JP2022089497A - 自動車のフロントフード構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃吸収部材を衝突のエネルギーにより完全に変形させて潰れ残りがないようにし、最小限の空間で、衝突のエネルギーを十分に吸収する。【解決手段】本構造Sでは、衝撃吸収部材1は、フードインナーH2の幅方向部材H22の下面に、車両前後方向前面視で、車両上下方向下向きに凸の、かつ左右非対称の断面略逆ハット形に形成される。【選択図】図9

Description

本発明は、自動車のフロントフードに歩行者の頭部などが衝突したときに発生する衝突のエネルギーを、フードアウター、フードインナーの変形により吸収して、歩行者の危害性の低減を図る自動車のフロントフード構造に関する。
一般に、自動車のフロントフードは、フードアウター、フードインナーからなり、歩行者の頭部などが衝突したときに、フードアウターが変形し、続いて、フードインナーが変形して、衝突のエネルギーが吸収されるようになっている。このフロントフード構造では、特に、歩行者の頭部とエンジンなどの剛部材との干渉、接触を防止する必要がある。このようなフロントフード構造を備えた自動車用フードパネルが特許文献1により提案されている。
特許文献1の自動車用フードパネルはアウターパネルとインナーパネルとからなり、インナーパネルは断面形状が略台形である溝状の骨部に囲まれる凸部を有する。凸部の端部から中央部までの2/3以上は連続した面であり、骨部の底はアウターパネルに近接して対向される。また、インナーパネルの溝状の骨部が交差し、凸部の平面形状が略多角形であることが好ましい。このようにすることで、フードパネルとエンジン等の剛部材とのクリアランスを小さくしても、頭部傷害値(HIC値)を低減することができる。
特開2008-168844号公報
しかしながら、上記特許文献1のフードパネルでは、インナーパネルにフードパネルの形状を支えるための剛性が必要になるところ、インナーパネルそれ自体に断面台形状の凸部が形成されて、衝撃を吸収する構造としている。このため、インナーパネルに変形のストロークが十分に確保できない可能性が高く、十分に衝撃を吸収することができない。
図11にこのような衝撃吸収部材(凸部)を有するフロントフード構造のCAE結果を模式的に示している。図11(1)において、2は凸部であり、21は当接部、22は支持部になっている。図11(2)は、図11(1)のインナーパネルの凸部2に対して、右側の支持部22(衝撃点(1))に衝撃が加えられた場合を示している。この場合、図11(2)に示すように、左側の支持部22に多少の潰れ残りがあるものの、性能としては問題がないとみられる。図11(3)は、図11(1)のインナーパネルの凸部2に対して、左右の支持部間、つまり、中央(衝撃点(2))に衝撃が加えられた場合を示している。この場合、図11(3)に示すように、凸部2全体に多くの潰れ残りが生じている。これは凸部2が左右対称の形状であることから、左右の支持部22それぞれに応力が分散し、全体として最後まで変形し切れなかったことによるものと考えられる。このようにこのフロントフード構造では、凸部の変形が衝撃点によって異なり安定せず、衝撃点によって性能にばらつきがある。
本発明はこのような従来の問題を解決するものである。本発明は、この種の自動車のフロントフード構造において、フードインナーに備える衝撃吸収部材を、衝突のエネルギーにより、完全に変形させて潰れ残りがないようにして、最小限の空間で、衝突のエネルギーを十分に吸収できるようにすること、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、
フードアウターとフードインナーとを備え、前記フードインナーに衝撃吸収部材を有し、衝突のエネルギーに対して前記フードアウター、前記フードインナーの変形とともに前記衝撃吸収部材が変形して、衝突のエネルギーを吸収する自動車のフロントフード構造において、
前記衝撃吸収部材は、前記フードインナーに、車両上下方向下向きに凸の、かつ左右非対称の断面略逆ハット形に形成される、
ことを要旨とする。
本発明のフロントフード構造によれば、フードインナーに備える衝撃吸収部材を、衝突のエネルギーにより、完全に変形させて潰れ残りがないようにして、最小限の空間で、衝突のエネルギーを十分に吸収することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
本発明の一実施の形態に係る自動車のフロントフード構造を備える自動車の前部を示す正面図 同構造の特にフードインナーの全体構成を示す自動車の前方から見た斜視図 同構造の特にフードインナーの要部を拡大して示す自動車の前方から見た要部拡大斜視図 同構造の特にフードインナーの要部を示す要部平面図 同構造の特にフードインナーの要部を示す要部底面図 同構造の特にフードインナーの要部を示す要部正面図 同構造の特にフードインナーに備える衝撃吸収部材単体の構成を示す正面側斜視図 同構造の特にフードインナーに備える衝撃吸収部材単体の構成を示す図((a)は正面側斜視図、(b)は正面断面図) 同構造の特にフードインナーの幅方向部材及び衝撃吸収部材の構成を示す正面図 同構造による衝突のエネルギーの衝撃吸収作用を示す図 従来の自動車のフロントフード構造による衝突のエネルギーの衝撃吸収作用を示す図
図1、図2に示すように、本考案の一実施の形態に係る自動車のフロントフード構造S(以下、本構造Sという。)は、フードアウターH1とフードインナーH2とを備え、フードインナーH2に衝撃吸収部材1を有する。このようにして、フロントフードHに歩行者の頭部などが衝突したときに、フードアウターH1が変形し、続いて、フードインナーH2、衝撃吸収部材1が変形して、衝突のエネルギーを吸収するものである。そして、本構造Sでは、特に、フードインナーH2に備える衝撃吸収部材1を、車両上下方向下向きに凸の、かつ左右非対称の断面略逆ハット形に形成した。このようにしたことで、本構造Sは、衝突のエネルギーに対してフードアウターH1、フードインナーH2の変形とともに、衝撃吸収部材1を潰れ残りなく完全に変形させて、衝撃吸収部材1により、最小限の空間で、衝突のエネルギーを十分に吸収しようとするものである。
図1、図2に示すように、本構造Sは、フードアウターH1とフードインナーH2とを備え、フードインナーH2に衝撃吸収部材1を有する。かかる構造により、衝突のエネルギーに対してフードアウターH1、フードインナーH2の変形とともに衝撃吸収部材1が変形して、衝突のエネルギーを吸収する。
そして、本構造Sでは、図3乃至図6に示すように、衝撃吸収部材1は、フードインナーH2に、車両上下方向下向きに凸の、かつ左右非対称の断面略逆ハット形に形成される。
このようにしたことにより、上方からの衝撃荷重に対して衝撃吸収部材1の左右方向の一方が他方よりも変形しやすくなり、上方からの衝撃荷重が衝撃吸収部材1の左右方向の一方から他方へ順次作用して、衝撃吸収部材1は左右方向の一方から他方に亘って変形される。したがって、フードインナーH2の衝撃吸収部材1を、衝突のエネルギーにより、完全に変形させて、潰れ残りがないようにすることができる。このように衝撃吸収部材1が潰れ残りなく完全に変形されることで、フロントフードH下の最小限の空間で、衝突のエネルギーを十分に吸収することができる。
本構造Sにおいて、吸収衝撃部材1は、図7、図9に示すように、断面略逆ハット形の形状により、両側の支持部12R、12Lと、両支持部12R、12L間の当接部11とからなり、両支持部12R、12Lの一方は当接部11からフードインナーH2に向けて車両左右方向の外側に向けて傾斜して形成され、他方は当接部11からフードインナーH2に向けて垂直に向けて形成される。
このようにすることで、上方からの衝撃荷重に対して衝撃吸収部材1の左右方向の一方の支持部12Rが他方の支持部12Lよりも変形しやすくなり、上方からの衝撃荷重が衝撃吸収部材1の左右方向の一方の支持部12Rから他方の支持部12Lへ順次作用し、この場合、他方の支持部12Lに応力が集中して、衝撃吸収部材1を左右方向の一方から他方に亘って確実に押し潰すことができる。
また、この場合、図8に示すように、他方の支持部12Lに脆弱部120を形成されてもよい。
このようにすると、他方の支持部12Lの変形しやすさを調整することができ、他方の支持部12Lを押し潰し切ることができ、衝撃吸収部材1を最後まで押し潰し変形させることができる。
本構造Sにおいて、フードインナーH2は、図2に示すように、略格子状に形成されて、車両左右方向に延びる幅方向部材H22を有し、図3、図9に示すように、幅方向部材H22は下方向に凸の断面溝形形状を形成されて脆弱部H220を有し、衝撃吸収部材1は幅方向部材H22に脆弱部H220を跨いで配置固定される。
このようにすることで、フードインナーH2の剛性を上げることができ、衝撃吸収部材1の変形を確実にすることができる。さらに、フードインナーH2は、上方からの衝撃荷重に対して、脆弱部H220を中心にくの字形に変形され、この衝撃荷重を衝撃吸収部材1に確実に伝達し入力することができ、衝撃吸収部材1を確実に押し潰し切って変形させることができる。
図1乃至図9に、フードインナーH2、衝撃吸収部材1を、それぞれの一例として、より具体的に示している。
図1は本構造Sを備えた自動車の前部を示し、図2にフロントフードHのフードインナーH2を示している。図1、図2に示すように、フロントフードHはフードアウターH1とフードインナーH2とを備えて構成される。フードアウターH1は車体外表面の一部をなし、フードインナーH2はフードアウターH1の裏側(エンジンルーム側)に配設されてフロントフードHの裏面をなす。フードアウターH1は1枚の略台形状の金属製パネルからなり、フードインナーH2も同様に1枚の略台形状の金属製パネルにより形成される。この場合、フードインナーH2は車両前後方向の後部側に車両幅方向に横長の開口部H20を有し、この開口部H20上に2つの長さ方向部材H21と1つの幅方向部材H22が格子状に配設される。2つの長さ方向部材H21はそれぞれ、細長い板で、開口部H20において左右両側に、フードインナーH2の前部側から後部側に向けて略ハの字形に形成される。1つの幅方向部材H22は細長い板で、開口部H20において各長さ方向部材H21の前後方向中間部間に架け渡して形成される。この幅方向部材H22はエンジンやモーターなどの搭載部材Eの直上方に配置される。
図3乃至図6に示すように、フードインナーH2の幅方向部材H22に衝撃吸収部材1が取り付けられる。
本構造Sでは、幅方向部材H22は、図3、図9に示すように、車両幅方向中央部を車両上下方向の下方向に凸の断面溝形形状に形成されて脆弱部H220が設けられる。この場合、この断面溝形形状は断面V字形に、より詳しくは2面間を鈍角とする断面V字形にしてある。このように幅方向部材H22の中央部が断面V字形の溝形形状に形成されて、この中央部に衝撃荷重が入力されることで幅方向部材H22がくの字形に折れて変形可能に、この中央部が脆弱部H220になっている。
本構造Sでは、衝撃吸収部材1は、図3、図9に示すように、フードインナーH2の幅方向部材H22の下面に、車両前後方向前面視で、車両上下方向下向きに凸の断面略逆ハット形に、かつこの断面略逆ハット形は左右非対称形状に形成される。この場合、衝撃吸収部材1は、図7に示すように、フードインナーH2とは別体で、金属製の帯状部材(細長い金属製の板材)により形成され、断面略逆ハット形の形状により、両側の支持部12R、12Lと、両支持部12R、12Lの先端(下端)間の当接部11とからなり、各支持部12R、12Lは、幅方向部材H22に固定される支持固定部122及び幅方向部材H22から延びる支持脚部121を有してなる。また、この場合、両支持部12R、12Lの一方、ここでは右側の一方は、図9に示すように、支持脚部121が当接部11から幅方向部材H22に向けて車両左右方向の外側(右側)に向けて傾斜して形成され、支持固定部122が車両左右方向の外側(右側)に向けて幅方向部材H22と平行に形成される。両支持部12R、12Lの他方、ここでは左側の他方は支持脚部121が当接部11から幅方向部材H22に向けて垂直に向けて形成され、支持固定部122が車両左右方向の外側(左側)に向けて幅方向部材H22と平行に形成される。なお、この衝撃吸収部材1は、左右が上記とは反対であってもよい。
また、この衝撃吸収部材1は、図8に示すように、他方の支持部12Lに脆弱部120が形成される。この場合、左側の支持部12Lの支持脚部121の中央部に脆弱部120として開口部が適宜大きさの四角形その他の角形又は円形に形成される。
このようにして衝撃吸収部材1は、図9に示すように、幅方向部材H22の下面に脆弱部H220を中心にしてこれを跨いで配置され、両側の支持固定部122が固定される。
本構造Sはかかる構成を備え、フロントフードHに歩行者の頭部などが衝突したときに、フードアウターH1が変形し、続いて、フードインナーH2、衝撃吸収部材1が順次変形して、衝突のエネルギーを吸収するようになっている。
図10に本構造Sによる衝突のエネルギーの衝撃吸収作用を示している。図10(1)はフードインナーH2の衝撃吸収部材1に対して衝撃が加えられる前を示し、図10(2)は衝撃吸収部材1に衝撃が加えられて変形中の状態を示している。図10(3)は衝撃吸収部材1の右側の支持部12R(図10(1)における衝撃点(1))に衝撃が加えられた場合を示し、図10(4)は衝撃吸収部材1の左右の支持部12R、12L間、つまり、中央(図10(1)における衝撃点(2))に衝撃が加えられた場合を示している。
図10に特に図示していないが、フロントフードH(図1参照)においてエンジンやモーターなどの搭載部材E(図2参照)上に、歩行者の頭部などが衝突すると、フードアウターH1(図1参照)が車両上下方向の下方に変形し、フードインナーH2(図2参照)、衝撃吸収部材1が順次次のように変形される。
図2、図3に示したように、フードインナーH2は、衝撃吸収部材1と別体で一定の剛性を有し、搭載部材Eの上方に当たる部分が格子状に形成されて幅方向部材H22が車両の幅方向に延び、幅方向部材H22の中央部の断面V字形の溝形形状によりこの中央部が脆弱部H220になっている。このようなフードインナーH2の構造から、上方からの衝撃荷重によって、フードインナーH2の幅方向部材H22が、脆弱部H220を中心に車両上下方向の下方向に凸の、くの字形に変形される。このようなフードインナーH2の変形により、衝撃荷重が衝撃吸収部材1に確実に伝達され、これが衝撃吸収部材1に入力される。これにより、後述するように、衝撃吸収部材1の変形を確実にし、衝撃吸収部材1の潰れ残しを起こりにくくすることができる。
そして、衝撃吸収部材1は、フードインナーH2の幅方向部材H22の下面において、車両前後方向前面視で、帯状部材が車両上下方向下向きに凸で左右非対称の断面略逆ハット形になって、下方に向けて突出される。この場合、衝撃吸収部材1は幅方向部材H22の脆弱部H220の直下にこの脆弱部H220を跨いで、全体が幅方向部材H22と平行に、左右の支持部12R、12Lがそれぞれ、幅方向部材H22とエンジン、モーターなどの搭載部材Eとの空間に延び、当接部11の下面が搭載部材Eの上面に対向される。上方からの衝撃荷重によって、フードインナーH2が下方に向けて変形されると、衝撃吸収部材1はフードインナーH2により効果的に押下され、図10(1)に示すように、当接部11が搭載部材Eの上面に当接されて、フードインナーH2が衝撃吸収部材1の各支持部12R、12Lにより支持される。
続けて加えられる衝撃荷重により、衝撃吸収部材1の各支持部12R、12Lが変形されて、衝突のエネルギーを吸収し、フードインナーH2が搭載部材Eに強く接触するのを防止される。
この場合、衝撃吸収部材1の左右非対称形状により、すなわち、右側の支持部12Rが当接部11から幅方向部材H22に向けて車両左右方向の外側(右側)に向けて傾斜され、左側の支持部12Lが当接部11から幅方向部材H22に向けて垂直に向けられることで、上方からの衝撃荷重に対して、衝撃吸収部材1の右側の支持部12Rは左側の支持部12Lよりも変形しやすくなっている。この衝撃吸収部材1の左右非対称形状により、左右の各支持部12R、12Lの変形のタイミングに差が生じ、各支持部12R、12Lに応力が順次掛かることで、当接部11が搭載部材E上を車両幅方向に移動しながら変形される。
この場合、図10(1)、(2)に示すように、右側の支持部12R(衝撃点(1))に衝撃が加えられた場合でも、中央(衝撃点(2))に衝撃が加えられた場合でも、この衝撃荷重が衝撃吸収部材1の右側の支持部12Rから左側の支持部12Lへ順次作用し、右側の支持部12R、左側の支持部12Lに順次応力が集中して、当接部11が搭載部材E上を車両幅方向に移動しながら、衝撃吸収部材1は右側の支持部12Rから左側の支持部12Lに亘って確実に押し潰される。つまり、右側の傾斜された支持部12Rは上方からの衝撃荷重により変形しやすいため、先に応力が集中して反対側へ倒れて変形され、左側の垂直の支持部12Lは後で応力が集中して変形されて、当接部11が横方向に流れながら、全体として圧潰される。しかも、左側の支持部12Lには脆弱部120が形成されてこの脆弱部120の周辺が変形しやすく、左側の支持部12Lへの応力集中により、左側の支持部12Lも最後まで変形し押し潰し切られる。
かくして、図10(3)、(4)に示すように、右側の支持部12R(衝撃点(1))に衝撃が加えられた場合でも、中央(衝撃点(2))に衝撃が加えられた場合でも、各支持部12R、12Lは押し潰し切られ、潰れ残しを生じることがない。すなわち、衝撃吸収部材1は最後まで押し潰されて偏平状に変形される。このように本構造Sでは、衝撃吸収部材1の変形が衝撃点によって大きく異なることがなく、衝撃吸収部材1は安定的に押し潰され、衝撃点によって性能にばらつきが生じることがない。
したがって、歩行者等の衝突によりフロントフードHに発生する衝突のエネルギーは、フードインナーH2(幅方向部材H22)とエンジン、モーターなどの搭載部材Eとの間の、衝撃吸収部材1の十分な変形ストロークの距離を確保しにくい最小限の空間でも、衝撃吸収部材1が最後まで押し潰され切ることで、確実かつ十分に吸収される。また、幅方向部材H22の変形と衝撃吸収部材1の変形を合わせることで、衝撃吸収量はさらに大きくなる。しかして歩行者等の危害性は大きく低減される。
以上、この具体例から明らかなように、本構造Sでは、衝撃吸収部材1は、フードインナーH2に、車両前後方向前面視で、車両上下方向下向きに凸の、かつ左右非対称の断面略逆ハット形の簡易な形状に形成される。
この場合、衝撃吸収部材1は、フードインナーH2とは別体の帯状部材が車両上下方向下向きに凸で左右非対称の断面略逆ハット形に形成されてなり、フードインナーH2の幅方向部材H22の下面に固定されて、下方に向けて突出される。また、この場合、衝撃吸収部材1は、断面略逆ハット形の形状により、2本の支持部12R、12Lと、両支持部12R、12Lの先端(下端)間の当接部11とにより構成され、各支持部12R、12Lが左右非対称形状になっている。
かくして、本構造Sでは、上方からの衝撃荷重の入力によって、フロントフードHが下方に変形されるのに合わせて、衝撃吸収部材1がフードインナーH2に向けて押され、当接部11がエンジンやモーターなどの搭載部材Eの上部に当接される。さらに加えられる力により、衝撃吸収部材1が変形されることで、衝突のエネルギーを吸収し、フロントフードHと搭載部材Eが強く接触するのを防止することができる。そして、各支持部12R、12Lの左右非対称形状により、各支持部12R、12Lの変形タイミングに差が生じ、応力が各支持部12R、12Lの一方から他方へ順次掛かることで、当接部11が車両幅方向に移動しながら変形する。これにより、各支持部12R、12Lを完全に変形し、潰れ残しがないようにすることができる。このように各支持部12R、12Lが完全に潰れ切ることで、フロントフードH下の最小限の空間で、衝突のエネルギーの十分な吸収を実現することができる。
また、本構造Sでは、吸収衝撃部材1は、断面略逆ハット形の形状により、両側の支持部12R、12Lと、両支持部12R、12L間の当接部11とからなり、両支持部12R、12Lの一方は当接部11からフードインナーH2に向けて車両左右方向の外側に向けて傾斜して形成され、他方は当接部11からフードインナーH2に向けて垂直に向けて形成される。
この場合、両支持部12R、12Lの一方、ここでは右側の一方は支持脚部121が当接部11から幅方向部材H22に向けて車両左右方向の外側(右側)に向けて傾斜して形成され、支持固定部122が車両左右方向の外側(右側)に向けて幅方向部材H22と平行に形成される。両支持部12R、12Lの他方、ここでは左側の他方は支持脚部121が当接部11から幅方向部材H22に向けて垂直に向けて形成され、各支持固定部122が車両左右方向の外側(左側)に向けて幅方向部材H22と平行に形成される。
かくして、本構造Sでは、上方からの衝撃荷重に対して衝撃吸収部材1の左右方向の一方の支持部12Rが他方の支持部12Lよりも変形しやすくなり、上方からの衝撃荷重が衝撃吸収部材1の左右方向の一方の支持部12Rから他方の支持部12Lへ順次作用し、応力が順次集中して、衝撃吸収部材1を左右方向の一方から他方に亘って確実に押し潰すことができる。
また、この場合、他方の支持部12Lに脆弱部120を形成され、他方の支持部12Lを適宜変形しやすくすることで、他方の支持部12Lを確実に押し潰し切ることができ、衝撃吸収部材1を最後まで押し潰し変形させることができる。
本構造Sにおいて、フードインナーH2は略格子状に形成されて、車両左右方向に延びる幅方向部材H22を有し、幅方向部材H22は下方向に凸の断面溝形形状を形成されて脆弱部H220を有し、衝撃吸収部材1は幅方向部材H22に脆弱部H220を跨いで配置固定される。
この場合、フードインナーH2は、衝撃吸収部材1と別体で一定の剛性を有し、搭載部材Eの上方に当たる部分が格子状に形成されて幅方向部材H22が車両の幅方向に延び、幅方向部材H22の中央部の断面V字形の溝形形状によりこの中央部が脆弱部H220になっている。このようなフードインナーH2の構造から、上方からの衝撃荷重によって、フードインナーH2の幅方向部材H22が、脆弱部H220を中心に車両上下方向の下方向に凸の、くの字形に変形されるようにしている。
かくして、本構造Sでは、フードインナーH2の剛性を上げることができ、衝撃吸収部材1の変形を確実にすることができる。さらに、フードインナーH2は、上方からの衝撃荷重に対して、脆弱部H220を中心にくの字形に変形され、この衝撃荷重を衝撃吸収部材1に確実に伝達し入力することができ、衝撃吸収部材1を確実に押し潰し切って変形させることができる。
なお、その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
S 自動車のフロントフード構造(本構造)
H1 フードアウター
H2 フードインナー
H22 幅方向部材
H220 脆弱部
1 衝撃吸収部材
11 当接部
12 支持部
120 脆弱部(開口部)

Claims (4)

  1. フードアウターとフードインナーとを備え、前記フードインナーに衝撃吸収部材を有し、衝突のエネルギーに対して前記フードアウター、前記フードインナーの変形とともに前記衝撃吸収部材が変形して、衝突のエネルギーを吸収する自動車のフロントフード構造において、
    前記衝撃吸収部材は、前記フードインナーの下面に固定され、車両上下方向下向きに凸の、かつ左右非対称の断面略逆ハット形に形成される、
    ことを特徴とする自動車のフロントフード構造。
  2. 吸収衝撃部材は、断面略逆ハット形の形状により、両側の支持部と、前記両支持部間の当接部とからなり、前記両支持部の一方は前記当接部からフードインナーに向けて、他方の支持部とは反対の方向、即ち車両左右方向の外側に向けて傾斜して形成され、他方は前記当接部からフードインナーに向けて垂直に向けて形成される請求項1に記載の自動車のフロントフード構造。
  3. 他方の支持部に脆弱部を形成される請求項2に記載の自動車のフロントフード構造。
  4. フードインナーは略格子状に形成されて、車両左右方向に延びる幅方向部材を有し、前記幅方向部材は下方向に凸の断面溝形形状を形成されて脆弱部を有し、衝撃吸収部材は前記幅方向部材に前記脆弱部を跨いで配置固定される請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車のフロントフード構造。
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