JP2022088928A - エンジンの制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン停止中のBOG排出によるエンジンの始動不良を抑制する。【解決手段】燃料としての天然ガスを貯留するLNGタンクを備えたエンジンの制御システムが提供される。制御システムは、エンジンの始動直前に、前回のエンジン停止時から現時点までの間の外気温の履歴に関する履歴データを、外部の取得先から無線通信を通じて取得する情報機器61と、取得された履歴データに基づいて、前回のエンジン停止時から現時点までの間にLNGタンクから排出されたボイルオフガスの量を推定する推定ユニット62と、推定されたボイルオフガス量に基づいて点火時期補正量を算出するように構成された算出ユニット63と、算出された点火時期補正量を用いてエンジン始動時における点火時期を制御する制御ユニット64とを備える。【選択図】図3

Description

本開示は内燃機関すなわちエンジンの制御システムに係り、特に、燃料としての天然ガスを貯留するLNG(液化天然ガス:Liquefied Natural Gas)タンクを備えたエンジンの制御システムに関する。
燃料として天然ガスを使用する内燃機関が知られており、こうした内燃機関を動力源として搭載する車両、すなわち天然ガス自動車が知られている。特に、天然ガスをLNGとして貯留するLNGタンクを備えたLNG自動車が知られている。
特開2020-90906号公報
LNG自動車においては、車両およびエンジンの停止中にLNGタンク内のLNGが受熱により蒸発してボイルオフガス(BOG(Boil Off Gas)ともいう)が発生する。このBOG発生によりタンク内が高圧になると、BOGがタンク外に排出される。このため、タンク内のLNGのメタン濃度が低下し、燃料が重質化するウェザリング現象なるものが発生する。燃料が重質化するとオクタン価が低下し、ノッキングが起き易くなる。
従って、エンジン停止中のBOG排出によりLNGのオクタン価が低下し、このLNGでエンジンを始動することにより、エンジンの始動不良が起こる可能性がある。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、エンジン停止中のBOG排出によるエンジンの始動不良を抑制することができるエンジンの制御システムを提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
燃料としての天然ガスを貯留するLNGタンクを備えたエンジンの制御システムであって、
前記エンジンの始動直前に、前回のエンジン停止時から現時点までの間の外気温の履歴に関する履歴データを、外部の取得先から無線通信を通じて取得するように構成された情報機器と、
前記情報機器により取得された履歴データに基づいて、前回のエンジン停止時から現時点までの間に前記LNGタンクから排出されたボイルオフガスの量を推定するように構成された推定ユニットと、
前記推定ユニットにより推定されたボイルオフガスの量に基づいて、点火時期補正量を算出するように構成された算出ユニットと、
前記算出ユニットにより算出された点火時期補正量を用いて、前記エンジンの始動時における点火時期を制御するように構成された制御ユニットと、
を備えたことを特徴とするエンジンの制御システムが提供される。
好ましくは、前記情報機器は、前記エンジンの始動直前にGPSセンサを用いて前記エンジンの現在地情報を取得し、前記エンジンの現在地における前記履歴データを、所定のウェブサイトからインターネットを通じて取得する。
好ましくは、前記制御ユニットは、前記算出ユニットにより算出された点火時期補正量を用いて、前記エンジンの始動時から所定時間経過後までの点火時期を制御する。
好ましくは、前記エンジンおよび前記情報機器は、車両に搭載され、
前記情報機器は、無線通信可能なカーナビゲーション装置により形成される。
本開示によれば、エンジン停止中のBOG排出によるエンジンの始動不良を抑制することができる。
本実施形態のエンジンとその制御システムを示す概略図である。 基本噴射量と基本点火時期を算出するためのマップを示す。 本実施形態の制御システムの構成を示す概略図である。 本実施形態の制御方法を説明するためのフローチャートである。 外気温履歴データを示すタイムチャートである。 BOG量を算出するためのマップを示す。 点火時期補正量を算出するためのマップを示す。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1は、本実施形態のエンジンとその制御システムを示す概略図である。エンジン1は、LNG由来の天然ガスを燃料とし、車両、特にトラック等の大型車両に動力源として搭載される。よって本実施形態の車両はLNG自動車である。但し、エンジンの用途は任意であり、車両以外の移動体、例えば船舶、建設機械、または産業機械に適用されるものであってもよい。またエンジンは、移動体に搭載されたものでなくてもよく、定置式のものであってもよい。エンジン1は、LNGを超低温状態で貯留するLNGタンク50を備える。
エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に接続された吸気通路3および排気通路4と、燃料噴射装置5とを備える。エンジン本体2は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等の構造部品と、その内部に収容されたピストン、クランクシャフト、バルブ等の可動部品とを含む。吸気と排気の流れをそれぞれ白抜き矢印と黒塗り矢印で示す。
燃料噴射装置5は、各気筒に設けられた燃料噴射弁すなわちインジェクタ7と、各気筒のインジェクタ7に共通に接続されたフューエルレール8とを備える。インジェクタ7は吸気ポートまたはシリンダ9内に燃料を噴射する。フューエルレール8には、燃料供給通路13を通じて送られてきた燃料が気体状態で貯留される。
各気筒には、シリンダ9内の混合気に点火するための点火プラグ6が設けられる。
吸気通路3は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された吸気マニホールド10と、吸気マニホールド10の上流端に接続された吸気管11とにより主に画成される。吸気管11には、上流側から順に、エアクリーナ12、ターボチャージャ14のコンプレッサ14C、インタークーラ15、および電子制御式の吸気スロットルバルブ16が設けられる。
排気通路4は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された排気マニホールド20と、排気マニホールド20の下流側に配置された排気管21とにより主に画成される。排気管21、もしくは排気マニホールド20と排気管21の間には、ターボチャージャ14のタービン14Tが設けられる。タービン14Tより下流側の排気管21には三元触媒22が設けられる。タービン14Tをバイパスするバイパス通路23が設けられ、これにはウエストゲート弁24が設けられる。
エンジン1はEGR装置30も備える。EGR装置30は、排気通路4内(特に排気マニホールド20内)の排気の一部(EGRガスという)を吸気通路3内(特に吸気マニホールド10内)に還流させるためのEGR通路31と、EGR通路31を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ32と、EGRガスの流量を調節するためのEGR弁33とを備える。
エンジン1を制御するための制御システムが車両に搭載される。制御システムは、回路要素(circuitry)もしくはコントローラをなす電子制御ユニット(ECU(Electronic Control Unit)という)100を備える。ECU100は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、記憶媒体であるROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)、入出力ポート、ならびにROMおよびRAM以外の記憶装置等を含む。
また制御システムは、エンジンの回転速度(具体的には毎分当たりの回転数(rpm))を検出するための回転速度センサ40と、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ41と、三元触媒22の入口部における排気の空気過剰率を検出するためのラムダセンサ42と、吸気スロットルバルブ16の下流側における吸気の温度および圧力を検出するための吸気温センサ43および吸気圧センサ44と、エンジンの冷却水温を検出するための水温センサ46と、周囲の外気温を検出するための外気温センサ47とを備える。ECU100は、これらセンサ類の出力に基づき前述の各種デバイス、すなわちインジェクタ7、点火プラグ6、吸気スロットルバルブ16、ウエストゲート弁24、EGR弁33を制御する。
また制御システムは、エンジンをオン/オフするためのイグニッションスイッチ45を備える。イグニッションスイッチ45は周知のように、手動操作により、オフ位置P0と、第1オン位置P1と、第2オン位置P2、第3オン位置P3とに順次切り替え可能である。オフ位置P0では、ほぼ全ての電気部品がオフされる。第1オン位置P1では、エンジンの運転に必要な電気部品(点火プラグ6,インジェクタ7等)はオフされるが、それ以外の電気部品(後述の情報機器を含むアクセサリ類)はオンされる。第2オン位置P2では、エンジンの運転に必要な電気部品とそれ以外の電気部品とがオンされる。第3オン位置P3では、エンジンの運転に必要な電気部品とそれ以外の電気部品とに加え、エンジン始動用スタータがオンされる。エンジンが始動されると、イグニッションスイッチ45は第3オン位置P3から第2オン位置P2に自動的に切り替えられスタータがオフされる。
エンジンの基本的制御に関し、ECU100は、回転速度センサ40、吸気温センサ43および吸気圧センサ44によりそれぞれ検出されたエンジン回転数Ne、吸気温Tiおよび吸気圧Piに基づき、所定のマップ(関数でもよい。以下同様)に従って、吸気流量Gaを計算もしくは推定する。なお代替的に、吸気通路3に設けた吸気流量センサにより吸気流量Gaを直接的に検出してもよい。
またECU100は、検出および推定されたエンジン回転数Neおよび吸気流量Gaに基づき、図2(A)に示すようなマップに従って、インジェクタ7から噴射される燃料噴射量の基本値である基本噴射量Qibを算出する。
またECU100は、検出および推定されたエンジン回転数Neおよび吸気流量Gaに基づき、図2(B)に示すようなマップに従って、点火プラグ6における点火時期の基本値である基本点火時期θigbを算出する。
またECU100は、ラムダセンサ42により検出された実際の空気過剰率λが所定の目標空気過剰率λtに近づくよう、燃料噴射量をフィードバック制御する。これをラムダフィードバック制御という。目標空気過剰率λtは、例えば理論空燃比相当の1とされる。なお、空気過剰率は燃料と空気の混合割合を表す指標値である。こうした指標値として、空気過剰率の代わりに空燃比を用いてもよい。
ECU100は、検出されたアクセル開度Acに基づき吸気スロットルバルブ16の開度を制御する。具体的には、アクセル開度Acが増大するほど吸気スロットルバルブ16の開度が増大するように吸気スロットルバルブ16の開度を制御する。
次に、エンジン1に備えられた燃料供給装置FSについて説明する。燃料供給装置FSは、燃料である天然ガスをLNGとして貯留するLNGタンク50と、LNGタンク50をフューエルレール8に接続する燃料供給通路13とを備える。燃料供給通路13は、LNGタンク50内の底部に配置されて液体燃料(液体の天然ガス)を吸引する上流端と、フューエルレール8に接続されて気体燃料(気体の天然ガス)を排出する下流端とを有する。
燃料供給通路13には、液体燃料を気化させて気体燃料に変換するベーパライザ54と、ベーパライザ54の出口側を開閉する遮断弁55と、気体燃料の圧力を調整するレギュレータ56と、レギュレータ56の出口側を開閉する遮断弁57とが上流側から順に設けられる。遮断弁55,57は電磁弁によって構成され、ECU100により制御される。
LNGタンク50の上面部にはベント通路51が接続され、ベント通路51にはベントバルブ52が設けられる。ベントバルブ52は一種の安全弁であり、タンク内圧力が所定の開弁圧以上となったとき開弁し、タンク内のBOG(ボイルオフガス)を大気中に放出することでタンク内を減圧する。
LNGタンク50には、タンク内の液体燃料の残量を検出するための残量計60が設けられる。残量計60の検出値はECU100に送られる。
さて、前述したように、本実施形態のLNG自動車においては、車両およびエンジンの停止中にLNGタンク50内のLNGが受熱により蒸発してBOGが発生する。このBOG発生によりタンク内が高圧になると、ベントバルブ52が開弁してBOGがタンク外に排出される。このため、タンク内のLNGのメタン濃度が低下し、燃料が重質化するウェザリング現象なるものが発生する。
例えば、LNGタンク50に補充された直後の新品の燃料、すなわち基準燃料は、13A都市ガスと同じ組成を有し、主成分である90%のメタンと、それ以外のエタン、プロパン、ブタンを含む。しかし、LNGタンク50内への入熱によりLNGが蒸発すると、メタンが優先的にBOGとして気化し、排出され、LNGのメタン濃度が低下し、重質化する。燃料が重質化すると燃料のメタン価は減少し、密度は増大する。
燃料が重質化するとオクタン価が低下し、ノッキングが起き易くなる。従って、エンジン停止中のBOG排出によりLNGのオクタン価が低下し、このLNGでエンジンを始動することにより、エンジンの始動不良が起こる可能性がある。
そこで本実施形態では、下記の構成および制御によって、エンジン停止中のBOG排出によるエンジンの始動不良を抑制するようにしている。
図3に示すように、本実施形態の制御システムは情報機器61を備える。情報機器61は、エンジンの始動直前に、前回のエンジン停止時から現時点までの間(すなわち、直近のエンジン停止中)の外気温の履歴に関する履歴データを、外部の取得先から無線通信を通じて取得するように構成されている。また本実施形態の制御システムは、情報機器61により取得された履歴データに基づいて、前回のエンジン停止時から現時点までの間にLNGタンク50から排出されたBOGの量Mを推定するように構成された推定ユニット62を備える。
また本実施形態の制御システムは、推定ユニット62により推定されたBOGの量Mに基づいて、点火時期補正量Δθを算出するように構成された算出ユニット63と、算出ユニット63により算出された点火時期補正量Δθを用いて、エンジンの始動時における点火プラグ6の点火時期θigを制御するように構成された制御ユニット64とを備える。
情報機器61は、無線通信を通じて外部の取得先の情報にアクセス可能な機器であり、本実施形態の場合、インターネットを通じて所定のウェブサイトにアクセス可能な機器である。つまり外部の取得先は所定のウェブサイトである。本実施形態の情報機器61は、車両に通常装備されているカーナビゲーション装置(カーナビという)により形成される。カーナビはGPSセンサと地図データを備え、車両(その搭載物であるエンジン1およびLNGタンク50を含む)の現在地に関する情報を取得し、その情報をディスプレイに表示する。
推定ユニット62、算出ユニット63および制御ユニット64は、ECU100の機能の一部として実現される。言い換えればこれらユニットはECU100に含まれる。制御ユニット64は、点火プラグ6以外の各種デバイスも制御する。
次に、図4を参照して本実施形態の制御方法を説明する。
まず、車両およびエンジンの停止中にはイグニッションスイッチ(SW)45がオフ位置P0となっている。そのためステップS101はノーとなり、システムはオフすなわち待機状態となる。
他方、イグニッションスイッチ45が第1オン位置P1に切り替えられると、システムはオンとなり、アクセサリ類、特に情報機器61はオンとなる(但しスタータはオフ)。これによりステップS101はイエスとなり、ステップS102に移行する。
ステップS102では、情報機器61が、GPSセンサを用いて車両の現在地情報を取得する。
次にステップS103において、情報機器61は、無線通信によりインターネットにアクセスし、所定のウェブサイトから、車両の現在地における外気温の履歴データを取得する。ウェブサイトは、例えば一般的な気象情報サイトであり、各地域の所定時間毎の気温を公表しているようなウェブサイトである。
図5を参照して、外気温履歴データを説明する。図中のグラフにおいて、横軸は時刻tを示し、縦軸は外気温Taを示す。線aが外気温Taの推移を示し、線a上の各プロットが、実際に取得された外気温のデータを示す。
図示例の場合、X月Y日の時刻tpにおいて、イグニッションスイッチ45がオフ位置P0とされてエンジンが停止され、その2日後のX月(Y+2)日の時刻tqにおいて、イグニッションスイッチ45がオフ位置P0から第1オン位置P1に切り替えられている。この直後、イグニッションスイッチ45は第3オン位置P3に切り替えられてエンジンが始動される。
エンジン始動の直前で、イグニッションスイッチ45が第1オン位置P1に切り替えられたとき、情報機器61は、時刻tpから時刻tqまでの間における、現在地の外気温履歴データを取得する。
外気温履歴データは、所定時間Δt(例えば3時間)毎の外気温Taのデータ群によって構成される。図示例ではTa1からTamまでのm個の外気温Taのデータが取得されている。これらのうち任意の外気温データをTanで表す。
次に、図4のステップS104に進んで、推定ユニット62は、BOG量推定の基となる指標値である積算外気温差ΣΔTaを算出する。
すなわち、図5に示すように、推定ユニット62は、任意の時刻tnの外気温Tanから所定の基準値Tasを減じて外気温差ΔTan=Tan-Tasを算出する。また推定ユニット62は、m個の外気温データに対応したm個の外気温差ΔTa1~ΔTamをそれぞれ求め、これら外気温差ΔTa1~ΔTamを全て積算ないし合計して積算外気温差ΣΔTaを求める。
基準値Tasは、任意の値に設定することができ、例えば、車両仕向地の最低気温に等しく設定することができる。
外気温Tanが高いほど外気温差ΔTanは大きくなる。また外気温Tanが高いほど、LNGタンク50内の温度が上昇してBOGが発生し、また、タンク内圧力が上昇してベントバルブ52が開弁し、BOGがタンク外に排出され易くなる。よって外気温差ΔTanは、比較的短時間(Δt)の間にタンク外に排出されたBOG量に相関する短期的な指標値となる。また積算外気温差ΣΔTaは、比較的長時間のエンジン停止中にタンク外に排出されたBOGの総量に相関する長期的な指標値となる。
よって本実施形態では、積算外気温差ΣΔTaに基づいてBOG量Mを推定する。これにより、エンジン停止中にLNGタンク50から排出されたBOGの量Mを好適に推定することができる。
ここで、エンジン停止中の外気温を車両に搭載された外気温センサ47で検出することが考えられる。しかし、エンジン停止中はシステムオフなので外気温センサ47を基本的に使えず、こうした検出を行うことができない。また、電力消費削減の観点からも、エンジン停止中に外気温センサ47に通電して検出を行うのは好ましくない。
本実施形態では、システムオンと同時に現在地におけるエンジン停止中の外気温履歴データを外部のウェブサイトから取得する。このため、エンジン停止中の外気温履歴データを事後的に容易に取得することができ、そのデータを活用してBOG量Mを好適に推定することができる。しかも、一般的に利用可能なウェブサイト情報を利用するので、専用のデータベースを構築する必要が無く、簡易かつ安価な方法で外気温履歴データを取得できる。
さて、図4に示すように、ステップS104において積算外気温差ΣΔTaを算出したらステップS105に進む。ステップS105において、推定ユニット62は、図6に示すような所定のマップから、積算外気温差ΣΔTaに対応したBOG量Mを算出する。このBOG量Mは、エンジン停止中にLNGタンク50から排出されたBOG量Mの推定値である。積算外気温差ΣΔTaが大きいほど、大きなBOG量Mが得られる。図示例では、ΣΔTa1という積算外気温差に対応したM1というBOG量が算出されている。
次に、ステップS106において、算出ユニット63は、図7に示すような所定のマップから、BOG量Mに対応した点火時期補正量Δθを算出する。点火時期補正量Δθは、点火プラグ6の点火時期θigを補正するための値で、その値が大きいほど点火時期θigは遅角側に補正される。マップによれば、BOG量Mが多いほど、大きな点火時期補正量Δθが得られる。これにより、BOG排出量が増えて燃料のオクタン価が低下するほど、点火時期を遅角側に補正でき、ノッキングを抑制することができる。
次に、ステップS107に進み、イグニッションスイッチ(SW)45が第3オン位置P3に切り替えられたか否かが制御ユニット64により判断される。第3オン位置P3に切り替えられてなければ、ステップS107はノーとなり、システムは待機状態となる。
他方、第3オン位置P3に切り替えられたならば、ステップS108に進み、制御ユニット64はスタータをオンし、エンジンを始動する。この始動時、制御ユニット64は、ステップS106で算出された点火時期補正量Δθによって点火時期θigを遅角側に補正し、この補正された点火時期θigで点火プラグ6を点火する。
すなわち、ECU100は、図2(B)に示したマップから基本点火時期θigbを算出する。そして基本点火時期θigbに点火時期補正量Δθを加算して点火時期θigを決定し(θig=θigb+Δθ)、この点火時期θigで点火プラグ6を点火する。なお、点火時期補正量Δθ以外の補正量、例えば、水温センサ46および外気温センサ47によりそれぞれ検出された水温および外気温に基づく補正量により点火時期をさらに補正してもよい。また基本点火時期θigbの代わりに、固定値としての始動用基本点火時期を用いてもよい。
このように、BOG排出量に応じて遅角補正された点火時期θigで点火プラグ6を点火し、エンジンを始動するので、エンジン停止中のBOG排出によるエンジンの始動不良を抑制することができる。
次に、ステップS109において、制御ユニット64は、エンジン始動後も引き続き、点火時期補正量Δθにより補正した点火時期θigで点火プラグ6を点火し、エンジンを運転させる。
エンジン始動後、暫くの間は、センサ類の暖機が終了していない。そのため、センサ類の出力信号に基づく検出ロジックおよび制御ロジックが適正に働かない可能性がある。そこで本実施形態では、こうした期間中にも点火時期補正量Δθにより点火時期θigを補正する。これにより、センサ類の未暖機に起因する異常燃焼を抑制することができる。
ステップS110において、制御ユニット64は、エンジン始動時から所定時間Δtqが経過したか否かを判断する。この所定時間Δtqは、エンジンの冷間始動時から、センサ類の暖機が終了するまでの時間として予め実験的に求められた時間にほぼ等しく設定されている。
所定時間Δtqが経過してなければ引き続き補正を継続する。他方、所定時間Δtqが経過したならば、ステップS111に進み、制御ユニット64は、点火時期補正量Δθによる点火時期θigの補正を停止する。これにより点火時期θigは通常通り制御される。この場合、センサ類の暖機が既に終了しているので、点火時期補正量Δθによる補正を停止してもセンサ類の出力信号に基づき適正な制御が行われるため、特段問題はないと考えられる。
このように制御ユニット64は、算出ユニット63により算出された点火時期補正量Δθを用いて、エンジンの始動時から所定時間Δtq経過後までの点火時期θigを制御する。
なお、所定時間Δtqはセンサ類の暖機状態に応じて可変設定してもよい。例えば、エンジンの冷却水温を、センサ類の暖機状態を表す値とみなし、エンジン始動時から冷却水温が所定温度以上に達するまでの時間を所定時間Δtqとしてもよい。ここで冷却水温は水温センサ46により検出される。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。
(1)例えば情報機器61は、カーナビでなくてもよい。情報機器61は、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、タブレット端末、携帯電話等であってもよい。この場合、情報機器61とECU100を近距離無線通信で接続するとよい。
(2)外気温履歴データの取得先は、必ずしもインターネット上のウェブサイトでなくてもよく、例えば、特定の管理センター等に構築された専用のデータベースであってもよい。
(3)前記実施形態では、推定ユニット62、算出ユニット63および制御ユニット64が単一のECU100に含まれた。しかしながら、これらユニットは個別に形成されてもよい。
(4)エンジンが定置式の場合、エンジンの現在地が一定である。従ってこの場合には、情報機器61から、現在地情報を取得するための機能および構成(GPSセンサおよび地図データ)を省略してもよい。
(5)前記実施形態では、点火時期補正量Δθが基本点火時期θigbに加算される形態のものであった。しかしながらこれに限らず、補正方法は任意である。例えば、点火時期補正量Δθは、基本点火時期θigbに乗算される形態のものであってもよい。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 エンジン(内燃機関)
50 LNGタンク
61 情報機器
62 推定ユニット
63 算出ユニット
64 制御ユニット
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (4)

  1. 燃料としての天然ガスを貯留するLNGタンクを備えたエンジンの制御システムであって、
    前記エンジンの始動直前に、前回のエンジン停止時から現時点までの間の外気温の履歴に関する履歴データを、外部の取得先から無線通信を通じて取得するように構成された情報機器と、
    前記情報機器により取得された履歴データに基づいて、前回のエンジン停止時から現時点までの間に前記LNGタンクから排出されたボイルオフガスの量を推定するように構成された推定ユニットと、
    前記推定ユニットにより推定されたボイルオフガスの量に基づいて、点火時期補正量を算出するように構成された算出ユニットと、
    前記算出ユニットにより算出された点火時期補正量を用いて、前記エンジンの始動時における点火時期を制御するように構成された制御ユニットと、
    を備えたことを特徴とするエンジンの制御システム。
  2. 前記情報機器は、前記エンジンの始動直前にGPSセンサを用いて前記エンジンの現在地情報を取得し、前記エンジンの現在地における前記履歴データを、所定のウェブサイトからインターネットを通じて取得する
    請求項1に記載のエンジンの制御システム。
  3. 前記制御ユニットは、前記算出ユニットにより算出された点火時期補正量を用いて、前記エンジンの始動時から所定時間経過後までの点火時期を制御する
    請求項1または2に記載のエンジンの制御システム。
  4. 前記エンジンおよび前記情報機器は、車両に搭載され、
    前記情報機器は、無線通信可能なカーナビゲーション装置により形成される
    請求項1~3のいずれか一項に記載のエンジンの制御システム。
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