JP2022082488A - 上杭と下杭の連結構造 - Google Patents

上杭と下杭の連結構造 Download PDF

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JP2022082488A JP2020193956A JP2020193956A JP2022082488A JP 2022082488 A JP2022082488 A JP 2022082488A JP 2020193956 A JP2020193956 A JP 2020193956A JP 2020193956 A JP2020193956 A JP 2020193956A JP 2022082488 A JP2022082488 A JP 2022082488A
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洋一 加藤
Yoichi Kato
貴浩 兄父
Takahiro Ajichi
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Abstract

【課題】せん断力に効率的に対抗して、かつボルトに生じる引抜力を軽減する、既製コンクリート杭からなる上杭と下杭の連結構造を提供する。【解決手段】連結構造は、下杭10と上杭30を上下に重ね、鋼製側板15、15A、鋼製端板25、25Aを密着して、外周側に連結プレート40を嵌合して覆い、ボルト71で緊結してから構成する。下杭10の鋼製側板の先端面17と鋼製端板の先端26とはずらして形成し、上下方向で段差61が形成される。上杭30にも対応する段差61が形成される。連結プレート本体の内面42の上下に、直角に設けた第一連結凸条、第二連結凸条51が形成され、上下杭10、30の第一連結凹条18、第二連結凹条19に嵌合する。【選択図】図2

Description

本発明は、定型の杭をより深い杭穴に埋設するために、上杭と下杭を連結具で接合する上杭と下杭の連結構造に関する。
通常、既製コンクリート杭では、長さが10m程度であり、20m以上、50mを越える深い杭穴内に埋設する場合もあり、この場合には、複数本の既製コンクリート杭をつなぐ必要があった。この場合、上杭の鋼製端板と下杭の鋼製端板とを当接して(この当接面を端板密着面64とする。)、端板密着面64を外周側から覆う連結部材で補強をする必要があった。
例えば、特許文献1、2では、、端板密着面64の外周側に、周方向に分割した連結部材を被せて、ボルトで連結部材を上下杭に固定する連結構造を形成していた。
特開2000-328556号公報 特開2012-7322号公報
前記従来の場合、特許文献1、2の場合には、上杭と下杭を当接した後に連結部材を装着して、ボルト締めだけで連結作業が完了するので、施工効率も高め、連結部分の外径の巨大化も抑えられた。しかし、通常の場合では何の問題なかったが、地震力など予想に反する大きな水平力が作用した場合には、大きなせん断力を負担する必要が生じていた。
本発明は、上杭と下杭の側板密着面と端板密着面とに段差を形成できるような構造の鋼製端板や鋼製側板を構成し、かつ特殊構造の連結プレートとしたので、施工性を確保しつつせん断耐力の強化を図り、前記問題点を解決した。
即ちこの発は、コンクリート製の杭本体の長さ方向の端面にドーナツ状の鋼製端板を設けかつ前記杭本体の外側壁を覆う短筒状の鋼製側板を前記鋼製端板に連結して上杭および下杭を形成し、前記上杭と前記下杭とを前記端板を合わせて連結し、かつ前記鋼製側板の外面に、部分環状の連結プレートの内面を密着緊結して、以下のように構成したことを特徴とする上杭と下杭との連結構造である。
(1) 前記上杭と前記下杭で前記鋼製端板同士は端板密着面で当接させ、かつ前記上杭と前記下杭で前記鋼製側板同士は側板密着面で当接させた。
(2) 前記端板密着面と前記側板密着面とに水平面に対して段差が形成され、あるいは前記側板密着面内に水平面に対して段差が形成された。
(3) 前記連結プレートは、前記連結プレートのボルト貫通孔を貫通したボルトで、前記鋼製側板と連結された。
(4) 前記連結プレートの前記ボルト貫通孔付近の厚さをTとし、厚さTの平板のプレート本体の内面側で、前記上杭側におよび前記下杭側にそれぞれ、高さt1の連結凸条が連設された。
(5) 前記上杭の鋼製端板の外面および前記下杭の鋼製端板の外面に、前記連結凸条に嵌合できる連結凹条がそれぞれ形成された。
また、他の発明は、コンクリート製の杭本体の長さ方向の端面にドーナツ状の鋼製端板を設けかつ前記杭本体の外側壁を覆う短筒状の鋼製側板を前記鋼製端板に連結して上杭および下杭を形成し、前記上杭と前記下杭とを前記端板を合わせて連結し、かつ前記鋼製側板の外面に、部分環状の連結プレートの内面を密着緊結して、以下のように構成したことを特徴とする上杭と下杭との連結構造である。
(1) 前記上杭と前記下杭で前記鋼製端板同士は端板密着面で当接させ、かつ前記上杭と前記下杭で前記鋼製側板同士は側板密着面で当接させた。
(2) 前記端板密着面と前記側板密着面とに水平面に対して段差が形成され、あるいは前記側板密着面内に水平面に対して段差が形成された。
(3) 前記連結プレートは、前記連結プレートのボルト貫通孔を貫通したボルトで、前記鋼製側板と連結された。
(4) 前記連結プレートの前記ボルト貫通孔付近の厚さをTとし、厚さTの平板のプレート本体の内面側で、前記上杭側におよび前記下杭側にそれぞれ、側板密着面に近い側から高さt1の第一連結凸条、高さt2の第二連結凸条が連設された。
(5) 前記側板密着面から前記第一連結凸条までの上下方向の距離をh1とし、前記第一連結凸条から前記第二連結凸条までの上下方向の距離をh2とした。
(6) 前記上杭の鋼製端板の外面および前記下杭の鋼製端板の外面に、前記第一連結凸条および前記第二連結凸条を嵌合できる第一連結凹条および第二連結凹条がそれぞれ形成された。
また、前記発明において、第一連結凸条の水平方向の両側縁、第二連結凸条の水平方向の両側縁を連結プレートの内面に対して直角に形成した上杭と下杭の連結構造である。
また、前記発明において、
(√3)T≦(h1+h2)
とし、かつ
T≦(t1+t2)
とした上杭と下杭との連結構造である。
この発明は、下杭の上面と上杭の下面で、端板密着面と側板密着面とに水平面に対して段差が形成され、あるいは側板密着面内に水平面に対して段差が形成されているので、上下杭に過度に生じるせん断力に対して、有効に抵抗できる。
さらに、連結プレートの上杭側、下杭側にそれぞれ、厚さTのプレート本体の内面に対して直角での第一連結凸条、第二連結凸条を形成し、かつ両連結凸条のプレート本体の内面からの高さtと上下方向の距離hを
(√3)T≦(h1+h2)
とし、かつ
T≦(t1+t2)
とした場合には、連結プレートと上下杭の鋼製側板を緊結連結するボルトに発生する引抜力を軽減できる。また、軽減できる引抜力に応じて、連結プレートのプレート本体の厚さTを薄く構成することができる。
この発明の第一の連結構造で、連結完了した縦断面図を表す。 この発明の第一の連結構造で、連結前の上杭、下杭および連結プレートの縦断面図を表す。 この発明の第一の連結構造で、連結プレートの拡大した縦断面図を表す。 この発明の連結構造で、連結プレートおよびボルトの配置を表す概略した横断面図を表す。 この発明の第一の連結構造を概略的に表した斜視図で、(a)は当接前の上杭および下杭、(b)は当接した上杭および下杭、(c)は連結プレートを被せてボルトを螺合し連結が完了した状態を現す。 (a)はこの発明の第一の連結構造で、発生するせん断力の概要を説明する縦断面図で、(b)は上杭側の一部拡大縦断面である。 この発明の第二の連結構造で、連結完了した縦断面図を表す。 この発明の第三の連結構造で、連結完了した縦断面図を表す。
1.第一の連結構造70
この発明の連結構造70は、下杭10、上杭30、連結プレート40およびボルト71から構成する。ここでは、下杭10を、PC鋼棒33を埋設したコンクリート杭、上杭30を、外周を被覆鋼管35で被覆したコンクリート杭としたが、鋼製端板25および鋼製側板15を備えたコンクリート系の杭であれば、連結する杭の種類は任意である。
(1)下杭10、上杭30の構造
下杭10は、コンクリート製で中空部11aを有する円柱状の杭本体11の長さ方向の両先端12、12a(図示していない)に、ドーナツ状の鋼製端板25を備え、鋼製端板25の基端26a(先端26の反対側(杭本体11側))に連結した円筒状の鋼製側板15を備える。図中33は、両鋼製端板25、25の間に係止し、杭本体11にプレストレスを導入したPC鋼棒である(図2)。また、図中34は、鋼製側板15の基端26aに連結した短い鋼管からなる補強バンドで(図2)、杭本体11の両端部を保護する。
鋼製端板25と鋼製側板15の接合面では、鋼製側板15の先端面17(図2では上端)を下方に下げて(鋼製端板25の先端面26を上げて)、鋼製側板25の先端面17と、鋼製側板15の先端面17との間に、距離H0の段差61を形成してある。すなわち、下杭10の鋼製端板25の外周面27と、上杭30の鋼製側板15Aの内面16Aaとが密接して段差61を形成している(図1、図2)。
また、上杭30は、下杭10と同一の外径で形成され、コンクリート製で中空部11Aaを有する円柱状の杭本体11Aの長さ方向の両先端12A、12Aa(図示していない)に、ドーナツ状の鋼製端板25Aを備え、鋼製端板25Aの基端26Aa(先端A26の反対側(杭本体11A側))に連結した円筒状の鋼製側板15Aを備える。図中35は、両鋼製側板15A、15Aの基端26Aaに連結して、杭本体11Aの側面の全体を覆う被覆鋼管である。
鋼製端板25Aと鋼製側板15Aの接合面では、鋼製側板15Aの先端面17A(図2では下端)を下方に下げて(鋼製端板25Aの先端面26Aを上げて)、鋼製側板25Aの先端面17Aと、鋼製側板15Aの先端面17Aとの間に、距離H0の段差61を形成してある。
また、ここで、下杭10に上杭30を載せて連結する際に、下杭10の鋼製端板25の先端面26(図中、上端面)と上杭30の鋼製端板25Aの先端面26A(図中、下端面)とが当接し、その面を端板密着面64とする。また、同様に、下杭10の鋼製側板15の先端面17(図中、上端面)と上杭30の鋼製側板25Aの先端面17A(図中、下端面)とが当接し、その面を側板密着面63とする(図2)。
また、前記段差61(すなわち、鋼製端板25の外周面27と鋼製側板15Aの内面16Aa)は、側板密着面63、端板密着面64に対して直角に形成されている(図1、図2)。また、段差61は側板密着面63と端板密着面64とが直線上ではなく、段差が形成されている構造とも表現できる。
(2)連結プレート40の構造、鋼製側板15、15Aの詳細構造
(a) 厚さT、幅h00(図中高さ)の平板を屈曲して平面視円弧状(部分環状)のプレート本体41を形成し、プレート本体41の3枚を環状に並べると円環状となり、プレート本体41、41の内面が上下杭10、30の鋼製側板15、15Aの外周面(上下杭10、30の外周面)と一致するようになっている。また、プレート本体41は上下杭10、30を連結する際に、上下杭10、30の側板密着面63の高さ位置がプレート本体41の中央に位置するように形成され、側板密着面63の位置をプレート本体41の中央線44とする。図2で、中央線44の下側が下杭10の鋼製側板15と連結する側、中央線44の上側が上杭30の鋼製側板15Aと連結する側となる(図3)。
また、プレート本体41の平面視弧状の内側(上下杭10、30側)を内面42とし、反対の外側を外面42aとする(図3、図4)。
(b) プレート本体41の内面42で、中央線44から下端43aに向けて(下杭10の鋼製側板15に対応する側)、第一連結凸条46、第二連結凸条51を突設し、ボルト孔55を形成する。また、プレート本体41の内面42で、中央線44から上端43に向けて(上杭30の鋼製側板15Aに対応する側)、同様に、第一連結凸条46、第二連結凸条51を突設し、ボルト孔55を形成する。
ここで、第一連結凸条46の一側縁48(中央線44側)、他側縁48a(中央線44から遠い側)、第二連結凸条51の一側縁53(中央線44側)、他側縁53a(中央線44から遠い側)の各側縁は、プレート本体41の内面42に対して、略直角に形成してある(図3)。
(c) また、下杭10側で、中央線44から第一連結凸46条の一側縁48(中央線44側)までの距離をh01、第一連結凸条46の他側縁48a(中央線44から遠い側)から第二連結凸条51の一側縁53(中央線44側)までの距離をh12とする。また、第二連結凸条51の他側縁53a(中央線44から遠い側)からボルト孔55の軸線までの距離をh23とする。
また、同様に、上杭側で、中央線から第一連結凸条の一側縁(下側)までの距離をh01、第一連結凸条の他側縁(上側)から第二連結凸条の一側縁(下側)までの距離をh12とする。また、第二連結凸条の他側縁(上側)からボルト孔55の軸縁までの距離をh23とする(図3)。
(d) 以上のようにして、連結プレート40を構成する(図3、図2)。この実施形態では、1つの連結プレート40に、円周方向で5本のボルト71を使用するので(図4)、5つのボルト孔55、55を上下2段で計10か所に形成してある。
(e) ここで、第一連結凸条46、第二連結凸条51の2つは、以下の条件1かつ条件2で形成されている。
<条件1>(プレート本体の厚さT)=第一連結凸条の高さt1+第二連結凸条の高さt2)
<条件2>(√3)×(プレート本体の厚さT)
=第一連結凸条の幅h1+第二連結凸条の幅h2)
∴T=(√3/3)×(h1+h2)
としてある。このように形成したので、従来に比して、上下杭10、30に係る外力(曲げ)により連結プレート40に生じるせん断力などに対抗しつつ、連結プレート40の厚さTを薄くできる。
(f) なお、上記<条件1><条件2>は以下のような範囲で設定することができる。
<条件1> A≦T≦(t1+t2)
<条件2> B≦T≦(√3/3)×(h1+h2)
ここで、一般にボルト71に作用する引張力により、連結プレート40にせん断力が発生するが、上記A、Bは、このせん断力に耐えられる最小値となる。したがって、A,Bは想定する外力、外力によりボルトに生じる引張力、引張力により連結プレートに発生するせん断力の程度などにより決定される。
(g) なお、ここで、h01=h1、h12=h2、で形成されている。
(h) 以上のようにして構成される連結プレート40と嵌合できるように、下杭10の鋼製側板15、上杭30の鋼製側板15Aが形成される。
すなわち、下杭10の鋼製側板15および鋼製端板25と、上杭30の鋼製側板15Aおよび鋼製端板25Aとが密着して、側板密着面63、端板密着面64を形成した状態で、下杭10の鋼製側板15の外周面16に連結プレート40の第一連結凸条46、第二連結凸条51(中央線44より下端43a側)が嵌合できる第一連結凹条18、第二凹条19が形成されている。また、同様に、上杭10の鋼製側板15Aの外周面16Aに、連結プレート40の第一連結凸条46、第二連結凸条51(中央線44より上端43側)が嵌合できる第一連結凹条18A、第二凹条19Aが形成されている(図2)。
(3)連結構造70
通常の杭穴を掘削して、所定数のコンクリート杭を連結して、上から2番目の杭として、上記下杭10が連結されている(図示していない)。ここまでのコンクリート杭の連結(例えば、杭穴50m程度の場合であれば、長さ10m程度の3本のコンクリート杭が連結されている)は、従来の連結プレートを使用することもできる。通常、杭に大きな水平力が掛かり、杭が大きなせん断を負担しなければならない状況であれば、上記連結プレート40が最適である。上記下杭10の上端部を杭穴付近で支持して、最上段の杭である上杭30(鋼管被覆コンクリート杭)を連結する。
この連結構造70は、一般に大きなせん断力が発生する最上段の既製杭と、その下(最上段から2番目)の既製杭との連結に最適であるが、任意の位置での既製杭の連結にも使用することができる。
(a) 杭穴の開口付近(地面付近)で下杭10を支持して、下杭10の上方から上杭30を下降させて(図5(a)、図2)、下杭10の上面に上杭30の下面を載せる(図5(b))。
この状態で、下杭10の鋼製側板15、鋼製端板25と、上杭30の鋼製側板15A、鋼製端板25Aとが密着して、側板密着面63、端板密着面64を形成する(図5(b)、図1参照)。
(b) 続いて、3枚の連結プレート40、40の内周面42を、上下杭10、30の鋼製側板15、15Aの外周面16、16Aに密着させて、連結プレート40の第一連結凸条46、46を、上下杭10,30の第一連結凹条18、18A、第二連結凹19、19Aに嵌合させ、続いて、連結プレート40のボルト孔55、55から上下杭10、30の鋼製端板15、15Aのねじ孔21、21Aにボルト71、71をねじ込み、上下杭10、30と連結プレート40、40とを一体に緊結する。以上のようにして、上下杭の連結構造70を構成する(図1、図5(c))。
(c) 上下杭10、30の連結構造70を含むすべての連結した既製杭を杭穴内に下降して、基礎杭構造を構築する。杭穴内には、連結構造70を含む既製杭との間にセメントミルク類が充填されている(図示していない)。
(d) このように構築した連結構造70(上杭10と下杭30にボルト71、17で連結プレート40を固定した構造)では、基礎杭構造(または連結した既製杭)に、地上構造物の鉛直荷重に加え、予想を超えた過度の水平荷重により曲げ応力やせん断応力が連結構造70に生じる場合がある。
連結構造70に生じるせん断力に対して、下杭10と上杭30の垂直な段差61により、これを負担できる(図1)。
さらに、前記条件1、条件2の構造としたので、連結構造70に生じる軸力および曲げモーメントに対して、圧縮力は鋼製側板15、15Aの先端面17、17Aおよび上下杭10、30の鋼製端板25を介して杭本体11、11A(すなわち杭体コンクリート)で負担するため、本発明の連結構造70では引張力のみ負担すれば良い(図6(a)(b))。
また、前記条件1、前記条件2の構造としたため、連結プレート40のプレート本体41の厚さTが薄いにも関わらず、引張力に効率的に抵抗できる。連結プレート40の上端43側で説明する(図6(b))。軸引張力Nが作用した場合、軸引張力Nは鋼製側板15Aの第一連結凹条18Aおよび第二連結凹条19Aを介して、連結プレート40の第一連結凸条46および第二連結凸条51に伝達し、連結プレート40の厚さTで抵抗する。つまり、第一連結凸条46の一側縁48(中央線44側)、第二連結凸条51の一側縁53(中央線44側)が、それぞれ伝達力(N/2)の力で押される。この時連結プレート40には、伝達力(N/2)の作用位置と連結プレート40の厚さTの中心までの偏心距離e[(T/2)+(t1/2)]、[(T/2)+(t1/2)]に応じて曲げモーメントMaおよびMbが生じる。連結プレート40の離脱方向にはMaおよびMbによるせん断力が生じるが、第一連結凸条46の一側縁48と第二連結凸条51の一側縁53の間は、MaおよびMbの力の方向がそれぞれ逆方向となるためせん断力は打ち消される。すなわち、第二連結凸条51の一側面53からボルト71の間はMbによるせん断力のみが生じ、ボルト71に生じる引抜力を軽減できる。
(4)他の実施形態
前記実施形態において、連結プレート40は平面視で円を3分割した構造(すなわち、3つで円を構成する)としたが、2分割あるいは4分割以上とすることもできる(図示していない)。さらに、平面視円に対して、隣接する連結プレート40で多少に隙間を生じる配置とすることもできる(図示していない)。
また、前記実施形態において、連結プレート40に連結凸条45、51を形成し、上下杭10、30の鋼製側板15、15Aに連結凹条18、19を形成したが、連結プレート40に連結凹条を形成し、上下杭10、30の鋼製側板15、15Aに連結凹条と嵌合できる連結凸条を形成することもできる(図示していない)。
また、前記実施形態において、連結プレート40の下杭10側、上杭30側に、それぞれに第一連結凸条45、第二連結凸条51を形成したが、連結プレート40の下杭10側、上杭30側に、1つの連結凸条を形成することもできる(図示していない)。
また、前記実施形態において、側板密着面63と端板密着面63の上下位置をずらしてH0の段差61を形成したが、水平方向で、側板密着面63と端板密着面63が水平同一線上ではなく段差が形成されていればよく、段差61の位置は任意である。例えば、側板密着面63(鋼製側板15、15Aの端面17、17A)を、鋼製端板側の側板密着面63aと外周側の側板密着面63bとにずらして、側板密着面63にかぎ状の段差61を形成することもできる(図8参照)。
2.第二の連結構造73(図7)
(1) 下杭10は、第一の連結構造70と同様に、コンクリート製の杭本体11の先端12に、鋼製側板15を連結した鋼製端板25を備える。また、上杭30は、コンクリート製の杭本体11Aの先端12Aに、鋼製側板15Aを連結した鋼製端板25Aを備える。
上杭10の上端に下杭30を重ねると、鋼製側板15の先端17と鋼製側板15Aの先端17Aが重なり側板密着面63を形成し、鋼製端板25の先端26と鋼製端板25Aの先端26Aとが重なり端板密着面64を形成する。
(2) 連結プレート40は部分環状で、上下方向の中央に中央線44(側板密着面63に対応する)を有し中央線44から下端43a側に第一連結凸条46、ボルト孔55を形成し、上端43側に第一連結凸条46、ボルト孔55が形成されている。
(3) 重なった下杭10と上杭30の外周側から、連結プレート40、40を重ねれば、側板密着面63に中央線連結44が重なり、連結プレート40の下側の第一連結凸条46は下杭10の鋼製側板15の第一連結凹条18に嵌合され、連結プレート40の上側の第一連結凸条46は上杭30の鋼製側板15Aの第一連結凹条18Aに嵌合され、ボルト55、55で締めれば、連結構造73を構成する(図7)。
(4)この連結構造73は第一の連結構造70と同様に基礎杭構造に適用する。
3.第三の連結構造75(図8)
(1) 第三の連結構造75は、第二の連結構造73とは、鋼製側板15、15Aの先端面17、17Aの構造が異なるのみで、他は同じである。
(2) 下杭10は、第一の連結構造70と同様に、コンクリート製の杭本体11の先端12に、鋼製側板15を連結した鋼製端板25を備える。また、上杭30は、コンクリート製の杭本体11Aの先端12Aに、鋼製側板15Aを連結した鋼製端板25Aを備える。
上杭10の上端に下杭30を重ねると、鋼製側板15の先端17と鋼製側板15Aの先端17Aが重なり側板密着面63を形成し、鋼製端板25の先端26と鋼製端板25Aの先端26Aとが重なり端板密着面64を形成する。ここで、鋼製端板25の先端26は外側が下がった段差構造を形成しており、対応して鋼製端板25Aの先端26Aの外側が下がった段差構造を形成している。したがって、側板密着面63が、側板密着面63aと側板密着面63bとからなり、かぎ状となっており、第一第二の連結構造73、75の段差61と同様作用の段差61を構成する(図8)。
(3) 連結プレート40は部分環状で、上下方向の中央に中央線44(側板密着面63に対応する)を有し中央線44から下端43a側に第一連結凸条46、ボルト孔55を形成し、上端43側に第一連結凸条46、ボルト孔55が形成されている。
(4) 重なった下杭10と上杭30の外周側から、連結プレート40、40を重ねれば、連結プレート40の下側の第一連結凸条46は下杭10の鋼製側板15の第一連結凹条18に嵌合され、連結プレート40の上側の第一連結凸条46は上杭30の鋼製側板15Aの第一連結凹条18Aに嵌合され、ボルト55、55で締めれば、連結構造75を構成する(図8)。
(5)この連結構造73は第一の連結構造70と同様に基礎杭構造に適用する。
10 下杭
30 上杭
11、11A 上下杭の杭本体
11a、11Aa 杭本体の中空部
12、12A 杭本体の先端(鋼製端板側)
12a、12Aa 杭本体の基端
15、15A 上下杭の鋼製側板
16、16A 鋼製側板の外周面
16a、16Aa 鋼製側板の内周面
17、17A 鋼製側板の先端面
17a、17Aa 鋼製側板の基端面
18、18A 鋼製側板の第一連結凹条
19、19A 鋼製側板の第二連結凹条
21、21A 鋼製側板のねじ孔
25、25A 上下杭の鋼製端板
26、26A 鋼製端板の先端
26a、26Aa 鋼製端板の基端
27、27A 鋼製端板の外周
27a、27Aa 鋼製端板の内周
33 PC鋼棒(下杭)
34 補強バンド(下杭)
35 被覆鋼管(上杭)
40 連結プレート
41 プレート本体
42 プレート本体の内面
42a プレート本体の外面
43 プレート本体の上端
43a プレート本体の下端
44 プレート本体の中央線
46 第一連結凸条
47 第一連結凸条の先端面
48 第一連結凸条の一側縁(中央線側)
48a 第一連結凸条の他側縁
51 第二連結凸条
52 第二連結凸条の先端面
53 第二連結凸条の一側縁(中央線側)
53a 第二連結凸条の他側縁
55 ボルト孔(ボルト貫通孔)
56 ボルト孔の一側縁(中央線側)
56a ボルト孔の他側縁
61 (上杭、下杭の)段差
63、63a、63b (上杭、下杭の)側板密着面
64 (上杭、下杭の)端板密着面
70、73、75 連結構造
71 ボルト

Claims (4)

  1. コンクリート製の杭本体の長さ方向の端面にドーナツ状の鋼製端板を設けかつ前記杭本体の外側壁を覆う短筒状の鋼製側板を前記鋼製端板に連結して上杭および下杭を形成し、前記上杭と前記下杭とを前記端板を合わせて連結し、かつ前記鋼製側板の外面に、部分環状の連結プレートの内面を密着緊結して、以下のように構成したことを特徴とする上杭と下杭との連結構造。
    (1) 前記上杭と前記下杭で前記鋼製端板同士は端板密着面で当接させ、かつ前記上杭と前記下杭で前記鋼製側板同士は側板密着面で当接させた。
    (2) 前記端板密着面と前記側板密着面とに水平面に対して段差が形成され、あるいは前記側板密着面内に水平面に対して段差が形成された。
    (3) 前記連結プレートは、前記連結プレートのボルト貫通孔を貫通したボルトで、前記鋼製側板と連結された。
    (4) 前記連結プレートの前記ボルト貫通孔付近の厚さをTとし、厚さTの平板のプレート本体の内面側で、前記上杭側におよび前記下杭側にそれぞれ、高さt1の連結凸条が連設された。
    (5) 前記上杭の鋼製端板の外面および前記下杭の鋼製端板の外面に、前記連結凸条に嵌合できる連結凹条がそれぞれ形成された。
  2. コンクリート製の杭本体の長さ方向の端面にドーナツ状の鋼製端板を設けかつ前記杭本体の外側壁を覆う短筒状の鋼製側板を前記鋼製端板に連結して上杭および下杭を形成し、前記上杭と前記下杭とを前記端板を合わせて連結し、かつ前記鋼製側板の外面に、部分環状の連結プレートの内面を密着緊結して、以下のように構成したことを特徴とする上杭と下杭との連結構造。
    (1) 前記上杭と前記下杭で前記鋼製端板同士は端板密着面で当接させ、かつ前記上杭と前記下杭で前記鋼製側板同士は側板密着面で当接させた。
    (2) 前記端板密着面と前記側板密着面とに水平面に対して段差が形成され、あるいは前記側板密着面内に水平面に対して段差が形成された。
    (3) 前記連結プレートは、前記連結プレートのボルト貫通孔を貫通したボルトで、前記鋼製側板と連結された。
    (4) 前記連結プレートの前記ボルト貫通孔付近の厚さをTとし、厚さTの平板のプレート本体の内面側で、前記上杭側におよび前記下杭側にそれぞれ、側板密着面に近い側から高さt1の第一連結凸条、高さt2の第二連結凸条が連設された。
    (5) 前記側板密着面から前記第一連結凸条までの上下方向の距離をh1とし、前記第一連結凸条から前記第二連結凸条までの上下方向の距離をh2とした。
    (6) 前記上杭の鋼製端板の外面および前記下杭の鋼製端板の外面に、前記第一連結凸条および前記第二連結凸条を嵌合できる第一連結凹条および第二連結凹条がそれぞれ形成された。
  3. 第一連結凸条の水平方向の両側縁、第二連結凸条の水平方向の両側縁を連結プレートの内面に対して直角に形成した請求項2に記載の上杭と下杭の連結構造。
  4. (√3)T≦(h1+h2)
    とし、かつ
    T≦(t1+t2)
    とした請求項2記載の上杭と下杭との連結構造。
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