JP2022087992A - 樹脂組成物、および、押出成形体 - Google Patents

樹脂組成物、および、押出成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ボイドや白化の発生が抑制され、かつ、b値が低い樹脂組成物、および、押出成形体の提供。【解決手段】 ポリアセタール樹脂を含む押出成形用樹脂組成物であって、樹脂組成物の148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークトップ迄の面積が結晶化ピーク全体の面積の40~50%の範囲である、樹脂組成物。【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂組成物、および、押出成形体に関する。特に、ポリアセタール樹脂を主成分とし、押出成形に用いる材料およびその成形体に関する。
ポリアセタール樹脂は、機械物性のバランスに優れたエンジニアリングプラスチックであり、丸棒や板等の切削加工用素材としても用いられている。しかし、ポリアセタール樹脂は結晶性が高いので、固化時の収縮が大きいため、いったん溶融させてから成形する場合は、成形体内部にボイドや白化が生じやすく、物性上および外観上好ましくないという欠点がある。例えば、丸棒の中でも口径が大きいものは、冷却したダイ内で固化させる、いわゆる固化押出し法によって成形されるのが一般的であるが、かかる場合には中心部にボイドや白化が生じやすい。このボイドや白化の発生を抑制した樹脂組成物について、特許文献1に記載がある。
特開2004-323567号公報
上述のとおり、特許文献1では、ボイドや白化の発生を抑制した樹脂組成物が開示されているが、技術革新に伴い、さらに、ボイドや白化の発生の抑制が求められ、また、黄色味が低い(例えば、b値が低い)材料が求められている。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、ボイドや白化の発生が抑制され、かつ、b値が低い樹脂組成物、および、押出成形体を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、樹脂組成物全体をゆっくり、均一に固化するように調整することにより、上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリアセタール樹脂を含む押出成形用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物の148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークトップ迄の面積が結晶化ピーク全体の面積の40~50%の範囲である、樹脂組成物。
<2>148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークまでの時間が50秒以上である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークまでの時間が60秒以上である、<1>に記載の樹脂組成物。
<4>パラフィンワックスおよび/またはポリオレフィン樹脂を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>前記ポリオレフィン樹脂がポリエチレン樹脂を含む、<4>に記載の樹脂組成物。
<6><1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された押出成形体。
<7>前記押出成形体が、丸棒または板状である、<6>に記載の押出成形体。
<8>前記押出成形体の押出断面の面積が50~2000cmである、<6>または<7>に記載の押出成形体。
本発明により、ボイドや白化の発生が抑制され、かつ、b値が低い樹脂組成物、および、押出成形体を提供可能になった。
本発明の樹脂組成物についてDSC測定をしたときの148℃での等温結晶化時間を示すイメージ図である。 従来の樹脂組成物について、DCS測定したときの148℃での等温結晶化時間を示すイメージ図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂を含む押出成形用樹脂組成物であって、樹脂組成物の148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークトップ迄の面積が結晶化ピーク全体の面積の40~50%の範囲であることを特徴とする。このような構成とすることにより、ボイドや白化の発生が抑制され、かつ、b値が低い樹脂組成物を提供可能になる。
ポリアセタール樹脂は、上述の通り、丸棒や板等の切削加工用素材としても用いられてる。しかしながら、ポリアセタール樹脂を含む樹脂組成物を溶融し、丸棒や板状など棒状に押出し、固化させた断面を見ると、真ん中にホワイトコアと呼ばれる領域ができてしまう。ホワイトコアは光を照射して観察すると、光の散乱の仕方が変わって、白く見える部分である。このホワイトコアの要因について、本発明者が検討を行ったところ、例えば、丸棒の押出成形体の場合、中心部と外周周辺とでは、ポリアセタール樹脂の結晶の大きさが違うことが分かった。より具体的には、結晶サイズが大きくなっていることによると推測された。ポリアセタール樹脂を含む樹脂組成物が固化するときの様子を見ると、図2に示すように、従来のもの(比較例相当のもの)は、結晶化が早く進行してしまうため、均一に固化できていないと推測された。すなわち、ポリアセタール樹脂が早く固化する部分と、ゆっくり固化する部分ができ、結晶サイズが変わりやすいと推測された。これに対し、図1に示すように実施例相当のものは、結晶化がゆっくり進行するため、全体の結晶の大きさが均一になりやすく、ホワイトコアができにくいと推測された。
このような状況のもと、148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークトップ迄の面積が結晶化ピーク全体の面積の40~50%の範囲とすることにより、ボイドや白化の発生が抑制され、かつ、b値が低い樹脂組成物を提供可能になることを見出した。
図1において、1は結晶化開始時間であり、2は結晶化終了時間であり、3は結晶化ピークトップ時間である。結晶化開始時間1と結晶化開始時間2の間の曲線と結晶化開始時間1と結晶化終了時間2とを結ぶ点線で囲まれる領域が結晶化ピーク全体の面積であり、結晶化開始時間1から結晶化ピークトップ時間3までの面積は斜線で示される領域である。
本実施形態においては、148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークトップ迄の面積が結晶化ピーク全体の面積の40~50%であるが、40~48%であることが好ましく、40~46%であることがより好ましく、40~44%であることがさらに好ましく、40~43%であることが一層好ましい。このような範囲とすることにより、本実施形態の効果がより効果的に発揮される。
本実施形態においては、148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークトップまでの時間が50秒以上であることが好ましく、60秒以上であることがより好ましく、65秒以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、ホワイトコアをよりできにくくすることができる。また、前記時間の上限は、例えば、200秒以下であり、150秒以下であってもよい。前記上限値以下とすることにより、真空ボイドを生じにくくすることができる。
上記樹脂組成物について、148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークトップ迄の面積が結晶化ピーク全体の面積の40~50%の範囲となるようにする手段としては、特に定めるものではない。樹脂組成物の結晶化を所望の範囲となるように進行させることが可能な手段を広く採用できる。具体的には、添加剤を添加すること、特に、パラフィンワックスおよび/またはポリオレフィン樹脂(好ましくは、ポリエチレン樹脂)を添加すること、ポリアセタール樹脂のオキシエチレン含有率を高くすることなどが例示される。
次に、本実施形態で用いるポリアセタール樹脂について説明する。
ポリアセタール樹脂は、その種類等、特に限定されるものではなく、2価のオキシメチレン基のみを構成単位として含むホモポリマーであっても、2価のオキシメチレン基と炭素数が2以上の2価のオキシアルキレン基とを構成単位として含むコポリマーであってもよい。
炭素数が2以上のオキシアルキレン基としては、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、および、オキシブチレン基などが挙げられる。
ポリアセタール樹脂においては、オキシメチレン基および炭素数2以上のオキシアルキレン基の総モル数に占める炭素数2以上のオキシアルキレン基の割合は、0.5~10モル%であることが好ましい。オキシアルキレン基中の炭素数は2以上であればよいが、好ましくは6以下であり、より好ましくは4以下である。
さらに、本実施形態においては、ポリアセタール樹脂におけるオキシメチレン基および炭素数2以上のオキシアルキレン基の総モル数に占めるオキシエチレン基の割合(オキシエチレン含有率)が1.2モル%以上であることが好ましく、1.3モル%以上であることがより好ましく、1.4モル%以上であることがさらに好ましく、1.5モル%以上であることが一層好ましく、1.7モル%以上であってもよい。また、前記オキシエチレン含有率の上限としては、2.5モル%以下であることが好ましく、2.4モル%以下であることがより好ましく、2.3モル%以下であることがさらに好ましく、2.2モル%以下であることが一層好ましい。特に、オキシエチレン含有率を1.7モル%以上とすることにより、ポリアセタール樹脂の結晶化をゆっくり進行させることができる。
上記ポリアセタール樹脂を製造するためには通常、主原料としてトリオキサンが用いられる。また、ポリアセタール樹脂中に炭素数2~6のオキシアルキレン基を導入するには、例えば環状ホルマールや環状エーテルを用いることができる。環状ホルマールの具体例としては、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキセパン、1,3-ジオキソカン、1,3,5-トリオキセパンおよび1,3,6-トリオキソカン等が挙げられる。環状エーテルの具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシド等が挙げられる。ポリアセタール樹脂中にオキシエチレン基を導入するには、例えば1,3-ジオキソランを用いればよく、オキシプロピレン基を導入するには、1,3-ジオキサンを用いればよく、オキシブチレン基を導入するには、1,3-ジオキセパンを導入すればよい。
なお、ポリアセタール樹脂においては、ヘミホルマール末端基量、ホルミル末端基量、熱や酸、塩基に対して不安定な末端基量が少ない方がよい。ここで、ヘミホルマール末端基とは、-OCHOHで表されるものであり、ホルミル末端基とは-CHOで表されるものである。
上記ポリアセタール樹脂のメルトボリュームレート(MVR)値は、0.5cm/10分以上であることが好ましく、1.0cm/10分以上であることがより好ましく、1.5cm/10分以上であることがさらに好ましく、2.0cm/10分以上であってもよい。このような値とすることにより、押出機のモーターの負荷を下げることができ、樹脂組成物(例えば、ペレット)の生産性を向上させることができる。また、前記MVRは、4.5cm/10分以下であることが好ましく、4.0cm/10分以下であることがより好ましく、3.5cm/10分以下であることがさらに好ましい。前記上限値以下とすることにより、真空ボイドをより発生しにくくすることができる。
なお、ポリアセタール樹脂(A)のMVR値は、ISO1133に基づいて、190℃、荷重2.16kgの条件下にて測定されたMVR値を意味する。
本実施形態の樹脂組成物におけるポリアセタール樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが一層好ましく、98質量%以上であることがより一層好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物には、結晶化の速度を調整するため、あるいは、他の機能を発現させるため、ポリアセタール樹脂以外の他の成分を含んでいてもよい。具体的には、他の成分として、メラミン化合物、ヒドラジン化合物等の含窒素化合物、無機充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤、結晶核剤、帯電防止剤、抗菌剤、着色剤(顔料、染料)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
具体的には、結晶化の速度を調整するためには、パラフィンワックスおよび/またはポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。パラフィンワックスとしては、日本精蝋社製パラフィンワックス155が例示される。また、ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂が例示される。
本実施形態の樹脂組成物が、パラフィンワックスおよび/またはポリオレフィン樹脂を含む場合、その含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましく、0.2質量部以上であることが一層好ましく、0.3質量部以上であることがより一層好ましい。また、前記パラフィンワックスおよび/またはポリオレフィン樹脂含有量の上限値は、ポリアセタール樹脂100質量部に対し、2.0質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以下であることがさらに好ましく、0.8質量部以下であることが一層好ましく、0.7質量部以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、真空ボイドをより発生しにくくすることができる。
また、本実施形態の樹脂組成物は、金属水酸化物を含んでいてもよいが、実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、ポリアセタール樹脂100質量部に対し、金属水酸化物の含有量が、例えば3質量部未満であり、1質量部未満が好ましく、0.5質量部未満がさらに好ましい。このような範囲とすることにより、成形体の黄色化をより効果的に抑制することができる。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、樹脂組成物の調製法として従来から知られた各種の方法により調製することができる。例えば、(1)樹脂組成物を構成する全成分を混合し、これを押出機に供給して溶融混練し、ペレット状の組成物を得る方法、(2)樹脂組成物を構成する成分の一部を押出機の主フィード口から、残余成分をサイドフィード口から供給して溶融混練し、ペレット状の組成物を得る方法、(3)押出し等により一旦組成の異なるペレットを調製し、そのペレットを混合して所定の組成に調整する方法、(4)ポリアセタール樹脂のペレットまたは粉砕物に所定量の配合成分を混合するか、ポリアセタール樹脂のペレットまたは粉砕物の表面に所定量の配合成分をコーティングして所定の樹脂組成物を得る方法などが採用できる。
次に、本実施形態の樹脂組成物から形成された押出成形体について説明する。本実施形態の樹脂組成物は、押出し成形して、丸棒または板状等の種々の形状の成形体を作製するのに用いるものである。本実施形態の押出成形体は、成形後、そのまま製品として使用されるだけでなく、さらに切削加工等の加工を施して、各種部品等を作製するのに用いられる。押出成形する場合、射出成形等と異なり、金型を用いないため、用途によっては費用削減が期待できる。
本実施形態の樹脂組成物は、押出し成形性に優れており、押出成形体内部に発生する物性上好ましくないボイド、および外観上好ましくない白化を著しく低減することができる。従って、本実施形態の樹脂組成物から形成された押出成形体は、その後切削加工を経て、歯車や容器等の成形体を成形しても、物性的信頼性が極めて高い。さらに、ボイド低減により低圧力での成形が可能となり、それに伴い、押出成形体の残留応力の低減もできる等、成形性も向上する。
本実施形態の樹脂組成物は、特に、直径10~300mmの丸棒の押出成形体、10~100mmの厚みの板状等の押出成形体の成形に好適である。前記成形体から切削加工により成形されるものとしては、歯車、容器、スクリューなどが挙げられる。
また、押出成形体の押出断面の面積が50~2000cmであることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
原料
ポリエチレン:日本ポリエチレン社製、ノバテックLDLJ803
パラフィンワックス:日本精蝋社製、パラフィンワックス155
水酸化マグネシウム:協和化学工業社製、マグサラットF
<ポリアセタール樹脂のメルトボリュームフローレート(MVR)の測定方法>
ISO1133に準拠して、190℃、荷重2.16kg重の条件でMVRを測定した。単位は、cm/10分である。
実施例1~3、比較例1~3
<ポリアセタール共重合体(ポリアセタール樹脂)の作製>
トリオキサン100質量部に対して、所望の量の1,3-ジオキソラン、触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートをベンゼン溶液(0.62mol/Kg-ベンゼン)として全モノマー1molに対して0.05mmol、および、分子量調整剤としてメチラールのベンゼン溶液(25質量%)を、全モノマーに対して、メチラールが表1に示すMVRとなるような量で連続添加し、温度を65℃に設定したジャケットを有するセルフクリーニング型パドルを持つ二軸のニーダー中で、重合機の滞在時間が15分になる様に連続的に重合を行った。生成した重合物に対して、トリフェニルホスフィンのベンゼン溶液(25質量%)を、添加した三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート1molに対して、トリフェニルホスフィンが2molとなる様に添加し、触媒を失活後、粉砕して粗ポリアセタール共重合体を得た。
ポリアセタール樹脂-1~3は、オキシエチレンの含有率が表1に示す値となるように、1,3-ジオキソラン量を調整した。
<ペレットの製造>
ポリアセタール樹脂100質量部に対し、表1に示す成分を表1に示す量(質量部)となるように用い、タンブラー型ブレンダーによって混合した。次に、得られた混合物を2軸押出し機(L/D=30)にて溶融混練してペレット化し、ペレット(樹脂組成物)を得た。
<結晶化開始から結晶化ピークトップまでの時間、および、結晶化ピーク全体に対する結晶化開始から結晶化ピークトップまでの面積比率>
結晶化開始から結晶化ピークトップまでの時間の測定、および、結晶化ピーク全体に対する結晶化開始から結晶化ピークトップまでの面積比率は、DSC(示差走査熱量測定)にて測定した値から求めた。
具体的には、上記で得られたペレットを砕き、40℃から210℃まで、320℃/分の速度で昇温し、210℃で5分保持した。その後、210℃から148℃まで、80℃/分で降温し、148℃(結晶化開始温度)で保持し、それぞれのサンプルの結晶化ピークを得た。
さらに、結晶化ピークに対し、結晶化開始時間と結晶化終了時間を結ぶ事でピークの面積を得て、結晶化ピーク全体面積に対する結晶化開始から結晶化ピークトップまでの面積比率を得た。また、結晶化開始から結晶化ピークトップまでの時間を測定した。図1を例にとると、1は結晶化開始時間であり、2は結晶化終了時間であり、3は結晶化ピークトップ時間である。結晶化開始時間1と結晶化開示時間2の間の曲線と結晶化開始時間1と結晶化終了時間2とを結ぶ点線で囲まれる領域が結晶化ピーク全体の面積であり、結晶化開始時間1から結晶化ピークトップ時間3までの面積は斜線で示される領域である。
DSC測定装置は、パーキンエルマー社製Pyris Diamond DSCを用いた。
<丸棒の製造>
上記で得られたペレットを原料として、ノーベント式単軸押出し機(L/D=25)のヘッドに冷却ダイを設置した固化押出し成形機により、直径100mmの丸棒成形品を得た。なお丸棒押し出し成形は、下記の条件にて行った。
シリンダー温度:180~195℃
ダイス温度:195℃
ダイ冷却温度:40℃
樹脂圧力:3.5~4.5MPa
<芯の白化・ボイド・b値>
上記で得られた丸棒成形品を3mmの輪切りにし、その断面に赤色の金属欠陥探査用ミクロチェック浸透液を塗布した後、n-ヘキサンにて洗浄し、液が浸透した部分をデジタルマイクロスコープにて拡大して面積を算出し、ボイドが形成されている領域の面積(単位:mm)を測定した。
また、上記丸棒を輪切りにしたものについて、目視にて白化の有無を確認した。以下の通り評価した。評価は5人の専門家が行い多数決とした。
A:白化なし
B:白化がわずかに確認できる
C:AおよびB以外、例えば、白化がはっきりと確認できる等
b値は、上記丸棒を輪切りにしたものについて、日本電色工業社製 SE-6000を用いC光源、視野角2°の条件にて測定した。このとき、ホワイトコアの部分は避けて測定した。
Figure 2022087992000002
上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物から形成された成形体は、ボイドが発生せず、芯の白化がないか、僅かであり、さらに、b値も低かった(実施例1~3)。
一方、結晶化ピーク全体に対する結晶化開始から結晶化ピークトップまでの面積比率が40~50%の範囲を外れる場合、ボイドが発生したり、白芯の白化が認められたり、b値が高かったりした(比較例1~3)
1 結晶化開始時間
2 結晶化終了時間
3 結晶化ピークトップ

Claims (8)

  1. ポリアセタール樹脂を含む押出成形用樹脂組成物であって、
    前記樹脂組成物の148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークトップ迄の面積が結晶化ピーク全体の面積の40~50%の範囲である、樹脂組成物。
  2. 148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークまでの時間が50秒以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 148℃で等温結晶化させた際の結晶化開始から結晶化ピークまでの時間が60秒以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. パラフィンワックスおよび/またはポリオレフィン樹脂を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ポリオレフィン樹脂がポリエチレン樹脂を含む、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された押出成形体。
  7. 前記押出成形体が、丸棒または板状である、請求項6に記載の押出成形体。
  8. 前記押出成形体の押出断面の面積が50~2000cmである、請求項6または7に記載の押出成形体。
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