JP2022079040A - 樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特性または材質が異なる各部位が所望の位置に配置され、一体に成形されている樹脂成形体をより簡単に製造する方法の提供。【解決手段】少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる固体の樹脂部材Aおよび材料Xを含む複数の素材を用意し、各々を成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得る配置工程と、前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部を溶融し、前記樹脂部材Aと前記材料Xとが接合している樹脂成形体を含む処理済成形型を得る成形工程と、を備える、樹脂成形体の製造方法。【選択図】図19

Description

本発明は樹脂成形体の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂の樹脂成形体を成形する方法としては、射出成形法、ブロー成形法、プレス成形法等がある。
これらの成形方法においては、金属製の成形型である金型が使用され、金型を製造する際に、金属材料を三次元的に切削加工する必要があり、この切削加工に手間がかかる。
一方、成形型を用いずに熱可塑性樹脂の成形を可能にした成形方法としては、3Dプリンタ等として知られる積層造形法がある。積層造形法においては、成形型が不要である一方、成形された樹脂成形体に、樹脂材料同士の間の積層界面が残ることによる特性上の弱点がある。
また、非金属材料からなる成形型を用いて熱可塑性樹脂の成形を可能にする成形方法としては、例えば、特許文献1に示される多色成形方法が挙げられる。
特許文献1には、ゴム材料からなるゴム型のキャビティ内に第1熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂粒子を配置する配置工程と、上記ゴム型を介して上記キャビティ内における上記樹脂粒子に、0.78~2μmの波長領域を含む電磁波を照射し、該樹脂粒子を加熱して溶融させる加熱工程と、上記キャビティにおいて残された未充填の空洞部分に、上記第1熱可塑性樹脂組成物と組成が異なる溶融状態の第2熱可塑性樹脂組成物を充填する充填工程と、上記キャビティ内の第1熱可塑性樹脂組成物及び第2熱可塑性樹脂組成物を冷却して多色成形品を得る冷却工程とを含むことを特徴とする多色成形方法が記載されている。また、このような多色成形方法によれば、ゴム型を用いて熱可塑性樹脂の成形を行う場合に、形状、表面精度等の品質を向上させて、成形品に要求される様々な特性を満たすことができる多色成形品を簡単な方法によって成形することができると記載されている。
特開2010-269540号公報
しかしながら、特許文献1では第1熱可塑性樹脂組成物を溶融させた後に、溶融状態の第2熱可塑性樹脂組成物を充填することが記載されており、熱可塑性樹脂とそれ以外の材料とを同時に加熱して一体成形することについては検討されていない。複数の素材を同時に加熱して、これらが一体に成形された樹脂成形体を得ることができれば、従来法と比べてより簡単であるため好ましい。
また、特許文献1では、第1熱可塑性樹脂組成物と組成が異なる第2熱可塑性樹脂組成物を用いることが記載されており、同一組成であってもよい2以上の材料を用いて特性または材質が異なる各部位が一体に成形されている樹脂成形体を得る方法については検討されていない。
本発明は上記のような課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、特性または材質が異なる各部位が所望の位置に配置され、一体に成形されている樹脂成形体をより簡単に製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の(1)~(9)である。
(1)少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる固体の樹脂部材Aおよび材料Xを含む複数の素材を用意し、各々を成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得る配置工程と、
前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部を溶融し、前記樹脂部材Aと前記材料Xとが接合している樹脂成形体を含む処理済成形型を得る成形工程と、
を備える、樹脂成形体の製造方法。
(2)前記配置工程において前記樹脂部材Aが予備成形体Aである、上記(1)に記載の樹脂成形体の製造方法。
(3)前記材料Xが、少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなる固体または液体の樹脂部材Bを含む、上記(1)または(2)に記載の樹脂成形体の製造方法。
(4)前記樹脂部材Bが前記予備成形体Aとは特性が異なる予備成形体Bである、上記(3)に記載の樹脂成形体の製造方法。
(5)前記成形工程において、
前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部および少なくとも前記熱可塑性樹脂bの一部を同時に溶融する、
上記(3)または(4)に記載の樹脂成形体の製造方法。
(6)前記材料Xが、前記熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない部位を有する部材Cを含む、上記(1)~(5)のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
(7)前記部材Cが有する前記部位が、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、金属、セラミック、木材および紙からなる群から選ばれる少なくとも一つからなる、上記(6)に記載の樹脂成形体の製造方法。
(8)前記セラミックがガラスである、上記(7)に記載の樹脂成形体の製造方法。
(9)前記部材Cが繊維状またはメッシュ状である、上記(6)~(8)のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
本発明によれば、特性または材質が異なる各部位が所望の位置に配置され、一体に成形されている樹脂成形体をより簡単に製造する方法を提供することができる。
熱溶解積層装置を示す説明図である。 押出成形装置を示す説明図である。 インクジェット装置を示す説明図である。 電磁波発生器を備える予備成形装置を示す説明図である。 粒状物同士が表面部位の界面において互いに固着した状態の粒状物結合体(樹脂結合体)を拡大して模式的に示す説明図である。 ステージ上に粒状物層を形成する他の予備成形装置を示す説明図である。 ステージ上の粒状物層に収束光を照射する他の予備成形装置を示す説明図である。 他の予備成形装置を示す平面図である。 予備成形体が成形型のキャビティ内に配置された状態を拡大して模式的に示す説明図である。 配置工程において、成形型内に樹脂部材Aおよび材料Xが配置された状態を示す説明図である。 成形工程において、成形型内で少なくとも部熱可塑性樹脂aの一部を溶融させる状態を示す説明図である。 電磁波成形装置を示す説明図である。 実施例1における製造過程を説明するための図である。 実施例1における製造過程を説明するための別の図である。 実施例1における製造過程を説明するための写真である。 実施例1における製造過程を説明するための別の写真である。 実施例1における製造過程を説明するためのさらに別の写真である。 実施例2における製造過程を説明するための図である。 実施例2における製造過程を説明するための別の図である。
本発明について説明する。
本発明は、少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる固体の樹脂部材Aおよび材料Xを含む複数の素材を用意し、各々を成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得る配置工程と、前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部を溶融し、前記樹脂部材Aと前記材料Xとが接合している樹脂成形体を含む処理済成形型を得る成形工程と、を備える、樹脂成形体の製造方法である。
このような樹脂成形体の製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
<配置工程>
本発明の製造方法における配置工程について説明する。
配置工程では、少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる固体の樹脂部材Aおよび材料Xを含む複数の素材を用意する。
<樹脂部材A>
樹脂部材Aは少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる。
樹脂部材Aに含まれる熱可塑性樹脂aの割合は40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
樹脂部材Aは全てが熱可塑性樹脂aからなっていてもよい。
熱可塑性樹脂aは、後述する成形工程において、装入済成形型内に配置された状態で電磁波を照射された場合、または装入済成形型内に配置された状態で交番電界内に配置された場合に、少なくとも一部が溶融する熱可塑性樹脂であればよい。
このような熱可塑性樹脂として、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、ASA樹脂(アクリレート・スチレン・アクリロニトリル樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル・エチレン-プロピレン-ジエン・スチレン樹脂)等のゴム強化スチレン系樹脂、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、イミド系樹脂、ケトン系樹脂、スルホン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、感光性樹脂、液晶ポリマー、生分解性プラスチック、軟質樹脂(エラストマー樹脂)等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂は熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系等)であってもよい。
熱可塑性樹脂aは、複数種類の熱可塑性樹脂を含むものであってよい。
樹脂部材Aは少なくとも一部が上記のような熱可塑性樹脂aからなるが、その他の成分として、繊維材(CF(カーボンファイバー)、GF(グラスファイバー)、ガラス繊維等)、軟化剤(可塑剤、オイル等)、着色剤(顔料等)、耐衝撃性改質剤(ゴム成分等)、帯電防止剤、導電性材料、熱伝導性フィラー、難燃剤、耐熱性樹脂、低蓄熱性樹脂、メタリックフィラー、摺動性改良剤などを含んでもよい。
また、その他の成分として、後述する成形工程において装入済成形型内に配置された状態で電磁波を照射された場合、または装入済成形型内に配置された状態で交番電界内に配置された場合に、溶融しない熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーが挙げられる。
樹脂部材Aが繊維材を含むと、本発明の製造方法によって得られる樹脂成形体における樹脂部材Aに由来する部位の強度が向上する。後述する樹脂部材Bも同様の繊維材を含んでもよく、樹脂部材Aおよび樹脂部材Bにおける繊維材の含有率を相違させれば、樹脂部材Aおよび樹脂部材Bが同一の熱可塑性樹脂からなる場合であっても、本発明の製造方法によって得られる樹脂成形体における樹脂部材Aに由来する部位と、樹脂部材Bに由来する部位との強度を相違させることができる。
樹脂部材Aが軟化剤を含むと、本発明の製造方法によって得られる樹脂成形体における樹脂部材Aに由来する部位の強度または硬度が低下する。後述する樹脂部材Bも同様の軟化剤を含んでもよく、樹脂部材Aおよび樹脂部材Bにおける軟化剤の含有率を相違させれば、樹脂部材Aおよび樹脂部材Bが同一の熱可塑性樹脂からなる場合であっても、本発明の製造方法によって得られる樹脂成形体における樹脂部材Aに由来する部位と、樹脂部材Bに由来する部位との強度または硬度を相違させることができる。
樹脂部材Aが着色剤を含むと、本発明の製造方法によって得られる樹脂成形体における樹脂部材Aに由来する部位が特定の色に着色する。後述する樹脂部材Bも同様の着色剤を含んでもよく、樹脂部材Aおよび樹脂部材Bにおいて異なる着色剤を含有させれば、樹脂部材Aおよび樹脂部材Bが同一の熱可塑性樹脂からなる場合であっても、本発明の製造方法によって得られる樹脂成形体における樹脂部材Aに由来する部位と、樹脂部材Bに由来する部位との色を相違させることができる。
樹脂部材Aは少なくとも一部が上記のような熱可塑性樹脂aからなる固体である。
すなわち、樹脂部材Aは常温常圧下において固体である。
ここで固体の樹脂部材Aとして、常温常圧下において粒状またはフレーク状のものが挙げられる。
粒状またはフレーク状の固体の樹脂部材Aは、熱可塑性樹脂aに、機械的粉砕法(常温、冷凍粉砕、湿式粉砕、ジェット粉砕)、噴霧法(乾燥、凝固)、強制乳化法(溶融乳化、溶液乳化)、懸濁重合法、乳化重合法等を適用して作成することができる。
例えば、冷凍粉砕は、押出機によって得た熱可塑性樹脂のペレットを冷凍粉砕して作り出す方法である。冷凍粉砕によれば、種々の粒径の樹脂部材Aを作ることができる。
また、押出水中カット法は、押出機の先端に細口径のダイスを取り付けて、いわゆる水中カット方式で粒状の樹脂部材Aを作る方法である。この押出水中カット法によれば、0.5mm程度の粒状の樹脂部材Aを簡単かつ安価に作り出すことができる。
固体の樹脂部材Aが粒状またはフレーク状である場合、その平均粒子径は0.2mm以上であることが好ましく、0.3mm以上であることがより好ましく、0.5mm以上であることがより好ましく、1mm以上であることがさらに好ましい。また、その平均粒子径は10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましく、3mm以下であることがさらに好ましい。
なお、樹脂部材Aの平均粒子径は、ふるいわけで求めた重量基準の粒度分布から求められるD50を意味するものとする。
固体の樹脂部材Aは、上記の粒状またはフレーク状のものの他、熱可塑性樹脂aを用いて何らかの方法によって三次元形状に形成された予備成形体(以下では「プリフォーム」または「PF」ともいう)であることが好ましい。
固体の樹脂部材Aが予備成形体Aである場合について説明する。
予備成形体Aは、熱可塑性樹脂aを用いて何らかの方法によって三次元形状に形成されたものであり、例えば積層造形法によって三次元形状に積層されたものが挙げられる。
ここで積層造形法は、ノズルから糸状(線状)または粒状に吐出する熱可塑性樹脂を三次元形状に積層する種々の3Dプリンタ(AM:アディティブ・マニュファクチャリング)を用いる方法であってよい。
積層造形法として、熱溶解積層法(材料押出堆積法):FDM(Fused Deposition Modeling)、押出成形法、インクジェット法、粒状物結合法等が挙げられる。
(熱溶解積層法)
熱溶解積層法について図1を用いて説明する。
図1に示すように、熱溶解積層法においては、熱溶解積層装置51を用いて、長尺状(糸状)の熱可塑性樹脂からなるフィラメント20Xを、加熱して溶融させた状態でノズル511から吐出して、テーブル514上に三次元形状に積層する。より具体的には、熱溶解積層装置51は、X方向およびY方向としての平面方向(水平方向)X、Yに移動可能なノズル511と、フィラメント20Xをノズル511に供給するための供給装置512と、ノズル511に供給されるフィラメント20Xを加熱する加熱装置513と、平面方向X、Yに直交するZ方向としての垂直方向(鉛直方向)Zに移動して、ノズル511から吐出されるフィラメント20Xを積層するためのテーブル514とを有する。
そして、平面方向X,Yに移動するノズル511から吐出される溶融状態のフィラメント20Xを、垂直方向Zに段階的に移動するテーブル514上および既にテーブル514に積層されたフィラメント20X上に、垂直方向Zに向けて順次積層することによって、三次元形状の予備成形体を得る。熱溶解積層法によって成形された予備成形体においては、糸状の熱可塑性樹脂が積層界面21を介して積層されている。
熱溶解積層法においては、種々の熱可塑性樹脂の予備成形体を成形することができる。例えば、PLA(ポリラクティックアシッド樹脂)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)、TPU(熱可塑性ポリウレタン樹脂)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン樹脂)、PET/G(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PC(ポリカーボネート樹脂)、PA(ポリアミド樹脂)、PVA(ポリビニルアルコール樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、TPE(熱可塑性エラストマー)等の熱可塑性樹脂を用いて予備成形体を造形することができる。
(押出成形法)
図2に示すように、押出成形法においては、熱可塑性樹脂の固体または粉粒体を加熱して溶融させた後の糸状の熱可塑性樹脂20を、押出成形装置52のダイス520に設けられたノズル521から押し出して、テーブル526上に三次元形状に積層する。より具体的には、押出成形装置52は、固体または粉粒体の熱可塑性樹脂20を投入するための投入口522と、投入口522から投入された熱可塑性樹脂20が収容されるシリンダー523と、シリンダー523内の熱可塑性樹脂20を加熱する加熱装置524と、シリンダー523内の熱可塑性樹脂20を混錬するスクリュー525と、スクリュー525の回転によって熱可塑性樹脂20が糸状に押し出されるダイス520およびノズル521と、ダイス520およびノズル521から押し出される熱可塑性樹脂20が三次元形状に積層されるテーブル526とを有する。
そして、ノズル521から吐出される熱可塑性樹脂20を、平面方向X、Yに移動するテーブル526上および既にテーブル526に積層された熱可塑性樹脂20上に、垂直方向Zに向けて順次積層することによって、三次元形状の予備成形体を得ることができる。
押出成形法によって成形された予備成形体においては、糸状の熱可塑性樹脂20が積層界面21を介して積層されている。
押出成形法においては、熱溶解積層法の場合と同様の熱可塑性樹脂を用いて予備成形体を成形することができる。
(インクジェット法)
図3に示すように、インクジェット法においては、インクジェット装置53を用いて、液状の熱可塑性樹脂20をテーブル532上に滴下して固化させて、テーブル532上に三次元形状に積層する。より具体的には、インクジェット装置53は、X方向およびY方向としての平面方向(水平方向)X、Yに移動して、液状の熱可塑性樹脂20を滴下するノズルヘッド530のノズル531と、平面方向X、Yに直交するZ方向としての垂直方向(鉛直方向)Zに移動して、ノズルヘッド530のノズル531から滴下される液状の熱可塑性樹脂20を積層するためのテーブル532とを有する。また、インクジェット装置53は、テーブル532に滴下された液状の熱可塑性樹脂20の上層部をカットして、熱可塑性樹脂20の表面を平坦にするカットローラを有していてもよい。
そして、平面方向X、Yに移動するノズルヘッド530のノズル531から滴下された熱可塑性樹脂20を、垂直方向Zに段階的に移動するテーブル532上および既にテーブル532に積層された熱可塑性樹脂20上に、垂直方向Zに向けて順次積層することによって、三次元形状の予備成形体を得ることができる。インクジェット法によって成形された予備成形体においては、平面方向X、Yおよび垂直方向Zに粒状の熱可塑性樹脂20が積層界面21を介して積層されている。
インクジェット法においては、固化しやすい熱可塑性樹脂の造形をすることができる。また、インクジェット法では予備成形体として、粒状物結合体(樹脂結合体)を得ることができる。
(粒状物結合法)
図4に示すように、予備成形体は、後述する電磁波成形装置4と同様の構成の予備成形装置4Aを用いて成形することができる。この際に、一対の型部(第1型部31、第2型部32)との間に予備成形体の形状を有するキャビティ33が形成された予備成形型3Aと、後述する電磁波発生器42と同様の構成の電磁波発生器42Aを用いることができる。キャビティ33内には熱可塑性樹脂20が装入される。この予備成形型3A等を備える予備成形装置4Aを用いて予備成形体を成形する方法は、粒状物結合法の一つである。
粒状物結合法を採用した場合、予備成形体は、図5に示すように、粒状の熱可塑性樹脂による粒状物221同士が接触する界面224が溶融して、粒状物221同士が間隙を介して互いに固着した三次元形状の粒状物結合体(樹脂結合体)となる。粒状物221には、最大外形が0.5~5mmの範囲内のペレットを用いることが好ましい。粒状物結合体における界面224は、予備成形体における積層界面21に相当する。
粒状物221同士が間隙を介して互いに固着する状態とは、粒状物221の表面部位222の一部同士が固着し、粒状物221の表面部位222の残部同士の間に間隙が形成されている状態のことをいう。換言すれば、粒状物221同士が間隙を介して互いに固着する状態とは、粒状物221同士が完全に溶け合わず、粒状物221の表面形状の多くが残ったままの状態で、予備成形体の三次元形状を維持できる程度に粒状物221同士が互いに結合している状態のことをいう。図5は、粒状物221同士が表面部位222の界面224において互いに固着した状態を拡大して模式的に示す。粒状物221の表面部位222とは、粒状物221の中心部位223に残る未溶融の樹脂の芯を除く部位のことをいう。
粒状物結合法においては、熱溶解積層法の場合と同様の熱可塑性樹脂を用いて予備成形体を成形することが好ましい。
(他の予備成形装置57を用いた粒状物結合法)
また、粒状物結合法においては、図4に示した予備成形装置4Aを用いる代わりに、粒状物を積層することによって予備成形体としての粒状物結合体を成形する予備成形装置57を用いてもよい。具体的には、予備成形装置57は、図6~図8に示すように、ステージ枠571、ステージ572および光照射源573を備える。
ステージ枠571は、鉛直上側に上端開口部571Aを有する枠形状に形成されている。ステージ572は、ステージ枠571の内側に配置されるとともに、ステージ枠571に対して鉛直方向に沿って相対的に昇降するよう構成されている。ステージ572には、粒状物221としてのペレットが、粒状物層22として規定厚みの範囲内に繰り返し層状に敷き詰められる。粒状物221は、樹脂を含有するものであり、0.5~5mmの範囲内の最大外形を有することが好ましい。
図6~図8に示すように、光照射源573は、鉛直方向に対して直交する水平方向に平面形状を描くよう、ステージ572に対して相対的に収束光Gを移動させながら、ステージ572における粒状物層22に収束光Gを照射するよう構成されている。予備成形装置57は、ステージ572への粒状物層22の積層と、光照射源573による収束光Gの照射とを繰り返し交互に行うよう構成されている。
光照射源573は、平面移動機構574によって、ステージ572が昇降する鉛直方向に直交する方向に移動可能である。予備成形装置57は、ステージ572上に粒状物221を供給するための粒状物供給体575を備える。粒状物供給体575は、ステージ572の上方を移動して、ステージ枠571に囲まれたステージ572上に粒状物221を供給して、粒状物層22を形成する。
予備成形装置57においては、光照射源573の光のエネルギー、光照射源573の移動速度等が調整されて、粒状物層22への収束光Gの照射状態が制御される。そして、図7に示すように、粒状物層22における、光照射源573の収束光Gが照射された照射部位23において、粒状物層22における粒状物221の表面部位222が溶融し(図5参照)、表面部位222同士が接触する界面224が互いに固着する。また、互いに隣接する粒状物層22における粒状物221同士も界面224において互いに固着する。粒状物結合体における界面224は、予備成形体における積層界面21に相当する。こうして、複数の粒状物221が互いに固着されて、予備成形体としての粒状物結合体が成形される。
このように固体の樹脂部材Aは粒状またはフレーク状のものであってよく、上記のような予備成形体であってもよい。樹脂部材Aは常温常圧下において固体であればよいので、その他、板状、球状、塊状等のものであってもよい。
樹脂部材Aは複数種類のものであってよい。例えば粒状の樹脂部材Aと予備成形体Aとを成形型内へ配置してもよい。成形型内へは、樹脂部材Aならびに後述する樹脂部材Bおよび部材Cのいずれにも該当しないものを、さらに成形型内に配置してもよい。
固体の樹脂部材Aは成形型内における所望の位置に配置することができる。
また、固体の樹脂部材Aとして予備成形体Aを用いると、成形型内において予備成形体Aを所望の位置に配置することがより容易かつ確実になる。また、固体の樹脂部材Aが予備成形体Aであると、例えば、成形型のキャビティの成形面の一部が鉛直方向に対して傾斜している場合であっても、予備成形体Aが所望に位置に配置されたまま移動し難い。
成形型内に予備成形体Aを装入した後、成形型のキャビティの残部に、粒状の熱可塑性樹脂aを配置してもよい。
<材料X>
材料Xについて説明する。
材料Xは樹脂部材Aと異なる組成を備えるものであってよい。ただし、材料Xは樹脂部材Aと同じ組成を備えるが異なる特性(強度、硬度、色調、透明度、感触、表面性状、形状など)を備えるものであってもよい。
材料Xは、以下に説明する樹脂部材Bまたは部材Cを含むことが好ましい。材料Xは、樹脂部材Bと部材Cとの両方を含むことができる。
<樹脂部材B>
材料Xは、少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなる固体または液体の樹脂部材Bを含むことができる。
樹脂部材Bは、熱可塑性樹脂aが溶融する条件において少なくともその一部が溶融するものである。
樹脂部材Bに含まれる熱可塑性樹脂bの割合は40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
樹脂部材Bは全てが熱可塑性樹脂bからなっていてもよい。
熱可塑性樹脂bとして、前述の熱可塑性樹脂aと同様のものを用いることができる。
熱可塑性樹脂bは、複数種類の熱可塑性樹脂を含むものであってよい。
熱可塑性樹脂bとして、熱可塑性樹脂aと同一のものを用いることができるが、異なるものを用いてもよい。熱可塑性樹脂aと熱可塑性樹脂bとが同一であっても、本発明の製造方法によって得られる樹脂成形体における樹脂部材Aに由来する部位と、樹脂部材Bに由来する部位とが、互いに特性(強度、硬度、色調、透明度、感触、表面性状、形状など)が異なるものであることが好ましい。
例えば熱可塑性樹脂aおよび熱可塑性樹脂bとして同一の熱可塑性樹脂を用い、各々に異なる着色剤を含有させて樹脂部材Aおよび樹脂部材Bを得た後、各々を成形型内における所望の位置へ配置し、成形工程に供すると、樹脂部材Aに由来する部位と、樹脂部材Bに由来する部位との色が異なる樹脂成形体を得ることができる。
樹脂部材Bは少なくとも一部が上記のような熱可塑性樹脂bからなるが、樹脂部材Aと同様のその他の成分(繊維材など)を含んでもよい。
樹脂部材Bは少なくとも一部が上記のような熱可塑性樹脂bからなる固体または液体である。
樹脂部材Bは固体であることが好ましい。すなわち、樹脂部材Bは常温常圧下において固体であることが好ましい。樹脂部材Bを成形型内における所望の位置に配置しやすいからである。
ここで固体の樹脂部材Bとして、常温常圧下において粒状またはフレーク状のものが挙げられる。
粒状またはフレーク状の固体の樹脂部材Bは、前述の粒状またはフレーク状の固体の樹脂部材Aと同様の方法によって製造することができる。これらの平均粒子径は前述の樹脂部材Aの場合と同様であってよい。
粒状の樹脂部材Aと粒状の樹脂部材Bとを用いる場合、例えば粒状の樹脂部材Aを成形型内における所望の位置に配置し、粒状の樹脂部材Aの粒子間(隙間)に粒状の樹脂部材Bを流し込んでもよい。
例えば樹脂部材Aが予備成形体Aであって粒状物結合体である場合、例えば図9に示すように粒状物結合体2Aを成形型3のキャビティ33内に配置すると、キャビティ33内において、キャビティ33の成形面331と粒状物結合体2A(予備成形体A)における凹凸状の表面201との間には、凹凸状の隙間S1が形成され、予備成形体Aの粒状物221同士の間には、複雑な形状の隙間S2が形成される。
そして、キャビティ33内へ粒状(または液体)の樹脂部材Bを流し込めば、隙間S2に樹脂部材Bが浸入する。
そして得られた装入済成形体を成形工程に供すれば、粒状物結合体である樹脂部材Aと樹脂部材Bとが結合している樹脂成形体を得ることができる。
また、固体の樹脂部材Bとして、熱可塑性樹脂bを用いて何らかの方法によって三次元形状に形成された予備成形体Bが挙げられる。
予備成形体Bは、前述の予備成形体Aと同様の方法によって製造することができる。
予備成形体Bは予備成形体Aと異なる組成を備えるものであってよい。
ただし、樹脂部材Bは予備成形体Aと同じ組成を備えるが異なる特性(強度、硬度、色調、透明度、感触、表面性状、形状など)を備えるものであってもよい。
例えば、同一組成の熱可塑性樹脂からなるが、表面性状または硬度が異なる2つの予備成形体を作成し、それらを予備成形体Aおよび予備成形体Bとする。例えば予備成形体Aおよび予備成形体Bの各々の表面に、異なるエンボス加工(模様等を凸状に形成す加工)やデボス加工(模様等を凹状に形成する加工)を施して、これらの表面性状を異なるものとすることができる。
そして、予備成形体Aおよび予備成形体Bを成形型内の所望の位置に配置する。
その後、これを成形工程に供すれば、成形工程に供する前の表面性状または硬度をほぼ維持したままの予備成形体Aおよび予備成形体Bが接合し、一体となっている樹脂成形体を得ることができる。
樹脂部材Bは少なくとも一部が上記のような熱可塑性樹脂bからなる液体であってもよい。
液体の樹脂部材Bとして、加熱することで液状となった熱可塑性樹脂bが挙げられる。
粒状の樹脂部材Aと液状の樹脂部材Bとを用いる場合、例えば粒状の樹脂部材Aを成形型内における所望の位置に配置し、粒状の樹脂部材Aの粒子間(隙間)に液状の樹脂部材Bを流し込んでもよい。
樹脂部材Bは複数種類のものであってよい。例えば粒状の樹脂部材Bと予備成形体Bとを成形型内へ配置してもよい。成形型内へは、樹脂部材A、樹脂部材Bおよび後述する部材Cのいずれにも該当しないものを、さらに成形型内に配置してもよい。
<部材C>
材料Xは、熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない部位を有する部材Cを含むことができる。すなわち、部材Cは、その少なくとも一部が、成形工程において樹脂部材Aが含む熱可塑性樹脂aが溶融するときに溶融しないものである。材料Xは、熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない部材Cであってよい。
部材Cにおいて熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない部位が占める割合は、40質量%以上であってよく、50質量%以上であってよく、75質量%以上であってよく、90質量%以上であってよい。
部材Cは、その全てが、熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しないものからなることが好ましい。
部材Cは、その少なくとも一部が、樹脂部材Aが含む熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しないものであればよく、部材Cの少なくとも一部は熱可塑性樹脂からなるものであってもよい。
ここで部材Cは、樹脂部材Aや樹脂部材Bと同様、複数種類のものであってよい。つまり、材料Xとして複数種類の部材Cを用いてもよい。
また、樹脂部材A、樹脂部材Bおよび部材Cのいずれにも該当しないものを、さらに成形型内に配置してもよい。
例えば、成形型内に固体の樹脂部材Aを配置し、その上に板状の部材Cを配置し、その上にさらに固体の樹脂部材Aを配置してよい。
このように固体の樹脂部材Aによって部材Cを挟み込むように成形型内に配置することができる。
その後、これを成形工程に供すれば、固体の樹脂部材Aが互いに接合し、樹脂部材Aおよび部材Cが一体となっている樹脂成形体を得ることができる。ここで樹脂成形体における部材Cの位置は、成形型内における樹脂部材Aとの相対的な位置とほぼ同一の位置とすることができる。樹脂部材Aは一部が溶融するものの、その形状はほぼ維持されるため、その上に配置された部材Cの位置もほぼ維持されることになるからである。したがって、樹脂部材Aおよび部材Cを所望の位置に配置し、それらが一体となっている樹脂成形体を得ることができる。
材料Xは、この部材Cおよび前述の樹脂部材Bの両方を含むことができる。
部材Cが含む、熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない材料として、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、金属、セラミック、木材および紙からなる群から選ばれる少なくとも一つが挙げられる。また、導電性材料、耐熱性樹脂、低蓄熱性樹脂、熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない熱可塑性樹脂等であってもよい。また、セラミックとしてガラスを挙げられる。
部材Cの形状や大きさは特に限定されないが、繊維状またはメッシュ状であることが好ましい。また、部材Cはシート状のファイバーシートまたはマット状のファイバーマットであることがより好ましい。この場合、成形工程において加熱されて一部が溶融した樹脂部材Aが部材Cにおける繊維間等の空隙に入り込みやすく、得られる樹脂成形体において部材Cと樹脂部材Aとが強固に接合しやすいからである。
例えば部材Cが熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、金属、セラミック(ガラスを含む)、木材および紙からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維状またはメッシュ状のシートであり、これを樹脂部材Aと共に成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得た後、これを成形工程に供した場合、成形型内において熱可塑性樹脂aの少なくとも一部が溶融し、溶融した熱可塑性樹脂aが繊維状またはメッシュ状のシートを厚さ方向に浸透または通過し、その後、固化すると、樹脂部材Aと部材Cとは接合する。
例えば部材Cが熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、金属、セラミック(ガラスを含む)、木材および紙からなる群から選ばれる少なくとも1つからなり、表面に凹凸を有するシートであり、これを樹脂部材Aと共に成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得た後、これを成形工程に供した場合、成形型内において熱可塑性樹脂aの少なくとも一部が溶融し、溶融した熱可塑性樹脂aが凹部内に浸入し、その後、固化すると、樹脂部材Aと部材Cとは接合する。
例えば樹脂部材Aが熱可塑性樹脂aからなるシートであり、これを折りたたんで部材Cを挟み込んだ状態で、これを装入済成形型に装入し、これを成形工程に供した場合、成形型内において熱可塑性樹脂aの少なくとも一部が溶融し、その後、固化すると、樹脂部材Aが部材Cを内包した樹脂成形体が得られる。
配置工程では、上記のような樹脂部材Aおよび材料Xを含む複数の素材を用意し、各々を成形型内における所望の位置に配置する。
ここで樹脂部材Aおよび材料Xは、各々、複数種類のものであってよい。つまり、複数種類の樹脂部材Aおよび/または複数種類の材料X(樹脂部材Bまたは部材Cを含む)を用意し、これらを成形型内における所望の位置に配置してもよい。
また、樹脂部材Aにも材料Xにも該当しないものを、さらに成形型内に配置してもよい。このようなものとして、軟化剤(可塑剤、オイル等)、着色剤(顔料等)、耐衝撃性改質剤(ゴム成分等)、帯電防止剤、熱伝導性フィラー、難燃剤、メタリックフィラー、摺動性改良剤などが挙げられる。
ただし、成形型内に配置する樹脂部材Aにも材料Xにも該当しないものの比率は40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。
成形型の材質は特に限定されず、金属であってよく、硬化性樹脂材料(熱硬化性樹脂材料、光硬化性樹脂材料等)、セメント材料、石膏材料、耐熱性のある種々の非金属材料等であってもよいが、ゴム材料からなることが好ましい。
ゴム材料として、シリコーンゴムの他、種々のゴムを用いることができる。
成形型がゴム材料からなると、切削加工等を行わずに成形型を製造することができるので、小ロット(少量)の生産にも適している。
成形型は、例えば図10に示すように、複数に分割された第1型部31および第2型部32の組み合わせによって構成されていてよい。図10において成形型3は一対の第1型部31および第2型部32に分割可能に構成されており、一対の第1型部31および第2型部32の間には、樹脂成形体1を成形するためのキャビティ33が形成されている。
図10に示す好適態様の場合、第2型部32に、キャビティ33内を大気圧よりも低い真空状態にするための真空ポンプが接続される真空口34が形成されている。真空口34は第1型部31に形成されていてもよい。
成形型3がゴムによって構成されている場合、成形型3の外部から内部へ圧力が作用するとき(例えば成形型3内が減圧状態のとき)には、成形型3が、キャビティ33の容積を縮小させるように内側へ弾性変形する。このとき、キャビティ33の成形面331と樹脂部材A(20A)または材料X(20B)の表面との間の隙間や、樹脂部材A(20A)と材料X(20B)との間の隙間に溶融した樹脂部材A(20A)が流れ込む。また、樹脂部材A(20A)が粒状である場合、粒と粒との隙間に溶融した樹脂部材A(20A)が流れ込む。これによりキャビティ33内の各隙間が埋められる。
また、キャビティ33の容積を縮小させるように内側へ弾性変形すると、樹脂部材Aまたは樹脂部材Bが予備成形体Aまたは予備成形体Bである場合、それが備える積層界面21がなくなる。
この成形型3の弾性変形によって、樹脂成形体1にキャビティ33の成形面331の形状を効果的に転写することができる。
図10に示すように、第1型部31および第2型部32は、互いに接近するようにスライドして、キャビティ33の容積を縮小できるスライド構造とすることができる。この場合には、第1型部31および第2型部32には、これらが相対的にスライドするためのガイド部35が形成されていることが好ましい。この場合には、キャビティ33内に予備成形体が配置され、キャビティ33内が真空状態になってキャビティ33内の圧力が成形型3の外部の圧力よりも低くなるときには、第1型部31と第2型部32とが互いに接近する。これにより、キャビティ33の容積が縮小され、キャビティ33内の溶融した樹脂部材A(20A)がキャビティ33の成形面331に、より効果的に押し当てられる。
樹脂部材Aおよび材料Xがキャビティ33内に配置されたときに、樹脂部材A(20A)および材料X(20B)の表面とキャビティ33の成形面331との間に隙間がほとんど形成されない場合には、第1型部31と第2型部32とはスライドしない固定構造とすることができる。一方、予備成形体がキャビティ33内に配置されたときに、樹脂部材A(20A)および材料X(20B)の表面とキャビティ33の成形面331との間にある程度の隙間が形成される場合には、第1型部31と第2型部32とがスライドする構造とすることが好ましい。
成形型の製造方法は特に限定されない。
例えばゴム型による成形型3は、成形する樹脂成形体1のマスターモデルを転写させて製造することができる。より具体的には、型枠内にマスターモデルを配置し、この型枠内の隙間にゴム材料を注型して、このゴム材料を固化させる。その後、固化したゴム材料を切開して、その内部からマスターモデルを取り出し、ゴム材料による一対の第1型部31および第2型部32が形成される。また、ゴム材料が切開された位置が、一対の第1型部31および第2型部32の間の分割面(パーティングライン)となる。
また、ゴム型による成形型3を構成する第1型部31および第2型部32は、マスターモデルを用いて別々に製造することもできる。特に、一対の第1型部31および第2型部32がスライド可能な構造を有する場合には、第1型部31および第2型部32にスライド用のガイド部35を形成するために、第1型部31および第2型部32を別々に製造することが好ましい。
マスターモデルは樹脂成形体の形状を有するものであり、種々の方法によって作製することができる。マスターモデルを、積層造形法によって作製する場合には、三次元造形物の積層界面による段差状の表面に切削、研削、塗装等を施して滑らかな表面にすることができる。例えばマスターモデルは、積層造形法等によって三次元形状に成形された成形体の表面を切削または研削して形成することができる。また、マスターモデルは、三次元形状に成形された成形体の表面に、樹脂を含有する塗料等を塗装して形成することもできる。また、マスターモデルは、既に製品として使用された樹脂成形体における欠損部を修復したものとすることもできる。
また、成形型は、製品の三次元のデジタルデータ(CADデータ等)を用いて、種々の積層造形法によって直接製造することもできる。例えば、成形型は、三次元のデジタルデータを用い、紫外線(UV)によって硬化する液状樹脂に紫外線を当てて、層状の三次元造形物を形成する光造形法によって製造することができる。また、成形型は、インクジェット法(マテリアルジェッティング法)等によって製造することもできる。また、成形型を形成する際には、三次元造形物の積層界面に応じて形成された段差状の表面に切削、研削、塗装等を施して、滑らかな表面にすることができる。
配置工程では、上記のような成形型内における所望の位置に、前述の樹脂部材Aおよび材料Xを含む複数の素材を配置する。
本発明の製造方法では、このような配置工程によって、内部の所望の位置に樹脂部材Aおよび材料Xを含む複数の素材が配置された装入済成形型を得る。
<成形工程>
本発明の製造方法における成形工程について説明する。
成形工程では、配置工程によって得られた装入済成形型に電磁波を照射し、または装入済成形型を交番電界内に配置することで、装入済成形型内における少なくとも熱可塑性樹脂aの一部を溶融する。
<電磁波の照射>
配置工程によって得られた装入済成形型に電磁波を照射する場合、その方法は特に限定されない。照射することで、装入済成形型内における少なくとも熱可塑性樹脂aの一部を溶融することができる電磁波を照射することができればよい。
装入済成形型に電磁波を照射する場合、例えば図11に示すように成形型3、真空ポンプ41および電磁波発生器42を備える電磁波成形装置4を用いることができる。成形型3は樹脂成形体の形状が反転されたキャビティ33を有する。真空ポンプ41は、成形型3のキャビティ33内を真空状態にするためのものである。電磁波発生器42は、成形型3に照射する電磁波を発生させるものである。
キャビティ33に樹脂部材A(20A)および材料X(20B)が配置された状態で一対の第1型部31および第2型部32が閉じられた後には、成形工程において、図11に示すように、真空ポンプ41によって、第2型部32の真空口34からキャビティ33内が真空引きすることが好ましい。この場合、キャビティ33内の隙間が真空状態になる。また、成形型3は、通常、大気圧環境下に配置されており、成形型3の外部の圧力が成形型3の内部(キャビティ33内)の圧力よりも高いため、成形型3の外部から内部に向けて型締め力を作用させることができる。
また、成形工程において成形型3内を真空引きすると、成形型3内に形成された隙間を介して、成形型3内の残留気体が成形型3の外部へ抜き出すことができる。
電磁波発生器42は、照射することで、装入済成形型内における少なくとも熱可塑性樹脂aの一部を溶融することができる電磁波を発生することができる装置であればよい。中でも、電磁波発生器42は、0.78~2μmの波長領域を含む電磁波(近赤外線)、0.01~1mの波長領域を含む電磁波(マイクロ波)、または1~100mの波長領域を含む電磁波(高周波)を発生することができることが好ましい。
近赤外線を発生させる場合、電磁波発生器42はハロゲンランプであってよい。
マイクロ波を発生させる場合、電磁波発生器42はマイクロ波発振器であってよい。
高周波を発生させる場合、電磁波発生器42は高周波発振器であってよい。
近赤外線を使用する場合には、成形型3には、近赤外線を透過しやすい透明または半透明のゴム型等を用いることが好ましい。この場合、成形型3を透過した近赤外線によって成形型3内の熱可塑性樹脂aを加熱し、その少なくとも一部を溶融させることができる。この場合には、成形型3における近赤外線の透過率を、熱可塑性樹脂aにおける近赤外線の透過率よりも高くすることが好ましい。換言すれば、成形型3における近赤外線の吸収率を、熱可塑性樹脂aにおける近赤外線の吸収率よりも低くすることが好ましい。
マイクロ波を使用する場合には、成形型3には、誘電損失(誘電体損失)が少ないゴム型等を用いることが好ましい。マイクロ波によって成形型3内の熱可塑性樹脂aに誘電損失を発生させて、熱可塑性樹脂aを誘電加熱し、溶融させることができる。誘電損失とは、絶縁体に交番電界が加えられたときに、この絶縁体に生じるエネルギーロスのことをいう。このエネルギーロスによって絶縁体には熱が発生する。
マイクロ波を使用する場合には、成形型3の誘電力率(誘電正接,tanδ)を熱可塑性樹脂aの誘電力率よりも低くすることが好ましい。成形型3の誘電力率が熱可塑性樹脂aの誘電力率よりも低いことにより、成形型3に比べて熱可塑性樹脂aに誘電損失を多く発生させることができる。マイクロ波を使用する場合には、種々の配色がなされたゴム型等を用いることができる。
装入済成形型に電磁波を照射している間、成形型内を減圧状態に保つことが好ましい。
<交番電界内に配置>
配置工程によって得られた装入済成形型を交番電界内に配置する場合、その方法は特に限定されない。交番電界内に装入済成形型を配置することで、装入済成形型内における少なくとも熱可塑性樹脂aの一部を溶融することができればよい。
装入済成形型を交番電界内に配置する場合、例えば図12に示すような、一対の電極441に印加される高周波の交流電圧によって成形型3のキャビティ33内の成形型3に交番電界を印加する誘電加熱器44を用いてもよい。より具体的には、誘電加熱器44は、成形型3の両側に配置された一対の電極441間に加わる交流電圧によって、キャビティ33内の成形型3に交番電界を印加するものである。誘電加熱器44は、一対の電極441によって交番電界を発生させる、電磁波としての高周波を用いたものとする。誘電加熱器44による交流電圧の周波数は、1m~100mの波長領域を含む電磁波としての高周波とすることが好ましい。
誘電加熱器44とともに用いられる成形型3は、誘電損失によって発熱する性質を有する絶縁性のものである。誘電加熱器44の一対の電極441によって成形型3に交番電界が印加するときには、成形型3および樹脂部材A(20A)の少なくとも一方が誘電損失によって発熱し、熱可塑性樹脂aが溶融する。誘電損失の値は、絶縁体としての物質の種類に応じて決まる。また、誘電損失は、誘電正接tanδの値に応じて決まる。
また、成形型3におけるキャビティ33の成形面331には、成形型3の他の部位である一般部に比べて誘電損失が大きい成形表面層を形成してもよい。成形表面層は、誘電損失を大きくするために、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭化珪素、フェライト、チタン酸バリウム、黒鉛および二酸化マンガンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の物質を含有していてもよい。
電極441の外形を成形型3の外形よりも大きくし、一対の電極441の間には、成形型3の全体を配置することができる。この場合には、一対の電極441と成形型3との位置関係は固定される。一方、電極441の外形を成形型3の外形よりも小さくし、一対の電極441の間には成形型3の一部が配置されるようにしてもよい。この場合には、一対の電極441に対して成形型3を相対的に移動させて、成形型3のキャビティ33内の各部に位置する熱可塑性樹脂aを順次溶融させることができる。
装入済成形型を交番電界内に配置している間、成形型内を減圧状態に保つことが好ましい。
このようにして装入済成形型内における少なくとも熱可塑性樹脂aの一部を溶融する。ここで装入済型内にさらに熱可塑性樹脂bが含まれている場合、熱可塑性樹脂aと共に熱可塑性樹脂bの少なくとも一部も溶融することが好ましい。
また、配置工程において樹脂部材Aが予備成形体Aであり、樹脂部材Bが予備成形体Aとは特性が異なる予備成形体Bである場合、成形工程において上記のように装入済成形型に電磁波を照射し、または装入済成形型を交番電界内に配置することで、装入済成形型内における少なくとも熱可塑性樹脂aおよび熱可塑性樹脂bの一部を同時に溶融し、予備成形体Aと予備成形体Bとが接合している樹脂成形体を含む処理済成形体を得ることが好ましい。
装入済成形型内における少なくとも熱可塑性樹脂aの一部を溶融した後、強制冷却または自然冷却することで、樹脂部材Aと材料Xとを接合させることができる。
例えば、成形工程において、装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部を溶融した後、電磁波の照射を終了し、または交番電界内から取り出し、送風機(ファン等)を用いて装入済成形型を強制冷却することができる。
なお、強制冷却中または自然冷却中は、装入済成形型の内部の減圧状態を維持することが好ましい。
樹脂成形体では、樹脂部材Aおよび材料Xの各々に由来する各部位が接合し、一体となっている。
例えば樹脂部材Aおよび樹脂部材Bを含む場合、これらは化学的に結合していることが好ましい。ここで樹脂部材Aの少なくとも一部を構成する熱可塑性樹脂aと、樹脂部材Bの少なくとも一部を構成する熱可塑性樹脂bとの相溶性パラメータであるSP値が互いに近い場合(例えばSP値の差が5以下(好ましくは3以下)である場合)、熱可塑性樹脂aと熱可塑性樹脂bとが相溶しやくなり、得られる樹脂成形体における樹脂部材Aと樹脂部材Bとが強固に結合しやすい。
一方、例えば材料Xが部材Cである場合、部材Cと樹脂部材Aとは物理的には接合しているが、化学的には結合していない場合もある。
また、得られる樹脂成形体の表面を滑らかで円滑なものとすることができる場合もある。
例えば樹脂部材Aまたは樹脂部材Bが予備成形体Aまたは予備成形体Bである場合、これらが熱可塑性樹脂を積層して得られたものであると、その表面に段差または凹凸が繰り返し形成されていることがある。このように予備成形体Aまたは予備成形体Bの表面の形状精度が低く、または粗い場合であっても、本発明の製造方法における配置工程および成形工程に供されることで、得られる樹脂成形体の表面は滑らかで円滑なものとなり得る。
ここで、樹脂部材Aまたは材料Xが積層造形法によって成形された予備成形体である場合、積層された熱可塑性樹脂同士の間に熱可塑性樹脂の表面同士が合わさった積層界面が、積層された数に応じて形成されている(図1~図3等参照)。そして、成形された予備成形体を熱可塑性樹脂の積層方向に引っ張る場合、積層界面2おいて剥がれが生じやすい。そのため、予備成形体における積層方向の強度は、予備成形体における他の方向の強度に比べて低くなる。
この強度の課題について、予備成形体における熱可塑性樹脂間の積層界面がなくなるように熱可塑性樹脂が一体化されることにより、樹脂成形体において熱可塑性樹脂が積層された痕跡がほとんど分からなくなる。そして、樹脂成形体においては、特定の方向から加わる力に対する強度が低いといった強度の偏りを解消することができる。なお、積層方向は熱可塑性樹脂同士が合わさる方向として、糸状の熱可塑性樹脂においては熱可塑性樹脂が延びる方向に直交する方向に形成され、粒状の熱可塑性樹脂においては熱可塑性樹脂の周りの少なくとも3方向に形成される。
積層造形法によって成形された予備成形体においては、積層された熱可塑性樹脂同士の間には隙間が形成されている。この隙間は予備成形体中に空隙として存在することになる。そして、この隙間が存在するほど予備成形体の密度は低くなり、予備成形体の強度が低くなる。
この密度の課題について、予備成形体における熱可塑性樹脂間の積層界面がなくなるように熱可塑性樹脂が一体化されることにより、熱可塑性樹脂同士の間の隙間が埋められる。そして、樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂の密度が高くなり、樹脂成形体の強度が高くなる。
積層造形法によって成形された予備成形体の表面においては、予備成形体における積層界面の存在によって段差または凹凸が形成されている。この段差または凹凸の存在により、予備成形体の表面は、意匠外観性に優れない。
この意匠外観性の課題について、予備成形体における熱可塑性樹脂間の積層界面がなくなるように熱可塑性樹脂が一体化されることにより、予備成形体の表面に配置された熱可塑性樹脂による段差または凹凸がほとんどなくなる。そして、樹脂成形体の表面の意匠外観性を良好にすることができる。
<好適態様の例示>
次に、本発明の製造方法に含まれる好適態様を示す。以下に示す態様1および態様2はいずれも本発明の製造方法における好適態様であって、本発明の製造方法はこれに限定されない。
<態様1>
本発明の製造方法は、
少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる予備成形体Aと、
少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなる固体または液体の樹脂部材Bと、
を含む複数の素材を用意し、各々を成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得る配置工程と、
前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における予備成形体Aおよび樹脂部材Bを同時に加熱し、少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部を溶融して、前記予備成形体Aと前記樹脂部材Bとが接合している樹脂成形体を含む処理済成形型を得る成形工程と、
を備える、樹脂成形体の製造方法
であることが好ましい。
このような本発明の製造方法を「態様1」ともいう。
態様1において樹脂部材Bは固体であることが好ましい。樹脂部材Bを成形型内における所望の位置に配置しやすいからである。
態様1の成形工程では、前記装入済成形型内における予備成形体Aおよび樹脂部材Bを同時に加熱することで、少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部と共に、少なくとも前記熱可塑性樹脂bの一部も溶融することが好ましい。
態様1において、樹脂部材Bは、少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなり前記予備成形体Aとは特性が異なる予備成形体Bであることが好ましい。
つまり、態様1は、
少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる予備成形体Aと、
少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなり前記予備成形体Aとは特性が異なる予備成形体Bと、
を含む複数の素材を用意し、各々を成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得る配置工程と、
前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における予備成形体Aおよび予備成形体Bを同時に加熱することで、少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部(好ましくはさらに少なくとも前記熱可塑性樹脂bの一部)を溶融し、前記予備成形体Aと前記予備成形体Bとが接合している樹脂成形体を含む処理済成形型を得る成形工程と、
を備える、樹脂成形体の製造方法
であることが好ましい。
このような態様1の中でも好ましい態様を「態様1-1」ともいう。
態様1は、本発明の製造方法における樹脂部材Aとして予備成形体Aを用い、材料Xとして固体または液体の樹脂部材Bを用いる態様である。態様1-1は、さらに樹脂部材Bが予備成形体Aとは特性が異なる予備成形体Bである態様である。
ここで樹脂部材Aおよび樹脂部材Bは、各々、複数種類のものであってよい。つまり、複数種類の樹脂部材Aおよび/または複数種類の樹脂部材Bを用いてもよい。また、配置工程において、樹脂部材Aにも樹脂部材Bにも該当しないものを、さらに成形型内に配置してもよい。
態様1において熱可塑性樹脂aと熱可塑性樹脂bとの組成は、同一であっても、異なってもよい。
ただし、熱可塑性樹脂aと熱可塑性樹脂bとの組成が同一である場合、態様1の本発明の製造方法によって得られる樹脂成形体における予備成形体Aに由来する部位(概ね予備成形体Aからなる部位)と、樹脂部材Bに由来する部位とは、特性(表面性状(表面粗度等)や硬度など)が異なる。
例えば、同一組成の熱可塑性樹脂からなるが、表面性状または硬度が異なる2つの予備成形体を作成し、各々を予備成形体Aおよび予備成形体Bとする。例えば予備成形体Aおよび予備成形体Bの各々の表面に、異なるエンボス加工(模様等を凸状に形成す加工)やデボス加工(模様等を凹状に形成する加工)を施して、これらの表面性状を異なるものとすることができる。
そして、予備成形体Aおよび予備成形体Bを成形型内の所望の位置に配置する。
その後、これを成形工程に供すれば、成形工程に供する前の表面性状または硬度をほぼ維持したまま、予備成形体Aおよび予備成形体Bが接合し一体となる。そして、樹脂成形体が得られる。
熱可塑性樹脂aと熱可塑性樹脂bとの組成が異なる場合の例として、熱可塑性樹脂aと熱可塑性樹脂bとが異なる着色剤を含む場合が挙げられる。例えば同一組成の熱可塑性樹脂に、異なる着色剤を添加して色が異なる2つの熱可塑性樹脂を用意し、一方を用いて予備成形体Aを作成し、他方と共に成形型内へ装入する。ここで他方は液状の熱可塑性樹脂bであってもよいが、固体(粒状またはフレーク状であってよい)の熱可塑性樹脂bとしてもよく、熱可塑性樹脂bから予備成形体Bを作成し、これを予備成形体Aと共に成形型内へ装入してもよい。予備成形体Aおよび予備成形体Bを用いるケースは、態様1-1に該当する。
態様1では樹脂部材Aとして予備成形体Aを用いる。態様1-1では、さらに樹脂部材Bとして予備成形体Bを用いる。
このような態様1では樹脂部材Aおよび樹脂部材Bを成形型内における所望の位置に配置することができる。
そして、成形工程において、予備成形体Aと樹脂部材Bとを同時に加熱し、少なくとも熱可塑性樹脂aの一部(好ましくは少なくとも熱可塑性樹脂aの一部および少なくとも熱可塑性樹脂bの一部)を溶融することで、特性または材質が異なる各部位が所望の位置に配置され、一体に成形されている樹脂成形体を、簡単に製造することができる。
なお、後述する実施例1は、態様1に該当する。
<態様2>
本発明の製造方法は、
少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる予備成形体Aと、
少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなる固体または液体の樹脂部材Bと、
前記熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない部位を有する部材Cと、
を含む複数の素材を用意し、各々を成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得る配置工程と、
前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における予備成形体Aおよび樹脂部材Bを同時に加熱し、少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部を溶融して、前記予備成形体Aと前記樹脂部材Bとが接合している樹脂成形体を含む処理済成形型を得る成形工程と、
を備える、樹脂成形体の製造方法
であることが好ましい。
このような本発明の製造方法を「態様2」ともいう。
態様2において樹脂部材Bは固体であることが好ましい。樹脂部材Bを成形型内における所望の位置に配置しやすいからである。
態様2の成形工程では、装入済成形型内における予備成形体Aおよび樹脂部材Bを同時に加熱することで、少なくとも熱可塑性樹脂aの一部と共に、少なくとも熱可塑性樹脂bの一部も溶融する。
態様2において、樹脂部材Bは、少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなる予備成形体Bであることが好ましい。
つまり、態様2は、
少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる予備成形体Aと、
少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなる予備成形体Bと、
前記熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない部位を有する部材Cと、
を含む複数の素材を用意し、各々を成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得る配置工程と、
前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における予備成形体Aおよび予備成形体Bを同時に加熱し、少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部(好ましくはさらに少なくとも前記熱可塑性樹脂bの一部)を溶融して、前記予備成形体Aと前記予備成形体Bとが接合している樹脂成形体を含む処理済成形型を得る成形工程と、
を備える、樹脂成形体の製造方法
であることが好ましい。
このような本発明の製造方法を「態様2-1」ともいう。
態様2-1において、予備成形体Bは、少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなり前記予備成形体Aとは特性が異なるものであることが好ましい。
態様2は、本発明の製造方法における樹脂部材Aとして予備成形体Aを用い、材料Xとして樹脂部材Bおよび部材Cを用いる態様である。態様2-1は、さらに樹脂部材Bが予備成形体Bである態様である。態様2は、態様1の場合において、さらに部材Cを備える態様であってもよい。
ここで予備成形体A、樹脂部材Bおよび部材Cは、各々、複数種類のものであってよい。つまり、複数種類の樹予備成形体Aおよび/または複数種類の樹脂部材Bおよび/または複数種類の部材Cを用いてもよい。また、予備成形体A、樹脂部材Bおよび部材Cのいずれにも該当しないものを、さらに成形型内に配置してもよい。
態様2において樹脂部材B(好ましくは予備成形体B)は、予備成形体Aと組成が同一であっても、異なってもよい。また、樹脂部材B(好ましくは予備成形体B)は、態様1の場合と同様、予備成形体Aと同一組成の熱可塑性樹脂からなるが、特性が異なるものであってもよい。
部材Cは熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない部位を有するものである。つまり、部材Cは、その少なくとも一部が、成形工程において樹脂部材Aが含む熱可塑性樹脂aが溶融するときに溶融しないものである。
熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しないものとして、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、金属、セラミック、木材および紙からなる群から選ばれる少なくとも一つが挙げられる。なかでもガラスが好ましい。
また、部材Cは繊維状またはメッシュ状であることが好ましい。この場合、部材Cと予備成形体Aまたは予備成形体Bとが接合しやすいからである。
例えば、成形型内に板状の予備成形体Aを配置し、その上に板状の部材Cを配置し、その上に樹脂部材Bを配置する。ここで樹脂部材Bは予備成形体Bであることが好ましい。また、予備成形体Aと予備成形体Bとは同一組成の熱可塑性樹脂からなるものであってもよい。
このように予備成形体Aと樹脂部材B(好ましくは予備成形体B)とによって部材Cを挟み込むようにして成形型内に配置する。
その後、これを成形工程に供すれば、予備成形体Aと樹脂部材B(好ましくは予備成形体B)とが接合し、予備成形体A、樹脂部材Bおよび部材Cが一体となっている樹脂成形体を得ることができる。ここで樹脂成形体における部材Cの位置は、成形型内における予備成形体Aおよび樹脂部材Bとの相対的な位置とほぼ変わらない位置とすることができる。予備成形体Aは一部が溶融するものの、その形状はほぼ維持されるため、その上に配置された部材Cの位置もほぼ維持されることになるからである。すなわち、予備成形体A、樹脂部材Bおよび部材Cを所望の位置に配置し、それらが一体となっている樹脂成形体を得ることができる。
態様2では、成形工程において、予備成形体Aが含む熱可塑性樹脂aと樹脂部材Bが含む熱可塑性樹脂bとを同時に加熱し、少なくとも熱可塑性樹脂Aの一部(好ましくは少なくとも熱可塑性樹脂Aの一部および少なくとも熱可塑性樹脂bの一部)を溶融する。
なお、後述する実施例2は、態様2に該当する。
<実施例1>
使用者の希望に合わせて、部位ごとに硬度を相違させたスポーツ用具を作成した。また、この例では、硬度は3種類とした。なお、従来は1種類の樹脂(同一硬度)で成形していた。
作業手順は、次の通りである。
PF作製→充填→成形→冷却→取出
(PF作製)
1.成形体形状データ(3D-CAD)からプリフォーム(PF)用データ(3D-CAD)を作製した。3種類の硬度に対応するため、硬度に合わせ分割部を増やした(図13参照)。
2.PFデータ(3D-CAD)化ら3Dプリンタ用データ(Gcode)を作製した。
3Dプリンタは1樹脂での造形となるため、硬度ごとにデータを作製した。硬度A50部分を図14(a)、硬度A60部分を図14(b)、硬度A70部分を図14(c)に示す。
3.3DプリンタでPFを出力した。なお、硬度A50部分はアロン化成 AR―750、硬度A60部分は、アロン化成 AR―760、硬度A70部分は、アロン化成 AR―770をそれぞれ使用した。
(充填)
4.PFをゴム型内の任意の位置に配置し、型を閉じた。ゴム型にはキャビティ内の脱気および分割された型同士を密着させ型締めを行うための真空経路が彫り込まれており、外部チューブと接続するための穴があけてある。ゴム型の例を図15に示す。
5.型の分割部分に耐熱テープを貼ることで内部を密閉する(図16参照)。
(成形)
6.ゴム型をマイクロ波成形機M300内に設置し、ゴム型にあけられた穴に庫内の真空ポンプのチューブを接続し真空引きを行い、ゴム型内部を減圧した(図17参照)。
7.指定の温度プログラムに従い加熱した(2.45GHzの電磁波を照射)。
成形条件を以下に示す。
目標温度:170℃
昇温速度:10℃/min
保持時間:300sec
(冷却)
8.減圧状態を維持したままゴム型を装置外に取出し、FANの風を当て冷却した(空冷)。冷却時間は約1時間とした。
(取出)
9.型から成形体を取り出した。
<実施例2>
黒と透明の樹脂の間にガラス繊維織物シートを配置したマウスを成形した。ガラス繊維織物シートによって、マウスは強化される。
作業手順は、次の通りである。
PF作製→充填→成形→冷却→取出
(PF作製)
1.3Dスキャンデータから3Dプリンタ用データ(Gcode)を作製した。
3Dプリンタは1樹脂での造形となるため、種類ごとにデータを作製した(図18参照)。
2.3DプリンタでPFを出力した。なお、表面側はテクノUMG、ABS130、黒、裏面側は旭化成、スタイラック930、透明をそれぞれ使用した。
3.ガラス繊維織物を任意形状に裁断した。
(充填)
4.PFをゴム型内に配置(PF→ガラス繊維織物→PF)し(図19参照)、型を閉じた。ゴム型にはキャビティ内の脱気および分割された型同士を密着させ型締めを行うための真空経路が彫り込まれており、外部チューブと接続するための穴があけてある。ゴム型は図15と同様のものである。
5.型の分割部分に耐熱テープを貼ることで内部を密閉する(図16参照)。
(成形)
6.ゴム型をマイクロ波成形機M300内に設置し、ゴム型にあけられた穴に庫内の真空ポンプのチューブを接続し真空引きを行い、ゴム型内部を減圧した(図17参照)。
7.指定の温度プログラムに従い加熱した(2.45GHzの電磁波を照射)。
成形条件を以下に示す。
目標温度:185℃
昇温速度:10℃/min
保持時間:180sec
(冷却)
8.減圧状態を維持したままゴム型を装置外に取出し、FANの風を当て冷却した(空冷)。冷却時間は約1時間とした。
(取出)
9.型から成形体を取り出した。
1 樹脂成形体
2A 粒状物結合体
20 熱可塑性樹脂
21 積層界面
3 成形型
31 第1型部
32 第2型部
33 キャビティ
4 電磁波成形装置
41 真空ポンプ
42 電磁波発生器
51 熱溶解積層装置
52 押出成形装置
53 インクジェット装置
57 予備成形装置

Claims (9)

  1. 少なくとも一部が熱可塑性樹脂aからなる固体の樹脂部材Aおよび材料Xを含む複数の素材を用意し、各々を成形型内における所望の位置に配置し、装入済成形型を得る配置工程と、
    前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部を溶融し、前記樹脂部材Aと前記材料Xとが接合している樹脂成形体を含む処理済成形型を得る成形工程と、
    を備える、樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記配置工程において前記樹脂部材Aが予備成形体Aである、請求項1に記載の樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記材料Xが、少なくとも一部が熱可塑性樹脂bからなる固体または液体の樹脂部材Bを含む、請求項1または2に記載の樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記樹脂部材Bが前記予備成形体Aとは特性が異なる予備成形体Bである、請求項3に記載の樹脂成形体の製造方法。
  5. 前記成形工程において、
    前記装入済成形型に電磁波を照射し、または前記装入済成形型を交番電界内に配置することで、前記装入済成形型内における少なくとも前記熱可塑性樹脂aの一部および少なくとも前記熱可塑性樹脂bの一部を同時に溶融する、
    請求項3または4に記載の樹脂成形体の製造方法。
  6. 前記材料Xが、前記熱可塑性樹脂aが溶融する条件では溶融しない部位を有する部材Cを含む、請求項1~5のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
  7. 前記部材Cが有する前記部位が、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、金属、セラミック、木材および紙からなる群から選ばれる少なくとも一つからなる、請求項6に記載の樹脂成形体の製造方法。
  8. 前記セラミックがガラスである、請求項7に記載の樹脂成形体の製造方法。
  9. 前記部材Cが繊維状またはメッシュ状である、請求項6~8のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
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