JP2022083651A - 抗菌滑液組成物 - Google Patents

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悟 波北
Satoru Hagita
礼奈 森安
Reina Moriyasu
正道 森田
Masamichi Morita
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Abstract

【課題】抗菌性と滑液性の両方を与えることができる、抗菌滑液組成物の提供。【解決手段】(A)水酸基又はアルコキシ基を有する金属化合物又は1~3官能のシラン基を2つ以上有するマルチシラン化合物、及び(B)カチオン性シラン化合物を含む、抗菌滑液組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、抗菌滑液組成物及び該抗菌滑液組成物から形成された層を有する物品に関する。
ある種の有機シラン化合物と金属アルコキシドとを含む溶液を、固体表面に塗布することで、撥水撥油性等を有する有機-無機ハイブリッド皮膜が得られることが知られている(特許文献1)。また、ケイ素アルコキシドと加水分解性アルコキシシリル基を有する4級アンモニウム塩とを含む処理溶液を木材中に含浸させることにより、抗菌、防黴性を有する木材が得られることが知られている(特許文献2)。
特開2013-213181号公報 特開平10-337705号公報
特許文献1に記載の有機-無機ハイブリッド皮膜は、撥水撥油性を有するが、抗菌性を有していない。また、特許文献2に記載の処理木材は、抗菌、及び防黴性を有するが滑液性を有していない。
本開示は、抗菌性と滑液性の両方を与えることができる、抗菌滑液組成物を提供することを目的とする。
本開示は、以下の態様を含む。
[1] (A)水酸基又はアルコキシ基を有する金属化合物又は1~3官能のシラン基を2つ以上有するマルチシラン化合物、及び
(B)カチオン性シラン化合物
を含む、抗菌滑液組成物。
[2] 前記金属化合物は、式(A1):
Figure 2022083651000001
[式中:
Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
は、それぞれ独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、
mは、前記Mの価数であり、
nは、0以上前記Mの価数以下である。]
で表される金属化合物である、上記[1]に記載の抗菌滑液組成物。
[3] 前記金属化合物は、式(A1-1):
M(OR (A1-1)
[式中:
Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
nは、前記Mの価数である。]
で表される金属アルコキシドである、上記[1]又は[2]に記載の抗菌滑液組成物。
[4] 前記金属化合物は、式(A1-2):
Si(OR (A1-2)
[式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基である。]
で表される金属アルコキシドである、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
[5] 前記マルチシラン化合物は、式(A2)又は(A3):
3-p Si-R-R-R-SiR 3-p (A2)
[式中:
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
は、フルオロポリエーテル基、C1-22アルキレン基、又はシロキサン基であり;
は、単結合又は2価の基である。]
Figure 2022083651000002
[式中:
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
は、単結合又は2価の基である。]
で表されるマルチシラン化合物である、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
[6] 成分(A)は、式(A1):
Figure 2022083651000003
[式中:
Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
は、それぞれ独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、
mは、前記Mの価数であり、
nは、0以上前記Mの価数以下である。]
で表される金属化合物である、上記[1]に記載の抗菌滑液組成物。
[7] 成分(A)は、式(A2):
3-p Si-R-R-R-SiR 3-p (A2)
[式中:
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
は、フルオロポリエーテル基、C1-22アルキレン基、又はシロキサン基であり;
は、単結合又は2価の基である。]
で表されるマルチシラン化合物である、上記[1]に記載の抗菌滑液組成物。
[8] 成分(A)は、式(A3):
Figure 2022083651000004
[式中:
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
は、単結合又は2価の基である。]
で表されるマルチシラン化合物である、上記[1]に記載の抗菌滑液組成物。
[9] 成分(A)は、式(A1):
Figure 2022083651000005
[式中:
Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
は、それぞれ独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、
mは、前記Mの価数であり、
nは、0以上前記Mの価数以下である。]
で表される金属化合物、及び
式(A2)又は(A3):
3-p Si-R-R-R-SiR 3-p (A2)
[式中:
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
は、フルオロポリエーテル基、C1-22アルキレン基、又はシロキサン基であり;
は、単結合又は2価の基である。]
Figure 2022083651000006
[式中:
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
は、単結合又は2価の基である。]
で表されるマルチシラン化合物である、上記[1]に記載の抗菌滑液組成物。
[10] 前記カチオン性シラン化合物は、下記式(B1):
13 3-q12 Si-R15-N11 (B1)
[式中:
11は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-22アルキル基であり;
12は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
13は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
qは、1~3の整数であり;
15は、単結合又は2価の有機基であり;
は、F、Cl、又はBrである。]
で表されるカチオン性シラン化合物である、上記[1]~[9]のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
[11] p及びqは、3である、上記[10]に記載の抗菌滑液組成物。
[12] 成分(A)と成分(B)のモル比は、0.01~100:1である、上記[1]~[11]のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
[13] さらに、有機溶媒、水、及び触媒から選択される1種又はそれ以上の他の成分を含有する、上記[1]~[12]のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
[14] 基材と、該基材上に、上記[1]~[13]のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物から形成された層とを含む物品。
本開示によれば、抗菌性及び滑液性を付与することができる抗菌滑液組成物を提供することができる。
本明細書において用いられる場合、「1価の有機基」とは、炭素を含有する1価の基を意味する。1価の有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基又はその誘導体であり得る。炭化水素基の誘導体とは、炭化水素基の末端又は分子鎖中に、1つ又はそれ以上のN、O、S、Si、アミド、スルホニル、シロキサン、カルボニル、カルボニルオキシ等を有している基を意味する。尚、単に「有機基」と示す場合、1価の有機基を意味する。また、「2価の有機基」とは、炭素を含有する2価の基を意味する。かかる2価の有機基としては、特に限定されないが、有機基からさらに1個の水素原子を脱離させた2価の基が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素及び水素を含む基であって、炭化水素から1個の水素原子を脱離させた基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、1つ又はそれ以上の置換基により置換されていてもよい、C1-20炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つ又はそれ以上の環構造を含んでいてもよい。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、1個又はそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10不飽和シクロアルキル基、5~10員のヘテロシクリル基、5~10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6-10アリール基及び5~10員のヘテロアリール基から選択される1個又はそれ以上の基が挙げられる。
(抗菌滑液組成物)
本開示の抗菌滑液組成物は、
(A)金属アルコキシド又は1~3官能のシラン基を2つ以上有するマルチシラン化合物(以下、「成分(A)」ともいう)、及び
(B)カチオン性シラン化合物(以下、「成分(B)」ともいう)
を含む。
(金属アルコキシド)
本開示の抗菌滑液組成物は、水酸基又はアルコキシ基を有する金属化合物を含有することにより、優れた滑液性を基材に付与することができる。
本明細書において、上記金属化合物に含まれる金属原子とは、B、Si、Ge、Sb、As、Te等の半金属も包含する。
好ましい態様において、上記金属化合物は、式(A1):
Figure 2022083651000007
[式中:
Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
は、それぞれ独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、
mは、前記Mの価数であり、
nは、0以上前記Mの価数以下である。]
で表される金属化合物である。
さらに好ましい態様において、上記金属化合物は、式(A1-1):
M(OR (A1-1)
[式中:
Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
nは、前記Mの価数である。]
で表される化合物である。
さらに好ましい態様において、上記金属化合物は、式(A1-2):
Si(OR (A1-2)
[式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基である。]
で表される金属アルコキシドである。
上記Mは、好ましくはSi、Ti又はZrであり、より好ましくはSiである。
上記Rは、それぞれ独立して、好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基、さらに好ましくはC1-2アルキル基である。
上記Rは、それぞれ独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基である。
上記Rにおけるアルキル基は、好ましくはメチル基又はエチル基であり、より好ましくはメチル基である。
上記Rにおけるアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基又はエトキシ基であり、より好ましくはエトキシ基である。
mは、上記Mの価数であり、nは、0以上Mの価数以下である。
一の態様において、nはMの価数である。
別の態様において、(m-n)は1である。
好ましい態様において、上記金属化合物は、テトラメトキシシラン、又はテトラエトキシシランである。
(マルチシラン化合物)
本開示の抗菌滑液組成物は、マルチシラン化合物を含有することにより、優れた滑液性を基材に付与することができる。
上記マルチシラン化合物は、1~3官能のシラン基を2つ以上有する。ここに、「1~3官能のシラン基」とは、官能基、典型的には水酸基又は加水分解性基を1~3個有するシラン基をいう。
好ましい態様において、上記マルチシラン化合物は、式(A2)又は(A3):
3-p Si-R-R-R-SiR 3-p (A2)
[式中:
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基であり;
pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
は、フルオロポリエーテル基、C1-22アルキレン基、又はシロキサン基であり;
は、単結合又は2価の基である。]
Figure 2022083651000008
[式中:
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基であり;
pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
は、単結合又は2価の基である。]
で表されるマルチシラン化合物である。
一の態様において、上記マルチシラン化合物は、式(A2):
3-p Si-R-R-R-SiR 3-p (A2)
で表されるマルチシラン化合物である。かかるマルチシラン化合物は、1~3官能のシラン基を2つ有する。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基である。
は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、加水分解性基である。
ここに、「加水分解性基」とは、加水分解反応を受け得る基を意味し、すなわち、加水分解反応により、化合物の主骨格から脱離し得る基を意味する。加水分解性基の例としては、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、ハロゲンなどが挙げられる。Rは、置換又は非置換のC1-4アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。これらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
は、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはC1-3アルキル基、特に好ましくはメチル基である。
上記式中、pは、(SiR 3-p)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数である。即ち、当該マルチシラン化合物におけるシラン基は、1~3官能のシラン基である。pは、好ましくは2~3、より好ましくは3である。即ち、当該マルチシラン化合物におけるシラン基は、好ましくは2~3官能のシラン基、より好ましくは3官能のシラン基である。
上記式中、Rは、フルオロポリエーテル基、C1-22アルキレン基、又はシロキサン基である。
上記Rにおけるフルオロポリエーテル基は、好ましくは、下記式:
-Rf p1-R-Oq1
[式中:
Rfは、1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-6アルキレン基であり;
は、下記式:
-(OC12-(OC10-(OC-(OCFa -(OC-(OCF
(式中:
Faは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子であり、
a、b、c、d、e及びfは、それぞれ独立して、0~200の整数であって、a、b、c、d、e及びfの和は1以上である。a、b、c、d、e又はfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。ただし、すべてのRFaが水素原子又は塩素原子である場合、a、b、c、e及びfの少なくとも1つは、1以上である。)
で表される基であり;
p1は、0又は1であり;
q1は、0又は1である。]
で表される基である。
上記式において、Rfは、1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-6アルキレン基である。
上記1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-6アルキレン基における「C1-6アルキレン基」は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖又は分枝鎖のC1-3アルキレン基であり、より好ましくは直鎖のC1-3アルキレン基である。
上記Rfは、好ましくは、1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されているC1-6アルキレン基であり、より好ましくはC1-6パーフルオロアルキレン基であり、さらに好ましくはC1-3パーフルオロアルキレン基である。
上記C1-6パーフルオロアルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖又は分枝鎖のC1-3パーフルオロアルキレン基であり、より好ましくは直鎖のC1-3パーフルオロアルキル基、具体的には-CF-、-CFCF-、又は-CFCFCF-である。
上記式において、p1は、0又は1である。一の態様において、p1は0である。別の態様においてp1は1である。
上記式において、q1は、0又は1である。一の態様において、q1は0である。別の態様においてq1は1である。
上記式において、Rは、下記式:
-(OC12-(OC10-(OC-(OCFa -(OC-(OCF
[式中:
Faは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子であり、
a、b、c、d、e及びfは、それぞれ独立して、0~200の整数であって、a、b、c、d、e及びfの和は1以上である。a、b、c、d、e又はfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。ただし、すべてのRFaが水素原子又は塩素原子である場合、a、b、c、e及びfの少なくとも1つは、1以上である。]
で表される基である。
Faは、好ましくは、水素原子又はフッ素原子であり、より好ましくは、フッ素原子である。ただし、すべてのRFaが水素原子又は塩素原子である場合、a、b、c、e及びfの少なくとも1つは、1以上である。
a、b、c、d、e及びfは、好ましくは、それぞれ独立して、0~100の整数であり得る。
a、b、c、d、e及びfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上であり、例えば15以上又は20以上であってもよい。a、b、c、d、e及びfの和は、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは60以下であり、例えば50以下又は30以下であってもよい。
これら繰り返し単位は、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよい。例えば、-(OC12)-は、-(OCFCFCFCFCFCF)-、-(OCF(CF)CFCFCFCF)-、-(OCFCF(CF)CFCFCF)-、-(OCFCFCF(CF)CFCF)-、-(OCFCFCFCF(CF)CF)-、-(OCFCFCFCFCF(CF))-等であってもよい。-(OC10)-は、-(OCFCFCFCFCF)-、-(OCF(CF)CFCFCF)-、-(OCFCF(CF)CFCF)-、-(OCFCFCF(CF)CF)-、-(OCFCFCFCF(CF))-等であってもよい。-(OC)-は、-(OCFCFCFCF)-、-(OCF(CF)CFCF)-、-(OCFCF(CF)CF)-、-(OCFCFCF(CF))-、-(OC(CFCF)-、-(OCFC(CF)-、-(OCF(CF)CF(CF))-、-(OCF(C)CF)-及び-(OCFCF(C))-のいずれであってもよい。-(OC)-(即ち、上記式中、RFaはフッ素原子である)は、-(OCFCFCF)-、-(OCF(CF)CF)-及び-(OCFCF(CF))-のいずれであってもよい。-(OC)-は、-(OCFCF)-及び-(OCF(CF))-のいずれであってもよい。
一の態様において、上記繰り返し単位は直鎖状である。上記繰り返し単位を直鎖状とすることにより、処理表面の滑液性を向上させることができる。
一の態様において、上記繰り返し単位は分枝鎖状である。上記繰り返し単位を分枝鎖状とすることにより、処理表面の動摩擦係数を大きくすることができる。
一の態様において、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、下記式(f1)~(f5)のいずれかで表される基である。
-(OC-(OC- (f1)
[式中、dは、1~200の整数であり、eは、0又は1である。];
-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f2)
[式中、c及びdは、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、e及びfは、それぞれ独立して1以上200以下の整数であり、
c、d、e及びfの和は2以上であり、
添字c、d、e又はfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。];
-(R16-R17- (f3)
[式中、R16は、OCF又はOCであり、
17は、OC、OC、OC、OC10及びOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2又は3つの基の組み合わせであり、
gは、2~100の整数である。];
-(OC12-(OC10-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f4)
[式中、eは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、d及びfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、また、a、b、c、d、e又はfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
-(OC12-(OC10-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f5)
[式中、fは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、d及びeは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、また、a、b、c、d、e又はfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
上記式(f1)において、dは、好ましくは5~200、より好ましくは10~100、さらに好ましくは15~50、例えば25~35の整数である。上記式(f1)は、好ましくは、-(OCFCFCF-又は-(OCF(CF)CF-で表される基であり、より好ましくは、-(OCFCFCF-で表される基である。
上記式(f2)において、e及びfは、それぞれ独立して、好ましくは5~200、より好ましくは10~200の整数である。また、c、d、e及びfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上であり、例えば15以上又は20以上であってもよい。一の態様において、上記式(f2)は、好ましくは、-(OCFCFCFCF-(OCFCFCF-(OCFCF-(OCF-で表される基である。別の態様において、式(f2)は、-(OC-(OCF-で表される基であってもよい。
上記式(f3)において、R16は、好ましくは、OCである。上記(f3)において、R17は、好ましくは、OC、OC及びOCから選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2又は3つの基の組み合わせであり、より好ましくは、OC及びOCから選択される基である。OC、OC及びOCから独立して選択される2又は3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、及び-OCOCOC-等が挙げられる。上記式(f3)において、gは、好ましくは3以上、より好ましくは5以上の整数である。上記gは、好ましくは50以下の整数である。上記式(f3)において、OC、OC、OC、OC10及びOC12は、直鎖又は分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、上記式(f3)は、好ましくは、-(OC-OC-又は-(OC-OC-である。
上記式(f4)において、eは、好ましくは、1以上100以下、より好ましくは5以上100以下の整数である。a、b、c、d、e及びfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上、例えば10以上100以下である。
上記式(f5)において、fは、好ましくは、1以上100以下、より好ましくは5以上100以下の整数である。a、b、c、d、e及びfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上、例えば10以上100以下である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f1)で表される基である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f2)で表される基である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f3)で表される基である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f4)で表される基である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f5)で表される基である。
上記フルオロポリエーテル基の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば500~30,000、好ましくは1,000~20,000、より好ましくは1,500~5,000である。本明細書において、フルオロポリエーテル基の数平均分子量は、19F-NMRにより測定される値とする。
上記RにおけるC1-22アルキレン基は、好ましくはC1-16のアルキレン基、より好ましくはC2-16のアルキレン基、例えばC2-10のアルキレン基又はC4-10のアルキレン基であり得る。
上記RにおけるC1-22アルキレン基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。一の態様において、C1-22アルキレン基は、直鎖である。別の態様において、C1-22アルキレン基は、分枝鎖である。
上記Rにおけるシロキサン基は、好ましくは、下記式:
Figure 2022083651000009
[式中:
21は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり;
tは、1~200の整数である。]
で表される基である。
上記R21におけるC1-6アルキル基は、好ましくはC1-3アルキル基、より好ましくはメチル基である。
一の態様において、R21は、メチル基である。
tは、好ましくは1~100の整数、より好ましくは5~100の整数である。
一の態様において、Rは、フルオロポリエーテル基である。
別の態様において、Rは、C1-22アルキレン基である。
別の態様において、Rは、シロキサン基である。
上記式中、Rは、単結合又は2価の基である。
一の態様において、Rは、単結合又は下記式:
-R31 x1-R32 x2
[式中:
31は、-(CHy1-又はo-、m-もしくはp-フェニレン基であり、好ましくは-(CHy1-であり、
y1は、1~20の整数、好ましくは1~6の整数、より好ましくは1~3の整数、さらにより好ましくは1又は2であり、
32は、-O-、-S-、o-、m-もしくはp-フェニレン基、-C(O)O-、-OC(O)-、-CONR35-、-NR35CO-、-O-CONR35-、-NR35CO-O-、-NR35-、-NR35CONR35-及び-(CHy2-からなる群から選択される基であり、
35は、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基又はC1-6アルキル基(好ましくはC1-2アルキル基、より好ましくはメチル基)であり、
y2は、1~20の整数、好ましくは1~6の整数、より好ましくは1~3の整数であり、
x1は、0~2の整数であり、
x2は、0又は1であり、
ここに、x1及びx2の少なくとも一方は0以外であり、x1及びx2を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は任意である。]
で表される2価の基である。かかる基は、左側がSi原子に、右側がRに結合する。ここに、R(典型的にはRの水素原子)は、フッ素原子、C1-3アルキル基及びC1-3フルオロアルキル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよい。好ましい態様において、Rは、これらの基により置換されていない。
好ましい態様において、Rは、下記式:
-R31-R32
[式中:
31は、-(CHy1-であり、
y1は、1~6の整数であり、
32は、-C(O)O-、-OC(O)-、-CONR35-、-NR35CO-、-O-CONR35-、-NR35CO-O-、-NR35-、又は-NR35CONR35-であり、
35は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基である。]
で表される2価の基である。
一の態様において、上記マルチシラン化合物は、式(A3):
Figure 2022083651000010
[式中:
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基であり;
pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
は、単結合又は2価の基である。]
で表されるマルチシラン化合物である。かかるマルチシラン化合物は、1~3官能のシラン基を3つ有する。
上記式中、R、R及びpは、上記式(A2)の記載と同意義である。
上記式中、Rは、単結合又は2価の基である。
一の態様において、Rは、単結合又は下記式:
-R41 x6-R42 x7
[式中:
41は、-(CHy6-又はo-、m-もしくはp-フェニレン基であり、好ましくは-(CHy6-であり、
y6は、1~20の整数、好ましくは1~6の整数、より好ましくは1~3の整数であり、
42は、-O-、-S-、o-、m-もしくはp-フェニレン基、-C(O)O-、-OC(O)-、-CONR45-、-NR45CO-、-O-CONR45-、-NR45CO-O-、-NR45-、-NR45CONR45-、-SONR45-、-NR45SO-、-SO-、及び-(CHy7-からなる群から選択される基であり、
45は、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基又はC1-6アルキル基(好ましくはC1-2アルキル基、より好ましくはメチル基)であり、
y7は、1~20の整数、好ましくは1~6の整数、より好ましくは1~3の整数であり、
x6は、0~2の整数であり、
x7は、0又は1であり、
ここに、x6及びx7の少なくとも一方は0以外であり、x6及びx7を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は任意である。]
で表される2価の基である。かかる基は、左側がSi原子に、右側がイソアヌレート環のNに結合する。ここに、R(典型的にはRの水素原子)は、フッ素原子、C1-3アルキル基及びC1-3フルオロアルキル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよい。好ましい態様において、Rは、これらの基により置換されていない。
好ましい態様において、Rは、-(CHy6-(式中、y6は、1~6の整数である。)である。
(カチオン性シラン化合物)
本開示の抗菌滑液組成物は、カチオン性シラン化合物を含有することにより、優れた抗菌性を基材に付与することができる。
上記カチオン性シラン化合物は、1~3官能のシラン基を有するカチオン性化合物、典型的にはアンモニウム塩であり得る。
好ましい態様において、上記カチオン性化合物は、式(B1):
13 3-q12 Si-R15-N11 (B1)
[式中:
11は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-22アルキル基であり;
12は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
13は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
qは、1~3の整数であり;
15は、単結合又は2価の有機基であり;
は、F、Cl、又はBrである。]
で表されるカチオン性シラン化合物である。
上記式中、R12は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基である。
12は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、加水分解性基である。
ここに、「加水分解性基」とは、加水分解反応を受け得る基を意味し、すなわち、加水分解反応により、化合物の主骨格から脱離し得る基を意味する。加水分解性基の例としては、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、ハロゲンなどが挙げられる。Rは、置換又は非置換のC1-4アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。これらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
12は、より好ましくは各出現においてそれぞれ独立して、-OR(即ち、アルコキシ基)である。
上記式中、R13は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
13において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはC1-3アルキル基、特に好ましくはメチル基である。
上記式中、qは、1~3の整数である。即ち、当該カチオン性シラン化合物におけるシラン基は、1~3官能のシラン基である。qは、好ましくは2~3、より好ましくは3である。即ち、当該カチオン性シラン化合物におけるシラン基は、好ましくは2~3官能のシラン基、より好ましくは3官能のシラン基である。
上記式中、R11は、それぞれ独立して、C1-22アルキル基である。当該C1-22アルキル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、好ましくは直鎖である。
好ましい態様において、1つのR11は、C6-22アルキル基、好ましくはC10-22アルキル基、より好ましくはC14-20アルキル基であり、他の2つのアルキル基は、C1-10アルキル基、好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
上記式中、R15は、単結合又は2価の有機基である。
上記R15は、好ましくはC1-6アルキレン基、より好ましくはC2-4アルキレン基である。当該アルキレン基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、好ましくは直鎖である。
上記式中、Xは、F、Cl、又はBr、好ましくはClである。
一の態様において、成分(A)と成分(B)のモル比(成分(A):成分(B))は、好ましくは0.01~100:1、より好ましくは1~100:1、さらに好ましくは4~50:1、さらにより好ましくは5~20:1である。成分(A)と成分(B)のモル比を、上記の範囲とすることにより、処理表面に、抗菌性ならびに撥水撥油性及び滑液性をより良好に付与することができる。ここに、上記モル比は、成分(A)及び成分(B)が、それぞれ2種以上の化合物を含む場合には、その合計量に基づいて算出する。
一の態様において、成分(A)は、上記式(A1)で表される金属化合物である。
別の態様において、成分(A)は、上記式(A2)で表されるマルチシラン化合物である。
別の態様において、成分(A)は、上記式(A3)で表されるマルチシラン化合物である。
好ましい態様において、成分(A)は、上記金属化合物及びマルチシラン化合物の両方を含む。
上記態様において、好ましくは、成分(A)は、上記式(A1)で表される金属化合物及び式(A2)又は式(A3)で表されるマルチシラン化合物である。
一の好ましい態様において、成分(A)は、上記式(A1)で表される金属化合物及び式(A2)で表されるマルチシラン化合物である。
一の好ましい態様において、成分(A)は、上記式(A1)で表される金属化合物及び式(A3)で表されるマルチシラン化合物である。
成分(A)において、上記金属化合物とマルチシラン化合物のモル比(金属化合物:マルチシラン化合物)は、好ましくは0.01~100:1、より好ましくは1~100:1、さらに好ましくは5~40:1、さらにより好ましくは10~20:1である。金属アルコキシドとマルチシラン化合物のモル比を、上記の範囲とすることにより、処理表面の撥水撥油性及び滑液性がより向上する。
本開示の抗菌滑液組成物中、成分(A)及び成分(B)は、好ましくは、合計で0.1~80質量%、より好ましくは1~50質量%、さらに好ましくは2~30質量%であり得る。
本開示の抗菌滑液組成物は、さらに、有機溶媒、水、及び触媒から選択される1種又はそれ以上の他の成分を含有し得る。
上記有機溶媒としては、フッ素含有有機溶媒又はフッ素非含有有機溶媒が挙げられる。
上記フッ素含有有機溶媒としては、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフルオロジメチルシクロヘキサン、パーフルオロデカリン、パーフルオロアルキルエタノール、パーフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン、パーフルオロアルキルアミン(フロリナート(商品名)等)、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、ポリフルオロ脂肪族炭化水素(アサヒクリンAC6000(商品名))、ハイドロクロロフルオロカーボン(アサヒクリンAK-225(商品名)等)、ハイドロフルオロエーテル(ノベック(商品名)、HFE-7100(商品名)、HFE-7300(商品名)等)、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン、含フッ素アルコール、パーフルオロアルキルブロミド、パーフルオロアルキルヨージド、パーフルオロポリエーテル(クライトックス(商品名)、デムナム(商品名)、フォンブリン(商品名)等)、1,3-ビストリフルオロメチルベンゼン、メタクリル酸2-(パーフルオロアルキル)エチル、アクリル酸2-(パーフルオロアルキル)エチル、パーフルオロアルキルエチレン、フロン134a、及びヘキサフルオロプロペンオリゴマーが挙げられる。
上記フッ素非含有有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、二硫化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ダイグライム、トリグライム、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、2-ブタノン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ブタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、エタノール、メタノール、及びジアセトンアルコールが挙げられる。
なかでも、上記有機溶媒として、好ましくは、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサデカン、酢酸ブチル、アセトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、エタノール又は2-プロパノールである。
上記有機溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記有機溶媒は抗菌滑液組成物中に、好ましくは10~99質量%、より好ましくは30~90質量%、さらに好ましくは50~90質量%の範囲で用いられる。
上記触媒としては、酸(例えば酢酸、トリフルオロ酢酸等)、塩基(例えばアンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等)、遷移金属(例えばTi、Ni、Sn等)等が挙げられる。
上記触媒は、本開示の抗菌滑液組成物の加水分解及び脱水縮合を促進し、表面処理反応を促進する。
以下、本開示の物品について説明する。
本開示の物品は、基材と、該基材表面に本開示の抗菌滑液組成物より形成された層(以下、「表面処理層」ともいう)とを含む。
本開示において使用可能な基材は、例えば、ガラス、樹脂(天然又は合成樹脂、例えば一般的なプラスチック材料であってよい)、金属、セラミックス、半導体(シリコン、ゲルマニウム等)、繊維(織物、不織布等)、毛皮、皮革、木材、陶磁器、石材等、建築部材等、衛生用品、任意の適切な材料で構成され得る。
例えば、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面を構成する材料は、光学部材用材料、例えばガラス又は透明プラスチックなどであってよい。また、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面(最外層)に何らかの層(又は膜)、例えばハードコート層や反射防止層などが形成されていてもよい。反射防止層には、単層反射防止層及び多層反射防止層のいずれを使用してもよい。反射防止層に使用可能な無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、Ta,Nb、HfO、Si、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられる。これらの無機物は、単独で、又はこれらの2種以上を組み合わせて(例えば混合物として)使用してもよい。多層反射防止層とする場合、その最外層にはSiO及び/又はSiOを用いることが好ましい。製造すべき物品が、タッチパネル用の光学ガラス部品である場合、透明電極、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛などを用いた薄膜を、基材(ガラス)の表面の一部に有していてもよい。また、基材は、その具体的仕様等に応じて、絶縁層、粘着層、保護層、装飾枠層(I-CON)、霧化膜層、ハードコーティング膜層、偏光フィルム、相位差フィルム、及び液晶表示モジュールなどを有していてもよい。
上記基材の形状は、特に限定されず、例えば、板状、フィルム、その他の形態であってよい。また、表面処理層を形成すべき基材の表面領域は、基材表面の少なくとも一部であればよく、製造すべき物品の用途及び具体的仕様等に応じて適宜決定され得る。
一の態様において、かかる基材としては、少なくともその表面部分が、水酸基を元々有する材料から成るものであってよい。かかる材料としては、ガラスが挙げられ、また、表面に自然酸化膜又は熱酸化膜が形成される金属(特に卑金属)、セラミックス、半導体等が挙げられる。あるいは、樹脂等のように、水酸基を有していても十分でない場合や、水酸基を元々有していない場合には、基材に何らかの前処理を施すことにより、基材の表面に水酸基を導入したり、増加させたりすることができる。かかる前処理の例としては、プラズマ処理(例えばコロナ放電)や、イオンビーム照射が挙げられる。プラズマ処理は、基材表面に水酸基を導入又は増加させ得ると共に、基材表面を清浄化する(異物等を除去する)ためにも好適に利用され得る。また、かかる前処理の別の例としては、炭素-炭素不飽和結合基を有する界面吸着剤をLB法(ラングミュア-ブロジェット法)や化学吸着法等によって、基材表面に予め単分子膜の形態で形成し、その後、酸素や窒素等を含む雰囲気下にて不飽和結合を開裂する方法が挙げられる。
別の態様において、かかる基材としては、少なくともその表面部分が、別の反応性基、例えばSi-H基を1つ以上有するシリコーン化合物や、アルコキシシランを含む材料から成るものであってもよい。
好ましい態様において、上記基材はガラスである。かかるガラスとしては、サファイアガラス、ソーダライムガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、クリスタルガラス、石英ガラスが好ましく、化学強化したソーダライムガラス、化学強化したアルカリアルミノケイ酸塩ガラス、及び化学結合したホウ珪酸ガラスが特に好ましい。
本開示の物品は、上記基材の表面に、上記の本開示の抗菌滑液組成物の層を形成し、この層を必要に応じて後処理し、これにより、本開示の抗菌滑液組成物から層を形成することにより製造することができる。
本開示の抗菌滑液組成物の層形成は、上記抗菌滑液組成物を基材の表面に対して、該表面を被覆するように適用することによって実施できる。被覆方法は、特に限定されない。例えば、湿潤被覆法及び乾燥被覆法を使用できる。
湿潤被覆法の例としては、浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング及び類似の方法が挙げられる。
乾燥被覆法の例としては、蒸着(通常、真空蒸着)、スパッタリング、CVD及び類似の方法が挙げられる。蒸着法(通常、真空蒸着法)の具体例としては、抵抗加熱、電子ビーム、マイクロ波等を用いた高周波加熱、イオンビーム及び類似の方法が挙げられる。CVD方法の具体例としては、プラズマ-CVD、光学CVD、熱CVD及び類似の方法が挙げられる。
更に、常圧プラズマ法による被覆も可能である。
乾燥被覆法を使用する場合、本開示の抗菌滑液組成物は、そのまま乾燥被覆法に付してもよく、又は、上記した有機溶媒で希釈してから乾燥被覆法に付してもよい。
抗菌滑液組成物の層形成は、層中で本開示の抗菌滑液組成物が、加水分解及び脱水縮合のための触媒と共に存在するように実施することが好ましい。簡便には、湿潤被覆法による場合、本開示の抗菌滑液組成物を溶媒で希釈した後、基材表面に適用する直前に、本開示の抗菌滑液組成物の希釈液に触媒を添加してよい。乾燥被覆法による場合には、触媒添加した本開示の抗菌滑液組成物をそのまま蒸着(通常、真空蒸着)処理するか、あるいは鉄や銅などの金属多孔体に、触媒添加した本開示の抗菌滑液組成物を含浸させたペレット状物質を用いて蒸着(通常、真空蒸着)処理をしてもよい。
触媒には、任意の適切な酸又は塩基を使用できる。酸触媒としては、例えば、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸などを使用できる。また、塩基触媒としては、例えばアンモニア、有機アミン類などを使用できる。
本開示の物品に含まれる表面処理層は、抗菌性と滑液性の両方を有する。また、上記表面処理層は、高い抗菌性と滑液性に加えて、使用する抗菌滑液組成物の組成にもよるが、撥水性、撥油性、防汚性(例えば指紋等の汚れの付着を防止する)、防水性(電子部品等への水の浸入を防止する)、表面滑り性(又は潤滑性、例えば指紋等の汚れの拭き取り性や、指に対する優れた触感)などを有し得、機能性薄膜として好適に利用され得る。
従って、本開示はさらに、上記表面処理層を最外層に有する光学材料にも関する。
光学材料としては、後記に例示するようなディスプレイ等に関する光学材料のほか、多種多様な光学材料が好ましく挙げられる:例えば、陰極線管(CRT;例えば、パソコンモニター)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機薄膜ELドットマトリクスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED;Field Emission Display)などのディスプレイ又はそれらのディスプレイの保護板、又はそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの。
本開示の物品は、特に限定されるものではないが、光学部材であり得る。光学部材の例には、次のものが挙げられる:眼鏡などのレンズ;PDP、LCDなどのディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板;携帯電話、携帯情報端末などの機器のタッチパネルシート;ブルーレイ(Blu-ray(登録商標))ディスク、DVDディスク、CD-R、MOなどの光ディスクのディスク面;光ファイバー;時計の表示面など。
また、本開示の物品は、医療機器又は医療材料であってもよい。
本開示の物品は、滑液性、防汚性、抗菌性の観点からショーウィンドウ、ショーケース、ウィンドウガラス、自動車の内装、建造物内壁、家電製品、浴槽、浴室内壁、排水溝、キッチン等にも適用できる。
上記層の厚さは、特に限定されない。光学部材の場合、上記層の厚さは、1~50nm、1~30nm、好ましくは1~15nmの範囲であることが好ましい。
以上、本開示の抗菌滑液組成物及び物品について詳述した。なお、本開示の抗菌滑液組成物及び物品などは、上記で例示したものに限定されない。
以下、本開示の抗菌滑液組成物について、実施例において説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
成分(A)及び成分(B)として、下記化合物を準備した。

・成分(A)
(化合物1)
テトラメトキシシラン
(化合物2)
(CHO)Si-CHCHCH-NHCO-PFPE-CONH-CHCHCH-Si(OCH
(式中、PFPEは、-(CFCFO)(CFO)CF-であり、mは、6であり、nは11である。組成は平均組成である。)
(化合物3)
トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート

・成分(B)
(化合物4)
(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ジメチル(オクタデシル)アミニウム・クロリド
抗菌滑液組成物の調製
化合物1及び化合物4を、エタノール中に合計で33wt%となるように所定の割合で溶解し、この溶液に対して質量比0.15の0.01N塩酸を加えて、組成物1~8を調製した。化合物1及び化合物4の割合(モル比)を、下記表1に示す。
Figure 2022083651000011
表面処理試料の調製
上記で調製した組成物1~8を用いて、ソーダライムガラス基板上にスピンコートを行い(2000rpmで10秒)、表面処理層を形成して、表面処理試料1~8を得た。得られた表面処理試料1~8について、静的接触角、転落角及び抗菌性を評価した。結果を下記表2に示す。
静的接触角の測定方法
静的接触角は、水平に置いた表面処理試料の表面処理層側にマイクロシリンジから水又はn-ヘキサデカンを2μL滴下し、滴下1秒後の静止画をビデオマイクロスコープで撮影することにより求めた。水又はn-ヘキサデカンの静的接触角の測定値について、表面処理試料の表面処理層の異なる5点を測定し、その平均値を算出して用いた。
転落角の測定方法
水平に置いた表面処理試料の表面処理層側にマイクロシリンジから水又はn-ヘキサデカンを滴下し、毎秒2°の速度で90°まで傾斜をつけて液滴の様子を観察した。液滴が5mm移動した角度を転落角度とした。水は20μL、n-ヘキサデカンは5μLの液滴量で測定した。
抗菌活性評価
JIS Z 2801に準拠して、抗菌活性値を評価した。
Figure 2022083651000012

WCA:対水接触角(°)
HCA:対ヘキサデカン接触角(°)
WRoA:対水転落角(°)
抗菌活性値:2.0以上で抗菌性を有する。
抗菌滑液組成物の調製
化合物1、化合物2及び化合物4を、エタノール中に合計で33wt%となるように所定の割合で溶解し、この溶液に対して質量比0.15の0.01N塩酸を加えて、組成物9~10を調製した。化合物1、化合物2及び化合物4の割合(モル比)を、下記表3に示す。
Figure 2022083651000013
表面処理試料の調製
上記で調製した組成物9~10を用いて、ソーダライムガラス基板上にスピンコートを行い(2000rpmで10秒)、表面処理層を形成して、表面処理試料9~10を得た。得られた表面処理試料9~10について、静的接触角、転落角及び抗菌性を評価した。結果を下記表4に示す。
Figure 2022083651000014

WCA:対水接触角(°)
HCA:対ヘキサデカン接触角(°)
WRoA:対水転落角(°)
HRoA:対ヘキサデカン転落角(°)
抗菌活性値:2.0以上で抗菌性を有する。
抗菌滑液組成物の調製
化合物3及び化合物4を、エタノール中に合計で33wt%となるように所定の割合で溶解し、この溶液に対して質量比0.15の0.01N塩酸を加えて、組成物11~13を調製した。化合物3及び化合物4の割合(モル比)を、下記表5に示す。
Figure 2022083651000015
表面処理試料の調製
上記で調製した組成物11~13を用いて、ソーダライムガラス基板上にスピンコートを行い(2000rpmで10秒)、表面処理層を形成して、表面処理試料11~13を得た。得られた表面処理試料11~13について、静的接触角、転落角及び抗菌性を評価した。結果を下記表6に示す。
Figure 2022083651000016

WCA:対水接触角(°)
HCA:対ヘキサデカン接触角(°)
WRoA:対水転落角(°)
抗菌活性値:2.0以上で抗菌性を有する
組成物の調製
化合物4を、エタノール中に合計で33wt%となるように所定の割合で溶解し、この溶液に対して質量比0.15の0.01N塩酸を加え組成物14を調製した。また、化合物1及び下記化合物5を10:1の割合(モル比)でエタノール中に合計で33wt%となるように溶解し、この溶液に対して質量比0.15の0.01N塩酸を加え組成物15を調製した。
(化合物5)
オクタデシルトリエトキシシラン
表面処理試料の調製
上記で調製した組成物14~15を用いて、ソーダライムガラス基板上にスピンコートを行い(2000rpmで10秒)、表面処理層を形成して、表面処理試料14~15を得た。得られた表面処理試料14~15について、静的接触角、対水転落角及び抗菌性を評価した。結果を下記表7に示す。
Figure 2022083651000017

WCA:対水接触角(°)
HCA:対ヘキサデカン接触角(°)
WRoA:対水転落角(°)
抗菌活性値:2.0以上で抗菌性を有する。
本開示の抗菌滑液組成物は、種々多様な用途に好適に利用され得る。

Claims (14)

  1. (A)水酸基又はアルコキシ基を有する金属化合物又は1~3官能のシラン基を2つ以上有するマルチシラン化合物、及び
    (B)カチオン性シラン化合物
    を含む、抗菌滑液組成物。
  2. 前記金属化合物は、式(A1):
    Figure 2022083651000018
    [式中:
    Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
    は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
    は、それぞれ独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、
    mは、前記Mの価数であり、
    nは、0以上前記Mの価数以下である。]
    で表される金属化合物である、請求項1に記載の抗菌滑液組成物。
  3. 前記金属化合物は、式(A1-1):
    M(OR (A1-1)
    [式中:
    Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
    は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
    nは、前記Mの価数である。]
    で表される金属アルコキシドである、請求項1又は2に記載の抗菌滑液組成物。
  4. 前記金属化合物は、式(A1-2):
    Si(OR (A1-2)
    [式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基である。]
    で表される金属アルコキシドである、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
  5. 前記マルチシラン化合物は、式(A2)又は(A3):
    3-p Si-R-R-R-SiR 3-p (A2)
    [式中:
    は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
    pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
    は、フルオロポリエーテル基、C1-22アルキレン基、又はシロキサン基であり;
    は、単結合又は2価の基である。]
    Figure 2022083651000019
    [式中:
    は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
    pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
    は、単結合又は2価の基である。]
    で表されるマルチシラン化合物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
  6. 成分(A)は、式(A1):
    Figure 2022083651000020
    [式中:
    Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
    は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
    は、それぞれ独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、
    mは、前記Mの価数であり、
    nは、0以上前記Mの価数以下である。]
    で表される金属化合物である、請求項1に記載の抗菌滑液組成物。
  7. 成分(A)は、式(A2):
    3-p Si-R-R-R-SiR 3-p (A2)
    [式中:
    は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
    pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
    は、フルオロポリエーテル基、C1-22アルキレン基、又はシロキサン基であり;
    は、単結合又は2価の基である。]
    で表されるマルチシラン化合物である、請求項1に記載の抗菌滑液組成物。
  8. 成分(A)は、式(A3):
    Figure 2022083651000021
    [式中:
    は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
    pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
    は、単結合又は2価の基である。]
    で表されるマルチシラン化合物である、請求項1に記載の抗菌滑液組成物。
  9. 成分(A)は、式(A1):
    Figure 2022083651000022
    [式中:
    Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn又はZrであり;
    は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
    は、それぞれ独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、
    mは、前記Mの価数であり、
    nは、0以上前記Mの価数以下である。]
    で表される金属化合物、及び
    式(A2)又は(A3):
    3-p Si-R-R-R-SiR 3-p (A2)
    [式中:
    は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
    pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
    は、フルオロポリエーテル基、C1-22アルキレン基、又はシロキサン基であり;
    は、単結合又は2価の基である。]
    Figure 2022083651000023
    [式中:
    は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
    pは、SiR 3-p単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
    は、単結合又は2価の基である。]
    で表されるマルチシラン化合物である、請求項1に記載の抗菌滑液組成物。
  10. 前記カチオン性シラン化合物は、下記式(B1):
    13 3-q12 Si-R15-N11 (B1)
    [式中:
    11は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-22アルキル基であり;
    12は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり;
    13は、各出現においてそれぞれ独立して、1価の有機基であり;
    qは、1~3の整数であり;
    15は、単結合又は2価の有機基であり;
    は、F、Cl、又はBrである。]
    で表されるカチオン性シラン化合物である、請求項1~9のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
  11. p及びqは、3である、請求項10に記載の抗菌滑液組成物。
  12. 成分(A)と成分(B)のモル比は、0.01~100:1である、請求項1~11のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
  13. さらに、有機溶媒、水、及び触媒から選択される1種又はそれ以上の他の成分を含有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物。
  14. 基材と、該基材上に、請求項1~13のいずれか1項に記載の抗菌滑液組成物から形成された層とを含む物品。
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