JP2022082914A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スプリットゲート型のMONOSメモリにおいて、酸化によりメモリゲート電極とONO膜との間に形成されるバーズビークに起因する半導体装置の信頼性の低下を防ぐ。【解決手段】制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとがONO膜CFを介して隣接するメモリセルMCにおいて、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間には高誘電率膜を形成せず、メモリゲート電極MGの下面とONO膜CFとの間に、高誘電率膜である絶縁膜HKを形成する。【選択図】図2
Description
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、メモリゲート電極と制御ゲート電極とを隣接して形成するスプリットゲート型メモリを備えた半導体装置およびその製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
動作速度が速く、リーク電流および消費電力の低減並びに微細化が可能な電界効果トランジスタとして、フィン型のトランジスタが知られている。フィン型のトランジスタ(FINFET:Fin Field Effect Transistor)は、例えば、基板上に形成された半導体層のパターンをチャネル層として有し、当該パターン上を跨ぐように形成されたゲート電極を有する半導体素子である。
また、電気的に書込・消去が可能な不揮発性半導体記憶装置として、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)が広く使用されている。現在広く用いられているフラッシュメモリに代表されるこれらの記憶装置は、MISFETのゲート電極下に、酸化膜で囲まれた導電性の浮遊ゲート電極あるいはトラップ性絶縁膜を有しており、浮遊ゲートあるいはトラップ性絶縁膜での電荷蓄積状態を記憶情報とし、それをトランジスタのしきい値として読み出すものである。このトラップ性絶縁膜とは、電荷の蓄積可能な絶縁膜を言い、一例として、窒化シリコン膜などが挙げられる。このような電荷蓄積領域への電荷の注入・放出によってMISFETのしきい値をシフトさせ記憶素子として動作させる。このフラッシュメモリの一例として、ONO(Oxide-Nitride-Oxide)膜を電荷蓄積領域として用いたMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor)メモリ、または、MONOSメモリのメモリゲート電極とMISFETの制御ゲート電極とを隣接して形成するスプリットゲート型MONOSメモリなどがある。
特許文献1(特開2010-258091号公報)には、制御ゲート電極の上部にバーズビークが形成されたスプリットゲート型のMONOSメモリが記載されている。
スプリットゲート型MONOSメモリセルでは、メモリゲート電極と接する電荷蓄積膜を構成するトップ層の端部において、バーズビークにより絶縁膜が厚膜化し易くなる。そのため、メモリゲート電極の縮小に伴い、この厚膜化した領域が相対的に増えてくる。トップ膜の厚膜化によりメモリの書き換え後のしきい値電圧(Vth)ばらつきが悪化するため、メモリゲート電極の縮小によりその影響が顕在化する虞がある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態である半導体装置は、制御ゲート電極とメモリゲート電極とがONO膜を介して隣接するメモリセルにおいて、制御ゲート電極とメモリゲート電極との間には高誘電率膜を形成せず、メモリゲート電極MGの下面とONO膜との間に高誘電率膜を形成するものである。
本願において開示される一実施の形態によれば、半導体装置の信頼性を高められる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その言及した数に限定されるものではなく、言及した数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
(実施の形態1)
<半導体装置の構造について>
以下に、図1および図2を用いて、本実施の形態の半導体装置の構造を説明する。図1は、本実施の形態である半導体装置を示す斜視図である。図2は、本実施の形態の半導体装置を示す断面図である。
<半導体装置の構造について>
以下に、図1および図2を用いて、本実施の形態の半導体装置の構造を説明する。図1は、本実施の形態である半導体装置を示す斜視図である。図2は、本実施の形態の半導体装置を示す断面図である。
図1および図2では、メモリセル領域のみを示しており、周辺領域は示していない。メモリセル領域とは、不揮発性記憶素子であるメモリセルがアレイ状に並んで複数配置された領域である。周辺領域(ロジック領域)とは、メモリセル領域とは異なる領域であり、例えばロジック回路を構成する低耐圧MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が形成された領域である。低耐圧MISFET(低耐圧トランジスタ)は、電源回路などに用いられる高耐圧トランジスタに比べて高い動作速度を求められ、かつ、低い電圧で駆動するトランジスタである。図1では、半導体基板および素子などを覆う層間絶縁膜、サイドウォールスペーサ、シリサイド層およびプラグ、並びに、層間絶縁膜上の配線を含む配線層の図示を省略している。
図2では、メモリセル領域の断面を2つ並べて示している。すなわち、図2の左側には、メモリセルを構成するトランジスタを、そのゲート長方向に沿う方向において切断した場合の断面を示している。図2の右側には、図2の左側に示す断面のA-A線の断面を示している。ここでいうA-A線の断面は、図2のメモリセル領域の制御ゲート電極CGを含む断面であり、フィンFAの短手方向(上記トランジスタのゲート幅方向)に沿う断面である。図2では、層間絶縁膜IL上の配線を含む配線層の図示を省略している。
本実施の形態の半導体装置は、同一半導体基板上に、2つのFINFET(制御トランジスタおよびメモリトランジスタ)から成るスプリットゲート型のメモリセルを搭載したものである。ここでは、各トランジスタをn型トランジスタとして形成する場合について説明するが、以下に説明するトランジスタのそれぞれは、p型のトランジスタであってもよい。p型のトランジスタを形成する場合は、以下に説明するトランジスタを構成する各領域に導入する不純物の導電型を異なるものに変更すればよい。
本願でいうトランジスタは、いずれもMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)、つまりMIS型の電界効果トランジスタである。本実施の形態で説明するトランジスタは、いずれも、フィンの表面をチャネル領域として有するFINFET(フィン型電界効果トランジスタ)である。
図1および図2に示すように、メモリセル領域のメモリセル(不揮発性記憶素子)MCは、半導体基板SBの一部であって、半導体基板SBの上部に形成された板状のフィンFA上に形成されている。フィンFAは、半導体基板SBの上面に沿うX方向に沿って延在する半導体層から成るパターンであって、X方向に対して直交し、半導体基板SBの上面に沿うY方向におけるフィンFAの幅は、X方向のFAの幅に比べて著しく小さい。つまり、フィンFAにとって、X方向は長手方向であり、Y方向は短手方向である。フィンFAは、半導体基板SBの一部を構成する突出部である。半導体基板SBは、例えば単結晶シリコンから成る。
図1にはフィンFAをY方向に2つ並べて示しているが、フィンFAはX方向において複数並んで形成されていてもよく、Y方向に並ぶフィンFAの数は3つ以上でもよい。また、図1には、1つのフィンFA上に並んで形成された2つのメモリセルMCを示しているが、図2では、その2つのメモリセルMCのうち1つのみを示している。なお、1つのフィンFA上に形成するメモリセルMCの数は、3つ以上であってもよい。フィンFAの形状は、1方向に延在する板状に限らず、例えば、平面視において蛇行するパターンにより構成されていてもよい。複数のフィンFA同士の間には、半導体基板SBの上面に形成された溝D1が形成されている。つまり、フィンFAの側面は、溝D1の側面を構成している。
図2に示すように、素子分離領域(素子分離部)EIは、溝D1の一部を埋め込む絶縁膜である。ただし、素子分離領域EIは溝D1を完全に埋め込んではおらず、素子分離領域EIの上面上には、フィンFAの一部が突出している。素子分離領域EIは、例えば酸化シリコン膜から成る。素子分離領域EIは、STI(Shallow Trench Isolation)構造を有している。
本願では、半導体基板SBの一部を構成するパターンであって、素子分離領域EIから露出し、X方向に延在する上層パターンと、当該上層パターンの直下において、当該上層パターン側から溝D1の底部まで達する下層パターンとを含む板状の半導体層をフィンFAと呼ぶ。
すなわち、フィンとは、各溝の底面である半導体基板の上面から、半導体基板の上方へ突出する半導体パターンであり、例えば図1のX方向に延在する突出部である。図示は省略しているが、フィンFAの上面には、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を含むp型ウェルが、後述するソース・ドレイン領域に比べて深く形成されている。
図1および図2に示すように、Y方向に並ぶ複数のフィンFAの直上には、それらのフィンFAを跨ぐように、Y方向に延在する制御ゲート電極CGおよびY方向に延在するメモリゲート電極MGが形成されている。制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、Y方向に並ぶ複数のフィンFA同士の間の素子分離領域EIの直上においても延在している。制御ゲート電極CGの上面は、制御ゲート電極CGの上面に沿ってY方向に延在する絶縁膜IF3により覆われている。
図2に示すように、制御ゲート電極CGは、フィンFAの上面上および側面上にゲート絶縁膜である絶縁膜G1を介して形成されている。ここでいうフィンFAの側面上に形成された制御ゲート電極CGとは、フィンFAの側面と隣り合う制御ゲート電極CGが当該側面を覆うように形成されていることを意味する。つまり、ここでいうフィンFAの側面上に形成された制御ゲート電極CGとは、半導体基板SBの上面に対する垂直方向において当該側面の直上に制御ゲート電極CG配置されていることを意味するのではない。
絶縁膜G1は、素子分離領域EIから露出するフィンFAの上面および側面を覆っており、例えば酸化シリコン膜から成る。絶縁膜G1の膜厚は、例えば2~3nmである。制御ゲート電極CGは、例えばポリシリコン膜から成る。
絶縁膜G1、制御ゲート電極CGおよび絶縁膜IF3から成る積層膜のX方向における一方の側面はサイドウォールスペーサSWにより覆われている。また、当該積層膜の他方の側面のうち、制御ゲート電極CGの側面は、ONO(Oxide-Nitride-Oxide)膜CFを介して形成されたメモリゲート電極MGにより覆われている。つまり、メモリゲート電極MGは、絶縁膜G1、制御ゲート電極CGおよび絶縁膜IF3から成る積層パターンの側面にONO膜CFを介して隣り合っている。また、メモリゲート電極MGは、フィンFAの上面上および側面上に形成されたONO膜CFを介して形成されている。すなわち、ONO膜CFは、フィンFAの上面または側面と、制御ゲート電極CGの側面とのそれぞれに沿って連続的に形成されたL字型の断面を有している。言い換えれば、ONO膜CFは、メモリゲート電極MGとフィンFAの表面との間の領域から、当該メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間の領域に亘って連続的に形成されている。
ONO膜CFは、フィンFAの表面側および制御ゲート電極CGの側面側から順に酸化シリコン膜X1、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X2を積層した積層膜から成り、メモリゲート電極MGは、例えばポリシリコン膜から成る。窒化シリコン膜N1はトラップ性絶縁膜(電荷蓄積膜、電荷保持膜)である。メモリセルMCの動作により窒化シリコン膜N1の電荷蓄積状態を変化させることでメモリセルMCのしきい値電圧を変化させられる。ONO膜CFの膜厚は、例えば20nm程度である。ボトム酸化膜(ボトム層)である酸化シリコン膜X1の膜厚は例えば4nmであり、窒化シリコン膜N1の膜厚は例えば10nmであり、トップ酸化膜(トップ層)である酸化シリコン膜X2の膜厚は例えば6nmである。なお膜厚の数値は例示であり、これらの数値に限定されるものではない。
メモリゲート電極MGは、ONO膜CFにより制御ゲート電極CGから絶縁されており、ONO膜CFによりフィンFAから絶縁されている。
X方向におけるメモリゲート電極MGの側面であって、ONO膜CFと接していない方の側面は、サイドウォールスペーサSWにより覆われている。サイドウォールスペーサSWは、例えば窒化シリコン膜若しくは酸化シリコン膜またはそれらの積層膜から成る。また、メモリゲート電極MG上において、絶縁膜IF3の側面はサイドウォールスペーサSWにより覆われている。
図1に示すように、メモリセル領域のフィンFAの直上には、ONO膜CFを介して互いに隣接する制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGを含むパターンがX方向に並んで一対形成されている。当該一対のパターンは互いに離間している。
図1および図2に示すように、X方向における当該パターンの横の両側のフィンFAの上面には、一対のソース・ドレイン領域が形成されている。ソース領域およびドレイン領域のそれぞれは、n型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))が導入された2つのn型半導体領域、つまりエクステンション領域EXおよび拡散層DFにより構成されている。エクステンション領域EXは、拡散層DFよりもn型不純物の濃度が低い領域である。ここでは、拡散層DFはエクステンション領域EXよりも深く形成されている。また、エクステンション領域EXは、隣接する拡散層DFよりも、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの直下のフィンFAの上面に近い位置に配置されている。図示はしていないが、ソース・ドレイン領域は、Y方向におけるフィンFAの側面にも形成されている。
制御ゲート電極CGと、当該制御ゲート電極CGの両側のフィンFAの上面に形成された一対のソース・ドレイン領域とは、MISFET構造のFINFETである第1トランジスタ(制御トランジスタ)を構成している。また、メモリゲート電極MGと、当該メモリゲート電極MGの両側のフィンFAの上面に形成された一対のソース・ドレイン領域とは、MISFET構造のFINFETである第2トランジスタ(メモリトランジスタ)を構成している。本実施の形態の1つのメモリセルMCは、互いにソース・ドレイン領域を共有する第1トランジスタと第2トランジスタとにより構成されている。すなわち、メモリセルMCは、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ONO膜CF、制御ゲート電極CGの近傍のドレイン領域、および、メモリゲート電極MGの近傍のソース領域を有している。
図1に示すように、1つのフィンFA上には、2つのメモリセルMCが形成されている。当該2つのメモリセルMCは、互いのソース領域(図示しない)を共有している。制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれに覆われたフィンFAの上面および側面は、メモリセルMCの動作時にチャネルが形成されるチャネル領域を含んでいる。メモリセルMCは、書き込み動作および消去動作とも電気的に書き換え可能な不揮発性記憶素子(不揮発性メモリ)である。互いに隣り合う制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGと、ONO膜CFとを備えた本実施の形態のメモリセルMCは、スプリットゲート型のMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)メモリと呼ばれる。
ここでは、メモリセル領域においてソース・ドレイン領域を構成する拡散層DFがフィンFAの表面に形成された場合について説明した。例えば、素子分離領域EIの上にフィンFAの表面に接してエピタキシャル層が形成されている場合には、これらの拡散層DFは、当該エピタキシャル成長層内に形成されていてもよい。
本願では、フィンの一部をチャネル領域として有し、フィンの上部に形成された上記の第1トランジスタおよび第2トランジスタをFINFETと呼ぶ。メモリセルMCを構成する第1トランジスタおよび第2トランジスタは、ロジック回路を構成する低耐圧のトランジスタに比べ、高い電圧で駆動するトランジスタである。
メモリゲート電極MGおよび拡散層DFのそれぞれの上面には、シリサイド層S1が形成されている。シリサイド層S1は、例えばNiSi(ニッケルシリサイド)またはCoSi(コバルトシリサイド)から成る。シリサイド層S1は、メモリゲート電極MGの上面に対し接続されるコンタクトプラグPG(図2参照)と、メモリゲート電極MGおよび拡散層DFのそれぞれとの接続抵抗を低減するために設けられている。なお、図示していない領域では、絶縁膜IF3から露出する制御ゲート電極CGの上面にもシリサイド層S1が形成されている。
図2に示すように、素子分離領域EI、フィンFA、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、絶縁膜IF3およびサイドウォールスペーサSWのそれぞれは、層間絶縁膜ILにより覆われている。層間絶縁膜ILは、例えば主に酸化シリコン膜から成る。なお、図示は省略しているが、素子分離領域EI、フィンFA、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、絶縁膜IF3およびサイドウォールスペーサSWのそれぞれとの間には、薄い絶縁膜(ライナー膜)が形成されており、当該絶縁膜は、例えば窒化シリコン膜から成る。層間絶縁膜ILの上面は、絶縁膜IF3の上面より上方で平坦化されている。
層間絶縁膜ILを貫通する複数のコンタクトプラグ(導電性接続部)PGが形成されており、各コンタクトプラグPGは、シリサイド層S1を介して制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGまたは各ソース・ドレイン領域に電気的に接続されている。また、コンタクトプラグPGに上には配線を含む配線層(図示しない)が形成されている。コンタクトプラグPGの上面は、当該配線に接続されている。コンタクトプラグPGは、例えば主にW(タングステン)から成る。
ここで、本実施の形態の半導体装置の主な特徴は、フィンFAの上面および側面に沿うONO膜CF上、つまり、酸化シリコン膜X2上に、高誘電率膜、つまりhigh-k膜である絶縁膜HKが形成されている点にある。つまり、メモリゲート電極MGとフィンFAとの間であって、メモリゲート電極MGとONO膜CFとの間には、絶縁膜HKが形成されている。ただし、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間には、絶縁膜HKは形成されていない。このため、メモリゲート電極MGの底面は絶縁膜HKに接しておりONO膜CFに接していないのに対し、メモリゲート電極MGの一方の側面はONO膜CFに接している。絶縁膜HKは、SiN(窒化シリコン)よりも比誘電率が高い材料から成る。ここでは、絶縁膜HKはトップ層の一部を構成していると言える。
また、絶縁膜HKとメモリゲート電極MGとの間には、バーズビークBV1が形成されている。バーズビークBV1の断面形状は、例えば楔状であり、制御ゲート電極CG側から離れるほど、フィンFAの上面または側面に対して垂直な方向におけるバーズビークBV1の膜厚が大きくなる。
また、メモリゲート電極MGの制御ゲート電極CG側の側面と、ONO膜CFとの間には、バーズビークBV2が形成されている。バーズビークBV2は、例えば、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間のトップ層である酸化シリコン膜X2と一体化している。バーズビークBV2の断面形状は、例えば楔状である。フィンFAの上面に対して垂直な方向において、フィンFAから離れるほど、X方向におけるバーズビークBV1の幅が大きくなる。
バーズビークBV1、BV2は、図13を用いて後述するように、犠牲酸化工程により形成される絶縁膜である。バーズビークBV1、BV2は、例えば酸化シリコン膜から成る。ここでは、メモリゲート電極MG、バーズビークBV2、絶縁膜HKおよびONO膜CFは、フィンFAの上面に対して垂直な方向において重なっている。
ここで、絶縁膜HKの比誘電率は、バーズビークBV1、BV2のそれぞれの比誘電率のいずれよりも高い。また、絶縁膜HKはメモリゲート電極MGの下面の下にのみ形成されているため、絶縁膜HKはメモリゲート電極MGの側面と対向するONO膜CFの側面を露出しており、絶縁膜HKとバーズビークBV2とは、互いに離間している。また、メモリゲート電極MGの側面とONO膜CFの側面とは、バーズビークBV2が形成されていない領域において互いに接している。
<半導体装置の動作について>
次に、本実施の形態の半導体装置のうち、主に不揮発性メモリの動作について、図3を用いて説明する。図3は、スプリットゲート型のメモリセルの動作電圧を説明するための表である。
次に、本実施の形態の半導体装置のうち、主に不揮発性メモリの動作について、図3を用いて説明する。図3は、スプリットゲート型のメモリセルの動作電圧を説明するための表である。
本実施の形態のメモリセルは、MISFET構造を有し、当該MISFETのゲート電極内のトラップ性絶縁膜での電荷蓄積状態を記憶情報とし、それをトランジスタのしきい値として読み出すものである。トラップ性絶縁膜とは、電荷の蓄積可能な絶縁膜をいい、一例として、窒化シリコン膜などが挙げられる。このような電荷蓄積領域への電荷の注入・放出によってMISFETのしきい値をシフトさせ、これによりMISFETを記憶素子として動作させる。トラップ性絶縁膜を用いた不揮発性半導体記憶装置としては、本実施の形態のメモリセルのように、スプリットゲート型のMONOSメモリがある。
図3は、本実施の形態の「書込」、「消去」および「読出」時における選択メモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。図3の表には、「書込」、「消去」および「読出」のそれぞれの際に、図2に示すメモリセルMCのメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmg、ソース領域に印加する電圧Vs、制御ゲート電極CGに印加する電圧Vcg、ドレイン領域に印加する電圧Vd、および半導体基板SBの上面(フィンFAの表面)のp型ウェル(図示しない)に印加するベース電圧Vbが記載されている。ここでいう選択メモリセルとは、「書込」、「消去」または「読出」を行う対象として選択されたメモリセルをいう。
なお、図2に示す不揮発性メモリの例では、メモリゲート電極MG側の半導体領域がソース領域、制御ゲート電極CG側の半導体領域がドレイン領域である。また、図3の表に示したものは電圧の印加条件の好適な一例であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。また、本実施の形態では、メモリトランジスタのONO膜CF中の電荷蓄積部である窒化シリコン膜N1への電子の注入を「書込」、ホール(hole:正孔)の注入を「消去」と定義する。
ここでは、書込み方法がSSI方式で、かつ消去方法がBTBT方式である場合について説明する。SSI方式は、窒化シリコン膜N1(図2参照)にホットエレクトロンを注入することによってメモリセルの書込みを行う動作法とみなすことができ、BTBT方式は、窒化シリコン膜N1にホットホールを注入することによってメモリセルの消去を行う動作法とみなせる。以下、具体的に説明する。
ここでの書込み方式は、いわゆるSSI(Source Side Injection:ソースサイド注入)方式と呼ばれるソースサイド注入によるホットエレクトロン注入で書込みを行う書込み方式(ホットエレクトロン注入書込み方式)を採用している。SSI方式の書込みでは、例えば図3の表の「書込動作電圧」に示されるような電圧(Vmg=10V、Vs=5V、Vcg=1V、Vd=0.5V、Vb=0V)を、書込みを行う選択メモリセルの各部位に印加し、選択メモリセルのONO膜CF中の窒化シリコン膜N1中に電子を注入することで書込みを行う。
この際、ホットエレクトロンは、2つのゲート電極(メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG)間の下のチャネル領域(ソース、ドレイン間)で発生し、メモリゲート電極MGの下のONO膜CF中の電荷蓄積部である窒化シリコン膜N1にホットエレクトロンが注入される。注入されたホットエレクトロン(電子)は、ONO膜CFを構成する窒化シリコン膜N1中のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する。すなわち、メモリトランジスタは書込み状態となる。
書込み動作時において、非選択のメモリセルのうち、選択されたメモリセルと隣り合うメモリセルであって、選択されたメモリセルと同一のワード線に接続された非選択メモリセルの各箇所の印加電圧は、ドレイン領域に印加する電圧Vdが1.5Vである点を除き、選択されたメモリセルの印加電圧と同じである。つまり、書込み動作時において、制御ゲート電極CGに印加される電圧が選択セルと同じである非選択セルに印加される電圧条件は、Vmg=10V、Vs=5V、Vcg=1V、Vd=1.5V、Vb=0Vである。つまり、非選択セルのドレイン領域には、Vdd電圧が印加される。
ここでの消去方法は、いわゆるBTBT方式と呼ばれるBTBT(Band-To-Band Tunneling:バンド間トンネル現象)によるホットホール注入により消去を行う消去方式(ホットホール注入消去方式)を採用している。BTBT方式の消去では、BTBTにより発生したホール(正孔)を電荷蓄積部(ONO膜CF中の窒化シリコン膜N1)に注入することにより消去を行う。例えば図3の表のAの欄の「消去動作電圧」に示されるような電圧(Vmg=-6V、Vs=6V、Vcg=0V、Vd=open、Vb=0V)を、消去を行う選択メモリセルの各部位に印加する。これにより、BTBT現象によりホールを発生させ電界加速することで選択メモリセルのONO膜CFを構成する窒化シリコン膜N1中にホールを注入し、それによってメモリトランジスタのしきい値電圧を低下させる。すなわち、メモリトランジスタは消去状態となる。
読出し時には、例えば図3の「読出動作電圧」に示されるような電圧(Vmg=0V、Vs=0V、Vcg=1.5V、Vd=1.5V、Vb=0V)を、読出しを行う選択メモリセルの各部位に印加する。読出し時のメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmgを、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と消去状態におけるしきい値電圧との間の値にすることで、書込み状態と消去状態とを判別できる。
<半導体装置の製造方法>
本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図4~図18を用いて説明する。図4~図18は、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。図4~図18では、図の左側から順に、メモリセル領域の断面およびA-A線(図2参照)の断面を示している。つまり、図4~図18に示す断面図は、図2に示す箇所に対応する。すなわち、図4~図18に並ぶ2つの断面のうち、左側の断面は、メモリセル領域の断面であって、製造工程で形成するフィンの長手方向に沿う断面である。また、図4~図18に並ぶ2つの断面のうち、右側の断面は、上記フィンの短手方向に沿う断面である。
本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図4~図18を用いて説明する。図4~図18は、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。図4~図18では、図の左側から順に、メモリセル領域の断面およびA-A線(図2参照)の断面を示している。つまり、図4~図18に示す断面図は、図2に示す箇所に対応する。すなわち、図4~図18に並ぶ2つの断面のうち、左側の断面は、メモリセル領域の断面であって、製造工程で形成するフィンの長手方向に沿う断面である。また、図4~図18に並ぶ2つの断面のうち、右側の断面は、上記フィンの短手方向に沿う断面である。
まず、図4に示すように、半導体基板SBを用意する。半導体基板SBは、例えば1~10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどから成る。
次に、図5に示すように、半導体基板SBの上面上に、絶縁膜IF1、絶縁膜IF2および半導体膜を順に形成する。絶縁膜IF1は、例えば酸化シリコン膜から成り、例えば酸化法またはCVD法を用いて形成できる。絶縁膜IF1の膜厚は、2~10nm程度である。絶縁膜IF2は、例えば窒化シリコン膜から成り、その膜厚は、20~100nm程度である。絶縁膜IF2は、例えばCVD法により形成する。半導体膜は、例えばシリコン膜から成り、例えばCVD法により形成する。半導体膜の膜厚は、例えば20~200nmである。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、半導体膜を加工する。これにより、絶縁膜IF2上には、X方向に延在する複数の半導体膜のパターンが、Y方向に並んで複数形成される。続いて、複数の半導体膜の側面を覆うハードマスクHMを形成する。ここでは、例えば、半導体基板SB上にCVD法を用いて、10~40nmの膜厚を有する酸化シリコン膜を形成した後、異方性エッチングであるドライエッチングを行う。これにより絶縁膜IF2および半導体膜のそれぞれの上面を露出させることで、半導体膜の側面に残った当該酸化シリコン膜から成るハードマスクHMを形成する。ハードマスクHMは、隣り合う半導体膜同士の間を完全に埋め込んではいない。ハードマスクHMは、各半導体膜を囲むように環状に形成される。その後、半導体膜を除去し、続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いてハードマスクHMを加工する。これにより、ハードマスクHMは、X方向に延在する部分のみが残る。すなわち、絶縁膜IF2上には、X方向に延在するパターンであるハードマスクHMが、Y方向に複数並んで配置されている。
続いて、ハードマスクHMをマスクとして、絶縁膜IF2、IF1および半導体基板SBに対して異方性ドライエッチングを行う。これにより、ハードマスクHMの直下に、板状に加工された半導体基板SBの一部であるパターン、つまりフィンFAを複数形成する。ここでは、ハードマスクHMから露出した領域の半導体基板SBの上面を100~250nm掘り下げることで、半導体基板SBの上面からの高さ100~250nmを有するフィンが形成できる。このようにして、図5に示す構造を得る。
次に、図6に示すように、半導体基板SBの上に、フィンFA、絶縁膜IF1およびIF2を完全に埋めるように、酸化シリコン膜などから成る絶縁膜を堆積する。続いて、この絶縁膜に対してCMP法による研磨処理を行い、絶縁膜IF2の上面を露出させる。これにより、当該絶縁膜から成る素子分離領域EIを形成する。当該CMP工程により、ハードマスクHMは除去される。なお、素子分離領域EIを構成する絶縁膜を形成する前にハードマスクHMを除去してもよい。
続いて、絶縁膜IF1、IF2を除去する。続いて、素子分離領域EIの上面に対しエッチング処理を施すことで、素子分離領域EIの上面を高さ方向に後退(下降)させる。これにより、複数のフィンFAのそれぞれの側面の一部および上面を露出させる。
続いて、イオン注入法を用いて半導体基板SBの上面に不純物を導入することにより、メモリセル領域1AのフィンFA内にp型ウェル(図示しない)を形成する。p型ウェルは、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を打ち込むことで形成する。p型ウェルは、フィンFA内の全体およびフィンFAの下部の半導体基板SBの一部に広がって形成される。
次に、図7に示すように、例えば熱酸化法を用いて、半導体基板SB上に、例えば酸化シリコン膜から成る絶縁膜G1を形成する。絶縁膜G1はフィンFAの側面および上面を覆っており、後の工程でメモリセル領域の制御トランジスタのゲート絶縁膜となる膜である。絶縁膜G1の膜厚は、例えば約2~3nmである。
続いて、素子分離領域EI、フィンFAおよび絶縁膜G1のそれぞれの上に、例えばCVD法を用いてポリシリコン膜(導体膜)SL1を形成した後、ポリシリコン膜SL1の上面をCMP法などにより研磨する。続いて、図示は省略するが、ポリシリコン膜SL1の上面を熱酸化することで、当該上面を覆う酸化シリコン膜を形成する。続いて、ポリシリコン膜SL1上に、例えばCVD法を用いて絶縁膜IF3を形成する。絶縁膜IF3は、例えば窒化シリコン膜から成る。ポリシリコン膜SL1の膜厚は、例えば100nmであり、絶縁膜IF3の膜厚は、例えば80nmである。なお、膜厚の数値は例示であり、これらの数値に限定されるものではない。
次に、図8に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、絶縁膜IF3、ポリシリコン膜SL1および絶縁膜G1を加工する。これにより、フィンFAの直上において、絶縁膜IF3、ポリシリコン膜SL1および絶縁膜G1から成る積層パターンを形成する。このパターニングにより、ポリシリコン膜SL1から成る制御ゲート電極CGを形成する。
絶縁膜IF3、制御ゲート電極CGおよび絶縁膜G1から成る積層パターンはY方向に延在し、複数のフィンFAの上を跨ぐように配置されている。メモリセル領域において、当該積層パターンが形成された箇所以外の領域では、上記エッチングで絶縁膜IF3、ポリシリコン膜SL1および絶縁膜G1が除去されたことにより、フィンFAの上面、側面および素子分離領域EIの上面が露出する。
次に、図9に示すように、熱酸化処理を行うことで、絶縁膜G1および素子分離領域EIから露出するフィンFAの表面および制御ゲート電極CGの側面のそれぞれを酸化する。これにより、フィンFAの表面および制御ゲート電極CGの側面のそれぞれを覆う酸化シリコン膜(ボトム酸化膜)X1を形成する。ここでは、素子分離領域EIの表面および絶縁膜IF3の表面も酸化シリコン膜X1に覆われるものとして説明を行うが、これらの表面上に酸化シリコン膜X1が形成されなくてもよい。
続いて、例えばCVD法を用いて、酸化シリコン膜X1上に窒化シリコン膜N1を形成する。当該窒化シリコン膜N1は、後に形成するメモリセルにおいて電荷を蓄積するためのトラップ絶縁膜として機能する。なお、ここでは電荷蓄積膜として窒化シリコン膜N1を形成することについて説明したが、電荷蓄積膜の材料としては窒化シリコン膜に限らず、例えばHfSiO(ハフニウムシリケート)から成る絶縁膜を形成してもよい。続いて、例えばCVD法を用いて、窒化シリコン膜N1上に酸化シリコン膜(トップ酸化膜)X2を形成する。
半導体基板SB上に順に形成された酸化シリコン膜X1、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X2から成る積層膜は、ONO膜CFを構成する。制御ゲート電極CGの側面に接するONO膜CFは、制御ゲート電極CG側から順にX方向に形成された酸化シリコン膜X1、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X2から成る。ここでは、ONO膜CFの最上層のトップ酸化膜の材料は、酸化シリコンに限らず、例えばアルミナ(Al2O3)であってもよい。ONO膜CFの膜厚は、例えば20nm程度である。
次に、図10に示すように、例えばスパッタリング法を用いて、酸化シリコン膜X2上を含む半導体基板SB上に、高誘電率膜(high-k膜)HK1を形成する。ここでは、高誘電率膜HK1をスパッタリング法により塗布することで、酸化シリコン膜X2の表面のうち、平面側のみ高誘電率膜HK1が堆積する。つまり、高誘電率膜HK1は、酸化シリコン膜X2の側面には堆積されない。このため、高誘電率膜HK1は、酸化シリコン膜X2の上面上にのみ形成される。高誘電率膜HK1が形成されるのは、制御ゲート電極CGから露出するフィンFAの上面、素子分離領域EIの上面、および、絶縁膜IF3のそれぞれの直上のONO膜CF上である。
当該スパッタリングのターゲットとしては、Hf(ハフニウム)を用いることが考えられるが、代わりにAl(アルミニウム)、Zr(ジルコニウム)またはLa(ランタン)などを用いてもよい。この工程でのスパッタ量は、高誘電率膜HK1が金属層として結晶化しない程度に抑える必要がある。したがって、高誘電率膜HK1の膜厚は、1014[atoms/cm2]オーダー以下にすることが望ましい。
次に、図11に示すように、高誘電率膜HK1上を含むONO膜CF上に、例えばCVD法を用いてポリシリコン膜SL2を形成する。その後、エッチバックを行うことで、高誘電率膜HK1、IF3のそれぞれの上面をポリシリコン膜SL2から露出させる。このようにして、ポリシリコン膜SL2を、制御ゲート電極CGの横の両側にサイドウォールスペーサ状に残す。これにより、X方向の制御ゲート電極CGの一方の側面に隣接する領域には、ONO膜CFを介してポリシリコン膜SL2のパターンから成るメモリゲート電極MGが形成される。制御ゲート電極CGの他方の側面に隣接するポリシリコン膜SL2は、後の工程で除去されるパターンであり、完成後の半導体装置には残らない。
次に、図12に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、制御ゲート電極CGおよび絶縁膜IF3から成る積層膜の一方の側面に隣接するポリシリコン膜SL2を除去する。これにより、制御ゲート電極CGの他方の側面に隣接するメモリゲート電極MGが残る。
次に、図13に示すように、犠牲酸化を行う。この酸化工程は、図15を用いて後述するONO膜CFの一部を除去するために行うウェットエッチングからメモリゲート電極MGを保護する保護膜(酸化シリコン膜)を形成するものである。この犠牲酸化により、メモリゲート電極MGの表面のうち、露出している面を覆うように絶縁膜IF4が形成される。また、この犠牲酸化により高誘電率膜HK1は酸化され、これによりhigh-k酸化膜である絶縁膜HKが形成される。このようにして高誘電率膜HK1がhigh-k酸化膜に置き換わることで、メモリゲート電極MGを構成するポリシリコンと高誘電率膜との反応(シリサイド化)が抑えられる。高誘電率膜HK1が酸化されることで、メモリゲート電極MGの直下の酸化シリコン膜X2の一部が、絶縁膜HKに置き換わることが考えられる。
この犠牲酸化工程では、絶縁膜IF4を形成する際、ONO膜CFのトップ層である酸化シリコン膜X2の端部近傍で酸化が促進されてバーズビークBV1、BV2が形成される。つまり、メモリゲート電極MGの端部のうち、制御ゲート電極CGとは反対側の端部の直下の絶縁膜HK上に、楔状のバーズビークBV1が形成される。また、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間の酸化シリコン膜X2の上部近傍で酸化が起こり、バーズビークBV2が形成される。
次に、図14に示すように、露出している絶縁膜HKを選択的に除去する。すなわち、フッ酸によるウェットエッチング、ドライエッチング、またはそれらの組み合わせにより絶縁膜HKを除去する。これにより、素子分離領域EIおよび絶縁膜IF3のそれぞれの上面を覆う絶縁膜HKは除去される。これに対し、メモリゲート電極MGの直下の絶縁膜HKは、メモリゲート電極MG、バーズビークBV1およびONO膜CFにより覆われているため、除去されない。
次に、図15に示すように、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGから露出するONO膜CFを除去する。すなわち、例えばウェットエッチング法によりONO膜CFを除去する。具体的には、ONO膜CFのトップ層である酸化シリコン膜X2をウェットエッチングで除去した後、窒化シリコン膜N1を熱リン酸を用いたウェットエッチングにより除去する。
これにより、ONO膜CFは、メモリゲート電極MGとフィンFAとの間、および、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間にのみ残る。したがって、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGから露出する領域において、フィンFAの上面、側面、絶縁膜IF3の表面および素子分離領域EIの表面がONO膜CFから露出する。ここでは、ONO膜CFの一部を除去するエッチング工程により、メモリゲート電極MGの表面を覆う保護膜である絶縁膜IF4は除去される。ただし、バーズビークBV1、BV2のそれぞれは除去されずに残る。
フィンFAの表面に沿って延在するONO膜CFと、制御ゲート電極CGの側面に沿って延在するONO膜CFとは連続的に形成されており、L字型の断面を有している。図示を一部省略しているが、フィンFA上には、制御ゲート電極CGと当該制御ゲート電極CGにONO膜CFを介して隣接するメモリゲート電極MGとを有するパターンが一対形成されており、一対の制御ゲート電極CG同士の間において、一対のメモリゲート電極MG同士が対向している。
次に、図16に示すように、絶縁膜IF3、メモリゲート電極MGおよびONO膜CFをマスクとして用いてイオン注入工程を行うことで、フィンFAの上面にn型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))を打ち込む。これにより、比較的不純物濃度が低いn型半導体領域であるエクステンション領域EXを複数形成する。エクステンション領域EXは、制御ゲート電極CGと、当該制御ゲート電極CGにONO膜CFを介して隣接するメモリゲート電極MGとを有するパターンの横のフィンFAの上面に形成される。
次に、図17に示すように、半導体基板SB上に、例えばCVD法を用いて絶縁膜を形成する。当該絶縁膜は、例えば酸化シリコン膜若しくは窒化シリコン膜またはそれらの積層膜から成る。続いて、ドライエッチングを行うことで、フィンFA、絶縁膜IF3および素子分離領域EIのそれぞれの上面を当該絶縁膜から露出させる。これにより、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ONO膜CF、バーズビークBV1、BV2、絶縁膜HKおよびIF3を含むパターンの両側の側面に、上記絶縁膜から成るサイドウォールスペーサSWが形成される。
続いて、絶縁膜IF3、メモリゲート電極MG、サイドウォールスペーサSWおよびONO膜CFをマスクとして用いてイオン注入工程を行うことで、フィンFAの上面にn型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))を打ち込む。これにより、比較的不純物濃度が高いn型半導体領域である拡散層DFを複数形成する。拡散層DFは、制御ゲート電極CGおよび当該制御ゲート電極CGにONO膜CFを介して隣接するメモリゲート電極MGを有するパターンの横のフィンFAの上面に形成される。
拡散層DFは、当該拡散層DFに接するエクステンション領域EXに比べ、X方向において制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGよりも離れた位置に形成される。拡散層DFは、エクステンション領域EXよりも形成深さが深く、n型不純物濃度が高い。エクステンション領域EXおよび拡散層DFは、フィンFAの上面および側面に形成される。互いに接するエクステンション領域EXおよび拡散層DFは、トランジスタのソース・ドレイン領域を構成する。この後、エクステンション領域EX内および拡散層DF内の不純物を活性化させるため、必要に応じて熱処理を行う。
なお、ここではメモリセル領域のそれぞれのソース・ドレイン領域を同一工程で形成することについて説明したが、各領域のエクステンション領域EX、拡散層DFの形成工程は別々に行ってもよい。また、ここではイオン注入によりソース・ドレイン領域を形成することについて説明したが、イオン注入を行う代わりに、不純物が導入されたエピタキシャル層を、各ゲート電極の横のフィンの表面にエピタキシャル成長法を用いて形成してもよい。
メモリセル領域において、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGと、当該制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGを含むパターンの両側に形成されたエクステンション領域EXおよび拡散層DFから成るソース・ドレイン領域とは、スプリットゲート型のメモリセルMCを構成する。すなわち、メモリセルMCは、制御ゲート電極CGを含む第1トランジスタ(制御トランジスタ)と、メモリゲート電極MGを含む第2トランジスタ(メモリトランジスタ)とを含むMONOS型の不揮発性メモリを構成する。
次に、図18に示すように、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびフィンFAの上面を覆うシリサイド層S1を形成する。ただし、図20では、制御ゲート電極CG上に形成されるシリサイド層を図示していない。制御ゲート電極CGの上面の一部は、図示していない領域で絶縁膜IF3から露出しており、当該領域で制御ゲート電極CGを覆うシリサイド層が形成される。
ここでは、露出している制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびフィンFAのそれぞれの上に、例えばスパッタリング法を用いてニッケル(Ni)膜またはコバルト(Co)膜から成る金属膜を形成する。その後、熱処理を行って当該金属膜と制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびフィンFAとを反応させる。
これにより、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびフィンFAの上面を覆う、ニッケルシリサイド(NiSi)層またはコバルトシリサイド(CoSi)層から成るシリサイド層S1を形成し、その後、未反応の金属膜をウェットエッチングなどにより除去する。
続いて、半導体基板SB上に、例えばCVD法を用いて、例えば5~20nmの膜厚を有する窒化シリコン膜から成る絶縁膜(図示しない)と、例えば酸化シリコン膜から成る層間絶縁膜ILとを順に形成する。層間絶縁膜ILは、少なくとも制御ゲート電極CGよりも大きい膜厚を有しており、ここでは、絶縁膜G1、制御ゲート電極CGおよび絶縁膜IF3から成る積層膜よりも大きい膜厚を有している。層間絶縁膜ILは、素子分離領域EI上の溝D1の内側を埋め込むように形成される。その後、層間絶縁膜ILの上面を、例えばCMP法を用いて研磨することで平坦化する。
続いて、層間絶縁膜ILを貫通し、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGまたはソース・ドレイン領域に接続された複数のコンタクトプラグ(導電性接続部)PGを形成することで、本実施の形態の半導体装置が略完成する。
具体的には、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜ILおよびその上の当該層間絶縁膜から成る層間絶縁膜を貫通する複数のコンタクトホールを形成する。コンタクトホールは、メモリセルMCのソース・ドレイン領域を構成する拡散層DF、制御ゲート電極CGまたはメモリゲート電極MGのそれぞれの上面を層間絶縁膜から露出する開口部である。なお、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの直上のコンタクトホールの底面には、シリサイド層S1の上面が露出する。
続いて、例えばスパッタリング法などを用いて、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜上に、接続用の導電膜として、例えば主にW(タングステン)から成る金属膜を形成し、これにより各コンタクトホール内を完全に埋め込む。ここでは、例えばTi(チタン)膜若しくはTiN(窒化チタン)膜またはそれらの積層膜から成るバリア導体膜を形成した後、バリア導体膜上にタングステン膜から成る主導体膜を形成することで、バリア導体膜および主導体膜から成る当該金属膜を形成する。その後、層間絶縁膜上の不要な当該金属膜をCMP法などにより除去することで、各コンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグPGを形成する。コンタクトプラグPGは、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGまたはソース・ドレイン領域に電気的に接続される。その後、層間絶縁膜IL上には、コンタクトプラグPGに接続された配線を含む積層配線層を形成する。
<本実施の形態の効果について>
以下に、本実施の形態の半導体装置およびその製造方法の効果について、比較例を示した図22を用いて説明する。図22は、比較例の半導体装置を示す断面図であって、FINFETから成るメモリセルを含む断面図である。図22に示す断面は、図2に示す断面の位置に対応している。図22に示す構造は、メモリゲート電極MGの下面とONO膜CFとの間に絶縁膜HKが形成されていない点を除き、本実施の形態の半導体装置の構造と同様である。
以下に、本実施の形態の半導体装置およびその製造方法の効果について、比較例を示した図22を用いて説明する。図22は、比較例の半導体装置を示す断面図であって、FINFETから成るメモリセルを含む断面図である。図22に示す断面は、図2に示す断面の位置に対応している。図22に示す構造は、メモリゲート電極MGの下面とONO膜CFとの間に絶縁膜HKが形成されていない点を除き、本実施の形態の半導体装置の構造と同様である。
図15を用いて説明したONO膜CFの除去工程の際にメモリゲート電極MGが除去されることを防ぐため、図13を用いて説明した工程では犠牲酸化を行い、メモリゲート電極MGを保護する絶縁膜IF4を形成している。この際、メモリゲート電極MGと、ONO膜のトップ層である酸化シリコン膜X2の端部との間には、バーズビークBV1、BV2が形成される。すの結果、図22に示すように、バーズビークBV1の形成によって、メモリゲート電極MGの直下のトップ層の膜厚が実効的に大きくなる。特に、半導体装置の微細化が進むと、バーズビークBV1によりトップ層の膜圧が増大した領域は、ゲート長方向におけるONO膜の主成分となる。また、半導体装置の微細化が進むと、バーズビークBV1の形成によるトップ層の膜厚の増大率は大きくなる。その結果、メモリゲート電極MGと半導体基板SBとの間の容量が低下するため、メモリ特性のばらつきが顕在化する。
上記課題に対し、本実施の形態では、図2に示すように、ONO膜CFのトップ層の一部として、高誘電率なhigh-k酸化膜を形成している。これにより、メモリゲート電極MGと半導体基板SBとの間の電気的なONO容量膜厚を低減できる。したがって、ONO膜の膜厚増大に起因する書込/消去時のしきい電圧Vthのばらつきの増大を抑制できる。
図22に示す比較例では、上記課題の対策として、予めONO膜CFのトップ層である酸化シリコン膜X2の膜厚を物理的に小さくすることが考えられる。しかしその場合、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間のONO膜CFの膜厚が低下するため、それらのゲート電極間のONO膜CFの信頼性が悪化する。これに対し、本実施の形態では、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間のONO膜CFは薄膜化されない。よって、酸化膜換算膜厚(EOT:Equivalent Oxide Thickness)の低減と、それらのゲート電極間のONO膜CFの信頼性確保とを両立できる。
また、図10を用いて説明したように、高誘電率膜HK1はスパッタリング法などにより形成されるため、絶縁膜HKはメモリゲート電極MGの直下にのみ形成される。つまり、絶縁膜HKは、メモリゲート電極MGの側面とONO膜CFとの間には形成されない。このため、メモリゲート電極MGの側面とONO膜CFとの間のバーズビークBV2の形成により、NO膜CFのトップ層の膜厚は実効的に増大する。これにより、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間でのリーク電流を低減でき、ONO膜CFの信頼性を向上できる。
(実施の形態2)
以下では、制御ゲート電極のうち、下端側の一部の幅を上端側に比べ広げ、制御ゲート電極の側面の下端側にテーパーを設ける場合について説明する。
以下では、制御ゲート電極のうち、下端側の一部の幅を上端側に比べ広げ、制御ゲート電極の側面の下端側にテーパーを設ける場合について説明する。
図19に本実施の形態の半導体装置であるスプリットゲート型のメモリセルMCを示す。メモリセルMCを構成の構成は、前記実施の形態1のメモリセルとほぼ同様であるが、制御ゲート電極CGの形状が前記実施の形態1に比べて異なり、これに起因してメモリゲート電極MG、ONO膜CFおよび絶縁膜HKの形状が前記実施の形態1に比べて異なっている。
具体的には、半導体基板SBの上面に対する垂直方向およびゲート長方向のそれぞれに沿う断面である制御ゲート電極CGの断面は、矩形ではなく、下端側の一部が、下方に向かうに従い幅広くなっている。言い換えれば、制御ゲート電極CGの下端を含む一部の断面は台形であり、当該一部より上の制御ゲート電極CGの断面は矩形である。このため、制御ゲート電極CGの側面は、当該側面の下端を含む一部がテーパーを有している。
このため、制御ゲート電極CGの上端側で制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間に位置するONO膜CFと、メモリゲート電極MGの下端とフィンFAの上面との間に位置するONO膜CFとを接続するONO膜CFは、半導体基板SBの上面に対しテーパーを有している。絶縁膜HKは、フィンFAの上面に沿う面である酸化シリコン膜X2の上面上のみでなく、酸化シリコン膜X2の当該上面に接続され、制御ゲート電極CG側でテーパーを有する酸化シリコン膜X2の表面上にも形成されている。また、メモリゲート電極MGの制御ゲート電極CG側の側面の下端の角部の面もテーパーを有している。
このようなメモリセルMCを形成する製造工程では、まず、図4~図7を用いて説明した工程を行った後、図20に示すように、絶縁膜IF3、ポリシリコン膜SL1(図7参照)および絶縁膜G1を加工することで、上記形状の制御ゲート電極CGを形成する。このように、上端側から下端に亘って連続的にゲート長方向の幅が大きくなっている形状(テーパー形状)を有する制御ゲート電極CGは、ポリシリコン膜SL1をエッチングする際のエッチング条件を調整することで形成可能である。
次に、図21に示すように、図9および図10を用いて説明した工程を行う。すなわち、ONO膜CFを形成した後、例えばスパッタリング法などを用いて高誘電率膜HK1を形成する。このとき、高誘電率膜HK1は、フィンFAの上面に沿う面である酸化シリコン膜X2の上面上のみでなく、酸化シリコン膜X2の当該上面に接続され、制御ゲート電極CG側でテーパーを有する酸化シリコン膜X2の表面上にも形成される。
その後、図11および図12を用いて説明した工程を行った後、図13を用いて説明した犠牲酸化を行うことで、上記高誘電率膜HK1は酸化され絶縁膜HKとなる。続いて、図14~図18を用いて説明した工程を行うことで、図19に示すメモリセルMCを形成できる。
(本実施の形態の効果)
完全空乏化したフィン構造における短チャネル効果は、メモリゲート電極のゲート長を微細化することにより、メモリゲート電極MGの底面だけでなくONO膜のL字型の断面の角部(クランク部)に律速するようになる。FINFETのスプリットゲート型のメモリセルは、ゲート絶縁膜であるONO膜の膜厚が、周辺領域のトランジスタのゲート絶縁膜に比べて厚い。このため、当該短チャネル効果が顕著に表れる。
完全空乏化したフィン構造における短チャネル効果は、メモリゲート電極のゲート長を微細化することにより、メモリゲート電極MGの底面だけでなくONO膜のL字型の断面の角部(クランク部)に律速するようになる。FINFETのスプリットゲート型のメモリセルは、ゲート絶縁膜であるONO膜の膜厚が、周辺領域のトランジスタのゲート絶縁膜に比べて厚い。このため、当該短チャネル効果が顕著に表れる。
そこで、本実施の形態では、制御ゲート電極CGをテーパー形状にすることで、上記クランク部にも絶縁膜HKが成膜され易くなる。つまり、メモリゲート電極MGの側面と下面との境界部分である角部において、より安定的に絶縁膜HKを形成できる。これにより、クランク部での酸化膜換算膜厚の薄膜化ができ、前記実施の形態1に比べて効果的に短チャネル効果に起因したしきい値電圧のばらつきを抑制できる。
なお、制御ゲート電極CGをテーパー形状とすることは、メモリゲート電極MGのゲート長の縮小に繋がる。このため、制御ゲート電極CGをテーパー形状とするのはフィンFAの上端近傍のみとし、これにより、フィンFAの側面を覆うメモリゲート電極MGのゲート長は確保することで、当該ゲート長の縮小による短チャネル効果を軽減することが望ましい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
CG 制御ゲート電極
CF ONO膜
D1 溝
EI 素子分離領域
FA フィン
G1、HK、IF1~IF4 絶縁膜
HK1 高誘電率膜
MC メモリセル
MG メモリゲート電極
SB 半導体基板
CF ONO膜
D1 溝
EI 素子分離領域
FA フィン
G1、HK、IF1~IF4 絶縁膜
HK1 高誘電率膜
MC メモリセル
MG メモリゲート電極
SB 半導体基板
Claims (10)
- 半導体基板と、
前記半導体基板上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
前記半導体基板の上面および前記第1ゲート電極の側面を、電荷蓄積部を含む第2ゲート絶縁膜を介して覆う第2ゲート電極と、
前記第2ゲート電極の下面と前記第2ゲート絶縁膜との間に形成された第1絶縁膜と、
前記第2ゲート電極の前記下面と前記第1絶縁膜との間に形成された第2絶縁膜と、
前記第2ゲート電極の側面と前記第2ゲート絶縁膜との間に形成された第3絶縁膜と、
前記半導体基板の前記上面に形成されたソース・ドレイン領域と、
を有し、
前記第1ゲート電極、前記第2ゲート電極および前記ソース・ドレイン領域は、不揮発性記憶素子を構成し、
前記第1絶縁膜は、前記第2ゲート電極の側面と対向する前記第2ゲート絶縁膜の側面を露出し、
前記第1絶縁膜の比誘電率は、前記第2絶縁膜および前記第3絶縁膜のいずれの比誘電率よりも高い、半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記第1絶縁膜は、前記第3絶縁膜と離間している、半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記第2ゲート電極の側面と、前記第2ゲート絶縁膜とは、互いに接している、半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板の前記上面に対して垂直な方向における前記第2絶縁膜の膜厚は、前記第1ゲート電極から離れるほど大きくなり、
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とが並ぶ方向における前記第3絶縁膜の膜厚は、前記半導体基板の前記上面から離れるほど大きくなっている、半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板の一部分であって、前記半導体基板の前記上面から上方に突出し、前記半導体基板の前記上面に沿う第1方向に延在する突出部をさらに有し、
前記第1ゲート電極は、前記突出部の上面および側面を前記第1ゲート絶縁膜を介して覆い、前記半導体基板の前記上面に沿いかつ前記第1方向に交わる第2方向において延在し、
前記第2ゲート電極は、前記突出部の前記上面および前記側面を、前記第2ゲート絶縁膜を介して覆い、前記第1ゲート電極と隣り合って前記第2方向に延在している、半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とが隣り合う方向において、前記第1ゲート電極の幅は、前記第1ゲート電極の上端側から下端に亘って連続的に大きくなっている、半導体装置。 - (a)半導体基板を準備する工程、
(b)前記半導体基板上に第1ゲート絶縁膜を介して第1ゲート電極を形成する工程、
(c)前記半導体基板の上面および前記第1ゲート電極を覆い、電荷蓄積部を含む第2ゲート絶縁膜を形成する工程、
(d)前記第1ゲート電極の側面を露出し、前記第2ゲート絶縁膜の上面を覆う第1絶縁膜を形成する工程、
(e)前記第1絶縁膜上に位置し、前記半導体基板の前記上面および前記第1ゲート電極の前記側面を、前記第2ゲート絶縁膜を介して覆う第2ゲート電極を形成する工程、
(f)酸化処理を行うことで、前記第2ゲート電極の下面と前記第1絶縁膜との間の第2絶縁膜と、前記第2ゲート電極の側面と前記第2ゲート絶縁膜との間の第3絶縁膜とを形成する工程、
(g)前記半導体基板の前記上面にソース・ドレイン領域を形成する工程、
を有し、
前記第1ゲート電極、前記第2ゲート電極および前記ソース・ドレイン領域は、不揮発性記憶素子を構成し、
前記第1絶縁膜の比誘電率は、前記第2絶縁膜および前記第3絶縁膜のいずれの比誘電率よりも高い、半導体装置の製造方法。 - 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
(h)前記(f)工程の後、前記第2ゲート電極から露出する前記第2ゲート絶縁膜と、第4絶縁膜とを除去する工程、
をさらに有し、
前記(f)工程では、前記酸化処理を行うことで、前記第2絶縁膜と、前記第3絶縁膜と、前記第2ゲート電極の表面を覆う前記第4絶縁膜とを形成する、半導体装置の製造方法。 - 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
(b1)前記(b)工程の前に、前記半導体基板の前記上面に溝を形成することで、前記半導体基板の一部分であって、前記半導体基板の前記上面から突出し、前記半導体基板の前記上面に沿う第1方向に延在する突出部を形成する工程、
をさらに有し、
前記(b)工程では、前記第1ゲート絶縁膜を介して前記突出部の上面および側面を覆い、前記半導体基板の前記上面に沿いかつ前記第1方向に交わる第2方向に延在する前記第1ゲート電極を形成し、
前記(e)工程では、前記突出部の前記上面および前記側面を、前記第2ゲート絶縁膜を介して覆い、前記第1ゲート電極と隣り合って前記第2方向に延在する前記第2ゲート電極を形成する、半導体装置の製造方法。 - 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とが隣り合う方向において、前記第1ゲート電極の幅は、前記第1ゲート電極の上端側から下端に亘って連続的に大きくなっている、半導体装置の製造方法。
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