JP2022079412A - 車両の一時預かりシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 自転車、自動二輪車、自動車などの車両の有料の駐車設備を、低コストで設置することを可能にする。【解決手段】 大掛かりで「公共的」に使用される料金精算装置のようなものを廃止して、ユーザーが所有するスマートフォンなどの携帯端末を「私的」に使用できるようにすべく、一例自転車用では駐車ラック5に自転車が進入したら、出庫制御部11が自転車の前輪のスポーク間にロックバー52を通して前輪Tを自動的に捕捉し、出庫時にはスマートフォン3から駐車ラック番号53を打ち込むことで、精算装置4は登録ユーザーと課金口座とを確認して、ユーザーの課金口座に課金した上で、駐車ラック番号53に対応する駐車ラック5を開錠させるべく管理装置2の開錠部21に指令する、一時預かりシステムとした。【選択図】図1
Description
この発明は自転車、自動二輪車、自動車などの車両の駐車設備に係り、低コストで設置することが出来るものに関する。
駐車場に於ける車両の一時預かりサービスを自動化して管理者の無人化を計り、省力化やコストダウンを実現するためには、駐車装置に施錠装置を設けると共に利用料金の精算装置を設けることが必須となる。この利用料金の精算装置は、紙幣や硬貨を受け付けたり釣銭を払い戻すための機構を備えて概して大型であり、設置には大きなコストが掛かる。
例えば特開2005-180161の駐車設備には精算装置としての操作盤が設けられている。この操作盤のコイン投入口にコインを投入して(コイン投入の代わりにプリペイドカードの使用も可能としている)精算し、テンキーによって駐車台番号を指定すると、この情報は制御装置へと伝達され、制御装置は精算を確認し駐車台番号を確認して、通信ケーブルを通じて施錠装置のソレノイドに通電し、この駐車台に駐車されている自転車の前輪を開放して、出庫可能な状態にする。なお発券機はプリペイドカードを発行するためのものであるが、この他にはコイン(硬貨)による精算を可能としている。また入出力部では釣銭を取り扱うことが出来る。
また例えば特開2005-339452の料金精算装置は、立設された支柱の回りがこの支柱に取り付けられた筒状の外壁でカバーされており、この筒状外壁の内部に料金精算装置を構成する各機能ブロックが位置取り自在に積み上げて納められており、前記筒状の外壁は前記機能ブロック毎に上下方向に分離可能に設けられている料金精算装置である。この機能ブロックとしては、例えばコイン投入口とコイン計数機のブロック、釣銭払戻機のブロック、カード受入口とカード読取機のブロック、テンキーボードと各種スイッチのブロック等々が任意に準備される。この構成により細長い筒状の筐体を積み上げて場所を取ることなくスッキリと設置することが出来る。
しかしながら特開2005-180161の精算装置も特開2005-339452の料金精算装置も、単にサイズが大きいと言うだけでなく製造・設置・管理の各段階に於いて多大なコストが掛かっている。仮にこのような精算装置が不要になるのであれば、駐車場の設置コストが極めて小さいものとなるであろう。そうであれば駐車場設置の自由度もより一層高まることが期待される。なおさらに精算がキャッシュレスであれば、料金精算装置への接触が不要となり衛生面からも好都合である。
この発明では上述したような問題を解決して、自転車、自動二輪車、自動車などの車両のための、課金を伴う駐車設備を低コストで設置することを可能にしたい。
当発明者は、大掛かりで「公共的」に使用される料金精算装置のようなものを廃止する代わりにユーザーが所有するスマートフォンなどの携帯端末を「私的」に使用して、車両の一時預かりサービスが受けられるようにしたいものと考えた。
上記の課題は、車両の出庫制御手段と固有の識別符号とを有する駐車装置と、この駐車装置の複数台の各々の前記出庫制御手段と有線または無線で接続をして出庫制御手段の施錠開錠の少なくとも開錠を司る管理装置と、この管理装置に有線でまたは無線で接続して出庫制御手段に開錠させたりユーザーの携帯端末と無線で接続してユーザーの認証と利用料金の精算とを行ったりするための精算手段とを備えており、前記出庫制御手段は、当初開錠状態であり、前記駐車装置に車両が進入してきた場合には施錠を行い、この駐車装置に固有の識別符号をユーザーが前記携帯端末から入力して前記精算手段に送信すると、この精算手段はユーザーの認証を行って登録ユーザーであることが確認されると共にこの登録ユーザーの利用料金の精算が行われた場合には、前記管理装置を通じて前記駐車装置の前記出庫制御手段に開錠させて車両を出庫可能にするものである、車両の一時預かりシステムとすることにより達成される。
駐車装置は自転車、自動二輪車、自動車などの車両の違いによって専用のものが用意され、それぞれに車両の出庫制御手段が設けられる。出庫制御手段は主に遠隔操作が可能な電動式のロック機構であって、電動モータやソレノイドなどが施錠開錠を司る。
管理装置は駐車場の複数の駐車装置を束ねるものであり、駐車装置の出庫制御手段とは有線接続や例えばWi-Fi(登録商標)のような無線接続により接続されている。これにより管理装置は駐車場の複数の出庫制御手段を制御する。
精算手段は、この発明では例えば複数の駐車場の管理装置を束ねるサーバのような位置づけであり、管理装置とは専用線のような有線接続や例えば携帯電話回線のような無線接続により接続されている。これにより精算手段は複数の駐車場の管理装置を制御する。
ユーザーの携帯端末の現在の主流はスマートフォンであり、このため電話局の基地局との無線通信を介したインターネット接続により上記精算手段に接続すると言う設計が一般的である。
精算手段の一例としては、ユーザーのクレジットカードの決済端末であり、クレジットカード会社のサーバとの接続が確保されている。この他デビットカードを取り扱う銀行と接続したり、仮想通貨(暗号資産)を取り扱う交換所と接続したりするような設計も可能である。精算手段がクレジットカードの決済端末である場合には精算手段はユーザー登録の中でユーザーが決済手段とするクレジットカードを予め登録しておく必要があることは言うまでもない。デビットカードや仮想通貨に付いても同様である。なおユーザーのクレジットカード情報を登録させることで、決済端末なしにスマートフォン上での決済を行う設計も可能である。また前記精算手段を登録ユーザーの携帯端末に係る課金手段を用いて利用料金の精算を行うものとすることが出来る。いわゆる通信キャリアが電話料金の精算と共に、通信キャリアの運営になるショッピングモールやそのテナントショップでのショッピング代金の精算を行ったりしているがこれと同様である。この辺りの構成は任意設計事項である。
精算手段のユーザーの認証手段は、ユーザーの携帯端末から固有の識別符号を取得してユーザー認証を行い、登録ユーザーであるか否かを確認することが出来る。あるいはユーザーの携帯端末から入力される暗証番号を以ってユーザー認証を行うようにしても良い。さらに二重認証として、ユーザーの指紋やユーザーの顔写真や公的な認証サービスによる暗唱などを使用する設計も可能である。このような中でこの発明ではユーザーが只今利用しようとしている駐車装置に付されている認証コードを、ユーザーの携帯端末のカメラで撮影し、このカメラ画像を精算手段が受信することで登録ユーザーと駐車装置との紐付けとを行うことが出来る。従って精算手段は、ユーザーの携帯端末とユーザーの決済口座と駐車場の駐車装置とを紐付けて記録しておくことが出来る。
さて、出庫制御手段は当初開錠状態であるため、いつでも車両を受け入れることが出来る状態にある。そこで駐車装置に車両を進入させると出庫制御手段はこれを感知して自動で施錠を行い、車両を出庫不能な状態にする。なお車両を感知して施錠の指令を出すことを出庫制御手段自体で行っても良いし、管理装置で行うようにしても良い。
続いてユーザーがこの駐車装置に付されている固有の識別符号を携帯端末で入力して、この識別符号を携帯端末から精算手段に送信する。この辺りのことは特開2005-180161が精算装置としての操作盤を使用したり特開2005-339452が料金精算装置を使用したりするものであるのと比べると大きく異なる点である。この際に精算手段はユーザーの認証を行って登録ユーザーであることを確認する。同時にこの登録ユーザーに利用料金の精算を促す。なお登録ユーザーでない場合は駐車装置が利用出来ない旨通知をするようにしても良いし、その場でユーザー登録を受け付けるようにしても良い。
こうして利用料金の精算が行われた場合には、精算手段は管理装置を通じて駐車装置の出庫制御手段に開錠させる。この状態で車両は出庫可能であると共に、新たに車両を受け入れることが可能となる。
なお上記ではユーザーに駐車装置に付されている固有の識別符号を携帯端末で入力させていた。例えば「A-001」のような英数字を駐車装置に付しておき、この識別符号を携帯端末から入力させるのである。この他、固有の識別符号にQRコード(登録商標)を用いることが出来る。QRコード(登録商標)は広く利用されておりデータ復元力の強いコードである。カメラ画像はデコードすることで認証符号が出力される。このデコードはユーザーの携帯端末側で行っても良いし精算手段の側で行っても良い。すなわち携帯端末側と管理装置側とのどちらがデコーダを備えるかは自由である。
なお上記ではユーザーが只今利用しようとしている駐車装置に付されている認証コードを、ユーザーの携帯端末のカメラで撮影して、このカメラ画像を精算手段が受信することで、登録ユーザーと駐車装置との紐付けとを行う例を上げた。これとは異なり精算手段がユーザーの携帯端末に送って表示させた認証コードを、駐車装置に設けたカメラで撮影して、このカメラ画像を精算手段が登録ユーザーと駐車装置との紐付けに用いるような設計も可能である。
ところで登録ユーザーとその課金口座と駐車装置とを紐付けするのに、登録ユーザーの携帯端末側のカメラと駐車装置での認証コード表示や、駐車装置側のカメラと携帯端末での認証コード表示とを用いるのであれば、駐車装置から車両の出庫要求を出す際にも携帯端末を使用するのであるから、このための専用のアプリケーションソフトウェアを用意することは、ユーザーインターフェースの向上にも寄与する。なおアプリケーションソフトウェアを用いるのではなく、WWW(World Wide Web)を表示し得る携帯端末を用いる設計も可能である。
また上記の課題は、車両の出庫制御手段と固有の識別符号とを有する駐車装置と、この駐車装置の複数台の各々の前記出庫制御手段と有線または無線で接続をして出庫制御手段の施錠開錠の少なくとも開錠を司る管理装置と、この管理装置に有線でまたは無線で接続して出庫制御手段に開錠させたりユーザーの携帯端末と無線で接続してユーザーの認証と利用料金の精算とを行ったりするための精算手段とを備えており、前記出庫制御手段は、当初施錠状態であり、駐車装置に固有の識別符号をユーザーが前記携帯端末から入力して前記精算手段に送信すると、この精算手段はユーザーの認証を行って登録ユーザーであることが確認された場合には、前記管理装置を通じて前記駐車装置の前記出庫制御手段に開錠させて車両を入庫可能にして、前記駐車装置に車両が進入したら施錠を行い、また前記出庫制御手段は、上記駐車装置に固有の識別符号をユーザーが前記携帯端末から入力して前記精算手段に送信すると、この精算手段はユーザーの認証を行って登録ユーザーであることが確認されると共にこの登録ユーザーの利用料金の精算が行われた場合には、前記管理装置を通じて前記駐車装置の前記出庫制御手段に開錠させて車両を出庫可能にして、前記駐車装置から車両が出庫したら施錠を行う、車両の一時預かりシステムとすることにより達成される。
請求項1の車両の一時預かりシステムでは、開錠状態の駐車装置に車両が進入して来たら自動的に施錠を行って施錠状態と為し、出庫制御手段が開錠を行って車両が出庫してしまったらそのまま開錠状態を維持するようにシステムを設定していた。これに対して請求項2の車両の一時預かりシステムでは、車両が出庫してしまったら自動的に施錠を行って施錠状態にするので、ここに駐車したいとするならば出庫制御手段が開錠を行って開錠状態にするようにシステムを設定する必要がある。ここに2つの発明の違いがある。
次に、管理装置は設定された時間内の駐車であれば精算手段による利用料金の精算を行うことなく、出庫制御手段によって車両を出庫可能にするものとすることが出来る。例えば自転車の駐車場が商店街に設置されており、この商店街を利用してもらい易くすべく、1時間以内の駐車は無料であると設定するような使用法を想定している。管理装置や駐車場はこの駐車時間をタイマーにより例えば通勤通学の長時間の駐車と区別するのである。
さて、請求項1または請求項2に記載の車両の一時預かりシステムに於いて、前記管理装置がPLC(Programmable Logic Controller)上に構築された管理装置であり、前記精算手段がインターネット上に構築された仮想サーバによる精算手段であるものとすることが出来る。PLCは駐車装置と精算手段との間にあって、駐車装置の出庫制御手段や有線や無線の手段や、出庫制御手段から得られる施錠開錠の情報などの資源を最大限に活用して、制御方式をある程度自由に組み換えることが可能である。
また仮想サーバは駐車装置の識別符号や、登録ユーザーに係る各種情報や課金のために必要な情報を得ることで、ユーザー認証と利用料金精算を行うことが出来るし、システムの変更をある程度自由に行うことが出来る。なお仮想サーバを利用することで自前の精算手段を設備する必要が少なくなると言う利点も大きい。
従って持ち合わせている資源を有効に活用しつつ、PLCの管理装置と仮想サーバとで制御を分け合って最適な車両の一時預かりシステムを構築することが出来るし、運用上で必要になった変更をすぐにサービスに反映させることが可能である。
この発明の車両の一時預かりシステムは、管理装置と携帯端末との間で駐車装置の認証コードをやり取りすることにより、登録ユーザー認証と、この登録ユーザーおよび駐車装置の紐付けと、を行うようにして、登録ユーザーによる利用料金の精算が行われた場合に車両を出庫可能にするようにした点に特徴を有する。この結果、上掲の特許文献の発明にあったような操作盤やコイン精算機が不要なものとすることが可能となり、自転車、自動二輪車、自動車などの車両の有料の駐車設備を低コストで設置することが出来る、と言う効果を奏して所期目的が達成されている。
以下では、自転車の一時預かりサービスを例に上げてこの発明の4種の実施例を説明するが、この発明はこれ等の実施例にのみ限定されるものではない。
図1乃至図6を用いてこの実施例を説明する。この一時預かりシステムは、駐車装置1と、複数台の駐車装置1を束ねて管理する管理装置2と、駐車装置1のユーザーが所有するスマートフォン3と、精算装置4とから構成されている。自転車の駐車場には複数台の駐車ラック5が並んで設置されている。複数台の駐車装置1と管理装置2との間は通信線22で有線接続されている。この管理装置2は通信部20により専用線でインターネットプロバイダを介してインターネットNに常時接続されている。スマートフォン3は携帯電話機であって、通信部30の図示しないSIM(Subscriber Identity Module Card)カードによって最寄りの基地局C3からインターネットNに接続されている。精算装置4は通信部40により最寄りの基地局C2からインターネットNに接続されている。
精算装置4はこの他、ユーザーがスマートフォン3にインストールしてあるこの一時預かりサービス専用のアプリ(Application Software)により接続して来た際に、スマートフォン3の通信部30と通信を行う通信部40と、登録ユーザー認証を行ったりこの登録ユーザーに係る一時預かりサービスの利用料金の精算を行う精算部41とを備えている。精算部41にはユーザーの氏名や連絡先などがユーザー固有の識別符号と共に事前に登録されていることになっている。しかしながら登録ユーザーでない場合には、精算装置4はユーザー登録サービスに誘導する。また精算部41は与信確認や一時預かりサービス利用料金の課金のために、図示しないカード会社の決済サーバと通信することが出来るようになっている。
スマートフォン3は通信部30の他、精算装置4の精算部41と通信するための認証部31を備えている。またスマートフォン3は、駐車ラック5の一台一台にユニークに割り振られた駐車ラック番号53を入力表示窓34へ入力するためのテンキー33(ソフトウェアキーボードの一種である)と、駐車ラック5にロックバー52を解放させるための開錠ボタン35とを表示画面32に表示する機能が備わっている。これは上記アプリにより実現される機能である。
各々の駐車ラック5は見える所に駐車ラック番号53を備えている。図3では5-1、5-2、5-3の3台が表されており、各々にユニークな駐車ラック番号53としてA-11、A-12、A-13が割り当てられている。この駐車ラック番号53は管理装置2から参照されるような場合に備えて駐車装置1の図示しない記憶装置に記録されている。駐車装置1は通信部10と出庫制御部11とを備えている。この駐車装置1は駐車ラック5の各々に1-1、1-2、1-3として内蔵されている。
また図2で表すように、駐車ラック5は自転車の車輪導入路50の先端部分に施錠装置51を有している。また駐車ラック5には車輪導入路50を横切るようにしてロックバー52が設けられている。ユーザーが自転車をその前輪Tから車輪導入路50に進入させて施錠装置51まで送ると図示しない入庫センサがこのことを感知して、出庫制御部11が自転車の前輪のスポーク間にロックバー52を通して前輪Tを捕捉する。なお出庫時には出庫制御部11が自転車の前輪Tを捕捉しているロックバー52を開放することになる。
さて図4乃至図6を用いて、この実施例の一時預かりシステムの処理を説明する。なおこの例の駐車ラック5とは図3に於ける5-2のことである。まず駐車ラック5側の処理として、駐車ラック5に自転車が駐車したことが、図示しない入庫センサによって感知されたら(ステップS1)、出庫制御部11が図示しないソレノイドに通電してロックバー52を動作させ、自転車の前輪Tを捕捉してロックする(ステップS2)。これによりこの自転車は利用料金が支払われるまでは出庫させることが出来なくなる。なお別途、誤って駐車した、悪戯された、気が変わった、と言うような場合に備えて、例えば3分以内であれば利用料金を支払わずとも出庫出来るような設定にすることも可能である。入庫後の3分間は、この実施例では駐車ラック番号53のA-12のロックバー52を動作させないようにするのである。何れにせよ駐車装置1の出庫制御部11と管理装置2とは互いの通信部10,20を介して通信して管理装置2は出庫制御部11の状態を知ることが出来るようになっている。
次に、自転車を駐車ラック5から出庫させるには、スマートフォン3が最寄りの基地局C3に接続した状態で(ステップS3)、スマートフォン3が一時預かりサービス専用のアプリを起動して、精算装置4との通信を開始したら(ステップS4)、精算装置4はこのユーザーを特定すると共にこのユーザーの課金口座を確認する(ステップS7)。続いてユーザーはスマートフォン3に駐車ラック5に付した駐車ラック番号53を打ち込んで駐車ラック5を特定させる。この一時預かりサービス専用のアプリはスマートフォン3の表示画面32にテンキー33と入力表示窓34と開錠ボタン35とを表示し、ユーザーが駐車ラック5に付された駐車ラック番号53と同じ番号をテンキー33を用いて入力したら(ステップS5)、これを入力表示窓34に表示して、ユーザーが入力誤りでないことを確認して開錠ボタン35をタップしたら、この駐車ラック番号53を精算装置4へ送信する(ステップS6)。この時点で精算装置4は登録ユーザーと課金口座と登録ユーザーが使用中の駐車ラック5(駐車ラック番号53のA-12)とを紐付けする。このことを図3にて模式的に表す。精算装置4の側では次の2つの処理を行う。すなわちユーザーの課金口座に課金するのであるが、精算装置4の精算部12はこの登録ユーザーに付いて、図示しないカード会社の決済サーバに所定の利用料金を課金する(ステップS8)。また上記駐車ラック番号53に対応する駐車ラック5を開錠するように、管理装置2の開錠部21に指令を出す(ステップS9)。なお上記ステップS3からステップS6はスマートフォン3側の処理工程であり、ステップS7からステップS9は精算装置4側の処理工程である。
なお上記で精算装置4は駐車ラック番号53に対応する駐車ラック5を開錠するように管理装置2の開錠部21に指令を出し、開錠部21が駐車装置1の出庫制御部11に指令を出すことで、出庫制御部11が図示しないソレノイドに通電してロックバー52を動作させている。これに対して精算装置4が管理装置2のルーティングによって、駐車ラック5(駐車ラック番号53のA-12)の出庫制御部11の図示しないソレノイドに直接、通電してロックバー52を動作させるように設計することも可能である。何れにせよ管理装置を通じて駐車装置の出庫制御手段に開錠させて車両を出庫可能にする、と言うことである。
図7を用いてこの実施例を説明する。例えば上記の駐車装置1が商店街に設置されており、この商店街を利用してもらい易くすべく、1時間以内の駐車は無料であると設定したとする。すなわち通勤通学の長時間の駐車と区別するのである。
精算装置4は、駐車ラック5の開錠要求が為されたら(ステップS10)、駐車装置1の出庫制御部11に駐車時間をカウントさせておき(図示せず)、駐車時間が設定時間内か否かを判定し(ステップS11)、設定時間内であればユーザーの課金口座に課金することなく駐車ラック5を開錠するが(ステップS12)、設定時間を超えて駐車している場合にはユーザーの課金口座に課金して駐車ラック5を開錠する(ステップS13)。
図8を用いてこの実施例を説明する。この一時預かりシステムではその殆どの構成を上述した実施例1のそれに倣うものであるが、一時預かりシステムの処理行程に関して異なる点を有する。すなわち先ず自転車を駐車ラック5に入庫させる段では、スマートフォン3が最寄りの基地局C3に接続した状態で(ステップS14)、スマートフォン3が一時預かりサービス専用のアプリを起動して、精算装置4との通信を開始したら(ステップS15)、精算装置4はこの登録ユーザーを特定する(ステップS18)。続いてユーザーがスマートフォン3に駐車ラック5に付した駐車ラック番号53を打ち込むと駐車ラック5を特定する。この一時預かりサービス専用のアプリはスマートフォン3の表示画面32にテンキー33と入力表示窓34と開錠ボタン35とを表示し、ユーザーが駐車ラック5に付された駐車ラック番号53と同じ番号をテンキー33を用いて入力したら(ステップS16)、これを入力表示窓34に表示して、ユーザーが入力誤りでないことを確認して開錠ボタン35をタップしたら、この駐車ラック番号53を精算装置4へ送信する(ステップS17)。この時点で精算装置4は登録ユーザーと課金口座と登録ユーザーが使用したいとする駐車ラック5(駐車ラック番号53のA-12)とを紐付けすると良い。そして精算装置4は上記駐車ラック番号53に対応する駐車ラック5を開錠するように、管理装置2の開錠部21に指令を出す(ステップS19)。これにより開錠部21が駐車装置1の出庫制御部11に指令を出すことで出庫制御部11が駐車ラック5を開錠する。なおステップS14からステップS17はスマートフォン3側の処理工程であり、ステップS18からステップS19は精算装置4側の処理工程である。
この後自転車を駐車ラック5に進入させると、実施例1のステップS1~ステップS2の工程が実行される。また自転車を駐車ラック5から出庫させる段に関しては実施例1のステップS3~ステップS9の工程が実行される。なおこの実施例に於いても実施例2の一定時間以内の駐車を無料とする設定を採用することが出来る。
図9及び図10を用いてこの実施例を説明する。この一時預かりシステムは、実施例1の駐車装置1と、複数台の駐車装置1を束ねて管理する管理装置6と、いわゆるクラウド或いはWebサービスと称される仮想サーバ7と、駐車装置1のユーザーが所有するスマートフォン3とから構成されている。このスマートフォン3に関しては実施例1で説明した通りである。また管理装置6はPLC(Programmable Logic Controller)上に構築された管理装置である。
実施例1と同様、自転車の駐車場には複数台の駐車ラック5が並んで設置されている。複数台の駐車装置1と管理装置6との間は通信線63で有線接続されている。管理装置6の開錠部61は駐車装置1の出庫制御部11に指令を出すことが出来るように構成されている。これによって出庫制御部11が図示しないソレノイドに通電してロックバー52を動作させるが、ロックバー52が施錠状態であるか開錠状態であるかは、管理装置6に設けられた施錠開錠情報62に記録されるように構成されている。この管理装置6は通信部60によりLTE規格の無線通信でインターネットプロバイダを介してインターネットNに接続されている。
この実施例ではインターネットNに接続されている仮想サーバ7を利用する構成としている。仮想サーバ7はユーザー認証部70とデータベース72と精算課金部71とを具備している。ユーザーがスマートフォン3にインストールしてあるこの一時預かりサービス専用のアプリ(Application Software)により仮想サーバ7に接続して来ると、ユーザー認証部70はデータベース72を使用して登録ユーザー認証を行ったり、新規ユーザーの登録を行ったりすることが出来るように構成されている。また精算課金部71にて一時預かりサービスの利用料金の精算を行う。この際に精算課金部71は、与信確認や一時預かりサービス利用料金の課金のために、図示しないカード会社の決済サーバと通信することが出来るようになっている。
さて図10を用いてこの実施例の一時預かりシステムの処理を説明するが、実施例1と共通するステップS1~S2はそのまま記載することとする。この例の駐車ラック5とは図3に於ける5-2のことである。まず駐車ラック5側の処理として、駐車ラック5に自転車が駐車したことが、図示しない入庫センサによって感知されたら(ステップS1)、出庫制御部11が図示しないソレノイドに通電してロックバー52を動作させ、自転車の前輪Tを捕捉してロックする(ステップS2)。これによりこの自転車は利用料金が支払われるまでは出庫させることが出来なくなる。なお別途、誤って駐車した、悪戯された、気が変わった、と言うような場合に備えて、例えば3分以内であれば利用料金を支払わずとも出庫出来るような設定にすることも可能である。入庫後の3分間は、この実施例では駐車ラック番号53のA-12のロックバー52を動作させないようにしている。何れにせよ駐車装置1の出庫制御部11と管理装置6とは互いの通信部10,60を介して通信して管理装置6は出庫制御部11の状態を知ることが出来るようになっており、この状態は何時でも仮想サーバ7の精算課金部71からの問合せに応答し得るように施錠開錠情報62として記録しているのである(ステップS20)。
次に、自転車を駐車ラック5から出庫させるには、スマートフォン3が最寄りの基地局C3に接続した状態で一時預かりサービス専用のアプリを起動して、仮想サーバ7に出庫要求を行う。仮想サーバ7はユーザー認証部70にてデータベース72を参照しつつこのユーザーを特定すると共にこのユーザーの課金口座を確認する(ステップS24)。次いでスマートフォン3側から駐車ラック5-2に付されている識別符号A-12を受け付け(ステップS25)、識別符号A-12の駐車ラック5-2の状態を管理装置6側に問い合わせる(ステップS26)。これを受けて管理装置6は施錠開錠情報62に当たり識別符号A-12の駐車ラック5-2の現状が施錠状態であることを確認して、仮想サーバ7側に報告する(ステップS21)。すると仮想サーバ7の側では次の2つの処理を行う。すなわちユーザーの課金口座に課金するのであるが、精算課金部71はこの登録ユーザーに付いて、図示しないカード会社の決済サーバに所定の利用料金を課金すると共に、管理装置6の開錠部61に識別符号A-12の駐車ラック5-2を開錠するように指令を出す(ステップS27)。これを受けて管理装置6は駐車装置1側の出庫制御部11に、識別符号A-12の駐車ラック5-2を開錠させて(ステップS22)、開錠状態である旨の報告を受信して、施錠開錠情報62に記録する(ステップS23)。なお上記ステップS20からステップS23はPLC側の処理工程であり、またS24からステップS27はWebサービス側の処理工程である。
なお上記で仮想サーバ7は、駐車ラック番号53に対応する駐車ラック5を開錠するように管理装置6の開錠部61に指令を出し、開錠部61が駐車装置1の出庫制御部11に指令を出すことで、出庫制御部11が図示しないソレノイドに通電してロックバー52を動作させている。これに対して仮想サーバ7が管理装置6のルーティングによって、駐車ラック5(駐車ラック番号53のA-12)の出庫制御部11の図示しないソレノイドに直接、通電してロックバー52を動作させるように再構成することも可能(プログラマブル)である。
同様に仮想サーバ7では、データベース72をコールドストレージ化したり図示しない決済サーバを取り込んだりすることを、プログラマブルとすることが可能である。
なお上述した実施例1、実施例3、実施例4では、課金は出庫時に行うように設計されていたが、課金を駐車時に行うような設計もまた可能である。
なお駐車装置1や管理装置2、6の電源として、一般的には給電線からの供給とすることができるが、これをマイクロ波による無線給電として設計することが可能である。一例駐車装置が設置される駐車場の高い位置にマイクロ波用の指向性アンテナを設置して無線給電装置に接続しておき、ここから発せられるマイクロ波を、駐車装置1や管理装置2、6のアンテナで位置を合わせて受電するのである。この場合、電力を貯めておけるようにスーパーキャパシタ(登録商標)とも呼称される電気二重層コンデンサを含む二次電池を備えるようにしても良い。またこの方式によれば、駐車装置1とインターネットNとの接続に、専用線ではなくWi-Fi(登録商標)などの無線を利用することが可能である。
大掛かりで公共的に使用される料金精算装置のようなものを廃止する代わりにユーザーが所有するスマートフォンなどの携帯端末を私的に使用して、車両の一時預かりサービスが受けられるようにしたことには、産業上の利用可能性があると共に、十分な価値が認められる。
1 駐車装置 10 通信部 11 出庫制御部
2 管理装置 20 通信部 21 開錠部
22 通信線 3 スマートフォン 30 通信部
31 認証部 32 表示画面 33 テンキー
34 入力表示窓 35 開錠ボタン 4 精算装置
40 通信部 41 精算部 5 駐車ラック
50 車輪導入路 51 施錠装置 52 ロックバー
53 駐車ラック番号 6 管理装置 60 通信部
61 開錠部 62 施錠開錠情報 7 仮想サーバ
70 ユーザー認証部 71 精算課金部 72 データベース
N インターネット C2,C3 基地局
2 管理装置 20 通信部 21 開錠部
22 通信線 3 スマートフォン 30 通信部
31 認証部 32 表示画面 33 テンキー
34 入力表示窓 35 開錠ボタン 4 精算装置
40 通信部 41 精算部 5 駐車ラック
50 車輪導入路 51 施錠装置 52 ロックバー
53 駐車ラック番号 6 管理装置 60 通信部
61 開錠部 62 施錠開錠情報 7 仮想サーバ
70 ユーザー認証部 71 精算課金部 72 データベース
N インターネット C2,C3 基地局
Claims (7)
- 車両の出庫制御手段と固有の識別符号とを有する駐車装置と、この駐車装置の複数台の各々の前記出庫制御手段と有線または無線で接続をして出庫制御手段の施錠開錠の少なくとも開錠を司る管理装置と、この管理装置に有線でまたは無線で接続して出庫制御手段に開錠させたりユーザーの携帯端末と無線で接続してユーザーの認証と利用料金の精算とを行ったりするための精算手段とを備えており、
前記出庫制御手段は、当初開錠状態であり、前記駐車装置に車両が進入してきた場合には施錠を行い、この駐車装置に固有の識別符号をユーザーが前記携帯端末から入力して前記精算手段に送信すると、この精算手段はユーザーの認証を行って登録ユーザーであることが確認されると共にこの登録ユーザーの利用料金の精算が行われた場合には、前記管理装置を通じて前記駐車装置の前記出庫制御手段に開錠させて車両を出庫可能にするものである、車両の一時預かりシステム。 - 車両の出庫制御手段と固有の識別符号とを有する駐車装置と、この駐車装置の複数台の各々の前記出庫制御手段と有線または無線で接続をして出庫制御手段の施錠開錠の少なくとも開錠を司る管理装置と、この管理装置に有線でまたは無線で接続して出庫制御手段に開錠させたりユーザーの携帯端末と無線で接続してユーザーの認証と利用料金の精算とを行ったりするための精算手段とを備えており、
前記出庫制御手段は、当初施錠状態であり、駐車装置に固有の識別符号をユーザーが前記携帯端末から入力して前記精算手段に送信すると、この精算手段はユーザーの認証を行って登録ユーザーであることが確認された場合には、前記管理装置を通じて前記駐車装置の前記出庫制御手段に開錠させて車両を入庫可能にして、前記駐車装置に車両が進入したら施錠を行い、
また前記出庫制御手段は、上記駐車装置に固有の識別符号をユーザーが前記携帯端末から入力して前記精算手段に送信すると、この精算手段はユーザーの認証を行って登録ユーザーであることが確認されると共にこの登録ユーザーの利用料金の精算が行われた場合には、前記管理装置を通じて前記駐車装置の前記出庫制御手段に開錠させて車両を出庫可能にして、前記駐車装置から車両が出庫したら施錠を行うものである、車両の一時預かりシステム。 - 前記管理装置は、設定された時間内の駐車であれば前記精算手段による利用料金の精算を行うことなく、前記出庫制御手段によって車両を出庫可能にするものである、請求項1または請求項2に記載の車両の一時預かりシステム。
- 前記精算手段は登録ユーザーのクレジットカードを登録させて利用料金の精算を行うものである、請求項1または請求項2に記載の車両の一時預かりシステム。
- 前記精算手段は登録ユーザーのプリペイドカードを登録させて利用料金の精算を行うものである、請求項1または請求項2に記載の車両の一時預かりシステム。
- 前記精算手段は登録ユーザーの携帯端末に係る課金手段を用いて利用料金の精算を行うものである、請求項1または請求項2に記載の車両の一時預かりシステム。
- 前記管理装置がPLC(Programmable Logic Controller)上に構築された管理装置であり、前記精算手段がインターネット上に構築された仮想サーバによる精算手段であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両の一時預かりシステム。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020200618 | 2020-11-15 | ||
JP2020200618 | 2020-11-15 | ||
JP2020220064 | 2020-12-24 | ||
JP2020220064 | 2020-12-24 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022079412A true JP2022079412A (ja) | 2022-05-26 |
Family
ID=81707639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021135210A Pending JP2022079412A (ja) | 2020-11-15 | 2021-07-13 | 車両の一時預かりシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022079412A (ja) |
-
2021
- 2021-07-13 JP JP2021135210A patent/JP2022079412A/ja active Pending
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