JP2022086671A - 電動圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング素子の過度な温度上昇を抑制することができる電動圧縮機を提供することである。【解決手段】電動圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部を駆動させる電動モータと、電動モータを駆動させるとともに冷媒により冷却されるインバータ回路と、スイッチング素子をPWM制御することにより電動モータを制御する制御部とを備え、制御部は、キャリア周波数が通常周波数となる通常制御を行う通常制御部と、電動モータが回転しないロック状態となっているか否かを判定するロック判定部と、ロック判定部によって電動モータがロック状態である判定された場合インバータ回路への通電を停止し、その後電動モータに予め定められた再起動電流が流れるようにスイッチング素子を制御する再起動制御を1または複数回行う再起動制御部とを備え、再起動制御部は、キャリア周波数が通常周波数の最大値よりも低い再起動周波数で再起動制御を行うものである。【選択図】図2

Description

本発明は、電動圧縮機に関する。
従来、圧縮部としての圧縮機と、スイッチング素子を含むインバータ回路と、を備える電動圧縮機が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の電動圧縮機では、圧縮機がロック等の異常状態にある場合に起動制御を行っている。
特開平11-46493号公報
ここで、ロック等の異常状態である状況下において電動モータに電流を流す再起動制御を行う場合、スイッチング素子の温度が過度に上昇してしまう場合がある。特に吸入冷媒によりスイッチング素子を冷却する構造となっている電動圧縮機においては、ロック状態での再起動は、吸入冷媒による冷却がなされないためスイッチング素子の温度が上昇しやすい。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、再起動制御によるスイッチング素子の過度な温度上昇を抑制することができる電動圧縮機を提供することを目的としている。
上記目的を達成する電動圧縮機は、冷媒が吸入される吸入口が形成されたハウジングと、前記ハウジング内に吸入される冷媒を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動させる電動モータと、スイッチング素子を有し、前記電動モータを駆動させるとともに前記ハウジングに吸入される冷媒により冷却されるインバータ回路と、前記スイッチング素子をPWM制御することにより前記電動モータを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、キャリア周波数が通常周波数に設定された状態で前記電動モータを回転させる通常制御を行う通常制御部と、前記通常制御中に、前記電動モータが回転しないロック状態となっているか否かを判定するロック判定部と、前記ロック判定部によって前記電動モータが前記ロック状態であると判定された場合、前記インバータ回路への通電を停止し、その後、前記電動モータに電流が流れるように前記スイッチング素子を制御する再起動制御を行う再起動制御部と、を備え、前記再起動制御部は、キャリア周波数が前記通常周波数の最大値よりも低い再起動周波数で前記再起動制御を行う。
かかる構成によれば、再起動制御のキャリア周波数が、通常制御におけるキャリア周波数の最大値に比較して低くなる。これにより、再起動制御に起因するスイッチング素子の過度な温度上昇を抑制することができる。
上記電動圧縮機において、前記ロック判定部は、前記再起動制御部によって前記再起動制御が実行される度、前記電動モータが前記ロック状態であるか否かを判定し、前記再起動制御部は、前記ロック判定部によって前記電動モータが前記ロック状態であると判定された場合、前記インバータ回路への通電を停止し、所定時間経過後に再度、前記再起動制御を実行してもよい。
かかる構成によれば、再起動制御中にロック状態が継続している場合に、再起動制御に起因するスイッチング素子の過度な温度上昇を抑制することができる。
上記電動圧縮機において、前記通常周波数には、第1通常周波数、及び前記第1通常周波数より高い周波数の第2通常周波数が含まれ、前記再起動周波数は、前記第2通常周波数より低い周波数であってもよい。
かかる構成によれば、通常制御部は、通常制御において、適切なキャリア周波数によって電動モータを制御し、電動圧縮機を効率よく動作させつつ、再起動制御部は、通常制御によるスイッチング素子の温度上昇の程度に比較して、再起動制御によるスイッチング素子の温度上昇の程度を低くすることができる。
上記電動圧縮機において、前記再起動周波数は、前記ロック判定部により前記ロック状態が最初に検出されたタイミングの前記通常周波数よりも低い周波数であってもよい。
かかる構成によれば、再起動制御部は、ロック状態が検出される前に実行されていた通常制御によるスイッチング素子の温度上昇の程度に比較して、再起動制御によるスイッチング素子の温度上昇の程度を低くすることができる。これにより、再起動制御に起因するスイッチング素子の過度な温度上昇を抑制することができる。
上記電動圧縮機において、前記通常制御部は、前記再起動制御部により前記再起動制御が実行された後、前記ロック判定部により前記電動モータが前記ロック状態となっていないと判定された場合、再度、前記通常制御を実行してもよい。
かかる構成によれば、通常制御部は、再起動制御によってロック状態が解消された場合には、その後、再度実行される通常制御において、適切なキャリア周波数によって電動モータを制御し、電動圧縮機を効率よく動作させることができる。
上記電動圧縮機において、前記通常周波数は複数あり、そのうちの前記最大値は、可聴域よりも高い周波数帯域の周波数であって、前記再起動周波数は、可聴域の周波数帯域の周波数であってもよい。
かかる構成によれば、通常制御における動作音を低減することができるため、NV特性の向上を図ることができる。
上記電動圧縮機において、前記ロック判定部は、前記電動モータに印加されるモータ印加電圧と、前記電動モータに流れるモータ電流とに基づいて、前記電動モータが前記ロック状態であるか否かを判定してもよい。
かかる構成によれば、回転センサを省けるため生産性が向上する。
本発明によれば、スイッチング素子の過度な温度上昇を抑制することができる。
電動圧縮機及び車両空調装置の概要を示す模式図。 インバータの回路の一例を示す図。 実施形態に係る電動圧縮機の動作の一例を示すフローチャート。 再起動制御の説明に用いられる図。 変形例に係る電動圧縮機10の動作の一例を示すフローチャート。
<実施形態>
[全体構成]
以下、電動圧縮機の一実施形態について説明する。本実施形態の電動圧縮機は例えば車両に搭載されており、車両空調装置に用いられる。図1に示すように、車両空調装置100は、電動圧縮機10と、電動圧縮機10に対して冷媒を供給する外部冷媒回路101とを備えている。外部冷媒回路101は、例えば熱交換器及び膨張弁などを有している。車両空調装置100は、電動圧縮機10によって冷媒が圧縮され、且つ、外部冷媒回路101によって冷媒の熱交換及び膨張が行われることによって、車両の室内の冷暖房を行う。
なお、車両空調装置100は、当該車両空調装置100の全体を制御する空調ECU102を備えている。空調ECU102は、車内温度や設定温度等を把握可能に構成されており、これらのパラメータに基づいて、電動圧縮機10に対してON/OFF指令等といった各種指令を送信する。
電動圧縮機10は、外部冷媒回路101から冷媒が吸入される吸入口11aが形成されたハウジング11と、ハウジング11に収容された圧縮部12及び電動モータ13とを備えている。
ハウジング11は、全体として略円筒形状であって、伝熱性を有する材料(例えばアルミニウム等の金属)で形成されている。ハウジング11には、冷媒が吐出される吐出口11bが形成されている。
圧縮部12は、吸入口11aからハウジング11内に吸入された冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を吐出口11bから吐出させるものである。なお、圧縮部12の具体的な構成は、スクロールタイプ、ピストンタイプ、ベーンタイプ等任意である。
電動モータ13は、圧縮部12を駆動させるものである。電動モータ13は、例えばハウジング11に対して回転可能に支持された円柱状の回転軸21と、当該回転軸21に対して固定され且つ永久磁石が埋設された円筒形状のロータ22と、ハウジング11に固定されたステータ23とを有する。回転軸21の軸線方向と、円筒形状のハウジング11の軸線方向とは一致している。ステータ23は、円筒形状のステータコア24と、当該ステータコア24に形成されたティースに捲回されたコイル25とを有している。ロータ22及びステータ23は、回転軸21の径方向に対向している。
図1に示すように、電動圧縮機10は、電動モータ13を駆動させる駆動回路としてのインバータ回路31と、当該インバータ回路31が収容されたケース32とを有するインバータユニット30を備えている。電動モータ13のコイル25とインバータ回路31とは図示しないコネクタ等によって接続されている。ケース32は、固定具としてのボルト41によってハウジング11に固定されている。すなわち、本実施形態の電動圧縮機10には、インバータ回路31が一体化されている。インバータ回路31は、吸入口11aからハウジング11内に吸入された冷媒により冷却される。
インバータ回路31は、例えば回路基板51と、当該回路基板51と電気的に接続されたパワーモジュール52とを備えている。回路基板51には、各種電子部品及び配線パターンが実装されている。ケース32の外面にはコネクタ54が設けられており、回路基板51とコネクタ54とが電気的に接続されている。コネクタ54を介して、外部電源としてのDC電源Eからインバータ回路31に電力供給が行われるとともに、空調ECU102とインバータ回路31とが電気的に接続されている。
[インバータ回路31の構成]
図2に示すように、電動モータ13のコイル25は、例えばu相コイル25u、v相コイル25v及びw相コイル25wを有する三相構造となっている。すなわち、電動モータ13は三相モータである。各コイル25u~25wは例えばY結線されている。
パワーモジュール52は、u相コイル25uに対応するu相スイッチング素子Qu1,Qu2と、v相コイル25vに対応するv相スイッチング素子Qv1,Qv2と、w相コイル25wに対応するw相スイッチング素子Qw1,Qw2と、を備えている。つまり、インバータ回路31は、所謂三相インバータである。
各スイッチング素子Qu1,Qu2,Qv1,Qv2,Qw1,Qw2(以降単に各スイッチング素子Qu1~Qw2と示す)は例えばIGBTで構成されている。各スイッチング素子Qu1~Qw2は、当該各スイッチング素子Qu1~Qw2の温度が予め定められた動作上限温度Tmax以下である場合に正常に動作する。すなわち、動作上限温度Tmaxとは、各スイッチング素子Qu1~Qw2の動作保証範囲の上限値であり、換言すればインバータ回路31の動作保証範囲の上限値である。
各u相スイッチング素子Qu1,Qu2は接続線を介して互いに直列に接続されており、その接続線は、u相コイル25uに接続されている。そして、各u相スイッチング素子Qu1,Qu2の直列接続体に対してDC電源Eからの直流電力が入力されている。なお、他のスイッチング素子Qv1,Qv2,Qw1,Qw2については、対応するコイルが異なる点を除いて、u相スイッチング素子Qu1,Qu2と同様の接続態様であるため、詳細な説明を省略する。
なお、インバータ回路31は、DC電源Eに対して並列に接続された平滑コンデンサC1を有している。また、パワーモジュール52は、スイッチング素子Qu1~Qw2に対して並列に接続された還流ダイオードDu1~Dw2を有している。
電動圧縮機10は、インバータ回路31(詳細には各スイッチング素子Qu1~Qw2のスイッチング動作)を制御する制御部55を備えている。制御部55は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め電動圧縮機10が備えるフラッシュメモリなどの非一過性の記憶媒体を備える記憶装置(不図示)に格納されていてもよい。
制御部55は、各スイッチング素子Qu1~Qw2のゲートに接続されている。制御部55は、各スイッチング素子Qu1~Qw2を周期的にON/OFFさせることにより、電動モータ13を駆動、つまり回転させる。
制御部55は、例えば、通常制御部62と、位置把握部63と、ロック判定部64と、再起動制御部65とを備える。
通常制御部62は、ロック判定部64により電動モータ13がロック状態であると判定されるまでの間、インバータ回路31を通常制御する。通常制御部62は、通常制御として、例えば、インバータ回路31をパルス幅変調制御(PWM制御)する。詳細には、通常制御部62は、キャリア信号(搬送波信号)と指令電圧値信号(比較対象信号)とを用いて、制御信号を生成する。そして、通常制御部62は、生成された制御信号を用いて各スイッチング素子Qu1~Qw2のON/OFF制御を行うことにより、直流電力を交流電力に変換する。そして、電動モータ13は、ロック等の異常が発生していない通常状態において、変換された交流電力が入力されることにより、駆動する。なお、キャリア信号の具体的な波形は、例えば三角波やノコギリ波等任意である。
ここで、通常制御部62は、キャリア信号の周波数であるキャリア周波数fを変更可能に構成されている。以降の説明において、通常制御部62が通常制御に用いるキャリア周波数fを、「通常周波数f1」と記載する。したがって、通常制御部62は、通常制御において、キャリア周波数fが通常周波数f1に設定された状態で、電動モータ13を回転させる。
なお、通常制御部62は、通常制御において、電動モータ13の印加電圧と電動モータ13に流れる電流とに基づいて、電動モータ13を効率よく駆動できるように、通常周波数f1を変更してもよい。この場合、通常周波数f1には、例えば、第1通常周波数f11と、第2通常周波数f12とが含まれる。通常制御部62は、電動モータ13の印加電圧と電動モータ13に流れる電流とに基づいて、適宜、通常周波数f1を第1通常周波数f11、又は第2通常周波数f12に切り替える。本実施形態では、第2通常周波数f12は、通常周波数f1の最大値の一例である。
通常周波数f1の最大値は、例えば、可聴域よりも高い周波数帯域の周波数であってもよい。詳細には、第2通常周波数f12は、可聴域よりも高い周波数帯域の周波数でもよい。これにより、通常制御におけるNV特性の向上を図ることができる。この場合、第1通常周波数f11は、可聴域の周波数帯域の周波数であってもよいし、可聴域よりも高い周波数帯域の周波数であってもよい。ただし、これに限られず、第2通常周波数f12が、可聴域の周波数帯域の周波数でもよい。
また、通常制御部62は、制御信号を制御することにより、各スイッチング素子Qu1~Qw2のON/OFFのデューティ比を可変制御することができ、それを通じて電動モータ13の回転数rを制御することができる。制御部55は、空調ECU102と電気的に接続されており、空調ECU102から回転数rの指令値に関する情報を受信した場合には、当該指令値に対応する回転数rで電動モータ13を回転させる。なお、以降の説明において、電動モータ13の回転数rを、単に回転数rという。
位置把握部63は、電動モータ13の印加電圧と電動モータ13に流れる電流とに基づいて電動モータ13にて発生する逆起電力を推定し、推定された逆起電力に基づいてロータ22の回転位置を把握する位置把握部63を備えている。通常制御部62は、位置把握部63によって把握されるロータ22の回転位置に基づいて各スイッチング素子Qu1~Qw2のON/OFF制御を行う。なお、電動モータ13に流れる電流を検出する構成は、任意であるが、例えば図示しないシャント抵抗を設け、当該シャント抵抗の電圧を検出し、その検出結果に基づいて上記電流を推定する構成等が考えられる。
ロック判定部64は、通常制御部62による通常制御中、又は後述する再起動制御部65による再起動制御中に電動モータ13が回転しないロック状態となっているか否かを判定する。ロック判定部64は、例えば、電動モータ13の印加電圧と電動モータ13に流れる電流とに基づいて、電動モータ13がロック状態であるか否かを判定する。
具体的には、ロック判定部64は、電動モータ13に印加される印加電圧に対して、電動モータ13に流れる電流値が正常域である場合には、電動モータ13がロック状態ではないと判定する。また、ロック判定部64は、電動モータ13に印加される印加電圧に対して、電動モータ13に流れる電流値が正常域ではない場合、電動モータ13がロック状態であると判定する。
ここで、ロック判定部64は、通常制御部62、又は再起動制御部65によって電動モータ13が駆動してからロック状態であるか否かを判定するまでに、判定所定時間T1を要する。判定所定時間T1は、例えば、通常制御部62、又は再起動制御部65の制御により、電動モータ13に入力する交流電力の大きさが、1回又は複数回、ピーク値となるまでの時間であって、電動モータ13が圧縮部12を動作させるために十分なトルクを生じさせるまでに要する時間である。換言すると、ロック判定部64は、通常制御部62、又は再起動制御部65が電動モータ13の駆動を開始した後、判定所定時間T1が経過するまでの間、電動モータ13が回転しない原因を、トルク不足であるのか、又はロータ22の固着であるのか等を特定しない。
再起動制御部65は、ロック判定部64によって電動モータ13がロック状態である判定された場合、インバータ回路31への通電を停止する。その後、所定時間T2経過した後、再起動制御部65は、インバータ回路31を再起動制御する。詳細には、再起動制御部65は、キャリア信号と指令電圧値信号とを用いて、再起動制御の制御信号を生成する。そして、再起動制御部65は、生成された再起動制御の制御信号を用いて各スイッチング素子Qu1~Qw2のON/OFF制御を行うことにより、インバータ回路31をPWM制御して直流電力を交流電力に変換する。そして、インバータ回路31は、変換した交流電力を電動モータ13に入力する。
所定時間T2は、例えば、数[ms]~数[s]の範囲の時間である。所定時間T2を短く設定することにより、所定回数の再起動制御を行って最終的に電動モータ13がロック状態であると判定されるまでに要する時間が短くすることができる、一方で、再起動制御によりインバータ回路31の温度が上昇し易くなる。また、所定時間T2を長く設定することにより、スイッチング素子Qu1~Qw2の過度な温度上昇をより抑制することができる、一方で、所定回数の再起動制御を行って最終的に電動モータ13がロック状態であると判定されるまでに要する時間が長くなる。所定時間T2は、これらの利点と欠点を鑑みて、適宜設定される。以下、所定時間T2は、判定所定時間T1よりも長い時間であるものとする。
再起動制御の制御信号と、通常制御の制御信号とは、信号の生成に用いられるキャリア信号のキャリア周波数fが異なる。以降の説明において、再起動制御部65が再起動制御に用いるキャリア周波数fを、「再起動周波数f2」と記載する。再起動周波数f2は、例えば、通常周波数f1の最大値よりも低い周波数である。本実施形態では、再起動周波数f2が、通常周波数f1(つまり、第1通常周波数f11、及び第2通常周波数f12)よりも低い周波数である。
再起動制御部65は、再起動周波数f2を用いて再起動制御の制御信号を生成し、電動モータ13に予め定められた再起動電流が流れるように、各スイッチング素子Qu1~Qw2を制御する。再起動電流は、再起動制御部65の再起動制御により電動モータ13に流れる電流であって、通常制御部62が通常制御により電動モータ13に流し得る電流の最大値と一致、又は略一致する大きさの電流である。再起動制御部65は、インバータ回路31が電動モータ13に入力する交流電流の最大値が再起動電流となるように、再起動制御の制御信号を生成する。
再起動制御部65は、ロック判定部64によって電動モータ13がロック状態である判定された場合、再起動制御を1または複数回行う。以下、再起動制御部65が、再起動制御を4回行う場合について説明する。ロック判定部64は、再起動制御部65によって再起動制御が実行される度、電動モータ13がロック状態であるか否かを判定する。
なお、再起動制御部65は、4回の再起動制御において、いずれも再起動周波数f2を用いて再起動制御の制御信号を生成してもよく、4回の再起動制御のうち、少なくとも1回の再起動制御において再起動周波数f2を用いて再起動制御の制御信号を生成してもよい。以下、再起動制御部65は、4回の再起動制御において、いずれも再起動周波数f2を用いて再起動制御の制御信号を生成する場合について説明する。
[通常制御の制御信号と再起動制御の制御信号との違い]
上述したように、通常制御部62は、周波数が通常周波数f1であるキャリア信号を用いて、通常制御の制御信号を生成する。一方、再起動制御部65は、周波数が通常周波数f1の最大値よりも低い再起動周波数f2であるキャリア信号を用いて、再起動制御の制御信号を生成する。ここで、インバータ回路31の発熱量は、キャリア周波数fが低い程、小さくなり易い。したがって、再起動制御部65は、インバータ回路31を再起動制御することにより、通常制御部62による通常制御に比較して、インバータ回路31の発熱量を小さくすることができる。
[動作フロー]
以下、図3を参照し、本実施形態の電動圧縮機10の動作について説明する。まず、通常制御部62は、インバータ回路31を通常制御する(ステップS100)。通常制御部62は、例えば、電動モータ13の印加電圧と電動モータ13に流れる電流とに基づいて、適宜、通常周波数f1を第1通常周波数f11、又は第2通常周波数f12に切り替えつつ、通常制御の制御信号を生成し、インバータ回路31を制御する。
次に、ロック判定部64は、電動モータ13がロック状態であるか否かを判定する(ステップS102)。ロック判定部64は、例えば、通常制御、又は再起動制御によって、電動モータ13に印加される印加電圧に対して、電動モータ13に流れる電流が正常域である場合には、電動モータ13がロック状態ではないと判定する。また、ロック判定部64は、通常制御、又は再起動制御によって、電動モータ13に印加される印加電圧に対して、電動モータ13に流れる電流が正常域ではない場合、電動モータ13がロック状態であると判定する。ロック判定部64は、電動モータ13がロック状態はないと判定した場合、処理をステップS100に進める。
再起動制御部65は、ロック判定部64により電動モータ13がロック状態であると判定された場合、インバータ回路31への通電を停止する(ステップS104)。次に、再起動制御部65は、ロック判定部64により電動モータ13がロック状態であると判定さてから所定時間T2が経過した後のタイミングにおいて再起動制御を実行する(ステップS106)。
再起動制御において、再起動制御部65は、再起動周波数f2のキャリア信号と指令電圧値信号とを用いて、再起動制御の制御信号を生成する。次に、再起動制御部65は、生成された再起動制御の制御信号を用いて各スイッチング素子Qu1~Qw2のON/OFF制御を行うことにより、直流電力を交流電力に変換する。そして、インバータ回路31は、変換した交流電力を電動モータ13に入力する。
次に、ロック判定部64は、電動モータ13がロック状態であるか否かを判定する(ステップS108)。ロック判定部64がロック状態を判定する処理は、ステップS102の処理と同様の処理であるため、説明を省略する。ロック判定部64は、再起動制御により駆動された電動モータ13がロック状態はないと判定した場合、処理をステップS100に進めるとともに、再起動回数をゼロにリセットする。上述したように、ステップS100において通常制御部62は、通常周波数f1とするキャリア信号に基づいて通常制御の制御信号を生成し、インバータ回路31を制御する。このため、キャリア信号は、ステップS106において用いられていた再起動周波数f2からステップS100において用いる通常周波数f1に実質的に変更される。
再起動制御部65は、ステップS108においてロック判定部64により電動モータ13がロック状態であると判定された場合、インバータ回路31への通電を停止する(ステップS110)。次に、再起動制御部65は、再起動制御を所定回数行ったか否かを判定する(ステップS112)。この一例では、再起動制御部65は、再起動制御を連続して4回行ったか否かを判定する。再起動制御部65は、再起動制御を所定回数行っていないと判定した場合、処理をステップS106に進める。再起動制御部65は、再起動制御を所定回数行ったと判定した場合、処理をステップS114に進める。
電動圧縮機10は、再起動制御部65により再起動制御を所定回数行ったと判定された場合、異常対応処理を実行する(ステップS114)。異常対応処理とは、例えば、ロック状態であることを空調ECUへ通知する処理である。その他、通知には、例えば、電動圧縮機10が備える、又は電動圧縮機10を有する車両が備えるスピーカーに、電動モータ13がロック状態であることを示す音声を出力させることが含まれる。また、通知には、例えば、電動圧縮機10が備える、又は電動圧縮機10を有する車両が備える表示装置に、電動モータ13がロック状態であることを示す情報を表示させることが含まれる。
[本実施形態の作用]
以下、図4を参照して、本実施形態の作用として、ロータ22が固着された場合の電動圧縮機10の動作について説明する。図4において波形W11は、制御部55によるインバータ回路31の制御状態の経時変化を示す波形である。波形W11を表すグラフの横軸は時間を示し、縦軸はインバータ回路31の制御状態を示す。波形W11において、制御部55がインバータ回路31に通電している状態をハイレベル(H)によって示し、制御部55がインバータ回路31への通電を停止している状態を、ローレベル(L)によって示す。
また、波形W12は、ロック判定部64による判定結果の経時変化を示す。波形W12を表すグラフの横軸は時間を示し、縦軸はロック判定部64による判定結果を示す。ロック判定部64による判定結果は、ハイレベル、又はローレベルによって表される。具体的には、波形W12において、ロック判定部64が、電動モータ13がロック状態であると判定した状態がハイレベルによって表され、ロック判定部64が、電動モータ13がロック状態ではないと判定した状態がローレベルによって表される。
また、波形W13は、従来技術におけるスイッチング素子Qu1~Qw2の温度の経時変化を示し、波形W14は、スイッチング素子Qu1~Qw2の温度の経時変化を示す。波形W13~W14を表すグラフの横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。
図4に示す一例では、時刻t0において、ロータ22の固着が発生し、電動モータ13がロック状態となる。その後、波形W11が示すように、時刻t1において、通常制御が行われ電動モータ13に交流電力が入力される。この場合、時刻t1から判定所定時間T1が経過した後の時刻t2のタイミングにおいて、ロック判定部64によって電動モータ13がロック状態であると判定する。
波形W11が示すように、時刻t2において、ロック判定部64によってロック状態であると判定されたことに伴い、再起動制御部65によってインバータ回路31に電動モータ13への通電が停止する。これに伴い、波形W13~W14が示すインバータ回路31の温度は、時刻t1から時刻t2までの間、上昇し、通電の停止に伴い時刻t2から下降して、時刻t3までに所定の値に収束する。
波形W11が示すように、時刻t2から所定時間T2が経過した時刻t3において、再起動制御が行われる。波形W12が示すように、再起動制御が開始される時刻t3から判定所定時間T1が経過した後の時刻t4のタイミングにおいて、ロック判定部64によって電動モータ13がロック状態であると判定されると、電動モータ13への通電が停止する。これに伴い、波形W13~W14が示すように、インバータ回路31の温度は、時刻t3から時刻t4までの間、上昇し、通電の停止に伴い時刻t4から下降して、時刻t5までに所定の値に収束する。
ここで、上述したように、本実施形態では、通常制御の通常周波数f1よりも低い再起動周波数f2を用いて再起動制御が行われる。このため、波形W13~W14が示すように、時刻t3から時刻t4までの間のスイッチング素子Qu1~Qw2の温度上昇の程度は、再起動制御においてキャリア周波数fを低く変更しない従来例と比較して、本実施形態のインバータ回路31の方が、小さくなる。
また、波形W13~W14が示すように、時刻t4のタイミングにおいて、インバータ回路31の温度は、従来例と比較して本願のインバータ回路31の方が低い。このため、インバータ回路31の温度が下降し、所定の値に収束した時刻t5のタイミングにおいても、従来例と比較して本願のインバータ回路31の方が低くなる。
また、上述したように、本実施形態では、再起動制御は、4回実行される。具体的には、波形W11に示すように、再起動制御は、上述した時刻t3から時刻t4までの間と、時刻t5から時刻t6までの間と、時刻t7から時刻t8までの間と、時刻t9から時刻t10の間とにおいて行われる。これにより、波形W13~W14が示すように、インバータ回路31の温度は、再起動制御が実行されている間、上昇する。
ここで、波形W13が示すように、従来例では、冷媒による冷却がなされていない状態であるインバータ回路31の温度が、時刻t5から時刻t6にかけてのタイミングと、時刻t7から時刻t8にかけてのタイミングと、時刻t9から時刻t10にかけてのタイミングとにおける温度上昇に伴って、インバータ回路31の耐熱温度上限を超える。一方、波形W14が示すように、4回の再起動制御中において、インバータ回路31の温度が、耐熱温度上限を超えない。したがって、再起動制御に起因するスイッチング素子Qu1~Qw2の過度な温度上昇が抑制されている。
以上詳述した本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(1)電動圧縮機10は、ハウジング11と、圧縮部12と、電動モータ13と、インバータ回路31と、制御部55とを備える。ハウジング11は、冷媒が吸入される吸入口11aが形成されており、圧縮部12と、電動モータ13と、インバータ回路31を収容する。圧縮部12は、ハウジング11内に吸入される冷媒を圧縮する。電動モータ13は、圧縮部12を駆動させる。インバータ回路31は、スイッチング素子Qu1~Qw2を有し、電動モータ13を駆動させるとともに、ハウジング11に吸入される冷媒により冷却される。制御部55は、スイッチング素子Qu1~Qw2をPWM制御することにより電動モータ13を制御する。
制御部55は、通常制御部62と、ロック判定部64と、再起動制御部65とを備える。通常制御部62は、キャリア周波数fが通常周波数f1に設定された状態で電動モータ13を回転させる通常制御を行う。ロック判定部64は、通常制御中に、電動モータ13が回転しないロック状態となっているか否かを判定する。再起動制御部65は、ロック判定部64によって電動モータ13がロック状態であると判定された場合、インバータ回路31への通電を停止し、その後、電動モータ13に再起動電流が流れるように、スイッチング素子Qu1~Qw2を制御する再起動制御を行う。また、再起動制御部65は、キャリア周波数fが通常周波数f1の最大値よりも低い再起動周波数f2で再起動制御を行う。
この構成により、再起動制御部65は、ロック判定部64により電動モータ13がロック状態であると判定された場合、再起動制御のキャリア周波数fを、通常周波数f1の最大値よりも低い再起動周波数f2に設定し、スイッチング素子Qu1~Qw2を再起動制御する。したがって、再起動周波数f2を用いた再起動制御では、キャリア周波数fが通常周波数f1の最大値を用いた通常制御に比較して低くなる。このため、再起動制御部65は、スイッチング素子のオンオフ制御の回数を減らして損失を少なくすることができる。つまり、再起動制御部65は、再起動制御に起因するスイッチング素子Qu1~Qw2の過度な温度上昇を抑制することができる。また、再起動制御部65は、再起動周波数f2を低くする程、再起動制御に起因するスイッチング素子Qu1~Qw2の過度な温度上昇を抑制することができる。
(2)ロック判定部64は、再起動制御部65によって再起動制御が実行される度、電動モータ13がロック状態であるか否かを判定し、再起動制御部65は、ロック判定部64によって電動モータ13がロック状態であると判定された場合、インバータ回路31への通電を停止し、所定時間T2経過後に再度、再起動制御を実行する。かかる構成によれば、ロック判定部64は、再起動制御中にロック状態が継続している場合に、再起動制御に起因するスイッチング素子Qu1~Qw2の過度な温度上昇を抑制することができる。
(3)通常周波数f1には、第1通常周波数f11、及び第1通常周波数f11より高い周波数の第2通常周波数f12が含まれ、再起動周波数f2は、第2通常周波数f12より低い周波数である。かかる構成によれば、通常制御部62は、通常制御において、適切なキャリア周波数によって電動モータ13を制御し、電動圧縮機10を効率よく動作させることができる。そして、再起動制御部65は、通常制御によるスイッチング素子Qu1~Qw2の温度上昇の程度に比較して、再起動制御によるスイッチング素子Qu1~Qw2の温度上昇の程度を低くすることができる。
(4)再起動周波数f2は、ロック判定部64によりロック状態が最初に検出されたタイミングの通常周波数f1よりも低い周波数である。かかる構成によれば、再起動制御部65は、ロック状態が検出される前に実行されていた通常制御によるスイッチング素子Qu1~Qw2の温度上昇の程度に比較して、再起動制御によるスイッチング素子Qu1~Qw2の温度上昇の程度を低くすることができる。これにより、再起動制御に起因するスイッチング素子Qu1~Qw2の過度な温度上昇を抑制することができる。
(5)ロック判定部64は、電動モータ13に印加されるモータ印加電圧と、電動モータ13に流れるモータ電流とに基づいて、電動モータ13がロック状態であるか否かを判定する。かかる構成によれば、回転センサを省けるため生産性が向上する。
(6)通常周波数f1は複数(本実施形態では、第1通常周波数f11、及び第2通常周波数f12)あり、そのうちの最大値(本実施形態では、第2通常周波数f12)は、可聴域よりも高い周波数帯域の周波数である。また、再起動周波数f2は、可聴域の周波数帯域の周波数である。これにより、通常制御において、騒音と発熱のバランスをとって双方の周波数を切り替えることができる。通常制御と、再起動制御とでは、通常制御の方が高い頻度によって実行される。通常制御部62は、再起動制御に比較して高い頻度で実行される通常制御において、電動圧縮機10の動作音を低減することができるため、NV特性の向上を図ることができる。一方、再起動制御ではNV特性が通常制御に比較して低下するものの、当該再起動制御が行われる頻度が通常制御と比較して高くないため、影響が小さい。したがって、NV特性の低下による影響を少なくしつつ、再起動制御に起因するスイッチング素子Qu1~Qw2の過度な温度上昇を抑制することができる。
<変形例>
以下、図面を参照して電動圧縮機10の変形例について説明する。変形例では、通常制御部62が、再起動制御から通常制御に復帰した際に、ロック状態であると判定される前よりに用いられていた通常周波数f1に基づいて制御信号を生成する場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
[動作フロー]
以下、図5を参照し、変形例の電動圧縮機10の動作について説明する。変形例の電動圧縮機10は、図5に示すフローチャートの処理に加えて、ステップS200、及びステップS202の処理を実行する。
変形例では、ステップS102の処理においてロック判定部64により電動モータ13がロック状態であると判定された場合、通常制御部62は、直前のステップS100の処理において制御信号の生成に用いていた通常周波数f1を電動圧縮機10が備える記憶部に記憶させ(ステップS200)、処理をステップS104に進める。
また、変形例では、ステップS108の処理においてロック判定部64により電動モータ13がロック状態ではないと判定された場合、通常制御部62は、ステップS200において記憶部に記憶させた通常周波数f1を読み出す(ステップS202)。次に、通常制御部62は、読み出した通常周波数f1に基づいて、制御信号を生成し、インバータ回路31を通常制御する(ステップS100)。
以上詳述した変形例によれば以下の作用効果を奏する。
(7)通常制御部62は、再起動制御部65により再起動制御が実行された後、ロック判定部64により電動モータ13がロック状態となっていないと判定された場合、再起、通常制御を行う。ここで、上述したように、通常制御部62は、通常制御において、電動モータ13の印加電圧と電動モータ13に流れる電流とに基づいて、電動モータ13を効率よく駆動できるように、通常周波数f1を第1通常周波数f11、又は第2通常周波数f12に適宜変更する場合がある。また、通常制御部62は、ロック判定部64により一度はロック状態であると判定されても、その後、ロック状態が継続していない場合に、インバータ回路31を、再度、通常制御によって制御する。この時、通常制御部62は、ロック状態と判定される前の通常制御において用いられていた通常周波数f1に基づいて制御信号を生成し、電動モータ13を制御する。これにより、変形例の通常制御部62は、再起動制御部65は、再起動制御によってロック状態が解消された場合には、その後、再度実行される通常制御において、適切なキャリア周波数fによって電動モータ13を制御し、電動圧縮機10を効率よく動作させることができる。
(8)再起動周波数f2は、ロック判定部64によりロック状態が最初に検出されたタイミングの通常周波数f1よりも低い周波数である。これにより、再起動制御では、ロック状態が検出された直前に行われていた通常制御に比較して、スイッチング素子Qu1~Qw2にて生じる発熱量を小さくすることができる。したがって、再起動制御におけるスイッチング素子Qu1~Qw2の過度な温度上昇を抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
〇上述では、再起動周波数f2が第1通常周波数f11よりも低い周波数である場合について説明したが、これに限られない。通常周波数f1が、例えば、第2通常周波数f12(つまり、通常周波数f1の最大値)である場合、再起動周波数f2は、第2通常周波数f12未満の周波数であれば、第1通常周波数f11と一致する周波数であってもよく、第1通常周波数f11よりも高い周波数であってもよい。ただし、ロック判定部64によりロック状態が最初に検出されたタイミングの通常周波数f1が第1通常周波数f11である場合、再起動制御部65は、当該第1通常周波数f11よりも低い周波数に再起動周波数f2を設定するとよい。
○通常制御における通常周波数f1が1種類であってもよい。この場合、通常周波数f1の最大値はその1種類の値である。かかる構成においては、再起動周波数f2は、通常周波数f1よりも低い周波数に設定される。つまり、通常周波数f1は、固定値でもよいし、可変値であってもよい。
○通常制御における通常周波数f1が3種類以上であってもよい。この場合、再起動周波数f2は、3種類の通常周波数f1のうち、最大値の通常周波数f1よりも低い周波数であれば、最大値の通常周波数f1以外の通常周波数f1と一致する周波数であってもよい。また、再起動周波数f2は、3種類の通常周波数f1のうち、最大値の通常周波数f1よりも低い周波数であれば、最大値の通常周波数f1以外の通常周波数f1よりも高い周波数であってもよい。ただし、再起動制御部65は、ロック判定部64によりロック状態が最初に検出されたタイミングの通常周波数f1よりも低い周波数に再起動周波数f2を設定するとよい。
○電動圧縮機10の搭載対象は、車両に限られず、任意である。
○電動圧縮機10は、車両空調装置100に用いられていたが、これに限られず、他の装置に用いられてもよい。例えば、車両が燃料電池を搭載した燃料電池車両(FCV)である場合には、当該電動圧縮機10は、上記燃料電池に空気を供給する供給装置に用いられてもよい。要は、圧縮対象の冷媒は、空気などであってもよい。
10…電動圧縮機、11…ハウジング、11a…吸入口、11b…吐出口、12…圧縮部、13…電動モータ、21…回転軸、22…ロータ、23…ステータ、24…ステータコア、25…コイル、25u…u相コイル、25v…v相コイル、25w…w相コイル、30…インバータユニット、31…インバータ回路、32…ケース、41…ボルト、51…回路基板、52…パワーモジュール、54…コネクタ、55…制御部、62…通常制御部、63…位置把握部、64…ロック判定部、65…再起動制御部、100…車両空調装置、101…外部冷媒回路、f…キャリア周波数、f1…通常周波数、f2…再起動周波数、f11…第1通常周波数、f12…第2通常周波数、T1…判定所定時間、T2…所定時間。

Claims (7)

  1. 冷媒が吸入される吸入口が形成されたハウジングと、
    前記ハウジング内に吸入される冷媒を圧縮する圧縮部と、
    前記圧縮部を駆動させる電動モータと、
    スイッチング素子を有し、前記電動モータを駆動させるとともに前記ハウジングに吸入される冷媒により冷却されるインバータ回路と、
    前記スイッチング素子をPWM制御することにより前記電動モータを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    キャリア周波数が通常周波数に設定された状態で前記電動モータを回転させる通常制御を行う通常制御部と、
    前記通常制御中に、前記電動モータが回転しないロック状態となっているか否かを判定するロック判定部と、
    前記ロック判定部によって前記電動モータが前記ロック状態であると判定された場合、前記インバータ回路への通電を停止し、その後、前記電動モータに電流が流れるように前記スイッチング素子を制御する再起動制御を行う再起動制御部と、
    を備え、
    前記再起動制御部は、キャリア周波数が前記通常周波数の最大値よりも低い再起動周波数で前記再起動制御を行う、
    ことを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記ロック判定部は、前記再起動制御部によって前記再起動制御が実行される度、前記電動モータが前記ロック状態であるか否かを判定し、
    前記再起動制御部は、前記ロック判定部によって前記電動モータが前記ロック状態であると判定された場合、前記インバータ回路への通電を停止し、所定時間経過後に再度、前記再起動制御を実行する、
    請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 前記通常周波数には、第1通常周波数、及び前記第1通常周波数より高い周波数の第2通常周波数が含まれ、
    前記再起動周波数は、前記第2通常周波数より低い周波数である、
    請求項1又は2に記載の電動圧縮機。
  4. 前記再起動周波数は、前記ロック判定部により前記ロック状態が最初に検出されたタイミングの前記通常周波数よりも低い周波数である、
    請求項1から3のうちいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  5. 前記通常制御部は、前記再起動制御部により前記再起動制御が実行された後、前記ロック判定部により前記電動モータが前記ロック状態となっていないと判定された場合、再度、前記通常制御を実行する、
    請求項1から4のうちいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  6. 前記通常周波数は複数あり、そのうちの前記最大値は可聴域よりも高い周波数帯域の周波数であって、
    前記再起動周波数は、可聴域の周波数帯域の周波数である、
    請求項1から5のうちいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  7. 前記ロック判定部は、前記電動モータに印加されるモータ印加電圧と、前記電動モータに流れるモータ電流とに基づいて、前記電動モータが前記ロック状態であるか否かを判定する、
    請求項1から6のうちいずれか一項に記載の電動圧縮機。
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