JP2022085870A - 光学装置、距離測定装置および移動体 - Google Patents

光学装置、距離測定装置および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ光の波長を高速且つ広い波長範囲に変化させること。【解決手段】本発明の一態様に係る光学装置は、レーザ光を発する光学装置であって、発光部と、該発光部を挟んで対向する第1反射部および第2反射部と、前記発光部と前記第2反射部の間に間隔がある状態で前記第2反射部を保持する基部と、印加される駆動電圧に応じて変形する圧電部材と、を有し、前記基部は、第1領域と、前記第1領域よりも剛性が低い第2領域とを含み、前記第2反射部および前記圧電部材が前記第2領域に設けられ、前記駆動電圧の印加により前記圧電部材が前記第2領域を変形させて前記第2反射部を駆動させ、前記第1反射部および前記第2反射部の距離に応じて波長が変化するレーザ光を発する。【選択図】図1

Description

本願は、光学装置、距離測定装置および移動体に関する。
従来から、FMCW-LiDAR(Frequency-Modulated Continuous Wave Light Detection and Ranging)装置等の光源として用いられる波長可変レーザが知られている。
また、第1及び第2のミラーを含む光共振器と、第1及び第2のミラーの間に介在するゲイン領域と、静電駆動方式のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)駆動機構とを備え、第1及び第2のミラーの間の空隙をMEMS駆動機構により調節する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の構成では、レーザ光の波長を高速且つ広い波長範囲で変化させることに改善の余地がある。
本発明は、レーザ光の波長を高速且つ広い波長範囲に変化させることを課題とする。
本発明の一態様に係る光学装置は、レーザ光を発する光学装置であって、発光部と、該発光部を挟んで対向する第1反射部および第2反射部と、前記発光部と前記第2反射部の間に間隔がある状態で前記第2反射部を保持する基部と、印加される駆動電圧に応じて変形する圧電部材と、を有し、前記基部は、第1領域と、前記第1領域よりも剛性が低い第2領域とを含み、前記第2反射部および前記圧電部材が前記第2領域に設けられ、前記駆動電圧の印加により前記圧電部材が前記第2領域を変形させて前記第2反射部を駆動させ、前記第1反射部および前記第2反射部の距離に応じて波長が変化するレーザ光を発する。
本発明によれば、レーザ光の波長を高速且つ広い波長範囲に変化させることができる。
第1実施形態に係る光源装置の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A'切断線に沿う断面図である。 基部周辺の構成例を示す拡大断面図である。 VCSEL素子の構成例を示す断面図である。 第2領域の動作例を示す図であり、(a)は応力の発生を示す図、(b)は第2領域の変形を示す図である。 第2領域の動作の他の例を示す図であり、(a)は応力の発生を示す図、(b)は第2領域の変形を示す図である。 第2領域の振動例を示す図である。 駆動電圧と第2反射部の変位量との関係例を示す図である。 反射部間距離と波長の関係例の図である。 圧電素子の駆動電圧と光源装置から射出されるレーザ光の波長の関係を示す図である。 第2領域周辺の構成の変形例を示す拡大断面図であり、(a)は第1例の図、(b)は第2例の図である。 基部の第1変形例を示す平面図である。 図11のA-A'断面図である。 基部の第2変形例を示す平面図である。 図13のB-B'断面図である。 基部の第3変形例を示す平面図である。 図15のC-C'断面図である。 第2実施形態に係る光源装置の構成例を示す平面図である。 第3実施形態に係る光源装置の構成例を示す平面図である。 第4実施形態に係るレーザレーダ装置の構成例を示すブロック図である。 比較例に係る光源装置の駆動電圧と反射部変位量との関係例の図である。 第5実施形態に係る移動体の一例としての自動車を示す図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための光学装置を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の形状、その相対的配置、パラメータの値等は特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
実施形態に係る光学装置は、発光部と、該発光部を挟んで対向する第1反射部および第2反射部と、発光部と第2反射部の間に間隔がある状態で第2反射部を保持する基部と、印加される駆動電圧に応じて変形する圧電部材と、を有し、基部は、第1領域と、第1領域よりも剛性が低い第2領域とを含み、第2反射部および圧電部材が第2領域に設けられている。
発光部を挟む第1反射部と第2反射部との間の反射部間距離は共振器長に該当する。光学装置は、駆動電圧の印加により圧電部材が第2領域を変形させて前記第2反射部を駆動させ、第1反射部および前記第2反射部の距離に応じて波長が変化するレーザ光を発する。
例えば静電駆動により可動部を駆動させて共振器長を変化させる方式では、可動部の共振周波数又はばね定数等の制限により、高速且つ大きな変位量での可動部の駆動が制限される。そのため、高速且つ広い波長範囲でレーザ光の波長を変化させることに改善の余地がある。
実施形態では、薄肉の第2領域を圧電部材で変形させることで、高速且つ大きな変位量で第2反射部を駆動させて共振器長を変化させる。これにより、レーザ光の波長を高速且つ広い波長範囲に変化可能にする。
以下では、複数の波長のレーザ光を並行に発する光源装置を、光学装置の一例として、実施形態を説明する。なお、以下に示す図では、第1反射部の反射面に平行な平面内における所定方向をX軸方向とし、第1反射部の反射面に平行な平面内でX軸と直交する方向をY軸方向とし、X軸及びY軸の両方に直交する方向をZ軸方向とする。光源装置はZ軸方向に沿ってレーザ光を発するものとする。
但し、これらの各軸は説明の便宜のためのものであり、光学装置の向きに特段の制限はなく、任意の向きで光学装置を使用できる。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る光源装置について説明する。
<光源装置1の構成例>
(全体構成例)
まず図1を参照して、光源装置1の全体構成を説明する。
図1は、光源装置1の全体構成の一例を説明する図である。図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA-A'切断線に沿う断面図である。図1に示すように、光源装置1は、基部10と、接合部13と、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)素子20とを有する。
基部10は、第1領域11と、第2領域12とを有し、平面視が四角形状に形成された板状部材である。第2領域12は、基部10の中央付近に設けられた平面視が略円形状の領域であり、可動部として機能する。第2領域12は、第1領域11と比較して厚み(Z軸方向の長さ)が薄く形成されている。第1領域11は、基部10における第2領域以外の領域に対応し、支持部として機能する。
第2領域12は、Z軸負方向側の面に、第2反射部121と、圧電素子122とを含んでいる。第2領域12のZ軸方向側の面は、次述する発光部211に向き合うため、第2領域における発光部211に対向する面に該当する。
第2反射部121は、第2領域12の中央付近に形成され、平面視が略円形状の構成部である。圧電素子122は、第2反射部121の周囲に設けられた圧電部材の一例である。圧電素子122は、第2反射部121の周囲に円環状に設けられている。なお、圧電素子122は、第2反射部121の周囲に設けられれば、必ずしも円環状ではなくてもよい。
圧電素子122は、電極を介して印加される駆動電圧に応じて変形(例えば伸縮)する。圧電素子122の変形に応じて第2領域12が弾性変形することにより、第2反射部121がZ軸方向に変位可能になっている。
光源装置1は、基部10のZ軸負方向側に、接合部13を介在させてVCSEL素子20を配置している。接合部13は、基部10とVCSEL素子20とを原子拡散接合法等により接合固定している。
VCSEL素子20は、メサ21と、第1反射部22とを含んでいる。メサ21は、発光部211を含む島状の構造物である。VCSEL素子20は、発光部211を挟んで第2反射部121とは反対側(Z軸負方向側)に第1反射部22を配置している。
発光部211は、電極を通じて注入された電流により光を発する。第1反射部22と第2反射部121は、発光部211を介して共振器を構成しており、各発光部211が発した光は、第1反射部22と第2反射部121により反射され、第1反射部22と第2反射部121との間を往復して増幅される。
より詳しくは、発光部211が発した光は、第1反射部22の反射面22Aと、第2反射部121の反射面121Aのそれぞれにより反射され、反射面22Aと反射面121Aとの間を往復しながら増幅される。
増幅された光は、利得と損失が釣り合った際にレーザ光として発振し、発光部211は、レーザ光を発することができる。光源装置1は、第2反射部121と第1反射部22のうちの反射率が低い側からレーザ光を放出する。光源装置1は、第2反射部121の反射率が低い場合には、図1(b)の放出方向31側からレーザ光を放出し、第1反射部22の反射率が低い場合には、図1(b)の放出方向32側からレーザ光を放出する。
圧電素子122に駆動電圧が印加されると、第2領域12の弾性変形に応じて第2反射部121がZ軸方向に変位する。これにより第1反射部22と第2反射部121との間の距離が変化し、共振器長が変化する。発光部211は、共振器長の変化に応じて波長が変化するレーザ光を発することができる。
(基部10の構成例)
次に図2を参照して、基部10周辺の構成について説明する。図2は、基部10周辺の構成の一例を説明する拡大断面図である。
基部10は、1枚のSOI(Silicon On Insulator)基板にエッチング処理等を施すことにより加工し、加工された基板上に第2反射部121と、圧電素子122を形成することにより製造される。
図2に示すように、第1領域11は、支持層111、酸化絶縁層112及びシリコン活性層113等から構成されている。第2領域12を構成する部材は、SOI基板から支持層111及び酸化絶縁層112をエッチング除去することにより、シリコン活性層113のみから構成されているいてもよく、シリコン活性層に加えて酸化絶縁層や支持層から構成されてもよい。
第2領域12はX軸方向又はY軸方向の長さに対してZ軸方向への厚みが小さいため、Z軸方向に剛性が低く、弾性を有する。第2領域12は、圧電素子122の変形により可動である。第1領域11は、第2領域12に対して高剛性であるため、圧電素子122が変形しても第1領域11の変形は小さく、第2領域12を支持することができる。
第2反射部121は、第1領域11のZ軸負方向側の面に設けられている。第2反射部121は、第2領域12を構成する部材上に形成された、屈折率差を持つ2種類以上の薄膜を交互に積層した多層膜ミラーや金属薄膜、又は、第2領域12を構成する部材に波長と同等の厚みの周期構造を形成したHCG(High Contrast Grating;高コントラスト回折格子)等の、レーザ発振に要求される反射率を有する構成を含んでいる。
圧電素子122は、下部電極122A、圧電部122B及び上部電極122Cを第2領域12上に積層することにより形成される。上部電極122C上には圧電素子122を保護するための保護膜122Dが設けられている。
上部電極122C及び下部電極122Aは、金(Au)、白金(Pt)等からなる。圧電部122Bは、例えば圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)又は窒化アルミニウム(AlN)からなる。圧電素子122間での短絡を防ぐために、圧電素子と圧電素子の間に絶縁層が形成してもよい。圧電部122Bは、分極方向に正又は負の電圧が印加されると印加電圧の電位に比例した変形(例えば伸縮)が生じ、いわゆる逆圧電効果を発揮する。
接合部13は、Z軸の正方向から負方向に沿って接着層、拡散防止層及び接合層を積層して形成されている。接合層にはチタン(Ti)、拡散防止層には白金(Pt)、接着層には金(Au)又は酸化アルミニウム(AlO)等をそれぞれ使用できる。
なお、第2領域12の平面視形状は円形状に限定されるものではなく、四角形状、三角形状、楕円形状又は非対称形状等であってもよい。第2反射部121及び圧電素子122は、全部を第2領域12の領域内に形成しなくてもよく、一部が第1領域11の領域内に含まれてもよい。
また本実施形態では、圧電素子122を挟んで2つの接合部13を設ける構成を例示するが、接合部13は少なくとも1つが設けられればよい。接合部13が1つである場合には、圧電素子122を囲むことにより形状の対称性を高め、VCSEL素子20と接合した際の基部10とVCSEL素子20の間の傾きを抑制できる。この場合には、圧電素子122を駆動するための配線を接合部13の外側に引き出すために、接合部13の一部を開放することが好ましい。
接合部13を2つ以上設ける場合には、第2反射部121の平面内において、第2反射部121の中心に対して対称となるように配置すると、基部10とVCSEL素子20の間の傾きを抑制できるため、好適である。例えば、3つの接合部13を設ける場合には、第2反射部121の中心に対して120度の位置に配置することが好ましい。4つの接合部13を設ける場合には、第2反射部121の四方に配置することが好ましい。
また圧電素子122と接合部13を電気的に接続することにより、接合部13を電極として機能させることもできる。
円環状に設けた圧電素子122の中心付近に第2反射部121を設けると、両者がZ軸方向に重ならないため、第2反射部121の反射率の低下等を防ぐことができる。
(VCSEL素子20の構成例)
次に図3を参照して、VCSEL素子20の構成について説明する。図3は、VCSEL素子20の構成の一例を説明する断面図である。
なお、光源装置1は、VCSEL素子20が有する第1反射部22と、VCSEL素子20とは別に設けられた第2反射部121とにより共振器を構成する。従って、VCSEL素子20は、共振器のうちの一方の反射部のみを有する面発光型半導体レーザであるため、half-VCSELと称することができる。
図3に示すように、VCSEL素子20は、メサ21と、第1反射部22と、半導体基板23と、反射防止膜24と、溝部25とを有する。半導体基板23のZ軸正方向側に、第1反射部22、スペーサ層221及びメサ21を積層形成し、半導体基板23のZ軸負方向側に反射防止膜24を形成している。溝部25は、メサ21の周囲のスペーサ層221及び第1反射部22をエッチング除去して設けられている。
第1反射部22は、n-GaAs基板等の半導体基板23上に形成された半導体多層膜反射鏡である。第1反射部22は、例えば、n-Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層と、n-Al0.2Ga0.8Asからなる高屈折率層とを有する。
第1反射部22の各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた、例えば厚さが20nmの組成傾斜層が設けられている。各屈折率層の膜厚は何れも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、波長をλとするとλ/4の光学厚さとなるように設定されている。なお、光学的厚さがλ/4のとき、その層の実際の厚さDは、D=λ/4n(但し、nはその層の媒質の屈折率)である。
スペーサ層221は、例えば、ノンドープのAlGaInP層であり、第1反射部22上に形成されている。
メサ21は、発光部211と、スペーサ層212と、選択酸化層213と、1対の半導体多層膜反射鏡214と、コンタクト層215と、絶縁層216と、電極217とを含んでいる。
スペーサ層212は発光部211上に形成されている。スペーサ層212は、例えば、ノンドープのAlGaInP層である。
スペーサ層212と発光部211を含む部分は、共振器構造体(共振器領域)とも称され、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、その厚さが1波長(λ)の光学的厚さとなるように設定されている。
メサ21は、スペーサ層221とスペーサ層212の間に発光部211を設けている。発光部211は、電流の注入により光を発し、また共振器を構成する第1反射部22と第2反射部121との間を往復する光を増幅する。発光部211は活性層と称することもできる。発光部211は、3層の量子井戸層と4層の障壁層とを有する3重量子井戸構造の活性層である。各量子井戸層はInGaAs層等であり、各障壁層はAlGaAs層等である。発光部211は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布における腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられる。
選択酸化層213は、酸化領域213aと非酸化領域213bとを含んでいる。選択酸化層213はp-AlAs等を含み、30nmの厚さで1対の半導体多層膜反射鏡214間に挿入されている。挿入位置は、スペーサ層212から数えて2つ目の高屈折率層と低屈折率層のペア内とすることができる。なお、選択酸化層213は、上下に組成傾斜層や中間層等の層を含んでいてもよく、ここでは実際に酸化される層を合わせて選択酸化層と称する。
コンタクト層215は、半導体多層膜反射鏡214上に形成されている。コンタクト層215はp-GaAs層等である。
コンタクト層215、半導体多層膜反射鏡214、スペーサ層212及び発光部211の一部をエッチングにより除去することでメサ21及び溝部25を形成することができる。
メサ21は表面に絶縁層216を含んでいる。絶縁層216の材料としては、例えば、SiN、SiON、SiO2等を用いることができる。絶縁層216は、メサ21のコンタクト層215の一部を露出する開口部218を含んでいる。絶縁層216は、平面視で非酸化領域213bと重なる位置に開口部218を含んでいる。
メサ21上の絶縁層216は、開口部218を通じてコンタクト層215に電気的に接続された電極217を設けている。電極217には、例えば、絶縁層216側から順にTi/Pt/Auを積層した積層膜を用いることができる。
溝部25は表面に絶縁層216を設け、また絶縁層216に半導体基板23の一部を露出する開口部252を含んでいる。
溝部25上の絶縁層216は、開口部252を通じてコンタクト層215に電気的に接続された電極251を含んでいる。電極251には、例えば、半導体基板23側から順にゲルマニウム合金(AuGe)/ニッケル(Ni)/金(Au)を積層した積層膜を用いることができる。
配線219は、電極217及び251のそれぞれに電気的に接続している。配線219には、例えば半導体基板側からTi/Pt/Auを積層した積層膜を用いることができる。
<光源装置1の動作例>
(第2領域12の動作例)
図4は、第2領域12の動作の一例を説明する図である。図4(a)は応力の発生を説明する図、図4(b)は第2領域の変形を説明する図である。
第2領域12に設けられた圧電素子122に、圧電素子122が収縮するように駆動電圧を印加すると、圧電素子122は収縮する。第2領域12の端部は第1領域11に接続されているため、圧電素子122が変形しても第2領域12の端部はZ方向に変位しない。
圧電素子122は第2領域12に接着しているため、収縮応力Sは第2領域12に伝達される。第2領域12内のZ軸方向における所定位置には中立軸Nが存在する。第2領域12における中立軸Nより圧電素子122側では圧縮応力Taが発生し、中立軸Nを挟んで圧電素子122とは反対側では引張応力Tbが発生する。圧縮応力Ta及び引張応力Tbに応じて第2領域12が弾性変形し、図4(b)に示すように、第2領域12が撓んで第2領域12の面がZ軸負方向側に変位する。
反対に、圧電素子122が膨張するように駆動電圧を印加すると、第2領域12における中立軸Nより圧電素子122側では引張応力が発生し、中立軸Nを挟んで圧電素子122とは反対側では圧縮応力が発生する。この応力に応じて第2領域12が弾性変形し、第2領域12が撓んで第2領域12の面がZ軸正方向側に変位する。
次に図5は、第2領域12の動作の他の例を説明する図である。図5(a)は応力の発生を説明する図、図5(b)は第2領域12の変形を説明する図である。図5に示すように、第2領域12のZ軸正方向側の面には、2つの圧電素子122E及び122Fが設けられている。
圧電素子122E及び122Fがそれぞれ収縮するように駆動電圧を印加すると、図4(a)と同様に第2領域12が変形する。圧電素子122E及び122Fが形成されていない領域では、圧電素子122E及び122Fの直下の応力とは反対方向の応力が発生する。その結果、図5(b)に示すように、第2領域12の一部の領域がZ軸正方向側に突出するように撓む。この領域の変位量は、平面内方向の寸法に応じて異なる。つまり、圧電素子122E及び122Fが形成されていない領域では、領域の面積に応じて変位量が異なる。
図6は、第2領域12の振動の一例を説明する図である。圧電素子122に駆動電圧を印加し、第2領域12の寸法及び形状等により決定される共振周波数で第2領域12を加振すると、第2領域12の運動方程式を満たす状態で第2領域12は振動する。
第2領域12が半径aの円形状の領域であり、第2領域12の外周部が全て固定されているとすると、第2領域12の中心からの位置r、角度φ及び時間tにおけるZ軸方向における変位量u(r、φ、t)は、次の(1)乃至(3)式で表される。
Figure 2022085870000002
Figure 2022085870000003
Figure 2022085870000004
(1)式のA、B、C及びDは定数を表し、Jmnはベッセル関数を表し、m(=0、1、2、・・・)はベッセル関数の次数を表す。n(n=1、2、3、・・・)はベッセル関数の値が0になるn番目のrを意味する。(2)式のTは内部応力を表し、ρは密度を表し、hは第2領域12の厚みを表す。
第2領域12の外周部は固定されているため、全ての時間tでZ軸方向への変位量は0である。例えば1次共振では、外周部以外において変位が常に0となる点は第2領域12上に存在しない。従って、1次共振では半径aがベッセル関数における1番目のゼロ点に該当する。
また、ベッセル関数のゼロ点の値は予め決まっている。1番目は2.405であり、2番目は5.520である。つまり、任意の位置r(r≦a)におけるベッセル関数の値は、1次共振時は以下の値となる。
第2反射部121の寸法や応力情報、共振周波数等により決定される時間tを上式u(r、φ、t)に代入することにより、共振時の第2反射部121の時間ごとの変位量を推測できる。
図6では、第2領域12が共振振動している。これにより、第2領域12に設けられた第2反射部121のZ軸方向における位置が変化することにより、共振器長が変化する。共振器長の変化に応じて発光部211が発するレーザ光の波長が変化する。
圧電素子122への駆動電圧に対してレーザ光の波長を線形に変化させるためには、第2領域12の寸法及び周波数により決定される時間ごとの変位量に基づき、駆動電圧を決定することが好ましい。
また、共振周波数から十分離れた周波数で第2領域12を振動させて、レーザ光の波長を変化させることもできる。この場合、共振駆動の場合と同等の大きな変位量を得ることはできないが、周波数の変動により変位量が大きく変動しないため、様々な周波数でレーザ光の波長を変化させることができる点において好適である。
駆動電圧と変位量が線形の関係を有する場合には、駆動電圧が時間に応じて線形に変化すれば変位量も時間に対して線形に変化する。これを利用し、共振駆動時と比べて波長の制御を容易に行うことができる。
ここで図7は、圧電素子122の駆動電圧と第2反射部121の変位量との関係の一例を示す図である。図7に示すように、圧電素子122の駆動電圧と第2反射部121の変位量は線形の関係を有する。
(反射部間距離と波長の関係例)
次に図8は、第1反射部22と第2反射部121との間の反射部間距離と、発光部211が発するレーザ光の波長の関係の一例を示す図である。図8に示すように、反射部間距離が長く、つまり共振器長が長くなると、発光部211が発するレーザ光の波長も長くなる。反対に、反射部間距離が短くなると、レーザ光の波長も短くなる。
レーザ光の波長の時間に対する線形性は、圧電素子122への駆動電圧に対するZ軸方向への変位量の線形性、及び共振器長に対するレーザ光の波長の線形性等により決定される。例えば、駆動電圧に対してZ軸方向への変位量が線形な関係を有すると、共振器長も同様に駆動電圧に対して線形に変化する。
また、図8において、反射部間距離の長さに対して比較的線形にレーザ光の波長が変化する領域で反射部間距離を変化させると、駆動電圧に対してレーザ光の波長を線形に変化させることができる。
また、第2領域12の共振周波数から離れた周波数により駆動させると、駆動電圧と変位量との関係は極めて線形に近くなる。従って、反射部間距離とレーザ光の波長が線形に変化する領域を選択すれば、駆動電圧を非線形に歪ませることなく、レーザ光の波長を時間に対して線形に変化させることができる。
<光源装置1の作用効果>
次に、光源装置1の作用効果について説明する。
従来から、FMCW-LiDAR装置等の光源として用いられる波長可変レーザが知られている。また、第1及び第2のミラーを含む光共振器と、第1及び第2のミラーの間に介在するゲイン領域と、静電駆動方式のMEMS駆動機構とを備え、第1及び第2のミラーの間の空隙をMEMS駆動機構により調節する構成が開示されている。
しかし、静電駆動方式では、空隙を挟むように配置された平行平板間に働く静電引力と、平行平板に接続された可動部による復元力とのつり合いにより、変位量と駆動速度(共振周波数)が決定する。
例えば、平行平板のうちの一方の平板は固定部に固定され、他方は可動部を介して支持部に接続されるとすると、静電引力は平行平板の面積W、真空誘電率ε、駆動電圧V及び変位xに依存し、ばね復元力はばね定数kと変位xに依存する。駆動電圧を印加すると、静電引力とばね復元力がつり合うような変位xが得られる。
また平行平板の共振周波数fは、ばね定数kと定数c、平行平板の質量mを用いて表すことができる。これらの関係に基づくと、ばね定数を大きくするほど変位量xは小さくなり、また共振周波数fは大きくなる。さらに質量mは、面積W、厚みh及び密度ρの積で表される。
以上の関係から、ばね定数によって制限された共振周波数と変位量の関係を示す曲線を高速(高周波数)で大きい変位量側にシフトさせるには、密度を小さく、厚みを薄く、駆動電圧を高くすればよいことが分かる。
例えば、共振周波数を10倍にするためには、他の変数を固定すると、密度は1/100、 厚みは1/100、電圧は10倍にすることが要求される。密度を1/100にするには新たな材料開発が必要になり、また可動部の厚みを薄くするにも新たな材料開発が必要になる。このような材料開発は容易ではない。また駆動電圧の高電圧化は、光源装置等の光学装置のサイズ、動作信頼性及び消費電力等の仕様に制限される場合がある。
以上のことから、静電駆動方式では、平行平板を高速且つ大きな変位量で駆動させて共振器長を変化させることが困難であり、レーザ光の波長を高速且つ広い波長範囲で変化させることに改善の余地がある。
本実施形態では、光源装置1は、発光部211と、発光部211を挟んで対向する第1反射部22および第2反射部121と、発光部211と第2反射部121の間に間隔がある状態で第2反射部121を保持する基部10と、印加される駆動電圧に応じて変形する圧電素子122(圧電部材)と、を有し、基部10は、第1領域11と、第1領域11よりも剛性が低い第2領域12とを含み、第2反射部121および圧電素子122が第2領域12に設けられ、駆動電圧の印加により圧電素子122が第2領域12を変形させて第2反射部121を駆動させ、第1反射部22および第2反射部121の距離に応じて波長が変化するレーザ光を発する。
剛性は、物体の寸法(長さ、厚さ等)や、物体を構成する材料の弾性率等により変化する。本実施形態では、第1領域11よりも第2領域を薄肉に形成することにより、相対的に高剛性の第1領域11と低剛性の第2領域12を実現している。可動部の共振周波数はその寸法や構成される材料の機械特性で決定される。構成材料が一定であれば、可動部の寸法が大きくなるほどばね定数が低下し、ばね定数と比例関係にある共振周波数が低下してしまう。しかし、可動部の周辺に可動部よりも高剛性の支持部を設けると、可動部の実質的な固定端を、低剛性の領域と高剛性の領域の境界近傍に近似することができる。つまり、第1領域11と第2領域12の境界近傍を、第2領域12の実質的な固定端とすることができる。一方、第1領域11を構成する材料として第2領域よりも高剛性の材料を用いることにより、第1領域11を厚くすることなく、相対的に高剛性の第1領域11と低剛性の第2領域12を実現することも可能である。
また、前述のように基部10内に低剛性の領域と高剛性の領域を形成する他に、基部10には支持層111等の高剛性の領域を設けず、低剛性の層(例えばシリコン活性層113)と接合部13とが接続される部分を高剛性の領域として、可動部の固定端を規定してもよい。この場合は、ばね定数を低下させないために、また、低剛性の可動部の機械的強度を保つために、基部10自体を十分に小さくすることが好ましい。
圧電素子122は第2反射部121を駆動させて、第1反射部22と第2反射部121との間の反射部間距離に該当する共振器長を変化させ、発光部211は共振器長に応じて波長が変化するレーザ光を発する。
薄肉の第2領域12を圧電素子122により変形させて第2反射部121を駆動させるため、高速且つ大きな変位量で第2反射部121を駆動させて共振器長を変化させることができる。例えば、1[MHz]以上の駆動速度、200[nm]以上の変位量で第2反射部121を駆動させることができる。これにより、レーザ光の波長を高速且つ広い波長範囲に変化させることができる。
ここで、図9は、圧電素子122の駆動電圧と光源装置1から射出されるレーザ光の波長の関係を示す図である。一例として、チューナブルレーザ光の波長域は920[nm]から950[nm]の範囲、駆動電圧幅は5[V]以下とする。駆動電圧に対する圧電素子の体積変形量が限りなく線形に近いため、圧電素子の変形により変位する第2領域12および第2反射部121のZ方向への変位量も線形に近くなる。さらに、図8における、反射部間距離(共振器長)に対する発振波長の変化が線形に近い領域(図8の例では発振波長が940nm付近)の近傍で第2反射部121を変位させることにより、駆動電圧に対する光源装置1から射出されるレーザ光の波長が線形に近くなる。
光源装置1や、光源装置1を搭載する装置の小型化のためには、電圧信号源の体積縮小は必須である。一般的に、電圧とその変調速度が大きくなると、電圧駆動源の体積は大きくなる傾向がある。さらに、波長の非線形性を補正する機能が必要になると、電圧駆動源の体積はさらに大きくなってしまう。光源装置1は、駆動電圧に対する波長の線形性が高く、かつ低い駆動電圧でも十分な波長変化幅を持つため、波長がMHzオーダーの速さで変化するチューナブルレーザ光源装置の小型化を実現することができる。
また本実施形態では、圧電素子122は、第2領域12における第2反射部121の周囲に円環状に設けられている。これにより、第2反射部121の周囲の方向から第2反射部121に対して均等に駆動力を付与することができ、第2反射部121の変位の制御を容易に行うことができる。
<圧電素子122の構成の変形例>
上述した実施形態では、圧電素子122が第2領域12における発光部211に対向する面に設けられた構成を例示したが、これに限定されるものではない。図10は、第2領域12周辺の構成の変形例を示す拡大断面図である。図10(a)は第1例を示す図、図10(b)は第2例を示す図である。
図10(a)に示すように、光源装置1aは、第2領域12を挟んで第2反射部121とは反対側に圧電素子122を設け、第2反射部121と圧電素子122とが重なる領域を有するよう配置している。この構成では、圧電素子122の面積が第2反射部121に制限されないため、圧電素子122の大面積化が可能である。圧電素子122の大面積化により、圧電素子122が発生する応力を増大させ、第2反射部121をより大きく変位させることができる。
また、図10(b)に示すように、光源装置1bは、第2領域12のZ軸負方向側に圧電素子122を設け、圧電素子122のZ軸負方向側に重ねて第2反射部121を積層形成している。この構成によっても、第2反射部121に制限されることなく圧電素子122を大面積化でき、また、第2領域12の一方の面に圧電素子122と第2反射部121を形成できるため、第2領域12の両面に成膜する手間を削減することができる。
なお、図10(b)では、第2領域12のZ軸負方向側に圧電素子122及び第2反射部121を設ける構成を例示したが、第2領域12のZ軸正方向側に圧電素子122及び第2反射部121を設けることもできる。
<基部10の変形例>
図11および図12は、基部10の第1変形例を示す図である。図11は平面図、図12は図11のA-A'断面図である。
図11および図12に示すように、基部10の第2領域12は、第2反射部121と第1領域11とを接続する複数の可動梁314を含む。可動梁314の形状は直線状である必要はなく、曲線状であったり、折れ曲がる部分があったりしてもよい。また、可動梁314の本数は2本以上であればよい。2本以上の可動梁314は、回転対称となるように配置されていることが好ましく、これにより、第2反射部121と第1反射部22との平行性を保ちつつ第2反射部121をZ方向へ駆動させることが容易になる。
可動梁314は、ドライエッチング等の半導体プロセスにより、領域316の支持層111、酸化絶縁層112およびシリコン活性層113を取り除くことによって形成できる。領域316の外周の領域が第1領域11となる。圧電素子322も同様に半導体プロセスにより、第2領域12の可動梁314上と、第1領域11のうち領域316の外周部にあたる領域上と、に形成される。可動梁314の寸法を調整することにより、可動梁314のばね定数を変化させ、第2反射部121の共振周波数と第2反射部121の共振時のZ方向への変位量の関係を設定できる。
本変形例の基部10は、可動梁314上と領域316の外周部の両方に圧電素子322を形成し、同時に電圧を印加することにより、第2反射部121のZ方向への共振時変位量をより大きくすることができる。可動梁314上の圧電素子322の体積が電圧印加により変化すると、圧電素子322が形成されている可動梁314が変形し、第2反射部121の位置が変化する。例えば、正弦波電圧を可動梁314上の圧電素子322に印加すると、第2反射部121は、Z方向に沿って、時間に対して正弦波状に位置が変化する。一方、可動梁314の共振周波数と同じ、もしくは近い周波数の電圧信号を圧電素子に印加すると、可動梁314は励振され共振現象が起き、非共振状態よりも大きい変位量を得ることができる。
領域316の外周部の圧電素子322に同様の正弦波電圧信号を印加すると、領域316の外周部近傍のシリコン活性層113は、可動梁314に対して小さい変位量において変形する。この振動が機械的に接続された可動梁314に伝わると、可動梁314は励振され共振現象が起こる。従って、高速に大きな変位量を得たい可動梁314と、可動梁314の外周に位置し、可動梁314が機械的に接続された領域の両者を、圧電素子322の収縮および膨張により変形させることにより、可動梁314上の第2反射部121を高速にかつ大変位量に運動させることができる。
図13および図14は、基部10の第2変形例を示す図である。図13は平面図、図14は図13のB-B'断面図である。
図13および図14に示すように、第2変形例では、第2反射部121として、シリコン活性層113の一部に周期的に空孔を空けることにより、その反射率を担保するHCG(High Contrast Grating)を有する反射鏡部311を用いている。一般的に、可動梁314の共振周波数はその質量に反比例する。複数の薄膜を重ねた多層膜ミラーや金属薄膜等で構成された反射部は、質量が大きくなる。一方、HCGはシリコンの単層で同等の反射率を実現できることから、第2反射部121として反射鏡部311を用いることにより、その共振周波数を高くすることができる。なお、反射鏡部311の材料は、シリコンに限定されず、光が伝播する空間の屈折率と異なる屈折率を有する材料であればよい。また、第2変形例では第1変形例に係る第2反射部121を、HCGを有する反射鏡部311とした構成としているが、第1実施形態(図1)の第2反射部121を、HCGを有する反射鏡部311としてもよい。
図15および図16は、基部10の第3変形例を示す図である。図15は平面図、図16は図15のC-C'断面図である。
図15および図16に示すように、第3変形例では、第1変形例とは異なり、可動梁314を構成する材料をシリコン活性層113ではなく多層膜反射鏡315としている。第2変形例では、シリコン活性層113により構成される可動梁314にHCGを形成して反射鏡部311としていたが、本変形例では可動梁314の材料そのものを多層膜反射鏡315として、第2反射部121を構成している。多層膜ミラーや金属薄膜等で構成された反射部ではシリコン活性層313上に反射鏡を成膜する工程が、HCG反射部ではシリコン活性層313にHCGの周期構造を形成する工程がそれぞれ必要であるが、本変形例では多層膜反射鏡315を可動する機能と光を反射する機能が単一の構成で実現できるため、本素子の加工プロセスを省略することができる。
さらに、多層膜の層数などを調整してその反射率を制御することにより、光源装置1から放出されるチューナブルレーザ光の放出方向を選択できる。例えば第1変形例および第2変形例に係る基部10の構成では、シリコン活性層113の吸収帯である波長を含むレーザ光を、シリコン活性層113を通過して放出させることは適当ではない。一方、本変形例に係る基部10の構成では、シリコン活性層113を使用していないため、シリコン活性層113の吸収帯である波長を含むレーザ光であっても、第2反射部121側(図1(b)の放出方向31側)からレーザ光を放出することができる。なお、第3変形例では第1変形例に係る可動梁314を構成するシリコン活性層113を多層膜反射鏡315とした構成としているが、第1実施形態のシリコン活性層113を多層膜反射鏡としてもよい。
第1変形例から第3変形例では、第2領域12の一部として、少なくとも2本の可動梁314を含む。一例として、可動梁314は、短手方向に1[μm]から100[μm]、長手方向に10[μm]から1000[μm]、厚さ方向に50[nm]から100[μm]である。可動梁314をこのような寸法とすることにより、共振周波数の高周波数化(例えば1[MHz]以上)および波長掃引幅の拡大を両立しつつ、装置を小型化することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る光源装置1cについて説明する。なお、第1実施形態で説明したものと同じ構成部には、同じ符号を付し、重複する説明を適宜省略する。この点は、以降に示す実施形態においても同様とする。
図17は、光源装置1cの構成の一例を説明する平面図である。図17に示すように、光源装置1cは、基部10を保持する第2基部110を備える点で第1実施形態と異なる。第2基部110は、第2支持部100と、第2可動部13a及び13bとを含む。第2支持部100は第3領域の一例であり、第2可動部13a及び13bは、第4領域の一例である。
第2可動部13aは、可動梁131aと可動梁132aが端部162aで連結し、可動梁133aと可動梁134aが端部161aで連結する蛇行構造(ミアンダ構造)を有し、第2可動部13aの一端が第1接続部151aを介して一端が第2支持部100に接続し、第2可動部13aの他端が第2接続部152aを介して他端が基部10に接続している。可動梁131a、132a、133a及び134aは、それぞれ梁部材の一例である。
可動梁131a、132a、133a及び134aはそれぞれZ軸負方向側の面に圧電素子141a、142a、143a及び144aを含んでいる。圧電素子141a、142a、143a及び144aは、それぞれ基部用駆動部の一例である。
圧電素子141a、142a、143a及び144aは、それぞれ第2支持部100に設けられた電極を介して印加される駆動電圧に応じて変形(例えば伸縮)する。圧電素子141a及び142aの変形に応じて可動梁131a及び132aが弾性変形し、圧電素子143a及び144aの変形に応じて可動梁133a及び134aが弾性変形することにより、基部10がZ軸方向に変位可能になっている。
また、第2可動部13bは、可動梁131bと可動梁132bが端部161bで連結し、可動梁133bと可動梁134bが端部162bで連結する蛇行構造(ミアンダ構造)を有し、第2可動部13bの一端が第1接続部151bを介して一端が第2支持部100に接続し、第2可動部13bの他端が第2接続部152bを介して他端が基部10に接続している。可動梁131b、132b、133b及び134bは、それぞれ梁部材の一例である。
可動梁131b、132b、133b及び134bはそれぞれZ軸負方向側の面に圧電素子141b、142b、143b及び144bを含んでいる。圧電素子141b、142b、143b及び144bは、それぞれ基部用駆動部の一例である。
圧電素子141b、142b、143b及び144bは、それぞれ第2支持部100に設けられた電極を介して印加される駆動電圧に応じて変形(例えば伸縮)する。圧電素子141b及び142bの変形に応じて可動梁131b及び132bが弾性変形し、圧電素子143b及び144bの変形に応じて可動梁133b及び134bが弾性変形することにより、基部10がZ軸方向に変位可能になっている。
可動梁131a、132a、133a、134a、131b、132b、133b及び134bは、基部10の第1領域および第2支持部100よりも薄肉に形成されていて、基部10の第1領域および第2支持部100よりも低剛性である。これにより、第1接続部151aの近傍及び第2接続部152aの近傍を第2可動部13aの実質的な固定端とし、第1接続部151bの近傍及び第2接続部152bの近傍を第2可動部13bの実質的な固定端とすることができる。
第2可動部13aによる変位量と第2可動部13bによる変位量が等しい場合には、基部10を該変位量だけZ軸方向に並進させることができる。また第2可動部13aによる変位量と第2可動部13bによる変位量が異なる場合には、基部10をY軸方向に沿って傾斜させることができる。
例えば、第2可動部13aによる変位量が第2可動部13bによる変位量より小さい場合には、基部10のY軸負方向側はZ軸負方向に相対的に小さく変位し、基部10のY軸正方向側はZ軸負方向に相対的に大きく変位する。これにより、基部10をY軸方向に沿って傾斜させることができる。
なお、図17は、基部10における第2反射部121が設けられた側を表示したものである。第2支持部100のZ軸負方向側にはVCSEL素子20が配置され、接合部13を介して第2支持部100とVCSEL素子20は接合している。
ここで、第1実施形態で示した光源装置1の製造では、VCSEL素子20と基部10との間のZ軸方向に沿う距離が、製造される複数の光源装置1ごとでばらつく場合がある。この距離が所望の反射部間距離からずれると、所望の波長のレーザ光を発することができない場合がある。
接合時にVCSEL素子20と基部10との間の距離を調整して、反射部間距離を補正する作業は、時間と手間がかかる。また圧電素子122にオフセットの駆動電圧を印加し、第2反射部121をZ軸方向に並進させて反射部間距離を補正する場合には、第2反射部121のZ軸方向への並進量に制限があるため、所望の反射部間距離に対するずれが大きいと、反射部間距離を補正しきれない場合がある。
本実施形態では、第2可動部13a及び13bの圧電素子(141a、142a、143a、144a、141b、142b、143b及び144b)にバイアス電圧をかけ、第2可動部13a及び13bにより基部10をZ軸方向に駆動させることにより、VCSEL素子20と基部10の間の距離を変化させて補正する。これにより、VCSEL素子20と基部10との間の距離を補正する作業を削減し、反射部間距離を容易に補正できる。
また、第2可動部13a及び13bがそれぞれ蛇行構造を有することにより、圧電素子122による駆動と比較して基部10を大きく変位させることができる。そのため、所望の反射部間距離に対するずれが大きい場合にも、反射部間距離を補正することができる。
さらに、VCSEL素子20と基部10とが傾いている場合には、第2可動部13a及び13bにより基部10を傾斜させることにより、VCSEL素子20に対する基部10の傾斜角度を変化させて補正できる。なお、反射部間距離とVCSEL素子20に対する基部10の傾斜角度の両方を変化させて補正してもよい。
さらに、光源装置1cは、第2反射部121の駆動と基部10の駆動とを分離して、個別に駆動することができる。つまり、第2可動部13a及び13bの圧電素子にかけるバイアス電圧を維持したまま、基部の第2領域上の圧電素子122に、時間に対して連続的、周期的に変化する駆動電圧、たとえば正弦波や三角波、のこぎり波を印加することにより、レーザ光の波長を連続的に高速に変調できる。また、第2可動部13a及び13bの圧電素子にかけるバイアス電圧の値を変化させることにより、連続的な波長変化の幅は維持しつつ、その中心波長を調整することができる。この機能は、反射部間距離を大きく変化させられる第2可動部13a及び13bと、高速に波長を掃引できる第2領域の相乗効果によるものである。なお、従来の静電式のチューナブルレーザでは、レーザ光の波長の連続的な高速変調とレーザ光の中心波長の調整とを同時に実現することは困難である。なぜなら、静電式の駆動部は空隙を介して対向する2つの面の間に一様に働く静電引力を利用して反射鏡部を駆動させため、駆動する箇所や駆動特性を面内において分割することができないためである。
第2反射部121の駆動と基部10の駆動とを個別に行うためには、第2可動部13a及び13bとそれぞれ第1接続部151a、第2接続部152aを介して接続された基部10の共振周波数が、第2領域12内の第2反射部121の共振周波数と50Hz以上離れていることが好ましい。第2反射部121を第2領域12の共振周波数で振動させたとき、基部10の共振周波数が同等あるいは両者の共振周波数の絶対差が50Hzより小さい場合、第2反射部121の振動により第2反射部121を含む基部10自体が励振され、バイアス電圧により変位を固定した基部10の位置が変動してしまうおそれがある。基部10、第2可動部13a及び13bの共振周波数と、第2反射部121及び第2領域12の共振周波数に差をつけることにより、特にその差を50Hz以上とすることにより、反射部間距離を変化させてレーザ光の中心波長を変化させつつ、レーザ光の波長を高速に掃引することを安定的に行うことができる。
また、第2反射部121の駆動周波数を基部10の駆動周波数よりも大きくする場合、第2領域12は、第2可動部13a及び13bの可動梁(131a、132a、133a、134a、131b、132b、133b及び134b)よりも高剛性であることが好ましい。さらに、第2領域12の質量が第2可動部13a及び13bの質量よりも小さいことが好ましい。
なお、本実施形態では、2つの第2可動部13a及び13bを有する構成を例示したが、光源装置1cは、3以上の可動部を備えることもできる。また、第2可動部13a及び13bの構造として、2つの可動梁131a及び131bを有する蛇行構造を例示したが、第2可動部13a及び13bは、3以上の可動梁を有する蛇行構造を備えることもできる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る光源装置1dについて説明する。
図18は、光源装置1dの構成の一例を説明する平面図である。図18に示すように、光源装置1dは、第2実施形態の光源装置1cの基部10を基部10dに変えたものである。光源装置1dは、基部10dを有する。基部10dは、4つの第2領域12a、12b、12c及び12dを有する。4つの第2領域12a、12b、12c及び12dは、基部10dの平面内に2次元状に配列している。
第2領域12aは、第2反射部121aと、第2反射部121aの周囲に円環状に設けられた圧電素子122aとを有し、第2領域12bは、第2反射部121bと、第2反射部121bの周囲に円環状に設けられた圧電素子122bとを有する。第2領域12cは、第2反射部121cと、第2反射部121cの周囲に円環状に設けられた圧電素子122cとを有し、第2領域12dは、第2反射部121dと、第2反射部121dの周囲に円環状に設けられた圧電素子122dとを有する。
圧電素子122aは第2反射部121aを、圧電素子122bは第2反射部121bを、圧電素子122cは第2反射部121cを、圧電素子122dは第2反射部121dを、それぞれ独立して駆動させることができる。
第2領域12a、12b、12c及び12dの機能及び構成は、第2領域12と同様であり、第2反射部121a、121b、121c及び121dの機能及び構成は、第2反射部121と同様である。圧電素子122a、122b、122c及び122dの機能及び構成は圧電素子122と同様である。
なお、図18は、基部10dにおける第2反射部121a、121b、121c及び121dが設けられた側を表示したものである。第2支持部100のZ軸負方向側にはVCSEL素子20が配置され、接合部13を介して第2支持部100とVCSEL素子20は接合している。
また、VCSEL素子20は、第2反射部121a、121b、121c及び121dに1対1で対応するように配置された複数の発光部211を有する。第2反射部121a、121b、121c及び121dは、それぞれ複数の発光部211を介して第1反射部22と共振器を構成し、複数の発光部211は、共振器長に応じた波長のレーザ光を発することができる。
このように、複数の発光部211がレーザ光を発することにより、光源装置1dはレーザ光の光量を増加させることができる。また、複数の発光部211がそれぞれタイミングをずらしてレーザ光を発するように駆動させると、各発光部211の発光時間を短縮し、レーザ光を発することに伴う発熱を抑制できるとともに、光源装置1dが全体としてレーザ光を発する時間を長くすることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係るレーザレーダ装置200について説明する。図19は、距離測定装置の一例であるレーザレーダ装置200の構成の一例を説明するブロック図である。レーザレーダ装置200は、例えば、対象物の距離を測定するFMCW-LiDAR装置である。
図19に示すように、レーザレーダ装置200は、光源装置1と、光カプラ202と、光ミキサ203と、光検出器204と、AD変換器205と、周波数解析処理器206とを有する。
光源装置1は、駆動電圧に応じて波長が変化するチューナブルレーザ光を発する。光カプラ202は、光源装置1からのチューナブルレーザ光を所定のエネルギー比率により2つに分岐する。光カプラ202は、分岐したチューナブルレーザ光の一方を照射波230として対象物300に照射し、他方を参照波231として光ミキサ203に入射させる。
照射されたチューナブルレーザ光が対象物300により反射又は散乱された戻り波232は、光ミキサ203に入射する。光ミキサ203は、戻り波232と参照波231を重ね合わせて干渉波を生じさせる。
この際に、戻り波232には対象物300との距離による時間遅れが発生している。対象物300がレーザレーダ装置200に対して動いている場合は、ドップラ効果による周波数シフトも生じている。
光検出器204は、光ミキサ203による干渉波を受光し、干渉波の光強度に応じた電圧信号を出力する。光ミキサ203による干渉波から得られる電圧信号(ビート信号)は、参照波231と戻り波232の周波数差とドップラ効果による周波数シフトを含んでいる。
AD変換器205は、光検出器204から入力したアナログ電圧信号をA/D(Analog/Digital)変換し、デジタル信号を周波数解析処理器206に出力する。周波数解析処理器206は、入力したデジタル信号をフーリエ変換等により解析し、解析により検出した周波数ピーク情報から参照波231と戻り波232の周波数差を算出する。レーザレーダ装置200は、この周波数差に基づき、対象物300との距離と対象物300の相対速度の少なくとも一方の情報を取得して出力する。
ここで、従来から、チューナブルレーザ光を利用するFMCW-LiDAR装置では、チューナブルレーザ光の時間に対する波長変化の線形性が悪いと、測定精度が著しく低下する場合がある。
レーザレーダ装置200は、光源装置1を用いることにより、高速且つ広い波長範囲で変化し、時間に対する波長変化の線形性が良好なチューナブルレーザ光を測定に利用することができる。これにより測定精度を向上させることができる。
また、チューナブルレーザ光の連続光を測距空間に二次元的に走査して3次元点群を取得する場合には、一つの点群に対して1回の波長掃引を行うことが好ましい。なお、波長掃引とは、波長を時間変化させることをいう。また測距空間とは、距離を測定する対象となる空間をいう。
レーザレーダ装置200の1フレームごとの測距点数をN、フレームレートをFとすると、少なくとも1秒間にF×N回、つまりF×N[Hz]の波長掃引速度が要求される。
例えば、測距点数が水平方向の点数と垂直方向の点数の積と仮定し、各方向の測距点数が10点とすると、総点数は10となる。また、フレームレートを10とすると、最低限必要な波長掃引速度は10×10 =10[Hz]、 つまり1[MHz]となる。
従って、レーザレーダ装置200の高フレームレート、高解像度化には、波長掃引速度のMHz程度への高速化が要求される。
また、レーザレーダ装置200の測定精度は、波長掃引の線形性だけではなく、変化可能な波長範囲の広さに依存する。具体的には、波長範囲が広い程、測定精度は向上し、サブミリメートル程度での距離測定も可能になる。波長範囲を拡大するためには、第2反射部121の変位量を大きくして反射部間距離を長くすることが好ましい。
比較例に係る静電駆動方式で可動部を駆動させる光源装置では、可動部の駆動による反射部の変位量が電圧の1乗に比例しない。ここで、図20は、比較例に係る光源装置の、駆動電圧と反射部の変位量との関係の一例を示している。図20に示すように、駆動電圧に対する変位量の傾きが一定ではない。
この現象は、反射部の位置が、反射部に対向配置された平板との間に働く静電引力と可動部のばね復元力が釣り合う条件により決定されること、また静電引力が電圧の2乗に比例することに起因するものである。
従って、静電駆動方式により可動部を駆動させる光源装置をレーザレーダ装置に適用するためには、波長掃引の線形性を確保するために、予め駆動電圧を歪ませる必要があり、制御が複雑になる。
また可動部の共振周波数は、可動部の密度の逆数の平方根、厚みの逆数の平方根及び駆動電圧に比例する。そのため共振周波数を10倍にするには、他のパラメータを固定するという前提では、密度や厚みを100分の1、或いは駆動電圧を10倍にする必要がある。
可動部の破損を防ぐための機械強度を維持しつつ、密度や厚みを小さくするのは容易ではない。また駆動電圧の高電圧化は、光源装置等の光学装置のサイズ、動作信頼性及び消費電力等の仕様に制限される場合がある。
静電駆動方式の可動部の共振周波数と変位量は反比例の関係にある。従って、たとえMHz程度での駆動を実現しても、同時に波長範囲を拡大するだけの十分な変位量を得ることができない。このように、静電駆動方式により可動部を駆動させる光源装置をFMCW-LiDAR方式のレーザレーダ装置に適用すると、高い測定精度が得られない場合がある。
実施形態に係る光源装置1を利用することにより、高速且つ広い波長範囲で波長が変化するチューナブルレーザ光を利用できる。これによりレーザレーダ装置200を高フレームレート化し、平面内(XY平面内)での対象物300の空間分解能を向上でき、対象物300との距離又はレーザレーダ装置200に対する対象物300の相対速度の少なくとも一方の測定精度を向上できる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態は移動体に関する。図21は、第5実施形態に係る移動体の一例としての自動車を示す図である。第5実施形態に係る移動体の一例としての自動車500の前面上方(例えばフロントグラスの上部)には、第4実施形態のレーザレーダ装置200が設けられている。なお、レーザレーダ装置200は、対象物との距離又は該対象物の速度の少なくとも一方を測定する距離測定装置の一例である。本実施形態では、レーザレーダ装置200は、自動車500の周囲の物体502(対象物)までの距離を計測する。レーザレーダ装置200の計測結果は、自動車500の有する制御部に入力され、制御部はこの計測結果に基づいて、移動体の動作の制御を行う。若しくは、制御部は、レーザレーダ装置200の計測結果に基づいて、自動車500の運転者501へ向けて自動車500内に設けられた表示部に警告表示を行ってもよい。
このように、第5実施形態では、レーザレーダ装置200を自動車500に設けることにより、高精度に自動車500の周辺の物体502の位置を認識することができる。なお、レーザレーダ装置200の搭載位置は、自動車500の上部前方に限定されず、側面や後方に搭載されてもよい。また、この例では、レーザレーダ装置200を自動車500に設けたが、レーザレーダ装置200を航空機又は船舶に設けてもよい。また、ドローン及びロボット等の、運転者が存在しない、自律移動を行う移動体に設けてもよい。
以上、実施形態を説明してきたが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
また、上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
1 光源装置(光学装置の一例)
10 基部
11 第1領域
12 第2領域
121 第2反射部
122 圧電素子(圧電部材の一例)
314 可動梁
13 接合部
110 第2基部
13a、13b 第2可動部
131a、132a、133a、134a 可動梁
131b、132b、133b、134b 可動梁
141a、142a、143a、144a 圧電素子(基部用駆動部の一例)
141b、142b、143b、144b 圧電素子(基部用駆動部の一例)
20 VCSEL素子
21 メサ
22 第1反射部
211 発光部
200 レーザレーダ装置(距離測定装置の一例)
500 自動車(移動体の一例)
501 運転者
特許6328112号公報

Claims (17)

  1. レーザ光を発する光学装置であって、
    発光部と、
    該発光部を挟んで対向する第1反射部および第2反射部と、
    前記発光部と前記第2反射部の間に間隔がある状態で前記第2反射部を保持する基部と、
    印加される駆動電圧に応じて変形する圧電部材と、を有し、
    前記基部は、第1領域と、前記第1領域よりも剛性が低い第2領域とを含み、
    前記第2反射部および前記圧電部材が前記第2領域に設けられ、前記駆動電圧の印加により前記圧電部材が前記第2領域を変形させて前記第2反射部を駆動させ、前記第1反射部および前記第2反射部の距離に応じて波長が変化するレーザ光を発する、光学装置。
  2. 前記第2領域は、前記第1領域よりも薄く形成されている請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記圧電部材の少なくとも一部は、前記第2領域における前記第2反射部の周囲に設けられている請求項1または2に記載の光学装置。
  4. 前記第2反射部と前記圧電部材とが重なる領域を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の光学装置。
  5. 前記圧電部材は、前記第2領域における前記発光部に対向する面に設けられている請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学装置。
  6. 前記圧電部材は、前記第2領域における前記発光部に対向する面とは反対側の面に設けられている請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学装置。
  7. 前記基部を保持する第2基部と、
    前記基部を駆動させる基部用駆動部と、をさらに有し、
    前記第2基部は、第3領域と、該第3領域よりも剛性が低く、前記基部と前記第3領域とを接続する第4領域と、を有し、
    前記基部用駆動部は、前記第4領域を変形させて前記基部を駆動させることにより、前記第1反射部と前記第2反射部との距離又は前記第1反射部に対する前記第2反射部の傾斜角度の少なくとも一方を変化させる
    請求項1乃至6の何れか1項に記載の光学装置。
  8. 前記第2反射部及び前記第2領域の共振周波数は、前記基部及び前記第3領域の共振周波数と異なる請求項7に記載の光学装置。
  9. 前記第4領域は、隣接する複数の梁部材が該梁部材の端部同士で連結する蛇行構造を有する請求項7または8に記載の光学装置。
  10. 2以上の前記第4領域と、
    2以上の前記第4領域ごとに設けられ、前記基部を駆動させる2以上の前記基部用駆動部と、を有する請求項7乃至9の何れか1項に記載の光学装置。
  11. 前記基部は、複数の前記第2領域を含み、
    複数の前記第2領域のそれぞれは、前記第2反射部と、前記圧電部材と、を含む請求項1乃至10の何れか1項に記載の光学装置。
  12. 前記圧電部材は、前記第2反射部を独立して駆動させる請求項11に記載の光学装置。
  13. 前記第2反射部は、前記第2領域を構成する部材上に形成された反射鏡である請求項1乃至12の何れか1項に記載の光学装置。
  14. 前記第2反射部は、前記第2領域を構成する部材に形成された周期構造を含む請求項1乃至12の何れか1項に記載の光学装置。
  15. 前記第2領域を構成する部材は多層膜反射鏡を含む請求項1乃至12の何れか1項に記載の光学装置。
  16. 対象物との距離又は前記対象物の速度の少なくとも一方を測定する距離測定装置であって、
    請求項1乃至15何れか1項に記載の光学装置を有し、
    前記光学装置から前記対象物に照射された前記レーザ光の前記対象物からの戻り光に基づき、前記距離又は速度の少なくとも一方を測定する距離測定装置。
  17. 請求項16に記載の距離測定装置を備える移動体。
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