JP2022078986A - クレーン、特に移動式クレーン - Google Patents

Abstract

【課題】クレーン、特に移動式クレーンを提供する。【解決手段】クレーンベース（２）と、クレーンベース（２）に対して垂直な旋回軸（１２）を中心に旋回可能なクレーンブーム（６）と、クレーンブーム（６）に共に旋回可能で、所定数のカウンタウエイトモジュール（１８）が配置されたカウンタウエイト支持部（１０）を備える。旋回時、カウンタウエイト支持部（１０）及び／又はカウンタウエイトモジュール（１８）が通る旋回領域（３２）に、物体が存在するか否か監視する衝突防止センサシステムを備え、衝突防止センサシステムと信号伝送技術的に結合され、衝突防止センサシステムからの信号に基づき、旋回領域（３２）に物体が存在するか否かを判定し、物体がカウンタウエイト支持部（１０）と又は複数のカウンタウエイトモジュールの１つと衝突する可能性があるか否かを判定し、衝突の可能性がある場合には対策を講じる制御装置（２０）を備える。【選択図】図１

Description

本発明は、クレーン、特に移動式クレーンに関する。

クレーンは、荷物を持ち上げて移動させるために使用される、いわゆる起重装置である。様々な種類のものが知られている。ポータルクレーン又は橋形クレーンは、一種の橋を形成する１本又は複数本のビームを有し、ケーブル牽引装置を装備する一種のウインチ滑車が、そのビームに移動可能に配置されている。タワークレーンは、通常、様々な形態において建設現場に設置されている。タワークレーンは、垂直なタワーと、そのタワーに角度を付けて配置されたブームとを有し、そのブームにはケーブル牽引装置が取り付けられている。タワークレーンは、いわゆる「下部回転型」と「上部回転型」に大別される。「下部回転型」の場合には、ブームは回転できないようにタワーに結合され、タワーは回転可能にクレーンベースに結合されている。「上部回転型」の場合には、反対に、タワーはクレーンベースに固定されており、ブームは回転可能にタワーに取り付けられている。移動式クレーンは、通常、自走式の下部キャリッジ（例えば、通常のトラック、又は、特別に設計された、部分的にオフロード走行に対応したシャーシ）の形態の移動式クレーンベースと、上部キャリッジとを有している。その際、上部キャリッジは、傾きが調整でき、且つ多くの場合、伸縮可能なクレーンブームを支持し、下部キャリッジに対して回転可能に（「旋回可能に」ともいう）枢着されている。クレーンベースに対してそのように（通常は非対称に）斜めに設置されているブームを有するクレーン（特にタワークレーン及び移動式クレーン）は、所定の運転時に、持ち上げた荷物のバランスのために、具体的には、傾き安定化のために、通常、クレーンベースのブームとは反対側にカウンタウエイトパッケージを保持している。そのため、このカウンタウエイトパッケージも、クレーンブームが旋回した際に共に旋回する。

通常、クレーンの操作員の位置、特に運転者室内にいるクレーン運転者の位置は、ケーブルウインチとカウンタウエイトパッケージとの間にあるため、カウンタウエイトパッケージを見ることが困難な場合が多い。

本発明は、クレーンの操作性を向上させるという課題に基づいている。

この課題は、本発明によれば、請求項１の特徴を有するクレーンによって解決される。本発明の有利な、部分的に発明性を有する実施形態及びさらなる展開は、従属請求項及び以下の説明に記載されている。

本発明によるクレーンは、クレーンベースと、クレーンベースに対して、所定の運転状態において垂直に配置された旋回軸を中心に旋回可能なクレーンブームと、を備える。さらに、クレーンは、クレーンブームに共に旋回可能に結合され、所定の運転状態において、所定数のカウンタウエイトモジュールが配置されたカウンタウエイト支持部を備える。１つ又はそれぞれのカウンタウエイトモジュールは、特に（場合によっては、一緒に）カウンタウエイトパッケージを形成する。そのカウンタウエイトパッケージは、クレーンブームを安定させ、特にその傾き安定性を高め、吊り上げられる荷物の重量の許容値を高める役割を果たす。クレーンは、さらに、所定の運転時にクレーンブームを旋回させる際に、カウンタウエイト支持部、及び／又は、所定数のカウンタウエイトモジュールが将来的に通過する、先方に位置する旋回領域に、物体が存在するかどうかを監視するために使用される衝突防止センサシステムを備える。クレーンは、さらに、衝突防止センサシステムと信号伝送技術的に結合され、衝突防止センサシステムから伝送されたセンサ信号に基づいて、先方に位置する旋回領域に物体が存在するかどうかを判定し、物体が、カウンタウエイト支持部と、又は、場合によっては複数のカウンタウエイトモジュールの１つと衝突する可能性があるかどうかを判定し、衝突の可能性がある場合には対策を講じるように構成されている制御装置を備える。

言い換えれば、制御装置は、衝突防止センサシステムによって、衝突の可能性のある障害物に対するカウンタウエイトパッケージの旋回領域を監視し、場合によっては対策を講じるように構成されている。「先方に位置する」旋回領域とは、上記のように、特に、カウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部に隣接する領域又は空間であって、旋回方向においてカウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部の先に位置する領域又は空間であると解される。衝突の可能性のある障害物を監視することによって、クレーンの操作員、特にクレーン運転者が監視作業から解放されるため、クレーンの運転がより安全になる。特に、カウンタウエイトパッケージの旋回領域は、通常、カウンタウエイトパッケージがクレーン運転者の後方に配置されるため、及び／又は、カウンタウエイトパッケージ又は他のクレーン上部構造物によって、その旋回領域の視界が遮られることが多いため、クレーン運転者が確認することは困難又は不可能である。

好ましくは、クレーンは移動式クレーンを形成している。この場合、クレーンベースは、走行装置を有する、好ましくは駆動原動機、及び制御場所、特に運転者室も有する下部キャリッジによって形成される。

好ましい実施形態においては、制御装置は、対策として、クレーンの操作員、好ましくはクレーン運転者に警告メッセージを発するように構成されている。その際、警告メッセージは、音響的に、また、好ましくは視覚的にも、特にディスプレイ上の表示によって行われ、その表示は、衝突の原因となる物体がカウンタウエイトパッケージに対してどの位置にあるかを示す。

警告メッセージに加えて又は代替的に、制御装置は、クレーンブームの旋回動作を実行する、すなわち、クレーンベースに対してクレーンブームを旋回する回転装置（「旋回装置」ともいう）を停止するように、好適に構成されている。オプションとして、この停止は多段階の対策シーケンスの一部であり、制御装置は、まず警告メッセージを発する。この警告メッセージは、オプションとして、カウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部に対する物体の距離に依存して多段階（例えば、警告音の、異なる繰り返し周波数によって）である。その後、制御装置は、特にクレーン運転者からの反応がなく、且つ物体の距離が臨界値以下になった場合には、回転装置を停止する。

好適な実施形態において、衝突防止センサシステムは、少なくとも１つの近接センサを含む。その際、この近接センサは、物体の望ましくない接近を、クレーンブームの旋回動作の方向に位置する、カウンタウエイト支持部の外縁部において、及び／又は、場合によっては複数のカウンタウエイトモジュールのうちの少なくとも最下段のカウンタウエイトモジュールの外縁部において検出できるように配置されている。特に、この外縁部は、例えば、板状（多くの場合、ほぼ長方形状又は腎臓形状でもある）に形成されたカウンタウエイトモジュールの特に短い「側縁部」である。この短い側縁部は、所定の運転時に、クレーンブームの旋回方向（特に円を描く方向）に対して横切る向き（すなわち斜め又は垂直）の状態にある。好ましくは、近接センサは、また、これら側端部の末端部の周りの安全領域を監視するように構成されている。

好適なさらなる形態においては、衝突防止センサシステムは、カウンタウエイト支持部の、又は、少なくとも最下段のカウンタウエイトモジュールのそれぞれ対向する外縁部を監視するように配置された少なくとも２つの近接センサを含む。それによって、２つの可能な旋回方向（「右旋回」又は「左旋回」）のそれぞれにおいて、カウンタウエイトパッケージの動作領域、すなわち旋回領域において、衝突リスクを監視することができる。場合によっては、４つ以上の角を有するカウンタウエイトモジュールも使用され、そのカウンタウエイトモジュールにおいては、角が旋回方向に規則的に突出している、すなわち、「外縁部」又は「側縁部」が折り曲げられている。この場合、オプションとして、折り曲げられた側縁部に沿って３つ以上の近接センサが使用される。

好ましい実施形態においては、上記の近接センサ又は２つ（又はそれ以上）の近接センサは、所定の運転時に最下段のカウンタウエイトモジュールに配置される。この場合、それら近接センサはまた、（特に、１つ又はそれぞれのカウンタウエイトモジュールは、所定の運転時にのみカウンタウエイト支持部に配置されるため）好ましくはクレーンに配置される対応インターフェイスに着脱可能に結合されるように構成されたインターフェイスを有している。所定の運転時に、１つ又はそれぞれの近接センサは、その際、このインターフェイスによって着脱可能に制御装置に接続されている。このインターフェイスは、簡単な変形例においては、ケーブル接続である。しかしながら、オプションとして、無線インターフェイス、例えば、ＷＬＡＮ、ＲＦＩＤ、ＮＦＣモジュール等が使用される。

特に、所定の運転時に、複数のカウンタウエイトモジュールがカウンタウエイト支持部に配置されている場合には、好適なさらなる形態において、最下段のカウンタウエイトモジュールに配置された１つの又はそれぞれの近接センサに加えてさらに、少なくとも、所定の運転時に最上段のカウンタウエイトモジュールに、少なくとも１つの（さらなる）近接センサが配置されている。言い換えれば、目的に応じて最下段及び最上段のカウンタウエイトモジュールには、近接センサが配置されている。それによって、少なくとも下側及び上側の外縁部の衝突を監視することができる。さらにオプションとして、目的に応じて最上段と最下段のカウンタウエイトモジュールの間に位置するカウンタウエイトモジュールにも近接センサが配置されている。それによって、所定の運転時に存在する、カウンタウエイトモジュールのスタック全体の高さにおいて、起こり得る衝突について監視することができる。

好適な実施形態においては、近接センサとして、超音波センサ、レーダセンサ、ＬＩＤＡＲセンサ、又は静電容量センサが使用されている。

さらなる好適な実施形態においては、衝突防止センサシステムは、オプションとして、上記の近接センサに加えて、又は近接センサに代えて、少なくとも１つの画像センサ（好ましくはカメラに組み込まれている）を含む。その画像センサは、その際、少なくともクレーンの所定の運転時に、好ましくは、カウンタウエイト支持部上に配置された所定数のカウンタウエイトモジュールの上方に、したがってカウンタウエイトパッケージの上方に配置されている。それによって、使用される全てのカウンタウエイトモジュールの外縁部の光学的、特に視覚的な検出が可能である。この場合、物体の検出は、例えばパターン認識の方法を用いて行われる。

特に好適な実施形態においては、制御装置は、物体の上縁部が、カウンタウエイト支持部の下縁部よりも低く、及び／又は、所定の運転時に最下段のカウンタウエイトモジュールの下縁部よりも低く配置された物体を、少なくとも回転位置に依存して、障害物としては拒否するように構成されている。言い換えれば、カウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部の旋回動作はそのような物体を越えて「先へ行く」ため、制御装置は、カウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部の旋回面の下にある物体を障害物とは解さない。基本的には、対応する物体の上方を越え先へ旋回することが可能かどうかのそのような「判断」は、所定の運転時に通過可能な円全体において可能である。特に、安全基準から、少なくとも生物に対する上方旋回が不可能な場合において、制御装置は、カウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部が、クレーンベースの一部の上方を通過する、すなわち移動式クレーンの場合には下部キャリッジの上方を通過する回転位置については、少なくとも、検出される可能性のあるクレーンベースの一部を衝突関連の障害物としては拒否するように構成されている。旋回領域の残りの部分においては、どのような物体も衝突に関係すると捉えられ得る。

上記の実施形態に加えて又は代替的に、近接センサ、又は、対応して下側に配置された少なくとも１つの近接センサは、以下のように構成されている。すなわち、その近接センサは、カウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部の下の領域が、場合によっては、追加の許容領域又は安全領域の下の領域が、近接センサによって検出可能な領域から除外される（又は「非表示にされる」）ように、構成されている。例えば、これは、静電容量近接センサの場合には、特にシールド電極を使用して電気的な測定フィールドを適切に形成することによって、ＬＩＤＡＲセンサの場合には光学的障害物などによって可能になる。

クレーンの操作し易さに関して有利な実施形態においては、制御装置は、クレーンの操作員（特にクレーン運転者）に、物体の位置を鳥瞰視によって表示するように構成されている。特に、制御装置は、スクリーン上に、鳥瞰視によるクレーンへの（例えば仮想の）眺めを作成し、検出された位置に物体（例えば超音波センサ又は静電容量センサの場合において、物体の輪郭が分からない場合には、少なくともダミー）を表示する。代替的には、制御装置は、カウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部のどの箇所において衝突が差し迫っているかを、単に、例えば、色分けして符号化された領域を用いて、カウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部の周囲に示す。オプションとして、制御装置はクレーンの側面表示も作成し、それによって、操作人自身が、物体の上方においてクレーンを先方に旋回できるか又は旋回してよいかを判断できる。カウンタウエイトパッケージの上方に少なくとも１つの画像センサが使用される場合には、カウンタウエイトパッケージ又はカウンタウエイト支持部のリアルカメラ画像が表示される。

本発明の文脈において、制御装置は、非プログラマブルな電子回路として形成することができ、この場合、例えば、クレーンの制御装置に組み込みことができる。好ましくは、制御装置（「コントローラ」とも呼ばれる）は、勿論、マイクロコントローラによって形成される。そのマイクロコントローラ内には、衝突の可能性がある場合に旋回領域を監視する上記の機能が、ソフトウェアモジュールの形態において実装されている。その際、特に、そのソフトウェアモジュールは、クレーンの制御システムの包括的な制御ソフトウェアの一部を形成することができる。

「及び／又は」という接続詞は、ここ及び以下において、特に、この接続詞によって結ばれた特徴が、共に形成されること、また、互いに代替的に形成されることが可能であるように解される。

以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつより詳細に説明する。

クレーンの概略的な上面図である。 図１に記載のクレーンの概略的な側面図である。 クレーンのさらなる実施例を示す、図２による図である。

すべての図において、対応する部分には常に同じ参照符号が付される。

図１は、クレーン１（本実施形態においては、具体的に移動式クレーン）を概略的に示す。クレーン１は、クレーンベースとして下部キャリッジ２を有する。さらに、クレーン１は、伸縮式のクレーンブーム６、運転者室８、及びカウンタウエイト支持部１０を支える上部キャリッジ４を有する。上部キャリッジ４は、いわゆる回転装置（図示せず）によって、（下部キャリッジに垂直の）旋回軸１２を中心に回転可能に、下部キャリッジ２に枢着されている。クレーンブーム６は、水平に配置されたラフィング軸（起伏軸）１４を中心に傾斜可能に、又は「ラフィング可能に（起伏可能に）」上部キャリッジ４に枢着されている。

クレーン１の所定の運転時に、カウンタウエイトパッケージ１６は、カウンタウエイト支持部１０に配置され、このカウンタウエイトパッケージ１６は、所定数のカウンタウエイトモジュール１８（本実施形態においては例示的にほぼ長方形状のプレートの形態）から成る。クレーン１の用途に応じて、具体的には、吊り上げられる荷重に依存して、及び／又は、クレーンの構成（例えば、クレーンブーム６の長さ及び傾き）に依存して、より多く又はより少ないカウンタウエイトモジュール１８が使用される。

クレーン１の操作員、具体的にはクレーン運転者は、通常、所定の運転の間は運転者室８内にいる。その際、座席視線方向は、したがって主視線方向は、クレーンブーム６に平行であり、且つクレーンフックの方向（すなわち、図１では下方、図２及び図３では右方）にある。それによって、上部キャリッジ４の背後の領域、具体的にはカウンタウエイトパッケージ１６の隣及び背後の側の認識がしづらい。クレーン１の運転安全性を高め、同時にクレーン運転者の負担を軽減するために、クレーン１は、制御装置２０を有している。その制御装置は、カウンタウエイトパッケージ１６の起こり得る衝突（又は、例えば、カウンタウエイトが装備されていない状態におけるカウンタウエイト支持部１０のみの衝突）を検出し、対策を講じるように構成されている。

そのために、クレーン１はまた、衝突防止センサシステムを有しており、その衝突防止センサシステムは、図１及び図２による実施例においては、複数の近接センサ２４を含む。これらの近接センサ２４は、例えば超音波センサであり、本実施例では、カウンタウエイトパッケージ１６の最下段のカウンタウエイトモジュール１８の角部、及び、最上段のカウンタウエイトモジュール１８の角部に配置されている（図２参照）。その際、近接センサ２４は、測定領域２６（図１ではカウンタウエイトモジュール１８の片側のみに概略的に示されている）を、物体の存在について監視するように構成されている。この測定領域２６は、カウンタウエイトモジュール１８のそれぞれの外縁部３０の旋回方向２８において先方に位置している。そのため、図１に示す２つの測定領域２６は、上部キャリッジ４（延いては、クレーンブーム６）が時計回りの方向に旋回動作する場合に、カウンタウエイトモジュール１８の先方に位置する。

近接センサ２４は、信号伝送技術的に制御装置２０に接続されている（図示せず）。制御装置２０は、近接センサ２４の信号を評価して、カウンタウエイトパッケージ１６の旋回領域３２に物体が位置しているかどうかを判定し、この物体がカウンタウエイトパッケージ１６との衝突を起こすかどうかを判定するように構成されている。これは、物体が旋回領域３２内で検出された場合、規則的に行われる。旋回領域３２の（場合によっては、さらに、それを超える図示されない安全領域の）外側に位置し、近接センサ２４によって検出された物体は、衝突の危険性がないと見なされる。

オプションとして、制御装置２０は、検出された物体が下部キャリッジ２であるかどうかを識別するように構成されている。この下部キャリッジは、同様に衝突の危険性はない。さらにオプションとして、制御装置２０は、物体の上端が、カウンタウエイトパッケージ１６及び最下段のカウンタウエイトモジュール１８の下に位置しているかどうか、及び、それによって、上方旋回が可能かどうかを判定するように構成されている。

図示されない実施形態においては、カウンタウエイトパッケージ１６なしに旋回する場合に起こりうる衝突を防止できるように、カウンタウエイト支持部１０にも近接センサ２４が配置されている。

図３は、クレーン１のさらなる実施例を示す。近接センサ２４の代わりに、本実施例における衝突防止センサシステムは、画像センサ、具体的にはカメラ３４を含む。このカメラは、カウンタウエイトパッケージ１６の上方のフレーム３６に配置されており、それによって、外縁部３０を監視することができる。オプションとして、本実施例において、カメラ３４が各外縁部３０にそれぞれ配置される。

本実施例においては、制御装置２０は、旋回領域３２に存在する可能性のある障害物を認識するために、パターン認識を用いてカメラ画像を評価する。

上記した全ての実施例において、制御装置２０は、遅くとも衝突の危険性を認識した際には、クレーンの運転者に警告を発するように、また、（オプションとして、警告に対する反応がない場合には）クレーン１の回転装置を停止させるように構成されている。

本発明の主題は、上記の実施例に限定されるものではない。むしろ、当業者は、本発明のさらなる実施形態を、上記の説明から導き出すことができる。

１ クレーン
２ 下部キャリッジ（クレーンベース）
４ 上部キャリッジ
６ クレーンブーム
８ 運転者室
１０ カウンタウエイト支持部
１２ 旋回軸
１４ ラフィング軸（起伏軸）
１６ カウンタウエイトパッケージ
１８ カウンタウエイトモジュール
２０ 制御装置
２４ 近接センサ
２６ 測定領域
２８ 旋回方向
３０ 外縁部
３２ 旋回領域
３４ カメラ
３６ フレーム

Claims (10)

1. クレーン（１）、特に移動式クレーンであって、
   クレーンベース（２）と、
   前記クレーンベース（２）に対して、所定の運転状態において垂直に配置された旋回軸（１２）を中心に旋回可能なクレーンブーム（６）と、
   前記クレーンブーム（６）に共に旋回可能に結合され、所定の運転状態において、所定数のカウンタウエイトモジュール（１８）が配置されたカウンタウエイト支持部（１０）と、
   所定の運転時に前記クレーンブーム（６）を旋回させる際に、前記カウンタウエイト支持部（１０）及び／又は前記所定数のカウンタウエイトモジュール（１８）が将来的に通過する、先方に位置する旋回領域（３２）に、物体が存在するかどうかを監視するために使用される衝突防止センサシステムと、
   前記衝突防止センサシステムと信号伝送技術的に結合され、前記衝突防止センサシステムから伝送されたセンサ信号に基づいて、前記先方に位置する旋回領域（３２）に物体が存在するかどうかを判定し、前記物体が前記カウンタウエイト支持部（１０）と、又は、場合によっては複数のカウンタウエイトモジュールの１つと衝突する可能性があるかどうかを判定し、衝突の可能性がある場合には対策を講じるように構成されている制御装置（２０）と、を備えたクレーン（１）。
2. 前記制御装置（２０）は、対策として、前記クレーン（１）の操作員に警告メッセージを発するように、及び／又は、前記クレーンブーム（６）の旋回動作を実行する回転装置を停止するように構成されている、請求項１に記載のクレーン（１）。
3. 前記衝突防止センサシステムは、少なくとも１つの近接センサ（２４）を含み、その近接センサは、物体の望ましくない接近を、前記クレーンブーム（６）の旋回動作の方向に位置する、前記カウンタウエイト支持部（１０）の外縁部（３０）において、及び／又は、場合によっては複数のカウンタウエイトモジュール（１８）のうちの少なくとも最下段のカウンタウエイトモジュールの外縁部（３０）において検出できるように配置されている、請求項１又は２に記載のクレーン（１）。
4. 前記衝突防止センサシステムは、前記カウンタウエイト支持部の、又は、少なくとも前記最下段のカウンタウエイトモジュール（１８）のそれぞれ対向する外縁部（３０）を監視するように配置された少なくとも２つの近接センサ（２４）を含む、請求項３に記載のクレーン（１）。
5. 前記近接センサ（２４）は、所定の運転時に前記最下段のカウンタウエイトモジュール（１８）に配置され、且つ、所定の運転時に、着脱可能に結合可能なインターフェイスによって前記制御装置（２０）に接続されている、請求項３又は４に記載のクレーン（１）。
6. 所定の運転時に、複数のカウンタウエイトモジュール（１８）が前記カウンタウエイト支持部（１０）に配置され、
   少なくとも、所定の運転時に最上段のカウンタウエイトモジュール（１８）に、少なくとも１つの近接センサ（２４）が追加して配置されている、請求項５に記載のクレーン（１）。
7. 前記近接センサ（２４）として、超音波センサ、レーダセンサ、ＬＩＤＡＲセンサ、又は、静電容量センサが使用されている、請求項１から６のいずれか１項に記載のクレーン（１）。
8. 前記衝突防止センサシステムは、所定の運転時に、前記カウンタウエイト支持部（１０）上に配置された前記所定数のカウンタウエイトモジュール（１８）の上方に配置された少なくとも１つの画像センサ（３４）を含み、それによって、使用される全てのカウンタウエイトモジュール（１８）の外縁部（３０）の光学的検出が可能である、請求項１から７のいずれか１項に記載のクレーン（１）。
9. 前記制御装置（２０）は、物体の上縁部が、前記カウンタウエイト支持部（１０）の下縁部よりも低く、及び／又は、所定の運転時に最下段のカウンタウエイトモジュール（１８）の下縁部よりも低く配置された前記物体を、少なくとも回転位置に依存して、障害物としては拒否するように構成されている、請求項１から８のいずれか１項に記載のクレーン（１）。
10. 前記制御装置（２０）は、前記クレーン（１）の操作員に、前記物体の位置を鳥瞰視によって表示するように構成されている、請求項１から９のいずれか１項に記載のクレーン（１）。

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