JP2022082898A - 1,6-ヘキサンジオールの製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料を用いて1,6-ヘキサンジオールを収率よく与える製造方法を提供すること。【解決手段】ルテニウム及びスズを含み、ルテニウムに対するスズのモル比率(スズ/ルテニウム)が1.5~5であり、かつ、ハロゲン含有量が触媒に対して500質量ppm以下の触媒の存在下、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料を、水素化反応させ1,6-ヘキサンジオールを得る反応工程を含む、1,6-ヘキサンジオールの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は1,6-ヘキサンジオールの製造方法に関する。
1,6-ヘキサンジオールは、ポリウレタン、ポリエステル系可塑剤、不飽和ポリエステルなどのポリマー原料として有用な化合物である。1,6-ヘキサンジオールを製造する方法としては、例えば、アジピン酸やε-カプロラクトンなど炭素数6の有機化合物原料を水素化する技術が知られている。このとき、アジピン酸やε-カプロラクトンなどの原料とアルコール類をエステル化させ、生成したエステル化合物を水素化する技術が知られている。
具体的には、例えば、特許文献1では、シクロヘキサノンを酸化した際に副生したオキシカプロン酸、アジピン酸、及び、これらのオリゴマーを主成分とする副生物フラクションを、アルコール類でエステル化し、エステル化物を得た後、銅系の触媒下で水素化反応を行うことで1,6-ヘキサンジオールを製造する技術が開示されている。
また、エステル化工程を経ることなく、原料を直接水素化して1,6-ヘキサンジオールを製造する方法も知られている。例えば、特許文献2及び3では、アジピン酸及びカプロラクトンを主な原料とし、ルテニウム及びスズを含む触媒下で水素化反応を行うことで1,6-ヘキサンジオールを製造する技術が開示されている。
エステル化工程を有さずに直接水素化反応により1,6-ヘキサンジオールを合成する方法として、原料にアジピン酸を用いた場合に対し、6-ヒドロキシカプロン酸、又はそのオリゴマーを用いた場合は必要な水素量が半分となり好ましい。
特許文献1には副生したオキシカプロン酸、アジピン酸、及び、これらのオリゴマーを主成分とする副生物フラクションを原料とする旨が記載され、さらにエステル化する工程が必要となる。特許文献2には、アジピン酸等のカルボン酸や、カルボン酸エステルを原料とする旨が記載されている。特許文献3にはアジピン酸、オキシカプロン酸、及びカプロラクトンから選ばれる少なくとも1種の化合物を原料とする旨が記載されている。
しかしながら、いずれの文献にも6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーを含む原料による1,6-ヘキサンジオールの合成方法は開示されておらず、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーを多く含む原料による1,6-ヘキサンジオールの合成方法が求められる。
そこで、本発明では、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料を用いて、収率よく1,6-ヘキサンジオールを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料を用いて、所定の量比でルテニウム及びスズを含み、かつハロゲン含有量が所定の量以下である触媒を用いて、水素化反応を行うと収率よく1,6-ヘキサンジオールを得られるという知見に基づいて本発明をなすに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]
ルテニウム及びスズを含み、ルテニウムに対するスズのモル比率(スズ/ルテニウム)が1.5~5であり、かつ、ハロゲン含有量が触媒に対して500質量ppm以下の触媒の存在下、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料を、水素化反応させ1,6-ヘキサンジオールを得る反応工程を含む、1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[2]
前記水素化反応と同一の反応器内で原料をエステル化する、[1]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[3]
前記反応工程において、エステル化触媒の存在下で、水素化反応させる、[1]又は[2]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[4]
前記エステル化触媒が、酸点を持つ固体触媒である、[3]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[5]
前記酸点を持つ固体触媒が、周期律表の第3~5族及び13族からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、[4]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[6]
前記酸点を持つ固体触媒が、Ti、Zr、Al、Ce及びNbからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物である、[4]又は[5]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[1]
ルテニウム及びスズを含み、ルテニウムに対するスズのモル比率(スズ/ルテニウム)が1.5~5であり、かつ、ハロゲン含有量が触媒に対して500質量ppm以下の触媒の存在下、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料を、水素化反応させ1,6-ヘキサンジオールを得る反応工程を含む、1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[2]
前記水素化反応と同一の反応器内で原料をエステル化する、[1]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[3]
前記反応工程において、エステル化触媒の存在下で、水素化反応させる、[1]又は[2]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[4]
前記エステル化触媒が、酸点を持つ固体触媒である、[3]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[5]
前記酸点を持つ固体触媒が、周期律表の第3~5族及び13族からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、[4]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
[6]
前記酸点を持つ固体触媒が、Ti、Zr、Al、Ce及びNbからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物である、[4]又は[5]に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
本発明の製造方法によれば、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料から、1,6-ヘキサンジオールを収率よく製造することができる。
本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について以下詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法は、特定の触媒の存在下、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料を水素化反応させ1,6-ヘキサンジオールを得る工程(反応工程)を含む。本実施形態に用いる触媒は、ルテニウム及びスズを含み、ルテニウムに対するスズのモル比率(スズ/ルテニウム)が1.5~5の範囲であり、ハロゲン含有量が前記触媒に対して500質量ppm以下である。
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法では、上記特定の触媒の存在下で行う上記反応工程を含むことにより、収率よく1,6-ヘキサンジオールを製造することができる。この要因は、触媒におけるルテニウムに対するスズのモル比率を規定することでルテニウムの触媒活性を制御し、過剰な水素化分解を抑制しつつ、触媒におけるハロゲン含有量を規定することで触媒被毒を低減できるためであると考えられるが、要因はこれに限定されない。
[1]反応工程
反応工程は、上記特定の触媒の存在下、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料と水素とを反応(水素化反応)させる工程である。また、本実施形態の製造方法は、上記反応工程により得られた1,6-ヘキサンジオールを精製する分離工程を含んでもよい。分離工程における方法としては、特に限定しないが、例えば、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶等の分離方法や、これらを組み合わせた分離方法が用いられる。
反応工程は、上記特定の触媒の存在下、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料と水素とを反応(水素化反応)させる工程である。また、本実施形態の製造方法は、上記反応工程により得られた1,6-ヘキサンジオールを精製する分離工程を含んでもよい。分離工程における方法としては、特に限定しないが、例えば、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶等の分離方法や、これらを組み合わせた分離方法が用いられる。
(エステル化)
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法においては、必要に応じて水素化反応と同一の反応器内で原料をエステル化することもできる。本実施形態に用いる原料は自己縮合によりエステル化が可能な6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーを50質量%以上含んでおり、自己縮合によるエステル化が可能である。また、上記原料は、他のアルコール類や他のカルボン酸類との交差縮合によってエステル化してもよい。
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法においては、必要に応じて水素化反応と同一の反応器内で原料をエステル化することもできる。本実施形態に用いる原料は自己縮合によりエステル化が可能な6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーを50質量%以上含んでおり、自己縮合によるエステル化が可能である。また、上記原料は、他のアルコール類や他のカルボン酸類との交差縮合によってエステル化してもよい。
[2]触媒
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法では、触媒としてルテニウム及びスズを含む触媒(以下、「ルテニウム-スズ触媒」とも記す。)を使用する。ルテニウム-スズ触媒は特に限定しないが、例えば、反応液に溶解可能な均一系触媒として機能するルテニウム-スズ触媒であってもよく、反応液に溶解しない不均一系触媒として機能するルテニウム-スズ触媒であってもよい。反応液からの分離性に優れる観点から、不均一系触媒として機能するルテニウム-スズ触媒であることが好ましく、担体上に上記ルテニウム及びスズを固定化した触媒がより好ましい。
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法では、触媒としてルテニウム及びスズを含む触媒(以下、「ルテニウム-スズ触媒」とも記す。)を使用する。ルテニウム-スズ触媒は特に限定しないが、例えば、反応液に溶解可能な均一系触媒として機能するルテニウム-スズ触媒であってもよく、反応液に溶解しない不均一系触媒として機能するルテニウム-スズ触媒であってもよい。反応液からの分離性に優れる観点から、不均一系触媒として機能するルテニウム-スズ触媒であることが好ましく、担体上に上記ルテニウム及びスズを固定化した触媒がより好ましい。
(ルテニウム)
触媒に含まれるルテニウムの形態は、特に限定しないが、例えば、ルテニウム金属、ルテニウム化合物、(例えば、水酸化ルテニウム、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、ルテニウムアセテートなど)及びルテニウム錯体(例えば、アセチルアセトナートを配位子とするRu(acac)3など)のいずれの形態であってもよい。その中でも、触媒活性の観点から、ルテニウム金属が好ましいが、特に限定しない。この要因は、上記の形態のルテニウムの中でも、特に水素化活性の高い形態がルテニウム金属であるためと考えられるが、要因はこれに限定しない。
触媒に含まれるルテニウムの形態は、特に限定しないが、例えば、ルテニウム金属、ルテニウム化合物、(例えば、水酸化ルテニウム、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、ルテニウムアセテートなど)及びルテニウム錯体(例えば、アセチルアセトナートを配位子とするRu(acac)3など)のいずれの形態であってもよい。その中でも、触媒活性の観点から、ルテニウム金属が好ましいが、特に限定しない。この要因は、上記の形態のルテニウムの中でも、特に水素化活性の高い形態がルテニウム金属であるためと考えられるが、要因はこれに限定しない。
(スズ)
触媒に含まれるスズの形態は、特に限定しないが、例えば、スズ金属、スズ化合物(例えば、水酸化スズ、酸化スズ、有機スズなど)及びスズ錯体(例えば、アセチルアセトナートを配位子とするSn(acac)2など)のいずれの形態であってもよい。その中でも、ルテニウムの触媒活性を適度に抑制し、1,6-ヘキサンジオールの収率を高めることができる酸化スズや水酸化スズが好ましいが、特に限定しない。この要因は、スズ化合物がルテニウム表面の一部を覆うことでルテニウムの連続する活性点を減らし、過剰な水素化分解を抑制するほか、カルボニル基を活性化するルイス酸として水素化を促進することが考えられるが要因はこれに限定しない。
触媒に含まれるスズの形態は、特に限定しないが、例えば、スズ金属、スズ化合物(例えば、水酸化スズ、酸化スズ、有機スズなど)及びスズ錯体(例えば、アセチルアセトナートを配位子とするSn(acac)2など)のいずれの形態であってもよい。その中でも、ルテニウムの触媒活性を適度に抑制し、1,6-ヘキサンジオールの収率を高めることができる酸化スズや水酸化スズが好ましいが、特に限定しない。この要因は、スズ化合物がルテニウム表面の一部を覆うことでルテニウムの連続する活性点を減らし、過剰な水素化分解を抑制するほか、カルボニル基を活性化するルイス酸として水素化を促進することが考えられるが要因はこれに限定しない。
(担体)
触媒に含まれる担体は特に限定しないが、比表面積が高く、ルテニウム及びスズの分散性に優れる観点から、例えば、活性炭を用いることが好ましい。
触媒に含まれる担体は特に限定しないが、比表面積が高く、ルテニウム及びスズの分散性に優れる観点から、例えば、活性炭を用いることが好ましい。
(ルテニウムに対するスズのモル比率)
触媒に含まれる、ルテニウムに対するスズのモル比率(Sn/Ru)は、収率よく1,6-ヘキサンジオールが得られる観点から、1.5~5の範囲であり、2~4の範囲であることが好ましい。この要因は、ルテニウムに対するスズのモル比率(Sn/Ru)が1.5以上であると、ルテニウムの水素化活性が強くなりすぎないため、過剰な水素化分解反応が抑制され、1,6-ヘキサンジオールの収率が向上するものと考えられるが要因はこれに限定しない。一方、ルテニウムに対するスズのモル比率(Sn/Ru)が5以下であると、ルテニウムの水素化活性が弱くなりすぎないため、適度に水素化反応が進行し、1,6-ヘキサンジオールの収率が向上するものと考えられるが要因はこれに限定しない。
触媒に含まれる、ルテニウムに対するスズのモル比率(Sn/Ru)は、収率よく1,6-ヘキサンジオールが得られる観点から、1.5~5の範囲であり、2~4の範囲であることが好ましい。この要因は、ルテニウムに対するスズのモル比率(Sn/Ru)が1.5以上であると、ルテニウムの水素化活性が強くなりすぎないため、過剰な水素化分解反応が抑制され、1,6-ヘキサンジオールの収率が向上するものと考えられるが要因はこれに限定しない。一方、ルテニウムに対するスズのモル比率(Sn/Ru)が5以下であると、ルテニウムの水素化活性が弱くなりすぎないため、適度に水素化反応が進行し、1,6-ヘキサンジオールの収率が向上するものと考えられるが要因はこれに限定しない。
なお、本実施形態において、触媒におけるルテニウムに対するスズのモル比率(Sn/Ru)は後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(ルテニウム及びスズの担持量)
触媒におけるルテニウム及びスズの担持量は、前項に示すルテニウムに対するスズのモル比率(Sn/Ru)の範囲内で任意に調整することができる。触媒におけるルテニウム及びスズの担持量は、触媒上のルテニウム及びスズの分散性に優れる観点から、特に限定しないが、例えば、触媒全体に対して0.5~50質量%であることが好ましく、1~25質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることが更に好ましい。
触媒におけるルテニウム及びスズの担持量は、前項に示すルテニウムに対するスズのモル比率(Sn/Ru)の範囲内で任意に調整することができる。触媒におけるルテニウム及びスズの担持量は、触媒上のルテニウム及びスズの分散性に優れる観点から、特に限定しないが、例えば、触媒全体に対して0.5~50質量%であることが好ましく、1~25質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることが更に好ましい。
(触媒の原料)
触媒に含有させるルテニウム及びスズの原料化合物としては、特に限定しないが、例えば、ハロゲン化物が好ましい。
触媒に含有させるルテニウム及びスズの原料化合物としては、特に限定しないが、例えば、ハロゲン化物が好ましい。
(触媒の製造方法)
触媒において、担体にルテニウム及びスズを担持させる方法に特に制限はない。ただし、担体にルテニウム及びスズを担持させる際に、触媒におけるハロゲン含有量は触媒に対して500質量ppm以下となるように処理することが好ましい。担体に各成分を担持させる方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬法、イオン交換法、析出沈殿法などが適用可能であるが、触媒上のルテニウム及びスズの分散性に優れる観点から、析出沈殿法を用いることが好ましい。析出沈殿法とは金属塩の溶液にアルカリ性溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)を加え、難溶性の水酸化物を担体上に析出沈殿させることにより、担体に各成分を担持させる方法である。析出沈殿法において、担体に各成分を担持させる順序については特に制限はない。全ての触媒成分を同時に担持しても、各成分を個別に担持してもよいが、水素化反応の選択性に優れる観点から、最初にアルカリ性溶液による処理でルテニウムを、続いて、酸性溶液による処理でスズを析出させることによって、担体に担持させることが好ましい。この要因は、ルテニウム表面にスズを担持することによってルテニウムの水素化能力を適度に抑制できるためであると考えられるが、要因はこれに限定しない。具体的には、例えば、ルテニウムのハロゲン化物とスズのハロゲン化物とを水などの溶媒に溶解し、前記触媒原料の溶液をアルカリ性溶液で処理することで担体上に先にルテニウムを担持し、続いて酸性溶液で処理することで後からスズを担持することができる。
触媒において、担体にルテニウム及びスズを担持させる方法に特に制限はない。ただし、担体にルテニウム及びスズを担持させる際に、触媒におけるハロゲン含有量は触媒に対して500質量ppm以下となるように処理することが好ましい。担体に各成分を担持させる方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬法、イオン交換法、析出沈殿法などが適用可能であるが、触媒上のルテニウム及びスズの分散性に優れる観点から、析出沈殿法を用いることが好ましい。析出沈殿法とは金属塩の溶液にアルカリ性溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)を加え、難溶性の水酸化物を担体上に析出沈殿させることにより、担体に各成分を担持させる方法である。析出沈殿法において、担体に各成分を担持させる順序については特に制限はない。全ての触媒成分を同時に担持しても、各成分を個別に担持してもよいが、水素化反応の選択性に優れる観点から、最初にアルカリ性溶液による処理でルテニウムを、続いて、酸性溶液による処理でスズを析出させることによって、担体に担持させることが好ましい。この要因は、ルテニウム表面にスズを担持することによってルテニウムの水素化能力を適度に抑制できるためであると考えられるが、要因はこれに限定しない。具体的には、例えば、ルテニウムのハロゲン化物とスズのハロゲン化物とを水などの溶媒に溶解し、前記触媒原料の溶液をアルカリ性溶液で処理することで担体上に先にルテニウムを担持し、続いて酸性溶液で処理することで後からスズを担持することができる。
(ハロゲン含有量)
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法において、ハロゲン含有量は、触媒に対して、500質量ppm以下であり、100質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以下であることがより好ましく、30質量ppm以下であることがより更に好ましい。触媒におけるハロゲン含有量の下限値は特に限定されないが、例えば、0質量ppmである。ここで、ハロゲン含有量は、ルテニウム及びスズを含む触媒の全質量(担体が含まれる場合、担体量は触媒の量に含まれる)に対するハロゲン元素の質量を意味する。
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法において、ハロゲン含有量は、触媒に対して、500質量ppm以下であり、100質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以下であることがより好ましく、30質量ppm以下であることがより更に好ましい。触媒におけるハロゲン含有量の下限値は特に限定されないが、例えば、0質量ppmである。ここで、ハロゲン含有量は、ルテニウム及びスズを含む触媒の全質量(担体が含まれる場合、担体量は触媒の量に含まれる)に対するハロゲン元素の質量を意味する。
触媒におけるハロゲン含有量が前記上限値以下であると1,6-ヘキサンジオールを収率よく与えることができる要因は明らかではないが本発明者らは以下のとおり推定している。すなわち、触媒におけるハロゲン含有量を前記上限値以下にすることにより、ハロゲンによる水素化触媒の活性低下を抑制でき、さらに、ハロゲンが水素と反応してハロゲン化水素を発生し触媒を被毒することも抑制できるためと考えられるが、要因はこれに限定しない。
触媒におけるハロゲン含有量を前記上限値以下に制御する方法としては、上述したとおり、担体にルテニウム及びスズを担持させる際に調整する方法が挙げられる。具体的には、例えば、担体にルテニウム及びスズを担持させる方法として、析出沈殿法を用いた場合、当該方法に用いるアルカリ性溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)の量を調整することにより、触媒におけるハロゲン含有量を前記上限値以下に制御することができる。より具体的には、例えば、アルカリ性溶液の量を多くすると、触媒におけるハロゲン含有量が少なくなる傾向がある。
なお、本実施形態において、触媒におけるハロゲン含有量は後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(触媒の使用量)
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法において、ルテニウム-スズ触媒の使用量は特に限定しない。反応速度に優れるとともに、反応後の触媒を分離しやすいという観点から、ルテニウム-スズ触媒の使用量は、例えば、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料1質量部に対して、0.1~5質量部であることが好ましく、0.2~3質量部であることがより好ましく、0.3~2質量部であることが更に好ましい。
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法において、ルテニウム-スズ触媒の使用量は特に限定しない。反応速度に優れるとともに、反応後の触媒を分離しやすいという観点から、ルテニウム-スズ触媒の使用量は、例えば、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料1質量部に対して、0.1~5質量部であることが好ましく、0.2~3質量部であることがより好ましく、0.3~2質量部であることが更に好ましい。
(エステル化触媒)
前記反応工程において、エステル化触媒の存在下で、水素化反応させることが好ましい。
前記反応工程において、エステル化触媒の存在下で、水素化反応させることが好ましい。
前記原料をエステル化する方法は特に限定しないが、1,6-ヘキサンジオールの収率及び反応液からの分離性に優れる観点から、例えば、エステル化触媒は、酸点を持つ固体触媒であることが好ましい。この要因は、酸点を持つ固体触媒が原料化合物のカルボニル基を活性化することでエステル化を促進するためであると考えられるが、要因はこれに限定しない。上記酸点を持つ固体触媒は特に限定しないが、例えば、周期律表の第3~5族及び13族からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことが好ましく、Ti、Zr、Al、Ce及びNbからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物であることがより好ましい。具体的には、例えば、チタニア(TiO2)、硫酸化ジルコニア(SO3-ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、セリア(CeO2)、ニオビア(Nb2O5)、ゼオライト(例えば、beta zeolite)などをエステル化触媒として用いることができる。
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法において、エステル化触媒の使用量は特に限定しない。反応速度に優れるとともに、反応後の触媒を分離しやすいという観点から、エステル化触媒の使用量は、例えば、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料化合物1質量部に対して、0.01~3質量部であることが好ましく、0.03~1質量部であることがより好ましく、0.05~0.5質量部であることが更に好ましい。
[3]原料
(水素)
本実施形態の製造方法において、水素化反応を、水素を添加することにより行うことが好ましい。
(水素)
本実施形態の製造方法において、水素化反応を、水素を添加することにより行うことが好ましい。
水素化反応に用いる水素の純度は特に限定しないが、例えば、1,6-ヘキサンジオール収率の観点から、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。水素化反応に用いる水素の純度の上限は特に限定しないが、例えば、100質量%である。また、窒素や希ガスから選ばれる少なくとも一種以上の不活性ガスで希釈した水素を用いてもよい。
(6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマー)
水素化反応に用いられる原料は、水素化に必要な水素量及びエステル化の容易性の観点から、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる。水素化反応に用いられる原料全体の質量に対して6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が占める割合は、上記の範囲内において特に限定しないが、反応性の観点から、例えば、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80%質量以上が更に好ましい。原料における6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計割合の上限は特に限定されないが、例えば、100質量%である。6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの質量比は上記の範囲内で任意に調整することができ、6-ヒドロキシカプロン酸又は6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマーを単独で用いてもよい。
水素化反応に用いられる原料は、水素化に必要な水素量及びエステル化の容易性の観点から、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる。水素化反応に用いられる原料全体の質量に対して6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が占める割合は、上記の範囲内において特に限定しないが、反応性の観点から、例えば、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80%質量以上が更に好ましい。原料における6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計割合の上限は特に限定されないが、例えば、100質量%である。6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの質量比は上記の範囲内で任意に調整することができ、6-ヒドロキシカプロン酸又は6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマーを単独で用いてもよい。
(6-ヒドロキシカプロン酸)
原料中の6-ヒドロキシカプロン酸の含有量は特に限定しないが、例えば、1,6-ヘキサンジオール収率の観点から、50質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。また、原料として、ε-カプロラクトンの加水分解によって得られた6-ヒドロキシカプロン酸を用いてもよいし、シクロヘキサンの酸化や、シクロヘキサノンの過酸化水素酸化によって得られた6-ヒドロキシカプロン酸を、そのまま、もしくは分離精製して用いてもよい。
原料中の6-ヒドロキシカプロン酸の含有量は特に限定しないが、例えば、1,6-ヘキサンジオール収率の観点から、50質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。また、原料として、ε-カプロラクトンの加水分解によって得られた6-ヒドロキシカプロン酸を用いてもよいし、シクロヘキサンの酸化や、シクロヘキサノンの過酸化水素酸化によって得られた6-ヒドロキシカプロン酸を、そのまま、もしくは分離精製して用いてもよい。
(6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマー)
原料として用いる6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマーは、その組成を特に限定しないが、6-ヒドロキシカプロン酸とカルボン酸類とが縮合して生成するオリゴマーを用いてもよいし、6-ヒドロキシカプロン酸とアルコール類とが縮合して生成するオリゴマーを用いてもよい。具体的には、特に限定されないが、例えば、6-ヒドロキシカプロン酸が自己縮合して生成するオリゴマーや、6-ヒドロキシカプロン酸と1,6-ヘキサンジオールとが交差縮合して生成するオリゴマーが挙げられ、1,6-ヘキサンジオール収率の観点からこれらが特に好ましい。6-ヒドロキシカプロン酸が自己縮合して生成するオリゴマーには、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー、6-ヒドロキシカプロン酸トリマーなどが含まれる。
原料として用いる6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマーは、その組成を特に限定しないが、6-ヒドロキシカプロン酸とカルボン酸類とが縮合して生成するオリゴマーを用いてもよいし、6-ヒドロキシカプロン酸とアルコール類とが縮合して生成するオリゴマーを用いてもよい。具体的には、特に限定されないが、例えば、6-ヒドロキシカプロン酸が自己縮合して生成するオリゴマーや、6-ヒドロキシカプロン酸と1,6-ヘキサンジオールとが交差縮合して生成するオリゴマーが挙げられ、1,6-ヘキサンジオール収率の観点からこれらが特に好ましい。6-ヒドロキシカプロン酸が自己縮合して生成するオリゴマーには、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー、6-ヒドロキシカプロン酸トリマーなどが含まれる。
6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマーの重合度は特に限定しないが、例えば、100以下であることが好ましく、20以下であることが好ましく、10以下であることが更に好ましい。反応性の観点から、6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマーの重合度は2であることが特に好ましい。
(その他の原料)
水素化反応に用いられる原料としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマー以外に他の化合物を含んでいてもよい。他の化合物としては、特に限定されないが、例えば、ε-カプロラクトン、アジピン酸などが挙げられる。
水素化反応に用いられる原料としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマー以外に他の化合物を含んでいてもよい。他の化合物としては、特に限定されないが、例えば、ε-カプロラクトン、アジピン酸などが挙げられる。
[4]溶媒
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法においては、特に限定しないが、水素化反応を無溶媒で行ってもよく、必要に応じて溶媒を用いてもよい。使用できる溶媒は特に限定しないが、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、ドデカノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、水が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料の反応性を高めるため、これらの中でも水が特に好ましいが、特に限定しない。この要因は、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料が溶解しやすいことや、カルボン酸やエステルの水素化反応において水が生成することであると考えられるが、要因はこれに限定しない。
本実施形態の1,6-ヘキサンジオールの製造方法においては、特に限定しないが、水素化反応を無溶媒で行ってもよく、必要に応じて溶媒を用いてもよい。使用できる溶媒は特に限定しないが、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、ドデカノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、水が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料の反応性を高めるため、これらの中でも水が特に好ましいが、特に限定しない。この要因は、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料が溶解しやすいことや、カルボン酸やエステルの水素化反応において水が生成することであると考えられるが、要因はこれに限定しない。
溶媒の使用量は、特に限定しないが、反応性及び取り扱いの容易性の観点から、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマー1質量部に対して、例えば、0~50質量部であることが好ましく、0.5~30質量部であることがより好ましく、1~5質量部であることが更に好ましい。
[5]反応条件
反応工程において、反応温度は、1,6-ヘキサンジオールを収率よく得る観点から、特に限定しないが、例えば、100~270℃が好ましく、130~250℃であることがより好ましく、160~220℃であることが更に好ましい。
反応工程において、反応温度は、1,6-ヘキサンジオールを収率よく得る観点から、特に限定しないが、例えば、100~270℃が好ましく、130~250℃であることがより好ましく、160~220℃であることが更に好ましい。
反応工程において、反応圧力(水素圧)は、反応速度及び安全性に優れる観点から、特に限定しないが、例えば、ゲージ圧表示で1~20MPaであることが好ましく、3~15MPaであることがより好ましく、5~10MPaであることが更に好ましい。
反応工程は、特に限定しないが、例えば、回分式、半回分式、連続式等の慣用の方法により行うことができる。反応時間としては、特に限定しないが、例えば、0.1~24時間であることが好ましく、0.5~10時間であることがより好ましく、1~4時間であることが更に好ましい。
[6]反応生成物
反応工程において、反応の主生成物は1,6-ヘキサンジオールであるが、他の化合物を含んでもよい。他の化合物として、具体的には、特に限定されないが、例えば、ε-カプロラクトン、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマーが挙げられる。6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマー組成は特に限定されず、6-ヒドロキシカプロン酸とカルボン酸類とが縮合して生成するオリゴマーや、6-ヒドロキシカプロン酸とアルコール類とが縮合して生成するオリゴマーを含んでいてもよい。具体的には、特に限定されないが、例えば、6-ヒドロキシカプロン酸が自己縮合して生成するオリゴマーや、6-ヒドロキシカプロン酸と1,6-ヘキサンジオールとが交差縮合して生成するオリゴマーが挙げられる。反応の生成物は、例えば、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
反応工程において、反応の主生成物は1,6-ヘキサンジオールであるが、他の化合物を含んでもよい。他の化合物として、具体的には、特に限定されないが、例えば、ε-カプロラクトン、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマーが挙げられる。6-ヒドロキシカプロン酸のオリゴマー組成は特に限定されず、6-ヒドロキシカプロン酸とカルボン酸類とが縮合して生成するオリゴマーや、6-ヒドロキシカプロン酸とアルコール類とが縮合して生成するオリゴマーを含んでいてもよい。具体的には、特に限定されないが、例えば、6-ヒドロキシカプロン酸が自己縮合して生成するオリゴマーや、6-ヒドロキシカプロン酸と1,6-ヘキサンジオールとが交差縮合して生成するオリゴマーが挙げられる。反応の生成物は、例えば、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
[7]1,6-ヘキサンジオールの収率
本実施形態の製造方法は、前述の通り、1,6-ヘキサンジオールの収率に優れる。1,6-ヘキサンジオールの収率は、例えば、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。当該1,6-ヘキサンジオールの収率の上限は、例えば100%である。
本実施形態の製造方法は、前述の通り、1,6-ヘキサンジオールの収率に優れる。1,6-ヘキサンジオールの収率は、例えば、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。当該1,6-ヘキサンジオールの収率の上限は、例えば100%である。
反応工程における、1,6-ヘキサンジオールの生成比率は、1,6-ヘキサンジオール及び1-ペンタノールの合計量に対して、例えば、50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。当該1,6-ヘキサンジオールの生成比率の上限は、例えば100%である。
なお、本実施形態において、1,6-ヘキサンジオールの収率等、各生成物の収率は後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって制限されるものではない。
液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー及び蛍光X線の分析条件を以下に示す。
(分析条件)
(蛍光X線)
装置:リガク社製、蛍光X線分析装置(ZSXPrimusII)
条件:検量線法
・ルテニウム(Ru)の標準物質としては酸化ルテニウム(IV)を、スズ(Sn)の標準物質としては酸化スズ(IV)を、塩素(Cl)の標準物質としては塩化スズ(IV)五水和物を用いた。各標準物質を活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)と混合し、標準試料を作成した。前記の標準試料をアルミナ(和光純薬製、γ-アルミナ)で10倍に希釈し、蛍光X線分析を行った。
・検量線作成用の標準試料は、ルテニウムが1~8質量%、スズが5~35質量%、塩素が10~5000質量ppmの濃度範囲とした。
(蛍光X線)
装置:リガク社製、蛍光X線分析装置(ZSXPrimusII)
条件:検量線法
・ルテニウム(Ru)の標準物質としては酸化ルテニウム(IV)を、スズ(Sn)の標準物質としては酸化スズ(IV)を、塩素(Cl)の標準物質としては塩化スズ(IV)五水和物を用いた。各標準物質を活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)と混合し、標準試料を作成した。前記の標準試料をアルミナ(和光純薬製、γ-アルミナ)で10倍に希釈し、蛍光X線分析を行った。
・検量線作成用の標準試料は、ルテニウムが1~8質量%、スズが5~35質量%、塩素が10~5000質量ppmの濃度範囲とした。
(ガスクロマトグラフィー)
装置:島津製作所製、GC-2010plusATF
カラム:HP-1
条件:
・インジェクション温度:220℃
・ディテクション温度:280℃
・キャリアガス:窒素(カラム流量43.4mL/分、SP比27.0)
・昇温速度:80℃(18分保持)~(10℃/分)~150℃(10分保持)~(20℃/分)~280℃(9.5分保持)
内標:アニソール、バレルアミド
装置:島津製作所製、GC-2010plusATF
カラム:HP-1
条件:
・インジェクション温度:220℃
・ディテクション温度:280℃
・キャリアガス:窒素(カラム流量43.4mL/分、SP比27.0)
・昇温速度:80℃(18分保持)~(10℃/分)~150℃(10分保持)~(20℃/分)~280℃(9.5分保持)
内標:アニソール、バレルアミド
(逆相液体クロマトグラフィー)
装置:島津製作所製、LC-20AD
カラム:ODS-80Ts
条件:
・溶離液:アセトニトリル/0.01Mリン酸水溶液=30/70(v/v)
・検出器:UV (使用波長:190nm)
・カラム温度:40℃
・流量:1mL/分
内標:バレルアミド
装置:島津製作所製、LC-20AD
カラム:ODS-80Ts
条件:
・溶離液:アセトニトリル/0.01Mリン酸水溶液=30/70(v/v)
・検出器:UV (使用波長:190nm)
・カラム温度:40℃
・流量:1mL/分
内標:バレルアミド
[実施例1]
(触媒Aの調製)
スターラーチップ、1.0M水酸化ナトリウム水溶液523.1mL(523.1mmol)の入ったガラス製容器に、塩化スズ(IV)五水和物17.7g(50.5mmol)を水100.0gに溶解させた塩化スズ水溶液を室温で滴下して溶液を得た。その後、得られた溶液を、80℃まで昇温し、80℃で2時間攪拌後、35℃まで冷却して溶液Iを得た。水300.0gの入った別のガラス製容器に、塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)5.0g(19.8mmol)、活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)32.0g、を加え、室温で攪拌して、懸濁液IIを調製した。調製した懸濁液IIを溶液Iの入ったガラス容器に加えた後、80℃まで昇温し、80℃で2時間攪拌して、ルテニウム化合物を活性炭に固定化し、35℃まで冷却して懸濁液IIIを得た。シュウ酸11.8g(131mmol)を水100gへと溶解させた水溶液を懸濁液IIIに滴下して、懸濁液のpHを6に調整することで、スズ化合物を活性炭及びルテニウム化合物表面に固定化した。懸濁液を、そのまま30分攪拌した後、懸濁液を濾過し、濾過残渣を水で洗浄して固形成分を得た。得られた固形成分を120℃にて2時間、真空下乾燥させることで4質量%Ru-11質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Aとする)を調製した。触媒Aにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。なお、ルテニウム、スズ及びハロゲン(塩素)の含有量は、上述したとおり蛍光X線装置を使用した検量線法で測定した。
(6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合成)
ガラス製容器にスターラーチップ、ε-カプロラクトン15g(131mmol)、ベータ(beta)ゼオライト(日産ガードラー社製品、H-beta-100)3g、水150gを加え、80℃にて1.5時間攪拌して反応液を得た。その後、反応液を室温まで冷却し、反応液から不溶物を濾過にて取り除いて濾液を得た。次いで、得られた濾液に含まれる水分をエバポレーターで除去し、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーが含まれる固体を14.2g得た。本固体の一部にエタノールとバレルアミドとを加え、液相を均一にした後に液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析したところ、本固体において、6-ヒドロキシカプロン酸の純度は97%であり、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマーの純度は3%であった。なお、6-ヒドロキシカプロン酸の純度は、上述したとおり液体クロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した。
(反応工程)
SUS316製の耐圧オートクレーブに、前記の方法で調製した触媒A8.4g、水72.0g、前記の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸4.7g、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー0.1gを加え、水素圧10MPa(ゲージ圧)下、180℃、1000rpmで2時間攪拌して水素化反応を行って反応液を得た。その後、反応液を室温まで冷却し、濾過によって反応液から触媒を取り除いて濾液を得た。得られた濾液にアニソールとバレルアミドとを加え、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行ったところ、反応生成物において、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーの転化率は100%、1,6-ヘキサンジオールの収率は97.6%であり、1-ペンタノールが収率2.2%であった。なお、1,6-ヘキサンジオール及び1-ペンタノールの収率は、上述したとおりガスクロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した。
(触媒Aの調製)
スターラーチップ、1.0M水酸化ナトリウム水溶液523.1mL(523.1mmol)の入ったガラス製容器に、塩化スズ(IV)五水和物17.7g(50.5mmol)を水100.0gに溶解させた塩化スズ水溶液を室温で滴下して溶液を得た。その後、得られた溶液を、80℃まで昇温し、80℃で2時間攪拌後、35℃まで冷却して溶液Iを得た。水300.0gの入った別のガラス製容器に、塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)5.0g(19.8mmol)、活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)32.0g、を加え、室温で攪拌して、懸濁液IIを調製した。調製した懸濁液IIを溶液Iの入ったガラス容器に加えた後、80℃まで昇温し、80℃で2時間攪拌して、ルテニウム化合物を活性炭に固定化し、35℃まで冷却して懸濁液IIIを得た。シュウ酸11.8g(131mmol)を水100gへと溶解させた水溶液を懸濁液IIIに滴下して、懸濁液のpHを6に調整することで、スズ化合物を活性炭及びルテニウム化合物表面に固定化した。懸濁液を、そのまま30分攪拌した後、懸濁液を濾過し、濾過残渣を水で洗浄して固形成分を得た。得られた固形成分を120℃にて2時間、真空下乾燥させることで4質量%Ru-11質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Aとする)を調製した。触媒Aにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。なお、ルテニウム、スズ及びハロゲン(塩素)の含有量は、上述したとおり蛍光X線装置を使用した検量線法で測定した。
(6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合成)
ガラス製容器にスターラーチップ、ε-カプロラクトン15g(131mmol)、ベータ(beta)ゼオライト(日産ガードラー社製品、H-beta-100)3g、水150gを加え、80℃にて1.5時間攪拌して反応液を得た。その後、反応液を室温まで冷却し、反応液から不溶物を濾過にて取り除いて濾液を得た。次いで、得られた濾液に含まれる水分をエバポレーターで除去し、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーが含まれる固体を14.2g得た。本固体の一部にエタノールとバレルアミドとを加え、液相を均一にした後に液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析したところ、本固体において、6-ヒドロキシカプロン酸の純度は97%であり、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマーの純度は3%であった。なお、6-ヒドロキシカプロン酸の純度は、上述したとおり液体クロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した。
(反応工程)
SUS316製の耐圧オートクレーブに、前記の方法で調製した触媒A8.4g、水72.0g、前記の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸4.7g、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー0.1gを加え、水素圧10MPa(ゲージ圧)下、180℃、1000rpmで2時間攪拌して水素化反応を行って反応液を得た。その後、反応液を室温まで冷却し、濾過によって反応液から触媒を取り除いて濾液を得た。得られた濾液にアニソールとバレルアミドとを加え、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行ったところ、反応生成物において、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーの転化率は100%、1,6-ヘキサンジオールの収率は97.6%であり、1-ペンタノールが収率2.2%であった。なお、1,6-ヘキサンジオール及び1-ペンタノールの収率は、上述したとおりガスクロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した。
[実施例2]
(触媒Bの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を388.3mL(388.3mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を11.8g(33.7mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を5.0g(19.8mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を34.0gに、使用するシュウ酸の量を8.7g(97.1mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-8質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Bとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Bにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒として前記の方法で調製した触媒Bを用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。表3中の1,6-ヘキサンジオール、1-ペンタノールで表される項目は各々の収率を表している。
(触媒Bの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を388.3mL(388.3mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を11.8g(33.7mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を5.0g(19.8mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を34.0gに、使用するシュウ酸の量を8.7g(97.1mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-8質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Bとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Bにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒として前記の方法で調製した触媒Bを用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。表3中の1,6-ヘキサンジオール、1-ペンタノールで表される項目は各々の収率を表している。
[実施例3]
(触媒Cの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を657.9mL(657.9mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を23.6g(67.4mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を5.0g(19.8mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を30.0gに、使用するシュウ酸の量を14.8g(164.5mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-16質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Cとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Cにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒として前記の方法で調製した触媒Cを用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。表3中の1,6-ヘキサンジオール、1-ペンタノールで表される項目は各々の収率を表している。
(触媒Cの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を657.9mL(657.9mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を23.6g(67.4mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を5.0g(19.8mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を30.0gに、使用するシュウ酸の量を14.8g(164.5mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-16質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Cとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Cにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒として前記の方法で調製した触媒Cを用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。表3中の1,6-ヘキサンジオール、1-ペンタノールで表される項目は各々の収率を表している。
[実施例4]
(触媒Dの調製)
ガラス製容器にスターラーチップ、1.0M水酸化ナトリウム水溶液150.0g(150.0mmol)を加え、塩化スズ(IV)五水和物6.7g(19.1mmol)を水300.0gへと溶解させた水溶液を室温で滴下して溶液を得た。その後、得られた溶液を80℃まで加熱し、80℃にて2時間攪拌して水酸化ナトリウムと塩化スズ(IV)を反応させ、スズを溶解させて溶液を得た。その後、得られた溶液を35℃まで冷却し、5%ルテニウム担持カーボン触媒(エヌ・イー ケムキャット製、Bタイプ、5%Ru/(C-B))15.2gを加えて攪拌して懸濁液を得た。得られた懸濁液に、シュウ酸3.3g(36.6mmol)を水50.0gへと溶解させた水溶液を加えて懸濁液のpHを7に調整することで、スズ化合物をカーボン及びルテニウム表面に固定化した。懸濁液を濾過し、濾過残渣を水で洗浄して固形成分を得た。得られた固形成分を110℃にて2時間、空気中で乾燥させることで4質量%Ru-12質量%Sn/(C-B)の触媒(以下、触媒Dとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Dにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒として前記の方法で調製した触媒D(8.4g)を用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
(触媒Dの調製)
ガラス製容器にスターラーチップ、1.0M水酸化ナトリウム水溶液150.0g(150.0mmol)を加え、塩化スズ(IV)五水和物6.7g(19.1mmol)を水300.0gへと溶解させた水溶液を室温で滴下して溶液を得た。その後、得られた溶液を80℃まで加熱し、80℃にて2時間攪拌して水酸化ナトリウムと塩化スズ(IV)を反応させ、スズを溶解させて溶液を得た。その後、得られた溶液を35℃まで冷却し、5%ルテニウム担持カーボン触媒(エヌ・イー ケムキャット製、Bタイプ、5%Ru/(C-B))15.2gを加えて攪拌して懸濁液を得た。得られた懸濁液に、シュウ酸3.3g(36.6mmol)を水50.0gへと溶解させた水溶液を加えて懸濁液のpHを7に調整することで、スズ化合物をカーボン及びルテニウム表面に固定化した。懸濁液を濾過し、濾過残渣を水で洗浄して固形成分を得た。得られた固形成分を110℃にて2時間、空気中で乾燥させることで4質量%Ru-12質量%Sn/(C-B)の触媒(以下、触媒Dとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Dにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒として前記の方法で調製した触媒D(8.4g)を用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
[実施例5]
表2に示すとおり、実施例1と同様の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸14.0g及び6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー0.4gを原料として用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
表2に示すとおり、実施例1と同様の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸14.0g及び6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー0.4gを原料として用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
[実施例6~11]
表1及び表2に示すとおり、反応工程において、原料、水、ルテニウム-スズ(Ru-Sn)触媒に加えてエステル化触媒を1.0g用い、上記エステル化触媒を実施例6では硫酸化ジルコニア(富士フイルム和光純薬製)、実施例7ではチタニア(Evonik製、P25)、実施例8ではアルミナ(和光純薬製、γ-アルミナ)、実施例9ではセリア(Sigma-Aldrich製)、実施例10ではニオビア(富士フイルム和光純薬製)、実施例11ではベータ(beta)ゼオライト(日産ガードラー社製品、H-beta-100)としたこと以外は、実施例5と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
表1及び表2に示すとおり、反応工程において、原料、水、ルテニウム-スズ(Ru-Sn)触媒に加えてエステル化触媒を1.0g用い、上記エステル化触媒を実施例6では硫酸化ジルコニア(富士フイルム和光純薬製)、実施例7ではチタニア(Evonik製、P25)、実施例8ではアルミナ(和光純薬製、γ-アルミナ)、実施例9ではセリア(Sigma-Aldrich製)、実施例10ではニオビア(富士フイルム和光純薬製)、実施例11ではベータ(beta)ゼオライト(日産ガードラー社製品、H-beta-100)としたこと以外は、実施例5と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
[実施例12]
(触媒Eの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を784.6mL(784.6mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を26.6g(75.8mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を7.5g(29.7mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を28.0gに、使用するシュウ酸の量を11.7g(196.2mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で6質量%Ru-18質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Eとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Eにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒Eを触媒として用いたこと以外は実施例6と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
(触媒Eの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を784.6mL(784.6mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を26.6g(75.8mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を7.5g(29.7mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を28.0gに、使用するシュウ酸の量を11.7g(196.2mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で6質量%Ru-18質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Eとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Eにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒Eを触媒として用いたこと以外は実施例6と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
[実施例13]
表1及び2に示すとおり、水素圧を7.5MPa(ゲージ圧)としたこと以外は実施例6と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
表1及び2に示すとおり、水素圧を7.5MPa(ゲージ圧)としたこと以外は実施例6と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
[実施例14]
表1及び2に示すとおり、反応温度を220℃としたこと以外は実施例13と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
表1及び2に示すとおり、反応温度を220℃としたこと以外は実施例13と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
[実施例15]
表1及び表2に示すとおり、触媒として触媒Aを12.6g用いたこと以外は、実施例6と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
表1及び表2に示すとおり、触媒として触媒Aを12.6g用いたこと以外は、実施例6と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
[実施例16]
(6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合成)
実施例1に記載の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマー200gを100gのクロロホルムに溶解し、ベータ(beta)ゼオライト(日産ガードラー社製品、H-beta-100)3gを加え、3日間攪拌して溶液を得た。その後、得られた溶液を、吸引濾過器を用いて濾過し、触媒を濾別して濾液を得た。次いで、得られた濾液に含まれるクロロホルムをエバポレーターで除去し、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーが含まれる固体を得た。本固体から、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマーのみを分取カラム付き液体クロマトグラフィーを用いて分取し、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー20gを得た。
分取カラム付き液体クロマトグラフィーの条件を以下に示す。
・装置:日本分光製、LC-NetII/ADC
・分取カラム:Shodex製、RSpak DE-2013
条件:
・溶離液:アセトニトリル/水=30/70(v/v)
・検出器:UV(使用波長:190nm)
・カラム温度:40℃
・流量:19mL/分
(反応工程)
表2に示すとおり、実施例1と同様の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸4.7g及び前記の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー9.6gを原料として用いたこと以外は、実施例15と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
(6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合成)
実施例1に記載の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマー200gを100gのクロロホルムに溶解し、ベータ(beta)ゼオライト(日産ガードラー社製品、H-beta-100)3gを加え、3日間攪拌して溶液を得た。その後、得られた溶液を、吸引濾過器を用いて濾過し、触媒を濾別して濾液を得た。次いで、得られた濾液に含まれるクロロホルムをエバポレーターで除去し、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーが含まれる固体を得た。本固体から、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマーのみを分取カラム付き液体クロマトグラフィーを用いて分取し、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー20gを得た。
分取カラム付き液体クロマトグラフィーの条件を以下に示す。
・装置:日本分光製、LC-NetII/ADC
・分取カラム:Shodex製、RSpak DE-2013
条件:
・溶離液:アセトニトリル/水=30/70(v/v)
・検出器:UV(使用波長:190nm)
・カラム温度:40℃
・流量:19mL/分
(反応工程)
表2に示すとおり、実施例1と同様の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸4.7g及び前記の方法で合成した6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー9.6gを原料として用いたこと以外は、実施例15と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
[実施例17]
(6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合成)
ガラス製容器にスターラーチップ、シクロヘキサノン(富士フイルム和光純薬製)19.65g、ベータ(*BEA)ゼオライト(日揮触媒化成製、プロトン型、SiO2/Al2O3比=40)2.0g、34.8質量%過酸化水素水(富士フイルム和光純薬製)17.2g、アセトニトリル(富士フイルム和光純薬製)28.8g、水19.2gを加え、80℃にて2時間攪拌して反応液を得た。その後、反応液を室温まで冷却し、反応液から触媒を濾過にて取り除いて濾液を得た。次いで、得られた濾液をエバポレーターで濃縮し、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの濃縮液を得た。濃縮液の一部を逆相液体クロマトグラフィーで分析し、得られた濃縮液の組成を算出したところ、6-ヒドロキシカプロン酸12.0g、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー1.7g、ε-カプロラクトン0.1g、アジピン酸0.7gが含まれることがわかった。当該実施例における高速液体クロマトグラフィーの条件を以下に示す。
(逆相液体クロマトグラフィー)
装置:島津LC-20AD
カラム:ODS-80Ts
条件:
・溶離液:アセトニトリル/0.01Mリン酸水溶液=5/95(v/v)
・検出器:UV (使用波長:190nm)
・カラム温度:40℃
・流量:1mL/分
内標:バレルアミド
(反応工程)
前項に示す、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合成において得られた6-ヒドロキシカプロン酸12.0g、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー1.7g、ε-カプロラクトン0.1g、アジピン酸0.7gを含む濃縮液を原料として用い、触媒として触媒Aの量を16.8gとしたこと以外は、実施例15と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
(6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合成)
ガラス製容器にスターラーチップ、シクロヘキサノン(富士フイルム和光純薬製)19.65g、ベータ(*BEA)ゼオライト(日揮触媒化成製、プロトン型、SiO2/Al2O3比=40)2.0g、34.8質量%過酸化水素水(富士フイルム和光純薬製)17.2g、アセトニトリル(富士フイルム和光純薬製)28.8g、水19.2gを加え、80℃にて2時間攪拌して反応液を得た。その後、反応液を室温まで冷却し、反応液から触媒を濾過にて取り除いて濾液を得た。次いで、得られた濾液をエバポレーターで濃縮し、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの濃縮液を得た。濃縮液の一部を逆相液体クロマトグラフィーで分析し、得られた濃縮液の組成を算出したところ、6-ヒドロキシカプロン酸12.0g、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー1.7g、ε-カプロラクトン0.1g、アジピン酸0.7gが含まれることがわかった。当該実施例における高速液体クロマトグラフィーの条件を以下に示す。
(逆相液体クロマトグラフィー)
装置:島津LC-20AD
カラム:ODS-80Ts
条件:
・溶離液:アセトニトリル/0.01Mリン酸水溶液=5/95(v/v)
・検出器:UV (使用波長:190nm)
・カラム温度:40℃
・流量:1mL/分
内標:バレルアミド
(反応工程)
前項に示す、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合成において得られた6-ヒドロキシカプロン酸12.0g、6-ヒドロキシカプロン酸ダイマー1.7g、ε-カプロラクトン0.1g、アジピン酸0.7gを含む濃縮液を原料として用い、触媒として触媒Aの量を16.8gとしたこと以外は、実施例15と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。
[比較例1]
(触媒Fの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を280.5mL(280.5mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を7.1g(20.2mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を5.0g(19.8mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を35.6gに、使用するシュウ酸の量を35.6g(70.1mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-5質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Fとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Fにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒Fを触媒として用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。実施例1と比較すると、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーの転化率に対して1,6-ヘキサンジオールの収率が低く、1-ペンタノールの収率が増加していた。本比較例より、触媒におけるルテニウムに対するスズのモル比率が小さい場合には、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下することが分かった。
(触媒Fの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を280.5mL(280.5mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を7.1g(20.2mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を5.0g(19.8mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を35.6gに、使用するシュウ酸の量を35.6g(70.1mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-5質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Fとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Fにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒Fを触媒として用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。実施例1と比較すると、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーの転化率に対して1,6-ヘキサンジオールの収率が低く、1-ペンタノールの収率が増加していた。本比較例より、触媒におけるルテニウムに対するスズのモル比率が小さい場合には、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下することが分かった。
[比較例2]
(触媒Gの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を927.4mL(927.4mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を35.4g(101.1mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を5.0g(19.8mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を26.0gに、使用するシュウ酸の量を20.9g(231.9mmol)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-25質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Gとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Gにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、前記方法で調製した触媒Gを触媒として用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。実施例1と比較すると、6-ヒドロキシカプロン酸の転化率が低く、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下していた。本比較例より、触媒におけるルテニウムに対するスズのモル比率が大きい場合には、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下することが分かった。
(触媒Gの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を927.4mL(927.4mmol)に、使用する塩化スズ(IV)五水和物の量を35.4g(101.1mmol)に、使用する塩化ルテニウム(III)水和物(ルテニウム40質量%)の量を5.0g(19.8mmol)に、使用する活性炭(クラレ製、クラレコールPW-D)の量を26.0gに、使用するシュウ酸の量を20.9g(231.9mmol)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-25質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Gとする)を調製した。蛍光X線装置を用いて分析を行ったところ、触媒Gにおけるハロゲン(塩素)の含有量は10質量ppm以下であった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、前記方法で調製した触媒Gを触媒として用いたこと以外は、実施例1と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。実施例1と比較すると、6-ヒドロキシカプロン酸の転化率が低く、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下していた。本比較例より、触媒におけるルテニウムに対するスズのモル比率が大きい場合には、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下することが分かった。
[比較例3]
(触媒Hの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を258.8mL(258.8mmol)に、使用するシュウ酸の量を5.8g(64.7mmol)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-12質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Hとする)を調製した。蛍光X線を用いて分析を行ったところ、触媒Hにおけるハロゲン(塩素)の含有量は1400質量ppmであった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒として前記の方法で調製した触媒Hを8.4g用いたこと以外は、実施例5と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。実施例5と比較すると、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーの転化率が低く、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下していた。本比較例より、ルテニウム-スズ触媒におけるハロゲン(塩素)含有量が多い場合には、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下することが分かった。
(触媒Hの調製)
使用する1.0M水酸化ナトリウム水溶液の量を258.8mL(258.8mmol)に、使用するシュウ酸の量を5.8g(64.7mmol)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で4質量%Ru-12質量%Sn/活性炭(PW-D)の触媒(以下、触媒Hとする)を調製した。蛍光X線を用いて分析を行ったところ、触媒Hにおけるハロゲン(塩素)の含有量は1400質量ppmであった。
(反応工程)
表1及び表2に示すとおり、触媒として前記の方法で調製した触媒Hを8.4g用いたこと以外は、実施例5と同条件で反応を行った。反応結果を表3に示す。実施例5と比較すると、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのダイマーの転化率が低く、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下していた。本比較例より、ルテニウム-スズ触媒におけるハロゲン(塩素)含有量が多い場合には、1,6-ヘキサンジオールの収率が低下することが分かった。
本発明は、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料の水素化により、1,6-ヘキサンジオールを製造する方法として好適である。
Claims (6)
- ルテニウム及びスズを含み、ルテニウムに対するスズのモル比率(スズ/ルテニウム)が1.5~5であり、かつ、ハロゲン含有量が触媒に対して500質量ppm以下の触媒の存在下、6-ヒドロキシカプロン酸及びそのオリゴマーの合計が50質量%以上含まれる原料を、水素化反応させ1,6-ヘキサンジオールを得る反応工程を含む、1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
- 前記水素化反応と同一の反応器内で原料をエステル化する、請求項1に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
- 前記反応工程において、エステル化触媒の存在下で、水素化反応させる、請求項1又は2に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
- 前記エステル化触媒が、酸点を持つ固体触媒である、請求項3に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
- 前記酸点を持つ固体触媒が、周期律表の第3~5族及び13族からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、請求項4に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
- 前記酸点を持つ固体触媒が、Ti、Zr、Al、Ce及びNbからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物である、請求項4又は5に記載の1,6-ヘキサンジオールの製造方法。
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JP2020194062A JP2022082898A (ja) | 2020-11-24 | 2020-11-24 | 1,6-ヘキサンジオールの製造方法。 |
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