JP2022088313A - 外添剤粒子及びトナー - Google Patents

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晶夫 丸山
Akio Maruyama
圭 井上
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和香 長谷川
Waka Hasegawa
幸雄 永瀬
Yukio Nagase
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Abstract

【課題】 優れた流動性を有し得るとともに、長時間の画像出力を行った場合における優れた流動維持性、及び低湿環境における優れた濃度安定性を有し得るトナーが得られる外添剤粒子を提供すること。【解決手段】 硫黄原子及び窒素原子を有するポリマーを含む外添剤粒子であって、前記ポリマーは、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分を有し、前記外添剤粒子を構成する炭素原子、酸素原子、及びケイ素原子の原子数の合計に対して、前記外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数の割合が、4.0%以上25.0%以下であり、前記外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの、炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子数の合計に対して、窒素原子の原子数の割合が、0.40%以上2.50%以下であり、硫黄原子の原子数の割合が、0.05%以上0.25%以下である、ことを特徴とする外添剤粒子。【選択図】 なし

Description

本開示は、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真法を用いた画像形成装置には、更なる高速化、高画質化が要求されている。これらの要求に伴い、現像装置内での摺擦に長時間耐える耐ストレス性を持ち、且つ高速の印字においても高画質を得るため、優れた流動性、現像性を有するトナーが検討されている。
特許文献1では、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格を有するトナー用添加剤をトナーに含有させることにより、トナーの流動性等が向上することが開示されている。
特開平8-202071号公報
特許文献1に記載のトナーについて本発明者らが検討した結果、長時間の画像出力を行った場合のトナーの流動性の経時的な変化、及び低湿環境での画像出力における画像濃度の安定性について、より一層の改善が必要であることを認識した。
本開示の一態様は、優れた流動性を有し得るとともに、長時間の画像出力を行った場合における優れた流動維持性、及び低湿環境における優れた濃度安定性を有し得るトナーが得られる外添剤粒子の提供に向けたものである。
本開示の一態様によれば、硫黄原子及び窒素原子を有するポリマーを含む外添剤粒子であって、
前記ポリマーは、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分を有し、
前記外添剤粒子を構成する炭素原子、酸素原子、及びケイ素原子の原子数の合計に対して、前記外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数の割合が、4.0%以上25.0%以下であり、
前記外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの、炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子数の合計に対して、
窒素原子の原子数の割合が、0.40%以上2.50%以下であり、
硫黄原子の原子数の割合が、0.05%以上0.25%以下である、
ことを特徴とする外添剤粒子が提供される。
本開示の一態様によれば、優れた流動性を有し得るとともに、長時間の画像出力を行った場合における優れた流動維持性、及び低湿環境における優れた濃度安定性を有し得るトナーを提供できる。
数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
本開示において、(アルキル)アミノ基とは、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基を意味する。これらのアルキルは炭素数1~6であることが好ましい。
本開示においてSiON/2とは、ケイ素原子の4個の原子価のうち、N個が酸素原子と結合しており、且つそのN個の酸素原子それぞれが、いずれもSiと結合している状態のユニットであると取り扱う。即ち、N個の酸素原子それぞれが、シロキサン結合(Si-O-Si)を形成している状態のユニットであると取り扱う。
本発明者らが鋭意検討した結果、上記の構成要件を有する外添剤粒子を外添したトナーは、優れた流動性を有し得るとともに、優れた流動維持性を有し得ることを見出した。以下に、それぞれの構成要件について詳細に説明する。
<外添剤粒子の表面領域の硫黄原子>
本開示に係るポリマーは硫黄原子を含み、外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの、炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子数の合計に対して、硫黄原子の原子数の割合が、0.05%以上0.25%以下である。即ち、外添剤粒子の表面領域に硫黄原子が存在する。ポリマーが硫黄原子を含み、外添剤粒子の表面領域に硫黄原子が存在することで、優れた流動維持性を有するトナーが得られやすくなることを、本発明者らは発見した。流動維持性が向上する理由については定かではないが、本発明者らは以下のように推測している。
第3周期元素である硫黄は、第2周期元素である炭素などと比べ、主量子数が大きいため原子軌道間のエネルギー差が小さく軌道の混成が起こりやすい。そのため、軌道が外部の静電場で歪みやすい、すなわち硫黄原子の分極率は相対的に大きく、分極が生じた部分が外部との静電相互作用を生じさせやすいと考えられる。また、硫黄原子が酸素原子などの電気陰性度の高い原子と共有結合した状態で存在する場合にも、硫黄原子と酸素原子の結合においても分極が生じ、該分極が生じた部分は外部と静電相互作用を生じさせやすいと考えられる。そして、外添剤粒子の表面領域に該分極が生じた部分が存在することで、トナー粒子表面に存在する静電相互作用が可能な部分と強く相互作用しやすく、トナー粒子の表面から外添剤粒子が離れにくくなると考えられる。その結果、長時間の画像出力を行った場合にでも、優れた流動維持性を有し得るトナーが得られやすくなると、本発明者らは考えている。
また、硫黄原子の原子数の割合が上記範囲内であることでトナー粒子の表面と外添剤粒子との相互作用が適切に制御されやすいと本発明者らは考えている。上記硫黄原子の原子数の割合として、0.10%以上であることが好ましく、また、0.20%以下であることが好ましい。
静電相互作用を生じさせやすい部分の硫黄原子の態様として、例えば、スルホ基(-SOH)や硫酸基(―OSOH)、また、それらのナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。そのため、本開示に係るポリマーは、-SOH、-SONa、-SOK、―OSOH、―OSONa、及び―OSOKからなる群より選択される少なくとも1つの官能基を有するポリマーであることが好ましい。また、外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときに検出される硫黄原子は、-SOH、-SONa、-SOK、―OSOH、―OSONa、及び―OSOKからなる群より選択される少なくとも1つの官能基に含まれる硫黄原子であることが好ましい。
本開示に係るポリマー及び外添剤粒子の表面領域に、スルホ基やその塩を含有させる方法としては、例えば後述するポリマーの材料に、p-スチレンスルホン酸ナトリウムなどの、ラジカル重合性スルホン酸塩を用いる方法が挙げられる。また、本開示に係るポリマー及び外添剤の表面に、硫酸基やその塩を含有させる方法としては、ラジカル重合開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウムなどの過硫酸塩を用いる方法が挙げられる。ポリマー製造時のラジカル重合性開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウムを用いる場合、ポリマーの末端に-OSOK又は-OSOHが導入され、製造されるポリマー中に硫黄原子が導入される。
<外添剤粒子の表面領域の窒素原子>
本開示に係るポリマーは窒素原子を含み、外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの、炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子数の合計に対して、窒素原子の原子数の割合が、0.40%以上2.50%以下である。即ち、外添剤粒子の表面領域に窒素原子が存在する。上記窒素原子の原子数の割合として、1.00%以上であることが好ましく、また、2.00%以下であることが好ましい。ポリマーが窒素原子を含み、表面領域の窒素原子が上記割合の範囲で存在する外添剤粒子を含有するトナーを用いることで、低湿環境において出力画像の濃度が安定しやすくなることを、本発明者らは発見した。出力画像の濃度安定性が向上する理由については定かではないが、本発明者らは以下のように推測している。
摩擦帯電によるトナーの電荷獲得過程においては、外添剤粒子表面やトナー粒子表面に存在する負帯電性の官能基等の影響で、トナーには負の電荷が蓄積されやすい。外添剤粒子の表面領域に窒素原子が存在する場合、窒素原子を含む化合物は塩基としてはたらくなど、水素イオンを受け取ることで正の電荷をもつ傾向にあるため、トナー全体として負電荷の過剰な蓄積が生じにくくなる。その結果、トナーが過剰に帯電されにくくなり、低湿環境においても画像濃度がばらつきにくいトナーが得られやすくなると、本発明者らは考えている。
また、窒素原子の原子数の割合が上記範囲内であることで外添剤粒子の表面領域における正帯電量と負帯電量のバランスが適切に制御されやすいと本発明者らは考えている。さらに、該バランスがより適切になると考えられ、優れた画像濃度の安定性が得られやすいため、外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの、硫黄原子の原子数に対して、窒素原子の原子数の割合が、2.0以上であることが好ましい。より好ましくは7.0以上であり、さらに好ましくは8.0以上である。上限は特に制限されないが、20.0以下であることが好ましく、10.0以下であることが好ましく、9.0以下であることがさらに好ましい。また、外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときに検出される窒素原子は、本開示に係るポリマーに含まれる窒素原子であることが好ましい。
上記の窒素原子の態様として、(アルキル)アミノ基が好ましいと考えられるため、本開示に係るポリマーが、(アルキル)アミノ基を含むことが好ましい。該(アルキル)アミノ基は、アミノ基及びモノアルキルアミノ基の少なくとも一方であることがより好ましい。また、外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときに検出される窒素原子は、(アルキル)アミノ基に含まれる硫黄原子であることが好ましい。
本開示に係るポリマーに(アルキル)アミノ基を含有させる方法としては、例えば後述するアミン化合物を、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分を有するポリマーと反応させ、該ポリマーと該アミン化合物を結合させる方法が挙げられる。
また、ポリマーに含まれる窒素原子の態様として、トリアルキルアンモニウム基であってもよい。即ち、本開示に係るポリマーがトリアルキルアンモニウム基を含んでもよい。
<ビニルポリマー部分及びシロキサン部分を有するポリマー>
本開示に係るポリマーは、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分を有する。
ポリマー中のビニルポリマー部分は、ビニル系の重合性単量体が重合してなる有機ポリマー部分である。外添剤粒子に含まれるポリマー中にビニルポリマー部分が含有されていることで、トナー粒子を構成する樹脂との親和性が大きくなりやすく、外添剤粒子がトナー粒子から離れにくくなると考えられる。
また、外添剤粒子に含まれるポリマー中には、ビニルポリマー部分だけでなく、シロキサン部分が含まれる。これにより、本開示に係るポリマーを含む外添剤粒子が十分な機械的強度を有しやすく、塑性変形しにくい外添剤粒子となりやすいため、該外添剤粒子が外添されたトナーは優れた流動性を有し得る。
本開示に係るポリマーの態様の1つとして、ビニルポリマー鎖がシロキサン結合により架橋されたポリマーであることが好ましい。外添剤粒子が、該ポリマーを含むことで、外添剤粒子の機械的強度が大きくなりやすく、塑性変形が生じにくくなると考えられる。同様に、本開示に係るポリマーの態様の1つとして、ビニル系重合体の分子鎖がシロキサン結合を介して結合した構造を有するポリマーであることが好ましい。
ポリシロキサン骨格のみを有する粒子、例えばシリカ粒子は、機械的強度が大きい一方でトナー粒子を構成する樹脂との親和性が小さく、長時間の画像出力を行った場合にトナーの流動性が低下しやすい。
また、有機ポリマー骨格のみを有する粒子、例えばポリメチルメタクリレート系粒子は機械的強度が低いため、外添剤粒子として用いた場合に、現像機内等における機械的衝撃により、塑性変形や破壊が生じやすいと考えられる。その結果、トナーが各種部材に付着しやすくなり、優れた流動性及び流動維持性を有するトナーが得られにくい。
本開示に係るポリマーを得る方法としては、メトキシ基などの加水分解性基と結合したケイ素原子を含有するビニル重合モノマーを用いてビニル重合を行い、その後、該加水分解性基の加水分解及び重縮合反応を行ってシロキサン結合を形成させる方法が挙げられる。該方法では、先にビニル重合を行うことでビニルポリマーの鎖が形成され、その後の加水分解及び重縮合により該ポリマー中、又は該ポリマー間にシロキサン結合が形成されるため、ビニルポリマー鎖がシロキサン結合により架橋されたポリマーが得られる。
また、外添剤粒子の質量に対し、本開示に係るポリマーが、60.0質量%以上含有されていることが好ましい。より好ましくは70.0質量%以上であり、より好ましくは80.0質量%以上であり、さらに好ましくは90.0質量%以上である。
<炭素原子、酸素原子、及びケイ素原子の原子数の合計に対するケイ素原子の原子数の割合>
外添剤粒子を構成する炭素原子、酸素原子、及びケイ素原子の原子数の合計に対して、外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数の割合が4.0%以上25.0%以下である。
外添剤粒子を構成する炭素原子、酸素原子、及びケイ素原子の原子数の合計に対する、外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数の割合は、外添剤粒子中にシロキサン部分がどれだけ存在しているかの指標であると本発明者らは考えている。
上記の割合が4.0%以上であると、外添剤粒子中にシロキサン部分が十分に存在しており、外添剤粒子の塑性変形が生じにくくなると考えられるため、優れた流動性を有するトナーが得られやすい。また、上記の割合が25.0%以下であると、外添剤粒子中のシロキサン部分の量が過大になりにくく、外添剤粒子がトナー粒子から離れにくくなると考えられるため、優れた流動維持性を有するトナーが得られやすい。そのため、25.0%以下であり、20.0%以下であることが好ましく、15.0%以下であることがより好ましく、10.0%以下であることがさらに好ましい。即ち、上記の割合が、4.0%以上10.0%以下であることがさらに好ましい。また、8.0%以下であることがより好ましい。
また、優れた流動維持性を有するトナーが得られやすいため、外添剤粒子を構成する炭素原子の原子数の割合が、外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数に対して、6.5以上であることが好ましい。より好ましくは、7.5以上であり、さらに好ましくは、13.5以上である。上限としては特に制限されないが、トナーの流動性の観点から、20.0以下であることが好ましい。より好ましくは17.0以下である。
上記した原子数の割合は、外添剤粒子に含まれるポリマーを製造する際の、ケイ素原子を含有するモノマーユニットの種類と量、及びケイ素原子を含有しないモノマーユニットの種類と量などを調整することによって、制御することができる。また、外添剤粒子に含まれるポリマーを製造する際に、ラジカル重合反応を行った後、加水分解反応及び重縮合反応を行うことによっても、上記した原子数の割合の範囲を満たしやすい。詳細は後述する。
<ポリマー中のモノマーユニット>
炭素原子、酸素原子及びケイ素原子の比率が、上記した範囲を満たしやすく、本開示の効果が得られやすいため、ポリマーが下記式(1)で示されるモノマーユニットを含有することが好ましい。
Figure 2022088313000001

(式(1)中、Rは、炭素数1~10のアルキレン基であり、R’は、水素原子又はメチル基である。)
また、本開示に係るポリマーが、硫黄原子を有する態様の1つとして、下記式(S)で示されるモノマーユニットを有することが好ましい。
Figure 2022088313000002
(式(S)中、RS1~RS4は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子、又はアルカリ金属原子である。)
ポリマーが上記のモノマーユニットを含むことで本開示に係るポリマーが硫黄原子を含み、外添剤粒子の表面に硫黄原子が存在しやすくなるため、該ポリマーを含有する外添剤粒子が外添されたトナーの流動維持性を高め得る。上記式(S)中のアルカリ金属原子としては、Na、Kなどが挙げられる。また、上記式(S)中の-SOXの位置は、上記式(S)中の-CH-CH-に対してパラ位であることが好ましい。また、RS1~RS4は水素原子であることが好ましい。
<外添剤粒子中のT単位の割合>
外添剤粒子に含まれるポリシロキサン部分は、以下の4つの単位を含みうる。
・1つケイ素原子に1つの酸素原子が結合した単位であるM単位
・1つケイ素原子に2つの酸素原子が結合した単位であるD単位
・1つケイ素原子に3つの酸素原子が結合した単位であるT単位
・1つケイ素原子に4つの酸素原子が結合した単位であるQ単位
また、これらの単位の割合は、29Si-NMR測定における積分値から調べることができる。
本開示に係る外添剤粒子に対して29Si-NMR測定を行ったとき、下記式(P1)を満たすことが好ましい。
T単位の積分値/{(M単位の積分値)+(D単位の積分値)+(T単位の積分値)+(Q単位の積分値)}≧60%・・・(P1)
上記式(P1)を満たすことで、外添剤粒子中のポリシロキサン部分に、3次元的な結合を有する部分が存在しやすいと考えられる。これにより、外添剤粒子が十分な機械的強度を有しやすく、塑性変形しにくい外添剤粒子となりやすくなると本発明者らは考えている。式(P1)の値は70%以上であることが好ましく、80%以上であることが好ましく、90%以上であることが好ましい。
<外添剤粒子中のT単位における、T0~T3単位の割合>
外添剤粒子中のポリシロキサン部分に含まれるT単位は、それぞれT0単位、T1単位、T2単位、T3単位の何れか一つの状態をとる。また、Tn単位(n=0、1、2、3)とは、T単位を構成するケイ素原子に結合している3つの酸素原子のうちのn個が、別のケイ素原子と結合している状態をいい、これらの割合は29Si-NMR測定における積分値から調べることができる。
外添剤粒子の機械的強度の観点から、外添剤粒子に対して29Si-NMR測定を行ったとき、下記式(P2)を満たすことが好ましい。
{(T0単位の積分値)+(T1単位の積分値)}/{(T0単位の積分値)+(T1単位の積分値)+(T2単位の積分値)+(T3単位の積分値)}≦0.1・・・(P2)
また、外添剤粒子の柔軟性、弾性の観点から、外添剤粒子に対して29Si-NMR測定を行ったとき、下記式(P3)を満たすことが好ましい。
T2単位の積分値/{(T0単位の積分値)+(T1単位の積分値)+(T2単位の積分値)+(T3単位の積分値)}≧0.35・・・(P3)
上記式(P3)を満たす、即ち外添剤粒子中のポリシロキサン部分に十分なT2単位が含まれることで、外添剤粒子の柔軟性、弾性が高まりやすくなると考えられる。その結果、連続した画像出力の後であっても外添剤粒子がトナー粒子に埋没しにくくなり、外添剤粒子が埋没することによって生じる画像濃度のばらつきが生じにくくなると本発明者らは考えている。
さらに、外添剤粒子の柔軟性、弾性の観点から、外添剤粒子に対して29Si-NMR測定を行ったとき、T3単位の積分値に対するT2単位の積分値が1以上であることが好ましい。
上記29Si-NMR測定における各積分値は、外添剤粒子に含まれるポリマーを製造する際の、ケイ素原子を含有するモノマーユニットの種類と量などによって、制御することができる。また、T2単位の積分値は、外添剤粒子に含まれるポリマーを製造する際の反応pHを調製することによっても制御することができる。
<外添剤粒子のD50>
外添剤粒子として、適切な体積平均粒径とするため、外添剤粒子の体積分布基準の50%粒径をD50としたとき、該D50が、50nm以上200nm以下であることが好ましい。
<外添剤粒子の製造方法>
外添剤粒子の製造時に、ラジカル重合性基と、加水分解及び重縮合によりシロキサン結合を形成する加水分解性基と、を含む化合物を用いてラジカル重合反応を行い、その後、加水分解反応及び重縮合反応を行い、縮合物の粒子を得ることが好ましい。さらに、その重縮合物の粒子を、加水分解性基が結合したシリル基を有するアミン化合物と反応させることが好ましい。該アミン化合物の具体例は後述する。
先にラジカル重合反応を行うことで、外添剤粒子に含まれるポリマーの主骨格がビニルポリマー部分となり、トナーを構成する樹脂との親和性が高まりやすくなると考えられ、該外添剤粒子が外添されたトナーの流動性が高まりやすい。
また、ラジカル重合反応のモノマー原料にラジカル重合性スルホン酸塩を含有させる、又は、ラジカル重合開始剤として過硫酸塩を用いることにより、本開示に係るポリマー及びトナー粒子の表面領域に硫黄原子を含有させられるため好ましい。
即ち、本開示の態様の1つとして、ポリマーを含む外添剤粒子の製造方法であって、工程(i-1)、工程(ii)、及び工程(iii)又は、工程(i-2)、工程(ii)、及び工程(iii)を有することを特徴とする外添剤粒子の製造方法であることが好ましい。
(i-1)ラジカル重合性スルホン酸塩、及び下記式(2)で示される化合物を含有するモノマー原料をラジカル重合させて、前記式(2)中の加水分解性基を有する重合物を得る工程、
(i-2)ラジカル重合開始剤を過硫酸塩として、下記式(2)で示される化合物を含有するモノマー原料をラジカル重合させて、前記式(2)中の加水分解性基を有する重合物を得る工程、
(ii)前記工程(i-1)または前記工程(i-2)によって得られた重合物中の、前記加水分解性基の加水分解、及び重縮合を行って、重縮合物の粒子を得る工程、
(iii)前記重縮合物の粒子と、加水分解性基が結合したシリル基を有するアミン化合物とを反応させ、前記重縮合物と前記アミン化合物がシロキサン結合により結合したポリマーを含む粒子を得る工程
SiX4-m・・・(2)
(式(2)中、Xは加水分解性基であり、mは1~3の整数であり、
m=1の場合は、Rが炭素数1~20のラジカル重合性基であり、
m=2~3の場合は、複数のRのうちの少なくとも1つのRが炭素数1~20のラジカル重合性基であり、ラジカル重合性基でない他のRは、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基である。)
式(2)中のRの炭素数は1~15であることが好ましく、1~10であることがより好ましい。また、mは1又は2であることが好ましく、また、mが1であることがさらに好ましい。
上記のラジカル重合反応を行った後に、上記式(2)中の加水分解性基の加水分解反応及び重縮合反応を行うことで、ビニルポリマーがシロキサン結合により架橋されたポリマーを含む外添剤粒子が得られる。また、ビニル系重合体の分子鎖が形成された後に、加水分解及び重縮合を行うことで、上述のように外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数の割合が制御された、ポリマーが得られやすい。また、加水分解反応及び重縮合反応を後に行うことで、硫黄原子及び窒素原子が外添剤粒子の表面領域に含有されやすいと考えられる。
上記の工程(ii)で得られる重縮合物の粒子中には、ケイ素原子に結合した加水分解性基(特にヒドロキシ基)が残存する。工程(iii)において、その加水分解性基と結合したケイ素原子と、上記アミン化合物中の加水分解性基が結合したシリル基との間でシロキサン結合を形成することにより、重縮合物とアミン化合物が結合する。即ち、重縮合物の粒子は加水分解性基を有することが好ましい。
上記のシリル基は、3つの加水分解性基と結合していることが好ましい。加水分解性基が結合したシリル基は、アルコキシ基が結合したシリル基、即ちアルコキシシリル基であることが好ましい。
本開示に係る加水分解性基とは、ケイ素原子に結合した状態で加水分解を行った際にヒドロキシ基へと変換される官能基、またはヒドロキシ基を意味する。例えば、ヒドロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、アルコキシ基、及びアシルオキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つが挙げられる。ケイ素原子にこれらの加水分解性基が結合した構造は、水により加水分解されやすく、続く重縮合反応が起こりやすいため、シロキサン結合を形成させやすい。アルコキシ基として好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基であり、アシルオキシ基として好ましくはアセトキシ基である。本開示に係る加水分解性基としてより好ましくはヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、アセトキシ基であり、さらに好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
また、ラジカル重合性基とは、構造中にラジカル反応性の二重結合を有する置換基を意味する。例えば、ビニル基、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアルキル基などが挙げられる。
上記のラジカル重合性スルホン酸塩とは、化合物中に、上記のラジカル重合性基を有する有機スルホン酸塩化合物である。
ラジカル重合性スルホン酸塩としては、例えば、以下のものが挙げられる。p-スチレンスルホン酸ナトリウム、p-スチレンスルホン酸カリウム、p-スチレンスルホン酸リチウム、p-スチレンスルホン酸マグネシウム、p-スチレンスルホン酸カルシウム、p-スチレンスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸カリウム、ビニルスルホン酸リチウム、ビニルスルホン酸マグネシウム、ビニルスルホン酸カルシウム、ビニルスルホン酸アンモニウムなど。これらラジカル重合性スルホン酸塩は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤として用いられる過硫酸塩としては、例えば以下のものが挙げられる。
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなど。これら過硫酸塩は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
トナーの流動維持性の観点から、上記のラジカル重合性スルホン酸塩は、モノマー原料の合計質量に対して、0.4~5.0質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.7~1.0質量%である。また、トナーの流動性の観点から、上記式(2)で示される化合物は、モノマー原料の合計質量に対して、50~80質量%であることが好ましい。より好ましくは、60~75質量%である。
<ラジカル重合反応(工程(i-1)、工程(i-2))>
ラジカル重合反応の方法としては、乳化重合法であることが好ましい。乳化重合法は、水等の媒体と、媒体に難溶なモノマーと、乳化剤(界面活性剤)又はイオン性コモノマーとを混合し、そこに上記媒体に溶解可能な重合開始剤を加えて行う重合法である。また、上記の乳化重合法は、界面活性剤を用いずに重合を行う、ソープフリー乳化重合法であることが好ましい。ソープフリー乳化重合法であることで界面活性剤が外添剤粒子の表面に残留せず、トナー粒子と外添剤粒子の親和性を制御しやすいためであると本発明者らは考えている。
上記式(2)で示される化合物、即ちラジカル重合性基と加水分解性基の両方を含むモノマーの具体例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン等のオルガノトリアルコキシシラン化合物、オルガノトリアセトキシシラン、ビス(γ-アクリロキシプロピル)ジメトキシシラン、ビス(γ-メタクリロキシプロピル)ジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシラン化合物、トリス(γ-アクリロキシプロピル)メトキシシラン、トリス(γ-アクリロキシプロピル)エトキシシラン、トリス(γ-メタクリロキシプロピル)メトキシシラン、トリス(γ-メタクリロキシプロピル)エトキシシラン、ビス(γ-アクリロキシプロピル)ビニルメトキシシラン、ビス(γ-メタクリロキシプロピル)ビニルメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルジエチルエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルジエチルエトキシシラン等のトリオルガノアルコキシシラン化合物など。
上記モノマーのうち、より好ましくは、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシランである。
上記式(2)で示される化合物、即ちラジカル重合性基と加水分解性基の両方を含むモノマーは、下記式(3)で示されるモノマーであることが好ましい。
Figure 2022088313000003
(式(3)中、Rは、炭素数1~10のアルキレン基であり、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、メチル基、エチル基の何れかであり、R’は、水素又はメチル基である。)Rとしてより好ましくは、炭素数1~5のアルキレン基である。
ラジカル重合の際に用いられるラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、好ましくは過硫酸塩、アゾ化合物、及び過酸化物から選ばれる少なくとも1つの化合物であり、より好ましくは、過硫酸塩である。上述したラジカル重合開始剤の量は、特に限定されないが、原料モノマーの合計質量に対して、0.1~10.0質量%であることが好ましく、好ましくは、0.3~5.0質量%であることがより好ましい。ラジカル重合開始剤が上記範囲内であることで、ラジカル重合を十分に進行させることができ、且つ反応系中の発熱量が過大になりにくいため好ましい。
ラジカル重合させる際の温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類や量によって適宜選択可能であり、30~100℃の範囲であることが好ましく、50~80℃の範囲であることがより好ましい。
ラジカル重合を行う工程、即ち、本開示に係る工程(i-1)、工程(i-2)は、6.0≦pH≦8.0の条件下において、ラジカル重合を行う工程であることが好ましい。より好ましくは、6.5≦pH≦7.5である。反応系のpHが上記範囲内であると、ラジカル重合反応の進行中に、加水分解性基の加水分解及び重縮合反応が起こりにくくなると考えられる。ラジカル重合後に、加水分解及び重縮合反応を行うことで、より高い極性を有しやすい硫黄原子や窒素原子が外添剤粒子の表面領域に含有されやすくなると考えられる。そのため、ラジカル重合反応は、緩衝溶液中で行われることが好ましい。緩衝溶液としては特に制限されず、りん酸緩衝液、MES緩衝液など、中性付近のpHを示す緩衝溶液であればよい。
また、ラジカル重合する際に、ラジカル重合性基と加水分解性基の両方を含むモノマーだけでなく、ラジカル重合可能な基を有するその他のモノマーを用いてもよい。
その他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、イタコン酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマール酸エステル類等の不飽和カルボン酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、スチレン、α-スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物等のビニル化合物類等が挙げられる。これらの1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合可能な基を2個以上含有するジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等のモノマーを用いてもよい。
<加水分解反応及び重縮合反応(工程(ii))>
上記の加水分解反応及び重縮合反応の方法としては特に制限されないが、ラジカル重合して得られた粒子を含むエマルジョンに酸、塩基などの触媒を添加して、そのまま加水分解、重縮合を行い重縮合物の粒子を得ることが好ましい。即ち、工程(ii)は、酸や塩基などの触媒を添加して、工程(i-1)または工程(i-2)によって得られた重合物中の、前記加水分解性基の加水分解、及び重縮合を行い、重縮合物の粒子を得る工程であることが好ましい。また、工程(ii)は、2.0≦pH≦4.0の条件下において加水分解、及び重縮合を行う工程であることが好ましい。該条件下で行うことによって、ポリシロキサン部分のT単位のうち、T2単位の割合が大きくなりやすいことが分かった。また、ラジカル重合して得られた粒子を瀘過、遠心分離、減圧濃縮等の操作を行ってエマルジョンから単離した後、触媒を添加して加水分解、重縮合させてもよい。
ラジカル重合反応による粒子形成後の加水分解や重縮合反応をさせるにあたり、酢酸、塩酸、アンモニア、尿素、アルカノールアミン、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の触媒を用いてもよい。
重縮合をより促進させる観点からより好ましい触媒としては、酢酸、塩酸、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジイソプロポキシ-ビス(アセチルアセトネート)チタネート等の有機チタン化合物、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリsec-ブトキシド、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムイソプロポキシド-ビスアセチルアセトネート等の有機アルミニウム化合物、ジルコニウムテトラブトキシド、テトラキス(アセチルアセトネート)ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジマレエート等の有機錫化合物、酸性リン酸エステル等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、有機錫化合物及び酸性リン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つが好ましい。外添剤粒子のトナー表面への埋没を抑制するという観点からは、酢酸、塩酸から選ばれる少なくとも1つを使用することが好ましい。
また、外添剤粒子の製造時に用いる溶媒中には、水や触媒以外の有機溶剤が含有されてもよい。有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、イソオクタン、シクロヘキサン等の(シクロ)パラフィン類、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。2種以上を混合して用いてもよい。
加水分解反応及び重縮合反応は、例えば、ラジカル重合反応で作製したエマルジョンに適宜触媒を添加し、0~100℃、好ましくは0~70℃の範囲で、3~24時間攪拌することによって行うことができる。
<加水分解性基が結合したシリル基を有するアミン化合物との反応(工程(iii))>
出力画像の濃度安定性の観点から、工程(ii)で得られた重縮合物の粒子と、加水分解性基が結合したシリル基を有するアミン化合物とを反応させ、前記重縮合物と前記アミン化合物がシロキサン結合により結合したポリマーを含む粒子を得ることが好ましい。このシロキサン結合を形成する反応は、加水分解反応及び重縮合反応である。上記の反応を行うことで、重縮合物中に存在する加水分解性基が結合したケイ素原子と、アミン化合物中に存在する加水分解性基が結合したケイ素原子(シリル基)との間でシロキサン結合が形成される。これにより、製造されるポリマー中に窒素原子が取り込まれ、外添剤粒子の表面領域における窒素原子の原子数の割合が上述した範囲となりやすい。
工程(iii)で用いる上記アミン化合物としては、下記式(4)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2022088313000004
(式(4)中、R41及びR42はそれぞれ独立して、アミノ基を有してもよい炭素数1~6のアルキル基、又は水素原子であり、R43は、炭素数1~6のアルキレン基である。また、nは0~2であり、R44は炭素数1~6のアルキル基であり、Yは加水分解性基である。)。
上記式(4)中のR41及びR42は、それぞれ独立して、アミノ基を有してもよい炭素数1~3のアルキル基、又は水素原子であることが好ましい。また、R41及びR42は、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基、又は水素原子であることが好ましい。また、R43は、炭素数2~4のアルキレン基であることが好ましく、R44は、炭素数1~3のアルキル基であることが好ましい。また、nは0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
具体的には例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシジメチルシランなどのアミノシランが挙げられる。
また、トナーの帯電性の観点から、外添剤粒子の表面に残存する水酸基の処理や負の帯電量を調節するために、その他の表面処理剤を用いて、外添剤粒子の表面処理を行うことが好ましい。該その他の表面処理剤としては、オルガノアルコキシシランやヘキサメチルジシラザンなどのケイ素化合物、又はテトラブチルチタネートなどのチタン化合物あるいはこれらの加水分解・縮合物が挙げられる。
該その他の表面処理剤を用いた表面処理は、上記のアミン化合物と上記の重縮合物の粒子を反応させる際に同時に行ってもよいし、その反応後に行ってもよい。
上記の表面処理を行う方法としては、粒子の表面が、上記の表面処理剤で被覆された状態にすることができるものであれば、特に制限されない。例えば、粒子を適当な容器中に投入し、次いで表面処理剤を投入したのち、攪拌しながら室温(25℃±5℃)~100℃程度の温度で3~24時間混合し、接触させることにより行なうことができる。この場合に、表面処理剤をメタノールなどの溶媒に溶解させ、これを徐々に滴下しながら混合・接触を行なうことによりさらに均一に表面処理を行うことができる。なお、粒子の表面に存在する表面処理剤の量は、表面処理剤の種類、表面処理の時間、及び外添剤の粒径等を適宜選択することにより調整することができる。このようにして表面処理した被処理物を、必要に応じて、例えばアルコール等で洗浄処理することにより、不要物が除去された外添剤粒子を得ることができる。
<後処理>
本開示に係る外添剤粒子の製造方法によって得られるポリマーを含む粒子を、瀘過、遠心分離、減圧濃縮、噴霧乾燥、瞬間真空乾燥等の方法を用いてスラリーより単離した後、30~100℃で乾燥処理を行うことが好ましい。より好ましくは30~80℃、さらに好ましくは50~70℃で乾燥処理を行うことが好ましい。該乾燥処理を行うことで、適当な帯電特性、ならびに適当な機械的強度を有する外添剤粒子が得られやすい。
<トナー>
また、本開示に係る外添剤粒子は、トナー粒子の表面に含有されることが好ましい。即ち、本開示の態様の1つとして、トナー粒子及び該トナー粒子の表面の外添剤粒子を含有するトナーであって、該外添剤粒子が、本開示に係る外添剤粒子であるトナーであることが好ましい。
トナー粒子は結着樹脂を含有することが好ましい。該結着樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。結着樹脂は、保存安定性の観点から、ガラス転移点(Tg)が45~70℃であることが好ましい。
<トナー粒子の製造方法>
本開示に係るトナー粒子の製造方法は特に限定されず、例えば粉砕法や、乳化重合法、懸濁重合法及び溶解懸濁法などの重合法を用いることができる。
粉砕法について説明する。粉砕法では、まず、トナー粒子を構成する結着樹脂、着色剤、ワックス、荷電制御剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分に混合する。次いで、得られた混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後、粉砕及び分級を行う。これによって、本開示に係るトナー粒子が得られる。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニーダールーダー(日本スピンドル社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
懸濁重合法について説明する。懸濁重合法では、まず、結着樹脂を生成しうる重合性単量体、及び必要に応じて各種添加物を混合し、分散機を用いて、該材料を溶解又は分散させた重合性単量体組成物を調製する。各種添加物として、着色剤、ワックス、荷電制御剤、重合開始剤、連鎖移動剤などが挙げられる。分散機としては、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、又は超音波分散機が挙げられる。次いで、重合性単量体組成物を、難水溶性の無機微粒子を含有する水系媒体中に投入し、高速撹拌機又は超音波分散機などの高速分散機を用いて、重合性単量体組成物の液滴を調製する(造粒工程)。その後、該液滴中の重合性単量体を重合してトナー粒子を得る(重合工程)。重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に混合してもよく、水系媒体中に液滴を形成させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、液滴の造粒中や造粒完了後、即ち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることもできる。重合性単量体を重合して結着樹脂を得たあと、必要に応じて脱溶剤処理を行い、トナー粒子の分散液を得るとよい。
<トナー粒子への外添剤粒子の外添方法>
本開示に係るトナーは、トナー粒子と外添剤粒子をヘンシェルミキサーの如き混合機により、混合して得ることができる。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
また、トナー粒子は、その表面に、上記の外添剤粒子を含有するとともに、その他の外添剤を含有することが好ましい。その他の外添剤としては例えば、以下のものが挙げられる。
フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ;酸化亜鉛、酸化スズの如き酸化物;チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウムやジルコン酸カルシウムの如き複酸化物;炭酸カルシウム及び、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩化合物等。
<トナーの各種添加剤>
トナーは、必要により、着色剤、ワックス、磁性体、荷電制御剤などから選ばれる1種以上の添加剤を含有してもよい。トナーに用いられる各種添加剤について具体的に記載する。
<磁性体>
トナーに磁性粒子を含有させ、磁性トナーとしても使用してもよい。この場合、磁性粒子は着色剤としての役割を有していてもよい。
磁性トナー中に含まれる磁性粒子としては、以下のものが挙げられる。
マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物。
上記磁性粒子の平均粒子径が2μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下である。また、上記磁性粒子の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対し、20質量部以上200質量部以下であることが好ましく、より好ましくは結着樹脂100質量部に対し、40質量部以上150質量部以下である。
<着色剤>
着色剤としては例えば以下のものが挙げられる。
黒色着色剤として、例えば、カーボンブラック、グラフト化カーボンや以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたもの。
イエロー着色剤として、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物。
マゼンタ着色剤として、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等。
着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。また、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。
着色剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
<ワックス>
ワックスとしては例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物、及びそれらの酸化物。
カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては特に制限されないが、有機金属錯体、キレート化合物であることが好ましい。例えば、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩が挙げられる。
使用できる具体的な例としては、Spilon Black TRH、T-77、T-95(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)S-34、S-44、S-54、E-84、E-88、E-89(オリヱント化学社)が挙げられる。また、荷電制御樹脂も上述の荷電制御剤と併用することもできる。
<現像剤>
トナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、また、長期にわたり安定した画像を供給するために、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いてもよい。
該磁性キャリアとしては、例えば、表面が酸化された鉄、表面が酸化されていない鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物が好ましく使用される。
また、磁性キャリアの表面に、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステルを含有又は被覆させたものが好ましい。
<各種測定方法等>
以下、各種の測定方法等に関して記載する。
<外添剤粒子を構成する炭素原子、酸素原子、及びケイ素原子の原子数の合計に対するケイ素原子の原子数の割合、及び外添剤粒子を構成する炭素原子とケイ素原子の存在量比の測定方法>
・炭素原子及び酸素原子
外添剤粒子中に存在する炭素原子及び酸素原子の濃度(原子%)は、燃焼による元素分析を用いて算出する。元素分析の装置を以下に示す。
使用装置:PerkinElmer社製 2400II 全自動元素分析装置
・ケイ素原子
外添剤粒子中に存在するケイ素原子の濃度(原子%)は、アルカリ融解による誘導結合プラズマ発光分析(ICP-AES)による元素分析を用いて測定する。ICP-AESの装置を以下に示す。
使用装置:島津製作所社製 ICPS-8100
得られた組成比率をモル%に換算することで、その換算した値を用いて、外添剤粒子を構成する炭素原子、酸素原子、及びケイ素原子の原子数の合計に対する、ケイ素原子の原子数の割合を算出する。同様に、外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数に対する、炭素原子の原子数の割合を算出する。
<外添剤粒子の表面の炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子数の合計に対する、硫黄原子及び窒素原子の原子数の割合の測定方法>
外添剤粒子の表面領域に存在する硫黄原子及び窒素原子の原子数の割合は、X線光電子分光分析により測定する。装置及び測定条件を以下に示す。
・使用装置:ULVAC-PHI社製 PHI Quantera SXM
・X線光電子分光装置測定条件:
X線源 Al Kα(1486.6eV) 200μmφ
PassEnergy:140eV
帯電中和:電子中和銃とArイオン中和銃の併用
Sweep数:C 20回、N 100回、O 20回、Si 20回、S 100回
測定された各元素のピーク強度から、ULVAC-PHI社提供の相対感度因子を用いて、外添剤粒子の表面領域に存在する炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子濃度(いずれも、原子%)を算出した。この結果から、外添剤粒子の表面の炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子数の合計に対する、窒素原子及び硫黄原子の原子数の割合を算出する。同様に、外添剤粒子の表面領域における硫黄原子の原子数に対する、窒素原子の原子数の割合を算出する。
<微粒子試料の体積分布基準の50%粒径(D50)の測定方法>
微粒子試料の体積分布基準の50%粒径(D50)の測定には、動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA-EX150(日機装製)を用いる。具体的には、レンジを0.001μm~10μmに設定し、以下の手順に従って測定する。
測定試料の凝集を防ぐため、ファミリーフレッシュ(花王株式会社製)を含む水溶液中に、測定試料が分散した分散液を投入して撹拌する。撹拌後、測定試料を上記装置に注入し、2回測定を行ってその平均値を求める。
測定条件としては、測定時間を30秒とし、試料粒子屈折率を1.49とし、分散媒を水とし、分散媒屈折率を1.33とする。
測定試料の体積粒度分布を測定し、測定結果から累積体積分布における小粒子径側からの累積体積が50%になる粒子径を、各微粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)とする。
<ポリマー中のビニルポリマー部分及びシロキサン部分の確認、及び29Si-NMRの測定について>
ポリマー中にビニルポリマー部分が含まれていることは、ポリマーに対して熱分解GC/MSを行い、熱分解により生成するモノマー種を同定することにより確認できる。
本開示において、ポリマー中にビニルポリマー部分が含まれているかを確認する際の熱分解GC/MSの装置は、以下の装置を組み合わせて使用した。
・Agilent 7890A、5975C(アジレント・テクノロジー社)
・PY-2020iD(フロンティア・ラボ社)
また、熱分解GC/MSと合わせて、固体NMR分析、IR分析を併用することもできる。
また、ポリマー中にシロキサン部分が含まれていることは、ポリマーに対する29Si-NMRの測定(固体NMR)において、Q単位、T単位、D単位、M単位の少なくとも何れかが見られることにより確認できる。本開示において、ポリマー中にシロキサン部分が含まれているかを確認する際の固体NMRの装置は、AvanceIII(ブルカー社製)を使用した。
29Si-NMRの測定(固体NMR)において、Q単位が存在する場合には、上記スペクトルの-105ppm~-118ppmに、また、T単位が存在する場合には、-40ppm~-74ppmまたは-94ppm~-104ppmにピークが現れる。また、D単位が存在する場合には、-13ppm~-25ppmにピークが表れ、M単位が存在する場合には、8.5ppm近辺にピークが表れる。
また、これらのピークを帰属し、それぞれピークの積分値を算出した値が、上記式(P1)におけるそれぞれの積分値である。
またT単位に該当するピークのうち、T0単位は、-40ppm~-45ppmにピークが表れ、T1単位は、-45ppm~-53ppmにピークが表れ、T2単位は-53ppm~-64ppmに表れ、T3単位は-64ppm~-74ppmに表れる。
T0-T3単位のピークを分離する際にはBurker社NMR解析ソフトTopSpin 3.5に付属のピークフィッティングプログラム「SOLA-Solid LineShape Analysis」を用いる。下記のパラメータで行い、各ピークの積分値、比率を算出することで、上記式(P2)及び(P3)の値を求めることができる。
・解析範囲:40~-140ppm
・モデル関数:ガウス関数
・初期ピーク位置:
T3:-70ppm付近
T2:-60ppm付近
T1:-50ppm付近
T0:-40ppm付近
M:10ppm付近
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。また、実施例中における、それぞれの測定結果は、上記で記載した測定方法で測定した結果である。
<外添剤1の製造例>
温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管、攪拌器を装着したガラス製反応器に下記材料を投入した。
・りん酸緩衝液(pH=7.0、りん酸二水素ナトリウム二水和物(キシダ化学社製)及びりん酸水素二ナトリウム十二水和物(キシダ化学社製)を用いて調製) 200部
・硫黄原子源:p-スチレンスルホン酸ナトリウム(キシダ化学社製) 0.13部
・ラジカル重合性基と加水分解性基を有するモノマー:メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル(東京化成工業社製) 11.0部
・非加水分解性モノマー:スチレン(東京化成工業社製) 4.7部
続いて、窒素ガスを通気しながら65~70℃に加温し、30分撹拌した後、開始剤として、ペルオキソ二硫酸カリウム(キシダ化学社製)0.51部を添加し、6時間撹拌を続け、粒子のエマルジョンを得た。得られた粒子のエマルジョンに、アンモニア処理として、28質量%アンモニア水(キシダ化学社製)を添加してエマルジョンのpHを11.0にした後、温度50℃にて3時間撹拌することで、粒子中に含まれる加水分解性基の加水分解、及び重縮合を行った。その後、過剰な溶質を除去するために限外濾過を行い、濃縮/濾過を計5回繰り返した。その後、窒素原子源として3-アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)0.13部、疎水化処理剤として、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(キシダ化学社製)27.0部を添加し、温度50℃にて24時間撹拌した。その後、スプレードライにより乾燥し、体積分布基準の50%粒径(以下、D50と記載する。)が130nmのポリマー粒子である外添剤1を得た。得られた外添剤粒子1に対して、29Si-NMR測定及び熱分解GC/MSを行ったところ、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分が含まれていることが確認された。外添剤1の物性を表2に示す。
<外添剤2~16、22、23の製造例>
使用する材料の種類及び量を、表1に示すように変更したこと以外は、外添剤1の製造例と同様の操作を行い、外添剤2~16、22、23を得た。得られた外添剤粒子2~16、22、23に対して、29Si-NMR測定及び熱分解GC/MSを行ったところ、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分が含まれていることが確認された。外添剤2~16、22、23の物性を表2に示す。
<外添剤17の製造例>
外添剤1の製造例において、28質量%アンモニア水を添加してエマルジョンのpHを11.0とする操作に代えて、酢酸(キシダ化学社製)を添加してエマルジョンのpHを3.0とする操作としたこと以外は同様の操作を行い、外添剤17を得た。得られた外添剤粒子17に対して、29Si-NMR測定及び熱分解GC/MSを行ったところ、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分が含まれていることが確認された。外添剤17の物性を表2に示す。
<外添剤18の製造例>
外添剤1の製造例において、28質量%アンモニア水を添加してエマルジョンのpHを11.0とする操作に代えて、塩酸(キシダ化学社製)を添加してエマルジョンのpHを3.0とする操作としたこと以外は同様の操作を行い、外添剤18を得た。得られた外添剤粒子18に対して、29Si-NMR測定及び熱分解GC/MSを行ったところ、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分が含まれていることが確認された。外添剤18の物性を表2に示す。
<外添剤19の製造例>
外添剤1の製造例において、アンモニア水を添加してpHを11.0にした後、温度50℃にて3時間撹拌する操作に代えて、塩酸を添加してpHを3.0にした後、温度50℃にて1時間撹拌する操作としたこと以外は同様の操作を行い、外添剤19を得た。得られた外添剤粒子19に対して、29Si-NMR測定及び熱分解GC/MSを行ったところ、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分が含まれていることが確認された。外添剤19の物性を表2に示す。
<外添剤20の製造例>
室温にて、46.7部の28質量%アンモニア水、及び2114部の脱イオン水を混合した溶液中に、下記材料を混合した溶液を添加し2時間撹拌することでメタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピルの加水分解と重縮合を行った。
・メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル 22.1部
・メタノール(キシダ化学社製) 73.7部
・開始剤:2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65、富士フイルム和光純薬社製) 0.12部
次に、窒素ガスを通気しながら70~75℃に加温し、2時間撹拌することでラジカル重合を行った。その後、過剰な溶質を除去するために限外濾過を行い、濃縮/濾過を計5回繰り返し行った。その後、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)0.22部、疎水化処理剤として、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(キシダ化学社製)27.0部を添加し、温度50℃にて24時間撹拌した。その後スプレードライにより乾燥することで、ポリマーの粒子である外添剤20を得た。得られた外添剤粒子20に対して、29Si-NMR測定及び熱分解GC/MSを行ったところ、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分が含まれていることが確認された。外添剤20の物性を表2に示す。
<外添剤21の製造例>
使用する材料の種類及び量を、表1に示すように変更し、窒素原子源及び疎水化処理剤の添加と同時に、(3-メルカプトプロピル)トリメトキシシランを0.1部添加したこと以外は、外添剤1の製造例と同様の操作を行い、外添剤21を得た。得られた外添剤粒子21に対して、29Si-NMR測定及び熱分解GC/MSを行ったところ、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分が含まれていることが確認された。外添剤21の物性を表2に示す。
<外添剤24の製造例>
温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管、攪拌器を装着したガラス製反応器に下記材料を投入した。
・脱イオン水 200部
・硫黄原子源:p-スチレンスルホン酸ナトリウム 0.13部
・非加水分解性モノマー:メタクリル酸ブチル(東京化成工業社製) 6.3部、及びスチレン 4.7部
続いて、窒素ガスを通気しながら65~70℃に加温し、30分撹拌した後、開始剤として、ペルオキソ二硫酸カリウム0.51部を添加し、6時間撹拌を続け粒子のエマルジョンを得た。得られたエマルジョン中の過剰な溶質を除去するために限外濾過を行い、濃縮/濾過を計5回繰り返し行った。その後、窒素原子源として3-アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)0.13部、疎水化処理剤として、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(キシダ化学社製)27.0部を添加し、温度50℃にて24時間撹拌した。その後スプレードライにより乾燥し、外添剤24を得た。外添剤24の物性を表2に示す。
Figure 2022088313000005
表1中の略号は以下の通り。
MA-TMSP:メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル
MA-TESP:メタクリル酸3-(トリエトキシシリル)プロピル
AA-TMSP:アクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル
VTMS:ビニルトリメトキシシラン
MAB:メタクリル酸ブチル
St:スチレン
DSS:スルホこはく酸ビス(2-エチルヘキシル)ナトリウム
AP-TMS:3-アミノプロピルトリメトキシシラン
AMA-TMS:3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
AMA-PDMMS:3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン
DMAP-TMS:[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン
IP-TMS:(3-イソシアナトプロピル)トリメトキシシラン
KPS:ペルオキソ二硫酸カリウム
V-65:2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)
Figure 2022088313000006
表2中、N/(C+N+O+Si+S)は、外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子数の合計に対する、窒素原子の原子数の割合である。S/(C+N+O+Si+S)は、外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子数の合計に対する、硫黄原子の原子数の割合である。S/Nは、外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの窒素原子の原子数に対する、硫黄原子の原子数の割合である。Si/(C+O+Si)は、外添剤粒子を構成する炭素原子、酸素原子、及びケイ素原子の原子数の合計に対する、ケイ素原子の原子数の割合であり、C/Siは、外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数に対する、炭素原子の原子数の割合である。T/(M+D+T+Q)は、本開示に係る式(P1)の値である。(T0+T1)/(T0+T1+T2+T3)は、本開示に係る式(P2)の値である。T2/(T0+T1+T2+T3)は、本開示に係る式(P3)の値である。T2/T3は、外添剤粒子に対して29Si-NMR測定を行ったときの、T3単位の積分値に対するT2単位の積分値である。
本発明者らは、外添剤8及び9の製造例で使用された硫黄原子源は、外添剤粒子中のポリマーに結合しないため、限外濾過の過程で外添剤粒子の表面から洗い流されてしまうと推測している。しかし、重合開始剤として使用されたペルオキソ二硫酸カリウムにより、外添剤粒子中のポリマーに-OSOK又は-OSOHが導入されるため、外添剤粒子の表面に硫黄原子が検出されるのだと、本発明者らは考えている。
<トナー粒子1の製造例>
下記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、2軸押出機(商品名:PCM-30、池貝鉄工所社製)を用いて、吐出口における溶融物温度が150℃になるように、温度を設定し、溶融混練し、混練物を得た。
・非晶性ポリエステル(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体/テレフタル酸=50/50、数平均分子量:3000、酸価:12) 100部
・磁性酸化鉄粒子 75部
・フィッシャートロプッシュワックス(サゾール社製C105、融点:105℃) 2部
・荷電制御剤(保土谷化学社製、T-77) 2部
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、粉砕機(商品名:ターボミルT250、ターボ工業社製)を用いて微粉砕し、微粉砕粉末を得た。得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級して、重量平均粒径7.2μmのトナー粒子1を得た。
<トナー1の製造例>
トナー粒子1への外添剤の外添は乾式で行った。ヘンシェルミキサーに100部のトナー粒子、1、3部の外添剤1及び1.5部のヒュームドシリカ(BET比表面積:200m/g)を添加し、外添混合した。その後、目開き150μmのメッシュで篩い、外添剤1がトナー粒子1に外添されたトナー1を得た。
<トナー2~24の製造例>
トナー粒子1へ外添する外添剤をそれぞれ外添剤2~24に変更したこと以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2~24を得た。
<実施例1>
トナー1を用いて下記の評価を実施した。
<トナーの流動性の評価>
トナーの流動性は、以下の方法で測定した。
まず、パウダテスタ(PT-X、ホソカワミクロン社製)を用いて、目開き150μm、100μm、45μmの篩(平織金網、規格JIS Z8801-1)を強度4.0の条件で振動させながら、3gのトナー1をこれらの篩で10秒間篩い分けを行った。そして、目開き150μmの篩上のトナー残量をA、目開き100μmの篩上のトナー残量をB、目開き45μmの篩上のトナー残量をCとしたときに、下記式で示される流動性指数(%)を用いてトナーの流動性を評価した。評価結果を表3に示す。該評価において、流動性指数の値が小さい値であるほど、トナーの流動性が優れていることを示している。
流動性指数(%)=[(A+0.6×B+0.2×C)/測定試料質量]×100
<トナーの流動維持性の評価>
トナーの流動維持性の評価は、上記の評価を行った後に実施した。
画像形成装置として、HP LaserJet Enterprise M609dn(HP社製)を用い、カートリッジにトナー1を入れ、以下の条件で5000枚の画像出力を行った。
・紙:GFC-081(81.0g/m)(キヤノンマーケティングジャパン社)
・紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm
・プロセススピード:377mm/秒
その後、カートリッジ内に残留トナーを取り出し、残留トナーに対し、上記の流動性指数を算出して、その値を耐久後の流動性指数とした。上記の、トナーの流動性の評価で得られた流動性指数を、耐久前の流動性指数として、下記式で示される変動率を算出し、その値を用いてトナーの流動維持性を評価した。
変動率(%)=(耐久後の流動性指数―耐久前の流動性指数)/耐久前の流動性指数×100
該変動率が100%以下であるものを、本開示の効果が得られているものと判断した。
<外添剤粒子の潰れ及びトナー粒子からの脱離の評価>
外添剤粒子の潰れ及びトナー粒子からの脱離の評価は、上記のトナーの流動維持性の評価を行った後に実施した。
上記の5000枚の画像出力後にカートリッジ内に残留したトナー1を取り出し、取り出したトナー1の表面を、走査型電子顕微鏡(S-4800、日立ハイテクノロジー社製)を用いて観察し、SEMの撮影像を得た。得られた撮影像中、トナーの表面上に破潰した付着物が観察された場合を潰れありとし、外添剤粒子が脱離した凹部がトナーの表面上に観察された場合を脱離あり、とした。
<画像濃度安定性の評価>
トナーの流動維持性の評価で用いた画像形成装置を用い、カートリッジにトナー1を入れ、以下の条件で10000枚の画像出力を行った。
・常温低湿環境下(温度23℃、相対湿度5%RH)
・紙:GFC-081(81.0g/m)(キヤノンマーケティングジャパン社)
・紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm
・プロセススピード:377mm/秒
10000枚を連続で出力している間は、キャリブレーションが行われないようにし、設定された上記条件から変更されないようにした。出力された全ての画像の反射濃度を測定し、それらの標準偏差の値で画像濃度安定性を評価した。該標準偏差が0.100未満であったものを本開示の効果が得られているものと判断した。画像の反射濃度の測定には、X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を使用した。
その後、さらに10000枚の画像出力を行って合計20000枚の画像出力を行った後、上記と同様に画像濃度安定性を評価した。また、該画像出力の後にカートリッジ内に残留したトナー1を取り出し、取り出したトナー1の表面を上記の走査型電子顕微鏡を用いて観察し、SEMの撮影像を得た。得られた撮影像を確認し、上記で製造した外添剤がトナー粒子に埋没しているものがあるかどうかを確認した。結果を表3に示す。
<実施例2~19、比較例1~5>
トナー2~24を用いて実施例1と同様の評価を実施した。評価結果を表3に示す。
Figure 2022088313000007

Claims (15)

  1. 硫黄原子及び窒素原子を有するポリマーを含む外添剤粒子であって、
    前記ポリマーは、ビニルポリマー部分及びシロキサン部分を有し、
    前記外添剤粒子を構成する炭素原子、酸素原子、及びケイ素原子の原子数の合計に対して、前記外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数の割合が、4.0%以上25.0%以下であり、
    前記外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの、炭素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及び硫黄原子の原子数の合計に対して、
    窒素原子の原子数の割合が、0.40%以上2.50%以下であり、
    硫黄原子の原子数の割合が、0.05%以上0.25%以下である、
    ことを特徴とする外添剤粒子。
  2. 前記ポリマーが、下記式(1)で示されるモノマーユニットを含有する請求項1に記載の外添剤粒子。
    Figure 2022088313000008

    (式(1)中、Rは、炭素数1~10のアルキレン基であり、R’は、水素原子又はメチル基である。)
  3. 前記外添剤粒子を構成する炭素原子の原子数の割合が、前記外添剤粒子を構成するケイ素原子の原子数に対して、6.5以上である、請求項1又は2に記載の外添剤粒子。
  4. 前記ポリマーが、-SOH、-SONa、-SOK、―OSOH、―OSONa、及び―OSOK、からなる群より選択される少なくとも1つの官能基、及び、(アルキル)アミノ基、請求項1~3の何れか一項に記載の外添剤粒子。
  5. 前記ポリマーが、下記式(S)で示されるモノマーユニットを有する、請求項1~4の何れか一項に記載の外添剤粒子。
    Figure 2022088313000009

    (式(S)中、RS1~RS4は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子、又はアルカリ金属原子である。)
  6. 前記外添剤粒子の表面に対してX線光電子分光分析を行ったときの、硫黄原子の原子数に対して、窒素原子の原子数の割合が、2.0以上である請求項1~5の何れか一項に記載の外添剤粒子。
  7. 前記外添剤粒子に対して29Si-NMR測定を行ったとき、下記式(P1)を満たす、請求項1~6の何れか一項に記載の外添剤粒子:
    T単位の積分値/{(M単位の積分値)+(D単位の積分値)+(T単位の積分値)+(Q単位の積分値)}≧60%・・・(P1)。
  8. 前記外添剤粒子に対して29Si-NMR測定を行ったとき、下記式(P2)を満たす請求項7に記載の外添剤粒子:
    {(T0単位の積分値)+(T1単位の積分値)}/{(T0単位の積分値)+(T1単位の積分値)+(T2単位の積分値)+(T3単位の積分値)}≦0.1・・・(P2)。
  9. 前記外添剤粒子に対して29Si-NMR測定を行ったとき、下記式(P3)を満たす、請求項7又は8に記載の外添剤粒子:
    T2単位の積分値/{(T0単位の積分値)+(T1単位の積分値)+(T2単位の積分値)+(T3単位の積分値)}≧0.35・・・(P3)。
  10. 前記外添剤粒子に対して29Si-NMR測定を行ったとき、T3単位の積分値に対するT2単位の積分値が1以上である、請求項7~9の何れか一項に記載の外添剤粒子。
  11. 前記外添剤粒子の体積分布基準の50%粒径をD50としたとき、
    前記D50が、50nm以上200nm以下である請求項1~10の何れか一項に記載の外添剤粒子。
  12. 前記ポリマーは、ビニルポリマーがシロキサン結合により架橋されたポリマーである、請求項1~11の何れか一項に記載の外添剤粒子。
  13. トナー粒子及び前記トナー粒子の表面の外添剤を含有するトナーであって、
    前記外添剤が、請求項1~12の何れか一項に記載の外添剤粒子であるトナー。
  14. ポリマーを含む外添剤粒子の製造方法であって、
    工程(i-1)、工程(ii)、及び工程(iii)又は、工程(i-2)、工程(ii)、及び工程(iii)を有することを特徴とする外添剤粒子の製造方法:
    (i-1)ラジカル重合性スルホン酸塩、及び下記式(2)で示される化合物を含有するモノマー原料をラジカル重合させて、前記式(2)中の加水分解性基を有する重合物を得る工程、
    (i-2)ラジカル重合開始剤を過硫酸塩として、下記式(2)で示される化合物を含有するモノマー原料をラジカル重合させて、前記式(2)中の加水分解性基を有する重合物を得る工程、
    (ii)前記工程(i-1)または前記工程(i-2)によって得られた重合物中の、前記加水分解性基の加水分解、及び重縮合を行って、重縮合物の粒子を得る工程、
    (iii)前記重縮合物の粒子と、加水分解性基が結合したシリル基を有するアミン化合物とを反応させ、前記重縮合物と前記アミン化合物がシロキサン結合により結合したポリマーを含む粒子を得る工程:
    SiX4-m・・・(2)
    (式(2)中、Xは加水分解性基であり、mは1~3の整数であり、
    m=1の場合は、Rが炭素数1~20のラジカル重合性基であり、
    m=2~3の場合は、複数のRのうちの少なくとも1つのRが炭素数1~20のラジカル重合性基であり、ラジカル重合性基でない他のRは、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基である。)。
  15. 前記アミン化合物が、下記式(4)で示される化合物である、請求項14に記載の外添剤粒子の製造方法:
    Figure 2022088313000010

    (式(4)中、R41及びR42はそれぞれ独立して、アミノ基を有してもよい炭素数1~6のアルキル基、又は水素原子であり、R43は、炭素数1~6のアルキレン基である。また、nは0~2であり、R44は炭素数1~6のアルキル基であり、Yは加水分解性基である。)。
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