JP2022084415A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】リン脂質を含有し、保存安定性に優れ、高い透明性を有する水中油型乳化組成物を提供すること。【解決手段】下記成分(A)~(E):(A)ホスファチジルコリンを90重量%以上含有するリン脂質(B)リゾホスファチジルコリンを70重量%以上含有するリゾリン脂質(C)多価アルコール(D)非極性油(E)極性油を含有し、透過率が90%以上であることを特徴とする水中油型乳化組成物であり、保存安定性に優れ、高い透明性を有する水中油型乳化組成物を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、リン脂質を含有し、保存安定性に優れ、高い透明性を有する水中油型乳化組成物に関する。
リン脂質は皮膚安全性や経皮吸収性を高める乳化剤として医薬品や化粧品等に利用されている。しかしながら、リン脂質は十分な乳化能を有さないため、乳化組成物は分離を起こしやすい。また経時的にリン脂質が析出し、組成物の透明性が失われたり、沈殿物が生じるといった問題もあり、長期間安定な乳化組成物を得ることは難しい。
これまでに、高圧乳化機を利用し粒子を微細化することでリン脂質含有乳化組成物の安定性を向上させる方法が提案されている(特許文献1)。さらには、特定の構造を有するエステル油、リン脂質、多価アルコール、非イオン性界面活性剤を併用することで高圧乳化機等の特別な装置を利用しなくても、保存安定性、透明性に優れたO/W型乳化組成物が得られる方法も提案されている(特許文献2)。しかしながら、特許文献2の技術は、上記エステル油以外の油、特に非極性油を含有した場合、保存安定性が低下するといった課題があった。
一方、酵素改質リン脂質の一つであるリゾリン脂質もリン脂質同様に乳化剤として広く利用されている。リン脂質とリゾリン脂質を組み合わせた乳化組成物としては、例えば、リン脂質、リゾリン脂質、フェノキシエタノールを含有するナノエマルションが提案されている(特許文献3)。しかしながら、この技術においては、フェノキシエタノールが保存安定性に必須であること、またリン脂質のホスファチジルコリン含量やリゾリン脂質のリゾホスファチジルコリン含量に関する具体的な記載はない。
本発明は、リン脂質を含有し、保存安定性に優れ、高い透明性を有する水中油型乳化組成物を提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題に対し鋭意検討を行った結果、ホスファチジルコリンを90重量%以上含有するリン脂質、リゾホスファチジルコリンを70重量%以上含有するリゾリン脂質、多価アルコール、非極性油、極性油を含有する水中油型乳化組成物が上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(A)ホスファチジルコリンを90重量%以上含有するリン脂質
(B)リゾホスファチジルコリンを70重量%以上含有するリゾリン脂質
(C)多価アルコール
(D)非極性油
(E)極性油
を含有し、透過率が90%以上であることを特徴とする水中油型乳化組成物を提供するものである。
(A)ホスファチジルコリンを90重量%以上含有するリン脂質
(B)リゾホスファチジルコリンを70重量%以上含有するリゾリン脂質
(C)多価アルコール
(D)非極性油
(E)極性油
を含有し、透過率が90%以上であることを特徴とする水中油型乳化組成物を提供するものである。
また本発明は、成分(A)と成分(B)の重量比(成分(A)/成分(B))が1~100であることを特徴とする水中油型乳化組成物を提供するものである。
また本発明は、成分(D)と成分(E)をあわせた含有量が0.05~3重量%であることを特徴とする水中油型乳化組成物を提供するものである。
また本発明は、成分(F)有機酸塩を含有することを特徴とする水中油型乳化組成物を提供するものである。
本発明の水中油型乳化組成物は、リン脂質を含有し、保存安定性に優れ、高い透明性を有する水中油型乳化組成物である。
本発明に用いられる成分(A)のリン脂質とは、分子内にリン酸基とアシル基及び/又はアルキル基からなる疎水基を2個以上有するものをいい、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸及びこれらの水素添加物等が挙げられる。これらは大豆由来、卵黄由来等、通常化粧料に用いられるものであれば、いずれも用いることができるが、水素添加大豆リン脂質が好ましい。
本発明に用いられる成分(A)のリン脂質は、ホスファチジルコリンを90重量%以上含有するリン脂質であり、好ましくは、ホスファチジルコリンを92重量%以上含有するリン脂質である。リン脂質のヨウ素価の範囲については、特に限定されないが、好ましくは30~70の範囲であり、さらに好ましくは38~60である。この範囲であるとより高い乳化安定性が得られる。尚、ヨウ素価は、医薬部外品原料規格2006一般試験法「ヨウ素価測定法」に準じて測定することができる。
本発明に用いられる成分(A)の含有量は、特に限定されないが、乳化組成物中に0.05~2重量%が好ましく、0.1~1重量%がより好ましい。この範囲であると、より高い乳化安定性が得られる。
本発明に用いられる成分(B)のリゾリン脂質とは、酵素改質リン脂質の一つであり、分子内にリン酸基とアシル基又はアルキル基からなる疎水基を1個有するものをいう。例えば、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸及びこれらの水素添加物等が挙げられる。これらは大豆由来、卵黄由来等、通常化粧料に用いられるものであれば、いずれも用いることができるが、水素添加大豆リゾリン脂質が好ましい。
本発明に用いられる成分(B)のリゾリン脂質は、リゾホスファチジルコリンを70重量%以上含有するリゾリン脂質であり、好ましくはリゾホスファチジルコリンを80重量%以上含有するリゾリン脂質である。リゾリン脂質のヨウ素価については、特に限定されないが、好ましくは1~50の範囲であり、さらに好ましくは20~40である。この範囲であるとより高い乳化安定性が得られる。
本発明に用いられる成分(B)の含有量は、特に限定されないが、0.005~1重量%が好ましく、0.01~0.5重量%がより好ましい。この範囲であると、より高い乳化安定性が得られる。
また成分(A)と成分(B)の重量比(成分(A)/成分(B))が1~100であることが好ましく、2~50であることがより好ましい。この範囲であれば特に乳化安定性に優れる。
本発明に用いられる成分(C)多価アルコールは、特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ジグリセリン等が挙げられる。中でも1,3-ブチレングリコール及びジプロピレングリコールが好ましく、ジプロピレングリコールがより好ましい。これらの多価アルコールは、単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用することもできる。
本発明に用いられる成分(C)の含有量は、特に限定されないが、0.1~30重量%が好ましく、1~20重量%がより好ましい。この範囲であると、より高い乳化安定性が得られる。
本発明に用いられる成分(D)非極性油とは、炭素と水素のみからなる油剤であり、例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等が挙げられ、その中でもスクワランが好ましい。これらを単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用することもできる。
本発明に用いられる成分(D)の含有量は、特に限定されないが、0.01~3重量%が好ましく、0.05~1重量%がより好ましい。この範囲であれば、より高い乳化安定性及び高い透明性が得られる。
本発明に用いられる成分(E)極性油とは、高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、エーテル、エステル油等の分子中に水酸基、カルボキシル基、エーテル結合、エステル結合を含む油剤であり、例えば、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、アボカド油、オリーブ油、パーシック油、ククイナッツ油、ブドウ種子油、サフラワー油、アーモンド油、コーン油、ピスタシオ種子油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油、ジイソノニルエーテル、ホホバ油、ミリスチン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸エチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソセチル、ステアリン酸イソセチル、パルミチン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸エチルヘキシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、サリチル酸ブチルオクチル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、2,6-ナフタリンジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリエチルヘキシル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル、デカマカデミアナッツ油脂肪酸デカグリセリル等が挙げられ、これらを単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用することもできる。その中でもエステル油が好ましく、イソノナン酸イソトリデシルがより好ましい。
本発明に用いられる成分(E)の含有量は、特に限定されないが、0.01~3重量%が好ましく、0.05~1重量%がより好ましい。この範囲であれば、より高い乳化安定性及び高い透明性が得られる。
また成分(D)と成分(E)をあわせた含有量が0.05~3重量%であることが好ましく、0.1~1重量%であることがより好ましい。この範囲であれば特に乳化安定性及び透明性に優れる。
本発明に用いられる成分(F)有機酸塩は、特に限定されないが、例えば、クエン酸塩、乳酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、ポリグタミン酸塩等が挙げられ、これらを単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用することもできる。中でも、クエン酸塩が好ましく、クエン酸三カリウムがより好ましい。
本発明に用いられる成分(F)の含有量は、特に限定されないが、0.1~5重量%が好ましく、0.5~3重量%がより好ましい。この範囲であれば特に保存安定性に優れる。
本発明の水中油型乳化組成物は、透過率が90%以上であり、好ましくは95%以上である。透過率は、分光光度計を用いて、可視光領域の波長600nmにおける光の透過率を光路長10mmの石英セルで測定される。尚、測定は20℃で行い、水の透過率を100%とする。
また本発明の水中油型乳化組成物の平均粒子径は、20~100nmが好ましく、20~70nmがより好ましい。平均粒子径は動的光散乱装置を用いて測定することができる。
本発明の水中油型乳化組成物には、上記必須成分の他に、通常の化粧料に用いられる成分として、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等の両親媒性物質、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の高分子類、色素、ビタミン類、紫外線吸収剤、ホルモン剤、香料、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤等を本発明の効果を損なわない範囲にて含有することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、含有量については重量%で示す。
(平均粒子径)
得られた乳化組成物を、透明瓶に充填し、20℃の恒温槽にて24時間保管した後、粒子径測定を行った。粒子径の測定には、FPAR-1000(大塚電子社製)を用いた。
得られた乳化組成物を、透明瓶に充填し、20℃の恒温槽にて24時間保管した後、粒子径測定を行った。粒子径の測定には、FPAR-1000(大塚電子社製)を用いた。
(透過率評価)
得られた乳化組成物を、透明瓶に充填し、20℃の恒温槽にて24時間保管した後、透過率測定を行い、下記の判断基準に従って評価した。透過率の測定には、V-660紫外可視分光光度計(日本分光社製)を用いた。
◎:透過率が95%以上。
○:透過率が90%以上、95%未満。
×:透過率が90%未満。
得られた乳化組成物を、透明瓶に充填し、20℃の恒温槽にて24時間保管した後、透過率測定を行い、下記の判断基準に従って評価した。透過率の測定には、V-660紫外可視分光光度計(日本分光社製)を用いた。
◎:透過率が95%以上。
○:透過率が90%以上、95%未満。
×:透過率が90%未満。
(保存安定性評価)
得られた乳化組成物を、透明瓶に充填し、4℃及び40℃の恒温槽にて6カ月保管した後、目視による外観観察及び透過率の測定を行い、下記の判断基準に従って評価した。
◎:外観に大きな変化がなく、透過率が95%以上。
○:外観に大きな変化がなく、透過率が90%以上、95%未満。
△:外観に大きな変化はないが、透過率が90%未満。
×:外観が明らかに白濁及び/又は析出物が見られる。
得られた乳化組成物を、透明瓶に充填し、4℃及び40℃の恒温槽にて6カ月保管した後、目視による外観観察及び透過率の測定を行い、下記の判断基準に従って評価した。
◎:外観に大きな変化がなく、透過率が95%以上。
○:外観に大きな変化がなく、透過率が90%以上、95%未満。
△:外観に大きな変化はないが、透過率が90%未満。
×:外観が明らかに白濁及び/又は析出物が見られる。
表1の処方により得られた乳化組成物は、以下に示す製造方法により調製した。
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分6の一部に溶解させた後、成分3~5を添加した。そこに80℃に加熱した成分6~9を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分6の一部に溶解させた後、成分3~5を添加した。そこに80℃に加熱した成分6~9を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
表1の結果より、本発明の組成物である実施例1~8では、評価した全ての項目において満足する結果が得られた。特に、成分(A)水素添加大豆リン脂質(ホスファチジルコリン92重量%含有、ヨウ素価40)の含有量が0.1~1重量%、かつ、成分(B)水素添加大豆リゾリン脂質(リゾホスファチジルコリン84重量%含有、ヨウ素価27)の含有量が0.01~0.5重量%である組成物(実施例2、3、6、7)は、評価した全ての項目において格段に優れた結果が得られた。一方、成分(A)を含有していない組成物(比較例1)、成分(B)を含有していない組成物(比較例2)は、満足する結果が得られなかった。
表2の処方により得られた乳化組成物は、以下に示す製造方法により調製した。
(製造方法)
80℃にて成分1~7を成分11の一部に溶解させた後、成分8~10を添加した。そこに80℃に加熱した成分11~15を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
(製造方法)
80℃にて成分1~7を成分11の一部に溶解させた後、成分8~10を添加した。そこに80℃に加熱した成分11~15を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
表2の結果より、本発明の組成物である実施例9~16では、評価した全ての項目において満足する結果が得られた。成分(A)水素添加大豆リン脂質と成分(B)水素添加大豆リゾリン脂質の重量比である成分(A)/成分(B)が異なる実施例9~12において、特に、成分(A)/成分(B)が2~50である組成物(実施例10、11)は、評価した全ての項目において格段に優れた結果が得られた。また成分(A)のホスファチジルコリン含量やヨウ素価、成分(B)のリゾホスファチジルコリン含量やヨウ素価によって評価結果は異なり(実施例13~16)、成分(A)として水素添加大豆リン脂質(ホスファチジルコリン92重量%含有、ヨウ素価40)、成分(B)として水素添加大豆リゾリン脂質(リゾホスファチジルコリン84重量%含有、ヨウ素価27)を含有した組成物(実施例13)は、評価した全ての項目において格段に優れた結果が得られた。一方、成分(A)の代わりに水素添加大豆リン脂質(ホスファチジルコリン70重量%含有、ヨウ素価38)を含有した組成物(比較例3)や成分(B)の代わりに水素添加大豆リゾリン脂質(リゾホスファチジルコリン25重量%含有、ヨウ素価5)を含有した組成物(比較例4)は、満足する結果が得られなかった。
表3の処方により得られた乳化組成物は、以下に示す製造方法により調製した。
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分8の一部に溶解させた後、成分3~7を添加した。そこに80℃に加熱した成分8~12を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分8の一部に溶解させた後、成分3~7を添加した。そこに80℃に加熱した成分8~12を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
表3の結果より、本発明の組成物である実施例17~25では、評価した全ての項目において満足する結果が得られた。特に、成分(D)スクワランの含有量が0.05~1重量%、成分(E)イソノナン酸イソトリデシルの含有量が0.05~1重量%であり、成分(D)と成分(E)をあわせた含有量(成分(D)+成分(E))が0.1~1重量%である組成物(実施例18、19、22)は、評価した全ての項目において格段に優れた結果が得られた。一方、成分(D)を含有していない組成物(比較例5)や成分(E)を含有していない組成物(比較例6)は、保存安定性において満足する結果が得られなかった。
表4の処方により得られた乳化組成物は、以下に示す製造方法により調製した。
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分6の一部に溶解させた後、成分3~5を添加した。そこに80℃に加熱した成分6~11を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分6の一部に溶解させた後、成分3~5を添加した。そこに80℃に加熱した成分6~11を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
表4の結果より、本発明の組成物である実施例26~31では、評価した全ての項目において満足する結果が得られた。特に、成分(F)としてクエン酸三カリウムを0.5~3重量%含有した組成物(実施例27、28)は、評価した全ての項目において格段に優れた結果が得られた。
以下に、本発明のその他の実施例を示す。
(実施例32)
(成分) (重量%)
1.水素添加大豆リン脂質※1 0.4
2.水素添加大豆リゾリン脂質※2 0.1
3.スクワラン 0.3
4.水添ポリイソブテン 0.2
5.イソノナン酸イソトリデシル 0.2
6.ポリオキシエチレン(30)フィトステロール 0.3
7.ジプロピレングリコール 8.0
8.フェノキシエタノール 0.5
9.1,2-ペンチレングリコール 2.0
10.グリセリン 5.0
11.グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
12.ラウリン酸スクロース 0.05
13.クエン酸三カリウム 1.0
14.精製水 残 余
※1ホスファチジルコリン92重量%含有、ヨウ素価40
※2リゾホスファチジルコリン84重量%含有、ヨウ素価27
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分7の一部に溶解させた後、成分3~6を添加した。そこに80℃に加熱した成分7~14を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
(成分) (重量%)
1.水素添加大豆リン脂質※1 0.4
2.水素添加大豆リゾリン脂質※2 0.1
3.スクワラン 0.3
4.水添ポリイソブテン 0.2
5.イソノナン酸イソトリデシル 0.2
6.ポリオキシエチレン(30)フィトステロール 0.3
7.ジプロピレングリコール 8.0
8.フェノキシエタノール 0.5
9.1,2-ペンチレングリコール 2.0
10.グリセリン 5.0
11.グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
12.ラウリン酸スクロース 0.05
13.クエン酸三カリウム 1.0
14.精製水 残 余
※1ホスファチジルコリン92重量%含有、ヨウ素価40
※2リゾホスファチジルコリン84重量%含有、ヨウ素価27
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分7の一部に溶解させた後、成分3~6を添加した。そこに80℃に加熱した成分7~14を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
(実施例33)
(成分) (重量%)
1.水素添加大豆リン脂質※3 0.5
2.水素添加大豆リゾリン脂質※4 0.05
3.水添ポリイソブテン 0.2
4.酢酸トコフェロール 0.3
5.イソノナン酸イソトリデシル 0.1
6.ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油 0.2
7.1,3-ブチレングリコール 10.0
8.メチルグルセス-20 2.0
9.メチルパラベン 0.3
10.アスコルビン酸リン酸マグネシウム 3.0
11.クエン酸ナトリウム 2.0
12.エタノール 3.0
13.精製水 残 余
※3ホスファチジルコリン92重量%含有、ヨウ素価40
※4リゾホスファチジルコリン85重量%含有、ヨウ素価1.2
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分7の一部に溶解させた後、成分3~6を添加した。そこに80℃に加熱した成分7~13を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
(成分) (重量%)
1.水素添加大豆リン脂質※3 0.5
2.水素添加大豆リゾリン脂質※4 0.05
3.水添ポリイソブテン 0.2
4.酢酸トコフェロール 0.3
5.イソノナン酸イソトリデシル 0.1
6.ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油 0.2
7.1,3-ブチレングリコール 10.0
8.メチルグルセス-20 2.0
9.メチルパラベン 0.3
10.アスコルビン酸リン酸マグネシウム 3.0
11.クエン酸ナトリウム 2.0
12.エタノール 3.0
13.精製水 残 余
※3ホスファチジルコリン92重量%含有、ヨウ素価40
※4リゾホスファチジルコリン85重量%含有、ヨウ素価1.2
(製造方法)
80℃にて成分1、2を成分7の一部に溶解させた後、成分3~6を添加した。そこに80℃に加熱した成分7~13を撹拌しながら添加し乳化した。これを30℃まで冷却し乳化組成物を得た。
本発明の実施品である、実施例32及び33は透過率及び保存安定性において満足する結果が得られた。
本発明によれば、リン脂質を含有し、保存安定性に優れ、高い透明性を有する水中油型乳化組成物を提供できる。
Claims (4)
- 下記成分(A)~(E):
(A)ホスファチジルコリンを90重量%以上含有するリン脂質
(B)リゾホスファチジルコリンを70重量%以上含有するリゾリン脂質
(C)多価アルコール
(D)非極性油
(E)極性油
を含有し、透過率が90%以上であることを特徴とする水中油型乳化組成物。 - 成分(A)と成分(B)の重量比(成分(A)/成分(B))が1~100であることを特徴とする請求項1記載の水中油型乳化組成物。
- 成分(D)と成分(E)をあわせた含有量が0.05~3重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の水中油型乳化組成物。
- 成分(F)有機酸塩を含有することを特徴とする請求項1~3いずれか一項記載の水中油型乳化組成物。
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