリアストッカ130Cに移動させる。同時に、次の基板搬送キャリア20が回収側キャリアストッカ130Aから基板回収領域Rに搬入される。
一方、キャリア循環装置130は、待機用キャリアストッカ130Cにストックされる基板未載置の基板搬送キャリア20を、一枚ずつ、基板供給領域Sに移動させる。基板準備装置5の基板供給領域Sでは、基板供給テーブル158にストックされる基板70を、基板搬送キャリア20の粘着部35の上に載置して仮粘着し、供給側吸引機構148の減圧ポンプ80によって圧力空間60を減圧することで粘着固定(本粘着)する(S1)。
なお、基板供給領域Sにおいて、特定の基板搬送キャリア20に対して全ての基板70の粘着固定が完了したら、この基板搬送キャリア20をキャリア循環装置130によって下流側に移動させて、供給側キャリアストッカ130Bにストックする。同時に、次の基板搬送キャリア20が待機用キャリアストッカ130Cから基板供給領域Sに搬入される。従って、基板供給領域Sでは、次の基板搬送キャリア20の粘着部35の上に基板供給テーブル158にストックされる基板70を載置して粘着固定する(S1)。この工程を繰り返すことで、図16に示すように、複数(ここでは8枚)の基板搬送キャリア20の成膜済み基板70が、回収されると同時に、合計64枚の未成膜の基板70が粘着固定される複数(ここでは8枚)の基板搬送キャリア20が供給側キャリアストッカ130Bにストックされる。
次に、図17に示すように、キャリア循環装置130は、未成膜の基板70を保持する基板搬送キャリア20を、供給側キャリアストッカ130Bから順番にキャリア移送装置10に送り出す。キャリア移送装置10及びキャリア脱着装置120は、8枚の基板搬送キャリア20を、真空チャンバ15のターンテーブル25に順次セットしていく(S2)。これと同時に、真空チャンバ15で成膜が完了した基板搬送キャリア20も、キャリア移送装置10及びキャリア脱着装置120を経て、キャリア循環装置130に排出される。全ての基板搬送キャリア20の真空チャンバ15への搬入が完了すると、図14の状態となる。
この図14において、真空チャンバ15内のターンテーブル25を回転させながら、基板70の表面に成膜をおこなう(S3)。成膜手法は特に限定されないが、例えば、電子ビーム蒸着やスパッタリングといった技術を用いて成膜される。なお、この成膜処理中の時間を利用して、既述の図15~図16の手順に沿って、成膜が完了した基板搬送キャリア20上の基板70の回収と、次の未成膜の基板70の基板搬送キャリア20への固定及び供給側キャリアストッカ130Bへのストックが実行される。
真空チャンバ15内での成膜が終了したら、図17に示すように、真空チャンバ15で成膜が完了した基板搬送キャリア20を、キャリア移送装置10及びキャリア脱着装置120を経て、基板準備装置5のキャリア循環装置130に排出し(S4)、回収側キャリアストッカ130Aにストックしていく。なお、これと同時に、未成膜の基板70を粘着固定した基板搬送キャリア20が、供給側キャリアストッカ130Bから供給されて、真空チャンバ15のターンテーブル25に順次セットされていく(S2)。その結果、図14の状態となる。
その後、図15に示すように、キャリア循環装置130は、回収側キャリアストッカ130A内の基板搬送キャリア20を、一枚ずつ、基板回収領域Rに移動させる。基板回収領域Rでは、基板搬送キャリア20の基板70を、回収側吐出機構147及び回収側基板移載装置37を利用して粘着部35から離反させながら、基板回収テーブル157に回収する(S5)。基板搬送キャリア20の基板70の回収が完了したら、キャリア循環装置130によって、その基板搬送キャリア20を待機用キャリアストッカ130Cに移動・ストックさせる。
本発明の実施形態に係る基板搬送キャリア20によれば、非可撓性且つプレート状の部材である支持プレート45を使用しているので、回収側吐出機構147や供給側吸引機構148によって、基板70を粘着部35に接着したり、基板70を粘着部35から剥離させたりする際に、支持プレート45が変形しないので、基板70を確実に固定・剥離できる。
また、支持プレート45の粘着部35に基板70を張り付ける際に、手作業で押圧するのではなく、圧力空間60に負圧を印加することによる大気圧との差圧によって、基板70と粘着部35を相互に密着させるので、常に安定した接着状態を創出できる。つまり、基板70の貼り付け作業による人為的なミスを回避できる。
また、支持プレート45の粘着部35から基板70を剥離する際に、圧力空間60に正圧を導入することで、基板70の剥離を補助できるので、基板70の剥離が容易になり、また、剥離時の基板70の破損を低減できる。
特に本基板準備装置5によれば、コンプレッサ90による正圧を適切に制御することで、その正圧のみで、基板70が粘着部35から剥離してしまうことを回避している。結果、基板70が基板搬送キャリア20から脱落し落下して損傷することを抑制できる。
また、本実施形態の成膜システム1では、基板準備装置5による圧力空間60への正圧・負圧の導入と、回収側基板移載装置37や供給側基板移載装置38の把持部95の協働によって、基板搬送キャリア20に対する基板70の貼り付け及び剥離を自動化できる。更に、キャリア脱着装置120によって、基板搬送キャリア20側をハンドリングすることで、真空チャンバ15への搬入・搬出も自動化できる。結果、成膜プロセスの全体行程を自動化できるという利点が得られる。
この際、基板搬送キャリア20では、粘着部35が、支持プレート45の支持面47に対して凸状に設けられ、更に、基板70の周縁よりも面方向内側に配置される。結果、回収側基板移載装置37や供給側基板移載装置38の把持部95によって、基板70をハンドリングする際に、支持プレート45や粘着部35への接触が回避される。特に、基板70の裏面79に対して爪95Cを係合させて確実に把持することが容易になる。
更に本基板搬送キャリア20によれば、支持プレート45が、基板70よりも外側に張り出しているため、キャリア脱着装置120が支持プレート45をハンドリングする際に、基板70に損傷を与えてしまう可能性を低減できる。つまり、支持プレート45は、キャリア脱着装置120における被ハンドリング部としての役割の担うことが出来る。
更に本基板搬送キャリア20によれば、支持プレート45と基板裏面79の間に形成される隙間40の距離を極力小さくしているので、成膜中において、成膜材料の裏面79への回り込みを抑制することも両立させている。
また、本基板搬送キャリア20によれば、単一の基板搬送キャリア20で、多数の基板70を取り扱うことができるので、生産性を飛躍的に上げることができる。なお、ここでは単一の基板搬送キャリア20が8枚の基板70を保持する場合を例示したが、例えば、4枚以上の基板70を保持することが好ましく、好ましくは8枚以上、更に好ましくは10枚以上の基板を保持することが好ましい。一方で、単一となる支持プレート45で一枚の基板70を保持してもよい。
また、本実施形態では、粘着部35が矩形の環状に設けられる場合を例示したが、粘着部35の環形状は、円形、楕円形等、様々な形状を採用できる。また、粘着部35が完全なる環状となる場合に限定されない。例えば図18に示すように、粘着部35が連通孔50を取り囲んでいるものの、環の一部が開放されている場合を含む。多少、大気側と圧力空間60が繋がっていても、その通気抵抗によって、圧力空間60を陽圧又は陰圧に制御できるからである。
更に本実施形態では、回収側吐出機構147と供給側吸引機構148が別々に設けられる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図19に示すように、圧力供給路158に対して、減圧ポンプ80とコンプレッサ90の双方を接続しておき、選択弁155によって、正圧と負圧を選択的に供給できるようにすれば、一台の装置で、回収側吐出機構147と供給側吸引機構148を兼ねることが出来る。
また、本実施形態の変形例となる図20に示すように、支持プレート45において、支持面47における粘着部35の内側に、基板70の裏面79に当接する又は接近するスペーサ200を凸設することも好ましい。このスペーサ200の高さ(厚み)は、粘着部35と同じ又はそれ以下に設定される。このようにすると、図20(B)に示すように、圧力空間60を負圧にする際に、基板70の中央近傍が圧力空間60側に撓むことを抑制できる。
更に、本実施形態では、把持部95における金属製や樹脂製のフィンガ95Aが、直接、基板70に当接して把持する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図21に示すように、フィンガ95Aに弾性変形可能な接触体95Eを設けるようにし、この接触体95Eを基板70の側縁に接触させて把持することが好ましい。このようにすると、接触体95Eが接触圧によって変形しながら、基板70を把持できるので、基板70のチッピングを抑制できる。更に、接触体95Eの弾性変形によって、接触体95Eの一部が基板70の裏側に回り込むことができるので、爪95Cの代替的な役割を担うこともできる。
また本実施形態では、基板70が平板となる場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、湾曲した曲面を有する基板70に適用できる。更に、基板70の厚みが全体で均一となる場合に限定されず、厚みが変化する基板70であっても良い。また更に、基板70の素材はガラスに限定されず、樹脂、シリコンウエハ等の各種素材に適用可能である。
また更に、本実施形態では、支持プレート45に対して粘着部35を凸設し、主にこの粘着部35の厚みによって、圧力空間60の高さを確保する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図22に示すように、支持プレート45の支持面47において、粘着部35によって取り囲まれる空間にチャンバ用凹部700を形成することで、チャンバ用凹部700の底面(支持面47)と基板70の裏面79の隙間によって、圧力空間60の高さを確保しても良い。このようにすると、粘着部35の粘着シートの厚みを、例えば0.8mm以下(更には0.2mm以下)に薄くしても、圧力空間60の高さを0.1mm以上に確保できる。なお、このチャンバ用凹部700の外縁は、粘着部35の内縁に接近させる(例えば5mm以内)ことが好ましく、更に望ましくは、チャンバ用凹部700の外縁と、粘着部35の内縁を互いに一致させる。支持面47において、このチャンバ用凹部700が形成されない領域は、スペーサ200として機能させることが出来る。
また、本実施形態では、粘着部35の厚みによって、基板70の裏面79の周縁近傍に隙間40を形成する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図22に示すように、支持面47における、基板70の裏面79の周縁近傍に相当する領域において、当該周縁に沿って部分的となる退避用凹部720を形成し、退避用凹部720の底面(支持面47)と裏面79の間で隙間40の高さを確保しても良い。このようにすると、粘着部35の粘着シートの厚みを、例えば0.8mm以下(更には0.2mm以下)に薄くしても、隙間40の高さを0.5mm以上、望ましくは1.0mm以上に確保できる。図22(C)に示すように、把持部95におけるフィンガ95Aの先端を、退避用凹部720に沿って移動させて基板70を把持すれば、フィンガ95Aと支持面47の干渉を抑制できる。また、退避用凹部720以外の部分は、隙間40の高さを更に小さくできるので、成膜材料の裏面79側への回り込みを抑制できる。なお、この退避用凹部720は、基板70の外縁を、内外に跨ぐように形成することが好ましい。
尚、本発明の基板搬送キャリア、基板準備装置、成膜システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 成膜システム
5 基板準備装置
10 キャリア移送装置
15 真空チャンバ
20 基板搬送キャリア
25 ターンテーブル
35 粘着部
37 回収側基板移載装置
38 供給側基板移載装置
40 隙間
45 支持プレート
50 連通路
60 圧力空間
70 基板
80 減圧ポンプ
90 コンプレッサ
95 把持部
97 アーム部
5 基板準備装置
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15 真空チャンバ
20 基板搬送キャリア
25 ターンテーブル
35 粘着部
37 回収側基板移載装置
38 供給側基板移載装置
40 隙間
45 支持プレート
50 連通路
60 圧力空間
70 基板
80 減圧ポンプ
90 コンプレッサ
95 把持部
97 アーム部
Claims (15)
- 真空チャンバ内で表面に薄膜が形成される基板を保持し、前記真空チャンバの内外に該基板を移動させる際にハンドリングされる基板搬送キャリアであって、
前記基板の裏面側に配置される非可撓性且つプレート状の部材であって、該裏面と対向する支持面を有する支持プレートと、
前記支持プレートに形成され、一端が前記支持面に開口し、且つ、他端が外界側に開口する連通路と、
前記支持プレートの前記支持面において前記連通路を取り囲む状態に設けられ、前記基板の前記裏面に対して着脱自在に粘着する粘着部と、を備え、
前記支持プレートの前記支持面と前記基板の前記裏面の間であって前記粘着部によって取り囲まれる空間が、前記連通路を介して正圧又は負圧が導入される圧力空間となることを特徴とする基板搬送キャリア。 - 前記支持プレートの前記支持面に対して前記粘着部が凸設されるか、または、前記支持プレートの前記支持面の一部が前記基板の前記裏面から離反する方向に変位することで、前記圧力空間が形成されることを特徴とする、
請求項1に記載の基板搬送キャリア。 - 前記粘着部の外側の輪郭形状は、前記基板の輪郭よりも面方向内側に位置しており、
前記基板の前記裏面の周縁近傍と前記支持プレートの間に隙間が形成されることを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載の基板搬送キャリア。 - 前記支持プレートの前記支持面に対して前記粘着部が凸設されるか、または、前記支持プレートの前記支持面の一部が前記基板の前記裏面から離反する方向に変位することで、前記隙間が形成されることを特徴とする、
請求項3に記載の基板搬送キャリア。 - 平面視する場合に、前記支持プレートの周縁は、前記基板の周縁よりも外側に位置することを特徴とする、
請求項1から請求項4のいずれか一に記載の基板搬送キャリア。 - 単一となる前記支持プレートに対して複数の前記粘着部が互いに独立して設けられており、
前記支持プレートは、複数の前記粘着部に対応する複数の前記連通路を有しており、
複数の前記粘着部によって、複数の前記基板が保持されることを特徴とする、
請求項1から請求項5のいずれか一に記載の基板搬送キャリア。 - 前記支持プレートの前記支持面における前記粘着部の内側に凸設され、前記基板の裏面に当接するスペーサを備えることを特徴とする、
請求項1から請求項6のいずれか一に記載の基板搬送キャリア。 - 真空チャンバ内で表面に薄膜が形成される前記基板を保持する前記基板搬送キャリアに対して、該基板を載置、及び/又は、取り外す基板準備装置であって、
請求項1から請求項7のいずれか一に記載の前記基板搬送キャリアと、
前記基板が載置される前記基板搬送キャリアにおける、前記圧力空間に対して、前記連通路を介して、正圧又は負圧を導入する圧力調整装置と、
を備えることを特徴とする基板準備装置。 - 前記正圧の圧力は、該正圧のみによって前記基板と前記粘着部の全面が剥離しない程度に設定されることを特徴とする、
請求項8に記載の基板準備装置。 - 前記基板の周縁を把持する把持部、及び、該把持部を移動させるアーム部を有する基板移載装置を備え、
前記基板移載装置が、前記把持部によって薄膜形成前の前記基板の周縁を把持し、前記アーム部によって前記基板の裏面が前記基板搬送キャリアの前記粘着部に当接する位置まで移載することを特徴とする、
請求項8または請求項9に記載の基板準備装置。 - 前記基板移載装置によって前記基板の裏面を、前記基板搬送キャリアの前記粘着部に当接させてから、前記連通路に前記負圧が導入されることを特徴とする、
請求項10に記載の基板準備装置。 - 前記基板の周縁を把持する把持部、及び、該把持部を移動させるアーム部を有する基板移載装置を備え、
前記基板移載装置が、前記基板搬送キャリアによって保持される前記基板の周縁を把持し、前記アーム部によって前記基板を前記粘着部から離反させることを特徴とする、
請求項8又は請求項9に記載の基板準備装置。 - 前記基板移載装置が、前記正圧が前記圧力空間に導入されている最中に前記アーム部によって前記基板を前記粘着部から離反させることを特徴とする、
請求項12に記載の基板準備装置。 - 前記圧力空間の圧力変化、前記アーム部の変位変化、及び、前記基板移載装置に作用する負荷変化の少なくともいずれかから、前記基板が前記粘着部から離反したか否かを判定する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記基板が前記粘着部から離反した判定に基づいて、前記圧力調整装置による前記正圧の導入を終了させることを特徴とする、
請求項12又は請求項13に記載の基板準備装置。 - 真空チャンバ内で前記基板の表面に薄膜を形成させる成膜システムであって、
請求項8から請求項14のいずれか一に記載の基板準備装置と、
真空成膜のための前記真空チャンバと、
前記基板準備装置から前記真空チャンバの中へ、前記基板を保持する前記基板搬送キャリアを移送するキャリア移送装置と、
を備えることを特徴とする成膜システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020203099A JP2022090671A (ja) | 2020-12-08 | 2020-12-08 | 基板搬送キャリア、基板準備装置、成膜システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020203099A JP2022090671A (ja) | 2020-12-08 | 2020-12-08 | 基板搬送キャリア、基板準備装置、成膜システム |
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Family Applications (1)
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JP2020203099A Pending JP2022090671A (ja) | 2020-12-08 | 2020-12-08 | 基板搬送キャリア、基板準備装置、成膜システム |
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Country | Link |
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2020
- 2020-12-08 JP JP2020203099A patent/JP2022090671A/ja active Pending
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