JP2022083407A - ステープルラインの補強連続性 - Google Patents

Abstract

【課題】ステープルラインの補強連続性を提供する。【解決手段】外科用ステープル留め装置のエンドエフェクタは、アンビルアセンブリ２０と、カートリッジアセンブリ２２と、を含む。アンビルアセンブリは、アンビルバットレス１００を支持するアンビル本体２０ａを有する。アンビルバットレスは、アンビル本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む。カートリッジアセンブリは、カートリッジバットレスを支持するカートリッジ本体２２ａを有する。カートリッジバットレスは、カートリッジ本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む。【選択図】図２

Description

本出願は、外科用ステープル留めシステム、より具体的には、外科用ステープル留め装置を用いてバットレス型ステープルラインを適用するためのシステム、デバイス、および方法に関する。

外科用ステープル留め装置は、身体組織のセグメントを一緒に接合するために、ステープルまたは２部品留め具などの１つ以上の列の留め具を身体組織に順次にまたは同時に適用するために外科医によって用いられる。そのような装置は、概して、その間に接合されるべき身体組織が配置される一対のジョーまたは指状構造を含む。外科用ステープル留め装置が作動されるか、または「発射される」と、ジョーのうちの１つにおけるステープル駆動部材は、身体組織を通して、ステープルを形成する反対側のジョーのアンビル内に外科用ステープルを押し込む。身体組織を除去または分離する場合、ナイフブレードが装置のジョーのうちの１つに設けられて、ステープルのライン間で身体組織を切断することができる。

外科用支持体、例えば、メッシュまたはバットレス材料は、外科用ステープル留め装置と組み合わせて使用され、例えば、身体の腹壁、胸壁、横隔膜、または筋腱膜領域に発生するものなど、患者内の組織欠陥を橋絡し、修復し、および／または補強することができる。バットレス材料は、治癒前の漏洩を低減するためにステープルラインを補強するとともに組織の接合部を覆う。バットレス材料は、組織および／または異常もしくは不均一な組織のあらゆる不整列によって引き起こされるねじれ／奇形を低減しながら、適切なステープル形成を促進するのに役立つことができる。バットレス材料はまた、弱化した組織に支持を提供することができ、または組織の厚さの差異に対処するのに役立つことができる。

したがって、バットレス材料は、臨床的利益をもたらす。それにもかかわらず、例えば、外科用ステープル留め装置上へのもしくは組織内へのバットレス材料の製造および／または適用の複雑さを軽減するため、またはバットレス材料の使用のための適用範囲を拡大するために改善が望まれる。

本開示の一態様によれば、外科用ステープル留め装置のエンドエフェクタは、アンビルアセンブリと、カートリッジアセンブリと、を含む。アンビルアセンブリは、アンビルバットレスを支持するアンビル本体を有する。アンビルバットレスは、アンビル本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む。カートリッジアセンブリは、カートリッジバットレスを支持するカートリッジ本体を有する。カートリッジバットレスは、カートリッジ本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む。

本開示の態様では、アンビルバットレスは、１つ以上の縫合糸によってアンビル本体に固定することができる。１つ以上の縫合糸は、近位縫合糸を含み得る。アンビルバットレスは、アンビル本体へのアンビルバットレスの近位部分の固定を容易にするために近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含み得る。１つ以上の縫合糸は、遠位縫合糸を含み得る。アンビルバットレスは、アンビル本体へのアンビルバットレスの遠位部分の固定を容易にするために遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含み得る。近位縫合糸凹部は、近位尾を画定し得る。

本開示の態様では、カートリッジバットレスは、１つ以上の縫合糸によってアンビル本体に固定することができる。１つ以上の縫合糸は、近位縫合糸を含み得る。カートリッジバットレスは、カートリッジバットレスの近位部分のカートリッジ本体への固定を容易にするために近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含み得る。１つ以上の縫合糸は、遠位縫合糸を含み得る。カートリッジバットレスは、カートリッジバットレスの遠位部分のカートリッジ本体への固定を容易にするために遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含み得る。

本開示の態様では、カートリッジ本体は、取り外し可能なステープルカートリッジを支持することができる。

本開示の一態様によれば、外科用ステープル留め装置は、細長管状の本体部分と、細長管状の本体部分に支持されたエンドエフェクタと、を含む。エンドエフェクタは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含む。アンビルアセンブリは、アンビルバットレスを支持するアンビル本体を有する。アンビルバットレスは、アンビル本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む。カートリッジアセンブリは、カートリッジバットレスを支持するカートリッジ本体を有する。カートリッジバットレスは、カートリッジ本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
（項目１）
外科用ステープル留め装置のエンドエフェクタであって、
アンビルバットレスを支持するアンビル本体を有するアンビルアセンブリであって、上記アンビルバットレスが、上記アンビル本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む、アンビルアセンブリと、
カートリッジバットレスを支持するカートリッジ本体を有するカートリッジアセンブリであって、上記カートリッジバットレスが、上記カートリッジ本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む、カートリッジアセンブリと、を備える、エンドエフェクタ。
（項目２）
上記アンビルバットレスが、少なくとも１つの縫合糸によって上記アンビル本体に固定されている、上記項目に記載のエンドエフェクタ。
（項目３）
上記少なくとも１つの縫合糸が、近位縫合糸を含み、上記アンビルバットレスが、上記アンビル本体への上記アンビルバットレスの近位部分の固定を容易にするために上記近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
（項目４）
上記少なくとも１つの縫合糸が、遠位縫合糸を含み、上記アンビルバットレスが、上記アンビル本体への上記アンビルバットレスの遠位部分の固定を容易にするために上記遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
（項目５）
上記近位縫合糸凹部が、近位尾を画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
（項目６）
上記カートリッジバットレスが、少なくとも１つの縫合糸によって上記アンビル本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
（項目７）
上記少なくとも１つの縫合糸が、近位縫合糸を含み、上記カートリッジバットレスが、上記カートリッジ本体への上記カートリッジバットレスの近位部分の固定を容易にするために上記近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
（項目８）
上記少なくとも１つの縫合糸が、遠位縫合糸を含み、上記カートリッジバットレスが、上記カートリッジ本体への上記カートリッジバットレスの遠位部分の固定を容易にするために上記遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
（項目９）
上記近位縫合糸凹部が、近位尾を画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
（項目１０）
上記カートリッジ本体が、取り外し可能なステープルカートリッジを支持する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
（項目１１）
外科用ステープル留め装置であって、
細長管状の本体部分と、
細長管状の本体部分に支持されたエンドエフェクタであって、上記エンドエフェクタが、
アンビルバットレスを支持するアンビル本体を有するアンビルアセンブリであって、上記アンビルバットレスが、上記アンビル本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む、アンビルアセンブリと、
カートリッジバットレスを支持するカートリッジ本体を有するカートリッジアセンブリであって、上記カートリッジバットレスが、上記カートリッジ本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む、カートリッジアセンブリと、を含む、エンドエフェクタと、を備える、外科用ステープル留め装置。
（項目１２）
上記アンビルバットレスが、少なくとも１つの縫合糸によって上記アンビル本体に固定されている、上記項目に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１３）
上記少なくとも１つの縫合糸が、近位縫合糸を含み、上記アンビルバットレスが、上記アンビル本体への上記アンビルバットレスの近位部分の固定を容易にするために上記近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１４）
上記少なくとも１つの縫合糸が、遠位縫合糸を含み、上記アンビルバットレスが、上記アンビル本体への上記アンビルバットレスの遠位部分の固定を容易にするために上記遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１５）
上記近位縫合糸凹部が、近位尾を画定する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１６）
上記カートリッジバットレスが、少なくとも１つの縫合糸によって上記アンビル本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１７）
上記少なくとも１つの縫合糸が、近位縫合糸を含み、上記カートリッジバットレスが、上記カートリッジ本体への上記カートリッジバットレスの近位部分の固定を容易にするために上記近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１８）
上記少なくとも１つの縫合糸が、遠位縫合糸を含み、上記カートリッジバットレスが、上記カートリッジ本体への上記カートリッジバットレスの遠位部分の固定を容易にするために上記遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１９）
上記近位縫合糸凹部が、近位尾を画定する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目２０）
上記カートリッジ本体が、取り外し可能なステープルカートリッジを支持する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（摘要）
外科用ステープル留め装置のエンドエフェクタは、アンビルアセンブリと、カートリッジアセンブリと、を含む。アンビルアセンブリは、アンビルバットレスを支持するアンビル本体を有する。アンビルバットレスは、アンビル本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む。カートリッジアセンブリは、カートリッジバットレスを支持するカートリッジ本体を有する。カートリッジバットレスは、カートリッジ本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む。

本開示の上記および他の態様、特徴、および利点は、本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面と併せて読めば、以下の詳細な説明に照らして明らかになるであろう。

本開示の原理による外科用ステープル留め装置の斜視図である。 図１に示す詳細指示領域の拡大図である。 図１の外科用ステープル留め装置のバットレスの拡大上面図である。 図３のバットレスの拡大斜視図である。 胃に固定されて示されている外科用ステープル留め装置の第１のバットレスシステムを示す上面図である。 図５に示す詳細指示領域の拡大図である。 図６の断面線７－７に沿った拡大断面図である。 第１のバットレスアセンブリに隣接して、胃に沿った位置に第２のバットレスアセンブリを胃に取り付ける、図１の外科用ステープル留め装置を示す上面図である。 図８の断面線９－９に沿った拡大断面図である。 第１および第２のバットレスアセンブリの遠位整列バンドが切断される前に、第１および第２のバットレスアセンブリが取り付けられた胃の斜視図である。

本開示の態様は、同様の参照符号が同様または同一の要素を特定する図面を参照してここで詳細に説明される。本説明全体を通じて、「近位」という用語は、ユーザにより近い構造の一部分またはその構成要素を指し、「遠位」という用語は、ユーザからより遠い構造の一部分またはその構成要素を指す。「上」、「下」、「側」などの方向参照用語は、態様の説明を容易にするために使用されており、ある構造またはその任意の部分の最終的な配向に対していかなる限定的な影響も与えることを意図するものではない。以下の説明では、周知の機能または構成は、本開示を不必要な詳細で不明瞭にすることを避けるために、詳細には説明されていない。

スリーブ状胃切除術では、複数のカートリッジを使用して胃を切断し、ステープルで留めることが不可欠である。これらのカートリッジを連続して使用するとき、重なったこれら一連の整列は完璧ではない。時には第２の発射が第１の発射の終了後に始まり、時には第２または第３の発射が第１または第２の発射に対してある角度で配列されることもある。発射サイクル中にステープララインの連続性を達成するために、本開示は、前の発射への過剰発射を防止し、前の発射との整列を容易にするのに役立つ遠位整列バンドを有するバットレスを備えたエンドエフェクタを含む外科用ステープル留め装置を詳述する。

ここで図１～図１０を参照すると、本開示による外科用ステープル留めシステムは、外科用ステープル留め装置または外科用ステープラ１０を含む。外科用ステープル留め装置１０は、概して、ハンドルアセンブリ１２と、ハンドルアセンブリ１２から遠位に延在する細長管状の本体部分１４と、を含み、これはハンドルアセンブリ１２から選択的に取り外し可能なアダプタアセンブリの形態であってもよい。細長管状の本体部分１４は、細長管状の本体部分１４に選択的に取り付け可能な外科用ローディングユニット１６を含むことができる。エンドエフェクタまたはジョーアセンブリ１８は、細長管状の本体部分１４（例えば、外科用ローディングユニット１６の遠位端部分）から遠位に延在する。ジョーアセンブリ１８は、アンビルアセンブリ２０と、ステープルカートリッジアセンブリ２２と、を含む。ジョーアセンブリ１８は、細長管状の本体部分１４に恒久的に固設させることができるか、または細長管状の本体部分１４に対して取り外し可能、したがって、新たなジョーアセンブリ１８と交換可能とすることができる。アンビルアセンブリ２０および／またはステープルカートリッジアセンブリ２２は、アンビルアセンブリおよび／またはステープルカートリッジアセンブリ２０、２２が、アンビルアセンブリおよびステープルカートリッジアセンブリ２０、２２が互いに対して離間している開放位置（図１および図２）と、アンビルアセンブリおよびステープルカートリッジアセンブリ２０、２２が互いに実質的に隣接している閉鎖位置（図示せず）との間で移動可能であるように、細長管状の本体部分１４に対して枢動可能である。

外科用ステープル留め装置１０のハンドルアセンブリ１２は、任意の数のアクチュエータ１２ａ、１２ｂ、１２ｃを含み、ジョーアセンブリ１８の発射、ハンドルアセンブリ１２に対するジョーアセンブリ１８の関節運動および／もしくは回転、ならびに／またはアンビルアセンブリとカートリッジアセンブリ２０、２２との間に組織をクランプするために、アンビルアセンブリおよび／もしくはカートリッジアセンブリ２０、２２の開放および／もしくは閉鎖を容易にする。ジョーアセンブリ１８は、発射されたときに、アンビルアセンブリとステープルカートリッジアセンブリ２０、２２との間に捕捉された組織にステープルのライン（図示せず）を適用するように構成されている。

例示的な外科用ステープル留め装置の構造および機能の詳細な説明については、米国特許第８，２５６，６５６号、同第７，８１９，８９６号、および同第７，１２８，２５３号、ならびに２０１９年４月１８日に出願された米国特許出願第１６／３８７，８８２号を参照することができ、これらの各々の全内容が参照により本明細書に組み込まれ、これらのうちの１つ以上の構成要素が、本開示の態様とともに使用するために含まれ得るか、または修正され得る。本開示の原理は、例えば、米国特許第７，３３４，７１７号、同第５，９６４，３９４号、および同第５，９１５，６１６号に説明されているタイプのような他の構成を有する外科用ステープル留め装置にも同様に適用可能であることが理解されるべきであり、これらの各々の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。したがって、様々な外科用ステープル留め装置が、例えば、円形ステープルカートリッジおよびアンビル、ならびにステープル以外の外科用留め具を収容するステープルカートリッジアセンブリを有する、腹腔鏡ステープラ、開放ステープラ、横吻合ステープラ、エンドツーエンド吻合ステープラなど、本開示の外科用バットレスおよび／または外科用バットレスアプリケータもしくはローダとともに利用され得ることが理解されるべきである。

図２に見られるように、外科用ステープル留め装置１０のジョーアセンブリ１８のアンビルアセンブリ２０は、アンビルバットレス１００を支持し、アンビル本体２０ａを含む。アンビル本体２０ａは、近位縫合糸スロット２０ｂを画定する近位端部分を有し、近位組織の移動を防止するように構成された組織停止部２０ｃを含む。アンビル本体２０ａは、遠位縫合糸スロット２０ｄを画定する遠位端部分まで延在する。近位縫合糸スロットおよび遠位縫合糸スロット２０ｂ、２０ｄは、これを通して、アンビルバットレス１００がアンビル本体２０ａのアンビル２０ｅの複数列のステープル形成ポケット（図示せず）に当接してこれを覆うように、アンビルバットレス１００をアンビル本体２０ａに固定する縫合糸９９を受容する。

同様に、ジョーアセンブリ１８のカートリッジアセンブリ２２は、カートリッジバットレス２００を支持し、カートリッジ本体２２ａを含む。カートリッジ本体２２ａは、内部に画定されたステープル保持スロット（図示せず）に複数列のステープル２６（図６）を収容するステープルカートリッジ２４を支持する。カートリッジ本体２２ａは、カートリッジバットレス２００がステープルカートリッジ２４のステープル保持スロットに当接してこれを覆うように、カートリッジバットレス２００をカートリッジ本体２２ａに固定するために、近位および遠位縫合糸スロット２２ｂを通して縫合糸９９を受容する近位および遠位縫合糸スロット２２ｂを画定する近位端部分を有する。

図３および図４を参照すると、バットレス１００、２００は、近位尾１０４および遠位整列バンド１０６を有するバットレス体１０２を含む。遠位整列バンド１０６は、細長遠位開口部１０６ａの周囲を囲む。バットレス体１０２は、近位尾１０４に隣接して、その両側に近位縫合糸凹部１０８、および遠位整列バンド１０６の近位端部分内の遠位縫合糸凹部１１０を画定する。アンビルバットレスおよびカートリッジバットレス１００、２００のバットレス体１０２が縫合糸９９を介してエンドエフェクタ１８に固定されたとき（図２を参照）、アンビルバットレスおよびカートリッジバットレス１００、２００の遠位整列バンド１０６は、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリ２０、２２のアンビル本体およびカートリッジ本体２０ａ、２２ａを越えて遠位方向に延在し、アンビル本体およびカートリッジ本体２０ａ、２２ａから解放され、その結果、その細長遠位開口部１０６ａ（例えば、その大部分）は、アンビル本体およびカートリッジ本体２０ａ、２２ａの遠位端を越えて遠位に延在する。

ここで図５～図７に目を向けると、外科用ステープラ１０は、組織「Ｔ」（例えば、スリーブ状胃切除術における胃組織）の外科用ライン「ＳＬ」に沿って第１の場所で発射され、その結果、アンビルバットレスおよびカートリッジバットレス１００、２００のバットレス体１０２は、組織「Ｔ」の両側のステープルライン「ＳＬ」に沿って固定され、第１のバットレスアセンブリ３００を形成する。外科用ステープラ１０のナイフアセンブリ３０（図２を参照）は、縫合糸９９およびアンビルバットレスおよびカートリッジバットレス１００、２００のバットレス体１０２を、その遠位整列バンド１０６を切断せずに切断し、その結果、バットレス体１０２は、それぞれのアンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリ２０、２２から分離する。各バットレス体１０２は、ナイフアセンブリ３０によって、遠位整列バンド１０６の両端で互いに接続された２つの細長セクション１０２ａ、１０２ｂに分割される。バンド１０６は、切断されていない組織「ＵＴ」の上方に、また、外科用ライン「ＳＬ」に沿って切断された組織「ＣＴ」を越えて遠位に延在する。

図８～図１０を参照すると、第１のバットレスアセンブリ３００が第１の場所で外科用ライン「ＳＬ」に沿って固定された状態で、外科用ステープラ１０に第２のステープルカートリッジ２５および第２のバットレスアセンブリ３０１がリロードされて、リロードされたエンドエフェクタ１９を画定する。第２のバットレスアセンブリ３０１は、別のアンビルバットレス１００および別のカートリッジバットレス２００を含む。次に、リロードされたエンドエフェクタ１９は、アンビルアセンブリ２０がアンビルバットレス１００の遠位開口部１０６ａを通して延在し、カートリッジアセンブリ２２がカートリッジバットレス２００の遠位開口部１０６ａを通して延在して、第２のバットレスアセンブリ３０１を外科用ライン「ＳＬ」に沿って第２の場所に固定するように、アンビルバットレスおよびカートリッジバットレス１００、２００の遠位開口部１０６ａを通して挿入される。次いで、外科用ステープラ１０がリロードされ、このプロセスが外科用ライン「ＳＬ」の長さに沿って連続的に繰り返される。すべての外科用バットレスアセンブリが外科用ライン「ＳＬ」の長さに沿って固定されると、それぞれのアンビルバットレスおよびカートリッジバットレス１００、２００のすべての遠位整列バンド１０６は、例えば、別個のカッター（図示せず）によって切断することができ、組織「Ｔ」（例えば、胃組織）の一部分を組織「Ｔ」の残りの部分から分離することを可能にする。

本開示の外科用バットレス１００、２００は、生体吸収性または非吸収性、天然または合成材料である生体適合性材料から作製され得る。外科用バットレスを形成するために、天然、合成、生体吸収性、および／または非生体吸収性材料の任意の組み合わせが使用され得ることが理解されるべきである。外科用バットレスは、身体内の生理学的条件下で外科用バットレスが分解するかまたは破壊される（物理的にまたは化学的に）ように、生分解性（例えば、生体吸収性および生体再吸収性材料から形成される）とすることができ、分解生成物は、身体によって排泄可能または吸収可能である。外科用バットレスの構成要素または部分は、同じ材料または異なる材料から形成されてもよい。

態様では、外科用バットレスの少なくとも一部分は、天然コラーゲン材料、腸線、およびアルキレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、カプロラクトン、バレロラクトン、ジオキサノン、ポリ酸無水物、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、グリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチド、ポリヒドロキシブチレート、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシアルカノエート、これらのホモポリマー、ならびにこれらのコポリマーから誘導されるものを含む合成樹脂の群から選択される、生分解性材料から作製される。態様では、外科用バットレスの少なくとも一部分は、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンのコポリマー、ポリエチレンとポリプロピレンのブレンド、超高分子量ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル－エステル、ポリブテステル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、１，４－ブタンジオール、およびポリウレタンの群から選択される、非生分解性材料から作製され得る。

外科用バットレスは、多孔質、非多孔質、またはそれらの組み合わせであってもよい。好適な多孔質構造としては、例えば、繊維質構造（例えば、編み構造、織り構造、および不織構造）および／または発泡体（例えば、連続気泡発泡体または独立気泡発泡体）が挙げられる。好適な非多孔質構造は、例えば、フィルムを含む。外科用バットレス、またはその一部分は、メルトブローまたはメルトスパン法によって形成された不織構造、メッシュ材料、編材料、および／または成形もしくは押出しシートとすることができる。外科用バットレス、またはその一部分は、単一の多孔質もしくは非多孔質層であってもよく、または多孔質層および／もしくは非多孔質層の任意の組み合わせを含む複数の層を含んでもよい。

外科用バットレスは、バットレスローダおよび／またはローディングユニットの一部として提供および／または販売され得る。代替的に、外科用バットレス、バットレスローダ、および／またはローディングユニットは、別個に提供および／もしくは販売されるか、またはユーザによって組み立てられてもよい。態様では、１つ以上の外科用バットレス、１つ以上のバットレスローダ、および／またはローディングユニットが、キットにおいて提供される。いくつかの態様では、キットは、１つ以上のエンドエフェクタ（および／または外科用ローディングユニット）をさらに含み、特定の態様では、キットは、外科用ステープラをさらに含む。

本明細書に開示される態様のいずれにおいても、外科用バットレスは、近接照射療法、化学療法、他の医療用材料、もしくは薬剤を含むことができるか、またはこれらとともに使用することができる。外科用バットレスのバットレス部分は、近接照射療法シードをバットレス部分とともに保持するためのポケット、開口、もしくは他の特徴を有してもよく、または、近接照射療法シードもしくは材料は、バットレス部分の中にもしくはそれを貫通して通されるか、別様にそれに取り付けられる１本以上の縫合糸に組み込まれてもよい。近接照射療法材料を有するコーティングは、噴霧または浸漬によって外科用バットレスのバットレス部分に塗布され得る。化学療法薬または薬剤は、外科用バットレスのバットレス部分に組み込まれるか、そこに塗布されるか、またはバットレス部分に固定された縫合糸もしくは他の機能の一部として適用され得る。

理解され得るように、本開示の装置の構成要素のうちのいずれかの固定は、溶接、圧着、接着、締結などのような既知の固定技術を使用して達成され得る。

また、本明細書に開示される様々な態様は、ロボット外科用システムとともに動作するように構成することができ、一般的に「遠隔手術」と称される。このようなシステムは、臨床医を支援し、外科器具の遠隔操作（または部分的な遠隔操作）を可能にするために、様々なロボット要素を採用している。様々なロボットアーム、歯車、カム、滑車、電気モータ、および機械モータなどが、この目的のために用いられ得、手術または治療の過程で臨床医を支援するためのロボット外科用システムとともに設計され得る。そのようなロボットシステムは、遠隔操縦可能システム、自動フレキシブル外科用システム、遠隔フレキシブル外科用システム、遠隔関節運動外科用システム、無線外科用システム、モジュール式または選択的に構成可能な遠隔操作式外科用システムなどを含み得る。

ロボット外科用システムは、手術室に隣接するか、または遠隔場所に位置する１つ以上のコンソールとともに用いられ得る。この場合、臨床医の１つのチームは、手術のために患者を準備し、かつ本明細書で開示される器具のうちの１つ以上を用いてロボット外科用システムを構成し得、別の臨床医（または臨床医のグループ）がロボット外科用システムを介して器具を遠隔的に制御する。理解され得るように、高度に熟練した臨床医は、自身の遠隔コンソールを離れることなく、複数の場所で複数の手術を行うことができ、これは、経済的に有益であり、患者または一連の患者にとっての利益にもなり得る。例示的な医療用ワークステーションおよび／またはその構成要素の詳細な説明については、米国特許第８，８２８，０２３号およびＰＣＴ出願公開第２０１６／０２５１３２号を参照することができ、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。

当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図に示される構造および方法が、非限定的で例示的な態様であること、ならびに説明、開示、および図が、単に特定の態様を例示しているにすぎないと解釈されるべきであることを理解するであろう。したがって、本開示は、説明された正確な態様に限定されるものではなく、様々な他の変更および修正が、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、当業者により行われ得ることを理解されたい。加えて、例示的な一態様に関連して図示または説明された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わされ得ることが想定され、このような修正および変形も本開示の範囲内に含まれることが意図されている。実際、本開示の要素および特徴のいずれかのいかなる組み合わせも、本開示の範囲内にある。したがって、本開示の主題は、特に図示および説明されているものによって限定されない。

Claims (20)

1. 外科用ステープル留め装置のエンドエフェクタであって、
   アンビルバットレスを支持するアンビル本体を有するアンビルアセンブリであって、前記アンビルバットレスが、前記アンビル本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む、アンビルアセンブリと、
   カートリッジバットレスを支持するカートリッジ本体を有するカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジバットレスが、前記カートリッジ本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む、カートリッジアセンブリと、を備える、エンドエフェクタ。
2. 前記アンビルバットレスが、少なくとも１つの縫合糸によって前記アンビル本体に固定されている、請求項１に記載のエンドエフェクタ。
3. 前記少なくとも１つの縫合糸が、近位縫合糸を含み、前記アンビルバットレスが、前記アンビル本体への前記アンビルバットレスの近位部分の固定を容易にするために前記近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含む、請求項２に記載のエンドエフェクタ。
4. 前記少なくとも１つの縫合糸が、遠位縫合糸を含み、前記アンビルバットレスが、前記アンビル本体への前記アンビルバットレスの遠位部分の固定を容易にするために前記遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含む、請求項３に記載のエンドエフェクタ。
5. 前記近位縫合糸凹部が、近位尾を画定する、請求項３に記載のエンドエフェクタ。
6. 前記カートリッジバットレスが、少なくとも１つの縫合糸によって前記アンビル本体に固定されている、請求項１に記載のエンドエフェクタ。
7. 前記少なくとも１つの縫合糸が、近位縫合糸を含み、前記カートリッジバットレスが、前記カートリッジ本体への前記カートリッジバットレスの近位部分の固定を容易にするために前記近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含む、請求項６に記載のエンドエフェクタ。
8. 前記少なくとも１つの縫合糸が、遠位縫合糸を含み、前記カートリッジバットレスが、前記カートリッジ本体への前記カートリッジバットレスの遠位部分の固定を容易にするために前記遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含む、請求項７に記載のエンドエフェクタ。
9. 前記近位縫合糸凹部が、近位尾を画定する、請求項７に記載のエンドエフェクタ。
10. 前記カートリッジ本体が、取り外し可能なステープルカートリッジを支持する、請求項１に記載のエンドエフェクタ。
11. 外科用ステープル留め装置であって、
    細長管状の本体部分と、
    細長管状の本体部分に支持されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
    アンビルバットレスを支持するアンビル本体を有するアンビルアセンブリであって、前記アンビルバットレスが、前記アンビル本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む、アンビルアセンブリと、
    カートリッジバットレスを支持するカートリッジ本体を有するカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジバットレスが、前記カートリッジ本体を越えて遠位に延在する遠位整列バンドを含む、カートリッジアセンブリと、を含む、エンドエフェクタと、を備える、外科用ステープル留め装置。
12. 前記アンビルバットレスが、少なくとも１つの縫合糸によって前記アンビル本体に固定されている、請求項１１に記載の外科用ステープル留め装置。
13. 前記少なくとも１つの縫合糸が、近位縫合糸を含み、前記アンビルバットレスが、前記アンビル本体への前記アンビルバットレスの近位部分の固定を容易にするために前記近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含む、請求項１２に記載の外科用ステープル留め装置。
14. 前記少なくとも１つの縫合糸が、遠位縫合糸を含み、前記アンビルバットレスが、前記アンビル本体への前記アンビルバットレスの遠位部分の固定を容易にするために前記遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含む、請求項１３に記載の外科用ステープル留め装置。
15. 前記近位縫合糸凹部が、近位尾を画定する、請求項１３に記載の外科用ステープル留め装置。
16. 前記カートリッジバットレスが、少なくとも１つの縫合糸によって前記アンビル本体に固定されている、請求項１１に記載の外科用ステープル留め装置。
17. 前記少なくとも１つの縫合糸が、近位縫合糸を含み、前記カートリッジバットレスが、前記カートリッジ本体への前記カートリッジバットレスの近位部分の固定を容易にするために前記近位縫合糸を受容する近位縫合糸凹部を含む、請求項１６に記載の外科用ステープル留め装置。
18. 前記少なくとも１つの縫合糸が、遠位縫合糸を含み、前記カートリッジバットレスが、前記カートリッジ本体への前記カートリッジバットレスの遠位部分の固定を容易にするために前記遠位縫合糸を受容する遠位縫合糸凹部を含む、請求項１７に記載の外科用ステープル留め装置。
19. 前記近位縫合糸凹部が、近位尾を画定する、請求項１７に記載の外科用ステープル留め装置。
20. 前記カートリッジ本体が、取り外し可能なステープルカートリッジを支持する、請求項１１に記載の外科用ステープル留め装置。

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