JP2022089671A - 微生物担体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱い性がよく、微生物の処理能力に優れる微生物担体およびその製造方法を提供する。【解決手段】担体1は、微生物を担持する微生物担体であって、熱可塑性樹脂3および無機粉体4を含む発泡成形体で、表面に凹凸2を有しており、無機粉体4は、熱可塑性樹脂3および無機粉体4の合計量に対して15質量%~70質量%含まれ、無機粉体は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム水和物、珪藻土、麦飯石、貝殻、骨粉、炭酸カルシウム、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、ワラストナイト、アノーサイトおよびマイカからなる群より選ばれる少なくとも1つである。【選択図】図1

Description

本発明は、微生物担体(以下、単に担体ともいう。)およびその製造方法に関し、特に、微生物を担持、増殖、脱離する微生物担体およびその製造方法に関する。
工場排水などの産業排水や、生活排水、魚介類の飼育水、水生植物用飼育水などを浄化する方法として微生物を用いた方法が知られている。例えば、微生物が担持された担体を被処理水中に投入して通水させることで、その微生物による働きで被処理水中の有害物質などを分解することができる。このような微生物としては、増殖に酸素を必要とする好気性微生物や、増殖に酸素を必要としない嫌気性微生物が用いられている。
従来、担体として、無機粉体であるセラミックス粉体からなる担体が知られている。セラミックスは表面に多数の空孔を有しているため、微生物の付着に適している。例えば特許文献1には、ワラストナイトおよびアノーサイトを含有するセラミックス成形体からなる担体が記載されている。この担体の表面には、50~1000μmの範囲の大孔径と0.1~10μmの範囲の細孔径を有する2種の空隙が形成されている。
また、鋳物製造工程から生じる鋳物廃砂を微生物担体として利用した技術も知られている。例えば、特許文献2には、鋳物廃砂を180℃以上400℃以下で加熱処理した担体が記載されている。
特開平7-60279号公報 特開2018-114494号公報
セラミックス成形体からなる担体は、多孔質構造であることから表面積が大きく、微生物の付着性に優れている。しかし、担体の重量が重く、取り扱い性がよいとはいえない。また、焼成が必要になることから、コストが高くなる傾向がある。また、鋳物廃砂を原料にした担体も同様のことがいえる。一方で、軽量で比較的低コストな担体として、樹脂成形体からなる担体も知られているが、セラミックス成形体の担体に比べて表面積が小さく、耐久性の面で劣る傾向がある。
ところで、担体に担持された微生物の働きを十分に発揮させるためには、微生物に対して、被処理水をできるだけ多く接触させることが重要である。そのため、一般には撹拌などすることにより被処理水や担体を流動させることで処理能力を向上させているが、より簡便に微生物の処理能力を向上できることが望ましい。
本発明は、このような事情に対処するためになされたものであり、取り扱い性がよく、微生物の処理能力に優れる微生物担体およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の微生物担体は、微生物を担持する微生物担体であって、上記微生物担体は、熱可塑性樹脂および無機粉体を含む発泡成形体で、表面に凹凸を有しており、上記無機粉体は、上記熱可塑性樹脂および上記無機粉体の合計量に対して15質量%~70質量%含まれることを特徴とする。また、上記発泡成形体は押出発泡成形体であり、上記無機粉体は、上記熱可塑性樹脂および上記無機粉体の合計量に対して35質量%~70質量%含まれることを特徴とする。
上記無機粉体は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム水和物、珪藻土、麦飯石、貝殻、骨粉、炭酸カルシウム、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、ワラストナイト、アノーサイトおよびマイカからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
上記微生物担体の比表面積が1m/g~5m/gであることを特徴とする。
本発明の微生物担体を製造する製造方法は、少なくとも上記熱可塑性樹脂と上記無機粉体と発泡剤とを混錬して、発泡成形することを特徴とする。
上記製造方法は、上記発泡剤以外の原材料を予めペレット化し、得られたペレットと上記発泡剤とを混錬して、押出発泡成形することを特徴とする。
本発明の微生物担体は、熱可塑性樹脂および無機粉体を含む発泡成形体であり、表面に凹凸を有しており、無機粉体が熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して、15質量%~70質量%含まれるので、担体への微生物の付着量が増大し、該微生物の処理能力を向上させることができる。また、熱可塑性樹脂と無機粉体を複合化することにより、軽量な樹脂と、大きな比表面積を有し耐久性のある無機粉体の特長を併せ持つ微生物担体になる。
さらに、上記微生物担体は、驚くべきことに、微生物を担持して増殖させる作用に加えて、担体上に一度担持した微生物を水中へ放出する作用(脱離作用)も有する。後述の実施例で示すように、本発明の微生物担体は優れた脱離作用を有する。熱可塑性樹脂と無機粉体を複合することで、担体の電位と微生物の電位が適度な関係になるためと考えられる。このように、本発明の微生物担体によれば、担体から脱離した微生物によっても被処理水などを処理可能になり、微生物の処理能力を簡便に向上させることができる。
本発明の微生物担体の製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂と無機粉体と発泡剤とを混錬して発泡成形するので、セラミックス成形体からなる担体のように焼成を必要とせず、比較的安価に担体を製造できる。
上記製造方法は、発泡剤以外の原材料を予めペレット化し、得られたペレットと発泡剤とを混錬して押出発泡成形するので、無機粉体の含有量を多くしても、担体における無機粉体の分散性を確保しやすい。また、発泡剤を組成物全体に分散させやすくなり、気孔の偏在などを防止しやすくなる。
本発明の微生物担体の一例を示す図である。 本発明の微生物担体の製造方法の一例を示す図である。 本発明の微生物担体を魚類表皮のプロバイオティクスに利用した概略図である。 本発明の微生物担体を生物脱臭システムに利用した概略図である。 実施例1~3の担体の外観写真である。 実施例1の担体の断面の顕微鏡写真およびSEM写真である。 実施例2の担体の断面の顕微鏡写真およびSEM写真である。 実施例3の担体の断面の顕微鏡写真およびSEM写真である。 KH-ZF1の病原微生物に対する増殖阻害試験の結果を示す図である。 微生物の増殖・脱離試験に用いた担体の性状を示す図である。 微生物の増殖・脱離試験の概略図である。 微生物の増殖・脱離試験の結果を示す写真である。
本発明の微生物担体の一例について、図1に基づいて説明する。図1(a)は担体の斜視図を示し、図1(b)はその一部の断面概略図を示す。この担体は、微生物を担持するものであり、例えば水中下で使用されて、該微生物の働きによって、被処理水中の特定の物質が分解、不活性化、除去、増殖阻害、殺傷などされる。特定の物質には、人体や魚介類などに悪影響を与える物質(例えば、アンモニアなどの有害物質や病原微生物)、不要物などが含まれる。
図1(a)に示すように、担体1は、熱可塑性樹脂および無機粉体を含む押出発泡成形体であり、表面に多数の凹凸2を有している。この凹凸2は、担体を押出発泡成形する際に、成形体の表面に形成される凹凸であり、メルトフラクチャーとも言われる。具体的には、凹凸2は、樹脂部分が発泡により部分的に隆起することで形成され、一般的なエッチングなどの粗面化処理で形成される微細凹凸(数マイクロオーダー)よりも粗い凹凸である。凹凸2は、円筒外面1aおよび円筒内面1bの略全体にわたって形成される。なお、図1では押出発泡成形体を示しているが、発泡成形体として射出発泡成形体を用いてもよい。この場合、発泡した樹脂部分や表面に露出した無機粉体によって表面に凹凸が形成される。
担体1のサイズは、特に限定されないが、例えば外径φが10mm~50mmであり、軸方向長さLが20mm~100mmである。担体1の軸方向長さLは、押出成形機から押し出す方向と同じ方向であり、押出成形機から押し出された成形体のカット長さによって調整される。なお、担体1の形状は円筒体に限らず、円柱体、球体、立方体、直方体などを採用できる。
図1(b)に示すように、担体1において、無機粉体4は熱可塑性樹脂3に分散している。担体1には、発泡成形によって生じた気孔5として連通孔6と閉気孔7が形成されている。連通孔6は円筒表面1a、1bから連通する孔であり、閉気孔7は周囲が壁面に囲まれた孔である。図1(b)に示すように、無機粉体4の一部は、気孔5の内部や円筒表面1a、1bに露出しており、被処理水と接触するように構成されている。
図1(b)に示すように、担体1は多孔質構造を有しており、その比表面積は、微生物の付着性の観点から0.1m/g以上であることが好ましい。具体的な範囲として、比表面積は0.1m/g~10m/gが好ましく、1m/g~5m/gがより好ましい。なお、比表面積は窒素ガス吸着法により測定された値をいう。窒素ガス吸着法は、単位質量あたりの窒素ガスの吸着脱離量を計測することで行われる。
また、担体1のかさ密度は0.9g/cm~2g/cmであることが好ましい。かさ密度は、JIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定される。かさ密度を上記範囲にすることで、水中で担体を容易に流動させることができ、微生物による処理能力を向上できる。かさ密度は、より好ましくは0.9g/cm~1.5g/cmであり、さらに好ましくは0.9g/cm~1.2g/cmである。
以下には、本発明の微生物担体を構成する組成物の組成について説明する。
熱可塑性樹脂は、特に限定されず、ポリエチレン(PE)樹脂やポリプロピレン(PP)樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。上記熱可塑性樹脂の中でも、軽量性や成形性に優れることからポリオレフィン系樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂は、該熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して、30質量%~85質量%含まれることが好ましく、30質量%~65質量%含まれることがより好ましい。上記含有量が30質量%未満の場合には、成形時の流動性を確保することが困難になりやすく、無機粉体の保持性が低下するおそれがある。また、熱可塑性樹脂の含有量は、質量比で無機粉体よりも少なくしてもよい。
微生物担体において、無機粉体は、熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して15質量%~70質量%含まれ、35質量%~70質量%含まれることが好ましい。無機粉体は、特に限定されず、鉱物、ファインセラミックス、貝殻などの天然物、骨粉などを用いることができる。鉱物としては、珪藻土、麦飯石、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、ワラストナイト、アノーサイト、マイカなどが挙げられる。なお、これら鉱物は天然鉱物でもよく、人工的に合成されたもの(例えば合成ゼオライト)でもよい。ファインセラミックスとしては、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化硼素、アルミナなどが挙げられる。貝殻としては、牡蠣やアコヤ貝の貝殻などが挙げられる。また、無機粉体として、鉱物や貝殻に含まれる成分である二酸化ケイ素や、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム水和物、炭酸カルシウムなども使用できる。上記無機粉体は、単独で使用してもよく、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
無機粉体の平均粒子径は、特に限定されないが、1μm~100μmが好ましい。無機粉体の平均粒子径が100μmを超えると、樹脂への分散性が低下し、無機粉体が担体表面や担体の気孔に露出する量が低下するおそれがある。一方、無機粉体の平均粒子径が1μm未満になると、粒子間の凝集が起こりやすく、分散性を損なうおそれがある。平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定して得られる。
無機粉体は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム水和物、珪藻土、麦飯石、貝殻、骨粉、炭酸カルシウム、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、ワラストナイト、アノーサイトおよびマイカからなる群より選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましく、珪藻土およびゼオライトの少なくともいずれかを用いることがより好ましい。珪藻土は、藻類の一種である珪藻の化石から構成され、二酸化ケイ素を主成分とする多孔性の岩石である。珪藻土には、アルミナや酸化鉄、他の成分が僅かに含まれる。また、無機粉体として吸水性・吸湿性に優れる珪藻土を用いることで、担体に吸水性を付与できる。
ゼオライトは、結晶性アルミノケイ酸塩と称され、ケイ素原子、アルミニウム原子、および酸素原子を含む。ゼオライトの骨格構造は多数知られており、LTA型ゼオライト、FER型ゼオライト、MWW型ゼオライト、MFI型ゼオライト、MOR型ゼオライト、LTL型ゼオライト、FAU型ゼオライトなどを用いることができる。また、ゼオライトは、魚類のフンや餌の残留物から出る有害なアンモニアを吸着して、ナトリウムを放出する働きが知られていることから、例えば魚類の飼育水などに好適である。
無機粉体として珪藻土を含む構成では、熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して、珪藻土が、例えば15質量%~55質量%含まれ、好ましくは20質量%~45質量%含まれる。また、無機粉体としてゼオライトを含む構成では、熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して、ゼオライトが、例えば15質量%~55質量%含まれ、好ましくは20質量%~45質量%含まれる。また、珪藻土およびゼオライトを含む構成でも、上記の各数値範囲を採用できる。さらにこの場合、珪藻土の含有量がゼオライトの含有量よりも多いことが好ましい。
本発明の担体は発泡成形体であり、発泡剤を用いた発泡成形により得られる。この担体には発泡剤に由来する成分が含まれていてもよい。発泡剤としては、物理的発泡剤や化学的発泡剤などが使用される。物理的発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタンなどの炭化水素類、ジクロロエタン、ジクロロメタンなどの塩化炭化水素類、トリクロロモノフロロメタン、ジクロロジフロロメタンなどのフッ化塩化炭化水素類、炭酸ガス、窒素ガス、水などが挙げられる。また、化学的発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物、N,N-ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物などが挙げられる。
上記担体には、成形時の流動性向上などのため、潤滑剤を配合してもよい。潤滑剤としては、合成パラフィンなどの脂肪族炭化水素、ステアリン酸などの高級脂肪酸、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸ナトリウムなどの金属石けん、高級脂酸エステルなどが挙げられる。潤滑剤の配合量は、例えば、熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して0.5質量%~10質量%である。また、本発明の微生物担体には、その他の周知の添加剤を配合してもよい。
担体の吸水率は5%以上であることが好ましい。吸水率が5%以上であると、担体が水に早く馴染みやすくなるため、ろ槽に浸漬させる場合は充填しやすい。また、被処理水との接触が頻繁になるため、増殖した微生物が徐放されやすくなる。担体の吸水率は5%~15%であることがより好ましい。なお、吸水率は後述の実施例に記載の方法で測定される。
また、担体から浸出される溶液のpHは中性付近であることが好ましい。具体的にはpHは6.0~8.5が好ましく、6.5~8.0がより好ましい。
次に、本発明の担体の製造方法の一例について図2を用いて説明する。図2には押出発泡成形による製造方法を示すが、担体を射出発泡成形で製造してもよい。図2に示す方法では、発泡剤以外の原材料を予めペレット18として得ている。ペレット18は、例えば、熱可塑性樹脂と無機粉体と潤滑剤とを混錬し、その混錬物をペレタイザにより押出した後、所定長さにカットすることで得られる。なお、潤滑剤は必要に応じて配合される。
図2に示すように、ペレット18と発泡剤19を押出成形機11のホッパー12に投入することで、これらがシリンダ13に導入される。シリンダ13内において、ペレット18および発泡剤19はヒータ14で加熱溶融され、スクリュー15によって混練され、シリンダノズル16からダイ17へと移送される。そして、溶融した混錬物がダイ17を流れる際の圧力降下によって気泡が形成されて、押出発泡成形体が得られる。
発泡成形における発泡剤の配合量や発泡倍率は適宜調整される。発泡剤の配合量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂と無機粉体の合計量に対して、例えば1質量%~60質量%配合され、好ましくは20質量%~60質量%配合され、より好ましくは40質量%~60質量%配合される。
なお、図2に示す方法では、発泡剤19として化学的発泡剤を用いているが、これに代えて物理的発泡剤を用いてもよい。例えば、発泡剤が二酸化炭素などのガスの場合は、溶融したペレット18に対して、圧力制御されたガスが所定の割合となるようにシリンダ13内に添加されて混練される。
また、図2に示すように、ペレット18を予め得ることなく、各原材料を押出成形機11のホッパー12に直接投入してもよい。その場合、熱可塑性樹脂と無機粉体と潤滑剤と発泡剤とをホッパー12にそれぞれ投入し、混錬して、上述のように押出発泡成形する。ただし、無機粉体の配合量を多くでき、また、担体全体に均一よく気泡を形成できることから、予備混錬してペレット18を予め得る方法が好ましい。
本発明の担体は、例えば水中下で使用され、被処理水の水質の改善などに用いられる。この担体に担持される微生物は、被処理水中の特定の物質を分解などする微生物であればよく、好気性微生物および嫌気性微生物のいずれも使用できる。例えば、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、バチルス(Bacillus)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、ロドバクター(Rhodobacter)属、ラルストニア(Ralstonia)属、アシドボラックス(Acidovorax)属、セラチア(Serratia)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、硝化菌(ニトロソモナス(Nitrosomonas)属、ニトロバクタ―(Nitrobacter)属など)などの微生物を用いることができる。用いる微生物は、担体の使用条件などによって適宜選択される。例えば、魚介類の飼育水で用いる場合は、魚介類の種類や魚病の種類などによって適宜選択される。
本発明の担体は、上記のような微生物を担持(固着)させ、増殖させ、脱離(徐放)させることができる。従来、一般的な担体(特に水処理)の性能は、いかに微生物を固着させ、いかに増やすかということで判断され、「徐放」という概念はなかった。微生物を固着および増殖させる作用のみを有する担体では、その作用を主に発揮するのは接触面であることから、いかに担体に被処理水を接触させるかが重要となる。これに対して、固着、増殖、徐放の3つの作用を有する本発明の担体は微生物を徐放させることから、担体に被処理水を接触させるための措置を軽減できる。また、担体から脱離(徐放)した微生物は、さらに被処理水における他の担体や、構造体、魚介類などの生体の表面に付着して、そこで微生物活性を発揮することができる。また、脱離した微生物が凝集などしてフロックやグラニュールを形成してもよい。このように、本発明の担体を用いることで、優れた水処理能力を発揮でき、各種排水や、養殖場、水槽などの水質改善を効率的に行うことができる。
本発明の担体の使用例として、例えば養殖場での使用が挙げられる。近年では、陸上で行う閉鎖循環式陸上養殖が注目されている。この養殖は、閉鎖した設備内で環境を管理するため、天候や赤潮などの外的要因を受けにくく、また、水温調整が可能であり生産性に優れている。しかし、閉鎖環境となることから水質管理が特に重要であり、水質の悪化に伴って魚介類が病気にかかることなどが問題視されている。特に、養殖では高密度下で魚を飼育する場合が多いことから、魚同士の接触などにより魚の表皮に傷が付きやすく、その傷が原因で感染症を発症するおそれがある。このような事情から、魚類の表皮を対象としたプロバイオティクスを利用することが考えられる。
図3には、本発明の担体に担持される微生物を魚類表皮のプロバイオティクスとして利用した概要図を示す。まず、プロバイオティクスとして有用な微生物を担体に添加し、その担体を養殖魚が飼育される水中に投入する。担体上に担持された微生物は、通常の飼育環境下(例えば20~30℃程度、pH6.0~8.5程度)で増殖して、バイオフィルムを形成する。その後、増殖した微生物が担体から定常的に脱離して魚類の表皮に定着する。微生物が担体から徐放されることで、微生物を魚類に持続的に供給できる。そして、表皮に定着した微生物の働きによって、病原微生物による感染を防ぐことができる。
図3で用いる微生物は、魚類の表皮に定着させて病気の予防を図ることから好気性微生物が好ましい。具体的には、シュードモナス属の微生物がより好ましく、シュードモナス・モセリー(Pseudomonas mosselii)、シュードモナス・マルギナリス(Pseudomonas marginalis)、シュードモナス・コレンシス(Pseudomonas koreensis)、シュードモナス・プロテゲンス(Pseudomonas protegens)、またはシュードモナス・パラフルバ(Pseudomonas parafulva)がさらに好ましい。
養殖の対象となる魚介類は、例えば、ウナギ、アユ、ブリ、マス、タイ、コイ、カンパチ、マグロ、サケ、アジ、ヒラメ、ティラピア、フグ、ハマチ、ハタ、サバ、サンマ、ナマズなどの魚類、エビなどが挙げられる。
本発明の担体の他の使用例として、生物脱臭システムでの使用が挙げられる。図4には、生物脱臭システムの一例の概要図を示す。生物脱臭システムは、主に下水処理場や畜糞などの有機廃棄物処理における臭気処理装置として使用される。図4に示すように、生物脱臭システム21は、主に、微生物担体23を用いて臭気ガスを脱臭する生物脱臭塔22と、活性炭を用いて臭気ガスを吸脱着処理する活性炭吸着塔28とを有する。図4では、生物脱臭塔22と活性炭吸着塔28を繋ぐ経路に、エリミネーター26、脱臭ファン27が設置されている。
まず、生物脱臭塔22の下部から導入された臭気ガスは、微生物担体23を通過して上部の排気口から排出される。生物脱臭塔22の上部には散水管24が設置されており、養分などを含む供給水が散水管24によって微生物担体23に散布され、微生物に栄養源が供給される。なお、生物脱臭塔22の底部に溜まった水はpH測定などの工程を経て排水される。生物脱臭塔22から排出された臭気ガスは、エリミネーター26、脱臭ファン27を経由して活性炭吸着塔28に導入される。そして、活性炭吸着塔28の下部に導入され、上昇に伴って、活性炭充填部29に充填された活性炭を通過することで脱臭される。活性炭吸着塔28から排出されたガスは大気などへ放出される。
従来、このような生物脱臭システムで用いられる微生物担体に、脱臭効果のある微生物を固着させるには、担体(ひも状や軽石状など)を密に詰め込んで1~2ヵ月水を流して訓養する必要があった。また、接触面積を増やすために担体を密に詰め込むことになるが、実際は担体全体に微生物が行き渡らず、部分的にしか微生物が固着、増殖していないことも多かった。その結果、効力を上げるために装置が大きくなり、イニシャルコストが増大するなどの問題があった。
本発明の担体を生物脱臭塔22における微生物担体23に適用することで、担体上で増殖した微生物が効果的に放出されるので訓養時間を大幅に短縮できると考えられる。また、徐放作用により担体全体に微生物が行き渡りやすくなるので、装置の小型化にも繋がる。さらに、使用時においても散水管24に散水される水により微生物が放出されることで、一層の脱臭効果も期待される。
本発明の担体は、その他の土壌処理や汚水処理にも有効であると考えられる。現状、土壌処理では有用微生物の拡散を待つか、強制撹拌して処理するかの方法がとられているが、本発明の担体を用いることで微生物を効果的に放出して微生物による処理能力を向上させることができる。
以下に示す原材料を用いて、各成形方法によって微生物担体を作製した。
熱可塑性樹脂:ポリプロピレン樹脂
無機粉体:珪藻土およびゼオライト(質量比3:2)
潤滑剤:ステアリン酸およびパラフィン
発泡剤:無機系発泡剤セルマイク417(三協化成社製)
実施例1
熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して、熱可塑性樹脂を40.0質量%、無機粉体を60.0質量%用いた。また、発泡剤は、熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して50.0質量%用いた。図2の方法に従って、熱可塑性樹脂および無機粉体をあらかじめペレット化した後、ペレットと発泡剤を押出成形機のホッパーに同時に投入し、混錬して押出発泡成形した。口金から排出された棒状の成形体をウォーターバスで冷却した後、長さが10mmになるように裁断した。得られた押出発泡成形体の外観写真を図5(a)に示す。また、図6(a)には押出発泡成形体を径方向に沿って切断した断面の顕微鏡写真を示し、図6(b)には軸方向に沿って切断した断面の顕微鏡写真を示し、図6(c)、(d)には各倍率のSEM写真を示す。
実施例2
熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して、熱可塑性樹脂を57.1質量%、無機粉体を42.9質量%、潤滑剤を0.9質量%用いた。また、発泡剤は、熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して1.4質量%用いた。熱可塑性樹脂、無機粉体、潤滑剤、および発泡剤を予備混錬することなく、押出成形機に直接投入して押出発泡成形した。得られた押出発泡成形体の外観写真を図5(b)に示す。また、図7には、図6と同様の写真を示す。
実施例3
熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して、熱可塑性樹脂を76.7質量%、無機粉体を23.3質量%、潤滑剤を3.8質量%(ステアリン酸2.2質量%、パラフィン1.6質量%)用いた。また、発泡剤は、熱可塑性樹脂および無機粉体の合計量に対して5.4質量%用いた。熱可塑性樹脂、無機粉体、潤滑剤、および発泡剤を予備混錬することなく、射出成形機に直接投入して射出発泡成形した。得られた射出発泡成形体の外観写真を図5(c)に示す。また、図8には、図6と同様の写真を示す。なお、図6~図8において、担体中の黒い部分が気孔を示し、白い部分が無機粉体を示し、残りの部分が樹脂を示している。
図5~図8に示すように、実施例1~実施例3の担体は表面に、発泡成形による凹凸が形成されている。また、押出発泡成形体の担体の方が、射出発泡成形体の担体に比べて円筒表面の凹凸の程度が大きく、気孔が数多く観察された。特に、実施例1の担体は表面全体にわたって凹凸が形成されており、実施例2の担体に比べて、形状均一性が高かった。また、実施例1の担体は、無機粉体および気孔が担体中にまんべんなく分散している(図6参照)のに対して、実施例2の担体は、無機粉体および気孔が偏在する傾向が見られた(図7参照)。
続いて、得られた各成形体の物性を下記の方法によって測定した。結果を表1に示す。
吸水率は、下記式(1)より算出した。下記式(1)中、W1は、各成形体から採取した10mm×10mm×10mmの試験片を、105℃にて1日乾燥させた後に測定した重量を示しており、W2は、乾燥後の各試験片を蒸留水50mLに24時間浸漬した後、試験片の表面についた水分を取り除いた後に測定した重量W2を示している。
吸水率(%)=(W2-W1)/W1×100・・・(1)
各成形体から採取した長さ約10mm×φ10~15mmの試験片5個を蒸留水50mLに30分浸漬し、予備洗浄をした。洗浄後の試験片の余分な水分を拭き取り、蒸留水200mLの入った容器に浸漬し、容器の蓋を閉めて常温環境に静置した。定期的(1日後、3日後、1週間後)に蓋を開けてpHを測定した。
比表面積は、比表面積計(日本ベル社製)を用いて窒素ガス吸着法により測定した。
かさ密度は、JIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて、下記式(2)より求めた。
かさ密度=[(試料を入れたメスシリンダーの重量(g))-(メスシリンダーの重量(g))]/(メスシリンダーの容量(cm))・・・(2)
Figure 2022089671000002
表1に示すように、実施例1および実施例2の担体は、比表面積が1m/g以上であり、実施例3の担体に比べて大きかった。この結果は、各担体の表面形状の違いによるところが大きいと考えられる。また、吸水率についても、実施例1および実施例2の担体は、実施例3の担体に比べて高かった。実施例1および実施例2では、円筒表面や気孔の内部に無機粉体が数多く露出しており、この露出した無機粉体によって吸水作用が発揮されたためと考えられる。また、実施例1および実施例2の担体から浸出した液のpHは、ほぼ中性であった。
次に、複数の担体に対して微生物を添加し、該微生物の水中下における増殖および脱離の様子を観察した。この試験の微生物には、KH-ZF1(NITE BP-02967)を用いた。KH-ZF1は、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)の表皮の粘膜から単離された微生物であり、16sリボゾームRNA遺伝子配列を用いた分子系統解析により、Pseudomonas mosseliiであると同定されている。
KH-ZF1は、以下の手順により取得した。ゼブラフィッシュの体表上の粘膜を綿棒で擦り取り、その綿棒を超純水の1mLに浸し撹拌して懸濁液を得た。この懸濁液および希釈液(懸濁液を超純水で5倍希釈した液)を、それぞれ200μLずつ、Nutrient Broth寒天培地(NB寒天培地)、Enriched Cytophaga寒天培地、改変Zobell 2216E寒天培地上に滴下し、スプレッティングした。その後、各寒天培地を28℃で2日間培養した。培養後、得られたコロニーをスクリーニングしてKH-ZF1を取得した。
図9には、KH-ZF1の病原微生物に対する増殖阻害試験の結果を示す。この試験では、病原微生物として、Aeromonas caviae、Aeromonas hydrophila(ATCC700183)、Aeromonas hydrophila(JCM1027)、Yersinia ruckeri(NVH3578)、Yersinia ruckeri(DSMZ18506)、Edwardsiella tarda(NRIA44)、Edwardsiella tarda(NRIA51)、Vibrio angillarum、Vibrio ordalii、Streptococcus iniaeを用いた。また、陰性対照として2種類の非病原微生物を用いた。KH-ZF1の細胞懸濁液(KH-ZF1をNB寒天培地で培養した後、5000×g、10分遠心分離操作にかけ、沈殿した菌体を回収して、滅菌水にOD600が1.0になるように再懸濁したもの)を調整した。この懸濁液を、シャーレ中のNB寒天培地の中央に置いたペーパーディスクに染み込ませ、20℃で2日間静置した。その後、KH-ZF1に触れないようにKH-ZF1の添加部位から放射状に上記試験微生物を画線して、20℃で2日間培養した。図9に示すように、非病原微生物と比較して、病原微生物において選択的な抑制が確認された。
微生物の増殖・脱離試験では、図10に示す実施例4および比較例1~4の担体を用いた。実施例4の担体は、上述の実施例1の担体と同様に作製した。
比較例1の担体は、鋳物廃砂を主成分とする担体であり、BTS(ビオトープサンド、江崎産業社製)黒土を用いた。この担体の主な構成成分は、二酸化ケイ素(約49%)、炭素(約15%)、Fe(約11%)である。
比較例2の担体は、鋳物廃砂を主成分とする担体であり、比較例1の担体を700~800℃で焼成したものを用いた。
比較例3の担体はセラミックス成形体からなる担体であり、以下のようにして作製した。珪藻土60質量部に対して、カオリン系粘土であり、アルミニウム含有粘土鉱物である蛙目粘土を20質量部、米糠20質量部をそれぞれ混合した。この混合物に、適量の水を加えて混練し、コーティング造粒をして、球状の成形物を得た。この成形物を900~950℃で焼成して担体を得た。この担体の主な構成成分は、二酸化ケイ素(約78%)、Al(約15%)である。
比較例4の担体はセラミックス成形体からなる担体であり、以下のようにして作製した。ケイ酸カルシウム水和物の一種であるトバモライトを主成分とする軽量気泡コンクリート(ALC)の破砕物65質量部に、蛙目粘土を30質量部および無機補強繊維(セピオライト)を5質量部それぞれ混合し、得られた混合物100質量部に対して更に粉粒状の有機空隙形成材を20質量部混合して成形用原料を得た。この成形用原料に、適量の水を加えて混練し、得られた混錬物を押出成形機に供給して成形物を得た。この成形物を1000~1100℃で焼成して担体を得た。この担体の主な構成成分は、二酸化ケイ素(約55%)、酸化カルシウム(約16%)、Al(約14%)である。
上記で得た各担体を図11に示す試験に付した。まず、各担体に対してKH-ZF1をOD600=1.5になるように20μL添加した。KH-ZF1を添加した担体を、20mLの飼育水中に投入し、20℃で24時間保温した。その後、飼育水を入れ替え、新たに加えた20mLの飼育水中で20℃で1週間保温した。24時間保温した後の担体、および1週間保温した後の担体をそれぞれ顕微鏡で観察した。また、1週間保温した後の飼育水を選択培地である、カナマイシンを含むPseudomonas isolation寒天培地(Becton Dickinson社製)に播種し、28℃で1日間培養して、KH-ZF1の量をコロニーの形成により観察した。これらの結果を図12に示す。
図12に示すように、実施例4および比較例1~4のいずれの担体も、24時間後においてKH-ZF1が担持されていた。また、いずれの担体においても担持されたKH-ZF1が1週間後に増殖している様子が観察された。これら担体は、いずれも多孔質構造を有しているため、微生物の生着性、つまり微生物を担持して増殖する作用に優れていると考えられる。
一方で、微生物の脱離は、実施例4の担体を用いた場合に顕著に観察された。図12に示すように、実施例4では、シャーレ上の培地のほぼ全体にわたって多数のコロニーが観察された。これに対して、比較例1~3ではコロニーは観察されず、比較例4ではコロニーの数は僅かであった。この結果より、実施例4の担体は、微生物を担持して増殖させるとともに、微生物を水中へ脱離させる作用に優れることが分かった。実施例4の担体によれば、担体上のみならず、担体から脱離した微生物が新たに付着した場所などでも微生物活性を発揮できるため、微生物の水処理能力を一層向上させることができる。
本発明の微生物担体は、取り扱い性がよく、微生物の処理能力に優れるので、工場排水などの産業排水や、生活排水、魚類飼育水、水生植物用飼育水などの浄化に有用である。
1 担体(微生物担体)
2 凹凸
3 熱可塑性樹脂
4 無機粉体
5 気孔
6 連通孔
7 閉気孔
11 押出成形機
12 ホッパー
13 シリンダ
14 ヒータ
15 スクリュー
16 シリンダノズル
17 ダイ
18 ペレット
19 発泡剤
21 生物脱臭システム
22 生物脱臭塔
23 微生物担体
24 散水管
25 排水弁
26 エリミネーター
27 脱臭ファン
28 活性炭吸着塔

Claims (6)

  1. 微生物を担持する微生物担体であって、
    前記微生物担体は、熱可塑性樹脂および無機粉体を含む発泡成形体で、表面に凹凸を有しており、
    前記無機粉体は、前記熱可塑性樹脂および前記無機粉体の合計量に対して15質量%~70質量%含まれることを特徴とする微生物担体。
  2. 前記発泡成形体は押出発泡成形体であり、
    前記無機粉体は、前記熱可塑性樹脂および前記無機粉体の合計量に対して35質量%~70質量%含まれることを特徴とする請求項1記載の微生物担体。
  3. 前記無機粉体は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム水和物、珪藻土、麦飯石、貝殻、骨粉、炭酸カルシウム、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、ワラストナイト、アノーサイトおよびマイカからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の微生物担体。
  4. 前記微生物担体の比表面積が1m/g~5m/gであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の微生物担体。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の微生物担体を製造する方法であって、
    少なくとも前記熱可塑性樹脂と前記無機粉体と発泡剤とを混錬して、発泡成形することを特徴とする微生物担体の製造方法。
  6. 前記製造方法は、前記発泡剤以外の原材料を予めペレット化し、得られたペレットと前記発泡剤とを混錬して、押出発泡成形することを特徴とする請求項5記載の微生物担体の製造方法。
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