以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、一部の図において示された構成等が、他の図において省略されていることもある。
本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「シート」は「フィルム」や「板」と呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、呼称の違いのみにおいて区別されない。
また、本明細書において、シート状(シート状、板状)の部材の法線方向とは、対象となるシート状(フィルム状、板状)の部材のシート面への法線方向のことを指す。また、「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状(フィルム状、板状)の部材を全体的且つ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(フィルム状部材、板状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待しうる程度の範囲を含めて解釈することとする。
なお、図面間での方向関係を明確化するため、いくつかの図面には、第1方向D1、第2方向D2及び積層方向D3を図面間で共通する方向として矢印で示している。矢印の先端側が、各方向D1,D2,D3の一側となる。また、図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、例えば図2に示すように、円の中にXを設けた記号により示した。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面から手前に向かう矢印を、例えば図3に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。
図1~図28は、一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は、面光源装置20及び光学部材30の一適用例としての表示装置10を概略的に示す斜視図である。表示装置10は、例えば動画、静止画、文字情報、或いはこれらの組み合わせで構成された映像を表示パネル15に表示する装置である。表示装置10は、例えば車載用の液晶表示装置として用いることができる。また、表示装置10は、室内又は屋外において、広告、プレゼンテーション、テレビジョン映像、各種情報の表示等、様々な用途にも使用され得る。図1に示された表示装置10は、発光面20aを有する面光源装置20と、発光面20aと対向して配置された表示パネル15と、を有している。
図2は、面光源装置20を示す縦断面図である。図2に示すように、面光源装置20は、主要な構成要素として、光源23と、光源23から射出した光の光路を調整する光学部材30と、を有している。光学部材30は、光源23に正対して配置されている。光学部材30は、積層方向D3に積層された光反射シート40及び光学シート50を含んでいる。光学部材30は、シート状の部材である。光学部材30は、その法線方向に光源23と対面している。光学部材30は、光源23から射出された光を拡散する。光学部材30での拡散によって、光源23の存在に起因した明るさのむらを解消する。この結果、光学部材30の出光側面30b上の各位置での照度、或いは、出光側面30bの近傍に位置する出光側面30bと平行な仮想の受光面上の各位置での照度を均一化する。とりわけ、本実施の形態で説明する光学部材30には、面光源装置20の薄型化を図りながら明るさの面内分布を十分に均一化するための工夫が成されている。なお、以下の説明で用いる「出光側面30bの照度」とは、「出光側面30b上での照度」または「出光側面30bの近傍に位置する出光側面30bと平行な仮想の受光面上での照度」を意味するものとする。
以下、一実施の形態における表示装置10、面光源装置20及び光学部材30について、図示された具体例を参照しながら、説明していく。
まず、表示装置10の表示パネル15ついて説明する。図1に示すように、表示パネル15は、積層方向D3に面光源装置20と積層され、面光源装置20の発光面20aに対面して配置されている。表示パネル15は、映像が表示される表示面15aを有している。表示面15aは、積層方向D3における面光源装置20とは反対側、すなわち観察者側を向いている。図示された例において、表示パネル15は、表示パネル15の積層方向D3から見て、すなわち正面方向からの平面視において、矩形形状に形成されている。
表示パネル15は、例えば透過型の液晶表示パネルとして構成されている。この表示パネル15は、表示パネル15の透過率を画素毎に調節することによって、表示面15aに映像を形成する。表示パネル15は、液晶材料を有する液晶層を含んでいる。表示パネル15の光透過率は、液晶層に印加される電界の強度に応じて変化する。
このような表示パネル15の一例として、一対の偏光板と、一対の偏光板間に配置された液晶セル(液晶層)と、を有する液晶表示パネルを用いることができる。この液晶表示パネルにおいて、偏光板は、入射した光を直交する二つの偏光成分に分解し、一方の方向の偏光成分を透過させ、一方の方向に直交する他方の方向の偏光成分を吸収する機能を有した偏光子を有する。液晶セルは、一対の支持板と、一対の支持板間に配置された液晶と、を有する。液晶セルは、一つの画素を形成する領域毎に電界が印加され得るようになっている。電界が印加された液晶セルの液晶の配向は変化し、入射光の偏光状態に影響を及ぼす。一例として、特定方向の偏光成分は、電界印加されていない液晶セルを通過する際にはその偏光方向を90°回転させる。特定方向の偏光成分は、電界印加されている液晶セルを通過する際にはその偏光方向を維持する。これにより、液晶セルへの電界印加の有無によって、液晶セルの両側に配置された一対の偏光板の透過および遮光を制御することができる。
次に、面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状の光を出射する発光面20aを有している。この面光源装置20は、いわゆる直下型のバックライトとして構成されている。すなわち、積層方向D3への投影において、発光面20aと重なる領域内に光源23が設けられている。図示された例において、表示パネル15の法線方向、表示面15aの法線方向、発光面20aの法線方向、光学部材30の法線方向、光学部材30に含まれる後述の光反射シート40及び光学シート50の法線方向、後述の光源基板22及び支持基板25の法線方向は、互いに平行であり、光反射シート40及び光学シート50が積層された積層方向D3と一致している。積層方向D3は正面方向とも呼ぶ。
光源23は、光を射出する発光素子を有する。発光素子として、典型的には、LEDとも表記される発光ダイオードを用いることができる。光源23として用いられる発光ダイオードの寸法は特に限定されない。ただし、光源23の像を目立たなくさせる観点から、小型の発光ダイオード、例えばミニLEDやマイクロLEDを用いることが好ましい。具体的には、図3に示された積層方向D3からの観察において四角形形状を有する光源23の一辺の長さWL1,WL2を、0.5mmとすることが好ましく、0.2mm以下とすることがより好ましい。
光源23の発光波長は、面光源装置20の用途に応じて適宜選択され得る。例えば、面光源装置20が、青色を発光する発光素子と黄色を発光する発光素子とを有し、白色光を生成するようにしてもよい。また、面光源装置20が、青色を発光する発光素子と、緑色を発光する発光素子と、赤色を発光する発光素子と、を有し、白色光を生成するようにしてもよい。また、複数の発光素子が設けられる場合、一つの光源23が、近接配置された複数種類の発光素子を含むようにしてもよいし、単一の発光素子のみを含むようにしてもよい。すなわち、異なる発光波長を有した複数種類の光源23が、用いられてもよい。
図示された具体例として、光源23は、波長が450nmの青色光を射出する発光ダイオードを発光素子として含むようにしてもよい。このような例では、出力の大きい発光ダイオードを光源23として用いることができる。その一方で、蛍光体等の波長を変化し得る要素を光学部材30に用いることによって、発光面20aを白色に発光させることも可能となる。
光源23は、一例として、発光素子のみによって構成されるようにしてもよい。他の例として、光源23は、発光素子に加え、発光素子からの配光を調節するカバーやレンズ等の光学要素を含むようにしてもよいし、発光素子からの光を吸収して異なる波長の光を射出する蛍光体を含むようにしてもよい。
光源23の配光特性は、特に限定されない。光源23の配光特性として、典型的にはランバーシアン配光を採用することができる。ランバーシアン配光であれば、積層方向D3に向けられた光源23からの発光強度分布において、光軸である積層方向D3において最も高いピーク強度が得られ、光軸から60°傾斜した方向においてピーク強度の半分の強度が得られる。その一方で、光源23の配光特性が十分に拡散されていて、積層方向D3に向けられて積層方向D3に光軸が沿っている光源23の発光光度分布において、積層方向D3以外の方向にピーク光度が得られるようにしてもよい。例えば、特許文献1(JP6299811B)に開示されたバッドウイング配光を、光源23の配光特性として用いてもよい。
また図示されているように、面光源装置20は、複数の光源23を有してもよい。別の例として、単一の光源23のみを有するようにしてもよい。光源23の数量は、面光源装置20の用途や発光面20aの面積等に応じて適宜選択される。光源23の配置に起因した明るさのむらを解消する観点から、面光源装置20に含まれる複数の光源23は、積層方向D3に垂直な面上において、規則的に配置されていることが好ましい。光源23の規則的な配列の一例として、互いに60°傾斜する三つの方向のそれぞれに一定のピッチで配置されてなるハニカム配列を採用することができる。光源23の規則的な配列の一例として、互いに直交する二つの方向のそれぞれに一定のピッチで配置されてなる正方配列を採用することができる。
図3に示された例において、複数の光源23は、互いに直交する第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれに一定のピッチで配列されている。図示された例において、第1方向D1への配列ピッチPL1及び第2方向D2への光源23の配光ピッチPL2は同一となっているが、これに限られず、配列ピッチPL1及び配列ピッチPL2が異なっていてもよい。ここで、第1方向D1及び第2方向D2は、それぞれ、矩形状をなす面光源装置20及び光学部材30の側縁とそれぞれ平行になっている。配列ピッチPL1及び配列ピッチPL2は、それぞれ、0.2mm以上10mm以下とすることができる。
また、光源23は、光学部材30に入射する際にP偏光の光のみを射出するようにしてもよい。P偏光の光とは、光学部材30への入射時における当該光の進行方向と、光学部材30の入光側面30aへの法線方向と、を含む入射面に対して平行な方向に振動する光のことである。光源23がP偏光の光のみを射出することで、後述する誘電体多層膜を光反射シート40に利用した際に、大きな入射角度で入射する光の透過率を十分に高くして、光学部材30に所望の光学特性付与することができる。これにより、光学部材30の出光側面30bにおける照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
ここで、入射角度とは、光が入射するシート状等の部材の法線方向に対して入射光の進行方向がなす角度(°)のことである。出射角度とは、光が出射するシート状等の部材の法線方向に対して出射光の進行方向がなす角度(°)のことである。入射角度(°)及び出射角度(°)は、それぞれ、0°以上90°以下の角度値として特定される。
ところで、図示された面光源装置20は、光源23及び光学部材30に加え、光源23を支持する支持基板25を更に有している。光源23及び支持基板25によって、光源基板22が構成される。支持基板25は、積層方向D3における光学部材30とは反対側から複数の光源23を支持する。支持基板25は、シート状の部材である。支持基板25は、光源23に電力を供給する回路を含んでいる。支持基板25は、光を反射して光学部材30へ向ける光反射性を有している。光反射性は、光源23から射出する特定波長の光に対して発揮されるものであれば特に限定されない。
具体的な構成として、図4に示すように、支持基板25は、シート状の基板本体26と、基板本体26上に設けられた反射層27及び配線28と、を有している。基板本体26は、積層方向D3に垂直な方向に広がっている。基板本体26は絶縁性を有していることが好ましい。基板本体26は、拡樹脂フィルム、たとえはポリエチレンテレフタレート製フィルムであってもよい。
反射層27は、積層方向D3における光学部材30の側から基板本体26に積層されている。反射層27は、基板本体26上における光源23が配置されていない領域を覆っている。反射層27は、光源23から射出する特定波長の光に対して又は面光源装置20での発光に用いられる光に対して、反射性を有する。反射層27での反射性は、鏡面反射とも呼ばれる正反射であってもよく、拡散反射であってもよく、さらに異方性拡散反射であってもよい。面光源装置20の他の構成との組合せにおいて照度の面内分布を均一化させる観点から、反射層27の反射面(光学部材30に対面する面)での光沢度を70以上とすることが好ましい。ここで光沢度とは、JISZ8741に準拠して入射角度を20°として日本電色工業製の(光沢計VG7000)を用いて測定された値である。反射層27は、基板本体26上に積層された金属層であってもよいし、反射型の回折光学素子であってもよい。
配線28は、光源23と電気的に接続している。配線28は、はんだ等を介して、光源23の図示しない端子と電気的に接続している。基板本体26及び反射層27が絶縁性を有している場合、図4に示すように、配線28は、基板本体26及び反射層27の間に位置していてもよい。
なお、図2に二点鎖線で示すように、光源23は封止材24で覆われるようにしてもよい。封止材24は、各光源23に対応して配置されている。したがって、封止材24は、積層方向D3からの観察において光源23と同様に二次元配列される。図示された例において、光源23は、光学部材30側を向く面および側面を封止材24によって覆われている。封止材24は、支持基板25に固定されている。光源23と配線28とが電気的に接続される部分も、封止材24によって覆っている。封止材24をなす材料として、例えば、シリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂、オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
図2に示された例において、光学部材30は、封止材24上に配置されている。すなわち、光学部材30は、封止材24に支持されることで、光源23及び支持基板25から積層方向D3に離間している。封止材24は、光学部材30に接着、粘着、溶着等により接合していてもよい。なお、図2に示された距離DXは、積層方向D3に沿った光源23と光学部材30との離間距離である。言い換えると、距離DXは、光源23の光学部材30側を向く面と光学部材30の入光側面30aとの間の積層方向D3に沿った距離を指している。
次に、光学部材30について説明する。光学部材30は、光反射シート40及び光学シート50をこの順番で有している。すなわち、光反射シート40は、光学シート50よりも、光学部材30で光路を調整されるべき光の入光側に位置する。光学シート50は、光反射シート40よりも、光学部材30で拡散されるべき光の出光側に位置する。図2に示された例において、光学部材30は、積層方向D3に垂直な第1方向D1及び第2方向D2に広がるシート状に構成されている。光反射シート40及び光学シート50は、共に、積層方向D3に垂直な第1方向D1及び第2方向D2に広がるシート状の部材である。光反射シート40が光学部材30の入光側面30aを形成し、光学シート50が光学部材30の出光側面30bを形成している。なお、光反射シート40及び光学シート50は、互いに接合していてもよいし、単に接触しているだけであって接合していなくてもよく、さらには、互いから離間していてもよい。
まず、光反射シート40について説明する。光反射シート40は、積層方向D3に光源基板22に直接対面している。光反射シート40は光反射部45を含んでいる。光反射シート40は、例えば図示された例のように、光反射部45のみによって構成されてもよい。別の例として、光反射シート40は、光反射部45と、光反射部45の入光側及び出光側のいずれか少なくとも一方に設けられた拡散部等を有してもよい。
光源23から射出する光又は面光源装置20での発光に用いられる光の光反射部45での反射率が、入射角度が0°の場合よりも、入射角度が0°以外の場合の方が低くなる、といった反射特性を光反射部45は有している。すなわち、0°の入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率は、0°より大きい或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率よりも高い。光源23から射出する光又は面光源装置20での発光に用いられる光の光反射部45での透過率は、入射角度が0°の場合よりも、入射角度が0°以外の場合の方が高くなる、といった透過特性を有している。すなわち、0°の入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での透過率は、0°より大きい或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での透過率よりも低い。
好ましくは、光反射部45は、0°の入射角度で入射する特定波長の光を80%以上の反射率で反射する。光反射部45は、0°の入射角度で入射する特定波長の光を20%未満の透過率で透過する。また、光反射部45は、45°よりも大きい入射角度で入射する少なくとも一部の特定波長の光を50%よりも低い反射率で反射する。光反射部45は、45°よりも大きい入射角度で入射する少なくとも一部の特定波長の光を50%以上の透過率で透過する。すなわち、光反射部45は、反射率の入射角度依存性を有している。また、光反射部45は、透過率の入射角度依存性を有している。
ここで、図5は、光反射部45が有する入射角度に応じた反射特性および透過特性の一例を示すグラフである。図5に示された特性において、光反射部45における特定波長の光の反射率は、入射角度が小さくなるにつれて大きくなる。より具体的には、60°以下の入射角度で入射する特定波長の光の反射率は、50%以上100%未満であることが好ましく、中でも80%以上100%未満であることが好ましく、特に90%以上100%未満であることが好ましい。また、0°の入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率は、80%以上100%未満であることが好ましく、中でも90%以上100%未満であることが好ましく、特に95%以上100%未満であることが好ましい。このような反射特性によれば、後述する光学シート50の光学特性との組合せにより、光源23の直上となる領域における照度が高くなり過ぎることを効果的に防止し、照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
図5に示された特性において、光反射部45における特定波長の光の透過率は、入射角度が大きくなるにつれて大きくなる。より具体的には、70°以上90°未満の入射角度で入射する特定波長の光の全光線透過率は、30%以上であることが好ましく、中でも40%以上であることが好ましく、特に50%以上であることが好ましい。積層方向D3に垂直な方向に光源23から離間した領域では、比較的に積層方向D3に対して傾斜した方向に進む光が多くなる。したがって、図5に示された光学特性を有する光反射部45によれば、光源23から離間した領域での照度を高くして、照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
特定波長の光とは、面光源装置20や光学部材30の用途に応じて適宜設定することができる。典型的には、光源23から射出する光又は面光源装置20での発光に用いられる光を、特定波長の光とすることができる。その一方で、特定波長の光を可視光とすることも好ましい。ここで、「可視光」とは、波長380nm以上波長780nm以下の光を意味する。
光反射部45や光反射シート40の反射率は、村上色彩技術研究所社製の変角光度計(ゴニオフォトメーター)GP-200を用いて測定された値とする。光反射部45や光反射シート40の透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠して測定された全光線透過率である。光反射部45や光反射シート40の透過率は、村上色彩技術研究所社製の変角光度計(ゴニオフォトメーター)GP-200を用いて測定された値とする。変角光度計(ゴニオフォトメーター)GP-200を用いて光反射部45や光反射シート40の反射率および透過率を測定する場合、光束絞りをφ20(mm)とし、受光開き角度を1°とする。
また、図6は、図5とは異なる光反射部45の光学特性を示している。青色光である450nmの波長を有した光についての光反射部45反射特性および透過特性を示すグラフである。なお、図6のグラフでは、積層方向D3に対する入射方向の向きを区別するため、横軸として正負の値を取る入射角度(°)とした。
図6に示すように、絶対値で0°以上30°以下の入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上であり、更に好ましくは95%以上である。更に、絶対値で0°以上45°以下の入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、更に好ましくは90%以上である。このような反射特性によれば、後述する光学シート50の光学特性との組合せにより、光源23の直上となる領域における照度が高くなり過ぎることを効果的に防止し、照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
図6に示すように、入射角度が絶対値で0°以上30°以下である特定波長の光の光反射部45での透過率は、20%未満でもよく、10%未満でよく、5%未満でもよい。入射角度が絶対値で0°以上45°以下である特定波長の光の光反射部45での透過率は、20%未満でもよく、15%未満でもよく、10%未満でもよい。このような透過特性によれば、後述する光学シート50の光学特性との組合せにより、光源23の直上となる領域における照度が高くなり過ぎることを効果的に防止し、照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
図6に示すように、絶対値で45°以上75°以下となる或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率を50%とすることが好ましい。より好ましくは絶対値で50°以上60°以下となる或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率を50%とすることが好ましい。また、入射角度の絶対値が45°以上75°以下となる特定波長の光の光反射部45での反射率、より好ましくは入射角度の絶対値が50°以上60°以下となる特定波長の光の光反射部45での反射率が、入射角度の絶対値の増加にともなって、次第に小さくなることが好ましい。さらに、入射角度の絶対値が50°以上の特定波長の光の光反射部45での反射率は、入射角度の絶対値の増加にともなって、次第に小さくなることが好ましい。図6に示された光学特性を有する光反射部45によれば、光源23から離間した領域での照度を高くして、照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
図6に示すように、絶対値で45°以上75°以下となる或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での透過率を50%とすることが好ましい。より好ましくは絶対値で50°以上60°以下となる或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での透過率を50%とすることが好ましい。また、入射角度の絶対値が45°以上75°以下となる特定波長の光の光反射部45透過率、より好ましくは入射角度の絶対値が50°以上60°以下となる特定波長の光の光反射部45での透過率が、入射角度の絶対値の増加にともなって、次第に大きくなることが好ましい。さらに、入射角度の絶対値が50°以上の特定波長の光の光反射部45での透過率は、入射角度の絶対値の増加にともなって、次第に大きくなることが好ましい。図6に示された光学特性を有する光反射部45によれば、光源23から離間した領域での照度を高くして、照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
図7A及び図7Bは、光反射部45の光学特性の更に他の例を示すグラフである。図7A及び図7Bに示された光学特性を有する光反射部45は、図5に示された光学特性を有する光反射部45と異なり、図6に示された光学特性を有する光反射部45とも異なる。図7A及び図7Bは、青色光である450nmの波長を有した光についての光反射部45の透過特性を示すグラフである。
図7A及び図7Bに示すように、入射角度が絶対値で0°以上30°以下である特定波長の光の光反射部45での透過率は、15%未満でもよく、8%未満でよく、3%未満でもよい。入射角度が絶対値で0°以上45°以下である特定波長の光の光反射部45での透過率は、50%未満でもよく、40%未満でもよく、30%未満でもよい。このような透過特性によれば、後述する光学シート50の光学特性との組合せにより、光源23の直上となる領域における照度が高くなり過ぎることを効果的に防止し、照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
入射角度が絶対値で0°以上30°以下である特定波長の光の光反射部45での反射率は、85%以上でもよく、92%以上でよく、97%以上でもよい。入射角度が絶対値で0°以上45°以下である特定波長の光の光反射部45での反射率は、50%以上でもよく、60%以上でもよく、70%以上でもよい。このような反射特性によれば、後述する光学シート50の光学特性との組合せにより、光源23の直上となる領域における照度が高くなり過ぎることを効果的に防止し、照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
図7A及び図7Bに示すように、絶対値で40°以上60°以下となる或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での透過率が50%でもよい。絶対値で45°以上55°以下となる或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での透過率が50%でもよい。入射角度の絶対値が30°以上60°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の光反射部45での透過率が大きくなってもよい。入射角度の絶対値が50°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の光反射部45での透過率が大きくなってもよい。積層方向D3に垂直な方向に光源23から離間した領域では、積層方向D3に対して傾斜した方向に進む光が比較的に多くなる。したがって、これらのような透過特性を有する光反射部45によれば、後述する光学シート50との組合せにより、光源23から離間した領域での照度を高くして、照度の面内分布を効果的に均一化できる。
図7A及び図7Bに示すように、絶対値で40°以上60°以下となる或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率が50%でもよい。絶対値で45°以上55°以下となる或る入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率が50%でもよい。入射角度の絶対値が30°以上60°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の光反射部45での反射率が小さくなってもよい。入射角度の絶対値が50°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の光反射部45での反射率が小さくなってもよい。積層方向D3に垂直な方向に光源23から離間した領域では、積層方向D3に対して傾斜した方向に進む光が比較的に多くなる。したがって、これらのような反射特性を有する光反射部45によれば、後述する光学シート50との組合せにより、光源23から離間した領域での照度を高くして、照度の面内分布を効果的に均一化できる。
光反射部45としては、反射率および透過率の入射角度依存性を有するものであれば、特に限定されない。光反射部45として、反射型の体積ホログラム、コレステリック液晶構造層、再帰反射フィルム、反射型の回折光学素子を用いることができる。また、反射率および透過率の入射角度依存性を物理的構造により確保した部材を、光反射部45として用いることもできる。とりわけ、反射特性及び透過特性の設計自由度が比較的高い誘電体多層膜が、光反射部45として好適である。
光反射部45をなす誘電体多層膜として、屈折率の異なる無機層が交互に積層された無機化合物の多層膜を用いることができる。別の例として、屈折率の異なる樹脂層が交互に積層された樹脂の多層膜を光反射部45として用いることもできる。
無機化合物の多層膜としての誘電体多層膜は、例えば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、または湿式塗工法等により、高屈折率無機層と低屈折率無機層とを交互に積層することで得られる。無機化合物の多層膜の厚みを0.5μm以上10μm以下とすることができる。高屈折率無機層に含まれる無機化合物の屈折率を1.7以上2.5以下とすることができる。高屈折率無機層に含まれる無機化合物として、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化インジウムを主成分とし、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウム等を少量含有させたもの等を例示することができる。また、低屈折率無機層に含まれる無機化合物の屈折率を1.2以上1.6以下とすることができる。低屈折率無機層に含まれる無機化合物として、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム等を例示することができる。
樹脂の多層膜としての誘電体多層膜は、例えば熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の層を多数含んでいる。とりわけ熱可塑性樹脂は、成形性に優れる点において好ましい。樹脂層には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤等が添加されていてもよい。
屈折率が異なる樹脂層のうち、屈折率が高い高屈折率樹脂層と屈折率が低い低屈折率樹脂層との面内平均屈折率の差は、0.03以上であることが好ましく、より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。上記面内平均屈折率の差が小さすぎると、十分な反射率が得られない場合がある。
高屈折率樹脂層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率との差は、0.03以上であることが好ましい。低屈折率樹脂層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率との差は、0.03以下であることが好ましい。この場合、入射角度が大きくなっても、反射ピークの反射率の低下が起こりにくい。
高屈折率樹脂層および低屈折率樹脂層の積層数は、光反射部45に要求される反射特性や透過特性に応じて調整される。例えば、高屈折率樹脂層と低屈折率樹脂層とは交互にそれぞれ30層以上積層することができ、それぞれ200層以上積層してもよい。また、高屈折率樹脂層および低屈折率樹脂層の総積層数は、例えば600層以上とすることができる。積層数が少なすぎると、十分な反射率が得られなくなる場合がある。また、積層数が上記範囲であることにより、所望の反射率を容易に得ることができる。
誘電体多層膜を構成する樹脂の多層膜は、少なくとも片面に厚み3μm以上のポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含有する表面層を有することが好ましい。とりわけ、誘電体多層膜を構成する樹脂の多層膜は、両面に上記表面層を有することが好ましい。また、表面層の厚みは5μm以上であることがより好ましい。上記表面層を有することにより、上記の樹脂の多層膜の表面を保護することができる。
誘電体多層膜を構成する樹脂の多層膜の製造方法としては、例えば、共押出法等が挙げられる。具体的には、特開2008-200861号公報に記載の積層フィルムの製造方法を参照することができる。
また、誘電体多層膜を構成する樹脂の多層膜としては、市販の積層フィルムを用いることができる。具体的には、東レ株式会社製のピカサス(登録商標)、3M社製のESR等を例示することができる。
ところで、光反射シート40での反射や透過に拡散性を付与してもよい。光反射シート40が、光反射部45とともに、光反射部45の光源23側に拡散部を含んでもよい。光反射シート40が、光反射部45とともに、光反射部45の光学シート50側に拡散部を含んでもよい。拡散部として、マット面を有した層や、レンズ層を用いることができる。レンズ層は、マイクロレンズやリニアアレイレンズを含んでもよい。
次に、光学シート50について説明する。光学シート50は、積層方向D3における光源23とは反対側から光反射シート40に積層されている。
上述したように、光反射シート40の反射特性は、入射角度依存性を有している。光反射シート40は、典型的には、低入射角度の光を反射し、積層方向D3に当該光の進行方向を折り返す。光反射シート40を透過した光の進行方向は、光反射シート40の反射特性および透過特性により、主として、積層方向D3に対して大きく傾斜した角度範囲内の方向となる。光学シート50は、光反射シート40の光反射部45での反射特性を補強または補完する。光学シート50は、この角度範囲のうちの積層方向D3に対する傾斜角度が小さくなる方向に進む光を選択的に反射する特性を付与される。光学シート50の選択反射機能により、光反射シート40の入射角度に依存した反射特性を強化および補完することができる。このような光学シート50及び光反射シート40の協働によって、照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
同様に、光学シート50は、光反射シート40を透過した光のうち、積層方向D3に対する傾斜角度が大きくなる方向に進む光を選択的に透過させる特性を付与される。更に、光学シート50は、光学シート50を透過する光の進行方向を、積層方向D3に対する傾斜角度が小さくなるように曲げる。このような光学シート50の集光機能により、光学シート50を透過した光に対する光路補正の負担が軽減され、光学シート50を透過した光の利用効率を改善できる。
具体的な構成として、光学シート50は、光反射シート40の側を向く凹凸面51を含んでいる。図8A及び図8Bに示された例において、光学シート50は、光反射シート40の側を向く凹凸面51と、光反射シート40とは反対側を向く平坦面と、を含んでいる。光学シート50は、入光側面50a及び出光側面50bを有している。このうち、入光側面50aが凹凸面51となっている。出光側面50bは平坦面となっている。光学シート50は、各々が凸部53または凹部54として形成された複数の単位光学要素55を含んでいる。単位光学要素55は、屈折や反射等によって光の進行方向を変化させる要素である。単位光学要素55は、単位形状要素、単位プリズム、単位レンズと呼ばれる要素を含む概念である。単位光学要素55は、光反射シート40に対面して設けられている。複数の単位光学要素55によって、凹凸面51が形成されている。
図8Aに示された光学シート50は、シート状の本体部52と、本体部52の光反射シート40側となる面に設けられた複数の凸部53と、を有している。図8Aに示された例において、複数の凸部53は、隙間無く隣接して設けられている。図8Bに示された光学シート50は、光反射シート40側となる面に複数の凹部54を設けられたシート状の本体部52を有している。図8Bに示された例において、複数の凹部54は、隙間無く隣接して設けられている。
図8A及び図8Bに示すように、単位光学要素55は、積層方向D3に対して傾斜した要素面56を有している。この要素面56によって単位光学要素55が画成されている。光学シート50の凹凸面51は、単位光学要素55の要素面56によって形成されるようになる。
光学シート50の光学特性は、単位光学要素55の要素面56の傾斜角度に影響を受ける。したがって、単位光学要素55の断面形状は、面光源装置20や光学部材30に要求される光学特性に基づいて、適宜調節され得る。例えば、一つの単位光学要素55に含まれる複数の要素面56の傾斜角度が互いに異なるようにしてもよいし、同一となるようにしてもよい。また、光学シート50が、形状及び向きの少なくとも一方において異なる単位光学要素55を含むようにしてもよいし、互いに同一の単位光学要素55のみを含むようにしてもよい。
また、図8A及び図8Bに示された例と異なり、要素面56がいくらか湾曲するようにしてもよい。或いは、単位光学要素55が、半球状等の球の一部分の外形状を有するようにしてもよいし、回転楕円体の一部分の外形状を有するようにしてもよい。単位光学要素55が曲面状の要素面56を含む場合には、反射や屈折により、光学シート50に入射する光の光路を種々の方向に曲げることができる。これにより、照度の面内分布をより効果的に均一化することができる。また、輝度角度分布の変化を効果的に滑らかにすることができる。
光学シート50に含まれる複数の単位光学要素55は、二次元配列されることが好ましい。この例によれば、光学シート50に含まれる単位光学要素55の要素面56は、種々の方向を向くことになる。結果として、光学シート50は、二次元配列された単位光学要素55によって、光を種々の方向に誘導することが可能となる。つまり、非平行な複数の方向へ光を誘導することができ、照度の面内分布を均一化できる。各単位光学要素55は、積層方向D3と平行な軸線を中心として回転対称に構成されていてもよい。例えば、各単位光学要素55は、積層方向D3を中心として3回転対称、4回対称又は6回対称に構成されていてもよい。
複数の単位光学要素55は、不規則に配列されていてもよいし、或いは、規則的に配列されてもよい。複数の単位光学要素55を規則的に配列することによって、光学シート50の設計を容易化できる。また、複数の単位光学要素55を規則的に配列することによって、単位光学要素55を隙間無く敷き詰めることが容易となる。
ところで、積層方向D3からの観察における単位光学要素55の寸法が大きいと、単位光学要素55の形状に起因した明るさのムラが視認されるようになる。このような不具合を防止する観点から、単位光学要素55の積層方向D3に垂直な方向への最大長さを、1.5mm以下とすることが好ましく、1mm以下とすることがより好ましく、0.5mm以下とすることが更に好ましい。これにともなって、単位光学要素55の配列ピッチを、0.01mm以上1.5mm以下とすることができる。更に、面光源装置20に適用した際に光学部材30の出光側面30b上での照度の面内分布を効果的に均一化する観点から、単位光学要素55の配列ピッチを、0.05mm以上1mm以下とすることが好ましく、0.1mm以上0.5mm以下とすることがより好ましい。また、単位光学要素55の積層方向D3への高さ又は深さを0.025mm以上0.5mm以下とすることが好ましく、0.05mm以上0.25mm以下とすることができる。
ここで、図9A~図12Bを参照して、光学シート50の複数の具体例について説明する。とりわけ図10及び図9Bに示す光学シート50は、後述するシミュレーションの対象となっている。
まず、図9A及び図9Bに示された例において、複数の単位光学要素55の配列は、正方配列となっている。複数の単位光学要素55は、第1方向D1に一定のピッチで配列されている。複数の単位光学要素55は、第2方向D2にも一定のピッチで配列されている。第1方向D1への配列ピッチと、第2方向D2への配列ピッチは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。図9A及び図9Bに示された例において、複数の単位光学要素55は隙間無く敷き詰められている。図示された例において、第1方向D1への配列ピッチと、第2方向D2への配列ピッチは、互いに同一で、0.1mmとなっている。図9A及び図9Bに示すように、単位光学要素55は、底面が正方形となる四角錐形状の凸部53又は凹部54として構成されている。
次に、図10に示された例において、複数の単位光学要素55の配列は、正方配列となっている。複数の単位光学要素55は、第1方向D1に対して±45°傾斜した二つの方向に一定のピッチで配列されている。各方向への配列ピッチは、同一であってもよいし異なっていてもよい。図示された例において、二つの方向への単位光学要素55の配列ピッチを、互いに同一で、0.1mmとすることができる。図10に示された光学シート50の単位光学要素55として、図9Bに示された四角錐形状の凸部53又は凹部54を採用することができる。この例によれば、要素面56が第1方向D1に対して±45°傾斜した二つの方向に向き、この二つの方向に光を広げることができる。なお、図9Bに示された単位光学要素55を採用した図10の光学シート50が、後述するシミュレーションの対象となっている。
図11A及び図11Bに示された例において、複数の単位光学要素55の配列は、正方配列となっている。複数の単位光学要素55は、第1方向D1に一定のピッチで配列されている。複数の単位光学要素55は、第2方向D2にも一定のピッチで配列されている。第1方向D1への配列ピッチと、第2方向D2への配列ピッチは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。図11A及び図11Bに示された例において、複数の単位光学要素55は隙間無く敷き詰められている。図示された例において、第1方向D1への配列ピッチと、第2方向D2への配列ピッチを、互いに同一で、0.1mmとすることができる。各単位光学要素55の積層方向D3への高さ又は深さを0.09mmとすることができる。
この例の単位光学要素55は、図11Bに示すように、円錐の底部を四方から切り取った形状の凸部53又は凹部54として構成されている。すなわち、図11Aに点線で示された円錐底面の直径よりも短い配置ピッチで当該円錐を配置し、第1方向D1及び第2方向D2に隣り合う円錐が重なる部分を切り取ることで、各単位光学要素55を作製している。これにより、図11A及び図11Bに示された例において、複数の単位光学要素55が隙間無く敷き詰められている。各単位光学要素55は、積層方向D3からの観察において、光を放射状に広げることができる。
図12A及び図12Bに示された例において、光学シート50は、互いに底面の向きが異なる二種類の単位光学要素55を有している。各種類の単位光学要素55は、第2方向D2と、第2方向に対して±60°傾斜した二つの方向と、に一定のピッチで配列されている。すなわち、二種類の単位光学要素55は、それぞれ、互いに対して60°傾斜した三つの方向のそれぞれに一定のピッチで配列されている。各方向への配列ピッチは、同一であってもよいし異なっていてもよいが、図示された例において、三つの方向への単位光学要素55の配列ピッチを、互いに同一としている。互いに底面の向きが異なる二種類の単位光学要素55は、底面の形状を互いに同一としている。底面の形状は共に正三角形となっており、一方の単位光学要素55を60°回転させると、他方の単位光学要素55と向きも同一となる。すなわち、図12A及び図12Bに示された例において、単位光学要素55は、底面が正三角形の三角錐形状の凸部53又は凹部54として構成されている。図示された例において、単位光学要素55の底面の一辺の長さを0.12mmとすることができる。各単位光学要素55の積層方向D3への高さ又は深さを0.08mmとすることができる。
図9A~図12Bに示された具体例において、単位光学要素55をなす錐体の頂点から底面への垂線は、いずれも、底面の重心を通過するようになっている。
なお、図9A~図12Bに示した具体例に限られず、複数の単位光学要素55は一方向に配列され、各単位光学要素55が一方向と非平行な方向に線状に延びるようにしてもよい。典型的には、各単位光学要素55が、一方向と直交する他方向に直線状に延びるようにしてもよい。すなわち、複数の単位光学要素55がリニア配列されていてもよい。また、複数の単位光学要素55をリニア配列した複数の光学シート50が、積層方向D3に積層されて、光学部材30に含まれるようにしてもよい。この例において、一つの光学シート50に含まれる単位光学要素55の配列方向が、他の光学シート50に含まれる単位光学要素55の配列方向と非平行となるようにしてもよく、とりわけ直交するようにしてもよい。リニア配列される単位光学要素55の配列ピッチを0.01mm以上1.5mm以下とすることが好ましく、0.05mm以上1mm以下とすることがより好ましく、0.1mm以上0.5mm以下とすることが更に好ましい。リニア配列される単位光学要素55の積層方向D3への高さ又は深さを0.005mm以上0.75mm以下とすることが好ましく、0.025mm以上0.5mm以下とすることがより好ましく、0.05mm以上0.25mm以下とすることが更に好ましい。リニア配列される単位光学要素55の長手方向に直交する断面での断面形状は、特に限定されない。単位光学要素55は、三角形形状、半円形状、半楕円形状等の断面形状を有するようにしてもよい。
以上の構成を有する光学シート50は、光の透過経路となっていることから、透明材料を用いて形成されていることが好ましい。例えば、光学シート50は、成型加工により、透明な樹脂材料から形成され得る。
次に、以上の構成を有する光学部材30を用いた面光源装置20で面状光を生成する際の作用について、主として、図13~図16を参照して、説明する。なお、図13~図15においては、矢印の方向に進む光の光量を当該矢印の太さで表している。図13~図15に示す例において、光反射シート40は光反射部45のみによって構成されている。
図13に示すように、まず、光源23から光LP1が射出する。図13~図16に示された例において、光源23は、青色光である波長450nmの光LP1を射出する。一般的な光源23を用いた場合、積層方向D3に向けて多量の光LP1が射出される。図示された例においても、光源23は、ランバーシアン配光で発光する。結果として、積層方向D3への輝度が最も高く、積層方向D3からの傾斜角度が大きくなるにつれて輝度が低下していく。図13に示すように、光源23から射出した光LP1は、光学部材30の光反射シート40に向かう。
光反射シート40の光反射部45は、0°の入射角で入射する光を80%以上の反射率で反射する。その一方で、光反射部45は、絶対値で45°よりも大きい少なくとも一部の入射角度で入射する光を50%未満の反射率で反射する。光反射部45は、典型的には、図7A及び図7Bに示された反射特性を有する。したがって、図14に示すように、光反射シート40は、積層方向D3に対して大きく傾斜しない方向に進む光を反射する。光反射シート40で反射した光LP2は、積層方向D3における進行方向を折り返す。すなわち、この光LP2は、支持基板25に向けて進む。その一方で、光反射シート40の光反射部45は、積層方向D3に対して非常に大きく傾斜した光LP3、LP4を選択的に透過させる。光反射シート40を透過した光LP3、LP4は、光学シート50に向かう。
光反射シート40で反射した光LP2は、図15に示すように、支持基板25の反射層27で反射する。反射層27での反射光LP5は、積層方向D3における進行方向を再度折り返す。すなわち、反射層27での反射光LP5は、光学部材30の光学シート50に再び向かう。図示された例において、支持基板25で反射した光LP5は、いくらか拡散している。したがって、反射光LP5が光反射シート40へ再入射した際、一部の光は光反射シート40を透過し得る。光反射シート40で再度反射された光は、再び、支持基板25に向かうことなる。
ここで、光LP5が光反射シート40で一度反射された後に光反射シート40へ再入射する位置は、光反射シート40への以前の入射位置よりも、積層方向D3に直交する方向において、光源23から離間している。一般に、直下型の面光源装置では、光源23に正対する位置とその周囲とを含む領域において、多量の光が積層方向に進んで明るくなりやすい。一方、入射角度の小さい光を選択的に反射するといった光反射シート40での反射特性により、光反射シート40は、この明るくなり易い領域において、入射角度の小さい光が多量に光反射シート40を透過することを効果的に防止できる。すなわち、光反射シート40の反射特性によって、光源23に正対する位置とその周囲とを含む領域での照度が高くなり過ぎることを抑制できる。
図15に示すように、光学シート50は、入射光LP3、LP4のうちの一部LP3を反射し、一部LP4を透過させる。本実施の形態の光学シート50は、光反射シート40の入射角度依存性を有した反射特性を補強または補完する。すなわち、光学シート50に入射する光は、光反射シート40での反射特性に起因して、積層方向D3に対して大きく傾斜した方向に進む。そして、光学シート50は、積層方向D3に対して大きく傾斜した角度範囲内の方向に進む光のうち、積層方向D3に対する傾斜角度が比較的小さい方向に進む光を選択的に反射する。逆に、光学シート50は、積層方向D3に対して大きく傾斜した角度範囲内の方向に進む光のうち、積層方向D3に対する傾斜角度が比較的大きき方向に進む光を選択的に透過させる。
図示された例において、光LP3及び光LP4は、共に、積層方向D3に対して大きく傾斜した方向に進んでいる。すなわち、光LP3及び光LP4の光学シート50への入射角度は大きくなっている。図15に示すように、このうち光学シート50への入射角度がより大きい光LP4は、光学シート50を透過する。一方、入射角度が比較的小さい光LP3は、光学シート50で反射する。光学シート50での反射光LP6は、積層方向D3における進行方向を折り返し、支持基板25へ向かう。この光LP6は、上述の反射光LP2と同様に、積層方向D3に直交する方向において光源23から離間した位置にて、光学部材30へ再入射することができる。
光学シート50を透過した透過光LP7は、光学シート50の出光側面50bによって構成された発光面20aから射出する。この光LP7は、そもそも積層方向D3に対して大きく傾斜した方向に進んでいたことから、積層方向D3に直交する方向において光源23から離間した位置にて面光源装置20から射出する。
同様にして、光学部材30及び支持基板25の反射層27で反射した光も、積層方向D3に直交する方向において光源23から離間した位置にて面光源装置20から射出できる。すなわち、光学部材30での反射特性により、光源23から射出した光を積層方向D3に直交する方向に効果的に広げることできる。これにより、明るさが不十分となりやすい光源から離間した領域での明るさを十分に確保することができる。
以上のようにして、光源23の存在に起因した明るさのむらを効果的に解消して、発光面20a上での照度を効果的に均一化することができる。とりわけ、光反射シート40の反射特性を光学シート50で補強または補完することによって、面光源装置20の薄型化を図りながら、積層方向D3に垂直な方向へ光を誘導することできる。結果として、面光源装置の薄型化を図りながら、光学部材30の出光側面30b上の各位置での照度を効果的に均一化すること、すなわち照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
ここで、図16を参照して、光反射シート40の反射特性を補強または補完する光学シート50の光学機能について更に詳述する。図16に示すように、本実施の形態による光学シート50は、入光側面50aとしての凹凸面51を含んでいる。光学シート50は、各々が凸部53又は凹部54として形成された複数の単位光学要素55を入光側に含んでいる。複数の単位光学要素55によって凹凸面51が形成されている。
図16に示すように、光反射シート40から光学シート50へ向かう光L161、L162の進行方向は、積層方向D3に対して大きく傾斜している。このような光L161、L162は、凹凸面51を形成する要素面56のうち、積層方向D3に対して当該進行方向と逆側に傾斜した要素面56に入射しやすくなる。
このうち、積層方向D3に対して比較的小さい角度をなす光L161は、逆側に傾斜した要素面56を通過して、他の要素面56に入射することなく、出光側面50bに向かいやすくなる。次に、この光L161は、出光側面50bにおいて反射する。反射光L161は、積層方向D3に対してその進行方向と逆側に傾斜した要素面56を介して、光学シート50から射出し得る。このようにして、光学シート50は、入射光のうちの積層方向D3に対する傾斜角度が比較的小さい方向に進む光L161を選択的に反射する選択反射特性を発揮する。
光学シート50での選択反射特性を照度の均一化により有効な特性とする観点から、出光側面50bでの反射は全反射であることが好ましい。光学用途で広く用いられている透明樹脂材料の屈折率を考慮すると、出光側面50bへの光L161の入射角度は45°より大きい場合に、出光側面50bでの全反射を引き起こしやすくなる。この観点から、光学シート50に入射する光の進行方向が、積層方向D3に対して45°より大きく傾斜していることが好ましい。したがって、光反射シート40から出射する出射光の出射角度も45°より大きいことが好ましい。そこで、45°以下の入射角度で入射する特定波長の光の光反射シート40での反射率が50%以上であることが好ましい。また、光反射シート40の出光側面40bでの輝度角度分布において、積層方向D3に対して45°をなす方向への輝度は、ピーク輝度の半分未満となっていることが好ましい。より好ましくは、出光側面40bでの輝度角度分布において、積層方向D3に対して45°以下をなす方向への輝度は、ピーク輝度の半分未満となっていることが好ましい。
ここで、出光側面40bでの輝度角度分布とは、光反射シート40よりも光学シート50側(観察者側)の構成要素を面光源装置20から取り除いた状態において光源23から光を射出して出光側面40b上で測定される各方向での輝度の分布である。一例として、図2に示された例においては、光学シート50と、二点鎖線で示された後述の波長変換シート71や反射型偏光板72と、を取り除いた状態で、光反射シート40の出光側面40b上で測定される各方向での輝度の分布である。輝度角度分布は、株式会社トプコム社製のMB8を用いて測定される。輝度角度分布を測定する際、輝度計から輝度計測定対象となる有効エリアまでの距離は、有効エリアの最大長さの50倍以上とする。輝度角度分布を測定する際、輝度計の見込み角度は2°とする。
また、出光側面50bでの全反射を期待する上で、光学シート50は、出光側面50bとして平坦面を有していることが好ましい。
一方、積層方向D3に対して比較的大きい角度をなす光L162は、その進行方向と積層方向D3を中心として逆側に傾斜した要素面56を通過して、当該要素面56に対向する他の要素面56に入射する。この光L162は、他の要素面56で全反射して進行方向を大きく曲げる。このとき、光L162の進行方向は、積層方向D3に対する角度が小さくなるように曲げる。したがって、この光L162は、出光側面50bで反射することなく、発光面20aから射出する。このようにして、光学シート50は、入射光のうちの積層方向D3に対する傾斜角度が比較的大きい方向に進む光L162を選択的に透過させる選択透過特性を発揮する。
このような光学シート50の選択反射特性および選択透過特性によって、光反射シート40の反射特性を補強または補完することができる。すなわち、光反射シート40及び光学シート50の組合せにより、光学部材30を透過し得る光の進行方向が積層方向D3に対してなす角度を効果的に拡大することができる。これにより、面光源装置20の薄型化を図りながら明るさの面内分布を十分に均一化することができる。
なお、光学シート50を透過する光L162は、要素面56で全反射して大きく進行方向を曲げる。この反射によって、光L162の進行方向は、積層方向D3に対して大きく傾斜した方向から、積層方向D3に対する角度が小さくなる方向に変化する。つまり、光L162の進行方向が積層方向D3に対してなす角度は、当該光L162の要素面56での反射によって、大幅に減少する。すなわち、光学シート50は、面光源装置20からの出射光を積層方向D3に集光する機能を発揮する。このような光学シート50の集光機能により、光学シート50を透過した光に対する光路補正の負担が軽減される。結果として、光学シート50を透過した光の利用効率を改善できる。また、光学部材の数量や厚みを低減することができ、面光源装置20の薄型化に寄与し得る。
ところで、図16に示すように、光学シート50に向かう光の一部L163は、積層方向D3に対してその進行方向と同じ側に傾斜した要素面56に入射する。このような現象は、光学シート50に入射する光のうち、積層方向D3に対して比較的小さい角度をなす方向に進む光L163に生じやすい。図16に示すように、この光L163の進行方向は、要素面56での屈折により、積層方向D3に対してなす角度が小さくなる。したがって、この光L163は、出光側面50bで反射することなく、出光側面50bを介して光学シート50から射出する。すなわち、このような積層方向D3に関して進行方向と同じ側に傾斜した要素面56に入射する光L163の存在は、光学シート50の選択反射特性および選択透過特性を鈍くする。逆に光学シート50の選択反射特性および選択透過特性を鋭くする観点から、このような現象を生じにくくさせることが好ましい。
このような観点から、光反射シート40からの出射角度に対して、要素面56の傾斜角度θsを小さく設定することが好ましい。ここで、要素面56の傾斜角度θsとは、図16に示すように、積層方向D3に対して要素面56がなす角度(°)のことである。傾斜角度θs(°)は、0°以上90°以下の角度値として特定される。上述したように、光反射シート40からの出射角度が45°より大きい光は、光学シート50の出光側面50bで全反射されやすくなる。この点から、要素面56の傾斜角度θsを45°以下、より好ましくは45°より小さくすることが好ましい。この例によれば、出光側面50bで全反射し得る光が、積層方向D3に対してその進行方向と同じ側に傾斜した要素面56に入射することを効果的に抑制することができる。
なお、要素面56が45°より小さい傾斜角度θsで積層方向D3に対して傾斜しているとの条件は、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θsによって満たされてもよい。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、上述した作用効果を十分に奏することができる。
別の例として、特定出射角度θx(°)を考慮して要素面56の傾斜角度θsを設定するようにしてもよい。特定出射角度θx(°)よりも傾斜角度θsを小さくすることが好ましい。ここで、特定出射角度θx(°)とは、光反射部45での特定波長の光の透過率が透過率の最大値の半分となる最小の入射角度θiで入射した光の光反射シート40からのピーク出射方向が積層方向D3に対してなす角度のことである。図5~図7Bに示された光学特性においては、最大透過率の半分の透過率が得られる最小の入射角度θiで光反射部45に入射した光についての、光反射シート40からのピーク出射方向が積層方向D3に対してなす角度と言える。また、ピーク出射方向とは、最も輝度が大きくなる方向を意味している。光反射シート40が透過光に対して拡散機能を発揮しない場合、特定出射角度θx(°)は、最大透過率の半分の透過率が得られる光反射部45での特定波長の光の最大透過率の半分の透過率が得られる最小の入射角度と同一の値となる。特定出射角度θx(°)とは、0°以上90°以下の角度値として特定される。このように設定することで、光反射シート40からの出射光のうち、出射角度が比較的に小さい出射光に対して、選択反射特性を有効に機能させて、光学シート50の出光側面50bで反射することができる。
なお、要素面56の傾斜角度θsを特定出射角度θxより小さくするとの条件は、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θsによって満たされてもよい。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、上述した作用効果を十分に奏することができる。
さらに別の例として、光反射シート40の出光側面40bでの輝度角度分布を考慮して、要素面56の傾斜角度θsを設定するようにしてもよい。輝度角度分布の半値角度θhよりも傾斜角度θsを小さくすることが好ましい。ここで、光反射シート40の出光側面40bでの輝度角度分布とは、光反射シート40よりも光学シート50側(観察者側)の構成要素を面光源装置20から取り除いた状態において光源23から光を射出して出光側面40b上で測定される各方向での輝度の分布である。この輝度角度分布の一例を図32に示す。ここでいう半値角度θhは、輝度角度分布におけるピーク輝度の半分の輝度が得られる方向が積層方向D3に対してなす角度の大きさ(絶対値)のうちの最小値である。出光側面40bでのピーク輝度は、光反射シート40の光反射部45での選択透過特性から、比較的大きな角度、例えば45~60°あたりに生じ得る。そして、ここでいう半値角度とは、このピーク出射方向と積層方向D3との間となる方向が積層方向D3に対してなす角度となる。この半値角度θh(°)は、0°以上90°以下の角度値として特定される。このように設定することで、光反射シート40からの出射光のうち、出射角度が比較的に小さい出射光に対して、選択反射特性を有効に機能させて、光学シート50の出光側面50bで反射することができる。
なお、要素面56の傾斜角度θsを半値角度θhより小さくするとの条件は、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θsによって満たされてもよい。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、上述した作用効果を十分に奏することができる。
また、選択反射特性を照度の均一化により有効な特性とする観点から、出光側面50bでの反射は全反射であることが好ましい。このため、上述したように、光反射シート40からの出射光の出射角度は、45°よりも大きいことが好ましい。ただし、光が要素面56を介して入射する際に、当該要素面56での屈折によって光の進行方向が大きく変化すると、期待した全反射が得られないことも想定される。一方、光の出射角度の大きさと、当該光の入射面となる要素面56の傾斜角度θsの大きさと、の和が90°である場合、当該光は要素面56を通過する際に進行方向を維持する。そして、本件発明者が鋭意検討を重ねたところ、光の出射角度の大きさと、当該光の入射面となる要素面56の傾斜角度θsの大きさと、の和を80°以上100°以下とすることで、当該光の出光側面50bでの全反射を効果的に促進できることが確認された。
例えば、上述した特定出射角度θx(°)と要素面56の傾斜角度θs(°)との和を80°以上100°以下とすることが好ましい。また、上述した半値角度θh(°)と要素面56の傾斜角度θs(°)との和を80°以上100°以下とすることが好ましい。これらの例によれば、光反射シート40からの出射光のうち、出射角度が比較的に小さい出射光に対して、選択反射特性を有効に機能させて、光学シート50の出光側面50bで全反射させることができる。
なお、要素面56の傾斜角度θsと特定出射角度θx又は半値角度θhとの和を80°以上100°以下とするとの条件は、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θsによって満たされてもよい。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、上述した作用効果を十分に奏することができる。
なお、要素面56の傾斜角度θs(°)を45°以下とすることで、出光側面50bでの全反射を促進して、光学シート50の選択反射特性を鋭くすることができる。一方、傾斜角度θs(°)を小さくし過ぎると、一の要素面56を通過した光は、当該一の要素面56と対向する他の要素面56に入射しやすくなる。図16に示すように、このような光L162は、積層方向D3に大きく傾斜しない方向に進み、出光側面50bで反射されることなく、光学シート50から射出する。この点、本件発明者が鋭意検討を重ねたところ、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θs(°)を25°よりも大きくすることが好ましく、30°よりも大きくすることがより好ましいことが確認された。なお、要素面56の傾斜角度θsの下限値を定める上述の条件は、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θsによって満たされてもよい。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、上述した作用効果を十分に奏することができる。
以上において、図16に示された例を参照して光学部材30に作用効果について説明した。図16に示された例において、単位光学要素55は凸部53として構成されているが、凹部54として構成された単位光学要素55も同様の作用効果を奏することができる。
ここで、本件発明者らが行ったシミュレーション結果について説明する。シミュレーションの対象は、サンプル1~15に係る面光源装置とした。シミュレーションは、Synopsys社製のLightToolsによる光線追跡シミュレーションを実施した。
シミュレーション対象として、サンプル1~15の構成について説明する。表1は、サンプル1~15の概要を示している。
サンプル1~15に係る面光源装置20は、光源23と、光源23を支持する支持基板25と、光源23及び支持基板25と積層方向D3に対面して配置された光学部材30と、を有するようにした。サンプル1~15の間で、光源23、支持基板25、光学部材30に含まれる光反射シート40は、共通とした。光源23は、波長450nmの光を発光する発光ダイオードを支持基板25上に一つ配置した。支持基板25の反射層27の表面での反射は、反射率100%の一部拡散反射として。光源23の光学部材30に対面する面から光学部材30の光源23に対面する入光側面30aまでの積層方向D3に沿った距離DX(図2参照)を0.5mmとした。光反射シート40は、図7A及び図7Bに示す反射特性及び透過特性を有する誘電体多層膜とした。
実施例としてのサンプル1~12に係る面光源装置20において、光学部材30は、光反射シート40及び光学シート50を、光源23及び支持基板25の側からこの順番で有するようにした。光学シート50は、単位光学要素55によって形成された凹凸面51が光反射シート40に対面するようにして、配置した。光学シート50をなす材料の屈折率を1.59とした。
サンプル1~11については、図9Bに示された単位光学要素55を図10に示すように配列した光学シート50を用いた。単位光学要素55は、底面が正方形形状となる四角錐とした。四角錐の底面をなす正方形の一辺を0.1mmとした。単位光学要素55を隙間無く配列した。サンプル1~9において、単位光学要素55は凸部53とした。サンプル1~9において、要素面56の傾斜角度θsを互いに異なる角度に設定した。具体的には、表1に示すように、サンプル1~9の傾斜角度θsを、それぞれ、70°、60°、55°、50°、45°、40°、35°、30°、25°とした。サンプル10の単位光学要素55は、サンプル5の単位光学要素と同一構成の単位光学要素を凹部54として用いた。サンプル11の単位光学要素55は、サンプル6の単位光学要素と同一構成の単位光学要素を凹部54として用いた。
サンプル12において、光学シート50は、リニア配列された単位光学要素55を有するようにした。複数の単位光学要素55を、0.1mmの配列ピッチで隙間無く配置した。単位光学要素55は、配列方向に沿った断面において、直角二等辺三角形状を有するようにした。したがって、光学シート50の要素面56の傾斜角度θsを45°とした。サンプル12では、単位光学要素55が第1方向D1に配列されるようにした。
サンプル13に係る面光源装置20は、比較例として、サンプル1~12から光学シート50を省いた構成を採用した。
サンプル14に係る面光源装置20は、比較例として、サンプル5に係る面光源装置20において光学シート50の積層方向D3における向きを逆とした。つまり、サンプル14において、単位光学要素55は光反射シート40とは反対側に向くようにした。光学シート50の積層方向D3における向きを除き、サンプル14は、サンプル5と同様に構成した。
サンプル15に係る面光源装置20は、比較例として、サンプル12に係る面光源装置20において光学シート50の積層方向D3における向きを逆とした。つまり、サンプル15において、単位光学要素55は光反射シート40とは反対側に向くようにした。光学シート50の積層方向D3における向きを除き、サンプル12は、サンプル8と同様に構成した。
サンプル1~15について、光源23を発光した状態で、光学シート50の光反射シート40に対面する面から1mm離間した位置に第1方向D1及び第2方向D2に広がる仮想面としての受光面を設定し、この受光面上の各位置での照度をシミュレーションした。照度の計算は、光源23が中心となる第1方向D1に6mm及び第2方向D2に6mmの長さを有する受光面上の領域とした。つまり、積層方向D3への投影において、6mm×6mmの面積を有した受光面の中心に光源23が位置するようにした。サンプル1~15に係る面光源装置20について計算された受光面上での照度の面内分布を、それぞれ、図17~図31に示す。
図17~図31は、6mm×6mmの面積を有した受光面上での照度の面内分布を示す図を含んでいる。また、図17~図31は、受光面上の第3方向D3に光源23と対面する位置を通過する第1方向D1に沿った直線上となる各位置での照度分布を示すグラフを含んでいる。さらに、図17~図31は、光面上の第3方向D3に光源23と対面する位置を通過する第2方向D2に沿った直線上となる各位置での照度分布を示すグラフを含んでいる。面内分布を示す図では、受光面上となる各位置での照度を色によって表現しており、色が薄い位置における照度が高くなっていた。また、面内分布を示す図には受光面での位置を示す目盛が設けられており、光源からの距離がmmの単位で示されている。図17~図31に示された結果は、各サンプル内の各位置での相対照度を示しており、異なるサンプル間での照度を比較していない。
シミュレーション結果によれば、サンプル1~12は、サンプル13~15と比較して、照度の面内分布を均一化させることができた。サンプル3~7、10、11は照度の面内分布を顕著に均一化させることできた。このうち、サンプル6、7及び11での照度分布がより均一化されていた。なお、シミュレーション対象とした光反射シート40を構成する光反射部45の上述した特定出射角度θxは45°であった。シミュレーション対象とした面光源装置20について上述した光反射シート40の出光側面40bでの輝度角度分布の半値角度θhは45°であった。すなわち、特定出射角度θx又は半値角度θhとの和が80°以上100°以下となる傾斜角度θsは35°以上55°以下であり、この傾斜角度θを有するサンプル3~7、10、11について照度の面内分布を顕著に均一化させることができた。特に、特定出射角度θx又は半値角度θhよりも小さい35°又は40°の傾斜角度θsを有したサンプル6、7及び11についての照度分布をより均一化させることができた。
サンプル5及びサンプル10は、照度の面内分布の均一化において同等であった。同様に、サンプル6及びサンプル11は、照度の面内分布の均一化において同等であった。サンプル12は、サンプル15と比較して、照度の面内分布を顕著に均一化させることができた。
以上に説明してきた一実施の形態において、光学部材30は、光反射シート40及び光学シート50をこの順で有している。光反射シート40は光反射部45を有している。0°の入射角度で入射する特定波長の光の光反射部45での反射率が0°より大きい或る入射角度で入射する特定波長の光の反射率より大きい。光学シート50は、光反射シート40の側を向く凹凸面51を含んでいる。光学シート50は、各々が凸部53又は凹部54として形成された複数の単位光学要素55を光反射シート40の側に含んでいる複数の単位光学要素55によって凹凸面51が形成されている。
この一実施の形態による光学部材30を面光源装置20に適用した場合、光源23からの光は、まず、光反射シート40に入射する。光反射シート40に入射した光の一部は光反射シート40の光反射部45で反射される。ここで、光反射シート40の光反射部45は、入射角度の小さい光を選択的に反射し、入射角度の大きい光を選択的に透過させる。光源23に正対する位置とその周囲とを含む領域では、多量の光が積層方向D3に進む傾向が生じる。光反射シート40は、この領域において、入射角度の小さい光が多量に光反射シート40を透過することを効果的に防止できる。光反射シート40の光反射部45での反射特性によって、光源23に正対する位置とその周囲とを含む領域での照度が高くなり過ぎることを抑制できる。
一方、光反射シート40を透過した光は、積層方向D3に対して大きく傾斜した方向に進んで光学シート50に向かう。光学シート50に入射した光のうちの、積層方向D3に対する傾斜角度の小さい光L161(図16参照)は、光学シート50の出光側面50bにおいて、反射する。出光側面50bは平坦面としてもよい。とりわけ光学シート50の平坦面での反射は、反射損失の生じない全反射となり得る。すなわち、光学シート50は、光反射シート40の光反射部45の反射特性を補強または補完する。この光学シート50の光学特性により、光源23に正対する位置とその周囲とを含む領域での照度が高くなり過ぎることを更に効果的に抑制できる。
光学シート50に入射した光のうちの、積層方向D3に対する傾斜角度の小さい光は、単位光学要素55の一つの要素面56を通過した後、当該一つの要素面56に対向する他の一つの要素面56に入射する。この光L162(図16参照)は他の一つの要素面56で反射して、積層方向D3に対してなす角度を小さくなるように進行方向を曲げる。このように光学シート50に入射した光を要素面56で反射することにより、光学シート50を透過する光は積層方向D3に集光される。光学シート50での集光作用により、光学シート50を透過した光の利用効率を向上させることができる。
光反射シート40や光学シート50で反射した光は、光源基板22の反射層27で反射して、再度光学部材30に入射し得る。このときの光学部材30への入射位置は、その前における光学部材30への入射位置と比較して、積層方向D3に直交する方向において光源23から離間するようになる。このようにして、光反射シート40や光学シート50での反射により、光源23から射出した光を積層方向D3に直交する方向に効果的に広げることできる。これにより、光源23の存在に起因した明るさのむらを効果的に解消できる。すなわち光源23の像を効果的に目立たなくさせることができる。とりわけ、光反射シート40の光反射部45での反射特性を光学シート50で補強または補完することによって、面光源装置20の薄型化を図りながら、積層方向D3に垂直な方向へ光を誘導することできる。結果として、面光源装置20の薄型化を図りながら、光学部材30の出光側面30b上の各位置での照度を効果的に均一化すること、すなわち照度の面内分布を効果的に均一化することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、単位光学要素55は凹凸面51を形成する要素面56を含んでいる。要素面56は、45°より小さい傾斜角度θsで積層方向D3に対して傾斜している。なお、要素面56が45°より小さい傾斜角度θsで積層方向D3に対して傾斜しているとは、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θsがこの条件を満たすことを意味している。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、次に説明する作用効果を十分に奏することができる。この具体例によれば、積層方向D3に対して45°以上傾斜した方向に進む光が積方方向D3に対してその進行方向とは同じ側に傾斜した要素面に入射することを抑制できる。つまり、積層方向D3に対して45°以上傾斜した方向に進む光は、当該光の進行方向とは逆側に積方方向D3に対して傾斜した要素面56を介して光学シート50へ入射し得る。この光は、光学シート50への入射時に、要素面56での屈折によって大きく進行方向を変化させない。これにより、積層方向D3に対して45°以上傾斜した方向に進む光の、光学シート50の出光側面50bにおいて反射、とりわけ全反射を効果的に促進することができる。結果として、上述した光学シート50での光学機能がより効果的に発揮され、照度の面内分布を効果的に均一化させることができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、要素面56は、特定出射角度θx(°)より小さい傾斜角度θsで積層方向D3に対して傾斜している。ここで、特定出射角度θx(°)とは、光反射部45での特定波長の光の透過率が最大値の半分となる最小の入射角度で光反射部45に入射した光の光反射シート40からのピーク出射方向が、積層方向D3に対してなす角度である。なお、要素面56は特定出射角度θx(°)より小さい傾斜角度θsで積層方向D3に対して傾斜しているとは、要素面56の少なくとも一部の領域がこの条件を満たすことを意味している。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、次に説明する作用効果を十分に奏することができる。この具体例によれば、ピーク出射方向に進む光は、当該光の進行方向とは逆側に積層方向D3に対して傾斜した要素面56に向かい易くなる。ここでピーク出射方向は、光反射シート40を透過した光の出射角度範囲のうちの、積層方向D3に対して大きく傾斜していない方向となる。したがって、光反射シート40からの出射光の多くが、当該光の進行方向とは逆側に積方方向D3に対して傾斜した要素面56を介して光学シート50へ入射する。このため、上述した光学シート50での光学機能がより効果的に発揮され得る。すなわち、積層方向D3に対する傾斜角度の小さい光を、光学シート50の出光側面50bにおいて高い割合で反射することができる。また、光学シート50を透過する光を積層方向D3に効果的に集光できる。結果として、上述した光学シート50での光学機能がより効果的に発揮され、照度の面内分布を効果的に均一化させることができる。また、光の利用効率を改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、要素面56は、光反射シート40の出光側面40bでの輝度角度分布の半値角度θhよりも小さい傾斜角度θsで積層方向D3に対して傾斜している。ここで、光反射シート40の出光側面40bでの輝度角度分布とは、光反射シート40よりも光学シート50側(観察者側)の構成要素を面光源装置20から取り除いた状態において光源23から光を射出して出光側面40b上で測定される各方向での輝度の分布である。半値角度θhは、輝度角度分布におけるピーク輝度の半分の輝度が得られる方向が積層方向D3に対してなす角度の大きさの最小値である。なお、要素面56は光反射シート40の出光側面40bでの輝度角度分布の半値角度θhよりも小さい傾斜角度θsで積層方向D3に対して傾斜しているとは、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θsがこの条件を満たすことを意味している。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、次に説明する作用効果を十分に奏することができる。この具体例によれば、積層方向D3に対して半値角度θhだけ傾斜した方向に進む光は、当該光の進行方向とは逆側に積層方向D3に対して傾斜した要素面56に向かい易くなる。ここで、積層方向D3に対して半値角度θhだけ傾斜した方向は、光反射シート40を透過した光の出射角度範囲のうちの、積層方向D3に対して大きく傾斜していない方向となる。したがって、光反射シート40からの出射光の多くが、当該光の進行方向とは逆側に積方方向D3に対して傾斜した要素面56を介して光学シート50へ入射する。このため、上述した光学シート50での光学機能がより効果的に発揮され得る。すなわち、積層方向D3に対する傾斜角度の小さい光を、光学シート50の出光側面50bにおいて高い反射率で反射することができる。また、光学シート50を透過する光を積層方向D3に効果的に集光できる。結果として、上述した光学シート50での光学機能がより効果的に発揮され、照度の面内分布を効果的に均一化させることができる。また、光の利用効率を改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、上述の特定出射角度θxと要素面56の傾斜角度θsとの和を80°以上100°以下としている。なお、特定出射角度θxと要素面56の傾斜角度θsとの和を80°以上100°以下としているとは、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θsがこの条件を満たすことを意味している。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、次に説明する作用効果を十分に奏することができる。この具体例によれば、ピーク出射方向に進む光の要素面56への入射角度を小さくできる。具体的には、ピーク出射方向に進む光は、10°以下の入射角度で要素面56に入射できる。このような光は、要素面56での屈折により大きく進行方向を変化させることなく、光学シート50へ入射できる。ここでピーク出射方向は、光反射シート40を透過した光の出射角度範囲のうちの、積層方向D3に対する傾斜角度が比較的小さい方向となる。そして、このような光は、進行方向を変化させることなく光学シート50内を進み、出光側面50bに到達しやすくなる。結果として、積層方向D3に対する傾斜角度θsの小さい光を、光学シート50の出光側面において、高い反射率で反射させることができる。出光側面50bを平坦面とすることによって、反射効率をより高めることができる。出光側面50bでの反射を、とりわけ全反射させることも可能となる。
上述した一実施の形態の一具体例において、上述の光反射シート40の出光側面40bでの輝度角度分布の半値角度θhと、要素面56の傾斜角度θsとの和を80°以上100°以下としている。なお、光反射シート40の出光側面40bでの輝度角度分布の半値角度θhと、要素面56の傾斜角度θsとの和を80°以上100°以下としているとは、要素面56の少なくとも一部の領域における傾斜角度θsがこの条件を満たすことを意味している。すなわち、要素面56の全領域においてこの条件が満たされる必要はない。好ましくは、要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされる。要素面56の70%以上の領域でこの条件が満たされることにより、次に説明する作用効果を十分に奏することができる。この具体例によれば、半値角度θhが得られる方向に進む光の要素面56への入射角度を小さくできる。具体的には、半値角度θhが得られる方向に進む光は、10°以下の入射角度で要素面56に入射できる。このような光は、要素面56での屈折により大きく進行方向を変化させることなく、光学シート50へ入射できる。ここでピーク出射方向は、光反射シート40を透過した光の出射角度範囲のうちの、積層方向D3に対する傾斜角度が比較的小さい方向となる。そして、このような光は、進行方向を変化させることなく光学シート50内を進み、出光側面50bに到達しやすくなる。結果として、積層方向D3に対する傾斜角度θsの小さい光を、光学シート50の出光側面において、高い反射率で反射、とりわけ全反射させることができる。
一実施の形態を複数の具体例を参照しながら説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
例えば、図2に二点鎖線で示すように、面光源装置20は、光源23、支持基板25及び光学部材30に加えて、更に他の部材を有することができる。面光源装置20に追加される他の部材として、波長変換シート71や反射型偏光板72等を例示することができる。波長変換シート71は、例えば蛍光体を有し、光源23からの光を吸収して、吸収した光の波長とは異なる波長の光を射出する。例えば、光源23が青色光を射出し、波長変換シート71が青色光の一部を赤色光および緑色光に変換するようにしてもよい。この例によれば、光反射シート40の反射特性を限られた波長域の光に対して調整すればよいので、光学シート50の光学特性に対応した理想的な反射特性を光反射シート40に付与しながら、面光源装置20として白色の面状光を生成することができる。さらに、反射型偏光板72は、表示パネル15で利用可能な直線偏光成分の光のみを透過し、表示パネル15で利用不可能な直線偏光成分の光を反射する。反射型偏光板で反射された光の偏光成分は、その後の光路における反射等によって、表示パネル15で利用可能な偏光成分に変化することができる。また、光学部材30は、表示パネル15と接合された部材を含むようにしてもよい。すなわち、光学部材30のうちの最も出光側に位置する部材が、表示パネル15と接合されていてもよい。