本開示の一実施の形態は、次の[1]~[20]に関する。
[1] 0°より大きい或る入射角で入射する特定波長の光の透過率が0°の入射角で入射する特定波長の光の透過率より大きい選択透過シートと、
前記選択透過シートと接合した接合層と、
前記接合層と接合した光学シートと、を備える、光学部材。
[2] 前記光学シートは、一次光を吸収して波長の異なる二次光を放出する波長変換剤を含む、[1]の光学部材。
[3] 前記選択透過シート、前記接合層、前記光学シートは、前記光学部材に入射する光を放出する光源からこの順番で、配置されている、[2]の光学部材。
[4] 前記光学シートと接合した第2接合層と、前記第2接合層と接合した第2光学シートと、を更に備え、
前記光学シートは、前記選択透過シート及び前記第2光学シートの間に位置する、[3]の光学部材。
[5] 記光学シートと接合した第2光学シートを更に備える、[3]の光学部材。
[6] 前記第2光学シートは、前記第2接合層と接合したシート状の本体部と、前記本体部に設けられた単位光学要素と、を含む、[4]又は[5]の光学部材。
[7] 前記光学シートは、凹凸面と、前記凹凸面に対向する平坦面と、を含み、
前記光学シートは、前記平坦面において前記接合層に接合している、[3]の光学部材。
[8] 前記光学シートは、第1の樹脂層と、前記波長変換剤を含む波長変換層と、第2の樹脂層と、を含み、
前記波長変換層は、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層の間に位置し、
前記光学シートは、前記第1の樹脂層において前記接合層と接合し、
前記第2の樹脂層は、前記凹凸面を含む、[7]の光学部材。
[9] 前記選択透過シートに接合した光拡散部を、更に備え、
前記選択透過シートは、前記光学シートおよび前記光拡散部の間に位置し、
前記光拡散部は、凹凸面と、前記凹凸面に対向する平坦面と、を含み、
前記光拡散部は、前記平坦面において前記選択透過シートに接合している、[3]~[8]のいずれかの光学部材。
[10] 前記光学シート、前記接合層、前記選択透過シートは、前記光学部材に入射する光を放出する光源から、この順番で、配置されている、[2]の光学部材。
[11] 前記光学シートと接合した第2接合層と、前記第2接合層と接合した第2光学シートと、を更に備え、
前記光学シートは、前記選択透過シート及び前記第2光学シートの間に位置する、[10]の光学部材。
[12] 前記第2光学シートは、前記第2接合層と接合したシート状の本体部と、前記本体部に設けられた単位光学要素と、を含む、[11]の光学部材。
[13] 前記選択透過シートに接合した光拡散部を、更に備え、
前記選択透過シートは、前記光学シートおよび前記光拡散部の間に位置し、
前記光拡散部は、凹凸面と、前記凹凸面に対向する平坦面と、を含み、
前記光拡散部は、前記平坦面において前記選択透過シートに接合している、[10]~[12]のいずれかの光学部材。
[14] 前記一次光の波長は、前記二次光の波長より短い、[2]~[13]のいずれかの光学部材。
[15] 前記一次光は、前記特定波長の光を含む、[2]~[14]のいずれかの光学部材。
[16] 前記接合層の屈折率は1.3以上である、[1]~[15]のいずれかの光学部材。
[17] 前記特定波長は、430nm以上500nm以下である、[1]~[16]のいずれかの光学部材。
[18] [1]~[17]のいずれかの光学部材と、
前記光学部材に対面して配置された光源と、を備える、面光源装置。
[19] 前記光源は、青色光を放出する、[18]の面光源装置。
[20] [18]又は[19]の面光源装置を備える、表示装置。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、一部の図において示された構成等が、他の図において省略され得る。
本明細書において、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に限定されることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
本明細書において、「シート」、「フィルム」及び「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて互いから区別されない。例えば「光学シート」は、光学フィルム又は光学板と呼ばれる部材等と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
本明細書において、シート状(シート状、板状)の部材の法線方向とは、対象となるシート状(フィルム状、板状)の部材のシート面への法線方向のことを指す。「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状(フィルム状、板状)の部材を全体的且つ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(フィルム状部材、板状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面は、共通する符号を付した矢印により第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3を共通する方向として示す。矢印の先端側が、各方向の一側である。例えば図2に示すように、円の中に×を設けた記号は、図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を示す。例えば図3Aに示すように、円の中に点を設けた記号は、図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面から手前に向かう矢印を示す。
図1~図24は、一実施の形態を説明するための図である。図1は、光学部材30の一適用例としての面光源装置20及び表示装置10を概略的に示す斜視図である。表示装置10は、例えば動画、静止画、文字情報、或いはこれらの組み合わせで構成された映像を表示してもよい。表示装置10は、室内又は屋外において、広告、プレゼンテーション、テレビジョン映像、各種情報の表示等、様々の用途に使用してもよい。表示装置10は、例えば車載用の液晶表示装置として用いてもよい。図1に示された表示装置10は、発光面20aを有する面光源装置20と、発光面20aに対面する表示パネル15と、を有している。
図2は、面光源装置20の一具体例を示す縦断面図である。図2に示すように、面光源装置20は、主要な構成要素として、光源23と、光源23から放出された光の光路を調整する光学部材30と、を有している。光学部材30は、光源23に正対して配置されている。すなわち、光学部材30は、シート状の部材である。光学部材30は、その法線方向に、光源23と対面している。光学部材30は、光源23から放出された光を拡散する拡散部材である。光学部材30は、光源23の存在に起因した明るさのむらを効果的に解消できる。光学部材30での拡散によって、光学部材30の出光側面30b上の各位置での照度、或いは、出光側面30bの近傍に位置する出光側面30bと平行な仮想の受光面上の各位置での照度が均一化され得る。とりわけ、本実施の形態で説明する光学部材30には、光源23から放出される光の利用効率を改善する工夫がなされている。
以下の説明で用いる「光利用効率」とは、光源23から放出される光の利用効率を意味する。
以下、一実施の形態における表示装置10、面光源装置20及び光学部材30について、図示された具体例を参照しながら、説明する。
まず、表示装置10の表示パネル15ついて説明する。図1に示すように、表示パネル15は、第3方向D3に面光源装置20と重ねられる。表示パネル15は、面光源装置20の発光面20aに対面して配置されている。表示パネル15は、第3方向D3における面光源装置20とは反対側を向く面として、映像が表示される表示面15aを有している。図示された例において、表示パネル15は、平板状である。表示パネル15は、第3方向D3に直交す第1方向D1及び第2方向D2に広がっている。表示パネル15は、第3方向D3から観察して、矩形形状に形成されている。
表示パネル15は、例えば透過型の液晶表示パネルとして構成される。面光源装置20から入射した光の一部が、液晶表示パネルとしての表示パネル15透過することによって、表示面15aに映像が表示される。表示パネル15は、液晶材料を有する液晶層を含んでいる。表示パネル15の光透過率は、液晶層に印加される電界の強度に応じて変化する。
次に、面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状の光を放出する発光面20aを含んでいる。面光源装置20は、直下型のバックライトとして構成されている。面光源装置20は、光源23及び光学部材30を有している。第3方向D3への投影において、光学部材30と重なる領域内に光源23が設けられている。
図2に示された面光源装置20は、光源23を含む光源基板22、第3光学シート80及び反射型偏光板85を含んでいる。光源基板22、光学部材30、第3光学シート80及び反射型偏光板85は、この順で第3方向D3に重ねられている。図示された例において、光学部材30、第3光学シート80及び反射型偏光板85によって、光学組合せ体90が構成されている。光学組合せ体90は、光源23に対面して配置され、光源23とともに面光源装置20を構成する。光源基板22、光学部材30、第3光学シート80及び反射型偏光板85は、シート状である。光源基板22、光学部材30、第3光学シート80及び反射型偏光板85は、第1方向D1及び第2方向D2に広がっている。
光学部材30は、選択透過シート50と、選択透過シート50と接合した接合層31と、接合層31と接合した光学シート60と、を有している。選択透過シート50、第1接合層31及び光学シート60は、この順で第3方向D3に重ねられている。第3方向D3において、接合層31は、選択透過シート50及び光学シート60の間に位置している。
図示された光学部材30は、光拡散部40、第2接合層32及び第2光学シート70を更に有している。光拡散部40、選択透過シート50、第1接合層31、第1光学シート60、第2接合層32、及び第2光学シート70は、この順で第3方向D3に重ねられている。光拡散部40、選択透過シート50、第1接合層31、第1光学シート60、第2接合層32、及び第2光学シート70は、シート状である。光拡散部40、選択透過シート50、第1接合層31、第1光学シート60、第2接合層32、及び第2光学シート70は、第1方向D1及び第2方向D2に広がっている。第3方向D3に隣り合う構成要素は互いに接合されている。すなわち、光学部材30は、互いに接合された複数の構成要素を有している。光学部材30は、一体的に取り扱われる。
第1光学シート60は、第2光学シート70と区別するため、第1光学シート60とも呼ばれる。接合層31は、第2接合層32と区別するため、第1接合層31とも呼ばれる。
図示された例において、表示パネル15の法線方向、表示面15aの法線方向、発光面20aの法線方向、光学部材30の法線方向、光学部材30に含まれる光拡散部40、選択透過シート50、第1接合層31、第1光学シート60、第2接合層32、第2光学シート70、第3光学シート80及び反射型偏光板85の各々の法線方向、光源基板22の法線方向は、互いに平行である。図示された例において、これらの法線方向は、第3方向D3と一致する。
光源基板22は、光源23及び支持基板25を含んでいる。図示された例において、光源基板22は、第3方向D3からの観察において矩形形状を有している。
光源23は、光を射出する発光素子を有する。発光素子として、LEDと表記される発光ダイオードを用いてもよい。発光ダイオードの寸法は特に限定されない。光源23の像を目立たなくさせる観点から、小型の発光ダイオード、例えばミニLEDやマイクロLEDを用いてもよい。具体的には、図3Aに示された第3方向D3からの観察において四角形形状を有する光源23の一辺の長さWL1,WL2を、0.5mm以下としてもよく、0.2mm以下としてもよい。
光源23の発光波長は、面光源装置20の用途に応じて適宜選択され得る。光源23から放出された光は、一次光LAとして後述の波長変換剤65に吸収される。したがって、光源23の発光波長は、波長変換剤65の光学特性に応じて適宜選択され得る。図示された例において、光源23は、青色光を放出する。光源23の波長は、430nm以上500nm以下としてもよい。
光源23は、一例として、発光素子のみによって構成されてもよい。他の例として、光源23は、発光素子に加え、発光素子からの配光を調節するカバーやレンズ等の光学要素を含んでもよい。
光源23の配光特性は、特に限定されない。光源23の配光特性として、典型的にはランバーシアン配光を採用してもよい。その一方で、第3方向D3に光軸が沿っている光源23の発光光度分布において、第3方向D3以外の方向にピーク光度が得られるようにしてもよい。例えば、特許文献1(JP6299811B)に開示されたバッドウイング配光を、光源23が有してもよい。
図示された面光源装置20のように、光源基板22は複数の光源23を含んでもよい。光源23の数量は、面光源装置20の用途や発光面20aの面積等に応じて適宜選択される。光源23の配置に起因した明るさのむらを解消する観点から、面光源装置20に含まれる複数の光源23は、第3方向D3に垂直な面上において、規則的に配置されてもよい。光源23の規則的な配置の一例として、ハニカム配列や正方配列を採用してもよい。ハニカム配列において、互いに60°傾斜する三つの方向のそれぞれに一定のピッチで光源23が配置され得る。正方配列において、互いに直交する二つの方向のそれぞれに一定のピッチで光源23が配置され得る。
図3Aに示された例において、複数の光源23は正方配列にて配置されている。図3Aに示された例において、複数の光源23は、互いに直交する第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれに一定のピッチで配置されている。図示された例において、第1方向D1への配置ピッチPL1及び第2方向D2への光源23の配置ピッチPL2は同一となっている。配置ピッチPL1及び配置ピッチPL2は異なっていてもよい。図示された例において、第1方向D1及び第2方向D2は、それぞれ、矩形状をなす面光源装置20及び光学部材30の側縁とそれぞれ平行になっている。配置ピッチPL1及び配置ピッチPL2は、それぞれ、0.2mm以上10mm以下としてもよい。
図14に示された例において、複数の光源23は、ハニカム配列で配置されている。図14に示された例において、複数の光源23は、第1方向D1、第1方向D1に対して時計回りに60°傾斜した方向、及び第1方向D1に対して反時計回りに60°傾斜した方向に、一定のピッチで配置されている。各方向への配置ピッチは互いに等しい。
次に、複数の光源23とともに光源基板22を構成する支持基板25について説明する。支持基板25は、第3方向D3における光学部材30とは反対側から複数の光源23を支持している。支持基板25はシート状である。支持基板25は、光源23に電力を供給する回路を含んでもよい。支持基板25は、光を反射して光学部材30へ向ける光反射性を有してもよい。
図3Bに示された支持基板25は、シート状の基板本体26と、基板本体26上に設けられた反射層27及び配線29と、を有している。基板本体26は、第1方向D1及び第2方向D2に広がっている。基板本体26は絶縁性を有していてもよい。基板本体26は、樹脂フィルム、たとえはポリエチレンテレフタレート製フィルムであってもよい。配線29は、光源23と電気的に接続している。配線29は、はんだ等を介して、光源23の図示しない端子と電気的に接続している。基板本体26及び反射層27が絶縁性を有している場合、図3Bに示すように、配線29は、基板本体26及び反射層27の間に位置していてもよい。
反射層27は、光学部材30の側から基板本体26に積層されている。図示された例のように、反射層27は、基板本体26上における光源23が配置されていない領域を覆っていてもよい。反射層27は、光源23の下方に広がっていてもよい。反射層27は、光源23で発光される特定波長の光に対して又は面光源装置20での発光に用いられる光に対して、反射性を有する。反射層27での反射は、鏡面反射とも呼ばれる正反射であってもよく、拡散反射であってもよく、さらに異方性拡散反射であってもよい。二酸化ケイ素等の白色粒子を含有した白色反射層によって反射層27を構成することによって、反射層27に拡散反射性を付与してもよい。反射層27は、基板本体26上に積層された金属層であってもよいし、反射型の回折光学素子であってもよい。
次に、光学部材30について説明する。図4に示すように、光学部材30は、光拡散部40、選択透過シート50、第1接合層31、第1光学シート60、第2接合層32、及び第2光学シート70を含んでもよい。
光拡散部40は、第3方向D3における光源側から選択透過シート50に重ねられている。光拡散部40は、光源23から放出された光の進行方向を変化させる。光拡散部40は拡散機能を有している。光拡散部40は、樹脂バインダーと、樹脂バインダー中に分散した光拡散成分と、を含んでもよい。光拡散成分として、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、金属化合物を周囲に保持した樹脂ビーズ、白色微粒子、単なる気泡が例示される。光拡散部40は、凹凸面41を含んでもよい。光拡散部40は、回折光学素子を含んでもよい。
図5及び図6に示された例において、光拡散部40は、入光側面40a及び出光側面40bを有している。入光側面40aが凹凸面41となっている。出光側面40bは平坦面となっている。光拡散部40は、シート状の本体部42と、各々が凸部43または凹部として形成された複数の単位光学要素45と、を含んでいる。単位光学要素45は、屈折や反射等によって光の進行方向を変化させる要素である。単位光学要素45は、単位形状要素、単位プリズム、単位レンズと呼ばれる要素を含む概念である。単位光学要素45は、本体部42上に設けられている。単位光学要素45は、光源基板22に対面している。複数の単位光学要素45によって、凹凸面41が形成されている。
図5に示された光拡散部40は、本体部42の入光側面に設けられた複数の凸部43を有している。図5及び図6に示された例において、複数の凸部43は、隙間無く隣接して設けられている。光拡散部40は、本体部42の入光側面に設けられた複数の凹部を有していてもよい。複数の凹部は、隙間無く隣接して設けられてもよい。図5及び図6に示された単位光学要素45は、第3方向D3に対して傾斜した要素面46を有している。要素面46によって単位光学要素45が画成される。光拡散部40の凹凸面41は、単位光学要素45の要素面46によって形成される。
光拡散部40の光学特性は、単位光学要素45の要素面46の傾斜角度に影響を受ける。したがって、単位光学要素45の構成は、面光源装置20や光学部材30に要求される光学特性に基づいて、適宜調節され得る。例えば、一つの単位光学要素45に含まれる複数の要素面46の傾斜角度が互いに異なってもよいし、同一でもよい。光拡散部40が、形状及び向きの少なくとも一方において異なる単位光学要素45を含んでもよいし、互いに同一の単位光学要素45のみを含んでもよい。
光拡散部40に含まれる複数の単位光学要素45は、二次元配列されることが好ましい。この例によれば、光拡散部40に含まれる単位光学要素45の要素面46は、種々の方向を向くことになる。結果として、光拡散部40は、二次元配列された単位光学要素45によって、光を種々の方向に誘導できる。つまり、非平行な複数の方向へ光を誘導でき、照度の面内分布を均一化できる。各単位光学要素45は、第3方向D3を中心として回転対称に構成されていてもよい。例えば、各単位光学要素45は、第3方向D3を中心として3回転対称、4回対称又は6回対称に構成されていてもよい。
二次元配列とは、互いに非平行な二つの配列方向に対象物が配列されることである。各配列方向への配列ピッチは、一定でもよい。一つの配列方向への配列ピッチが、他の一つの配列方向への配列ピッチと同一でもよい。
複数の単位光学要素45は、不規則に配置されていてもよいし、或いは、規則的に配置されてもよい。複数の単位光学要素45を規則的に配置することによって、光拡散部40の設計を容易化できる。また、複数の単位光学要素45を規則的に配置することによって、単位光学要素45を隙間無く敷き詰めることが容易となる。
図6は、光拡散部40における単位光学要素45の具体例を示している。図6に示された例において、複数の単位光学要素45の配置は、正方配置となっている。複数の単位光学要素45は、第1方向D1に一定のピッチで配置されている。複数の単位光学要素45は、第2方向D2に一定のピッチで配置されている。単位光学要素45を第1方向D1及び第2方向D2に傾斜した方向に配置してもよい。例えば、複数の単位光学要素45は、第1方向D1に対して±45°傾斜した二つの方向に一定のピッチで配置されてもよい。二つの方向への単位光学要素45の配列ピッチは、同一でもよいし、異なっていてもよい。単位光学要素45の配列ピッチは0.05mm以上1mm以下でもよく、0.1mm以上0.5mm以下でもよい。図6に示すように、単位光学要素45は、底面が正方形となる四角錐形状の凸部43又は凹部として構成されてもよい。各単位光学要素45の第3方向D3への高さ又は深さは0.025mm以上0.5mm以下でもよく、0.05mm以上0.25mm以下でもよい。
図5及び図6に示された単位光学要素45は、エンボス加工や樹脂賦型によって、作製され得る。
次に、選択透過シート50について説明する。選択透過シート50は、入光側面50a及び出光側面50bを含んでいる。光拡散部40は、選択透過シート50の入光側面50aに接合している。選択透過シート50は可視光を透過し得る。選択透過シート50は可視光を反射し得る。選択透過シート50の反射率及び透過率は、入射角に依存して変化する。
0°の入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での透過率は、0°より大きい或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での透過率よりも、小さい。すなわち、垂直入射する特定波長光の選択透過シート50での透過率は、少なくとも或る一つの斜め方向から入射する特定波長光の選択透過シート50での透過率よりも、小さい。0°の入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での反射率は、0°より大きい或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での反射率よりも、大きい。すなわち、垂直入射する特定波長光の選択透過シート50での反射率は、少なくとも或る一つの斜め方向から入射する特定波長光の選択透過シート50での反射率よりも、大きい。選択透過シート50は、選択反射シートや光反射シートとも表記できる。
一例として、選択透過シート50は、0°の入射角で入射する特定波長の光を80%以上の反射率で反射する。選択透過シート50は、0°の入射角で入射する特定波長の光を20%未満の透過率で透過する。また、選択透過シート50は、絶対値で45°以下の入射角で入射する特定波長の光を50%未満の透過率で透過する。選択透過シート50は、絶対値で45°以下の入射角で入射する特定波長の光を50%より大きい反射率で反射する。
図7は、選択透過シート50が有する入射角に応じた反射特性および透過特性の一例を示すグラフである。図7に示された選択透過シート50の特性において、選択透過シート50への入射角の絶対値が小さくなるにつれて、選択透過シート50における特定波長の光の反射率は大きくなる。入射角が絶対値で70°以上90°未満の特定波長の光の選択透過シート50での反射率は、70%未満でもよく、60%未満でもよく、50%未満でもよい。入射角が絶対値で45°以下である特定波長の光の選択透過シート50での反射率は、50%以上100%未満でもよく、80%以上100%未満でもよく、90%以上100%未満でよい。入射角が0°である特定波長の光の選択透過シート50での反射率は、80%以上100%未満でもよく、90%以上100%未満でもよく、95%以上100%未満でもよい。
図7に示された選択透過シート50の特性において、選択透過シート50への入射角の絶対値が小さくなるにつれて、選択透過シート50における特定波長の光の透過率は小さくなる。入射角が絶対値で70°以上90°未満の特定波長の光の選択透過シート50での透過率は、30%以上でもよく、40%以上でもよく、50%以上でもよい。入射角が絶対値で45°以下である特定波長の光の選択透過シート50での透過率は、0%以上50%未満でもよく、0%以上20%未満でもよく、0%以上10%未満でもよい。入射角が0°である特定波長の光の選択透過シート50での透過率は、0%以上20%未満でもよく、0%以上10%未満でもよく、0%以上5%未満でもよい。
特定波長の光とは、面光源装置20や光学部材30の用途に応じて適宜設定できる。典型的には、光源23から射出する光又は面光源装置20で発光に用いられる光を、特定波長の光としてもよい。特定波長の光を可視光としてもよい。「可視光」とは、波長380nm以上波長780nm以下の光を意味する。
選択透過シート50の反射率は、村上色彩技術研究所社製の変角光度計(ゴニオフォトメーター)GP-200を用いて測定された値とする。選択透過シート50の透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠して測定された全光線透過率である。選択透過シート50の透過率は、村上色彩技術研究所社製の変角光度計(ゴニオフォトメーター)GP-200を用いて測定された値とする。
入射角は、光が入射するシート状等の部材の法線方向に対して入射光の進行方向がなす角度(°)を意味する。特段の説明がない場合、選択透過シート50の透過率および反射率を評価する条件としての入射角(°)は、空気層から選択透過シート50に入射する場合の入射角を意味する。図7~図10における横軸の入射角(°)は、選択透過シート50が空気層と界面を形成する場合の入射角を示している。
図8は、選択透過シート50の光学特性の他の例を示すグラフである。図8に示された光学特性を有する選択透過シート50は、図7に示された光学特性を有する選択透過シート50と異なる。図8は、青色光である450nmの波長を有した光についての選択透過シート50の反射特性および透過特性を示すグラフである。
図8に示すように、入射角が絶対値で0°以上30°以下である特定波長の光の選択透過シート50での反射率は、80%以上でもよく、90%以上でよく、95%以上でもよい。入射角が絶対値で0°以上45°以下である特定波長の光の選択透過シート50での反射率は、80%以上でもよく、85%以上でもよく、90%以上でもよい。
図8に示すように、入射角が絶対値で0°以上30°以下である特定波長の光の選択透過シート50での透過率は、20%未満でもよく、10%未満でよく、5%未満でもよい。入射角が絶対値で0°以上45°以下である特定波長の光の選択透過シート50での透過率は、20%未満でもよく、15%未満でもよく、10%未満でもよい。
図8に示すように、絶対値で45°以上75°以下となる或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での反射率が50%でもよい。絶対値で50°以上60°以下となる或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での反射率が50%でもよい。入射角の絶対値が50°以上60°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の選択透過シート50での反射率が小さくなってもよい。
図8に示すように、絶対値で45°以上75°以下となる或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での透過率が50%でもよい。絶対値で50°以上60°以下となる或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での透過率が50%でもよい。入射角の絶対値が50°以上60°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の選択透過シート50での透過率が大きくなってもよい。
図9及び図10は、選択透過シート50の光学特性の更に他の例を示すグラフである。図9及び図10に示された光学特性を有する選択透過シート50は、図7に示された光学特性を有する選択透過シート50と異なり、図8に示された光学特性を有する選択透過シート50とも異なる。図9及び図10は、青色光である450nmの波長を有した光についての選択透過シート50の透過特性を示すグラフである。
図9及び図10に示すように、入射角が絶対値で0°以上30°以下である特定波長の光の選択透過シート50での透過率は、15%未満でもよく、8%未満でよく、3%未満でもよい。入射角が絶対値で0°以上45°以下である特定波長の光の選択透過シート50での透過率は、60%未満でもよく、50%未満でもよく、40%未満でもよい。
入射角が絶対値で0°以上30°以下である特定波長の光の選択透過シート50での反射率は、85%以上でもよく、92%以上でよく、97%以上でもよい。入射角が絶対値で0°以上45°以下である特定波長の光の選択透過シート50での反射率は、40%以上でもよく、50%以上でもよく、60%以上でもよい。
図9及び図10に示すように、絶対値で40°以上60°以下となる或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での透過率が50%でもよい。絶対値で45°以上55°以下となる或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での透過率が50%でもよい。入射角の絶対値が30°以上60°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の選択透過シート50での透過率が大きくなってもよい。入射角の絶対値が50°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の選択透過シート50での透過率が大きくなってもよい。
絶対値で40°以上60°以下となる或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での反射率が50%でもよい。絶対値で45°以上55°以下となる或る入射角で入射する特定波長の光の選択透過シート50での反射率が50%でもよい。入射角の絶対値が30°以上60°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の選択透過シート50での反射率が小さくなってもよい。入射角の絶対値が50°以下となる範囲で増加するにつれて、特定波長の光の選択透過シート50での反射率が小さくなってもよい。
選択透過シート50としては、反射率の入射角依存性および透過率の入射角依存性を有するものであれば、特に限定されない。選択透過シート50は、誘電体多層膜、反射型の体積ホログラム、コレステリック液晶構造層、再帰反射フィルム、反射型の回折光学素子を含んでもよい。誘電体多層膜は、反射特性及び透過特性の設計自由度が比較的高い点において優れる。構造的に反射率の入射角依存性および透過率の入射角依存性を付与された反射構造体を、選択透過シート50が含んでもよい。反射構造体は、波長依存性が低い点において優れる。
選択透過シート50をなす誘電体多層膜は、交互に積層された屈折率の異なる低屈折率層54a及び高屈折率層54bを含んでもよい。低屈折率層54a及び高屈折率層54bは、無機化合物の層でもよいし、樹脂層でもよい。図11に示すように、誘電体多層膜を構成する多層膜は、片面に又は両面に、保護層56を有してもよい。保護層56の材料は、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートでもよい。保護層56の厚みは5μm以上でもよい。誘電体多層膜の製造方法として、共押出法等が採用されてもよい。具体的には、特開2008-200861号公報に記載の積層フィルムの製造方法を採用してもよい。誘電体多層膜として、市販の積層フィルムを用いてもよい。市販の誘電体多層幕として、東レ株式会社製のピカサス(登録商標)や、3M社製のESR等が例示される。
次に、第1接合層31について説明する。第1接合層31は、第3方向D3において、選択透過シート50及び第1光学シート60の間に位置している。第1接合層31は、選択透過シート50及び第1光学シート60の両方に接合している。これにより、第1光学シート60は、第3方向D3における入光側において、空気層と隣接しない。第1光学シート60は、第3方向D3における入光側において、空気層と界面を形成しない。
第1接合層31は、アクリル樹脂、エキポシ樹脂、ポリエステル樹脂等の種々の接着材や粘着材を用いて形成され得る。第1接合層31の第3方向D3に沿った厚みは、例えば、1μm以上50μm以下でもよい。
図2及び図11に示された第1接合層31は、選択透過シート50の出光側面50bに接触している。選択透過シート50は、第1接合層31と界面を形成している。選択透過シート50から出射する光は、選択透過シート50から第1接合層31へと進む。図2及び図11に示された第1接合層31は、第1光学シート60の入光側面60aに接触している。第1光学シート60は、第1接合層31と界面を形成している。第1接合層31から出射する光は、第1接合層31から第1光学シート60へと進む。
第1接合層31は、第1光学シート60へ入射する光の反射率を低減する。第1接合層31の屈折率は、第1光学シート60の入光側面60aを構成する層の屈折率に近いことが好ましい。第1接合層31の屈折率と入光側面60aを構成する層の屈折率との差は、0以上0.3以下でもよく、0以上0.2以下でもよい。第1光学シート60の入光側面60aを構成する層は、図11に示された例において、後述する波長変換シート62の母材部64とみなし得る。
第1接合層31は、選択透過シート50から出射する光の反射率を低減する。第1接合層31の屈折率は、選択透過シート50の出光側面50bを構成する層の屈折率に近いことが好ましい。第1接合層31の屈折率と出光側面50bを構成する層の屈折率との差は、0以上0.3以下でもよく、0以上0.2以下でもよい。選択透過シート50の出光側面50bを構成する層は、図11に示された例において、保護層56である。
光学部材30内での反射率を低減する観点から、第1接合層31の屈折率は、選択透過シート50の出光側面50bを構成する層の屈折率と、第1光学シート60の入光側面60aを構成する層の屈折率と、の間としてもよい。
選択透過シート50の出光側面50bを構成する層および第1光学シート60の入光側面60aを構成する層の少なくとも一方が樹脂によって形成されている場合、第1接合層31の屈折率は、1.3以上1.8以下でもよく、1.4以上1.7以下でもよい。
以上の構成による第1接合層31によれば、選択透過シート50及び第1光学シート60の間に存在する界面での反射を抑制できる。結果として、第1接合層31によれば、光利用効率を改善できる。
次に、第1光学シート60について説明する。第1光学シート60は、入射光に対して光学作用を及ぼす部材である。第1光学シート60は、光学部材30や面光源装置20の用途に対して適切な機能を有してもよい。第1光学シート60は、入射光の光路を変更する機能を有してもよい。第1光学シート60は、屈折や反射によって光路を変更するプリズムシートやレンズシートを含んでもよい。第1光学シート60は、回折によって光路を変更する回折光学要素を含んでもよい。第1光学シート60は、特定波長の光を吸収して特定波長と異なる波長の光を放出する波長変換シート62を含んでもよい。第1光学シート60は、反射型偏光板を含んでもよい。
第1光学シート60は、第1接合層31と接合している。第1接合層31は、第1光学シート60の入光側面60aと接合している。第1光学シート60は、第1接合層31を介し、選択透過シート50と接合している。第1光学シート60は、第3方向D3における選択透過シート50側において、空気層ではない光学部材30の構成要素と界面を形成する。
図11に示された第1光学シート60は、入光側面60a及び出光側面60bを有している。入光側面60a及び出光側面60bは、第1光学シート60の一対の主面である。入光側面60a及び出光側面60bは、平坦面である。
図11に示された第1光学シート60は、波長変換シート62によって構成されている。波長変換シート62は、一次光LAを吸収して一次光LAと異なる波長の二次光LBを放出する。図11に示すように、波長変換シート62は、波長変換剤65を含んでもよい。波長変換剤65は、或る波長の一次光LAを吸収し、一次光LAの波長とは異なる波長を有した二次光LBを放出する。波長変換剤65として、量子ドットや蛍光体を用いてもよい。一次光LAの波長は、光源23から放出される光の波長であってもよい。すなわち、光源23から放出される光は、或る波長の一次光LAを含んでもよい。
量子ドット(Quantum dot)は、半導体のナノメートルサイズの微粒子である。量子ドットは、1種の半導体化合物から構成されてもよい。量子ドットは、2種以上の半導体化合物から構成されてもよい。量子ドットは、例えば、半導体化合物からなるコアと、該コアと異なる半導体化合物からなるシェルとを有するコアシェル型構造を有してもよい。
量子ドットのコアの材料として、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe及びHgTeのようなII-VI族半導体化合物が例示される。量子ドットのコアの材料として、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaAs、GaP、GaN、GaSb、InN、InAs、InP、InSb、TiN、TiP、TiAs及びTiSbのようなIII-V族半導体化合物も例示される。量子ドットのコアの材料として、Si、Ge及びPbのようなIV族半導体等の半導体化合物又は半導体を含有する半導体結晶も例示される。
コアシェル型の量子ドットを用いる場合、シェルを構成する半導体として、コアを形成する半導体化合物よりもバンドギャップの高い材料を用いてもよい。この場合、励起子がコアに閉じ込められ、量子ドットの発光効率を向上できる。このようなバンドギャップの大小関係を有するコアシェル構造(コア/シェル)として、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdSe/CdS、CdTe/CdS、InP/ZnS、Gap/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、InGaP/ZnSTe、InGaP/ZnSSe等が例示される。
量子ドットの大きさは、所望する二次光LBの波長を考慮して調節される。量子ドットは粒子径が小さくなるにつれて、エネルギーバンドギャップが大きくなる。結晶サイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へとシフトする。量子ドットの大きさを変化させることにより、二次光LBの波長を調節できる。量子ドットの平均粒子径は、20nm以下としてもよく、0.5nm以上20nm以下としてもよく、1nm以上10nm以下としてもよい。量子ドットの形状、分散状態等は、透過型電子顕微鏡(TEM)により特定される。量子ドットの結晶構造、粒子径は、X線結晶回折(XRD)により特定される。
波長変換シート62は、波長変換剤65として、放出波長の異なる複数の量子ドットを含んでもよい。各量子ドットの含有量を調節することによって、面光源装置20から出射する光の色を調節することができる。図11に示された例において、波長変換剤65は、第1波長変換剤65A及び第2波長変換剤65Bを含んでいる。第1波長変換剤65A及び第2波長変換剤65Bは、互いに異なる大きさを有している。第1波長変換剤65A及び第2波長変換剤65Bは、互いに異なる波長の光を放出する。
一具体例として、光源23は、430nm以上500nm以上の波長を有した青色光を放出してもよい。第1波長変換剤65Aは、光源23からの一次光LAを吸収して、500nm以上600nm以上の波長を有した緑色光を、第1二次光LB1として、放出してもよい。第2波長変換剤65Bは、光源23からの一次光LAを吸収して、600nm以上750nm以上の波長を有した赤色光を、第2二次光LB2として、放出してもよい。この例によれば、第1二次光LB1、第2二次光LB2、及び第1光学シート60で波長変換されなかった一次光LAの加法混色により、面光源装置20は種々の色の光放出できる。第1波長変換剤65A及び第2波長変換剤65Bの含有量を調節することによって、面光源装置20が白色光を放出できる。
図11に示すように、波長変換シート62は、波長変換剤65と、波長変換剤65を保持する母材部64と、を有している。母材部64は、波長変換剤65を封止することにより、波長変換剤65の劣化を抑制し得る。母材部64として、樹脂を用いてもよい。母材部64を構成する樹脂として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が例示される。
なお、図15に含むように、波長変換シート62は、上述した母材部64及び波長変換剤65を含む波長変換層63とともに、バリア層67,68を含んでもよい。バリア層67,68は、波長変換層63と第3方向D3に重ねられている。波長変換剤65としての量子ドットは、水分や酸素等により劣化しやすい。量子ドット等の波長変換剤65が、面光源装置20の使用時間にともなって劣化すると、面光源装置20の発光面20aの色が変化する。バリア層67,68によって波長変換層63を保護することにより、面光源装置20の発光色の変化を抑制できる。
図15に示された例において、波長変換シート62は、第1バリア層67、波長変換層63および第2バリア層68を、この順で含んでいる。第1バリア層67、波長変換層63および第2バリア層68は、第3方向D3にこの順で重ねられている。第1バリア層67、波長変換層63および第2バリア層68は、第3方向D3おける他側(光源側)から一側へ向けて、この順で配置されている。波長変換層63は、第3方向D3において、第1バリア層67及び第2バリア層68の間に位置する。第1バリア層67、波長変換層63および第2バリア層68は、シート状である。第1バリア層67、波長変換層63および第2バリア層68は、第1方向D1および第2方向D2に広がっている。
第1バリア層67および第2バリア層68は、酸素バリア性を有してもよい。JIS K7126-2:2006によるバリア層67,68の酸素透過度の値が、0.5cc/(m2・day・atm)以下でもよい。酸素透過度を測定する際の条件は、温度23℃、相対湿度90%とする。酸素透過度は、MOCON社製の酸素透過度測定装置(商品名:OX-TRAN2/21)にてモコン法にて測定される。
第1バリア層67および第2バリア層68は、水蒸気バリア性を有してもよい。バリア層67,68は、JIS K7129-2:2019による水蒸気透過度の値が、0.20g/(m2・day)以下でもよく、0.15g/(m2・day)以下でもよい。水蒸気透過度を測定する際の条件は、温度40℃、相対湿度90%とする。水蒸気透過度は、MOCON社製の水蒸気透過度測定装置(商品名:PERMATRAN)にて測定される。
バリア層として、「無機酸化物を蒸着することにより形成される無機酸化物層」、「ポリビニルアルコール等の水溶性高分子等を含むコーティング剤を塗布して形成される有機被覆層」、「金属酸化物とリン化合物とを含む組成物の反応物を含む層」からなる群から選ばれる単一種の単層、前記群から選ばれる単一種を積層した層、前記群から選ばれる二種以上を積層した層が例示される。金属酸化物とリン化合物とを含む組成物の反応物を含む層として、国際公開WO2011/122036に記載されている層が例示される。
バリア層67,68は、無機酸化物層及び有機被覆層を含んでもよい。この例において、無機酸化物層が、第3方向D3における波長変換層63及び有機被覆層の間に位置してもよい。
バリア層67,68は、バリア性を良好にするため、第1無機酸化物層、第1有機被覆層、第2無機酸化物層、第2有機被覆層を、光源23からこの順にて、含んでもよい。この例において、第1無機酸化物層が、第3方向D3において、波長変換層63と、第1有機被覆層、第2無機酸化物層、第2有機被覆層と、の間に位置してもよい。
無機酸化物層を構成する無機酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及び酸化マグネシウムから選ばれる1種又は2種以上でもよい。バリア層67,68に十分なバリア性を付与するため、及び、バリア層67,68の生産効率のため、無機酸化物層を構成する無機酸化物は、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素でもよい。また、色変化を抑制する観点から、無機酸化物層を構成する無機酸化物は酸化アルミニウムでもよい。
無機酸化物層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等により作製され得る。真空蒸着法は、生産性(蒸着速度)に優れる。
有機被覆層は、水溶性高分子及び金属アルコキシド系化合物から選ばれる1種以上を含んでもよい。有機被覆層は、水溶性高分子及び金属アルコキシド系化合物のうち、水溶性高分子から選ばれる1種以上を含んでもよく、水溶性高分子から選ばれる1種以上と、金属アルコキシド系化合物から選ばれる1種以上とを含んでもよい。有機被覆層は無機酸化物層に比べて可撓性に優れる。有機被覆層を用いることにより、傷及びクラックの発生を抑制でき、バリア層67,68のバリア性を良好に維持できる。
水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びエチレン-ビニルアルコール共重合体等でもよい。バリア性の観点から、水溶性高分子は、ポリビニルアルコール又はエチレン-ビニルアルコール共重合体でもよい。
次に、第2接合層32について説明する。第2接合層32は、第3方向D3において、第1光学シート60及び第2光学シート70の間に位置している。第2接合層32は、第1光学シート60及び第2光学シート70の両方に接合している。これにより、第2光学シート70は、第3方向D3における入光側において、空気層と隣接しない。第2光学シート70は、第3方向D3における入光側において、空気層と界面を形成しない。第2接合層32の材料は、第1接合層31の材料と同一でもよい。第2接合層32の第3方向D3に沿った厚みは、第1接合層31の第3方向D3に沿った厚みと同一でもよい。
図2及び図12に示された第2接合層32は、第1光学シート60の平坦な出光側面60bに接触している。第1光学シート60は、第2接合層32と界面を形成している。第1光学シート60から出射する光は、第1光学シート60から第2接合層32へと進む。図2及び図12に示された第2接合層32は、第2光学シート70の入光側面70aに接触している。第2光学シート70は、第2接合層32と界面を形成している。第2接合層32から出射する光は、第2接合層32から第2光学シート70へと進む。
第2接合層32は、第2光学シート70へ入射する光の反射率を低減する。第2接合層32の屈折率は、第2光学シート70の入光側面70aを構成する層の屈折率に近いことが好ましい。第2接合層32の屈折率と入光側面70aを構成する層の屈折率との差は、0以上0.3以下でもよく、0以上0.2以下でもよい。第2光学シート70の入光側面70aを構成する層は、図12に示された例において、後述の第2本体部72である。
第2接合層32は、第1光学シート60から第2接合層32へ入射する光の反射率を低減する。第2接合層32の屈折率は、第1光学シート60の出光側面60bを構成する層の屈折率に近いことが好ましい。第2接合層32の屈折率と出光側面60bを構成する層の屈折率との差は、0以上0.3以下でもよく、0以上0.2以下でもよい。第1光学シート60の出光側面60bを構成する層は、図12に示された例において波長変換シート62の母材部64とみなし得る。
光学部材30内での反射率を低減する観点から、第2接合層32の屈折率は、第1光学シート60の出光側面60bを構成する層の屈折率と、第2光学シート70の入光側面70aを構成する層の屈折率と、の間としてもよい。
第1光学シート60の出光側面60bを構成する層および第2光学シート70の入光側面70aを構成する層の少なくとも一方が樹脂によって形成されている場合、第2接合層32の屈折率は、1.3以上1.8以下でもよく、1.4以上1.7以下でもよい。
以上の構成による第2接合層32によれば、第1光学シート60及び第2光学シート70の間に存在する界面での反射を抑制できる。結果として、第2接合層32によれば、光利用効率を改善できる。
次に、第2光学シート70について説明する。第2光学シート70は、入射光に対して光学作用を及ぼす。第2光学シート70は、光学部材30や面光源装置20の用途に対して適切な機能を有してもよい。第2光学シート70は、入射光の光路を変更する機能を有してもよい。第2光学シート70は、回折によって光路を変更する回折光学要素を含んでもよい。第2光学シート70は、入射光を拡散させる拡散シートを含んでもよい。第2光学シート70は、屈折や反射によって光路を変更するプリズムシートやレンズシートを含んでもよい。
第2光学シート70は、第2接合層32と接合している。第2接合層32は、第2光学シート70の入光側面70aと接合している。第2光学シート70は、第2接合層32を介し、第1光学シート60と接合している。第2光学シート70は、第3方向D3における第1光学シート60側において、空気層ではない光学部材30の構成要素と界面を形成する。
図12に示された第2光学シート70は、第1光学シート60を透過した光の光路を調節する。第2光学シート70は、面光源装置20の発光面20a上での輝度角度分布を調整できる。第2光学シート70は、入光側面70a及び出光側面70bを有している。入光側面70aは平坦面でもよい。出光側面70bは凹凸面71でもよい。第2光学シート70は、シート状の第2本体部72と、各々が凸部73または凹部として形成された複数の第2単位光学要素75と、を含んでいる。第2単位光学要素75は、屈折や反射等によって光の進行方向を変化させる要素である。第2単位光学要素75は、単位形状要素、単位プリズム、単位レンズと呼ばれる要素を含む概念である。第2単位光学要素75は、第2本体部72上に設けられている。第2単位光学要素75は、第3光学シート80に対面する。
図12に示すように、第2単位光学要素75は、第3方向D3に対して傾斜した要素面76を有している。この要素面76によって第2単位光学要素75が画成されている。第2光学シート70の凹凸面71は、第2単位光学要素75の要素面76によって形成されている。図12に示された例において、複数の凸部73は、隙間無く隣接して設けられている。
第2光学シート70の光学特性は、第2単位光学要素75の要素面76の傾斜角度に影響を受ける。したがって、第2単位光学要素75の構成は、面光源装置20や光学部材30に要求される光学特性に基づいて、適宜調節され得る。例えば、一つの第2単位光学要素75に含まれる複数の要素面76の傾斜角度が互いに異なってもよいし、同一でもよい。第2光学シート70が、形状及び向きの少なくとも一方において異なる第2単位光学要素75を含んでもよいし、互いに同一の第2単位光学要素75のみを含んでもよい。
複数の第2単位光学要素75は、不規則に配置されていてもよいし、或いは、規則的に配置されてもよい。複数の第2単位光学要素75を規則的に配置することによって、第2光学シート70の設計を容易化できる。また、複数の第2単位光学要素75を規則的に配置することによって、第2単位光学要素75を隙間無く敷き詰めることが容易となる。
第2光学シート70に含まれる複数の第2単位光学要素75は、二次元配列されてもよい。二次元配列された第2単位光学要素75はマイクロレンズを構成する。
図13に示すように、第2光学シート70に含まれる複数の第2単位光学要素75は、リニア配列されてもよい。すなわち、複数の第2単位光学要素75が配列方向に配列され、各第2単位光学要素75が配列方向と非平行な方向に線状に延びてもよい。図13に示された例において、各第2単位光学要素75は、配列方向に直交する方向に直線状に延びている。第2単位光学要素75は第1方向D1に配列されている。第2単位光学要素75は第2方向D2に直線状に延びている。第2単位光学要素75の配列方向は、第2方向D2でもよい。第2単位光学要素75の配列方向は、第1方向D1及び第2方向D2の両方に傾斜した方向でもよい。第2単位光学要素75の配列方向は、第1方向D1及び第2方向D2に対して45°傾斜した方向でもよい。
線状の第2単位光学要素75の長手方向に直交する断面での断面形状は、特に限定されず、三角形形状や五角形形状等の多角形形状でもよく、多角形形状の一以上の角を面取りした形状でもよい。図12及び図13に示された例において、第2単位光学要素75の断面形状は、直角二等辺三角形形状となっている。第2単位光学要素75の配列方向への配列ピッチは、0.01mm以上1.5mm以下でもよく、0.05mm以上1mm以下でもよく、0.1mm以上0.5mm以下でもよい。
第3光学シート80は、第3方向D3に光学部材30と重ねられる。第3光学シート80は、入射光に対して光学作用を及ぼす。第3光学シート80は、光学部材30や面光源装置20の用途に対して適切な機能を有してもよい。第3光学シート80は、入射光の光路を変更する機能を有してもよい。第3光学シート80は、回折によって光路を変更する回折光学要素を含んでもよい。第3光学シート80は、入射光を拡散させる拡散シートを含んでもよい。第3光学シート80は、屈折や反射によって光路を変更するプリズムシートやレンズシートを含んでもよい。
一具体例として、第3光学シート80は、図13に示された第2光学シート70と同様の構成を有してもよい。第3光学シート80は、第3光学シート80と別途に設けられた外部光学シートである。図13に示された、リニア配列された単位光学要素は、主として、単位光学要素の配列方向及び第3方向D3の両方に平行な面内での輝度角度分布を調整する。したがって、第2光学シート70と同様の構成を有する第3光学シート80を、第2光学シート70と異なる向きで配置してもよい。例えば、第2光学シート70の第2単位光学要素75の配列方向が、第3光学シート80の単位光学要素が配列方向と直交してもよい。具体的には、第2光学シート70の第2単位光学要素75が第1方向D1に配列され、第3光学シート80の単位光学要素が第2方向D2に配列されてもよい。なお、図13に示された光学シートは、米国3M社から入手可能な「BEF」(登録商標)であってもよい。「BEF」として、BEF4-GM-95が第3光学シート80として使用されてもよい。
反射型偏光板85は、第3方向D3に第3光学シート80と重ねられる。第3光学シート80は、第3方向D3において反射型偏光板85及び光学部材30の間に位置している。反射型偏光板85は、一方の直線偏光成分を透過させ、他方の直線偏光成分を反射する。反射型偏光板85によれば、表示パネル15の面光源装置20側に位置する偏光板を透過し得る直線偏光成分の光を選択的に透過させることができる。反射型偏光板85で反射された光は、その後の反射等によって、偏光状態を変化させて反射型偏光板85へ再度入射し得る。反射型偏光板85として、米国3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)を用いてもよい。反射型偏光板85として、韓国Shinwa Intertek社から入手可能な高輝度偏光シート「WRPS」や、ワイヤーグリッド偏光子等を用いてもよい。
次に、以上の構成を有する面光源装置20で面状光を生成する際の作用について説明する。
図2に示すように、光源23が一次光LAを放出する。一次光LAは、一例として、青色光である。青色の一次光LAの波長は、430nm以上500nm以下である。光源23から放出された光L21は、光学部材30へと向かう。図5に示すように、光源23からの一次光LAは、光学部材30の光拡散部40に入射する。光拡散部40は、拡散機能を有している。図示された例において、光拡散部40の入光側面40aは、凹凸面41となっている。図5に示すように、光L51は、光拡散部40へ入射する際に進行方向を変化させる。
光源23からの一次光LAは、光拡散部40を透過して、選択透過シート50に入射する。選択透過シート50の透過率は入射角に依存している。0°より大きい或る入射角で入射する一次光LAについての選択透過シート50の透過率は、0°の入射角で入射する一次光LAについての選択透過シート50の透過率より大きい。図7~図10に示された光学特性では、絶対値で0°以上60°以下の広い範囲内において入射角が大きくなるにつれて、選択透過シート50の透過率は高くなる。すなわち、第3方向D3に対して傾斜した光が、第3方向D3に進む光と比較してより高い透過率で選択透過シート50を透過できる。
光源23と第3方向D3に対面する領域と、当該領域の周囲となる領域と、を直上領域とすると、直上領域には、多量の光が入射する。しかしながら、直上領域への光の入射角は小さい。このため、光源23から放出されて選択透過シート50に進んだ光L21は、直上領域において、高い反射率にて反射される。直上領域において、光は、低い透過率にて選択透過シート50を透過する。これにより、直上領域において発光面20aが明るくなり過ぎることを抑制できる。
選択透過シート50で反射した光L52は、図5に示すように、第3方向D3において、光学部材30から光源基板22へと向かう。光L52は、光拡散部40と透過する際に、拡散される。図2に示すように、選択透過シート50で反射した光L22は、第3方向D3に直交する第1方向D1や第2方向D2において光源23から離れるようにして、光源基板22に向かう。この光L22は、支持基板25の反射層27で反射する。反射層27で反射した光L23は、第3方向D3において光学部材30に向けて進む。図2に示すように、光L23は、第3方向D3に直交する第1方向D1や第2方向D2に光源23から離れた位置において、光学部材30に再入射する。
光拡散部40は、光学部材30に再入射した光L23の進行方向を、第3方向D3に対して大きく傾斜した方向に変化させ得る。このため、光拡散部40によって拡散された光L24は、第3方向D3に直交する方向に光源23から離れた離間領域において、選択透過シート50を高い透過率で透過し得る。これにより、離間領域において、発光面20aが暗くなり過ぎることを抑制できる。
以上のような、光拡散部40の拡散機能と入射角に応じた選択透過シート50の選択透過機能との組合せによって、選択透過シート50の出光側面50bでの明るさの面内バラツキを抑制できる。これにより、光学部材30の出光側面30b上の各位置での照度を十分に均一化できる。
図2に示すように、選択透過シート50を透過した光L24は、第1接合層31を介して第1光学シート60に向かう。第1光学シート60は、波長変換剤65を含んだ波長変換シート62である。選択透過シート50を進む光L24の一部が、波長変換シート62中の波長変換剤65に入射する。波長変換剤65は、光源23から放出された一次光LAを吸収して、二次光LBを放出する。図11に示された例において、波長変換シート62は、第1波長変換剤65A及び第2波長変換剤65Bを含んでいる。第1波長変換剤65Aは、青色の一次光LAの一部L111を吸収して、緑色の第1二次光LB1を放出する。第2波長変換剤65Bは、青色の一次光LAの一部L112を吸収して、赤色の第2二次光LB2を放出する。
図示された光学部材30において、選択透過シート50及び第1光学シート60が、光源23からこの順にて、積層されている。すなわち、第3方向D3における光源23と波長変換シート62との間に、選択透過シート50が位置している。光源23からの光は、選択透過シート50によって明るさの面内分布が調整された後に、波長変換シート62に入射する。波長変換剤65が均一に分散した波長変換シート62を用いることによって、色むらを効果的に抑制することができる。
選択透過シート50を透過する光L24の多くは、選択透過シート50の透過特性に起因して、第3方向D3に対して大きく傾斜した方向に進む。図示された光学部材30において、選択透過シート50及び第1光学シート60が、光源23からこの順にて、積層されている。したがって、光L24は、第1光学シート60内においても第3方向D3に大きく傾斜した方向に進む。これにより、光L24は、第1光学シート60内における光路長を長く確保し得る。第1光学シート60内において、波長変換剤65に入射し易くなる。したがって、第1光学シート60の第3方向D3に沿った厚みを薄くできる。第1光学シート60への波長変換剤65の含有量を低減できる。
一方、波長変換剤65から放出される二次光LBの進行方向は、当該波長変換剤65に吸収される前の一次光LAの進行方向に依存しない。図11に示すように、二次光LBは、波長変換剤65から広い角度範囲に放出される。二次光LBに起因する輝度の角度分布は、第1光学シート60の出光側面60b上において或る程度均一化される。
図11に示すように、一次光LAの一部L113は、波長変換剤65に入射することなく、第1光学シート60を透過する。この光L113は、青色の一次光LAとして、第3方向D3に対して大きく傾斜した方向に、第1光学シート60から出射する。
図2に示すように、一部の光L25が、第1光学シート60で二次光LBに変換されて、第1光学シート60から出射する。残りの光L26が、一次光LAのまま、第1光学シート60を出射する。これらの光L25,L26は、第2接合層32を介して、第2光学シート70へ進む。図12に示すように、第2光学シート70は、入射光L121,L122,L123の進行方向を曲げる。図12に示された例において、第2光学シート70は、集光シートとして機能する。第2光学シート70は、光の進行方向が第3方向D3に対してなす角度が小さくなるように、当該光の進行方向を曲げる。図12に示された例にでは、第3方向D3への輝度が高くなるよう、第1方向D1及び第3方向D3の両方に沿った面内での輝度角度分布が調整される。
以上のようにして、光源23から放出された光は、光学部材30から出射する。光学部材30から出射した光L25,L26は、一次光LA及び二次光LBを含んでいる。図2に示すように、光学部材30から出射した光L25,L26は、第3光学シート80に入射する。第3光学シート80は、第2光学シート70と同様に、集光シートとして機能し得る。第3光学シート80は、光の進行方向が第3方向D3に対してなす角度が小さくなるように、当該光の進行方向を曲げる。第3光学シート80は、第3方向D3に沿った輝度が高くなるよう、第2方向D2及び第3方向D3の両方に沿った面内での輝度角度分布が調整される。第2光学シート70及び第3光学シート80により、輝度の角度分布を十分に均一化できる。
図2に示すように、第3光学シート80を出射した光L25,L26は、反射型偏光板85に入射する。反射型偏光板85は、表示パネル15に入射し得る直線偏光成分を透過し、表示パネル15に入射し得ない直線偏光成分を反射する。反射された光は、反射等を繰り返し、表示パネル15に入射し得る直線偏光成分として、反射型偏光板85に再入射し得る。このような反射型偏光板85の偏光分離機能により、光源23から放出された光の利用効率を改善し得る。
以上のようにして、面光源装置20の発光面20aから面状に光が放出される。発光面20aにおける照度の分布は、光拡散部40の拡散機能と入射角に応じた選択透過シート50の選択透過機能との組合せによって、十分に均一化される。また、第2光学シート70及び第3光学シート80によって、発光面20a上での輝度角度分布も調整されている。調整された輝度角度分布において、輝度は、第3方向D3にピークを有してもよく、ピークが得られる方向から傾斜するにつれて低下してもよい。
ところで、特許文献1に開示された従来技術の面光源装置では、発光面20aが、光源の出力から期待される明るさより暗くなる、といった不具合が生じた。この不具合について、本件発明者が鋭意検討したところ、次の理由にて、光源から放出された光の利用効率が低下していた。
0°より大きい或る入射角で選択透過シートに入射する光は、0°の入射角で選択透過シートに入射する光より、高い透過率で選択透過シートを透過する。例えば誘電体多層膜からなる選択透過シートでは、第3方向D3に対して傾斜した光が、第3方向D3に進む光と比較してより高い透過率で選択透過シート50を透過する。さらに、入射角が大きくなるにつれて、選択透過シート50の透過率は高くなり得る。結果として、選択透過シートを透過した多くの光は、第3方向D3に対して大きく傾斜した方向に進む。
特許文献1(特許6299811号)に開示された従来の面光源装置では、選択透過シートと光学シートとの間に空気層が介在している。図11に点線で示すように、空気層中を進む光L114は、主として、第3方向D3に対して60°から70°傾斜した方向に進む。この光L114は、面光源装置の次の構成要素に入射する際の入射角が非常に大きくなるので、当該構成要素において高い反射率で反射される。図11に示された例において、光L114は、第1光学シート60の入光側面60aで反射する。この光L114は、反射を繰り返して、迷光となる。迷光は、反射損失により、しだいに強度を低下させる。すなわち、迷光となった光L114の一部は、面光源装置20の発光面20aから放出されることなく、光利用効率を低下させる。
一方、本実施の形態において、第1接合層31が選択透過シート50と接合し、第1光学シート60が第1接合層31と接合している。すなわち、第1接合層31が、第3方向D3において、選択透過シート50及び第1光学シート60を互いに接合している。さらに言い換えると、第3方向D3において、選択透過シート50及び第1光学シート60の間に空気層が介在していない。したがって、選択透過シート50及び第1光学シート60の間に、大きな屈折率差を有する界面が存在しない。すなわち、選択透過シート50から第1光学シート60へ進む光の反射量を顕著に低減できる。このような作用効果は、後述のシミュレーションによっても実証されている。
図11に示された例において、第1光学シート60は、空気層より高い屈折率を有した第1接合層31と界面を形成する。したがって、第1光学シート60への入射角が小さくなり、第1光学シート60の入光側面60aでの反射率を顕著に低減できる。これにより、第1光学シート60での反射に起因した迷光の発生を抑制できる。光源23から放出された光の利用効率、すなわち光利用効率を顕著に上昇させ得る。
第1接合層31の屈折率は、選択透過シート50から第1光学シート60へと進む光の第1光学シート60での反射抑制を考慮して、決定され得る。上述したように、第1接合層31の屈折率と第1光学シート60の入光側面60aを構成する層の屈折率との差は、0以上0.3以下でもよく、0以上0.2以下でもよい。第1接合層31の屈折率と選択透過シート50の出光側面50bを構成する層の屈折率との差は、0以上0.3以下でもよく、0以上0.2以下でもよい。第1接合層31の屈折率は、1.3以上1.8以下でもよく、1.4以上1.7以下でもよい。第1接合層31の屈折率がこのように設定されている場合、光利用効率を十分に改善できる。
図示された具体例において、第1光学シート60は、一次光LAを吸収して一次光LAと異なる波長の二次光LBを放出する波長変換剤65を含んでいる。すなわち、第1光学シート60は、入射光の波長を変換する波長変換シート62として機能する。第1光学シート60は、第1接合層31を介して選択透過シート50に接合している。上述したように、選択透過シート50を透過した多くの光は、第3方向D3に対して大きく傾斜した方向に進む。第1光学シート60内を進む多くの光の進行方向も第3方向D3に対して大きく傾斜した方向となる。図11に示すように、第1光学シート60内を進む多くの光L113の光路長は、第3方向D3に第1光学シート60を透過する光の光路長と比較すると、大幅に長くなる。したがって、光源23から放出された一次光LAが第1光学シート60内の波長変換剤65に入射しやすくなる。これにより、波長変換剤65を高い利用効率で活用して、一次光LAを二次光LBへ効率的に変換できる。このため、波長変換シート62である第1光学シート60の第3方向D3に沿った厚みを薄くして、光学部材30及び表示装置10を薄型化できる。
二次光LBの進行方向は、種々の方向となり、波長変換剤65で変換される前の一次光LAの進行方向に大きな影響を受けない。したがって、第1光学シート60へ入射する光の進行方向が第3方向D3に対してなす角度と比較して、第1光学シート60から出射した光の進行方向が第3方向D3に対してなす角度平均値は、小さくなる。これにより、第1光学シート60を透過した光が第1光学シート60より観察者側に位置する他の構成要素に入射する際の反射率は低下し得る。この点から、波長変換シート62である第1光学シート60へ入射するまでに生じる迷光の抑制が、光利用効率の改善に極めて重要と言える。すなわち、波長変換シート62である第1光学シート60を第1接合層31によって選択透過シート50に接合することは、光利用効率の改善の観点から極めて有用である。
ところで、選択透過シートおよび波長変換シートを組合せた従来の面光源装置では、色ずれの不具合が生じていた。色ずれは、表示装置10によって表示される画像の色や面光源装置20の発光色が本来期待した色とは異なる色となる現象である。この不具合の原因について本件発明者が検討を重ねたところ、波長変換シートの変換効率が意図せず高くなっていたことが一要因となっていた。色は、一次光LA及び二次光LBの加法混色によって決まる。すなわち、色は、一次光LA及び二次光LBの混合割合に依存する。選択透過シートと波長変換シートとを組合せた場合、上述のように、波長変換シート内での光の進行方向が第3方向D3に対して大きく傾斜し、波長変換剤の変換効率が向上する。この点を考慮して、波長変換シート62の厚みや波長変換剤65の含有量を低減することにより、色ずれを抑制できる。
図示された具体例において、第2接合層32が第1光学シート60と接合し、第2光学シート70が第2接合層32と接合している。すなわち、第2接合層32が、第3方向D3において、第1光学シート60及び第2光学シート70を互いに接合している。さらに言い換えると、第3方向D3において、第1光学シート60及び第2光学シート70の間に空気層が介在していない。したがって、第1光学シート60及び第2光学シート70の間に、大きな屈折率差を有する界面が存在しない。すなわち、第1光学シート60から第2光学シート70へ進む光の反射量を低減できる。図12に点線で示すように、空気層が存在する場合、図12に点線で示す迷光L124が生じ得る。この迷光L124の発生を抑制して、光利用効率の改善できる。
図12に示された例において、第2光学シート70は、空気層より高い屈折率を有した第2接合層32と界面を形成する。これにより、第2光学シート70の入光側面70aがなす界面での屈折率差は小さくできる。したがって、第2光学シート70への入射角が小さくなり、第2光学シート70の入光側面70aでの反射率を低減できる。これにより、第2光学シート70での反射に起因した迷光の発生を抑制できる。光源23から放出された光の利用効率、すなわち光利用効率を上昇させ得る。
加えて、選択透過シートおよび波長変換シートを組合せた従来の面光源装置では、上述したように色ずれの不具合が生じていた。この不具合の原因について本件発明者が検討を重ねたところ、一次光LA及び二次光LBの波長変換シートからの出射方向の相違が一要因となっていた。
図11に示すように、二次光LBの進行方向は、種々の方向となり、変換される前における一次光LAの進行方向に大きな影響を受けない。一方、一次光LAの進行方向は、選択透過シート50の光学特性に起因して、第3方向D3に対して大きく傾斜する。結果として、第1光学シート60より観察者側に位置する他の構成要素への一次光LAの入射角は、当該構成要素への二次光LBの入射角と比較して、大きくなる。したがって、当該構成要素での一次光LAの反射率は、当該構成要素での二次光LBの反射率より大きくなる。図12に示された例において、第2光学シート70での一次光LAの反射率は、第2光学シート70での二次光LBの反射率より大幅に高くなり得る。このように、一次光LAが選択的に反射されることにより、一次光LAの光量と二次光LBの光量とのバランスが崩れ、色ずれ発生の一要因となっていた。
一方、上述した具体例によれば、波長変換シート62である第1光学シート60の出光側に、第2接合層32が設けられている。第2接合層32を設けることによって、第2光学シート70の入光側面70aでの一次光LAの反射を抑制できる。すなわち、第2接合層32を設けることによって、光利用効率の改善だけでなく、色ずれの抑制も可能となる。
なお、第1光学シート60が波長変換シート62である上述の具体例において、第2接合層32の設置による光利用効率改善は、主として、第1光学シート60から出射する光のうちの一次光LAに対して及ぼされる。一方、第1接合層31の設置による光利用効率改善は、選択透過シート50から出射する光の全部に対して及ぼされる。したがって、後述のシミュレーションでも実証されているように、第1接合層31の設置による光利用効率の上昇量は、第2接合層32の設置による光利用効率の上昇量よりも大きくなる。
第2接合層32の屈折率は、第1接合層31と同様に設定され得る。すなわち、第2接合層32の屈折率は、第1光学シート60から第2光学シート70へと進む光の第2光学シート70での反射抑制を考慮して、決定され得る。第2接合層32の屈折率と第2光学シート70の入光側面70aを構成する層の屈折率との差は、0以上0.3以下でもよく、0以上0.2以下でもよい。第2接合層32の屈折率と第1光学シート60の出光側面60bを構成する層の屈折率との差は、0以上0.3以下でもよく、0以上0.2以下でもよい。第2接合層32の屈折率は、1.3以上1.8以下でもよく、1.4以上1.7以下でもよい。第2接合層32の屈折率が以上のように設定されることによって、光利用効率を十分に改善できる。
図示された具体例において、第2光学シート70は、第2接合層32と接合したシート状の第2本体部72と、第2接合層32から離れるように第2本体部72から突出した第2単位光学要素75と、を含んでいる。図12に示すように、第2光学シート70は、入射光の進行方向が第3方向D3に対してなす角度を小さくするように、入射光の進行方向を調節可能である。したがって、第2光学シート70を透過した光が第2光学シート70より観察者側に位置する他の構成要素に入射する際の反射率は低下し得る。この点から、第2光学シート70の入光側面70aでの反射率低減が重要であり、第2光学シート70を第2接合層32によって第1光学シート60に接合することは、光利用効率の改善の観点から有用である。
図示された具体例において、光源23から放出される一次光LAは青色光でもよい。一次光LAの波長は、430nm以上500nm以下でもよい。一次光LAの波長は、二次光LBの波長より短くてよい。界面での屈折率差は、波長が短い光に対して、より大きくなる。したがって、第1光学シート60や第2光学シート70へ入射する光の波長が短い程、従来の光利用効率低下の不具合が顕著となる。したがって、光学シートへの入射光の波長が短い場合、本実施の形態による光利用効率の改善機能はより有用となる。
ここで、本件発明者が実施したシミュレーション結果について説明する。シミュレーションの対象は、サンプル1~13に係る面光源装置とした。シミュレーションは、Synopsys社製のLightToolsによる光線追跡シミュレーションである。
サンプル1~13に係る面光源装置20は、図2に示すように、光源23と、光源23及び反射層27を含む光源基板22と、光源基板22と第3方向D3に対面して配置された光学部材30と、光学部材30と第3方向D3に重ねられた第3光学シート80及び反射型偏光板85と、を含むようにした。サンプル1~7において、光源23は、発光ダイオードを支持基板25上に一つ配置した。発光ダイオードから放出される光は、波長が450nmである青色光とした。サンプル1~7において、反射層27での反射は、反射率95%の拡散反射とした。第3光学シート80は、米国3M社から入手可能な「BEF」(登録商標)シリーズの「BEF4-GM-95」とした。第2単位光学要素75の配列方向が第2方向D2と一致するように、第3光学シート80を位置決めした。反射型偏光板85は、米国3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)とした。
サンプル8~13に係る面光源装置20は、図1~図13に示された光学部材30を含むようにした。サンプル8~13において、光学部材30は、光拡散部40、選択透過シート50、第1接合層31、第1光学シート60、第2接合層32及び第2光学シート70を、光源側からこの順番で含むようにした。選択透過シート50の光学特性は、図9及び図10に示された光学特性とした。第1光学シート60は、波長変換シート62とした。第1光学シート60は、母材部64と、母材部64内に分散した波長変換剤65と、を含んでいた。波長変換剤65は、光源23からの青色光を吸収して緑色光を放出する第1波長変換剤65Aと、光源23からの青色光を吸収して赤色光を放出する第2波長変換剤65Bと、を含んでいた。第2光学シート70は、米国3M社から入手可能な「BEF」(登録商標)とした。第2単位光学要素75の配列方向が第1方向D1と一致するように、第2光学シート70を位置決めした。
選択透過シート50の出光側面50bを形成する保護層56の屈折率は1.58であった。波長変換シート62である第1光学シート60の母材部64の屈折率は1.58であった。第2光学シート70の入光側面70aを形成する第2本体部72の屈折率は1.58あった。サンプル8~13の間で、第1接合層31の屈折率および第2接合層32の屈折率を変更した。サンプル8~13は、第1接合層31の屈折率および第2接合層32の屈折率以外において、同一の構成を有していた。表1の「屈折率n1」の欄に第1接合層31の屈折率を示す。表1の「屈折率n2」の欄に第2接合層32の屈折率を示す。
サンプル1は、光学部材30が第1接合層31及び第2接合層32を含んでいない点のみにおいて、サンプル8~13と異なっていた。サンプル1は、第1接合層31及び第2接合層32の代わりに、屈折率が1である空気層を含んでいた。サンプル1は、第1接合層31及び第2接合層32を含んでいない点以外において、サンプル8~13と同一の構成を有していた。サンプル1について、表1の「屈折率n1」の欄および「屈折率n2」の欄に、空気層の屈折率である1.00を記入した。
サンプル2~7は、光学部材30が第2接合層32を含んでいない点のみにおいて、サンプル8~13と異なっていた。サンプル2~7は、第2接合層32の代わりに、屈折率が1である空気層を含んでいた。サンプル2~7は、それぞれ、第2接合層32を含んでいない点以外において、サンプル8~13と同一の構成を有していた。サンプル2~7について、表1の「屈折率n1」の欄に、第1接合層31の屈折率を示す。サンプル2~7について、表1の「屈折率n2」の欄に、空気層の屈折率である1.00を記入した。
つまり、サンプル2は、第2接合層32を含んでいない点のみにおいて、サンプル8と異なっていた。サンプル2は、第2接合層32を含んでいない点以外において、サンプル8と同一の構成を有していた。サンプル2は、サンプル8と同一の第1接合層31を含んでいた。
サンプル3は、第2接合層32を含んでいない点のみにおいて、サンプル9と異なっていた。サンプル3は、第2接合層32を含んでいない点以外において、サンプル9と同一の構成を有していた。サンプル3は、サンプル9と同一の第1接合層31を含んでいた。
サンプル4は、第2接合層32を含んでいない点のみにおいて、サンプル10と異なっていた。サンプル4は、第2接合層32を含んでいない点以外において、サンプル10と同一の構成を有していた。サンプル4は、サンプル10と同一の第1接合層31を含んでいた。
サンプル5は、第2接合層32を含んでいない点のみにおいて、サンプル11と異なっていた。サンプル5は、第2接合層32を含んでいない点以外において、サンプル11と同一の構成を有していた。サンプル5は、サンプル11と同一の第1接合層31を含んでいた。
サンプル6は、第2接合層32を含んでいない点のみにおいて、サンプル12と異なっていた。サンプル6は、第2接合層32を含んでいない点以外において、サンプル12と同一の構成を有していた。サンプル6は、サンプル12と同一の第1接合層31を含んでいた。
サンプル7は、第2接合層32を含んでいない点のみにおいて、サンプル13と異なっていた。サンプル7は、第2接合層32を含んでいない点以外において、サンプル13と同一の構成を有していた。サンプル7は、サンプル13と同一の第1接合層31を含んでいた。
サンプル1~13に係る面光源装置20において、第3方向D3に沿った反射層27の厚みは50μmであった。サンプル1~13に係る面光源装置20において、第3方向D3に沿った光源23の厚みは100μmであった。サンプル1~13に係る面光源装置20において、光源23の光学部材30に対面する面と光学部材30の入光側面30aとの間の第3方向D3に沿った距離は450μmであった。サンプル1~13に係る面光源装置20において、光学部材30の入光側面30aから第1光学シート60の出光側面60bまでの第3方向D3に沿った合計厚みは500μmであった。
<評価1:利用効率>
サンプル1~13について、光学部材30への入射光の光束(ルーメン)に対する光学部材30からの出射光の光束(ルーメン)の割合(%)を計算した。計算結果を、表1の「利用効率」の欄に示す。利用効率の計算結果は、サンプル1と比較して、サンプル2~13において顕著に上昇した。接合層31,32を設けることによって、利用効率が顕著に上昇し得ることが確認された。
また、サンプル1~7の計算結果を比較すると、屈折率n1が0.1上昇する毎に、利用効率が約4%も上昇している。サンプル8~13の計算結果は、同一の屈折率を有したサンプル2~7の計算結果と比較すると、1%上昇した。これらの結果から、第1接合層31を設けることによって、利用効率が顕著に上昇し得ることが確認された。
<評価2:入射角>
サンプル1~13について、第1光学シート60への入射光がピーク輝度を示す方向と、第3方向D3と、によってなされる角度(°)を計算した。サンプル1については、空気層中を第1光学シート60に向けて進む光がピーク輝度を示す方向と、第3方向D3と、によってなされる角度(°)を計算した。サンプル2~13については、第1接合層31中を第1光学シート60に向けて進む光がピーク輝度を示す方向と、第3方向D3と、によってなされる角度(°)を計算した。計算結果を、表1の「ピーク入射角」の欄に示す。ピーク入射角は、サンプル1と比較して、サンプル2~13において顕著に低減した。
上述してきた一実施の形態による光学部材30は、選択透過シート50と、選択透過シート50と接合した接合層31と、接合層31と接合した光学シート60と、をこの順で含む。0°より大きい或る入射角で入射する特定波長の光についての選択透過シート50の透過率が、0°の入射角で入射する特定波長の光についての選択透過シート50の透過率より大きい。一実施の形態による面光源装置20は、この光学部材30と、光学部材30に対面して配置された光源23と、を含む。一実施の形態による表示装置10は、この面光源装置20と、面光源装置20に対面して配置された表示パネルと、を含む。本実施の形態では、光学シート60が接合層31を介して選択透過シート50と接合されている。光学シート60は、空気層より高い屈折率を有した層と界面を形成し得る。したがって、光学シート60への入射角が小さくなり、光学シート60の入光側面60aでの反射率を低減できる。これにより、光学シート60での反射に起因した迷光の発生を抑制できる。結果として、光源23から放出された光の利用効率を顕著に改善できる。
具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述の具体例が一実施の形態を限定しない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施でき、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用い、重複する説明を省略する。
例えば、上述した具体例において、面光源装置20から第3光学シート80を省略してもよい。面光源装置20から反射型偏光板85を省略してもよい。図16に示すように、光学部材30から光拡散部40を省略してもよい。
図17に示すように、光学部材30から第2接合層32を省略してもよい。図17に示された例において、第2光学シート70の第2単位光学要素75及び第2本体部72が第1光学シート60の出光側面60b上に賦型されてもよい。上述したように、第1光学シート60は、波長変換層63、第1バリア層67及び第2バリア層68を含む波長変換シート62でもよい。波長変換シート62の第2バリア層68に、第2光学シート70が接合してもよい。
図18に示すように、光学部材30から第2光学シート70を省略してもよい。さらに、図19に示すように、第2本体部72及び第2単位光学要素75を含む第2光学シート70が、波長変換シート62代えて、第2接合層32を介して選択透過シート50に接合してもよい。図19に示された例において、波長変換シート62からなる第1光学シート60が省略されている。図19に示された光学部材30の更なる変形例として、図20に示すように、波長変換シート62が、第1接合層31を介して、選択透過シート50の入光側面50aに接合してもよい。
図21に示すように、波長変換シート62を構成する第1光学シート60が、上述したように、波長変換層63、第1の樹脂層(第1バリア層67)及び第2の樹脂層(第2バリア層68)を含み、第2バリア層68が凹凸面71を形成してもよい。第1光学シート60の出光側面60bが凹凸面71でもよい。図21に示す例において、第2バリア層68は、第2本体部72及び第2単位光学要素75を含んでいる。第2本体部72が波長変換層63に接合してもよい。
図22に示すように、光学部材30が、光源23からの順で、光学シート60、接合層31及び選択透過シート50を含んでもよい。図22に示された例において、光学シート60は、波長変換シート62である。波長変換シート62は、上述した母材部64及び波長変換剤65を含む波長変換層63を含んでいる。波長変換シート62は、波長変換層63に加えて、第1バリア層67及び第2バリア層68の一以上を含んでもよい。
図22に示された例においても、空気層を介すことなく、光学シート60から選択透過シート50へと光が進むことができる。空気層に代えて接合層31を通過することによって、光学シート60及び選択透過シート50での表面反射を抑制できる。これにより、迷光の発生を抑制して、光源23から放出された光の利用効率を改善できる。
また、波長変換シート62の波長変換剤65から放出される二次光LBの進行方向は、種々の方向となり、波長変換剤65で変換される前の一次光LAの進行方向に大きな影響を受けない。したがって、波長変換シート62は、二次光LBを放出することによって、選択透過シート50への入射光を拡散させる。選択透過シート50へ入射する二次光LBは、少なくとも一定の割合で選択透過シート50を透過する。すなわち、選択透過シート50の入光側に波長変換シート62を配置することによって、選択透過シート50での反射率を低減できる。これにより、面光源装置20内における反射損失を低減して、光源23から放出された光の利用効率を改善できる。
図22に関連した変形例として、図23に示すように、光学部材30から光拡散部40を省いてもよい。図23に示された光学部材30は、波長変換シート62としての光学シート60、接合層31及び選択透過シート50のみを含む。
図24に示すように、光学部材30は、波長変換シート62に第2接合層32を介して接合した光拡散部(光学シート)40を含んでもよい。光拡散部40は、本体部42及び単位光学要素45を含んでもよい。光拡散部40によって、光学部材30の入光側面30aが凹凸面41として構成されてもよい。図24に示すように、光学部材30は、選択透過シート50に接合した第2光学シート70を含んでもよい。第2光学シート70は、第2本体部72及び第2単位光学要素75を含んでもよい。第2光学シート70によって、光学部材30の出光側面30bが凹凸面71として構成されてもよい。